以下、図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態に係る遊技機について説明する。なお、図1は、本発明の一実施形態に係る遊技機1の一例を示す概略正面図である。図2は、遊技機1に設けられた表示器3の一例を示す拡大図である。図3は、遊技機1の部分平面図である。
図1において、遊技機1は、例えば遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたパチンコ遊技機である。この遊技機1は、遊技球が打ち出される遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材5とを備えている。枠部材5は、軸支側に設けられた蝶番を中心に、遊技機1の主部に対して開閉可能に構成され、遊技盤2に対して着脱自在に取り付けられている。そして、枠部材5の前面側となる所定位置(例えば、軸支側とは反対側となる端部)には錠部43が設けられており、錠部43を開錠することによって枠部材5を開くことが可能となる。
遊技盤2は、その前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域20が形成されている。遊技領域20には、下方(発射装置211;図4参照)から発射された遊技球が遊技盤2の主面に沿って上昇して遊技領域20の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材(図示せず)と、上昇した遊技球を遊技領域20の右側に案内する案内部材(図示せず)とを備えている。
また、遊技盤2には、遊技者により視認され易い位置に、各種演出のための画像を表示する画像表示部21が配設されている。画像表示部21は、遊技者によるゲームの進行に応じて、例えば、装飾図柄を表示することによって図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による予告演出を表示したり、図柄抽選が保留されている回数を示す保留表示を表示したりする。なお、画像表示部21は、液晶表示装置、EL(Electro Luminescence:電界発光)表示装置、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)ドット表示装置、および7セグメントディスプレイ(以下、7セグ表示装置と記載する)等によって構成されるが、他の任意の表示装置を利用してもよい。さらに、遊技盤2の前面には、各種の演出に用いられる可動役物22および盤ランプ23が設けられている。可動役物22は、遊技盤2に対して可動に構成され、遊技者によるゲームの進行に応じて所定の動作で移動させることによって各種の演出を行う。また、盤ランプ23は、遊技者によるゲームの進行に応じて発光することによって光による各種の演出を行う。
遊技領域20には、遊技球が下方へ落下する方向を変化させる遊技くぎおよび風車(ともに、図示せず)等が配設されている。また、遊技領域20には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。なお、図1においては、入賞や抽選に関する種々の役物の一例として、第1始動口25a、第2始動口25b、ゲート27、大入賞口28、および普通入賞口29が遊技盤2に配設されている。さらに、遊技領域20には、遊技領域20に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかった遊技球を、遊技領域20の外に排出する排出口24が配設されている。
第1始動口25aおよび第2始動口25bは、それぞれ遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する。第1始動口25aは、予め定められた特別電動役物(大入賞口28)および/または予め定められた特別図柄表示器(例えば、後述する第1特別図柄表示器31a)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。また、第2始動口25bは、上記特別電動役物(大入賞口28)および/または予め定められた特別図柄表示器(例えば、後述する第2特別図柄表示器31b)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。ゲート27は、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する。
第2始動口25bは、第1始動口25aの下部に設けられ、普通電動役物の一例として、遊技球の入口近傍に電動チューリップ26を備えている。電動チューリップ26は、チューリップの花を模した一対の羽根部を有しており、後述する電動チューリップ開閉部112(例えば、電動ソレノイド)の駆動によって当該一対の羽根部が左右に開閉し、開閉動作と共に点灯または点滅する。電動チューリップ26は、一対の羽根部が閉じていると、第2始動口25bの入口へ案内される開口幅が極めて狭いため、遊技球が第2始動口25bへ入らない状態となる。一方、電動チューリップ26は、一対の羽根部が左右に開くと、第2始動口25bの入口へ案内される開口幅が拡大するため、遊技球が第2始動口25bへ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ26は、ゲート27を遊技球が通過することによって普通図柄抽選に当選すると、点灯または点滅しながら一対の羽根部が規定時間(例えば、0.15秒間または1.80秒間)開き、規定回数(例えば、1回または3回)だけ開閉する。
大入賞口28は、第2始動口25bの下方に位置し、特別図柄抽選の結果に応じて開放する。大入賞口28は、通常は閉状態であり遊技球が入ることがない状態となっているが、特別図柄抽選の結果に応じて遊技盤2の主面から突出傾斜して開状態となって遊技球が入り易い状態となる。例えば、大入賞口28は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球9個の入賞や開放累積時間が1.8秒以内)を満たすまで開状態となるラウンドを、所定回数(例えば、15回または1回)だけ繰り返す。また、普通入賞口29は、遊技球が入賞しても抽選が始動しない。
また、遊技盤2の所定位置(例えば、右下)に、上述した特別図柄抽選や普通図柄抽選の結果や保留数に関する表示を行う表示器3が配設されている。表示器3の詳細については、後述する。
なお、図1に示した遊技機1は、遊技領域20に2つの第1始動口25aおよび第2始動口25bが配設されているが、遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選が開始される始動口を1つだけ設けてもかまわない。また、遊技機1は、遊技領域20に1つの大入賞口28が配設されているが、大入賞口28と同様の機能を有する大入賞口を複数設けてもかまわない。
