JP2010229274A - 樹脂組成物および電子部品用接着剤 - Google Patents

樹脂組成物および電子部品用接着剤 Download PDF

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Abstract

【課題】低熱膨張性、耐熱性、低温溶融性、フィルム状態での柔軟性を有する樹脂組成物および電子部品用接着剤を提供する。
【解決手段】少なくとも(A)ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミドから選択されるエラストマーと、(B)マレイミド基を有する化合物と、(C)アリル基を有する化合物もしくはビニルベンジル基を有する化合物と、を含有する樹脂組成物であって、前記(A)のエラストマーは、ガラス転移温度(Tg)が110℃〜270℃であり、前記(B)または(C)の化合物のうち少なくとも1種類の化合物は、該化合物の主鎖に、もしくは、該化合物の官能基間にアルキレン基を有する化合物であることを特徴とする樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物および電子部品用接着剤に関するものである。
従来、電子部品に使用される樹脂組成物、例えば基板用の樹脂、半導体素子と基板の接着剤、フレキシブル基板における耐熱フィルムと銅箔の接着剤等には、低熱膨張性、耐熱性、低温溶融性、フィルム状態での柔軟性等が求められている。
このような樹脂組成物として、ゴム状の高分子材料が導入された熱硬化型のエポキシ系樹脂組成物が適用されていた。
しかしながら、近年、高密度化、高精細化が進む電子部品のために、さらなる低熱膨張性、耐熱性の向上が求められており、エポキシ系樹脂組成物では十分な性能を得ることが難しくなっていた。
そこで、エポキシ系樹脂組成物だけでなく、ポリイミド系樹脂組成物も検討されてきている(例えば、特許文献1を参照)。
しかしながら、ポリイミド系樹脂組成物は、低熱膨張性、耐熱性に優れるものの、低温溶融性、フィルム状態での柔軟性が十分でなく、特に電子部品用接着剤として取り扱いが難しいので、これらの性能を満たすさらなる改善が求められていた。
特開平08−060134号公報
本発明は、以上のような問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とする処は、低熱膨張性、耐熱性、低温溶融性、フィルム状態での柔軟性を有する樹脂組成物および電子部品用接着剤を提供することにある。
本発明は、下記の技術的構成により、前記課題を解決できたものである。
(1)少なくとも(A)ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミドから選択されるエラストマーと、(B)マレイミド基を有する化合物と、(C)アリル基を有する化合物もしくはビニルベンジル基を有する化合物と、を含有する樹脂組成物であって、前記(A)のエラストマーは、ガラス転移温度(Tg)が110℃〜270℃であり、前記(B)または(C)の化合物のうち少なくとも1種類の化合物は、該化合物の主鎖にアルキレン基を有する化合物であることを特徴とする樹脂組成物。
(2)少なくとも(A)ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミドから選択されるエラストマーと、(B)マレイミド基を有する化合物と、(C)アリル基を有する化合物もしくはビニルベンジル基を有する化合物と、を含有する樹脂組成物であって、前記(A)のエラストマーは、ガラス転移温度(Tg)が110℃〜270℃であり、前記(B)または(C)の化合物のうち少なくとも1種類の化合物は、該化合物の官能基間にアルキレン基を有する化合物であることを特徴とする樹脂組成物。
(3)前記アルキレン基の主鎖は炭素数が2以上であることを特徴とする前記(1)または(2)記載の樹脂組成物。
(4)前記(B)の化合物がアルキレン基を有する化合物であることを特徴とする前記(1)または(2)記載の樹脂組成物。
(5)前記(A)のエラストマーは、樹脂組成物の20〜60質量%であり、前記アルキレン基を有する化合物は、樹脂組成物の20〜40質量%であることを特徴とする前記(1)または(2)記載の樹脂組成物。
(6)前記(1)または(2)記載の樹脂組成物からなることを特徴とする電子部品用接着剤。
本発明によれば、低熱膨張性、耐熱性、低温溶融性、フィルム状態での柔軟性を有する樹脂組成物および電子部品用接着剤を提供することができる。
本発明の樹脂組成物は、少なくとも(A)ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミドから選択されるエラストマーと、(B)マレイミド基を有する化合物と、(C)アリル基を有する化合物もしくはビニルベンジル基を有する化合物と、を含有する樹脂組成物であって、前記(A)のエラストマーは、ガラス転移温度(Tg)が110℃〜270℃であり、前記(B)または(C)の化合物のうち少なくとも1種類の化合物は、該化合物の主鎖、もしくは、該化合物の官能基間にアルキレン基を有する化合物であることを特徴とする。
本発明の樹脂組成物に用いられる各成分について説明する。
(A)ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミドから選択されるエラストマー
ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミドから選択されるエラストマー(以下(A)のエラストマーともいう。)を用いることで、低熱膨張性、耐熱性を有する樹脂組成物を得ることができる。耐熱性とは具体的に、高温時の引張強度を維持する効果、高温時の接着力を維持する効果である。
