以下に添付図面を参照して、この発明にかかる、ぱちんこ遊技機の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態)
(ぱちんこ遊技機の基本構成)
まず、この発明の実施の形態1にかかるぱちんこ遊技機の基本構成について説明する。図1は、ぱちんこ遊技機の一例を示す正面図である。図1に示すように、ぱちんこ遊技機100は、遊技盤101を備えている。遊技盤101の下部位置には、発射部が配置されている。発射部の駆動によって発射された遊技球は、レール102a,102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技領域103内を落下する。
遊技領域103には、複数の釘(不図示)が設けられており、この釘によって遊技球は不特定な方向に向けて落下する。また、遊技領域103において遊技球の落下途中となる位置には、遊技球の落下方向を変化させる風車や各種入賞口(始動口や大入賞口など)が配設されている。
遊技盤101の中央部分には、画像表示部104が配置されている。画像表示部104としては液晶表示器などが用いられる。画像表示部104の下方には、第1始動口105と、第2始動口106とが配設されている。第1始動口105、第2始動口106は、始動入賞させるための入賞口である。第2始動口106の近傍には、電動役物としての電動チューリップ107が設けられている。電動チューリップ107は、遊技球を第2始動口106へ入賞しにくくさせる閉状態(閉口された状態)と、閉状態よりも入賞し易くさせる開状態(開口された状態)とを有する。
電動チューリップ107は、画像表示部104の左側に配設されたゲート108を遊技球が通過したことによりおこなわれる普通図柄抽選の抽選結果に基づいて開放される。第2始動口106の下方には、大入賞口109が設けられている。大入賞口109は、大当たり遊技状態となったときに開放され、遊技球の入賞により所定個数(例えば15個)の賞球を払い出すための入賞口である。なお、各始動口105,106、電動チューリップ107、ゲート108および大入賞口109は、図示した位置に限らず、遊技領域103内の任意の位置に配設してもよい。
画像表示部104の側部や下方などには普通入賞口110が配設されている。普通入賞口110は、遊技球の入賞により所定個数(例えば10個)の賞球を払い出すための入賞口である。遊技領域103の最下部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収する回収口111が設けられている。
遊技盤101の右下部分には、特別図柄が表示される特別図柄表示部112が配置されている。特別図柄表示部112は、第1特別図柄(以下「特図1」という)が表示される特図1表示部と、第2特別図柄(以下「特図2」という)が表示される特図2表示部とを有する。特図1は、第1始動口105へ入賞した遊技球に対しておこなわれる当たり判定の判定結果を示すものである。特図2は、第2始動口106へ入賞した遊技球に対しておこなう当たり判定の判定結果を示すものである。
また、遊技盤101の右下部分には、普通図柄が表示される普通図柄表示部113が配置されている。普通図柄は、普通図柄抽選の抽選結果を示すものである。普通図柄抽選は、上述のように電動チューリップ107を開状態(長開放または短開放)とするか否かの抽選である。例えば、特別図柄表示部112および普通図柄表示部113としては7セグメントディスプレイが用いられる。
特別図柄表示部112および普通図柄表示部113の左側には、特別図柄または普通図柄に対する保留記憶情報の数(以下「保留数」という)を表示する保留球表示部114が配置されている。保留記憶情報は、特別図柄または普通図柄の変動中に入賞した遊技球を保留状態として保持したものである。保留球表示部114としては、例えばLED(Light Emitting Diode)が用いられる。この保留球表示部114としてのLEDは複数配置され、点灯/消灯によって保留数を表す。なお、保留球の告知は、画像表示部104における表示によってもおこなわれる。
遊技盤101の遊技領域103の外周部分には、枠部材115が設けられている。枠部材115において遊技領域103の上側および下側となる2辺には、演出ライト部116が設けられている。演出ライト部116は、それぞれ複数のランプを有する。各ランプは、例えば大当たり時になどに、ぱちんこ遊技機100の正面にいる遊技者を照射し、その照射位置が遊技者の頭上から腹部に沿って移動するように、光の照射方向を上下方向に変更可能になっている。
また、枠部材115において遊技領域103の右側および左側には、複数の枠ランプ160が設けられている。枠ランプ160は、画像表示部104による変動演出に対応して点灯し、演出を盛り上げるものである。
枠部材115の下部位置には、操作ハンドル117が配置されている。操作ハンドル117は、上記の発射部を駆動させて遊技球を発射させる発射指示部材118を備えている。発射指示部材118は、操作ハンドル117の外周部において、遊技者から見て右回りに回転可能に設けられている。発射部は、発射指示部材118が遊技者によって直接操作されている場合に、遊技球を発射させる。
枠部材115において、遊技領域103の下側となる辺には、遊技者による操作を受け付ける演出ボタン119が設けられている。また、枠部材115において、演出ボタン119の隣には、十字キー120が設けられている。枠部材115には、音声を出力するスピーカが組み込まれている。
画像表示部104の前面には、ギミック130が配置されている。図1においては、特定の演出時にギミック130が画像表示部104の前面に進出した状態を示している。ギミック130にはギミックランプ131が設けられ、ギミック130が画像表示部104の前面に進出した状態ではギミックランプ131が発光するようになっている。
ギミック130は、演出をおこなわない場合、画像表示部104の側部に設けられた収容スペース132に退避し、遊技者からは視認できないようになる。収容スペース132には、装飾ランプ133が設けられ、所定の演出時に点灯したり点滅したりする。また、収容スペース132には、動画にて遊技者の瞳孔を検出するカメラ150が設けられている。このカメラ150は、本発明の検出手段に相当する。
(ぱちんこ遊技機の制御部の内部構成)
次に、図2−1を用いて、ぱちんこ遊技機100の制御部の内部構成について説明する。図2−1は、ぱちんこ遊技機100の制御部の内部構成を示すブロック図である。図2−1に示すように、ぱちんこ遊技機100の制御部200は、遊技の進行を制御する主制御部201と、演出内容を制御する演出制御部202と、賞球の払い出しを制御する賞球制御部203とを備えている。以下にそれぞれの制御部の構成について詳細に説明する。
(1.主制御部)
主制御部201は、CPU(Central Processing Unit)211と、ROM(Read Only Memory)212と、RAM(Random Access Memory)213と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。
主制御部201は、CPU211がRAM213をワークエリアとして使用しながら、ROM212に記憶された各種プログラムを実行することによって、ぱちんこ遊技機100の遊技の進行を制御するように機能する。具体的には、主制御部201は、当たり抽選や普通図柄抽選などのほか、遊技状態の設定などをおこない、遊技の進行を制御する。主制御部201は、主制御基板によって実現される。
CPU211は、予めROM212に記憶された各種プログラムに基づき、遊技内容の進行に伴う基本処理を実行する。ROM212には、保留記憶プログラム、当たり判定プログラム、当たり図柄判定プログラム、変動パターン選択プログラム、特図変動プログラム、事前判定プログラム、大入賞口制御プログラム、遊技状態設定プログラムなどが記憶されている。
保留記憶プログラムは、特別図柄の変動中に第1始動口SW221によって検出された遊技球を特1保留記憶情報として記憶するとともに、特別図柄の変動中に第2始動口SW222によって検出された遊技球を特2保留記憶情報として記憶するプログラムである。当たり判定プログラムは、特1保留記憶情報および特2保留記憶情報に対する当たりの判定をおこなうプログラムである。
当たり図柄判定プログラムは、当たりの内容に相当する当たり図柄を判定するプログラムである。大当たり図柄には、例えば、ラウンド数が多く獲得出玉が多く見込める長当たり図柄や、長当たりに比べてラウンド数が少なく獲得出球が少ない短当たり図柄などがある。なお、特2保留記憶情報に対する当たり図柄判定は、特1保留記憶情報に対する当たり図柄判定よりも、遊技者にとって有利な当たり(長当たり)図柄に当選し易くなっている。
