JP5709158B2 - 繊維とその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、安全性に優れた繊維とその不織布状集合体、および、その製造方法に関するものである。
現在、プラスチックや合成繊維の材料としては、主に石油化学材料が用いられている。石油化学材料は、一般的にアキラルな重合体であるため分子構造の制御が容易であり、製品化に至るまでその特性を維持し易いという利点がある。また、決定的に優れた点としては、熱可塑性を挙げることができる。この性質は、特に成形加工工程で有利に働き、加熱溶融して成形した後、固化することが可能である。
しかし、石油資源には限りがあるため無限に利用し続けることはできない。また、焼却処理すると二酸化炭素を排出して温暖化の原因となることから、その他の処理方法が求められているが、石油化学材料は自然界で分解され難いという問題がある。
最近、石油化学材料の原料となるアキラルな低分子化合物を微生物や植物などにより産生させ、これを化学的に重合することによりカーボンニュートラルな化成材料を開発する試みが為されている。実際、ヒマシ油由来のポリアミド11のように、優れた特性を有するものが知られている。しかし、その多くは石油化学材料と同様に生分解性を示さず、廃棄時における環境への負荷やコストの問題は依然として存在する。
そこで、バイオポリマーといわれる生物由来の高分子材料に注目が集まっている。多くのバイオポリマーはキラルな低分子の重合体であるため、キラル特性を有する場合が多い。光学純度の低いバイオポリマーも存在し、その場合には光学活性制御が必要となるケースもあり得るが、一般的には光学純度の高いバイオポリマーが多く、キラルポリマー特有の好適な特性は非常に魅力的である。例えば、光学活性の高いバイオポリマーは、生分解性が高いという大きな利点がある。
その一方で、バイオポリマーには熱可塑性を期待できないという問題がある。例えば、セルロースは代表的なバイオポリマーであり、既に繊維材料として利用されているが、セルロースを加熱すると溶融することなく燃焼し、炭化してしまう。よって、セルロースをプラスチック材料として用いることはできない。
バイオポリマーとしては、ポリ−γ−グルタミン酸の開発も進められている。ポリ−γ−グルタミン酸は、納豆の糸の主要成分としても知られているとおり、極めて安全性が高い。また、非常に高い親水性を利用して、化粧品成分などとしての利用が検討されている。
ポリ−γ−グルタミン酸の誘導体としては、例えば特許文献1には、ポリ−γ−グルタミン酸のシランエステルが開示されている。また、特許文献2には、ポリ−γ−グルタミン酸のみならずその架橋体の利用が記載されている。さらに特許文献3には、ポリ−γ−グルタミン酸の部分アミド体が開示されている。
特開2007−320975号公報 特開2008−63203号公報 特開2007−297559号公報
上述したように、ポリ−γ−グルタミン酸の誘導体やその利用方法の探索が進められている。
しかし、ポリ−γ−グルタミン酸は、構成分子であるグルタミン酸ごとに側鎖カルボキシ基を有し、従来、これら多数のカルボキシ基を十分に架橋したりアミド化したりできる技術は無かった。よって、ポリ−γ−グルタミン酸誘導体であっても極めて高い親水性はそのままであり、水の存在によりゲル化したり水溶液となってしまう。従って、従来技術ではポリ−γ−グルタミン酸誘導体を化粧料などの組成物の一成分として利用するのみであり、材料としての利用は全く志向されていなかった。
そこで本発明は、安全性の高いポリ−γ−グルタミン酸を利用した繊維とその不織布状集合体、および、その製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、特にポリ−γ−グルタミン酸(以下、単に「PGA」ということがある)の側鎖カルボキシ基の修飾につき検討した。その結果、意外にも特定の第四級アンモニウムイオンとコンプレックスを形成させるのみで、過剰に高い親水性のため材料として利用できなかったポリ−γ−グルタミン酸を有機溶媒に溶解することが可能になり、また、融点を示すようになることから、ポリ−γ−グルタミン酸溶液から極めて容易に繊維が得られることを見出して、本発明を完成した。
