JP2010222266A - 抗菌剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ハロゲンと酸化チタン(IV)とを含み、前記ハロゲンの少なくとも一部が、前記酸化チタン(IV)と化学結合したハロゲン含有酸化チタン(IV)を含み、暗所でも抗菌活性を発現する抗菌剤組成物である。暗所でも抗菌活性を発現することから、本発明の抗菌剤組成物は、例えば、紫外線光源を備えない空質浄化装置及び/又は液質浄化装置及び/又は加湿装置の内部に配置して使用するフィルタや、暗所除菌モードを備える空質浄化装置及び/又は液質浄化装置及び/又は加湿装置の内部に配置して使用するフィルタ等に使用できる。
【選択図】なし
Description
本発明の抗菌剤組成物は、ハロゲンを含有する酸化チタン(IV)(以下、「ハロゲン含有酸化チタン(IV)」ともいう)を含む抗菌剤組成物であって、前記ハロゲンの少なくとも一部が、前記酸化チタン(IV)と化学結合し、かつ、少なくとも暗所で抗菌活性を発現させるための抗菌剤組成物である。本発明の抗菌剤組成物によれば、ハロゲンと化学結合した酸化チタン(IV)を有するハロゲン含有酸化チタン(IV)を含むため、従来、暗所でも抗菌活性を示すとされている銀、銅、亜鉛等の金属等を含まなくても、暗所において抗菌活性を発現できるという効果を好ましくは奏する。
合計の含有量=[(チタン(mol)+酸素(mol)+ハロゲン(mol))/(チタン(mol)+酸素(mol)+ハロゲン(mol)+その他原子(mol))]×100
ハロゲン含有量(モル)=(ハロゲン(mol))/(酸化チタン(mol))
フッ素含有酸化チタンにおけるフッ素の含有量は、暗所における抗菌活性の点から、1.25重量%〜4.0重量%であることが好ましく、より好ましくは1.25重量%以上2.5重量%未満である。また、本発明者等は、アナタース型酸化チタンとフッ素とを少なくとも含み、フッ素の含有量が2.5重量%〜3.5重量%であり、前記フッ素の90重量%以上が前記アナタース型酸化チタンと化学結合している酸化チタン光触媒が、高い光触媒活性を有することを見出している(国際公開第2008/132824号)。このため、暗所における抗菌活性のさらなる向上及び光触媒活性の点からは、2.5重量%〜4.0重量%が好ましく、より好ましくは2.5重量%〜3.5重量%である。
b(フッ素のモル含有量)=[Z*(X/100)]/[Y−(Y−8)*(X/100)]
a(酸素のモル含有量)=2−(b/2)
ヨウ素含有酸化チタンにおけるヨウ素の含有量は、抗菌活性向上の点からは、0.2重量%〜2.5重量%であることが好ましい。暗所における抗菌活性向上の点からは、0.3重量%〜2.0重量%が好ましく、0.35重量%〜1.0重量%がより好ましい。
臭素含有酸化チタンにおける臭素の含有量は、抗菌活性向上の点からは、0.2重量%〜2.5重量%であることが好ましい。暗所における抗菌活性向上の点からは、0.2重量%〜2.0重量%が好ましく、0.2重量%〜1.0重量%がより好ましい。
塩素含有酸化チタンにおける塩素の含有量は、抗菌活性向上の点からは、0.03重量%〜2.5重量%であることが好ましい。暗所における抗菌活性向上の点からは、0.038重量%〜2.0重量%未満が好ましく、0.045重量%〜1.0重量%がより好ましい。
本発明の抗菌剤組成物は、例えば、n−ブチルアミンの吸着量が8μmol/g以下である酸化チタン(IV)の水分散液とハロゲン化合物とを混合し、前記混合液中で前記酸化チタン(IV)と前記ハロゲン化合物とを反応させることによって、ハロゲンの少なくとも一部が酸化チタン(IV)と化学結合しているハロゲン含有酸化チタン(IV)を得る工程を含む製造方法により製造することができる。得られるハロゲン含有酸化チタン(IV)におけるハロゲンと酸化チタンの結合性及びハロゲンの水への溶出量の点からは、前記酸化チタン(IV)とハロゲン化合物との混合液のpHが3を超えた場合は酸を用いてpHを3以下に調整して反応させることを含むことが好ましく、より好ましくは前記反応させて得られた反応物を洗浄することを含むことである。
