JP2010222496A - Pgaイオンコンプレックス - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、保湿性を有しながらも水溶性や過剰な吸水性を示さず、水の存在によるゲル化や変形が抑制されている上に、明確な融点を有し且つ融点と熱分解開始点が十分に離れていることから加熱成形が可能であるのでプラスチック材料として利用することができ、もちろん生分解性も示すポリ−γ−グルタミン酸のイオンコンプレックスを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係るPGAイオンコンプレックスは、ポリ−γ−グルタミン酸と特定の第四級アンモニウムイオン化合物を含むことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリ−γ−グルタミン酸(本願においては、「PGA」という場合がある)のイオンコンプレックスに関するものである。
現在、プラスチックや合成繊維の材料としては、主に石油化学材料が用いられている。石油化学材料は、一般的にアキラルな重合体であるため分子構造の制御が容易であり、製品化に至るまでその特性を維持し易いという利点がある。また、決定的に優れた点としては、熱可塑性を挙げることができる。この性質は、特に成形加工工程で有利に働き、加熱溶融して成形した後、固化することが可能である。
しかし、石油資源には限りがあるため無限に利用し続けることはできない。また、焼却処理すると二酸化炭素を排出して温暖化の原因となることから、その他の処理方法が求められているが、石油化学材料は自然界で分解され難いという問題がある。
最近、石油化学材料の原料となるアキラルな低分子化合物を微生物や植物などにより産生させ、これを化学的に重合することによりカーボンニュートラルな化成材料を開発する試みが為されている。実際、ヒマシ油由来のポリアミド11のように、優れた特性を有するものが知られている。しかし、その多くは石油化学材料と同様に生分解性を示さず、廃棄時における環境への負荷やコストの問題は依然として存在する。
そこで、バイオポリマーといわれる生物由来の高分子材料に注目が集まっている。多くのバイオポリマーはキラルな低分子の重合体であるため、キラル特性を有する場合が多い。光学純度の低いバイオポリマーも存在し、その場合には光学活性制御が必要となるケースもあり得るが、一般的には光学純度の高いバイオポリマーが多く、キラルポリマー特有の好適な特性は非常に魅力的である。例えば、光学活性の高いバイオポリマーは、生分解性が高いという大きな利点がある。
その一方で、バイオポリマーには熱可塑性を期待できないという問題がある。例えば、セルロースは代表的なバイオポリマーであり、既に繊維材料として利用されているが、セルロースを加熱すると溶融することなく燃焼し、炭化してしまう。よって、セルロースをプラスチック材料として用いることはできない。
バイオポリマーとしては、ポリ−γ−グルタミン酸の開発も進められている。ポリ−γ−グルタミン酸は、納豆の糸の主要成分としても知られているとおり、極めて安全性が高い。また、非常に高い親水性を利用して、化粧品成分などとしての利用が検討されている。
ポリ−γ−グルタミン酸の誘導体としては、例えば特許文献1には、ポリ−γ−グルタミン酸のシランエステルが開示されている。また、特許文献2には、ポリ−γ−グルタミン酸のみならずその架橋体の利用が記載されている。さらに特許文献3には、ポリ−γ−グルタミン酸の部分アミド体が開示されている。
特開2007−320975号公報 特開2008−63203号公報 特開2007−297559号公報
上述したように、ポリ−γ−グルタミン酸の誘導体やその利用方法の探索が進められている。
しかし、ポリ−γ−グルタミン酸は、構成分子であるグルタミン酸ごとに側鎖カルボキシ基を有し、従来、これら多数のカルボキシ基を十分に架橋したりアミド化したりできる技術は無かった。よって、ポリ−γ−グルタミン酸誘導体であっても極めて高い親水性はそのままであり、水の存在によりゲル化したり水溶液となってしまう。従って、従来技術ではポリ−γ−グルタミン酸誘導体を化粧料などの組成物の一成分として利用するのみであり、材料としての利用は全く志向されていなかった。
