[スロットマシンの構成例]
図1及び図2に示すように、スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
スロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール2L、中リール2C、右リール2R)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これら左リール2L、中リール2C、右リール2Rに配列された図柄のうち、連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
左リール2L、中リール2C、右リール2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「黒7」、「網7(網掛け7)」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「オレンジ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、各リール2毎に、それぞれ21個ずつ描かれている。左リール2L、中リール2C、右リール2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられたリールモータ32L、32C、32R(図2、図4参照)によって回転させられる。これにより、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示される。また、リールモータ32L、32C、32Rによって、各リール2L、2C、2Rの回転が停止させられることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
各リール2L、2C、2Rの内側には、それぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、各リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。リールLED55は、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの連続する3つの図柄に対応する12個のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能となるように構成されている。
前面扉1bにおける各リール2L、2C、2Rに対応する位置には、リール2L、2C、2Rを前面側から透視可能とする横長長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、メダル(遊技用価値)を投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施形態では、何れの遊技状態においても3枚)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、各リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56(CHANCEボタン)が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
また、演出用スイッチ56の下方には、十字キー58及び決定ボタン59が設けられている。十字キー58は音声に関連する設定に用いられる。ゲームを行っていないときに十字キー58を上下方向に操作すると楽曲を変更することができる。具体的には、十字キー58を上方向又は下方向に操作するたびに所定の順序で楽曲が切り替わる。そして、十字キー58の操作を中止して決定ボタン59を操作すると選択中の楽曲に確定し、楽曲の変更が終了する。これら一連の動作を楽曲の設定と称する。十字キー58を操作して楽曲を切り替えているときには、楽曲の切り替えに連動して液晶表示器51から楽曲名が表示されるとともにスピーカ53,54から切り替えられた楽曲が再生される。
また、ゲームを行っていないときに十字キー58を左右方向に操作すると楽曲の音量を変更することができる。具体的には、左方向に操作を行うと音量が下がるとともに右方向に操作を行うと音量が上がる。そして、十字キー58の操作を中止して決定ボタン59を操作すると選択中の音量に確定し、音量の変更が終了する。これら一連の動作を音量の設定と称する。十字キー58を操作して音量を調節するときには、音量の切り替えに連動して液晶表示器51から音量が表示されるとともにスピーカ53,54から再生中の楽曲の音量も切り替わる。
このように、楽曲を変更すると変更した楽曲を設定中の音量で楽曲を再生し、音量を変更すると変更した音量で設定中の楽曲を再生するので、選択された内容の理解を容易にすることができる。
なお、本実施形態では、楽曲の変更又は音量の変更のみを行うことが可能であり、いずれか一方のみを変更して確定することができる。また、いずれか一方のみを変更した状態で、他方を変更して確定すると、一方の設定も変更後の設定で確定する。このように構成することにより、楽曲や音量の変更に係る操作を簡便にすることができる。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1に設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2に設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3に設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、対応するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、後述のBB終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のBB終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図5参照)側またはメダル払出口9側の何れか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示せず)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1a内部には、上述した左リール2L、中リール2C、右リール2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわち、オーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、設定変更状態又は設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
このような構成のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、遊技者は、先ず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには、MAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施形態では、規定数の賭数として、遊技状態に関わらず3枚が定められており、規定数の賭数が設定されると入賞ラインL1〜L5が有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施形態では、図1に示すように、各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、各リール2L、2C、2Rの上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、左リール2Lの上段、中リール2Cの中段、右リール2Rの下段、すなわち、右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、左リール2Lの下段、中リール2Cの中段、右リール2Rの上段、すなわち、右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5の5種類が入賞ラインとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態で何れかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応する左リール2L、中リール2C、右リール2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール(右リール2L、中リール2C及び右リール2R)が停止されることで1ゲームが終了し、有効となっている入賞ライン(有効入賞ライン)上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には、入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施形態では50)に達した場合には、メダルが直接、メダル払出口9(図4参照)から払い出されるようになっている。なお、複数の有効入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効入賞ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施の形態では15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効入賞ライン上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
図4は、スロットマシン1の電気的構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40と、演出制御基板90と、電源基板101と、が設けられている。遊技制御基板40によって、遊技状態が制御され、演出制御基板90によって、遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各電気部品に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給される。電源基板101は、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する各電気部品の駆動に必要な直流電圧を生成し、遊技制御基板40及び遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給する。
また、電源基板101には、上述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、上述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L,33C,33Rが接続されていると共に、電源基板101を介して上述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、上述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、遊技用表示部13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左,中,右停止有効LED22L,22C,22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L,32C,32Rが接続されていると共に、電源基板101を介して上述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40は、メイン制御部41と、乱数発生回路42と、サンプリング回路43と、スイッチ検出回路44と、モータ駆動回路45と、ソレノイド駆動回路46と、LED駆動回路47と、電断検出回路48と、リセット回路49と、を備える。
メイン制御部41は、メインCPU41a、RAM41b、ROM41c、I/O41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行う。乱数発生回路42は、パルスを発生するたびにカウントアップして値を更新するカウンタによって構成されている。サンプリング回路43は、乱数発生回路42がカウントしている数値を取得し、取得した数値をメイン制御部41に出力する。乱数発生回路42では、遊技の進行に使用される乱数の種類毎に設定され、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められている。サンプリング回路43は、メインCPU41aの命令に従って、乱数発生回路42が示している数値を乱数として取得する。
乱数を取得する構成は上述の構成に限られず任意である。例えば、メインCPU41aは、サンプリング回路43から取得した数値を基に異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェア処理によって各種数値を加工または更新してもよい。なお、本実施形態においては、上述の乱数値の範囲は、16ビットの範囲、すなわち、0〜65535の範囲の値とする。
スイッチ検出回路44は、遊技制御基板40に直接又は電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出する。モータ駆動回路45は、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行う。ソレノイド駆動回路46は、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行う。LED駆動回路47は、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行う。電断検出回路48は、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する。リセット回路49は、電源投入時又はメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を送出する。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込等の割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41cに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うと共に、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的又は間接的に制御する。RAM41bは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。ROM41cは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。I/O41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41bに記憶されているデータが保持されるようになっている。
メインCPU41aは、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メインCPU41aは、上述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(メイン)を実行し、一定時間間隔(本実施形態では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
メインCPU41aは、I/O41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。
演出制御基板90には、演出用スイッチ56(本実施形態では、その外面に“CHANCEボタン”と表記される。)が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。
また、演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図4参照)、演出効果LED52、スピーカ53,54、上述したリールLED55等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
さらに、演出制御基板90には、十字キー58及び決定ボタン59が接続されており、これらが操作されたときに検出信号が入力されるようになっている。
なお、本実施形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53,54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90又は他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
また、本実施形態では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53,54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90は、サブ制御部91と、表示制御回路92と、LED駆動回路93と、音声出力回路94と、リセット回路95と、スイッチ検出回路96と、時計装置97と、電断検出回路98と、を備える。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、サブCPU91a、RAM91b、ROM91c、I/O91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行う。表示制御回路92は、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う。LED駆動回路93は、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行う。音声出力回路94は、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う。リセット回路95は、電源投入時又はサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときに、サブCPU91aにリセット信号を送出する。スイッチ検出回路96は、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出する。時計装置97は、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する。電断検出回路98は、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する。
サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うと共に、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的又は間接的に制御する。サブCPU91aは、メインCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブ制御部91の割込端子の1つは、コマンド伝送ラインのうち、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、サブCPU91aは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させて、メイン制御部41からのコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、クロック入力数が一定数に到達する毎、すなわち、一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91の割込端子の1つは、電断検出回路98と接続されており、サブCPU91aは、電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(サブ)を実行する。また、サブCPU91aにおいても未使用の割込が発生した場合には、元の処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91bに記憶されているデータが保持されるようになっている。
本実施形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち、設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。なお、設定値は1、3、6や、1、4、H(High)等の3段階や、1〜7の7段階で設定してもよく、6段階に限定する必要はない。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24にRAM41bから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41bに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をON状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をON状態とすると、設定値表示器24にRAM41bから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をOFF状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
本実施形態のスロットマシン1においては、メインCPU41aが電断検出回路48からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(メイン)を実行する。電断割込処理(メイン)では、メインCPU41aは、レジスタの格納値を後述するRAM41bのスタックに退避させ、RAM41bに何れかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施形態では、5AH)、すなわち、0以外の特定のデータを格納すると共に、RAM41bの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM41bに格納する。ここで、RAMパリティとは、RAM41bの該当する領域(本実施形態では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM41bの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM41bの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、メインCPU41aは、その起動時においてRAM41bの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算すると共に、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM41bに記憶されているデータに基づいてメインCPU41aの処理状態を電断前の状態に復帰させる。但し、メインCPU41aは、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に遷移させ、遊技の進行を不能化させるようになっている。なお、RAM異常エラー状態は、他のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、上述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
また、サブCPU91aも電断検出回路98からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(サブ)を実行する。電断割込処理(サブ)では、サブCPU91aは、レジスタの格納値を後述するRAM91bのスタックに退避させ、RAM91bに何れかのビットが1となる破壊診断用データを格納すると共に、RAM91bの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM91bに格納する処理を行う。
そして、サブCPU91aは、その起動時においてRAM91bの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算し、RAMパリティが0であることを条件に、RAM91bに記憶されているデータに基づいてサブCPU91aの処理状態を電断前の状態に復帰させる。但し、サブCPU91aは、RAMパリティが0でない場合(1の場合)には、RAM異常と判定し、RAM91bを初期化するようになっている。この場合、メインCPU41aの場合と異なり、RAM91bが初期化されるのみで、演出の実行が不能化されることはない。
次に、メイン制御部41のRAM41bの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41bの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、設定値ワーク、停止相ワーク、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/O41dの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、BB終了時に初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、BB中のメダル払出総数等、BB終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータ、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。設定値ワークは、内部抽選処理で抽選を行う際に用いる設定値が格納されるワークであり、設定開始前(設定変更モードへの移行前)の初期化において0が格納された後、1に補正され、設定終了時(設定変更モードへの終了時)に新たに設定された設定値が格納されることとなる。停止相ワークは、リールモータ32L、32C、32Rの停止相を示すデータが格納されるワークであり、リールモータ32L、32C、32Rが停止状態となった際にその停止相を示すデータが格納されることとなる。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41bのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。未使用領域は、RAM41bの格納領域のうちの使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件の何れか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メインCPU41aのレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件の何れか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施形態において、メインCPU41aは、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37のみがONの状態での起動時、BB終了時、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態での起動時においてRAM41bのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時、の6つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる5種類の初期化を行う。