チタニル硫酸水溶液を80℃〜100℃の温度まで加熱し、加水分解して得られる白色沈殿物のスラリー状水溶液を冷却した後、得られた白色沈殿スラリー(酸化チタンの水性分散液)のpHが7.5〜9.5の範囲になるまでアンモニア水にてpH調整し、これをろ過する。そして、得られたろ過物を水洗して十分に不純物の塩類を除去する。得られたろ過物からなるケーキを純水に再分散させることで、酸化チタン(IV)の水分散液を得ることができる。
チタニル硫酸水溶液へアンモニア水を添加した後、得られた酸化チタン(IV)の水性分散液のpHが7.5〜9.5の範囲になるまでアンモニア水にてpH調整し、これをろ過する。そして、得られたろ過物を水洗して十分に不純物の塩類を除去する。得られたろ過物からなるケーキを100℃で加熱、熟成させて、これを純水に再分散させることで、酸化チタン(IV)の水分散液を得ることができる。
四塩化チタン水溶液を加熱して加水分解し、得られた白色沈殿スラリー(酸化チタンの水性分散液)のpHが7.5〜9.5の範囲になるまでアンモニア水にてpH調整し、これをろ過する。そして、得られたろ過物を水洗して十分に不純物の塩類を除去する。得られたろ過物からなるケーキを80℃〜100℃の温度まで加熱、熟成させて、これを純水に再分散させることで、酸化チタン(IV)の水分散液を得ることができる。
チタンテトラアルコキシドを溶媒中で加水分解し、得られた沈殿物の懸濁液(酸化チタンの水性分散液)のpHが7.5〜9.5の範囲になるまでアンモニア水にてpH調整し、これをろ過する。そして、得られたろ過物を水洗して十分に不純物の塩類を除去する。得られたろ過物からなるケーキを80℃〜100℃の温度まで加熱し、熟成させて、これを純水に再分散させることで、酸化チタン(IV)の水分散液を得ることができる。
本発明は、さらに、本発明の抗菌剤組成物を抗菌被対象物に接触させること、及び、抗菌剤組成物と接触させた前記抗菌被対象物を暗所において抗菌することを含む抗菌方法に関する。本発明の抗菌方法によれば、暗所や紫外光がほとんど照射されない室内であっても、抗菌被対象物を抗菌することができるという効果を好ましくは奏する。抗菌被対象物との接触としては、例えば、溶液又は分散液の状態の抗菌剤組成物を塗布又は噴霧(スプレー)すること等が挙げられる。被対象物としては、例えば、インテリア用品、衣料類、寝装品、キッチンやトイレ、風呂、洗面所などのサニタリー用品、空調設備、衛生設備及び日用品等が挙げられる。また、抗菌対象は、上述の抗菌活性の対象と同様である。
本発明は、さらに、ハロゲンを含有する酸化チタン(IV)と水系溶媒を含む抗菌剤組成物を用いた抗菌処理方法であって、前記ハロゲンの少なくとも一部が、前記酸化チタン(IV)と化学結合し、かつ、少なくとも暗所で抗菌活性を備えている抗菌剤組成物により、抗菌作用を発現させることを特徴とした抗菌処理方法に関する。本発明の抗菌処理方法によれば、加湿機の水タンク、エアコンのドレンパン、浴室乾燥機の内部、冷却機、冷蔵庫の内部、洗濯機の内部、水道管、配水管等の光(特に、紫外光)がほとんど照射されない部位における菌やカビの増殖を抑制できる。水系溶媒は、上述のとおりである。
1.フッ素含有酸化チタン(IV)の調製
酸化チタン(IV)(商品名:SSP−25、堺化学工業株式会社製、アナタース型、粒径:5〜10nm、比表面積:270m2/g以上)の濃度が150g/Lとなるように酸化チタン(IV)に純水を加え、これを撹拌して酸化チタン(IV)分散液を調製した。この酸化チタン(IV)分散液に、酸化チタン(IV)に対してフッ素(元素)に換算して3重量%に相当するフッ化水素酸(和光純薬社製、特級)を添加し、pH3に保持しながら25℃で60分間反応させたのち、水洗した。水洗は、反応物を濾過して回収される濾液の電気伝導度が1mS/cm以下となるまで行った。そして、これを空気中において130℃で5時間乾燥させてフッ素含有酸化チタン(IV)を調製した。なお、濾液(25℃)の電気伝導度は、堀場製作所製pH/cond meter,D−54型(商品名)を用いて測定した。
[フッ素含有量]
吸光光度分析法(JIS K 0102)により、フッ素含有酸化チタン(IV)中のフッ素含有量を求めたところ、2.3重量%であった。また、酸化チタン(IV)1モルに対してフッ素は0.098モルであった。
