JP2010229236A - 末端に架橋性シリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リビングラジカル重合を利用して製造される末端にアルケニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体に、架橋性シリル基を有するヒドロシラン化合物を付加させるヒドロシリル化反応を行う際に、反応温度を110℃以上130℃以下とすることにより、上記課題を解決することができる。
【選択図】なし
Description
(A)リビングラジカル重合を利用して製造され、重合体中に含まれる銅元素の量が重合体1kgに対して10mg以下であり、末端にアルケニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体
(B)重合体(A)1kgに対して、8000mg以上20000mg以下の架橋性シリル基を有するヒドロシラン化合物
(C)重合体(A)1kgに対して、白金金属量として0.1mg以上5mg以下の白金触媒
(1)有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、銅金属錯体を触媒として(メタ)アクリル酸エステル系モノマーを重合することによって末端にハロゲン基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体を製造する工程
(2)前記工程(1)で得られる末端にハロゲン基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体と、アルケニル基を分子内に複数個有する化合物とを反応させる工程
(3)加熱処理により脱ハロゲン化反応をおこなう工程
前記(メタ)アクリル酸エステル系重合体が、アクリル酸エステル系重合体であることが好ましい。
(1)ヒドロシリル化触媒の使用量を抑えることができ、重合体の着色を防ぐ。
(2)ヒドロシリル化触媒及び/又は架橋性シリル基を有するヒドロシラン化合物の使用量を抑えることにより、経済的に有利なプロセスを構築する。
(3)ヒドロシリル化反応条件下で、生成物の末端の架橋性シリル基が反応することによって、生成物の品質が低下することを防ぐ。
重合体(A)の(メタ)アクリル酸エステル系重合体はリビングラジカル重合法を利用して製造されたものである。リビングラジカル重合法は、重合速度が高く、ラジカル同士のカップリングなどによる停止反応が起こりやすいため制御が難しいとされるラジカル重合でありながら、停止反応が起こりにくく、分子量分布の狭い(Mw/Mnが1.1〜1.5程度)重合体が得られるとともに、モノマーと開始剤の仕込み比によって分子量を自由にコントロールすることができる。従って、リビングラジカル重合法は、分子量分布が狭く、粘度が低い重合体を得ることができる上に、特定の官能基を有するモノマーを重合体のほぼ任意の位置に導入することができる。
C6H5−CH2X、
C6H5−C(H)(X)CH3、
C6H5−C(X)(CH3)2
(ただし、上の化学式中、C6H5はフェニル基、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
R3−C(H)(X)−CO2R4、
R3−C(CH3)(X)−CO2R4、
R3−C(H)(X)−C(O)R4、
R3−C(CH3)(X)−C(O)R4
(式中、R3、R4は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、またはアラルキル基、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
R3−C6H4−SO2X
(上記の各式において、R3は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、またはアラルキル基、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
等が挙げられる。
−CH2−C(R1)(CO2R2)(X) (1)
(式中、R1は水素またはメチル基、R2は(メタ)アクリル系モノマーの側鎖エステル結合の基、Xは塩素、臭素、またはヨウ素を示す。)
原子移動ラジカル重合の開始剤として、重合を開始する官能基とともに重合を開始しない特定の反応性官能基を併せ持つ有機ハロゲン化物又はハロゲン化スルホニル化合物を用いることもできる。このような場合、一方の主鎖末端に特定の反応性官能基を、他方の主鎖末端にハロゲン基含有構造(1)を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体が得られる。このような特定の反応性官能基としては、アルケニル基、架橋性シリル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基、アミド基等が挙げられる。
R6R7C(X)−R8−R9−C(R5)=CH2 (2)
(式中、R5は水素、またはメチル基、R6、R7は水素、または、炭素数1〜20の1価のアルキル基、アリール基、またはアラルキル、または他端において相互に連結したもの、R8は、−C(O)O−(エステル基)、−C(O)−(ケト基)、またはo−,m−,p−フェニレン基、R9は直接結合、または炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいても良い、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
置換基R6、R7の具体例としては、水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。R6とR7は他端において連結して環状骨格を形成していてもよい。
XCH2C(O)O(CH2)nCH=CH2、
H3CC(H)(X)C(O)O(CH2)nCH=CH2、
(H3C)2C(X)C(O)O(CH2)nCH=CH2、