初期化0は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合において、その前に行う初期化、またはRAM異常エラー発生時に行う初期化であり、初期化0では、RAM41bの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化1は、起動時において設定キースイッチ37のみがONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合において、その前に行う初期化であり、初期化1では、RAM41bの格納領域のうち、使用中スタック領域及び停止相ワークを除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化2は、BB終了時に行う初期化であり、初期化2では、RAM41bの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態であり、かつRAM41bのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、RAM41bの格納領域のうち、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。
なお、本実施形態では、初期化0、初期化1を設定変更モードの移行前に行っているが、設定変更モードの終了時、すなわち、設定が確定した後に行うようにしてもよい。この場合、設定値ワークを初期化してしまうと確定した設定値が失われてしまうこととなるので、設定値ワークの初期化は行われない。
本実施形態のスロットマシン1は、上述のように遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。本実施形態では、後に説明するが、遊技状態として、レギュラーボーナス(以下ではRBと称す)と、通常遊技状態と、があり、何れの遊技状態であっても賭数の規定数として3が定められており、遊技状態に関わらず、賭数として3が設定されるとゲームを開始させることが可能となる。なお、本実施形態では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインL1〜L5の全てが有効化されることとなる。
本実施形態のスロットマシン1は、全てのリール(左リール2L、中リール2C及び右リール2R)が停止した際に、有効入賞ライン(以下、単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであってもよいし、異なる図柄を含む組合せであってもよい。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41bに設定されている必要がある。
なお、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち、特別役の当選フラグが一度当選すると、たとえ、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
このスロットマシン1における役としては、図9に示すように、特別役としてレギュラーボーナス(以下、RBという。)と、ビッグボーナス(1)、(2)(以下、BB(1)、(2)という。)が定められている。また、小役として、スイカ、チェリー、ベルが定められ、再遊技役として、リプレイが定められている。
チェリーは、何れの遊技状態においても左リール2Lについて、入賞ラインの何れかに「チェリー−ANY−ベル」又は「チェリー−ANY−リプレイ」の組合せが揃ったとき、すなわち、左リール2Lにおいて、入賞ラインの何れかに「チェリー」の図柄が導出され、右リール2Rの、左リール2Lに「チェリー」が停止した入賞ラインに「ベル」又は「リプレイ」の図柄が導出されたときに入賞となり、2枚のメダルが払い出される。
スイカは、何れの遊技状態においても入賞ラインの何れかに「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが揃ったときに入賞となり、15枚のメダルが払い出される。
ベルは、何れの遊技状態においても入賞ラインの何れかに「ベル−ベル−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となり、12枚のメダルが払い出される。
リプレイは、通常遊技状態において入賞ラインに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイが入賞したときには、メダルの払い出しはないが、次のゲームを、改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
RBは、RB以外の遊技状態において入賞ラインの何れかに「網7−網7−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となり、遊技状態がRBに移行する。RBは、小役、特にベルの当選確率が高まることによって他の遊技状態よりも遊技者にとって有利となる遊技状態であり、RBが開始した後、12ゲームを消化したとき、または4ゲーム入賞(役の種類は、何れでも可)したとき、の何れか早いほうで終了する。
BB(1)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインの何れかに「黒7−黒7−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB(2)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインの何れかに「白7−白7−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。
BB(1)(2)が入賞すると、遊技状態がBBに移行すると共に同時にRBに移行し、RBが終了した際に、BBが終了していなければ、再度RBに移行し、BBが終了するまで繰り返しRB状態に制御される。すなわち、BB中は、常にRB状態に制御されることとなる。そして、BBは、当該BB中において遊技者に払い出したメダルの総数が480枚を超えたときに終了する。BBの終了時には、RBの終了条件が成立しているか否かに関わらずRBも終了する。
続いて、本実施形態の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール(左リール2L、中リール2C及び右リール2R)の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、先ず、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)が取得される。そして、遊技状態及び特別役の持ち越しの有無に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態、賭数及び設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて、抽選が行われる。
本実施形態では、図10に示すように、遊技状態が、通常遊技状態であるか、RB(BB)であるか、によって内部抽選の対象となる役が異なり、さらに通常遊技状態においては、特別役の持越中か否か(通常:特別役の持ち越されていない通常遊技状態、当選中:特別役の持ち越されている通常遊技状態)によっても内部抽選の対象が異なる。
遊技状態が通常遊技状態であり、特別役が持ち越されていない状態であれば、RB、BB(1)、BB(2)、RB+スイカ、RB+チェリー、BB(1)+スイカ、BB(1)+チェリー、BB(2)+スイカ、BB(2)+チェリー、リプレイ、スイカ、チェリー、ベルが内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態が通常遊技状態であり、特別役が持ち越されている状態であれば、リプレイ、スイカ、チェリー、ベルが内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRB(BB)であれば、スイカ、チェリー、ベルが内部抽選の対象役として順に読み出される。
内部抽選では、現在の遊技状態及び設定値に対応して定められた各役の判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
内部抽選において、何れかの役の当選が判定された場合には、メインCPU41aは、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41bに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、メインCPU41aは、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、一般役が当選した場合には、メインCPU41aは、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。なお、何れの役及び役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアされる。
次に、各リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メインCPU41aは、各リール2L、2C、2Rが回転を開始したとき、又は、何れかのリールが停止し、未停止のリールが残っているとき、ROM41cに格納されているテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して、回転中のリールそれぞれの停止制御テーブルを作成する。そして、メインCPU41aは、回転中のリールに対応するストップスイッチ8L、8C、8Rのうち何れかの操作が検出されると、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応する左リール2L、中リール2C、右リール2Rの回転を停止させる制御を行う。
次に、メインCPU41aが回転中のリールに対応する何れかのストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を検出した場合、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明する。メインCPU41aは、回転中のリールに対応する何れかのストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置(例えば、0番の領域)からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、メインCPU41aは、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が、停止基準位置(本実施形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応する一のアドレスのみが格納されている。さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(及び停止済みリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして、一のアドレスのみが格納されている。すなわち、遊技状態、内部当選状態に対応するテーブル作成用データと、リールの停止状況(及び停止済みリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとは一意に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも一意に定められる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(及び停止済みリールの停止位置)の全てが同一条件である場合、メインCPU41aは、同一の停止制御テーブルに基づき制御を行う。
また、本実施形態では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できる。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できる。
本実施形態では、何れかの役に当選した場合、その役を何れかの入賞ライン上に4コマの範囲内で最大限に引き込む制御を行うような停止制御テーブルを生成する。また、何れの役にも当選していない場合には、何れの役も入賞ライン上に揃わない制御を行うような停止制御テーブルを生成する。すなわち、何れかの役に当選した場合、当選役の4コマの範囲内で停止操作をすると、その当選役に応じた図柄の組み合わせが揃う制御がなされ、例えば滑りコマ数が2コマで停止することはない。また、何れの役にも当選していない場合、何れかの役を0コマの範囲で停止操作をしても、滑りコマ数が設定されているため、何れの役も揃わない制御がなされる。
図7に示すように、左リール2Lの「ベル」、中リール2Cの「ベル」、右リール2Rの「ベル」は、それぞれ4コマ以内の間隔で配置されており、ベルの当選時には、各リールの停止操作をどのタイミングで行った場合でも、必ず「ベル−ベル−ベル」の組合せが入賞ライン上に揃い、ベルが入賞することとなる。また、左リール2Lの「リプレイ」、中リール2Cの「リプレイ」、右リール2Rの「リプレイ」も、それぞれ4コマ以内の間隔で配置されており、リプレイの当選時には、各リールの停止操作をどのタイミングで行った場合でも、必ず「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せが入賞ライン上に揃い、リプレイが入賞することとなる。
一方で、左リール2Lの「チェリー」は、7コマを超える間隔にて配置されており、チェリーの当選時には、「チェリー」の引込範囲となるタイミングで左リール2Lの停止操作を行えば「チェリー−ANY−ベル」または「チェリー−ANY−リプレイ」の組合せが入賞ラインに揃ってチェリーが入賞することとなる。一方、「チェリー」の引込範囲外となるタイミングで右リール2Rの停止操作を行うと、チェリーは入賞せず、取りこぼすこととなる。
また、左リール2Lの「スイカ」、中リール2Cの「スイカ」、右リール2Rの「スイカ」も、4コマを超える間隔にて配置された箇所があり、スイカの当選時には、「スイカ」の引込範囲となるタイミングで各リールの停止操作を行えば「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが入賞ライン上に揃ってスイカが入賞することとなる。一方、何れか1つのリールでも「スイカ」の引込範囲外となるタイミングで停止操作を行うと、スイカは入賞せず、取りこぼすこととなる。
また、BB(1)〜(2)についても、構成図柄が4コマを超える間隔にて配置された箇所があり、BB(1)〜(2)の何れかが当選しても、当選したBBの構成図柄の引込範囲となるタイミングで各リールの停止操作を行えば、当選したBBが入賞することとなるが、何れか1つのリールでも当選したBBの構成図柄の引込範囲外となるタイミングで停止操作すると、BBは入賞せず、取りこぼすこととなる。なお、BBは、上述のように取りこぼしても、次ゲームに持ち越されることから、1度BBに当選すれば、例え、取りこぼしても、次ゲーム以降で適切なタイミングで停止操作を行うことで入賞させることが可能となる。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合や、特別役が持ち越されていない状態で特別役と小役が同時に当選した場合等、特別役と小役が同時に当選している場合には、当選した小役を入賞ライン上に、4コマの範囲内で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められていると共に、当選した小役を入賞ライン上に、4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われる。つまり、当選していない役は、4コマの引込範囲で、はずして停止させる制御が行われることとなる。すなわち、このような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を有効させることが可能となる。
なお、本実施形態では、特別役と小役が同時に当選している場合に、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる構成であるが、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞させることが可能となる構成としてもよい。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合や特別役が持ち越されていない状態で特別役と再遊技役が同時に当選した場合等、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行われる。なお、この場合、再遊技役を構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの何れについても5図柄以内、すなわち、4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわち、このような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。
本実施形態において、メインCPU41aは、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールを停止させる制御を行う。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリール2の回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールを停止させる制御を行う。
本実施形態では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールを停止させる制御を行うようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合には、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしてもよい。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、何れかの役が当選している場合でも、何れの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
次に、メインCPU41aが演出制御基板90に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施形態では、メインCPU41aが、演出制御基板90に対して、BETコマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定開始コマンド、確認開始コマンド、確認終了コマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブCPU91aは、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち、賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されていない状態において、メダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、BETコマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、BETコマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。また、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されたときに送信されるので、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール2L、中リール2C、右リール2Rの何れかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信される。また、リール停止コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに送信されるので、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。
入賞判定コマンドは、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞及びクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態を特定可能なコマンドであり、設定変更状態の終了時及びゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点で、エラー状態の発生及びその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
復帰コマンドは、メインCPU41aが、電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メインCPU41aの起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
設定開始コマンドは、設定変更状態の開始を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する際に送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメインCPU41aの制御状態が初期化されるため、設定開始コマンドにより、メインCPU41aの制御状態が初期化されたことが特定可能となる。
確認開始コマンドは、設定確認状態の開始を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に送信される。確認終了コマンドは、設定確認状態の終了を示すコマンドであり、設定確認状態の終了時に送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R)の検出状態(ON/OFF)を示すコマンドであり、一定間隔毎に送信される。
上記のこれらのコマンドのうち、設定開始コマンド、RAM異常を示すエラーコマンド、復帰コマンドは、起動処理において割込が許可される前の段階で生成され、RAM41bの特別ワークに割り当てられた特定コマンド送信用バッファに格納され、直ちに送信される。
設定開始コマンド、RAM異常を示すエラーコマンド、復帰コマンド、操作検出コマンド以外のコマンドは、ゲーム処理においてゲームの進行状況に応じて生成され、RAM41bの特別ワークに設けられた通常コマンド送信用バッファに一時格納され、タイマ割込処理(メイン)において送信される。
本実施形態では、ゲーム処理においてコマンドが生成され、通常コマンド送信用バッファに格納される。タイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において、コマンド送信用バッファに格納された未送信のコマンドが検知されると、通常コマンド送信用バッファに格納された未送信のコマンドが送信される。
また、通常コマンド送信用バッファには、複数のコマンドを格納可能な領域が設けられており、通常コマンド送信用バッファに格納された未送信のコマンドの送信を待たずに、新たに生成したコマンドを通常コマンド送信用バッファの空き領域に格納することが可能となっている。
また、メインCPU41aは、ゲーム処理において通常コマンド送信用バッファにコマンドを格納する際に、これらコマンドをその生成順に格納すると共に、コマンド送信処理では、通常コマンド送信用バッファに生成・格納された順番でコマンドを送信する。すなわち、通常コマンド送信用バッファに格納されたコマンドは、生成・格納された順番で送信される。
操作検出コマンドは、コマンド送信処理が5回実行される毎に生成され、上述の特定コマンド送信用バッファに格納され、直ちに送信される。また、通常コマンド送信用バッファに未送信のコマンドが格納されている状態で操作検出コマンドの送信時期に到達した場合には、操作検出コマンドの送信を優先し、通常コマンド送信用バッファに格納されている未送信のコマンドは、次回のコマンド送信処理において送信されるようになっている。つまり、1度のコマンド送信処理において複数のコマンドが送信されることがないようになっている。
次に、メイン制御部41が実行する処理の内容について説明する。
[初期設定処理]
まず、メイン制御部41が実行する初期設定処理について説明する。メイン制御部41は、電力が供給されてリセット回路49からリセット信号が入力されると、システムリセットを行い、起動処理を実行する。そして、起動処理を実行することにより、CPUコアのプログラムステータスワード(PSW)に割り当てられている割込マスタ許可フラグ(IMF)0となり、割込禁止状態が設定される。また、起動処理によって内部機能レジスタ(CTCコントロールレジスタや乱数回路に関わるレジスタなど)に初期値が設定される。その後、ユーザプログラムとしてROM41bに記憶されたプログラムにしたがって、図7および図8のフローチャートに示す初期設定処理を行う。
図7および図8に示すように、メイン制御部41は、まず、DI命令の実行により割込マスタ許可フラグ(IMF)=0にし、割込を禁止する(Sa1)。なお、割込処理とは、割込要因が発生したときに基本処理に割り込んで発生する処理である。メイン制御部41が一定間隔(0.56msの間隔)で実行するタイマ割込処理(メイン)の割込を禁止する(Sa1)。次いで、初期化データをセットし(Sa2)、各出力ポートを初期化する(Sa3)。次いで、内蔵レジスタの設定を行う(Sa4)。
内蔵レジスタの設定では、例えば、乱数発生回路42の設定を行う。具体的には、メイン制御部41は、乱数回路の設定において、ユーザによって予め設定された乱数最大値を指定する乱数最大値設定データを内蔵レジスタに書き込む。また、メイン制御部41は、内蔵レジスタに設定した乱数最大値が所定の下限値以下でないかを確認し、乱数最大値が下限値以下である場合には、乱数最大値設定レジスタに設定されている乱数最大値の再設定を行う乱数最大値再設定処理を実行する。
また、メイン制御部41は、乱数発生回路42のカウンタが更新するカウント値の初期値を変更させる初期値変更処理を実行する。また、メイン制御部41は、乱数更新方式選択データを乱数更新方式選択レジスタに書き込む。また、メイン制御部41は、ユーザによって予め設定された乱数発生用クロック信号の周期を指定する周期設定データ(基準クロック信号を何分周させるかを設定するためのデータ)を書き込む。また、メイン制御部41は、乱数発生回路42のカウンタによって所定の最終値までカウント値が更新されたときに、カウンタに入力する初期値を更新するか否かを設定する。また、メイン制御部41は、乱数発生回路42のカウンタによって所定の最終値までカウント値が更新されたときに、カウンタが更新するカウント値の順列を変更するか否かを設定する。そして、メイン制御部41は、乱数回路起動データを書き込む。そのようにすることによって、メイン制御部41は乱数発生回路42を起動させる。
次いで、電源電圧が正常か否かを判定する(Sa5)。電源電圧が正常でない場合(Sa5でN)には正常になるまで判定を繰り返す。電源電圧が正常である場合(Sa5でY)には割込ベクタの上位アドレスをセットする(Sa6)。そして、RAMのアクセスを許可し(Sa7)、スタックポインタを初期化する(Sa8)。
