(遊技機の概要)
図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態に係る遊技機の概要を説明する。
図1において、遊技機1は、例えば遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたパチンコ遊技機である。この遊技機1は、遊技球が打ち出される遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材5とを備えている。枠部材5は、軸支側に設けられた蝶番を中心に、遊技機1の主部に対して開閉可能に構成され、遊技盤2に対して着脱自在に取り付けられている。そして、枠部材5の前面側となる所定位置(例えば、軸支側とは反対側となる端部)には錠部43が設けられており、錠部43を開錠することによって枠部材5を開くことが可能となる。
遊技盤2は、その前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域20が形成されている。遊技領域20には、下方(発射装置211;図4参照)から発射された遊技球が遊技盤2の主面に沿って上昇して遊技領域20の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材(図示せず)と、上昇した遊技球を遊技領域20の右側に案内する案内部材(図示せず)とを備えている。
また、遊技盤2には、遊技者により視認され易い位置に、各種演出のための画像を表示する画像表示器21が配設されている。画像表示器21は、遊技者によるゲームの進行に応じて、例えば、装飾図柄を表示することによって図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による予告演出を表示したりする。なお、画像表示器21は、液晶表示装置、EL(Electro Luminescence:電界発光)表示装置、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)ドット表示装置、および7セグメントディスプレイ(以下、7セグ表示装置と記載する)等によって構成されるが、他の任意の表示装置を利用してもよい。さらに、遊技盤2の前面には、各種の演出に用いられる可動役物22および盤ランプ23が設けられている。可動役物22は、遊技盤2に対して可動に構成され、遊技者によるゲームの進行に応じて所定の動作で移動させることによって各種の演出を行う。また、盤ランプ23は、遊技者によるゲームの進行に応じて発光することによって光による各種の演出を行う。
遊技領域20には、遊技球が下方へ落下する方向を変化させる遊技くぎおよび風車(共に、図示せず)等が配設されている。また、遊技領域20には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。なお、図1においては、入賞や抽選に関する種々の役物の一例として、始動口25、ゲート27、大入賞口28、および普通入賞口29が遊技盤2に配設されている。さらに、遊技領域20には、遊技領域20に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかった遊技球を、遊技領域20の外に排出する排出口24が配設されている。
始動口25は、遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する。始動口25は、予め定められた特別電動役物(大入賞口28)および/または予め定められた特別図柄表示器(例えば、後述する特別図柄表示器31)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。ゲート27は、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する。
始動口25は、普通電動役物の一例として、遊技球の入口近傍に電動チューリップ26を備えている。電動チューリップ26は、チューリップの花を模した一対の羽根部を有しており、後述する電動チューリップ開閉部112(例えば、電動ソレノイド)の駆動によって当該一対の羽根部が左右に開閉し、開閉動作と共に点灯または点滅する。電動チューリップ26は、一対の羽根部が閉じていると、始動口25の入口へ案内される開口幅が相対的に狭いため、遊技球が始動口25へ入り難い。一方、電動チューリップ26は、一対の羽根部が左右に開くと、始動口25の入口へ案内される開口幅が拡大するため、遊技球が始動口25へ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ26は、ゲート27を遊技球が通過することによって普通図柄抽選に当選すると、点灯または点滅しながら一対の羽根部が規定時間(例えば、6秒間)開き、規定回数(例えば、3回)だけ開閉する。
大入賞口28は、始動口25の下方に位置し、特別図柄抽選の結果に応じて開放する。大入賞口28は、通常は閉状態であり遊技球が入ることがない状態となっているが、特別図柄抽選の結果に応じて遊技盤2の主面から突出傾斜して開状態となって遊技球が入り易い状態となる。例えば、大入賞口28は、所定条件(例えば、30秒経過または遊技球10個の入賞や開放累積時間が1.8秒以内)を満たすまで開状態が維持されるラウンドを、所定回数(例えば、15回または2回)だけ繰り返す。また、普通入賞口29は、遊技球が入賞しても抽選が始動しない。
また、遊技盤2の所定位置(例えば、右下)に、上述した特別図柄抽選や普通図柄抽選の結果や保留数に関する表示を行う表示器3が配設されている。表示器3の詳細については、後述する。
