以下、本発明に係わる電力制御装置および電力制御システムおよび電力制御プログラムの一実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態における電力制御装置および電力制御システムおよび電力制御プログラムを適用して構成した画像形成システムのシステム構成図の一例である。
図1において、電力制御システムは、電力制御装置100、ホストPC200、プリンタ1(300−1)、プリンタ2(300−2)を具備しており、これらはネットワーク通信回線を介して接続されている。これによって、これらはネットワークノードを構成し、ネットワーク通信回線を介して相互間の通信を行う。
プリンタ1(300−1)およびプリンタ2(300−2)(以下、総称して「プリンタ300」という)は、ホストPC200からの処理要求に基づいて処理を行う情報処理装置の一例であって、ホストPC200から印刷ジョブの印刷要求を受信することにより印刷出力処理を行う。なお、プリンタ300は画像形成装置とも示され、画像形成装置における一機能の印刷出力機能を行う。
このプリンタ300は、省電力機能を有しており、印刷出力処理を行う「通常電力状態」と一定時間以上継続して印刷出力処理等の操作が行われない場合に通常電力状態よりも低電力の状態である「省電力状態」とを切り替える節電処理を行うことによって消費電力量を増減させる。
この節電処理は、省電力状態から通常電力状態へ遷移するために、プリンタ300を構成するコントローラ、エンジンを順次、停止させる処理である。
また、ホストPC200は、電力制御装置100若しくはプリンタ300に処理要求を行う処理要求元である。
そして、電力制御装置100は、ネットワーク上の1または複数のノードに対して供給する電力を制御する制御装置であって、特に、印刷出力処理を行うプリンタ300に対する電力の供給を制御する。すなわち、プリンタ300の電源部から延びる電源コードは電力制御装置100の電源コード接続部であるアウトレットに接続された状態あって、プリンタ300は電力制御装置100から電力の供給を受ける。
電力制御装置100やホストPC200は、壁面等に設けられたコンセントに電源コードを接続することによって電力供給を受ける。
このとき、電力制御装置100自体が供給される電力は、アウトレットに接続されうるプリンタ300の台数および各プリンタ300において必要とされる総電力量以上の電力の供給を受けた状態にある。
このようなネットワーク構成における電力制御装置100の詳細な構成を示す図を図2、図3に示す。
なお、図1に示す構成図では、電力制御装置100とプリンタ300とを別の装置によって構成した場合の構成図を示しているが、これに限定されることなく、図5に示すようにプリンタの機能を実現する画像形成部と、電力制御装置の機能を実現する電力制御部によって構成されるような装置によって構成することも可能である。もちろん、電力制御装置に画像形成部を搭載する構成、画像形成装置に電力制御部を搭載する構成とすることも可能である。
図2は、本発明の実施の形態における電力制御装置で行われる処理の詳細な構成を示すブロック図である。
図2において、電力制御装置100は、通信インターフェース101、アウトレット節電制御部102、アウトレット電源部103、消費電力計測部104、電源部105、アウトレット部106を具備して構成される。
通信インターフェース101は、ネットワーク通信回線を介して他のノードとネットワーク通信を行うインターフェースであり、通信インターフェース101を介してホストPC200およびプリンタ300との情報送受信を行う。この通信インターフェース101によってホストPC200から処理要求を受信すると、受信通知をアウトレット節電制御部102に行う。
電源部105は、壁面等のコンセントに電源コードのプラグを接続することで電力の供給を受け、電力制御装置100における処理を行う構成部分に給電するとともにアウトレット電源部103に配電する。このアウトレット電源部103では、電源部105から配電されることによってアウトレット部106に接続された電源コードを介してプリンタ300に電力を供給する。
このアウトレット電源部103におけるアウトレット部106を介して接続されたプリンタ300における消費電力の状態を消費電力計測部104が計測する。すなわち、プリンタ300が通常電力状態にある場合、省電力状態にある場合、これらの状態の変化過程にある場合それぞれにおける消費電力を計測する。
消費電力計測部104は、電力計等によって具現され、アウトレット電源部103からアウトレット部106に配電される電力量を各アウトレットごとに計測し、計測した消費電力量をアウトレット節電制御部102に通知する。
アウトレット節電制御部102は、消費電力計測部104によって計測された電力量に基づいて、プリンタ300への電力供給を行う接続口であるアウトレット部106に接続された各プリンタへの電力供給を制御する。すなわち、プリンタ300が印刷出力処理を行うことができる電力量が供給された通常電力状態にある場合とその通常電力状態よりも低電力の省電力状態にある場合とで供給する電力量を変化させる。
プリンタ300が省電力状態となると、アウトレット節電制御部102は、アウトレット電源部103に対してそのプリンタへの電力供給を停止するように指示を行う。また、省電力状態にあるプリンタに対する使用要求通知を通信インターフェース101を介してホストPC200から受信した場合には、アウトレット電源部103にそのプリンタへ電力を供給する指示を行う。
アウトレット節電制御部102が、アウトレット電源部103に対してそのプリンタへの電力供給を停止するように指示を行うと、通信インターフェース101を介してホストPC200に対してそのプリンタが省電力状態であることおよび電力制御装置100との通信を行う通信情報を通知する。
この通信情報は、電力制御装置100とのネットワーク通信を行う際に用いる情報であって、ネットワーク上で電力制御装置100を識別する装置名称、装置ID、IPアドレス、物理アドレス等の情報である。
このとき、ホストPC200では、その省電力状態となったプリンタの情報を記憶し、そのプリンタへ印刷要求する際には通知された通信情報を用いて電力制御装置100にそのプリンタの使用要求通知を行う。
アウトレット節電制御部102は、さらに、省電力状態にあるプリンタに対する使用要求通知を通信インターフェース101を介してホストPC200から受信することによって、アウトレット電源部103にそのプリンタへ電力を供給する指示を行う。
アウトレット節電制御部102が、アウトレット電源部103に対してそのプリンタへの電力供給を停止するように指示を行うと、通信インターフェース101を介してホストPC200に対してそのプリンタが省電力状態であることおよび電力制御装置100との通信を行う通信情報を通知する。
この通信情報は、電力制御装置100とのネットワーク通信を行う際に用いる情報であって、ネットワーク上で電力制御装置100を識別する装置名称、装置ID、IPアドレス、物理アドレス等の情報である。
このとき、ホストPC200では、その省電力状態となったプリンタの情報を記憶し、そのプリンタへ印刷要求する際には通知された通信情報を用いて電力制御装置100にそのプリンタの使用要求通知を行う。
なお、上記の図2に示す構成では、プリンタが省電力状態にあることおよびプリンタの情報をホストPC200において記憶し、当該プリンタから印刷出力する場合にホストPC200は、使用要求通知を電力制御装置100へ送信して電力制御装置100からの電力供給によってそのプリンタが通常電力状態となったことが通知されることで、プリンタに印刷要求を行うことを示しているが、これに限定されることなく図20に示す構成からなる電力制御装置において処理を行うことも可能である。
図20は、本発明の実施の形態における電力制御装置で行われる処理の詳細な構成を示すブロック図の他の例である。
図20に示す構成は、図2と類似することから、異なる点を中心に説明する。
図20に示す電力制御装置100は、通信インターフェース101、アウトレット節電制御部102、アウトレット電源部103、消費電力計測部104、電源部105、アウトレット部106、プリンタ制御部116、データ保存部117を具備する。
アウトレット節電制御部102が、消費電力計測部104によって計測された消費電力量を通知されることによって、アウトレット部106に電源コードが接続されたプリンタが省電力状態となったことを検知すると、プリンタ制御部116に対して省電力状態となったプリンタの情報を送出する。
プリンタ制御部116は、データ制御部116−A、データ解析部116−B、ホスト通信部116−Cを具備し、データ制御部116−Aが、アウトレット節電制御部102から受信したプリンタの情報を元に当該プリンタへの印刷出力に際してその送信先を電力制御装置100とすることを指示した代行受信通知を作成する。
作成した代行受信通知をホスト通信部116−Cが、ホストPC200へと送信する。
代行受信通知をホストPC200へ送信すると、プリンタ制御部116は、アウトレット節電制御部102にそのプリンタに代行受信通知を送信したことを通知する。これを受けて、アウトレット節電制御部102はそのプリンタへの電力供給を停止するようにアウトレット電源部103に指示する。
アウトレット電源部103は、そのプリンタへの電力供給を停止する。
