JP2010224079A - 投射型表示装置および光源冷却方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光源11と、前記光源11の点灯および消灯を制御する光源制御部31と、前記光源11に対する冷却風を複数段階の冷却度合いに選択的に対応しつつ発生させる冷却風発生部2,32と、前記光源制御部31による前記光源11の点灯失敗に応じて常用段階よりも冷却度合いが高い冷却風の発生を前記冷却風発生部2,32に指示する冷却制御部33と、を備えて投射型表示装置を構成する。
【選択図】図4
Description
液晶プロジェクタ装置にて用いられる光源としては、放電ランプ(キセノンランプ、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ等)が一般的である。ただし、この種の放電ランプは、消灯した後に再点灯する場合、ランプ温度が高いと再点灯できないことが知られている。
このことから、液晶プロジェクタ装置については、ランプ消灯後からの経過時間やランプ近傍の温度測定結果等を基に、再点灯の可否や冷却の要否等を制御して、ランプ点灯失敗を未然に防止するように構成することが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。また、ランプ消灯後、電源プラグをコンセントから抜いても、装置冷却用のファンを駆動できるように、ファン駆動用の予備電源を備えて構成することも提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
また、装置内に予備電源を備えていると、電源プラグをコンセントから抜いても、当該予備電源を利用した冷却によりランプ温度を低下させることで、ランプ再点灯の迅速化が図れるが、当該予備電源を備えることで装置構成の複雑化を招いてしまうことになる。
「光源の点灯失敗に応じて」とは、遅くとも当該点灯失敗の発生を契機にしたタイミングまでに、の意である。したがって、点灯失敗の発生を契機にして冷却度合いを高くしてもよいし、またはそれ以前のタイミング(具体的には、装置起動後から点灯失敗発生までのいずれかのタイミング。)で冷却度合いを高くしてもよい。
「冷却度合い」とは、光源に対する冷却の度合い、さらに詳しくは単位時間あたりの温度低下量を意味する。この冷却度合いは、例えば冷却風の流量によって特定される。ただし、冷却風の流量以外の他の要因によって特定されることもあり得る。
「常用段階」とは、複数段階(ただし、当該複数段階の中で最も冷却度合いが高い段階を除く。)の冷却度合いのうちの一段階で、装置稼動時に常用される段階のことをいう。
しかも、光源の点灯失敗に応じて冷却度合いを高くすればよいため、装置内に予備電源を備えている必要がない。また、光源の点灯失敗がなければ、常用段階の冷却度合いにて光源に対する冷却を行えばよく、騒音防止機構や電源供給機構等の構成が大掛かりなものとなってしまうこともない。したがって、迅速に光源の再点灯を実現可能にするために、装置構成の複雑化を招いてしまうこともない。
1.投射型表示装置の概略構成例
2.投射型表示装置の要部構成例
3.投射型表示装置における処理動作例
先ず、投射型表示装置の概略構成について説明する。
ここでは、投射型表示装置として、液晶プロジェクタ装置を例に挙げて説明する。
図例のように、液晶プロジェクタ装置は、その筐体内に、光学系ユニット1と、冷却ファンモータ2と、冷却ダクト3と、光源ユニット4と、を備えて構成されている。
光学系ユニット1は、スクリーン上へのカラー画像の投影表示を行う。
冷却ファンモータ2は、例えばシロッコファンモータや軸流ファンモータ等からなるもので、筐体外から空気を吸引するとともに、吸引した空気を用いて光源ユニット4を冷却し、その冷却後の空気を筐体外へ排出するための送風を行う。
冷却ダクト3は、筐体外から吸引された空気を光源ユニット4へ導くとともに、その光源ユニット4での熱交換を経た後の空気を筐体外へ導くものである。すなわち、冷却ダクト3は、冷却風の案内路として機能する。
光源ユニット4は、投影画像を表示するための光を発する光源を備えてなるものである。光源としては、キセノンランプ、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ等の高輝度放電ランプ(以下、単に「光源ランプ」という。)を用いる。
