JP2003119219A - アクリル系重合体の精製方法 - Google Patents

アクリル系重合体の精製方法

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JP2003119219A
JP2003119219A JP2001318942A JP2001318942A JP2003119219A JP 2003119219 A JP2003119219 A JP 2003119219A JP 2001318942 A JP2001318942 A JP 2001318942A JP 2001318942 A JP2001318942 A JP 2001318942A JP 2003119219 A JP2003119219 A JP 2003119219A
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JP2001318942A
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Shigeru Hagimori
萩森  茂
Yosuke Asai
洋介 浅井
Naoki Furukawa
直樹 古川
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルケニル基を有するビニル系重合体をヒ
ドロシリル化反応により硬化する硬化性組成物の成分と
して用いるための、ビニル系重合体の精製方法を提供す
る。 【解決手段】 原子移動ラジカル重合により製造され
る、アルケニル基を有するビニル系重合体を含む反応液
を、あまり希釈しないで触媒の固液分離を行うことによ
りヒドロシリル化反応性組成物用ビニル系重合体を提供
する。具体的には、重合終了時の溶液中の重合体濃度A
(重量%)と、触媒の固液分離の時の溶液中の重合体濃
度B(重量%)が、1.1A≧B≧0.9Aという関係
を有することを特徴とするビニル系重合体の精製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はビニル系重合体の精
製方法、ビニル系重合体、ヒドロシリル化反応性組成物
及び硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒドロシリル化反応は官能基変換や、架
橋反応等に利用され、工業的に非常に有用な反応の一つ
である。例えば、分子鎖の末端に官能基としてアルケニ
ル基を有する重合体はヒドロシリル基含有化合物を硬化
剤として用いることにより、架橋硬化し、耐熱性、耐久
性等の優れた硬化物を与えること、また、末端にアルケ
ニル基を有する重合体に架橋性シリル基を有するヒドロ
シリル基含有化合物を反応させることにより、架橋性シ
リル基を末端に有する重合体が製造されることが知られ
ている。これらのヒドロシリル化反応は加熱することに
より進行するが、反応をより迅速に進めるために、ヒド
ロシリル化触媒が添加される。このようなヒドロシリル
化触媒としては、有機過酸化物やアゾ化合物等のラジカ
ル開始剤、および遷移金属触媒が挙げられる。特に、遷
移金属触媒を用いると触媒量でヒドロシリル化を迅速に
進めることができることが知られている。
【0003】一方、重合体の精密合成法としてリビング
重合法が一般的に知られている。リビング重合は分子
量、分子量分布のコントロールが可能であるというだけ
でなく、末端構造が明確な重合体が得られる。従って、
リビング重合は重合体末端に官能基を導入する有効な方
法の一つとして挙げられる。最近、ラジカル重合におい
ても、リビング重合が可能な重合系が見いだされ、リビ
ングラジカル重合の研究が活発に行われている。特に原
子移動ラジカル重合を利用することにより分子量分布の
狭いビニル系重合体が得られる。原子移動ラジカル重合
の例として有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホ
ニル化合物を開始剤、周期律表第8族、9族、10族、
または11族元素を中心金属とする金属錯体を触媒とす
る重合系が挙げられる。(例えば、Matyjasze
wskiら、J.Am.Chem.Soc.1995,
117,5614,Macromolecules 1
995,28,7901,Science 1996,
272,866、あるいはSawamotoら、Mac
romolecules 1995,28,1721を
参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、原子移
動ラジカル重合で製造されるビニル系重合体には重合触
媒である遷移金属錯体が残存するため、重合体の着色、
物性面への影響および環境安全性等の問題が生ずること
がある。例えば、原子移動ラジカル重合法を利用して製
造された末端にアルケニル基を有するビニル系重合体に
おいては残存触媒等がヒドロシリル化反応の触媒毒とし
て働くため、ヒドロシリル化反応が阻害され、高価な遷
移金属触媒が多く必要になることがあるという問題が生
じた。
【0005】重合触媒である遷移金属触媒および遷移金
属錯体の一部は固体であり、それらを除去するためには
固液分離装置で分離することが必要であるが、ビニル系
重合体は比較的粘度が高い場合があり、溶剤希釈により
粘度を低下させてから固液分離することが多い。しか
し、新たな溶剤を追加することにより、重合に使用した
溶剤の分離回収のために蒸留設備が必要となる、溶剤蒸
発設備が大型化する、等の問題が生じる。
【0006】本発明はこの課題を解決し、経済的かつ効
率的なビニル系重合体の精製方法、ヒドロシリル化反応
性重合体及び組成物を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】(1)本発明は、遷移金
属錯体を重合触媒とするビニル系モノマーの原子移動ラ
ジカル重合により製造されるビニル系重合体と重合触媒
とを固液分離する精製方法であって、重合終了時の溶液
中の重合体濃度A(重量%)と、触媒の固液分離の時の
溶液中の重合体濃度B(重量%)が、1.1A≧B≧
0.9Aという関係を有することを特徴とするビニル系
重合体の精製方法に関する。 (2)本発明において、固液分離装置として分離盤型遠
心沈降機を用いることが好ましい。 (3)本発明において、ビニル系重合体が、分子内に少
なくとも1個アルケニル基を有するものであることが好
ましい。 (4)本発明において、アルケニル基がビニル系重合体
の分子鎖末端に存在することが好ましい。 (5)本発明において、ビニル系重合体が、原子移動ラ
ジカル重合において重合中あるいは重合終了後に重合性
の低い炭素−炭素二重結合を2個以上有する化合物を添
加することにより製造されることが好ましい。 (6)本発明は、ヒドロシリル化反応性組成物の一成分
として用いるためのビニル系重合体と、重合触媒とを固
液分離する精製方法であって、重合終了時の溶液中の重
合体濃度A(重量%)と、触媒の固液分離の時の溶液中
の重合体濃度B(重量%)が、1.1A≧B≧0.9A
という関係を有することを特徴とするビニル系重合体の
精製方法に関する。 (7)本発明において、ビニル系重合体は、通常(メ
タ)アクリル系重合体であり、、アクリル酸エステル系
重合体であることが好ましく、アクリル酸ブチル系重合
体であることがより好ましい。 (8)本発明において、ビニル系重合体の数平均分子量
が500〜100000であるか、又はビニル系重合体
の分子量分布の値が1.8未満であることが好ましい。 (9)本発明において、遷移金属錯体の中心金属は、通
常周期律表第8族、9族、10族、または11族元素で
あり、鉄、ニッケル、ルテニウム及び銅からなる群より
選択されることが好ましく、銅であることがより好まし
い。 (10)本発明において、原子移動ラジカル重合の触媒
配位子としてポリアミン化合物を用いることが好まし
く、トリアミン化合物を用いることがより好ましい。 (11)さらに本発明は、上記の精製方法により得られ
るビニル系重合体に関する。 (12)さらに本発明は、上記の精製方法により得られ
るビニル系重合体を含有するヒドロシリル化反応性組成
物に関する。 (13)さらに本発明は、(A)請求項1〜16のいず
れか一項に記載の精製方法により得られる分子内にアル
ケニル基を有するビニル系重合体、(B)ヒドロシリル
基含有化合物を含有するヒドロシリル化反応性組成物に
関する。 (14)さらに本発明は、B成分が分子内に少なくとも
1.1個のヒドロシリル基を有する化合物である上記ヒ
ドロシリル化反応性組成物に関する。 (15)さらに本発明は、B成分が架橋性シリル基を併
せ持つヒドロシラン化合物である上記ヒドロシリル化反
応性組成物に関する。 (16)さらに本発明は、さらに白金触媒を含有する上
記ヒドロシリル化反応性組成物に関する。 (17)さらに本発明は、上記ヒドロシリル化反応性組
成物をヒドロシリル化させて得られる架橋性シリル基を
有するビニル系重合体に関する。架橋性シリル基として
は加水分解性シリル基が好ましく、加水分解性シリル基
としては、ヒドロシリル基又はアルコキシシリル基が好
ましい。 (18)さらに本発明は、上記のビニル系重合体を含有
する硬化性組成物に関する。
【0008】また本発明において、重合終了時の溶液中
の重合体濃度A(重量%)と、触媒の固液分離の時の溶
液中の重合体濃度B(重量%)は1.1A≧B≧0.9
Aという関係を有するものであるが、1.05A≧B≧
0.95Aという関係を有することが好ましく、1.0
3A≧B≧0.97Aという関係を有することがより好
ましく、1.01A≧B≧0.99Aという関係を有す
ることがさらに好ましい。また本発明においては、重合
終了時の溶液を希釈することなしに触媒の固液分離をお
こなうこと(すなわちB=Aとすること)が最も好まし
い。なお、B>1.1Aの場合は、固液分離の時の溶液
の粘度が高くなりすぎて、分離が困難になる場合があ
る。
【0009】また、本発明において重合終了時の溶液と
は、原子移動ラジカル重合を実施した後またはそれにジ
エン系化合物を添加した後の液であり、重合反応に好適
な溶剤が好適な量入っている。また、本発明において触
媒の固液分離の時の溶液とは、文字通り、実際に固液分
離の操作をおこなう時の溶液をいう。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、遷移金属錯体を重合触
媒とするビニル系モノマーの原子移動ラジカル重合を利
用して製造されるビニル系重合体の精製方法であって、
ビニル系重合体と重合触媒とを固液分離する精製方法で
あるが、精製されるビニル系重合体は原子移動ラジカル
重合を利用して製造されるものに限定されず、その他の
製造方法により得られるビニル系重合体であってもよ
い。原子移動ラジカル重合 まず始めに原子移動ラジカル重合について詳述する。本
発明における原子移動ラジカル重合とは、リビングラジ
カル重合の一つであり、有機ハロゲン化物又はハロゲン
化スルホニル化合物を開始剤、遷移金属を中心金属とす
る金属錯体を触媒としてビニル系モノマーをラジカル重
合する方法である。具体的には、例えば、Matyja
szewskiら、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケ
ミカルソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)
1995年、117巻、5614頁、マクロモレキュー
ルズ(Macromolecules)1995年、2
8巻、7901頁,サイエンス(Science)19
96年、272巻、866頁、WO96/30421号
公報,WO97/18247号公報、WO98/014
80号公報,WO98/40415号公報、あるいはS
awamotoら、マクロモレキュールズ(Macro
molecules)1995年、28巻、1721
頁、特開平9−208616号公報、特開平8−411
17号公報などが挙げられる。
【0011】また本発明の原子移動ラジカル重合には、
いわゆるリバース原子移動ラジカル重合も含まれる。リ
バース原子移動ラジカル重合とは、通常の原子移動ラジ
カル重合触媒がラジカルを発生させた時の高酸化状態、
例えば、Cu(I)を触媒として用いた時のCu(I
I)に対し、過酸化物等の一般的なラジカル開始剤を作
用させ、その結果として原子移動ラジカル重合と同様の
平衡状態を生み出す方法である(Macromolec
ules 1999,32,2872参照)。
【0012】この原子移動ラジカル重合では、有機ハロ
ゲン化物、特に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を有す
る有機ハロゲン化物(例えば、α位にハロゲンを有する
カルボニル化合物や、ベンジル位にハロゲンを有する化
合物)、あるいはハロゲン化スルホニル化合物等が開始
剤として用いられる。具体的に例示するならば、 C65−CH2X、C65−C(H)(X)CH3、C6
5−C(X)(CH32 (ただし、上の化学式中、C65はフェニル基、Xは塩
素、臭素、またはヨウ素) R3−C(H)(X)−CO24、R3−C(CH3
(X)−CO24、R3−C(H)(X)−C(O)
4、R3−C(CH3)(X)−C(O)R4、(式中、
3、R4は水素原子または炭素数1〜20のアルキル
基、アリール基、またはアラルキル基、Xは塩素、臭
素、またはヨウ素) R3−C64−SO2X (上記の各式において、R3は水素原子または炭素数1
〜20のアルキル基、アリール基、またはアラルキル
基、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)等が挙げられる。
【0013】有機ハロゲン化物又はハロゲン化スルホニ
ル化合物を開始剤としてビニル系モノマーの原子移動ラ
ジカル重合を行うことにより、一般式(1)に示す末端
構造を有するビニル系重合体が得られる。 −C(R1)(R2)(X) (1) (式中、R1及びR2はビニル系モノマーのエチレン性不
飽和基に結合した基を示す。Xは塩素、臭素又はヨウ素
を示す。) 原子移動ラジカル重合の開始剤として、重合を開始する
官能基とともに重合を開始しない特定の反応性官能基を
併せ持つ有機ハロゲン化物又はハロゲン化スルホニル化
合物を用いることもできる。このような場合、一方の主
鎖末端に特定の反応性官能基を、他方の主鎖末端に一般
式(1)に示す末端構造を有するビニル系重合体が得ら
れる。このような特定の反応性官能基としては、アルケ
ニル基、架橋性シリル基、ヒドロキシル基、エポキシ
基、アミノ基、アミド基等が挙げられる。これらの反応
性官能基の反応性を利用して一段階又は数段階の反応を
経ることによりビニル系重合体に他の適当な官能基を導
入することができる。
【0014】アルケニル基を有する有機ハロゲン化物と
しては限定されず、例えば、一般式(2)に示す構造を
有するものが例示される。 R67C(X)−R8−R9−C(R5)=CH2 (2) (式中、R5は水素、またはメチル基、R6、R7は水
素、または、炭素数1〜20の1価のアルキル基、アリ
ール基、またはアラルキル、または他端において相互に
連結したもの、R8は、−C(O)O−(エステル
基)、−C(O)−(ケト基)、またはo−,m−,p
−フェニレン基、R9は直接結合、または炭素数1〜2
0の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでい
ても良い、Xは塩素、臭素、またはヨウ素) 置換基R6、R7の具体例としては、水素、メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、
ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。R6とR7は他
端において連結して環状骨格を形成していてもよい。
【0015】一般式(2)で示される、アルケニル基を
有する有機ハロゲン化物の具体例としては、XCH2
