JP2010228076A - 研磨パッド - Google Patents

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Abstract

【課題】クッション応答性を高め被研磨物の高精度な平坦性を確保することができる研磨パッドを提供する。
【解決手段】研磨パッド10は、ポリウレタン樹脂製のウレタン発泡体2を備えている。ウレタン発泡体2は、湿式成膜法により一組成の樹脂で一体形成されており、研磨部2aと、クッション部2bと、中間部2cとを有している。研磨部2aは被研磨物を研磨加工するための研磨面Pを有している。研磨部2aには多数の発泡4が略均等に分散した状態で形成されており、クッション部2bには発泡4より大きい多数の発泡5が略均等に分散した状態で形成されている。中間部2cは、発泡4および発泡5が非形成で研磨部2aとクッション部2bとの間に形成されている。被研磨物の微小な凹凸に対応するようにクッション応答性が発揮される。
【選択図】図1

Description

本発明は研磨パッドに係り、特に、湿式成膜法により一組成の樹脂で形成された樹脂シートを備えた研磨パッドに関する。
半導体デバイスの製造や液晶ディスプレイ用ガラス基板等の材料(被研磨物)の表面(加工面)では、平坦性が求められるため、研磨パッドを使用した研磨加工が行われている。半導体デバイスでは、半導体回路の集積度が急激に増大するにつれて高密度化を目的とした微細化や多層配線化が進み、加工面を一層高度に平坦化する技術が重要となっている。一方、液晶ディスプレイでは、大型化に伴いガラス基板が薄く脆くなる傾向にあり、加工面のより高度な平坦性が要求されている。
一般に、研磨加工に用いられる研磨パッドでは、被研磨物を研磨加工するための研磨面を有する樹脂製の研磨層(樹脂シート)を備えている。研磨加工時には、研磨面と加工面との間に砥粒を含む研磨液(スラリ)が供給され、被研磨物に研磨圧(押圧力)がかけられる。被研磨物の平坦性を向上させる、換言すれば、平坦性の均一性(ユニフォーミティ)を達成するために、被研磨物に対する研磨圧を偏重しないように均等化することが重要であり、研磨層の研磨面と反対の面側にクッション層を貼り合わせた研磨パッドが多用されている(例えば、特許文献1参照)。ところが、研磨層とクッション層とを粘着剤や両面テープ等で貼り合わせるため、貼り合わせ時のムラにより研磨面にしわ等が生じることがある。また、クッション層によりクッション性が発揮されるものの、研磨層およびクッション層間に介在する粘着剤等の層によりクッション性が微小な凹凸に応答することができないことがある。これは、被研磨物の微小な凹凸に対するクッション層の即応性が粘着剤等で阻害されるためと考えられる。このため、却って被研磨物の平坦性や均一性を損なうことがあり、また、研磨加工時に研磨層とクッション層とが剥離してしまう、という問題もある。
研磨層とクッション層との剥離を抑制するために、互いに化学的に相溶性を有する材質の研磨層およびクッション層で構成した一体型の研磨パッドの技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。また、2種類の樹脂の共押し出し成形により成形した研磨パッドの技術が開示されている(例えば、特許文献3参照)。一方、粘着剤等の影響を回避する観点から、クッション性を有する1枚の樹脂シートで形成した研磨パッドの技術が開示されている。例えば、含浸発泡や押し出し発泡で形成された1枚の樹脂シートにおいて、研磨面側の硬度、研磨面と反対の面(裏面)側の硬度をそれぞれ制限し、裏面側の硬度を研磨面側の硬度より小さくした研磨パッドの技術が開示されている(特許文献4参照)。また、フォトリソグラフィー法で形成された凹凸を有し裏面側の硬度を研磨面側より小さくした樹脂シートを形成する研磨パッドの技術が開示されている(特許文献5参照)。また、裏面側に所要パターンの溝を形成することで応力調整部を設けた研磨パッドの技術(特許文献6参照)、研磨層を形成する弾性体成型用の混合液を遠心成形し、厚み方向に発泡を傾斜分布させた研磨パッドの技術(特許文献7参照)も開示されている。
特許第3560961号公報 特開2004−106177号公報 特開2002−176017号公報 特開2002−166354号公報 WO2002−43921号公報 特開2004−42189号公報 特開2003−340728号公報