(A)のエラストマーのガラス転移温度(Tg)は110℃〜270℃である。
Tgが110℃未満の場合は硬化後(以下Cst)の樹脂組成物のTgが低下し、その結果、高温時の引張強度、高温時の接着力が低下する可能性がある。
またTgが270℃より高い場合は樹脂組成物の硬化前(以下Bst)の溶融粘度が高くなり、接着加工する際の凹凸への追従性の不足、高い接着温度による歪みの発生などの問題が起こる可能性がある。
なお、本願のTgは、示差熱分析装置(セイコーインスツルメンツ社製DSC220C)により10℃/分の昇温速度にて吸熱ピークより測定する。
(A)のエラストマーとしては、数平均分子量10000〜100000のものが好ましい。
更に好ましくは数平均分子量50000〜70000である。
数平均分子量が10000より小さい場合、Bstで脆くなる可能性があり、数平均分子量が100000より大きい場合、Bstの樹脂組成物の溶融粘度が高くなり、接着加工する際の凹凸への追従性が不足する可能性がある。
なお、本願の数平均分子量は、GPC法によるものであって、溶離液としてテトラヒドロフランもしくはN−メチル−2−ピロリドンもしくはN,N−ジメチルアセトアミドを用い、カラムとしてShodex80M×2(昭和電工社製)を用い、標準物質としてポリスチレンを用いて測定した値である。
(A)のエラストマーの含有率は、樹脂組成物の20〜60質量%が望ましい。
20質量%より少ないとBstでの樹脂組成物が脆くなり、打ち抜き等の加工時に割れるなどの問題が起こる可能性がある。
また、Cstでの樹脂組成物は伸び性が低下し、様々な応力に耐えられず、クラックが発生するなどの問題が起こる可能性がある。
60質量%より多いと分子量によってはBstの樹脂組成物の溶融粘度が上がり、接着加工する際に凹凸への追従性が低下する問題が起こる可能性がある。
また、加工温度が高くなり、その結果残存歪みが大きくなる等の問題が起こる可能性がある。
(A)のエラストマーは、エポキシとの反応性を有する官能基を有することが好ましい。
エポキシと反応、硬化する事で、機械的強度、耐薬品性が向上する。
エポキシと反応する官能基としては、水酸基、カルボキシル基などがあり、またポリイミドの場合にはイミド閉環の終了していないアミック酸ポリイミドとして使用する事も可能である。
(A)のエラストマーの繰り返し構造単位としては、以下のものを例示することができる。ただし、これらに限定されるものではない。
(A)のエラストマーのうち、ポリイミドとしては、例えば下記式(I)で示されるテトラカルボン酸二無水物と、下記式(IIa)で示されるジアミン化合物や下記式(IIb)で示されるシロキサン化合物、下記式(III)で示されるエポキシ反応性基を有するジアミン化合物とを、有機溶剤中で重縮合させ、得られたポリアミック酸を閉環によりイミド化することによって得ることができる。
Figure 2010229274
(式中、Xは、直接結合、炭素数1〜4のアルキレン基、O、SO、CO、のいずれかを表す。)
Figure 2010229274
Figure 2010229274
(式中、Arは、1個もしくは2個の水酸基を有する芳香族基、または、カルボキシル基を有する2価の芳香族基を表す。)
前記式(I)で示されるテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,4,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,2′,3′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、3,4,3′,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4′,4′−ビフタル酸二無水物等があげられる。
前記式(IIa)で示されるジアミン化合物としては、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、3,3′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、2,2′−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、3,3′−ジメチルベンジジン、3,3′−ジメトキシベンジジン、3,3′−ジアミノビフェニル、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3,5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,1′−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1′−ビス[3−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、4,4′−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン、4,4′−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン、4,4′−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビス(2,6−ジメチルビスアニリン)等があげられる。
これらのジアミン化合物は2種以上を併用してもよい。