なお、図1に示した遊技機1は、遊技領域20に1つの始動口25が配設されているが、遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選が開始される始動口を複数設けてもかまわない。また、遊技機1は、遊技領域20に1つの大入賞口28が配設されているが、大入賞口28と同様の機能を有する大入賞口を複数設けてもかまわない。
また、後述により明らかとなるが、遊技機1は、所定の条件下で、特別図柄抽選時に大当たりが抽選される大当たり確率が変動することがある。例えば、遊技機1は、上記大当たり確率が相対的に低い状態(低確状態;例えば大当たり確率が300分の1)から上記大当たり確率が相対的に高い状態(高確状態;例えば大当たり確率が30分の1)へ変動することがある。また、遊技機1は、所定の条件下で、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間が短縮されたり、普通図柄抽選時の当選する確率が高まったり、普通図柄抽選時の普通図柄変動時間が短縮されたり、電動チューリップ26の羽根部の開時間が延長されたり、電動チューリップ26の羽根部が開閉する回数が増えたりする(電チューサポート)場合がある。
ここで、賞球の払い出しについて説明する。始動口25、大入賞口28、および普通入賞口29に遊技球が入る(入賞)と、遊技球が入賞した場所に応じて、1つの遊技球当たり規定個数の賞球が払い出される。例えば、始動口25に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口28に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口29に遊技球が入賞すると10個の賞球がそれぞれ払い出される。なお、ゲート27を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しはない。
遊技機1の前面となる枠部材5には、ハンドル51、レバー52、停止ボタン53、取り出しボタン54、スピーカ55、枠ランプ56、演出ボタン57、演出キー58、皿59、および錠部43等が設けられている。
遊技者がハンドル51に触れてレバー52を時計方向に回転させる操作を行うと、その操作角度に応じた打球力にて所定の時間間隔(例えば、1分間に100個)で、発射装置211(図4参照)が遊技球を電動発射する。皿59(図2参照)は、遊技機1の前方に突出して設けられ、発射装置211に供給する遊技球を一時的に溜めておく。また、皿59には、上述した賞球が払い出される。そして、皿59に溜められた遊技球は、遊技者のレバー52による操作と連動したタイミングで、供給装置(図示せず)によって1つずつ発射装置211に供給される。なお、皿59は、上下皿一体で構成してもいいし、上皿と下皿とを分離して構成してもかまわない。また、ハンドル51は、所定条件下で発光させてもかまわない。
停止ボタン53は、ハンドル51の下部側面に設けられ、ハンドル51に遊技者が触れてレバー52を時計方向に回転させている状態であっても、遊技者に押下されることによって遊技球の発射を一時的に停止させる。取り出しボタン54は、皿59が設けられた位置近傍の前面に設けられ、遊技者に押下されることによって皿59に溜まっている遊技球を箱(図示せず)に落下させる。
スピーカ55および枠ランプ56は、それぞれ遊技機1の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりする。スピーカ55は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行う。また、枠ランプ56は、点灯/点滅によるパターンや発光色の違い等によって光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ56は、光の照射方向を変更可能にして、当該照射方向を変えることによる演出を行ってもかまわない。
次に、図2を参照して、遊技機1に設けられる表示器3について説明する。図2において、表示器3は、特別図柄表示器31、特別図柄保留表示器32、普通図柄表示器33、普通図柄保留表示器34、および遊技状態表示器35を備えている。
特別図柄表示器31は、始動口25に遊技球が入賞することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、特別図柄表示器31は、7セグ表示装置で構成され、始動口25に遊技球が入賞した場合、特別図柄を変動表示してその抽選結果を表示する。普通図柄表示器33は、ゲート27を遊技球が通過することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、普通図柄表示器33は、LED表示装置で構成され、遊技球がゲート27を通過した場合、普通図柄を変動表示してその抽選結果を表示する。
特別図柄保留表示器32は、特別図柄抽選を保留している回数を表示する。普通図柄保留表示器34は、普通図柄抽選を保留している回数を表示する。例えば、特別図柄表示器31または普通図柄表示器33によって表示図柄が変動表示されている期間(入賞1回分の変動表示が行われている間)に、さらに他の遊技球が入賞した場合、その入賞した遊技球に対する表示図柄の変動表示は、先に入賞した遊技球に対する変動表示が終了するまで、規定回数(例えば、4回)を限度に保留される。このような保留がなされていることおよびその保留の数(未抽選回数)が、特別図柄保留表示器32および普通図柄保留表示器34に表示される。例えば、特別図柄保留表示器32および普通図柄保留表示器34は、それぞれ列設されたLED表示装置で構成され、その点灯態様によって保留回数が表示される。