変動パターン選択プログラムは、当たり判定や当たり図柄判定の判定結果を特別図柄として変動させる際の変動パターンを選択するプログラムである。特図変動プログラムは、選択された変動パターンを用いて特別図柄を変動させるプログラムである。特1保留記憶情報に対する当たり判定および当たり図柄判定の判定結果は、特図1表示部112aの特図1として変動停止される一方、特2保留記憶情報に対する当たり判定および当たり図柄判定の判定結果は、特図2表示部112bの特図2として変動停止される。特2保留記憶情報に対する特別図柄の変動は、特1保留記憶情報よりも優先しておこなわれるようになっている。
事前判定プログラムは、記憶されている保留記憶情報に対して、当たり判定をおこなうプログラムである。大入賞口制御プログラムは、当たり時に、短当たりまたは長当たりに応じた所定の開放時間(例えば30秒)を1ラウンドとして、長当たり時には15ラウンド、短当たり時には5ラウンド、大入賞口109を間欠的に開放させるプログラムである。
遊技状態設定プログラムは、当たり図柄に応じて、当たり終了後の遊技状態を、低確率遊技状態または高確率遊技状態に設定するとともに、電チューサポートを付加する時短付き遊技状態または電チューサポートを付加しない時短無し遊技状態を設定するプログラムである。電チューサポートは、普通図柄の変動時間を短くするとともに、電動チューリップ107の開放時間を長くする機能である。また、低確率遊技状態は、大当たりに当選しにくい遊技状態である。高確率遊技状態は、低確率遊技状態に比べて、10倍程度大当たりに当選し易くなっている。
主制御部201には、遊技球を検出する各種スイッチ(SW)、大入賞口109などの電動役物を開閉動作させるためのソレノイド、上記の特図1表示部112a、特図2表示部112b、普通図柄表示部113、保留球表示部114などが接続される。
具体的に、上記の各種SWとしては、第1始動口105へ入賞した遊技球を検出する第1始動口SW221と、第2始動口106へ入賞した遊技球を検出する第2始動口SW222と、ゲート108を通過した遊技球を検出するゲートSW223と、大入賞口109へ入賞した遊技球を検出する大入賞口SW224と、普通入賞口110へ入賞した遊技球を検出する普通入賞口SW225とが主制御部201に接続される。
それぞれのSW(221〜225)によって検出された検出結果は主制御部201へ入力される。これらのSWには、近接スイッチなどが用いられる。なお、普通入賞口SW225は、普通入賞口110の配置位置別に複数個設けてもよい。
また、上記のソレノイドとしては、電動チューリップ107を開閉動作させる電動チューリップソレノイド231と、大入賞口109を開閉動作させる大入賞口ソレノイド232とが主制御部201に接続される。主制御部201は、それぞれのソレノイド(231,232)に対する駆動を制御する。
さらに、主制御部201は、演出制御部202および賞球制御部203にも接続され、それぞれの制御部に対して各種コマンドを出力する。例えば、主制御部201は、賞球制御部203に対して賞球コマンドを出力する。
(2.演出制御部)
演出制御部202は、演出統括部202aと、画像・音声制御部202bと、ランプ制御部202cとによって構成され、ぱちんこ遊技機100の演出内容を制御する機能を有する。演出統括部202aは、主制御部201から受信した各種コマンドに基づいて演出制御部202全体を統括する機能を有している。画像・音声制御部202bは、演出統括部202aからの指示内容に基づいて画像および音声の制御をおこなう機能を有している。また、ランプ制御部202cは、遊技盤101および枠部材115などに設けられたランプの点灯を制御する機能を有している。
(2−1.演出統括部)
まず、演出統括部202aの構成について説明する。演出統括部202aは、CPU241と、ROM242と、RAM243と、リアルタイムクロック(以下「RTC」という)244と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。
CPU241は、予めROM242に記憶された各種プログラムに基づき、演出内容を決定する処理を実行する。ROM242には、CPU241が上記の処理を実行するために必要となる各種プログラムが記憶されている。RAM243は、CPU241のワークエリアとして機能する。CPU241が各種プログラムを実行することによりRAM243にセットされたデータは、所定のタイミングにて画像・音声制御部202bおよびランプ制御部202cに対して出力される。
演出統括部202aは、CPU241がRAM243をワークエリアとして使用しながら、ROM242に記憶された、変動演出プログラム、注目度合い判定プログラム、演出変更プログラム、演出実行プログラムなどの各種プログラムを実行して、演出制御部202全体を統括するように機能する。
変動演出プログラムは、特別図柄の変動に対応させて、演出図柄を用いた変動演出をおこなうプログラムである。注目度合い判定プログラムは、カメラ150によって検出された遊技者の瞳孔の位置や状態を用いて、遊技者の遊技に対する注目度合いを判定するプログラムである。演出変更プログラムは、遊技者の遊技に対する注目度合いに基づいて、ランプの輝度や画像表示部104に表示される色を変更させるプログラムである。演出実行プログラムは、演出を選択して実行するプログラムである。
RTC244は、実時間を計時出力する。RTC244は、ぱちんこ遊技機100の電源が遮断されているときもバックアップ電源(不図示)により計時動作を継続する。また、演出統括部202aには、演出ボタン119が接続されており、遊技者から演出ボタン119が操作(押下)された旨を示すデータが入力される。また、演出統括部202aには、十字キー120が接続されており、遊技者によって選択されたキーに対応するデータが入力される。さらに、演出統括部202aには、カメラ150が接続されており、遊技者の瞳孔の位置や状態が検出される。
(2−2.画像・音声制御部)
次に、画像・音声制御部202bの構成について説明する。画像・音声制御部202bは、CPU251と、ROM252と、RAM253と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。
CPU251は、画像や音声の生成および出力処理を実行する。ROM252には、画像や音声の生成および出力処理のためのプログラム、当該処理に必要となる背景画像・演出図柄画像・キャラクタ画像など各種画像データや各種音声データなどが記憶されている。RAM253は、CPU251のワークエリアとして機能し、画像表示部104に表示させる画像データやスピーカ254から出力させる音声データが一時的に格納される。
すなわち、画像・音声制御部202bは、CPU251がRAM253をワークエリアとして使用しながら、ROM252に記憶された各種プログラムを実行することによって、演出統括部202aからの指示に基づいて画像および音声の制御をおこなうように機能する。
また、CPU251は、演出統括部202aから指示された指示内容に基づいて、背景画像表示処理、演出図柄変動/停止表示処理、予告画像処理、キャラクタ画像表示処理、保留表示処理など各種画像処理と音声処理を実行する。このときには、CPU251は、処理に必要な画像データおよび音声データをROM252から読み出してRAM253に書き込む。
RAM253に書き込まれた背景画像や演出図柄画像などの画像データは、画像・音声制御部202bに接続された画像表示部104に対して出力され、画像表示部104の表示画面上において重畳表示される。すなわち、演出図柄画像は、背景画像よりも手前に見えるように表示される。なお、同一位置に背景画像と演出図柄画像とが重なる場合などには、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、演出図柄画像を優先してRAM253に記憶させる。
また、RAM253に書き込まれた音声データは、画像・音声制御部202bに接続されたスピーカ254に対して出力され、音声データに基づく音声がスピーカ254から出力される。
(2−3.ランプ制御部)
次に、ランプ制御部202cの構成について説明する。ランプ制御部202cは、CPU261と、ROM262と、RAM263と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU261は、ランプを点灯させる処理などを実行する。ROM262には、上記の処理を実行するために必要となる各種プログラム、当該処理に必要となるランプ点灯に用いる制御データなどが記憶されている。RAM263は、CPU261のワークエリアとして機能する。ROM262には、各種プログラムが記憶されている。