しかしながら、特許文献2、特許文献3の技術では、いずれも、一体型に形成されているものの、異なる2種類の樹脂成分で形成されるため、研磨層とクッション層との剥離を抑制することが難しい。また、2種類の樹脂界面では、相溶ないし融合した部分が形成されるため、クッション層の即応性が十分とはいえない。これに対して、特許文献4〜特許文献7の技術では、いずれも、同一成分で形成された樹脂シートのため、剥離の問題は解消するものの、研磨面側と裏面側とで発泡分布の差が十分ではなくクッション性を発揮させることが難しくなる。このため、被研磨物に対する研磨圧を均等化できず被研磨物の平坦性を達成することが難しくなり、性能面での問題が残される。また、クッション性を得るために研磨パッドの裏面側に溝加工を施す等の煩雑な作業を要し生産効率を低下させることから、作業面での問題もある。従って、被研磨物の高精度な平坦性を達成するには、クッション性を発揮させることはもちろん、微小な凹凸に対するクッション応答性の向上を図ることも重要となる。
本発明は上記事案に鑑み、クッション応答性を高め被研磨物の高精度な平坦性を確保することができる研磨パッドを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、湿式成膜法により一組成の樹脂で形成された樹脂シートを備えた研磨パッドにおいて、前記樹脂シートは、被研磨物を研磨加工するための研磨面を有し、多数の第1の発泡が連続発泡状に形成された研磨部と、前記研磨部に形成された第1の発泡より大きい多数の第2の発泡が連続発泡状に形成されたクッション部と、前記第1および第2の発泡が非形成で前記研磨部およびクッション部間に形成された中間部と、を備えたことを特徴とする。
本発明では、樹脂シートが、第1の発泡が形成された研磨部および第1の発泡より大きい第2の発泡が形成されたクッション部間に第1および第2の発泡が非形成の中間部が形成されたことで、一組成の樹脂で形成されたシートの研磨部側で被研磨物に対する研磨性能が発揮されつつクッション部側で被研磨物表面の微細な凹凸に対応するクッション応答性が高められるので、被研磨物の高精度な平坦性を確保することができる。
この場合において、中間部が樹脂シートの厚み方向中央部に形成されていることが好ましい。研磨部に形成された第1の発泡およびクッション部に形成された第2の発泡の少なくとも一部が網目状に連通していてもよい。また、研磨部に形成された第1の発泡が、クッション部に形成された第2の発泡の平均容積より小さい平均容積を有してもよい。このとき、第1の発泡が縦長円錐状に形成されており、第2の発泡が球状に形成されていてもよい。樹脂シートをポリウレタン樹脂製とすることができる。樹脂シートが、研磨面側ないし研磨面と反対の面側にバフ処理またはスライス処理が施されていてもよい。
本発明によれば、樹脂シートが、第1の発泡が形成された研磨部および第1の発泡より大きい第2の発泡が形成されたクッション部間に第1および第2の発泡が非形成の中間部が形成されたことで、一組成の樹脂で形成されたシートの研磨部側で被研磨物に対する研磨性能が発揮されつつクッション部側で被研磨物表面の微細な凹凸に対応するクッション応答性が高められるので、被研磨物の高精度な平坦性を確保することができる、という効果を得ることができる。
本発明を適用した実施形態の研磨パッドを模式的に示す断面図である。 実施形態の研磨パッドの製造工程の概略を示す工程図である。 研磨パッドの断面を示す走査型電子顕微鏡写真であり、(A)は実施形態の研磨パッド、(B)は従来の研磨パッドをそれぞれ示す。 実施例および比較例のウレタン発泡体に一定の厚み毎にバフ処理を施したときのバフ処理厚みと、バフ処理面に形成される開口の平均孔径との関係を示すグラフである。
以下、図面を参照して、本発明を適用した研磨パッドの実施の形態について説明する。
(研磨パッド)
図1に示すように、本実施形態の研磨パッド10は、ポリウレタン樹脂製の樹脂シートとしてのウレタン発泡体2を備えている。ウレタン発泡体2は、湿式成膜法により一組成の樹脂で一体形成されており、被研磨物を研磨加工するための研磨面Pを有し、発泡4(第1の発泡)が形成された研磨部2aと、発泡5(第2の発泡)が形成されたクッション部2bと、発泡4および発泡5が非形成の中間部2cとを有している。
研磨部2aは、研磨面Pの近傍で厚さ数μmにわたり緻密な微多孔が形成されたスキン層21を有している。すなわち、スキン層21は微多孔構造を有している。研磨部2aのスキン層21より内側(内部)には、多数の発泡4が略均等に分散した状態で形成されている。発泡4は、丸みを帯びた縦長円錐状(断面縦長三角状)に形成されており、研磨面P側の孔径が研磨面Pと反対の面(以下、裏面Qという。)側より小さく形成されている。すなわち、発泡4は研磨面P側で縮径されている。発泡4の縦長方向の大きさは、研磨部2aの厚さの範囲でバラツキを有している。発泡4同士の間のポリウレタン樹脂中には、発泡4より小さい図示を省略した発泡が形成されている。研磨部2aでは、スキン層21の微多孔、発泡4および図示を省略した発泡が網目状に連通しており、発泡が連続発泡状に形成された連続発泡構造を有している。
