以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下では、情報処理システムの一態様である印刷システムや、情報処理装置の一態様であるサーバ装置に本発明を適用した場合の例を説明する。なお、本発明は、印刷システム以外の情報処理システムや、サーバ装置以外の情報処理装置にも適用することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る印刷システム1の構成例を示す図である。図1に示す印刷システム1は、サーバ装置10と印刷装置20とクライアント装置30とを含んで構成される。サーバ装置10と印刷装置20とは通信手段を介して互いにデータを授受することが可能である。また、サーバ装置10とクライアント装置30とは通信手段を介して互いにデータを授受することが可能である。なお、印刷システム1には、サーバ装置10、印刷装置20、及びクライアント装置30がぞれぞれ複数含まれるようにしてもよい。
サーバ装置10は、例えばサーバコンピュータであって、制御部11と記憶部12と通信部13とを含んで構成される。
制御部11は、例えばCPU等であって、記憶部12に格納されるプログラムに従って各種の情報処理を実行する。記憶部12は、例えばRAMやROM等のメモリ素子、ハードディスク等を含んで構成される。記憶部12は、制御部11によって実行されるプログラムや、各種のデータを保持する。また、記憶部12は、制御部11のワークメモリとしても動作する。通信部13は、サーバ装置10が印刷装置20やクライアント装置30と通信手段を介してデータを授受するためのものである。例えば、通信部13は、制御部11からの指示に従って印刷装置20にデータを送信する。また例えば、通信部13は、印刷装置20やクライアント装置30から受信したデータを制御部11に出力する。
印刷装置20はプリンタ機能を備えた画像処理装置である。印刷装置20は例えばスキャナ機能及びFAX機能を備えていてもよい。印刷装置20は、制御部21と記憶部22と通信部23と表示部24と操作部25と印刷出力部26とカード読み取り部27とを含んで構成される。
制御部21は、例えばCPU等であって、記憶部22に格納されるプログラムに従って各種の情報処理を実行する。記憶部22は、例えばRAMやROM等のメモリ素子を含んで構成される。記憶部22は、制御部21によって実行されるプログラムや、各種のデータを保持する。また、記憶部22は、制御部21のワークメモリとしても動作する。通信部23は、印刷装置20がサーバ装置10と通信手段を介してデータを授受するためのものである。例えば、通信部23は、制御部21からの指示に従ってサーバ装置10にデータを送信する。また例えば、通信部23は、サーバ装置10から受信したデータを制御部21に出力する。
表示部24は、例えば液晶ディスプレイ等であって、制御部21からの指示に従って画像の表示を行う。操作部25は、例えばタッチパネルやボタン等であって、ユーザの指示操作を受け付けて、当該指示操作の内容を制御部21に出力する。印刷出力部26は、制御部21から入力される印刷データに基づいて印刷処理を実行する。カード読み取り部27は、例えばICカード等に記録された情報を読み取るためのものである。例えば、カード読み取り部27は、ユーザ情報(例えばユーザ名等)をICカードから読み取るために用いられる。なお、カード読み取り部27は、印刷装置20とは別体の単独の装置として構成されるようにしてもよい。
クライアント装置30は例えばパーソナルコンピュータである。クライアント装置30には各種アプリケーションプログラムがインストールされており、クライアント装置30は例えば文書データの作成や参照等に用いられる。
ここで、印刷システム1において文書データ等の印刷を行う場合の基本的な手順について説明する。
まず、ユーザは、文書データ等の印刷指示操作をクライアント装置30において実行する。この操作が行われると、クライアント装置30に内蔵されたプリンタドライバによって、文書データがページ記述言語(PDL)で記述された文書データに変換される。そして、このページ記述言語で記述された文書データと各種印刷設定情報(例えば用紙のサイズやカラーの有無等)とを含む印刷データが、印刷指示操作を行ったユーザに関する情報(例えばユーザ名等)とともに、サーバ装置10に送信される。サーバ装置10は、受信した印刷データをプリントスプーラ機能によって記憶部12(ハードディスク)に蓄積する。
その後、ユーザは印刷装置20の設置場所まで行き、自らの情報(例えばユーザ名等)が記録されたICカードを印刷装置20のカード読み取り部27に読み取らせる。カード読み取り部27によってユーザの情報が読み取られると、そのユーザに関連づけられた印刷データの一覧を表す一覧画面が表示部24に表示される。この一覧画面においてユーザがいずれかの印刷データを選択すると、選択された印刷データがサーバ装置10から印刷装置20に送信され、その印刷データに基づく印刷処理が実行される。こうして、文書データ等が印刷装置20において印刷出力される。