遊技状態表示器35は、遊技機1の電源投入時点における遊技状態を表示する。後述によって明らかとなるが、遊技機1には複数の遊技状態(例えば、通常遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態、潜伏遊技状態)が設定されている。そして、遊技機1の電源投入時点においては、遊技状態表示器35によってその遊技状態が報知される。例えば、遊技状態表示器35は、複数のLED表示装置で構成され、その点灯態様によって遊技状態が表示される。
次に、図3を参照して、遊技機1に設けられる入力装置について説明する。図3において、遊技機1には、入力装置の一例として、演出ボタン57および演出キー58が設けられている。
演出ボタン57および演出キー58は、それぞれ遊技者が演出に対する入力を行うために設けられている。演出ボタン57は、遊技機1の前方に突出した皿59の上面脇部に設けられる。演出キー58は、中央キーと略十字に配列された複数のキーとを有し、演出ボタン57に隣接して皿59の上面脇部に設けられる。例えば、演出キー58は、その中央に1つの中央キーを配置し、中央キーの周囲に略同一形状の4つの周囲キーを配置して構成されている。演出ボタン57および演出キー58は、それぞれ遊技者に押下されることによって所定の演出が行われる。例えば、遊技者は、演出キー58の4つの周囲キーを操作することにより、画像表示器21に表示されている複数の画像のいずれかを選ぶことが可能である。また、遊技者は、演出キー58の中央キーを操作することにより、選んだ画像を情報として入力することが可能である。
また、上記内枠体の背面側には、払出用の遊技球を溜めておく球タンクや遊技球を皿59に払い出す払出装置(払出駆動部311)が設けられ、各種の基板等が取り付けられている。例えば、遊技盤2の後面には、メイン基板およびサブ基板等が配設されている。具体的には、メイン基板には、内部抽選および当選の判定等を行うメイン制御部100が構成されたメイン制御基板、遊技球を遊技領域20の上部へ発射する発射装置211を制御する発射制御部200が構成された発射制御基板、および賞球の払出を制御する払出制御部300が構成された払出制御基板等が配設されている。このメイン基板は、開封されることにより痕跡が残るように透明部材で構成されたメイン基板ケースによって密封されている。また、サブ基板には、演出を統括的に制御する演出制御部400が構成された演出制御基板、画像や音による演出を制御する画像音響制御部500が構成された画像音響制御基板、および各種のランプ(枠ランプ56、盤ランプ23)や可動役物22による演出を制御するランプ制御部600が構成されたランプ制御基板等が配設されている。また、遊技盤2の後面には、遊技機1に供給された100VのAC電源をDC電源に変換して上述した各種の基板等に出力するスイッチング電源が配設されている。
次に、図4を参照して、遊技機1での動作制御や信号処理を行う制御装置について説明する。なお、図4は、遊技機1に設けられた制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4において、遊技機1の制御装置は、メイン制御部100、発射制御部200、払出制御部300、演出制御部400、画像音響制御部500、およびランプ制御部600を備えている。
メイン制御部100は、CPU(Central Processing Unit;中央処理装置)101、ROM(Read Only Memory)102、およびRAM(Random Access Memory)103を備えている。CPU101は、内部抽選および当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM102は、CPU101にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM103は、CPU101の作業用メモリ等として用いられる。以下、メイン制御部100の主な機能について説明する。
メイン制御部100は、始動口25に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、特別図柄抽選での当選か否かを示す判定結果データを演出制御部400に送る。また、メイン制御部100は、特別図柄抽選に応じて決定した当選確率の変動設定(例えば300分の1から30分の1への変動設定)および特別図柄変動時間の短縮設定を示すデータや、普通図柄抽選に応じて決定した普通図柄変動時間の短縮設定を示すデータを、演出制御部400に送る。
メイン制御部100は、電動チューリップ26の羽根部が開状態となる開時間や羽根部が開閉する回数、さらには羽根部が開閉する開閉時間間隔を制御する。また、メイン制御部100は、遊技球が始動口25へ入賞したときの保留回数や、遊技球がゲート27を通過したときの保留回数を管理する。
メイン制御部100は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口28の開閉動作を制御する。例えば、メイン制御部100は、所定条件(例えば、30秒経過または遊技球10個の入賞や開放累積時間が1.8秒以内)を満たすまで、大入賞口28が突出傾斜して開状態を維持するラウンドを所定回数(例えば15回または2回)だけ繰り返すように制御する。また、メイン制御部100は、大入賞口28が開閉する開閉時間間隔を制御する。