本発明に係る繊維は、ポリ−γ−グルタミン酸と、下記式(I)または式(II)の第四級アンモニウムイオン化合物を含むPGAイオンコンプレックスからなることを特徴とする。
[式中、R1〜R3は独立してC1-2アルキル基を示し、R4〜R5は独立してC12-20アルキル基を示す]
本発明において、「C1-2アルキル基」は、炭素数1〜2の脂肪族炭化水素、即ちメチル基またはエチル基を意味する。また、「C12-20アルキル基」は、炭素数12〜20の直鎖状または分枝鎖状の脂肪族炭化水素を意味する。例えば、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等の直鎖状C12-20アルキル基;イソテトラデシル基、イソペンタデシル基、イソヘキサデシル基、イソヘプタデシル基、イソオクタデシル基、sec−テトラデシル基、sec−ペンタデシル基、sec−ヘキサデシル基、sec−ヘプタデシル基、sec−オクタデシル基、t−テトラデシル基、t−ペンタデシル基、t−ヘキサデシル基、t−ヘプタデシル基、t−オクタデシル基、ネオテトラデシル基、ネオペンタデシル基、ネオヘキサデシル基、ネオヘプタデシル基、ネオオクタデシル基等の分枝鎖状C12-20アルキル基を挙げることができる。R4としては、好ましくはC15-20アルキル基であり、より好ましくはC16-20アルキル基であり、最も好ましくはC17-20アルキル基である。R5としては、好ましくはC13-20アルキル基であり、より好ましくはC14-19アルキル基であり、最も好ましくはC15-18アルキル基である。
また、本発明に係る繊維の製造方法は、ポリ−γ−グルタミン酸と、上記第四級アンモニウムイオン化合物(I)または式(II)を含むPGAイオンコンプレックスを得る工程;および、PGAイオンコンプレックスを用いて紡糸する工程を含むことを特徴とする。
本発明に係るPGAイオンコンプレックスとしては、ポリ−γ−グルタミン酸と第四級アンモニウムイオン化合物(II)を含むものがより好適である。かかるPGAイオンコンプレックスは、抗菌性や制菌性にも極めて優れている。
本発明に係るPGAイオンコンプレックスとしては、ポリ−γ−グルタミン酸を構成するグルタミン酸と第四級アンモニウムイオン化合物とを等モルまたは略等モル含むものが好適である。かかるPGAイオンコンプレックスでは、ポリ−γ−グルタミン酸が十分に改質されており、成形材料として優れた特性を有する。
本発明のPGAイオンコンプレックスにおいては、ポリ−γ−グルタミン酸を構成するグルタミン酸のうちL−グルタミン酸の占める割合が90%以上であるものが好適である。かかるPGAイオンコンプレックスは、より明確な融点を示し、材料として優れている。
本発明に係る不織布状繊維集合体は、上記繊維を含むことを特徴とする。
本発明方法によれば、従来、親水性が極めて高く、成形が難しかったポリ−γ−グルタミン酸を材料とすることができ、安全性に優れた繊維を容易に得ることが可能である。よって本発明は、処理が困難であった石油化学材料からなる繊維にとって代わり得るものとして、産業上非常に有用である。
図1は、本発明に係る不織布状繊維集合体の拡大写真である。 図2は、本発明に係る不織布状繊維集合体の拡大写真である。 図3は、本発明に係る不織布状繊維集合体の拡大写真である。 図4は、ポリ−γ−グルタミン酸をそのまま材料として用いて紡糸したものの拡大写真である。 図5は、ポリ−γ−グルタミン酸をそのまま材料として用いて紡糸したものの拡大写真である。
以下、繊維を製造するための本発明方法を実施の順番に従って説明する。
(1) PGAイオンコンプレックスの調製工程
本発明方法では、先ず、ポリ−γ−グルタミン酸と、第四級アンモニウムイオン化合物(I)または(II)からPGAイオンコンプレックスを調製する。