以下、サーバ装置10が実現する機能について説明する。サーバ装置10は、機能的に、図2に示すように、データ記憶部41と統計量取得部43と有効期限決定部44とを含んで構成される。データ記憶部41は、例えば記憶部12(ハードディスク)によって実現され、統計量取得部43及び有効期限決定部44は、例えば制御部11が記憶部12に格納されるプログラムを実行することによって実現される。このプログラムは、例えばインターネット等の通信手段を介して提供されてもよいし、例えばCD−ROMやDVD−ROM等、各種のコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に格納されて提供されてもよい。
データ記憶部41はデータを記憶する。本実施形態の場合、データ記憶部41はクライアント装置30から受信した印刷データを記憶する。
データ記憶部41は有効期限記憶部42を含む。有効期限記憶部42は、データ記憶部41に記憶される各データの有効期限を記憶する。本実施形態の場合、有効期限記憶部42は、データ記憶部41に記憶される各印刷データの有効期限を記憶する。
例えば図3に示すような印刷データテーブルがデータ記憶部41(有効期限記憶部42)に記憶される。印刷データテーブルは、クライアント装置30から受信した印刷データを管理するためのテーブルである。図3に示す印刷データテーブルは、「ID」、「ユーザ名」、「ユーザグループ名」、「データ量」、「受信日時」、及び「有効期間」フィールドを含んでいる。印刷データテーブルの一のレコードは一の印刷データに対応している。
「ID」フィールドには、印刷データを一意に識別する情報が記憶される。「ユーザ名」フィールドには、印刷データに関連するユーザ(すなわち、印刷指示操作を行ったユーザ)の名前が記憶される。「ユーザグループ名」フィールドには、ユーザが属するグループの名称が記憶される。「データ量」フィールドには、印刷データのデータ量を例えばメガバイト(MB)単位で示す情報が記憶される。「受信日時」フィールドには、サーバ装置10が印刷データを受信した日時が記憶される。「有効期間」フィールドには、印刷データの有効期間を例えば時間単位で示す情報が記憶される。
本実施形態では、印刷データの受信日時から有効期間が経過する時点が印刷データの有効期限になっている。このため、図3に示す印刷データテーブルの「受信日時」及び「有効期間」フィールドの組合せによって、印刷データの有効期限が特定されるようになっている。例えば、IDが「01」である印刷データの受信日時は「2009年1月1日09時00分」であり、かつ、有効期間は「8時間」であるため、この印刷データの有効期限は「2009年1月1日17時00分」である。なお、印刷データの有効期限自体を示すフィールドを印刷データテーブルに設けるようにしてもよい。
有効期限が経過した印刷データは利用(アクセス)が制限される。具体的には、有効期限が経過した印刷データは削除される。有効期限が経過した印刷データは印刷データの一覧画面に表示されなくなり、ユーザは、有効期限が経過した印刷データを一覧画面において選択できなくなる。
なお、印刷データの有効期限が経過したか否かの判定は予め定められた時間ごとに実行される。または、印刷データの有効期限が経過したか否かの判定は予め定められた時刻に実行される。さらに、各印刷データが利用されようとする毎に、または各印刷データのデータ数やデータ量を集計した単位量のデータに変化がある毎に各印刷データの有効期限が経過したか否かの判定を実行するようにしてもよい。
統計量取得部43は、予め定められた集計単位でデータ数又はデータ量に関する統計量を取得する。ここで、統計量は、例えば合計、平均値、最大値、又は最小値等である。本実施形態の場合、「集計単位」は「ユーザ単位」であり、統計量取得部43は、ユーザに関連づけられた印刷データのデータ数の合計又はデータ量の合計を取得する。
有効期限決定部44は、統計量取得部43によって取得された統計量に基づいて、データ記憶部41に記憶されるデータの有効期限を決定する。例えば、有効期限決定部44は、統計量取得部43によって取得された統計量に基づいて、該統計量を取得する際に集計対象となったデータの有効期限を決定する。本実施形態の場合、有効期限決定部44は、ユーザに関連づけられた印刷データのデータ数の合計又はデータ量の合計に基づいて、該ユーザに関連づけられた印刷データの有効期限を決定する。
有効期限決定部44による有効期限の決定は、データ記憶部41に記憶される印刷データの数又はデータ量が変化した場合に実行される。例えば下記のような場合に、データ記憶部41に記憶される印刷データの数又はデータ量が変化する。
(a)サーバ装置10が新たな印刷データを受信した場合
(b)サーバ装置10に記憶される印刷データが削除された場合
また、下記のような場合に、サーバ装置10に記憶される印刷データが削除される。
(b1)印刷データに基づく印刷処理が印刷装置20で実行された場合
(b2)ユーザが印刷データの削除指示操作を行った場合
(b3)印刷データの有効期限が経過した場合
ここで、有効期限(有効期間)の決定方法の具体例について説明する。以下では、四つの具体例について説明する。
まず、一番目の例について説明する。図4は有効期限(有効期間)の決定方法の一例を示す。図4に示す決定方法では、ユーザあたりの有効期間が「24時間」に設定されており、有効期間の下限が「1時間」に設定されている。また、有効期限の決定に使用する統計量が「データ数の合計」になっている。
