JP2010222470A - インクジェット記録用インク - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、発色性、安定性および定着性に優れ、特にテキスタイル用インクジェット記録用インクとして優れるインクジェット記録用を提供する。
【解決手段】顔料を水に分散可能とした平均粒径が50nm以上300nm以下の分散体と、高分子微粒子とを含んでなるインクジェット記録用インクであって、該高分子微粒子が、ガラス転位温度が50℃以上である高分子微粒子と、ガラス転位温度が−10℃以下でありかつ架橋構造を有する高分子微粒子との2種以上を含んでなり、該2種以上の高分子微粒子各々の酸価が100mgKOH/g以下であり、該2種以上の高分子微粒子の合計量が8重量%以上である、インクジェット記録用インク。
【選択図】なし
【解決手段】顔料を水に分散可能とした平均粒径が50nm以上300nm以下の分散体と、高分子微粒子とを含んでなるインクジェット記録用インクであって、該高分子微粒子が、ガラス転位温度が50℃以上である高分子微粒子と、ガラス転位温度が−10℃以下でありかつ架橋構造を有する高分子微粒子との2種以上を含んでなり、該2種以上の高分子微粒子各々の酸価が100mgKOH/g以下であり、該2種以上の高分子微粒子の合計量が8重量%以上である、インクジェット記録用インク。
【選択図】なし
Description
本発明は、発色性、安定性および定着性に優れるインクジェット記録用インクに関する。
インクジェット記録に用いられるインクは、被記録体である紙への印字において、にじみがないこと、乾燥性がよいこと、様々な被記録体表面に均一に印字できること、カラー印字等の多色系の印字において隣り合った色が混じり合わないことなどの特性が要求されている。
従来のインクにおいて、特に顔料を用いたインクの多くは、主に浸透性を抑えることで、紙表面に対するインクのぬれを抑え、紙表面近くにインク滴をとどめることで印字品質を確保する検討がなされ、実用化されている。しかしながら、紙に対するぬれを抑えるインクでは、紙種の違いによるにじみの差が大きく、特に様々な紙の成分が混じっている再生紙では、その各成分に対するインクのぬれ特性の差に起因するにじみが発生する。また、このようなインクでは、印字の乾燥に時間がかかり、カラー印字等の多色系の印字において隣り合った色が混色してしまうという課題を有し、更に、顔料を用いたインクでは、顔料が紙等の表面に残るため、耐擦性が悪くなるという課題もあった。
このような課題を解決するため、インクの紙への浸透性を向上させることが試みられており、ジエチレングリコールモノブチルエーテルの添加(特許文献1参照)、アセチレングリコール系の界面活性剤であるサーフィノール465(日信化学製)の添加(特許文献2参照)、あるいはジエチレングリコールモノブチルエーテルとサーフィノール465の両方を添加すること(特許文献3参照)などが検討されている。また、ジエチレングリコールのエーテル類をインクに用いることなどが検討されている(特許文献4参照)。
また、顔料を用いたインクでは、顔料の分散安定性を確保しながらインクの浸透性を向上することが一般に難しく、浸透剤の選択の幅が狭いため、従来グリコールエーテルと顔料との組み合わせとして、顔料にトリエチレングリコールモノメチルエーテルを用いた例(特許文献5参照)や、エチレングリコール、ジエチレングリコールあるいはトリエチレングリコールのエーテル類を用いた例(特許文献6参照)などがある。
さらに、テキスタイル用としては、例えば染料を用いたもの(特許文献7参照)や、結着剤に関するもの(特許文献8参照)などがある。
しかしながら、従来の水性インクは、印字品質が不十分であり、特にインクジェット記録用インクとしては定着性が不十分であり、色濃度や発色性も不十分だった。また、従来の顔料分散体は、不安定であり、界面活性剤やグリコールエーテル等の親水部と疎水部を有する物質が存在すると、顔料から分散ポリマーの吸脱着が起こりやすくなり、インクの保存安定性が劣るという課題があった。通常の水性インクは、紙に対するにじみを低減させるため、界面活性剤やグリコールエーテル等の親水部と疎水部を有する物質が必要である。これらの物質を用いないインクでは、紙に対する浸透性が不十分となり、均一な印字を行なうためには紙種が制限され、印字画像の低下を引き起こしやすくなるという課題があった。
さらに、従来の分散体に本発明で用いるような添加剤(アセチレングリコール系やアセチレンアルコール系の界面活性剤、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテル若しくは1,2−アルキレングリコールまたはこれらの混合物)を用いると、長期の保存安定性が得られず、インクの再溶解性が悪いためインクが乾燥してインクジェットヘッドのノズルの先等で詰まり易くなるという課題を有していた。
そこで本発明は、このような課題を解決するもので、その目的とするところは、発色性および安定性に優れ、またインクジェットヘッドからのインクの吐出安定性に優れるインクジェット記録用インクを提供することにある。
本発明のインクジェット用インクは、顔料を水に分散可能とした平均粒径が50nm以上300nm以下の分散体と、高分子微粒子とを含んでなるインクジェット記録用インクであって、該高分子微粒子が、ガラス転位温度が50℃以上である高分子微粒子とガラス転位温度が−10℃以下である高分子微粒子との2種以上を含んでなり、該2種以上の高分子微粒子各々の酸価が100mgKOH/g以下であり、該2種以上の高分子微粒子の合計量が8重量%以上であり、かつ各高分子微粒子が架橋構造を有するものである、ことを特徴とする。
本発明は、発色性および安定性に優れることなどの特性が要求されていることに鑑み、鋭意検討した結果によるものである。
本発明のインクジェット用インクは、顔料を水に分散可能とした平均粒径が50nm以上300nm以下の分散体と、高分子微粒子とを含んでなるインクジェット記録用インクであって、該高分子微粒子が、ガラス転位温度が50℃以上である高分子微粒子とガラス転位温度が−10℃以下である高分子微粒子との2種以上を含んでなり、該2種以上の高分子微粒子各々の酸価が100mgKOH/g以下であり、該2種以上の高分子微粒子の合計量が8重量%以上であり、かつ各高分子微粒子が架橋構造を有するものである、ことを特徴とする。
上記顔料分散体および高分子微粒子の平均粒径は光散乱法で測定する。光散乱法による顔料分散体の平均粒径が50nm未満では発色性が低下する。また、顔料分散体の平均粒径が300nmを超えると定着性が低下する。より好ましくは70nm〜230nm、さらに好ましくは80nm〜130nmである。
一方、高分子微粒子の粒径は50nm以上500nm以下が好ましく、より好ましくは60nm以上300nm以下である。高分子微粒子の粒径が50nm未満では定着性が低下し、500nmを超えるとインクジェットヘッドからの吐出が不安定になりやすい。
また、ガラス転位温度が50℃以上の方の高分子微粒子のガラス転位温度が50℃未満では発色性が低下する。より好ましくは55℃以上であり、さらに好ましくは60℃以上である。さらに、ガラス転位温度が−10℃以下の方の高分子微粒子のガラス転位温度は−10℃を超えると定着性が低下する。好ましくは−15℃以下であり、より好ましくは−20℃以下である。
また、上記ガラス転位温度が50℃以上の高分子微粒子、ガラス転位温度が−10℃以下の高分子微粒子各々の酸価が100mgKOH/g以下であることを特徴とする。酸価が100mgKOH/gを超えると発色性が低下する。より好ましくは50mgKOH/g以下であり、さらに好ましくは30mgKOH/g以下である。
さらに、高分子微粒子の分子量は10万以上が好ましく、さらに好ましくは20万以上である。10万未満では発色性が低下する。
そして、これら高分子微粒子の本発明になるインクジェット記録用インク中の濃度は8重量%(以下単に%と示すこともある)以上が好ましい。8%未満では普通紙に印刷したときの発色性が向上しにくい。より好ましくは10%以上である。
また、前述の高分子微粒子が、炭素数1〜24のアルキル(メタ)アクリレートおよび/または炭素数3〜24の環状アルキル(メタ)アクリレートが70重量%以上のモノマー成分から重合されたものであることが好ましい。その例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシ(メタ)アクリレートおよびベヘニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、その他の添加成分としてヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有するヒドロキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートあるいはエポキシ(メタ)アクリレート等を用いることもできる。
本発明で用いることができる多官能不飽和化合物はアクリロイル基、メタクリロイル基あるいはアリル基が分子中に2個以上有するモノマーやオリゴマー類である。具体的には(モノ、ジ、トリ、テトラ、ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオールおよび1,10−デカンジオール等のジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリン(ジ、トリ)(メタ)アクリレート、ビスフェノールAまたはFのエチレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等アクリロイル基やメタクリロイル基を有する化合物、(モノ、ジ、トリ、テトラ、ポリ)エチレングリコールジアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、(モノ、ジ、トリ、テトラ、ポリ)プロピレングリコールジアリルエーテル、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオールおよび1,10−デカンジオール等のジアリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アリレート、グリセリン(ジ、トリ)(メタ)アリレート、ビスフェノールAまたはFのエチレンオキシド付加物のジ(メタ)アリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アリレートトリアリルトリメリテートあるいはテトラアリルオキシエタン等のアリル基を有する化合物を用いることができる。