PGAの種類は、特に制限されない。例えば、L−グルタミン酸のみからなるもの、D−グルタミン酸のみからなるもの、両方を含むものがあるが、何れも用いることができる。但し、一方の割合がより多い方が立体規則性に優れ強度なども高くなり、また、よく乾燥すれば融点(約150℃)をも示す様になる。この融点は、本発明のとおりイオンコンプレックスとすることで、より明確なものとなる。さらに、L−グルタミン酸からなるものの方が生分解性により優れるので、好適にはL−グルタミン酸の含有割合が90%以上のものを用いる。当該割合としては、95%以上がより好ましく、98%以上がさらに好ましく、100%が特に好ましい。なお、当該割合が100%であるとは、PGAをラセミ化しない条件で加水分解し、キラルカラムで分析した場合に、L−グルタミン酸が検出限界以下であることをいうものとする。
使用するPGAの分子サイズも特に制限されないが、平均分子質量で10kDa以上のものが好適である。一般的に、分子サイズが大きいほど強度などの性能が高くなる。一方、分子サイズが過剰に大きなPGAは製造コストが大きく、また、製造が技術的に難しい場合もあるので、通常は10,000kDa以下とする。当該平均分子量としては、100kDa以上がより好ましく、500kDa以上がさらに好ましく、800kDa以上が特に好ましく、また、5,000kDa以下がより好ましく、2,000kDa以下がさらに好ましく、1,500kDa以下が特に好ましい。なお、当該平均分子量は、市販のPGAを用いる場合にはカタログ値を参照すればよいが、ゲル濾過クロマトグラフィーなどによる測定値としてもよい。
PGAは、市販されているものがあればそれを用いてもよいし、別途製造してもよい。但し、通常の条件でグルタミン酸を重合するとポリ−α−グルタミン酸が得られるので、微生物を使って生合成させることが好ましい。分子サイズの大きいPGAを製造できる微生物としては、超好塩古細菌であるNatrialba aegyptiacaや、枯草菌(真正細菌)であるBacillus subtilis等がある。
本発明に係る第四級アンモニウムイオン化合物(I)と(II)は、第三級アミンと長鎖アルキル基からなるものであり、一般的に界面活性剤や相間移動触媒などとして用いられているものである。特に第四級アンモニウムイオン化合物(II)は、抗菌剤、殺菌剤、抗真菌剤としても用いられている。
本発明者の実験的な知見によれば、第四級アンモニウムイオン化合物(I)としては、第四級アンモニウムイオン化合物(II)よりも長鎖アルキル基の炭素数が多いものを用いることが好ましい。より具体的には、PGAと第四級アンモニウムイオン化合物(II)とのコンプレックスは、比較的低温度でも加熱成形が可能になるが、PGAと第四級アンモニウムイオン化合物(I)とのコンプレックスは、長鎖アルキル基の炭素数が少ないと比較的低温度では軟化し難い場合がある。よって、加熱成形のし易さを重視する場合には、第四級アンモニウムイオン化合物(I)の長鎖アルキル基の炭素数を16以上にすることが好ましく、17以上にすることがさらに好ましい。
本発明に係るPGAイオンコンプレックスとしては、ポリ−γ−グルタミン酸と第四級アンモニウムイオン化合物(II)を含むものがより好適である。かかるPGAイオンコンプレックスは、抗菌性や制菌性にも極めて優れている。
本発明に係るPGAイオンコンプレックスとしては、過剰な親水性などPGAの有する材料としての欠点を克服するために、第四級アンモニウムイオン化合物により十分に改質されているものが好適である。より具体的には、PGAイオンコンプレックスにおける第四級アンモニウムイオン化合物の割合が、PGAを構成するグルタミン酸に対して0.5モル倍以上であることが好ましく、0.6モル倍以上であることがより好ましく、0.7モル倍以上であることがさらに好ましい。