(O)O(CH2nCH=CH2、H3CC(H)(X)
C(O)O(CH2nCH=CH2、(H3C)2
(X)C(O)O(CH2nCH=CH2、CH3CH2
C(H)(X)C(O)O(CH2nCH=CH2
【0016】
【化1】 (上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素、nは0〜20の整数)XCH2C(O)O(CH2
nO(CH2mCH=CH2、H3CC(H)(X)C
(O)O(CH2nO(CH2mCH=CH2、(H
3C)2C(X)C(O)O(CH2nO(CH2mCH
=CH2、CH3CH2C(H)(X)C(O)O(C
2nO(CH2mCH=CH2
【0017】
【化2】 (上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数) o,m,p−XCH2−C64−(CH2n−CH=C
2、o,m,p−CH3C(H)(X)−C64−(C
2n−CH=CH2、o,m,p−CH3CH2
(H)(X)−C64−(CH2n−CH=CH2
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素、nは0〜20の整数) o,m,p−XCH2−C64−(CH2n−O−(C
2m−CH=CH2、o,m,p−CH3C(H)
(X)−C64−(CH2n−O−(CH2m−CH=
CH2、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6
4−(CH2n−O−(CH2mCH=CH2、(上記の
各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは1
〜20の整数、mは0〜20の整数) o,m,p−XCH2−C64−O−(CH2n−CH
=CH2、o,m,p−CH3C(H)(X)−C64
O−(CH2n−CH=CH2、o,m,p−CH3CH
2C(H)(X)−C64−O−(CH2n−CH=C
2、(上記の各式において、Xは塩素、臭素、または
ヨウ素、nは0〜20の整数) o,m,p−XCH2−C64−O−(CH2n−O−
(CH2m−CH=CH2、o,m,p−CH3C(H)
(X)−C64−O−(CH2n−O−(CH2m−C
H=CH2、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−
64−O−(CH2n−O−(CH 2m−CH=CH
2、(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨ
ウ素、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数) アルケニル基を有する有機ハロゲン化物としてはさらに
一般式(3)で示される化合物が挙げられる。 H2C=C(R5)−R9−C(R6)(X)−R10−R7 (3) (式中、R5、R6、R7、R9、Xは上記に同じ、R
10は、直接結合、−C(O)O−(エステル基)、−C
(O)−(ケト基)、または、o−,m−,p−フェニ
レン基を表す) R8は直接結合、または炭素数1〜20の2価の有機基
(1個以上のエーテル結合を含んでいても良い)である
が、直接結合である場合は、ハロゲンの結合している炭
素にビニル基が結合しており、ハロゲン化アリル化物で
ある。この場合は、隣接ビニル基によって炭素−ハロゲ
ン結合が活性化されているので、R10としてC(O)O
基やフェニレン基等を有する必要は必ずしもなく、直接
結合であってもよい。R9が直接結合でない場合は、炭
素−ハロゲン結合を活性化するために、R10としてはC
(O)O基、C(O)基、フェニレン基が好ましい。
【0018】一般式(3)の化合物を具体的に例示する
ならば、CH2=CHCH2X、CH2=C(CH3)CH
2X、CH2=CHC(H)(X)CH3、CH2=C(C
3)C(H)(X)CH3、CH2=CHC(X)(C
32、CH2=CHC(H)(X)C25、CH2=C
HC(H)(X)CH(CH32、CH2=CHC
(H)(X)C65、CH2=CHC(H)(X)CH2
65、CH2=CHCH2C(H)(X)−CO2R、
CH2=CH(CH22C(H)(X)−CO2R、CH
2=CH(CH23C(H)(X)−CO2R、CH2
CH(CH28C(H)(X)−CO2R、CH2=CH
CH2C(H)(X)−C65、CH2=CH(CH22
C(H)(X)−C65、CH2=CH(CH23
(H)(X)−C65、(上記の各式において、Xは塩
素、臭素、またはヨウ素、Rは炭素数1〜20のアルキ
ル基、アリール基、アラルキル基)等を挙げることがで
きる。
【0019】アルケニル基を有するハロゲン化スルホニ
ル化合物の具体例を挙げるならば、o−,m−,p−C
2=CH−(CH2n−C64−SO2X、o−,m
−,p−CH2=CH−(CH2n−O−C64−SO2
X、(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨ
ウ素、nは0〜20の整数)等である。
【0020】上記架橋性シリル基を有する有機ハロゲン
化物としては特に限定されず、例えば一般式(4)に示
す構造を有するものが例示される。 R67C(X)−R8−R9−C(H)(R5)CH2−[Si(R112-b(Y)b O]m−Si(R123-a(Y)a (4) (式中、R5、R6、R7、R8、R9、Xは上記に同じ、
11、R12は、いずれも炭素数1〜20のアルキル基、
アリール基、アラルキル基、または(R’)3SiO−
(R’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であって、
3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよ
い)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R11
たはR12が2個以上存在するとき、それらは同一であっ
てもよく、異なっていてもよい。Yは水酸基または加水
分解性基を示し、Yが2個以上存在するときそれらは同
一であってもよく、異なっていてもよい。aは0,1,
2,または3を、また、bは0,1,または2を示す。
mは0〜19の整数である。ただし、a+mb≧1であ
ることを満足するものとする) 一般式(4)の化合物を具体的に例示するならば、XC
2C(O)O(CH2nSi(OCH33、CH3
(H)(X)C(O)O(CH2nSi(OCH33
(CH32C(X)C(O)O(CH2nSi(OCH
33、XCH2C(O)O(CH2nSi(CH3)(O
CH32、CH3C(H)(X)C(O)O(CH2n
Si(CH3)(OCH32、(CH32C(X)C
(O)O(CH2nSi(CH3)(OCH32、(上
記の各式において、Xは塩素、臭素、ヨウ素、nは0〜
20の整数、) XCH2C(O)O(CH2nO(CH2mSi(OC
33、H3CC(H)(X)C(O)O(CH2n
(CH2mSi(OCH33、(H3C)2C(X)C
(O)O(CH2nO(CH2mSi(OCH33、C
3CH2C(H)(X)C(O)O(CH2nO(CH
2mSi(OCH33、XCH2C(O)O(CH2n
O(CH2mSi(CH3)(OCH32、H3CC
(H)(X)C(O)O(CH2nO(CH2m−Si
(CH3)(OCH32、(H3C)2C(X)C(O)
O(CH2nO(CH2m−Si(CH3)(OCH3
2、CH3CH2C(H)(X)C(O)O(CH2n
(CH2m−Si(CH3)(OCH32、(上記の各
式において、Xは塩素、臭素、ヨウ素、nは1〜20の
整数、mは0〜20の整数) o,m,p−XCH2−C64−(CH22Si(OC
33、o,m,p−CH3C(H)(X)−C64
(CH22Si(OCH33、o,m,p−CH3CH2
C(H)(X)−C64−(CH22Si(OC
33、o,m,p−XCH2−C64−(CH23
i(OCH33、o,m,p−CH3C(H)(X)−
64−(CH23Si(OCH33、o,m,p−C
3CH2C(H)(X)−C64−(CH23Si(O
CH33、o,m,p−XCH2−C64−(CH22
−O−(CH23Si(OCH33、o,m,p−CH
3C(H)(X)−C64−(CH22−O−(CH2
3Si(OCH33、o,m,p−CH3CH2C(H)
(X)−C64−(CH22−O−(CH23Si(O
CH33、o,m,p−XCH2−C64−O−(C
23Si(OCH33、o,m,p−CH3C(H)
(X)−C64−O−(CH23Si(OCH33
o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C64−O−
(CH23−Si(OCH33、o,m,p−XCH2
−C64−O−(CH22−O−(CH23−Si(O
CH33、o,m,p−CH3C(H)(X)−C64
−O−(CH22−O−(CH23Si(OCH33
o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C64−O−
(CH22−O−(CH 23Si(OCH33、(上記
の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)等が
挙げられる。
【0021】上記架橋性シリル基を有する有機ハロゲン
化物としてはさらに、一般式(5)で示される構造を有
するものが例示される。
【0022】 (R123-a(Y)aSi−[OSi(R112-b(Y)bm−CH2−C(H )(R5)−R9−C(R6)(X)−R10−R7 (5) (式中、R5、R7、R8、R9、R10、R11、R12、a、
b、m、X、Yは上記に同じ) このような化合物を具体的に例示するならば、(CH3
O)3SiCH2CH2C(H)(X)C65、(CH
3O)2(CH3)SiCH2CH2C(H)(X)C
65、(CH3O)3Si(CH22C(H)(X)−C
2R、(CH3O)2(CH3)Si(CH22C(H)
(X)−CO2R、(CH3O)3Si(CH23
(H)(X)−CO2R、(CH3O)2(CH3)Si
(CH23C(H)(X)−CO2R、(CH3O)3
i(CH24C(H)(X)−CO2R、(CH3O)2
(CH3)Si(CH24C(H)(X)−CO2R、
(CH3O)3Si(CH29C(H)(X)−CO
2R、(CH3O)2(CH3)Si(CH29C(H)
(X)−CO2R、(CH3O)3Si(CH23
(H)(X)−C65、(CH3O)2(CH3)Si
(CH23C(H)(X)−C65、(CH3O)3Si
(CH24C(H)(X)−C65、(CH3O)2(C
3)Si(CH24C(H)(X)−C65、(上記
の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、Rは
炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル
基)等が挙げられる。
【0023】上記ヒドロキシル基を持つ有機ハロゲン化
物、またはハロゲン化スルホニル化合物としては特に限
定されず、下記のようなものが例示される。 HO−(CH2n−OC(O)C(H)(R)(X) (上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、
アリール基、アラルキル基、nは1〜20の整数)上記
アミノ基を持つ有機ハロゲン化物、またはハロゲン化ス
ルホニル化合物としては特に限定されず、下記のような
ものが例示される。 H2N−(CH2n−OC(O)C(H)(R)(X) (上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、
アリール基、アラルキル基、nは1〜20の整数) 上記エポキシ基を持つ有機ハロゲン化物、またはハロゲ
ン化スルホニル化合物としては特に限定されず、下記の
ようなものが例示される。
【0024】
【化3】 (上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、
アリール基、アラルキル基、nは1〜20の整数) 反応性官能基を1分子内に2つ以上有する重合体を得る
ためには、2つ以上の開始点を持つ有機ハロゲン化物、
またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤として用い
るのが好ましい。具体的に例示するならば、
【0025】
【化4】
【0026】
【化5】 等があげられる。
【0027】重合触媒として用いられる遷移金属錯体と
しては特に限定されないが、好ましくは周期律表第7
族、8族、9族、10族、または11族元素を中心金属
とする金属錯体である。更に好ましいものとして、0価
の銅、1価の銅、2価のルテニウム、2価の鉄又は2価
のニッケルの錯体が挙げられる。なかでも、銅の錯体が
好ましい。1価の銅化合物を具体的に例示するならば、
塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、シアン化第一
銅、酸化第一銅、過塩素酸第一銅等である。銅化合物を
用いる場合、触媒活性を高めるために2,2′−ビピリ
ジル若しくはその誘導体、1,10−フェナントロリン
若しくはその誘導体、又はテトラメチルエチレンジアミ
ン、ペンタメチルジエチレントリアミン若しくはヘキサ
メチルトリス(2−アミノエチル)アミン等のポリアミ
ン等が配位子として添加される。また、2価の塩化ルテ
ニウムのトリストリフェニルホスフィン錯体(RuCl
2(PPh33)も触媒として好適である。ルテニウム
化合物を触媒として用いる場合は、活性化剤としてアル
ミニウムアルコキシド類が添加される。更に、2価の鉄
のビストリフェニルホスフィン錯体(FeCl2(PP
32)、2価のニッケルのビストリフェニルホスフィ
ン錯体(NiCl2(PPh32)、及び、2価のニッ
ケルのビストリブチルホスフィン錯体(NiBr2(P
Bu32)も、触媒として好適である。
【0028】この重合において用いられるビニル系モノ
マーとしては特に制約はなく、例えば(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)ア
クリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル
酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ペン
チル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)ア
クリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘ
プチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)
アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸
ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル
酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)ア
クリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メ
タ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリ
ル酸−3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸−2−
ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキ
シプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)
アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノ
エチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメ
トキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイ
ド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチ
ル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチ
ル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチ
ル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−
パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パ
ーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメ
チル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチ
ル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−
パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パ
ーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パ
ーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パー
フルオロヘキサデシルエチル等の(メタ)アクリル酸系
モノマー;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチ
レン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩
等のスチレン系モノマー;パーフルオロエチレン、パー
フルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有
ビニルモノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン等のケイ素含有ビニル系モノマー;無
水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキル
エステル及びジアルキルエステル;フマル酸、フマル酸
のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;マレ
イミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピ
ルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミ
ド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステア
リルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシル
マレイミド等のマレイミド系モノマー;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系モ
ノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド
基含有ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニ
ル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のア
ルケン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;
塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアル
コール等が挙げられる。これらは、単独で用いても良い
し、複数を共重合させても構わない。なかでも、生成物
の物性等から、スチレン系モノマー及び(メタ)アクリ
ル酸系モノマーが好ましい。より好ましくは、アクリル
酸エステルモノマー及びメタクリル酸エステルモノマー
であり、特に好ましくはアクリル酸エステルモノマーで
あり、更に好ましくは、アクリル酸ブチルである。本発
明においては、これらの好ましいモノマーを他のモノマ
ーと共重合、更にはブロック共重合させても構わなく、
その際は、これらの好ましいモノマーが重量比で40%
含まれていることが好ましい。なお上記表現形式で例え
ば(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸および/あるい
はメタクリル酸を表す。
【0029】重合反応は、無溶媒でも可能であるが、各
種の溶媒中で行うこともできる。溶媒の種類としては特
に限定されず、例えば、ベンゼン、トルエン等の炭化水
素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
フェニルエーテル、アニソール、ジメトキシベンジエン
等のエーテル系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、ク
ロロベンジエン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、ter
t−ブチルアルコール等のアルコール系溶媒;アセトニ
トリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリ
ル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶
媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等
のカーボネート系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒等
が挙げられる。これらは、単独でもよく、2種以上を併
用してもよい。また、エマルジョン系もしくは超臨界流
体CO2を媒体とする系においても重合を行うことがで
きる。
【0030】限定はされないが、重合は、0〜200℃
の範囲で行うことができ、好ましくは、室温〜150℃
の範囲である。ビニル系重合体について 次に本発明におけるビニル系重合体について詳述する。
【0031】ビニル系重合体は特に限定されないが、好
ましくはビニル系モノマーの原子移動ラジカル重合によ
り製造されるものである。このようなビニル系モノマー
としては特に限定されず、既に例示されたものを用いる
ことができる。これらのビニル系モノマーは、単独で用
いても良いし、複数を共重合させても構わない。なかで
も、生成物の物性等から、スチレン系モノマー及び(メ
タ)アクリル酸系モノマーが好ましい。より好ましく
は、アクリル酸エステルモノマー及びメタクリル酸エス
テルモノマーであり、特に好ましくはアクリル酸エステ
ルモノマーであり、更に好ましくは、アクリル酸ブチル
である。本発明においては、これらの好ましいモノマー
を他のモノマーと共重合、更にはブロック共重合させて
も構わなく、その際は、これらの好ましいモノマーが重
量比で40%含まれていることが好ましい。
【0032】ビニル系重合体の分子量分布、すなわち、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重
量平均分子量と数平均分子量の比は、特に限定されない
が、好ましくは1.8未満であり、好ましくは1.7以
下であり、より好ましくは1.6以下であり、さらに好
ましくは1.5以下であり、特に好ましくは1.4以下
であり、最も好ましくは1.3以下である。本発明での
GPC測定においては、通常、移動相としてクロロホル
ムを用い、測定はポリスチレンゲルカラムにておこな
い、数平均分子量等はポリスチレン換算で求めることが
できる。
【0033】ビニル系重合体の数平均分子量は特に制限
はないが、500〜1,000,000の範囲が好まし
く、1000〜100,000がさらに好ましい。分子
量が低くなりすぎると、ビニル系重合体の本来の特性が
発現されにくく、また、逆に高くなりすぎると、取扱い
が困難になる。
【0034】ビニル系重合体は分子内に反応性官能基を
有していてもよい。分子内に反応性官能基を有する場合
には側鎖又は分子鎖末端のいずれに存在していてもよ
い。反応性官能基としては特に限定されないが、例えば
アルケニル基、水酸基、アミノ基、架橋性シリル基、重
合性炭素−炭素二重結合基等が挙げられる。反応性官能
基を一段階もしくは数段階で別の適当な官能基へ変換す
ることもできる。例えば本発明においても水酸基等の反
応性官能基を変換することによりアルケニル基を有する
ビニル系重合体が合成される。アルケニル基を有するビニル系重合体について 次にアルケニル基を有するビニル系重合体について詳述
する。アルケニル基を有するビニル系重合体はヒドロシ
リル化反応性組成物の成分として用いることができる。
例えば、分子内に少なくとも一つアルケニル基を有する
ビニル系重合体はヒドロシリル基含有化合物を硬化剤と
して用いてヒドロシリル化反応を行うことにより架橋
し、硬化物を与える。また、分子内に少なくとも一つア
ルケニル基を有するビニル系重合体に架橋性官能基を有
するヒドロシラン化合物をヒドロシリル化反応させるこ
とにより、架橋性官能基を有するビニル系重合体が得ら
れる。
【0035】アルケニル基を有するビニル系重合体は原
子移動ラジカル重合を利用して製造される。
【0036】本発明におけるアルケニル基は限定はされ
ないが、一般式(6)で表されるものであることが好ま
しい。 H2C=C(R13)− (6) (式中、R13は水素又は炭素数1〜20の有機基を示
す。) 一般式(6)において、R13は水素又は炭素数1〜20
の有機基である。炭素数1〜20の有機基としては特に
限定されないが、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数
6〜20のアリ−ル基、炭素数7〜20のアラルキル基
が好ましく、具体的には以下のような基が例示される。 −(CH2n−CH3、−CH(CH3)−(CH2n
CH3、−CH(CH2CH3)−(CH2n−CH3、−
CH(CH2CH32、−C(CH32−(CH2n
CH3、−C(CH3)(CH2CH3)−(CH2n−C
3、−C65、−C65(CH3)、−C65(C
32、−(CH2n−C65、−(CH2n−C65
(CH3)、−(CH2n−C65(CH32 (nは0以上の整数で、各基の合計炭素数は20以下) これらの内では、R13としては水素又はメチル基がより
好ましい。
【0037】さらに、限定はされないが、ビニル系重合
体のアルケニル基が、その炭素−炭素二重結合と共役す
るカルボニル基、アルケニル基、芳香族環により活性化
されていないことが好ましい。
【0038】アルケニル基と重合体の主鎖の結合形式
は、特に限定されないが、炭素−炭素結合、エステル結
合、エステル結合、カーボネート結合、アミド結合、ウ
レタン結合等を介して結合されていることが好ましい。
【0039】アルケニル基はビニル系重合体の分子内に
存在すればよいが、本発明の硬化性組成物の硬化物にゴ
ム的な性質が特に要求される場合には、ゴム弾性に大き
な影響を与える架橋点間分子量が大きくとれるため、ア
ルケニル基の少なくとも1個は分子鎖の末端にあること
が好ましい。より好ましくは、全てのアルケニル基が分
子鎖末端に有するものである。
【0040】アルケニル基の数は特に限定されないが、
より架橋性の高い硬化物を得るためには、平均して1個
以上、好ましくは1.2個以上、より好ましくは1.5
個以上である。
【0041】次にアルケニル基を有するビニル系重合体
の製造方法について詳述するが、これらの方法に限定さ
れるものではない。
【0042】(A−a)原子移動ラジカル重合によりビ
ニル系重合体を合成する際に、例えば下記の一般式
(9)に挙げられるような一分子中に重合性のアルケニ
ル基と重合性の低いアルケニル基を併せ持つ化合物を第
2のモノマーとして反応させる方法。 H2C=C(R14)−R15−R16−C(R17)=CH2 (9) (式中、R14は水素またはメチル基を示し、R15は−C
(O)O−、またはo−,m−,p−フェニレン基を示
し、R16は直接結合、または炭素数1〜20の2価の有
機基を示し、1個以上のエーテル結合を含んでいてもよ
い。R17は水素又は炭素数1〜20の有機基を示す) 一般式(9)において、R17は水素又は炭素数1〜20
の有機基である。炭素数1〜20の有機基としては特に
限定されないが、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数
6〜20のアリ−ル基、炭素数7〜20のアラルキル基
が好ましく、具体的には以下のような基が例示される。 −(CH2n−CH3、−CH(CH3)−(CH2n
CH3、−CH(CH2CH3)−(CH2n−CH3、−
CH(CH2CH32、−C(CH32−(CH2n
CH3、−C(CH3)(CH2CH3)−(CH2n−C
3、−C65、−C65(CH3)、−C65(C
32、−(CH2n−C65、−(CH2n−C65
(CH3)、−(CH2n−C65(CH32 (nは0以上の整数で、各基の合計炭素数は20以下)
これらの内では、R17としては水素又はメチル基がより
好ましい。
【0043】なお、一分子中に重合性のアルケニル基と
重合性の低いアルケニル基を併せ持つ化合物を反応させ
る時期に制限はないが、ビニル系重合体を硬化させてな
る硬化物にゴム的な性質を期待する場合には、重合反応
の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に第2のモ
ノマーとして反応させるのが好ましい。
【0044】(A−b)原子移動ラジカル重合によりビ
ニル系重合体を合成する際に、重合反応の終期あるいは
所定のモノマーの反応終了後に、例えば1,5−ヘキサ
ジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエンな
どのような重合性の低いアルケニル基を少なくとも2個
有する化合物を反応させる方法。
【0045】(A−c)原子移動ラジカル重合により得
られる末端に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なく
とも1個有するビニル系重合体に、例えばアリルトリブ
チル錫、アリルトリオクチル錫などの有機錫のようなア
ルケニル基を有する各種の有機金属化合物を反応させて
ハロゲンを置換する方法。
【0046】(A−d)原子移動ラジカル重合により得
られる末端に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なく
とも1個有するビニル系重合体に、一般式(10)に挙
げられるようなアルケニル基を有する安定化カルバニオ
ンを反応させてハロゲンを置換する方法。 M+-(R18)(R19)−R20−C(R17)=CH2 (10) (式中、R17は上記に同じ。R18、R19はともにカルバ
ニオンC-を安定化する電子吸引基であるか、または一
方が前記電子吸引基で他方が水素または炭素数1〜10
のアルキル基、またはフェニル基を示す。R20は直接結
合、または炭素数1〜10の2価の有機基を示し、1個
以上のエーテル結合を含んでいてもよい。M+はアルカ
リ金属イオン、または4級アンモニウムイオンを示
す。) R18、R19の電子吸引基としては、−CO2R(エステ
ル基)、−C(O)R(ケト基)、−CON(R2
(アミド基)、−COSR(チオエステル基)、−CN
(ニトリル基)、−NO2(ニトロ基)等が挙げられる
が、−CO2R、−C(O)Rおよび−CNが特に好ま
しい。なお、置換基Rは炭素数1〜20のアルキル基、
炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のア
ラルキル基であり、好ましくは炭素数1〜10のアルキ
ル基もしくはフェニル基である。
【0047】(A−e)原子移動ラジカル重合により得
られる末端に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なく
とも1個有するビニル系重合体に、例えば亜鉛のような
金属単体あるいは有機金属化合物を作用させてエノレー
トアニオンを調製し、しかる後にハロゲンやアセチル基
のような脱離基を有するアルケニル基含有化合物、アル
ケニル基を有するカルボニル化合物、アルケニル基を有
するイソシアネート化合物、アルケニル基を有する酸ハ
ロゲン化物等の、アルケニル基を有する求電子化合物と
反応させる方法。
【0048】(A−f)原子移動ラジカル重合により得
られる末端に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なく
とも1個有するビニル系重合体に、例えば一般式(1
1)あるいは(12)に示されるようなアルケニル基を
有するオキシアニオンあるいはカルボキシレートアニオ
ンを反応させてハロゲンを置換する方法。 H2C=C(R17)−R21−O-+ (11) (式中、R17、M+は上記に同じ。R21は炭素数1〜2
0の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでい
てもよい) H2C=C(R17)−R22−C(O)O-+ (12) (式中、R17、M+は上記に同じ。R22は直接結合、ま
たは炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエーテ
ル結合を含んでいてもよい)などが挙げられる。
【0049】(A−a)から(A−f)の方法の中でも
制御がより容易である点から(A−b)、(A−f)の
方法が好ましい。以下に(A−b)、(A−f)の導入
方法について詳述する。ジエン系化合物添加法[(A−b)法] (A−b)法は、ビニル系モノマーの原子移動ラジカル
重合により得られるビニル系重合体に重合性の低いアル
ケニル基を少なくとも2個有する化合物(以下、「ジエ
ン系化合物」という。)を反応させることを特徴とす
る。
【0050】ジエン系化合物の少なくとも2つのアルケ
ニル基は互いに同一又は異なっていてもよい。アルケニ
ル基としては末端アルケニル基[CH2=C(R)−
R’;Rは水素又は炭素数1〜20の有機基、R’は炭
素数1〜20の有機基であり、RとR’は互いに結合し
て環状構造を有していてもよい。]又は内部アルケニル
基[R’−C(R)=C(R)−R’;Rは水素又は炭
素数1〜20の有機基、R’は炭素数1〜20の有機基
であり、二つのR(若しくは二つのR’)は互いに同一
であってもよく異なっていてもよい。二つのRと二つの
R’の二つの置換基のうちいずれか二つが互いに結合し
て環状構造を有していてもよい。]のいずれでもよい
が、末端アルケニル基がより好ましい。Rは水素又は炭
素数1〜20の有機基であるが、炭素数1〜20の有機
基としては炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜2
0のアリ−ル基、炭素数7〜20のアラルキル基が好ま
しい。これらの中でもRとしては水素又はメチル基が特
に好ましい。
【0051】また、ジエン系化合物のアルケニル基のう
ち、少なくとも2つのアルケニル基が共役していてもよ
い。
【0052】ジエン系化合物の具体例としては例えば、
イソプレン、ピペリレン、ブタジエン、ミルセン、1、
5−ヘキサジエン、1、7−オクタジエン、1、9−デ
カジエン、4−ビニル−1−シクロヘキセン等が挙げら
れるが、1、5−ヘキサジエン、1、7−オクタジエ
ン、1、9−デカジエンが好ましい。
【0053】ビニル系モノマーのリビングラジカル重合
を行い、得られた重合体を重合系より単離した後、単離
した重合体とジエン系化合物をラジカル反応させること
により、目的とする末端にアルケニル基を有するビニル
系重合体を得ることも可能であるが、重合反応の終期あ
るいは所定のビニル系モノマーの反応終了後にジエン系
化合物を重合反応系中に添加する方法が簡便であるので
より好ましい。
【0054】ジエン系化合物の添加量は、ジエン系化合
物のアルケニル基のラジカル反応性によって調節する必
要がある。2つのアルケニル基の反応性に大きな差があ
るときには重合成長末端に対してジエン系化合物は当量
又は小過剰量程度でもよいが、2つのアルケニル基の反
応性が等しい又はあまり差がないときには2つのアルケ
ニル基の両方が反応し、重合末端同士がカップリングす
るので、ジエン系化合物の添加量は重合体生長末端に対
して過剰量であることが好ましく、好ましくは1.5倍
以上、さらに好ましくは3倍以上、特に好ましくは5倍
以上である。求核置換法[(A−f)法] (A−f)法は原子移動ラジカル重合により得られる末
端に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個
有するビニル系重合体に、アルケニル基を有するオキシ
アニオンあるいはカルボキシレートアニオンを反応させ
てハロゲンを置換することを特徴とする。
【0055】アルケニル基を有するオキシアニオン又は
カルボキシレートアニオンとしては特に限定されない
が、例えば一般式(11)あるいは(12)に示される
ものが挙げられる。 H2C=C(R17)−R21−O-+ (11) (式中、R17、M+は上記に同じ。R21は炭素数1〜2
0の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでい
てもよい) H2C=C(R17)−R22−C(O)O-+ (12) (式中、R17、M+は上記に同じ。R22は直接結合、ま
たは炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエーテ
ル結合を含んでいてもよい) オキシアニオン又はカルボキシレートアニオンの具体例
としては、例えば アンモニア;トリメチルアミン、トリエチルアミン、ト
リブチルアミン等のアルキルアミン;テトラメチルエチ
レンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン等の
ポリアミン;ピリジン、ピコリン等のピリジン系化合物
等 塩基性化合物の使用量は前駆物質に対して当量または小
過剰量用いればよく、好ましくは1〜1.2当量であ
る。
【0056】上記前駆化合物と塩基性化合物を反応させ
る際に用いられる溶媒としては、例えば、アリルアルコ
ール等のアルケニルアルコールの塩;エチレングリコー
ルモノアリルエーテル等のアリロキシアルコール類の
塩;アリルフェノール、アリロキシフェノール等のアル
ケニル基含有フェノール性水酸基塩;10−ウンデシレ
ン酸、4−ペンテン酸、ビニル酢酸等のアルケニル基含
有カルボン酸塩;等が挙げられる。
【0057】M+は対カチオンであり、M+の種類として
はアルカリ金属イオン、具体的にはリチウムイオン、ナ
トリウムイオン、カリウムイオン、および4級アンモニ
ウムイオンが挙げられる。4級アンモニウムイオンとし
てはテトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルア
ンモニウムイオン、テトラベンジルアンモニウムイオ
ン、トリメチルドデシルアンモニウムイオン、テトラブ
チルアンモニウムイオンおよびジメチルピペリジニウム
イオン等が挙げられ、好ましくはナトリウムイオン、カ
リウムイオンである。
【0058】オキシアニオン又はカルボキシレートアニ
オンの使用量は、ハロゲンに対して過剰量であればよ
く、好ましくは1〜5当量、より好ましくは1〜2当
量、更に好ましくは1.0〜1.2当量である。
【0059】この反応を実施する溶媒としては特に限定
はされないが、比較的極性の高い溶媒が好ましく、例え
ば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジフェニ
ルエーテル、アニソール、ジメトキシベンジエン等のエ
ーテル系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲ
ン化炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;メタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n
−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の
アルコール系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリ
ル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;酢酸エチル、
酢酸ブチル等のエステル系溶媒;エチレンカーボネー
ト、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒;
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミ
ド系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶
媒等等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を混
合して用いることができる。これらの中でもアセトン、
ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミ
ド、アセトニトリル等の極性溶媒がより好ましい。反応
温度は限定されないが、一般に0〜150℃、より好ま
しくは室温〜100℃である。
【0060】また、反応促進剤として反応系にアミン
類、アンモニウム塩、クラウンエーテル類等を添加して
もよい。
【0061】オキシアニオン又はカルボキシレートアニ
オンの代りに前駆体であるアルコール又はカルボン酸を
用いて反応系中で塩基と作用させることによりオキシア
ニオン又はカルボキシレートアニオンを調製してもよ
い。
【0062】ビニル系重合体の側差又は主鎖中にエステ
ル基が存在する場合には求核性の高いオキシアニオンを
用いるとエステル交換を引き起こす可能性があるので求
核性の低いカルボキシレートアニオンを用いることがよ
り好ましい。水酸基からアルケニル基への変換方法 アルケニル基を少なくとも1個有するビニル系重合体
は、水酸基を少なくとも1個有するビニル系重合体から
得ることも可能であり、以下に例示する方法が利用でき
るがこれらに限定されるわけではない。
【0063】(A−g)水酸基を少なくとも1個有する
ビニル系重合体の水酸基にナトリウムメトキシドのよう
な塩基を作用させ、塩化アリルのようなアルケニル基含
有ハロゲン化物と反応させる方法。
【0064】(A−h)水酸基を少なくとも1個有する
ビニル系重合体の水酸基にアリルイソシアネート等のア
ルケニル基含有イソシアネート化合物を反応させる方
法。
【0065】(A−i)水酸基を少なくとも1個有する
ビニル系重合体の水酸基に(メタ)アクリル酸クロリ
ド、10−ウンデセン酸クロリドのようなアルケニル基
含有酸ハロゲン化物をピリジン等の塩基存在下に反応さ
せる方法。
【0066】(A−j)水酸基を少なくとも1個有する
ビニル系重合体の水酸基にアクリル酸、ペンテン酸、1
0−ウンデセン酸等のアルケニル基含有カルボン酸を酸
触媒の存在下に反応させる方法。
【0067】(A−k)水酸基を有するビニル系重合体
に、ジイソシアネート化合物を反応させ、残存イソシア
ネート基にアルケニル基と水酸基を併せ持つ化合物を反
応させる方法。アルケニル基と水酸基を併せ持つ化合物
としては特に限定されないが、例えば10−ウンデセノ
ール、5−ヘキセノール、アリルアルコールのようなア
ルケニルアルコールが挙げられる。
【0068】ジイソシアネート化合物は、特に限定され
ないが、従来公知のものをいずれも使用することがで
き、例えば、トルイレンジイソシアネート、4,4’−
ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチルジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メタキシ
リレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシ
アネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、
水素化トルイレンジイソシアネート、水素化キシリレン
ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のイ
ソシアネート化合物;等を挙げることができる。これら
は、単独で使用しうるほか、2種以上を併用することも
できる。またブロックイソシアネートを使用しても構わ
ない。
【0069】よりすぐれた耐候性を生かすためには、例
えばヘキサメチレンジイソシアネート、水素化ジフェニ
ルメタンジイソシアネート等の芳香環を有しないジイソ
シアネート化合物を用いるのが好ましい。水酸基を有するビニル系重合体の合成方法 (B)および(A−g)〜(A−j)の方法で用いる水
酸基を少なくとも1個有するビニル系重合体の製造方法
は以下のような方法が例示されるが、これらの方法に限
定されるものではない。
【0070】(B−a)原子移動ラジカル重合によりビ
ニル系重合体を合成する際に、例えば下記の一般式(1
5)に挙げられるような一分子中に重合性のアルケニル
基と水酸基を併せ持つ化合物を第2のモノマーとして反
応させる方法。 H2C=C(R14)−R15−R16−OH (15) (式中、R14、R15、R16は上記に同じ) なお、一分子中に重合性のアルケニル基と水酸基を併せ
持つ化合物を反応させる時期に制限はないが、特にリビ
ングラジカル重合で、ゴム的な性質を期待する場合には
重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後
に、第2のモノマーとして反応させるのが好ましい。
【0071】(B−b)原子移動ラジカル重合によりビ
ニル系重合体を合成する際に、重合反応の終期あるいは
所定のモノマーの反応終了後に、例えば10−ウンデセ
ノール、5−ヘキセノール、アリルアルコールのような
アルケニルアルコールを反応させる方法。
【0072】(B−f)原子移動ラジカル重合で得られ
る末端に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも
1個に有するビニル系重合体のハロゲンを加水分解ある
いは水酸基含有化合物と反応させることにより、末端に
水酸基を導入する方法。
【0073】(B−g)原子移動ラジカル重合で得られ
る末端に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも
1個有するビニル系重合体に、一般式(16)に挙げら
れるような水酸基を有する安定化カルバニオンを反応さ
せてハロゲンを置換する方法。 M+-(R18)(R19)−R20−OH (16) (式中、R18、R19、R20、は上記に同じ) R18、R19の電子吸引基としては、−CO2R(エステ
ル基)、−C(O)R(ケト基)、−CON(R2
(アミド基)、−COSR(チオエステル基)、−CN
(ニトリル基)、−NO2(ニトロ基)等が挙げられる
が、−CO2R、−C(O)Rおよび−CNが特に好ま
しい。なお、置換基Rは炭素数1〜20のアルキル基、
炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のア
ラルキル基であり、好ましくは炭素数1〜10のアルキ
ル基もしくはフェニル基である。
【0074】(B−h)原子移動ラジカル重合で得られ