次いで、RAMパリティを計算する(Sa10)。そして、計算したRAMパリティが0になるか否かを判定する(Sa11)。RAMパリティが0にならない場合(Sa11でN)にはSa14に進む。
RAMパリティが0になる場合(Sa11でY)にはRAM破壊診断用固定データをRAM41cから取得する(Sa12)。そして、取得したRAM破壊診断用固定データが正しいか否かを判定する(Sa13)。次いで、Sa14のステップでは、RAM破壊診断用固定データをクリアする(Sa14)。
次いで、設定キースイッチがオンにされているか否かを判定する(Sa15)。設定キースイッチがオンの場合(Sa15でY)には、メイン制御部41は、タイマ割込の設定を行う(Sa22)。具体的には、所定時間毎に定期的にタイマ割込がかかるようにメイン制御部41に内蔵されているタイマ回路のレジスタの設定を行なう。例えば0.56msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、0.56ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。なお、タイマ回路では該レジスタの設定が行われることにより、タイマが初期化され、初期値から計時を開始することになる。そして、タイマ割込の設定が終了すると設定変更処理に移行する。
一方、設定キースイッチがオフの場合(Sa15でY)には、Sa11の判定、Sa13の判定、後述するRAM異常フラグがセットされているか否かにもとづきRAM41cの記憶内容が破壊されていたか否か、すなわちRAM41cの記憶内容が正常か否かを判定する(Sa16)。RAM41cの記憶内容が破壊されていない場合(Sa16でN)には、電断復帰コマンド(電断復帰コマンド1〜4)をサブ制御部91に送信するとともに(Sa17)、ホットスタートコマンドをサブ制御部91に送信する(Sa18)。なお、RAM41cの記憶内容が破壊されていない場合とは、Sa11でY、かつSa13でRAM破壊診断用固定データが正しいと判定され、かつRAM異常フラグがセットされていない場合である。
そして、全レジスタを復帰し(Sa19)、Sa22と同様のタイマ割込みの設定を行う(Sa20)。そして、タイマ割込処理(メイン)に復帰する。復帰したタイマ割込処理(メイン)では、スタック領域に退避したレジスタを復帰し、禁止されていた割込が許可されて、割込前の処理に戻る。
ここで、RAM41cの格納領域は、設定値ワーク、特別ワーク、重要ワーク、一般ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
設定値ワーク(本実施形態では0000H〜)は、設定値や乱数値など、通常の設定変更時に初期化すると不都合のあるデータが格納される領域である。
特別ワーク(本実施形態では0003H〜)は、I/Oポート41dの入出力データや、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータなど、設定変更開始前にのみ初期化されるデータが格納される領域である。
重要ワーク(本実施形態では0014H〜)は、遊技状態、クレジット数を示すカウンタや、各種表示器やLEDの表示データ、遊技時間の計時カウンタ、ゲーム終了時に初期化すると不都合があるデータが格納される領域である。
一般ワーク(本実施形態では0045H〜)は、持越しが行われない当選フラグや、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払い出し枚数など、1遊技(1ゲーム)に必要なデータであって、ゲーム終了時に初期化可能なデータが格納される領域である。
未使用領域(本実施形態では0173H〜)は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域である。
また、RAM41cの記憶内容が破壊されている場合(Sa16でY)には、初期化するRAMの開始アドレスをレジスタにセットし(Sa23)、指定したアドレスで示すRAMの領域をクリア(以下、「初期化」ともいう)する(Sa24)。なお、RAM41cの記憶内容が破壊されている場合とは、Sa11でNまたはSa13でRAM破壊診断用固定データが正しいと判定されない場合またはRAM異常フラグがセットされている場合のいずれかの場合である。
スタック領域(本実施形態では01CCH〜)は、メイン制御部41のレジスタから退避したデータが格納される領域である。
そして、Sa23でアドレスを指定した場合には、RAM41cの格納領域のうち、上記した全ての領域が初期化される。次いで、RAM41cの記憶内容が正常でないことを示すRAM異常フラグをRAM41cにセットし(Sa25)、エラー処理に移行する。エラー処理では、エラー状態になって遊技を行うことが不能になる。エラー状態は、設定キースイッチ37をオンにして電源スイッチ39をオンにすることによって、Sa15でYと判定させ、設定変更処理に移行させることにより解除することができる。よって、設定キースイッチ37をオンにせずに電源スイッチ39をオンにした場合には、Sa15でNとなり、Sa16でYとなるので再度エラー状態になる。
なお、本実施形態では、データを「00h」とすること、すなわちクリアすることにより初期化を行っている。しかし、例えば、データを「FFh」としたり、データごとに予め決められた値を入力することにより、初期化を行うことも可能である。
このように、本実施形態では、マイクロコンピュータの起動において割込を禁止するとともに、初期設定処理において割込を禁止する(本例では、マイクロコンピュータの起動時にPSWが00hにクリアされてIMFが0となり、割込禁止状態に設定するとともに、初期設定処理においてDI命令を実行することにより図7のSa1の処理を実行する部分)。よって、意図しない割込が発生することを防止できる。
[設定変更処理]
次に、メイン制御部41が実行する設定変更処理について説明する。
図9及び図10に示すように、メイン制御部41は、まず、初期化するRAM41cの開始アドレスをレジスタにセットする(Sb1)。なお、RAM41cは16ビットのメモリ空間アドレスにより、使用目的に応じた領域に区切られている。そして、Sb1の処理においては、メモリ空間アドレスのうち初期化を行う開始アドレスをレジスタにセットする。次いで、図5のSa10におけるRAMパリティの計算又は図5のSa12で取得したRAM破壊診断用固定データにもとづき、RAMの内容が異常であるか否かを判定する(Sb2)。RAMの内容が異常の場合(Sb2でY)にはSb3処理に進む。RAMの内容が異常でない場合(Sb2でN)には、設定変更開始時の初期化対象RAMの先頭アドレスをレジスタにセットする(Sb3)。
次いで、Sb1又はSb3で指定したアドレスで示すRAMの領域をクリアする(Sb4)。なお、Sb1でアドレスをした場合には、RAM41cの格納領域のうち、上記した全ての領域が初期化される。また、Sb2でアドレスを指定した場合には、RAM41cの格納領域のうち、特別ワーク、重要ワーク、一般ワーク、未使用領域、スタック領域が初期化される。Sb4の処理が終了すると、後述する設定変更開始コマンドをサブ制御部91に送信し(Sb5)、メイン制御部41が一定間隔(0.56msの間隔)で実行するタイマ割込処理(メイン)の割込を許可する(Sb6)。
次いで、設定/リセットスイッチ38がオンか否かを判定する(Sb7)。設定/リセットスイッチ38がオンの場合(Sb7でY)には設定値をレジスタにセットする(Sb8)。設定/リセットスイッチ38がオフの場合(Sb7でN)には、スタートスイッチ7がオンか否かを判定する(Sb9)。
スタートスイッチ7がオンになっていない場合(Sb9でN)にはSb7の処理に戻る。スタートスイッチ7がオンになっている場合(Sb9でY)には設定キースイッチがオフになっているか否かを判定する(Sb10)。設定キースイッチがオフになっていない場合(Sb10でN)には、設定キースイッチがオンになるまで判定を繰り返す。設定キースイッチがオフになっている場合(Sb10でY)には、レジスタにセットしている設定値のデータをRAM41cに格納する(Sb11)。
次いで、設定変更終了コマンドをサブ制御部91に送信する(Sb12)。そして、設定変更終了時の初期化対象RAMの先頭アドレスをレジスタにセットし(Sb13)、図11のゲーム処理に移行する。
[ゲーム処理]
メイン制御部41が1ゲーム毎に実行するゲーム処理について図11を用いて説明する。メイン制御部41は、ゲーム制御処理を行って1回のゲームを制御する。
換言すると、ゲーム処理は一単位の遊技毎に繰り返し実行される。そして、ゲーム処理の一周期が遊技の一単位に相当している。ゲーム処理において、メイン制御部41は、まず、メイン制御部41が一定間隔(0.56msの間隔)で実行するタイマ割込処理(メイン)の割込を禁止し、初期化対象RAMの最終アドレスをセットする。次いで、指定したアドレスで示すRAMの領域をクリアする。このとき、設定変更処理後にゲーム処理が開始された場合は、図10のSb13で指定したアドレスからSc2で指定したアドレスまでが初期化される。これにより、RAM41cの格納領域のうち、重要ワーク、一般ワークが初期化される。また、一単位の遊技の終了時には、ゲーム終了時処理の後に指定した初期対象RAMの先頭アドレスから前述の初期化対象RAMの最終アドレスまでが初期化される。これにより、RAM41cの格納領域のうち、一般ワークが初期化される。そして、メイン制御部41が一定間隔(0.56msの間隔)で実行するタイマ割込処理(メイン)の割込を許可する。
図11に示すように、ゲーム制御処理では、まず、賭数設定やクレジット精算・賭数精算するためのBET処理が行われる(Sd1)。
賭数設定後、スタートスイッチ7が操作されると乱数抽選により入賞の発生を許容するか否かを決定(内部抽選)するための内部抽選処理が行われる(Sd2)。
内部抽選処理が終了すると、リール回転処理が行われる。リール回転処理では、前回ゲームのリール回転開始から規定期間(例えば、4.1秒)経過していることを条件に、リール2L〜2Rの回転を開始させた後、ストップスイッチ8L〜8Rを有効化し、停止操作に応じてリールの回転を停止させる(Sd3)。
リール2L〜2Rが停止してリール回転処理が終了すると、入賞ライン上の図柄組合せに基づいて入賞等が発生したか否かを判定する入賞判定処理が行われる(Sd4)。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる。払出処理では、入賞の発生に応じてメダルの払出しまたはクレジット加算が行われるとともに、入賞ライン上の図柄組合せに応じて遊技状態が移行される(Sd5)。
払出処理を終了するとゲーム終了時処理が行われる(Sd6)。ゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。これにより、1ゲーム分のゲーム制御処理が終了し、次の1ゲーム分のゲーム制御処理が開始する。
[リール制御処理]
なお、本実施形態のゲーム処理(以下、メイン処理とも称する)において、図12〜図14に示すようなリール制御処理を実行することも可能である。このリール制御処理について以下に説明する。
次に、メイン制御部41がメイン処理において実行するリール制御処理について、図12〜図14に基づいて説明する。リール制御処理は、リール2L、2C、2Rを回転及び停止させる処理であり、各リール2L、2C、2Rの回転を開始させるリール回転開始処理と、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作に応答して該当するリール2L、2C、2Rを停止させるリール回転停止処理を含み、メイン処理において内部抽選処理の後に実行される。図12は、メイン制御部41が実行するリール制御処理の制御内容を示すフローチャートであり、図13は、メイン制御部41がリール制御処理において実行するリール回転開始処理の制御内容を示すフローチャートであり、図14は、メイン制御部41がリール制御処理において実行する停止制御テーブル設定処理の制御内容を示すフローチャートである。
図12に示すように、リール制御処理では、まず、リール回転開始処理を実行し(Sb1)、リール2L、2C、2Rの回転を開始させる。
図13に示すように、リール回転開始処理では、RAM41cの所定領域を参照して、上述のリール演出フラグが設定されているか否かを判定する(Sc1)。Sc1のステップにおいて、リール演出フラグが設定されていないと判定した場合には、RAM41cの所定領域に設定されているウェイトタイムカウンタを参照して、前回のゲームでのリール回転開始時点からウェイトタイム(本実施例では、約4.1秒)が経過したか否かを判定する(Sc2)。そして、所定のウェイトタイムが経過していないと判定した場合には、当該ウェイトタイムが経過するまで待機し、当該ウェイトタイムが経過したときに、ウェイトタイムカウンタを初期化して(Sc3)、新たなウェイトタイムの計時を開始させる。尚、ウェイトタイムカウンタは、タイマ割込処理(メイン)が行われる毎に更新されることで、前回のゲームでのリール回転開始時点からの経過時間が計時されるようになっている。
Sc3のステップにおいてウェイトタイムカウンタを初期化した後には、全てのリールモータ32L、32C、32Rを始動させて所定の定速回転まで加速させるためのリールモータの励磁パターンをRAM41cの所定領域に設定する(Sc4)。所定の定速回転まで加速させるための励磁パターンを設定することで、その後のタイマ割込処理(メイン)において各リールモータ32L、32C、32Rの各励磁相の励磁状態が順次更新されて、全てのリール2L、2C、2Rが所定の定速回転まで加速されることとなる。
そして、Sc4のステップにおいて所定の励磁パターンを設定して、全てのリール2L、2C、2Rの加速を開始させた後には、全てのリール2L、2C、2Rについて後述する停止制御テーブル設定処理を実行し(Sc5)、各リール2L、2C、2Rについて停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能な停止制御テーブルを設定する。これにより、タイマ割込処理(メイン)による各リール2L、2C、2Rの加速制御中に、各リール2L、2C、2Rの停止制御テーブルが設定されることとなる。
Sc5のステップにおいて、停止制御テーブル設定処理を行った後は、スタートスイッチ7が操作されたことに基づいてリールの回転を開始した旨を特定可能な回転開始フラグをRAM41cの所定領域に設定して(Sc6)、リール制御処理に戻る。
一方、Sc1のステップにおいて、リール演出フラグが設定されていると判定した場合は、リール演出フラグに基づいて、リール演出の種類が第1リール演出であるか否かを判定し(Sc7)、第1リール演出である場合には、第1リール演出の制御を実行する(Sc8)。第1リール演出では、リール2L、2C、2Rを所定期間にわたり微振動させる制御を開始させた後、後述する停止制御テーブル設定処理を実行して、リール演出フラグに基づいて特定されるリール演出の種類に応じた図柄の組合せを、入賞ラインLNに停止させるように停止制御テーブルを設定し、リール2L、2C、2Rの微振動の制御を開始させてから所定期間が経過した後に、設定されている停止制御テーブルに従ってリール2L、2C、2Rを停止させる。そして、リール2L、2C、2Rを停止させた状態で、所定の時間が経過することで、第1リール演出を終了させる。
第1リール演出を終了させた後は、Sc3のステップと同様に、ウェイトタイムカウンタを初期化し(Sc9)、各リール2L、2C、2Rについて始動させて定速回転まで加速させるための制御を開始する時期をランダムに決定して、決定結果をランダム加速開始時期としてRAM41cの所定領域に設定する(Sc10)。その後、各リール2L、2C、2Rについてランダム加速開始時期に達しているか否かを判定する(Sc11)。
Sc11のステップにおいて、いずれかのリールについてランダム加速開始時期に達していると判定した場合には、該当するリールについて、始動させて所定の定速回転まで加速させるためのリールモータの励磁パターンをRAM41cの所定領域に設定して加速を開始させる(Sc14)。そして、全てのリール2L、2C、2Rについて加速を開始させる設定が済んだか否かを判定し(Sc15)、加速を開始させる設定が済んでいないリールがある場合には、Sc11のステップに戻り、加速を開始させる設定が済んでいないリールについてランダム加速開始時期に達しているか否かを判定する。
Sc11のステップにおいて、いずれのリールについてもランダム加速開始時期に達してしないと判定した場合には、各リール2L、2C、2Rについて停止制御テーブルの設定が済んでいるか否かを判定し(Sc12)、停止制御テーブルの設定が済んでいない場合には、Sc5のステップと同様に、全てのリール2L、2C、2Rについて後述する停止制御テーブル設定処理を実行し(Sc13)、各リール2L、2C、2Rについて停止制御テーブルを設定する。その後、Sc11のステップに戻り、その後、各リール2L、2C、2Rについてランダム加速開始時期に達しているか否かを判定する(Sc11)。
Sc11〜Sc15のステップにより、各リール2L、2C、2Rの加速制御中に、全てのリールについて停止制御テーブルを設定することとなる。また、ランダム加速開始時期に基づいて、各リール2L、2C、2Rの加速を順次開始させることで、各リール2L、2C、2Rの回転の開始タイミングをランダムに遅延させ、その後のリール2L、2C、2Rの位置関係をランダムな関係にすることができ、リール2L、2C、2Rの位置関係が遊技における停止操作のタイミングの目安となってしまうことを防止できる。
Sc15のステップにおいて、全てのリール2L、2C、2Rについて加速を開始させる設定が済んだと判定した場合には、Sc6のステップに進み、回転開始フラグをRAM41cの所定領域に設定して(Sc6)、リール制御処理に戻る。
また、Sc1のステップにおいて、リール演出フラグが設定されていると判定した場合であって、Sc7のステップにおいて、リール演出の種類が第1リール演出でないと判定した場合、すなわちリール演出の種類が第2リール演出である場合には、Sc4のステップと同様に、全てのリール2L、2C、2Rについて後述する停止制御テーブル設定処理を実行した後に(Sc16)、第2リール演出の制御を実行する(Sc17)。第2リール演出では、リール演出フラグに基づいて特定される上述の特殊な変動態様でリール2L、2C、2Rを変動させる。そして、リール2L、2C、2Rを特殊な変動態様で変動させている状態または停止させた状態で、所定の時間が経過することで、第2リール演出を終了させる。
第2リール演出を終了させた後は、Sc3のステップと同様に、ウェイトタイムカウンタを初期化し(Sc18)、第2リール演出の態様に応じて、第2リール演出の終了に伴う各リール2L、2C、2Rの状態から所定の定速回転に加速させるためのリールモータの励磁パターンをRAM41cの所定領域に設定して、定速回転までの加速を開始させて(Sc19)、Sc6のステップに進み、回転開始フラグをRAM41cの所定領域に設定して、リール制御処理に戻る。
リール回転開始処理が終了して、リール制御処理に戻った後には、回転中のリールの停止操作を有効化するまでの期間を所定時間にわたり遅延させる停止フリーズを行うか否かを、停止フリーズフラグに基づいて判定する(Sb2)。停止フリーズを行うと判定した場合は、停止フリーズフラグに基づいて特定されるタイミング、すなわち、停止フリーズが第1停止フリーズであれば、第1停止操作が行われた後であり、第2停止フリーズであれば、第2停止操作が行われた後であり、第3停止フリーズであれば、第1停止操作が行われた後及び第2停止操作が行われた後で場合に、遅延処理を実行する(Sb3)。
遅延処理では、RAM41cの所定領域に設定されており、後述のSb28のステップにおいて計時が開始される有効タイマの値に基づいて、有効な停止操作が検出されたときからの経過時間が所定の遅延時間に達しているか否かを判定し、有効タイマの値が所定の遅延時間に達していない場合には、有効タイマの値が所定の遅延時間に達するまで待機する。そして、有効タイマの値が所定の遅延時間に達することで、当該遅延処理を終了して、リール制御処理に戻る。有効な停止操作が検出したときに計時が開始される有効タイマの値に基づいて所定の遅延時間が経過したと判定されるときに、当該遅延処理を終了するようにすることで、有効な停止操作が検出された後のリール回転停止処理が実行される期間が、該当リールが停止される際の滑りコマ数(0〜4)に応じて変動する場合であっても、その変動に応じて当該遅延処理の実行期間が変動することとなるので、有効な停止操作が検出された後の一律のタイミングで、当該遅延処理より後の処理を実行可能となっている。これにより、サブ制御部91側では、停止フリーズ中に所定の演出を行う場合に、メイン制御部41側で実行されている停止フリーズの終了タイミングに合わせた演出を行うことが可能となる。
尚、本実施例の遅延処理では、Sb28のステップにて計時が開始される有効化タイマに基づいて所定の遅延時間が経過しているか否かを判定する構成であるが、有効な停止操作が検出されたときからの経過時間に基づいて、所定の遅延時間に達しているか否かを判定可能な構成であれば良く、有効化タイマ以外の計時手段により有効な停止操作が検出されたときからの時間を計時する構成であっても良い。
Sb3のステップにおいて遅延処理を実行した後、またはSb2のステップにおいて停止フリーズを行わないと判定した後は、タイマ割込待ち処理を実行する(Sb4)。タイマ割込待ち処理では、タイマ割込を許可に設定して、タイマ割込処理(メイン)が1回行われるまで待機する。
Sb4のステップのタイマ割込待ち処理が終了した後は、投入払出エラーチェック処理を実行する(Sb5)。投入払出エラーチェック処理では、投入メダルセンサ31の出力等に基づいてメダルセレクタの異常(以下、投入エラーという)、及び払出センサ34cの出力等に基づいてホッパーユニット34の異常(以下、払出エラーという)を検出する。そして、投入払出エラーチェック処理において投入エラー、払出エラーの少なくとも一方が検出された場合には(Sb6)、投入エラー、払出エラーが生じていることを特定可能な投入払出エラーフラグを設定する(Sb7)。
Sb7のステップにおいて、投入払出エラーフラグを設定した後、またはSb6のステップにおいて投入エラー、払出エラーのいずれも生じていないと判定した後は、ドア開放チェック処理を実行して(Sb8)、ドア開放検出スイッチ25の出力状態に変化が生じたか否かを判定する。そして、ドア開放検出スイッチ25の出力状態が変化していると判定した場合には(Sb9)、ドアコマンドをRAM41cのコマンドキューに設定する(Sb10)。尚、Sb10のステップにおいて設定されたドアコマンドは、次回のタイマ割込処理(メイン)にて実行される通常時コマンド送信処理により、サブ制御部91に対して送信されることとなる。
Sb10のステップにおいて、ドアコマンドを設定した後、またはSb9のステップにおいてドア開放検出スイッチ25の出力状態が変化していないと判定した後には、回転エラーチェック処理を実行する(Sb11)。回転エラーチェック処理では、停止操作が済んでいない回転制御中のリールのうち、リール基準位置が検出されることなく回転開始または前回リール基準位置が検出されてからのステップ数が所定ステップ数(本実施例では、400ステップであり、リールが1周するために要する336ステップよりも大きな値に設定されている。)を超えたリールがある場合に、リール回転の異常(以下、回転エラーという)を検出し、異常を検出した場合には、当該異常が生じているリールを特定可能な回転エラーフラグをRAM41cの所定領域に設定する。
そして、Sb11のステップにおける回転エラーチェック処理が終了した後には、回転エラーフラグに基づいて回転エラーが生じているか否かを判定し(Sb12)、回転制御中のいずれかのリールに回転エラーが生じていると判定した場合には、回転制御中のリールの停止操作を無効に設定し(Sb13)、RAM41cの所定領域に設定されているエラーカウンタに1加算し(Sb14)、当該エラーカウンタの値が所定値(本実施例では、3)未満であるか否かを判定する(Sb15)。そして、エラーカウンタの値が所定値未満でないと判定した場合、すなわちリールが正常に回転されずに、所定回数(本実施例では、3回)連続して回転エラーが検出されている場合には、エラー処理を実行する(Sb16)。エラー処理では、回転制御中の全てのリールの回転を停止させて、回転を停止させたリールを特定可能なように、RAM41cの所定領域に設定されている回転エラーフラグを更新するとともに、ゲームを進行させないように不能化するエラー状態に制御して待機する。その後、リセット操作により当該エラー状態が解除されることで、エラー処理を終了し、エラーカウンタを初期化して0に設定する(Sb17)。
Sb15のステップにおいて、エラーカウンタの値が所定値未満であると判定した後、またはSb17のステップにおいてエラーカウンタを初期化した後には、回転エラーフラグに基づいて回転エラーが生じているリールを特定するとともに回転エラーフラグを解除し、特定されたリールの励磁パターンを一旦クリアしてリール始動時のパターンを新たに設定してリールモータを励磁させることで、回転制御を再度初めから行って、定速回転まで再度加速させる再度加速処理を実行する(Sb18)。その後、該当するリールを再度加速させたことを特定可能なリール再加速コマンドをRAM41cの所定領域に設定して(Sb19)、Sb4のステップに戻る。その後、再始動されたリールが正常に回転された場合には、回転エラーチェック処理において回転エラーが検出されることがなく、Sb12のステップにおいて、回転エラーが生じていないと判定されることとなる。
Sb12のステップにおいて、回転エラーが生じていないと判定した場合には、タイマ割込を禁止に設定した後(Sb20)、RAM41cの所定領域に設定されており、前回のタイマ割込処理(メイン)により更新される回転状態情報に基づいて、停止操作が済んでいない回転制御中の全てのリールが定速回転で回転されているか否かを判定し(Sb21)、全てのリールが定速回転で回転されていないと判定した場合には、Sb4のステップに戻る。尚、回転状態情報は、タイマ割込処理(メイン)において更新され、タイマ割込処理(メイン)が行われた時点での、回転制御中の各リールモータの回転速度の状態を特定可能な情報である。Sb4のステップにおいて実行されるタイマ割込処理(メイン)により、回転状態情報が、回転制御中の各リールモータが定速回転状態であることを特定可能な値に更新されることで、Sb21のステップにおいて、回転制御中の全てのリールが定速回転で回転されていると判定されることとなる。
一方、Sb21のステップにおいて、停止操作が済んでいない回転制御中の全てのリールが定速回転で回転されていると判定した場合には、回転開始フラグがRAM41cの所定領域に設定されているか否かに基づいて、全てのリールが定速回転となったと判定されたことが1回目であるか否かを判定して(Sb22)、回転開始フラグが設定されており、全てのリールが定速回転となったと判定されたことが1回目であると判定した場合には、全てのリールについて定速回転に加速させる制御が完了したことを特定可能な加速完了コマンドをRAM41cのコマンドキューに設定し(Sb23)、回転開始フラグをRAM41cの所定領域から消去する(Sb24)。