また、遊技機1は、所定の条件下で、特別図柄抽選時に大当たりが抽選される大当たり確率が変動することがある。例えば、遊技機1は、上記大当たり確率が相対的に低い状態(低確状態;例えば大当たり確率が300分の1)から上記大当たり確率が相対的に高い状態(高確状態;例えば大当たり確率が30分の1)へ変動することがある。また、遊技機1は、所定の条件下で、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間が短縮されたり、普通図柄抽選時の当選する確率が高まったり、普通図柄抽選時の普通図柄変動時間が短縮されたり、電動チューリップ26の羽根部の開時間が延長されたり、電動チューリップ26の羽根部が開閉する回数が増えたりする(電チューサポート)場合がある。
ここで、賞球の払い出しについて説明する。第1始動口25a、第2始動口25b、大入賞口28、および普通入賞口29に遊技球が入る(入賞)と、遊技球が入賞した場所に応じて、1つの遊技球当たり規定個数の賞球が払い出される。例えば、第1始動口25aおよび第2始動口25bに遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口28に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口29に遊技球が入賞すると10個の賞球がそれぞれ払い出される。なお、ゲート27を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは無い。
遊技機1の前面となる枠部材5には、ハンドル51、レバー52、停止ボタン53、取り出しボタン54、スピーカ55、枠ランプ56、演出ボタン57、演出キー58、皿59、および錠部43等が設けられている。
遊技者がハンドル51に触れてレバー52を時計方向に回転させる操作を行うと、その操作角度に応じた打球力にて所定の時間間隔(例えば、1分間に100個)で、発射装置211(図4参照)が遊技球を電動発射する。皿59(図3参照)は、遊技機1の前方に突出して設けられ、発射装置211に供給する遊技球を一時的に溜めておく。また、皿59には、上述した賞球が払い出される。そして、皿59に溜められた遊技球は、遊技者のレバー52による操作と連動したタイミングで、供給装置(図示せず)によって1つずつ発射装置211に供給される。なお、皿59は、上下皿一体で構成してもいいし、上皿と下皿とを分離して構成してもかまわない。また、ハンドル51は、所定条件下で発光させてもかまわない。
停止ボタン53は、ハンドル51の下部側面に設けられ、ハンドル51に遊技者が触れてレバー52を時計方向に回転させている状態であっても、遊技者に押下されることによって遊技球の発射を一時的に停止させる。取り出しボタン54は、皿59が設けられた位置近傍の前面に設けられ、遊技者に押下されることによって皿59に溜まっている遊技球を箱(図示せず)に落下させる。
スピーカ55および枠ランプ56は、それぞれ遊技機1の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりする。スピーカ55は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行う。また、枠ランプ56は、点灯/点滅によるパターンや発光色の違い等によって光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ56は、光の照射方向を変更可能にして、当該照射方向を変えることによる演出を行ってもかまわない。
次に、図2を参照して、遊技機1に設けられる表示器3について説明する。図2において、表示器3は、第1特別図柄表示器31a、第2特別図柄表示器31b、第1特別図柄保留表示器32a、第2特別図柄保留表示器32b、普通図柄表示器33、普通図柄保留表示器34、および遊技状態表示器35を備えている。
第1特別図柄表示器31aは、第1始動口25aに遊技球が入賞することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、第1特別図柄表示器31aは、7セグ表示装置で構成され、第1始動口25aに遊技球が入賞した場合、特別図柄を変動表示してその抽選結果を表示する。また、第2特別図柄表示器31bは、第2始動口25bに遊技球が入賞することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、第2特別図柄表示器31bも同様に、7セグ表示装置で構成され、第2始動口25bに遊技球が入賞した場合、特別図柄を変動表示してその抽選結果を表示する。普通図柄表示器33は、ゲート27を遊技球が通過することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、普通図柄表示器33は、LED表示装置で構成され、遊技球がゲート27を通過した場合、普通図柄を変動表示してその抽選結果を表示する。
第1特別図柄保留表示器32aは、第1始動口25aに遊技球が入賞した場合の特別図柄抽選を保留している回数を表示する。第2特別図柄保留表示器32bは、第2始動口25bに遊技球が入賞した場合の特別図柄抽選を保留している回数を表示する。普通図柄保留表示器34は、普通図柄抽選を保留している回数を表示する。例えば、第1特別図柄表示器31a、第2特別図柄表示器31b、または普通図柄表示器33によって表示図柄が変動表示されている期間(入賞1回分の変動表示が行われている間)等、表示図柄の変動表示を即時に開始できない期間に、さらに他の遊技球が入賞した場合、その入賞した遊技球に対する表示図柄の変動表示は、先に入賞した遊技球に対する変動表示が終了する等、表示図柄の変動表示が可能となるまで、規定回数(例えば、4回)を限度に保留される。このような保留がなされていることおよびその保留の数(未抽選回数)が、第1特別図柄保留表示器32a、第2特別図柄表示器31b、および普通図柄保留表示器34にそれぞれ表示される。例えば、第1特別図柄保留表示器32a、第2特別図柄表示器31b、および普通図柄保留表示器34は、それぞれ列設されたLED表示装置で構成され、その点灯態様によって保留回数が表示される。
遊技状態表示器35は、遊技機1の電源投入時点における遊技状態を表示する。遊技機1には複数の遊技状態(例えば、通常遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態、潜確遊技状態)が設定されている。そして、遊技機1の電源投入時点においては、遊技状態表示器35によってその遊技状態が報知される。例えば、遊技状態表示器35は、複数のLED表示装置で構成され、その点灯態様によって遊技状態が表示される。