る末端に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも
1個有するビニル系重合体に、例えば亜鉛のような金属
単体あるいは有機金属化合物を作用させてエノレートア
ニオンを調製し、しかる後にアルデヒド類、又はケトン
類を反応させる方法。
【0075】(B−i)原子移動ラジカル重合で得られ
る末端に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも
1個有するビニル系重合体に、例えば一般式(17)あ
るいは18に示されるような水酸基を有するオキシアニ
オンあるいはカルボキシレートアニオンを反応させてハ
ロゲンを置換する方法。 HO−R21−O-+ (17) (式中、R21およびM+は前記に同じ) HO−R22−C(O)O-+ (18) (式中、R22およびM+は前記に同じ) M+、反応条件、溶媒等については(A−f)の説明で
述べたものすべてを好適に用いることができる。 (B−j)原子移動ラジカル重合によりビニル系重合体
を合成する際に、重合反応の終期あるいは所定のモノマ
ーの反応終了後に、第2のモノマーとして、一分子中に
重合性の低いアルケニル基および水酸基を有する化合物
を反応させる方法。このような化合物としては特に限定
されないが、一般式(19)に示される化合物等が挙げ
られる。 H2C=C(R14)−R21−OH (19) (式中、R14およびR21は上述したものと同様であ
る。) 上記一般式(19)に示される化合物としては特に限定
されないが、入手が容易であるということから、10−
ウンデセノール、5−ヘキセノール、アリルアルコール
のようなアルケニルアルコールが好ましい。
【0076】(B−a)から(B−j)の合成方法のな
かでも制御がより容易である点から(B−b)、(B−
i)の方法が好ましい。固液分離処理について 次に固液分離処理について記述する。固液分離とは、ろ
過もしくは沈降によって、固体と液体の共存したスラリ
ーから固体を分離する操作である。スラリーまたはスラ
リー中の液体、固体の性質により分離方法はさらに細分
化されており、沈降分離には重力式、遠心式、静電式、
磁気式などが、ろ過分離には重力式、真空式、圧力式、
遠心式などがある。具体的には、遠心分離の重力式には
沈降タンク、傾斜分離機、向流式分離機が、遠心式には
スクロール、円筒型ボウル、分離盤型沈降、ドラム沈降
が、静電式には回転式静電セパレータが、磁気式にはシ
リンダ形磁気セパレータがあり、またろ過分離の重力式
にはストレーナ、ヌッチエ、スクリーン、砂が、真空式
には真空ヌッチェ、プレートディスク、ドラムフィル
タ、ベルトフィルタが、圧力式には加圧ヌッチェ、プレ
ートディスク、ドラムフィルタ、フィルタープレスが、
遠心式にはスクロールフィルタ、バイブレータがある
が、これらに限定されるわけではなく世間一般の分離機
を広く使用することができる。本発明においては、ろ過
分離、沈降分離のいずれも使用可能である。しかしなが
ら、除去すべき遷移金属錯体と精製すべきビニル系重合
体との比重差が大きい場合には、遠心式の分離機の使用
が望ましい。さらに望ましくは、沈降式の分離機が良
い。
【0077】遠心形の沈降分離機はいずれも穴のないボ
ウルをもつが、固体の排出方法によって、幾つかの型に
分けられる。遠心沈降機内で、固体はボウル壁面上に沈
降し、清澄液は給液口と反対側に設けられたせきを越え
て排出される。遠心沈降機としては、円筒型、スキミン
グ型、分離板型、スクリューデカンター型がある。スキ
ミング型は一般に低速回転のものであるので、比較的沈
降性がよく、分離固体がスキミングチューブで取り出せ
るかナイフで掻き取れるかの状態であることが必要であ
る。デカンター型は沈降固体粒子を連続的に外部に排出
する機構を持っており、一般に密度差が大きく、固体粒
子濃度の比較的高い場合に用いられる。円筒型は竪軸、
高速回転の円筒ボウルを上部より吊り下げ、原液の供給
は下部より、固体はボウル内に蓄積し、分離液は上部よ
り排出、ケーシングによって区分され、それぞれ取り出
される仕組みのものであり、固体比重が液体の比重より
大きいこと、固体の含有量が少ないことが必要で、通常
は固体含有量1%以下が実用範囲とされている。分離板
型は、通称ドラバル型といって、回転体内に多数の傘状
をした分離板を重ねあわせ、分離板間の小さな間隙部分
で沈降分離を行うものである。遠心沈降面積は円筒型な
どより大きく、構造は複雑なため回転数4000〜10
000rpm程度である。
【0078】本発明で使用される遠心沈降機は限定はさ
れないが、分離板型遠心機であることが好ましい。一般
的な分離板型遠心沈降機について以下に説明するが、こ
れに限定されるものではない。分離板型遠心沈降機の発
生する加速度は最大15000G程度であり、固体は濃
厚スラリとして排出される。この型のボウルは、50〜
150の円錐状の薄い分離板によって構成されている。
各々の分離板の間には、2mm厚のスペーサが設けられ
ており、この間隙を原液が通過する。固体はこの分離板
上に沈降し、板の端の方向に移動してボウル壁面上に沈
積する。清澄液はボウルの中心に集まり、底部あるいは
頂部のせきから越流する。分離板型の特長として、回転
体の中に傘状の分離板を多数挿入して、いわゆる薄層分
離を行い分離効率を上げている、という点が挙げられ
る。原液は、回転体の中心軸の上部に設けられた供給口
よりボウル内に供給され、分配器により原液を回転と等
速にして、分離板のある内部に供給される。傘状分離板
は僅少な間隔で積み重ねられ、各分離板には数個の孔が
あって、それぞれの孔は同一位置にセットされ、1つの
導通管を形成している。原液はこの導通管を通ってボウ
ルの下部より上部に流動するが、その間に重液及び固体
は分離板の内側に近く、軽液は分離板の外側に近く、相
互に外周方向と内周方向に分離されて、それぞれ頭部に
設けられた排出口よりケーシングに排出される。分離板
型遠心沈降機としては、ディスク型、ノズル型、セルフ
クリーニング型の3形式に分けられる。本発明で使用さ
れる分離板型遠心沈降機はセルフクリーニング型である
ことが好ましいが、これに限定されるわけではない。セ
ルフクリーニング型遠心沈降機は、分離した固体を自動
的に排出するもので、一般には外部より作動水を供給し
てボウルを軸方向に移動させ蓄積した固体を排出させる
ものが多い。固体の排出には運転状態で行うことも、給
液を止めて行うこともできる。本発明の最大の特徴は、
重合終了時の溶液をあまり希釈することなしに触媒の固
液分離を行うことである。重合終了時の溶液とは、原子
移動ラジカル重合を実施した後またはそれにジエン系化
合物を添加した後の液であり、重合反応に好適な溶剤が
好適な量入っている。固液分離における供給液の温度に
ついては特に制限はないが、液中の溶剤が揮発しない程
度の温度が好ましい。吸着処理について 次に吸着処理法について詳述する。本発明の精製方法に
おいては、吸着処理をおこなうことも可能である。
【0079】活性炭とは大部分が炭素質の炭であり、吸
着性は高い。製法は、例えば木材、褐炭、泥炭などを活
性化剤として塩化亜鉛やリン酸などで処理して乾留する
か、あるいは木炭などを水蒸気で活性化する。通常は粉
状あるいは粒状であり、いずれも使用することができ
る。活性炭の製造過程の結果として、化学賦活炭は酸性
を示し、本来水蒸気賦活炭は塩基性を示す。
【0080】吸着剤として活性炭とともにイオン交換樹
脂等の合成樹脂系吸着剤、ゼオライト等の無機系吸着剤
などを併用してもよいが、特に無機系吸着剤との併用が
好ましい。
【0081】合成樹脂系吸着剤としてイオン交換樹脂を
用いることができる。イオン交換樹脂としては酸性、塩
基性イオン交換樹脂の一般的なものが使用されてよい。
また、キレート型イオン交換樹脂も使用されてよい。
【0082】無機系吸着剤は固体酸、固体塩基、又は中
性の性格を有し、粒子は多孔質構造を持っているため、
吸着能は非常に高い。また、低温から高温まで使用可能
であることも特徴の一つである。無機系吸着剤としては
特に限定されないが、代表的なものとしてアルミニウ
ム、マグネシウム、ケイ素等を主成分とする単独もしく
はこれらを組み合わせたものがある。例えば二酸化珪
素;酸化マグネシウム;シリカゲル;シリカ・アルミ
ナ、アルミニウムシリケート;活性アルミナ;酸性白
土、活性白土等の粘土系吸着剤;珪酸アルミニウムナト
リウム等の含水アルミノ珪酸塩鉱物群で総称されるゼオ
ライト系吸着剤;ドーソナイト類化合物;ハイドロタル
サイト類化合物が例示される。
【0083】ゼオライトには天然産と合成品があるがい
ずれも使用されてよい。二酸化ケイ素は、結晶性、無定
形、非晶質、ガラス状、合成品、天然品などの種類が知
られるが、ここでは、粉体状であれば使用することがで
きる。二酸化ケイ素としては、活性白土を酸処理して得
られる粘土鉱物から作られるケイ酸、カープレックスB
S304、カープレックスBS304F、カープレック
ス#67、カープレックス#80(いずれもシオノギ製
薬)などの合成ケイ酸が挙げられるが、これらに限定さ
れるわけではない。
【0084】また、アルミニウムシリケートとはケイ酸
のケイ素の一部がアルミニウムに置換されたもので、軽
石、フライアッシュ、カオリン、ベントナイト、活性白
土、ケイソウ土等が知られている。この中でも、合成の
アルミニウムシリケートは比表面積も大きく吸着能力が
高い。合成アルミニウムシリケートとしてはキョーワー
ド700シリーズ(協和化学製)などが挙げられるが、
これらに限定されるわけではない。
【0085】ハイドロタルサイト類化合物はアルミニウ
ム、マグネシウムの含水水酸化物及び炭酸塩からできて
いる。合成品としてはキョーワード500シリーズ、キ
ョーワード1000シリーズ(いずれも協和化学製)な
どが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0086】活性炭とともに、酸性吸着剤及び/又は塩
基性吸着剤との併用も好ましい。本発明における「酸性
(若しくは塩基性)吸着剤」の定義は、「吸着剤の液性
が酸性(塩基性吸着剤の場合は塩基性)を示す吸着剤」
又は「塩基性化合物(塩基性吸着剤の場合は酸性化合
物)に対する吸着能が高い吸着剤」である。併用する吸
着剤としては無機系吸着剤が好ましく、上述のものが使
用されてよい。例えば、酸性の無機系吸着剤としては酸
性白土、活性白土、アルミニウムシリケート等が、塩基
性の無機系吸着剤としては例えば活性アルミナ、珪酸ア
ルミニウムナトリウム等の含水アルミノ珪酸塩鉱物群で
総称されるゼオライト系吸着剤、ハイドロタルサイト類
化合物が挙げられる。
【0087】活性炭等の吸着剤は単独で用いても2種以
上を混合して用いてもかまわない。
【0088】原子移動ラジカル重合により製造されるビ
ニル系重合体は活性炭と接触させることにより精製する
ことができる。活性炭以外の吸着剤と併用して吸着処理
を行う場合は吸着剤を混合して接触させることもできる
が、それぞれ別々の工程で接触させてもよい。吸着剤と
接触させる際は無溶剤でも溶剤で希釈しても構わない。
希釈溶剤としては一般的なものが使用されてよい。吸着
剤処理の温度については特に制限はないが、一般に0℃
〜200℃、好ましくは室温〜180℃で行うのがよ
い。また、吸着剤の使用量は、ビニル系重合体100重
量部に対して0.1〜500重量部の範囲であるが、経
済性と操作面から更に好適には0.5〜10重量部の範
囲である。
【0089】吸着剤と重合体又は重合体溶液の固液接触
には様々な実施態様が可能であるが、撹拌混合と固液分
離を回分操作で行う回分式のほか、吸着剤を容器に充填
し重合体溶液を通液する固定層方式、吸着剤の移動層に
液を通じる移動層式、吸着剤を液で流動化して吸着を行
う流動層式等も利用できる。さらに必要に応じて撹拌に
よる混合分散に加えて、容器の振とう、超音波の利用な
ど、分散効率を向上させる諸操作を取り入れることがで
きる。
【0090】重合体又は重合体溶液を吸着剤に接触させ
た後、濾過、遠心分離、沈降分離等の方法で吸着剤を除
去し、必要に応じて希釈、水洗を加え、目的とする清澄
な重合体溶液を得る。
【0091】吸着処理は最終生成物であるビニル系重合
体に対して行えばよいが、該ビニル系重合体を製造する
ための中間生成物に対して行ってもよい。例えば、原子
移動ラジカル重合により得られるアルケニル基を有する
ビニル系重合体については該重合体又は該ビニル系重合
体を製造するための中間生成物である反応性の高い炭素
ハロゲン結合を有するビニル系重合体、水酸基を有する
ビニル系重合体等のビニル系重合体に対しても吸着処理
を行うことができる。ヒドロシリル化反応性組成物 本発明のヒドロシリル化反応性組成物は前述の吸着処理
を行ったビニル系重合体を含有するものである。
【0092】本発明のヒドロシリル化反応性組成物とし
ては例えば、(A)分子内にアルケニル基を有するビニ
ル系重合体、(B)ヒドロシリル基含有化合物を含有す
るヒドロシリル化反応性組成物が挙げられる。
【0093】A成分のビニル系重合体は上述の原子移動
ラジカル重合を利用して得られる分子内にアルケニル基
を有するビニル系重合体であり、上述のものが使用され
てよい。B成分のヒドロシリル基含有化合物としては特
に制限はなく、各種のものを用いることができる。例え
ば、分子内に少なくとも1.1個のヒドロシリル基を有
する化合物、架橋性シリル基を併せ持つヒドロシラン化
合物等が挙げられる。以下に具体的なヒドロシリル化反
応性組成物を示す。 <ヒドロシリル化反応性組成物(1)>B成分が分子内
に少なくとも1.1個のヒドロシリル基を有する化合物
である場合には、組成物はヒドロシリル化反応により硬
化物を与える。すなわち、ヒドロシリル化反応性組成物
は硬化性組成物(硬化性組成物(I))である。
【0094】このような分子内に少なくとも1.1個の
ヒドロシリル基を有する化合物としては特に限定されな
いが、例えば、一般式(22)または(23)で表され
る鎖状ポリシロキサン; R23 3SiO−[Si(R232O]a−[Si(H)(R24)O]b−[Si(R 24 )(R25)O]c−SiR23 3 (22) HR23 2SiO−[Si(R232O]a−[Si(H)(R24)O]b−[Si( R24)(R25)O]c−SiR23 2H (23) (式中、R23およびR24は炭素数1〜6のアルキル基、
または、フェニル基、R 25は炭素数1〜10のアルキル
基またはアラルキル基を示す。aは0≦a≦100、b
は2≦b≦100、cは0≦c≦100を満たす整数を
示す。) 一般式(24)で表される環状シロキサン;
【0095】
【化6】 (式中、R26およびR27は炭素数1〜6のアルキル基、
または、フェニル基、R 28は炭素数1〜10のアルキル
基またはアラルキル基を示す。dは0≦d≦8、eは2
≦e≦10、fは0≦f≦8の整数を表し、かつ3≦d
+e+f≦10を満たす。)等の化合物を用いることが
できる。
【0096】これらは単独で用いても2種以上を混合し
て用いてもかまわない。これらのシロキサンの中でも
(メタ)アクリル系重合体との相溶性の観点から、フェ
ニル基を有する下記一般式(25)、(26)で表され
る鎖状シロキサンや、一般式(27)、(28)で表さ
れる環状シロキサンが好ましい。 (CH33SiO−[Si(H)(CH3)O]g−[Si(C652O]h−S i(CH33 (25) (CH33SiO−[Si(H)(CH3)O]g−[Si(CH3){CH2C( H)(R24)C65}O]h−Si(CH33 (26) (式中、R24は水素またはメチル基を示す。gは2≦g
≦100、hは0≦h≦100の整数を示す。C65
フェニル基を示す。)
【0097】
【化7】 (式中、R29は水素、またはメチル基を示す。iは2≦
i≦10、jは0≦j≦8、かつ3≦i+j≦10を満
たす整数を示す。C65はフェニル基を示す。)E成分
の少なくとも1.1個のヒドロシリル基を有する化合物
としてはさらに、分子中に2個以上のアルケニル基を有