その後、代行受信通知を送信したホストPC200より通信インターフェース101を介して印刷要求を受信した場合において、プリンタ制御部116は、データ解析部116−Bによってその受信した印刷要求を解析し、印刷出力先として指定されたプリンタを特定する。また、プリンタ制御部116は、印刷要求された印刷ジョブをデータ保存部117へと保存する。
データ解析部116−Bによってデータが解析されて印刷出力先として指定されたプリンタが特定されると、プリンタ制御部116は、アウトレット節電制御部102に対して当該プリンタを印刷出力先として指定された印刷要求を受信したことを通知する。このとき、アウトレット節電制御部102では、そのプリンタへの電力供給をアウトレット電源部103へ指示する。
アウトレット電源部103は、そのプリンタへの電力を供給する。
消費電力計測部104によって、プリンタが通常電力状態の消費電力量であることが計測されると、アウトレット節電制御部102は、プリンタ制御部116にプリンタが通常電力状態となったことを通知する。プリンタ制御部116は、データ保存部117に保存している印刷ジョブを取得し、通信インターフェースを介してそのプリンタに送信する。
プリンタに印刷ジョブを送信すると、プリンタ制御部116は、受信代行解除通知をホストPC200へと送信する。
図21は、図20に示す構成からなる電力制御装置から代行受信通知をうけるホストPCの詳細な構成を示す図である。
図21において、ホストPC200は、アプリケーション部201、ドライバ部202、プリンタポート部203、通信インターフェース部204、記憶部205を具備して構成される。
アプリケーション部201は、ユーザ操作等を受け付けることによりアプリケーションによって印刷対象の文書や画像データを作成し、印刷対象をドライバ部へ送信する。ドライバ部202は、印刷対象から印刷ジョブを生成し、記憶部205に記憶されたプリンタの情報を用いて、印刷出力を行うプリンタを設定する。
生成した印刷ジョブを論理的に印刷出力を行うプリンタポート部203は、通信インターフェース部204を介して印刷ジョブを電力制御装置100へ送信する。
また、電力制御装置100から受信代行通知を通信インターフェース部204を介して受信し、通信インターフェース部204は、その通信代行通知をドライバ部202へ転送する。
ドライバ部205は、記憶部205に記憶するプリンタの情報として当該プリンタのあて先情報を受信代行通知で指定された電力制御装置100とする設定を行う。以降、そのプリンタのあて先を電力制御装置100として印刷要求を行う。
さらに通信インターフェース部204では、電力制御装置100から受信代行解除通知を受信すると、ドライバ部202へと送出し、ドライバ部202は記憶部205に記憶されたあて先を電力制御装置100とする設定を解除し、初期設定として設定されたプリンタの情報を設定する。
図22は、図20に示す電力制御装置の構成において行われる詳細な処理の流れを示すフローチャートである。
図22において、電力制御装置は、プリンタが省電力状態となったことを検知したかを判断し(2201)、省電力状態となるまでは待機する。また、プリンタが省電力状態となったことを検知すると(2202でYES)、そのプリンタの情報を含む代行受信通知をホストPCへと送信する(2202)。また、そのプリンタへの電力の供給を停止する(2203)。
続いて、代行受信通知を送信したホストPCから、電力供給を停止したプリンタを印刷出力先とする印刷要求を受信したかを判断する(2204)。この印刷要求を受信した場合(2204でYES)には、そのプリンタに電力を供給する(2205)。これによって、プリンタが通常電力状態となったかを判断し(2206)、通常電力状態となるまでは待機し、通常電力状態となった場合(2206でYES)には、保存している印刷ジョブをそのプリンタに送信する(2207)。
印刷ジョブの送信が完了すると、代行受信解除通知をそのホストPCに対して送信する(2208)。
図23は、図21に示すホストPCの構成において行われる詳細な処理の流れを示すフローチャートである。
図23において、ホストPCは、電力制御装置から代行受信通知を受け付けたかを判断し(2301)、代行受信通知を受け付けた場合(2301でYES)には、その代行受信通知で指定されたプリンタのあて先を、代行受信通知の送信元である電力制御装置への変更する(2302)。
続いて、ホストPCから受信した印刷要求が、代行受信通知を行うことによってあて先を電力制御装置へと変更したプリンタにて印刷出力することが指示されているかを判断する(303)。そのプリンタにて指示されている場合(2303でYES)には、電力制御装置を印刷ジョブの送信先と設定し、印刷出力を行うプリンタを指定した印刷要求を作成する(2304)。
そして、作成した印刷要求を電力制御装置へ送信する(2305)。
以上に示すように、電力制御装置100がホストPC200から印刷要求を受信し、電力制御装置100を介して印刷出力を行うことも可能である。
図3は、本発明の実施の形態における電力制御装置の詳細な構成を示すブロック図であって、図2に示すブロック図と類似することから異なる点を中心に説明する。
図3において、図3(a)は、プリンタが省電力状態となったことにより電力制御を行う電力制御装置の構成であり、図3(b)は、プリンタが省電力状態となった場合であって電力供給の停止制御を行う電力制御条件に合致することによって電力制御を行う電力制御装置の構成である。
まず、図3(a)において、電力制御装置100は、電力制御装置100は、通信インターフェース101、アウトレット節電制御部102、アウトレット電源部103、消費電力計測部104、電源部105、アウトレット部106、同期時間設定部107を具備した構成であって、図2に示すブロック図にさらに同期時間設定部107を設けた構成である。
同期時間設定部107は、印刷要求元のホストPC200がプリンタ300から動作状態情報を取得するまでの時間が設定されている。
すなわち、この時間を経過することによって、ホストPC200は、プリンタから動作状態の情報を取得することとなることを示している。よって、この時間を経過したときに電力制御装置100がプリンタから動作状態の情報を取得することによって、ホストPC200におけるプリンタの動作状態と電力制御装置100におけるプリンタの動作状態とが同期した状態、すなわち同じ動作状態を認識していることとなる。
以下、同期時間設定部107に設定された時間を「同期時間」と称する。
アウトレット節電制御部102は、消費電力計測部104によって計測された消費電力量の情報が通知されることで、プリンタが省電力状態となったことを検知すると、同期時間設定部107に設定された同期時間を取得する。そして、取得した同期時間が有効であってホストPC200がプリンタの動作状態を認識するまでに一定時間以上ある場合には、その同期時間となるまで計時する。
同期時間となり、消費電力計測部104により計測された電力量からそのプリンタが省電力状態を継続している場合に、アウトレット節電制御部102は、アウトレット電源部103に対してそのプリンタへの電力供給を停止する指示を行う。
これを受けて、アウトレット電源部103は、そのプリンタ300への電力供給を停止する。
このとき、ホストPC200は、プリンタ300が省電力状態となったことを認識していることから、電力制御装置100からプリンタ300の状態を通知されることを要しない。すなわち、図2に示す構成においては、アウトレット電源部103からプリンタ300への電力の供給が停止された場合に、電力制御装置100がホストPC200に対してプリンタ300が省電力状態となったことを通知しているが、この通知を行わない。
また、ホストPC200では、予め電力制御装置100の通信情報を記憶した状態にある。
次に、図3(b)において、電力制御装置100は、電力制御装置100は、通信インターフェース101、アウトレット節電制御部102、アウトレット電源部103、消費電力計測部104、電源部105、アウトレット部106、同期時間設定部107、条件設定部118を具備した構成であって、図2に示すブロック図にさらに同期時間設定部107を設けた構成である。
同期時間設定部107は、印刷要求元のホストPC200がプリンタ300から動作状態情報を取得するまでの時間が設定されている。
すなわち、この時間を経過することによって、ホストPC200は、プリンタから動作状態の情報を取得することとなることを示している。よって、この時間を経過したときに電力制御装置100がプリンタから動作状態の情報を取得することによって、ホストPC200におけるプリンタの動作状態と電力制御装置100におけるプリンタの動作状態とが同期した状態、すなわち同じ動作状態を認識していることとなる。
以下、同期時間設定部107に設定された時間を「同期時間」と称する。
アウトレット節電制御部102は、消費電力計測部104によって計測された消費電力量の情報が通知されることで、プリンタが省電力状態となったことを検知すると、同期時間設定部107に設定された同期時間を取得する。そして、取得した同期時間が有効であってホストPC200がプリンタの動作状態を認識するまでに一定時間以上ある場合には、その同期時間となるまで計時する。
同期時間となり、消費電力計測部104により計測された電力量からそのプリンタが省電力状態を継続している場合に、アウトレット節電制御部102は、条件設定部118に設定された電力制御条件を取得し、プリンタの印刷履歴がその電力制御条件に合致するかを判断する。印刷履歴が電力制御条件に合致する場合には、アウトレット電源部103に対してそのプリンタへの電力供給を停止するように指示を行う。