次に、図3を参照して、遊技機1に設けられる入力装置について説明する。図3において、遊技機1には、入力装置の一例として、演出ボタン57および演出キー58が設けられている。
演出ボタン57および演出キー58は、それぞれ遊技者が演出に対する入力を行うために設けられている。演出ボタン57は、遊技機1の前方に突出した皿59の上面脇部に設けられる。演出キー58は、中央キー58Eと略十字に配列された複数の方向キー58U、58D、58L、および58Rとを有し、演出ボタン57に隣接して皿59の上面脇部に設けられる。演出キー58は、中央キー58Eと略十字に配列された複数の方向キー58U、58D、58L、および58Rとを有し、演出ボタン57に隣接して皿59の上面脇部に設けられる。例えば、演出キー58は、その中央に1つの中央キー58Eを配置し、中央キー58Eの周囲に略同一形状の4つの方向キー58U、58D、58L、および58Rを配置して構成されている。演出ボタン57および演出キー58は、それぞれ遊技者に押下されることによって所定の演出が行われる。例えば、遊技者は、画像表示部21に表示された指示に応じて、演出ボタン57を押下することによって所定の演出を楽しむことができる。また、遊技者は、4つの方向キー58U、58D、58L、および58Rを操作することにより、画像表示部21に表示されている複数の画像のいずれかを選ぶことが可能である。また、遊技者は、中央キー58Eを操作することにより、選んだ画像を情報として入力することが可能である。なお、後述により明らかとなるが、本実施形態の一例においては、遊技店の店員や遊技者は、演出キー58を操作することにより、遊技機1の調整モードの選択や、遊技機1の演出動作に関連した各種調整項目(出力音のボリューム、ランプ輝度、液晶画面のバックライト輝度など)の調整が可能となっている。
また、遊技機1の背面側には、払出用の遊技球を溜めておく球タンクや遊技球を皿59に払い出す払出装置(払出駆動部311)が設けられ、各種の基板等が取り付けられている。例えば、遊技盤2の後面には、メイン基板およびサブ基板等が配設されている。具体的には、メイン基板には、内部抽選および当選の判定等を行うメイン制御部100(図4参照)が構成されたメイン制御基板が配設されている。このメイン基板は、開封されることにより痕跡が残るように透明部材で構成されたメイン基板ケースによって密封されている。また、サブ基板には、遊技球を遊技領域20の上部へ発射する発射装置211を制御する発射制御部200(図4参照)が構成された発射制御基板、賞球の払出を制御する払出制御部300(図4参照)が構成された払出制御基板、演出を統括的に制御する演出制御部400(図4参照)が構成された演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像音響制御部500(図4参照)が構成された画像制御基板、および各種のランプ(枠ランプ56、盤ランプ23)や可動役物22による演出を制御するランプ制御部600(図4参照)が構成されたランプ制御基板等が配設されている。また、遊技盤2の後面には、遊技機1の電源オン/オフを切り替えるとともに、遊技機1に供給された24V(ボルト)の交流電力を各種電圧の直流電力に変換して、それぞれの電圧の直流電力を上述した各種の基板等に出力するスイッチング電源が配設されている。
次に、図4を参照して、遊技機1での動作制御や信号処理を行う制御装置について説明する。なお、図4は、遊技機1に設けられた制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4において、遊技機1の制御装置は、メイン制御部100、発射制御部200、払出制御部300、演出制御部400、画像音響制御部500、およびランプ制御部600等を備えている。
メイン制御部100は、CPU(Central Processing Unit;中央処理装置)101、ROM(Read Only Memory)102、およびRAM(Random Access Memory)103を備えている。CPU101は、内部抽選および当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM102は、CPU101にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM103は、CPU101の作業用メモリ等として用いられる。以下、メイン制御部100の主な機能について説明する。
メイン制御部100は、第1始動口25aまたは第2始動口25bに遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、特別図柄抽選での当選か否かを示す判定結果データを演出制御部400に送る。また、メイン制御部100は、特別図柄抽選に応じて決定した当選確率の変動設定(例えば300分の1から30分の1への変動設定)および特別図柄変動時間の短縮設定を示すデータや、普通図柄変動時間の短縮設定を示すデータを、演出制御部400に送る。
メイン制御部100は、電動チューリップ26の羽根部が開状態となる開時間や羽根部が開閉する回数、さらには羽根部が開閉する開閉時間間隔を制御する。また、メイン制御部100は、遊技球が第1始動口25aへ入賞したときの保留回数、遊技球が第2始動口25bへ入賞したときの保留回数、および遊技球がゲート27を通過したときの保留回数をそれぞれ管理し、保留回数に関連するデータを演出制御部400に送る。
メイン制御部100は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口28の開閉動作を制御する。例えば、メイン制御部100は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球9個の入賞や開放累積時間が1.8秒以内)を満たすまで、大入賞口28が突出傾斜して開状態となるラウンドを所定回数(例えば15回または1回)だけ繰り返すように制御する。また、メイン制御部100は、大入賞口28が開閉する開閉時間間隔を制御する。