する低分子化合物に対し、一般式(22)から(28)
に表されるヒドロシリル基含有化合物を、反応後にも一
部のヒドロシリル基が残るようにして付加反応させて得
られる化合物を用いることもできる。分子中に2個以上
のアルケニル基を有する化合物としては、各種のものを
用いることができる。例示するならば、1,4−ペンタ
ジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエ
ン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,
9−デカジエン等の炭化水素系化合物、O,O’−ジア
リルビスフェノールA、3,3’−ジアリルビスフェノ
ールA等のエーテル系化合物、ジアリルフタレート、ジ
アリルイソフタレート、トリアリルトリメリテート、テ
トラアリルピロメリテート等のエステル系化合物、ジエ
チレングリコールジアリルカーボネート等のカーボネー
ト系化合物が挙げられる。
【0098】上記一般式(22)から(28)に示した
過剰量のヒドロシリル基含有化合物に対し、ヒドロシリ
ル化触媒の存在下、上に挙げたアルケニル基含有化合物
をゆっくり滴下することにより該化合物を得ることがで
きる。このような化合物のうち、原料の入手容易性、過
剰に用いたシロキサンの除去のしやすさ、さらにはビニ
ル系重合体への相溶性を考慮して、下記のものが好まし
い。
【0099】
【化8】 A成分のビニル系重合体とB成分のヒドロシリル基含有
化合物は任意の割合で混合することができるが、硬化性
の面から、アルケニル基とヒドロシリル基のモル比が5
〜0.2の範囲にあることが好ましく、さらに、2.5
〜0.4であることが特に好ましい。モル比が5以上に
なると硬化が不十分でべとつきのある強度の小さい硬化
物しか得られず、また、0.2より小さいと、硬化後も
硬化物中に活性なヒドロシリル基が大量に残るので、ク
ラック、ボイドが発生し、均一で強度のある硬化物が得
られない。
【0100】A成分のビニル系重合体とB成分のヒドロ
シリル基含有化合物との硬化反応は、2成分を混合して
加熱することにより進行するが、反応をより迅速に進め
るために、ヒドロシリル化触媒を添加することができ
る。このようなヒドロシリル化触媒としては特に限定さ
れず、例えば、有機過酸化物やアゾ化合物等のラジカル
開始剤、および遷移金属触媒が挙げられる。
【0101】ラジカル開始剤としては特に限定されず、
例えば、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキ
シ)−3−ヘキシン、ジクミルペルオキシド、t−ブチ
ルクミルペルオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルペ
ルオキシ)イソプロピルベンゼンのようなジアルキルペ
ルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベン
ゾイルペルオキシド、m−クロロベンゾイルペルオキシ
ド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロ
イルペルオキシドのようなジアシルペルオキシド、過安
息香酸−t−ブチルのような過酸エステル、過ジ炭酸ジ
イソプロピル、過ジ炭酸ジ−2−エチルヘキシルのよう
なペルオキシジカーボネート、1,1−ジ(t−ブチル
ペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチル
ペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
のようなペルオキシケタール等を挙げることができる。
【0102】また、遷移金属触媒としても特に限定され
ず、例えば、白金単体、アルミナ、シリカ、カーボンブ
ラック等の担体に白金固体を分散させたもの、塩化白金
酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等と
の錯体、白金−オレフィン錯体、白金(0)−ジビニル
テトラメチルジシロキサン錯体が挙げられる。白金化合
物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh33,R
hCl3,RuCl3,IrCl3,FeCl3,AlCl
3,PdCl2・H2O,NiCl2,TiCl4等が挙げ
られる。これらの触媒は単独で用いてもよく、2種類以
上を併用してもかまわない。触媒量としては特に制限は
ないが、(A)成分のアルケニル基1molに対し、1
-1〜10-8molの範囲で用いるのが良く、好ましく
は10-3〜10-6molの範囲で用いるのがよい。10
-8molより少ないと硬化が十分に進行しない。またヒ
ドロシリル化触媒は一般に高価で腐食性であり、また、
水素ガスを大量に発生して硬化物が発泡してしまう場合
があるので10-1mol以上用いないのが好ましい。
【0103】硬化温度については特に制限はないが、一
般に0℃〜200℃、好ましくは30℃〜150℃、さ
らに好ましくは80℃〜150℃で硬化させるのがよ
い。これにより短時間で硬化性組成物を得ることができ
る。 <ヒドロシリル化反応性組成物(2)>B成分のヒドロ
シリル基含有化合物として架橋性シリル基を併せ持つヒ
ドロシラン化合物を用いてもよい。架橋性シリル基を併
せ持つヒドロシラン化合物としては特に制限はないが、
代表的なものを示すと、一般式29で示される化合物が
例示される。 H−[Si(R112-b(Y)bO]m−Si(R123-a(Y)a (29) {式中、R11、R12は、いずれも炭素数1〜20のアル
キル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20
のアラルキル基、または(R’)3SiO−(R’は炭
素数1〜20の1価の炭化水素基であって、3個のR’
は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示され
るトリオルガノシロキシ基を示し、R11またはR12が2
個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異
なっていてもよい。Yは水酸基または加水分解性基を示
し、Yが2個以上存在するときそれらは同一であっても
よく、異なっていてもよい。aは0,1,2,または3
を、また、bは0,1,または2を示す。mは0〜19
の整数である。ただし、a+mb≧1であることを満足
するものとする。} 加水分解性基としては、たとえば、水素原子、アルコキ
シ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、
アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニル
オキシ基などの一般に使用されている基があげられる。
これらのうちでは、アルコキシ基、アミド基、アミノオ
キシ基が好ましいが、加水分解性がマイルドで取り扱い
易いという点から、アルコキシ基がとくに好ましい。
【0104】加水分解性基や水酸基は、1個のケイ素原
子に1〜3個の範囲で結合することができ、(a+Σ
b)は1〜5個の範囲が好ましい。加水分解性基や水酸
基が架橋性シリル基中に2個以上結合する場合には、そ
れらは同じであってもよいし、異なってもよい。架橋性
シリル基を形成するケイ素原子は1個以上であるが、シ
ロキサン結合などにより連結されたケイ素原子の場合に
は、20個以下であることが好ましい。
【0105】これらヒドロシラン化合物の中でも、特に
一般式30 H−Si(R123-a(Y)a (30) (式中、R12、Y、aは前記に同じ) で示される架橋性基を有する化合物が入手容易な点から
好ましい。
【0106】B成分として上述のヒドロシラン化合物を
用いたヒドロシリル化反応性組成物をヒドロシリル化す
ることにより分子内に架橋性シリル基を有するビニル系
重合体が得られる。
【0107】分子内に少なくとも1.1個架橋性シリル
基を有するビニル系重合体は架橋し、硬化物を与える。
上記方法により得られる分子内に少なくとも1.1個架
橋性シリル基を有するビニル系重合体及び該ビニル系重
合体を含有する硬化性組成物(硬化性組成物(2))も
本発明の一つである。
【0108】本発明の架橋性シリル基としては、一般式
31; −[Si(R112-b(Y)bO]m−Si(R123-a(Y)a (31) {式中、R11、R12は、いずれも炭素数1〜20のアル
キル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20
のアラルキル基、または(R’)3SiO−(R’は炭
素数1〜20の1価の炭化水素基であって、3個のR’
は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示され
るトリオルガノシロキシ基を示し、R11またはR12が2
個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異
なっていてもよい。Yは水酸基または加水分解性基を示
し、Yが2個以上存在するときそれらは同一であっても
よく、異なっていてもよい。aは0,1,2,または3
を、また、bは0,1,または2を示す。mは0〜19
の整数である。ただし、a+mb≧1であることを満足
するものとする。}で表される基があげられる。
【0109】加水分解性基としては、たとえば、水素原
子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート
基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト
基、アルケニルオキシ基などの一般に使用されている基
があげられる。これらのうちでは、アルコキシ基、アミ
ド基、アミノオキシ基が好ましいが、加水分解性がマイ
ルドで取り扱い易いという点から、アルコキシ基がとく
に好ましい。
【0110】加水分解性基や水酸基は、1個のケイ素原
子に1〜3個の範囲で結合することができ、(a+Σ
b)は1〜5個の範囲が好ましい。加水分解性基や水酸
基が架橋性シリル基中に2個以上結合する場合には、そ
れらは同じであってもよいし、異なってもよい。架橋性
シリル基を形成するケイ素原子は1個以上であるが、シ
ロキサン結合などにより連結されたケイ素原子の場合に
は、20個以下であることが好ましい。とくに、一般式
32 −Si(R123-a(Y)a (32) (式中、R10、Y、aは前記と同じ。)で表される架橋
性シリル基が、入手が容易であるので好ましい。
【0111】本発明の架橋性シリル基を有するビニル系
重合体を硬化させて成る硬化物にゴム的な性質が特に要
求される場合には、ゴム弾性に大きな影響を与える架橋
点間分子量が大きくとれるため、架橋性シリル基の少な
くとも1個は分子鎖の末端にあることが好ましい。より
好ましくは、全ての官能基を分子鎖末端に有するもので
ある。
【0112】A成分のビニル系重合体とB成分の架橋性
シリル基を併せ持つヒドロシラン化合物の割合は特に限
定されないが、ヒドロシリル基がアルケニル基に対して
当量以上であることが好ましい。
【0113】ヒドロシリル化反応をより迅速に進めるた
めに、ヒドロシリル化触媒を添加することができる。こ
のようなヒドロシリル化触媒としては既に例示したもの
が使用されてよい。
【0114】反応温度については特に制限はないが、一
般に0℃〜200℃、好ましくは30℃〜150℃、さ
らに好ましくは80℃〜150℃である。
【0115】硬化性組成物(2)を硬化させるにあたっ
ては縮合触媒を使用してもしなくてもよい。縮合触媒と
してはテトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネ
ート等のチタン酸エステル;ジブチル錫ジラウレート、
ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫マレエ
ート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジメトキシ
ド、オクチル酸錫、ナフテン酸錫等の有機錫化合物;オ
クチル酸鉛、ブチルアミン、オクチルアミン、ジブチル
アミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、
トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエ
チレンテトラミン、オレイルアミン、オクチルアミン、
シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミ
ノプロピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレン
ジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,
4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、
モルホリン、N−メチルモルホリン、1,3−ジアザビ
シクロ(5,4,6)ウンデセン−7等のアミン系化合
物あるいはそれらのカルボン酸塩;ラウリルアミンとオ
クチル酸錫の反応物あるいは混合物のようなアミン系化
合物と有機錫化合物との反応物および混合物;過剰のポ
リアミンと多塩基酸から得られる低分子量ポリアミド樹
脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物の反応生成物;
アミノ基を有するシランカップリング剤、例えば、γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノ
エチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン等の公
知のシラノール触媒1種または2種以上を必要に応じて
用いればよい。使用量は末端に架橋性シリル基を有する
ビニル系重合体に対し、0〜10重量%で使用するのが
好ましい。加水分解性基Yとしてアルコキシ基が使用さ
れる場合は、この重合体のみでは硬化速度が遅いので、
硬化触媒を使用することが好ましい。 <硬化性組成物>上記硬化性組成物(1)、硬化性組成
物(2)には、物性を調整するために各種の添加剤、例
えば、難燃剤、老化防止材、充填材、可塑剤、物性調整
剤、反応希釈剤、接着性付与剤、貯蔵安定性改良剤、溶
剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止
剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、発泡剤、光硬
化性樹脂などを必要に応じて適宜配合してもよい。これ
らの各種添加剤は単独で用いてもよく、2種類以上を併
用してもよい。
【0116】また、ビニル系重合体は本来、耐久性に優
れた重合体であるので、老化防止剤は必ずしも必要では
ないが、従来公知の酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定
剤等を適宜用いることができる。 <充填材>配合できる充填材としては、特に限定されな
いが、強度などの物性を付与するために例えば、微粉末
シリカ、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン、珪藻
土、硫酸バリウム、カーボンブラック、表面処理微細炭
酸カルシウム、焼成クレー、クレーおよび活性亜鉛華等
の補強性充填材などが挙げられる。補強性充填材は単独
で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの
中でもシリカ微粉末が好ましく、湿式製造法等から得ら
れる含水シリカ、および乾式製造法等から得られる乾式
シリカなどが用いることができる。これらのうちで組成
物に水分が多く含まれると硬化反応時に副反応等が起こ
る可能性があるため、無水シリカが特に好ましい。更に