印刷履歴は通信インターフェースを介してプリンタから取得するほか、印刷履歴を管理する管理サーバ(図示せず)等から取得する。この印刷履歴は、印刷出力したジョブ数、印刷出力枚数、総印刷時間等である。
また、電力制御条件は、省電力状態となったプリンタ300への電力供給を停止する条件であって、印刷履歴に基づく閾値により構成される。例えば、一定期間内に印刷出力が行われた印刷回数や印刷枚数などを元に閾値を設定し、印刷履歴により示される一定期間内の印刷回数や印刷枚数が閾値以下である場合には省電力状態となったプリンタへの電力供給を停止することとする。
さらに、閾値として、上限閾値、下限閾値を設定し、アウトレット節電制御部102は、印刷履歴により示される印刷回数や印刷枚数が(1)下限閾値未満であるか、(2)下限閾値以上であって上限閾値未満であるか、(3)上限閾値以上であるかを判断する。
例えば、(1)下限閾値未満である場合には省電力状態となったプリンタへの電力供給を停止し、(2)下限閾値以上であって上限閾値未満である場合にはユーザに問合せして電力の供給を停止することが指示された場合に電力供給を停止し、(3)上限閾値以上である場合には電力供給を停止することなく継続する。
このようにして、電力制御条件を満たすと、アウトレット節電制御部102は、アウトレット電源部103に対してそのプリンタへの電力供給を停止する指示を行う。
これを受けて、アウトレット電源部103は、そのプリンタ300への電力供給を停止する。
このとき、ホストPC200は、プリンタ300が省電力状態となったことを認識していることから、電力制御装置100からプリンタ300の状態を通知されることを要しない。すなわち、図2に示す構成においては、アウトレット電源部103からプリンタ300への電力の供給が停止された場合に、電力制御装置100がホストPC200に対してプリンタ300が省電力状態となったことを通知しているが、この通知を行わない。
また、ホストPC200では、予め電力制御装置100の通信情報を記憶した状態にある。
図4は、本発明の実施の形態における電力制御装置で行われる処理の流れを示すフローチャートである。
図4において、電力制御装置のアウトレット部に電源コードが接続されたプリンタの消費電力量が通常電力状態の電力量から減少することによって省電力状態へと遷移することを検知すると(401)、そのプリンタに対して設定された同期時間の情報を取得する(402)。
すなわち、同期時間の情報はアウトレット部に電源コードが接続されたプリンタごとの情報である。もちろん、全てのプリンタに共通する同期時間の情報を設定しておくような構成であってもよい。
このようにして取得した同期時間の情報から、同期時間を経過したかを判断する(403)。その同期時間を経過するまでは待機状態とし(403でNO)、同期時間を経過した場合(403でYES)には、そのプリンタが省電力状態を継続していることによって当該プリンタへの電力供給を停止する(404)。
続いて、このようにして電力供給が停止された状態にあるプリンタに対して、ホストPCからそのプリンタへの電力供給を行うことを要求する使用要求通知を受信したかを判断する(405)。その使用要求通知を受信するまでは(405でNO)電力供給を停止した状態を継続する。
それに対して、使用要求通知をホストPCから受信すると(405でYES)、使用要求通知で指定されたプリンタに電力を供給する(406)。
この電力供給によってプリンタが通常電力状態となったかを、電力計等によって計測した消費電力量によって判断し(407)、通常電力状態となるまでの復旧状態にある場合(407でNO)には待機状態となる。また、電力が供給されて通常電力状態へと遷移した場合(407でYES)には、通常電力状態へ遷移したことをホストPCへと通知する(408)。
これにより、ホストPCはそのプリンタに対して印刷ジョブを含む印刷要求を行い、プリンタが印刷出力を行う。
図6は、本発明の実施の形態における電力制御システムの詳細な構成を示すシステム構成図である。
図6において、電力制御システムは、電力制御装置100、ホストPC200、プリンタ1(300−1)、プリンタ2(300−2)を具備しており、これらはネットワーク通信回線を介して接続されている。これによって、これらはネットワークノードを構成し、ネットワーク通信回線を介して相互間の通信を行う。
プリンタ1(300−1)およびプリンタ2(300−2)(以下、総称して「プリンタ300」という)は、ホストPC200からの処理要求に基づいて処理を行う情報処理装置の一例であって、ホストPC200から印刷ジョブの印刷要求を受信することにより印刷出力処理を行う。なお、プリンタ300は画像形成装置とも示され、画像形成装置における一機能の印刷出力機能を行う。
このプリンタ300は、省電力機能を有しており、印刷出力処理を行う「通常電力状態」と一定時間以上継続して印刷出力処理等の操作が行われない場合に通常電力状態よりも低電力の状態である「省電力状態」とを切り替える節電処理を行うことによって消費電力量を増減させる。
この節電処理は、省電力状態から通常電力状態へ遷移するために、プリンタ300を構成するコントローラ、エンジンを順次、停止させる処理である。
プリンタ300では、自己の動作状態を示す動作状態情報を記憶しており、この動作状態情報には、プリンタ300における構成部分(通信部、コントローラ、エンジン)ごとの動作状態の情報が含まれる。
この動作状態情報は、たとえば、(1)各ノード間の通信プロトコルにSNMP(Simple Network Management Protocol)を用いて情報交換される管理情報ベース(MIB:Management Information Base)、(2)PJL(Printer Job Language)コマンドによって取得可能な情報、(3)デバイスIDの情報である。
このときの(1)通信機器における基本的な情報を管理した標準規格の管理情報ベース(MIB)である「MIB−2」の一例を図9に示し、(2)PJLコマンドの情報の一例を図10に示し、(3)デバイスIDの情報の一例を以下に示し、順に説明する。
まず、(1)管理情報ベース(MIB)により動作状態情報が示された例を図9を用いて説明する。
図9には、各プリンタ300における動作状態を示したMIBの例を示している。
この図9において、MIBは、[動作状態名称(Name)]項目901、[動作状態識別番号(Oid)]項目902、[動作状態パス(Path)]項目903、[動作状態値(Value)]項目904によって構成されている。
[動作状態名称(Name)]項目901は、動作状態を示した項目の名称であって、その一例として「hrPrinterStatus」が示されている。この「hrPrinterStatus」によってプリンタの現時点での動作有無を判断することができ、この動作状態を識別する番号が「1.3.6.1.25.3.5.1.1」であって、この動作状態は「iso.org.dod.internet.mgmt.mib−2.host.hrDevice.hrPrinterTable.hrPrinterEntry.hrPrinterStatus」というパスにあるということが示されている。
そして、この「hrPrinterStatus」により示されるプリンタの現時点での動作有無の状態を表す値として、[動作状態値(Value)]項目904に「idle」が示されている。この[動作状態名称(Name)]項目901に示される動作状態名称に対して[動作状態値(Value)]項目904に設定された値を取得することによってプリンタの動作状態を認識することができる。
[動作状態値(Value)]項目904に設定される値として、「other(1)」、「unknown(2)」、「idle(3)」、「printing(4)」、「warmup(5)」があって、それぞれ「規定された状態とは異なる他の状態」、「不明な状態」、「省電力状態」、「印刷実行状態」、「省電力状態からの復旧状態」を示す。
次に、(2)PJLコマンドを発行することによって取得可能な情報の一例を図10を用いて説明する。
図10は、以下のようなPJLコマンドを発行することによって取得可能な情報であって、[パラメータ]項目1001、[値域]項目1002、[内容]項目1003を具備して構成される。
[パラメータ]項目1001で示されるパラメータをPJLコマンドで指定することによって、[値域]項目1002に示される動作状態を表す値を取得することができ、またこの値域によって表される動作状態を[内容]項目1003に示している。
例えば、[パラメータ]項目1001が「status」であって、[値域]項目1002が「35078」であって、[内容]項目1003が「省電力状態」である場合には、PJLコマンドのパラメータに「status」が指定されてPJLコマンドが発行されることによって値域「35078」を取得することができ、この値域「35078」は、動作状態として「省電力状態」にあることを示す。
この[値域]項目1002には、「1xxxx、3xxxx、35078、4xxxx、5xxxx」のいずれかが設定され、それぞれ「印刷可能な状態、ユーザ介入が必要な状態、省電力状態、復旧のためにユーザ介入が必要な状態、復旧不可能な状態」を示している。
続いて、動作状態情報を要求する要求コマンドの一例を以下に示す。