図例の光学系ユニット1では、光源ユニット4における光源ランプ11から出射される光が、赤外線や紫外線をカットするフィルタ12、第1フライアイレンズ13、第2フライアイレンズ14、偏光変換素子15および集光レンズ16を経る。そして、これらを経た後に、特定の波長帯域の光だけを反射するダイクロイック・ミラー17によって、RGBの各色成分光に分離される。RGBの各色成分光は、必要に応じて紫外線を吸収するフィルタ18、全反射ミラー19、コンデンサー・レンズ20、リレーレンズ21等を利用しつつ、RGBの各色に対応して設けられた液晶パネル23R,23G,23Bに入射される。各液晶パネル23R,23G,23Bには、それぞれに付随して、入射側偏光板22、光学補償板24および出射側偏光板25が設けられている。そして、入射側偏光板22を透過した各色成分光が各液晶パネル23R,23G,23Bへ入射し、各液晶パネル23R,23G,23Bにて光変調された各色成分光が光学補償板24および出射側偏光板25を透過するようになっている。各液晶パネル23R,23G,23Bにて映像信号に応じた光変調が行われた後は、光変調された各色成分光が必要に応じて1/2波長フィルム26を経てダイクロイック・プリズム27によって合成されて、投射レンズ28によって拡大投影される。このようにして、光学系ユニット1では、スクリーン上へのカラー画像の投影表示を行うようになっている。
図例の光学系ユニット1においても、透過型液晶パネルを用いた場合(図2参照。)と同様に、光源ランプ11から出射される光が、フィルタ12、第1フライアイレンズ13、第2フライアイレンズ14、偏光変換素子15および集光レンズ16を経る。そして、これらを経た後に、ダイクロイック・ミラー17によってRGBの各色成分光に分離される。その後は、各色成分光が、必要に応じて全反射ミラー19や偏光ビームスプリッタ(PBS)29、1/4波長板24を経て、RGBの各色に対応して設けられた反射型液晶パネル30R,30G,30Bに入射される。そして、各反射型液晶パネル30R,30G,30Bにて映像信号に応じた光変調が行われ、光変調された各色成分光がダイクロイック・プリズム27によって合成されて、投射レンズ28によって拡大投影される。このようにして、光学系ユニット2では、スクリーン上へのカラー画像の表示を行うようになっている。
次に、投射型表示装置の要部構成について説明する。
図例のように、液晶プロジェクタ装置は、ランプ電源供給部31と、電源回路部32と、メインコントロール部33と、ユーザインタフェース(以下、「U/I」と略す。)部34と、を備えて構成されている。
ただし、冷却ファンモータ2による冷却風の発生は、複数段階の冷却度合いのいずれかに選択的に対応して行われる。ここで、「冷却度合い」とは、光源に対する冷却の度合い、さらに詳しくは単位時間あたりの温度低下量を意味する。この冷却度合いは、例えば冷却風の流量によって特定される。ただし、冷却風の流量以外の他の要因によって特定されることもあり得る。以下の説明では、冷却度合いが冷却風の流量によって特定される場合を例に挙げる。具体的には、電源回路部32が冷却ファンモータ2への供給電圧値を切り替えて、当該冷却ファンモータ2の動作回転数を可変させることで、複数段階の冷却風流量に対応しているものとする。なお、冷却ファンモータ2が複数存在する場合に、動作回転数を可変させる冷却ファンモータ2は、複数のうちの一部のみであってもよいし、全てであってもよい。つまり、光源に対する冷却の度合いが可変可能であれば、どのような切り替え態様でこれを実現しても構わない。
このように、電源回路部32およびこれに駆動される冷却ファンモータ2は、光源ランプ11に対する冷却風を複数段階の冷却度合いに選択的に対応しつつ発生させる、本発明における冷却風発生部として機能する。
ところで、メインコントロール部33は、詳細を後述するように、ランプ電源供給部31および電源回路部32に対して、以下のような動作制御を行う。すなわち、ランプ電源供給部31による光源ランプ11の点灯失敗に応じて、常用段階よりも冷却度合いが高い冷却風の発生を電源回路部32に指示する。また、常用段階よりも冷却度合いが高い冷却風の発生を電源回路部32に指示した後、ランプ電源供給部31が光源ランプ11の点灯に成功すると、当該常用段階に対応した冷却風の発生を電源回路部32に指示する。さらに、常用段階よりも冷却度合いが高い冷却風の発生を電源回路部32に指示した後、所定回数の光源ランプ11の点灯失敗が連続すると、電源回路部32に対して冷却ファンモータ2による冷却風の発生停止を指示するとともに、U/I部34を通じてアラーム出力を行う。
ここで、「点灯失敗に応じて」とは、遅くとも当該点灯失敗の発生を契機にしたタイミングまでに、の意である。したがって、点灯失敗の発生を契機にして冷却度合いを高くしてもよいし、またはそれ以前のタイミング(具体的には、装置起動後から点灯失敗発生までのいずれかのタイミング。)で冷却度合いを高くしてもよい。また、「常用段階」とは、複数段階(ただし、当該複数段階の中で最も冷却度合いが高い段階を除く。)の冷却度合いのうちの一段階で、装置稼動時に常用される段階のことをいう。