データ数の合計を用いて有効期限を決定する場合、データ数の合計に対応する有効期間T1が下記の式(1)によって取得され、取得された有効期間T1に基づいて、データの有効期間が決定される。なお、下記の式(1)において、「Tu」はユーザあたりの有効期間を示し、「N」はユーザの印刷データの数の合計を示しており、この式(1)は、ユーザの印刷データの数の合計Nと、有効期間T1と、を対応づけてなる情報ということができる。
T1=Tu/N ・・・ (1)
例えばユーザAの印刷データの数の合計が「1」である場合、その印刷データの有効期間は「24時間」になる。また例えば、ユーザAの印刷データの数の合計が「10」である場合、それらの印刷データの有効期間は「2.4時間」になる。
また例えば、ユーザAの印刷データの数の合計が「25」である場合、上記の式(1)によって得られる有効期間は「0.96時間」となる。しかしながら、この有効期間(0.96時間)は有効期間の下限(1時間)よりも短いため、有効期間は「1時間」になる。このように、有効期間は有効期間の下限以上となるように補正される。
次に、二番目の例について説明する。図5は有効期限(有効期間)の決定方法の他の一例を示す。図5に示す決定方法は、有効期限の決定に使用される統計量が「データ量の合計」となっている点で、図4に示す決定方法とは異なっている。
データ量の合計を用いて有効期限を決定する場合、データ量の合計に対応する有効期間T2が下記の式(2)によって取得され、取得された有効期間T2に基づいて、データの有効期間が決定される。なお、下記の式(2)において、「Tu」はユーザあたりの有効期間を示し、「M」はユーザの印刷データのデータ量の合計(メガバイト単位)を示しており、この式(2)は、ユーザの印刷データのデータ量の合計Mと,有効期間T2と、を対応づけてなる情報ということができる。
T2=Tu/M ・・・ (2)
例えば、ユーザAの印刷データのデータ量の合計が1MBである場合、ユーザAの各印刷データの有効期間は「24時間」になる。また例えば、ユーザAの印刷データのデータ量の合計が10MBである場合、ユーザAの各印刷データの有効期間は「2.4時間」になる。
また例えば、ユーザAの印刷データのデータ量の合計が25MBである場合、上記の式(2)によって得られる有効期間は「0.96時間」となる。しかしながら、この有効期間(0.96時間)は有効期間の下限(1時間)よりも短いため、有効期間は「1時間」になる。
次に、三番目の例について説明する。図6は有効期限(有効期間)の決定方法の他の一例を示す。図6に示す決定方法は、有効期間の上限が設定されている点で、図4に示す決定方法とは異なっている。図6に示す決定方法では、有効期間の上限が「8時間」に設定されている。また、この場合、有効期限の決定に使用される統計量が「データ数の合計」になっているため、データ数の合計に対応する有効期間T1が上記の式(1)によって取得され、取得された有効期間T1に基づいて、データの有効期間が決定される。
例えば、ユーザAの印刷データの数の合計が「1」である場合、上記の式(1)によって得られる有効期間は「24時間」となる。しかしながら、この有効期間(24時間)は有効期間の上限(8時間)よりも長いため、有効期間は「8時間」に設定される。このように、有効期間は有効期間の上限以下となるように補正される。
次に、四番目の例について説明する。図7は有効期限(有効期間)の決定方法の他の一例を示す。図7に示す決定方法では、ユーザあたりの有効期間が「48時間」に設定されている。また、図7に示す決定方法では、有効期限の決定に使用される統計量が「データ数の合計及びデータ量の合計」になっている。図7に示す決定方法では、データ数の合計に基づいて取得される有効期間と、データ量の合計に基づいて取得される有効期間と、のいずれか短い方の有効期間が選択され、選択された有効期間に基づいて、データの有効期間が決定される。すなわち、上記の式(1)によって得られる有効期間T1と、上記の式(2)によって得られる有効期間T2と、のいずれか短い方の有効期間が選択され、選択された有効期間に基づいて、データの有効期間が決定される。
さらに、図7に示す決定方法では猶予期間が設定されている。後述するように、有効期限の決定(再決定)を実行した場合には、有効期間が短縮されることによって有効期限がすでに経過した状態になってしまう場合がある。猶予期間は、このような場合に印刷データの削除をどの程度猶予するのかを示す。図7に示す決定方法では、猶予期間が「0時間」に設定されている。このため、有効期間が短縮された結果として有効期限がすでに経過した状態になってしまったような場合、印刷データの削除は猶予されず、印刷データが削除されるようになっている。猶予期間に関する詳細については後述する。
図3に示した印刷データテーブルでは、図7に示す決定方法によって得られた有効期間が設定されている。
例えば、ユーザAの印刷データの数の合計は「4」であるため、上記の式(1)によって得られる有効期間T1は「12時間」になる。一方、ユーザAの印刷データのデータ量の合計は「4MB」であるため、上記の式(2)によって得られる有効期間T2は「12時間」になる。この場合、上記の式(1)及び(2)によって得られる有効期間T1,T2はいずれも「12時間」であり、有効期間の上限(8時間)よりも長い。このため、図3に示した印刷データテーブルでは、ユーザAの印刷データの有効期間が「8時間」に設定されている。