また、本発明のインクは、前記分散体として、分散剤なしに水に分散可能とした平均粒径が50nm以上300nm以下の自己分散カーボンブラックを用いることが好ましい。この自己分散カーボンブラックを用いることで、印刷物の発色性が向上する。分散剤なしに水に分散可能とする方法は、カーボンブラックの表面をオゾンや次亜塩素酸ナトリウムなどの酸化剤により酸化する方法などがある。かかる自己分散カーボンブラック分散体の平均粒径は、50nm〜150nmが好ましい。50nm未満では発色性は得られにくい。また、150nmを超えると定着性が低下してくる。より好ましい粒径は70nm〜130nm、さらに好ましくは80nm〜120nmである。
また、本発明のインクは、前記分散体として、有機顔料をポリマーを用いて水に分散可能とした平均粒径が50nm以上300nm以下のものであり、上記ポリマーのガラス転位温度温が55℃以下であることが好ましい。55℃を越えると定着性が低下する。好ましくは50℃以下、さらに好ましくは55℃以下である。当該ポリマーのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるスチレン換算重量平均分子量が10000以上200000以下であるものを用いることが好ましい。これにより、特に顔料インクの紙や布などのメディアヘの定着性が向上し、顔料インクの保存安定性も向上する。また、分散剤とは別に、分散を安定させるために、分散安定剤として水分散性または水溶解性のポリマーや界面活性剤を添加してもよい。また、上記ポリマーは、その構成成分として少なくとも70%以上が(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリル酸の共重合によるポリマーであることが好ましい。
また、本発明のインクは、1、2−アルキレングリコールおよび/または炭素数4〜10のアルキル基を有するアルキレングリコールモノアルキルエーテルを1重量%以上含んでなることが好ましい。1、2−アルキレングリコールを用いることでにじみが低減し、印刷品質が向上する。1、2−アルキレングリコールの例としては1、2−ヘキサンジオール、1、2−ペンタンジオールあるいは4−メチル−1、2−ペンタンジオールのように、炭素数5または6の1、2−アルキレングリコールが好ましい。中でも、炭素数6の1、2−ヘキサンジオールおよび4−メチル−1、2−ペンタンジオールが好ましい。炭素数4〜10のアルキル基を有するアルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルおよびジプロピレングリコールモノブチルエーテルから選択される一種または二種以上を好適に用いることができる。また、1、2−アルキレングリコールおよび/または炭素数4〜10のアルキル基を有するアルキレングリコールモノアルキルエーテルの添加量は、1%〜20%が好ましく、より好ましくは2%〜10%である。
また、本発明のインクは、アセチレングリコール系界面活性剤および/またはアセチレンアルコール系界面活性剤を含んでなることが好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤および/またはアセチレンアルコール系界面活性剤を用いることで、さらににじみが低減し、印刷品質が向上する。また、これらの添加により、印字の乾燥性が向上し、高速印刷が可能となる。
アセチレングリコール系界面活性剤および/またはアセチレンアルコール系界面活性剤としては、2、4、7、9−テトラメチル−5−デシン−4、7−ジオールおよび2、4、7、9−テトラメチル−5−デシン−4、7−ジオールのアルキレンオキシド付加物、2、4−ジメチル−5−デシン−4−オールおよび2、4−ジメチル−5−デシン−4−オールのアルキレンオキシド付加物から選ばれた1種以上が好ましい。これらは、エアプロダクツ(英国)社のオルフィン104シリーズ、オルフィンE1010などのEシリーズ、日信化学製サーフィノール465あるいはサーフィノール61などとして入手可能である。
また、本発明においては、上記1、2−アルキレングリコールと、上記アセチレングリコール系界面活性剤および/またはアセチレンアルコール系界面活性剤と、上記グリコールエーテルとからなる群から選択される一種または二種以上を用いることで、さらににじみが低減する。
また、本発明のインクは、前記高分子微粒子の含有量(重量%)が、前記顔料の含有量(重量%)より多いことが好ましい。顔料より重量単位で多くの高分子微粒子を添加することにより、印刷物の発色性および定着性が向上する。
本発明に用いることができる顔料としては、黒色インク用として、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類が特に好ましいが、銅酸化物、鉄酸化物(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料を用いることもできる。
また、カラーインク用としては、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、3、12(ジスアゾイエローAAA)、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、62、65、74、81、83(ジスアゾイエローHR)、93、94、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、126、127、128、138、150、151、153、154、155、168、170、174、176、180、183、185、188、191、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22(ブリリアントファーストスカーレット)、23、31、38、48:2(パーマネントレッド2B(Ba))、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3(パーマネントレッド2B(Sr))、48:4(パーマネントレッド2B(Mn))、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、202、206、209、219、254、C.I.ピグメントバイオレット19、23、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルーR)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルーG)、15:4、15:6(フタロシアニンブルーE)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36等が使用できる。このように、色剤としては種々の顔料を用いることができる。
また、上記顔料は、分散機を用いて分散するが、分散機としては市販の種々の分散機を用いることができる。ただし、好ましくはコンタミが少ないという観点から、非メディア分散がよい。その具体例としては、湿式ジェットミル(ジーナス社)、ナノマーザー(ナノマーザー社)、ホモジナイザー(ゴーリン社)、アルティマイザー(スギノマシン社)およびマイクロフルイダイザー(マイクロフルイディクス社)などが挙げられる。
本発明のインクジェット記録用インクに用いる顔料の添加量は、0.5%〜30%が好ましく、より好ましくは1.0%〜15%である。0.5%以下の添加量では、印字濃度が確保できなくなり、また30%以上の添加量では、インクの粘度増加や粘度特性に構造粘性が生じ、インクジェットヘッドからのインクの吐出安定性が悪くなる傾向になる。
また、本発明のインクは、その放置安定性の確保、インクジェットヘッドからの安定吐出のため、目詰まり改善のため、あるいはインクの劣化防止のためなどの目的で、保湿剤、浸透制御剤、粘度調整剤、pH調整剤、溶解助剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、腐食防止剤、顔料の分散安定剤あるいは顔料の分散に影響を与える金属イオンを捕獲するためのキレート剤等種々の添加剤を添加することもできる。
また、本発明のインクは、ピエゾ素子のような、加熱が起こらない電歪素子を用いた方法により吐出されることが好ましい。サーマルヘッドのような加熱が起こる場合は、添加している高分子微粒子や、顔料の分散などに用いるポリマーが変質して吐出が不安定になりやすい。特に、大量のインクを長時間に亘って吐出させる場合は、加熱が起こるヘッドは好ましくない。
以下、本発明を実施例等により、さらに具体的に説明する。なお、本発明はかかる実施例のみに限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない限り種々の変更は可能である。
(実施例1)
(1)顔料分散体1の製造
顔料分散体1は、カーボンブラック(ピグメントブラック7)である米国キャボット社製モナーク880を用いた。特開平8−3498号公報と同様な方法でカーボンブラックの表面を酸化させて水に分散可能にし、分散体1とした。マイクロトラック粒度分布測定装置UPA250(日機装製)を用いて粒径を測定したところ110nmであった。
(1)顔料分散体1の製造
