JP2010227039A - 食用油脂の製造方法およびそれから得られる食用油脂 - Google Patents

食用油脂の製造方法およびそれから得られる食用油脂 Download PDF

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Abstract

【課題】リン脂質を添加しつつ、製品油脂の品質を充分に保持し得る食用油脂の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の食用油脂の製造方法は、リン脂質を0.5〜70ppmの量で含有する原料油脂を脱臭する工程を含み、かつ前記脱臭する工程を経た後に得られる食用油脂に、脱臭工程を経ていないリン脂質を添加しないことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、臭気を有効に低減しつつ良好な風味を保持し、かつ優れた品質保持性を有する食用油脂の製造方法、およびその製造方法により得られる食用油脂に関する。
近年、食品の品質に対する関心がますます向上しつつあり、揚げ物等の加工食品に活用されている食用油脂についても例外ではない。食用油脂は重要な働きを担う必須脂肪酸や生理活性成分を含んでおり、油脂の精製や加工の段階を経てもなお、これらを有効に保持することが望まれている。
食用油脂は、一般に密封された容器に格納したまま冷暗所にて保管すれば、品質を保持したまま長期間保存することができる。しかしながら、開封後に長時間にわたって空気と接触したり高温で加熱したりすると、油脂の酸化が進行して、香りの変化や臭気の発生、色の変化、毒性物の発現等種々の変化が生じ、有効成分の活性も損なわれて品質の低下につながることとなる。
食用油脂の原料となる粗油中には微量金属やワックス分等とともにレシチン等のリン脂質が含まれるが、このリン脂質が製品中に多く残存していると、加熱によって激しく着色したり、フライ時における泡立ちの発生原因となったりするおそれがあるため、通常、加熱用の食用油脂を得るには、水や酸を使用して脱ガム工程においてこれを充分に除去する。また、その後の脱酸工程においても、脱ガム工程を経た油脂中に微量に残存するリン脂質が遊離脂肪酸等とともに除去され、精製された油脂中にはほとんど存在しない(例えば精製菜種油は0.4ppm以下程度)。
こうしたなか、特許文献1〜2には、リン脂質を適度な量で油脂中に存在させることにより、通常の精製工程を経た精製油脂よりも、かえって加熱時の着色を抑制し、また加熱安定性が向上する点に着目し、精製された油脂に特定の量のリン分を添加する方法が開示されている。これらはいずれも精製工程を経た食用油脂に、圧搾油、抽出油、脱ガム油等のリン脂質含有物を添加することにより、製品中にリン分を在中させるものである。
特許第4095111号公報 特許第4159102号公報
しかしながら、上記のような方法であると、脱臭工程を経て精製された油脂に原油や脱ガム油等のリン脂質含有物を添加するため、風味が低下したり、臭気が残存したりする可能性があるとともに、製品油脂の品質低下をも引き起こしかねない。また、より加熱着色を抑えられる油脂も求められている。
そこで、本発明は、リン脂質を添加しつつ、製品油脂の品質を充分に保持し得る食用油脂の製造方法を提供することを目的としている。
本発明者は、上記課題を解決すべく、特定量のリン脂質を含有または添加する原料油脂を脱臭する製造方法を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の食用油脂の製造方法は、
リン脂質を0.5〜70ppmの量で含有する原料油脂を脱臭する工程を含み、かつ
前記脱臭する工程を経た後に得られる食用油脂に、脱臭する工程を経ていないリン脂質を添加せず、
前記脱臭する工程を経た後の食用油脂中に、リン脂質が0.5〜70ppmの量で含有されてなる食用油脂を得ることを特徴とする。
また、本発明の食用油脂の製造方法は、前記原料油脂中に含有されるリン脂質の少なくとも一部が添加されたものであることを特徴とする。