また、前記式(III)で示されるエポキシ反応性基を有するジアミン化合物としては、2,5−ジヒドロキシ−p−フェニレンジアミン、3,3′−ジヒドロキシ−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,3′−ジヒドロキシ−3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジヒドロキシ−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、3,3′−ジヒドロキシ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジヒドロキシ−4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、2,2′−ビス[3−ヒドロキシ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[3−ヒドロキシ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、3,3′−ジカルボキシ−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,3′−ジカルボキシ−3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジカルボキシ−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、3,3′−ジカルボキシ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジカルボキシ−4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジカルボキシ−3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジカルボキシベンジジン、2,2′−ビス[3−カルボキシ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[3−カルボキシ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン等があげられる。
これらのジアミン化合物は2種以上を併用してもよい。
主鎖にジメチルシロキサンやメチレン基を有するジアミンや酸無水物も使用することができ、(A)のエラストマーのTgを調整できる。
ポリイミドは、例えば、上記のテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを溶媒存在下で−20〜150℃、好ましくは0〜60℃の温度で数十分間ないし数日間反応させて、ポリアミック酸を生成させ、さらにイミド化することにより作製することができる。
溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルミアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン等の硫黄含有溶媒、フェノール、クレゾール、キシレノール等のフェノール系溶媒、アセトン、テトラヒドロフラン、ピリジン、テトラメチル尿素等をあげることができる。
イミド化の方法としては加熱により脱水閉環させる方法及び脱水閉環触媒を用いて化学的に閉環させる方法がある。
ポリイミドのTgは、上記原材料、すなわちテトラカルボン酸二無水物、ジアミン化合物、シロキサン化合物等の種類の変更、シロキサン単位の含有割合等の変更によって、適宜設定することができる。
次に、(A)のエラストマーのうち、ポリエーテルイミドの基本構造式は、式(IV)に示すものである。
Figure 2010229274
式中のnは自然数を示す。
また、ポリエーテルイミドとして、式(V)に示すシリコン変性ポリエーテルイミドを用いることもできる。
なお、式(V)に示すシリコン変性ポリエーテルイミドは、シリコン骨格のジアミンを有しており、この部位のメチレン鎖の数を変更することでTgをコントロールすることができる。
また、式(V)に示すシリコン変性ポリエーテルイミドはジメチルポリシロキサン骨格を有しているが、これに限られるものではない。
Figure 2010229274
式中のm、nおよびxは自然数を示す。
次に、(A)のエラストマーのうち、ポリアミドイミドの基本構造式は、式(VI)に示すものであって、イソシアネート法(無水トリメリット酸とジイソシアネートとの反応)、酸クロライド法(無水トリメリット酸クロライドとジアミンとの反応)より得られる。
Figure 2010229274
式中のAr6a、Ar6bはそれぞれ芳香環を示し、nは自然数を示す。
また、式(VI)内のAr6aをジメチルシロキサン鎖に変更し、式(VII)のようにしてもよい。これによりTgを調整することができる。
Figure 2010229274
式中のArは芳香環、nは自然数、Siloxaneはジメチルシロキサン鎖を示す。
ジメチルシロキサンにかわり、デカメチレン、アクリルニトリルブタジエン、ブタジエン、ダイマー酸骨格等を用いてTgを調整してもよい。
これら(A)のエラストマーは、1種類を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(B)マレイミド基を有する化合物
マレイミド基を有する化合物(以下、(B)の化合物ともいう。)としては、マレイミド基を2つ有するビスマレイミドが好ましい。
N,N′−m−フェニレンビスマレイミド、N,N′−m−トルイレンビスマレイミド、N,N′−4,4′−ビフェニレンビスマレイミド、N,N′−(3,3−ジメチルフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N′−4,4′−ジメチルフェニルプロパンビスマレイミド、N,N′−4,4′−ジメチルフェニルエーテルビスマレイミド、N,N′−3,3′−ジメチルフェニルスルホンビスマレイミド等があげられる。