顔料分散体1は、カーボンブラック(ピグメントブラック7)である米国キャボット社製モナーク880を用いた。特開平8−3498号公報と同様な方法でカーボンブラックの表面を酸化させて水に分散可能にし、分散体1とした。マイクロトラック粒度分布測定装置UPA250(日機装製)を用いて粒径を測定したところ110nmであった。
(2)エマルジョンAH(ガラス転位温度50℃以上)およびエマルジョンAL(ガラス転位温度−10℃以下でかつ架橋構造を有する)の作製
エマルジョンAH:反応容器に滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機を備え、イオン交換水100部を入れ、攪拌しながら窒素雰囲気70℃で、重合開始剤の過流酸カリを0.2部を添加しておき、イオン交換水7部にラウリル硫酸ナトリウムを0.05部、エチルアクリレート15部、スチレン25部、ブチルメタクリレート5部およびt−ドデシルメルカプタン0.02部を入れたモノマー溶液を、70℃に滴下して反応させて1次物質を作製する。その1次物質に、過流酸アンモニウム10%溶液2部を添加して攪拌し、さらにイオン交換水30部、ラウリル硫酸カリ0.2部、エチルアクリレート10部、スチレン51部、アクリル酸5部、t−ドデシルメルカプタン0.5部よりなる反応液を70℃で攪拌しながら添加して重合反応させた後、水酸化ナトリウムで中和しpH8〜8.5にして0.3μmのフィルターでろ過した高分子微粒子水分散液を作製してエマルジョンAH(EM−AH)とした。この高分子微粒子水分散液の一部を取り乾燥させた後、示差操作型熱量計(セイコー電子製EXSTAR6000DSC)によりガラス転位温度を測定したところ55℃であった。株式会社日立製作所製L7100システムのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、溶剤をTHFとして測定したときのスチレン換算分子量は150000であった。また、滴定法による酸価は20mgKOH/gであった。
エマルジョンAH:反応容器に滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機を備え、イオン交換水100部を入れ、攪拌しながら窒素雰囲気70℃で、重合開始剤の過流酸カリを0.2部を添加しておき、イオン交換水7部にラウリル硫酸ナトリウムを0.05部、エチルアクリレート15部、スチレン25部、ブチルメタクリレート5部およびt−ドデシルメルカプタン0.02部を入れたモノマー溶液を、70℃に滴下して反応させて1次物質を作製する。その1次物質に、過流酸アンモニウム10%溶液2部を添加して攪拌し、さらにイオン交換水30部、ラウリル硫酸カリ0.2部、エチルアクリレート10部、スチレン51部、アクリル酸5部、t−ドデシルメルカプタン0.5部よりなる反応液を70℃で攪拌しながら添加して重合反応させた後、水酸化ナトリウムで中和しpH8〜8.5にして0.3μmのフィルターでろ過した高分子微粒子水分散液を作製してエマルジョンAH(EM−AH)とした。この高分子微粒子水分散液の一部を取り乾燥させた後、示差操作型熱量計(セイコー電子製EXSTAR6000DSC)によりガラス転位温度を測定したところ55℃であった。株式会社日立製作所製L7100システムのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、溶剤をTHFとして測定したときのスチレン換算分子量は150000であった。また、滴定法による酸価は20mgKOH/gであった。
エマルジョンAL:反応容器に滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機を備え、イオン交換水100部を入れ、攪拌しながら窒素雰囲気70℃で、重合開始剤の過流酸カリを0.2部を添加しておき、イオン交換水7部にラウリル硫酸ナトリウムを0.05部、グリシドキシアクリレート4部、エチルアクリレート15部、ブチルアクリレート15部、テトラヒドロフルフリルアクリレート6部、ブチルメタクリレート5部およびt−ドデシルメルカプタン0.02部を入れたモノマー溶液を、70℃に滴下して反応させて1次物質を作製する。その1次物質に、過流酸アンモニウム10%溶液2部を添加して攪拌し、さらにイオン交換水30部、ラウリル硫酸カリ0.2部、エチルアクリレート30部、メチルアクリレート20部、ブチルアクリレート6部、1、6−ヘキサンジオールジメタクリレート5部、アクリル酸5部、t−ドデシルメルカプタン0.5部よりなる反応液を70℃で攪拌しながら添加して重合反応させた後、水酸化ナトリウムで中和しpH8〜8.5にして0.3μmのフィルターでろ過した高分子微粒子水分散液を作製してエマルジョンAL(EM−AL)とした。この高分子微粒子水分散液の一部を取り乾燥させた後、示差操作型熱量計(セイコー電子製EXSTAR6000DSC)によりガラス転位温度を測定したところ−25℃であった。株式会社日立製作所製L7100システムのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、溶剤をTHFとして測定したときのスチレン換算分子量は150000であった。また、滴定法による酸価は20mgKOH/gであった。
(3)インクジェット記録用インクの調製
インクジェット記録用インクに好適な組成の例を表2に示す。本発明のインクジェット記録用インクの調製は、上記の方法で作製した分散体1を用い、表2に示すビヒクル成分と混合することによって作製した。尚、本発明の実施例および比較例中の残量の水にはインクの腐食防止のためトップサイド240(パーマケムアジア社製)を0.05%、インクジェットヘッド部材の腐食防止のためベンゾトリアゾールを0.02%、インク中の金属イオンの影響を低減するためにEDTA(エチレンジアミン四酢酸)・2Na塩を0.04%それぞれイオン交換水に添加したものを用いた。
インクジェット記録用インクに好適な組成の例を表2に示す。本発明のインクジェット記録用インクの調製は、上記の方法で作製した分散体1を用い、表2に示すビヒクル成分と混合することによって作製した。尚、本発明の実施例および比較例中の残量の水にはインクの腐食防止のためトップサイド240(パーマケムアジア社製)を0.05%、インクジェットヘッド部材の腐食防止のためベンゾトリアゾールを0.02%、インク中の金属イオンの影響を低減するためにEDTA(エチレンジアミン四酢酸)・2Na塩を0.04%それぞれイオン交換水に添加したものを用いた。
(4)耐擦性の測定
耐擦性の評価は、実施例1のインクを用い、インクジェットプリンターとしてセイコーエプソン株式会社製PX−V600および専用紙(エプソン写真用紙)を用いてベタ印刷を行い、印刷面とその裏面を重ね合わせて、300gの荷重で1m/sの速度で移動させたときのインクの剥がれ具合を観察する方法による。剥がれが少ないものをA、わずかにはがれがあるものをB、剥がれがあり裏面に移るものをC、かなり剥がれがあり裏面に移るものをDとする。結果を表1に示す。
耐擦性の評価は、実施例1のインクを用い、インクジェットプリンターとしてセイコーエプソン株式会社製PX−V600および専用紙(エプソン写真用紙)を用いてベタ印刷を行い、印刷面とその裏面を重ね合わせて、300gの荷重で1m/sの速度で移動させたときのインクの剥がれ具合を観察する方法による。剥がれが少ないものをA、わずかにはがれがあるものをB、剥がれがあり裏面に移るものをC、かなり剥がれがあり裏面に移るものをDとする。結果を表1に示す。
(5)ODの測定
実施例1のインクを用い、インクジェットプリンターとしてセイコーエプソン株式会社製PX−V600を用いて、富士ゼロックス社製XeroxP紙A4判にベタ印字したサンプルを作成する。そのサンプルを用い、グレタグカラーコントロールシステムSPM−50を用いて、ODを測定した。ODの測定結果を表1に示す。
実施例1のインクを用い、インクジェットプリンターとしてセイコーエプソン株式会社製PX−V600を用いて、富士ゼロックス社製XeroxP紙A4判にベタ印字したサンプルを作成する。そのサンプルを用い、グレタグカラーコントロールシステムSPM−50を用いて、ODを測定した。ODの測定結果を表1に示す。
(6)吐出安定性の測定
インクジェットプリンターとしてセイコーエプソン株式会社製PX−V600を用いて、35℃35%雰囲気で富士ゼロックス社製XeroxP紙A4判にマイクロソフト(登録商標)ワードで文字サイズ11の標準、MSPゴシックで4000字/ページの割合で100ページ印刷して評価した。全く印字乱れがないものをAA、1箇所印字乱れがあるものをA、2箇所〜3箇所印字乱れがあるものをB、4箇所〜5箇所印字乱れがあるものをC、6箇所以上印字乱れがあるものをDとして結果を表1に示す。
インクジェットプリンターとしてセイコーエプソン株式会社製PX−V600を用いて、35℃35%雰囲気で富士ゼロックス社製XeroxP紙A4判にマイクロソフト(登録商標)ワードで文字サイズ11の標準、MSPゴシックで4000字/ページの割合で100ページ印刷して評価した。全く印字乱れがないものをAA、1箇所印字乱れがあるものをA、2箇所〜3箇所印字乱れがあるものをB、4箇所〜5箇所印字乱れがあるものをC、6箇所以上印字乱れがあるものをDとして結果を表1に示す。
(実施例2)
(1)顔料分散体2の製造
顔料分散体2は、ピグメントブルー15:3(銅フタロシアニン顔料:クラリアント製)を用いた。攪拌機、温度計、還流管および滴下ロートをそなえた反応容器を窒素置換した後、ベンジルアクリレート75部、アクリル酸2部、t−ドデシルメルカプタン0.3部を入れて70℃に加熱し、別に用意したベンジルアクリレート100部、アクリル酸15部、ブチルアクリレート50部、t−ドデシルメルカプタン1部、メチルエチルケトン20部および過硫酸ナトリウム1部を滴下ロートに入れて4時間かけて反応容器に滴下しながら分散ポリマーを重合反応させた。次に、反応容器にメチルエチルケトンを添加して40%濃度の分散ポリマー溶液を作製した。このポリマーの一部を取り乾燥させた後、示差操作型熱量計(セイコー電子製EXSTAR6000DSC)によりガラス転位温度を測定したところ10℃であった。
