JP2010229497A - 無電解錫又は錫合金めっき液及び該めっき液を用いて錫又は錫合金被膜を形成した電子部品 - Google Patents

無電解錫又は錫合金めっき液及び該めっき液を用いて錫又は錫合金被膜を形成した電子部品 Download PDF

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Abstract

【課題】カバーレイフィルムやソルダーレジストと銅又は銅合金界面へのめっき液の浸入が少なく、また、はんだ濡れ性が良好であり、基材とはんだとの接合信頼性も良好なめっき被膜を形成する無電解錫又は錫合金めっき液の提供。
【解決手段】少なくとも錫塩、錯化剤、酸を含む無電解錫又は錫合金めっき液において、ベンゼン環に直接結合した一つ以上のヒドロキシル基を持つ化合物を含有し、且つポリアルキレングリコール化合物又はポリアルキレングリコールの末端の少なくとも一つ以上のヒドロキシル基をアルコキシ基で封鎖したポリアルキレングリコールエーテル化合物を含有することを特徴とする無電解錫又は錫合金めっき液。
【選択図】なし

Description

本発明は無電解錫又は錫合金めっき液、及び該めっき液を用いて錫又は錫合金被膜を形成した電子部品に関する。
無電解錫めっきは従来、フレキシブルプリント基板への錫めっき処理方法として広く用いられてきた。
又、近年では鉛フリー化の動きからリジッドプリント基板の最終表面処理方法として、無電解錫めっきプロセスが注目を浴びつつある。しかし、無電解錫めっき液は一般的にpHが低く、さらに比較的高温(50℃以上)で被めっき物をめっき液に浸漬するため、フレキシブルプリント基板では、銅とカバーレイフィルムとの界面に、リジッドプリント基板では銅とソルダーレジストとの界面に錫めっき液が浸入し、ソルダーレジストの浮きや、局部電池を形成してこの部分の銅を溶出してしまうなどの問題点があった。
この問題点を解決するために、めっきを施した配線基板にソルダーレジストを形成する方法が用いられている。しかし、この方法ではめっき処理が必要のない部分までめっき被膜を形成するため、製造コストが高くなり好適でない。又、特許文献1ではソルダーレジストを形成する前にクロメートや有機化合物による酸化防止処理を行うことにより銅−ソルダーレジスト界面へのめっき液の浸入を抑える方法が開示されているが、この方法においても工程が増加することにより、製造コストが上昇してしまうという問題があった。
特開2006−339216号公報
本発明は、カバーレイフィルムやソルダーレジストと銅又は銅合金界面へのめっき液の浸入が少なく、また、はんだ濡れ性が良好であり、基材とはんだとの接合信頼性も良好なめっき被膜を形成する無電解錫又は錫合金めっき液を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を行った結果、無電解錫および錫合金めっき液にベンゼン環に直接結合した一つ以上のヒドロキシル基を持つ化合物を含有し、且つポリアルキレングリコール化合物又はポリアルキレングリコールの末端の少なくとも一つ以上のヒドロキシル基をアルコキシ基で封鎖したポリアルキレングリコールエーテル化合物を含有させることにより、上記課題を解決することができることを見出し本発明に至った。
即ち、本発明は以下のとおりである。
(1)少なくとも錫塩、錯化剤、酸を含む無電解錫又は錫合金めっき液において、ベンゼン環に直接結合した一つ以上のヒドロキシル基を持つ化合物を含有し、且つポリアルキレングリコール化合物又はポリアルキレングリコールの末端の少なくとも一つ以上のヒドロキシル基をアルコキシ基で封鎖したポリアルキレングリコールエーテル化合物を含有することを特徴とする無電解錫又は錫合金めっき液。
(2)前記ベンゼン環に直接結合した一つ以上のヒドロキシル基を持つ化合物が下記一般式(A)で示されるフェノール類化合物であることを特徴とする前記(1)記載の無電解錫又は錫合金めっき液。
Figure 2010229497
(R1〜R5は、炭素数16以下のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、または、これらにハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、メルカプト基のいずれかが付加した基、または、アミノ基、低級アルキル置換アミノ基、メルカプト基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、または、ハロゲン原子、水素原子のいずれかを表す。)
(3)前記ベンゼン環に直接結合した一つ以上のヒドロキシル基を持つ化合物が下記一般式(B)又は(C)で示されるナフトール類化合物であることを特徴とする前記(1)記載の無電解錫又は錫合金めっき液。