つまり、メインコントロール部33は、本発明における冷却制御部として機能する。
次に、投射型表示装置における処理動作例について、通常モードの場合と、冷却促進モードの場合とに分けて、以下に説明する。
三段階のうちの一つは、冷却ファンモータ2が許容最大回転数で動作する段階、すなわち最も冷却度合いの高い段階である。この段階を、以下「最大冷却段階」という。
三段階のうちの他の一つは、冷却ファンモータ2を動作させない段階、すなわち最も冷却度合いの低い段階である。この段階を、以下「最小冷却段階」という。
三段階のうちのさらに他の一つは、冷却ファンモータ2が中間の回転数(ゼロより大きく許容最大回転数より小さい回転数)で動作する段階、すなわち冷却度合いが中間となる段階である。この段階が「常用段階」として用いられることになる。
図5は、液晶プロジェクタ装置における通常モード時の処理動作例を示すタイミングチャートである。
その後は、U/I部34での所定操作または液晶プロジェクタ装置に接続する外部装置からの信号入力があると、メインコントロール部33がランプ電源供給部31に対して光源ランプ11の点灯指示を与える。この点灯指示を受けて、ランプ電源供給部31は、光源ランプ11に対する電源供給を行って、当該光源ランプ11を点灯させる。
そして、光源ランプ11が正常に点灯すると、ランプ電源供給部31は、その旨をメインコントロール部33へ通知する。この通知を受けて、メインコントロール部33は、それ以降冷却ファンモータ2を常用段階で動作させるよう、電源回路部32に対して当該冷却ファンモータ2の動作指示を与える。
その後、ランプ電源供給部31からの点灯失敗の通知から予め設定されている所定インターバル期間が経過すると、メインコントロール部33は、ランプ電源供給部31に対して光源ランプ11の再点灯指示を与える。この再点灯指示を受けて、ランプ電源供給部31は、光源ランプ11に対する電源供給を通じて、当該光源ランプ11を点灯させる。
そして、光源ランプ11が正常に点灯すると、ランプ電源供給部31は、その旨をメインコントロール部33へ通知する。この通知を受けて、メインコントロール部33は、それ以降冷却ファンモータ2を常用段階で動作させるよう、電源回路部32に対して当該冷却ファンモータ2の動作指示を与える。
その後、ランプ電源供給部31からの再点灯失敗の通知から予め設定されている所定インターバル期間が経過すると、メインコントロール部33は、再び、ランプ電源供給部31に対して光源ランプ11の再点灯指示を与える。この再点灯指示を受けて、ランプ電源供給部31は、光源ランプ11に対する電源供給を通じて、当該光源ランプ11を点灯させる。
そして、光源ランプ11が正常に点灯すると、ランプ電源供給部31は、その旨をメインコントロール部33へ通知する。この通知を受けて、メインコントロール部33は、それ以降冷却ファンモータ2を常用段階で動作させるよう、電源回路部32に対して当該冷却ファンモータ2の動作指示を与える。
さらに、メインコントロール部33は、光源ランプ11が点灯しない旨のアラーム出力を、U/I部34を通じて行う。なお、アラーム出力での出力内容は、予め設定されているものであればよく、特に限定されるものではない。
図例のように、最大冷却段階で冷却ファンモータ2を動作させると、当該冷却ファンモータ2を常用段階で動作させる場合に比べて、光源ランプ11に対する冷却の度合いが高くなる。すなわち、単位時間あたりの温度低下量が大きくなり、図中における温度変化の傾きが大きくなる。
そのため、同一環境条件であれば、冷却ファンモータ2を常用段階で動作させる場合よりも、当該冷却ファンモータ2を最大冷却段階で動作させる場合のほうが、再点灯不可期間を短くすることができる。
このことは、光源ランプ11の点灯失敗を契機にして最大冷却段階での冷却風を発生させるようにすれば、常用段階のまま動作させる場合に比べて、光源ランプ11の再点灯指示を行う際の基準となる所定インターバル期間を短く設定し得ることを意味する。
図7は、液晶プロジェクタ装置における冷却促進モード時の処理動作例を示すタイミングチャートである。
その後は、U/I部34での所定操作または液晶プロジェクタ装置に接続する外部装置からの信号入力があると、メインコントロール部33がランプ電源供給部31に対して光源ランプ11の点灯指示を与える。この点灯指示を受けて、ランプ電源供給部31は、光源ランプ11に対する電源供給を行って、当該光源ランプ11を点灯させる。