(1)顔料分散体2の製造
顔料分散体2は、ピグメントブルー15:3(銅フタロシアニン顔料:クラリアント製)を用いた。攪拌機、温度計、還流管および滴下ロートをそなえた反応容器を窒素置換した後、ベンジルアクリレート75部、アクリル酸2部、t−ドデシルメルカプタン0.3部を入れて70℃に加熱し、別に用意したベンジルアクリレート100部、アクリル酸15部、ブチルアクリレート50部、t−ドデシルメルカプタン1部、メチルエチルケトン20部および過硫酸ナトリウム1部を滴下ロートに入れて4時間かけて反応容器に滴下しながら分散ポリマーを重合反応させた。次に、反応容器にメチルエチルケトンを添加して40%濃度の分散ポリマー溶液を作製した。このポリマーの一部を取り乾燥させた後、示差操作型熱量計(セイコー電子製EXSTAR6000DSC)によりガラス転位温度を測定したところ10℃であった。
また、上記分散ポリマー溶液40部とピグメントブルー15:4を30部、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液100部、メチルエチルケトン30部を混合した。その後超高圧ホモジナイザー(株式会社スギノマシン製アルティマイザーHJP−25005)を用いて200MPaで15パスして分散した。その後、別の容器に移してイオン交換水を300部添加して、さらに1時間攪拌した。そして、ロータリーエバポレーターを用いてメチルエチルケトンの全量と水の一部を留去して、0.1mol/Lの水酸化ナトリウムで中和してpH9に調整した。その後、0.3μmのメンブレンフィルターでろ過しイオン交換水で調整して顔料濃度が15%である顔料分散体2とした。実施例1と同じ方法で粒径を測定したところ80nmであった。
(2)エマルジョンBH(ガラス転位温度50℃以上)およびエマルジョンBL(ガラス転位温度−10℃以下で架橋構造を有する)の作製
エマルジョンBH:反応容器に滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機を備え、イオン交換水100部を入れ、攪拌しながら窒素雰囲気70℃で、重合開始剤の過流酸カリを0.5部添加しておき、イオン交換水7部にラウリル硫酸ナトリウムを0.05部、エチルアクリレート19部、スチレン150部、テトラヒドロフルフリルアクリレート6部、ブチルメタクリレート5部およびt−ドデシルメルカプタン0.05部を入れたモノマー溶液を、70℃に滴下して反応させて1次物質を作製する。その1次物質に、過流酸アンモニウム10%溶液2部を添加して攪拌し、さらにイオン交換水30部、ラウリル硫酸カリ0.7部、エチルアクリレート30部、メチルアクリレート25部、スチレン160部、アクリル酸15部、t−ドデシルメルカプタン0.5部よりなる反応液を70℃で攪拌しながら添加して重合反応させた後、水酸化ナトリウムで中和しpH8〜8.5にして0.3μmのフィルターでろ過した高分子微粒子水分散液を作成してエマルジョンBH(EM−BH)とした。この高分子微粒子水分散液の一部を取り乾燥させた後、示差操作型熱量計(セイコー電子製EXSTAR6000DSC)によりガラス転位温度を測定したところ57℃であった。実施例1と同様に分子量を測定したところ200000であった。また、滴定法による酸価は18mgKOH/gであった。
エマルジョンBH:反応容器に滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機を備え、イオン交換水100部を入れ、攪拌しながら窒素雰囲気70℃で、重合開始剤の過流酸カリを0.5部添加しておき、イオン交換水7部にラウリル硫酸ナトリウムを0.05部、エチルアクリレート19部、スチレン150部、テトラヒドロフルフリルアクリレート6部、ブチルメタクリレート5部およびt−ドデシルメルカプタン0.05部を入れたモノマー溶液を、70℃に滴下して反応させて1次物質を作製する。その1次物質に、過流酸アンモニウム10%溶液2部を添加して攪拌し、さらにイオン交換水30部、ラウリル硫酸カリ0.7部、エチルアクリレート30部、メチルアクリレート25部、スチレン160部、アクリル酸15部、t−ドデシルメルカプタン0.5部よりなる反応液を70℃で攪拌しながら添加して重合反応させた後、水酸化ナトリウムで中和しpH8〜8.5にして0.3μmのフィルターでろ過した高分子微粒子水分散液を作成してエマルジョンBH(EM−BH)とした。この高分子微粒子水分散液の一部を取り乾燥させた後、示差操作型熱量計(セイコー電子製EXSTAR6000DSC)によりガラス転位温度を測定したところ57℃であった。実施例1と同様に分子量を測定したところ200000であった。また、滴定法による酸価は18mgKOH/gであった。
エマルジョンBL:反応容器に滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機を備え、イオン交換水100部を入れ、攪拌しながら窒素雰囲気70℃で、重合開始剤の過流酸カリを0.5部添加しておき、イオン交換水7部にラウリル硫酸ナトリウムを0.05部、エチルアクリレート19部、エチルヘキシルアクリレート150部、テトラヒドロフルフリルアクリレート6部、ブチルメタクリレート5部およびt−ドデシルメルカプタン0.05部を入れたモノマー溶液を、70℃に滴下して反応させて1次物質を作製する。その1次物質に、過流酸アンモニウム10%溶液2部を添加して攪拌し、さらにイオン交換水30部、ラウリル硫酸カリ0.7部、エチルアクリレート30部、メチルアクリレート25部、エチルヘキシルアクリレート150部、1、4−ブタンジオールジマタクリレート10部、アクリル酸15部、t−ドデシルメルカプタン0.5部よりなる反応液を70℃で攪拌しながら添加して重合反応させた後、水酸化ナトリウムで中和しpH8〜8.5にして0.3μmのフィルターでろ過した高分子微粒子水分散液を作成してエマルジョンBL(EM−BL)とした。この高分子微粒子水分散液の一部を取り乾燥させた後、示差操作型熱量計(セイコー電子製EXSTAR6000DSC)によりガラス転位温度を測定したところ−27℃であった。実施例1と同様に分子量を測定したところ200000であった。また、滴定法による酸価は18mgKOH/gであった。
(3)インクジェット記録用インクの調製
以下、インクジェット記録用インクに好適な組成の例を表2に示す。本発明のインクジェット記録用インクの調製は、上記の方法で作製した分散体2を用い、表2に示すビヒクル成分と混合することによって、実施例1と同様に作製した。
以下、インクジェット記録用インクに好適な組成の例を表2に示す。本発明のインクジェット記録用インクの調製は、上記の方法で作製した分散体2を用い、表2に示すビヒクル成分と混合することによって、実施例1と同様に作製した。
(4)耐擦性の測定
耐擦性の評価は、実施例1と同様に行なった。結果を表1に示す。
耐擦性の評価は、実施例1と同様に行なった。結果を表1に示す。
(5)OD・彩度の測定
実施例2のインクを用い、インクジェットプリンターとしてセイコーエプソン株式会社製PX−V600を用いて、富士ゼロックス社製XeroxP紙A4判にベタ印字したサンプルを作成する。そのサンプルを用い、グレタグカラーコントロールシステムSPM−50を用いて、ODと彩度を測定した。ODと彩度の測定結果を表1に示す。
実施例2のインクを用い、インクジェットプリンターとしてセイコーエプソン株式会社製PX−V600を用いて、富士ゼロックス社製XeroxP紙A4判にベタ印字したサンプルを作成する。そのサンプルを用い、グレタグカラーコントロールシステムSPM−50を用いて、ODと彩度を測定した。ODと彩度の測定結果を表1に示す。
(6)吐出安定性の測定
実施例2のインクを用い、実施例1と同じ方法および同じ評価方法で吐出安定性の測定を行なった。吐出安定性の測定結果を表1に示す。
実施例2のインクを用い、実施例1と同じ方法および同じ評価方法で吐出安定性の測定を行なった。吐出安定性の測定結果を表1に示す。
(実施例3)
(1)顔料分散体3の製造
顔料分散体3は、ピグメントバイオレット19(キナクリドン顔料:クラリアント製)を用いて、顔料分散体2と同様に作製し、顔料分散体3とした。実施例1と同じ方法で粒径を測定したところ90nmであった。
(1)顔料分散体3の製造
顔料分散体3は、ピグメントバイオレット19(キナクリドン顔料:クラリアント製)を用いて、顔料分散体2と同様に作製し、顔料分散体3とした。実施例1と同じ方法で粒径を測定したところ90nmであった。
(2)エマルジョンの作製
実施例2と同じエマルジョンBHおよびエマルジョンBLを用いた。
実施例2と同じエマルジョンBHおよびエマルジョンBLを用いた。
(3)インクジェット記録用インクの調製
以下、インクジェット記録用インクに好適な組成の例を表2に示す。本発明のインクジェット記録用インクの調製は、上記の方法で作製した分散体3を用い、表2に示すビヒクル成分と混合することによって、実施例1と同様に作製して評価した。
以下、インクジェット記録用インクに好適な組成の例を表2に示す。本発明のインクジェット記録用インクの調製は、上記の方法で作製した分散体3を用い、表2に示すビヒクル成分と混合することによって、実施例1と同様に作製して評価した。
(4)耐擦性の測定
耐擦性の評価は、実施例1と同様に行なった。結果を表1に示す。
耐擦性の評価は、実施例1と同様に行なった。結果を表1に示す。
(5)OD・彩度の測定
実施例2のインクを用い、インクジェットプリンターとしてセイコーエプソン株式会社製PX−V600を用いて、富士ゼロックス社製XeroxP紙A4判にベタ印字したサンプルを作成する。そのサンプルを用い、グレタグカラーコントロールシステムSPM−50を用いて、ODと彩度を測定した。ODと彩度の測定結果を表1に示す。