書式:
01 @PJL INFO STATUS[]
この要求コマンドは、PJL形式からなるコマンドであってステータスの情報(動作状態の情報)を取得要求する命令(コマンド)であることが示されており、動作状態の取得要求元から発行されるPJLコマンドである。
また、動作状態を要求する上記のような要求コマンドが発行され、これに対する応答コマンドとしてプリンタが発行するPJLコマンドは以下のようなものである。
応答:
01 @PJL INFO STATUS
02 CODE = status
03 DISPLAY = "message"
04 ONLINE = linests
この応答コマンドは、01行目に、PJL形式からなるコマンドであってステータスの情報(動作状態の情報)を取得要求する命令(コマンド)に対する応答コマンドであることを示し、その動作状態を示す情報が02行目のCODE引数の値である。この値は、図10に示す[パラメータ]項目1001が「status」である[値域]項目1002に設定可能な地域が設定される。
また、03行目のDISPLAY引数の値として、図10に示す[パラメータ]項目1001が「message」である[値域]項目1002に設定されるいずれかの値域である。さらに、04行目のONLINE引数の値として、図10に示す[パラメータ]項目1001が「linests」である[値域]項目1002に設定されるいずれかの値域である。
この応答コマンドを取得することによってプリンタの動作状態を認識する。
次に、(3)デバイスIDの情報の一例を以下に示す。
IEEE1284:DeviceID()
Manifacture:xxx;Model:yyy、・・・SleepStatus:Statuskey、・・・;
SleepStatus:Statuskey "Ready"、"PrintingUnitPowerDown"、"ControllerPowerDown"、・・・
このデバイスIDは、製造番号やデバイス種別のほかデバイスの状態を示す情報によって構成されており、上記の例では製造番号として「xxx」が示され、デバイス種別「yyy」が示され、デバイス状態として「Ready、PrintingUnitPowerDown、ControllerPowerDown」などが設定されることを示している。
このような情報により構成されるデバイスIDを取得することによってプリンタの動作状態を認識する。
以上に示すような動作状態情報のうち、プリンタ300では、少なくとも1つの情報を管理している。図6および図7に示すような2つの通信インターフェースを備えるプリンタの場合には、複数の動作状態情報を管理する。
ホストPC200は、電力制御装置100若しくはプリンタ300に処理要求を行う処理要求元である。
そして、電力制御装置100は、ネットワーク上の1または複数のノードに対する電力の供給を制御する装置であって、特に、印刷出力処理を行うプリンタ300に対する電力の供給を制御する。すなわち、プリンタ300の電源部から延びる電源コードは電力制御装置100の電源コード接続部であるアウトレットに接続された状態あって、プリンタ300は電力制御装置100から電力の供給を受ける。
電力制御装置100やホストPC200は、壁面等に設けられたコンセントに電源コードを接続することによって電力供給を受ける。
このとき、電力制御装置100自体が供給される電力は、アウトレットに接続されうるプリンタ300の台数および各プリンタ300において必要とされる総電力量以上の電力の供給を受けた状態にある。
さらに、電力制御装置100およびプリンタ300には、これらを直接接続して通信を行うローカル通信インターフェースを備える。この直接接続し、相互通信に用いる通信規格として、例えばUSB(Universal Serial Bus)やIEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1284があり、USBケーブルやIEEE1284ケーブル等のローカルケーブルを用いて電力制御装置100とプリンタ300とを直接、接続して通信を行う。
電力制御装置100は、ネットワーク通信回線若しくはローカルケーブルを介してプリンタ300から上記のような動作状態情報を取得し、その取得した動作状態情報を元にプリンタ300の状態を判断する。電力制御装置100には、プリンタ300の動作状態を判断する判断条件を記憶しており、その判断条件と取得した動作状態情報とを比較した結果に基づいて電力供給を制御する。
図7は、図6のシステム構成における電力制御装置の詳細な構成を示すブロック図である。
図7において、電力制御装置は、通信インターフェース101、アウトレット節電制御部102、アウトレット電源部103、電源部105、アウトレット部106、状態判断制御部108、動作状態判断条件情報管理部109、ローカル通信インターフェース110を具備して構成される。
通信インターフェース101は、ネットワーク通信回線によってネットワーク上の他のノードとの通信を行うインターフェースであり、ローカル通信インターフェース110は、ローカルケーブルを接続することでプリンタ300との通信を行うインターフェースである。
電源部105は、壁面等のコンセントに電源コードのプラグを接続することで電力の供給を受け、電力制御装置100における処理を行う構成部分に給電するとともにアウトレット電源部103に配電する。このアウトレット電源部103では、電源部105から配電されることによってアウトレット部106に接続された電源コードを介してプリンタ300に電力を供給する。
このアウトレット電源部103からアウトレット部106を介してプリンタ300に供給される電力量はアウトレット節電制御部102によって制御される。
このアウトレット節電制御部102は、プリンタ300への電力供給を行う接続口であるアウトレット部106に接続されたプリンタ300への電力供給を制御し、プリンタ300が印刷出力処理を行うことができる電力量が供給された通常電力状態から省電力状態となることにより電力供給を停止する。
この電力供給の制御は、状態判断制御部108によって判断されたプリンタの動作状態に基づいて行う。
動作状態判断制御部108は、通信インターフェース101若しくはローカル通信インターフェース110を介してプリンタから受信した上記のような動作状態情報に基づいて、当該動作状態情報の送信元であるプリンタがどのような動作状態にあるかを判断し、動作状態判断条件情報管理部109で管理する図8に示すような判断条件の情報を用いて最適な電力供給の状態を特定する。
例えば、プリンタから取得した動作状態情報がMIBの場合であって、図9に示すような動作状態にあるプリンタから動作状態情報を取得すると、プリンタの動作状態を示す「hrPrinterStatus」の値として「idle」が取得されることからそのプリンタが省電力状態にあると判断する。また、プリンタから取得した動作状態情報がPJLコマンドに対する応答コマンドによって示される場合であって、図10に示すような動作状態にあるプリンタから動作状態情報を取得すると、応答コマンドとして示されるCODE引数の値によって動作状態を判断する。例えば、そのCODE引数の値が「35078」である場合にはプリンタの動作状態を「省電力状態」であると判断する。さらに、プリンタの動作状態情報がデイバスIDによって示される場合であって、そのデバイスIDを構成するデバイス状態の情報が「PrintingUnitPowerDown」である場合に、プリンタのエンジンが省電力状態にあると判断する。
このようにして動作状態判断部108で動作状態を判断すると、続いて、取得した動作状態情報と動作状態判断条件情報管理部109で管理している図8に示すような判断条件の情報とを用いて最適な電力供給の状態を特定する。
このようにして最適な電力供給の状態を特定すると、状態判断制御部108は、アウトレット節電制御部102に特定した電力供給の状態の情報を通知する。
アウトレット節電制御部102は、状態判断制御部108から通知された電力供給の状態の情報に基づいてアウトレット電源部103からアウトレット部106を介して接続されたプリンタ300への電力の供給を制御する。
図8に示す判断条件情報は、[メーカー]項目801、[装置名]項目802、[判断条件]項目803、[省電力状態]項目804、[電力遮断の実行有無]項目805によって構成されるテーブル構成からなる。
[メーカー]項目801は、プリンタが製造された企業を示す情報であって、[装置名]項目802は、プリンタの製品名やプリンタの識別情報であって、[判断条件]項目803は、プリンタから取得した動作状態情報に基づいて電力制御を行う際の判断条件であって、[省電力状態]項目804は、プリンタの各構成部分における省電力状態であるか否かを情報であって、[電力遮断の実行有無]項目805は、電力供給を停止するか否かの判断結果を示す情報である。
例えば、[メーカー]項目801が「メーカーX」であり、[装置名]項目802が「装置A」であり、[判断条件]項目803が「hrDeviceStatus = 実行中(2)、hrPrinterStatus = その他(1)」であり、[省電力状態]項目804の通信インターフェースが「ON」、コントローラが「ON」、エンジンが「OFF」であり、[電力遮断の実行有無]項目805が「○」であるレコードは、以下のような内容を示している。