ランプ制御部202cは、演出ライト部116と、枠ランプ160と、盤ランプ264と、演出役物265と、ギミックランプ131と、ギミックモータ266とに接続され、点灯制御するデータや動作制御するデータを出力する。これにより、ランプ制御部202cは、遊技盤101および枠部材115などに設けられたランプの点灯、演出役物265やギミック130の動作を制御するように機能する。
演出制御部202は、演出統括部202aと、画像・音声制御部202bと、ランプ制御部202cとを用いて、それぞれ異なる基板によって構成されるものとしたが、これらは同じプリント基板上に組み込んで構成されるものとしてもよい。ただし、同じプリント基板上に組み込まれた場合であっても、それぞれの機能は独立しているものとする。
(3.賞球制御部)
次に、賞球制御部203の構成について説明する。賞球制御部203は、CPU281と、ROM282と、RAM283と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU281は、払い出す賞球を制御する賞球制御処理を実行する。ROM282には、当該処理に必要となるプログラムなどが記憶されている。RAM283は、CPU281のワークエリアとして機能する。
また、賞球制御部203は、払出部(払出駆動モータ)291と、発射部292と、定位置検出SW293と、払出球検出SW294と、球有り検出SW295と、満タン検出SW296と接続される。
賞球制御部203は、払出部291に対して入賞時の賞球数を払い出す制御をおこなう。払出部291は、遊技球の貯留部から所定数を払い出すためのモータからなる。具体的には、賞球制御部203は、払出部291に対して各入賞口(第1始動口105、第2始動口106、大入賞口109、普通入賞口110)に入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出す制御をおこなう。
また、賞球制御部203は、発射部292に対する遊技球の発射の操作を検出して遊技球の発射を制御する。発射部292は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイド等を備える。賞球制御部203は、発射部292のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイド等を駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤101の遊技領域103に遊技球を送り出す。
また、この賞球制御部203には、払い出す遊技球の状態を検出する各所の検出部が接続され、賞球のための払い出し状態を検出する。これらの検出部としては、定位置検出SW293、払出球検出SW294、球有り検出SW295、満タン検出SW296等がある。例えば、賞球制御部203は、賞球制御基板によってその機能を実現する。
また、主制御部201には、盤用外部情報端子基板297が接続されており、主制御部201が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。賞球制御部203についても、枠用外部情報端子基板298が接続されており、賞球制御部203が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。
上記構成の主制御部201と、演出制御部202と、賞球制御部203は、それぞれ異なるプリント基板(主制御基板、演出制御基板、賞球制御基板)に設けられるが、これに限らず、例えば、賞球制御部203は、主制御部201と同一のプリント基板上に設けることもできる。
(枠ランプおよび盤ランプの詳細な構成)
次に、図2−2を用いて、枠ランプ160および盤ランプ264の詳細な構成について説明する。図2−2は、枠ランプ160および盤ランプ264の詳細な構成を示す説明図である。なお、図2−2においては、説明の便宜上、遊技盤101上の特定の盤ランプ264のみを抽出して示しているが、このほかにも、遊技盤101上に不図示のランプは存在する。
図2−2において、枠ランプ160は、遊技盤101を囲むように配置されている。盤ランプ264は、画像表示部104を囲んで5つのランプ群264a〜264eからなる。各ランプ群264a〜264eは、それぞれランプ要素A〜Dからなる。盤ランプ264の各ランプ要素A〜D、および枠ランプ160は、演出内容に応じて、それぞれ発光して演出を盛り上げるものである。
(ぱちんこ遊技機の機能的構成)
次に、図3を用いて、ぱちんこ遊技機100の機能的構成について説明する。図3は、ぱちんこ遊技機100の機能的構成を示すブロック図である。まず、ぱちんこ遊技機100は、遊技者にとって有利な特別遊技に移行させるか否かの判定をおこない、当該判定の結果を図柄として変動させるとともに、この変動の間に演出をおこなうものである。特別遊技とは、具体的には、大当たり遊技であるが、大当たりと同様の振る舞いをしながら、遊技状態を変更させない小当たり遊技も含む。所定の図柄とは、特別図柄または演出図柄である。
図3において、ぱちんこ遊技機100は、検出部301と、判定部302と、発光制御部303と、演出部304と、計測部305とを備えている。検出部301は、遊技中の遊技者の生体情報を検出する。遊技者の生体情報は、例えば、心拍、発汗量、体温などであってもよいが、本実施の形態では検出部301としてのカメラ150によって撮影される遊技者の動作である。遊技者の動作とは、遊技者の姿勢、体の向きなどであってもよいが、本実施の形態では、遊技者の瞳孔(黒目)の位置や状態を用いるものとした。
検出部301は、具体的には、所定の撮像領域内における瞳孔の位置や状態を検出するものであり、瞳孔の位置の検出手法については図4を用いて後述する。また、目を瞑っている状態、瞳孔がまぶたにて遮蔽されている状態においても瞳孔を検出することができないため、このような状態も非検出状態であるとしている。
判定部302は、検出部301によって検出された遊技者の生体情報を用いて、遊技者が遊技に注目しているか否かの注目度合いを判定する。注目度合いとは、遊技者の遊技に対する集中度合いである。具体的には、判定部302は、例えば、心拍、発汗量、体温が一定値以下の場合や、遊技者が頻繁に姿勢を変えるような場合に、注目度合いが低いと判定する。
なお、本実施の形態において生体情報として瞳孔の位置や状態を用いることに関して、心拍、発汗量、体温などを用いた場合に比べて、遊技者の瞳孔の検出状態を生体情報として使用した場合の方が、気温や湿度などの環境に影響されにくく、遊技者の個人差や体調の変化などの要因からの影響を考慮する必要が無いため最適な生体情報であると考えられたという理由に基づくものである。
特に、本実施の形態では、判定部302は、カメラ150によって撮像される遊技者の瞳孔が所定の撮像領域から外れた頻度が所定値以上の場合に、注目度合いが低いものと判定する。遊技者の瞳孔が所定の撮像領域から外れた頻度とは、具体的には、所定時間(例えば5秒)継続して所定の撮像領域から瞳孔が外れたこと(以下「よそ見」という)の頻度である。撮像領域から外れた頻度が所定値以上とは、具体的には、よそ見がおこなわれた回数が例えば10回以上であること、よそ見がおこなわれた累積時間が例えば60秒以上であることである。すなわち、判定部302は、よそ見の回数が10回以上またはよそ見の累積時間が60秒以上の場合に、注目度合いが低いものと判定する。
発光制御部303は、本発明の制御手段に相当し、判定部302によって判定された注目度合いに基づいて、演出部304の輝度または色を変更させる制御をおこなう。演出部304は、画像表示部104、枠ランプ160および盤ランプ264である。演出部304の輝度とは、画像表示部104の発光体の輝度、枠ランプ160および盤ランプ264の発光体の輝度である。画像表示部104の発光体とは、例えば、画像表示部104がLCD(Liquid Crystal Display)の場合、バックライトであり、画像表示部104が有機EL(ElectroLuminescence)の場合、発光ダイオードである。