フッ素含有酸化チタン(IV)を光電子分光分析装置で分析したところ、F1sのピークトップが683eV〜686eVの範囲となるスペクトルを示した。つまり、得られたフッ素含有酸化チタン(IV)において、酸化チタン(IV)とフッ素とがイオン結合していることが確認できた。
酸化チタン(IV)を粉末X線回折装置(使用電極:銅電極)で分析したところ、回折角度2θ=25.5度において回折ピークが現れた。つまり、得られたフッ素含有酸化チタン(IV)はアナタース型酸化チタンであった。
得られたフッ素含有酸化チタン(IV)0.1gを純水100mlに懸濁させ、超音波を15分間照射後、遠心分離を行った。その上澄み液を、共立理化学研究所製のパックテスト(登録商標)を用いて比色分析を行い、溶出したフッ素イオンの量を測定した。この溶出量から酸化チタン(IV)と化学結合したフッ素の割合を求めたところ、95重量%であった。
10mm径の成型用金型を用い、フッ素含有酸化チタン(IV)の粉末1gに1t/cm2の荷重がかかるようにプレスにて圧力を加えて、10mm径のペレットに成型した。この成型ペレットを破断して平らな面を持つ破断小片を作製し、この小片を測定試料台の上に両面テープで固定した。これを、真空中で1日放置した後、光電子分光分析装置(島津製作所製ESCA−850型、X線源:MgKα)を用い、8kV、30mAの条件にて、チタン(Ti)の2p軌道、フッ素(F)の1s軌道及び炭素(C)の1s軌道から放出される光電子スペクトルを測定した。そして、Cの1s軌道の測定値を284.8eVとして、Tiの2p軌道及びFの1s軌道の測定から得られたスペクトルのエネルギー補正を行った。その補正後の値をそのスペクトルの結合エネルギーとし、Fの1s軌道のスペクトル面積より求められるFの原子数をNF、Tiの2p軌道のスペクトル面積より求められるTiの原子数をNTiとした。以下の計算式を用いて表面F比率を算出したところ、0.07であった。
表面F比率=NF×19.0/(NTi×47.9)
参考例1として、15Wブラックライト(1mW/cm2、365nm)で紫外線光照射を行った以外は、同様にして抗菌効果試験を行った。これらの結果を図1に示す。
比較例1として、フッ素含有酸化チタンに替えて、ハロゲンを含まず光触媒活性を有するアナタース型酸化チタン(商品名:SSP−25、堺化学工業株式会社製)を使用してフィルタを作成した以外は、実施例1と同様にして抗菌効果試験を行った。その結果を図1に示す。
比較例2として、フッ素含有酸化チタンに替えて、ハロゲンを含まず光触媒活性を有するアナタース型酸化チタン(商品名:SSP−25)を使用してフィルタを作成した以外は、参考例1と同様にして抗菌効果試験を行った。その結果を図1に示す。
比較例3として、フッ素含有酸化チタンに替えて、ハロゲンを含まず弱い光触媒活性を有するルチル型酸化チタン(商品名:STR−100N、堺化学工業株式会社製)を使用してフィルタを作成した以外は、実施例1と同様にして抗菌効果試験を行った。その結果を図1に示す。
比較例4として、フッ素含有酸化チタンに替えて、ハロゲンを含まず弱い光触媒活性を有するルチル型酸化チタン(商品名:STR−100N)を使用してフィルタを作成した以外は、参考例1と同様にして抗菌効果試験を行った。その結果を図1に示す。
大腸菌に替えて黄色ブドウ球菌(NBRC12732)を使用し、その初期菌数を1×106.8cfu/mlとした以外は実施例1と同様の評価を行った。
参考例2として、大腸菌に替えて黄色ブドウ球菌(NBRC12732)を使用し、その初期菌数を1×106.8cfu/mlとした以外は参考例1と同様の評価を行った。これらの結果を図2に示す。
比較例5として、フッ素含有酸化チタンに替えて、ハロゲンを含まず光触媒活性を有するアナタース型酸化チタン(商品名:SSP−25)を使用した以外は、実施例2と同様にして抗菌効果試験を行った。その結果を図2に示す。
比較例6として、フッ素含有酸化チタンに替えて、ハロゲンを含まず光触媒活性を有するアナタース型酸化チタン(商品名:SSP−25)を使用した以外は、参考例2と同様にして抗菌効果試験を行った。その結果を図2に示す。