また例えば、ユーザBの印刷データの数の合計は「2」であるため、上記の式(1)によって得られる有効期間T1は「24時間」になる。一方、ユーザBの印刷データのデータ量の合計は「12MB」であるため、上記の式(2)によって得られる有効期間T2は「4時間」になる。この場合、上記の式(2)によって得られる有効期間T2(4時間)は、上記の式(1)によって得られる有効期間T1(24時間)よりも短く、有効期間の上限(8時間)以下であり、かつ、下限(1時間)以上である。このため、図3に示した印刷データテーブルでは、ユーザBの印刷データの有効期間が「4時間」に設定されている。
ここで、サーバ装置10が新たな印刷データを受信した場合や、サーバ装置10に記憶される印刷データが削除された場合に、有効期限がどのように決定(再決定)されるかについて説明する。なお、以下では、図7に示す決定方法が採用されていることとする。
まず、図3に示す状態において、データ量が「4MB」であるユーザAの印刷データが新たに受信された場合について説明する。なお、この印刷データの受信日時は「2009年1月1日13時00分」とする。
この場合、新たに受信されたユーザAの印刷データの有効期限が決定されるとともに、元々記憶されていたユーザAの印刷データの有効期限も再決定される。ユーザAの印刷データが新たに受信されたことによって、ユーザAの印刷データの数の合計及びデータ量の合計が変化するためである。図8は、有効期限の決定(再決定)後の印刷データテーブルを示している。図8では、図3に示す状態からの変化箇所を太線で囲んでいる。なお、IDが「05」である印刷データが新たに受信された印刷データである。
この場合、ユーザAの印刷データの数の合計は「5」であるため、上記の式(1)によって得られる有効期間T1は「9.6時間」になる。また、ユーザAの印刷データのデータ量の合計は「8MB」であるため、上記の式(2)によって得られる有効期間T2は「6時間」になる。この場合、上記の式(2)によって得られる有効期間T2(6時間)は、上記の式(1)によって得られる有効期間T1(9.6時間)よりも短く、有効期間の上限(8時間)以下であり、かつ、下限(1時間)以上である。したがって、図8に示すように、ユーザAの印刷データの有効期間は「6時間」に設定される。なお、この場合、元々記憶されていた、IDが「01」〜「04」である印刷データの有効期間は「8時間」から「6時間」に短縮されたことになる(図3及び図8参照)。
次に、図8に示す状態において、IDが「12」であるユーザBの印刷データが印刷装置20に供給され、該印刷データに基づく印刷処理が印刷装置20で実行された場合について説明する。
IDが「12」である印刷データに基づく印刷処理が印刷装置20で正常終了された場合、その旨が印刷装置20からサーバ装置10に通知される。そして、この通知を受け取ったサーバ装置10では、IDが「12」である印刷データが削除され、IDが「12」である印刷データに対応するレコードが印刷データテーブルから削除される。この場合、ユーザBの印刷データの数の合計及びデータ量の合計が変化したため、ユーザBの印刷データの有効期限が再決定される。図9は、有効期限の再決定後の印刷データテーブルを示している。図9では、図8に示す状態からの変化箇所を太線で囲んでいる。
この場合、ユーザBの印刷データの数の合計は「1」であるため、上記の式(1)によって得られる有効期間T1は「48時間」になる。また、ユーザBの印刷データのデータ量の合計は「2MB」であるため、上記の式(2)によって得られる有効期間T2は「24時間」になる。この場合、上記の式(1)及び(2)によって得られる有効期間T1(48時間),T2(24時間)はいずれも有効期間の上限(8時間)よりも長い。このため、図9に示すように、ユーザBの印刷データの有効期間は「8時間」に設定される。なお、この場合、IDが「11」である印刷データの有効期間は「4時間」から「8時間」に延長されたことになる(図8及び図9参照)。
次に、図9に示す状態において、データ量が「4MB」であるユーザAの印刷データが新たに受信された場合について説明する。なお、この印刷データの受信日時は「2009年1月1日14時30分」とする。
この場合、ユーザAの印刷データが新たに受信されたことによって、ユーザAの印刷データの数の合計及びデータ量の合計が変化するため、ユーザAの印刷データの有効期限が決定(再決定)される。
この場合、ユーザAの印刷データの有効期間が図10に示すように一旦設定される。図10では、図9に示す状態からの変化箇所を太線で囲んでいる。なお、IDが「06」である印刷データが新たに受信された印刷データである。
すなわち、この場合、ユーザAの印刷データの数の合計は「6」であるため、上記の式(1)によって得られる有効期間T1は「8時間」になる。また、ユーザAの印刷データのデータ量の合計は「12MB」であるため、上記の式(2)によって得られる有効期間T2は「4時間」になる。上記の式(2)によって得られる有効期間T2(4時間)は、上記の式(1)によって得られる有効期間T1(8時間)よりも短く、有効期間の上限(8時間)以下であり、かつ、下限(1時間)以上である。このため、図10に示すように、ユーザAの印刷データの有効期間が「4時間」に一旦設定される。