また、前記脱臭する工程を経た後に得られる食用油脂と、リン脂質を0〜70ppmの量で含有する精製油脂(脱臭する工程を経た油脂)とを混合してもよく、その時の食用油脂中に、リン脂質が0.5〜70ppmの量で含有されてなる食用油脂を得ることを特徴とする。
ここで、前記食用油脂中に含有されるリン脂質の量は、0.8〜50ppmであってもよい。また、前記食用油脂は加熱調理用油脂であってもよく、さらにフライ用油脂であるのが望ましい。
本発明の食用油脂は、上記食用油脂の製造方法により製造されたことを特徴とする。
本発明の製造方法によれば、脱臭工程を経て精製された食用油脂には原油や脱ガム油等の脱臭する工程を経ていないリン脂質含有物を一切添加しないため、風味が損なわれるおそれがなく、加熱着色や加熱した際における臭気も充分に低減することができる。
また、適度な量のリン脂質を含有または添加する原料油脂を脱臭するので、リン脂質が本来有する加熱後の着色抑制効果を充分に際立たせることができるとともに、品質劣化を効果的に低減することも可能となる。
したがって、上記製造方法により得られる本発明の食用油脂は、天然の油脂が本来有する良好な性状を顕在化させつつ、極めて優れた品質保持性を有している。
本発明の製造方法により得られる食用油脂は、特に加熱処理後において極めて優れた品質保持性を有し、非常に利用価値の高い食用油脂である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の食用油脂の製造方法は、リン脂質を0.5〜70ppmの量で含有する原料油脂を脱臭する工程を含み、かつ
前記脱臭する工程を経た後に得られる食用油脂に、脱臭する工程を経ていないリン脂質を添加せず、
前記脱臭する工程を経た後の食用油脂中に、リン脂質が0.5〜70ppmの量で含有されてなる食用油脂を得ることを特徴とする。
なお、本明細書において、リン脂質を含む原料油脂中のリン脂質含有量は、基準油脂分析試験法(2.4.11−1996 リン脂質)に準拠して測定した値を意味する。また、上記リン脂質とは、卵黄レシチン、植物レシチン(大豆レシチン、菜種レシチンなど)、またはこれらの分画レシチン、水素添加レシチンのほか、ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジルイノシトール(PI)を主成分とし、その他ホスファチジルセリン(PS)、これらの加水分解物であるホスファチジン酸(PA)、ホスファチジルグリセリン(PG)、リゾホスファチジルコリン(LPC)、リゾホスファチジルエタノールアミン(LPE)、スフィンゴミエリン(SPH)、およびこれらの混合物を含むものであり、各々の成分組成は元となる原料によって変動する。
さらに、本明細書において、脱臭する工程を経る前の油脂であって本発明に係る食用油脂を得るための原料となる油脂を「原料油脂」、また脱臭する工程を経た後の油脂を「食用油脂」と称し、すでに脱臭する工程を経てなり、かつリン脂質を0〜70ppmの量で含有する食用油脂を特に「精製油脂」と称する。
一般に、食用油脂は、粗油を原料として用い、順に、まず脱ガム工程を経て、必要に応じて脱酸工程、脱色工程、脱ろう工程、脱臭工程を経た精製により得られるものである。上記脱酸工程、および脱ろう工程は、採油される前の油糧原料に応じて変動し得る粗油の性状に応じて適宜選択される。
粗油が採油される前の油糧原料としては、特に限定されるものではないが、例えば、アマニ、エゴマ、シソ、カポック、ゴマ、コメ糠、サフラワー、シアナット、大豆、茶、トウモロコシ、ナタネ、ニガー、ババス、パーム、パーム核、ヤシ、ヒマワリ、綿実、落花生、ぶどう、小麦、オリーブ等が挙げられる。また食用油脂の原料油脂および/または精製油脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、サフラワー油、ぶどう油、大豆油、ひまわり油、小麦はい芽油、とうもろこし油、綿実油、ごま油、菜種油、米油、落花生油、フラックス油、エゴマ油、オリーブ油、パーム油、ヤシ油などの植物油脂、これら2種以上を混合した調合油、または、これらを分別したパームオレイン、パームステアリン、パームミッドフラクション等の分別油、これらの水素添加油、エステル交換油等のほか、中鎖脂肪酸トリグリセリドのような直接エステル化反応により製造された食用油、さらに香味原料等を添加した香味食用油等が挙げられる。