すなわち、メーカーである「メーカーX」によって製造された「装置A」という名称のプリンタから動作状態管理情報を受信した場合において「hrDeviceStatus」という情報が「実行中(2)」であり、かつ「hrPrinterStatus」という情報が「その他(1)」であるという2つの条件を満たし、プリンタの通信インターフェースが省電力状態であってコントローラも省電力状態であってエンジンが通常電力状態であるときに、電力の供給を停止することを示している。
また、他の例として、[メーカー]項目801が「メーカーY」であり、[装置名]項目802が「−」であり、[判断条件]項目803が「IEEE1284のStatuskey情報がPrintingUnitPowerDown」であり、[省電力状態]項目804の通信インターフェースが「ON」、コントローラが「ON」、エンジンが「OFF」であり、[電力遮断の実行有無]項目805が「PrintingUnitPowerDown」であるレコードは、以下のような内容を示している。
すなわち、メーカーである「メーカーY」によって製造されたプリンタ(機種を問わず)から動作状態管理情報を受信した場合において「IEEE1284のStatuskey情報」が「PrintingUnitPowerDown」であって、プリンタの通信インターフェースが省電力状態であってコントローラも省電力状態であってエンジンが通常電力状態であるときには、電力の供給を停止することを示している。
上記の前者は、ネットワーク通信回線を介してプリンタから動作状態管理情報を取得した場合の例であり、後者は、IEEE1284ケーブルを介してプリンタから動作状態管理情報を取得した場合の例である。
図11は、図6に示すシステム構成における電力制御装置によって行われる処理の流れを示すフローチャートである。
図11において、予め指定した一定時間を経過したかを判断し(1101)、一定時間を経過すると(1101でYES)、プリンタから動作状態情報を取得する(1102)。続いて、取得した動作状態情報に含まれる装置情報若しくはこの動作状態情報を取得する際の通信情報若しくはMIB情報として取得した図12に示すような装置情報若しくは装置情報を要求するPJLコマンドを発行して応答として受信した装置情報からプリンタを識別できたかを判断する(1103)。
図12は、図9に示すMIBのテーブル構成と同様であって、[動作状態名称(Name)]項目901が「sysDescr」である[動作状態値(Value)]項目904の値として「Y Company」と示されていることから、この「Y Company SuperColor Printer」を元にプリンタを識別する。
また、PJLコマンドを発行して取得する場合の装置情報を要求するPJLコマンドとして、以下のようなコマンドがある。
書式:
@PJL INFO ID[]
また、上記のPJLコマンドに対して、以下のようなコマンドによって応答する。
応答:
@PJL INFO STATUS
[プリンタ情報]
この応答コマンドの[プリンタ情報]に指定された会社名、製品名などの文字列からプリンタを識別する。
このような情報が図13に示す装置識別テーブルの[判断条件]項目1302に該当する場合にその該当する判断条件に対して[プリンタ情報]項目1301で示されたプリンタであると識別する。
例えば、図12に示すようなMIBの情報として「sysDescr」が「Y Company」と示されていることから図13の装置識別テーブルを用いて、Y社のプリンタであると識別する。
このような情報によってプリンタを識別できた場合(1103でYES)には、識別したプリンタに対する判断条件と取得した動作状態情報とを比較する(1104)。それに対して、プリンタが識別できない場合(1103でNO)、例えば応答がない場合や不明な情報が応答された場合等には、汎用の判断条件を読み込み(1105)、読み込んだ汎用の判断条件と取得した動作状態情報とを比較する(1106)。
そして、比較した結果、その判断条件に対して電力供給の停止が指定されているかを判断する(1107)。電力供給の停止が指定されていない場合(1107でNO)には処理を終了する。また、電力供給の停止が指定されている場合(1107でYES)には、ホストPCにプリンタが省電力状態にあることを通知する(1108)。そして、そのプリンタへの電力供給を停止する(1109)。
このようにして電力供給を停止状態にあるプリンタから電力供給の開始を要求する使用開始要求を受信したかを判断して(1110)、受信するまでは(1110でNO)電力供給を停止した状態を継続し、使用開始要求を受信した場合(1110でYES)には、そのプリンタへ電力を供給する(1111)。
そして、電力供給しているプリンタから動作状態情報を取得し(1112)、その動作状態情報によってプリンタが省電力状態から通常電力状態へと遷移したかを判断する(1113)。通常電力状態へ遷移したことが示されている場合(1113でYES)には、ホストPCに対してプリンタが通常電力状態となったことを通知する(1114)。
また、通常電力状態へ遷移したことが示されていない場合(1113でNO)には、一定間隔でプリンタから動作状態情報を取得してその動作状態情報によってプリンタの動作状態が通常電力状態となることを監視する。
図14は、本発明の実施の形態における電力制御装置および電力制御システムおよび電力制御プログラムを適用して構成した画像形成システムのシステム構成図の一例である。
図14において、電力制御システムは、電力制御装置100、ホストPC200、プリンタ1(300−1)、プリンタ2(300−2)を具備しており、電力制御装置100とホストPC200とはネットワーク通信回線を介して接続されている。
また、プリンタ1(300−1)およびプリンタ2(300−2)(以下、総称して「プリンタ300」という)は、電力制御装置100とネットワーク通信回線を介して接続されており、ホストPC200との通信においては電力制御装置100を介して行う。
プリンタ1(300−1)およびプリンタ2(300−2)は、ホストPC200からの処理要求に基づいて処理を行う情報処理装置の一例であって、電力制御装置100を介してホストPC200から印刷ジョブの印刷要求を受信することにより印刷出力処理を行う。なお、プリンタ300は画像形成装置とも示され、画像形成装置における一機能の印刷出力機能を行う。
このプリンタ300は、省電力機能を有しており、印刷出力処理を行う「通常電力状態」と一定時間以上継続して印刷出力処理等の操作が行われない場合に通常電力状態よりも低電力の状態である「省電力状態」とを切り替える節電処理を行うことによって消費電力量を増減させる。
この節電処理は、省電力状態から通常電力状態へ遷移するために、プリンタ300を構成するコントローラ、エンジンを順次、停止させる処理である。
また、ホストPC200は、電力制御装置100若しくはプリンタ300に処理要求を行う処理要求元である。
そして、電力制御装置100は、ネットワーク上の1または複数のノードに対して供給する電力を制御する制御装置であって、特に、印刷出力処理を行うプリンタ300に対する電力の供給を制御する。すなわち、プリンタ300の電源部から延びる電源コードは電力制御装置100の電源コード接続部であるアウトレットに接続された状態あって、プリンタ300は電力制御装置100から電力の供給を受ける。
電力制御装置100やホストPC200は、壁面等に設けられたコンセントに電源コードを接続することによって電力供給を受ける。
このとき、電力制御装置100自体が供給される電力は、アウトレットに接続されうるプリンタ300の台数および各プリンタ300において必要とされる総電力量以上の電力の供給を受けた状態にある。
さらに、この電力制御装置100は、ホストPC200との相互通信およびプリンタ300との相互通信を行う通信部を有しており、この通信部は、ホストPC200とプリンタ300との相互通信を仲介するブリッジ機能を有しており、相互通信に用いる物理アドレス管理テーブルを記憶する。このブリッジ機能は、OSI参照モデルの第2層として規定された通信機能であって、物理アドレスを元に物理アドレス管理テーブルを用いて装置間の通信を行う。
この通信部では、ホストPC200とプリンタ300との相互間の通信データおよび電力制御装置100に対するホストPC200やプリンタ300からの通信データを解析することによって、アウトレットを介して電力の供給を行っているプリンタ300との通信に用いる通信情報、例えばIPアドレスや物理アドレス、装置識別名称等を取得する。さらに、通信データからそのプリンタ300の動作状態を示した動作状態情報を取得する。
取得したこれらの通信情報および動作状態情報はその情報の送信元であるプリンタ300に対応付けて記憶する。
取得した動作状態情報によって、プリンタ300が省電力状態にあると判断される場合若しくは省電力状態への遷移している状態であると判断される場合であり、前者の場合にはアウトレットからの電力供給を停止し、後者の場合には省電力状態となるまでに要する一定時間を経過後にアウトレットからの電力供給を停止する。
その後、ホストPC200からのプリンタ300の動作状態の取得要求に際しては、電力制御装置100が記憶しているそのプリンタ300の動作状態情報をホストPC200へと代行して応答する。また、ホストPC200からプリンタ300に対して印刷ジョブの印刷要求がされた場合であってそのプリンタ300が省電力状態へ遷移することによりアウトレットからの電力供給が停止された状態にある場合には、電力制御装置100は、その印刷ジョブを一時記憶し、そのプリンタ300に電力の供給を行う。