クッション部2bは、研磨部2aより裏面Q側に形成されており、裏面Qの近傍で厚さ数μmにわたり緻密な微多孔が形成されたスキン層22を有している。すなわち、スキン層22は微多孔構造を有している。クッション部2bのスキン層22より内側(内部)には、多数の発泡5が略均等に分散した状態で形成されている。発泡5は、球状(断面円形状)に形成されている。発泡5は、研磨部2aに形成された発泡4の平均容積より大きい平均容積を有している。発泡5同士の間のポリウレタン樹脂中には、発泡5より小さい図示しない発泡が形成されている。クッション部2bでは、スキン層22の微多孔、発泡5および図示しない発泡が網目状に連通しており、発泡が連続発泡状に形成された連続発泡構造を有している。
中間部2cは、研磨部2aとクッション部2bとの間に、断面形状において研磨部2aおよびクッション部2bに連続して形成されている。ウレタン発泡体2が1つのポリウレタン樹脂のみで形成されたことから、研磨部2aとクッション部2bとが中間部2cでつながれている。中間部2cには、発泡4および発泡5が形成されておらず、発泡4および発泡5より小さい径の連通孔(不図示)が形成されている。発泡4および発泡5の一部は、中間部2cに形成された連通孔で連通している。本例では、ウレタン発泡体2の厚みが0.3〜2.0mmの範囲に調整されており、湿式成膜時の条件にもよるが、中間部2cの厚みが20〜200μmの範囲で形成されている。このため、研磨部2a、クッション部2bの厚みがいずれも概ね100〜800μmの範囲となる。ウレタン発泡体2では、研磨部2a、クッション部2bがそれぞれ連続発泡構造を有しており、中間部2cに発泡4および発泡5の一部を連通する連通孔が形成されている。このため、ウレタン発泡体2は、全体として連続発泡体である。
研磨部2aとクッション部2bとを比べると、発泡4が発泡5の平均容積より小さい平均容積を有することから、クッション部2bで発泡5の占める空隙割合が研磨部2aで発泡4の占める空隙割合より大きくなる。このため、クッション部2bの密度は、研磨部2aの密度より小さくなる。
また、研磨パッド10は、ウレタン発泡体2の裏面Q側に、研磨機に研磨パッド10を装着するための両面テープ7が貼り合わされている。両面テープ7は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する。)製フィルム等の可撓性フィルムの基材を有しており、基材の両面にアクリル系粘着剤等の感圧型粘着剤層(不図示)がそれぞれ形成されている。両面テープ7は、基材の一面側の粘着剤層でウレタン発泡体2と貼り合わされており、他面側(ウレタン発泡体2と反対側)の粘着剤層が剥離紙8で覆われている。なお、この両面テープ7の基材は、研磨パッド10の基材を兼ねている。
(研磨パッドの製造)
図2に示すように、研磨パッド10は、湿式成膜法により1枚のシート状のウレタン発泡体2を一体形成し、ウレタン発泡体2と両面テープ7とを貼り合わせることで製造される。すなわち、ポリウレタン樹脂溶液を準備する準備工程、成膜基材にポリウレタン樹脂溶液を塗布する塗布工程、成膜基材に塗布したポリウレタン樹脂溶液を凝固液中に浸漬する浸漬工程、凝固液中で成膜基材を剥離しポリウレタン樹脂を凝固再生させる剥離工程、シート状のポリウレタン樹脂を洗浄し乾燥させる洗浄・乾燥工程、得られたウレタン発泡体2と両面テープ7とを貼り合わせるラミネート工程を経て研磨パッド10が製造される。以下、工程順に説明する。
ウレタン発泡体2の作製では、準備工程で、ポリウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂を溶解可能な水混和性の有機溶媒のN,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略記する。)および添加剤を混合してポリウレタン樹脂を溶解させる。ポリウレタン樹脂は、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系等の樹脂から選択して用い、例えば、ポリウレタン樹脂が30重量%となるようにDMFに溶解させる。添加剤としては、発泡4、発泡5の大きさや量(個数)を制御するため、カーボンブラック等の顔料、発泡を促進させる親水性活性剤、ポリウレタン樹脂の凝固再生を安定化させる疎水性活性剤等を用いることができる。親水性界面活性剤は、ポリウレタン樹脂溶液の全量に対して、0.2〜5重量%の範囲で混合することが好ましい。親水性界面活性剤の量が0.2重量%未満では、凝固再生時に凝固液とDMFとの置換がスムーズに進行せず、発泡が小さくなる。反対に、親水性界面活性剤の量が5重量%を超えると、凝固液とDMFとの置換の進行が速くなりすぎるため、半凝固の状態が短くなり、上述したウレタン発泡体2の構造を得ることが難しくなる。得られた溶液を減圧下で脱泡してポリウレタン樹脂溶液を得る。