特に、PGAとしては、それを構成するグルタミン酸と第四級アンモニウムイオン化合物を等モルまたは略等モル含むものが好適である。PGAは、もともと親水性が極めて高く、水を際限無く吸収し続けてゲル化し、さらには水溶液となる。また、従来、PGAの側鎖カルボキシ基を修飾する技術は知られていたが、構造中に多数存在するカルボキシ基を十分に修飾することはできないため、改質してもゲル化や水溶液化は避けられなかった。それに対して本発明では、PGAの側鎖カルボキシ基を極めて簡便かつ十分に修飾できるが、作用させる第四級アンモニウムイオン化合物の量が十分でなければ、当然にPGAを十分に改質することはできない。一方、PGAイオンコンプレックスにおける第四級アンモニウムイオン化合物が、PGAを構成するグルタミン酸、即ち側鎖カルボキシ基と等モルまたは略等モルであれば、PGAを十分に改質できる。ここで、略等モルとは、両者のモル数がほぼ等しいことを意味するが、具体的にはPGAを構成するグルタミン酸に対する第四級アンモニウムイオン化合物が0.8モル倍以上、1.2モル倍以下、さらには0.9モル倍以上、1.1モル倍以下、特に0.95モル倍以上、1.05モル倍以下であることをいうものとする。
なお、第四級アンモニウムイオン化合物は、一種のみ用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。また、第四級アンモニウムイオン化合物(I)と第四級アンモニウムイオン化合物(II)を混合して用いてもよい。
本発明のPGAイオンコンプレックスは、溶媒中、PGAと第四級アンモニウムイオン化合物を混合するのみで、極めて容易に製造できる。
ここで使用する溶媒としては、水が好適である。原料であるPGAを良好に溶解できるからであり、また、目的化合物であるPGAイオンコンプレックスは水に対して不溶性であることから、反応後における目的物の単離精製に便利だからである。但し、第四級アンモニウムイオン化合物の水溶性などによっては、反応液に対するそれらの溶解性を高めるために、メタノールやエタノールなどのアルコール;THFなどのエーテル;ジメチルホルムアミドやジメチルアセトアミドなどのアミドなどの水溶性有機溶媒を反応液に添加してもよい。しかし、反応終了後におけるPGAコンプレックスの分離を考慮すれば、溶媒としては水のみを用いることが好ましい。
原料であるPGAとしては、その塩を用いてもよい。当該塩としては、ナトリウム塩やカリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩やマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩などを挙げることができる。また、塩を用いる場合であっても全てのカルボキシ基が塩となっている必要はなく、その一部のみが塩となっていてもよい。但し、アルカリ土類金属塩などの多価金属塩は、水に対する溶解性が低い場合があり得るので、好適にはPGAのフリー体またはPGAの一価金属塩を用いる。
第四級アンモニウムイオン化合物は、通常、ハロゲン化物塩として存在する。よって、本発明においては、反応液へ第四級アンモニウムイオン化合物塩を直接添加したり、或いは当該塩を水溶媒に溶解した上で添加すればよい。第四級アンモニウムイオン化合物は、PGAを十分に改質するため、PGAに対して十分量用いることが好ましい。
本発明のPGAイオンコンプレックスは水不溶性であることから、水溶媒から容易に分離できるため、反応液における各成分の濃度は特に制限されない。例えば、反応液におけるPGAの濃度を0.5w/v%以上、10w/v%以下程度、第四級アンモニウムイオン化合物の濃度を1.0w/v%以上、10w/v%以下程度とすることができる。
反応液は、コンプレックスの形成を促進するために適度に加熱することが好ましい。加熱温度は、例えば40℃以上、80℃以下程度とすることができる。反応時間は適宜調整すればよいが、通常、1時間以上、20時間以下程度とすることができる。
本発明のPGAイオンコンプレックスは水不溶性であることから、濾過や遠心分離などにより水溶媒から容易に分離することができる。また、分離したPGAイオンコンプレックスは、水で洗浄することにより、過剰に用いたPGAまたは第四級アンモニウムイオン化合物、その他の塩を除去することも可能である。また、水溶媒は、アセトンなどで洗浄することにより簡便に除去できる。
分離されたPGAイオンコンプレックスは、真空乾燥や凍結乾燥などの常法により乾燥することが好ましい。