メイン制御部100は、第1始動口25a、第2始動口25b、大入賞口28、および普通入賞口29に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出数を払出制御部300に対して指示する。例えば、メイン制御部100は、第1始動口25aまたは第2始動口25bに遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口28に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口29に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ払い出すように、払出制御部300に指示命令(コマンド)を送る。なお、メイン制御部100は、ゲート27を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しを払出制御部300に指示しない。払出制御部300がメイン制御部100の指示に応じて賞球の払い出しを行った場合、払出制御部300から払い出した賞球の個数に関する情報がメイン制御部100へ送られる。そして、メイン制御部100は、払出制御部300から取得した情報に基づいて、払い出した賞球の個数を管理する。
メイン制御部100は、発射制御部200を介して、遊技球を発射する発射装置211を制御する。例えば、メイン制御部100は、所定の条件に基づいて、発射装置211が遊技球を発射する動作を許可する信号を、払出制御部300を介して発射制御部200へ送信する。
上述した機能を実現するために、メイン制御部100には、第1始動口スイッチ111a、第2始動口スイッチ111b、電動チューリップ開閉部112、ゲートスイッチ113、大入賞口スイッチ114、大入賞口開閉部115、普通入賞口スイッチ116、第1特別図柄表示器31a、第2特別図柄表示器31b、第1特別図柄保留表示器32a、第2特別図柄保留表示器32b、普通図柄表示器33、および普通図柄保留表示器34が接続されている。
第1始動口スイッチ111aは、第1始動口25aへ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。第2始動口スイッチ111bは、第2始動口25bへ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。電動チューリップ開閉部112は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、電動チューリップ26の一対の羽根部を開閉する。ゲートスイッチ113は、ゲート27を遊技球が通過したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口スイッチ114は、大入賞口28へ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口開閉部115は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、大入賞口28を開閉する。普通入賞口スイッチ116は、普通入賞口29へ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。
また、メイン制御部100は、第1始動口25aへの遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を、第1特別図柄表示器31aに表示する。メイン制御部100は、第2始動口25bへの遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を、第2特別図柄表示器31bに表示する。メイン制御部100は、第1始動口25aへの遊技球の入賞に応じて抽選を保留にしている保留回数を、第1特別図柄保留表示器32aに表示する。メイン制御部100は、第2始動口25bへの遊技球の入賞に応じて抽選を保留にしている保留回数を、第2特別図柄保留表示器32bに表示する。メイン制御部100は、ゲート27への遊技球の通過により始動した普通図柄抽選の結果を、普通図柄表示器33に表示する。そして、メイン制御部100は、ゲート27への遊技球の通過に応じて抽選を保留にしている保留回数を、普通図柄保留表示器34に表示する。また、メイン制御部100は、現時点で特別図柄抽選が行われておらず、特別図柄抽選を保留にしている保留回数が0でさらに特別図柄抽選を行う予定もない場合、客待ち演出の開始に関連するデータを演出制御部400に送る。また、メイン制御部100は、客待ち演出の開始に関連するデータを演出制御部400に送った後に、特別図柄抽選が開始されるまたは特別図柄抽選を保留にしている保留回数が1以上となった場合、客待ち演出の終了に関連するデータを演出制御部400に送る。
また、メイン制御部100は、遊技機1を設置している店(ホール)に設けられたホストコンピュータに対して、各種の情報を送信する。そして、メイン制御部100は、払出制御部300から取得した払い出した賞球数に関する情報やメイン制御部100の状態等を示す情報を、上記ホストコンピュータに送信する。
発射制御部200は、CPU201、ROM202、およびRAM203を備えている。CPU201は、発射装置211に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM202は、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM203は、CPU201の作業用メモリ等として用いられる。
レバー52は、その位置が中立位置にある場合、信号を出力せずに発射停止状態となる。そして、レバー52は、時計方向に回転操作されると、その回転角度に応じた信号を打球発射指令信号として発射制御部200に出力する。発射制御部200は、打球発射指令信号に基づいて、発射装置211の発射動作を制御する。例えば、発射制御部200は、レバー52の回転角度が増すほど、遊技球が発射される速度が速くなるように、発射装置211の動作を制御する。また、発射制御部200は、メイン制御部100から発射を許可する信号を受信することによって、発射装置211の発射動作が可能となる。一方、発射制御部200は、停止ボタン53が押下された信号が出力されたり、メイン制御部100から発射を停止する制御信号が出力されたりした場合、発射装置211が遊技球を発射する動作を停止させる。
払出制御部300は、CPU301、ROM302、およびRAM303を備えている。CPU301は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行う。ROM302は、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM303は、CPU301の作業用メモリ等として用いられる。
払出制御部300は、メイン制御部100から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。具体的には、払出制御部300は、メイン制御部100から、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部311を制御する。ここで、払出駆動部311は、遊技球の貯留部(球タンク)から遊技球を送り出す駆動モータ等で構成される。