比較例7として、フッ素含有酸化チタンに替えて、ハロゲンを含まず弱い光触媒活性を有するルチル型酸化チタン(商品名:STR−100N)を使用した以外は、実施例2と同様にして抗菌効果試験を行った。その結果を図2に示す。
比較例8として、フッ素含有酸化チタンに替えて、ハロゲンを含まず弱い光触媒活性を有するルチル型酸化チタン(商品名:STR−100N)を使用した以外は、参考例2と同様にして抗菌効果試験を行った。その結果を図2に示す。
実施例1のフッ素含有酸化チタン(フッ素含有量:2.3重量%)をPBS(りん酸緩衝生理食塩水)に分散させて、フッ素含有酸化チタン濃度(10、100、1000及び10000mg/l)の抗菌剤組成物(pH7〜8(PBSの緩衝作用のため))を調製した。大腸菌(E.coli NBRC3972)を抗菌剤組成物に添加し、初期菌数を1×105cfu/mlに調製した。ついで、光を照射させることなく、37℃で24時間振とう培養し、その抗菌性を評価した。抗菌性は、濃度が異なる抗菌剤組成物とブランクとの24時間後における菌数を比較し、ブランクに対して2LOG低くなるハロゲン含有酸化チタンの濃度(100分の1になる濃度)を計算で求めて評価した。その結果、フッ素含有酸化チタンの抗菌性は、5776mg/lであった。なお、抗菌剤組成物を添加しない以外は、同様に、光を照射させることなく、37℃で24時間振とう培養したものをブランクとした。
比較例9として、フッ素含有酸化チタンに替えて、ハロゲンを含まず光触媒活性を有するアナタース型酸化チタン(商品名:SSP−25)を使用した以外は、それぞれ、実施例3と同様に行った。その結果、ハロゲンを含まず光触媒活性を有するアナタース型酸化チタンを含む抗菌剤組成物を使用した比較例9では、酸化チタンの濃度を10000mg/lまで高くしても、ブランクに対して2LOG低い値をとることができず、暗所での抗菌性を示さないことがわかった。
実施例1の「1.フッ素含有酸化チタンの調製」における「3重量%に相当するフッ化水素酸」に替えて「5重量%に相当するフッ化水素酸」又は「32重量%に相当するヨウ化水素酸」を使用した以外は、同様の手順でフッ素含有酸化チタン(IV)又はヨウ素含有酸化チタン(IV)を調製した。得られたフッ素含有酸化チタン(IV)におけるフッ素含有量、及び、ヨウ素含有酸化チタン(IV)におけるヨウ素含有量は下記表1に示すとおりであった。
比較例10として、フッ素含有酸化チタンに替えてハロゲンを含まず光触媒活性を有するアナタース型酸化チタン(商品名:SSP−25)を使用した以外は、それぞれ、実施例4と同様に行った。その結果、下記表1に示すように暗所における抗菌性は得られなかった。
実施例1の「1.フッ素含有酸化チタンの調製」におけるフッ化水素酸の濃度を変化させた以外は同様の手順でフッ素含有量の異なる5種類のフッ素含有酸化チタン(フッ素含有量:1.25、1.5、2、2.5、3重量%)を調製した。得られたそれぞれのフッ素含有酸化チタンを、1/500NB液に分散させて、フッ素含有酸化チタン濃度(62.5.125、250、500及び1000mg/l)の抗菌剤組成物を調製した。大腸菌(E.coli NBRC3972)を抗菌剤組成物に添加し、初期菌数を2.9×104cfu/mlに調整した。ついで、光を照射させることなく、37℃で24時間振とう培養し、実施例3と同様に抗菌性を求めた。その結果を、図3に示す。なお、抗菌剤組成物を含まないブランクの24時間後の菌数は4.5×106cfu/ml(Log菌数:6.65)であった。
比較例11として、フッ素含有酸化チタンに替えて、ハロゲンを含まず光触媒活性を有するアナタース型酸化チタン(商品名:SSP−25)を使用した以外は、実施例6と同様に行った。その結果を図3に示す。
実施例1の「1.フッ素含有酸化チタンの調製」におけるフッ化水素酸をフッ化アンモニウムに変え、pH条件を0〜3の範囲で反応させた以外は同様の手順で3種類のフッ素含有酸化チタンを調製した。また、実施例1の「1.フッ素含有酸化チタンの調製」におけるフッ化水素酸の濃度を変化させた以外は同様の手順でフッ素含有酸化チタンを調製した(フッ素含有量:3重量%)。得られたフッ素含有酸化チタンを、それぞれ、1/500NB液に分散させて、フッ素含有酸化チタンの濃度が異なる62.5〜1000mg/lの濃度の抗菌剤組成物を調製した。大腸菌(E.coli NBRC3972)を抗菌剤組成物に添加し、初期菌数を2.9×104cfu/mlに調製した。ついで、光を照射させることなく、37℃で24時間振とう培養し、実施例3と同様に抗菌性を求めた。その結果を、図5に示す。なお、抗菌剤組成物を含まないブランクの24時間後の菌数は4.5×106cfu/ml(Log菌数が6.65)であった。