Sb22のステップにおいて、全てのリールが定速回転となったと判定されたことが1回目でないと判定した場合、すなわち回転制御中のリールが定速回転に一旦達したものの、Sb12のステップにおいて回転エラーが検出されて、Sb17のステップにより定速回転まで再度加速させられたことで、再度定速回転に達した場合、またはSb24のステップにおいて回転開始フラグを消去した場合には、RAM41cに設定されている有効タイマに基づいて所定時間が経過していると判定したときに(Sb25)、回転制御を行っているリールについて停止操作の受け付けを有効に設定する(Sb26)。尚、当該回転制御を行っているリールについて停止操作の受け付けが既に有効に設定されている場合には、有効な状態を維持する。
そして、Sb26のステップにおいて停止操作の受け付けを有効に設定した後は、回転制御中のリールについて有効な停止操作が検出されたか否かを判定し(Sb27)、有効な停止操作が検出されていないと判定した場合には、Sb4のステップに戻り、Sb4〜Sb27のステップを繰り返し実行して、有効な停止操作が検出されるまで待機する。
その後、Sb27のステップにおいて有効な停止操作が検出された場合には、Sb20のステップによりタイマ割込が禁止された状態で、停止操作関連処理1を実行した後(Sb28)、タイマ割込を許可に設定し(Sb29)、停止操作関連処理2を実行する(Sb30)。停止操作関連処理1では、前回のタイマ割込処理(メイン)により更新されたストップスイッチ8L、8C、8Rの操作状況、回転状態情報に基づくリールの回転状態等に基づいて、Sb27のステップにおいて検出された有効な停止操作に対応する回転制御中のリールを特定し、Sb27のステップにおいて検出された停止操作に対応するリールのリールモータについて、その時点での、リール基準位置からのステップ数(停止操作位置となるステップ数)を特定するとともに、RAM41cの所定領域に設定されている有効タイマを初期化して、Sb26のステップにおいて有効な停止操作が検出されてからの経過時間の計時を開始させる処理等を行う。また、停止操作関連処理2では、Sb27のステップにおいて検出された有効な停止操作に対応するリールの停止操作の受付を無効に設定する処理等を行う。尚、停止操作関連処理1は、前回のタイマ割込処理(メイン)により更新された情報に基づいて各種制御を行う処理である一方で、停止操作関連処理2では、タイマ割込処理(メイン)により更新される情報に基づくことなく各種制御を行う処理である。
そして、Sb30のステップにおいて停止操作関連処理2を終了した後、タイマ割込を再び禁止に設定して(Sb31)、リール回転停止処理を実行する(Sb32)。リール回転停止処理では、Sb30のステップにおいて特定された停止操作が行われたリールに応じた停止制御テーブルを選択し、当該停止制御テーブルを参照して、Sb30のステップにおいて特定された停止操作位置のステップ数に応じた停止位置のステップ数を特定して、停止位置のステップ数と現時点でのリールモータのステップ数に基づいて滑りコマ数を算出し、当該滑りコマ数をRAM41cの所定領域に設定する。RAM41cの所定領域に設定された滑りコマ数は、その後タイマ割込処理におけるリールモータの回転制御に関する処理にて参照され、滑りコマ数すなわち停止制御テーブルにより特定される停止位置に対応するステップ数にて全相励磁されてリールが停止されることとなる。
そして、リール回転停止処理を実行した後、後述する停止制御テーブル設定処理を実行して(Sb33)、残りの回転制御中のリールについて停止制御テーブルを設定する。停止制御テーブル設定処理を実行した後には、Sb27のステップにおいて停止操作が検出されたリールが停止したか否かを判定し(Sb34)、当該リールが停止していないと判定した場合には、当該リールが停止するまで待機し、当該リールが停止していると判定した場合に、全てのリール2L、2C、2Rについて有効な停止操作が行われて停止したか否かを判定し(Sb35)、全てのリール2L、2C、2Rが停止していない場合には、Sb2のステップに戻り、停止していない残りのリールについてSb2〜Sb27のステップの制御を実行する。
そして、全てのリール2L、2C、2Rについて有効な停止操作が行われ、Sb35のステップにおいて全てのリール2L、2C、2Rが停止したと判定した場合には、タイマ割込待ち処理を実行した後(Sb36)、投入払出エラーチェック処理を実行する(Sb37)。当該投入払出エラーチェック処理では、Sb5のステップと同様に、投入エラー、払出エラーを検出する。そして、Sb37のステップでの投入払出エラーチェック処理において投入エラー、払出エラーの少なくとも一方が検出された場合、またはSb7のステップにおいて投入払出エラーフラグが設定されている場合には、投入払出エラーが生じていると判定して(Sb38)、エラー処理を実行する(Sb39)。エラー処理では、ゲームを進行させないように不能化するエラー状態に制御して待機する。その後、リセット操作により当該エラー状態が解除されることで、エラー処理を終了させる。
尚、本実施例では、Sb7のステップにおいて投入払出エラーフラグが設定され、Sb38のステップにおいて投入払出エラーが生じていると判定した場合に、Sb39のステップにおいてエラー処理を実行する構成、すなわちリール2L、2C、2Rの回転制御中に投入払出エラーが検出された場合には、全てのリール2L、2C、2Rが停止された後に、当該投入払出エラーが検出されたことに基づくエラー処理を実行する構成であるが、メイン制御部41は、投入払出エラーチェック処理により投入払出エラーが検出されたときにエラー処理を実行する構成であっても良い。また、投入払出エラー以外のエラーについて、エラーが検出されたときにエラー処理を行う構成であっても良いし、リールの回転制御が終了した後に、エラー処理を行う構成であっても良い。
Sb38のステップにおいて投入払出エラーが生じていないと判定した後、またはSb39のステップのエラー処理が終了した後は、第3停止のストップスイッチが操作中であるか否、すなわち第3停止のストップスイッチの押下が終了されて、当該ストップスイッチがoff状態となっているか否かを判定し(Sb40)、当該ストップスイッチが操作中である場合には、当該操作が終了されるまで待機する。そして、当該ストップスイッチが操作中でないと判定した後に、全てのリール2L、2C、2Rの停止が完了して、遊技が終了する旨を特定可能な遊技終了コマンドをコマンドキューに設定する(Sb41)。尚、Sb40のステップにおいて設定された遊技終了コマンドは、次回のタイマ割込処理(メイン)にて実行される通常時コマンド送信処理により、サブ制御部91に対して送信されることとなる。
次に、メイン制御部41がリール制御処理において実行する停止制御テーブル設定処理について説明する。
図14に示すように、停止制御テーブル設定処理では、まず、未停止のリールがあるか否か、すなわち有効な停止操作が行われておらず、回転制御が継続されているリールがあるか否かを判定する(Sd1)。そして、未停止のリールがある場合には、タイマ割込待ち処理を実行して(Sd2)、タイマ割込を許可に設定してタイマ割込処理(メイン)が1回行われるまで待機した後、タイマ割込を禁止に設定したうえで(Sd3)、回転制御が継続されている一のリールについて停止制御テーブル設定処理を行い(Sd4)、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能な停止制御テーブルを設定する。
そして、一のリールについて停止制御テーブル設定処理が終了した後には、全ての未停止のリールについて停止制御テーブル設定処理が行われたか否かを判定し(Sd5)、停止制御テーブル設定処理を行っていない未停止のリールが残っている場合には、Sd2のステップに戻って、タイマ割込待ち処理を実行した後に、Sd3のステップを経て、Sd4のステップにおいて残りの一のリールについて停止制御テーブル設定処理を行って停止制御テーブルを設定する。
そして、Sd5のステップにおいて全ての未停止のリールについて、停止制御テーブルを設定済みであると判定した場合、またはSd1のステップにおいて未停止のリールがないと判定した場合に、停止制御テーブル設定処理を終了して、リール制御処理に戻る。
このように、本実施例のメイン制御部41は、ゲームの開始後にリール制御処理を実行して、リール2L、2C、2Rの回転を開始させた後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの停止操作が検出されるまで待機し、有効なストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されることで、該当するリールの回転を所定の停止位置で停止させる制御を、全てのリールの回転を停止させるまで繰り返し行うとともに、少なくとも1つ以上のリールを回転制御している状態で、異常が生じた可能性のある特定事象が生じた否かを判定する構成である。
このような構成では、リールの回転中において停止操作が行われた後、リールの回転を停止させる停止制御を行っている期間において、異常に関連する事象が生じたか否かの判定を行うと、停止制御を行っている期間に余計な処理を行うこととなり、停止制御の対象リールが意図しない停止位置で停止してしまう虞がある。
これに対して、本実施例のメイン制御部41は、リール制御処理において、リール2L、2C、2Rの回転を開始させるリール回転開始処理を行った後、有効なストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで待機し、有効なストップスイッチ8L、8C、8Rの停止操作が検出されることで、該当するリールの回転を停止させるリール回転停止処理を行う構成であって、リール回転開始処理の後に有効なストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで待機している期間では、異常が生じた可能性のある特定事象が生じた否かを判定する異常判定処理を実行するので、リールの回転中の大半を占める状態では、特定事象を判定できる一方で、有効なストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された後からリール回転停止処理によりリールの回転が停止されるまでの期間では、異常判定処理を実行しないので、リールの停止に関する処理中の負荷が軽減されるため、リールの停止制御中に余計な処理が行われることにより停止制御の対象リールが意図しない位置でリールが停止してしまうことを防止できる。
本実施例のメイン制御部41は、リール制御処理において、リール回転開始処理の後に有効なストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで待機している期間に、異常判定処理の一つとして投入払出エラーチェック処理を実行することで、投入メダルセンサ31の出力に基づいてメダル投入部4からのメダルの投入に関する異常が生じた可能性があるか否かを判定するので、リールの回転中の大半を占める状態では、特定事象としてメダルの投入に関する異常を判定できる一方で、有効なストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された後からリール回転停止処理によりリールの回転が停止されるまでの期間では、投入払出エラーチェック処理を実行しないので、リールの停止に関する処理中の負荷が軽減されるため、リールの停止制御中に余計な処理が行われることにより停止制御の対象リールが意図しない位置でリールが停止してしまうことを防止できる。
本実施例のメイン制御部41は、リール制御処理において、リール回転開始処理の後に有効なストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで待機している期間に、異常判定処理の一つとして投入払出エラーチェック処理を実行することで、払出センサ34cの出力に基づいてホッパーユニット34によるメダルの払出に関する異常が生じた可能性があるか否かを判定するので、リールの回転中の大半を占める状態では、特定事象としてメダルの払出に関する異常を判定できる一方で、有効なストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された後からリール回転停止処理によりリールの回転が停止されるまでの期間では、投入払出エラーチェック処理を実行しないので、リールの停止に関する処理中の負荷が軽減されるため、リールの停止制御中に余計な処理が行われることにより停止制御の対象リールが意図しない位置でリールが停止してしまうことを防止できる。
本実施例のメイン制御部41は、リール制御処理において、リール回転開始処理の後に有効なストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで待機している期間に、異常判定処理の一つとして回転エラーチェック処理を実行することで、リールセンサ33L、33C、33Rの出力に基づいてリールの回転に関する異常が生じた可能性があるか否かを判定するので、リールの回転中の大半を占める状態では、特定事象としてリールの回転に関する異常を判定できる一方で、有効なストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された後からリール回転停止処理によりリールの回転が停止されるまでの期間では、回転エラーチェック処理を実行しないので、リールの停止に関する処理中の負荷が軽減されるため、リールの停止制御中に余計な処理が行われることにより停止制御の対象リールが意図しない位置でリールが停止してしまうことを防止できる。
本実施例のメイン制御部41は、リール制御処理において、リール回転開始処理の後に有効なストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで待機している期間に、異常判定処理の一つとしてドア開放チェック処理を実行することで、ドア開放検出スイッチ25の出力状態に変化が生じたか否かを判定するので、リールの回転中の大半を占める状態では、特定事象としてドア開放検出スイッチ25の出力状態に変化が生じたか否かを判定できる一方で、有効なストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された後からリール回転停止処理によりリールの回転が停止されるまでの期間では、ドア開放チェック処理を実行しないので、リールの停止に関する処理中の負荷が軽減されるため、リールの停止制御中に余計な処理が行われることにより停止制御の対象リールが意図しない位置でリールが停止してしまうことを防止できる。
本実施例のメイン制御部41は、メイン処理においてリール制御処理を実行する一方で、メイン処理の実行中の定期的に割り込んでタイマ割込処理(メイン)を実行し、リール制御処理において、リール2L、2C、2Rの回転を開始させるリール回転開始処理を行った後、有効なストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで待機している期間に、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に、異常判定処理を実行して特定事象が発生したか否かを判定するので、有効なストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで待機している期間において異常判定処理を常時実行せずに済むため、処理負荷を軽減できる。
本実施例のメイン制御部41は、リール制御処理において、リール2L、2C、2Rの回転を開始させるリール回転開始処理を行った後に、有効なストップスイッチ8L、8C、8Rの停止操作が検出されることで、該当するリールの回転を停止させるリール回転停止処理を行ってリールを停止させる制御を、全てのリールの回転を停止させるまで繰り返し行う構成であって、リール回転停止処理を行ってリールを停止された後、未だ回転中のリールがある場合に、有効なストップスイッチ8L、8C、8Rの停止操作が検出されるまでの期間において、異常判定処理を実行するので、リールの停止制御中の負荷を軽減しつつ、特定事象を判定できる。
また、本実施例のメイン制御部41は、異常判定処理として投入払出エラーチェック処理、回転エラー処理、ドア開放チェック処理を実行する構成であり、リール回転停止処理を行ってリールを停止された後、未だ回転中のリールがある場合に、有効なストップスイッチ8L、8C、8Rの停止操作が検出されるまでの期間において、異常判定処理を実行するので、リールの停止制御中の負荷を軽減しつつ、特定事象としてメダルの投入に関する異常、メダルの払出に関する異常、リールの回転に関する異常、ドア開放検出スイッチ25の出力状態に変化が生じたか否かを判定できる。
本実施例のメイン制御部41は、リール制御処理において、有効な停止操作が検出されることで、該当するリールの回転を停止させた後、未だ回転制御を行っているリールが残っている場合には、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に異常判定処理を実行しつつ、先の停止操作が検出されてから所定時間が経過するまで、停止操作が行われたか否か判定することなく待機し、当該所定時間が経過した後には、次の停止操作の受付を有効に設定して、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に異常判定処理及び停止操作が行われたか否かの判定を実行しつつ待機し、有効な停止操作が検出されることで、該当するリールを停止させる制御を、全てのリールの回転を停止させるまで繰り返し行う構成であって、有効な停止操作が検出された後から次の停止操作の受付が有効化されるまでの期間であって、停止操作が行われたか否かの判定を行わない期間においても、異常判定処理を実行するので、当該期間においても特定事象を判定できる。
特に、リール制御処理において、次の停止操作の受付を有効化する際に、有効化タイマに基づいて、有効な停止操作が検出された後から次の停止操作の受付が有効化されるまでの所定期間が経過したか否かを判定し、所定期間が経過している場合に、次の停止操作の受付を有効化するようになっているので、有効な停止操作が検出されてリールが停止されるまでの時間が、停止時の滑りコマ数(本実施例では、0〜4)によって異なることとなるものの、滑りコマ数に関わらず、有効な停止操作が検出された後から次の停止操作の受付を有効化するまでの期間を一定にすることができる。そして、メイン制御部41は、当該有効な停止操作が検出された後から次の停止操作の受付を有効化するまでの期間においても、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に異常判定処理を実行するので、当該期間においても特定事象を判定できる。
また、本実施例のメイン制御部41は、異常判定処理として投入払出エラーチェック処理、回転エラー処理、ドア開放チェック処理を実行する構成であり、停止操作が行われたか否かの判定を行わない期間においても、異常判定処理を実行するので、当該期間においても特定事象としてメダルの投入に関する異常、メダルの払出に関する異常、リールの回転に関する異常、ドア開放検出スイッチ25の出力状態に変化が生じたか否かを判定できる。
本実施例のメイン制御部41は、メイン処理においてリール制御処理を実行する一方で、メイン処理の実行中の定期的に割り込んでタイマ割込処理(メイン)を実行し、リール制御処理において、リール2L、2C、2Rの回転を開始させるリール回転開始処理を行った後、有効な停止操作が検出されるまで待機している期間に、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に、停止操作が検出されたか否かを判定するので、有効な停止操作が検出されるまで待機している期間において、停止操作が検出されたか否かを常時判定せずに済むため、処理負荷を軽減できる。
本実施例のメイン制御部41は、メイン処理においてリール制御処理を実行する一方で、メイン処理の実行中の定期的に割り込んでタイマ割込処理(メイン)を実行する構成であり、リール制御処理において、リール2L、2C、2Rの回転を開始させた後、タイマ割込を禁止に設定してタイマ割込を禁止した状態で、タイマ割込処理(メイン)により更新される所定の情報に基づいて、回転制御中の全てのリールが定速回転で回転しているか否かを判定し、全てのリールが定速回転で回転されている判定した場合に、停止操作を有効化する処理を実行し、有効な停止操作が検出されたか否かを判定し、有効な停止操作が検出された場合に、当該停止操作がいずれのリールに対応するものであるかを特定して、特定されたリールに対応するリールモータについて、タイマ割込処理(メイン)により更新される所定の情報に基づいて、その時点でのリール基準位置からのステップ数(停止操作位置となるステップ数)を特定する処理等を行う停止操作関連処理1を実行するので、これらの処理が、タイマ割込が禁止されており、タイマ割込処理(メイン)により所定の情報が更新されることがない一連の禁止状態において実行されることとなり、一連の禁止状態において実行される各処理中において基準となるタイマ割込処理(メイン)を一致させることができる。
また、本実施例のメイン制御部41は、リール制御処理において、リール2L、2C、2Rの回転を開始させた後、有効な停止操作が検出された場合に、タイマ割込を禁止に設定してタイマ割込を禁止した状態で、タイマ割込処理(メイン)により更新される現時点でのリールモータのステップ数と、停止操作が行われたときに特定されたリールの停止操作位置のステップ数とに基づいて、停止制御テーブルから滑りコマ数を特定して、当該滑りコマ数に基づいて該当するリールを停止させるリール回転停止処理を実行し、その後、回転制御中のリールが残っている場合に、それらのリールについて停止制御テーブルを設定する停止制御テーブル設定処理を実行するので、これらの処理の実行中に、タイマ割込処理(メイン)が実行されて、これらの処理における制御が意図せず中断されてしまうことを回避することができるので、これらの処理が複雑化してしまうことがない。
尚、本実施例において、メイン制御部41が、回転制御中の全てのリールが定速回転で回転されていると判定するときから、有効な停止操作が検出した後に停止操作関連処理1を終了するまでの期間、及び、メイン制御部41がリール回転停止処理を実行する期間、一の停止制御テーブルを設定する処理を実行する期間は、タイマ割込処理(メイン)が実行される時間間隔未満の期間であり、当該期間においてタイマ割込処理(メイン)を禁止状態に設定しても、タイマ割込処理(メイン)により行われている制御、例えば、リールモータの励磁の制御等に影響することはないようになっている。
また、本実施例では、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を禁止に設定した後、回転制御中の全てのリールが定速回転で回転されているか否かを判定し、リールが定速回転で回転されている状態で、停止操作を有効化して、有効な停止操作が検出した後に、停止操作関連処理1を実行し、停止操作関連処理1の終了後に、タイマ割込処理(メイン)の禁止を解除する構成、すなわち、リールの定速回転を判定する処理から停止操作を有効化する処理及び有効な停止操作を検出する処理を経て、停止操作関連処理1を実行するまでの制御を一連のタイマ割込の禁止状態において実行する構成であるが、例えば、有効な停止操作が検出されたときに、一旦タイマ割込の禁止状態を解除し、その後、停止操作関連処理1を実行する際に再びタイマ割込を禁止に設定するようにすることで、当該一連のタイマ割込の禁止状態を複数に分割する構成であっても良い。このような構成とすることで、これらの処理が行われる合間にタイマ割込処理(メイン)を実行可能となるので、タイマ割込処理(メイン)の実行が必要以上に制限されることがない。
このように、当該一連のタイマ割込の禁止状態を複数に分割する構成においては、例えば、禁止状態を第1の禁止状態と第2の禁止状態とに分割して、リールが定速回転中であるか否かを判定する処理、及びリールが定速回転中であることに基づいて停止操作を有効化する処理を、第1の禁止状態において実行し、有効な停止操作が検出されているか否かを判定する処理及び停止操作関連処理1を、第2の禁止状態において実行するようにすることで、第1の禁止状態では、当該第1の禁止状態の直前に行われたタイマ割込処理(メイン)により更新された回転状態情報に基づいてリールが回転状態であると判定されるときに、停止操作を有効化することができる一方で、第2の禁止状態においては、当該第2の禁止状態の直前に行われたタイマ割込処理(メイン)により更新されたストップスイッチ8L、8C、8Rの操作の検出に関する情報や、リール基準位置からのステップ数等に基づいて停止操作位置を特定することができるので、一連の処理中において基準となるタイマ割込処理(メイン)を一致させることができる。
また、このように、本実施例のメイン制御部41は、リール制御処理において、ストップスイッチ8L、8C、8Rによる停止操作の受付を有効に設定する前に、リール回転開始処理を実行して、当該リール回転開始処理においてリールを用いてリール演出を実行するとともに、リール演出の終了後に、停止制御テーブル設定処理を実行して、各リール2L、2C、2Rについて停止制御を行うための停止制御テーブルを設定する構成である。
このような構成では、リール演出の終了後に停止制御テーブルを設定するために、リール演出後にリールを停止せずにそのまま所定の定速回転に移行する場合などに停止制御テーブルの設定が間に合わなくなったり、停止操作の有効化が遅れる虞がある。
これに対して、本実施例のメイン制御部41は、リール制御処理において、ストップスイッチ8L、8C、8Rによる停止操作の受付を有効に設定する前に、リール回転開始処理を実行して、当該リール回転開始処理においてリール演出を実行する構成であり、リール演出として、特定の位置にリールを停止させる第1リール演出と、特定の位置にリールを停止させることのない第2リール演出とを実行可能であって、リール回転開始処理において、第1リール演出を実行する場合には、該第1リール演出の終了後に停止制御テーブル設定処理を実行して、全てのリール2L、2C、2Rについて停止制御テーブルを設定し、第2リール演出が実行される場合には、該第2リール演出を実行する前に、停止制御テーブル設定処理を実行して、全てのリール2L、2C、2Rについて停止制御テーブルを設定するので、第1リール演出が実行される場合には、第1リール演出を終了する際には、停止操作が有効とされるまでにリールを定速回転とするために加速させる制御を行う必要があり、該第1リール演出の終了後に停止制御テーブルを設定しても、加速させる制御も行われるので、該停止制御テーブルの設定により必要以上に停止操作の有効化が遅れることがない一方で、第2リール演出が実行される場合、すなわち第2リール演出の終了後にリールを定速回転とするために加速するための制御が第1リール演出よりも少なくて済む場合には、該第2リール演出の終了前に停止制御テーブルを設定すること、すなわち該第2リール演出が終了する前までに停止制御テーブルの設定を完了させることで、停止制御テーブルの設定により停止操作の有効化が遅れてしまうことを防止できる。
また、本実施例のメイン制御部41は、第1リール演出が実行される場合には、該第1リール演出の終了後に、停止制御テーブル設定処理を実行して、遊技において各リール2L、2C、2Rについて停止制御を行うための停止制御テーブルを設定するので、第1リール演出に伴いリールを停止させるための停止制御テーブルを設定するRAM41cの領域と、遊技においてリールを停止させるための停止制御テーブルを設定するRAM41cの領域とを、共通の所定領域とすることができる。
尚、本実施例では、メイン制御部41は、第1リール演出の終了時にリール2L、2C、2Rを所定の図柄が入賞ラインLNに揃うように停止させ、その後、リールを定速回転まで加速させる際には、各リール2L、2C、2Rをランダムに遅延させて順次回転を開始させる構成であるが、第1リール演出として、所定の図柄の組合せを入賞ラインLNに揃えずに停止させる構成とするとともに、リール2L、2C、2Rの回転開始をランダムに遅延させる制御を行わずに、第1リール演出の終了に伴い停止状態であるリールを通常の回転開始時と同様に一律のタイミングで始動させて定速回転まで加速させる構成としても良く、このような構成においても、本実施例と同様に、第1リール演出が実行される場合には、該第1リール演出の終了後に停止制御テーブルを設定する構成とすることで、該停止制御テーブルの設定により必要以上に停止操作の有効化が遅れることがない。