この場合、IDが「01」である印刷データの受信日時は「2009年1月1日09時00分」であり、有効期間は「4時間」であることから、この印刷データの有効期限は「2009年1月1日13時00分」である。また、IDが「02」である印刷データの受信日時は「2009年1月1日10時00分」であり、有効期間は「4時間」であることから、この印刷データの有効期限は「2009年1月1日14時00分」である。現在日時(2009年1月1日14時30分)であるため、この場合、IDが「01」及び「02」である印刷データの有効期限が経過している。図7に示す決定方法では猶予期間が「0時間」に設定されているため、この場合、IDが「01」及び「02」である印刷データは削除され、IDが「01」及び「02」である印刷データに対応するレコードも印刷データテーブルから削除される。
なお、猶予期間が「0時間」よりも長い時間に設定されている場合には、IDが「01及び「02」である印刷データの有効期限が猶予期間の分だけ延期される。例えば、猶予期間が「1時間」である場合には、IDが「01」及び「02」である印刷データの有効期限が、現在日時(2009年1月1日14時30分)の1時間後に延期される。この場合の印刷データテーブルの一例を図11に示す。図11に示すように、この場合、有効期限が「2009年1月1日15時30分」となるように、IDが「01」である印刷データの有効期間が「6.5時間」に設定され、IDが「02」である印刷データの有効期間が「5.5時間」に設定される。
有効期限が経過し、かつ、猶予期間が「0時間」に設定されていることによってIDが「01」及び「02」である印刷データが削除された場合、ユーザAの印刷データの数の合計及びデータ量の合計が変化するため、ユーザAの印刷データの有効期限が再決定される。図12は、有効期限の再決定後の印刷データテーブルを示している。図12では、図10に示す状態からの変化箇所を太線で囲んでいる。
この場合、ユーザAの印刷データの数の合計は「4」であるため、上記の式(1)によって得られる有効期間T1は「12時間」になる。また、ユーザAの印刷データのデータ量の合計は「10MB」であるため、上記の式(2)によって得られる有効期間T2は「4.8時間」になる。上記の式(2)によって得られる有効期間T2(4.8時間)は、上記の式(1)によって得られる有効期間T1(12時間)よりも短く、有効期間の上限(8時間)以下であり、かつ、下限(1時間)以上である。このため、図12に示すように、ユーザAの印刷データの有効期間は「4.8時間」に設定される。
次に、図12に示す状態において、データ量が「50MB」であるユーザBの印刷データが新たに受信された場合について説明する。なお、この印刷データの受信日時は「2009年1月1日15時00分」とする。
この場合、ユーザBの印刷データが新たに受信されたことによって、ユーザBの印刷データの数の合計及びデータ量の合計が変化するため、ユーザBの印刷データの有効期限が決定(再決定)される。
この場合、ユーザBの印刷データの有効期間は図13に示すように一旦設定される。図13では、図12に示す状態からの変化箇所を太線で囲んでいる。なお、IDが「13」である印刷データが新たに受信された印刷データである。
すなわち、この場合、ユーザBの印刷データの数の合計は「2」であるため、上記の式(1)によって得られる有効期間T1は「24時間」になる。また、ユーザBの印刷データの総データ量は「52MB」であるため、上記の式(2)によって得られる有効期間T2は「0.9時間」になる。上記の式(2)によって得られる有効期間T2(0.9時間)は、上記の式(1)によって得られる有効期間T1(24時間)よりも短いが、有効期間の下限(1時間)を下回っている。このため、図13に示すように、ユーザBの印刷データの有効期間は「1時間」に一旦設定される。
この場合、IDが「11」である印刷データの受信日時は「2009年1月1日10時00分」であり、有効期間は「1時間」であることから、この印刷データの有効期限は「2009年1月1日11時00分」である。現在日時(2009年1月1日15時00分)であるため、この場合、IDが「11」である印刷データの有効期限が経過している。図7に示す決定方法では猶予期間が「0時間」に設定されているため、この場合、IDが「11」である印刷データは削除され、IDが「11」である印刷データに対応するレコードも印刷データテーブルから削除される。
この場合、IDが「11」である印刷データが削除されたことによって、ユーザBの印刷データの数の合計及びデータ量の合計が変化するため、ユーザBの印刷データの有効期限の再決定が実行される。図14は、有効期限の再決定後の印刷データテーブルの一例を示している。図14では、図13に示す状態からの変化箇所を太線で囲んでいる。
この場合、ユーザBの印刷データの数の合計は「1」であるため、上記の式(1)によって得られる有効期間T1は「48時間」になる。また、ユーザBの印刷データのデータ量の合計は「50MB」であるため、上記の式(2)によって得られる有効期間T2は「0.96時間」になる。上記の式(2)によって得られる有効期間T2(0.96時間)は、上記の式(1)によって得られる有効期間T1(48時間)よりも短いが、有効期間の下限(1時間)を下回っている。このため、図14に示すように、ユーザBの印刷データの有効期間は「1時間」に設定される。