塗布工程では、準備工程で得られたポリウレタン樹脂溶液を常温下でナイフコータ等により帯状の成膜基材にシート状に略均一に塗布する。このとき、ナイフコータ等と成膜基材との間隙(クリアランス)を調整することで、ポリウレタン樹脂溶液の塗布厚さ(塗布量)を調整する。成膜基材としては、布帛や不織布等を用いることもできるが、後述する剥離工程で成膜基材を剥離することを考慮すれば、表面が平滑に形成された樹脂製フィルムを用いることが望ましい。成膜基材には、本例では、表面平滑性を有するPET製フィルムを用いる。また、成膜基材にポリウレタン樹脂溶液を塗布する前に、カルボキシメチルセルロース(以下、CMCと略記する。)等の剥離剤を塗布しておくことで、剥離工程における剥離性を良化することができる。本例では、PET製フィルムの成膜基材を、予め、CMCでコーティングしておく。
浸漬工程では、成膜基材に塗布されたポリウレタン樹脂溶液が、ポリウレタン樹脂に対して貧溶媒である水を主成分とする凝固液(水系凝固液)に浸漬される。凝固液には、ポリウレタン樹脂の凝固再生速度を調整するために、DMFやDMF以外の極性溶媒等の有機溶媒を添加してもよい。本例では、凝固液として水が使用される。凝固液中でポリウレタン樹脂溶液が凝固し、連続発泡構造を有するポリウレタン樹脂が凝固再生する。凝固液中では、まず、ポリウレタン樹脂溶液と凝固液との界面に皮膜が形成され、皮膜の直近のポリウレタン樹脂中にスキン層21を構成する無数の微多孔が形成される。その後、ポリウレタン樹脂溶液中のDMFの凝固液中への拡散と、ウレタン樹脂中への水の浸入との協調現象によりポリウレタン樹脂の凝固再生が進行する。ポリウレタン樹脂では凝集力が大きくなるために皮膜表面で急速に凝固が進行し、内部のポリウレタン樹脂量が減少する。そして、表面に形成された緻密気孔の皮膜により凝固液中への溶媒の拡散が抑制され、内部に大気孔が形成される。DMFがポリウレタン樹脂溶液から脱溶媒し、DMFと凝固液とが置換することで、スキン層21より内側のポリウレタン樹脂中に発泡4および図示を省略した発泡が形成され、スキン層21の微多孔、発泡4および図示を省略した発泡が網目状に連通する。このとき、成膜基材のPET製フィルムが水を浸透させないため、ポリウレタン樹脂溶液の表面側(スキン層21側)で脱溶媒が生じて成膜基材側が表面側より大きな発泡4が形成される。
剥離工程では、ポリウレタン樹脂の凝固再生が完了する前、すなわち、成膜基材に塗布したポリウレタン樹脂溶液中のDMFの全量が凝固液の水と置換される前に、凝固液中で凝固再生中のポリウレタン樹脂を成膜基材から剥離する。換言すれば、ポリウレタン樹脂の凝固再生が不完全の状態、すなわち、スキン層21側で塗布厚さのおよそ1/2程度のポリウレタン樹脂が凝固再生し、成膜基材側にDMFを含む状態で成膜基材から剥離される。このとき、少なくとも成膜基材近傍のポリウレタン樹脂溶液がゲル状態である。ここでいう「ゲル状態」は、凝固液中では成膜基材から剥離可能であるものの、剥離面同士が接着性を有しており、また、大気中では成膜基材に樹脂が残る粘着質な(タック性を有する)状態のことである。成膜基材から剥離するタイミングは、凝固液の組成や温度、上述した塗布工程での塗布厚さ、用いたポリウレタン樹脂の種類、配合した添加剤等により調整される。例えば、凝固液を温度20℃の水としてポリウレタン樹脂溶液を成膜基材に2mmの塗布厚さで塗布した場合、3分後には剥離可能な半凝固(ゲル)状態となるが、10分後では凝固再生がほぼ完了した状態となる。成膜基材には、表面平滑性を有するPET製フィルムが用いられており、剥離剤のCMCが塗布されているため、ポリウレタン樹脂の凝固再生が不完全な状態でも容易に成膜基材から剥離することができる。成膜基材から剥離した後は、スキン層21側から凝固再生が進行することに加えて、成膜基材を剥離した面、すなわち、DMFの脱溶媒が進行していない面側からも凝固再生が進行する。このため、両面からDMFと水との置換が生じ、シート状のポリウレタン樹脂の凝固再生が完了する。