演出制御部400は、CPU401、ROM402、RAM403、およびRTC(リアルタイムクロック)404を備えている。また、演出制御部400は、演出ボタン57および演出キー58が接続され、遊技店の店員や遊技者が押下する操作に応じて演出ボタン57および演出キー58からそれぞれ出力される操作データを取得する。CPU401は、演出を制御する際の演算処理を行う。ROM402は、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM403は、CPU401の作業用メモリ等として用いられる。RTC404は、現時点の日時を計測する。
演出制御部400は、メイン制御部100から送られる特別図柄抽選結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出制御部400は、遊技者によって演出ボタン57または演出キー58が押下操作された場合、当該操作入力や検出結果に応じて演出内容を設定する場合もある。また、演出制御部400は、遊技機1の電源が投入されてから遊技機1に対する遊技がまだ行われていない間や、遊技機1に対する遊技が所定期間以上中断された場合、演出の1つとして客待ち用の演出を設定する。本実施形態の一例では、演出制御部400は、客待ち演出が行われている状態(すなわち、遊技機1の動作モードが客待ちモードである状態)において、演出ボタン57または演出キー58を通じて所定のコマンドが入力されたかどうかを判定する。そして、演出ボタン57または演出キー58を通じて所定のコマンドが入力されたときには、演出制御部400は、遊技機1の演出動作に関する各種調整項目(例えば、画像表示部21のバックライトの明るさや、画像表示部21の画面に表示される文字の大きさや、盤ランプ23および枠ランプ56の明るさや、スピーカ55から出力される音の大きさなど)の調整を行うための調整処理を実行する。そして、演出制御部400は、調整処理における設定結果を示すコマンド(以下、設定コマンドと称す)を画像音響制御部500および/またはランプ制御部600にそれぞれ送る。この調整処理の詳細については後述する。
さらに、メイン制御部100が、特別図柄抽選時の当選確率を変動させたことを示すデータを出力した場合、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間を短縮させたことを示すデータを出力した場合、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間を短縮させたことを示すデータを出力した場合、演出制御部400は、それぞれ出力されたデータが示す内容に対応させて、演出内容を設定する。そして、演出制御部400は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像音響制御部500およびランプ制御部600にそれぞれ送る。
画像音響制御部500は、CPU501、ROM502、およびRAM503を備えている。CPU501は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行う。ROM502は、CPU501にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM503は、CPU501の作業用メモリ等として用いられる。
画像音響制御部500は、演出制御部400から送られたコマンド(上記設定コマンドも含まれる)に基づいて、画像表示部21に表示する画像およびスピーカ55から出力する音響を制御する。具体的には、画像音響制御部500のROM502には、遊技者に特別図柄抽選結果を報知するための装飾図柄画像、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム、遊技者に特別図柄抽選が保留されていることを示す保留表示画像、遊技者に遊技モードを選択させるための画像、および各種背景画像等を、画像表示部21に表示するための画像データが記憶されている。また、画像音響制御部500のROM502には、画像表示部21に表示される画像と同期させて、または表示される画像とは独立に、スピーカ55から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等の各種音響データが記憶されている。また、画像音響制御部500のROM502には、遊技者によって選択された遊技モードに応じた各種画像を画像表示部21に表示するための画像データや、当該遊技モードに応じた各種音声をスピーカ55から出力させるための音響データが記憶されている。画像音響制御部500のCPU501は、ROM502に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部400から送られたコマンドおよび遊技モードに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU501は、読み出した画像データを用いて、背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、キャラクタ/アイテム表示、および保留表示画像表示等のための画像処理を行って、演出制御部400から送られたコマンドに対応した各種演出表示を行う。そして、CPU501は、画像処理された画像データが示す画像を画像表示部21に表示する。また、CPU501は、読み出した音響データを用いて音声処理を行い、音声処理された音響データが示す音響をスピーカ55から出力する。
ランプ制御部600は、CPU601、ROM602、およびRAM603を備えている。CPU601は、盤ランプ23や枠ランプ56の発光、および可動役物22の動作を制御する際の演算処理を行う。ROM602は、CPU601にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶され、RAM603は、CPU601の作業用メモリ等として用いられる。
ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンド(上記設定コマンドも含まれる)に基づいて、盤ランプ23や枠ランプ56の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドや遊技モードに基づいて、可動役物22の動作を制御する。具体的には、ランプ制御部600のROM602には、演出制御部400にて設定される演出内容に応じた盤ランプ23や枠ランプ56での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。また、ランプ制御部600のROM602には、演出制御部400にて設定される遊技モードに応じた盤ランプ23や枠ランプ56の点灯/点滅時の輝度が記憶されている。CPU601は、ROM602に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した発光パターンデータに基づいて、設定された遊技モードに対応する輝度で盤ランプ23や枠ランプ56の発光を制御する。また、ROM602には、演出制御部400にて設定される演出内容に応じた可動役物22の動作パターンデータが記憶されている。また、ランプ制御部600のROM602には、演出制御部400にて設定される遊技モードに応じた可動役物22の動作パターンデータが記憶されている。CPU601は、ROM602に記憶された動作パターンデータの中から、演出制御部400から送られたコマンドおよび遊技モードに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した動作パターンデータに基づいて、可動役物22の動作を制御する。
(調整処理の概要)
次に、前述した遊技機1の調整処理の概要について説明する。
図5は、客待ちモードにおいて画像表示部21に表示される客待ち画面の一例を示している。客待ち画面には、遊技機1の演出動作に関する各種調整項目の調整を遊技者が行うことが可能な遊技者用の調整モード(以下、ユーザ調整モードと称す)へと移行するためのコマンド(本実施形態では、演出キー58の中央キー58Eの押下)を示す案内画像70が含まれている。客待ちモードにおいて遊技者が当該コマンドを入力する(すなわち、演出キー58の中央キー58Eを押下する)と、遊技機1の動作モードが客待ちモードからユーザ調整モードへと移行する。
また、本実施形態の遊技機1には、上記のユーザ調整モードだけでなく、遊技店の店員用の調整モード(以下、ホール調整モードと称す)も用意されている。当該ホール調整モードへの移行は、客待ちモードにおいて遊技店の店員が、ユーザ調整モードへと移行するためのコマンドとは異なるコマンドを入力することによって行われる。当該ホール調整モードへと移行するためのコマンドは、遊技者には公開されないコマンド(本実施形態では、演出キー58の4つの方向キー58U、58D、58L、58Rの同時押し)である。
以下の説明では、ユーザ調整モードへと移行するためのコマンドと、ホール調整モードへと移行するためのコマンドを区別するために、前者を公開コマンドと称し、後者を隠しコマンドと称する。
図6は、客待ちモードにおいて隠しコマンドまたは公開コマンドが入力されたときの、画像表示部21に表示される画面の遷移を示している。客待ちモードにおいて隠しコマンドが入力された場合には、画像表示部21に表示される画面が客待ち画面からホール調整画面へと遷移し、客待ちモードにおいて公開コマンドが入力された場合には、画像表示部21に表示される画面が客待ち画面からユーザ調整画面へと遷移する。
図7は、ホール調整モードにおいて画像表示部21に表示されるホール調整画面の一例を示している。ホール調整画面には、「画面輝度」、「ランプ輝度」等の各種調整項目と、それぞれの調整項目の設定値(1〜9)が表示されている。また、ホール調整画面の下部には、調整項目の選択や、設定値の変更や、ホール調整モードを終了させるための演出キー58の操作方法を示す案内画像が表示されている。本実施形態では、演出キー58の方向キー58U、58Dを操作してカーソル71を移動させることによって調整項目を選択し、演出キー58の方向キー58L、58Rを操作することによって、その選択した調整項目の設定値を変更することができる。各調整項目の現在の設定値は、下線によって示されている。演出キー58の中央キー58Eが押下されると、ホール調整モードから客待ちモードへと復帰する。
図8は、ユーザ調整モードにおいて画像表示部21に表示されるユーザ調整画面の一例を示している。ユーザ調整画面には、「画面輝度」、「ランプ輝度」等の各種調整項目と、それぞれの調整項目の設定値(「暗い〜明るい」等)が表示されている。また、ユーザ調整画面の下部には、ホール調整画面と同様に、調整項目の選択や、設定値の変更や、ユーザ調整モードを終了させるための演出キー58の操作方法を示す案内画像が表示されている。演出キー58の中央キー58Eが押下されると、ユーザ調整モードから客待ちモードへと復帰する。
図7および図8から明らかなように、本実施形態では、ホール調整モードにおいては各種調整項目を9段階で調整することが可能であり、ユーザ調整モードにおいては各種調整項目を3段階で調整することが可能である。すなわち、ホール調整モードにおいては細かい調整が可能であり、ユーザ調整モードにおいては粗い調整が可能である。一般的に、調整可能な段階数が多いほど、微妙な調整が可能になるというメリットがある一方で、調整に手間がかかって面倒であるというデメリットがある。そして、遊技店の店員にとっては、調整に手間がかかることはそれほどデメリットではなく、むしろ微妙な調整が可能になる方が好ましい。逆に、遊技者にとっては、微妙な調整は重要ではなく、むしろ調整に手間がかからない方が好ましい。本実施形態によれば、細かい調整が可能なホール調整モードと、粗い調整が可能なユーザ調整モードの2つの調整モードが設けられているので、遊技店の店員にとっても遊技者にとっても最適な調整が可能となる。
(調整処理に関する演出制御部400の動作)
次に、調整処理に関する演出制御部400の動作について詳細に説明する。
図9は、演出制御部400が上記調整処理を実行する際にRAM403に格納されるプログラムおよびデータの一部を示している。
調整プログラムは、演出制御部400のCPU401に上記調整処理を実行させるためのコンピュータプログラムであって、ROM402から適宜のタイミングでRAM403にロードされる。
ホール設定値情報は、調整項目毎のホール設定値を示す情報である。ユーザ設定値情報は、調整項目毎のユーザ設定値を示す情報である。
以下、図10〜図12のフローチャートを参照して、調整プログラムに基づくCPU401の処理の流れを説明する。
遊技機1の電源がオンになって、調整プログラムの実行が開始されると、まず、図10のステップS10において、CPU401は、画像音響制御部500およびランプ制御部600へ、ホール設定値に基づく設定コマンドを送信する。このホール設定値は、遊技機1の電源がオフになる直前にRAM403に記憶されていたものである。すなわち、本実施形態では、遊技機1の電源がオフになってもホール設定値が保持されるものとする。遊技機1の電源がオフになってもホール設定値を保持するための方法としては、ホール設定値をRAM403から不揮発的な記憶媒体に待避させる方法や、RAM403にバックアップ回路等からの電源を供給し続ける方法などが考えられる。画像音響制御部500およびランプ制御部600は、演出制御部400からの設定コマンドを受信すると、それ以降、当該設定コマンドに応じて画像表示部21、スピーカ55、枠ランプ56、盤ランプ、可動役物22等を駆動する。例えば、画像音響制御部500は、画面輝度が「1」であることを示す設定コマンドを受信すると、その設定値「1」に応じた明るさとなるように、画像表示部21に用いられているバックライトの明るさを変更する。また例えば、ランプ制御部600は、ランプ輝度が「7」であることを示す設定コマンドを受信すると、その設定値「7」に応じた明るさで発光するように、枠ランプ56および盤ランプ23の明るさを変更する。