[食用油脂の製造方法]
本発明における食用油脂の製造方法は、まず上記脱臭工程を経るまでの間に特徴点を有しており、リン脂質を0.5〜70ppmの量で含有する原料油脂を脱臭する工程を含むことを特徴としている。
一般に、リン脂質は、製品中に必要以上に存在すると、加熱によって着色したり、フライ時に泡立ちが発生したりするおそれがある。そのため従来の製造方法では、水や酸により自己組織体を形成するリン脂質の性質を利用し、脱ガム工程において水または蒸気を使用することで水溶性ガムとして除去し(水脱ガム)、さらにリン酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、マレイン酸、タンニン酸等の酸を使用することで、油溶性リン脂質を除去する。続いてその後の脱酸工程においても、パルミチン酸やオレイン酸等の遊離脂肪酸、有臭成分等とともに除去する。したがって、通常、本発明における脱臭工程を経る直前の原料油脂にはリン脂質が全く含まれないか、或いは極めて微量(例えば、原料油脂として用いることのできる脱色菜種油もしくは脱色及び脱臭工程を経た精製菜種油は0.4ppm以下程度)に含まれるにすぎない。
しかしながら、本発明の製造方法では、脱臭工程において、リン脂質を0.5〜70ppm、好ましくは0.8〜50ppm、さらに好ましくは3〜15ppmの量で含有する原料油脂を用いる。かかる原料油脂が上記範囲の量のリン脂質を含有することにより、加熱の際に必要以上に油脂が着色するのを回避しつつ、リン脂質自体が本来有する、加熱時での過剰な着色を効果的に抑制する作用を際立たせることが可能となる。さらに、加熱処理後における品質劣化を低減する効果も充分に発揮させることができる。リン脂質の含有量が0.5ppm未満であると、着色抑制効果を充分に発揮させることができず、70ppmを超えると逆に必要以上に食用油脂が着色するおそれがあるとともに風味も悪くなり、品質劣化が激しくなる傾向にある。また、特にフライ時における泡立ちを充分に低減することができないおそれがある。
上記原料油脂は、脱臭工程を経る前の、圧搾油、抽出油などの粗油、粗油を脱ガム処理した脱ガム油、または脱ガム油を脱酸処理した脱酸油であればよく、さらに脱色工程を経た脱色油を使用することができ、脱色工程を経た後に一旦脱臭処理した脱臭油(リン脂質無添加)も原料油脂として使用することができる。脱色工程は、通常、活性白土や活性炭などを使用して油脂に含まれる着色成分を吸着除去するものであるが、かかる工程を経た脱色油および脱臭油は、油脂に含有されているリン脂質まで吸着除去される。したがって、これら脱色油または脱臭油を原料油脂として用いる場合、リン脂質の多い油脂(粗油及び/又は脱ガム油)とリン脂質の少ない油脂(脱色油及び/又は脱臭油)とを上記リン脂質量になるように適宜調整を行いブレンドして、脱臭処理を行うことにより食用油脂を製造するのが好ましい。特に、粗油を水もしくは蒸気にて脱ガムした水脱ガム油と、粗油を脱ガム、脱酸、脱色した脱色油とをブレンドして脱臭するのが好ましい。
このような量のリン脂質を含有した原料油脂を得るには、脱ガム工程や脱酸工程において使用する水や酸の量を調整してもよいが、他の除去すべき不純物の残存量に及ぼす影響や工程条件選定の煩雑化等を回避し得る観点から、脱臭工程を経る前に、従来の製造方法と同様の脱ガム工程および脱酸工程を経ることによって充分にリン脂質が除去された原料油脂に、特定量のリン脂質を添加する工程を経るのが望ましい。