演出部304の色とは、画像表示部104に表示される画面の色や、枠ランプ160および盤ランプ264の色である。また、輝度を変更させるとは、輝度を低減させることである。色を変更させるとは、目に疲れのない色に変更させることであり、具体的には、明度や彩度を下げたり、色相を変更させたりすることであり、例えば、青色系統の寒色系の色である。発光制御部303は、画像表示部104、枠ランプ160および盤ランプ264からなる演出部304全てを制御対象として輝度または色を変更させるようにしてもよいし、画像表示部104、枠ランプ160および盤ランプ264のうち、いずれか一つ以上を制御対象として輝度または色を変更させるようにしてもよい。
特に、本実施の形態では、演出部304は、遊技盤101上に設けられて発光する盤ランプ264と、遊技盤101の外周に配置される枠部材115に設けられて発光する枠ランプ160とを有する。発光制御部303は、判定部302によって判定された注目度合いに基づいて、少なくとも枠ランプ160の輝度を低減させる制御をおこなう。遊技者にとって関心の低い枠ランプ160の輝度を低減させることにより、遊技者の目に与える負担を軽減させるようにしている。
演出部304は、遊技盤101上に設けられて画像を表示する画像表示部104と、画像表示部104からそれぞれ異なる距離をもって配置される複数のランプからなる。ここでいう複数のランプは、盤ランプ264を構成する各ランプ群264a〜264eのランプ要素A〜Dである。発光制御部303は、判定部302によって判定された注目度合いに基づいて、画像表示部104から離れて配置されているランプ要素A〜Dの輝度を低減させる制御をおこなう。例えば、発光制御部303は、画像表示部104から離れて配置されているランプ要素Dほど輝度を低減させ、ランプ要素Aほど輝度の低減量を小さくする。画像表示部104から離れているランプは遊技者にとって関心は低いものであるため、このランプの輝度を低減させることにより、遊技者の目に与える負担を軽減させるようにしている。
計測部305は、検出部301によって瞳孔が検出されたことを契機に所定期間を計測する。例えば、計測部305は、遊技者が入れ替わったりした場合には、その都度、所定期間の計測をおこなう。具体的には、計測部305は、一定時間以上、瞳孔が検出されず且つ発射部292からの遊技球の発射がない場合に、遊技が中断されたものとみなすとともに、瞳孔が検出され且つ発射部292からの遊技球の発射があった場合に、所定期間の計測を開始する。判定部302は、計測部305によって計測された所定期間内において、検出部301によって瞳孔の位置や状態が検出されなかった頻度が所定値(例えば、よそ見の回数が10回以上またはよそ見の累積時間が60秒)以上の場合に、注目度合いが低いものと判定する。所定の期間とは、例えば50回の変動ゲーム回数とすることができる。
また、発光制御部303は、演出部304の輝度または明るさを変更させる制御をおこなった状態で、判定部302によって所定期間内において注目度合いが低いと判定されない場合には、演出部304の輝度または明るさを変更させる制御を解除する。このように所定期間内において注目度合いが高くなるまでの期間だけ演出部304の輝度または明るさを変更させることとし、注目度合いが高くなった後には速やかに通常の輝度または明るさへと戻すことで、遊技に対する集中力が低下した遊技者に対して、目の疲労を軽減しつつ、再び集中力を喚起させることができる。また、演出部304の輝度または明るさを変更させる制御を解除するのは、遊技者の注目度合いが高くなった場合に限らず、予め定めた一定の変動回数が経過した場合としてもよい。
判定部302と、発光制御部303と、計測部305とは、演出統括部202aのCPU241によって実現される。本実施の形態では、演出統括部202aによって各機能部302〜305を実現するようにしているが、画像・音声制御部202bやランプ制御部202cによって各機能部を実現することも可能である。すなわち、画像・音声制御部202bまたはランプ制御部202cが、判定部302と、発光制御部303と、計測部305との機能を備えるようにしてもよい。
(瞳孔の位置の検出手法)
次に、図4を用いて、カメラ150による瞳孔の位置の検出手法について説明する。図4は、カメラ150による瞳孔の位置の検出手法を示した説明図である。図4において、撮像領域400内に遊技者の瞳孔401が撮像されている。カメラ150は、例えば、1秒間に60回の画像を撮像する。符号402は、瞳孔401が移動した軌跡を示したものである。この撮像領域400内に一定時間(例えば5秒)以上、瞳孔401が撮像されない場合には、よそ見をしているものと判定するようにしている。
(本実施の形態の概要)
次に、図5を用いて、本実施の形態の概要を説明する。図5は、本実施の形態の概要を示すフローチャートである。図5において、ぱちんこ遊技機100は、遊技者が操作ハンドル117を操作し、発射部292から遊技球が発射される状態である遊技中であるか否かを判定する(ステップS501)。遊技中ではない場合(ステップS501:No)、そのまま処理を終了する。
遊技中である場合(ステップS501:Yes)、カメラ150によって一定時間(例えば5秒)以上遊技者の瞳孔が非検出となっているか否かを判定する(ステップS502)。一定時間以上遊技者の瞳孔が非検出となっていない場合(ステップS502:No)、すなわち、遊技者がよそ見をしていない場合、ステップS504に移行する。一定時間以上、瞳孔が非検出となった場合には(ステップS502:Yes)、瞳孔が検出されなかった回数または時間を累積する(ステップS503)。
そして、遊技者が遊技を開始してから、例えば50変動といった所定変動回数(所定の判定期間)が経過したか否かを判定する(ステップS504)。所定変動回数が経過していない場合は(ステップS504:No)、ステップS501に戻る。所定変動回数が経過した場合(ステップS504:Yes)、瞳孔が検出されなかった回数または時間が所定値(例えば10回または60秒)以上であるか否かを判定する(ステップS505)。
瞳孔が検出されない回数または時間が所定値以上の場合には(ステップS505:Yes)、画像表示部104や各種ランプ160,264の輝度または色を変更し(ステップS506)、ステップS501に戻る。ステップS505において、瞳孔が検出されない回数または時間が所定値未満の場合には(ステップS505:No)、画像表示部104や各種ランプ160,264を通常の輝度または色に設定し(ステップS507)、ステップS501に戻る。
次に、主制御部201および演出統括部202aの具体的処理について説明する。
(主制御部の処理手順)
まず、図6を用いて、主制御部201の処理手順の内容について説明する。図6は、主制御部201が実行するメインタイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。メインタイマ割込処理は、電源供給期間中、所定期間(例えば4ms)毎に主制御部201が実行する主制御処理に割り込み動作する処理である。
図6において、主制御部201のCPU211は、乱数更新処理を実行する(ステップS601)。乱数更新処理では、大当たり乱数、大当たり図柄乱数などを、それぞれ、例えば+1して、各乱数の更新をおこなう処理である。
この後、遊技球が発射部292から発射されたか否かを検出するための発射処理を実行する(ステップS602)。発射処理の詳細については、図7を用いて後述する。そして、各スイッチによって遊技球が検出された際におこなうスイッチ処理を実行する(ステップS603)。スイッチ処理には、図8−1を用いて後述する第1始動口SW221または第2始動口SW222によって遊技球が検出された毎に乱数を取得する始動口SW処理や、ゲートSW223によって遊技球が検出される毎に乱数を取得するゲートSW処理がある。
この後、普通図柄の変動および停止をおこなう普通図柄処理や、図8−2を用いて後述する特別図柄処理などの、図柄処理を実行する(ステップS604)。さらに、電動チューリップ107を動作させるための電チュー処理や、大入賞口109を動作させるための大入賞口処理などの、電動役物処理を実行する(ステップS605)。この後、入賞した遊技球に対する賞球をおこなうための賞球処理を実行し(ステップS606)、各処理においてセットされたコマンドを出力するための出力処理を実行する(ステップS607)。
(主制御部がおこなう発射処理)
次に、図7を用いて、図6のステップS602に示した発射処理の詳細について説明する。図7は、主制御部201がおこなう発射処理を示すフローチャートである。図7において、主制御部201のCPU211は、発射部292によって遊技者からの遊技操作が検出されたか否かを判定する(ステップS701)。なお、操作ハンドル117の近傍には、遊技球の発射を一時的に中断させるウエイトボタンが設けられているが、このウエイトボタンが操作されている場合も遊技操作が検出されているものとする。