また、本実施例では、メイン制御部41は、第1リール演出を実行する場合には、該第1リール演出の終了後に停止制御テーブル設定処理を実行して、全てのリール2L、2C、2Rについて停止制御テーブルを設定する構成であるが、少なくとも第1リール演出において停止制御テーブルを使用するリールの制御が終了した以後に、遊技のために停止制御テーブルの設定を開始する構成であれば良く、例えば、第1リール演出中であっても所定の停止図柄の組合せを入賞ラインLNに停止させる制御が終了したときに、遊技のための停止制御テーブル設定処理を開始することで、第1リール演出の制御と並行して停止制御テーブルの設定を行う構成であっても良い。
また、本実施例では、メイン制御部41は、第2リール演出が実行される場合には、該第2リール演出を開始する前に停止制御テーブル設定処理を実行して、遊技のために全てのリール2L、2C、2Rについて停止制御テーブルを設定する構成であるが、メイン制御部41は、少なくとも第2リール演出の終了前に停止制御テーブル設定処理を実行する構成であれば良く、第2リール演出の実行中すなわち第2リール演出の制御と並行して停止制御テーブルを設定する構成でも良い。
また、本実施例では、メイン制御部41は、停止制御テーブル設定処理において、ROM41bに格納されているテーブルインデックス、テーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能にRAM41cの所定領域に設定することで、回転中のリールについて停止操作が行われる前に、停止制御テーブルを予め作成して設定する構成であるが、停止制御テーブル設定処理は、回転中のリールについて停止操作が有効となる前に、予め停止制御テーブルをRAM41cの所定領域に設定する処理であれば良く、ROM41bに格納されている停止制御テーブルをRAM41cの所定領域に複製することで停止制御テーブルをRAM41cの所定領域に設定する構成、ROM41bに圧縮された状態で格納されている停止制御テーブルをRAM41cの所定領域に展開して設定することで停止制御テーブルを設定する構成、ROM41bに格納されている停止制御テーブルの一部をRAM41cの所定領域に複製または展開して設定することで停止制御テーブルをRAM41cの所定領域に設定する構成、ROM41bに格納されているテーブルインデックス、テーブル作成用データを参照せずに、停止操作がされたタイミングに応じて停止可能な停止位置を検索・特定してRAM41cの所定領域に設定する処理を、全ての停止操作のタイミングについて行うことで停止制御テーブルを作成して、予めRAM41cの所定領域に設定する構成、ROM41bに格納されている基準となる停止制御テーブルをRAM41cの所定領域に設定した後、当該停止制御テーブルの一部を遊技状況等に応じて変更することで停止制御テーブルを作成して、予めRAM41cの所定領域に設定する構成、これらの構成を組合せて停止制御テーブルを作成して設定する構成等であっても良い。
本実施例のメイン制御部41は、リール制御処理でのリール回転開始処理において、リール演出を行うか否かを判定し、リール演出を行わないと判定した場合には、全てのリール2L、2C、2Rを所定の定速回転まで加速させる制御を開始させた後、停止制御テーブル設定処理を実行して、各リール2L、2C、2Rについて停止制御テーブルを設定することで、リール2L、2C、2Rが定速回転となる前に停止制御テーブルを設定するので、リール2L、2C、2Rが定速回転となった後、速やかにストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化することができる。
尚、実施例では、メイン制御部41は、リール回転開始処理においてリール演出を行わないと判定した場合は、全てのリール2L、2C、2Rを所定の定速回転まで加速させる制御を開始させた後、各リール2L、2C、2Rについて停止制御テーブルを設定する構成であるが、リール演出を行わないと判定した場合に、全てのリール2L、2C、2Rの回転が開始された後、所定の定速回転に加速されるまでの間に、回転制御中のリールについて停止制御テーブルを設定する構成であれば良く、リール演出を行わないと判定した場合には、回転制御中の停止制御テーブルの設定を行った後に、全てのリール2L、2C、2Rを所定の定速回転まで加速させる制御を実行する構成、リールを所定の定速回転まで加速させる制御と回転制御中のリールの停止制御テーブルを設定する処理とを並行して実行する構成でも良い。
本実施例のメイン制御部41は、リール演出として、リール2L、2C、2Rを加速する際の変動態様を通常のゲームとは異なる態様とする第2リール演出を実行可能であり、リール制御処理でのリール回転開始処理において、第2リール演出を実行する場合には、該第2リール演出の終了前に停止制御テーブル設定処理を実行して、全てのリール2L、2C、2Rについて停止制御テーブルを設定するので、第2のリール演出の終了後、すぐにリールが定速回転となっても、速やかにストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化できる。
本実施例のメイン制御部41は、リール制御処理において、各リール2L、2C、2Rの回転を開始させた後、全てのリールの加速が完了して定速回転となったと判定した場合に、当該リールの加速が完了した旨を特定可能な加速完了コマンドを設定してサブ制御部91に対して送信させる一方で、リール制御処理において、各リール2L、2C、2Rの回転を開始させた後、回転エラーチェック処理を実行していずれかのリールの回転異常が検出されたときには、再加速手処理を実行して該当するリールを再度加速させ、その後、リールが定速回転となったと判定した場合には、加速完了コマンドを設定することなく、当該コマンドを送信させないので、サブ制御部91側で、加速完了コマンドを受信したときには、リールの回転異常による再度の加速完了ではなく、ゲーム開始後の最初の加速完了であることを特定でき、サブ制御部91は、当該加速完了コマンドに基づいて全てのリール2L、2C、2Rが最初に定速回転となったこと伴う演出(例えば、第1停止操作の指示)を実行することができる。
本実施例のメイン制御部41は、内部抽選において所定の抽選対象役(本実施例では、強チェリー、弱チェリー、スイカ、共通ベル)が当選したゲームにおいて、当該内部抽選の抽選結果に基づいて行われるART抽選に当選した場合には、前兆期間が経過した後のゲームにおいて、ART開始演出としてリール演出を実行させる、すなわちリール演出を実行するゲームよりも前のゲームにおいて内部抽選にて所定の抽選対象役が当選したことに応じてリール演出を実行可能であるので、リール演出を実行するゲームよりも前のゲームにおいて成立した特定の条件としてART抽選が行われること、すなわち内部抽選にて所定の抽選対象役が当選することが成立することで、そのゲーム以降の動向を注目させることができる。
尚、本実施例では、リール演出を実行するゲームよりも前のゲームにおいて成立した特定の条件とは、リール演出を実行するゲームよりも前の内部抽選にて所定の抽選対象役が当選することであるが、リール演出を実行するゲームよりも前のゲームにおいて成立する条件あれば良く、例えば、リール演出を実行するゲームまでに所定数のゲームが行われたことや、リール演出を実行するゲームよりも前の複数ゲームにおいて所定の図柄の組合せが、入賞ラインLNに停止されたこと、リール演出を実行するゲームよりも前のゲームにおいて内部抽選とは独立して実行される抽選に当選したこと等であっても良い。また、特定の条件が成立してから所定ゲーム数が経過することでリール演出を実行する構成でも良いし、特定の条件が成立したゲームの後に、別の条件が成立することでリール演出を実行する構成でも良い。
また、本実施例では、ART抽選に当選した場合には、前兆期間が経過した後のゲームにおいて、ART開始演出としてリール演出を実行させる構成であり、当該リール演出として、特定の位置にリールを停止させる第1リール演出を適用しているが、当該リール演出として特定の位置にリールを停止させることがない第2リール演出を適用する構成であっても良く、このような構成であっても、内部抽選にて所定の抽選対象役が当選することが成立することで、そのゲーム以降の動向を注目させることができる。
本実施例のメイン制御部41は、内部抽選において所定の抽選対象役(本実施例では、強チェリー、弱チェリー、スイカ、共通ベル)が当選したゲームにおいて、ART可能性示唆演出抽選を行って、当該ART可能性示唆演出抽選に当選したときには、当該ゲームにおいてART可能性示唆演出としてリール演出を実行させることが可能であるので、所定の条件として内部抽選において所定の抽選対象役が当選したゲームの動向を注目させることができる。
尚、本実施例では、内部抽選において所定の抽選対象役が当選したことに基づいてART可能性示唆演出抽選を行い、ART可能性示唆演出抽選に当選した場合に、当該ART可能性示唆演出抽選の契機となった内部抽選が行われたゲームにおいて、ART可能性示唆演出としてリール演出を実行する構成であるが、ART可能性示唆演出としてのリール演出は、当該リール演出を行うゲームにおいて所定条件が成立したことに基づいて実行されるものあれば良く、内部抽選以外の他の条件(ART抽選の当選結果等)が成立したこと基づいて実行する構成としても良い。
また、本実施例では、ART可能性示唆演出抽選に当選した場合には、当該ART可能性示唆演出抽選に当選したゲームにおいて、ART可能性示唆演出としてリール演出を実行させる構成であり、当該リール演出として、特定の位置にリールを停止させることがない第2リール演出を適用しているが、当該リール演出として特定の位置にリールを停止させる第1リール演出を適用する構成であっても良く、このような構成であっても、内部抽選にて所定の抽選対象役が当選することが成立することで、そのゲーム以降の動向を注目させることができる。
本実施例のメイン制御部41は、内部抽選において所定の抽選対象役(本実施例では、強チェリー、弱チェリー、スイカ、共通ベル)が当選したことに基づいて行われるART抽選に当選した場合には、前兆期間が経過した後に、ART開始演出としてリール演出を実行させることが可能であるとともに、内部抽選において所定の抽選対象役が当選したゲームにおいて、ART可能性示唆演出抽選を行って、当該ART可能性示唆演出抽選に当選したときには、当該ゲームにおいてART可能性示唆演出としてリール演出を実行させることが可能であって、ART可能性示唆演出抽選に当選したゲームにおいて、ART開始演出を実行する場合には、ART可能性示唆演出の実行を制限して、ART開始演出のみを実行するので、特定の条件として内部抽選にて所定の抽選対象役が当選したことに基づいて予めリール演出が実行されることが決まっている状況で、さらに所定の条件として内部抽選にて所定の抽選対象役が当選したこと基づくリール演出が制限されることでリール演出を実行することに伴う制御が複雑となってしまうことがない。
また、このように、本実施例のメイン制御部41は、リール制御処理において、停止制御テーブル設定処理を実行して、各リール2L、2C、2Rについて停止制御を行うための停止制御テーブルを設定する構成である。
このような構成では、複数のリールが回転している状況で一のリールの停止操作がされた場合に、当該停止操作がされたリールの停止後に、残りのリールについてさらに停止制御テーブルを設定するようにすると、一のリールの停止後、残りのリールについての停止制御テーブルの設定が間に合わなくなったり、停止操作の有効化が遅れる虞がある。
これに対して、本実施例のメイン制御部41は、リール制御処理において、有効な停止操作が検出されたときに、停止制御テーブル設定処理を実行して、未だ回転制御を行っている残りのリールについて停止制御テーブルの設定を行い、その後、全てのリールが停止していないと判定した場合に、残りのリールについて停止操作を検出するための制御を行うので、複数のリールの変動中にいずれかのリールに対応するストップスイッチが操作されたときに、該ストップスイッチに対応するリールが停止される前に他の回転制御中のリールについて停止制御テーブルを設定されて、停止制御テーブルの設定によりストップスイッチの有効かが遅れてしまうことを防止できる。
本実施例のメイン制御部41は、リール制御処理にて実行する停止制御テーブル設定処理において、未停止のリールがあるか否かを判定して、未停止のリールがある場合には、未停止のリールのうちの一のリールについて停止制御テーブルを設定する処理を、未停止の全てのリールに対して順次行うことで、3つのリール2L、2C、2Rの回転制御中にいずれかのリールに対応するストップスイッチが操作されたときには、該ストップスイッチに対応するリールが停止される前に他の2つの回転制御中のリールの停止制御テーブルを設定し、2つのリールの回転制御中にいずれかのリールに対応するストップスイッチが操作されたときには、該ストップスイッチに対応するリールが停止される前に他の1つの回転制御中のリールの停止制御テーブルを設定するので、いずれの状況においても停止制御テーブルの設定によりストップスイッチ8L、8C、8Rの有効化が遅れてしまうことを防止できる。
本実施例のメイン制御部41は、メイン処理においてリール制御処理を実行する一方で、メイン処理の実行中の定期的に割り込んでタイマ割込処理(メイン)を実行し、リール制御処理において、制御テーブル設定処理を実行して、回転制御中のリールの停止制御テーブルを設定する構成であり、制御テーブル設定処理では、タイマ割込処理(メイン)が実行されるまで待機し、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に、回転制御中の一のリールについて停止制御テーブルを設定する制御を繰り返し実行して、回転制御中の全てのリールの停止制御テーブルを設定するので、停止制御テーブルを設定する処理が行われる期間にタイマ割込処理(メイン)が意図せず実行されることで制御が複雑となってしまうことがない。
尚、本実施例では、メイン制御部41は、リール制御処理において実行する制御テーブル設定処理において、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に、回転制御中の一のリールについて停止制御テーブルを設定する制御を繰り返し実行することで、回転制御中の全てのリールについて停止制御テーブルを設定する処理を、回転制御中の一のリール毎に分割して実行する構成であるが、タイマ割込処理(メイン)が実行される時間間隔未満の時間で一の処理が完了するように、回転制御中の全てのリールについて停止制御テーブルを設定する処理を複数個に分割する構成であれば良く、例えば、回転制御中の一のリールについて停止制御テーブルを設定する処理を複数段階に分けて、一の段階が終了する毎に、タイマ割込処理(メイン)を実行させた後、次段階の処理を実行する制御を繰り返し行うことで、回転制御中の全てのリールについて停止制御テーブルを設定する構成であっても良い。このような構成においても、停止制御テーブル設定処理が行われる期間において意図しないタイミングでタイマ割込処理(メイン)が実行されることで制御が複雑となってしまうことがない。
本実施例のメイン制御部41は、内部抽選において所定の抽選対象役(本実施例では、強チェリー、弱チェリー)が当選した場合に、フリーズ抽選を行い、当該フリーズ抽選にて停止フリーズが当選した場合には、複数のリールの回転制御中にいずれかのリールに対応するストップスイッチが操作されたときに、他の回転制御中のリールに対応するストップスイッチの有効化を遅延させる遅延処理を実行することが可能であり、リール制御処理において、有効化なストップスイッチによる停止操作が検出されたときに、当該停止操作に対応するリールを停止させる制御を行い、回転制御中の他のリールについて停止制御テーブル設定処理を行った後に、遅延処理を実行する、すなわちフリーズ抽選に当選したことに基づいて遅延処理を実行する場合には、該遅延処理を開始する前に他の回転制御中のリールの停止制御テーブルを設定するので、遅延処理の終了後、速やかにストップスイッチの操作を有効化できる。
次に、メインCPU41aが演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいて、サブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
サブCPU91aは、メインCPU41aからのコマンドの送信を示すストローブ信号を入力した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91bに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
サブCPU91aは、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91cに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53,54、リールLED55等の各種演出装置の出力制御を行う。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53,54の出力態様、リールLED55の点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブCPU91aは、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91bに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターン及び遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
本実施形態では、メインCPU41aが、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能な操作検出コマンドをサブCPU91aに対して送信することで、サブCPU91aが、それぞれの制御状態においてゲームの進行制御に関与する操作スイッチであるか否かに関わらず、メインCPU41aにより検出される操作スイッチが操作されたことが特定できるようになっている。このため、サブCPU91aは、ゲームの進行制御に関与しない操作スイッチの操作に応じて演出を実行したり、後述するメインメニュー画面を介した遊技者の操作に応じた処理を行うことが可能である。
本実施形態では、サブCPU91aは、遊技開始時に、遊技者により、後述するパスワード(鍵データ)が入力された場合に、予め定められた達成条件が成立したことを条件に経験値を付与し、10経験値獲得する毎にレベルを加算するようになっている。そしてレベルの値が一定値を超える毎に、実行される可能性のある演出の種類数を増加させる。より詳しくは、レベル1〜30の場合に用いる演出テーブル1、レベル31〜60の場合に用いる演出テーブル2、レベル61〜99の場合に用いる演出テーブル3を備えており、演出テーブル2には、演出テーブル1に登録されている演出パターンに加えて演出テーブル1に登録されていない演出パターンが定められており、演出テーブル3には、演出テーブル1、2に登録されている演出パターンに加えて演出テーブル1、2に登録されていない演出パターンが定められており、演出テーブル1〜3のうち現在のレベルに応じた演出テーブルを用いて演出パターンを選択することにより、レベルが30を超えた場合、60を超えた場合にそれぞれ演出パターンが増加することとなる。
経験値は、RAM91bに割り当てられた経験値格納領域に格納されている。
また、サブCPU91aは、レベルの値が一定値を超える毎に、演出設定として選択可能な項目を増加させる。より詳しくは、遊技者の選択操作により演出の頻度(演出設定1)、メインとなるキャラクタ(演出設定2)、キャラクタの衣装(演出設定3)、演出の背景デザイン(演出設定4)を選択可能とされており、これら演出設定において、レベルが30を超えるまでは、3種類から選択可能であり、レベルが30を超えると5種類から選択可能となり、レベル60を超えると8種類から選択可能となる。
経験値が付与される達成条件としては、例えば、特別役の当選可能性を示す連続演出が実行され、かつ特別役が当選した場合または外れた場合、ボーナス確定画面が表示された場合などが定められており、各達成条件の難易度、現在のレベル、ゲームを開始してからのゲーム数に応じて付与される経験値が定められ、達成条件が成立した時点の状況に応じた経験値が付与されることとなる。
また、本実施形態では、サブCPU91aは、遊技開始時に、遊技者により、後述するパスワードが入力された場合や「簡単スタート」が選択された場合に、遊技において、予め定められた条件が成立すると、遊技者に対して、管理サーバから所定の特典の付与を受ける際の交換価値であるコイン(金、銀、銅の3種類)を付与する。特典には、例えば、音楽、壁紙、待ち受け画面等のコンテンツデータ、あるいは、所定の物品と交換できる交換券を示すデータ(例えば、2次元コード)等が含まれる。なお、獲得コインが金である場合には無条件で特典が付与され、銀又は銅である場合には獲得メダルに応じた確率で特典を付与するか否かの抽選を実行する。
また、レベルの値は、1台のスロットマシン1において上昇した値のみならず、他のスロットマシン1において上昇した値を引き継ぐことも可能である。また、レベルの値だけではなく、他のスロットマシン1において進展したストーリーの段階や他のスロットマシン1において遊技者が演出設定を変更した場合、その設定内容も引き継ぐことが可能である。
具体的には、遊技者は、図15(a)に示すメインメニュー画面から「パスワード入力」を選択し、予め管理サーバにて発行されたパスワードを入力することにより、以前の遊技履歴に応じたレベル及び演出設定(ストーリーの段階も含まれる)を引き継いで遊技を行うことが可能となる。
パスワード(鍵データ)は、後に詳述するが、管理サーバにて管理されている遊技者個人の遊技履歴に応じた記念日、レベル、機種情報、直近情報、その他の演出設定を特定可能な8文字からなる文字データである。
メインメニュー画面は、ゲーム終了後(設定変更後)から賭数が設定されるまでの制御状態において、演出用スイッチ56(CHANCEボタン)が操作された場合に、液晶表示器51の表示領域に表示される。
メインメニュー画面が表示されている状態では、図15(a)、(b)に示すように、ストップスイッチ8Lが操作されることで、左側のメニュー項目に移動し、ストップスイッチ8Rが操作されることで右側のメニュー項目に移動する。そして、演出用スイッチ56が操作されることで、手前に表示されているメニュー項目が選択される。また、メニュー項目として「終了」が手前に表示されている状態で演出用スイッチ56が操作されるか、ストップスイッチ8Cが一定時間以上操作されると、図15(c)に示すように、「YES」、「NO」を選択可能な終了確認画面が表示される。この終了確認画面にてストップスイッチ8L、8R、演出用スイッチ56を操作し、「YES」、「NO」のうち「YES」を選択することで、基本画面(メインメニュー画面に移行する前の通常画面)に戻るようになっている。また、何も操作されない状態が、画面毎に定められた時間継続した場合にも基本画面に戻る。
パスワードの入力前や後述する簡単スタートによる遊技開始前のメインメニュー画面では、図15(a)に示すように、「簡単スタート」、「パスワード入力」、「会員登録」、「ストックコインのヒント」、「終了」のメニュー項目が表示されるようになっている。
遊技者は、この場合のメインメニュー画面にて、ストップスイッチ8L、8R及び演出用スイッチ56を操作して「ストックコインのヒント」を選択することにより、ストックコインのヒント画面を表示させることができる。ストックコインとは、パスワードの入力有無に関わらす、当該スロットマシン1における遊技において、所定の条件が成立すると、加算され、蓄積されるコイン(金、銀、銅の3種類)である。ストックコインを示すデータ(ストックコインデータ)は、RAM91bに割り当てられたストックコイン格納領域に記憶されている。
サブCPU91aは、遊技者により「ストックコインのヒント」が選択されると、ストックコイン格納領域に格納されているストックコインデータを参照し、蓄積されているコインの状況に応じて、複数のヒント画面のうちから、何れか一の画面を選択して表示する。この場合、例えば、蓄積されているコインの価値が高くないことが示唆される画面や、蓄積されているコインの価値が非常に高い(例えば、金コインの枚数が所定数以上)ことが示唆される画面が表示されることになる。
ストックコインは、遊技終了時において、所定の条件が成立することで、遊技者に付与される。したがって、このように、ストックコインのヒントとなる画面を表示することで、遊技者はパスワードを入力する前に、ストックコインがどれぐらい蓄積されているかを予測することができ、ストックコインがより多く蓄積されている遊技機を狙って、選択することが可能となり、興趣性の向上が図れる。
続いて、パスワードの入力操作仕様について説明する。遊技者は、パスワードの入力前や後述する簡単スタートによる遊技開始前のメインメニュー画面にて、図16(a)に示すように、ストップスイッチ8L、8R及び演出用スイッチ56を操作してパスワードメニューを選択すると、サブCPU91aにより、図16(b)に示すパスワード入力画面が表示される。パスワード入力画面では、図16(c)に示すように、ストップスイッチ8L、8Rを操作することで、文字が移動し、図17(a)に示すように、演出用スイッチ56(CHANCEボタン)を操作することで、手前に表示されている文字が選択される。
ここでは、1文字選択する毎に、次の文字が選択可能となる。また、「1文字戻る」が手前に表示されている状態で、演出用スイッチ56を操作することで、手前の文字を再度選択可能にすることができる。そして、8文字のパスワードを選択すると、「決定」に移動し、図17(b)に示すように、「1文字戻る」以外の文字が手前に表示されている状態で演出用スイッチ56を操作することで、パスワードの入力が完了する。
入力したパスワードが正規のパスワードであると認証された場合には、図17(c)に示すように、パスワードの入力を受け付けたことを示す「パスワードOK」画面が表示される。パスワードOK画面は、演出用スイッチ56を操作するか、予め定められた時間が経過することで閉じられ、基本画面に切り替わる。なお、パスワードが正規のパスワードであると認証されなかった場合には、パスワードの入力が受け付けられなかったことを示す「パスワードNG」画面(図示略)が表示される。パスワードNG画面も、演出用スイッチ56を操作するか、予め定められた時間が経過することで閉じられ、基本画面に切り替わる。
パスワードが正規のパスワードであると認証されると、RAM91bに割り当てられた個人履歴格納領域(総ゲーム数、BB回数、RB回数、達成ミッションの履歴)の値が初期化されると共に、パスワードから解析される記念日が、RAM91bに割り当てられた記念日格納領域に、パスワードから解析されるレベルが、RAM91bに割り当てられたレベル格納領域に、パスワードから解析される機種を識別するための機種情報が、RAM91bに割り当てられた機種情報格納領域に、パスワードから解析される直近の遊技履歴を示す直近情報が、RAM91bに割り当てられた直近情報格納領域に、パスワードから解析されるその他の演出設定1〜3が、RAM91bに割り当てられた演出設定格納領域に設定される。そして、以上の設定に伴い、以前の遊技履歴に応じたレベル、及び演出設定が、当該スロットマシン1に引き継がれることとなる。また、この際、入力されたパスワードそのものがRAM91bに割り当てられたパスワード格納領域に格納されるようになっている。