CH3CH2C(H)(X)C(O)O(CH2)nCH=CH2、
XCH2C(O)O(CH2)nO(CH2)mCH=CH2、
H3CC(H)(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)mCH=CH2、
(H3C)2C(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)mCH=CH2、
CH3CH2C(H)(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)mCH=CH2、
o,m,p−XCH2−C6H4−(CH2)n−CH=CH2、
o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−(CH2)n−CH=CH2、
o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−(CH2)n−CH=CH2、
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは0〜20の整数)
o,m,p−XCH2−C6H4−(CH2)n−O−(CH2)m−CH=CH2、
o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−(CH2)n−O−(CH2)m−CH=CH2、
o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−(CH2)n−O−(CH2)mCH=CH2、
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数)
o,m,p−XCH2−C6H4−O−(CH2)n−CH=CH2、
o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)n−CH=CH2、
o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)n−CH=CH2、
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは0〜20の整数)
o,m,p−XCH2−C6H4−O−(CH2)n−O−(CH2)m−CH=CH2、
o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)n−O−(CH2)m−CH=CH2、
o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)n−O−(CH2)m−CH=CH2、
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数)
H2C=C(R5)−R9−C(R6)(X)−R10−R7 (3)
(式中、R5、R6、R7、R9、Xは上記に同じ、R10は、直接結合、−C(O)O−(エステル基)、−C(O)−(ケト基)、または、o−,m−,p−フェニレン基を表す)
CH2=CHCH2X、CH2=C(CH3)CH2X、
CH2=CHC(H)(X)CH3、CH2=C(CH3)C(H)(X)CH3、
CH2=CHC(X)(CH3)2、CH2=CHC(H)(X)C2H5、
CH2=CHC(H)(X)CH(CH3)2、
CH2=CHC(H)(X)C6H5、CH2=CHC(H)(X)CH2C6H5、
CH2=CHCH2C(H)(X)−CO2R、
CH2=CH(CH2)2C(H)(X)−CO2R、
CH2=CH(CH2)3C(H)(X)−CO2R、
CH2=CH(CH2)8C(H)(X)−CO2R、
CH2=CHCH2C(H)(X)−C6H5、
CH2=CH(CH2)2C(H)(X)−C6H5、
CH2=CH(CH2)3C(H)(X)−C6H5、
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基)
等を挙げることができる。
o−,m−,p−CH2=CH−(CH2)n−C6H4−SO2X、
o−,m−,p−CH2=CH−(CH2)n−O−C6H4−SO2X、
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは0〜20の整数)
等である。
R6R7C(X)−R8−R9−C(H)(R5)CH2−[Si(R11)2−b(Y)bO]m−Si(R12)3−a(Y)a (4)
(式中、R5、R6、R7、R8、R9、Xは上記に同じ、R11、R12は、いずれも炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、または(R’)3SiO−(R’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であって、3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R11またはR12が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Yは水酸基または加水分解性基を示し、Yが2個以上存在するときそれらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0,1,2,または3を、また、bは0,1,または2を示す。mは0〜19の整数である。ただし、a+mb≧1であることを満足するものとする)
XCH2C(O)O(CH2)nSi(OCH3)3、
CH3C(H)(X)C(O)O(CH2)nSi(OCH3)3、
(CH3)2C(X)C(O)O(CH2)nSi(OCH3)3、
XCH2C(O)O(CH2)nSi(CH3)(OCH3)2、
CH3C(H)(X)C(O)O(CH2)nSi(CH3)(OCH3)2、
(CH3)2C(X)C(O)O(CH2)nSi(CH3)(OCH3)2、