すなわち、本発明の食用油脂の製造方法において、前記原料油脂中に含有されるリン脂質の少なくとも一部が添加されたものであるのが好ましい。リン脂質を添加するには、具体的には、例えば、脱ガム工程で採取される水脱ガム油や脱ガム油滓等の留出物、これらの留出物に分離や精製等の処理を施したもの、または市販のリン脂質製品等をリン脂質含有物として添加するのが望ましい。市販のリン脂質製品としては、着色をより回避し得るよう操作された環境下で製造されたものを採用するのが好ましい。これらリン脂質含有物に含まれるリン脂質含有量は原料の種類や工程条件等に応じて変動し得るものであり、これに含まれるリン脂質量を勘案しつつ、リン脂質が添加された後の原料油脂100質量%中に、添加したリン脂質の量が上記範囲の量で含有されるように、原料油脂へのリン脂質含有物の添加量を適宜調整する。
原料油脂へのリン脂質の添加方法は特に限定されるものではなく、脱臭前に上記リン脂質量になるように適宜添加すればよい。具体的には、例えば、リン脂質を50〜80℃で1〜20質量倍に原料油脂で希釈し、希釈液を原料油脂に添加し、混合するのが好ましいが、脱臭工程では加熱された油脂中に蒸気が吹き込まれるため、これによって攪拌が充分に行われるので、脱臭直前もしくは、脱臭中にリン脂質を添加するだけでもよい。
なお、従来の製造方法と同様の脱ガム工程および脱酸工程を経ることによって、リン脂質が除去された原料油脂にリン脂質を添加する場合、かかる原料油脂には通常0〜0.4ppm程度のリン脂質が含有されるにすぎないため、リン脂質を添加する前にすでに含有されているリン脂質分を加味しても、リン脂質を添加した後の原料油脂100質量%中におけるリン脂質の総含有量(添加前の原料油脂に含まれていたリン脂質量+添加されたリン脂質量)は、添加されたリン脂質の含有量と実質的に同一となる場合が多い。
このように、本発明の製造方法では、各々上記特定量のリン脂質を含有する原料油脂を脱臭することとなり、また得られる食用油脂中にも特定量のリン脂質が含有されてなるため、リン脂質に起因する着色発現の抑制と低減効果とをバランスよく発揮させることが可能となる。
なお、本発明に係る製造方法において、かかる食用油脂中のリン脂質量を損なわなければ、上記脱臭処理後に得られる食用油脂と、リン脂質の含有量が0〜70ppmの精製油脂(脱臭する工程を経た油脂)とを混合することにより食用油脂を製造してもよい。リン脂質の含有量が0〜70ppmの精製油脂(脱臭する工程を経た油脂)は、前述の原料油脂を用い、リン脂質を適宜添加もしくは未添加で原料油脂中にリン脂質が0〜70ppmの量で含有されるようにして、脱臭することにより製造することができる。このようにして得られる食用油脂においても、上記混合前の食用油脂および精製油脂はともに脱臭処理がなされているため、混合後に脱臭工程を経る必要がない。また、脱臭工程を経た後の食用油脂に、脱臭する工程を経ていないリン脂質を添加しないことから、上記混合後の食用油脂にも一切、脱臭する工程を経ていないリン脂質を添加しない。
上記脱臭処理後に得られる食用油脂と、リン脂質の含有量が0〜70ppmの精製油脂(脱臭する工程を経た油脂)とを混合する場合、これらの混合比(上記脱臭処理後に得られる食用油脂:リン脂質の含有量が0〜70ppmの精製油脂)は食用油脂中のリン脂質量を損なわなければ特に制限されるものではないが、通常10:90〜99:1(質量比)、好ましくは50:50〜90:10である。
本発明における食用油脂の製造方法は、脱臭する工程を経た後に得られる食用油脂に、脱臭する工程を経ていないリン脂質を添加しないことを特徴として有している。ここで、脱臭する工程を経ていないリン脂質とは、かかるリン脂質が油脂に在中する間に脱臭処理がなされていないリン脂質を意味し、油脂やリン脂質含有物等に含まれるリン脂質をも含む意味であり、例えば上述したリン脂質の含有量が0〜70ppmの精製油脂(脱臭する工程を経た油脂)中のリン脂質等は該当しない。したがって、脱臭工程を経る前に製品における臭気発生の原因ともなり得るリン脂質含有物を添加したとしても、その後に脱臭工程を経て、一旦この脱臭工程を経れば食用油脂が得られるまで、脱臭する工程を経ていないリン脂質を一切添加しないため、脱臭効果をそのまま製品化に至るまで持続させることができ、得られる食用油脂自体の風味を損なうことがなく、臭気発生を充分に抑制することができる。また、脱臭する工程を経た後に得られる食用油脂に、脱臭する工程を経ていないリン脂質を添加した油脂に比べて、かかる食用油脂を加熱した後においても、より加熱着色を抑え、加熱臭の発生を効果的に低減するとともに、油脂の劣化を充分に抑制することも可能となる。