そこで本発明は、保湿性を有しながらも水溶性や過剰な吸水性を示さず、水の存在によるゲル化や変形が抑制されている上に、明確な融点を有し且つ融点と熱分解開始点が十分に離れていることから加熱成形が可能であるのでプラスチック材料として利用することができ、もちろん生分解性も示すポリ−γ−グルタミン酸のイオンコンプレックスを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、特にポリ−γ−グルタミン酸の側鎖カルボキシ基の修飾につき検討した。その結果、意外にも特定の第四級アンモニウムイオンとコンプレックスを形成させるのみで、材料として優れた特性を有するものが得られることを見出して、本発明を完成した。
本発明に係るPGAイオンコンプレックスは、ポリ−γ−グルタミン酸と、下記式(I)または式(II)の第四級アンモニウムイオン化合物を含むことを特徴とする。
[式中、R1〜R3は独立してC1-2アルキル基を示し、R4〜R5は独立してC12-20アルキル基を示す]
本発明において、「C1-2アルキル基」は、炭素数1〜2の直鎖状または分枝鎖状の脂肪族炭化水素、即ちメチルまたはエチルを意味する。また、「C12-20アルキル基」は、炭素数12〜20の直鎖状または分枝鎖状の脂肪族炭化水素を意味する。例えば、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル等の直鎖状C12-20アルキル基;イソテトラデシル、イソペンタデシル、イソヘキサデシル、イソヘプタデシル、イソオクタデシル、sec−テトラデシル、sec−ペンタデシル、sec−ヘキサデシル、sec−ヘプタデシル、sec−オクタデシル、t−テトラデシル、t−ペンタデシル、t−ヘキサデシル、t−ヘプタデシル、t−オクタデシル、ネオテトラデシル、ネオペンタデシル、ネオヘキサデシル、ネオヘプタデシル、ネオオクタデシル等の分枝鎖状C12-20アルキル基を挙げることができる。R4としては、好ましくはC15-20アルキル基であり、より好ましくはC16-20アルキル基であり、最も好ましくはC17-20アルキル基である。R5としては、好ましくはC13-20アルキル基であり、より好ましくはC14-19アルキル基であり、最も好ましくはC15-18アルキル基である。
また、本発明のPGAイオンコンプレックスとしては、ポリ−γ−グルタミン酸と第四級アンモニウムイオン化合物(II)を含むものがより好適である。かかるPGAイオンコンプレックスは、抗菌性や制菌性にも極めて優れている。
本発明のPGAイオンコンプレックスとしては、ポリ−γ−グルタミン酸を構成するグルタミン酸と第四級アンモニウムイオン化合物とを等モルまたは略等モル含むものが好適である。かかるPGAイオンコンプレックスでは、ポリ−γ−グルタミン酸が十分に改質されており、成形材料として優れた特性を有する。
本発明のPGAイオンコンプレックスにおいては、ポリ−γ−グルタミン酸を構成するグルタミン酸のうちL−グルタミン酸の占める割合が90%以上であるものが好適である。かかるPGAイオンコンプレックスは、より明確な融点を示す。
本発明のPGAイオンコンプレックスは、水不溶性であり、また、融点を有する。これら特性は、成形材料として非常に重要なものである。
本発明のPGAイオンコンプレックスは、ポリ−γ−グルタミン酸を主要な構成成分とするものでありながら水不溶性であり、また、保湿性を有する一方で過剰な吸水性を示さない。よって、水の存在によるゲル化や変形が抑制されている。また、明確な融点を有するので、加熱成形が可能である。さらに、ポリ−γ−グルタミン酸自体が生分解性である上に、カウンターカチオンである第四級アンモニウムイオン化合物も界面活性剤や殺菌剤などとして利用されているものであるので、安全性も高い。従って、本発明のPGAイオンコンプレックスは、生分解性の成形材料として高い期待が持たれる。