比較例12として、フッ素含有酸化チタンに替えて、ハロゲンを含まず光触媒活性を有するアナタース型酸化チタン(商品名:SSP−25)を使用した以外は、実施例7と同様に行った。その結果を図5に示す。
実施例6及び7で作成したフッ素含有酸化チタンを1/500NB液と混合し、得られた抗菌剤組成物のpHを測定した。このときの抗菌剤組成物におけるフッ素含有酸化チタンの濃度は250mg/lに設定した。実施例6及び7の結果から、以下の式を用いて抗菌活性値を求めた。
抗菌活性値=log(ブランクの菌数(24時間後)/フッ素含有酸化チタンの菌数(24時間後))
酸化チタン(IV)(商品名:SSP−25、堺化学工業株式会社製、アナタース型、粒径:5〜10nm、比表面積:270m2/g以上)の濃度が150g/Lとなるように酸化チタン(IV)に純水を加え、これを撹拌して、酸化チタン(IV)分散液を調製した。この酸化チタン(IV)分散液に、酸化チタン(IV)に対してフッ素(元素)に換算して5重量%に相当するフッ化アンモニウム(和光純薬社製、特級)を添加し、25℃で60分間撹拌して、この混合物を磁性皿で空気中において130℃で5時間乾燥させてフッ素含有酸化チタン(IV)を調製した。
Claims (12)
- ハロゲンを含有する酸化チタン(IV)を含む抗菌剤組成物であって、
前記ハロゲンの少なくとも一部が前記酸化チタン(IV)と化学結合し、かつ、少なくとも暗所で抗菌活性を発現させるための抗菌剤組成物。 - 前記ハロゲンが、酸化チタン(IV)1モルに対して0.0007〜0.17モルである、請求項1記載の抗菌剤組成物。
- 前記ハロゲン含有酸化チタン(IV)におけるチタン、酸素及びハロゲンの合計の含有量が、96モル%以上である、請求項1又は2に記載の抗菌剤組成物。
- 前記ハロゲンが、フッ素であり、前記ハロゲン含有酸化チタンにおけるフッ素の含有量が、1.25重量%以上2.5重量%未満である、請求項1から3のいずれか一項に記載の抗菌剤組成物。
- 前記ハロゲン含有酸化チタン(IV)が、組成式Ti(IV)OaFb(但し、0.053≦b≦0.17であり、2.026≦(a+b)≦2.086)で表されるハロゲン含有酸化チタンである、請求項1から4のいずれか一項に記載の抗菌剤組成物。
- 前記ハロゲンが、塩素、臭素及びヨウ素からなる群から選択される少なくとも一つである、請求項1又は2に記載の抗菌剤組成物。
- さらに、水系溶媒を含み、pHが1〜8である、請求項1から6のいずれか一項に記載の抗菌剤組成物。
- フッ素を含有する酸化チタン(IV)を含む抗菌剤組成物であって、
酸化チタン(IV)とフッ素化合物と水系溶媒との混合物であり、
前記酸化チタン(IV)の少なくとも一部と、前記フッ素化合物におけるフッ素の少なくとも一部とが化学結合したフッ素を含有する酸化チタン(IV)を含み、かつ、少なくとも暗所で抗菌活性を発現させるための抗菌剤組成物。 - 暗所での抗菌のために用いられるものである旨の表示を付した、請求項1から8のいずれか一項に記載の抗菌剤組成物。
- 紫外線光源を備えない空質浄化装置及び/又は液質浄化装置及び/又は加湿装置の内部に配置して使用するフィルタに使用するための、請求項1から9のいずれか一項に記載の抗菌剤組成物。
- 光照射光源をオフにした状態での除菌モードを備える空質浄化装置及び/又は液質浄化装置及び/又は加湿装置の内部に配置して使用するフィルタに使用するための、請求項1から9のいずれか一項に記載の抗菌剤組成物。
- ハロゲンを含有する酸化チタン(IV)と水系溶媒を含む抗菌剤組成物を用いた抗菌処理方法であって、
請求項1から8のいずれか一項に記載の抗菌剤組成物により、抗菌作用を発現させる抗菌処理方法。
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