無水シリカの表面を疎水処理したものが成形に適した流
動性を発現しやすいため特に好ましい。また他に、増量
あるいは物性調整のために補強性のあまり強くない充填
材も用いることができる。 <可塑剤>配合できる可塑剤としては特に限定されない
が、物性の調整、性状の調節等の目的により、例えば、
ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−
エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレー
ト等のフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジ
オクチルセバケート、ジブチルセバケート、コハク酸イ
ソデシル等の非芳香族二塩基酸エステル類;オレイン酸
ブチル、アセチルリシリノール酸メチル等の脂肪族エス
テル類;ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエ
チレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトー
ルエステル等のポリアルキレングリコールのエステル
類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェー
ト等のリン酸エステル類;トリメリット酸エステル類;
ポリスチレンやポリ−α−メチルスチレン等のポリスチ
レン類;ポリブタジエン、ポリブテン、ポリイソブチレ
ン、ブタジエン−アクリロニトリル、ポリクロロプレ
ン;塩素化パラフィン類;アルキルジフェニル、部分水
添ターフェニル、等の炭化水素系油;プロセスオイル
類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポ
リオールとこれらポリエーテルポリオールの水酸基をエ
ステル基、エーテル基などに変換した誘導体等のポリエ
ーテル類;エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベ
ンジル等のエポキシ可塑剤類;セバシン酸、アジピン
酸、アゼライン酸、フタル酸等の2塩基酸とエチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール
等の2価アルコールから得られるポリエステル系可塑剤
類;アクリル系可塑剤を始めとするビニル系モノマーを
種々の方法で重合して得られるビニル系重合体類等を単
独、または2種以上混合して使用することができるが、
必ずしも必要とするものではない。なおこれら可塑剤
は、重合体製造時に配合することも可能である。 <貯蔵安定性改良剤>配合できる貯蔵安定性改良剤は、
本組成物の貯蔵時の増粘および貯蔵後の硬化速度の著し
い変化を抑えることができるものであれば特に限定され
ず、例えば、ベンゾチアゾール、ジメチルマレート等が
挙げられる。 <溶剤>配合できる溶剤としては、例えばトルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブ
チル、酢酸アミル、酢酸セロソルブ等のエステル系溶
剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ
イソブチルケトン等のケトン系溶剤等が挙げられる。そ
れらの溶剤は重合体の製造時に用いてもよい。 <接着性付与剤>配合できる接着性付与剤としては硬化
物に接着性を付与するものであれば特に限定されない
が、架橋性シリル基含有化合物が好ましく、更にはシラ
ンカップリング剤が好ましい。これらを具体的に例示す
ると、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシ
シラン、トリメチルメトキシシラン、n−プロピルトリ
メトキシシラン等のアルキルアルコキシシラン類;ジメ
チルジイソプロペノキシシラン、メチルトリイソプロペ
ノキシシラン等のアルキルイソプロペノキシシラン;ビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオ
キシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクロイル
オキシプロピルメチルトリエトキシシラン等のビニル型
不飽和基含有シラン類;シリコーンワニス類;ポリシロ
キサン類等が挙げられる。
【0117】それらの中でも分子中にエポキシ基、(メ
タ)アクリル基、イソシアネート基、イソシアヌレート
基、カルバメート基、アミノ基、メルカプト基、カルボ
キシル基等の炭素原子および水素原子以外の原子を有す
る有機基と架橋性シリル基を併せ持つシランカップリン
グ剤が好ましい。これらを具体的に例示すると、イソシ
アネート基を有するアルコキシシラン類としては、γ−
イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソ
シアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシア
ネートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシア
ネートプロピルメチルジメトキシシラン等のイソシアネ
ート基含有シラン類、;イソシアヌレート基を有するア
ルコキシシラン類としては、トリス(トリメトキシシリ
ル)イソシアヌレート等のイソシアヌレートシラン類;
アミノ基を有するアルコキシシラン類としては、γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピル
トリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメト
キシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラ
ン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−ア
ミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミ
ノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、
N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチル
ジエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシ
シラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、N−ベンジル−γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピル
トリエトキシシラン等のアミノ基含有シラン類;メルカ
プト基を有するアルコキシシラン類としては、γ−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメ
チルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチル
ジエトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;カル
ボキシル基を有するアルコキシシラン類としては、β−
カルボキシエチルトリエトキシシラン、β−カルボキシ
エチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、
N−β−(カルボキシメチル)アミノエチル−γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン等のカルボキシシラン
類;ハロゲン基を有するアルコキシシラン類としては、
γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲン含
有シラン類等が挙げられる。
【0118】また、これらを変性した誘導体である、ア
ミノ変性シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不
飽和アミノシラン錯体、フェニルアミノ長鎖アルキルシ
ラン、アミノシリル化シリコーン、シリル化ポリエステ
ル等もシランカップリング剤として用いることができ
る。
【0119】更にこれらの中でも、硬化性及び接着性の
点から、分子中にエポキシ基あるいは(メタ)アクリル
基を有するアルコキシシラン類がより好ましい。これら
を更に具体的に例示すると、エポキシ基を有するアルコ
キシシラン類としては、γ−グリシドキシプロピルメチ
ルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシ
シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチ
ルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)エチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルメチルジイソプロペノキシシラン等が、(メ
タ)アクリル基を有するアルコキシシラン類としては、
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−
メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アク
リロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキ
シプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチル
トリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキ
シシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、ア
クリロキシメチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよく、また2種以上を併用して
もよい。
【0120】また、接着性を更に向上させるために、架
橋性シリル基縮合触媒を上記接着性付与剤とともに併用
することができる。架橋性シリル基縮合触媒としては、
ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセチルアセト
ナート、ジブチル錫ジメトキシド、オクチル酸錫等の有
機錫化合物、アルミニウムアセチルアセトナート等の有
機アルミニウム化合物、テトライソプロポキシチタン、
テトラブトキシチタン等の有機チタン化合物などが挙げ
られる。
【0121】シランカップリング剤以外の具体例として
は、特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、フェ
ノール樹脂、硫黄、アルキルチタネート類、芳香族ポリ
イソシアネート等が挙げられる。
【0122】上記接着性付与剤は、ビニル系重合体10
0重量部に対して、0.01〜20重量部配合するのが
好ましい。0.01重量部未満では接着性の改善効果が
小さく、20重量部を越えると硬化物物性に悪影響を与
える。好ましくは0.1〜10重量部であり、更に好ま
しくは0.5〜5重量部である。
【0123】上記接着性付与剤は1種類のみで使用して
も良いし、2種類以上混合使用しても良い。これら接着
性付与剤は添加することにより被着体に対する接着性を
改善することができる。 <成形方法>本発明の硬化性組成物を成形体として用い
る場合の成形方法としては、特に限定されず、一般に使
用されている各種の成形方法を用いることができる。例
えば、注型成形、圧縮成形、トランフファー成形、射出
成形、押し出し成形、回転成形、中空成形、熱成形など
が挙げられる。特に自動化、連続化が可能で、生産性に
優れるという観点から射出成形によるものが好ましい。
また、ガスケットとして用いる場合等には、フランジ面
等に塗布した硬化性組成物を未硬化状態で両面から挟み
付けた後、硬化させるウエットタイプと、硬化させてか
ら挟み付けるドライタイプの両者が可能である。 <用途>本発明の硬化性組成物は、限定はされないが、
建築用弾性シーリング材や複層ガラス用シーリング材等
におけるシーリング材、太陽電池裏面封止材などの電気
・電子部品材料、電線・ケーブル用絶縁被覆材などの電
気絶縁材料、粘着剤、接着剤、弾性接着剤、塗料、粉体
塗料、コーティング材、発泡体、電気電子用ポッティン
グ材、フィルム、ガスケット、注型材料、人工大理石、
各種成形材料、および、網入りガラスや合わせガラス端
面(切断部)の防錆・防水用封止材等の様々な用途に利
用可能である。
【0124】更に、本発明の硬化性組成物から得られた
ゴム弾性を示す成形体は、ガスケット、パッキン類を中
心に広く使用することができる。例えば自動車分野では
ボディ部品として、気密保持のためのシール材、ガラス
の振動防止材、車体部位の防振材、特にウインドシール
ガスケット、ドアガラス用ガスケットに使用することが
できる。シャーシ部品として、防振、防音用のエンジン
およびサスペンジョンゴム、特にエンジンマウントラバ
ーに使用することができる。エンジン部品としては、冷
却用、燃料供給用、排気制御用などのホース類、エンジ
ンオイル用シール材などに使用することができる。ま
た、排ガス清浄装置部品、ブレーキ部品にも使用でき
る。家電分野では、パッキン、Oリング、ベルトなどに
使用できる。具体的には、照明器具用の飾り類、防水パ
ッキン類、防振ゴム類、防虫パッキン類、クリーナ用の
防振・吸音と空気シール材、電気温水器用の防滴カバ
ー、防水パッキン、ヒータ部パッキン、電極部パッキ
ン、安全弁ダイアフラム、酒かん器用のホース類、防水
パッキン、電磁弁、スチームオーブンレンジ及びジャー
炊飯器用の防水パッキン、給水タンクパッキン、吸水バ
ルブ、水受けパッキン、接続ホース、ベルト、保温ヒー
タ部パッキン、蒸気吹き出し口シールなど燃焼機器用の
オイルパッキン、Oリング、ドレインパッキン、加圧チ
ューブ、送風チューブ、送・吸気パッキン、防振ゴム、
給油口パッキン、油量計パッキン、送油管、ダイアフラ
ム弁、送気管など、音響機器用のスピーカーガスケッ
ト、スピーカーエッジ、ターンテーブルシート、ベル
ト、プーリー等が挙げられる。建築分野では、構造用ガ
スケット(ジッパーガスケット)、空気膜構造屋根材、
防水材、定形シーリング材、防振材、防音材、セッティ
ングブロック、摺動材等に使用できる。スポ―ツ分野で
は、スポーツ床として全天候型舗装材、体育館床等、ス
ポーツシューズとして靴底材、中底材等、球技用ボール
としてゴルフボール等に使用できる。防振ゴム分野で
は、自動車用防振ゴム、鉄道車両用防振ゴム、航空機用
防振ゴム、防舷材等に使用できる。海洋・土木分野で
は、構造用材料として、ゴム伸縮継手、支承、止水板、
防水シート、ラバーダム、弾性舗装、防振パット、防護
体等、工事副材料としてゴム型枠、ゴムパッカー、ゴム
スカート、スポンジマット、モルタルホース、モルタル
ストレーナ等、工事補助材料としてゴムシート類、エア
ホース等、安全対策商品としてゴムブイ、消波材等、環
境保全商品としてオイルフェンス、シルトフェンス、防
汚材、マリンホース、ドレッジングホース、オイルスキ
マー等に使用できる。その他、板ゴム、マット、フォー
ム板等にも使用できる。
【0125】
【実施例】以下に、具体的な実施例を示すが、下記実施
例に限定されるものではない。 (製造例1)還流塔および攪拌機付きの50Lの反応釜
に、アセトニトリル(2640g)中にCuBr(25
1.82g、1.76mol)を分散させた懸濁液を仕
込み、反応釜内を窒素シールした後65℃で30分間攪
拌した。これにアクリル酸ブチル(6.0kg)、2,
5−ジブロモアジピン酸ジエチル(526.70g、
1.46mol)、アセトニトリル(695g)、ペン
タメチルジエチレントリアミン(12.0mL、58.