例えば式(VIII)〜(XII)に示すものが使用される。
なお、式(VIII)〜(XII)の内、式(XI)は、主鎖にアルキレン基を有する化合物であり、官能基間にアルキレン基を有する化合物である。
式(VIII):4,4′−Diphenylmethane bismaleimide
Figure 2010229274
式(IX):Bis−(3−ethyl−5−methyl−4−maleimidephenyl)methane
Figure 2010229274
式中のMeはメチル基、Etはエチル基を示す。
式(X):2,2′−Bis−[4−(4−maleimidephenoxy)phenyl]propane
Figure 2010229274
式(XI):1,6′−bismaleimide−(2,2,4−trimethyl)hexane
Figure 2010229274
式(XII):oligomer of phenylmethane maleimide
Figure 2010229274
12は自然数を示す。
これら(B)の化合物は、1種類を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(B)の化合物の含有率は、樹脂組成物における20〜50質量%が好ましい。
20質量%より少ないとBstでの溶融性が低くなり、50質量%より多いとCstで脆くなりやすく、接着性も低下する。
(C)アリル基を有する化合物またはビニルベンジル基を有する化合物
次に、アリル基を有する化合物またはビニルベンジル基を有する化合物(以下、(C)の化合物ともいう。)のうち、アリル基を有する化合物としては、例えば、アリルナジイミド、アリルフェノールを挙げられる。
アリルナジイミドとしては、例えば、式(XIII)、(XIV)、(XV)で示されるものなどが適用出来る。
具体的には、式(XIII)に対応する丸善石油化学社の商品名:「BANI−M」、式(XIV)に対応する商品名:「BANI−X」、「BANI−D」、式(XV)に対応する商品名:「BANI−H」などを挙げられる。
なお、式(XV)は主鎖にアルキレン基を有する化合物であり、官能基間にアルキレン基を有する化合物である。
Figure 2010229274
Figure 2010229274
Figure 2010229274
次に、アリルフェノールは、アラルキル化合物に対してフェノール性化合物を反応させることで得られる。
フェノール性化合物としては、フェノール性水酸基を有する化合物であればいかなる化合物でもよく、例えば、フェノール、o−クレゾール、p−クレゾール、m−クレゾール、2,6−キシレノール、p−tert−ブチルフェノール等のアルキルフェノール類等を挙げられる。
次に、(C)の化合物のうち、ビニルベンジル基を有する化合物としては、例えば、ビニルベンジル基を有するフルオエレン骨格の化合物、ポリフェニレンエーテル骨格の末端ビニルベンジル基を有する化合物を挙げられる。
具体的には、式(XVI)、(XVII)、(XVIII)に例示するものがある。
さらに具体的には、ビニルベンジル基を有する化合物として昭和高分子社製の商品名:「V5000X」、ビニルベンジル基を有するフルオエレン骨格の化合物、ポリフェニレンエーテル骨格の末端ビニルベンジル基を有する化合物として三菱ガス化学社製の商品名:「OPE−2ST」などを挙げられる。
なお、式(XVII)は、主鎖にアルキレン基を有する化合物であり、官能基間にアルキレン基を有する化合物である。
Figure 2010229274
Figure 2010229274
Figure 2010229274
式中m18、n18は、それぞれ自然数を示す。
これら(C)の化合物は、1種類を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(C)の化合物の含有率は、樹脂組成物の20〜50質量%が好ましい。
20質量%より少ない場合にはBstの溶融性が不十分であり、50質量%より多い場合にはCstにおいて脆くなる問題がある。
そして、本願発明の樹脂組成物は、(B)の化合物と(C)の化合物とを併用し、かつ、(B)の化合物もしくは(C)の化合物のうち少なくとも1種類の化合物は、該化合物の主鎖、もしくは、該化合物の官能基間にアルキレン基を有する。
そして、該アルキレン基の主鎖は炭素数2以上であり、好ましくは炭素数2〜16、さらに好ましくは炭素数4〜14、特に好ましくは炭素数6〜12である。
これにより、フィルム状態での柔軟性が十分で、Bstで融点もしくは軟化点が低い低温溶融性を有し、且つ耐熱性、低熱膨張性を有する樹脂組成物を得ることができる。
具体的には、低熱膨張化、高Tg化が可能で、Bstで可撓性があり、低温で溶融、成形が可能である。
なお、このような効果が得られる理由は必ずしも明確ではないが、(B)の化合物と(C)の化合物とを併用することと、主鎖、もしくは、官能基間にアルキレン基を有する化合物を用いることとが相乗的にフィルム状態での柔軟性、低温溶融性に寄与し、かつ、(A)のエラストマーとの複合状態や末端の架橋点が熱的に安定であることなどにより、樹脂組成物の耐熱性も維持されるものと考えられる。
また、主鎖、もしくは、官能基間にアルキレン基を有する化合物の含有率は、樹脂組成物の20〜40質量%が好ましい。
20質量%より少ない場合にはフィルム状態での柔軟性、低温溶融性への効果が小さい。
40質量%より多い場合には、耐熱性が低下する可能性がある。