メイン制御部100は、始動口25、大入賞口28、および普通入賞口29に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出数を払出制御部300に対して指示する。例えば、メイン制御部100は、始動口25に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口28に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口29に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ払い出すように、払出制御部300に指示命令(コマンド)を送る。なお、メイン制御部100は、ゲート27を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しを払出制御部300に指示しない。払出制御部300がメイン制御部100の指示に応じて賞球の払い出しを行った場合、払出制御部300から払い出した賞球の個数に関する情報がメイン制御部100へ送られる。そして、メイン制御部100は、払出制御部300から取得した情報に基づいて、払い出した賞球の個数を管理する。
メイン制御部100は、発射制御部200を介して、遊技球を発射する発射装置211を制御する。例えば、メイン制御部100は、所定の条件に基づいて、発射装置211が遊技球を発射する動作を許可する信号を、払出制御部300を介して発射制御部200へ送信する。
上述した機能を実現するために、メイン制御部100には、始動口スイッチ111、電動チューリップ開閉部112、ゲートスイッチ113、大入賞口スイッチ114、大入賞口開閉部115、普通入賞口スイッチ116、特別図柄表示器31、特別図柄保留表示器32、普通図柄表示器33、普通図柄保留表示器34、および遊技状態表示器35が接続されている。
始動口スイッチ111は、始動口25へ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。電動チューリップ開閉部112は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、電動チューリップ26の一対の羽根部を開閉する。ゲートスイッチ113は、ゲート27を遊技球が通過したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口スイッチ114は、大入賞口28へ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口開閉部115は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、大入賞口28を開閉する。普通入賞口スイッチ116は、普通入賞口29へ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。
また、メイン制御部100は、始動口25への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を、特別図柄表示器31に表示する。メイン制御部100は、始動口25への遊技球の入賞に応じて抽選を保留にしている保留回数を、特別図柄保留表示器32に表示する。メイン制御部100は、ゲート27への遊技球の通過により始動した普通図柄抽選の結果を、普通図柄表示器33に表示する。そして、メイン制御部100は、ゲート27への遊技球の通過に応じて抽選を保留にしている保留回数を、普通図柄保留表示器34に表示する。
さらに、メイン制御部100は、遊技機1を設置している店(ホール)に設けられたホストコンピュータに対して、各種の情報を送信する。そして、メイン制御部100は、払出制御部300から取得した払い出した賞球数に関する情報やメイン制御部100の状態等を示す情報を、上記ホストコンピュータに送信する。
発射制御部200は、CPU201、ROM202、およびRAM203を備えている。CPU201は、発射装置211に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM202は、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM203は、CPU201の作業用メモリ等として用いられる。
レバー52は、その位置が中立位置にある場合、信号を出力せずに発射停止状態となる。そして、レバー52は、時計方向に回転操作されると、その回転角度に応じた信号を打球発射指令信号として発射制御部200に出力する。発射制御部200は、打球発射指令信号に基づいて、発射装置211の発射動作を制御する。例えば、発射制御部200は、レバー52の回転角度が増すほど、遊技球が発射される速度が速くなるように、発射装置211の動作を制御する。また、発射制御部200は、メイン制御部100から発射を許可する信号を受信することによって、発射装置211の発射動作が可能となる。一方、発射制御部200は、停止ボタン53が押下された信号が出力されたり、メイン制御部100から発射を停止する制御信号が出力されたりした場合、発射装置211が遊技球を発射する動作を停止させる。