ここで、サーバ装置10で実行される処理について説明する。図15及び図16はサーバ装置10で実行される処理の一例を示すフロー図である。サーバ装置10の制御部11がプログラムに従って図15及び図16に示す処理を実行することによって、統計量取得部43及び有効期限決定部44が実現される。図15及び図16に示す処理は、例えばユーザの印刷データの数の合計又はデータ量の合計が変化したような場合に実行される。例えば、サーバ装置10が新たな印刷データを受信した場合や、サーバ装置10に記憶される印刷データが削除された場合に実行される。なお、ここでは具体的な例として、ユーザXの印刷データの数の合計又はデータ量の合計が変化した場合に実行される処理について説明する。また、以下では、図7に示す決定方法が採用されていることとする。
図15に示すように、制御部11(統計量取得部43)は、印刷データテーブルを参照することによって、ユーザXに関連づけられた印刷データの数の合計Nを取得する(S101)。また、制御部11(統計量取得部43)は、印刷データテーブルを参照することによって、ユーザXに関連づけられた印刷データのデータ量の合計Mを取得する(S102)。
そして、制御部11(有効期限決定部44)は、S101で取得された数の合計Nと、S102で取得されたデータ量の合計Mと、に基づいて、ユーザXに関連づけられた印刷データの有効期間を決定する。
まず、制御部11は、S101で取得された数の合計Nに対応する有効期間T1を上記の式(1)を用いて取得する(S103)。また、制御部11は、S102で取得されたデータ量の合計Mに対応する有効期間T2を上記の式(2)を用いて取得する(S104)。そして、制御部11は有効期間T1と有効期間T2とを比較する(S105)。有効期間T1が有効期間T2以下である場合、変数Tに有効期間T1がセットされる(S106)。一方、有効期間T1が有効期間T2より大きい場合、変数Tに有効期間T2がセットされる(S107)。
その後、制御部11は変数Tの値が有効期間の上限Tmaxよりも大きいか否かを判定する(S108)。変数Tの値が有効期間の上限Tmaxよりも大きい場合、変数Tに有効期間の上限Tmaxがセットされる(S109)。一方、変数Tの値が有効期間の上限Tmaxよりも大きくない場合、制御部11は変数Tの値が有効期間の下限Tminよりも小さいか否かを判定する(S110)。変数Tの値が有効期間の下限Tminよりも小さい場合、変数Tに有効期間の下限Tminがセットされる(S111)。
その後、図16に示すように、制御部11は、ユーザXに関連づけられた印刷データの有効期間を変数Tの値に更新する(S112)。
ユーザXに関連づけられた印刷データの有効期間を更新した後、制御部11は、ユーザXに関連づけられた各印刷データの有効期限を現在日時と比較し、ユーザXに関連づけられた各印刷データのうちに、有効期限が経過した印刷データが存在するか否かを判定する(S113)。有効期限が経過した印刷データが存在しない場合、本処理は終了する。
一方、有効期限が経過した印刷データが存在する場合、制御部11は猶予期間Teが0時間よりも大きいか否かを判定する(S114)。猶予期間Teが0時間よりも大きい場合、制御部11は、有効期限が経過した印刷データの有効期間を猶予期間Teに基づいて延期する(S115)。すなわち、S113において有効期限が経過したと判定された印刷データの有効期限が、現在日時に猶予期間Teを加えることによって得られる日時となるように、その印刷データの有効期間が再決定される。例えば、印刷データの受信日時が「2009年1月1日10時00分」であり、現在日時が「2009年1月1日14時00分」であり、猶予期間が「1時間」である場合、有効期限が「2009年1月1日15時00分」となるように、有効期間が「5時間」に再設定される。
一方、猶予期間Teが0時間である場合、制御部11は、ユーザXに関連づけられた印刷データのうちの、有効期限が経過した印刷データを削除する(S116)。すなわち、ユーザXに関連づけられた印刷データのうちの、有効期限が経過した印刷データが記憶部12が削除され、該印刷データに対応するレコードが印刷データテーブルから削除される。この場合、ユーザXの印刷データの数の合計又はデータ量の合計が変化するため、S101の処理から再実行される。
以上説明した本実施形態によれば、ユーザに関連づけて記憶されるデータのデータ数又はデータ量に関する統計量を考慮して、該ユーザに関連づけて記憶されるデータの有効期限が決定されるようになる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。
(A)例えば以上に説明した処理はいずれも一例であって、以上に説明した方法とは異なる方法によって実現されることとしてもよい。
(B)有効期限決定部44は、データ量やデータ数を集計する単位を、データの種別のグループを処理単位として扱うようにしてもよい。例えば、サーバ装置10が新たな印刷データを受信した場合、同一ユーザの印刷ジョブであっても、新たに受信された印刷データを処理単位として有効期限を設定し、元々記憶されていた印刷データの有効期限は変更しないようにしてもよい。逆に、元々記憶されていた印刷データを処理単位のグループとして扱い有効期限を決定するようにしてもよい。また、印刷データの形式ごとに処理単位のグループとして扱うようにしてもよい。