なお、主鎖、もしくは、官能基間にアルキレン基を有する化合物であるのは、(B)の化合物であることがより好ましい。
また、他の(B)の化合物、他の(C)の化合物を組み合わせる事で、Cstでの耐熱性、Bstでの低温溶融性、フィルム状態での柔軟性を調整することが可能である。
さらに、本願発明の樹脂組成物は、硬化温度の低温化を図ることもできる。
このような効果を得る観点から、(B)の化合物と(C)の化合物を合わせた含有率は、樹脂組成物の40〜80質量%が好ましい。
そして、(B)の化合物と(C)の化合物の比率は、モル比で2:8〜8:2が好ましい。
更に好ましくは4:6〜6:4である。
なお、硬化を促進する為に有機過酸化物も使用できる。
本発明の樹脂組成物にはエポキシ樹脂またはレゾール型フェノール樹脂を含有することが好ましい。
エポキシ樹脂またはレゾール型フェノール樹脂を含有することで、機械的強度、接着性、靭性を向上させた樹脂組成物を得ることができる。
なお、エポキシ樹脂とレゾール型フェノール樹脂は併用してもよい。
エポキシ樹脂としては、例えば、ナフタレン型、アントラセン型等の多環縮合型、ビスフェノール−A型、ビスフェノール−F型ビスフェノールS型、ジシクロペンタジエン型、ビフェニル型等の直鎖型、クレゾールノボラック等のノボラック型、フェニレンエーテル型、トリフェニルメタン型、更には不フェノキシ樹脂などが使用できる。
また、特定のエポキシ樹脂を含有することで、溶融粘度を低下させた樹脂組成物を得ることができる。
その観点からは、融点もしくは軟化点が100℃以下のエポキシ樹脂が好ましく、さらに好ましくは常温で液状のものが望ましい。
またさらに、熱膨張の観点から、ナフタレン型、アントラセン型などの縮合多環型が好ましく用いられる。
該エポキシ樹脂の含有率は、樹脂組成物の5〜20質量%程度が望ましく、さらに好ましくは7.5〜15質量%である。
また、エポキシの硬化を促進する為に各種のイミダゾール類、アミン類などの促進剤、硬化剤を含有しても良い。
例えば、2エチル4メチルイミダゾールやその他潜在性イミダゾール類等を使用できる。
促進剤、硬化剤の含有量は、樹脂組成物の0.02〜0.2質量%程度が好ましい。
レゾール型フェノール樹脂としては、クレゾール型、ビスフェノールA型、パラターシャリーブチル型、ビスフェノールA型とパラターシャリーブチル型のコポリマーなどを使用できる。
なお、エポキシ樹脂を用いる場合には、ノボラックフェノール樹脂を併用することもできる。
ノボラックフェノール樹脂はエポキシ樹脂の硬化や靭性向上、耐熱性向上に効果がある。
エポキシ樹脂とノボラックフェノール樹脂を併用する場合の比率はエポキシ等量/水酸基等量が0.5/1.0〜1.0/0.5の範囲で使用される。
該範囲を外れた場合にはエポキシ樹脂やノボラックフェノール樹脂自体の硬化が不十分となり、耐熱性などが得られにくい。
樹脂組成物にはさらにフィラーを含有することができる。
フィラーを添加することにより溶融粘度、熱膨張率、熱伝導、誘電率、難燃化、弾性率、応力緩和効果、電気抵抗等の微調整が可能になる。
このような目的で添加されるフィラーとしては、アルミナ、シリカ、窒化硼素、窒化ケイ素、窒化アルミ、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、カーボン,CNC等などが使用される。
また、無機フィラーだけでなく、アクリル微粒子、架橋ポリスチレン微粒子、コアシェル構造のフィラー等も適用出来る。
コアシェル構造のフィラーとしては、アクリレート、ブタジエン/スチレン等のゴム状コアにアクリル/スチレン等の高Tgのシェルを施したものなどがある。
フィラーとしては、球状、鱗片状、針状など、種々の形状のフィラーを使用できるが、樹脂組成物のBstでの溶融粘度を高くできるので、球状のフィラーが好ましい。
球状のフィラーの平均粒径としては、使用される際の樹脂の厚さ、使用方法により一概に規定されるものではないが、好ましくは10μm以下、より好ましくは薄膜化や表面粗さの点から0.2〜0.6μmである。
フィラーのBET比表面積としては20m/g以下が望ましい。
20m/gより大きいと樹脂組成物の溶融粘度が高くなり、接着温度が高くなり、接着面の凹凸への追従性が低下するなどの可能性がある。
また、添加するフィラーの平均粒径だけでなく最大粒径も重要となっており、いわゆる粗粒カットをすることが望ましい。
なお、本願発明の樹脂組成物は基本的には絶縁性であるが、導電性のフィラーを分散することにより導電性とすることもできる。
(製造・使用方法)
(A)のエラストマー、(B)の化合物、(C)の化合物を混合し、そこに、テトラヒドロフラン、n−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド(DMAC)、エタノール、トルエン等の溶剤を加えて、室温〜170℃程度で攪拌することで本発明の樹脂組成物(Bst)を得ることができる。
このようにして得られる樹脂組成物は、そのまま接着剤として用いてもよいし、フィルム化して用いてもよい。
その後、180℃程度で数時間加熱することにより、本発明の樹脂組成物(Cst)を得ることができる。
本発明の樹脂組成物は、特に電子部品用接着剤として適している。
電子部品用接着剤としては、フィルム化して接着剤フィルムとして用いるか、支持体に塗布して接着剤付き支持体として用いることが一般的である。
接着剤の好ましい厚さは5〜100μm、さらに好ましくは10〜50μmであるが、用途によりその限りではない。
また、接着剤は必要に応じて加熱して半硬化状態にしておいてもよい。
支持体としては、剥離性フィルム、耐熱性絶縁フィルム、離型処理を施した紙、金属箔および金属板等を用いることができる。