実施例2のインクを用い、インクジェットプリンターとしてセイコーエプソン株式会社製PX−V600を用いて、富士ゼロックス社製XeroxP紙A4判にベタ印字したサンプルを作成する。そのサンプルを用い、グレタグカラーコントロールシステムSPM−50を用いて、ODと彩度を測定した。ODと彩度の測定結果を表1に示す。
(6)吐出安定性の測定
実施例2のインクを用い、実施例1と同じ方法および同じ評価方法で吐出安定性の測定を行なった。吐出安定性の測定結果を表1に示す。
実施例2のインクを用い、実施例1と同じ方法および同じ評価方法で吐出安定性の測定を行なった。吐出安定性の測定結果を表1に示す。
(実施例4)
(1)顔料分散体4の製造
顔料分散体4は、ピグメントイエロー14(アゾ系顔料:クラリアント製)を用いて顔料分散体2と同様に作製し、顔料分散体4とした。実施例1と同じ方法で粒径を測定したところ115nmであった。
(1)顔料分散体4の製造
顔料分散体4は、ピグメントイエロー14(アゾ系顔料:クラリアント製)を用いて顔料分散体2と同様に作製し、顔料分散体4とした。実施例1と同じ方法で粒径を測定したところ115nmであった。
(2)エマルジョンの作製
実施例2と同じエマルジョンBHおよびエマルジョンBLを用いた。
実施例2と同じエマルジョンBHおよびエマルジョンBLを用いた。
(3)インクジェット記録用インクの調製
以下、インクジェット記録用インクに好適な組成の例を表2に示す。本発明のインクジェット記録用インクの調製は、上記の方法で作製した分散体4を用い、表2に示すビヒクル成分と混合することによって、実施例1と同様に作成して評価した。
以下、インクジェット記録用インクに好適な組成の例を表2に示す。本発明のインクジェット記録用インクの調製は、上記の方法で作製した分散体4を用い、表2に示すビヒクル成分と混合することによって、実施例1と同様に作成して評価した。
(4)耐擦性の測定
耐擦性の評価は、実施例1と同様に行なった。結果を表1に示す。
耐擦性の評価は、実施例1と同様に行なった。結果を表1に示す。
(5)OD・彩度の測定
実施例2のインクを用い、インクジェットプリンターとしてセイコーエプソン株式会社製PX−V600を用いて、富士ゼロックス社製XeroxP紙A4判にベタ印字したサンプルを作成する。そのサンプルを用い、グレタグカラーコントロールシステムSPM−50を用いて、ODと彩度を測定した。ODと彩度の測定結果を表1に示す。
実施例2のインクを用い、インクジェットプリンターとしてセイコーエプソン株式会社製PX−V600を用いて、富士ゼロックス社製XeroxP紙A4判にベタ印字したサンプルを作成する。そのサンプルを用い、グレタグカラーコントロールシステムSPM−50を用いて、ODと彩度を測定した。ODと彩度の測定結果を表1に示す。
(6)吐出安定性の測定
実施例2のインクを用い、実施例1と同じ方法および同じ評価方法で吐出安定性の測定を行なった。吐出安定性の測定結果を表1に示す。
実施例2のインクを用い、実施例1と同じ方法および同じ評価方法で吐出安定性の測定を行なった。吐出安定性の測定結果を表1に示す。
(比較例1)
比較例1は、実施例1においてエチルアクリレートの全量(45部)をベンジルメタクリレート45部に変更する以外は同様にして、ガラス転移温度が0℃の高分子微粒子を用いた以外は実施例1と同様にインクを作製して評価した。この高分子微粒子を用いて作製したエマルジョンをエマルジョンC(EM−C)とした。インク組成を表2に示す。耐擦性の測定、ODの測定および吐出安定性試験は実施例1と同様に行なった。結果を表1に示す。
比較例1は、実施例1においてエチルアクリレートの全量(45部)をベンジルメタクリレート45部に変更する以外は同様にして、ガラス転移温度が0℃の高分子微粒子を用いた以外は実施例1と同様にインクを作製して評価した。この高分子微粒子を用いて作製したエマルジョンをエマルジョンC(EM−C)とした。インク組成を表2に示す。耐擦性の測定、ODの測定および吐出安定性試験は実施例1と同様に行なった。結果を表1に示す。
(比較例2)
比較例2は、実施例2においてエチルアクリレート全量(49部)をベンジルメタクリレートに代え、ブチルアクリレートの10部をベンジルメタクリレート10部に変更する以外は同様にしてガラス転移温度が10℃の高分子微粒子を用いた以外は実施例2と同様にインクを作製して評価した。この高分子微粒子を用いて作製したエマルジョンをエマルジョンD(EM−D)とした。インク組成を表2に示す。耐擦性の測定、OD・彩度の測定および吐出安定性試験は実施例2と同様に行なった。結果を表1に示す。
比較例2は、実施例2においてエチルアクリレート全量(49部)をベンジルメタクリレートに代え、ブチルアクリレートの10部をベンジルメタクリレート10部に変更する以外は同様にしてガラス転移温度が10℃の高分子微粒子を用いた以外は実施例2と同様にインクを作製して評価した。この高分子微粒子を用いて作製したエマルジョンをエマルジョンD(EM−D)とした。インク組成を表2に示す。耐擦性の測定、OD・彩度の測定および吐出安定性試験は実施例2と同様に行なった。結果を表1に示す。
(比較例3および比較例4)
比較例3は、実施例3おいて顔料の粒径が350nmの分散体を作製して用い、比較例4は、実施例3おいて顔料の粒径が45nmの分散体を作製して用いた以外は実施例3と同様にインクを作製して評価した。実施例1と同じ方法で粒径を測定した。粒径が350nmの分散体を顔料分散体3A、粒径が45nmの分散体を顔料分散体3Bとした。インク組成を表2に示す。耐擦性の測定、OD・彩度の測定および吐出安定性試験は実施例2と同様に行なった。結果を表1に示す。
比較例3は、実施例3おいて顔料の粒径が350nmの分散体を作製して用い、比較例4は、実施例3おいて顔料の粒径が45nmの分散体を作製して用いた以外は実施例3と同様にインクを作製して評価した。実施例1と同じ方法で粒径を測定した。粒径が350nmの分散体を顔料分散体3A、粒径が45nmの分散体を顔料分散体3Bとした。インク組成を表2に示す。耐擦性の測定、OD・彩度の測定および吐出安定性試験は実施例2と同様に行なった。結果を表1に示す。
(比較例5および比較例6)
比較例5は、実施例4において添加する高分子微粒子(エマルジョンBHおよびエマルジョンBL)の両方の酸の量を増やすことで酸価を120mgKOH/gに、比較例6は、実施例4において添加する高分子微粒子(エマルジョンBHおよびエマルジョンBL)の両方の酸の量を増やすことで酸価を150mgKOH/gにした以外は実施例4と同様にインクを作製して評価した。酸価を120mgKOH/gにした高分子微粒子を用いて作製したエマルジョンをエマルジョンEH(EM−EH:ガラス転位温度が50℃以上)およびエマルジョンEL(EM−EL:ガラス転位温度が−10℃以下)とし、酸価を120mgKOH/gの高分子微粒子を用いて作製したエマルジョンをエマルジョンFH(EM−FH:ガラス転位温度が50℃以上)およびエマルジョンFL(FM−EL:ガラス転位温度が−10℃以下)とした。インク組成を表2に示す。耐擦性の測定、OD・彩度の測定および吐出安定性試験は実施例2と同様に行なった。結果を表1に示す。
比較例5は、実施例4において添加する高分子微粒子(エマルジョンBHおよびエマルジョンBL)の両方の酸の量を増やすことで酸価を120mgKOH/gに、比較例6は、実施例4において添加する高分子微粒子(エマルジョンBHおよびエマルジョンBL)の両方の酸の量を増やすことで酸価を150mgKOH/gにした以外は実施例4と同様にインクを作製して評価した。酸価を120mgKOH/gにした高分子微粒子を用いて作製したエマルジョンをエマルジョンEH(EM−EH:ガラス転位温度が50℃以上)およびエマルジョンEL(EM−EL:ガラス転位温度が−10℃以下)とし、酸価を120mgKOH/gの高分子微粒子を用いて作製したエマルジョンをエマルジョンFH(EM−FH:ガラス転位温度が50℃以上)およびエマルジョンFL(FM−EL:ガラス転位温度が−10℃以下)とした。インク組成を表2に示す。耐擦性の測定、OD・彩度の測定および吐出安定性試験は実施例2と同様に行なった。結果を表1に示す。
(比較例7)
比較例7は、実施例2のエマルジョンBLの作製において、2官能の1、4−ブタンジオールジメタクリレートを単官能のメチルアクリレートに変えた以外は実施例2のエマルジョンBLの作製と同様にして、架橋構造のない高分子微粒子を作製して評価した。この高分子微粒子を用いて作製したエマルジョンをエマルジョンBLN(EM−BLN)とした。インク組成を表2に示す。耐擦性の測定、ODの測定および吐出安定性試験は実施例1と同様に行なった。結果を表1に示す。
比較例7は、実施例2のエマルジョンBLの作製において、2官能の1、4−ブタンジオールジメタクリレートを単官能のメチルアクリレートに変えた以外は実施例2のエマルジョンBLの作製と同様にして、架橋構造のない高分子微粒子を作製して評価した。この高分子微粒子を用いて作製したエマルジョンをエマルジョンBLN(EM−BLN)とした。インク組成を表2に示す。耐擦性の測定、ODの測定および吐出安定性試験は実施例1と同様に行なった。結果を表1に示す。
(実施例5)
(1)顔料分散体5の製造
顔料分散体5は、カーボンブラック(PBk7)である三菱化学工業株式会社製MA100を用いた。特開平8−3498号公報と同様な方法でカーボンブラックの表面を酸化させて水に分散可能にし、分散体1とした。実施例1と同じ方法で粒径を測定したところ120nmであった。
(1)顔料分散体5の製造
顔料分散体5は、カーボンブラック(PBk7)である三菱化学工業株式会社製MA100を用いた。特開平8−3498号公報と同様な方法でカーボンブラックの表面を酸化させて水に分散可能にし、分散体1とした。実施例1と同じ方法で粒径を測定したところ120nmであった。
(2)エマルジョンGH(ガラス転位温度50℃以上)およびエマルジョンGL(ガラス転位温度−10℃以下で架橋構造を有する)の作製