(C)有効期限決定部44による有効期限の決定(再決定)は、サーバ装置10(印刷システム1)の設定が変更された場合や、サーバ装置10(印刷システム1)の記憶容量が変更された場合や、サーバの性能が向上したことにより処理ごとの処理時間が短縮できうように変更され実質的な記憶容量の許容量が増大した場合等に実行されるようにしてもよい。例えば、印刷データを記憶するための論理記憶領域の記憶容量が論理記憶領域の設定変更によって変わった場合や、印刷データを記憶するための物理記憶領域の記憶容量がハードディスクの増設等によって変わった場合や、サーバの性能が向上したことにより、印刷データを処理する時間が短縮され、処理できる記憶容量が相対的に増大した場合に、有効期限の決定(再決定)が実行されるようにしてもよい。
なお、この場合、記憶容量の変化に基づいて、有効期限の決定方法を変えるようにするとよい。すなわち、記憶容量に関する条件と、有効期限の決定方法と、を対応づけて記憶しておき、記憶容量が変化した場合には、変化後の記憶容量に対応する決定方法に従って、有効期限が決定されるようにするとよい。例えば、印刷データを記憶するための物理記憶領域又は論理記憶領域の記憶容量が増加した場合には、ユーザあたりの有効期間、有効期間の上限、及び有効期間の下限の少なくとも一つが増加するようにしてもよい。また例えば、印刷データの記憶するための物理記憶領域又は論理記憶領域の記憶容量が減少した場合には、ユーザあたりの有効期間、有効期間の上限、及び有効期間の下限の少なくとも一つが減少するようにしてもよい。
(D)統計量取得部43は、ユーザグループ単位でデータ数又はデータ量に関する統計量を取得するようにしてもよい。例えば、統計量取得部43は、ユーザグループに関連づけて記憶される印刷データの数の合計又はデータ量の合計を取得するようにしてもよい。また、有効期限決定部44は、ユーザグループに関連づけて記憶される印刷データの数の合計又はデータ量の合計に基づいて、該ユーザグループに関連づけて記憶される印刷データの有効期限を決定するようにしてもよい。この場合、「集計単位」は「ユーザグループ単位」となる。なお、ユーザグループは例えば実際の会社の組織に合わせて設定される。
なお、この場合、図15のS101では、ユーザXが所属するユーザグループYに関連づけられた印刷データの数の合計Nが取得される。また、図15のS102では、ユーザグループYに関連づけられた印刷データのデータ量の合計Mが取得される。さらに、図16のS112では、ユーザグループYに関連づけられた印刷データの有効期間が変数Tの値に更新される。
(E)統計量取得部43は、装置(サーバ装置10)単位又はシステム(印刷システム1)単位でデータ数又はデータ量に関する統計量を取得するようにしてもよい。例えば、統計量取得部43は、サーバ装置10(又は印刷システム1)に記憶される印刷データの数の合計又はデータ量の合計を取得するようにしてもよい。また、有効期限決定部44は、サーバ装置10(又は印刷システム1)に記憶される印刷データの数の合計又はデータ量の合計に基づいて、該サーバ装置10(又は該印刷システム1)に記憶されるデータの有効期限を決定するようにしてもよい。この場合、「集計単位」は「装置単位」又は「システム単位」になる。
(F)統計量取得部43は、物理記憶領域単位又は物理記憶領域グループ単位でデータ数又はデータ量に関する統計量を取得するようにしてもよい。例えば、統計量取得部43は、物理記憶領域又は物理記憶領域グループに記憶される印刷データの数の合計又はデータ量の合計を取得するようにしてもよい。また、有効期限決定部44は、物理記憶領域又は物理記憶領域グループに記憶される印刷データの数の合計又はデータ量の合計に基づいて、該物理記憶領域又は該物理記憶領域グループに記憶される印刷データの有効期限を決定するようにしてもよい。この場合、「集計単位」は「物理記憶領域単位」又は「物理記憶領域グループ単位」になる。また、この場合、例えば、印刷データテーブルに「物理記憶領域」又は「物理記憶領域グループ」フィールドが設けられ、印刷データがどの物理記憶領域又は物理記憶領域グループに記憶されているかが管理されることになる。
(G)統計量取得部43は、論理記憶領域単位又は論理記憶領域グループ単位でデータ数又はデータ量に関する統計量を取得するようにしてもよい。例えば、統計量取得部43は、論理記憶領域又は論理記憶領域グループに記憶される印刷データの数の合計又はデータ量の合計を取得するようにしてもよい。また、有効期限決定部44は、論理記憶領域又は論理記憶領域グループに記憶されるデータの数の合計又はデータ量の合計に基づいて、該論理記憶領域又は該論理記憶領域グループに記憶されるデータの有効期限を決定するようにしてもよい。この場合、「集計単位」は「論理記憶領域単位」又は「論理記憶領域グループ単位」になる。また、この場合、例えば、印刷データテーブルには「論理記憶領域」又は「論理記憶領域グループ」フィールドが設けられ、印刷データがどの論理記憶領域又は論理記憶領域グループに記憶されているかが管理されることになる。