遊技操作が検出された場合(ステップS701:Yes)、遊技球が発射中であることを示す発射フラグがONであるか否かを判定する(ステップS702)。発射フラグがONである場合(ステップS702:Yes)、そのまま処理を終了する。発射フラグがOFFである場合(ステップS702:No)、発射フラグをONにし(ステップS703)、遊技球が発射された旨を示す発射開始コマンドをセットし(ステップS704)、処理を終了する。
一方、ステップS701において、遊技者からの遊技操作が検出されない場合(ステップS701:No)、発射フラグがONであるか否かを判定する(ステップS705)。発射フラグがOFFである場合(ステップS705:No)、そのまま処理を終了する。発射フラグがONである場合(ステップS705:Yes)、発射フラグをOFFにするとともに(ステップS706)、遊技球の発射が停止された旨を示す発射停止コマンドをセットし(ステップS707)、処理を終了する。
(始動口SW処理)
次に、図8−1を用いて、主制御部201がおこなう始動口SW処理について説明する。図8−1は、主制御部201がおこなう始動口SW処理を示すフローチャートである。なお、始動口SW処理は、図6のステップS603に示したスイッチ処理に含まれる処理内容である。
図8−1において、主制御部201のCPU211は、第1始動口105の第1始動口SW221がONであるか否かを判定する(ステップS801)。第1始動口SW221がOFFである場合(ステップS801:No)、ステップS807に移行する。第1始動口SW221がONである場合(ステップS801:Yes)、第1始動口SW221の検知回数をカウントした第1始動口検知カウンタのカウント値U1が、「4」より小さいか否かを判定する(ステップS802)。
カウント値U1が「4」である場合(ステップS802:No)、ステップS807に移行する。カウント値U1が「4」より小さい場合(ステップS802:Yes)、カウント値U1に「1」を加算する(ステップS803)。そして、乱数を取得するとともに、取得した乱数をRAM213に記憶する(ステップS804)。なお、乱数は、当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数などである。当たり乱数は、大当たり、小当たり、ハズレ、のいずれか一つを決定するための乱数であり、例えば「0」〜「299」の300個の乱数から一つの当たり乱数が無作為に取得される。
図柄乱数は、当たりの種類(高確率長当たり、低確率長当たり、高確率短当たり、低確率短当たりなど)を決定するための乱数であり、例えば「0」〜「249」の250個の乱数から一つの図柄乱数が無作為に取得される。リーチ乱数は、リーチ演出をおこなうか否かを決定するための乱数であり、例えば「0」〜「249」の250個の乱数から一つのリーチ乱数が無作為に取得される。
取得された各乱数は、RAM213に記憶される。なお、RAM213は、第1始動口105への入賞による保留記憶情報を記憶するための記憶領域を有している。この記憶領域には、第1始動口105への入賞によるものであるという情報、当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数の情報などが記憶される。
この後、事前判定処理をおこなう(ステップS805)。事前判定処理では、ステップS804において取得した当たり乱数を用いて、当たりか否かの当たり判定や、図柄乱数を用いた図柄判定のほか、リーチ乱数を用いたリーチ判定をおこなう。この後、第1始動口105への入賞により保留記憶情報が増加した旨を示す、特1保留記憶情報増加コマンドをセットする(ステップS806)。
そして、第2始動口106の第2始動口SW222がONであるか否かを判定する(ステップS807)。第2始動口SW222がOFFである場合(ステップS807:No)、そのまま処理を終了する。第2始動口SW222がONである場合(ステップS807:Yes)、第2始動口SW222の検知回数をカウントした第2始動口検知カウンタのカウント値U2が、「4」より小さいか否かを判定する(ステップS808)。
カウント値U2が「4」である場合(ステップS808:No)、そのまま処理を終了する。カウント値U2が「4」より小さい場合(ステップS808:Yes)、カウント値U2に「1」を加算する(ステップS809)。そして、各乱数を取得するとともに、取得した乱数をRAM213に記憶する(ステップS810)。なお、RAM213は、第2始動口106への入賞による保留記憶情報を記憶するための記憶領域を有している。この記憶領域には、第2始動口106への入賞によるものであるという情報、当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数の情報などが記憶される。
この後、事前判定処理をおこなう(ステップS811)。事前判定処理では、ステップS810において取得した各乱数を用いて、当たりか否かの当たり判定や、図柄判定のほか、リーチ判定がおこなわれる。この後、第2始動口106への入賞により保留記憶情報が増加した旨を示す、特2保留記憶情報増加コマンドをセットする(ステップS812)。
(特別図柄処理)
次に、図8−2を用いて、主制御部201がおこなう特別図柄処理について説明する。図8−2は、主制御部201がおこなう特別図柄処理を示すフローチャートである。この特別図柄処理は、図6のステップS604の図柄処理に含まれる処理内容である。
図8−2において、主制御部201のCPU211は、当たり遊技中であるか否かを判定する(ステップS821)。当たり遊技中であれば(ステップS821:Yes)、そのまま処理を終了する。当たり遊技中でなければ(ステップS821:No)、特別図柄の変動中であるか否かを判定し(ステップS822)、変動中である場合(ステップS822:Yes)、ステップS831に移行する。特別図柄の変動中ではない場合(ステップS822:No)、第2始動口106に入賞した遊技球の保留記憶情報としての第2始動口検知カウンタのカウント値U2が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS823)。
カウント値U2が「1」以上である場合(ステップS823:Yes)、カウント値U2を「1」減算したものを新たな保留記憶情報とし(ステップS824)、ステップS827に移行する。ステップS823において、カウント値U2が「1」以上ではない場合(ステップS823:No)、すなわちU2が「0」の場合、第1始動口105に入賞した遊技球の保留記憶情報としての第1始動口検知カウンタのカウント値U1が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS825)。カウント値U1が「1」以上ではない場合(ステップS825:No)、すなわちU1が「0」の場合、そのまま処理を終了する。
カウント値U1が「1」以上である場合(ステップS825:Yes)、カウント値U1を「1」減算したものを新たな保留記憶情報とし(ステップS826)、ステップS827に移行する。この後、当たり判定処理をおこなう(ステップS827)。当たり判定処理は、遊技球が第1始動口105または第2始動口106に入賞した際に取得した当たり乱数が、予め設定される当たり乱数に一致するか否かを判定する処理である。
なお、ステップS823〜ステップS826に示したように、第1始動口105に入賞した遊技球よりも、第2始動口106に入賞した遊技球が先に消化されるようになっている。この後、変動パターン選択処理をおこなう(ステップS828)。この変動パターン選択処理は、当たり判定処理の判定結果を用いて、特別図柄の変動パターンを選択する処理である。
この後、変動開始コマンドをRAM213にセットして(ステップS829)、特別図柄の変動を開始する(ステップS830)。そして、特別図柄の変動時間が、変動パターン選択処理によって選択された変動時間を経過したか否かを判定する(ステップS831)。変動時間が経過していない場合には(ステップS831:No)、そのまま処理を終了する。
変動時間が経過した場合には(ステップS831:Yes)、変動停止コマンドをセットして(ステップS832)、特別図柄の変動を停止する(ステップS833)。この後、停止中処理を実行し(ステップS834)、処理を終了する。なお、停止中処理は、時短付き遊技状態の残余回数を計測したりする処理である。
(演出統括部が実行する演出タイマ割込処理)
