JP2010227998A - 成形治具 - Google Patents
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Abstract
【課題】塑性変形する板状または棒状の素材に対し、複雑な機構の治具を用いることなく、最大360°の曲げ加工を精度良く行う成形治具を提供する。
【解決手段】円柱または円盤状の固定成形台と、該固定成形台を構成する円筒または円板の中心を回転軸心として回転できるように該固定成形台と連結された2本1対の成形レバーと、該成形レバーのそれぞれに、該成形レバー上の任意の位置を回転軸心として回転できるように連結されており、かつ前記固定成形台の側に素材を曲げ加工するために設けられた成形ローラと、該成形ローラに対し素材を成形する方向と反対側に配置された補助ローラが設けられたクランプレバーから構成される成形治具とする。
【選択図】図1
【解決手段】円柱または円盤状の固定成形台と、該固定成形台を構成する円筒または円板の中心を回転軸心として回転できるように該固定成形台と連結された2本1対の成形レバーと、該成形レバーのそれぞれに、該成形レバー上の任意の位置を回転軸心として回転できるように連結されており、かつ前記固定成形台の側に素材を曲げ加工するために設けられた成形ローラと、該成形ローラに対し素材を成形する方向と反対側に配置された補助ローラが設けられたクランプレバーから構成される成形治具とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、金属などの塑性変形する板状または棒状の素材を曲げ加工するための成形治具に関する。
従来、金属製のパイプやチューブなどの素材(以下、本明細書及び図面においてはワークと称す)を所望の形状に曲げる工具としては、一般にパイプベンダーやチューブベンダーといわれる簡易の配管用手工具が広く普及している。しかし、このような市販の手工具では、ワークをせいぜい180°までしか曲げることができず、それ以上の曲げ加工をすることはできないとされる。
一方、パイプやチューブに限らず、板状または棒状のワークを360°、すなわちリング状に曲げ加工するための治具も提案されている。
例えば、特許文献1には、アングル、パイプ、平鋼などのワークをリング状に加工するためのベンダーとして、ワークを内周・外周側から挟持しつつ曲げを与える固定ローラとピンチローラ及び押圧ローラを配設した構造が示され、さらに加工後にワークの両端にストレート部が生じないよう、ワークの前端部及び後端部を円弧状に曲げる端曲げ加工部と組み合わせたベンダーが開示されている。
しかしながら、このような従来技術は、ワークをリング状に曲げる円形曲げ加工部とワークの前後端部を円弧状に曲げる端曲げ加工部とを分離させた構造であるため、勢いその構造自体と動作制御が複雑なものとなる。
本願発明は、前記従来技術に鑑み、決して複雑な機構を用いることなく、板状または棒状のワークを最大360°、すなわちリング状にまで曲げ加工することのできる治具を開発することを目的として成されたものであるが、発明に到るまでには次のような解決すべき課題が存在した。以下、これら課題について説明する。
簡単のため、板状または棒状のワークを360°曲げ加工するための最も単純な構造として本願発明者らが考案した治具を用いて説明する。図4は、その構造の一例である。なお、図中の回転矢印は後述する工程における次工程の操作を示す。
この治具の場合、固定成形台1、ワーク固定ピン2、成形レバー3、クランプレバー4及び成形ローラ5からなる。ここで、固定成形台1は円柱状または円板状であり、適宜、架台(図示外)の上に固定する。成形レバー3は、当該固定成形台を構成する円筒または円板の中心を回転軸心として回転できるよう固定成形台1と連結され、クランプレバー4は、成形レバー3と当該成形レバー上の任意の位置を回転軸心として回転できるように連結されている。また、成形ローラ5は、前記クランクレバー4の固定成形台1の側に配置されている。
ワークWは、固定成形台1と成形ローラ5の間に挿入され、該固定形成台となる円柱または円板の側面(図示外)の任意位置で固定ピン2により固定される。従い、最初の工程においては、前記クランプレバー4をワークWが固定成形台1と成形ローラ5の間に挿入し得るだけの空間が確保できるよう、成形レバー3の方向と任意の角度をつけた状態にする(図4(a))。なお、当該固定成形台1を構成する円柱または円板の側面には、ワーク形状に応じて適宜加工が施されてもよい。すなわち、ワークWがパイプであれば、安定して挟持されるよう当該側面の円周方向に沿って溝(図示外)を形成する。
ワークWを固定し、次にクランプレバー4と成形レバー3の方向を一致するよう操作すると、ワークWが固定形成台1と成形ローラ5との間に挟持される(図4(b))。そして、この状態で成形レバー3とクランプレバー4とを同時に固定形成台1の側面に沿って時計回り方向に動かせば(図4(c))、ワークWは成形レバー3とクランプレバー4が固定ピン1に接触するまでほぼリング状に曲げ加工されることになる(図4(d))。