エマルジョンGH:反応容器に滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機を備え、イオン交換水100部を入れ、攪拌しながら窒素雰囲気70℃で、重合開始剤の過流酸カリを1.0部を添加しておき、イオン交換水7部にラウリル硫酸ナトリウムを0.1部、エチルアクリレート20部、スチレン150部、ラウリルアクリレート6部、ブチルメタクリレート5部およびt−ドデシルメルカプタン0.1部を入れたモノマー溶液を、70℃に滴下して反応させて1次物質を作製する。その1次物質に、過流酸アンモニウム10%溶液20部を添加して攪拌し、さらにイオン交換水30部、ラウリル硫酸カリ0.2部、エチルアクリレート30部、スチレン150部、ラウリルアクリレート16部、アクリル酸5部、t−ドデシルメルカプタン0.5部よりなる反応液を70℃で攪拌しながら添加して重合反応させた後、水酸化ナトリウムで中和しpH8〜8.5にして0.3μmのフィルターでろ過した高分子微粒子水分散液を作成してエマルジョンGH(EM−GH)とした。この高分子微粒子水分散液の一部を取り乾燥させた後、示差操作型熱量計(セイコー電子製EXSTAR6000DSC)によりガラス転位温度を測定したところ59℃であった。実施例1と同じ方法で分子量を測定したところ180000であった。また、滴定法による酸価は18mgKOH/gであった。
エマルジョンGH:反応容器に滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機を備え、イオン交換水100部を入れ、攪拌しながら窒素雰囲気70℃で、重合開始剤の過流酸カリを1.0部を添加しておき、イオン交換水7部にラウリル硫酸ナトリウムを0.1部、エチルアクリレート20部、スチレン150部、ラウリルアクリレート6部、ブチルメタクリレート5部およびt−ドデシルメルカプタン0.1部を入れたモノマー溶液を、70℃に滴下して反応させて1次物質を作製する。その1次物質に、過流酸アンモニウム10%溶液20部を添加して攪拌し、さらにイオン交換水30部、ラウリル硫酸カリ0.2部、エチルアクリレート30部、スチレン150部、ラウリルアクリレート16部、アクリル酸5部、t−ドデシルメルカプタン0.5部よりなる反応液を70℃で攪拌しながら添加して重合反応させた後、水酸化ナトリウムで中和しpH8〜8.5にして0.3μmのフィルターでろ過した高分子微粒子水分散液を作成してエマルジョンGH(EM−GH)とした。この高分子微粒子水分散液の一部を取り乾燥させた後、示差操作型熱量計(セイコー電子製EXSTAR6000DSC)によりガラス転位温度を測定したところ59℃であった。実施例1と同じ方法で分子量を測定したところ180000であった。また、滴定法による酸価は18mgKOH/gであった。
エマルジョンGL:反応容器に滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機を備え、イオン交換水100部を入れ、攪拌しながら窒素雰囲気70℃で、重合開始剤の過流酸カリ1.0部を添加しておき、イオン交換水7部にラウリル硫酸ナトリウムを0.1部、エチルアクリレート20部、エチルヘキシルアクリレート150部、ラウリルアクリレート6部、ブチルメタクリレート5部およびt−ドデシルメルカプタン0.1部を入れたモノマー溶液を、70℃に滴下して反応させて1次物質を作製する。その1次物質に、過流酸アンモニウム10%溶液20部を添加して攪拌し、さらにイオン交換水30部、ラウリル硫酸カリ0.2部、エチルアクリレート30部、エチルヘキシルアクリレート140部、ラウリルアクリレート16部、トリメチロールプロパントリメタクリレート10部、アクリル酸15部、t−ドデシルメルカプタン0.5部よりなる反応液を70℃で攪拌しながら添加して重合反応させた後、水酸化ナトリウムで中和しpH8〜8.5にして0.3μmのフィルターでろ過した高分子微粒子水分散液を作成してエマルジョンGL(EM−GL)とした。この高分子微粒子水分散液の一部を取り乾燥させた後、示差操作型熱量計(セイコー電子製EXSTAR6000DSC)によりガラス転位温度を測定したところ−29℃であった。実施例1と同じ方法で分子量を測定したところ180000であった。また、滴定法による酸価は18mgKOH/gであった。
(3)インクジェット記録用インクの調製
以下、インクジェット記録用インクに好適な組成の例を表4に示す。本発明のインクジェット記録用インクの調製は、上記の方法で作成した分散体5を用い、表4に示すビヒクル成分と混合することによって、実施例1と同様に作製して評価した。
以下、インクジェット記録用インクに好適な組成の例を表4に示す。本発明のインクジェット記録用インクの調製は、上記の方法で作成した分散体5を用い、表4に示すビヒクル成分と混合することによって、実施例1と同様に作製して評価した。
(4)耐擦性の測定
耐擦性の評価は、実施例1と同様に行なった。結果を表3に示す。
耐擦性の評価は、実施例1と同様に行なった。結果を表3に示す。
(5)ODの測定
実施例5のインクを用い、実施例1と同じ方法および同じ評価方法でODを測定した。ODの測定結果を表3に示す。
実施例5のインクを用い、実施例1と同じ方法および同じ評価方法でODを測定した。ODの測定結果を表3に示す。
(6)吐出安定性の測定
実施例5のインクを用い、実施例1と同じ方法および同じ評価方法で吐出安定性の測定を行なった。吐出安定性の測定結果を表3に示す。
実施例5のインクを用い、実施例1と同じ方法および同じ評価方法で吐出安定性の測定を行なった。吐出安定性の測定結果を表3に示す。
(実施例6)
(1)顔料分散体6の製造
顔料分散体6は、ピグメントブルー15:3(銅フタロシアニン顔料:クラリアント製)を用いた。攪拌機、温度計、還流管および滴下ロートをそなえた反応容器を窒素置換した後、ベンジルアクリレート45部、ポリエチレングリコール400アクリレート30部、ベンジルアクリレート10部、アクリル酸2部、t−ドデシルメルカプタン0.3部を入れて70℃に加熱し、別に用意したベンジルアクリレート150部、ポリエチレングリコール400アクリレート100部、アクリル酸15部、ブチルアクリレート5部、t−ドデシルメルカプタン1部および過硫酸ナトリウム5部を滴下ロートに入れて4時間かけて反応容器に滴下しながら分散ポリマーを重合反応させた。次に、反応容器に水を添加して40%濃度の分散ポリマー溶液を作成した。このポリマーの一部を取り乾燥させた後、示差操作型熱量計(セイコー電子製EXSTAR6000DSC)によりガラス転位温度を測定したところ5℃であった。
(1)顔料分散体6の製造
顔料分散体6は、ピグメントブルー15:3(銅フタロシアニン顔料:クラリアント製)を用いた。攪拌機、温度計、還流管および滴下ロートをそなえた反応容器を窒素置換した後、ベンジルアクリレート45部、ポリエチレングリコール400アクリレート30部、ベンジルアクリレート10部、アクリル酸2部、t−ドデシルメルカプタン0.3部を入れて70℃に加熱し、別に用意したベンジルアクリレート150部、ポリエチレングリコール400アクリレート100部、アクリル酸15部、ブチルアクリレート5部、t−ドデシルメルカプタン1部および過硫酸ナトリウム5部を滴下ロートに入れて4時間かけて反応容器に滴下しながら分散ポリマーを重合反応させた。次に、反応容器に水を添加して40%濃度の分散ポリマー溶液を作成した。このポリマーの一部を取り乾燥させた後、示差操作型熱量計(セイコー電子製EXSTAR6000DSC)によりガラス転位温度を測定したところ5℃であった。
また、上記分散ポリマー溶液40部とピグメントブルー15:3(銅フタロシアニン顔料:クラリアント製)を30部、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液100部を混合し、ジルコニアビーズを用いたアイガーミルを用いて2時間かけて分散する。その後、別の容器に移してイオン交換水を300部添加して、さらに1時間攪拌する。そして、0.1mol/Lの水酸化ナトリウムで中和してpH9に調整する。その後、0.3μmのメンブレンフィルターでろ過し、固形分(分散ポリマーとカーボンブラック)が20%である分散体5とした。実施例1と同じ方法で粒径を測定したところ100nmであった。実施例1と同じ方法で分子量を測定したところ210000であった。
(2)エマルジョンHH(ガラス転位温度50℃以上)およびエマルジョンHL(ガラス転位温度−10℃以下で架橋構造を有する)の作製
高分子微粒子HH:反応容器に滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機を備え、イオン交換水100部を入れ、攪拌しながら窒素雰囲気70℃で、重合開始剤の過流酸カリを0.3部添加しておき、イオン交換水7部にラウリル硫酸ナトリウムを0.05部、エチルアクリレート20部、スチレン150部、ラウリルアクリレート6部、ブチルメタクリレート5部およびt−ドデシルメルカプタン0.02部を入れたモノマー溶液を、70℃に滴下して反応させて1次物質を作製する。その1次物質に、過流酸アンモニウム10%溶液10部を添加して攪拌し、さらにイオン交換水30部、ラウリル硫酸カリ1.0部、エチルアクリレート20部、スチレン100部、ラウリルアクリレート20部、アクリル酸25部、t−ドデシルメルカプタン2.5部よりなる反応液を70℃で攪拌しながら添加して重合反応させた後、水酸化ナトリウムで中和しpH8〜8.5にして0.3μmのフィルターでろ過した高分子微粒子水分散液を作成してエマルジョンHH(EM−HH)とした。この高分子微粒子水分散液の一部を取り乾燥させた後、示差操作型熱量計(セイコー電子製EXSTAR6000DSC)によりガラス転位温度を測定したところ61℃であった。また、滴定法による酸価は18mgKOH/gであった。