Figure 2010229497
(R6〜R12は、炭素数16以下のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、または、これらにハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、メルカプト基のいずれかが付加した基、または、アミノ基、低級アルキル置換アミノ基、メルカプト基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、または、ハロゲン原子、水素原子のいずれかを表す。)
(4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載の無電解錫又は錫合金めっき液に、表面に銅又は銅合金パターン、および少なくとも該銅又は銅合金パターン上に形成された樹脂組成物を有する電子部品を浸漬して、錫または錫合金被膜を形成した電子部品であって、銅又は銅合金と樹脂組成物界面への前記無電解錫又は錫合金めっき液の浸入深さが30μm以下であることを特徴とする電子部品。
(5)前記電子部品がプリント配線基板であることを特徴とする前記(4)記載の電子部品。
(6)前記電子部品がTABフィルムキャリアであることを特徴とする前記(4)記載の電子部品。
(7)前記電子部品がウェハ基板であることを特徴とする前記(4)記載の電子部品。
本発明の無電解錫又は錫合金めっき液は、フレキシブル基板やリジッドプリント基板の最終表面処理に用いた際に、カバーレイフィルムやソルダーレジストと銅又は銅合金界面へのめっき液の浸入が少なく、カバーレイフィルムやソルダーレジストの浮き、及び局部電池を形成してこの部分の銅又は銅合金を溶出してしまうなどの問題点を解決することができる。また、はんだ濡れ性が良好であり、基材とはんだとの接合信頼性も良好なめっき被膜を形成することができる。
本発明の無電解錫めっき液、または錫合金めっき液は、めっき液中に少なくとも錫塩、錯化剤、酸を含むとともに、ベンゼン環に直接結合した一つ以上のヒドロキシル基を持つ化合物を含有し、且つポリアルキレングリコール化合物又はポリアルキレングリコールの末端の少なくとも一つ以上のヒドロキシル基をアルコキシ基で封鎖したポリアルキレングリコールエーテル化合物を含有する。
本発明の無電解錫めっき液、または錫合金めっき液を用いることにより、カバーレイフィルムやソルダーレジストと銅又は銅合金界面へのめっき液の浸入が少なく、カバーレイフィルムやソルダーレジストの浮き、及び局部電池を形成してこの部分の銅又は銅合金を溶出してしまうなどの問題点を解決することができる機構については、詳細は不明であるが、一つの推察として、ベンゼン環に直接結合した一つ以上のヒドロキシル基を持つ化合物が錫と銅の置換による析出機構に何らかの電気化学的影響を与えることと、ポリアルキレングリコール化合物又はポリアルキレングリコールの末端の少なくとも一つ以上のヒドロキシル基をアルコキシ基で封鎖したポリアルキレングリコールエーテル化合物が銅面に吸着することによる相乗効果によるものと考えられる。
ベンゼン環に直接結合した一つ以上のヒドロキシル基を持つ化合物としては、フェノール類化合物、ナフトール類化合物等が挙げられ、特に下記一般式(A)で表されるフェノール類化合物、一般式(B)又は(C)で表されるナフトール類化合物が好ましい。
Figure 2010229497
(R1〜R5は、炭素数16以下のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、または、これらにハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、メルカプト基のいずれかが付加した基、または、アミノ基、低級アルキル置換アミノ基、メルカプト基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、または、ハロゲン原子、水素原子のいずれかを表す。)
Figure 2010229497
(R6〜R12は、炭素数16以下のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、または、これらにハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、メルカプト基のいずれかが付加した基、または、アミノ基、低級アルキル置換アミノ基、メルカプト基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、または、ハロゲン原子、水素原子のいずれかを表す。)