図1は、原料であるポリ−γ−L−グルタミン酸の水溶液から、本発明に係るPGA−ODTAコンプレックスが生成した状態を示す写真である。(1)はポリ−γ−L−グルタミン酸水溶液の写真であり、(2)は本発明に係るPGA−ODTAコンプレックスの写真である。 図2は、原料であるポリ−γ−L−グルタミン酸の水溶液から、本発明に係るPGA−HDPMコンプレックスが生成した状態を示す写真である。 図3は、ポリ−γ−L−グルタミン酸をフィルム状にキャスト成形した上で乾燥した状態の写真である。 図4は、本発明に係るPGA−ODTAコンプレックスをフィルム状に熱可塑成形したものの写真である。 図5は、本発明に係るPGA−HDPMコンプレックスをフィルム状に熱可塑成形したものの写真である。 図6は、本発明に係るPGA−HDPMコンプレックスのDSC分析の結果を示す。 図7は、本発明に係るPGA−ODTAコンプレックスのTG−DTA分析の結果を示す。 図8は、PGA単体、PGA−ODTAコンプレックスおよびPGA−HDPMコンプレックスの制菌作用を調べた実験結果である。図8(1)〜(2)はPGA単体、図8(3)〜(4)はPGA−ODTAコンプレックス、図8(5)〜(6)はPGA−HDPMコンプレックスの、それぞれ大腸菌および枯草菌に対する制菌作用を示す結果である。
本発明に係るPGAイオンコンプレックスは、ポリ−γ−グルタミン酸(PGA)と、第四級アンモニウムイオン化合物(I)または(II)を含むことを特徴とする。
PGAの種類は、特に制限されない。例えば、L−グルタミン酸のみからなるもの、D−グルタミン酸のみからなるもの、両方を含むものがあるが、何れも用いることができる。但し、一方の割合がより多い方が立体規則性に優れ強度なども高くなり、また、よく乾燥すれば融点(約150℃)をも示す様になる。この融点は、本発明のとおりイオンコンプレックスとすることで、より明確なものとなる。さらに、L−グルタミン酸からなるものの方が生分解性に優れるので、好適にはL−グルタミン酸の含有割合が90%以上のものを用いる。
使用するPGAの分子サイズも特に制限されないが、平均分子質量で10kD以上のものが好適である。一般的に、分子サイズが大きいほど強度などの性能が高くなる。一方、分子サイズが過剰に大きなPGAは製造コストが大きく、また、製造が技術的に難しい場合もあるので、通常は1,000kD以下とする。
PGAは、市販されているものがあればそれを用いてもよいし、別途製造してもよい。但し、通常の条件でグルタミン酸を重合するとポリ−α−グルタミン酸が得られるので、微生物を使って生合成させることが好ましい。分子サイズの大きいPGAを製造できる微生物としては、超好塩古細菌であるNatrialba aegyptiacaがある。
本発明に係る第四級アンモニウムイオン化合物(I)と(II)は、第三級アミンと長鎖アルキル基からなるものであり、一般的に界面活性剤や相間移動触媒などとして用いられているものである。特に第四級アンモニウムイオン化合物(II)は、抗菌剤、殺菌剤、抗真菌剤としても用いられている。
本発明者の実験的な知見によれば、第四級アンモニウムイオン化合物(I)としては、第四級アンモニウムイオン化合物(II)よりも長鎖アルキル基の炭素数が多いものを用いることが好ましい。より具体的には、PGAと第四級アンモニウムイオン化合物(II)とのコンプレックスは、比較的低温度でも加熱成形が可能になるが、PGAと第四級アンモニウムイオン化合物(I)とのコンプレックスは、長鎖アルキル基の炭素数が少ないと比較的低温度では軟化し難い場合がある。よって、加熱成形のし易さを重視する場合には、第四級アンモニウムイオン化合物(I)の長鎖アルキル基の炭素数を16以上にすることが好ましく、17以上にすることがさらに好ましい。