次に、図9を用いて、演出制御部202の演出統括部202aがおこなう演出タイマ割込処理について説明する。図9は、演出統括部202aがおこなう演出タイマ割込処理を示すフローチャートである。この演出タイマ割込処理は、演出統括部202aが、起動中、所定期間(例えば4msec)毎に演出統括部202aが実行する主演出制御処理に割り込み動作する処理である。
図9において、演出統括部202aのCPU241は、主制御部201からコマンドを受信した際におこなうコマンド受信処理を実行する(ステップS901)。コマンド受信処理については、図10を用いて後述する。そして、カメラ150によって瞳孔が検出されているか否かの判定をおこなう撮像データ解析処理を実行する(ステップS902)。撮像データ解析処理の詳細については、図11を用いて後述する。
この後、遊技が開始されたか否かを判定する遊技開始処理を実行する(ステップS903)。遊技開始処理の詳細については、図12を用いて後述する。そして、よそ見した回数または時間を計測するためのよそ見計測処理を実行する(ステップS904)。よそ見計測処理の詳細については、図13を用いて後述する。この後、遊技が終了したか否かを判定する遊技終了処理を実行する(ステップS905)。遊技終了処理の詳細については、図16を用いて後述する。そして、画像・音声制御部202bまたはランプ制御部202cに対してコマンドを送信するコマンド送信処理を実行し(ステップS906)、処理を終了する。
(コマンド受信処理)
次に、図10を用いて、図9のステップS901に示したコマンド受信処理の詳細について説明する。図10は、演出統括部202aがおこなうコマンド受信処理を示したフローチャートである。図10において、演出統括部202aのCPU241は、発射開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1001)。発射開始コマンドは、主制御部201の発射処理においてセットされるコマンドである(図7のステップS704参照)。
発射開始コマンドを受信しない場合(ステップS1001:No)、ステップS1003に移行する。発射開始コマンドを受信した場合(ステップS1001:Yes)、遊技球が発射されている旨を示す発射継続フラグをONにする(ステップS1002)。そして、発射停止コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1003)。発射停止コマンドは、主制御部201の発射処理においてセットされるコマンドである(図7のステップS707参照)。
発射停止コマンドを受信しない場合(ステップS1003:No)、ステップS1005に移行する。発射停止コマンドを受信した場合(ステップS1003:Yes)、発射継続フラグをOFFにする(ステップS1004)。そして、変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1005)。変動開始コマンドは、主制御部201の特別図柄処理においてセットされるコマンドである(図8−2のステップS829参照)。
変動開始コマンドを受信しない場合(ステップS1005:No)、ステップS1007に移行する。変動開始コマンドを受信した場合(ステップS1005:Yes)、変動演出内容を選択するための変動演出選択処理を実行する(ステップS1006)。変動演出選択処理の詳細については、図14を用いて後述するが、特別図柄の変動時間と同一の再生時間を有する演出を選択する処理である。
この後、変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1007)。変動停止コマンドは、主制御部201の特別図柄処理においてセットされるコマンドである(図8−2のステップS832参照)。
変動停止コマンドを受信しない場合(ステップS1007:No)、そのまま処理を終了する。変動停止コマンドを受信した場合(ステップS1007:Yes)、変動演出終了中処理を実行し(ステップS1008)、処理を終了する。変動演出終了中処理は、遊技状態に応じた演出モードを計測して、計測した回数に応じて演出モードを終了させたりする処理である。
(撮像データ解析処理)
次に、図11を用いて、図9のステップS902に示した撮像データ解析処理の詳細について説明する。図11は、演出統括部202aがおこなう撮像データ解析処理を示したフローチャートである。図11において、演出統括部202aのCPU241は、撮像データがRAM243に記憶されているか否かを判定する(ステップS1101)。本実施の形態において、カメラ150は、1秒間に60回の画像を撮像するものであり、すなわち、16.7msecに1回、撮像され、RAM243に画像が記憶されることになる。撮像データ解析処理は、4msecに1回おこなわれる処理である。そのため、撮像データ解析処理を4〜5回おこなったうちの1回の処理で、RAM243に画像が記憶されることになる。
撮像データがRAM243に記憶されていない場合(ステップS1101:No)、そのまま処理を終了する。撮像データがRAM243に記憶されている場合(ステップS1101:Yes)、撮像データを解析する(ステップS1102)。その結果、所定の撮像領域に瞳孔が検出された場合(ステップS1103:Yes)、瞳孔が検出された旨を示す検出フラグをONにし(ステップS1104)、処理を終了する。瞳孔が検出されない場合(ステップS1103:No)、検出フラグをOFFにし(ステップS1105)、処理を終了する。
(遊技開始処理)
次に、図12を用いて、図9のステップS903に示した遊技開始処理の詳細について説明する。図12は、演出統括部202aがおこなう遊技開始処理を示したフローチャートである。図12において、演出統括部202aのCPU241は、遊技中である旨を示す遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS1201)。遊技フラグは、後述するステップS1204においてONに設定されるフラグである。遊技フラグがONである場合(ステップS1201:Yes)、そのまま処理を終了する。
遊技フラグがOFFである場合(ステップS1201:No)、瞳孔が検出された旨を示す検出フラグがONであるか否かを判定する(ステップS1202)。検出フラグは、撮像データ解析処理においてONに設定されるフラグである(図11のステップS1104参照)。検出フラグがOFFの場合(ステップS1202:No)、すなわち、カメラ150によって瞳孔が検出されていない場合、そのまま処理を終了する。
検出フラグがONである場合(ステップS1202:Yes)、遊技球が発射されている旨を示す発射継続フラグがONであるか否かを判定する(ステップS1203)。発射継続フラグは、コマンド受信処理においてONに設定されるフラグである(図10のステップS1002参照)。発射継続フラグがOFFである場合(ステップS1203:No)、すなわち、遊技球が発射されていない場合、そのまま処理を終了する。発射継続フラグがONである場合(ステップS1203:Yes)、遊技フラグをONにし(ステップS1204)、処理を終了する。
(よそ見計測処理)
次に、図13を用いて、図9のステップS904に示したよそ見計測処理の詳細について説明する。図13は、演出統括部202aがおこなうよそ見計測処理を示したフローチャートである。図13において、演出統括部202aのCPU241は、遊技中である旨を示す遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS1301)。遊技フラグは、遊技開始処理においてONに設定されるフラグである(図12のステップS1204参照)。遊技フラグがOFFである場合(ステップS1301:No)、そのまま処理を終了する。
遊技フラグがONである場合(ステップS1301:Yes)、瞳孔が検出された旨を示す検出フラグがONであるか否かを判定する(ステップS1302)。検出フラグは、撮像データ解析処理においてONに設定されるフラグである(図11のステップS1104参照)。検出フラグがOFFの場合(ステップS1302:No)、すなわち、カメラ150によって瞳孔が検出されていない場合、瞳孔が検出されなくなってからの非検出時間tの計測を開始する(ステップS1303)。非検出時間tを計測中である旨を示すよそ見計測フラグをONにし(ステップS1304)、処理を終了する。
ステップS1302において、検出フラグがONである場合(ステップS1302:Yes)、すなわち、カメラ150によって瞳孔が検出されている場合、よそ見計測フラグがONであるか否かを判定する(ステップS1305)。よそ見計測フラグがOFFである場合(ステップS1305:No)、ステップS1311に移行する。よそ見計測フラグがONである場合(ステップS1305:Yes)、瞳孔が検出されなくなってからの非検出時間tの計測を終了し(ステップS1306)、よそ見計測フラグをOFFにする(ステップS1307)。