プリンタ300への電力供給によりプリンタ300が省電力状態から通常電力状態へ遷移したことがプリンタ300から通知された場合若しくは電力制御装置100におけるプリンタ300の監視によって検知した場合、電力制御装置100は、一時記憶した印刷ジョブをそのプリンタ300へ送信する。
図15は、本発明の実施の形態における電力制御装置で行われる処理の詳細な構成を示すブロック図である。
図15において、電力制御装置100は、通信インターフェース101、アウトレット節電制御部102、アウトレット電源部103、消費電力計測部104、電源部105、アウトレット部106、情報取得制御部111、記憶部112、通信部113を具備して構成される。
この図15に示す構成図は図2に示す構成図と類似することから異なる点を中心に説明する。
通信部113は、ホストPC200、プリンタ300とネットワーク通信回線を介して接続する通信部であって、ホストPC200とプリンタ300との相互通信を仲介するブリッジ機能を有し、このブリッジ機能は、OSI参照モデルの第2層として規定された通信機能である。
図14に示すようなシステム構成において、通信部113には、少なくともP1、P2、P3、P4の4つの通信ポートを備えた構成であって、図15に示す例では、通信ポートP1にホストPC200との通信を行うネットワーク通信回線が接続され、通信ポートP2は電力制御装置100の通信ポートであり、通信ポートP3、P4にプリンタ300との通信を行うネットワーク通信回線が接続される。
通信ポートP1から受信した通信データと通信ポートP3、P4から受信した通信データは、通信ポートP2を介して電力制御装置100内に取り込まれるとともに、その通信データのあて先へ送信される。電力制御装置100では、通信インターフェース部101を介して情報取得制御部111がその通信データを解析することによって通信情報や動作状態情報を取得する。
このときの通信データとして、ホストPC200からプリンタ300に対して送信されるARPパケットや、このARPパケットに対するプリンタ300からホストPC200へのARP応答パケットがある。情報取得制御部111では、例えばこのARP応答パケットを解析することによってプリンタ300の物理アドレスやIPアドレスを取得する。
また、他の通信データの例として、ホストPC200からのSNMPポーリングに対するプリンタ300からの応答として含まれる動作状態情報の一例であるMIBがある。情報取得制御部111では、このMIBを解析することによってプリンタ300がどのような動作状態にあるかを取得する。
もちろん、これ以外の通信データ、例えばホストPC200からプリンタ300へのPJLコマンド情報やその応答情報のほか、ホストPC200からプリンタ300へのデバイスIDの要求情報やその応答情報があり、このPJLコマンドおよびデバイスIDの要求の内容として、例えば上記の実施例2で示すものがある。
この情報取得制御部111では、取得したこれらの通信情報や動作状態情報を記憶部112に記憶する。この記憶部112では通信情報や動作状態情報が示すプリンタに対応付けて記憶している。
このとき、情報取得制御部111で取得した動作状態情報が、プリンタ300の動作状態が省電力状態にあることを示している場合には、情報取得制御部111は、アウトレット節電制御部102へ当該プリンタ300への電力供給を停止することを要求する。また、プリンタ300の動作状態が通常電力状態から省電力状態へ遷移していることを示している場合には、プリンタ300が省電力状態となるまでの一定時間を経過後、アウトレット節電制御部102へ当該プリンタ300への電力供給を停止することを要求する。
このようにして省電力状態にあるプリンタ300の通信情報および動作状態情報の取得要求がホストPC200から行われると、通信インターフェース部101を介して情報取得制御部111で受信し、プリンタ300に代理して、記憶部112で記憶するそのプリンタ300の通信情報若しくは動作状態情報を要求元であるホストPC200に応答する。
電源部105は、壁面等のコンセントに電源コードのプラグを接続することで電力の供給を受け、電力制御装置100における処理を行う構成部分に給電するとともにアウトレット電源部103に配電する。このアウトレット電源部103では、電源部105から配電されることによってアウトレット部106に接続された電源コードを介してプリンタ300に電力を供給する。
このアウトレット電源部103におけるアウトレット部106を介して接続されたプリンタ300における消費電力の状態を消費電力計測部104が計測する。すなわち、プリンタ300が通常電力状態にある場合、省電力状態にある場合、これらの状態の変化過程にある場合それぞれにおける消費電力を計測する。
消費電力計測部104は、電力計等によって具現され、アウトレット電源部103からアウトレット部106に配電される電力量を各アウトレットごとに計測し、計測した消費電力量をアウトレット節電制御部102に通知する。
アウトレット節電制御部102は、消費電力計測部104によって計測された電力量に基づいて、プリンタ300への電力供給を行う接続口であるアウトレット部106に接続された各プリンタへの電力供給を制御する。すなわち、プリンタ300が印刷出力処理を行うことができる電力量が供給された通常電力状態にある場合とその通常電力状態よりも低電力の省電力状態にある場合とで供給する電力量を変化させる。
プリンタ300が省電力状態となった場合若しくは情報取得制御部111からプリンタ300への電力供給を停止することを要求された場合に、アウトレット節電制御部102は、アウトレット電源部103に対してそのプリンタへの電力の供給を停止するように指示する。
また、省電力状態にあるプリンタへの印刷要求をホストPC200から受信した場合、通信インターフェース101では、その印刷要求されたことをアウトレット節電制御部102へ通知し、印刷要求された印刷ジョブを記憶領域(図示せず)に一時的に記憶する。
印刷要求されたことが通知されたアウトレット節電制御部102は、アウトレット電源部103にそのプリンタへ電力を供給する指示を行うとともに、情報取得制御部111に対してその電力の供給を指示したプリンタの動作状態を省電力状態から通常電力状態に変更することを要求する。これによって、情報取得制御部111は、記憶部112に記憶するそのプリンタの動作状態を通常電力状態へ変更する。
もちろん、アウトレット節電制御部102からプリンタの動作状態を省電力状態から通常電力状態へ遷移している復旧状態に変更することを要求し、記憶部112に記憶するそのプリンタの動作状態を復旧状態へ変更しておき、その後、プリンタが通常電力状態となることによって復旧状態から通常電力状態へ動作状態を変更するような構成であってもよい。
プリンタが通常電力状態となると、アウトレット節電制御部102は、記憶領域(図示せず)に一時的に記憶した印刷ジョブを通信部113の当該プリンタが接続された通信ポートへ送出することによって、そのプリンタに印刷要求を行う。
図16は、図14の電力制御装置における詳細な処理の流れを示すフローチャートである。
図16において、電力制御装置がホストPC若しくはプリンタから通信データを受信すると(1601)、その通信データを解析する(1601)。解析した通信データにホストPC若しくはプリンタとの通信に用いる通信情報や動作状態を示す動作状態情報が含まれるかを判断する(1603)。
この通信データに通信情報、動作状態情報のいずれも含まれない場合(1603でNO)には、処理を終了する。それに対して、これらのうち少なくとも1つの情報が含まれる場合(1603でYES)には、通信データに含まれる情報を取得し(1604)、その情報を記憶する(1605)。
続いて、記憶した情報が動作状態情報であるかを判断し(1606)、動作状態情報でない場合(1606でNO)、すなわち通信情報である場合には処理を終了する。また、動作状態情報である場合(1606でYES)には、続いて、その動作状態情報によりプリンタが省電力状態にあること若しくは省電力状態へ遷移していることが示されているかを判断する(1607)。
プリンタが省電力状態にある場合若しくは省電力状態へ遷移している場合で、後者の場合には一定時間を経過した後に、そのプリンタへの電力の供給を停止する(1608)。
このようにして電力が供給されていない状態にあるプリンタに対してホストPCから印刷要求されたかを判断する(1609)。印刷要求を受信した場合(1609でYES)には、受信した印刷要求に含まれる印刷ジョブを記憶領域に一時的に記憶し(1610)、そのプリンタに対して電力の供給を行う(1611)。
これによって、プリンタが通常電力状態となったかを電力計等によって判断し(1612)、通常電力状態となった場合(1612でYES)には、一時記憶した状態にある印刷要求された印刷ジョブをそのプリンタへ送信する(1613)。また、通常電力状態へ遷移している復旧状態である場合(1612でNO)には通常電力状態となるまで待機する。
また、電力が供給されていない状態にあるプリンタに対してホストPCから印刷要求されたかの判断(1609)によって、印刷要求を受信していない場合(1609でNO)には、ホストPCから、プリンタの通信情報若しくは動作状態情報の取得要求を受信したかを判断する(1614)。