ここで、成膜基材剥離後のポリウレタン樹脂の凝固再生に伴う発泡形成について説明する。凝固液中で成膜基材が剥離されると、成膜基材の表面と接触していたポリウレタン樹脂溶液(実際にはゲル状態)の表面が凝固液に接触する。このとき、凝固液中ではスキン層21側からポリウレタン樹脂の凝固再生が進行中のため、ポリウレタン樹脂の厚み方向で密度勾配が形成されている。すなわち、凝固再生の進行に伴いスキン層21側にポリウレタン樹脂が凝集するため、成膜基材が剥離された面側の固形分濃度が小さくなっている。このため、成膜基材が剥離された面側に形成されるスキン層22では、スキン層21より緻密に微多孔が形成される。スキン層22に形成された緻密気孔の皮膜により凝固液中へのDMFの拡散が抑制されて、巨大な空孔が内部に形成される。このとき、成膜基材が剥離された面側の固形分濃度が小さくなっているので、発泡5が発泡4より大きくなり、縦長円錐状より球状に近い形状に形成される。すなわち、図3(A)に示すように、研磨部2a(図3の上側)では縦長円錐状の発泡4が形成され、クッション部2b(図3の下側)では球状で発泡4より大きい発泡5が形成される。また、ポリウレタン樹脂の凝固再生が両面側(厚み方向両側)から進行するため、研磨部2aとクッション部2bとの間の部分では、発泡が非形成で、発泡4および発泡5の一部を連通する連通孔が形成された中間部2cが形成される。つまり、ウレタン発泡体2では、厚み方向中央部の中間部2cよりスキン層21側に研磨部2aの発泡4が形成され、中間部2cよりスキン層22側にクッション部2bの発泡5が形成される。このような凝固再生により得られるウレタン発泡体2は、全体として連続発泡構造を有しており、研磨部2a、中間部2c、クッション部2bがシームレスに、つまり、継ぎ目なくつながれ一体形成されたものである。
図2に示すように、洗浄・乾燥工程では、浸漬工程、剥離工程を経て凝固再生したポリウレタン樹脂を水等の洗浄液中で洗浄してポリウレタン樹脂中に残留するDMFを除去した後、乾燥させる。ポリウレタン樹脂の乾燥には、本例では、内部に熱源を有するシリンダを備えたシリンダ乾燥機を用いる。ポリウレタン樹脂がシリンダの周面に沿って通過することで乾燥する。得られたウレタン発泡体2をロール状に巻き取る。
ラミネート工程では、湿式成膜法で作製されたウレタン発泡体2と、両面テープ7とが貼り合わされる。このとき、ウレタン発泡体2の裏面Qと両面テープ7とが貼り合わされる。そして、円形や角形等の所望の形状、サイズに裁断した後、キズや汚れ、異物等の付着がないことを確認する等の検査を行い、研磨パッド10を完成させる。
(作用等)
次に、本実施形態の研磨パッド10の作用等について説明する。
本実施形態では、研磨パッド10を構成するウレタン発泡体2が、発泡4が形成された研磨部2aと、発泡5が形成されたクッション部2bと、研磨部2aおよびクッション部2b間に形成された中間部2cとが湿式成膜法により一体形成されている。このため、研磨加工時に研磨部2aおよびクッション部2b間で剥離が生じることなく研磨加工を継続することができる。
また、本実施形態では、クッション部2bに形成された発泡5が研磨部2aに形成された発泡4の平均容積より大きい平均容積を有している。このため、クッション部2b中で発泡5の占める空隙割合が研磨部2a中で発泡4の占める空隙割合より大きくなり、研磨圧でクッション部2bが研磨部2aより変形しやすくなる。これにより、研磨パッド10の全体としてクッション性が確保され、被研磨物にかかる研磨圧が均等化されるため、被研磨物の平坦性を向上させることができる。換言すれば、研磨パッド10では、一組成の樹脂で一体形成されたウレタン発泡体2が厚さ方向で擬似的な3層構造を有するため、研磨加工時に剥離の心配がなく、クッション性を十分兼ね備えることとなる。
更に、本実施形態のウレタン発泡体2では、研磨部2a、中間部2c、クッション部2bを有するため、クッション部2bで均等化された研磨圧を被研磨物の微小な凹凸に対応するように被研磨物に伝達することができる。このため、被研磨物の微小な凸部にかかる圧力が凹部にかかる圧力より大きくなり研磨加工で平坦化されるので、高精度な平坦性を確保することができる。すなわち、研磨層およびクッション層を粘着剤で貼り合わせた従来の研磨パッドでは、粘着剤の層を介してクッション応答性が発揮されるため、被研磨物の微小な凹凸に対しても加工面全体で略均等な研磨圧がかかることとなる。結果として、平坦性を確保するためには研磨量を大きくすることとなり研磨効率を低下させる。これに対して、連続形成された本実施形態のウレタン発泡体2では、微小な凹凸に対応するようにクッション応答性が発揮されるため、微小な単位で凸部を押圧することができ効率よく平坦性を向上させることができる。