そして、非検出時間tが5秒以上であるか否かを判定する(ステップS1308)。非検出時間tが5秒以上である場合(ステップS1308:Yes)、すなわち、よそ見であると判定した場合、よそ見計測回数Kに「1」を加算するとともに(ステップS1309)、よそ見累計時間Tに非検出時間tを加算する(ステップS1310)。この後、非検出時間tを「0」にし(ステップS1311)、処理を終了する。
一方、ステップS1308において、非検出時間tが5秒未満である場合(ステップS1308:No)、すなわち、よそ見ではない場合、よそ見計測回数Kおよびよそ見累積時間Tに加算することなく、ステップS1311に移行する。
(変動演出選択処理)
次に、図14を用いて、図10のステップS1006に示した変動演出選択処理の詳細について説明する。図14は、演出統括部202aがおこなう変動演出選択処理を示したフローチャートである。図14において、演出統括部202aのCPU241は、変動開始コマンドを解析する(ステップS1401)。
そして、変動開始コマンドの解析結果を用いて、演出図柄の選択、各モードに応じた変動演出パターンの選択、ステップアップ演出などのサブ演出の選択、などをおこなうための、演出選択処理を実行する(ステップS1402)。
この後、遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS1403)。遊技フラグがOFFである場合(ステップS1403:No)、すなわち、遊技者が遊技を開始したもののカメラ150によって瞳孔が検出されない場合、ステップS1409に移行する。遊技者が遊技を開始したもののカメラ150によって瞳孔が検出されない場合とは、例えば、打ち始めなど、遊技者が操作ハンドル117を操作しているものの、操作ハンドル117を調整するなどして下を向いている場合や、操作ハンドル117にコインなどを挟み遊技者が不在の状況で不正に遊技球が発射されている場合などである。
遊技フラグがONである場合(ステップS1403:Yes)、特別図柄の変動開始を契機に計測される変動回数Hに「1」を加算する(ステップS1404)。ステップS1404の処理は、本実施の形態の計測部305の機能によっておこなわれるものである。すなわち、ステップS1404の処理は、検出部301によって瞳孔が検出されたことを契機に変動回数を計測する計測部305による処理である。
この後、変動回数Hが「50」であるか否かを判定する(ステップS1405)。変動回数Hが「50」ではない場合(ステップS1405:No)、ステップS1414に移行する。変動回数Hが「50」である場合(ステップS1405:Yes)、よそ見計測回数Kが10回以上であるか否かを判定する(ステップS1406)。よそ見計測回数Kが10回以上である場合(ステップS1406:Yes)、ランプ160,264の輝度や画像表示部104の輝度や表示色を変更させることを示す低輝度フラグをONにする(ステップS1407)。
この後、よそ見計測回数K、よそ見累計時間T、変動回数Hをそれぞれ「0」に戻し(ステップS1408)、ランプ160,264や画像表示部104のバックライトの輝度を低減させるための変更コマンドをセットする(ステップS1409)。そして、変動演出開始コマンドをセットし(ステップS1410)、処理を終了する。ステップS1409の処理は、本実施の形態の発光制御部303の機能によっておこなわれるものである。すなわち、ステップS1409の処理は、注目度合いに基づいて、演出部304の輝度または色を変更させる制御をおこなう発光制御部303による処理である。
ステップS1406において、よそ見計測回数Kが10回以上ではない場合(ステップS1406:No)、よそ見累計時間Tが60秒以上であるか否かを判定する(ステップS1411)。ステップS1406およびステップS1411の処理は、本実施の形態の判定部302の機能によっておこなわれるものである。すなわち、これらの処理は、所定の変動回数(50変動)内における、カメラ150による瞳孔の位置や状態の検出結果を用いて、瞳孔が検出されなかった頻度が所定値以上の場合に、注目度合いが低いものと判定する判定部302による処理である。
よそ見累計時間Tが60秒以上である場合(ステップS1411:Yes)、ステップS1407に移行する。よそ見累計時間Tが60秒以上ではない場合(ステップS1411:No)、低輝度フラグをOFFにするとともに(ステップS1412)、よそ見計測回数K、よそ見累計時間T、変動回数Hをそれぞれ「0」に戻し(ステップS1413)、ステップS1410に移行する。
ステップS1405において、変動回数Hが「50」ではない場合(ステップS1405:No)、低輝度フラグがONであるか否かを判定する(ステップS1414)。低輝度フラグがONである場合(ステップS1414:Yes)、ステップS1409に移行する。低輝度フラグがOFFである場合(ステップS1414:No)、ステップS1410に移行する。
上述した処理では、低輝度フラグがONの場合には、変更コマンドがセットされ、ランプ160,264の輝度や画像表示部104の輝度や表示色を変更するが、大当たり時や、リーチ時など、期待度の高い演出をおこなう場合には、このような輝度および色の変更を一時的に解除するようにしてもよい。具体的には、ステップS1402における演出選択処理の後、期待度の高い演出であるか否かを判定するようにし、期待度の高い演出である場合には、そのままステップS1410に移行させて変動演出開始コマンドをセットすればよい。
(輝度および色の一例)
ここで、図15−1〜図15−3を用いて、各ランプ160,264の輝度と、画像表示部104の輝度および色との一例について説明する。図15−1は、通常時の輝度および色を示す説明図である。図15−1において、盤ランプ264のランプ要素A〜D、枠ランプ160および画像表示部104のバックライトの輝度は、基準値「10」を示している。画像表示部104の表示色は、「−」となっており、これは、特殊な制御をおこなわず通常通りの制御であることを示している。
図15−2は、変更時の輝度および色を示す説明図(その1)である。図15−2において、盤ランプ264のランプ要素A〜Dの輝度は、基準値「10」に対して、それぞれ「8」、「6」、「4」、「2」となっており、すなわち、輝度が低減されていることを示している。また、枠ランプ160の輝度は、「1」になっており、すなわち、微弱であるが発光する程度の発光量であることを示している。
また、ここで輝度の調整方法に関しては、発光体そのものへの電流量を調整することで輝度を変化させる方法でもよく、または、LEDなどの発光体の発光個数を調整する方法、例えば、基準値「10」の時はその領域に存在するすべてのLEDを発光させるのに対して、「4」の場合には、その領域に存在するLEDの内の40%のみを発光させるなどの制御方法でもよい。これに対して、画像表示部104のバックライトの輝度は、基準値「10」のままを維持する。
このように枠ランプ160や盤ランプ264など、画像表示部104の外周に配置された発光体の発光量は、全体的に抑えられるのに対し、画像表示部104の表示内容通常のまま、つまり、リーチなどの際には派手で遊技者の注目度合いを集め易いままの構成となっているため、遊技者は必然的に遊技盤101の中央にある画像表示装置104へと視点を集めることとなる。
遊技者が画像表示部104を見ていない状態、よそ見をしがちな状態は遊技者が飽きを感じ始めている状態であると推測される。そのような飽きを感じ始めている状態に対して、再び画像表示部104への注目、遊技への集中を促すために、意識の集中の対象となるべき画像表示部104、枠ランプ160や盤ランプ264等の発光量を調整することが効果的である。
図15−3は、変更時の輝度および色を示す説明図(その2)である。図15−3において、盤ランプ264のランプ要素A〜Dの輝度は、基準値「10」に対して、それぞれ「8」、「6」、「4」、「2」となっており、すなわち、輝度が低減されていることを示している。また、枠ランプ160の輝度は、「0」になっており、すなわち、発光しないことを示している。画像表示部104のバックライトの輝度は、基準値「10」に対して「7」になっている。
これは、遊技者が画像表示部104を見ていない状態や、よそ見多い状態など、遊技者が飽きを感じ始めている状態であるといえる。しかし、このような飽きを感じ初めている状態の遊技者は、往々にして、遊技に疲労を感じていることも推測される。そのような疲労を感じ始めている遊技者に対しては、一時的に休息に似た状態を与えることが望ましく、全体の発光量を減少させることで視界に入る情報量、刺激の総量を減少させる。