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、ヨウ素、nは0〜20の整数、)
XCH2C(O)O(CH2)nO(CH2)mSi(OCH3)3、
H3CC(H)(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)mSi(OCH3)3、
(H3C)2C(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)mSi(OCH3)3、
CH3CH2C(H)(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)mSi(OCH3)3、
XCH2C(O)O(CH2)nO(CH2)mSi(CH3)(OCH3)2、
H3CC(H)(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)m−Si(CH3)(OCH3)2、
(H3C)2C(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)m−Si(CH3)(OCH3)2、
CH3CH2C(H)(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)m−Si(CH3)(OCH3)2、
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、ヨウ素、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数)
o,m,p−XCH2−C6H4−(CH2)2Si(OCH3)3、
o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−(CH2)2Si(OCH3)3、
o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−(CH2)2Si(OCH3)3、
o,m,p−XCH2−C6H4−(CH2)3Si(OCH3)3、
o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−(CH2)3Si(OCH3)3、
o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−(CH2)3Si(OCH3)3、
o,m,p−XCH2−C6H4−(CH2)2−O−(CH2)3Si(OCH3)3、
o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−(CH2)2−O−(CH2)3Si(OCH3)3、
o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−(CH2)2−O−(CH2)3Si(OCH3)3、
o,m,p−XCH2−C6H4−O−(CH2)3Si(OCH3)3、
o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)3Si(OCH3)3、
o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)3−Si(OCH3)3、
o,m,p−XCH2−C6H4−O−(CH2)2−O−(CH2)3−Si(OCH3)3、
o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)2−O−(CH2)3Si(OCH3)3、
o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)2−O−(CH2)3Si(OCH3)3、
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
等が挙げられる。
(R12)3−a(Y)aSi−[OSi(R11)2−b(Y)b]m−CH2−C(H)(R5)−R9−C(R6)(X)−R10−R7 (5)
(式中、R5、R7、R8、R9、R10、R11、R12、a、b、m、X、Yは上記に同じ)
(CH3O)3SiCH2CH2C(H)(X)C6H5、
(CH3O)2(CH3)SiCH2CH2C(H)(X)C6H5、
(CH3O)3Si(CH2)2C(H)(X)−CO2R、
(CH3O)2(CH3)Si(CH2)2C(H)(X)−CO2R、
(CH3O)3Si(CH2)3C(H)(X)−CO2R、
(CH3O)2(CH3)Si(CH2)3C(H)(X)−CO2R、
(CH3O)3Si(CH2)4C(H)(X)−CO2R、
(CH3O)2(CH3)Si(CH2)4C(H)(X)−CO2R、
(CH3O)3Si(CH2)9C(H)(X)−CO2R、
(CH3O)2(CH3)Si(CH2)9C(H)(X)−CO2R、
(CH3O)3Si(CH2)3C(H)(X)−C6H5、
(CH3O)2(CH3)Si(CH2)3C(H)(X)−C6H5、
(CH3O)3Si(CH2)4C(H)(X)−C6H5、
(CH3O)2(CH3)Si(CH2)4C(H)(X)−C6H5、
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基)
等が挙げられる。
HO−(CH2)n−OC(O)C(H)(R)(X)
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、nは1〜20の整数)
H2N−(CH2)n−OC(O)C(H)(R)(X)
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、nは1〜20の整数)
ハロゲン基を1分子内に2つ以上有する重合体を得るためには、2つ以上の開始点を持つ有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物が開始剤として用いるのが好ましい。具体的に例示するならば、