本発明に係るPGAイオンコンプレックスとしては、過剰な親水性などPGAの有する材料としての欠点を克服するために、第四級アンモニウムイオン化合物により十分に改質されているものが好適である。より具体的には、PGAイオンコンプレックスにおける第四級アンモニウムイオン化合物の割合が、PGAを構成するグルタミン酸に対して0.5モル倍以上であることが好ましく、0.6モル倍以上であることがより好ましく、0.7モル倍以上であることがさらに好ましい。
特に、PGAを構成するグルタミン酸と第四級アンモニウムイオン化合物を等モルまたは略等モル含むものが好適である。PGAは、もともと親水性が極めて高く、水を際限無く吸収し続けてゲル化し、さらには水溶液となる。また、従来、PGAの側鎖カルボキシ基を修飾する技術は知られていたが、構造中に多数存在するカルボキシ基を十分に修飾することはできないため、改質してもゲル化や水溶液化は避けられなかった。それに対して本発明では、PGAの側鎖カルボキシ基を極めて簡便かつ十分に修飾できるが、作用させる第四級アンモニウムイオン化合物の量が十分でなければ、当然にPGAを十分に改質することはできない。一方、PGAイオンコンプレックスにおける第四級アンモニウムイオン化合物が、PGAを構成するグルタミン酸、即ち側鎖カルボキシ基と等モルまたは略等モルであれば、PGAを十分に改質できる。ここで、略等モルとは、両者のモル数がほぼ等しいことを意味するが、具体的にはPGAを構成するグルタミン酸に対する第四級アンモニウムイオン化合物が0.8モル倍以上、1.2モル倍以下、特に0.9モル倍以上、1.1モル倍以下であることをいうものとする。
なお、第四級アンモニウムイオン化合物は、一種のみ用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。また、第四級アンモニウムイオン化合物(I)と第四級アンモニウムイオン化合物(II)を混合して用いてもよい。
本発明のPGAイオンコンプレックスは、溶媒中、PGAと第四級アンモニウムイオン化合物を混合するのみで、極めて容易に製造できる。
ここで使用する溶媒としては、水が好適である。原料であるPGAを良好に溶解できるからであり、また、目的化合物であるPGAイオンコンプレックスは水に対して不溶性であることから、反応後における目的物の単離精製に便利だからである。但し、第四級アンモニウムイオン化合物の水溶性などによっては、反応液に対するそれらの溶解性を高めるために、メタノールやエタノールなどのアルコール;THFなどのエーテル;ジメチルホルムアミドやジメチルアセトアミドなどのアミドなどの水溶性有機溶媒を反応液に添加してもよい。しかし、反応終了後におけるPGAコンプレックスの分離を考慮すれば、溶媒としては水のみを用いることが好ましい。
原料であるPGAとしては、その塩を用いてもよい。当該塩としては、ナトリウム塩やカリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩やマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩などを挙げることができる。また、塩を用いる場合であっても全てのカルボキシ基が塩となっている必要はなく、その一部のみが塩となっていてもよい。但し、アルカリ土類金属塩などの多価金属塩は、水に対する溶解性が低い場合があり得るので、好適にはPGAのフリー体またはPGAの一価金属塩を用いる。
第四級アンモニウムイオン化合物は、通常、ハロゲン化物塩として存在する。よって、本発明においては、反応液へ第四級アンモニウムイオン化合物塩を直接添加したり、或いは当該塩を水溶媒に溶解した上で添加すればよい。第四級アンモニウムイオン化合物は、PGAを十分に改質するため、PGAに対して十分量用いることが好ましい。
本発明のPGAイオンコンプレックスは水不溶性であることから、水溶媒から容易に分離できるため、反応液における各成分の濃度は特に制限されない。例えば、反応液におけるPGAの濃度を0.5w/v%以上、10w/v%以下程度、第四級アンモニウムイオン化合物の濃度を1.0w/v%以上、10w/v%以下程度とすることができる。