そして、光源ランプ11が正常に点灯すると、ランプ電源供給部31は、その旨をメインコントロール部33へ通知する。この通知を受けて、メインコントロール部33は、それ以降冷却ファンモータ2を常用段階で動作させるよう、電源回路部32に対して当該冷却ファンモータ2の動作指示を与える。
その後、ランプ電源供給部31からの点灯失敗の通知から予め設定されている所定インターバル期間が経過すると、メインコントロール部33は、ランプ電源供給部31に対して光源ランプ11の再点灯指示を与える。この再点灯指示を受けて、ランプ電源供給部31は、光源ランプ11に対する電源供給を通じて、当該光源ランプ11を点灯させる。
そして、光源ランプ11が正常に点灯すると、ランプ電源供給部31は、その旨をメインコントロール部33へ通知する。この通知を受けて、メインコントロール部33は、それ以降冷却ファンモータ2を常用段階で動作させるよう、電源回路部32に対して当該冷却ファンモータ2の動作指示を与える。
その後、ランプ電源供給部31からの再点灯失敗の通知から予め設定されている所定インターバル期間が経過すると、メインコントロール部33は、再び、ランプ電源供給部31に対して光源ランプ11の再点灯指示を与える。この再点灯指示を受けて、ランプ電源供給部31は、光源ランプ11に対する電源供給を通じて、当該光源ランプ11を点灯させる。
そして、光源ランプ11が正常に点灯すると、ランプ電源供給部31は、その旨をメインコントロール部33へ通知する。この通知を受けて、メインコントロール部33は、それ以降冷却ファンモータ2を常用段階で動作させるよう、電源回路部32に対して当該冷却ファンモータ2の動作指示を与える。
さらに、メインコントロール部33は、光源ランプ11が点灯しない旨のアラーム出力を、U/I部34を通じて行う。なお、アラーム出力での出力内容は、予め設定されているものであればよく、特に限定されるものではない。
しかも、迅速に光源ランプ11の再点灯を実現可能にするために、液晶プロジェクタ装置の構成の複雑化を招いてしまうこともない。
例えば、上述した処理動作例では、冷却度合いが三段階存在する場合を例に挙げたが、さらに多くの段階が存在しても構わないことは勿論である。さらに、各段階の冷却度合いについても、その実現手法が特に限定されるものではなく、冷却ファンモータ2の動作回転数可変以外の手法によって実現したものであっても構わない。
また、例えば、上述した実施形態では、投射型表示装置として液晶プロジェクタ装置を例に挙げて説明したが、筐体内を空冷する必要があるものであれば、他の投射型表示装置、すなわち光変調装置として液晶パネル以外を用いたものであっても、全く同様に本発明を適用することが可能である。
このように、本発明は、上述した実施形態で説明した内容に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更することが可能である。
Claims (5)
- 光源と、
前記光源の点灯および消灯を制御する光源制御部と、
前記光源に対する冷却風を複数段階の冷却度合いに選択的に対応しつつ発生させる冷却風発生部と、
前記光源制御部による前記光源の点灯失敗に応じて常用段階よりも冷却度合いが高い冷却風の発生を前記冷却風発生部に指示する冷却制御部と
を備える投射型表示装置。 - 前記冷却制御部は、前記常用段階よりも冷却度合いが高い冷却風の発生を前記冷却風発生部に指示した後、前記光源制御部が前記光源の点灯に成功すると、当該常用段階に対応した冷却風の発生を前記冷却風発生部に指示する
請求項1記載の投射型表示装置。 - 前記冷却制御部は、前記常用段階よりも冷却度合いが高い冷却風の発生を前記冷却風発生部に指示した後、所定回数の前記光源の点灯失敗が連続すると、前記冷却風発生部による冷却風の発生を停止させるとともにアラーム出力を行う
請求項1または2記載の投射型表示装置。 - 通常モードと冷却促進モードとの別を設定するモード設定部を備え、
前記冷却制御部は、前記モード設定部で前記冷却促進モードが設定されると、装置起動後から前記常用段階よりも冷却度合いが高い冷却風の発生を前記冷却風発生部に指示し、前記光源制御部が前記光源の点灯に失敗すると、引き続き当該指示を継続して前記冷却風発生部に与える
請求項1、2または3記載の投射型表示装置。 - 光源の点灯を指示する光源制御ステップと、
前記光源に対する冷却風を複数段階の冷却度合いに選択的に対応しつつ発生させる冷却風発生ステップと、
前記光源制御ステップでの前記光源の点灯失敗に応じて前記冷却風発生ステップで発生させる冷却風について常用段階よりも冷却度合いを高くする冷却制御ステップと
を含む光源冷却方法。
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