(1)(メタ)アクリル系モノマーの側鎖エステル部にアルケニル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを原子移動ラジカル重合条件下で所定の(メタ)アクリル系モノマーと共重合させる方法、
(2)ラジカル重合性の低いアルケニル基を分子内に複数個有する化合物を(メタ)アクリル酸エステル系重合体の末端ハロゲン基に原子移動ラジカル重合条件下で反応させる方法、
(3)アルケニル基を有する特定の化合物により(メタ)アクリル酸エステル系重合体の末端ハロゲン基を置換する方法、
等が例示される。(メタ)アクリル酸エステル系重合体の分子量、分子量分布、官能基数等の制御が可能で目的に応じた(メタ)アクリル酸エステル系重合体の分子設計が可能であるという点で特に(2)の方法が好ましい。
一般式9の化合物に特に制約はないが、なかでも、R13が炭素数1〜20の2価の炭化水素基である脂肪族炭化水素系非共役ジエン化合物が好ましく、以下のものが例示される。
工程1(加熱処理工程):原子移動ラジカル重合を利用して製造される(メタ)アクリル酸エステル系重合体を140℃以上250℃以下に加熱する工程。
工程2(固液分離工程):工程1を経た(メタ)アクリル酸エステル系重合体に対する処理工程であって、(メタ)アクリル酸エステル系重合体中に存在する不溶成分を(メタ)アクリル酸エステル系重合体中から分離除去する工程。
ゼオライトには天然産と合成品があるがいずれも使用されてよい。
Al(OH)3・NaHCO3は別名ドーソナイトと称し、塩基性吸着剤に分類される。
(1)工程1よりも以前の段階で吸着処理を行う方法
(2)吸着剤存在下で工程1の加熱処理を行う方法
(3)工程1の加熱処理の後に吸着処理を行い、吸着剤の分離回収操作を兼ねて工程2の固液分離操作を行う方法
(4)工程2の固液分離工程よりも以後の段階で吸着処理を行う方法
等が例示される。
(1)有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、銅金属錯体を触媒として(メタ)アクリル酸エステル系モノマーを重合することによって末端にハロゲン基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体を製造する工程
(2)前記工程(1)で得られる末端にハロゲン基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体と、アルケニル基を分子内に複数個有する化合物とを反応させる工程
(3)加熱処理により脱ハロゲン化反応をおこなう工程
上記ハロゲンは、塩素、臭素、ヨウ素からなる群より選択されるものである事が好ましく、臭素である事がより好ましい。
H−[Si(R16)2−b(Y)bO]m−Si(R17)3−a(Y)a (14)
(式中、R16およびR17は、いずれも炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、または炭素数7〜20のアラルキル基、または(R’)3Si−(R’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であって、3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R16またはR17が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Yは水酸基または加水分解性基を示し、Yが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0,1,2,または3を、また、bは0,1,または2を示す。mは1〜19の整数である。ただし、a+mb≧1であることを満足するものとする。)
で表される化合物が例示される。アルコキシシリル基は重合体分子鎖の末端に存在してもよく、内部(側鎖)に存在してもよいが、分子鎖の末端に存在すると、架橋点間分子量が高くなるため、高伸びで低弾性率を示すゴム状硬化物が得られやすくなる。
H−Si(R17)3−a(Y)a (15)
(式中、R17、Y、aは前記と同じ。)で表される架橋性シリル基を有するヒドロシラン化合物(B)が、入手容易な点から好ましい。一般式14または15で示される架橋性シリル基を有するヒドロシラン化合物(B)の具体例としては、
HSiCl3、HSi(CH3)Cl2、HSi(CH3)2Cl、
HSi(OCH3)3、HSi(CH3)(OCH3)2、HSi(CH3)2OCH3、HSi(OC2H5)3、HSi(CH3)(OC2H5)2、HSi(CH3)2OC2H5、HSi(OC3H7)3、HSi(C2H5)(OCH3)2、HSi(C2H5)2OCH3、HSi(C6H5)(OCH3)2、HSi(C6H5)2(OCH3)、HSi(CH3)(OC(O)CH3)2、HSi(CH3)2O−[Si(CH3)2O]2−Si(CH3)(OCH3)2、HSi(CH3)[O−N=C(CH3)2]2
(但し、上記化学式中、C6H5はフェニル基を示す)
等が挙げられるが、メチルジメトキシシランが好ましい。
上記末端に架橋性シリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体には、硬化触媒、充填材、可塑剤、貯蔵安定性改良剤、溶剤、接着性付与剤、難燃剤、物性調整剤、反応希釈剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、発泡剤、レオロジー特性調整剤、紫外線硬化性樹脂、酸素硬化性樹脂、光硬化性樹脂などの各種の添加剤を必要に応じて適宜配合してもよい。これらの各種添加剤は単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