高分子微粒子HH:反応容器に滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機を備え、イオン交換水100部を入れ、攪拌しながら窒素雰囲気70℃で、重合開始剤の過流酸カリを0.3部添加しておき、イオン交換水7部にラウリル硫酸ナトリウムを0.05部、エチルアクリレート20部、スチレン150部、ラウリルアクリレート6部、ブチルメタクリレート5部およびt−ドデシルメルカプタン0.02部を入れたモノマー溶液を、70℃に滴下して反応させて1次物質を作製する。その1次物質に、過流酸アンモニウム10%溶液10部を添加して攪拌し、さらにイオン交換水30部、ラウリル硫酸カリ1.0部、エチルアクリレート20部、スチレン100部、ラウリルアクリレート20部、アクリル酸25部、t−ドデシルメルカプタン2.5部よりなる反応液を70℃で攪拌しながら添加して重合反応させた後、水酸化ナトリウムで中和しpH8〜8.5にして0.3μmのフィルターでろ過した高分子微粒子水分散液を作成してエマルジョンHH(EM−HH)とした。この高分子微粒子水分散液の一部を取り乾燥させた後、示差操作型熱量計(セイコー電子製EXSTAR6000DSC)によりガラス転位温度を測定したところ61℃であった。また、滴定法による酸価は18mgKOH/gであった。
高分子微粒子HL:反応容器に滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機を備え、イオン交換水100部を入れ、攪拌しながら窒素雰囲気70℃で、重合開始剤の過流酸カリ0.3部を添加しておき、イオン交換水7部にラウリル硫酸ナトリウムを0.05部、エチルアクリレート20部、エチルヘキシルアクリレート150部、ラウリルアクリレート6部、ブチルメタクリレート5部およびt−ドデシルメルカプタン0.02部を入れたモノマー溶液を、70℃に滴下して反応させて1次物質を作製する。その1次物質に、過流酸アンモニウム10%溶液10部を添加して攪拌し、さらにイオン交換水30部、ラウリル硫酸カリ1.0部、エチルアクリレート80部、エチルヘキシルアクリレート90部、ラウリルアクリレート20部、1、9−ノナンジオールジアクリレート10部、アクリル酸15部、t−ドデシルメルカプタン2.5部よりなる反応液を70℃で攪拌しながら添加して重合反応させた後、水酸化ナトリウムで中和しpH8〜8.5にして0.3μmのフィルターでろ過した高分子微粒子水分散液を作成してエマルジョンHL(EM−HL)とした。この高分子微粒子水分散液の一部を取り乾燥させた後、示差操作型熱量計(セイコー電子製EXSTAR6000DSC)によりガラス転位温度を測定したところ−21℃であった。また、滴定法による酸価は18mgKOH/gであった。
(3)インクジェット記録用インクの調製
以下、インクジェット記録用インクに好適な組成の例を表4に示す。本発明のインクジェット記録用インクの調製は、上記の方法で作製した分散体6を用い、表4に示すビヒクル成分と混合することによって、実施例1と同様に作製して評価した。
以下、インクジェット記録用インクに好適な組成の例を表4に示す。本発明のインクジェット記録用インクの調製は、上記の方法で作製した分散体6を用い、表4に示すビヒクル成分と混合することによって、実施例1と同様に作製して評価した。
(4)耐擦性の測定
耐擦性の評価は、実施例1と同様に行なった。結果を表3に示す。
耐擦性の評価は、実施例1と同様に行なった。結果を表3に示す。
(5)ODの測定
実施例5のインクを用い、実施例1と同じ方法および同じ評価方法でODを測定した。ODの測定結果を表3に示す。
実施例5のインクを用い、実施例1と同じ方法および同じ評価方法でODを測定した。ODの測定結果を表3に示す。
(6)吐出安定性の測定
実施例5のインクを用い、実施例1と同じ方法および同じ評価方法で吐出安定性の測定を行なった。吐出安定性の測定結果を表3に示す。
実施例5のインクを用い、実施例1と同じ方法および同じ評価方法で吐出安定性の測定を行なった。吐出安定性の測定結果を表3に示す。
(実施例7)
(1)顔料分散体7の製造
顔料分散体7は、ピグメントレッド122(ジメチルキナクリドン顔料:クラリアント製)を用いて顔料分散体2と同様に作製した。実施例1と同じ方法で粒径を測定したところ80nmであった。
(1)顔料分散体7の製造
顔料分散体7は、ピグメントレッド122(ジメチルキナクリドン顔料:クラリアント製)を用いて顔料分散体2と同様に作製した。実施例1と同じ方法で粒径を測定したところ80nmであった。
(2)エマルジョンの作製
実施例2と同じエマルジョンHHおよびエマルジョンHLを用いた。
実施例2と同じエマルジョンHHおよびエマルジョンHLを用いた。
(3)インクジェット記録用インクの調製
以下、インクジェット記録用インクに好適な組成の例を表4に示す。本発明のインクジェット記録用インクの調製は、上記の方法で作製した分散体1を用い、表4に示すビヒクル成分と混合することによって、実施例1と同様に作製して評価した。
以下、インクジェット記録用インクに好適な組成の例を表4に示す。本発明のインクジェット記録用インクの調製は、上記の方法で作製した分散体1を用い、表4に示すビヒクル成分と混合することによって、実施例1と同様に作製して評価した。
(4)耐擦性の測定
耐擦性の評価は、実施例1と同様に行なった。結果を表3に示す。
耐擦性の評価は、実施例1と同様に行なった。結果を表3に示す。
(5)ODの測定
実施例5のインクを用い、実施例1と同じ方法および同じ評価方法でODを測定した。ODの測定結果を表3に示す。
実施例5のインクを用い、実施例1と同じ方法および同じ評価方法でODを測定した。ODの測定結果を表3に示す。
(6)吐出安定性の測定
実施例5のインクを用い、実施例1と同じ方法および同じ評価方法で吐出安定性の測定を行なった。吐出安定性の測定結果を表3に示す。
実施例5のインクを用い、実施例1と同じ方法および同じ評価方法で吐出安定性の測定を行なった。吐出安定性の測定結果を表3に示す。
(実施例8)
(1)顔料分散体8の製造
顔料分散体8は、ピグメントイエロー180(ベンズイミダゾロン系ジスアゾ顔料:クラリアント製)を用いて顔料分散体2と同様に作成した。実施例1と同じ方法で粒径を測定したところ130nmであった。
(1)顔料分散体8の製造
顔料分散体8は、ピグメントイエロー180(ベンズイミダゾロン系ジスアゾ顔料:クラリアント製)を用いて顔料分散体2と同様に作成した。実施例1と同じ方法で粒径を測定したところ130nmであった。
(2)エマルジョンの作製
実施例6と同じエマルジョンHHおよびエマルジョンHLを用いた。
実施例6と同じエマルジョンHHおよびエマルジョンHLを用いた。
(3)インクジェット記録用インクの調製
以下、インクジェット記録用インクに好適な組成の例を表4に示す。本発明のインクジェット記録用インクの調製は、上記の方法で作製した分散体1を用い、表4に示すビヒクル成分と混合することによって、実施例1と同様に作製して評価した。
以下、インクジェット記録用インクに好適な組成の例を表4に示す。本発明のインクジェット記録用インクの調製は、上記の方法で作製した分散体1を用い、表4に示すビヒクル成分と混合することによって、実施例1と同様に作製して評価した。
(4)耐擦性の測定
耐擦性の評価は、実施例1と同様に行なった。結果を表3に示す。
耐擦性の評価は、実施例1と同様に行なった。結果を表3に示す。
(5)ODの測定
実施例5のインクを用い、実施例1と同じ方法および同じ評価方法でODを測定した。ODの測定結果を表3に示す。
実施例5のインクを用い、実施例1と同じ方法および同じ評価方法でODを測定した。ODの測定結果を表3に示す。
(6)吐出安定性の測定
実施例5のインクを用い、実施例1と同じ方法および同じ評価方法で吐出安定性の測定を行なった。吐出安定性の測定結果を表3に示す。
実施例5のインクを用い、実施例1と同じ方法および同じ評価方法で吐出安定性の測定を行なった。吐出安定性の測定結果を表3に示す。
(参考例1)
参考例1は、実施例5において添加する高分子微粒子の分子量を90000にした以外は実施例5と同様にインクを作製して評価した。分子量が90000のエマルジョンをエマルジョンIH(EM−IH:ガラス転位温度が50℃以上)およびエマルジョンIL(FM−IL:ガラス転位温度が−10℃以下)とした。インク組成を表4に示す。耐擦性の測定、ODの測定および吐出安定性試験は実施例5と同様に行なった。結果を表3に示す。高分子微粒子の粒径の測定は実施例1と同じ方法で行なった。
参考例1は、実施例5において添加する高分子微粒子の分子量を90000にした以外は実施例5と同様にインクを作製して評価した。分子量が90000のエマルジョンをエマルジョンIH(EM−IH:ガラス転位温度が50℃以上)およびエマルジョンIL(FM−IL:ガラス転位温度が−10℃以下)とした。インク組成を表4に示す。耐擦性の測定、ODの測定および吐出安定性試験は実施例5と同様に行なった。結果を表3に示す。高分子微粒子の粒径の測定は実施例1と同じ方法で行なった。
(参考例2)
参考例2は、実施例5において添加する高分子微粒子の分子量を1100000にした以外は実施例5と同様にインクを作製して評価した。分子量が1100000のエマルジョンをエマルジョンJH(EM−JH:ガラス転位温度が50℃以上)およびエマルジョンJL(FM−JL:ガラス転位温度が−10℃以下)とした。インク組成を表4に示す。耐擦性の測定、ODの測定および吐出安定性試験は実施例5と同様に行なった。結果を表3に示す。高分子微粒子の粒径の測定は実施例1と同じ方法で行なった。
参考例2は、実施例5において添加する高分子微粒子の分子量を1100000にした以外は実施例5と同様にインクを作製して評価した。分子量が1100000のエマルジョンをエマルジョンJH(EM−JH:ガラス転位温度が50℃以上)およびエマルジョンJL(FM−JL:ガラス転位温度が−10℃以下)とした。インク組成を表4に示す。耐擦性の測定、ODの測定および吐出安定性試験は実施例5と同様に行なった。結果を表3に示す。高分子微粒子の粒径の測定は実施例1と同じ方法で行なった。