このように、疲労を感じ始めている遊技者に対しては、再び画像表示部104への注目、遊技への集中を促すために、ぱちんこ遊技機100全体の輝度を抑制することが望ましく、意識の集中の対象となるべき画像表示部104の輝度も若干抑え目に、枠ランプ160や盤ランプ264の発光量も同時に抑制することで、遊技者の目への刺激を軽減し、遊技への集中力が再び向上するための休息期間を与えるものである。
また、画像表示部104の表示色は、寒色系や淡い色系となっており、これは、寒色系もしくは淡い色を用いた演出をおこなうことを示している。寒色系の演出とは、例えば青色を基調とした色であり、淡い色とは、通常時よりも全体的に淡い色や薄い色のことである。具体的には、背景画像を寒色とした演出や、いわゆる暖色系であっても薄いピンクや薄い黄色、薄いオレンジを用いた演出である。また、演出図柄やキャラクタ画像を寒色系や淡い色系としたりしてもよい。なお、必ずしも寒色系の演出をおこなうのではなく、寒色系や淡い色系の演出をおこない易くしてもよい。具体的には、寒色系や淡い色系の演出に対する当選確率を上げるようにしてもよい。
本実施の形態では、各ランプ160,264や画像表示部104の輝度を変更させるとともに、画像表示部104の色を変更させるようにしたが、これに限られるものではなく、各ランプ160,264や画像表示部104のうち、少なくとも、いずれか一つを変更させるようにすればよい。例えば、枠ランプ160の輝度のみを低減させるようにしてもよく、色調を変化させてもよい。
また、図15−2に示した輝度および色から、図15−3に示した輝度および色に、段階的に輝度および色を変えるようにしてもよい。具体的には、50変動の間の注目度合いが低い場合に図15−2に示した輝度および色に変更し、さらに、次の50変動の間も注目度合いが低い場合に、図15−3に示した輝度および色に、段階的に変えるようにしてもよい。
(遊技終了処理)
次に、図16を用いて、図9のステップS905に示した遊技終了処理の詳細について説明する。図16は、演出統括部202aがおこなう遊技終了処理を示したフローチャートである。図16において、演出統括部202aのCPU241は、遊技中である旨を示す遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS1601)。遊技フラグは、図12の遊技開始処理においてONに設定されるフラグである(図12のステップS1204参照)。遊技フラグがOFFである場合(ステップS1601:No)、そのまま処理を終了する。
遊技フラグがONである場合(ステップS1601:Yes)、瞳孔が検出された旨を示す検出フラグがONであるか否かを判定する(ステップS1602)。検出フラグは、撮像データ解析処理においてONに設定されるフラグである(図11のステップS1104参照)。
検出フラグがOFFの場合(ステップS1602:No)、すなわち、カメラ150によって瞳孔が検出されていない場合、遊技球が発射されている旨を示す発射継続フラグがONであるか否かを判定する(ステップS1603)。発射継続フラグは、コマンド受信処理においてONに設定されるフラグである(図10のステップS1002参照)。発射継続フラグがOFFである場合(ステップS1603:No)、すなわち、遊技球が発射されていない場合、遊技が中断されているものと判定している旨を示す非遊技計測フラグがONであるか否かを判定する(ステップS1604)。
非遊技計測フラグがONである場合(ステップS1604:Yes)、ステップS1607に移行する。非遊技計測フラグがOFFである場合(ステップS1604:No)、非遊技計測フラグをONにするとともに(ステップS1605)、遊技が中断されているものと判定してからの時間の計測を開始する(ステップS1606)。この後、タイムアップとなったか否かを判定する(ステップS1607)。タイムアップとは、遊技が中断されているものと判定してからの時間が例えば30秒経過することである。
タイムアップではない場合(ステップS1607:No)、そのまま処理を終了する。タイムアップとなった場合(ステップS1607:Yes)、非遊技計測フラグをOFFにするとともに(ステップS1608)、遊技中である旨を示す遊技フラグをOFFにする(ステップS1609)。そして、低輝度フラグをOFFにする(ステップS1610)。なお、低輝度フラグが最初からOFFであった場合には、低輝度フラグのOFFを保持する。この後、よそ見計測回数K、よそ見累計時間T、変動回数Hをそれぞれ「0」に戻し(ステップS1611)、処理を終了する。
ステップS1602において検出フラグがONである場合(ステップS1602:Yes)、または、ステップS1603において発射継続フラグがONである場合(ステップS1603:Yes)、遊技が中断されているものと判定している旨を示す非遊技計測フラグがONであるか否かを判定する(ステップS1612)。非遊技計測フラグがOFFである場合(ステップS1612:No)、そのまま処理を終了する。非遊技計測フラグがONである場合(ステップS1612:Yes)、非遊技計測フラグをOFFにし(ステップS1613)、処理を終了する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、遊技者の生体情報を用いて、遊技者が遊技に注目しているか否かの注目度合いを判定するようにし、この判定結果に基づいて、演出部304の輝度または色を変更させる制御をおこなうようにした。したがって、遊技者が遊技に集中していない場合には、演出部304の輝度または色を、目に優しい明るさや色に変更させることができ、遊技者の目の疲労を軽減させることができる。これにより、遊技者を遊技に集中させることができる。
また、本実施の形態では、遊技者にとって演出上の関心が低い枠ランプ160の輝度を低減させる制御をおこなうようにした。したがって、演出効果を低減させることなく、遊技者の目の疲労を軽減させることができる。
さらに、本実施の形態では、盤ランプ264のランプ要素A〜Dのうち、画像表示部104から離れて配置されているランプ要素(例えばランプ要素D)の輝度を低減させる制御をおこなうようにした。すなわち、遊技者にとって演出上の関心が低い画像表示部104から離れているランプ要素の輝度を低減させるようにしたので、演出効果を低減させることなく、遊技者の目に与える負担を軽減させることができる。特に、ランプ要素A〜Dのように画像表示部104から離れていく方向に段階的に輝度を低減させるようにしたので、輝度を変更したことを遊技者にわかりにくくすることができ、遊技盤中央の画像表示部104に視点を集めやすくしつつ、効果的に遊技者の目の疲労を軽減させることができる。
特に、本実施の形態では、生体情報として遊技者の瞳孔の位置や状態を検出し、この検出結果を用いて、遊技者の注目度合いを判定するようにした。したがって、検出結果に個人差が生じにくく、また、非接触式の検出方法であるため汚れが付着するなど経時使用による検出誤差なども生じにくく、単純且つ的確に安定した判定結果を得ることができる。したがって、遊技者の心理状態を的確に得ることができ、遊技者を遊技により集中させることができる。
さらに、本実施の形態では、瞳孔が検出されなかった頻度が所定値以上の場合に、注目度合いが低いものと判定し、この場合に、高期待度演出テーブルを設定するようにした。したがって、数回程度よそ見があった場合には演出テーブルを変更させず、遊技者の心理状態をより反映させた上で、期待度の高い演出をおこない易くすることができる。
また、本実施の形態では、所定期間内における瞳孔の位置や状態の検出結果を用いて、注目度合いを判定するようにした。すなわち、一定の期間内における瞳孔の位置や状態の検出結果を用いて、注目度合いを判定するようにした。したがって、一時的によそ見が多くても演出テーブルを変更させず、よって、演出テーブルを頻繁に切り替えることなく、ぱちんこ遊技機100が有する演出上の興趣性を保持した上で、遊技者の心理状態に応じて期待度の高い演出をおこない易くすることができる。
さらに、本実施の形態では、演出部304の輝度または明るさを変更させる制御をおこなった状態で、所定期間内において注目度合いが低いと判定しない場合には、演出部304の輝度または明るさを変更させる制御を解除するようにした。これにより、演出部304に対する制御を所所定期間毎におこなうことができ、ぱちんこ遊技機100が有する本来の演出上の興趣性を保持させながら、遊技者を遊技に集中させることができる。