上記末端に架橋性シリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、従来公知の各種縮合触媒の存在下、あるいは非存在下にシロキサン結合を形成することにより架橋、硬化する。このような縮合触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジエチルヘキサノエート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジメチルマレート、ジブチル錫ジエチルマレート、ジブチル錫ジブチルマレート、ジブチル錫ジイソオクチルマレート、ジブチル錫ジトリデシルマレート、ジブチル錫ジベンジルマレート、ジブチル錫マレエート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジエチルマレート、ジオクチル錫ジイソオクチルマレート等のジアルキル錫ジカルボキシレート類、例えば、ジブチル錫ジメトキシド、ジブチル錫ジフェノキシド等のジアルキル錫アルコキシド類、例えば、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫ジエチルアセトアセテートなどのジアルキル錫の分子内配位性誘導体類、例えば、ジブチル錫オキシドやジオクチル錫オキシド等のジアルキル錫オキシドと例えば、ジオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、メチルマレエート等のエステル化合物との反応物、例えば、ジブチル錫ビストリエトキシシリケート、ジオクチル錫ビストリエトキシシリケート等のジアルキル錫オキシドとシリケート化合物との反応物、およびこれらジアルキル錫化合物のオキシ誘導体(スタノキサン化合物)等の4価のスズ化合物類;例えば、オクチル酸錫、ナフテン酸錫、ステアリン酸錫、バーサチック酸スズ等の2価のスズ化合物類、あるいはこれらと後述のラウリルアミン等のアミン系化合物との反応物および混合物;例えば、モノブチル錫トリスオクトエートやモノブチル錫トリイソプロポキシド等のモノブチル錫化合物やモノオクチル錫化合物等のモノアルキル錫類;例えば、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、イソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)等のチタン酸エステル類;アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート等の有機アルミニウム化合物類;ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトナート、ジブトキシジルコニウムジアセチルアセトナート、ジルコニウムアセチルアセトナートビス(エチルアセトアセテート、チタンテトラアセチルアセトナート等のキレート化合物類;メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ペンタデシルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン等の脂肪族第一アミン類;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、ジオクチルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、ジデシルアミン、ジラウリルアミン、ジセチルアミン、ジステアリルアミン、メチルステアリルアミン、エチルステアリルアミン、ブチルステアリルアミン等の脂肪族第二アミン類;トリアミルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン等の脂肪族第三アミン類;トリアリルアミン、オレイルアミン、などの脂肪族不飽和アミン類;ラウリルアニリン、ステアリルアニリン、トリフェニルアミン等の芳香族アミン類;および、その他のアミン類として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)等のアミン系化合物、あるいはこれらのアミン系化合物とカルボン酸等との塩;ラウリルアミンとオクチル酸錫の反応物あるいは混合物のようなアミン系化合物と有機錫化合物との反応物および混合物;過剰のポリアミンと多塩基酸とから得られる低分子量ポリアミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成物;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができる。また、これらを変性した誘導体である、アミノ変性シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不飽和アミノシラン錯体、フェニルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル化シリコーン等のアミノ基を有するシランカップリング剤;等のシラノール縮合触媒、さらにはフェルザチック酸等の脂肪酸や有機酸性リン酸エステル化合物等他の酸性触媒、塩基性触媒等の公知のシラノール縮合触媒等が例示できる。
配合できる充填材としては、特に限定されないが、強度などの物性を付与するために例えば、微粉末シリカ、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン、珪藻土、硫酸バリウム、カーボンブラック、表面処理微細炭酸カルシウム、焼成クレー、クレーおよび活性亜鉛華等の補強性充填材などが挙げられる。補強性充填材は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でもシリカ微粉末が好ましく、湿式製造法等から得られる含水シリカ、および乾式製造法等から得られる乾式シリカなどが用いることができる。これらのうちで組成物に水分が多く含まれると硬化反応時に副反応等が起こる可能性があるため、無水シリカが特に好ましい。更に無水シリカの表面を疎水処理したものが成形に適した流動性を発現しやすいため特に好ましい。また他に、増量あるいは物性調整のために補強性のあまり強くない充填材も用いることができる。