ここで、1つの樹脂で形成された研磨部2a、中間部2c、クッション部2bを有する3層構造に類似のウレタン発泡体2の作用について、コイルバネを用い、(A)、(B)の2つの等価モデルを考えると、次のように説明することもできる。すなわち、(A)巻径が大きく高弾性を有する複数個のコイルバネAを平面状に並べたクッション材の場合は、一面側の全体にかかる圧力では他面側に略均等に伝達されるものの、局部的な圧力では個々のコイルバネAにかかる圧力が偏重するうえ、コイルバネAの大きな巻径の単位での応答となり略均等に伝達され難くなる。これに対して、(B)巻径を小さくして弾性を低くしたコイルバネBを用いコイルバネAより多くの個数を平面状に並べたクッション材の場合は、全体にかかる圧力が略均等に伝達されることはもちろん、巻径を小さくしたことで即応性に優れるため、局部的な圧力でもコイルバネBの小さな巻径の単位で応答でき伝達される。(A)が研磨層およびクッション層を粘着剤を介して貼り合わせた従来の研磨パッドに対応し、(B)が一体形成された本実施形態の研磨パッド10に対応する。従って、本実施形態のウレタン発泡体2のように、シームレスに一体形成されたことで、被研磨物の微小な凹凸に対応してクッション部2bのクッション応答性が高められることが説明できる。
また、本実施形態では、ウレタン発泡体2の研磨部2a、中間部2c、クッション部2bが1つの樹脂のみで形成されるため、研磨安定性を高めることができ、製品寿命を向上させることができる。すなわち、図3(B)に示すように、クッション部の大きな発泡から研磨面側に縮径しながら伸びる雫状の発泡が形成された従来のスウェード調研磨パッドでは、クッション部の発泡と研磨部の発泡とが明確に分かれて形成されていないため、研磨パッドの摩耗に伴い研磨面で開口した発泡が基材の近くまで空隙を形成することとなる。このため、スラリが堆積し研磨パッドの物性が変化することにより研磨安定性を損なう場合がある。これに対して、本実施形態の研磨パッド10では、研磨部2aとクッション部2bとが中間部2cにより明確に分けられているため、研磨部2aに形成された発泡4が中間部2c付近で(連通孔を残して)閉口するため、安定した研磨加工を長時間行うことができる(図3(A)参照)。
更に、本実施形態では、中間部2cがウレタン発泡体2の厚み方向中央部に形成されている。このため、研磨部2aとクッション部2bとがほぼ同じ厚さとなる。研磨部2aの厚さがクッション部2bの厚さより小さいと、クッション性を高めることができるものの、研磨加工に有効な研磨部2aの厚さが小さくなる分で研磨パッド10の寿命が短くなる。反対に、研磨部2aの厚さがクッション部2bの厚さより大きくなると、長寿命化にはなるもののクッション性が不十分となり、被研磨物の平坦性を損なうこととなる。従って、研磨部2aとクッション部2bとをほぼ同じ厚さとすれば、クッション性および寿命性能をバランスよく確保することができる。このような研磨パッド10では、例えば、高精度な平坦性を要求される半導体デバイスの研磨加工に好適に使用することができる。
また更に、本実施形態では、ウレタン発泡体2が湿式成膜法で形成されることから発泡4および発泡5が網目状に連通している。このため、研磨層とクッション層とを貼り合わせて形成した従来の研磨パッドと比べて、研磨加工時に供給される研磨液がウレタン発泡体2の内部で移動しやすくなり、研磨加工で生じた研磨屑を発泡4、発泡5に収容しやすくなる。これにより、研磨面Pおよび被研磨物間に略均等に研磨液が供給されると共に、研磨屑が効率よく収容されるため、研磨効率を向上させ被研磨物の平坦性向上を図ることができる。
更にまた、研磨パッド10では、製造時の凝固再生工程において、ポリウレタン樹脂が塗布された成膜基材が凝固液中で剥離される。このため、スキン層21側から進行していたポリウレタン樹脂の凝固再生に加えて、成膜基材を剥離した面側からも凝固再生が進行する。上述したように、成膜基材を剥離した面側に形成されるスキン層22を介して進行する脱溶媒がスキン層21を介して進行する脱溶媒より遅くなることから、研磨部2a(中間部2cより研磨面P側)とクッション部2b(中間部2cより裏面Q側)とで異なる発泡構造が形成される。これにより、クッション部2bでクッション性を確保することができる。
また、研磨パッド10では、製造時の塗布工程においてポリウレタン樹脂溶液が塗布される成膜基材として、表面平滑性を有する樹脂製シートが用いられる。このため、凝固再生工程でポリウレタン樹脂の凝固再生が不完全な状態で成膜基材を容易に剥離することができる。これにより、湿式成膜法で表裏面の発泡構造の異なるウレタン発泡体2を得ることができる。また、研磨パッド10では、製造時の凝固再生工程で成膜基材を剥離する操作を除けば、従来の湿式成膜法を適用することができるため、煩雑な工程を経ることなく、製造することができる。更には、従来のように、研磨層およびクッション層の粘着剤や両面テープによる貼り合わせが不要となり、製造工程を簡略化することができる。