上記一般式(A)〜(C)におけるR1〜R12において、アルキル基としては炭素数1〜4の低級アルキル基が好ましく、アルケニル基及びアルキニル基としては炭素数2〜4のアルケニル基及びアルキニル基が好ましく、アリール基としてはフェニル基が好ましく、アラルキル基としてはベンジル基が好ましい。アルコキシ基としては、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましい。また、その他にヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、低級アルキル置換アミノ基、カルボキシル基、ハロゲンが好適である。
上記一般式(A)で示される化合物としては、例えばフェノール、o−クレゾール、p−ビニルフェノール、p−エチニルフェノール、o−フェニルフェノール、p−ベンジルフェノール、p−メトキシフェノール、p−アミノフェノール、p−ジメチルアミノフェノール、p−メルカプトフェノール、ヒドロキノン、ピロガロール、サリチル酸、p−クロロフェノール等が好ましいが、これらの他の異性体を用いることも、またこれらの混合物を用いることもできる。
上記一般式(B)で示される化合物としては、例えば1−ナフトール、2−メチル−1−ナフトール、2−ビニル−1−ナフトール、2−エチニル−1−ナフトール、2−フェニル−1−ナフトール、4−ベンジル−1−ナフトール、2−メトキシ−1−ナフトール、4−メルカプト−1−ナフトール、1,7−ナフタレンジオール、6−メルカプト−1−ナフトール、4−アミノ−1−ナフトール、4−ジメチルアミノ−1−ナフトール、7−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、4−クロロ−1−ナフトール等が好ましいが、これらの他の異性体を用いることも、またこれらの混合物を用いることもできる。
上記一般式(C)で示される化合物としては、例えば2−ナフトール、1−メチル−2−ナフトール、1−ビニル−2−ナフトール、1−エチニル−2−ナフトール、1−フェニル−2−ナフトール、6−ベンジル−2−ナフトール、1−メトキシ−2−ナフトール、6−メルカプト−2−ナフトール、2,3−ナフタレンジオール、6−アミノ−2−ナフトール、6−ジメチルアミノ−2−ナフトール、6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、4−クロロ−2−ナフトール、8−アミノ−2−ナフトール、1−ブロモ−2−ナフトール等が好ましいが、これらの他の異性体を用いることも、またこれらの混合物を用いることもできる。
ポリアルキレングリコール化合物又はポリアルキレングリコールの末端の少なくとも一つ以上のヒドロキシル基をアルコキシ基で封鎖したポリアルキレングリコールエーテル化合物としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドのアルキレンオキサイド1種類を重合させたポリアルキレングリコール化合物又は、複数の種類のアルキレンオキサイドをランダム共重合又はブロック共重合させたポリアルキレングリコール化合物又は上記化合物の末端のヒドロキシル基の少なくとも一つ以上を炭素数1〜6のアルコキシ基で封鎖したものが好ましい。又、上記ポリアルキレングリコール化合物又はポリアルキレングリコールエーテル化合物の分子量は100〜20000が好ましい。
上記のポリアルキレングリコール化合物としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられ、ポリアルキレングリコールの末端の少なくとも一つ以上のヒドロキシル基をアルコキシ基で封鎖したポリアルキレングリコールエーテル化合物としては例えば、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレンブチレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。
ベンゼン環に直接結合した一つ以上のヒドロキシル基を持つ化合物は、めっき液中1種だけでなく、2種以上用いてもよく、めっき液中合計で0.1〜150g/L含有するのが好ましく、より好ましくは2〜75g/Lである。0.1g/L未満では良好な特性が出ない。また、150g/Lを超えても、持ち出し等による液のロスが増えるだけでメリットがない。
ポリアルキレングリコール化合物又はポリアルキレングリコールの末端の少なくとも一つ以上のヒドロキシル基をアルコキシ基で封鎖したポリアルキレングリコールエーテル化合物は、めっき液中1種だけでなく、2種以上用いてもよく、めっき液中合計で1〜400g/L含有するのが好ましく、より好ましくは5〜300g/Lである。1g/L未満では良好な特性が出ない。また、400g/Lを超えても、持ち出し等による液のロスが増えるだけでメリットがない。