反応液は、コンプレックスの形成を促進するために適度に加熱することが好ましい。加熱温度は、例えば40℃以上、80℃以下程度とすることができる。反応時間は適宜調整すればよいが、通常、1時間以上、20時間以下程度とすることができる。
本発明のPGAイオンコンプレックスは水不溶性であることから、濾過や遠心分離などにより水溶媒から容易に分離することができる。また、分離したPGAイオンコンプレックスは、水で洗浄することにより、過剰に用いたPGAまたは第四級アンモニウムイオン化合物、その他の塩を除去することも可能である。また、水溶媒は、アセトンなどで洗浄することにより簡便に除去できる。
分離されたPGAイオンコンプレックスは、真空乾燥や凍結乾燥などの常法により乾燥することが好ましい。
本発明のPGAイオンコンプレックスは、生分解性を示す上に、保湿性を有しながらも水溶性や過剰な吸水性を示さない。また、明確な融点を有し且つ融点と熱分解開始点が十分に離れていることから加熱成形が可能である。よって、生分解性のプラスチック材料として利用することが可能であり、従来の石油由来の材料にとって代わり得るものである。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1 本発明に係るPGAイオンコンプレックスの製造
超好塩古細菌であるN.aegyptiaca由来のものであり、平均分子量が1000kDのポリ−γ−L−グルタミン酸ナトリウム塩(10g)を精製水に溶解し、2w/v%の溶液とした。当該溶液へ60℃に保温したオクタデシルトリメチルアンモニウムブロマイド(ODTA)の0.2M水溶液を等量加えた。図1のとおり、原料であるポリ−γ−L−グルタミン酸ナトリウム塩の水溶液((1))から、ODTA添加直後に水不溶性材料が形成されることを確認した後((2))、さらに60℃で4時間保温した。得られた水不溶性材料を濾別回収した後、100mLの熱水で計3回洗浄した。さらにアセトンで洗浄することにより脱水した後、真空乾燥した。
得られた水不溶性材料を酸加水分解後、常法に従ってキラル分割HPLCで分析したところ、原料として使用したポリ−γ−L−グルタミン酸の90%以上が改質されていることが分かった。
実施例2 本発明に係るPGAイオンコンプレックスの製造
ODTAの代わりにヘキサデシルピリジウムブロマイド(HDPM)を用いた以外は上記実施例1と同様にして、PGA水溶液にHDPM水溶液を添加した。図2のとおり、HDPMでも添加直後に水不溶性材料が形成されることを確認した。
得られた水不溶性材料を上記実施例1と同様にして分析したところ、原料として使用したポリ−γ−L−グルタミン酸の90%以上が改質されていることが分かった。
比較例1
ODTAの代わりにフェニルトリメチルアンモニウムブロマイド(PHTA)を用いた以外は上記実施例1と同様にして、PGA水溶液にPHTA水溶液を添加した。しかし、水不溶性材料の生成は確認できなかった。
かかる結果により、PGAの改質のためには、第4級アンモニウム化合物としては、その疎水性側鎖の構造が芳香族のような嵩高いものではなく、脂肪族炭化水素鎖のような鎖状構造の方が適していることが分かった。
試験例1 結合水含量の測定
上記実施例1で得られたPGAイオンコンプレックスの結合水含量を、微量水分測定装置「CA−200」、陽極液アクアミクロンAXおよび陰極液アクアミクロンCXU(いずれも、三菱化学社製)を用い、常法であるカールフィッシャーの水分測定法に従って測定した。測定は、上記実施例1のとおり真空乾燥してから大気中で1週間放置したものと、凍結乾燥により乾燥したものに関して行った。また、原料であるポリ−γ−L−グルタミン酸を凍結乾燥したものと、その後さらに大気中で1週間放置したものについても測定した。結果を表1に示す。
上記結果のとおり、原料であるポリ−γ−L−グルタミン酸は、凍結乾燥という厳しい条件で乾燥した後、1週間放置したのみで空気中の水分を吸収し、結合水量が倍加した。このように、ポリ−γ−L−グルタミン酸の吸水性は極めて高い。