(参考例3)
参考例3は、実施例6において1、2−アルキレングリコールとしての1、2−ヘキサンジオールをグリセリンに置換した以外は実施例6と同様にインクを作製して評価した。インク組成を表4に示す。耐擦性の測定、OD・彩度の測定および吐出安定性試験は実施例6と同様に行なった。結果を表3に示す。
参考例3は、実施例6において1、2−アルキレングリコールとしての1、2−ヘキサンジオールをグリセリンに置換した以外は実施例6と同様にインクを作製して評価した。インク組成を表4に示す。耐擦性の測定、OD・彩度の測定および吐出安定性試験は実施例6と同様に行なった。結果を表3に示す。
(参考例4)
参考例4は、実施例7おいて、アセチレングリコール系の界面活性剤およびアセチレンアルコール系界面活性剤をグリセリンに置換した以外は実施例7と同様にインクを作製して評価した。インク組成を表4に示す。耐擦性の測定、OD・彩度の測定および吐出安定性試験は実施例6と同様に行なった。結果を表3に示す。
参考例4は、実施例7おいて、アセチレングリコール系の界面活性剤およびアセチレンアルコール系界面活性剤をグリセリンに置換した以外は実施例7と同様にインクを作製して評価した。インク組成を表4に示す。耐擦性の測定、OD・彩度の測定および吐出安定性試験は実施例6と同様に行なった。結果を表3に示す。
(参考例5)
参考例5は、実施例8において、添加する高分子微粒子(エマルジョンHHおよびエマルジョンHLの合計量)の量を両方同じ比率で、対顔料比で80%にした以外は実施例8と同様にインクを作製して評価した。インク組成を表4に示す。耐擦性の測定、OD・彩度の測定および吐出安定性試験は実施例6と同様に行なった。結果を表3に示す。
参考例5は、実施例8において、添加する高分子微粒子(エマルジョンHHおよびエマルジョンHLの合計量)の量を両方同じ比率で、対顔料比で80%にした以外は実施例8と同様にインクを作製して評価した。インク組成を表4に示す。耐擦性の測定、OD・彩度の測定および吐出安定性試験は実施例6と同様に行なった。結果を表3に示す。
(参考例6)
参考例6は、実施例8において、添加する高分子微粒子(エマルジョンHHおよびエマルジョンHLの合計量)の量を両方同じ比率で、対顔料比で50%にした以外は実施例8と同様にインクを作製して評価した。インク組成を表4に示す。耐擦性、OD・彩度の測定および吐出安定性試験は実施例6と同様に行なった。結果を表3に示す。
参考例6は、実施例8において、添加する高分子微粒子(エマルジョンHHおよびエマルジョンHLの合計量)の量を両方同じ比率で、対顔料比で50%にした以外は実施例8と同様にインクを作製して評価した。インク組成を表4に示す。耐擦性、OD・彩度の測定および吐出安定性試験は実施例6と同様に行なった。結果を表3に示す。
(比較例7−1、比較例7−2、比較例7−3、参考例7−4、参考例7−5および参考例7−6)
比較例7−1、比較例7−2、比較例7−3、参考例7−4、参考例7−5および参考例7−6は、実施例8において、添加する高分子微粒子(エマルジョンHHおよびエマルジョンHLの合計量)の添加量を0%(比較例7−1)、5%(比較例7−2)、7%(比較例7−3)、8%(参考例7−4)、9%(実施例8)、11%(参考例7−5)および15%(参考例7−6)にした以外は実施例8と同様にインクを作製して評価した。インク組成を表4に示す。耐擦性、OD・彩度の測定および吐出安定性試験は実施例6と同様に行なった。結果を表5に示す。
比較例7−1、比較例7−2、比較例7−3、参考例7−4、参考例7−5および参考例7−6は、実施例8において、添加する高分子微粒子(エマルジョンHHおよびエマルジョンHLの合計量)の添加量を0%(比較例7−1)、5%(比較例7−2)、7%(比較例7−3)、8%(参考例7−4)、9%(実施例8)、11%(参考例7−5)および15%(参考例7−6)にした以外は実施例8と同様にインクを作製して評価した。インク組成を表4に示す。耐擦性、OD・彩度の測定および吐出安定性試験は実施例6と同様に行なった。結果を表5に示す。
(比較例8−1、比較例8−2、参考例8−3および参考例8−4)
比較例8−1、比較例8−2、参考例8−3および参考例8−4は、実施例8において、添加する高分子微粒子(エマルジョンHH)を作製するときに用いるスチレン150部とラウリルアクリレート6部の比を変えることで、ガラス転位温度(Tg)を、30℃(エマルジョンM(EM−M))(比較例8−1)、45℃(エマルジョンN(EM−N))(比較例8−2)、50℃(エマルジョンO(EM−O))(参考例8−3)、61℃(実施例8)および72℃(エマルジョンP(EM−P))(参考例8−4)にし、添加する高分子微粒子(エマルジョンHL)を作製するときに用いるエチルヘキシルアクリレート90部とエチルアクリレート80部の比を変えることで、ガラス転位温度(Tg)を20℃(エマルジョンLI(EM−LI))(比較例8−1)、5℃(エマルジョンLJ(EM−LJ))(比較例8−2)、−5℃(エマルジョンLK(EM−LK))(参考例8−3)、−21℃(実施例8)および−24℃(エマルジョンLL(EM−LL))(参考例8−4)にした以外は実施例8と同様にインクを作製して評価した。インク組成を表5に示す。耐擦性、OD・彩度の測定および吐出安定性試験は実施例8と同様に行なった。結果を表5に示す。
比較例8−1、比較例8−2、参考例8−3および参考例8−4は、実施例8において、添加する高分子微粒子(エマルジョンHH)を作製するときに用いるスチレン150部とラウリルアクリレート6部の比を変えることで、ガラス転位温度(Tg)を、30℃(エマルジョンM(EM−M))(比較例8−1)、45℃(エマルジョンN(EM−N))(比較例8−2)、50℃(エマルジョンO(EM−O))(参考例8−3)、61℃(実施例8)および72℃(エマルジョンP(EM−P))(参考例8−4)にし、添加する高分子微粒子(エマルジョンHL)を作製するときに用いるエチルヘキシルアクリレート90部とエチルアクリレート80部の比を変えることで、ガラス転位温度(Tg)を20℃(エマルジョンLI(EM−LI))(比較例8−1)、5℃(エマルジョンLJ(EM−LJ))(比較例8−2)、−5℃(エマルジョンLK(EM−LK))(参考例8−3)、−21℃(実施例8)および−24℃(エマルジョンLL(EM−LL))(参考例8−4)にした以外は実施例8と同様にインクを作製して評価した。インク組成を表5に示す。耐擦性、OD・彩度の測定および吐出安定性試験は実施例8と同様に行なった。結果を表5に示す。
本発明は、発色性および安定性に優れ、またインクジェットヘッドからのインクの吐出安定性に優れるインクジェット記録用インクを提供できる。
Claims (9)
- 顔料を水に分散可能とした平均粒径が50nm以上300nm以下の分散体と、高分子微粒子とを含んでなるインクジェット記録用インクであって、
該高分子微粒子が、ガラス転位温度が50℃以上である高分子微粒子と、ガラス転位温度が−10℃以下でありかつ架橋構造を有する高分子微粒子との2種以上を含んでなり、
該2種以上の高分子微粒子各々の酸価が100mgKOH/g以下であり、該2種以上の高分子微粒子の合計量が8重量%以上であることを特徴とするインクジェット記録用インク。 - 前記2種以上の高分子微粒子がいずれも、70重量%以上のアルキル(メタ)アクリレートおよび/または環状アルキル(メタ)アクリレートから重合されたものであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用インク。
- 前記ガラス転位温度が−10℃以下でありかつ架橋構造を有する高分子微粒子が、さらに多官能不飽和化合物から重合されたものであることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録用インク。
- 前記アルキル(メタ)アクリレートおよび/または環状アルキル(メタ)アクリレートが、炭素数1〜24のアルキル(メタ)アクリレートおよび/または炭素数3〜24の環状アルキル(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項2または3に記載のインクジェット記録用インク。
- 前記分散体が、分散剤なしに水に分散可能とした平均粒径が50nm以上300nm以下の自己分散カーボンブラックであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク。
- 前記分散体が、有機顔料をポリマーを用いて水に分散可能とした平均粒径が50nm以上300nm以下であり、該ポリマーのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるスチレン換算重量平均分子量が10000以上200000以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク。
- 1、2−アルキレングリコールおよび/または炭素数4〜10のアルキル基を有するアルキレングリコールモノアルキルエーテルを1重量%以上含んでなることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク。
- 前記1、2−アルキレングリコールが、1、2−ヘキサンジオールおよび/または1、2−ペンタンジオールであることを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録用インク。
- アセチレングリコール系界面活性剤および/またはアセチレンアルコール系界面活性剤を含んでなることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク。
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