しかし、このような構造の治具では、概ねリング状に加工することはできるが、両端には必ず未加工部分が残る。すなわちワークWのワーク固定ピン2で固定されている部分と、反対側の加工において成形レバー3とクランプレバー4が固定ピン1に接触したときに加工されずに残される部分である。そして、このようにワークWの両端面に未加工部分が残る限り、曲げ加工後のワークを溶接しても真円度の悪いリングしかできないという問題点があった。
本願発明者は、上記課題の解決について鋭意研究の結果、次のような構造の成形治具を開発するに到った。すなわち、本願発明に係る成形治具は、塑性変形する板状または棒状のワークを曲げ加工するための成形治具であって、円柱または円盤状の固定成形台と、該固定成形台を構成する円筒または円板の中心を回転軸心として回転するように該固定成形台と連結された2本1対の成形レバーと、該成形レバーのそれぞれに、該成形レバー上の任意の位置を回転軸心として回転するように連結されており、かつ前記固定成形台の側にワークを曲げ加工するために設けられた成形ローラと、該成形ローラに対しワークを成形する方向と反対側に配置された補助ローラが設けられたクランプレバーとからなる成形治具である。
本発明によれば、従来のような複雑な機構の治具を用いることなく、最大360°の曲げ加工を精度良く、すなわちワークの両端面に未加工部分を残すことなく行うことができ、その結果、真円度の高いリングを簡易に製造することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る成形治具の基本構成を示す正面図(a)と側面図(b)である。この治具は、固定成形台1、2本1対の成形レバー3、クランプレバー4、成形ローラ5及び補助ローラ6からなるが、前記、棒状のワークを360°曲げ加工するための最も単純な構造として説明した治具とは違い、固定ピンは設けない。
ここで、固定成形台1は円柱状または円板状であり、適宜、架台9上に固定する。2本1対の成形レバー3は、それぞれ当該固定成形台を構成する円筒または円板の中心を回転軸心として回転できるように固定成形台1と連結される。また、それぞれの成形レバー3には、当該成形レバー上の任意の位置を回転軸心として回転できるようにクランプレバー4が連結されている。固定成形台1と成形レバー3との連結、成形レバー3とクランプレバー4との機構については、任意の周知技術を用いることができる。
クランクレバー4には、ワークを曲げ加工するために設けられた成形ローラ3と該成形ローラに対しワークを成形する方向と反対側に配置された補助ローラ6が設けられている。補助ローラ6は、後述のように、ワークWの両端面に未加工部分が残らないよう、成形ローラ5がワークの端部を通過した後においてもワークを固定成形台1に沿って保持する役割を果たし、この補助ローラを配置することによりはじめて本発明が解決しようとする課題解決がなされる重要な構成要件である。
なお、固定成形台1を形成する円柱または円板の側面には、ワーク形状に応じて適宜加工が施されてもよい。すなわち、ワークWがパイプであれば、安定して挟持されるよう当該側面の円周方向に沿って溝(図示外)を形成することが推奨される。
次に、本発明に係る成形治具の正面図である図2(a)乃至(h)により、本発明治具を用いてワークWを360°曲げ加工する場合の工程例を順次示す。なお、図中の回転矢印は次工程の操作を示す。また、成形レバー3、クランプレバー4、成形ローラ5及び補助ローラ6に関しては、図2における右側のものにはa、左側のものにはbの添字をそれぞれ付して説明する。
初期状態においては、2本あるクランプレバー4は、ワークWが固定成形台1と成形ローラ5の間に挿入し得るだけの空間が確保できるよう、成形レバー3の方向と任意の角度をつけた状態である(図2(a))。
次に、ワークWを固定成形台1と、成形ローラ5及び補助ローラ6との間に挿入し(図2(b))、クランプレバー4aを成形レバー3aの方向を一致するように操作すると、ワークWが固定形成台1と成形ローラ5aとの間に挟持される(図2(c))。クランプレバー4bと成形レバー3bについても同様に操作すれば、ワークWが左右のクランプレバー4で挟持される状態になる(図2(d))。なお、ワークWを360°曲げ加工し、最終的にリング状に成形する場合には、当然、予めワークWの曲げ方向の長さと固定成形台1の円周長さを適宜一致させておく必要がある。
次の工程からワークWの成形となる。すなわち、例えばまず成形レバー3aとクランプレバー4aとを同時に固定形成台1の円周方向に沿って時計回りに動かせばワークWの右半分が曲げ加工される。このとき、成形ローラ5aがワークWの右端部を通過、すなわち右端部まで曲げ加工が完了した後、補助ローラ6aがワークWを抑え、固定成形台1に沿って保持している状態で操作を停止する(図2(e))。