それに対して、ODTAにより改質した本発明に係るPGAイオンコンプレックスは、凍結乾燥しても比較的多い結合水を含むので、化粧品などへ配合できる保湿性材料として利用できることが分かった。また、かかる結合水含量は、素材の柔軟性に繋がるものであるので、本発明に係るPGAイオンコンプレックスは柔軟な材料といえる。さらに、真空乾燥してから1週間放置した場合と凍結乾燥した場合とで結合水量は数%しか変わらず、結合水量に対して吸水力はさほど高くないといえるので、水が存在していてもゲル化しないと考えられる。
試験例2 本発明に係るPGAイオンコンプレックスの熱可塑成形
(1) PGAイオンコンプレックスの熱に対する挙動
先ず、本発明に係るPGAイオンコンプレックスの熱に対する挙動を観察した。デジタル式ホットプレート(CORNING社製)上に平坦な硬質ガラス板を接地し、その上に上記実施例1〜2のPGAイオンコンプレックス(20mg)を置き、空気雰囲気下で10分毎に10℃上昇させる条件で昇温し、目視で状態を確認した。その結果、これらPGAイオンコンプレックスはほぼ同一の挙動を示すことが分かった。具体的には、80℃以下ではしっかりとした固形物としての形状を保っているが、100℃を超えると急速に軟化し、200℃付近で液状化し、その後に炭化が始まるというものであった。
一般的なバイオポリマーは軟化状態になり難く、熱可塑成形が難しい。その一方で、上記結果のとおり、本発明に係るPGAイオンコンプレックスは、加熱により軟化状態となることから熱可塑成形が可能であると考えられる。そこで、実際に熱可塑成形実験を行なった。
(2) ポリ−γ−L−グルタミン酸の成形実験
まず、原料であるポリ−γ−L−グルタミン酸につき成形が可能であるか否か実験した。上述したように、ポリ−γ−L−グルタミン酸は加熱により軟化しないので、キャスト成形を行った。
具体的には、ポリ−γ−L−グルタミン酸の2%水溶液(0.5mL)を撥水紙上に加え、フィルム状に成形した。しかし、得られたフィルムを60℃で5時間乾燥したところ、図3のとおり水分の消失により変形してしまった。また、当該フィルムは非常に脆い上に、水分を添加したところ水分を急激に吸収してゲル状となり、再び変形した。このように、ポリ−γ−L−グルタミン酸は成形材料として用い得るものではない。
(3) 本発明に係るPGAイオンコンプレックスの熱可塑成形実験
次に、上記実施例1〜2で得た本発明に係るPGAイオンコンプレックスを熱可塑成形した。上記(1)で使用したデジタル式ホットプレートの上に載せた硬質ガラス板を油薄膜で被覆するか、或いは撥水紙を載せた。ホットプレートの温度を100℃に設定し、ガラス面の温度を非接触温度計(オプティックス社製)で適時計測し、100±5℃の範囲になるまで加温を続けた。次いで、実施例1〜2のPGAイオンコンプレックス(20mg)を油薄膜上または撥水紙上に載せ、目視でPGAイオンコンプレックスの透明度が上がり、十分に軟化するまで約5分間加温した。別途、油薄膜で被覆した別のガラス板を100℃に加温した後、PGAイオンコンプレックス上に載せ、人力で約2分間圧力をかけてフィルム状に成形した。撥水紙上で成形したPGA−ODTAコンプレックス(実施例1)の写真を図4に、PGA−HDPMコンプレックス(実施例2)の写真を図5に示す。
図4〜5のとおり、本発明に係るPGAイオンコンプレックスは、容易に熱可塑成形できることが分かった。さらに、得られたフィルム表面の触診から、ガラス板で挟むことにより成形したフィルムの表面は非常に滑らかであったのに対し、撥水紙を用いて成形したフィルムの撥水紙側表面は、撥水紙の粗面がそのまま転写されていた。このことは、本発明に係るPGAイオンコンプレックスが優れた柔軟性を有し、接触した平面の微細構造を転写され得ることから、型を用いた熱プレス成形も可能であることを示している。よって、本発明のPGAイオンコンプレックスがバイオプラスチック材料として非常に有用であることが実証された。
試験例3 本発明に係るPGAイオンコンプレックスの熱分析