5mmol)(これ以降トリアミンと表す)を加え、反
応を開始した。80℃で加熱攪拌しながら、アクリル酸
ブチル(24.0kg)を連続的に滴下した。アクリル
酸ブチルの滴下途中にトリアミン(36.0mL、17
6mmol)を追加した。引き続き80℃で加熱攪拌
後、1,7−オクタジエン(6.448kg)、トリア
ミン(120.0mL、585mmol)を添加し、さ
らに80℃で4時間加熱攪拌を続けた。その後一時加熱
攪拌を中断し、トリアミン(80.0mL、390mm
ol)を追加して90℃で4時間加熱攪拌を行うことに
より、重合体[1]を含有する反応混合物(重合反応混
合物[1])を得た。重合体[1]はGPC測定(ポリ
スチレン換算)により数平均分子量は23600、分子
量分布は1.21であり、重合体1分子当たりに導入さ
れた平均のアルケニル基の数を1H NMR分析により
求めたところ、2.9個であった。
【0126】製造例1で製造された重合反応混合物
[1]に対して固液分離処理を実施した。 (実施例1)製造例1で得られた重合反応混合物[1]
に対して分離盤型遠心沈降機(LAPX202、アルフ
ァラバル(株)製を用いて固形分を分離除去した。LA
PX202は操作水を流す構造になっており、操作水を
止めるとスラッジ排出口が開き固形分が排出される構造
になっている。温度調節機能付きのタンクに水を入れて
70℃に保ち、ポンプでLAPX202に送液して操作
水とするとともに、分離盤型遠心分離機を昇温した。攪
拌機付きの加温槽に重合反応混合物[1]を入れ、70
℃に保った状態で、分離機の回転数10000rpm
(最大G8200G)として、140ml/minの流
量で重合反応混合物[1]を供給した。供給開始から1
5分後に清澄液側をサンプリングし、重量で3倍量のト
ルエンで希釈して透明容器に入れラボ遠心分離(200
0Gで2分)を実施したところ、目視では銅の沈殿は確
認できなかった。また、清澄液側サンプリングと同時に
操作水を止めてスラッジ排出を実施したが、銅の固形物
の排出が確認された。 (実施例2)製造例1で得られた重合反応混合物[1]
に対して分離盤型遠心沈降機(LAPX202、アルフ
ァラバル(株)製を用いて固形分を分離除去した。LA
PX202は操作水を流す構造になっており、操作水を
止めるとスラッジ排出口が開き固形分が排出される構造
になっている。温度調節機能付きのタンクに水を入れて
70℃に保ち、ポンプでLAPX202に送液して操作
水とするとともに、分離盤型遠心分離機を昇温した。攪
拌機付きの加温槽に重合反応混合物[1]を入れ、70
℃に保った状態で、分離機の回転数10000rpm
(最大G8200G)として、140ml/minの流
量で重合反応混合物[1]を供給した。供給開始から4
0分後に清澄液側をサンプリングし、重量で3倍量のト
ルエンで希釈して透明容器に入れラボ遠心分離(200
0Gで2分)を実施したところ、目視では銅の沈殿は確
認できなかった。また、清澄液側サンプリングと同時に
操作水を止めてスラッジ排出を実施したが、銅の固形物
の排出が確認された。 (比較例1)製造例1で得られた重合反応混合物[1]
を重量で3倍量のトルエンで希釈して透明容器に入れラ
ボ遠心分離(2000Gで2分)を実施したところ、目
視により銅の沈殿を確認できた。実施例1、2および比
較例1より、分離盤型遠心分離機により銅触媒を分離で
きることがわかった。 (製造例2)還流管および攪拌機付きの10Lのセパラ
ブルフラスコに、CuBr(50.4g、0.35mo
l)を仕込み、反応容器内を窒素置換した。アセトニト
リル(670mL)を加え、オイルバス中70℃で30
分間攪拌した。これにアクリル酸ブチル(1.20k
g)、2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル(105
g、0.29mol)、ペンタメチルジエチレントリア
ミン(2.44mL、11.7mmol)(これ以降ト
リアミンと表す)を加え、反応を開始した。70℃で加
熱攪拌しながら、アクリル酸ブチル(4.80kg)を
連続的に滴下した。アクリル酸ブチルの滴下途中にトリ
アミン(9.8mL、47mmol)を追加した。引き
続き70℃で加熱攪拌後、1,7−オクタジエン(1.
73L)、トリアミン(18.3mL、88mmol)
を添加し、さらに70℃で4時間加熱攪拌を続けること
により、重合体[2]を含有する反応混合物(重合反応
混合物[2])を得た。重合体[2]はGPC測定(ポ
リスチレン換算)により数平均分子量は26600、分
子量分布は1.27であり、重合体1分子当たりに導入
された平均のアルケニル基の数を1 H NMR分析によ
り求めたところ、2.7個であった。製造例2で製造さ
れた重合反応混合物[2]に対して固液分離処理を実施
した。 (実施例2)製造例2で得られた重合反応混合物(2)
を重量で3倍量のトルエンで希釈し、分離板型遠心沈降
機(LAPX202、アルファラバル(株)製)を用い
て固形分を分離除去した。回転数10000rpm(最
大G値8200G)、操作水及び供給液の温度は25℃
とした。分離後の液を透明容器に入れラボ遠心分離(2
000Gで2分)を実施したところ、目視では銅の沈殿
は確認できなかった。
【0127】トルエン等の溶剤で希釈することにより常
温においても固液分離可能であるが、重合反応混合物中
の溶剤(アセトニトリル、トリアミン、1,7−オクタ
ジエン等)に加え重合体の重量の3倍のトルエンが混合
されるため、溶剤を留去した重合体を得るための蒸発設
備の必要能力が大きくなる、重合およびジエン導入反応
でリサイクル使用する溶剤(アセトニトリル、1,7−
オクタジエン)をトルエンと分離する蒸留設備が必要と
なる、という問題が生じる。
【0128】
【発明の効果】本発明によれば、原子移動ラジカル重合
により製造されたビニル系重合体を含む反応液を希釈す
ることなしに触媒の固液分離を行うことにより、重合に
使用した溶剤の分離回収のために蒸留設備が必要とな
る、溶剤蒸発設備が大型化するといった課題が解決さ
れ、該重合体をヒドロシリル化反応性組成物の成分とし
て用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BG032 BG042 CP042 CP062 EX006 EX046 FD010 FD020 FD207 FD340 GH00 GJ02 GL00 GM00 GN00 GQ00 GQ01 4J100 AB07Q AC02Q AC07Q AE26Q AG24Q AG62Q AL03P AL03Q AL08R AS11Q BA04Q BA04R BA10Q BA57Q BB00Q BB01Q BB03Q BB05Q BC04Q BC43Q CA04 CA05 CA06 DA01 DA04 FA37 GC07 GC10 GC37

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遷移金属錯体を重合触媒とするビニル系
    モノマーの原子移動ラジカル重合により製造されるビニ
    ル系重合体と重合触媒とを固液分離する精製方法であっ
    て、重合終了時の溶液中の重合体濃度A(重量%)と、
    触媒の固液分離の時の溶液中の重合体濃度B(重量%)
    が、1.1A≧B≧0.9Aという関係を有することを
    特徴とするビニル系重合体の精製方法。
  2. 【請求項2】 固液分離装置として分離盤型遠心沈降機
    を用いることを特徴とする請求項1に記載の精製方法。
  3. 【請求項3】 ビニル系重合体が、分子内に少なくとも
    1個アルケニル基を有するものであることを特徴とする
    請求項1又は2に記載の精製方法。
  4. 【請求項4】 アルケニル基がビニル系重合体の分子鎖
    末端に存在することを特徴とする請求項3記載の精製方
    法。
  5. 【請求項5】 ビニル系重合体が、原子移動ラジカル重
    合において重合中あるいは重合終了後に重合性の低い炭
    素−炭素二重結合を2個以上有する化合物を添加するこ
    とにより製造されることを特徴とする請求項4記載の精
    製方法。
  6. 【請求項6】 ヒドロシリル化反応性組成物の一成分と
    して用いるためのビニル系重合体と、重合触媒とを固液
    分離する精製方法であって、重合終了時の溶液中の重合
    体濃度A(重量%)と、触媒の固液分離の時の溶液中の
    重合体濃度B(重量%)が、1.1A≧B≧0.9Aと
    いう関係を有することを特徴とするビニル系重合体の精
    製方法。
  7. 【請求項7】 ビニル系重合体が(メタ)アクリル系重
    合体である請求項1〜6のいずれか一項に記載の精製方
    法。
  8. 【請求項8】 ビニル系重合体がアクリル酸エステル系
    重合体である請求項1〜7のいずれか一項に記載の精製
    方法。
  9. 【請求項9】 ビニル系重合体がアクリル酸ブチル系重
    合体である請求項1〜8のいずれか一項に記載の精製方
    法。
  10. 【請求項10】 ビニル系重合体の数平均分子量が50
    0〜100000である請求項1〜9のいずれか一項に
    記載の精製方法。
  11. 【請求項11】 ビニル系重合体の分子量分布の値が
    1.8未満である請求項1〜10のいずれか一項に記載
    の精製方法。
  12. 【請求項12】 遷移金属錯体の中心金属が周期律表第
    8族、9族、10族、または11族元素である請求項1
    〜11のいずれか一項に記載の精製方法。
  13. 【請求項13】 遷移金属錯体の中心金属が鉄、ニッケ
    ル、ルテニウム又は銅である請求項1〜12のいずれか
    一項に記載の精製方法。
  14. 【請求項14】 遷移金属錯体の中心金属が銅である請
    求項1〜13のいずれか一項に記載の精製方法。
  15. 【請求項15】 原子移動ラジカル重合の触媒配位子と
    してポリアミン化合物を用いることを特徴とする請求項
    1〜14のいずれか一項に記載の精製方法。
  16. 【請求項16】 原子移動ラジカル重合の触媒配位子と
    してトリアミン化合物を用いることを特徴とする請求項
    1〜15のいずれか一項に記載の精製方法。
  17. 【請求項17】 請求項1〜16のいずれか一項に記載
    の精製方法により得られるビニル系重合体。
  18. 【請求項18】 請求項1〜16のいずれか一項に記載
    の精製方法により得られるビニル系重合体を含有するヒ
    ドロシリル化反応性組成物。
  19. 【請求項19】(A)請求項1〜16のいずれか一項に
    記載の精製方法により得られる分子内にアルケニル基を
    有するビニル系重合体、(B)ヒドロシリル基含有化合
    物を含有するヒドロシリル化反応性組成物。
  20. 【請求項20】 B成分が分子内に少なくとも1.1個
    のヒドロシリル基を有する化合物である請求項19記載
    のヒドロシリル化反応性組成物。
  21. 【請求項21】 B成分が架橋性シリル基を併せ持つヒ
    ドロシラン化合物である請求項19記載のヒドロシリル
    化反応性組成物。
  22. 【請求項22】 さらに白金触媒を含有する請求項18
    〜21のいずれか一項に記載のヒドロシリル化反応性組
    成物。
  23. 【請求項23】 請求項21または22記載のヒドロシ
    リル化反応性組成物をヒドロシリル化させて得られる架
    橋性シリル基を有するビニル系重合体。
  24. 【請求項24】 架橋性シリル基が加水分解性シリル基
    である請求項23に記載のビニル系重合体。
  25. 【請求項25】 加水分解性シリル基が、ヒドロシリル
    基又はアルコキシシリル基である請求項24に記載のビ
    ニル系重合体。
  26. 【請求項26】 請求項23〜25のいずれか一項に記
    載のビニル系重合体を含有する硬化性組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007036981A1 (ja) * 2005-09-27 2007-04-05 Cemedine Co., Ltd. 硬化性組成物
WO2008017523A1 (de) 2006-08-09 2008-02-14 Evonik Röhm Gmbh Verfahren zur herstellung von halogenfreien atrp-produkten
JP2013237743A (ja) * 2012-05-14 2013-11-28 Asahi Kasei Chemicals Corp 重合体溶液の精製方法

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