めっき液に用いる錫塩、錯化剤、酸、及びその他の構成成分としては公知のものを用いることができる。
錫塩としては、任意の可溶性の第一錫塩類を用いることができ、錫の酸化物、塩化物、硫酸塩及び有機スルホン酸塩等を用いることができる。
錫合金めっきの場合は錫と合金を形成する金属塩を用いるが、該金属塩としては、銀、鉛、銅、コバルト、ニッケル、亜鉛、ビスマス、アンチモン、インジウム等の金属の、酸化物、塩化物、硫酸塩及び有機スルホン酸塩等を用いることができる。
上記有機スルホン酸塩の有機スルホン酸としては、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、メタノールスルホン酸、エタノールスルホン酸、フェノールスルホン酸、ナフトールスルホン酸等を挙げることができる。
錫めっきの場合の錫塩の濃度は、金属濃度として1〜200g/Lが好ましく、より好ましくは2〜100g/Lである。
錫合金めっきの場合、錫と合金を形成する金属塩は、錫塩1質量部に対して好ましくは0.001〜99.9質量部、特に好ましくは0.009〜90質量部用いることができ、錫塩と錫と合金を形成する金属塩の合計で、錫を含む金属濃度として1〜200g/Lが好ましく、より好ましくは2〜100g/Lである。
錯化剤は、銅、銅合金などの当該母材金属に配位して錯イオンを形成するものであり、下記の(1)〜(3)のキレート剤などを単用又は併用するのが好ましい。
(1)チオ尿素、及び1,3−ジメチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、ジエチルチオ尿素(例えば、1,3−ジエチル−2−チオ尿素)、N,N′−ジイソプロピルチオ尿素、アリルチオ尿素、アセチルチオ尿素、エチレンチオ尿素、1,3−ジフェニルチオ尿素、二酸化チオ尿素、チオセミカルバジドなどのチオ尿素誘導体。
(2)エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩(EDTA・2Na)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、エチレンジアミンテトラプロピオン酸、エチレンジアミンテトラメチレンリン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンリン酸など。
(3)ニトリロ三酢酸(NTA)、イミノジ酢酸(IDA)、イミノジプロピオン酸(IDP)、アミノトリメチレンリン酸、アミノトリメチレンリン酸五ナトリウム塩、ベンジルアミン、2−ナフチルアミン、イソブチルアミン、イソアミルアミン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、シンナミルアミン、p−メトキシシンナミルアミンなど。
上記錯化剤の添加量は、一般に5〜300g/Lである。
酸としては、アルカンスルホン酸、アルカノールスルホン酸、芳香属スルホン酸等の有機スルホン酸、又は脂肪族カルボン酸等の有機酸、硫酸、塩酸、ホウフッ化水素酸等の無機酸を用いることができる。アルカンスルホン酸としては、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロパンスルホン酸、1−ブタンスルホン酸等を挙げることができる。アルカノールスルホン酸としては、2−ヒドロキシエタン−1−スルホン酸、2−ヒドロキシプロパン−1−スルホン酸、2−ヒドロキシブタン−1−スルホン酸、1−ヒドロキシプロパン−2−スルホン酸等を挙げることができる。芳香族スルホン酸としては、例えば、ベンゼンスルホン酸やナフタレンスルホン酸が挙げられ、これらはヒドロキシル基、ハロゲン、アルキル基、カルボキシル基等で置換されていても良く、フェノールスルホン酸、ナフトールスルホン酸等を挙げることができる。脂肪族カルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、クエン酸等の炭素数1〜6のカルボン酸を挙げることができる。
これら酸の濃度は1〜300g/Lが好ましく、より好ましくは5〜200g/Lである。
その他の成分としては、界面活性剤、酸化防止剤等が挙げられる。
界面活性剤は、析出結晶を微細化しかつ均一化するという効果を奏し、また、錫合金めっきを施す場合には、酸化還元電位の差が大きい錫と合金成分金属元素との電位差を小さくして、合金組成品位を安定化するという効果も奏する。
界面活性剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系、両性の各種の界面活性剤を用いることができる。