従来湿式成膜された研磨層を有する研磨パッドには、例えば、クッション層を有していない研磨パッドや、クッション性が不十分な研磨パッドがある。これらのクッション性を有していない、または、クッション性が不十分な研磨パッドを研磨加工に使用した場合、研磨パッドの変形が不十分なため、研磨パッド表面(研磨面)、ひいては、被研磨物に研磨装置から受ける研磨圧(押圧力)が均等化されず、被研磨物の加工面全体を略均一に平坦化することが難しくなる。一方、ウレタン発泡体の研磨層とクッション層とを貼り合わせて形成した研磨パッドでは、貼り合わせに使用する粘着剤等の層がクッション層の即応性を阻害するおそれがあり、研磨加工時に研磨層とクッション層とが剥離することがある。この剥離の問題を解消するためにクッション性を有する1枚の発泡シートで形成した研磨パッドも知られているが、発泡分布の差が不十分でクッション性を発揮させることが難しくなる。このため、被研磨物に対する研磨圧を均等化できず被研磨物の平坦性の均一性を達成することが難しくなる。本実施形態は、これらの問題を解決することができる研磨パッドである。
なお、本実施形態では、樹脂シートとしてポリウレタン樹脂の湿式成膜法によるウレタン発泡体2を用いる例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ポリウレタン樹脂に代えてポリエチレンやポリエステル等の樹脂を用いてもよく、湿式成膜法で連続発泡構造が形成されるものであればよい。また、ウレタン発泡体2は、一組成の樹脂で形成されていればよく、例えば、ポリエステル系やポリエーテル系のポリウレタン樹脂を混合してもよく、ポリウレタン樹脂と他の樹脂とをブレンドしてもよい。
また、本実施形態では、中間部2cがウレタン発泡体2の厚み方向中央部に形成された例を示したが、本発明はこれに制限されるものではない。湿式成膜条件により中間部2cの形成位置を調整することも可能であるが、上述したように、クッション性および寿命のバランスを考慮すれば、中間部2cが厚み方向中央部に形成されることが好ましい。
更に、本実施形態では、研磨部2aに形成される発泡4が縦長円錐状に形成され、クッション部2bに形成される発泡5が球状に形成される例を示したが、本発明は発泡の形状に制限されるものではなく、研磨部2aとクッション部2bとの密度差が上述した範囲となるように発泡4、発泡5が形成されればよい。例えば、湿式成膜時にポリウレタン樹脂溶液に配合する添加剤や凝固液の組成等により、発泡4、発泡5の大きさや形状を変えることができる。
また更に、本実施形態では、特に言及していないが、ウレタン発泡体2の研磨面P側ないし裏面Q側にバフ処理またはスライス処理を施すようにしてもよい。バフ処理やスライス処理によりウレタン発泡体2の厚さの均一化を図ることができるため、被研磨物に対する押圧力を一層均等化し、被研磨物の平坦性を向上させることができる。また、ウレタン発泡体2が、少なくとも一部に、被研磨物の研磨加工状態を光学的に検出するための光透過を許容する光透過部を有するようにしてもよい。この場合、光透過部がウレタン発泡体2の厚み方向の全体にわたり貫通するように形成することが好ましい。このようにすれば、例えば、研磨装置側に備えられた発光ダイオード等の発光素子、フォトトランジスタ等の受光素子により、研磨加工中に光透過部を通して被研磨物の加工面の研磨加工状態を検出することができる。これにより、研磨加工の終点を適正に検出することができ、研磨効率の向上を図ることができる。
更にまた、本実施形態では、ウレタン発泡体2の裏面Qに基材を有する両面テープ7を貼り合わせ、両面テープの基材が研磨パッド10の基材を兼ねる例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、基材を用いることなく粘着剤のみをウレタン発泡体2の裏面Qに配しておくことで、研磨機の定盤への装着を行うことができる。また、両面テープ7の基材に代えて別の基材を貼り合わせるようにしてもよい。ウレタン発泡体2が柔軟性を有していることを考慮すれば、研磨パッド10の搬送時や定盤への装着時の取扱いを容易にするため、基材を有していることが好ましい。
以下、本実施形態に従い製造した研磨パッド10の実施例について説明する。なお、比較のために製造した比較例の研磨パッドについても併記する。
(実施例1)
実施例1では、ウレタン発泡体2の作製にポリエステルMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)ポリウレタン樹脂を用いた。ポリウレタン樹脂溶液を塗布する際に塗布装置のクリアランスを1.6mmに設定した。成膜基材のPET製フィルムは、予め、0.02%のCMC溶液を塗布し乾燥させておいた。このPET製フィルムにポリウレタン樹脂溶液を塗布した後、温度20℃の水(凝固液)に浸漬した。水中で3分間溶媒を置換させた後、PET製フィルムと半凝固状態のポリウレタン樹脂とを剥がし、半凝固状態のポリウレタン樹脂を更に7分間水中に浸漬して完全に凝固させた。洗浄、乾燥後、得られた厚さ1.46mmのウレタン発泡体2のスキン層側にバフ処理を施した。バフ処理では、バフ処理厚みを40μmとし、バフ番手#180のサンドペーパを使用した。得られた厚さ1.42mmのウレタン発泡体2とPET製の基材を有する両面テープ7とを貼り合わせ研磨パッド10を製造した。