配合できる可塑剤としては特に限定されないが、物性の調整、性状の調節等の目的により、例えば、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート、ジブチルセバケート、コハク酸イソデシル等の非芳香族二塩基酸エステル類;オレイン酸ブチル、アセチルリシリノール酸メチル等の脂肪族エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル等のポリアルキレングリコールのエステル類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル類;トリメリット酸エステル類;ポリスチレンやポリ−α−メチルスチレン等のポリスチレン類;ポリブタジエン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ブタジエン−アクリロニトリル、ポリクロロプレン;塩素化パラフィン類;アルキルジフェニル、部分水添ターフェニル、等の炭化水素系油;プロセスオイル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオールとこれらポリエーテルポリオールの水酸基をエステル基、エーテル基などに変換した誘導体等のポリエーテル類;エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジル等のエポキシ可塑剤類;セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸等の2塩基酸とエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の2価アルコールから得られるポリエステル系可塑剤類;アクリル系可塑剤を始めとするビニル系モノマーを種々の方法で重合して得られる(メタ)アクリル系重合体類等を単独、または2種以上混合して使用することができるが、必ずしも必要とするものではない。なおこれら可塑剤は、重合体製造時に配合することも可能である。
配合できる貯蔵安定性改良剤は、本組成物の貯蔵時の増粘および貯蔵後の硬化速度の著しい変化を抑えることができるものであれば特に限定されず、例えば、ベンゾチアゾール、ジメチルマレート等が挙げられる。
配合できる溶剤としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸セロソルブ等のエステル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン系溶剤等が挙げられる。それらの溶剤は重合体の製造時に用いてもよい。
配合できる接着性付与剤としては硬化物に接着性を付与するものであれば特に限定されないが、架橋性シリル基含有化合物が好ましく、更にはシランカップリング剤が好ましい。これらを具体的に例示すると、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン等のアルキルアルコキシシラン類;ジメチルジイソプロペノキシシラン、メチルトリイソプロペノキシシラン等のアルキルイソプロペノキシシラン;ビニルトリメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクロイルオキシプロピルメチルトリエトキシシラン等のビニル型不飽和基含有シラン類;シリコーンワニス類;ポリシロキサン類等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物を成形体として用いる場合の成形方法としては、特に限定されず、一般に使用されている各種の成形方法を用いることができる。例えば、注型成形、圧縮成形、トランフファー成形、射出成形、押し出し成形、回転成形、中空成形、熱成形などが挙げられる。特に自動化、連続化が可能で、生産性に優れるという観点から射出成形によるものが好ましい。また、ガスケットとして用いる場合等には、フランジ面等に塗布した硬化性組成物を未硬化状態で両面から挟み付けた後、硬化させるウエットタイプと、硬化させてから挟み付けるドライタイプの両者が可能である。
硬化性組成物の用途としては、限定はされないが、建築用弾性シーリング剤、サイジングボード用シーリング剤、複層ガラス用シーリング剤、車両用シーリング剤等建築用および工業用のシーリング剤、太陽電池裏面封止剤などの電気・電子部品材料、電線・ケーブル用絶縁被覆材などの電気絶縁材料、粘着剤、接着剤、弾性接着剤、コンタクト接着剤、タイル用接着剤、反応性ホットメルト接着剤、塗料、粉体塗料、コーティング材、発泡体、缶蓋等のシール材、電気電子用ポッティング剤、フィルム、ガスケット、注型材料、各種成形材料、人工大理石、および網入りガラスや合わせガラス端面(切断部)の防錆・防水用封止材、自動車や船舶、家電等に使用される防振・制振・防音・免震材料、自動車部品、電機部品、各種機械部品などにおいて使用される液状シール剤、防水剤等の様々な用途に利用可能である。
各原料の使用量を表1に示す。
(1)重合工程
攪拌機付ステンレス製反応容器の内部を脱酸素し、臭化第一銅、全アクリル酸エステルの一部を仕込み、加熱攪拌した。重合反応溶媒としてアセトニトリル(表1では重合用アセトニトリルと記載)、開始剤として2,5−ジブロモアジピン酸ジエチルを添加、混合し、混合液の温度を約80℃に調節した段階でペンタメチルジエチレントリアミン(以下、トリアミンと略す)を添加し、重合反応を開始した。残りのアクリル酸エステルを逐次添加し、重合反応を進めた。重合途中、適宜トリアミンを追加し、重合速度を調整した。重合時に使用したトリアミンの総量を重合用トリアミンとして表1に示す。重合が進行すると重合熱により内温が上昇するので内温を約80℃〜約90℃に調整した。単量体転化率(重合反応率)が約95%以上の時点で未反応の単量体及び重合用アセトニトリルを減圧脱揮して除去し、重合体濃縮物を得た。