剥離性フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルムやこれらのフィルムにシリコン等による剥離処理を施したもの等を使用できる。
耐熱性絶縁フィルムとしては、PETフィルム、PENフィルム、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルム、フルオロエチレンプロピレン(FEP)等のフッ素系フィルム、ポリイミド(PI)フィルム、ポリアミドイミド(PAI)フィルム、ポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム、ポリエーテルイミド(PEI)フィルム、ポリエーテルスルホン(PES)フィルム等を使用できる。
また金属箔および金属板としては、銅、白銅、銀、鉄、42合金、ステンレス鋼等よりなるものを使用できる。
このような接着剤フィルムや接着剤付き支持体は、例えば、耐熱フィルムと金属箔との接着、回路基板同士の接着、逐次形成する回路基板の絶縁樹脂、ICチップと回路基板の接着、ICチップ同士の接着、フレキシブル回路基板用の銅張板等々に適用できる。
また、ステンレス同士を本発明の樹脂により積層することで、強度を維持しながら軽量化、震動抑制の効果を得られるので、例えばHDDの筐体等に利用できる。同様にアルミ板同士の接着などにも使用できる。
その他一般的な接着剤の用途にも使用できる。
以下、本願発明を実施例にて説明する。
(A)のエラストマー
(A)のエラストマーのうち、ポリイミドa〜cとポリイミドxは、Tgを種々かえる為、合成により得た。
ポリイミドa:
4,4′−オキシジフタル酸無水物(50ミリモル)
3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(40ミリモル)
ビス(4−アミノ−3,5−ジエチルフェニル)メタン(5ミリモル)
4,4′ジアミノ−3,3′ジヒドロキシビフェニル(5ミリモル)
をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を攪拌しながら加え、60℃で3時間攪拌し、得られたポリアミド酸溶液にトルエンを加え、180℃に加熱した。
冷却管を備えたディーンスタークを用いて共沸してきた水とトルエンを系外に排出し、更に1時間加熱してポリアミド溶液を得た。
ポリイミド溶液を攪拌しながら冷却し、メタノールでポリイミドaを析出させた。
ポリイミドaのTgは200℃、数平均分子量は3000であった。
ポリイミドaは水酸基を有しており、エポキシとの反応性を有する。
ポリイミドb:
1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(89ミリモル)
アミノプロピル末端ジメチルシロキサン8量体(11ミリモル)
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物(100ミリモル)
N−メチル−2−ピロリドン
を用いて、ポリイミドaと同様にしてポリイミドbを得た。
ポリイミドbのTgは110℃、数平均分子量は17000である。
ポリイミドbはエポキシとの反応性を有しない。
ポリイミドc:
3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物(100ミリモル)
3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(70ミリモル)
ビス(4−アミノ−3,5−ジエチルフェニル)メタン(20ミリモル)
4,4′ジアミノ−3,3′ジヒドロキシビフェニル(10ミリモル)
N−メチル−2−ピロリドン
を用いて、ポリイミドaと同様の方法でポリイミドcを得た。
ポリイミドcのTgは250℃である。
ポリイミドx:
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(82ミリモル)
アミノプロピル末端ジメチルシロキサン8量体(18ミリモル)
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物(100ミリモル)
N−メチル−2−ピロリドン
を用いて、ポリイミドaと同様の方法でポリイミドxを得た。
ポリイミドxのTgは80℃、数平均分子量は22000である。
ポリイミドxはエポキシとの反応性を有しない。
ポリイミドXH1005:
また、市販のポリイミド(日本ジーイープラスチックス社製、「EXTEM XH1005」)を用いた。
Tgは270℃である。
ポリエーテルイミドSTM1700:
また、市販のポリエーテルイミド(日本ジーイープラスチック社製、「STM1700」)を用いた。
Tgは210℃である。
ポリアミドイミドHR14ET:
また、市販のポリアミドイミド(東洋紡社製、「バイロマックスHR14ET」)を用いた。
Tgは250℃である。
ポリアミドイミド16NN:
また、市販のポリアミドイミド(東洋紡社製、「バイロマックス16NN」)を用いた。
Tgは300℃である。
(B)の化合物
BMI−2300:
マレイミド基を有する化合物として、市販のマレイミド樹脂(大和化成工業社製、「BMI−2300」、融点約70〜145℃)を用いた。
BMI−TMH:
マレイミド基を有する化合物であって、主鎖、官能基間にアルキレン基を有する化合物として、市販のマレイミド樹脂(大和化成工業社製、「BMI−TMH」、融点約73〜110℃、炭素数6のアルキレン基をもつ)を用いた。
(C)の化合物
BANI−M:
アリル基を有する化合物として、市販のアリルナジイミド樹脂(丸善石油化学社製、「BANI−M」、融点75℃)を用いた。
BANI−D:
アリル基を有する化合物であって、主鎖、官能基間にアルキレン基を有する化合物として、市販のアリルナジイミド樹脂(丸善石油化学社製、「BANI−D」、25℃で液状、炭素数12のアルキレン基をもつ)を用いた。
V5000X:
ビニルベンジル基を有する化合物であって、主鎖、官能基間にアルキレン基を有する化合物として、市販のビニルベンジル樹脂(昭和高分子社製、「V5000X」、(CHをもつ)を用いた。
OPE−2ST:
ポリフェニレンエーテル骨格の末端ビニルベンジル基を有する化合物として、市販のフェニレンエーテルオリゴマー(三菱化学社製、「OPE−2ST」)を用いた。
その他
ポリアミドMM6239:
市販のポリアミド(ヘンケル社製、「MM6239」)を用いた。
NBR Nipol DN101:
市販のニトリルゴム(日本ゼオン社製、「Nipol DN101」)を用いた。
エピコート828:
エポキシ樹脂として、市販のビスフェノールA型の樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、「エピコート828」)を用いた。
2エチル4メチルイミダゾール:
エポキシ樹脂を使用した際の促進剤として、市販の2エチル4メチルイミダゾールを用いた。
タマノル758:
フェノール樹脂として、市販のクレゾールノボラック型フェノール樹脂(荒川化学社製、「タマノル758」)を用いた。
SOC1:
フィラーとして、シリカ(アドマテックス社製、「SO−C1」、BET比表面積15〜25m/g)を用いた。
SOC5:
フィラーとして、シリカ(アドマテックス社製、「SO−C5」、BET比表面積3〜6m/g)を用いた。
なお、フィラーを添加、分散させるにはパールミルを用いた。
(樹脂組成物の製造)
(A)のエラストマー、(B)の化合物、(C)の化合物等を表1、表2の配合で混合し、そこに、テトラヒドロフランまたはNMPまたはトルエンとエタノールの混合溶媒の溶剤を加えて、100℃程度で3時間攪拌することで樹脂組成物の溶液を得た。
この樹脂組成物の溶液を、PETフィルム上に乾燥後約30μmになるように塗布し、150℃で10分乾燥して、さらにその上にPETフィルムを積層して、PET/樹脂組成物/PET構成のフィルムを得た。
このフィルムを樹脂組成物フィルム(Bst)とする。
その後、樹脂組成物フィルム(Bst)を180℃で2時間加熱することにより、樹脂組成物フィルム(Cst)を得ることができた。
また、樹脂組成物の溶液を18μmの銅箔(三井金属社製、「FQ−VLP」)上に同様に塗布、乾燥して、樹脂組成物−銅箔フィルムを得た。
さらに、三菱ガス化学社製「CCL−EL160」の銅箔を除去してガラスクロスエポキシ層を得た。
そして、樹脂組成物−銅箔フィルムとガラスクロスエポキシ層を加熱ラミネートし、ガラスクロスエポキシ/樹脂組成物/銅箔構成のフィルムを得た。
このフィルムをガラス−銅箔フィルム(Bst)とする。
その後、ガラス−銅箔フィルム(Bst)を180℃で2時間加熱することにより、ガラス−銅箔フィルム(Cst)を得ることができた。
該フィルムについて、以下の特性を評価した。
(低温溶融性)
低温溶融性は、ゴム硬度70のゴムと金属ロールからなるロールラミネータにて、180℃条件下、速度1m/minで、樹脂組成物−銅箔フィルムと35μmの銅箔(三井金属社製、「3EC−VLP」、表面粗さ:接触式表面粗さ計によるRa0.6μm)とを積層し、銅箔粗化面の凹凸への埋まり込みを目視にて確認した。
樹脂が十分埋まり込む事により、銅箔粗化面の色調が変化したものを○とした。
(フィルム状態での柔軟性)
フィルム状態での柔軟性は、樹脂組成物フィルム(Bst)からPETを除去し、樹脂組成物を一般的な押し切りカッターにより押し切って、粉落ち、欠け、クラック等を目視により確認し、これらがないものを○とした。
(低熱膨張性)
熱膨張率は、樹脂組成物フィルム(Cst)からPETを除去し、樹脂組成物を、セイコーインスツルメンツ社製「TMA ISS6600」により、荷重10mN、昇温速度10℃/minで常温から250℃まで昇温し、その後常温まで降温し、さらに250℃まで2度目の昇温をしながら、寸法変化を測定し、熱膨張率を30−130℃の温度域にて算出した。
低熱膨張性としては熱膨張率80ppm以下を基準として判定した。
これはフィラーを添加する事により低減出来るものであるが、フィラーの粒径、またフィラーと樹脂の界面の問題等から、大凡50質量%が最大として、最終的に40ppm以下にすることが出来るレベルとして、設定した。
最終的に40ppm以下を基準としたのは、従来のエポキシ系の接着剤においては約50ppm程度であり、今後高密度化等が進む中での要求として40ppm程度が求められていることによる。
(耐熱性)
<引張強度についての耐熱性>
引張強度は以下のように測定した。
樹脂組成物フィルム(Cst)からPETを除去し、樹脂組成物を5mm×70mmにカットした。
そして、該樹脂組成物を恒温槽付き引張試験機(NMB社製、「TCM−2KNB万能引張試験器」)にセットした。なお、サンプルを挟む部位を除いた実際の引張試料長は50mmとした。
次に、25℃条件下で引張速度50mm/minにて該樹脂組成物が破断するまで引張り、引張強度を測定した。
同測定を150℃条件下でも行った。
また、樹脂組成物フィルム(Cst)を150℃の空気中に336時間放置することで高温暴露処理した後、その樹脂組成物フィルム(Cst)からPETを除去し、樹脂組成物について、25℃条件下で同測定を行った。
引張強度についての耐熱性は、25℃に対する150℃の保持率(25℃での引張強度に対する150℃での引張強度の保持率)が50%以上、かつ、25℃に対する処理後の保持率(25℃での引張強度に対する高温暴露処理後の25℃での引張強度の保持率)が50%以上を基準として判定した。