ノニオン系界面活性剤としては、C1〜C20アルカノール、フェノール、ナフトール、ビスフェノール類、C1〜C25アルキルフェノール、アリールアルキルフェノール、C1〜C25アルキルナフトール、C1〜C25アルコキシルリン酸(塩)、ソルビタンエステル、C1〜C22脂肪族アミドなどにエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを2〜300モル付加重合させたもの等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤としては、モノアルキルアミン類、ジアルキルアミン類、トリアルキルアミン類、ジメチルジアルキルアンモニウム塩、トリメチルアルキルアンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン、スルホベタイン、イミダゾリンベタイン、アミノカルボン酸等が挙げられる。
界面活性剤の濃度は、0.01〜10g/Lが好ましく、より好ましくは0.05〜5g/Lである。
酸化防止剤は、錫の酸化を防止するために添加するものであり、例えば次亜リン酸又はその塩、アスコルビン酸又はその塩、ヒドラジン等を用いることができる。
酸化防止剤の濃度は、1〜200g/Lが好ましい。
本発明の無電解錫めっき液または錫合金めっき液は、水溶液であり、めっき浴温度は5〜90℃が好ましく、より好ましくは30〜80℃である。30℃未満ではめっき被膜の析出速度が低く、90℃を超えても錫の沈殿が見られるようになり、浴分解等のデメリットが見られるようになる。
本発明の無電解錫又は錫合金めっき液を用いためっき方法としては、被めっき材をめっき液中に浸漬すればよい。
処理時間は10〜36000秒が好ましく、より好ましくは60〜30000秒である。10秒未満では成膜性が低く、良好な特性が出ない。36000秒を超えても錫被膜の析出速度がかなり落ちてしまうので、メリットがない。
得られる錫めっき膜又は錫合金めっき膜の膜厚は、好ましくは0.01〜5μm、さらに好ましくは0.3〜3μmである。
被めっき材としては、例えばプリント配線基板、TABフィルムキャリア、ウェハ基板、コネクタ、リードフレーム等の電子部品が挙げられる。これらの電子部品は、表面に銅又は銅合金パターン、及び銅又は銅合金パターン上に形成された樹脂組成物を有するものが好ましい。電子部品の銅又は銅合金パターンが基板やフィルム等のキャリア上で積層されている場合、樹脂組成物は銅又は銅合金パターン上のみではなく、キャリアである基板やフィルム等の上に形成されていても構わないが、少なくとも銅又は銅合金パターン上に樹脂組成物が形成されており、銅又は銅合金と樹脂組成物が界面を有していることが好ましい。
電子部品の例としては、例えば、ガラスエポキシ樹脂や紙フェノール樹脂などの基材表面に銅又は銅合金層を設け、エッチングにより、銅又は銅合金パターンを形成した後に、少なくとも銅又は銅合金パターン上を含む基板上にソルダーレジストを設けたリジッドプリント基板や、ポリイミドやPETフィルム表面上に銅又は銅合金層を設け、エッチングにより、銅又は銅合金パターンを形成した後に、少なくとも銅又は銅合金パターン上を含む基板上にカバーレイフィルムなどをラミネートしたフレキシブル基板などが挙げられる。
樹脂組成物としては、カバーレイフィルムやソルダーレジスト等であり、その表面処理として本発明の無電解錫又は錫合金めっき液を用いることが好ましい。
ソルダーレジストやカバーレイフィルムなどの樹脂組成物は特に限定されず、公知のものを用いることができる。
上記基材上に設けられる銅又は銅合金層としては、公知の方法で形成されたものでよく、銅合金となる金属としては、例えばニッケル、クロム、亜鉛、錫、銀、ベリリウム、マグネシウム、チタン、鉄、アルミニウム、マンガン、コバルト、鉛、ジルコニウム、アンチモン、ビスマス、インジウム、セレン、ケイ素等が挙げられる。
本発明の無電解錫又は錫めっき液は、カバーレイフィルムやソルダーレジストと銅又は銅合金界面へのめっきの浸入が少なく、浸入深さを30μm未満とすることができ、カバーレイフィルムやソルダーレジストの浮き、及び局部電池を形成してこの部分の銅又は銅合金を溶出してしまうなどの問題点を解決することができる。また得られる錫又は錫合金被膜は、はんだ濡れ性が良好であり、はんだとの接合信頼性も良好なめっき被膜となる。
以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1〜14、比較例1〜2
被めっき材料として、ガラスエポキシ基板上に銅箔を貼り付け、エッチングによりパターンを形成した後、少なくとも銅パターン上を含む基板上にソルダーレジスト(PSR4000SP19、太陽インキ)を形成した通常のプリント配線基板を用い、以下のようにめっき処理した。
めっき工程
酸性脱脂