上記濃縮物に1,7−オクタジエン(以下ジエン若しくはオクタジエンと略す)、ジエン反応溶媒としてアセトニトリル(表1ではジエン反応用アセトニトリルと記載)を添加し、トリアミン(表1ではジエン反応用トリアミンと記載)を追加することでジエン反応を開始した。内温を約80℃〜約90℃に調節しながら数時間加熱攪拌させて、重合体末端にオクタジエンを反応させた。反応液は使用した重合触媒により著しく着色していた。ジエン反応が終了した時点で反応容器気相部に酸素‐窒素混合ガスを導入した。内温を約80℃〜約90℃に保ちながらしながら反応液を数時間加熱攪拌して反応液中の重合触媒と酸素を接触させた。アセトニトリル及び未反応のオクタジエンを減圧脱揮して除去し、重合体を含有する濃縮物を得た。濃縮物は著しく着色していた。
酢酸ブチルを重合体の希釈溶媒として使用した。重合体に対して100〜150重量部程度の酢酸ブチルで濃縮物を希釈し、ろ過助剤を添加して攪拌した後、不溶な触媒成分をろ過除去した。ろ液は重合触媒残渣によって着色および若干の濁りを有していた。その後、ろ液を攪拌機付ステンレス製反応容器に仕込み、吸着剤としてアルミニウムシリケート(キョーワード700SEN:協和化学製)、ハイドロタルサイト(キョーワード500SH:協和化学製)を添加した。気相部に酸素−窒素混合ガスを導入して約100℃で1時間加熱攪拌した後、吸着剤等の不溶成分をろ過除去した。着色は有するものの清澄なろ液を得た。ろ液を濃縮し、重合体粗精製物を得た。
処理液を更に重合体に対して90重量部の酢酸ブチルで希釈し、ろ過して吸着剤を除去した。ろ液を濃縮し、希釈溶媒である酢酸ブチルを回収するとともに、両末端にアルケニル基を有する重合体を得た。この重合体の数平均分子量は24020、分子量分布は1.25であった。重合体1分子当たりに導入されたアルケニル基の数は1.9個であった。またこの重合体中に含まれる銅量は、重合体1kgに対し2mg以下であった。
製造例1により得られた重合体に、オルトギ酸メチル(アルケニル基に対して1モル当量)、白金触媒[ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒のイソプロパノール溶液](白金金属量として重合体1kgに対して5mg)、メチルジメトキシシラン(重合体1kgに対して13792mg)を順に加え混合し、窒素雰囲気下、115℃で1時間加熱攪拌した。アルケニル基が反応により消失したことを1H−NMRで確認し、反応混合物を濃縮して目的とするメトキシシリル基含有重合体を得た。得られた重合体の1分子あたりに導入されたシリル基数は1.9個、数平均分子量は24200、分子量分布は1.30であった。
製造例1により得られた重合体に、オルトギ酸メチル(アルケニル基に対して1モル当量)、白金触媒[ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒のイソプロパノール溶液](白金金属量として重合体1kgに対して5mg)、メチルジメトキシシラン(重合体1kgに対して10300mg)を順に加え混合し、窒素雰囲気下、115℃で1時間加熱攪拌した。アルケニル基が反応により消失したことを1H−NMRで確認し、反応混合物を濃縮して目的とするメトキシシリル基含有重合体を得た。得られた重合体の1分子あたりに導入されたシリル基数は1.9個、数平均分子量は24700、分子量分布は1.31であった。
製造例1により得られた重合体に、オルトギ酸メチル(アルケニル基に対して1モル当量)、白金触媒[ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒のイソプロパノール溶液](白金金属量として重合体1kgに対して5mg)、メチルジメトキシシラン(重合体1kgに対して9600mg)を順に加え混合し、窒素雰囲気下、115℃で1時間加熱攪拌した。アルケニル基が反応により消失したことを1H−NMRで確認し、反応混合物を濃縮して目的とするメトキシシリル基含有重合体を得た。得られた重合体の1分子あたりに導入されたシリル基数は1.9個、数平均分子量は24600、分子量分布は1.30であった。
製造例1により得られた重合体に、オルトギ酸メチル(アルケニル基に対して1モル当量)、白金触媒[ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒のイソプロパノール溶液](白金金属量として重合体1kgに対して2mg)、メチルジメトキシシラン(重合体1kgに対して9600mg)を順に加え混合し、窒素雰囲気下、115℃で1時間加熱攪拌した。アルケニル基が反応により消失したことを1H−NMRで確認し、反応混合物を濃縮して目的とするメトキシシリル基含有重合体を得た。得られた重合体の1分子あたりに導入されたシリル基数は1.9個、数平均分子量は24600、分子量分布は1.30であった。
製造例1により得られた重合体に、オルトギ酸メチル(アルケニル基に対して1モル当量)、白金触媒[ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒のイソプロパノール溶液](白金金属量として重合体1kgに対して1mg)、メチルジメトキシシラン(重合体1kgに対して9600mg)を順に加え混合し、窒素雰囲気下、115℃で1時間加熱攪拌した。アルケニル基が反応により消失したことを1H−NMRで確認し、反応混合物を濃縮して目的とするメトキシシリル基含有重合体を得た。得られた重合体の1分子あたりに導入されたシリル基数は1.9個、数平均分子量は24700、分子量分布は1.31であった。
製造例1により得られた重合体に、オルトギ酸メチル(アルケニル基に対して1モル当量)、白金触媒[ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒のイソプロパノール溶液](白金金属量として重合体1kgに対して10mg)、メチルジメトキシシラン(重合体1kgに対して10300mg)を順に加え混合し、窒素雰囲気下、100℃で1時間加熱攪拌した。アルケニル基が反応により消失したことを1H−NMRで確認し、反応混合物を濃縮して目的とするメトキシシリル基含有重合体を得た。得られた重合体の1分子あたりに導入されたシリル基数は1.6個であった。