(比較例1)
比較例1では、湿式成膜法によるウレタン発泡体の作製時に、凝固液中で成膜基材を剥離しないこと以外は実施例1と同様にして厚さ1.40mmのウレタン発泡体を作製し研磨パッドを製造した。すなわち、比較例1の研磨パッドは、従来の研磨パッドである。
(評価)
各実施例および比較例の研磨パッドについて、バフ番手#180のサンドペーパを使用して研磨面側にバフ処理厚み100μm毎のバフ処理を9回施した。各回後の研磨面を走査型電子顕微鏡で観察し、開口している穴のサイズ(開口径)を計測し平均値を求めた。
図1に示すように、比較例1では、バフ処理厚みに比例して開口径が大きくなることが判った。一方、実施例1では、7回目のバフ処理後、研磨面に開口している穴のサイズが小さくなり、8回目以降のバフ処理後では500μm程度の開口が形成されていることが確認された。換言すれば、実施例1の研磨パッド10では、研磨面Pでの開口径のバフ処理厚みに対する変化が(グラフ上で)変曲点を示すことが判った。このような結果から、次のことが推察される。すなわち、比較例1の研磨パッドでは、研磨面から基材方向に徐々に開口が大きくなり、5回目のバフ処理までに開口した発泡が基材付近まで形成されていることが確認された。このため、研磨加工時に研磨パッドが摩耗するにつれ、スラリや研磨残渣等が発泡の内底部(基材側)に堆積ないし滞留し凝集塊が生じやすくなり、発泡内底部付近でのスラリの循環性が阻害されるばかりではなく、滞留により生じた凝集塊が研磨面に現れ、研磨性能の低下を招く。これに対して、実施例1では、中間部2cを有することから、5回目のバフ処理までに開口した発泡は、中間部2c付近に発泡の内底部が存在するため、スラリや研磨残渣等が基材付近に堆積することなく研磨面側に流動し、研磨性能が維持される。また、8回目以降のバフ処理面では、500μm程度の開口径を有することから、1枚のウレタン発泡体2でも十分なクッション性を確保することができる。従って、実施例1の研磨パッド10では、研磨加工時に被研磨物に対する押圧力を均等化し、被研磨物の平坦性を向上させることが期待できる。
本発明はクッション応答性を高め被研磨物の高精度な平坦性を確保することができる研磨パッドを提供するため、研磨パッドの製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
P 研磨面
2 ウレタン発泡体(樹脂シート)
2a 研磨部
2b クッション部
2c 中間部
4 発泡
5 発泡
10 研磨パッド

Claims (7)

  1. 湿式成膜法により一組成の樹脂で形成された樹脂シートを備えた研磨パッドにおいて、前記樹脂シートは、
    被研磨物を研磨加工するための研磨面を有し、多数の第1の発泡が連続発泡状に形成された研磨部と、
    前記研磨部に形成された第1の発泡より大きい多数の第2の発泡が連続発泡状に形成されたクッション部と、
    前記第1および第2の発泡が非形成で前記研磨部およびクッション部間に形成された中間部と、
    を備えたことを特徴とする研磨パッド。
  2. 前記中間部は、前記樹脂シートの厚み方向中央部に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の研磨パッド。
  3. 前記研磨部に形成された第1の発泡および前記クッション部に形成された第2の発泡は、少なくとも一部が網目状に連通していることを特徴とする請求項2に記載の研磨パッド。
  4. 前記研磨部に形成された第1の発泡は、前記クッション部に形成された第2の発泡の平均容積より小さい平均容積を有することを特徴とする請求項1に記載の研磨パッド。
  5. 前記第1の発泡が縦長円錐状に形成されており、前記第2の発泡が球状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の研磨パッド。
  6. 前記樹脂シートは、ポリウレタン樹脂製であることを特徴とする請求項5に記載の研磨パッド。
  7. 前記樹脂シートは、前記研磨面側ないし前記研磨面と反対の面側にバフ処理またはスライス処理が施されたことを特徴とする請求項1に記載の研磨パッド。
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