本発明に係るPGAイオンコンプレックスは、保湿性を有しながらも水溶性や過剰な吸水性を示さない一方で、有機溶媒に溶解性を示す。また、明確な融点を有し且つ融点と熱分解開始点が十分に離れていることから加熱成形が可能である。よって、プラスチック材料として利用することが可能であり、従来の石油由来の材料にとって代わり得るものである。
(2) PGAイオンコンプレックス溶液の調製工程
次に、後続する紡糸工程での必要に応じて、得られたPGAイオンコンプレックスを有機溶媒に溶解することによりPGAイオンコンプレックス溶液とする。即ち、溶液紡糸法や荷電紡糸法など溶液を用いる紡糸法を適用する場合にはPGAイオンコンプレックス溶液としてもよく、溶融紡糸法により紡糸する場合には、PGAコンプレックスは溶液とせず、そのまま用いる。なお、上述したPGAイオンコンプレックスの調製工程において、PGAイオンコンプレックスが溶液として得られ、且つ紡糸するに当たり十分に純度が高ければ、溶液紡糸法等を用いる場合であっても改めて溶液としなくてもよい。
有機溶媒としては、PGAイオンコンプレックスを適度に溶解可能なものであれば特にその種類は問わないが、例えば、メタノールやエタノールなどのアルコール溶媒;ジエチルエーテルやTHFなどのエーテル溶媒を挙げることができる。これらのうち、沸点が比較的低く、例えば後述する荷電紡糸において速やかに蒸散するので微細な繊維を得られ易いことから、メタノールやエタノールなどのアルコール溶媒が好適であり、さらに工業的な大量生産でも安全であることからエタノールが特に好ましい。
PGAイオンコンプレックス溶液の濃度は適宜調整すればよいが、例えば、0.1wt%以上、30wt%以下程度とすることができる。当該濃度が0.1wt%以上であれば、紡糸工程において溶媒を除去し易い。一方、30wt%以下であれば、溶液の粘度が過剰に高くなることはなく、紡糸し易い。当該濃度としては、0.5wt%以上がより好ましく、1wt%以上がさらに好ましく、2wt%以上が特に好ましく、また、25wt%以下がより好ましく、20wt%以下がさらに好ましく、15wt%以下が特に好ましい。
(3) 紡糸工程
次に、得られたPGAイオンコンプレックスを用いて紡糸する。紡糸方法は特に限定されず、湿式紡糸法、乾湿式紡糸法、乾式紡糸法、ゲル紡糸法などの溶液紡糸法;溶融紡糸法;荷電紡糸法などを適用することができる。
溶液紡糸法では、紡糸装置の口金よりPGAイオンコンプレックス溶液を吐出し溶媒を除去したり、または気体層から凝固浴へ押出したり、凝固浴へ直接吐出するなどして紡糸することにより繊維を形成させる。
凝固浴の溶媒は、PGAイオンコンプレックス溶液を凝固させることができるか、或いはその溶媒を抽出できるものであれば特に制限されず、例えば、水、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、アセトン、ヘキサンなどの貧溶媒、これらの混合溶媒、およびこれらと低級アルコールとの混合溶媒を用いることができる。なお、PGAイオンコンプレックス溶液の凝固と溶媒抽出は、同時に行ってもよいし、二段階で別々に行ってもよい。
得られた繊維は、乾燥させてから延伸してもよいし、また、凝固浴中で延伸してから乾燥してもよい。
溶融紡糸法では、上記PGAコンプレックスを加熱溶融した上で紡糸装置の口金より紡出し、引き取りローラーで張力を印加しながら気体流により冷却することで繊維を形成する。得られた糸はその後さらに延伸してもよい。
溶融温度は、PGAコンプレックスの融点や熱分解点を考慮して適宜決定すればよいが、通常、融点+5℃以上、融点+50℃以下程度とすればよい。
口金から引取りまでの距離は冷却可能な範囲で適宜決定すればよいが、通常は0.5m以上、2m以下程度とすればよい。また、引取速度も繊維の太さなどにより適宜決定すればよいが、通常は1m/min以上、5km/min以下程度とすることができる。冷却雰囲気は5℃以上、30℃以下とすればよい。
荷電紡糸法とは、荷電中で、帯電した高分子溶液をノズル先端より吐出しながら、その溶液の電荷反発力により微細の繊維状物を得る方法である。電圧の印加方法は、ノズル側をプラスに、捕集部をアースまたはマイナスにしてもよいし、その逆に、ノズルをアースまたはマイナスに、捕集部をプラスにしてもよい、ノズルと捕集部の電位差は特に限定されないが、一般に3kV以上、100kV以下とする。3kV未満の場合、ポリマー同士の電荷反発が生じ難くなるおそれがあり、100kVを超えると放電が生じるおそれがあり、安全上好ましくない。好ましくは5kV以上、50kV以下、さらに好ましくは5kV以上、40kV以下とする。