さらに、リン脂質を含有した原料油脂を用いる場合にも、またリン脂質希釈液を添加する場合にも脱臭処理前に原料油脂の攪拌または混合を行うため、或いは脱臭直前もしくは脱臭中にリン脂質を添加する場合でも脱臭処理によりリン脂質の加熱及び攪拌が充分行われるため、脱臭工程を経た後の食用油脂にリン脂質を含有する精製油脂を混合する方法に比べて、追加の加熱及び攪拌が不要になる点でエネルギー効率もよい。
本発明の製造方法において、リン脂質を含む油脂の脱臭処理を行うが、脱臭処理としては通常油脂で行われる減圧水蒸気蒸留であるのが好ましい。たとえば、脱臭温度220〜260℃で40〜100分、減圧下で、蒸気を対油脂0.5〜5%の量で吹き込むのが好ましい。
[本発明に係る食用油脂]
上記本発明に係る食用油脂の製造方法により得られる食用油脂は、リン脂質を含む原料油脂中にリン脂質を0.5〜70ppm、好ましくは0.8〜50ppm、さらに好ましくは3〜15ppmの量で含有し、脱臭することにより製造されるものであり、得られる食用油脂中にも、リン脂質が0.5〜70ppm、好ましくは0.8〜50ppm、さらに好ましくは3〜15ppmの量で含有されている。かかる食用油脂には脱臭工程を経た後に一切、脱臭する工程を経ていないリン脂質が添加されておらず、良好な風味を有し、加熱臭等の発生を効果的に低減し得る、品質保持性の高い食用油脂である。
このような食用油脂としては、特に制限されるものではないが、加熱後の品質保持性を充分に活用する観点から、フライ調理、炒め調理、焼き調理等のように、通常140〜240℃程度の使用温度におかれる加熱処理に適した加熱調理用食用油脂であるのが好ましい。また、かかる品質保持性に加え、特にフライ時における泡立ち発生の低減効果を充分に発揮させる観点からは、通常160〜200℃程度の使用温度におかれるフライ調理に適したフライ用油脂であるのが好ましい。
なお、本発明に係る食用油脂の製造方法により得られる食用油脂は、リン脂質及び油脂以外の成分として、例えば、一般的な食用油に用いられる成分(食品添加物など)を添加させることができる。これらの成分としては、例えば、乳化剤、酸化・劣化防止剤、結晶調整剤等が挙げられ、脱臭後から充填前に添加されることが好ましい。乳化剤として、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び有機酸モノグリセリド等が挙げられる。酸化・劣化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、アスコルビン酸エステル、フラボン誘導体、コウジ酸、没食子酸誘導体、カテキンおよびそのエステル、フキ酸、ゴシポール、セサモール、テルペン類、シリコーン等が挙げられる。結晶調整剤としては、例えば、トリアシルグリセロール、ジアシルグルセロール、ワックス類、ステロールエステル類等が挙げられる。また、香辛料や着色成分等も添加することができる。香辛料としては、例えば、カプサイシン、アネトール、オイゲノール、シネオール、ジンゲロン等が挙げられる。着色成分としては、例えば、カロテン、アスタキサンチン等が挙げられる。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、各評価項目については、以下の基準および方法に従った。
《酸価》
基準油脂分析試験法(2.3.1−1996 酸価)に従って測定した。数値が大きいほど、遊離脂肪酸が多く好ましくない。
《色度(I)〜(II)》
ロビボンド比色計(ロビボンド比色計E型計測器、ティントメーター社製)により、精製直後の油脂については5+1/4インチセルを使用して色度(I)を測定し、加熱処理後の油脂については1/2インチセルを使用して測定し、Y+10Rとして指数化した値を色度(II)として評価した(Y:黄色、R:赤)。数値が大きいほど、着色しており好ましくない。