水洗3回

ソフトエッチング(硫酸−過硫酸ナトリウム系)

水洗3回

無電解錫めっき又は錫合金めっき

水洗、乾燥
無電解錫又は錫合金めっきは、表1に記載のめっき液を用い、70℃×10分の浸漬条件で行った。
得られためっき物を用い、以下のように評価した。結果を表1に示す。
(膜厚)
70℃×10分の浸漬条件における膜厚を蛍光X線膜厚計(SII、SFT−3200)にて測定した。
(ソルダーレジストの状態)
無電解錫又は錫合金めっき後に当該プリント基板をエポキシ樹脂で樹脂埋め込みを行い、無電解錫めっきされた部分とソルダーレジストが接する領域を含む断面を観察するために、研磨して、プリント基板断面観察用のサンプルを作製した後に、SEM観察をするための前処理として金蒸着を行い、SEMによりソルーレジストと銅界面のめっき液の浸入を観察し、以下のように評価した。
○ ソルダーレジスト/銅界面へのめっき液の浸入が30μm以下である。
△ ソルダーレジスト/銅界面へのめっき液の浸入が30μmを超え200μm以下で
ある。
× ソルダーレジスト/銅界面へのめっき液の浸入が200μmを超える。又はめっき
上がりの時点でソルダーレジストが一部銅から剥離してしまっている。
(はんだ濡れ性)
窒素雰囲気下、ピーク温度250℃、リフローオーブンを用いてリフローを3回行い、はんだペーストとしてM705−GRN−360−K2−V(千住金属)を用い、厚み200μmのメタルマスクを用いて塗布し、はんだ濡れ性を評価した。
○ リフロー3回後、5×5mmのパッドにはんだペーストを全面に塗布後リフローし
たところ、パッド面積の95%以上がはんだペーストによって被覆されていた。
△ リフロー3回後、5×5mmのパッドにはんだペーストを全面に塗布後リフローし
たところ、パッド面積の80%以上95%未満がはんだペーストによって被覆され
ていた。
× リフロー3回後、5×5mmのパッドにはんだペーストを全面に塗布後リフローし
たところ、パッド面積の80%未満がはんだペーストによって被覆されていた。
Figure 2010229497
Figure 2010229497

Claims (7)

  1. 少なくとも錫塩、錯化剤、酸を含む無電解錫又は錫合金めっき液において、ベンゼン環に直接結合した一つ以上のヒドロキシル基を持つ化合物を含有し、且つポリアルキレングリコール化合物又はポリアルキレングリコールの末端の少なくとも一つ以上のヒドロキシル基をアルコキシ基で封鎖したポリアルキレングリコールエーテル化合物を含有することを特徴とする無電解錫又は錫合金めっき液。
  2. 前記ベンゼン環に直接結合した一つ以上のヒドロキシル基を持つ化合物が下記一般式(A)で示されるフェノール類化合物であることを特徴とする請求項1記載の無電解錫又は錫合金めっき液。
    Figure 2010229497
    (R1〜R5は、炭素数16以下のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、または、これらにハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、メルカプト基のいずれかが付加した基、または、アミノ基、低級アルキル置換アミノ基、メルカプト基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、または、ハロゲン原子、水素原子のいずれかを表す。)
  3. 前記ベンゼン環に直接結合した一つ以上のヒドロキシル基を持つ化合物が下記一般式(B)又は(C)で示されるナフトール類化合物であることを特徴とする請求項1記載の無電解錫又は錫合金めっき液。
    Figure 2010229497
    (R6〜R12は、炭素数16以下のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、または、これらにハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、メルカプト基のいずれかが付加した基、または、アミノ基、低級アルキル置換アミノ基、メルカプト基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、または、ハロゲン原子、水素原子のいずれかを表す。)
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の無電解錫又は錫合金めっき液に、表面に銅又は銅合金パターン、および少なくとも該銅又は銅合金パターン上に形成された樹脂組成物を有する電子部品を浸漬して、錫または錫合金被膜を形成した電子部品であって、銅又は銅合金と樹脂組成物界面への前記無電解錫又は錫合金めっき液の浸入深さが30μm以下であることを特徴とする電子部品。
  5. 前記電子部品がプリント配線基板であることを特徴とする請求項4記載の電子部品。
  6. 前記電子部品がTABフィルムキャリアであることを特徴とする請求項4記載の電子部品。
  7. 前記電子部品がウェハ基板であることを特徴とする請求項4記載の電子部品。
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