上記実施例1〜2で得られたPGAイオンコンプレックスを熱分析した。各PGAイオンコンプレックスを凍結乾燥した後、熱分析装置(セイコー電子社製,DSC「EXTR6000」とTG−DTA「SSC5200」)を用い、窒素雰囲気下、JIS K7122とJIS K7120の方法に準じてDSC分析とTG−DTA分析を行った。PGA−HDPMコンプレックスのDSC分析の結果を図6に、PGA−ODTAコンプレックスのTG−DTA分析の結果を図7に示す。
図6のとおり、PGA−HDPMコンプレックスの融点(Tm)は43℃(主)と68℃(副)に認められた。また、図7のとおり、PGA−ODTAコンプレックスの熱分解開始点は206℃であった。以上の結果のとおり、本発明に係るPGAコンプレックスは、明確な融点が認められる点でバイオポリマーとしては特異な性質を有する。また、融点と熱分解開始点が十分に離れていることから、熱可塑成形が可能であることを証明することができた。
試験例4 本発明に係るPGAイオンコンプレックスの制菌性の確認実験
本発明に係るPGAイオンコンプレックスの制菌性を確認するための実験を行った。先ず、Luria−Bertani(LB)液体培地にグラム陰性菌である大腸菌とグラム陽性菌である枯草菌を植菌し、37℃で1日培養した。別途、直径9cmのシャーレ中に同一組成のLB寒天平板培地(20mL)を調製した。上記培養液(約20μL)をLB寒天平板培地上に塗布した。当該培地の中心付近に、上記試験例2で得たPGA単体フィルム、PGA−ODTAコンプレックスフィルムおよびPGA−HDPMコンプレックスフィルムを置き、さらに37℃で1日培養した。通常、増殖に適した培地上で細菌は白くなるまで密集するが、増殖できなければ空白となる。培養後の培地の写真を、図8に示す。
図8(1)〜(2)のとおり、PGA単体フィルムを置いた位置では、大腸菌および枯草菌共に制約無く増殖している。それに対して、図8(3)〜(4)のとおり、PGA−ODTAコンプレックスフィルムを載せた部分では、枯草菌の増殖に遅延が見られた。さらに、図8(5)〜(6)のとおり、PGA−HDPMコンプレックスフィルムを載せた部分では、大腸菌および枯草菌共に存在が全く認められなかった。もちろん、フィルム自体にも菌の付着は見られなかった。
現在、それ自体で微生物が生育しない、いわゆる抗菌性材料の開発が盛んであるが、接触した対象物表面の微生物増殖まで抑制する、いわゆる制菌性材料はさらに有用性が高い。かかる制菌性は紫蘇の葉や笹の葉で知られ、実際に生鮮食品の包装などに使われる。しかし、これらは熱可塑樹脂のように自由に成形できるものではないため、材料としての現実的な用途範囲はごく限られていた。それに対して、制菌性を有する本発明のPGAイオンコンプレックスは、今後、抗菌性のみならず制菌性をも有する材料として、極めて有望な新素材となり得る。

Claims (6)

  1. ポリ−γ−グルタミン酸と、下記式(I)または式(II)の第四級アンモニウムイオン化合物を含むことを特徴とするPGAイオンコンプレックス。
    [式中、R1〜R3は独立してC1-2アルキル基を示し、R4〜R5は独立してC12-20アルキル基を示す]
  2. ポリ−γ−グルタミン酸と、下記式(II)の第四級アンモニウムイオン化合物を含むことを特徴とするPGAイオンコンプレックス。
    [式中、R5はC12-20アルキル基を示す]
  3. ポリ−γ−グルタミン酸を構成するグルタミン酸と第四級アンモニウムイオン化合物とを等モルまたは略等モル含む請求項1または2に記載のPGAイオンコンプレックス。
  4. ポリ−γ−グルタミン酸を構成するグルタミン酸のうちL−グルタミン酸の占める割合が90%以上である請求項1〜3のいずれかに記載のPGAイオンコンプレックス。
  5. 水不溶性である請求項1〜4のいずれかに記載のPGAイオンコンプレックス。
  6. 融点を有する請求項1〜5のいずれかに記載のPGAイオンコンプレックス。
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