《TPM値》
デジタル食用油テスター(testo265、株式会社テストー製)を用い、極性化合物量の値(TPM値)を測定した。数値が大きいほど、極性化合物量が多く好ましくない。
《風味評価》
製造直後(未加熱処理)の油脂の一部(25℃)を抽出して口に含み、パネラー10名によって風味を下記の4段階で評価し、各評価の平均を求めた。
◎:無味無臭で風味が極めて良好である
○:若干のニオイ等があるが良好である
△:ニオイがあるが賞味可能である
×:風味が悪く食用として好ましくない
《加熱臭評価》
製造直後(未加熱処理)の油脂40gを100mlビーカー中に取り、180℃に加熱した際の臭気について、パネラー10名によって下記の3段階で評価し、各評価の平均を求めた。
A:無臭で極めて良好なもの
B:原料特有の臭いが若干認められるが良好なもの
C:異臭が感じられるもの
[実施例1〜11]
原料油脂として菜種脱色油(常法により脱ガム工程から脱色工程まで経て、脱臭工程を経る前の油:リン脂質含有量0ppm、日清オイリオグループ(株)社製)を用い、リン脂質添加後の原料油脂全量100質量%中における、添加されたリン脂質量が表1〜2に示す量となるように、リン脂質含有物A〜Dを添加した。
次いで、常法に従って脱臭工程(240〜250℃、90分、減圧、吹込み水蒸気量対油2%)を経て、上記原料油脂から食用油脂を得た。得られた食用油脂を用い、製造直後の油脂として、上記に従って油脂100質量%中におけるリン脂質量含有量、酸価、色度、TPM値、加熱臭および風味評価を行った。結果を表1〜2に示す。
また、得られた食用油脂300gを2Lステンレスジョッキに入れ、油浴中にて180℃で60時間加熱し、かかる加熱処理後の油脂について、上記に従って酸価、色度、TPM値について評価した。結果を表1〜2に示す。
[比較例1]
実施例1〜11で用いた菜種脱色油(日清オイリオグループ(株)社製)にリン脂質含有物を一切添加せず、常法に従って脱臭工程(240〜250℃、90分、減圧、吹込み水蒸気量対油2%)を経て食用油脂を得、実施例1〜11と同様にして、製造直後の油脂および加熱処理後の油脂について各評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1〜11で用いた菜種脱色油(日清オイリオグループ(株)社製)を常法に従って脱臭処理(240〜250℃、90分、減圧、吹込み水蒸気量対油2%)し、リン脂質添加後の原料油脂全量100質量%中における、添加されたリン脂質量が表1に示す量となるように、リン脂質含有物Bを添加した。
次いで、実施例1〜11と同様にして、製造直後の油脂および加熱処理後の油脂について各評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例3]
実施例1〜11で用いた菜種脱色油(日清オイリオグループ(株)社製)に、リン脂質添加後の原料油脂全量100質量%中における、添加されたリン脂質量が35ppmとなるように、リン脂質含有物Bを添加した。続いて常法に従って脱臭処理(240〜250℃、90分、減圧、吹込み水蒸気量対油2%)し、さらにリン脂質含有物Bを35ppm添加した(リン脂質総添加量=70ppm)。
次いで、実施例1〜11と同様にして、製造直後の油脂および加熱処理後の油脂について各評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例4〜5]
実施例1〜11で用いた菜種脱色油(日清オイリオグループ(株)社製)に、リン脂質添加後の原料油脂全量100質量%中における、添加されたリン脂質量が表2に示す量となるように、リン脂質含有物Bを添加した。
次いで、常法に従って脱臭工程(240〜250℃、90分、減圧、吹込み水蒸気量対油2%)を経て食用油脂を得、実施例1〜11と同様にして、製造直後の油脂および加熱処理後の油脂について各評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2010227039