(H)統計量取得部43は、プリントキュー単位でデータ数又はデータ量に関する統計量を取得するようにしてもよい。例えば、統計量取得部43は、プリントキューに関連する印刷データの数の合計又はデータ量の合計を取得するようにしてもよい。また、有効期限決定部44は、プリントキューに関連する印刷データの数の合計又はデータ量の合計に基づいて、該プリントキューに関連する印刷データの有効期限を決定するようにしてもよい。この場合、「集計単位」は「プリントキュー単位」になる。また、この場合、例えば、印刷データテーブルには「プリントキュー」フィールドが設けられ、印刷データがどのプリントキューに関連づけられているかが管理されることになる。
(I)統計量取得部43は、印刷装置20又は印刷装置グループ単位でデータ数又はデータ量に関する統計量を取得するようにしてもよい。例えば、統計量取得部43は、印刷装置20又は印刷装置グループに関連する印刷データの数の合計又はデータ量の合計を取得するようにしてもよい。また、有効期限決定部44は、印刷装置20又は印刷装置グループに関連する印刷データの数の合計又はデータ量の合計に基づいて、該印刷装置20又は該印刷装置グループに関連する印刷データの有効期限を決定するようにしてもよい。この場合、「集計単位」は「印刷装置単位」又は「印刷装置グループ単位」になる。また、この場合、例えば、印刷データテーブルには「印刷装置」又は「印刷装置グループ」フィールドが設けられ、印刷データがどの印刷装置20又は印刷装置グループに関連づけられているかが管理されることになる。
(J)有効期限決定部44は、集計単位ごとに有効期限の決定方法を変えるようにしてもよい。例えば、ユーザ又はユーザグループごと又は処理するデータの種類ごとに有効期限の決定方法を予め設定しておくことによって、有効期限決定部44は、ユーザ又はユーザグループごと又は処理するデータの種類ごとに有効期限の決定方法を変えるようにしてもよい。
(K)有効期限決定部44は、データが用いられる装置において障害が発生している場合、データの有効期限を延期するようにしてもよい。例えば、有効期限決定部44は、印刷装置20において障害が発生しているか否かを判定し、印刷装置20で障害が発生している場合に印刷データの有効期限を延期するようにしてもよい。また、有効期限決定部44は、印刷装置20において発生した障害種類(障害内容)に基づいて、印刷データの有効期限を延期するようにしてもよい。例えば、有効期限決定部44は、印刷装置20において発生した障害種類(障害内容)に対応する印刷データの有効期限を延期するようにしてもよい。より具体的には、印刷装置20においてカラートナーが不足している場合、有効期限決定部44は、カラー印刷処理される印刷データの有効期限を延期するようにしてもよい。また、印刷装置20において特定の用紙(例えば特定サイズの用紙)が不足している場合、有効期限決定部44は、該特定の用紙に印刷される印刷データの有効期限を延期するようにしてもよい。
または、有効期限決定部44は、データが用いられる装置との通信において障害が発生している場合、データの有効期限を延期するようにしてもよい。例えば、有効期限決定部44は、印刷装置20との通信において障害が発生しているか否かを判定し、印刷装置20で障害が発生している場合に印刷データの有効期限を延期するようにしてもよい。また、有効期限決定部44は、印刷装置20との通信において発生した障害種類(障害内容)に基づいて、印刷データの有効期限を決定するようにしてもよい。例えば、有効期限決定部44は、印刷装置20との通信において発生した障害種類(障害内容)に対応する印刷データの有効期限を延期するようにしてもよい。
(L)印刷データの有効期限が変更された場合、その印刷データに関連づけられたユーザにその旨を通知するようにしてもよい。
(M)以上では、印刷処理が実行された印刷データはサーバ装置10から削除されることとして説明したが、再印刷を可能とするために、印刷処理が実行された印刷データ自体又はその複製がサーバ装置10に残るようにしてもよい。そして、この残された印刷データに対しても有効期限が設定されるようにしてもよい。
(N)以上に説明した有効期限の決定機能を利用するか否かをユーザが指定できるようにしてもよい。また、以上に説明した有効期限の決定機能を利用するか否かを集計単位ごとに指定できるようにしてもよい。
(O)本発明は印刷システム1以外の情報処理システムにも適用することができる。例えば、文書データや画像データ等の電子データを記憶する電子データ管理システムにも本発明は適用することができる。図17は本発明の一実施形態に係る電子データ管理システム1aの構成例を示す図である。図17に示す電子データ管理システム1aはサーバ装置10aとクライアント装置30aとを含んで構成されている。なお、サーバ装置10a及びクライアント装置30aは、それぞれ複数含まれるようにしてもよい。
この場合、図2に示す機能ブロックがサーバ装置10aにおいて実現される。例えば、データ記憶部41では、文書データや画像データ等の電子データがユーザ及びユーザグループに関連づけて記憶される。有効期限記憶部42には、データ記憶部41に記憶される電子データの有効期限が記憶される。また、統計量取得部43は、予め定められた集計単位でデータ数又はデータ量に関する統計量を取得する。有効期限決定部44は、統計量取得部43によって取得された統計量に基づいて、電子データの有効期限を決定する。例えば、有効期限決定部44は、ユーザ又はユーザグループに関連づけて記憶される電子データの数の合計又はデータ量の合計に基づいて、該ユーザ又は該ユーザグループに関連づけて記憶される電子データの有効期限を決定する。