ノズルの内径は特に限定されないが、0.05mm以上、3mm以下とすることが好ましい。0.05mm未満の場合、吐出溶液量が少なく生産性が低下するおそれがあり得る。一方、3mmを超えると紡糸できないことがあり得る。ノズルの材質は特に限定されず、金属製、非金属製のいずれも使用することができる。
ノズルの吐出速度は特に限定されないが、0.005mm/min以上、0.5mm/min以下が好ましい。0.005mm/min未満の場合、生産効率が十分でなくなるおそれがあり得る。0.5mm/minを超えると溶液量が多くなり、膜化するおそれがあり得る。
紡糸中におけるPGAイオンコンプレックス溶液の温度は、特に限定されないが、0℃以上、40℃以下が好ましい。荷電紡糸法では、PGAイオンコンプレックス溶液が捕集部に到達する間に溶媒が蒸発し、繊維が得られ、好適には、この範囲であれば常温とすればよい。但し、溶媒の蒸発が不十分である場合には、雰囲気温度を上げてもよい。
ノズルと捕集部との距離は特に限定されないが、例えば、1cm以上、40cm以下が好ましい。1cm未満の場合、紡糸中に溶媒の蒸発が十分に起こらず、膜化するおそれがあり得る。一方、40cmを超えると、捕集部以外の導電性部位に繊維が堆積し、生産効率が低下するおそれがあり得る。
紡糸雰囲気は特に限定されず、空気中や、二酸化炭素など空気よりも放電開始電圧の高い気体中で行ってもよい。また、PGAイオンコンプレックスに対して水は貧溶媒であるため、湿度が高いとノズル近傍でコンプレックスの析出が起こるおそれがあり得る。よって、空気中の湿度が高い場合には、乾燥ユニットを通過させた空気中で荷電紡糸することが好ましい。
本発明方法により得られる繊維は、担体で捕集してもよいが、取扱性や用途に応じて他の部材と組合わせてもよい。例えば、荷電紡糸法によれば、繊維は主に不織布状集合体の状態で得られるので、捕集基板として、不織布、織物、編物などの布帛;フィルム、ドラム、ネット、平板、ベルトといった形状を有する金属やカーボンからなる導電性材料;同形状を有する有機高分子などからなる非導電性材料を用い、その上に不織布状繊維集合体を形成することで、本発明に係る不織布状繊維集合体と支持基板を組合わせた部材を作製することができる。
本発明に係る不織布状繊維集合体の目付量は、用途に応じて適宜決定すればよく、特に限定されるものではないが、0.01g/m2以上、50g/m2以下とすることが好ましい。0.01g/m2未満とすると、強度が十分でなくなるおそれがあり得、また、50g/m2を超えると、コストが過剰に高くなり得る。
本発明に係る不織布状繊維集合体の厚みは、用途に応じて適宜決定すればよく、特に限定されるものではないが、0.1μm以上、500μm以下とすることが好ましい。0.1μm未満とすると、強度が十分でなくなるおそれがあり得、また、500μmを超えると、コストが過剰に高くなり得る。当該厚みとしては、0.5μm以上、400μm以下がより好ましい。
以上により得られる本発明繊維は、ポリ−γ−グルタミン酸と第四級アンモニウムイオン化合物とのイオンコンプレックスからなるものである。ポリ−γ−グルタミン酸は納豆の糸の主成分として知られることから、本発明繊維は、人体などに対して、非常に安全性に優れる。また、カウンターカチオンである第四級アンモニウムイオン化合物の種類によっては抗菌性を示すことがあるが、長い目で見れば、ポリ−γ−グルタミン酸を主骨格とすることから生分解性を示す。
また、上記のとおり、本発明に係る繊維は、非常に簡便に製造することができる。その上、上述した荷電紡糸法によれば、微細な繊維を効率的に製造可能である。荷電紡糸法により得られる本発明繊維の直径は、通常、10nm以上、5μm以下であり、50nm以上、3μm以下がより好ましく、100nm以上、2μm以下が特に好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