Figure 2010227039
※1:脱臭工程を経る前に添加したリン脂質含有物添加量(全てのリン脂質含有物添加後の油脂総量に対する添加量)。
※2:脱臭工程を経た後に添加したリン脂質含有物添加量(全てのリン脂質含有物添加後の油脂総量に対する添加量)。
※3:リン脂質を添加する前に含まれていたリン脂質および添加されたリン脂質の双方を含む。
※4:日清レシチンDX(日清オイリオグループ(株)製、リン脂質含有量:63質量%)
※5:菜種水脱ガム油(リン脂質含有量:0.10質量%)
※6:大豆水脱ガム油(リン脂質含有量:0.13質量%)
※7:乾燥させた菜種脱ガム油滓(リン脂質含有量:42質量%)
表1〜2の結果より、リン脂質を一切添加せず、原料油脂中にもリン脂質を一切含有しない比較例1に比して、実施例1〜11は精製直後の油脂の品質を同等に保持しつつ、加熱処理後の品質保持性に極めて優れているのがわかる。また、上記実施例は、脱臭後にリン脂質を添加した比較例2〜3と比して、精製直後の品質が高く、良好な風味を有するとともに加熱臭を充分に低減できることがわかる。また、加熱処理後の着色も充分抑えられていることがわかる。
また、実施例1〜11と比較して、脱臭工程を経る前にリン脂質を添加した比較例4〜5では、かかる添加されたリン脂質量が0.5〜70ppmの範囲外の量であるため、加熱処理後の品質が低下したり(比較例4)、精製直後の風味が損なわれ、加熱臭も悪化したり(比較例5)することがわかる。なお、これら比較例4〜5は、脱臭工程を経る直前の原料油脂中に含有されるリン脂質量も0.5〜70ppmの範囲外の量であった。
[実施例12]
実施例1〜11で用いた菜種脱色油(日清オイリオグループ(株)社製)にリン脂質含有物を一切添加せず、常法に従って脱臭工程(240〜250℃、90分、減圧、吹込み水蒸気量対油2%)を経て精製油脂を得た。次いで、実施例10で得られた食用油脂と該精製油脂とを8:1で混合した(リン脂質量28%)。得られた食用油脂は比較例1〜5と比して、風味、加熱臭とも良好であり、加熱による着色も抑えられていた。

Claims (7)

  1. リン脂質を0.5〜70ppmの量で含有する原料油脂を脱臭する工程を含み、かつ
    前記脱臭する工程を経た後に得られる食用油脂に、脱臭する工程を経ていないリン脂質を添加せず、
    前記脱臭する工程を経た後の食用油脂中に、リン脂質が0.5〜70ppmの量で含有されてなる食用油脂を得ることを特徴とする食用油脂の製造方法。
  2. 前記原料油脂中に含有されるリン脂質の少なくとも一部が添加されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の食用油脂の製造方法。
  3. 前記脱臭する工程を経た後に得られる食用油脂と、リン脂質を0〜70ppmの量で含有する精製油脂(脱臭する工程を経た油脂)とを混合する工程を含み、
    前記混合する工程を経た後の食用油脂中に、リン脂質が0.5〜70ppmの量で含有されてなる食用油脂を得ることを特徴とする請求項1または2に記載の食用油脂の製造方法。
  4. 前記食用油脂中に含有されるリン脂質の量が、0.8〜50ppmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の食用油脂の製造方法。
  5. 前記食用油脂が加熱調理用油脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の食用油脂の製造方法。
  6. 前記加熱調理用油脂がフライ用油脂であることを特徴とする請求項5に記載の食用油脂の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の食用油脂の製造方法により製造されたことを特徴とする食用油脂。
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