また、上述のようにRAM91bには、個人履歴格納領域が割り当てられており、パスワードを入力し、正規のパスワードと認証されてからの遊技履歴(総ゲーム数、BB回数、RB回数)が蓄積されるようになっている。さらに予めスロットマシン1に設定されたミッション(課題)を達成した場合には、達成したミッションの種類を示す達成ミッションの履歴も蓄積されるようになっている。また、上述のように経験値について、10経験値獲得する毎に、レベル格納領域に格納されたレベルを1つ上昇させるようになっている。
そして、遊技者は、遊技を終える場合に、当該遊技者の遊技履歴、現在のレベル、経験値、獲得コイン数、演出設定(機種情報、および、直近情報は含まず)、達成ミッションの履歴等からなる情報(遊技結果情報)が含まれる2次元コードをスロットマシン1から出力させ、これを携帯端末を用いて取得し、この2次元コードに含まれる遊技結果情報を管理サーバが備える後述の遊技者データベースの内容に反映させることができるようになっている。
なお、遊技者により、メインメニュー画面にて、「簡単スタート」が選択されると、パスワードを入力した場合と異なり、以前の遊技履歴を引き継いで遊技を行うことはできないが、遊技者は、「簡単スタート」選択後から遊技終了時までにおける、遊技履歴、現在のレベル、経験値、獲得コイン数、演出設定(機種情報、および、直近情報は含まず)、達成ミッションの履歴等が含まれる2次元コードをスロットマシン1から出力させることができる。
図18(a)に示すように、パスワード入力後や簡単スタートによる遊技開始後のメインメニュー画面では、「データクリア」、「2次元コード作成」、「本日の結果」、「終了」のメニュー項目が表示されるようになっている。例えば、この場合のメインメニュー画面にて、遊技者により、「データクリア」が選択されると、RAM91bに割り当てられた、パスワード格納領域、個人履歴格納領域、経験値格納領域、記念日格納領域、レベル格納領域、機種情報格納領域、直近情報格納領域、演出設定格納領域、獲得コイン格納領域のそれぞれがクリアされる。
また、遊技者により、図18(a)に示すメインメニュー画面にて、「本日の結果」が選択されると、パスワード入力後や簡単スタートによる遊技開始後から現時点までにおける、遊技履歴、現在のレベル、経験値、獲得コインの内容、達成ミッションの履歴等が表示される。
また、遊技者により、図18(a)に示すように、メインメニュー画面にて、「2次元コード作成」が選択されると、サブCPU91aは、2次元コードを生成し、図18(b)に示すように、生成した2次元コードを液晶表示器51に表示させる。ここで表示される2次元コードには、例えば、パスワードを入力した遊技であれば、管理サーバ上の通常更新ページの所在を示すURL(通常更新用URL)と、ゲーム開始時に入力されたパスワードと、2次元コード作成毎に取得されるランダムな値である遊技乱数(本実施形態では、32ビットの乱数)と、遊技履歴更新データと、獲得データと、をそれぞれ示す情報が含まれる。ここで、遊技履歴更新データ及び獲得データは、遊技結果情報を構成する。
遊技履歴更新データには、個人履歴格納領域に記憶されている各データ値(総ゲーム数、BB回数、RB回数、達成ミッションの履歴)、レベル格納領域に記憶されているレベル値、経験値格納領域に格納されている経験値、演出設定格納領域に格納されている演出設定1〜3等が格納されている。
また、獲得データは、獲得コイン格納領域に格納されている獲得データ(獲得した金、銀、銅の各コインの枚数を示すデータ)と同一の内容を示す。
なお、本実施形態においては、経験値格納領域に格納されている経験値は、レベルアップに用いられた残りの端数の経験値(すなわち、0〜9)である。
そして、この2次元コードを携帯端末により読み取り、2次元コードから特定される管理サーバのURLにアクセスすることで、2次元コードから特定される内容が管理サーバが備える遊技者データベースの内容に反映されるようになっている。
このように、本実施形態のスロットマシン1では、遊技を開始する際にパスワードを入力することで、以前遊技を行った際のレベルや演出設定等、過去の遊技履歴を反映した(引き継いだ)演出を実行させることが可能となり、長期間にわたり継続性のある演出を行わせることができる。また、遊技の終了後、遊技結果情報を含む2次元コードに、パスワードが含まれるため、パスワードを発行する管理サーバにて、2次元コードに含まれるパスワードを認証することで、パスワードの発行を受けた遊技者であるか否かを判別することが可能となる。したがって、第三者が他人のパスワードを入手して遊技を行い2次元コードを取得したり、他人の2次元コードを取得したりしても、この2次元コードに含まれる遊技結果情報を、管理サーバが備える後述の遊技者データベースに反映させることはできない。これにより、パスワードや2次元コードを流用したり盗用したりしても意味がなくなるため、パスワード及び2次元コードの流用や盗用を防止することができる。
本実施形態では、管理サーバからパスワードの発行を受けるためには、予め携帯端末を用いて、管理サーバにアクセスし、会員登録を行って、当該携帯端末の端末識別情報(SIMデータ)を登録しておく必要がある。本実施形態では、遊技者により、図16(a)に示すメインメニュー画面にて「会員登録」が選択されると、サブCPU91aは、管理サーバの会員登録ページの所在を示すURLが特定される2次元コードを生成して、液晶表示器51に表示させる。遊技者は、携帯端末にて、この2次元コードを読み取ることにより、簡単に管理サーバの会員登録ページにアクセスできる。
また、本実施形態では、予め管理サーバにアクセスして会員登録を済ませていない遊技者であっても、メインメニュー画面にて、上述した「簡単スタート」を選択することで、遊技履歴を蓄積する機能を利用した遊技を開始することができる。但し、この場合では、当然ながら、以前の遊技履歴を引き継いで遊技を行うことはできない。
「簡単スタート」を選択して遊技を開始した後、遊技を終了する際に表示される2次元コードは、パスワードを入力して開始した場合と異なる。具体的には、通常更新用URLの代わりに、管理サーバ上の簡単スタート用のページの所在を示すURLが含まれており、パスワードが含まれていない構成となっている。他の情報は、パスワードを入力した遊技に基づく2次元コードと同様である。
そして、遊技者は、この2次元コードを携帯端末により読み取り、読み取った2次元コードから特定される管理サーバのURLにアクセスする。管理サーバは、アクセスした携帯端末の端末識別情報(SIMデータ)が既に登録されているか否かを判定する。アクセスした携帯端末の端末識別情報が登録されていない場合には、管理サーバは、当該端末識別情報に対応付けた当該遊技者用の遊技者情報を、遊技者データベースに新規に登録し、当該追加した遊技者情報に、スロットマシン1から出力された2次元コードに含まれる遊技結果情報を反映する。
一方、アクセスした携帯端末の端末識別情報が既に登録されている場合には、管理サーバは、遊技者データベースの当該端末識別情報に対応付けられた遊技者情報に、当該2次元コードに含まれる遊技結果情報を反映する。
このように、本実施形態のスロットマシン1では、会員登録済みであるか否かに関わらず、遊技者は、メインメニュー画面にて「簡単スタート」を選択するだけで、遊技履歴を蓄積する機能を利用した遊技を開始することができる。
本実施形態のサブCPU91aは、上述のようにメインメニュー画面から移行する各種メニュー画面を表示させた後、遊技者により何らの操作もなされない場合には、所定時間が経過すると、基本画面に切り替えるようになっている。
[タイマ割込処理(サブ)]
次に、サブ制御部91が内部クロックのカウント値に基づいて1.12秒の間隔で実行するタイマ割込処理(サブ)について説明する。
タイマ割込処理(サブ)においては、まず、使用中のレジスタをスタック領域に退避する。
次いで、停電判定処理を行う。停電判定処理では、電断検出回路98から電圧低下信号が入力されているか否かを判定し、電圧低下信号が入力されていれば、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていたか否かを判定し、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていた場合には停電と判定し、その旨を示す電断フラグを設定する。
停電判定処理の後、電断フラグが設定されているか否かを判定し、電断フラグが設定されていた場合には電断処理(サブ)に移行する。電断処理(サブ)では、前述した破壊診断用データやRAMパリティ調整用データなどをRAM91cに格納する処理などを実行する。
電断フラグが設定されていない場合にはコマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、コマンドバッファにコマンドが格納されているか否かを判定し、コマンドバッファにコマンドが格納されていればコマンドバッファからコマンドを取得する。そして、取得したコマンドに応じた処理を実行する。そして、サブ制御部91は、遊技者のメインメニュー画面を介した操作に応じ処理などを実行する。
また、サブ制御部91は、メインメニュー画面を表示させるためのメニュー表示操作を受け付け可能であることの報知を行うメニュー表示操作受付報知処理を実行する(図19参照)。
さらに、サブ制御部91は、メインメニュー画面を表示させるためのメニュー表示操作を受け付けるメニュー表示操作受付処理を実行する(図20参照)。
さらに、サブ制御部91は、演出用スイッチ56の内部に設けられた演出用スイッチLED56aの制御を行うLED制御処理を実行する(図21参照)。なお、演出用スイッチ56の上面は透明な部材で覆われており、演出用スイッチLED56が発光して照射された光を演出用スイッチ56の外部から視認可能である。
さらに、サブ制御部91は、音声(楽曲及び音量)の設定を行うための音声設定操作を受け付け可能であることの報知を行う音声設定操作受付報知処理を実行する(図22参照)。
さらに、サブ制御部91は、音声の設定を行うための音声設定操作を受け付ける音声設定操作受付処理を実行する(図23参照)。
[メニュー表示操作受付報知処理]
次に、サブ制御部91がタイマ割込処理(サブ)で実行するメニュー表示促進報知処理について説明する。
図19に示すように、メニュー表示促進報知処理では、サブ制御部91は、まずゲーム中か否かを判定する(Se1)。ゲーム中の場合(Se1でY)には処理を終了する。ゲーム中でない場合(Se1でN)、すなわちゲーム終了から賭数設定までの間である場合には、パスワードを入力後の遊技又は簡単スタートによる遊技が行われているか否かを判定する(Se2)。
パスワードを入力後の遊技又は簡単スタートによる遊技のいずれかが行われている場合(Se2でY)には、ゲームが終了してから5秒が経過したか否かを判定する(Se3)。ゲームが終了してから5秒が経過している場合(Se3でY)には、メインメニュー画面を表示させるためのメニュー表示操作を受け付け可能であることの報知であるメニュー表示操作受付報知を第1報知態様で行う(Se4)。ゲームが終了してから5秒が経過していない場合(Se3でN)には処理を終了する。
パスワードを入力後の遊技又は簡単スタートによる遊技のいずれも行われていない場合(Se2でN)には、ゲームが終了してから1秒が経過したか否かを判定する(Se5)。ゲームが終了してから1秒が経過した場合(Se5でY)には、メニュー表示操作受付報知を第2報知態様で行う(Se6)。ゲームが終了してから1秒が経過していない場合(Se5でN)には処理を終了する。
なお、本実施形態では、メニュー表示操作受付報知として、メニュー表示操作を受け付け可能であることのメッセージの表示(すなわち演出用スイッチ56の操作を促す表示)を液晶表示器51から行う。そして、第2報知態様の報知では第1報知態様の報知よりも大きな文字によるメッセージの表示が行われる。
[メニュー表示操作受付処理]
次に、サブ制御部91がタイマ割込処理(サブ)で実行するメニュー表示操作受付処理について説明する。
図20に示すように、メニュー表示操作受付処理では、サブ制御部91は、まずゲーム中か否かを判定する(Sf1)。ゲーム中の場合(Sf1でY)には処理を終了する。ゲーム中でない場合(Sf1でN)、すなわちゲーム終了から賭数設定までの間である場合には、メニュー表示操作として演出用スイッチ56の操作が行われたか否かを判定する(Sf2)。演出用スイッチ56の操作が行われていない場合(Sf2でN)には処理を終了する。演出用スイッチ56の操作が行われた場合(Sf2でY)には、終了したゲームの結果としてボーナス(BB(1)BB(2)、RB)が入賞したか否かを判定する(Sf3)。なお、サブ制御部91はメイン制御部41からのコマンドにもとづいてボーナスが入賞したか否かを判定する。
ボーナスが入賞した場合(Sf3でY)には処理を終了する。ボーナスが入賞していない場合(Sf3でN)には、ボーナス終了後100ゲーム以内か否かを判定する(Sf4)。
ボーナス終了後100ゲーム以内である場合(Sf4でY)には処理を終了する。ボーナス終了後100ゲーム以内でない場合(Sf4でN)にはメインメニュー画面を表示する(Sf5)。
[LED制御処理]
次に、サブ制御部91がタイマ割込処理(サブ)で実行するLED制御処理について説明する。
図21に示すように、LED制御処理では、サブ制御部91は、まず、演出用スイッチ56の操作を要求する操作促進演出を実行しているか否かを判定する(Sg1)。操作促進演出では、演出用スイッチ56の操作に連動して液晶表示器51で表示されている演出画像が変化し、一定回数の操作を行うと演出の結果が表示される。操作促進演出の実行中である場合(Sg1でY)には演出用スイッチLED56aを点灯させる(Sg2)。これにより、操作促進演出での操作として演出用スイッチ56の操作を促進する。
一方、操作促進演出の実行中でない場合(Sg1でN)には、メインメニュー画面の表示中か否かを判定する(Sg3)。メインメニュー画面の表示中である場合(Sg3でY)には演出用スイッチLED56aを操作促進演出の実行中と同様に点灯させる(Sg2)。これにより、メインメニュー画面における決定操作として演出用スイッチ56の操作を促進する。
メインメニュー画面の表示中でない場合(Sg3でN)には、メニュー表示操作受付報知の実行中であるか否かを判定する(Sg4)。メニュー表示操作受付報知の実行中の場合(Sg4でY)には演出用スイッチLED56aを点滅させる(Sg5)。これにより、メニュー表示操作として演出用スイッチ56の操作を促進する。
また、メニュー表示操作受付報知の実行中でない場合(Sg4でN)には、演出用スイッチLED52aを消灯させる(Sg6)。
[音声設定操作受付報知処理]
次に、サブ制御部91がタイマ割込処理(サブ)で実行する音声設定操作受付報知処理について説明する。
図22に示すように、音声設定操作受付報知処理では、サブ制御部91は、まずゲーム中か否かを判定する(Sh1)。ゲーム中の場合(Sh1でY)には処理を終了する。ゲーム中でない場合(Sh1でN)、すなわちゲームの終了後から賭数設定までの間である場合には、十字キー58及び決定ボタン59の操作によって、楽曲又は音量の少なくともいずれか一方が変更されたか否かを判定する(Sh2)。
いずれか一方が変更されている場合(Sh2でY)には、ゲームが終了してから5秒が経過したか否かを判定する(Sh3)。ゲームが終了してから5秒が経過している場合(Sh3でY)には、音声(楽曲及び音量)の設定を行うための音声設定操作を受け付け可能であることの報知を行う音声設定操作受付報知を第1報知態様で行う(Sh4)。ゲームが終了してから5秒が経過していない場合(Sh3でN)には処理を終了する。
いずれも変更されていない場合(Sh2でN)には、ゲームが終了してから1秒が経過したか否かを判定する(Sh5)。ゲームが終了してから1秒が経過した場合(Sh5でY)には、第2報知態様で音声設定操作受付報知を行う(Sh6)。ゲームが終了してから1秒が経過していない場合(Sh5でN)には処理を終了する。
なお、本実施形態では、音声設定操作受付報知として、楽曲や音量の変更を受け付け可能であることを示すメッセージの表示(すなわち十字キー58の操作を促す表示)を液晶表示器51から行う。そして、第2報知態様の報知では第1報知態様の報知よりも大きな文字によるメッセージの表示が行われる。
また、本実施形態では、楽曲又は音量の少なくともいずれか一方を変更したときに、音声設定操作受付報知を実行するタイミングを遅延させたが、両方の変更が行われたときに限り遅延させることも可能である。すなわち、特定音声制御の設定として複数の設定が可能であるときは、全ての設定が行われたときに限り、設定が行われていないときよりも報知のタイミングを遅延させるように構成することも可能である。
[音声設定操作受付処理]
次に、サブ制御部91がタイマ割込処理(サブ)で実行する音声設定操作受付処理について説明する。
図23に示すように、音声設定操作受付処理では、サブ制御部91は、まずゲーム中か否かを判定する(Sj1)。ゲーム中の場合(Sj1でY)には処理を終了する。ゲーム中でない場合(Sj1でN)、すなわちゲームの終了後から賭数設定までの間である場合には、十字キー58が操作されたか否かを判定する(Sj2)。十字キー58が操作されていない場合(Sj2でN)にはSj5の処理に進む。なお、図示は省略するが、楽曲の再生中でない場合にはSj5に進むことなく処理を終了する。
十字キー58が操作された場合(Sj2でY)には、上下方向の操作が行われたか否かを判定する(Sj3)。上下方向の操作が行われた場合(Sj3でY)には、十字キー58の操作により選択された楽曲をスピーカ53,54から再生する(Sj4)。また、このとき選択中の楽曲の楽曲名を液晶表示器51から表示する。そして、決定ボタン59が操作されたか否かを判定する(Sj5)。決定ボタン59が操作されていない場合(Sj5でN)には処理を終了する。決定ボタン59が操作された場合(Sj5でY)には選択中の楽曲に確定する(Sj6)。具体的には、選択中の楽曲を示すフラグをRAM91cにセットする。また、決定ボタン59の操作に併せて楽曲の再生を終了する。
一方、Sj3で上下方向の操作が行われていないと判定された場合(Sj3でN)、すなわち左右方向の操作が行われた場合には、選択された音量で設定中の楽曲をスピーカ53,54から再生する(Sj7)。そして、決定ボタン59が操作されたか否かを判定する(Sj5)。決定ボタン59が操作されていない場合(Sj5でN)には処理を終了する。決定ボタン59が操作された場合(Sj5でY)には選択中の音量に確定する(Sj6)。具体的には、選択中の音量を示すフラグをRAM91cにセットする。また、決定ボタン59の操作に併せて楽曲の再生を終了する。
なお、本実施形態においては、楽曲又は音量のいずれか一方を変更した状態で決定ボタン59を操作することなく他方を変更して決定ボタン59を操作したときには、両方を確定する。すなわち、一方を変更して決定ボタン59を操作してから他方を変更して決定ボタン59を操作しなくても両方の変更を行うことができる。これにより、操作を簡便にすることができる。なお、いずれか一方を変更した状態で他方を変更したときに、その時点で一方の内容が確定するように構成することも可能である。この場合も同様に操作を簡便にすることができる。
なお、本実施形態では、決定ボタン59の操作により変更後の楽曲又は音量に確定しているが、例えば、ゲームの開始されたときに確定する、あるいは、演出用スイッチ56が操作されたときに確定する、あるいは、変更後に所定時間が経過したときに確定するなど、確定の方法は他の方法にしてもよい。
[メニュー表示操作受付報知の具体例]
次に、メニュー表示促進報知を行うときの具体例について説明する。
図24(a)に示すように、パスワードを入力後の遊技又は簡単スタートによる遊技のいずれも行われていないときには、ゲームが終了してから1秒経過したときに、メインメニュー画面を表示させるためのメニュー表示操作を受け付け可能であることの報知であるメニュー表示操作受付報知を第1報知態様で行う。具体的には、液晶表示器51からメニュー表示操作を受け付け可能であることを示すメッセージとして「チャンスボタン操作でメニュー表示」というメッセージを第1報知態様にて表示する。なお、チャンスボタンとは演出用スイッチ56を示す。また、メニュー表示操作(すなわち、演出用スイッチ56の操作)はゲームの終了と同時に受け付け可能な状態にしている。すなわち、メニュー表示操作受付報知が行われる前からメニュー表示操作の受け付け可能な状態にしている。
図24(b)に示すように、パスワードを入力後の遊技又は簡単スタートによる遊技が行われているときには、ゲームが終了してから5秒経過したときにメニュー表示操作受付報知を第2報知態様で行う。具体的には、液晶表示器51からメニュー表示操作を受け付け可能であることを示すメッセージとして「チャンスボタン操作でメニュー表示」というメッセージを第2報知態様にて表示する。第2報知態様の報知では図24(a)に示す第1報知態様の報知よりも小さい文字によるメッセージの表示が行われる。なお、チャンスボタンとは演出用スイッチ56を示す。また、メニュー表示操作はゲームの終了と同時に受け付け可能な状態にしている。すなわち、メニュー表示操作受付報知が行われる前からメニュー表示操作の受け付け可能な状態にしている。
[音声設定操作受付報知の具体例]
次に、音声設定操作受付報知を行うときの具体例について説明する。
図25(a)に示すように、楽曲及び音量のいずれも変更されていないときには、ゲームが終了してから1秒経過したときに、音声(楽曲及び音量)の設定を行うための音声設定操作を受け付け可能であることの報知を行う音声設定操作受付報知を第1報知態様で実行する。具体的には、音声設定操作を受け付け可能であるメッセージとして「十字キー上下で楽曲、左右で音量変更」というメッセージを液晶表示器51にて第1報知態様で表示する。なお、音声設定操作(すなわち、十字キー58及び決定ボタン59の操作)自体はゲームの終了と同時に受け付け可能な状態にしている。すなわち、音声設定操作受付報知が行われる前から受け付け可能な状態にしている。
図25(b)に示すように、楽曲または音量の設定が行われているときには、ゲームが終了してから5秒経過したときに音声設定操作受付報知を第2報知態様で実行する。具体的には、音声設定操作を受け付け可能であるメッセージとして「十字キー上下で楽曲、左右で音量変更」というメッセージを液晶表示器51にて第2報知態様で表示する。第2報知態様の報知では図25(a)に示す第1報知態様の報知よりも小さい文字によるメッセージの表示が行われる。なお、音声設定操作(すなわち、十字キー58及び決定ボタン59の操作)自体はゲームの終了と同時に受け付け可能な状態にしている。すなわち、音声設定操作受付報知が行われる前から受け付け可能な状態にしている。
[変形例1]
次に、上記実施形態の変形例について図26を用いて説明する。本変形例の遊技機であるスロットマシンは、複数種類のタイマカウンタ値が格納される領域がRAM41cの所定の規則で連続するアドレスが割り当てられた領域に設定されるとともに、指定アドレスに格納されたタイマ値を更新する処理を、現在の指定アドレスに対して定数を加算することで複数種類のタイマカウンタ値が格納された領域に対する指定アドレスを変更しながら繰り返し実行することにより複数種類のタイマ値を更新する。そして、上記実施形態のスロットマシンに変形例1で示す構成されたスロットマシンを適用し、パスワードを入力後の遊技又は簡単スタートによる遊技が行われているときには、パスワードを入力後の遊技又は簡単スタートによる遊技が行われていないときよりも後のタイミングでメニュー表示操作受付報知を行うことにより、上記実施形態と同様の効果を奏するようにすることができる。また、楽曲又は音量の設定が行われているときには、楽曲又は音量の設定が行われていないときよりも後のタイミングで音声設定操作受付報知を行うことにより、上記実施形態と同様の効果を奏するようにすることができる。
図26は、時間カウンタ更新処理の制御内容を示すフローチャートである。時間カウンタ更新処理は、メイン制御部41が一定間隔(約0.56msの間隔)で基本処理(主にメイン処理)に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)内で実行される。尚、タイマ割込処理(メイン)とは、タイマ回路509のカウントに応じて発生する割込により実行される処理であり、タイマ割込処理(メイン)のプログラムが格納されたアドレスは、ベクタテーブルのタイマ割込に対応する値として設定されている。そして、タイマ割込が発生すると当該アドレスからの処理が実行される。また、タイマ割込処理(メイン)の実行期間中は自動的に他の割込が禁止される。
時間カウンタ更新処理では、まず、1バイト用処理回数として、更新すべき1バイトのタイマカウンタの数(本実施例では3)をセットし(Sg1)、1バイトタイマ群の先頭アドレス(7E2Ch)にポインタをセットする(Sg2)。
次いで、指定アドレス(ポインタが示すアドレス)に格納された1バイトの値が0でなければ指定アドレスの1バイトの値を1減算し(Sg3)、Sg1のステップで設定した処理回数を1減算し(Sg4)、減算後の処理回数が0か否かを判定する(Sg5)。
Sg5のステップで減算後の処理回数が0でない場合、すなわち全ての1バイトタイマの更新が終了していない場合には、ポインタを1加算し(Sg6)、Sg3のステップに戻る。これにより、未処理の1バイトタイマのアドレスにポインタが移動し、指定アドレスの1バイトの値が0でなければ減算される。
Sg5のステップで減算後の処理回数が0の場合、すなわち全ての1バイトタイマの更新が終了した場合には、2バイト用処理回数として、更新すべき2バイトのタイマカウンタの数(本実施例では4)をセットし(Sg7)、ポインタを1加算する(Sg8)。これにより、2バイトカウンタ群の先頭アドレス(7E2Fh)にポインタが移動する。
次いで、指定アドレス(ポインタが示すアドレス)及び次のアドレスからなる領域に格納された2バイトの値が0でなければ指定アドレス及び次のアドレスの2バイトの値を1減算し(Sg9)、Sg7のステップで設定した処理回数を1減算し(Sg10)、減算後の処理回数が0か否かを判定する(Sg11)。
Sg11のステップで減算後の処理回数が0でない場合、すなわち全ての2バイトタイマの更新が終了していない場合には、ポインタを2加算し(Sg12)、Sg9のステップに戻る。これにより、未処理の2バイトタイマのアドレスにポインタが移動し、指定アドレス及び次のアドレスの2バイトの値が0でなければ減算される。
Sg11のステップで減算後の処理回数が0の場合、すなわち全ての2バイトタイマの更新が終了した場合には、処理を終了する。
このように変形例1では、RAM41cに割り当てられたタイマカウンタの値を定期的に更新し、特定の値(0)となることで時間の経過を特定するようになっている。従来は、複数種類の時間間隔を計測する場合に、計時を要する複数種類の処理内で、タイマ値の設定及び更新を行っており、複数種類のタイマ値を更新するためのプログラムをそれぞれの処理内に設ける必要があるため、プログラム容量が増大する要因となっていた。また、複数種類のタイマカウンタは、それぞれが用いられる処理毎のデータ群として割り当てられているため、一の処理においてまとめて更新するためには、それぞれの関連性のないアドレスの値を読み出す必要があった。