ステップS11において、CPU401は、メイン制御部100からのコマンドに基づいて、客待ちモードが開始されたかどうかを判断する。そして、客待ちモードが開始された場合にはステップS12に進む。
ステップS12において、CPU401は、RAM503に記憶されているユーザ設定値をクリアする。その後、ステップS13において、CPU401は、RAM503に記憶されているホール設定値に基づく設定コマンドを、画像音響制御部500およびランプ制御部600へ送信する。これにより、或る遊技者が遊技を終了したときに、その遊技者が調整した内容がクリアされるとともに、ホール設定値に基づく設定コマンドが画像音響制御部500およびランプ制御部600へ送信されるので、その後、同じ遊技機1において別の遊技者が遊技を行うときに、前の遊技者の好みに応じた演出動作が行われてしまうことを回避することができる。
ステップS14において、CPU401は、例えば図5に示すような客待ち画面を画像表示部21に表示する(より正確には、客待ち画面を表示するように指示するコマンドを、画像音響制御部500に送信する)。
ステップS15において、CPU401は、演出キー58から出力される操作データに基づいて、隠しコマンド(例えば、演出キー58の4つの方向キー58U、58D、58L、58Rの同時押し)が入力されたかどうかを判断する。そして、隠しコマンドが入力された場合にはステップS16のホール調整処理に進み、そうでない場合にはステップS17に進む。ステップS16のホール調整処理の詳細については後述する。
ステップS17において、CPU401は、演出キー58から出力される操作データに基づいて、公開コマンド(例えば、演出キー58の中央キー58Eの押下)が入力されたかどうかを判断する。そして、公開コマンドが入力された場合にはステップS18のユーザ調整処理に進み、そうでない場合にはステップS19に進む。ステップS18のユーザ調整処理の詳細については後述する。
ステップS19において、CPU401は、メイン制御部100からのコマンドに基づいて、客待ちモードが終了したかどうかを判断する。そして、客待ちモードが継続している場合にはステップS15に戻り、客待ちモードが終了した場合にはステップS11に戻る。
次に、図11のフローチャートを参照して、図10のステップS16のホール調整処理について詳細に説明する。
図11のステップS20において、CPU401は、例えば図7に示すようなホール調整画面を画像表示部21に表示する(より正確には、ホール調整画面を表示するように指示するコマンドを、画像音響制御部500に送信する)。
ステップS21において、CPU401は、演出キー58から出力される操作データに基づいて、カーソル71の移動(すなわち、調整項目の選択)およびホール設定値の変更(すなわち、RAM403に格納されている各調整項目のホール設定値の更新)を行う。
ステップS22において、CPU401は、演出キー58から出力される操作データに基づいて、ホール調整モードを終了するかどうかを判断し、ホール調整モードを終了する場合にはステップS23に進み、そうでない場合にはステップS21に戻る。
ステップS23において、CPU401は、画像音響制御部500およびランプ制御部600へ、RAM403に格納されているホール設定値に基づく設定コマンドを送信する。画像音響制御部500およびランプ制御部600は、演出制御部400からの設定コマンドを受信すると、それ以降、当該設定コマンドに応じて画像表示部21、スピーカ55、枠ランプ56、盤ランプ、可動役物22等を駆動する。これにより、ホール調整画面において遊技店の店員が設定したホール設定値に応じた演出動作が行われるようになる。
ステップS24において、CPU401は、客待ち画面を画像表示部21に表示する(より正確には、客待ち画面を表示するように指示するコマンドを、画像音響制御部500に送信する)。そしてCPU401は、ホール調整処理を終了する。
次に、図12のフローチャートを参照して、図10のステップS18のユーザ調整処理について詳細に説明する。
図12のステップS30において、CPU401は、例えば図8に示すようなユーザ調整画面を画像表示部21に表示する(より正確には、ユーザ調整画面を表示するように指示するコマンドを、画像音響制御部500に送信する)。
ステップS31において、CPU401は、演出キー58から出力される操作データに基づいて、カーソル71の移動(すなわち、調整項目の選択)およびユーザ設定値の変更(すなわち、RAM403に格納されている各調整項目のユーザ設定値の更新)を行う。
ステップS32において、CPU401は、演出キー58から出力される操作データに基づいて、ユーザ調整モードを終了するかどうかを判断し、ユーザ調整モードを終了する場合にはステップS33に進み、そうでない場合にはステップS31に戻る。
ステップS33において、CPU401は、画像音響制御部500およびランプ制御部600へ、RAM403に格納されているユーザ設定値に基づく設定コマンドを送信する。画像音響制御部500およびランプ制御部600は、演出制御部400からの設定コマンドを受信すると、それ以降、当該設定コマンドに応じて画像表示部21、スピーカ55、枠ランプ56、盤ランプ、可動役物22等を駆動する。これにより、ユーザ調整画面において遊技者が設定したユーザ設定値に応じた演出動作が行われるようになる。
ステップS34において、CPU401は、客待ち画面を画像表示部21に表示する(より正確には、客待ち画面を表示するように指示するコマンドを、画像音響制御部500に送信する)。そしてCPU401は、ユーザ調整処理を終了する。
(実施形態の効果)
以上のように、本実施形態の遊技機1は、複数の調整モードを有しているので、調整者に応じてより適した調整モードを提供することができる。
また、本実施形態の遊技機1では、詳細な調整が可能な調整モード(ホール調整モード)と、簡単な調整が可能な調整モード(ユーザ調整モード)を有しているので、調整者のニーズに応じて適した調整モードを提供することができる。
また、本実施形態の遊技機1は、遊技店の店員向けの調整モード(ホール調整モード)と、遊技者向けの調整モード(ユーザ調整モード)を有しているので、遊技店の店員と遊技者のそれぞれに対して適した調整モードを提供することができる。