払出制御部300は、CPU301、ROM302、およびRAM303を備えている。CPU301は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行う。ROM302は、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM303は、CPU301の作業用メモリ等として用いられる。そして、払出制御部300は、メイン制御部100から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部300は、メイン制御部100から、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部311を制御する。ここで、払出駆動部311は、遊技球の貯留部(球タンク)から遊技球を送り出す駆動モータ等で構成される。
また、払出制御部300には、上記ホストコンピュータに対して各種の情報を送信する。例えば、払出制御部300は、払出駆動部311に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や実際に払い出された賞球数に関する情報等を、ホストコンピュータに送信する。また、払出制御部300は、メイン制御部100に対しても、同様の情報を送信する。
演出制御部400は、CPU(演出制御CPU)401、ROM402、RAM403、およびRTC(リアルタイムクロック)404を備えている。また、演出制御部400には、演出ボタン57および演出キー58が接続されている。CPU401は、演出を制御する際の演算処理を行う。ROM402は、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM403は、CPU401の作業用メモリ等として用いられる。RTC404は、現時点の日時を計測する。
演出制御部400は、メイン制御部100から送られる特別図柄抽選結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出制御部400は、遊技者によって演出ボタン57または演出キー58が押下操作された場合、当該操作入力に応じて演出内容を設定する場合もある。また、演出制御部400は、遊技機1に対する遊技が所定期間以上中断された場合、演出の1つとして客待ち用の演出を設定する。さらに、メイン制御部100が、特別図柄抽選時の当選確率を変動させたことを示すデータを出力した場合、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間を短縮させたことを示すデータを出力した場合、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間を短縮させたことを示すデータを出力した場合、演出制御部400は、それぞれ出力されたデータが示す内容に対応させて、演出内容を設定する。そして、演出制御部400は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像音響制御部500およびランプ制御部600にそれぞれ送る。
画像音響制御部500は、CPU(画像音響制御CPU)501、ROM502、およびRAM503を備えている。CPU501は、演出内容を表現する画像を制御する際の演算処理を行う。ROM502は、CPU501にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM503は、CPU501の作業用メモリ等として用いられる。
画像音響制御部500は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、画像表示部21に表示する画像およびスピーカ55から出力する音響を制御する。具体的には、画像音響制御部500のROM502には、画像表示部21において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。また、画像音響制御部500のROM502には、画像表示部21に表示される画像と同期させて、または表示される画像とは独立に、スピーカ55から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等の各種音響データが記憶されている。画像音響制御部500のCPU501は、ROM502に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU501は、読み出した画像データを用いて、背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理を行う。また、CPU501は、読み出した音響データを用いて音声処理を行う。そして、CPU501は、画像処理された画像データが示す画像を画像表示器21に表示する。また、CPU501は、音声処理された音響データが示す音響をスピーカ55から出力する。
ランプ制御部600は、CPU601、ROM602、およびRAM603を備えている。CPU601は、盤ランプ23や枠ランプ56の発光、および可動役物22の動作を制御する際の演算処理を行う。ROM602は、CPU601にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM603は、CPU601の作業用メモリ等として用いられる。
ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ23や枠ランプ56の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、可動役物22の動作を制御する。具体的には、ランプ制御部600のROM602には、演出制御部400にて設定される演出内容に応じた盤ランプ23や枠ランプ56での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU601は、ROM602に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した発光パターンデータに基づいて、盤ランプ23や枠ランプ56の発光を制御する。また、ROM602には、演出制御部400にて設定される演出内容に応じた可動役物22の動作パターンデータが記憶されている。CPU601は、ROM602に記憶された動作パターンデータの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した動作パターンデータに基づいて、可動役物22の動作を制御する。
(ランプ制御)
次に、遊技機1におけるランプ制御の詳細について説明する。
図5は、枠ランプ56の発光制御に関連する遊技機1の構成要素を示す図である。なお、ここでは枠ランプ56の発光制御について説明するが、本発明は、盤ランプ23など、他の任意のランプの発光制御にも同様に適用できる。
ランプ制御部600のCPU601は、デコーダ/セレクタ71およびインバータ70を介して、枠ランプ56を調光する。
インバータ70は、調光端子に与えられる電圧(アナログ電圧入力)に応じた発光レベル(すなわち輝度)で枠ランプ56を点灯させる調光機能を有している。インバータ70としては、このような調光機能を有する公知の任意のインバータを利用することができる。なお、インバータ70の代わりに、調光端子に与えられる電流(アナログ電流入力)に応じた発光レベルで枠ランプ56を点灯させる調光機能を有するインバータを利用しても構わない。
デコーダ/セレクタ71は、インバータ70、CPU601、および抵抗値の異なる複数(ここでは6個)の抵抗器72A〜72Fに接続されている。各抵抗器72A〜72Fの一方端はデコーダ/セレクタ71に接続されており、他方端は接地されている。
デコーダ/セレクタ71は、その内部に、CPU601から出力されるデジタルデータ(調光データ)を格納するためのレジスタ(図示しない)を有している。
CPU601は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて枠ランプ56の発光レベルを決定し、当該決定した発光レベルに対応する調光データを生成してデコーダ/セレクタ71のレジスタに書き込む。具体的には、CPU601は、データ出力線(DATA)に調光データを出力するとともに、チップセレクト信号(CE)でデコーダ/セレクタ71を選択し、さらに書き込み信号(WRITE)によって書き込みの指示を行うことによって、デコーダ/セレクタ71のレジスタに調光データを書き込む。
CPU601が、枠ランプ56の発光レベルを示す調光データを当該レジスタに書き込むと、デコーダ/セレクタ71は、当該レジスタに書き込まれた調光データに基づいて、抵抗器72A〜72Fの中から当該調光データに対応する抵抗器を選択し、当該選択された抵抗器をインバータ70の調光端子と接続する。なお、インバータ70の調光端子と抵抗器72A〜72Fの間を結ぶ導線には、別の抵抗器を介して電源が接続されている。したがって、デコーダ/セレクタ71によって選択された抵抗器の抵抗値に応じて、インバータ70の調光端子に与えられる電圧が変化する。
なお、抵抗器72A〜72Fのうち、デコーダ/セレクタ71によってインバータ70の調光端子に同時に接続される抵抗器の個数は、1つだけであってもよいし、2つ以上の抵抗器を並列的に接続するようにしてもよい。
図6は、枠ランプ56の発光レベルと、CPU601によってデコーダ/セレクタ71のレジスタに書き込まれる調光データと、デコーダ/セレクタ71において選択される抵抗器との対応関係の一例を示す図である。デコーダ/セレクタ71は、このように、CPU601によってデコーダ/セレクタ71のレジスタに書き込まれる調光データと、デコーダ/セレクタ71において選択される抵抗器との対応関係を示したテーブルにしたがって、抵抗器72A〜72Fの中から調光データに対応する抵抗器を選択するようにしてもよい。
なお、枠ランプ56の発光レベルの調整の一つの応用例として、遊技機1の周囲の明るさに応じて枠ランプ56の発光レベルを変化させるようにしてもよい。この場合、図7に示すように、遊技機1の周囲の明るさを検出するための光センサ73を遊技機1に設けておき、当該光センサ73によって検出された周囲の明るさに基づいて、CPU601が現在の遊技機1の周囲の明るさに適した調光データをデコーダ/セレクタ71のレジスタに書き込むようにすればよい。これにより例えば、遊技機1の周囲(すなわち遊技機1が設置されているホール内)が比較的明るい場合には枠ランプ56の発光レベルを上げ、遊技機1の周囲が比較的暗い場合には枠ランプ56の発光レベルを下げるといったことが可能となり、見た目の向上と消費電力の低減に有効である。
以上のように、本実施形態によれば、枠ランプ56や盤ランプ23の発光レベルを段階的に変化させることができるので、ランプを利用したより多彩な演出が可能となる。
また、本実施形態によれば、インバータ70の調光端子にアナログ電圧(またはアナログ電流)を入力することができるので、デジタル入力に対応していないインバータを有効に利用することができる。
また、本実施形態によれば、CPU601は、枠ランプ56の発光レベルを現在の発光レベルから所望の発光レベルに変えたい場合に、所望の発光レベルに対応する調光データをデコーダ/セレクタ71のレジスタに書き込むという極めて簡単な処理によって、枠ランプ56の発光レベルを所望のレベルに変えることができる。したがって、ランプの調光に関連したCPU601の処理負担を軽減することができる。