次に、いったん、成形レバー3aとクランプレバー4aとを反時計回りに適当な位置まで戻す(図2(f))。これは、次に行う成形レバー3bとクランプレバー4bによる曲げ加工において、成形レバー3aとクランプレバー4aが障害とならないようにするためである。なおこの場合、前記の通り補助ローラ6aが固定成形台1に沿って保持しているためにワークWの右端部近傍に浮き上がりが生じることはなく、成形ローラ5aの反時計回りの回転に一切の支障は生じない。
成形レバー3aとクランプレバー4aとを適当な位置にまで戻した後、次にワークWの左半分を成形レバー3bとクランプレバー4bとを同時に固定形成台1の円周方向に沿って反時計回りに動かしてワークWの左半分を曲げ加工する(図2(g))。なお、この場合も前記ワークWの右半分の加工の場合と同様に、成形ローラ5bがワークWの左端部を通過し、補助ローラ6bがワークWを抑えている状態で操作を停止する。
以上の操作でワークWの加工は完了であり、ワークWは曲げ加工方向全域にわたり一切の未加工部分を残すことなくリング状に加工される。最後に、成形レバー3とクランプレバー4を適当な位置、例えば初期状態の位置(図2(a))に戻し、2つのクランプを解除してワークを取り出す。最終的にワークの端部を適宜溶接することにより、完全なリングに加工することができるが、本発明による成形治具で曲げ加工されたワークは、端部に未加工部分が一切ないため、極めて真円度の高いリングとすることができる。
上記説明した形態は曲げ角度360°の加工であるが、任意の曲げ角度を適宜選択し、さらにはワークの端部にストレート部を残した加工などもできる。図3はそのような板状のワークの加工例であり、図3(a)のように端部にストレート部を残さない加工のほか、図3(b)のように端部にストレート部を残すことも可能である。
本発明に係る治具の大きさや材質に関しては特段の制約はない。加工したいワークの長さ、形状及び材質に応じて固定成形台、成形レバー、クランプレバー、成形ローラ及び補助ローラの大きさや材質を適宜決定すればよい。なお、ワークの挿入や成形レバーとクランプレバーの駆動方法については、手動で操作するほか、ワークの長さや材質に応じ、例えば、上記説明した工程に対応した動きが自動的にされるよう、モーターなどの駆動手段を適宜組み合わせることもできる。
1 固定成形台
2 固定ピン
3 成形レバー
4 クランプレバー
5 成形ローラ
6 補助ローラ
7 クランプレバーの回転中心
8 成形レバーの回転中心
9 架台
W ワーク
2 固定ピン
3 成形レバー
4 クランプレバー
5 成形ローラ
6 補助ローラ
7 クランプレバーの回転中心
8 成形レバーの回転中心
9 架台
W ワーク
Claims (1)
- 塑性変形する板状または棒状の素材を曲げ加工するための成形治具であって、円柱または円盤状の固定成形台と、該固定成形台を構成する円筒または円板の中心を回転軸心として回転できるように該固定成形台と連結された2本1対の成形レバーと、該成形レバーのそれぞれに、該成形レバー上の任意の位置を回転軸心として回転できるように連結されており、かつ前記固定成形台の側に素材を曲げ加工するために設けられた成形ローラと、該成形ローラに対し素材を成形する方向と反対側に配置された補助ローラが設けられたクランプレバーとからなる成形治具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009101412A JP2010227998A (ja) | 2009-03-26 | 2009-03-26 | 成形治具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009101412A JP2010227998A (ja) | 2009-03-26 | 2009-03-26 | 成形治具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2010227998A true JP2010227998A (ja) | 2010-10-14 |
Family
ID=43044366
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009101412A Pending JP2010227998A (ja) | 2009-03-26 | 2009-03-26 | 成形治具 |
Country Status (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2009
- 2009-03-26 JP JP2009101412A patent/JP2010227998A/ja active Pending
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