また、本実施形態の遊技機1では、隠しコマンドが入力されたときにのみホール調整モードが選択されるので、遊技者がホール調整モードを選択してしまうことを回避することができる。なお、本実施形態では、演出キー58の4つの方向キー58U、58D、58L、58Rの同時押しを隠しコマンドとしているが、隠しコマンドはこれに限らず、例えば、錠部43を開錠した状態で演出キー58の中央キー58Eを押下する隠しコマンドによって、ホール調整モードへ移行するようにしてもよい。
また、本実施形態の遊技機1では、遊技機1の動作モードが客待ちモードに移行した時点(言い換えると、遊技機1に対する遊技が一定時間以上行われていないと判定された時点。さらに言い換えると、遊技者が入れ替わったと判定された時点)で、ユーザ設定値がクリアされ、ホール設定値に基づく設定コマンドが画像音響制御部500およびランプ制御部600へ送信されるので、遊技機1の遊技者が入れ替わったときに、前の遊技者の好みに応じた演出動作が行われてしまうことを回避することができる。なお、ホール調整モードにおいて更新されたホール設定値については、遊技機1の動作モードが客待ちモードに移行しても保持されるので、遊技機1の動作モードが客待ちモードに移行する度に遊技店の店員が再調整する必要がない。さらに、本実施形態の遊技機1では、ホール調整モードにおいて更新されたホール設定値が、遊技機1の電源がオフになっても保持されるので、遊技機1の電源をオンにする度に遊技店の店員が再調整する必要がない。
(変形例)
ところで、本実施形態では、ユーザ調整モードにおいて各種調整項目を調整可能な段階数(3段階)が、ホール調整モードにおいて各種調整項目を調整可能な段階数(9段階)よりも小さい例を説明したが、ホール調整モードとユーザ調整モードの関係は、これに限らない。
例えば、図13のようにユーザ調整モードにおいて調整可能な調整項目の数(3つ)が、図7のようにホール調整モードにおいて調整可能な調整項目の数(5)よりも少なくなるようにしてもよい。すなわち、ホール調整モードにおいてのみ調整可能であって、ユーザ調整モードでは調整不可能な調整項目が存在するようにしてもよい。
また例えば、図7のようにホール調整モードにおいては複数種類の調整項目の設定値を個別に設定するのに対して、図14のようにユーザ調整モードにおいては、遊技者が複数の選択肢(カテゴリー)の中から所望の選択肢(図14の例では「一般向け設定」または「高齢者向け設定」)を選択することによって、複数種類の調整項目の設定値を一括して更新できるようにしてもよい。図14の例では、遊技者が「一般向け設定」を選択すると、画面輝度およびランプ輝度が明るめに、音量が大きめに、文字サイズが小さめに、役物速度が速めに設定され、遊技者が「高齢者向け設定」を選択すると、画面輝度およびランプ輝度が暗めに、音量が小さめに、文字サイズが大きめに、役物速度が遅めに設定される。このように、複数種類の調整項目の設定値を一括して更新できるようにすることにより、調整作業に要する遊技者の手間が大きく省け、遊技者はより早く遊技を開始することができる。
ところで、本実施形態では、ユーザ調整モードにおいて調整可能な範囲が、ホール調整モードにおける調整結果とは無関係であったが、変形例として、ユーザ調整モードにおいて調整可能な範囲を、ホール調整モードにおける調整結果に応じて制限するようにしてもよい。例えば、ユーザ調整モードにおいて調整可能な設定値の範囲(上限、下限)を、ホール調整モードにおいて設定できるようにしてもよい。これにより、遊技店が許容した範囲内に限って、遊技者は自由に各種調整項目を調整することが可能となり、遊技店にとって望ましくない調整を遊技者が行ってしまうことを防止することができる。同様に、ユーザ調整モードにおいて調整可能な調整項目の種類を、ホール調整モードにおいて設定できるようにしてもよい。
また、ユーザ調整モードにおいて調整可能な範囲を、ホール調整モードにおける調整結果に応じて制限する他の変形例として、ホール調整モードにおいて設定されたホール設定値を、ユーザ調整モードにおける調整の際の基準値として利用してもよい。例えば、「画面輝度」のホール設定値として「7」が設定されているときには、ユーザ調整モードにおいて「画面輝度」のユーザ設定値として「普通」が選択されると、「画面輝度」がホール設定値の「7」と同じ明るさに設定され、ユーザ調整モードにおいて「画面輝度」のユーザ設定値として「明るい」が選択されると、「画面輝度」がホール設定値の「7」に対して2段階明るい明るさに設定され、ユーザ調整モードにおいて「画面輝度」のユーザ設定値として「暗い」が選択されると、「画面輝度」がホール設定値の「7」に対して2段階暗い明るさに設定されるようにしてもよい。
なお、本実施形態では、遊技店の店員向けの調整モード(ホール調整モード)と、遊技者向けの調整モード(ユーザ調整モード)とを設けているが、本発明はこれに限らず、例えば、熟練者向けの調整モードと初心者向けの調整モードとを設けてもよい。また例えば、一般向けの調整モードと高齢者向けの調整モードとを設けてもよい。また例えば、詳細調整モードと簡単調整モードとを設けてもよい。
また、本実施形態では、2種類の調整モードを設けているが、本発明はこれに限らず、3種類以上の調整モードを設けてもよい。
また、本実施形態では、遊技機1の動作モードが客待ちモードであるときに、当該客待ちモードからホール調整モードまたはユーザ調整モードに移行する例を説明したが、本発明はこれに限らず、任意のタイミングでホール調整モードまたはユーザ調整モードを開始するようにしてもよい。
また、本実施形態ではパチンコ遊技機について説明したが、本発明は、回胴式遊技機にも適用することができる。
また、上述した遊技機1に設けられている各構成要素の形状、数、および設置位置等は、単なる一例に過ぎず他の形状、数、および設置位置であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述した処理で用いられる係数、判定値、数式、処理順序等は、単なる一例に過ぎず他の値や数式や処理順序であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
また、本発明で用いられる調整プログラムは、遊技機1内部の不揮発性記憶装置に予め記録されているだけでなく、光ディスク等の外部記憶媒体を通じて遊技機1に供給されたり、有線または無線の通信回線を通じて遊技機1に供給されたりしてもよい。
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。また、当業者は、本発明の具体的な実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。