これに対して変形例1では、複数種類のタイマカウンタ値が格納される領域がRAM41cの所定の規則で連続するアドレスが割り当てられた領域に設定されるとともに、指定アドレスに格納されたタイマ値を更新する処理を、現在の指定アドレスに対して定数を加算することで複数種類のタイマカウンタ値が格納された領域に対する指定アドレスを変更しながら繰り返し実行することにより複数種類のタイマ値を更新するので、複数種類のアドレスをそれぞれ指定して当該アドレスの値を更新する処理を個々の処理で行う場合よりもプログラム容量を削減することができる。
[変形例2]
次に、上記実施形態において外部出力基板1000から出力されるセキュリティ信号の出力タイミングについて、種々のタイミングを適用する変形例2について説明する。なお、上記実施形態のスロットマシンに変形例2で示すスロットマシンを適用し、パスワードを入力後の遊技又は簡単スタートによる遊技が行われているときには、パスワードを入力後の遊技又は簡単スタートによる遊技が行われていないときよりも後のタイミングでメニュー表示操作受付報知を行うことにより、上記実施形態と同様の効果を奏するようにすることができる。また、楽曲又は音量の設定が行われているときには、楽曲又は音量の設定が行われていないときよりも後のタイミングで音声設定操作受付報知を行うことにより、上記実施形態と同様の効果を奏するようにすることができる。
[メダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミング]
以下に、ゲームの進行を妨げることのない異常(エラー)を検出した場合において、CPU41aが外部出力信号として外部出力基板1000に対して出力するメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力制御について図27〜図29に基づき説明する。ゲームの進行を妨げることのない異常としては、エラー処理を行わなくてもゲームを進行できる異常である。ゲームの進行を妨げることのない異常の具体例としては、リール回転処理中の投入エラーおよび払出エラーや、払出処理中の投入エラーである。
リール回転処理中及び払出処理中の投入エラーは、例えば、メダル投入部4から異物を挿入された場合や、メダルの流路に異物が存在した場合や、リール回転中又は払出処理中にも関わらず、メダル投入部4から投入されたメダルがホッパータンク34a側に流下した場合などに検出される。また、リール回転処理中の払出エラーは、払出タイミングではない場合にメダルが払い出された場合などに検出される。
図27〜図29において、スタートスイッチ、リール回転開始、第1停止、第2停止、第3停止、払出、賭数設定は、ゲーム進行中の各タイミングを示す。具体的には、スタートスイッチは、スタートスイッチ7の操作を検出したタイミングを示す。リール回転開始は、リール2L、2C、2Rが回転を開始したタイミングを示す。第1停止は、全てのリールが未だ回転中の状態で最初に行われる停止操作を検出したタイミングを示す。第2停止は、いずれか1つのリールが既に停止し、2つのリールが回転中の状態、すなわち2番目に行われる停止操作を検出したタイミングを示す。第3停止は、いずれか2つのリールが停止し、1つのリールが回転中の状態、すなわち3番目に行われる停止操作を検出したタイミングを示す。払出は、メダルの払出処理を行っているタイミングを示す。賭数設定は、リプレイ当選後に賭数の設定処理を行っているタイミングを示す。
異常検出は、ゲームの進行を妨げることのない異常を検出したタイミングを示す。メダルOUT信号は、メダルOUT信号の出力状況を示す。具体的には、メダルOUT信号は、1パルス出力することにより1枚のメダルが払い出された旨を示す信号である。セキュリティ信号は、ゲームの進行を妨げることのない異常が発生したことを示す信号(例えば、投入エラー信号や払出エラー信号)の出力状況を示す。
図27は、リール回転処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出し、かつメダルの払出のある入賞が発生した場合におけるメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを示した図である。本実施の形態では、図示するとおり、リール回転処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合、異常を検出した直後にセキュリティ信号を出力するのではなく、払出処理を終了した後、かつ、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号を出力する。これにより、リール回転処理中に異常が発生した状況で払い出しされたメダルを認識することができる。すなわち、異常が発生した状況で付与された遊技価値を認識することができる。
また、従来知られているように、ゲーム中に異常検出したときに、ゲーム終了後に異常報知する場合、ゲームに関する処理を終了した後に異常信号の出力を行うと、「ゲーム中の異常」と「ゲーム終了直後の異常」の区別がつかない。しかしながら、本実施の形態では、ゲームを開始してから遊技媒体の付与を終了するまでの期間内の所定タイミングで異常を検出した場合、遊技媒体の付与が終了した後、メダルOUT信号の出力を完了する前にセキュリティ信号の出力を開始する。これにより、例えば、ホールコンピュータ140が、収集ユニット50によって収集されたメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを解析し、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号が出力されていたことを検出することで、「ゲーム直後の異常」ではなく、「ゲーム中の異常」であることを区別することができる。
図28は、メダルの払出のある入賞が発生し、かつ払出処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合におけるメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを示した図である。本実施の形態では、図示するとおり、払出処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合、異常を検出した直後にセキュリティ信号を出力するのではなく、払出処理を終了した後、かつ、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号を出力する。これにより、払出処理中に異常が発生した状況で払い出しされたメダルを認識することができる。すなわち、異常が発生した状況で付与された遊技価値を認識することができる。
また、従来知られているように、払出中に異常検出したときに、払出終了後に異常報知する場合、ゲームに関する処理を終了した後に異常信号の出力を行うと、「払出中の異常」と「払出終了直後の異常」の区別がつかない。しかしながら、本実施の形態では、遊技媒体の付与を開始してから遊技媒体の付与を終了するまでの期間内の所定タイミングで異常を検出した場合、遊技媒体の付与が終了した後、メダルOUT信号の出力を完了する前にセキュリティ信号の出力を開始する。これにより、例えば、ホールコンピュータ140が、収集ユニット50によって収集されたメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを解析し、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号が出力されていたことを検出することで、「払出終了直後の異常」ではなく、「払出中の異常」であることを区別することができる。
図29は、リール回転処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出し、かつリプレイの入賞が発生した場合におけるメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを示した図である。本実施の形態では、図示するとおり、リール回転処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合、異常を検出した直後にセキュリティ信号を出力するのではなく、リプレイの入賞による賭数処理を終了した後、かつ、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号を出力する。これにより、リール回転処理中に異常が発生した状況で賭数が設定されたことを認識することができる。すなわち、異常が発生した状況で付与された遊技価値を認識することができる。なお、図示する例では、賭数設定の横軸が長いが、実際は一瞬である。
また、従来知られているように、ゲーム中に異常検出したときに、ゲーム終了後に異常報知する場合、ゲームに関する処理を終了した後に異常信号の出力を行うと、「ゲーム中の異常」と「ゲーム終了直後の異常」の区別がつかない。しかしながら、本実施の形態では、ゲームを開始してから遊技媒体の付与を終了するまでの期間内の所定タイミングで異常を検出した場合、リプレイの入賞による賭数処理を終了した後、メダルOUT信号の出力を完了する前にセキュリティ信号の出力を開始する。これにより、例えば、ホールコンピュータ140が、収集ユニット50によって収集されたメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを解析し、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号が出力されていたことを検出することで、「ゲーム直後の異常」ではなく、「ゲーム中の異常」であることを区別することができる。
なお、ゲームの進行を妨げることのない異常を検出するタイミングは、図27,図29に示す例ではリールの回転中であり、図28に示す例では払出処理中であるが、これに限らない。例えば、ウェイト中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合や、フリーズ中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合や、精算中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合などにおいても、図27〜図29に記載の例と同様に、異常を検出した直後にセキュリティ信号を出力するのではなく、払出処理を終了した後、かつ、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号を出力する。これにより、各処理中に異常が発生した状況で払い出しされたメダルを認識することができる。すなわち、異常が発生した状況で付与された遊技価値を認識することができる。
[変形例3]
次に、上記実施形態の変形例3について図30を用いて説明する。本変形例に説明する可動手段901〜903を備えたスロットマシンにおいて、スワードを入力後の遊技又は簡単スタートによる遊技が行われているときには、パスワードを入力後の遊技又は簡単スタートによる遊技が行われていないときよりも後のタイミングでメニュー表示操作受付報知を行うことにより、上記実施形態と同様の効果を奏するようにすることができる。また、楽曲又は音量の設定が行われているときには、楽曲又は音量の設定が行われていないときよりも後のタイミングで音声設定操作受付報知を行うことにより、上記実施形態と同様の効果を奏するようにすることができる。
[可動手段の動作確認]
まず、可動手段901〜903の動作確認について説明する。図30は、可動手段901〜903の動作を説明するための図である。可動手段901〜903は、演出時などに可動する部材である。可動手段901は、初期位置911と可動位置921との間を移動する。初期位置911は液晶表示器51の表示領域には重畳しない位置である。また、可動位置921は液晶表示器51の表示領域に重畳する位置である。可動手段902は、初期位置912と可動位置922との間を移動する。初期位置912は液晶表示器51の表示領域に重畳しない位置である。また、可動位置922は液晶表示器51の表示領域に重畳する位置である。可動手段903は、初期位置913と可動位置923との間を移動する。初期位置913および可動位置923は液晶表示器51の表示領域に重畳しない位置である。
変形例3では、サブ制御部91は確認動作制御手段として動作し、所定の条件時に可動手段901〜903の動作確認を行う。なお、所定の条件時とは、例えば、スロットマシン1の電源投入時や、可動手段901〜903の動作エラーを検出したときなど、可動手段901〜903の動作や初期位置を確認したいとき等である。
具体的には、サブ制御部91は、可動手段901〜903を可動位置921〜923まで移動させる(図30(A)〜(C))。なお、図示する例では、動作確認前に可動手段901〜903は初期位置911〜913に存在しているが(図30(A))、動作確認前に可動手段901〜903が初期位置911〜913に存在していない場合であっても、可動手段901〜903を可動位置921〜923まで移動させる(図30(C))。その後、サブ制御部91は、可動手段901〜903を、可動位置921〜923から初期位置911〜913まで移動させる(図30(C)〜(E))。
このように可動手段901〜903の動作確認を行うことで、動作確認後には可動手段901〜903を初期位置911〜913に移動させることができる。また、例えば、動作確認における可動手段901〜903の動作を例えばセンサ(図示せず)で検出することで、可動手段901〜903が正常に動作するか否かを確認することができる。
なお、可動手段901〜903の動作確認では可動手段901〜903が実際に移動するため、動作確認の終了までに時間がかかる。そこで、変形例3では、可動手段901〜903の動作確認と並行して、演出制御基板90の初期設定を行う。演出制御基板90の初期設定は、演出制御基板90が動作を行うために必要な設定を行う処理である。例えば、サブ制御部91は初期設定手段として動作し、サブCPU91aが、ROM91bに記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、演出制御基板90の初期設定を行う。演出制御基板90の初期設定を行うことで、演出制御基板90による各処理を実行することができる。例えば、液晶表示器51に演出画像等を表示させたり、スピーカ53,54から音を出力させたり、遊技者側設定スイッチ70の操作を受け付けて、受け付けた操作に基づいた処理を行ったりすることができる。
図27に示す例では、可動手段901〜903が初期位置911〜913から可動位置921〜923までに移動する間(図30(A)〜(B))に、演出制御基板90の初期設定を行っている。また、演出制御基板90の初期設定を完了することにより、例えば、液晶表示器51に演出画像を表示させることができる(図30(C)〜(E))。
上述したとおり、確認動作実行期間に可動手段901〜903が移動中であっても、演出制御基板90の初期設定期設定が完了した後には、遊技者側設定スイッチ70の操作を受け付けて、受け付けた操作に基づいた処理をサブ制御部91が行うことができる。しかしながら、確認動作実行期間において可動手段901〜903が動作しているときに、遊技者側設定スイッチ70の操作に伴う処理が行われると煩わしい。そこで、変形例3では、確認動作実行期間においては、遊技者側設定スイッチ70の操作を受け付けないようにし、確認動作実行期間の煩わしさを低減させる。また、変形例3では、遊技者側設定スイッチ70は、点灯および消灯することができる。そこで、確認動作実行期間においては、遊技者側設定スイッチ70を消灯させ、遊技者側設定スイッチ70が遊技者に操作されにくいようにすることで、確認動作実行期間の煩わしさを低減させる。
[変形例4]
変形例4のスロットマシンでは、上記実施形態のパスワード入力後の遊技である通常ユーザモードと、簡単スタート後の遊技である簡単ユーザモードとを含む遊技が可能である。そして、変形例4のスロットマシンにおいて、通常ユーザモード又は簡単ユーザモードによる遊技が行われているときには、通常ユーザモード又は簡単ユーザモードによる遊技が行われていないときよりも後のタイミングでメニュー表示操作受付報知を行うことにより、上記実施形態と同様の効果を奏するようにすることができる。また、楽曲又は音量の設定が行われているときには、楽曲又は音量の設定が行われていないときよりも後のタイミングで音声設定操作受付報知を行うことにより、上記実施形態と同様の効果を奏するようにすることができる。
[モードについて]
まず、変形例4のスロットマシンにおいて、制御可能なモードについて説明する。制御可能なモードには、通常ユーザモードと、簡単ユーザモードと、ノーマルモードとを含む。
通常ユーザモードとは、予め管理サーバにて発行されたパスワード(以下、適切なパスワードという。)が遊技者により入力されることにより制御されるモードである。通常ユーザモードは、以前の遊技履歴、遊技者がゲーム内で仮想的に保有するキャラのレベル、および演出設定(ストーリーの段階も含まれる)などを引き継いで遊技を行うことが可能なモードである。通常ユーザモードでの遊技により、スロットマシン1の遊技ばかりではなく、キャラを成長させる楽しみを遊技者に抱かせることができる。通常ユーザモードは、メニュー画面でパスワードの項目を決定した後に、適正なパスワードを入力することにより開始される。通常ユーザモードは、メニュー画面でユーザモード終了が決定されると、終了する。通常ユーザモードを終了させたときには、2次元コードが表示される。また、管理サーバにパスワードを発行させるためには、会員登録しておく必要がある。
簡単ユーザモードは、遊技履歴を蓄積することができるモードである。簡単ユーザモードは、通常ユーザモードのように、以前の遊技履歴を引き継いで遊技を行うことはできないモードである。簡単ユーザモードは、メニュー画面において簡単スタートの項目が決定されることにより開始される。簡単ユーザモードは、メニュー画面でユーザモード終了が決定されると、終了する。通常ユーザモードを終了させたときには、2次元コードが表示される。簡単ユーザモードは、パスワードを入力せずに、遊技履歴を蓄積することができるモードであることから、遊技者の処理負担を軽減させることができる。
ノーマルモードは、通常ユーザモードおよび簡単ユーザモードのうちいずれでもないモードである。つまり、通常ユーザモードおよび簡単ユーザモードのいずれにも制御されていない場合に制御されているモードである。
以下では、通常ユーザモードおよび簡単ユーザモードをまとめて「ユーザモード」という。ユーザモードでは、所定の経験値付与条件が成立したときに、キャラの経験値(本実施形態では、10)が付与される。所定の経験値付与条件は、7揃いリプが当選し、経験値決定処理により経験値付与が決定されることにより成立する条件である。付与された経験値が所定値(本実施形態では、100)に到達したときに、キャラのレベルが加算される。一方、ノーマルモードでは、キャラ、およびキャラの経験値などの概念はなく、7揃いリプが当選しても、経験値決定処理は実行されない。
遊技者の操作により、簡単ユーザモードへの制御が決定されたときには、簡単ユーザモードへ制御されていることを示す簡単ユーザモードフラグがRAM91cに格納される。遊技者の操作により、簡単ユーザモードへの制御が終了したときに、格納されていた簡単ユーザモードフラグは消去される。
遊技者の操作により、通常ユーザモードへの制御が決定されたときには、通常ユーザモードへ制御されていることを示す通常ユーザモードフラグがRAM91cに格納される。遊技者の操作により、通常ユーザモードへの制御が終了したときに、格納されていた通常ユーザモードフラグは消去される。
ノーマルモードに制御されているときには、ユーザモードを示すフラグはRAM91cに格納されない。
サブ制御部91は、RAM91c内のフラグの有無、RAM91cフラグが格納されている場合には、フラグの種別(簡単ユーザモードおよび通常ユーザモードフラグのいずれか)を特定することにより、制御されているモード(通常ユーザモード、簡単ユーザモード、ノーマルモードのいずれか)を特定可能である。たとえば、RAM91c内に簡単ユーザモードフラグおよび通常ユーザモードフラグのいずれも格納されていない場合には、サブ制御部91は、ノーマルモードに制御されていると判断する。RAM91c内に簡単ユーザモードフラグが格納されている場合には、サブ制御部91は、簡単ユーザモードに制御されていると判断する。RAM91c内に通常ユーザモードフラグが格納されている場合には、サブ制御部91は、通常ユーザモードに制御されていると判断する。
[ユーザモード時のメニュー画面]
次に、ユーザモードに制御されているときのメニュー画面について説明する。ユーザモードに制御されているときにおいて、メニュー画面は、ゲーム終了後(設定変更後)から賭数が設定されるまでの期間、デモ画面表示中の期間などにおいて、決定スイッチ202が操作されたときに表示される。
図31は、メニュー画面の遷移の一例を示したものである。図31に示すように、サブ制御部91は、決定スイッチ202のみが操作されても(たとえば、決定スイッチ202のみが連打されても)、制御されていたユーザモードの終了が決定されないような画面表示制御を実行する。図31(A)に示すデモ画面が表示されているときに、決定スイッチ202が操作されると、図31(B)に示すメニュートップ画面が表示される。図31(A)から図31(B)へは、決定スイッチ202のみが操作されることにより遷移するものとしてもよい。また、図31(A)から図31(B)へは、決定スイッチ202の操作および他の操作がされたときに遷移するものとしてもよい。
図31(B)のメニュー画面において、選択可能な複数の項目として、“遊技履歴”、“ユーザモード”、および“戻る”がある。“ユーザモード”は、ユーザモードを終了させる制御の実行に関連する項目である。“遊技履歴”、および“戻る”は、ユーザモードを終了させる制御の実行に関連しない項目である。
“遊技履歴”が選択されて決定されると、図31(C)に示すように、ユーザモードが開始された時から現時点までの遊技履歴が表示される。該遊技履歴はRAM91cに格納されている遊技履歴データベースに基づいて、表示される。“ユーザモード”が選択されて決定されると、図31(D)に示すユーザモード画面が表示される。“戻る”が選択されて決定されると、図31(A)のデモ画面に戻る。
ユーザモード中のデモ画面において、決定スイッチ202が操作されると、図31(B)に示すように、“遊技履歴”が選択された状態でメニュー画面が表示される。したがって、この状態で決定スイッチ202が操作されると、図31(C)に示すように、遊技履歴が表示された画面が表示される。また、図31(C)の画面は、“戻る”が選択された状態で表示される。この状態で決定スイッチ202が操作されると、図31(B)のメニュートップ画面に戻る。
つまり、図31(A)〜(C)に示すように、ユーザモード時のデモ画面が表示されているときにおいて、他のボタンを操作することなく、決定スイッチ202のみが操作されると、図31(A)の画面→図31(B)の画面→図31(C)→図31(B)→図31(C)・・・というように、図31(B)に示すメニュートップ画面、および図31(C)に示す遊技履歴画面の間をループすることになる。よって、ユーザモード時のデモ画面が表示されているときにおいて、決定スイッチ202のみを操作しても、制御されていたユーザモードの終了が決定されないようになっている。
ユーザモードの終了を決定するためには、メニュートップ画面において、左スイッチ201を操作することにより“ユーザモード”を選択した後に、決定スイッチ202を操作する。このように、ユーザモードを決定するためには、決定スイッチ202の操作のみではなく、他のボタンの操作(図31の例では、左スイッチ201の操作)も必要となる。
ユーザモードが決定されると、図31(D)に示す画面が表示される。図31(D)の画面では、選択可能な項目として、“ユーザモード終了”、“戻る”がある。“ユーザモード終了”が選択されて決定されると、ユーザモードの種類に応じた2次元コードが液晶表示器51に表示される、具体的には、簡単ユーザモードに制御されているときには、簡単ユーザモード用2次元コード(図19(b)参照)が表示される。また、通常ユーザモードに制御されているときには、通常ユーザモード用2次元コード(図19(c)参照)が表示される。
なお、図31の例では、デモ画面表示期間に、メニュートップ画面を表示させる例について説明した。しかし、通常画面表示期間にメニュートップ画面を表示させたとしても、同様の制御が実行される。同様の制御とは、決定スイッチ202のみの操作では、図31(B)に示すメニュートップ画面、および図31(C)に示す遊技説明画面の間をループし、“ユーザモード”は決定されず、決定スイッチ202の操作のみではなく、他のボタンの操作(図31の例では、左スイッチ201の操作)がされたときに、ユーザモードが決定される制御である。
[変形例5]
変形例5においては、上述した実施形態1におけるスロットマシン1をパチンコ遊技機700に置き換えた場合について説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機700の全体の構成について説明する。図32は、パチンコ遊技機700の正面図である。
図32に示すように、パチンコ遊技機700は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機700は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠702を有する。
ガラス扉枠702の下部表面には打球供給皿(上皿)703がある。打球供給皿703の上面には、演出図柄(飾り図柄)の変動表示において特定の演出が実行されるときに操作されるチャンスボタン7111が設けられている。このチャンスボタン7111は、上記実施形態で説明したスロットマシン1の演出用スイッチ56に対応する。
打球供給皿703のチャンスボタン7111が設けられている辺りの前面には、図16、図18、図19及び図22で説明したような各種設定項目等を選択するときに操作される選択ボタン112A,7112Bが設けられている。この選択ボタン7112A,7112Bは、上記実施形態で説明した図15や図18のような画面の表示時におけるストップスイッチ8L,8Rに対応する。
打球供給皿703の下部には、打球供給皿703に収容しきれない遊技媒体としての遊技球を貯留する余剰球受皿704や、打球(遊技球)を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)705が設けられている。また、ガラス扉枠702の背面には、遊技盤706が着脱可能に取付けられている。また、遊技盤706の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域707が形成されている。遊技領域707には、遊技球を誘導するための、多数の釘が植設されている。