製造例1により得られた重合体に、オルトギ酸メチル(アルケニル基に対して1モル当量)、白金触媒[ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒のイソプロパノール溶液](白金金属量として重合体1kgに対して5mg)、メチルジメトキシシラン(重合体1kgに対して8270mg)を順に加え混合し、窒素雰囲気下、115℃で1時間加熱攪拌した。アルケニル基が反応により消失したことを1H−NMRで確認し、反応混合物を濃縮して目的とするメトキシシリル基含有重合体を得た。得られた重合体の1分子あたりに導入されたシリル基数は1.9個、数平均分子量は25300、分子量分布は1.32であった。
製造例1により得られた重合体に、オルトギ酸メチル(アルケニル基に対して1モル当量)、白金触媒[ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒のイソプロパノール溶液](白金金属量として重合体1kgに対して2mg)、メチルジメトキシシラン(重合体1kgに対して8270mg)を順に加え混合し、窒素雰囲気下、130℃で1時間加熱攪拌した。アルケニル基が反応により消失したことを1H−NMRで確認し、反応混合物を濃縮して目的とするメトキシシリル基含有重合体を得た。得られた重合体の1分子あたりに導入されたシリル基数は1.9個、数平均分子量は25100、分子量分布は1.32であった。
製造例1により得られた重合体に、オルトギ酸メチル(アルケニル基に対して1モル当量)、白金触媒[ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒のイソプロパノール溶液](白金金属量として重合体1kgに対して10mg)、メチルジメトキシシラン(重合体1kgに対して8270mg)を順に加え混合し、窒素雰囲気下、100℃で1時間加熱攪拌した。アルケニル基が反応により消失したことを1H−NMRで確認し、反応混合物を濃縮して目的とするメトキシシリル基含有重合体を得た。得られた重合体の1分子あたりに導入されたシリル基数は1.1個、数平均分子量は24500、分子量分布は1.31であった。
Claims (12)
- 下記(A)〜(C)を混合して、110℃以上130℃以下の温度でヒドロシリル化反応をおこなうことを特徴とする、末端に架橋性シリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法。
(A)リビングラジカル重合を利用して製造され、重合体中に含まれる銅元素の量が重合体1kgに対して10mg以下である、末端にアルケニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体
(B)重合体(A)1kgに対して、8000mg以上20000mg以下の架橋性シリル基を有するヒドロシラン化合物
(C)重合体(A)1kgに対して、白金金属量として0.1mg以上5mg以下の白金触媒 - 重合体(A)に含まれる銅元素の量が重合体1kgに対して3mg以下である請求項1に記載の製造方法。
- ヒドロシリル化反応の際に、加水分解性のエステル化合物および/またはアルキルアルコールを共存させることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の製造方法。
- ヒドロシリル化反応を、不活性ガス雰囲気下でおこなうことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 架橋性シリル基を有するヒドロシラン化合物(B)を分割添加することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- 重合体(A)が、原子移動ラジカル重合を利用して製造されるものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
- 重合体(A)が、下記(1)〜(3)の工程により製造されるものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
(1)有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、銅金属錯体を触媒として(メタ)アクリル酸エステル系モノマーを重合することによって末端にハロゲン基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体を製造する工程
(2)前記工程(1)で得られる末端にハロゲン基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体と、アルケニル基を分子内に複数個有する化合物とを反応させる工程
(3)加熱処理により脱ハロゲン化反応をおこなう工程 - (メタ)アクリル酸エステル系重合体が、アクリル酸エステル系重合体である請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
- アルケニル基を分子内に複数個有する化合物が、非共役ジエン化合物である請求項7に記載の製造方法。
- アルケニル基を分子内に複数個有する化合物が1,7−オクタジエンである請求項7に記載の製造方法。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法により製造される末端に架橋性シリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体。
- 請求項11に記載の末端に架橋性シリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体を含む硬化性組成物。
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