なお、以降の実施例において、走査型電子顕微鏡観察と繊維径評価の条件は、以下のとおりである。
走査型電子顕微鏡観察
イオンスパッター(日立製作所製,E−1030)を用い、プラチナ蒸着した繊維集合体を、電界放射型走査電子顕微鏡(日立製作所製,Field Emission Scanning Electron Microscope,FE−SEM,S−800,S−4500)を用い、加速電圧5kV、倍率1000倍にて観察した。
繊維径評価
得られた繊維集合体の表面を上記記載の電界放射型走査型電子顕微鏡により撮影した1000倍の写真から10〜20本の繊維をランダムに選び、直径を測定した。測定した直径の平均値を算出し、繊維径とした。
実施例1 本発明に係るPGAイオンコンプレックス繊維の製造
(1) PGAイオンコンプレックスの調製
超好塩古細菌であるN.aegyptiaca由来のものであり、平均分子量が1000kDaのポリ−γ−L−グルタミン酸ナトリウム塩(10g)を精製水に溶解し、2w/v%の溶液とした。当該溶液へ、60℃に保温したヘキサデシルピリジウムブロマイド(HDPB)の0.2M水溶液を等量加えた。HDPB添加直後に水不溶性材料が形成されることを確認した後、さらに60℃で4時間保温した。得られた水不溶性材料を濾別回収した後、100mLの熱水で計3回洗浄した。さらにアセトンで洗浄することにより脱水した後、真空乾燥した。
得られた水不溶性材料を酸加水分解後、常法に従ってキラル分割HPLCで分析したところ、原料として使用したポリ−γ−L−グルタミン酸の90%以上がイオンコンプレックスに改質されていることが分かった。
(2) 荷電紡糸
上記で得られた水不溶性材料をエタノールに溶解させ、5wt%の溶液を得た。この溶液を用いて、荷電紡糸を行った。紡糸は、以下の条件にて実施した。装置としては、カトーテック社製「ナノファイバー・エレクトロスピニング・ユニット」を用いた。溶液吐出口としては、内径0.8mmの噴出ノズルを用い、溶液供給速度は16mL/minとした。ノズル部(プラス)と捕集部(アース)との電位差を7.9kVに設定し、ノズル部と捕集部間の距離(AG長)は10cmとした。また、温度27℃、相対湿度56RH%の条件下で実施した。繊維は不織布状の集合体として得られ、直径303nmの繊維であった。得られた不織布状繊維集合体の1000倍拡大写真を図1に示す。
実施例2 本発明に係るPGAイオンコンプレックス繊維の製造
上記実施例1で得られた水不溶性材料をエタノールに溶解させ、10wt%の溶液を得た。この溶液を用いて、ノズル部と捕集部との電位差を8.1kVに設定し、温度24℃、相対湿度53RH%の条件下で実施した以外は上記実施例1と同様にして荷電紡糸を行った。得られた繊維は直径1040nmの繊維であった。得られた不織布状繊維集合体の1000倍拡大写真を図2に示す。
実施例3 本発明に係るPGAイオンコンプレックス繊維の製造
実施例1で得られた水不溶性材料をエタノールに溶解させ15wt%の溶液を得た。この溶液を用いて、ノズル部と捕集部との電位差を11.4kVに設定し、温度26℃、相対湿度53RH%の条件下で実施した以外は上記実施例1と同様にして荷電紡糸を行った。得られた繊維は直径1648nmの繊維であった。得られた不織布状繊維集合体の1000倍拡大写真を図3に示す。
比較例1
上記実施例1で用いたものと同じポリ−γ−L−グルタミン酸ナトリウム塩を、酢酸水溶液(酢酸:水=9:1(wt比))に溶解し、5wt%の溶液とした。この溶液を用いて、ノズル部と捕集部との電位差を29.1kVに設定し、相対湿度60RH%の条件下で実施した以外は上記実施例1と同様にして荷電紡糸を行った。しかし、ノズル部と捕集部との間でウィッピングは観察されたものの、図4に示すとおり得られたものは粒状を示し、繊維を得ることはできなかった。
比較例2