これらの情報の取得要求を受信した場合(1614でYES)には、記憶している当該プリンタの通信情報若しくは動作状態情報を要求元のホストPCに対して送信することでプリンタを代理する(1615)。
そして、再度、印刷要求を受信するかを判断する状態となる。
図17は、本発明の実施の形態における電力制御装置および電力制御システムおよび電力制御プログラムを適用して構成した画像形成システムのシステム構成図の一例である。
図17において、電力制御システムは、電力制御装置100、ホストPC200、プリンタ1(300−1)、プリンタ2(300−2)を具備しており、これらはネットワーク通信回線を介して接続されている。これによって、これらはネットワークノードを構成し、ネットワーク通信回線を介して相互間の通信を行う。
プリンタ1(300−1)およびプリンタ2(300−2)(以下、総称して「プリンタ300」という)は、ホストPC200からの処理要求に基づいて処理を行う情報処理装置の一例であって、ホストPC200から印刷ジョブの印刷要求を受信することにより印刷出力処理を行う。なお、プリンタ300は画像形成装置とも示され、画像形成装置における一機能の印刷出力機能を行う。
このプリンタ300は、省電力機能を有しており、印刷出力処理を行う「通常電力状態」と一定時間以上継続して印刷出力処理等の操作が行われない場合に通常電力状態よりも低電力の状態である「省電力状態」とを切り替える節電処理を行うことによって消費電力量を増減させる。
この節電処理は、省電力状態から通常電力状態へ遷移するために、プリンタ300を構成するコントローラ、エンジンを順次、停止させる処理である。
また、ホストPC200は、電力制御装置100若しくはプリンタ300に処理要求を行う処理要求元である。
そして、電力制御装置100は、ネットワーク上の1または複数のノードに対して供給する電力を制御する制御装置であって、特に、印刷出力処理を行うプリンタ300に対する電力の供給を制御する。すなわち、プリンタ300の電源部から延びる電源コードは電力制御装置100の電源コード接続部であるアウトレットに接続された状態あって、プリンタ300は電力制御装置100から電力の供給を受ける。
電力制御装置100やホストPC200は、壁面等に設けられたコンセントに電源コードを接続することによって電力供給を受ける。
このとき、電力制御装置100自体が供給される電力は、アウトレットに接続されうるプリンタ300の台数および各プリンタ300において必要とされる総電力量以上の電力の供給を受けた状態にある。
この電力制御装置100には、ネットワーク通信回線を接続する通信ポートが、「アウトレットに接続されたプリンタの台数+1」以上設けられており、アウトレットに接続されたプリンタそれぞれに対応する通信ポートにネットワーク通信回線が接続されている。
なお、通信ポートが「+1」となっているのは、電力制御装置100が他のネットワークノードと通信を行う通信ポートである。
図17に示す構成でいえば、電力制御装置100は、アウトレットにプリンタ1(300−1)とプリンタ2(300−2)が接続されていることから、通信ポートは3つ以上が設けられている。また、これら各プリンタに対応する通信ポートにネットワーク通信回線が接続され、ネットワーク通信回線は、中継装置であるハブ(HUB)の通信ポート等に接続されている。この電力制御装置に設けられた各通信ポートにはその通信ポートに対応するプリンタの通信情報が設定されている。
すなわち、プリンタ1(300−1)に対応する通信ポート1には当該プリンタ1(300−1)に設定された通信情報と同一の通信情報が設定され、プリンタ2(300−2)に対応する通信ポート2には当該プリンタ2(300−2)に設定された通信情報と同一の通信情報が設定されている。
電力制御装置100では、アウトレットに電源コードが接続されたプリンタが省電力状態となったことを検知すると、そのプリンタへの電力の供給を停止するとともに、そのプリンタに対応する通信ポートの電源を投入(電源ON)する。この通信ポートには上記するように、対応するプリンタの通信情報が設定されていることからホストPC200から当該通信情報が設定された通信データを受信した場合には電力制御装置の当該通信ポートによって受信することとなる。
ホストPC200から受信した通信データがプリンタの通信情報を要求するもの、プリンタの動作状態情報を要求するものである場合、電力制御装置100がその要求に応答する。また、印刷ジョブの印刷要求をホストPC200から受信した場合には、その印刷要求された印刷ジョブを保存し、印刷要求を受信した通信ポートの電源を切る(電源OFF)。
そして、印刷出力を行うプリンタへの電力供給を行う。この電力供給によってそのプリンタが通常電力状態となると、電力制御装置100の通信ポートとして設けられた通信ポートを介してプリンタへ印刷ジョブを送信することでそのプリンタにて印刷出力を行う。
なお、印刷ジョブの印刷要求をホストPC200から受信した場合には、そのプリンタへ電力供給を行い、プリンタにおける通信部の起動が確認されることでそのプリンタに対応する通信ポートの電源を切るような構成とし、プリンタが通常電力状態となることで印刷要求された印刷ジョブをプリンタに送信してもよい。
図18は、図17の構成における電力制御装置で行われる処理の詳細な構成を示すブロック図である。
図18において、電力制御装置100は、通信インターフェース101、アウトレット節電制御部102、アウトレット電源部103、消費電力計測部104、電源部105、アウトレット部106、通信ポート制御部114、保存部115を具備して構成される。
通信インターフェース101は、ネットワーク通信回線を介して他のノードとネットワーク通信を行うインターフェースであり、通信インターフェース101を介してホストPC200およびプリンタ300との情報送受信を行う。この通信インターフェース101によってホストPC200から処理要求を受信すると、受信通知をアウトレット節電制御部102に行う。
この通信インターフェース101は、アウトレット部106に電源コードが接続され、「アウトレット部106から電力の供給を受けるプリンタの台数+1」以上の通信ポートが設けられており、各通信ポートは、アウトレット部106に接続されたプリンタに対応しており、そのプリンタに設定された通信情報、例えばIPアドレスや物理アドレスなどが設定された状態にある。
図18に示す例では、本体用通信ポート101−A、プリンタ1用通信ポート101−B、プリンタ2用通信ポート101−Cが設けられており、本体用通信ポートが電力制御装置100における通信ポートである。
プリンタ1用通信ポート101−Bは、プリンタ1に対応する通信ポートであって、プリンタ1に電力が供給されていない状態にある場合に当該プリンタ1宛の情報を受信する。また、プリンタ2用通信ポート101−Cは、プリンタ2に対応する通信ポートであって、プリンタ2に電力が供給されていない状態にある場合に当該プリンタ2宛の情報を受信する。
なお、プリンタに対して電力が供給された状態にある場合の初期状態として、そのプリンタに対応する通信ポートは電源が切断された状態にある。
電源部105は、壁面等のコンセントに電源コードのプラグを接続することで電力の供給を受け、電力制御装置100における処理を行う構成部分に給電するとともにアウトレット電源部103に配電する。このアウトレット電源部103では、電源部105から配電されることによってアウトレット部106に接続された電源コードを介してプリンタ300に電力を供給する。
このアウトレット電源部103におけるアウトレット部106を介して接続されたプリンタ300における消費電力の状態を消費電力計測部104が計測する。すなわち、プリンタ300が通常電力状態にある場合、省電力状態にある場合、これらの状態の変化過程にある場合それぞれにおける消費電力を計測する。
消費電力計測部104は、電力計等によって具現され、アウトレット電源部103からアウトレット部106に配電される電力量を各アウトレットごとに計測し、計測した消費電力量をアウトレット節電制御部102に通知する。
アウトレット節電制御部102は、消費電力計測部104によって計測された電力量に基づいて、プリンタ300への電力供給を行う接続口であるアウトレット部106に接続された各プリンタへの電力供給を制御する。すなわち、プリンタ300が印刷出力処理を行うことができる電力量が供給された通常電力状態にある場合とその通常電力状態よりも低電力の省電力状態にある場合とで供給する電力量を変化させる。
プリンタ300が省電力状態となると、アウトレット節電制御部102は、アウトレット電源部103に対してそのプリンタへの電力供給を停止するように指示を行う。このとき、アウトレット節電制御部102は、通信ポート制御部114に対して、電力供給を停止したプリンタに対応する通信ポートの電源を投入(電源ON)するように指示する。
これによって通信ポート制御部114は、そのプリンタに対応する通信ポートの電源を投入し、保存部15にそのプリンタの動作状態情報として省電力状態であると通知する。上記するように各通信ポートには対応するプリンタの通信情報が設定されていることから、プリンタをあて先とする情報はその通信ポートを介して電力制御装置100が受信することとなる。
通信ポートを介してプリンタの通信情報および動作状態情報の取得要求を受信した場合には、通信ポート制御部114が、保存部115に保存された当該通信ポートに対応するプリンタの通信情報および動作状態情報を取得して、要求元に返信する。