遊技領域707の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置709が設けられている。演出表示装置709では、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の変動表示(可変表示、更新表示、又は、巡回表示ともいう)が行なわれる。演出表示装置709では、表示画面上で演出図柄を表示する演出図柄表示領域が設けられており、当該演出図柄表示領域に、例えば、「左」,「中」,「右」の3つ(複数)の演出図柄を変動表示する表示領域としての図柄表示エリアがある。演出表示装置709は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器708aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置709で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器708bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤706における演出表示装置709の上部の左側には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示手段)708aが設けられている。遊技盤706における演出表示装置709の上部の右側には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示手段)708bが設けられている。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器708aと第2特別図柄表示器708bとを特別図柄表示器と総称することがある。第1特別図柄は、第2特別図柄表示器708bで第2特別図柄の変動表示が実行されていないことを条件に変動表示が実行される。第2特別図柄は、第1特別図柄表示器708aで第1特別図柄の変動表示が実行されていないことを条件に変動表示が実行される。つまり、第1特別図柄と第2特別図柄とは、同時に変動表示されることなく、どちらか一方が変動表示される。
第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件又は第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口713又は第2始動入賞口714に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、且つ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したこと(遊技球が入ったこと)である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
以下の説明においては、遊技球が第1始動入賞口713に入賞したことを第1始動入賞と呼ぶ場合があり、遊技球が第2始動入賞口714に入賞したことを第2始動入賞と呼ぶ場合がある。始動条件は成立しているが開始条件が成立していない変動表示に関するデータは、開始条件が成立するまで特別図柄の変動表示を行なう権利である保留記憶データとして保留して記憶される。
パチンコ遊技機700には、遊技者が打球操作ハンドル705を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域707に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域707を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域707に入り、その後、遊技領域707を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口713に入り第1始動口スイッチ713aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器708aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されると共に、演出表示装置709において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口713への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口714に入り第2始動口スイッチ714aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器708bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されると共に、演出表示装置709において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口714への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置709は、第1特別図柄表示器708aでの第1特別図柄の変動表示時間中、及び第2特別図柄表示器708bでの第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器708aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置709における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器708bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置709における演出図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、変動表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器708aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器708bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置709において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。前述した第1特別図柄表示器708a、第2特別図柄表示器708b、及び、演出表示装置709は、識別情報の変動表示を行ない表示結果を導出表示する変動表示装置であり、変動表示部として用いられる。
演出表示装置709では、変動表示を開始するときに、例えば、左,中,右の演出図柄の全てが変動表示を開始する。そして、変動表示している左,中,右の演出図柄が基本的に所定の順番(例えば、左演出図柄、右演出図柄、中演出図柄の順番のような予め定められた順番)で停止し、変動表示の開始から予め定められた変動時間が経過したときに、左,中,右の全演出図柄が停止して表示結果が確定する。
演出表示装置709の下方には、第1始動入賞口713を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口713に入賞した遊技球は、遊技盤706の背面に導かれ、第1始動口スイッチ713aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)713を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口714(第2始動口)を有する可変入賞球装置(電動チューリップ)715が設けられている。第2始動入賞口714に入賞した遊技球は、遊技盤706の背面に導かれ、第2始動口スイッチ714aによって検出される。可変入賞球装置715は、ソレノイド716によって開状態とされる。可変入賞球装置715が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口714に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置715が開状態になっている状態では、第1始動入賞口713よりも、第2始動入賞口714に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置715が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口714に入賞しない。なお、可変入賞球装置715が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。このように、可変入賞球装置715が閉状態になっている状態は、遊技球が第2始動入賞口714に入賞しにくいまたは入賞しない状態であればよい。
以下、第1始動入賞口713と第2始動入賞口714とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置715が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置715に向かう遊技球は第2始動入賞口714に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口713は演出表示装置709の直下に設けられているが、演出表示装置709の下端と第1始動入賞口713との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口713の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口713の周辺での釘の配列を遊技球を第1始動入賞口713に導きづらくして、第2始動入賞口714の入賞率の方を第1始動入賞口713の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示器708aの下部には、第1始動入賞口713に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器718aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器718aは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器708aでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器708bの下部には、第2始動入賞口714に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(たとえば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器718bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器718bは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器708bでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置709の表示画面には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部718cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部718dとが設けられている(それぞれの表示領域が設けられている)。
また、可変入賞球装置715の下方には、特別可変入賞球装置720が設けられている。特別可変入賞球装置720は、開閉板を備え、遊技球が入賞可能な開状態(第1の状態)と、遊技球が入賞しない閉状態(第2の状態)とに変化可能である可変入賞装置である。
特別可変入賞球装置720は、第1特別図柄表示器708a又は第2特別図柄表示器708bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド721によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ723で検出される。
演出表示装置709の下部には、普通図柄表示器710(図示せず)が設けられている。普通図柄表示器710は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示する。
遊技球がゲート732を通過しゲートスイッチ732aで検出されると、普通図柄表示器710の表示の変動表示が開始される。本実施形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、例えば、変動表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器710における停止図柄が所定の図柄(当り図柄○」)である場合に、可変入賞球装置715が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置715の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口714に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。
普通図柄表示器710の近傍には、ゲート732を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(たとえば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器741が設けられている。ゲート732への遊技球の通過があるごとに、すなわちゲートスイッチ732aによって遊技球が検出されるごとに、普通図柄保留記憶表示器741は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器710の変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器を1減らす。普図保留記憶数の上限値は4つであり、普通図柄保留記憶表示器741においては、この4つを上限値として表示器を点灯する。
遊技盤706の遊技領域707の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED725が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口726がある。また、遊技領域707の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ727R,727Lが設けられている。遊技領域707の外周上部、外周左部及び外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED728a、左枠LED728b及び右枠LED728cが設けられている。例えば、天枠LED728a、左枠LED728b及び右枠LED728cは、繰返し変動パターンとしての擬似連の演出(1回の変動期間中におけるそれぞれの再変動期間(初回変動の期間も含む。)において関連する表示演出が実行されるような演出)が実行されるときには、点滅する制御が行なわれる。
また、左枠LED728bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED751が設けられ、右枠LED728cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED752が設けられている。天枠LED728a、左枠LED728bおよび右枠LED728c及び装飾LED725は、パチンコ遊技機700に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
このように構成されたパチンコ遊技機において本発明を適用することが可能である。具体的には、パチンコ遊技機700において、上記実施形態のスロットマシン1と同様のメインメニュー画面の表示やメインメニュー画面の表示中における項目選択を可能にし、また、上記実施形態のスロットマシン1と同様の音声の設定に関連する操作を可能にする。そして、パスワードを入力後の遊技又は簡単スタートによる遊技が行われているときには、パスワードを入力後の遊技又は簡単スタートによる遊技が行われていないときよりも後のタイミングでメニュー表示操作受付報知を行うことにより、上記実施形態と同様の効果を奏するようにすることができる。また、楽曲又は音量の設定が行われているときには、楽曲又は音量の設定が行われていないときよりも後のタイミングで音声設定操作受付報知を行うことにより、上記実施形態と同様の効果を奏するようにすることができる。
[上記実施形態の効果]
本実施形態では、パスワードを入力後の遊技又は簡単スタートによる遊技が行われているときには、パスワードを入力後の遊技又は簡単スタートによる遊技が行われていないときよりも後のタイミングでメニュー表示操作受付報知を行う(本例では、図19のSe4及びSe6の処理を行う部分)。
よって、パスワード入力や簡単スタートの設定などの特定制御の設定を行うことを促進しつつ、遊技者が感じる煩わしさを低減することができる。
本実施形態では、メニュー表示操作受付報知を開始していないときでも、メニュー表示操作の受け付けを可能な状態にしている(本例では、図20のSf2でYのときにSf5の処理を行う部分)。
よって、報知が行われていないときであっても、メニュー表示操作によって、パスワードの入力や簡単スタートの設定などの特定制御の設定にすすめることができる。
本実施形態では、パスワードの入力や簡単スタートの設定が行われているときと行われていないときとで、メニュー表示操作受付報知の報知態様が異なる(本例では、図19のSe4及びSe6の処理を行う部分)。
よって、パスワードの入力や簡単スタートの設定などの特定制御の設定を促進しつつ、報知が行われることにより遊技者が感じる煩わしさを低減することができる。
本実施形態では、ボーナス終了後100ゲームが行われるまでメニュー表示操作の受け付けを制限する(本例では、図20のSf4でNのときにSf5の処理を行う部分)。
よって、ボーナスが終了した後に即座に遊技を終了することを困難にすることができる。このように、いわゆる即ヤメを困難にすることにより、遊技機の稼働率が低下することを防止できる。
本実施形態では、ボーナスが入賞したゲームの終了後はメニュー表示操作の受け付けを制限する(本例では、図20のSf3でNのときにSf5の処理を行う部分)。
よって、ボーナスが入賞したことへの興趣が低下することを防止できる。
本実施形態では、操作促進演出では演出用スイッチLED56aを点灯させて演出用スイッチ56の操作を促進し、メニュー表示操作受付報知では演出用スイッチLED56aを点滅させて演出用スイッチ56の操作を促進させる一方で、メニュー画面の表示中は演出用スイッチLED56aを点灯させて演出用スイッチ56の操作を促進させる(本例では、図21のSg2、Sg5、Sg6の処理を行う部分)。
よって、誤った操作を防止することができる。
本実施形態では、楽曲又は音量の設定が行われているときには、楽曲又は音量の設定が行われていないときよりも後のタイミングで音声設定操作受付報知を行う(本例では、図22のSh4及びSh6の処理を行う部分)。
よって、楽曲又は音量の設定を行うことを促進しつつ、遊技者が感じる煩わしさを低減することができる。
本実施形態では、音声設定操作受付報知を開始していないときでも、音声設定操作の受け付けを可能な状態にしている(本例では、図23のSj2でYのときにSj6の処理を行う部分)。
よって、報知が行われていないときであっても、楽曲又は音量の設定にすすめることができる。
本実施形態では、楽曲又は音量の設定が行われているときと行われていないときとで、音声設定操作受付報知の報知態様が異なる(本例では、図22のSh4及びSh6の処理を行う部分)。
よって、楽曲又は音量の設定を促進しつつ、報知が行われることにより遊技者が感じる煩わしさを低減することができる。
本実施形態では、楽曲又は音量の少なくとも一方の設定が行われているときに、いずれの設定が行われていないときよりも後のタイミングで音声設定操作受付報知を行う(本例では、図22のSh2でYのときにSh4の処理を行う部分)。
よって、楽曲又は音量の設定を促進しつつ、報知が行われることにより遊技者が感じる煩わしさを低減することができる。
本実施形態では、楽曲又は音量の少なくとも一方の変更が行われた状態で他方の変更を行って確定させると、一方の内容も確定する(本例では、図23のSj6の処理を行う部分)。
よって、操作を簡便にすることができる。
本実施形態では、楽曲の変更が行われたときは、そのときに設定されている音量で変更後の楽曲を再生し、音量の変更が行われたときは、そのときに設定されている楽曲を変更後の音量で再生する(本例では、図23のSj4及びSj7の処理を行う部分)。
よって、選択された内容を分かりやすくすることができる。
変形例3では、確認動作実行期間においては、遊技者側設定スイッチ70の操作を受け付けないようにし、確認動作実行期間の煩わしさを低減させる。また、本実施の形態では、遊技者側設定スイッチ70は、点灯および消灯することができる。そこで、確認動作実行期間においては、遊技者側設定スイッチ70を消灯させ、遊技者側設定スイッチ70が遊技者に操作されにくいようにする。
よって、確認動作実行期間の煩わしさを低減させる。
変形例4では、図31(A)〜(C)で説明したように、制御されていたユーザモード(簡単ユーザモードおよび通常ユーザモード)は、決定スイッチ202の操作のみでは終了されない。制御されていたユーザモードは、図31(B)、(D)で説明したように、左スイッチ201が操作され、その後、決定スイッチ202が操作されることにより“ユーザモード”が決定され、さらに“ユーザモード終了”が決定されたときに終了される。したがって、たとえば、遊技者が決定スイッチ202を連打したときなどには、ユーザモードが終了することはなく、遊技者の意思とは関係なくユーザモードが終了されることを極力防止できる。
[その他、変形例について]
以下に、上記実施形態の種々の変形例について説明する。
[特定制御や特定音声制御の設定を行うための操作手段について]
上記実施形態では、特定制御の設定を行うための操作手段として兼用の演出用スイッチ56を用いるとともに、特定音声制御の設定を行うための操作手段として専用の十字キー58を用いたが、これらと異なる操作手段を用いてもよい。特定制御の設定を行うための操作手段として、例えば、特定制御の設定を行うためにのみ用いられる操作手段、あるいは、遊技の進行に係る操作に用いる操作手段(MAXBETスイッチ6やスタートスイッチ7、ストップボタンなど)と兼用する操作手段、あるいは、赤外線センサなど直接触れることなく操作を検出する検出手段を用いることが挙げられる。また、特定音声制御の設定を行うための操作手段として、例えば、演出用スイッチを兼用する操作手段、あるいは、遊技の進行に係る操作に用いる操作手段(MAXBETスイッチ6やスタートスイッチ7、ストップボタンなど)と兼用する操作手段、あるいは、赤外線センサなど直接触れることなく操作を検出する検出手段を用いることが挙げられる。
[特定制御について]
上記実施形態では、特定制御の設定としてパスワードの入力又は簡単スタートの設定を例に挙げたが、他の態様の特定制御を設定できるようにしてもよい。特定制御の設定として、例えば、演出カスタマイズの選択、演出頻度の選択などを設定可能にすることが挙げられる。
上記実施形態では、演出用スイッチ56を操作したときにメニュー画面を表示して特定制御の設定を行うことができるようにしたが、特定制御の設定を行うことができるようにするための制御は他の制御にしてもよい。例えば、十字キーを操作したときに特定制御の設定として楽曲や音量の変更を行うことができるようにする、演出用スイッチを操作したときに通常では実行されない隠し演出を実行(キャラクターの音声が流れるなど)して特定制御の設定を行うことをできるようにすることが挙げられる。
[特定音声制御について]
上記実施形態では、特定音声制御の設定として楽曲又は音量の設定を例に挙げたが、他の態様の特定音声制御を設定できるようにしてもよい。特定音声制御の設定として、例えば、楽曲の音程(キー)、あるいは、楽曲の長さを設定可能にすることが挙げられる。
上記実施形態では、十字キー58を操作したときに特定音声制御の設定を行うことができるようにしたが、特定音声制御の設定を行うことができるようにするための制御は他の制御にしてもよい。例えば、演出用スイッチ56を操作したときにメニュー画面を表示して楽曲や音量の変更を行うことができるようにする、演出用スイッチを操作したときに通常では実行されない隠し演出を実行(キャラクターの音声が流れるなど)して特定音声制御の設定を行うことをできるようにすることが挙げられる。
[音声の設定について]
上記実施形態では、十字キー58を操作することにより楽曲や音量を直接変更できるようにしたが、メニュー表示操作を行ってメインメニュー画面を表示させた後に、楽曲や音量など特定音声制御の設定に関する項目を選択して当該設定を行うことができるようにしてもよい。
[報知について]
上記実施形態では、特定制御の設定や特定音声制御の設定を行うための操作を受け付け中であるときの報知を液晶表示器51によって実行する例を挙げたが、これに限らず、例えば、スピーカ53,54、演出効果LED52、リールの背面側(内側)に配置されたバックランプ(例えば、リールLED55)、リールの前面側に配置された透過液晶表示器(リールを目視できるように構成された液晶表示器)、前面扉1bなどに取り付けられたランプやLED、ストップスイッチの振動、ストップスイッチの周囲からの送風、ストップスイッチの温度の変化など、上記実施形態と異なる手段で報知を行ってもよい。なお、受付状態と1対1の対応していなくてもよく、複数の手段を組み合わせて報知を行ってもよい。
上記実施形態では、液晶表示器51で表示される文字の大きさが異なる第1報知態様及び第2報知態様による報知を行ったが、他の方法で態様の異なる報知を行ってもよい。例えば、異なる色によって報知を行う、あるいは、異なる装置によって報知を行うことが挙げられる。
[受け付けの制限について]
上記実施形態では、メニュー表示操作の受け付けを中断することにより操作を制限したが、他の方法により制限してもよい。例えば、受け付けを行うタイミングを遅延させることが挙げられる。
上記実施形態では、ボーナスが入賞したゲームの終了後はゲームの結果が特定結果になったとしてメニュー表示操作の受け付けを制限したが、特定結果として他の結果を設定してもよい。例えば、遊技者に有利なストップスイッチの操作態様を報知するナビ演出を実行するAT(アシストタイム)やART(アシストリプレイタイム)の開始条件が成立したとき、抽選確率が他の役に比べて低いレア役が入賞したとき、ATやART、ART、CTなど有利状態が開始されたときが挙げられる。
上記実施形態では、有利状態であるボーナスが終了した後の100ゲームはメニュー表示操作の受け付けを制限したが、有利状態として他の有利状態を設定してもよい。例えば、ATやART、ART、CTが挙げられる。
[遊技機について]
上記実施形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを例に挙げて説明したが、これに限定されることなく、例えば、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンに上記の実施の形態で示した構成を適用して、請求項1に係る発明を実現することが可能である。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させた場合に、上記の実施の形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、流路切替ソレノイド30や投入メダルセンサ31など、メダルの投入機構に加えて、遊技球の取込を行う球取込装置、球取込装置により取り込まれた遊技球を検出する取込球検出スイッチを設けるとともに、ホッパーモータ34bや払出センサ34cなど、メダルの払出機構に加えて、遊技球の払出を行う球払出装置、球払出装置により払い出された遊技球を検出する払出球検出スイッチを設け、メダルおよび遊技球の双方を用いて賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球が払い出されるスロットマシンに上記の実施の形態で示した構成を適用して、本発明を実現することが可能である。
また、ゲームソフト(スロットマシンゲーム、パチンコ遊技機ゲーム)を起動する家庭用ゲーム機や他のコンピュータ装置、インストールされた携帯アプリ(スロットマシンアプリ、パチンコ遊技機アプリ)を起動する携帯端末を本発明の遊技機として構成することも可能である。