上記実施例1で用いたものと同じポリ−γ−L−グルタミン酸ナトリウム塩を、酢酸水溶液(酢酸:水=9:1(wt比))に溶解し、10wt%の溶液とした。この溶液を用いて、ノズル部と捕集部との電位差を29.1kVに設定し、相対湿度60RH%の条件下で実施した以外は上記実施例1と同様にして荷電紡糸を行った。しかし、ノズル部と捕集部との間でウィッピングは観察されたものの、図5に示すとおり得られたものは粒状を示し、繊維を得ることはできなかった。
上記実施例1〜3および比較例1〜2の結果を、表1にまとめる。
図4〜5に示すとおり、ポリ−γ−L−グルタミン酸ナトリウム塩を酢酸水溶液に溶解した溶液を用いた比較例1〜2では、荷電紡糸においてノズル部と捕集部との間でウィッピングは観察されたものの、得られたものは粒状を示し、繊維を得ることはできなかった。その原因としては、ポリ−γ−L−グルタミン酸ナトリウム塩が有機溶媒に溶解しなかったことから溶媒として用いざるをえなかった酢酸水溶液が紡糸処理中に蒸散せず、ポリ−γ−L−グルタミン酸ナトリウム塩が再溶解して膜化したことによると考えられる。
なお、別途、酢酸水溶液(酢酸:水=9:1(wt比))とエタノールを1:1(wt比)で混合したものを溶媒として用いて同様に実験を行ったが、膜化は解消されず、繊維は得られなかった。エタノールの比率をさらに上げてみたが、ポリ−γ−L−グルタミン酸ナトリウム塩が析出したため、紡糸を行うことはできなかった。
一方、ポリ−γ−L−グルタミン酸ナトリウム塩とヘキサデシルピリジウムブロマイドとからコンプレックスを形成させた実施例1〜3では、溶媒としてエタノールを用いることができ、荷電紡糸法により不織布状の繊維を得ることができた。その際、溶液中のコンプレックス濃度を下げるほど繊維径が細くなる傾向が見られたが、同時に一部が膜化し易くなることが分かった。
以上のとおり、本発明によれば、従来、生分解性ではあるが、親水性が極めて高いことから材料としての利用が難しかったポリ−γ−L−グルタミン酸を用い、微細な繊維を容易に製造できることが実証された。

Claims (9)

  1. ポリ−γ−グルタミン酸と、下記式(I)または式(II)の第四級アンモニウムイオン化合物を含むPGAイオンコンプレックスからなることを特徴とする繊維。
    [式中、R1〜R3は独立してC1-2アルキル基を示し、R4〜R5は独立してC12-20アルキル基を示す]
  2. ポリ−γ−グルタミン酸と、下記式(II)の第四級アンモニウムイオン化合物を含むPGAイオンコンプレックスからなる請求項1に記載の繊維。
    [式中、R5はC12-20アルキル基を示す]
  3. 等モルまたは略等モルのグルタミン酸と第四級アンモニウムイオン化合物を含むPGAイオンコンプレックスからなる請求項1または2に記載の繊維。
  4. ポリ−γ−グルタミン酸を構成するグルタミン酸のうちL−グルタミン酸の占める割合が90%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の繊維。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の繊維を含むことを特徴とする不織布状繊維集合体。
  6. 繊維を製造するための方法であって、
    ポリ−γ−グルタミン酸と、下記式(I)または式(II)の第四級アンモニウムイオン化合物を含むPGAイオンコンプレックスを得る工程;
    [式中、R1〜R3は独立してC1-2アルキル基を示し、R4〜R5は独立してC12-20アルキル基を示す]
    および、PGAイオンコンプレックスを用いて紡糸する工程を含むことを特徴とする方法。
  7. ポリ−γ−グルタミン酸と、下記式(II)の第四級アンモニウムイオン化合物からPGAイオンコンプレックスを得る請求項6に記載の繊維の製造方法。
    [式中、R5はC12-20アルキル基を示す]
  8. 等モルまたは略等モルのグルタミン酸と第四級アンモニウムイオン化合物からPGAイオンコンプレックスを得る請求項6または7に記載の繊維の製造方法。
  9. ポリ−γ−グルタミン酸を構成するグルタミン酸のうちL−グルタミン酸の占める割合が90%以上である請求項6〜8のいずれかに記載の繊維の製造方法。
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