また、ホストPC200から印刷要求を通信ポートを介して受信すると、通信インターフェース部101は、通信ポート制御部114に印刷要求された印刷ジョブを送出し、アウトレット節電制御部102に印刷要求されたことを通知する。
通信ポート制御部114では、保存部115に印刷ジョブを保存し、印刷要求されたプリンタに対応する通信ポートの電源を切断する。このとき、アウトレット節電制御部102は、アウトレット電源部103にそのプリンタへの電力供給を指示する。
アウトレット電源部103は、印刷要求されたプリンタのアウトレット部106へ電力を供給することによってプリンタに電力を供給する。
プリンタへの電力供給により、消費電力計測部104による計測によってプリンタが通常電力状態となったことをアウトレット節電制御部102で検知すると、アウトレット節電制御部102は、通信ポート制御部114に通常電力状態となったことを通知する。これによって、通信ポート制御部114は、保存部115に保存した当該プリンタに印刷要求された印刷ジョブを取得して本体用通信ポート101−Aを介してプリンタへ送信する。
図19は、図17における構成の電力制御装置によって行われる処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
図19において、電力制御装置のアウトレットに電源コードが接続されたプリンタが、省電力状態となったことを検知したかを判断し(1901)、省電力状態となったことが検知されない場合(1901でNO)には検知するまで待機状態を継続し、消費電力量が省電力状態の電力量となることを計測すること等によって省電力状態となったことを検知すると(1901でYES)、そのプリンタへの電力供給を停止する(1902)。
続いて、電力供給を停止したプリンタに対応する通信ポートの電源を投入する(1903)。
このようにして電源が投入された状態にある通信ポートによってプリンタ宛の印刷要求を受信したかを判断し(1904)、受信するまではその状態を継続し、印刷要求を受信した場合(1904でYES)には、印刷要求された印刷ジョブを保存する(1905)。続いて、印刷要求を受信した通信ポートの電源を切断する(1906)。
そして、印刷要求のあて先であるプリンタ、すなわち電源を切断した通信ポートに対するプリンタへの電力供給を行う(1907)。
この電力の供給によってプリンタが通常電力状態となったかを判断し(1908)、通常電力状態への遷移中である場合等により通常電力状態となったことが計測されない場合(1908でNO)には、通常電力状態となるまで待機する。また、通常電力状態となった場合(1908でYES)には、保存しているそのプリンタへの印刷ジョブを電力制御装置の本体用通信ポートを介して送信する(1909)。
図24は、本発明の実施の形態における電力制御装置の詳細な構成を示す図であって、上記の実施例1から実施例4に示す電力制御装置それぞれの構成に、プリンタ監視部119およびユーザインターフェース120をさらに具備する構成である。
すなわち、実施例1において、図2および図3、図20を用いて示した電力制御装置の構成にプリンタ監視部119およびユーザインターフェース120を更に追加した構成であり、また、実施例2において、図7を用いて示した電力制御装置の構成にプリンタ監視部119およびユーザインターフェース120を更に追加した構成であり、実施例3において、図15を用いて示した電力制御装置の構成にプリンタ監視部119およびユーザインターフェース120を更に追加した構成であり、そして、図18を用いて示した電力制御装置の構成にプリンタ監視部119およびユーザインターフェース120を更に追加した構成である。
図24は、その一例として、図2に示す電力制御装置のブロック図にプリンタ監視部119およびユーザインターフェース120を更に追加した構成を示している。
プリンタ監視部119は、通信インターフェース部101を介して、プリンタ300で障害の発生に印刷出力が停止した状態にあるか否かを監視する。例えば、一定時間ごとにプリンタに対してポーリングを行い、その応答がない場合や正常な応答がない場合にプリンタにおいて障害が発生したと検知する。
プリンタ300において障害が発生したことを検知すると、プリンタ監視部119では、ユーザインターフェース120に対して障害が発生したこと、障害が発生したプリンタの情報等からなる障害情報を送出してユーザインターフェース120を構成する表示部にその障害情報を表示し、さらに、予め登録された連絡先として所定のホストPC、管理サーバ等にその障害情報を送信する。
このとき、プリンタ監視部119は、アウトレット節電制御部102に対して障害を検出したプリンタの情報を通知するほか、通信インターフェース101を介してプリンタ300に印刷要求する印刷要求元のホストPC200に対し、プリンタにおいて障害が発生していることおよび当該プリンタへ印刷要求する印刷ジョブの送信先を電力制御装置とすることを通知する。
ホストPCは、プリンタ監視部119から障害を検出したことが通知されると同時に通知された送信先を電力制御装置とすることを記憶し、障害が発生したプリンタに対する印刷ジョブの送信先として電力制御装置を設定する。
また、アウトレット節電制御部102は、プリンタ監視部119により障害の発生が通知されたプリンタに対する電力の供給を停止することをアウトレット電源部103に通知する。アウトレット電源部103は、そのプリンタへの電力供給を停止する。
続いて、プリンタ監視部119は、プリンタが障害から復旧したことが通知されると、アウトレット節電制御部102に対して障害から復旧したことを通知し、当該プリンタへ印刷要求する印刷ジョブの送信先を電力制御装置とすることを通知したホストPCに対してその送信先を解除することを通知する。
これによって、ホストPCでは、そのプリンタへ印刷要求する際の送信先を電力制御装置からプリンタへ切り替える。
アウトレット節電制御部102は、アウトレット電源部103に障害から復旧したプリンタへの電力の供給を行うように指示する。
アウトレット電源部103では、そのプリンタに電力を供給する。
図25は、図24に示す構成における電力制御装置で行われる処理の流れを示すフローチャートである。
図25において、プリンタを監視した状態にある電力制御装置においてプリンタで発生した障害を検知すると(2501)、障害の発生からの経過時間を計時し、その経過時間が一定時間以上、継続しているかを判断する(2502)。
一定時間を経過する前である場合(2502でNO)には、続いて、検知した障害が解除されたことが通知されたかを判断する(2503)。一定時間を経過する前に障害が解除されたことが通知されると(2503でYES)、処理を終了する。また、障害が解除されるまでは待機状態となる。
一定時間を経過してもなおプリンタに障害が発生した状態にある場合(2502でYES)には、プリンタに障害が発生したことを通知する(2504)。
さらに、当該プリンタへ印刷要求する印刷ジョブの送信先を電力制御装置とすることを印刷要求元のホストPCに対して通知する(2505)。これによって、ホストPCは障害が発生したプリンタへの印刷要求に際しては電力制御装置を印刷ジョブの送信先と設定する。
続いて、そのプリンタへの電力の供給を停止する(2506)。
次に、このようにして電力の供給が停止した状態にあるプリンタに対して、障害の解除通知を受信したかを判断し(2507)、受信するまでは(2507でNO)電力の供給を停止した状態を継続する。また、障害の解除通知を受信した場合(2507でYES)には、電力の供給が指定した状態にあって印刷出力を行うプリンタとして指定されたプリンタへ電力の供給を行う(2508)。
この電力の供給によって、そのプリンタが通常電力状態となったかを判断し(2509)、通常電力状態となると(2509)、印刷要求元のホストPCに対して印刷要求する印刷ジョブの送信先を電力制御装置からプリンタとすることを通知する(2510)。
なお、電力制御装置がホストPCから印刷要求の印刷ジョブを受信している場合、プリンタが通常電力状態となることによってその印刷ジョブをプリンタへ送信してプリンタが印刷出力を行う。
以上に示す実施の形態は、本発明の実施の一形態であって、これらの実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
なお、本発明は、通信機能を備えた電力制御システムで上述の動作を実行させ、あるいは上述の手段を構成させるためのプログラムを格納した記録媒体(CD−ROM、DVD−ROM等)から該プログラムをコンピュータにインストールし、これを実行させることにより、上述の処理を実行する電力制御システムを構成することも可能である。電力制御システムを構成するコンピュータは、システムバスを介してCPU(Central Processor Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクが接続されている。CPUは、ROMまたはハードディスクに記憶されているプログラムに従い、RAMを作業領域にして処理を行う。
また、プログラムを供給するための媒体は、通信媒体(通信回線、通信システムのように一時的または流動的にプログラムを保持する媒体)でもよい。例えば、通信ネットワークの電子掲示板(BBS:Bulletin Board Service)に該プログラムを掲示し、これを通信回線を介して配信するようにしてもよい。