<接着力についての耐熱性>
ガラス−銅箔フィルム(Cst)を用い、100μm幅の銅パターンをエッチングにより形成し、前記恒温槽付き引張試験機により、25℃条件下で接着力を測定した。接着力は90度剥離にて、50mm/minの引張速度にて測定した。
同測定を150℃条件下でも行った。
また、ガラス−銅箔フィルム(Cst)を150℃の空気中に336時間放置して高温暴露処理した後、そのガラス−銅箔フィルム(Cst)について、25℃条件下で同測定を行った。
接着力についての耐熱性は、25℃に対する150℃の保持率(25℃での接着力に対する150℃での接着力の保持率)が50%以上、かつ、25℃に対する処理後の保持率(25℃での接着力に対する高温暴露処理後の25℃での接着力の保持率)が50%以上を基準として判定した。
(クラック)
クラックについては、模擬的にステンレス製の正方形のリング(外形4cm四方、リング幅5mm)に樹脂組成物フィルム(Bst)を積層し、180℃、2時間の熱処理を行ってCst化する。
該リングに樹脂組成物フィルム(Cst)が積層された状態で、冷熱衝撃試験器(タバイエスペック社製、「TSE−10」)にて−50℃30min 150℃30minの冷熱衝撃サイクルを500回行った。
その後、樹脂組成物フィルム(Cst)を目視で観察し、クラックの無いものを○とした。
(総合評価)
上記の評価について、低温溶融性、フィルム状態での柔軟性、低熱膨張性、引張強度についての耐熱性、接着力についての耐熱性、クラックの全ての条件を満たすものを○、一つでも満たさないものを×とした。
表1に実施例の条件と結果、表2に比較例の条件と結果を示す。
Figure 2010229274
Figure 2010229274
表1から明らかなように、実施例1〜16は総合評価○であって実用上問題がなかった。
これに対して表2に示されるように、比較例1は、低温溶融性、接着力についての耐熱性に実用上問題があった。
なお、接着力についての耐熱性、クラックについてはラミネート不可により評価できなかった。すなわち、180℃ではほとんど溶融状態が得られず、積層することができなかった。
また、比較例2は、低熱膨張性、接着力についての耐熱性に実用上問題があった。
また、比較例3と4は、低熱膨張性、引張強度についての耐熱性、接着力についての耐熱性に実用上問題があった。クラックも発生した。
また、比較例5は、低温溶融性、フィルム状態での柔軟性、接着力についての耐熱性に実用上問題があった。
なお、接着力についての耐熱性、クラックについてはラミネート不可により評価できなかった。すなわち、180℃ではほとんど溶融状態が得られず、積層することができなかった。
また、比較例6は、低温溶融性、フィルム状態での柔軟性に実用上問題があった。
また、比較例7は、低熱膨張性、引張強度についての耐熱性、接着力についての耐熱性に実用上問題があった。クラックも発生した。
また、比較例8は、低温溶融性、フィルム状態での柔軟性、引張強度についての耐熱性、接着力についての耐熱性に実用上問題があった。クラックも発生した。
また、比較例9は、低熱膨張性、引張強度についての耐熱性、接着力についての耐熱性に実用上問題があった。クラックも発生した。

Claims (6)

  1. 少なくとも
    (A)ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミドから選択されるエラストマーと、
    (B)マレイミド基を有する化合物と、
    (C)アリル基を有する化合物もしくはビニルベンジル基を有する化合物と、
    を含有する樹脂組成物であって、
    前記(A)のエラストマーは、ガラス転移温度(Tg)が110℃〜270℃であり、
    前記(B)または(C)の化合物のうち少なくとも1種類の化合物は、該化合物の主鎖にアルキレン基を有する化合物であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 少なくとも
    (A)ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミドから選択されるエラストマーと、
    (B)マレイミド基を有する化合物と、
    (C)アリル基を有する化合物もしくはビニルベンジル基を有する化合物と、
    を含有する樹脂組成物であって、
    前記(A)のエラストマーは、ガラス転移温度(Tg)が110℃〜270℃であり、
    前記(B)または(C)の化合物のうち少なくとも1種類の化合物は、該化合物の官能基間にアルキレン基を有する化合物であることを特徴とする樹脂組成物。
  3. 前記アルキレン基の主鎖は炭素数が2以上であることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂組成物。
  4. 前記(B)の化合物がアルキレン基を有する化合物であることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂組成物。
  5. 前記(A)のエラストマーは、樹脂組成物の20〜60質量%であり、
    前記アルキレン基を有する化合物は、樹脂組成物の20〜40質量%であることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂組成物。
  6. 請求項1または2記載の樹脂組成物からなることを特徴とする電子部品用接着剤。
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