JP4964331B2 - 抗菌性消臭剤の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は抗菌性消臭剤に関し、特に、樹脂、塗料、繊維、皮革、家具類、化粧品などに添加または塗布して抗菌効果、消臭効果、防黴効果を発揮する抗菌性消臭剤に関するものである。
従来、例えば、特開平2−225402号公報(特許文献1)等には、ゼオライトやシリカゲル、酸化チタンなどの粉末に抗菌性を有する金属成分を担持した抗菌性組成物が知られている。
しかしながら、従来公知の粉末状の抗菌性組成物には、次のような問題点があった。
(1)樹脂、塗料、繊維、皮革、化粧品などに添加したときの分散性が悪い。
(2)抗菌性が効果的に発現しにくく、所望の抗菌活性を得るためには、多量の抗菌性組成物を添加する必要がある。
(3)添加量が多くなると粉末の凝集が生じ易く、また、金属成分の含有量も多くなるので、銀などの抗菌性金属成分を用いた組成物では変色が起こる。
(4)繊維の原料樹脂に抗菌性組成物を混合して紡糸する場合には、粒子径の大きい粉末状の組成物では糸切れを引き起こす原因となる。
(5)樹脂などの材料の表面に粉末状の抗菌性組成物を含有する塗料を塗布して塗膜を形成し、抗菌性を付与する場合には、塗膜が厚くなり膜強度の低下を生じ、また、剥離が起きやすい。さらに透明性が要求される場合には適用できない。
(6)皮革などの表面に粉末状の粉末状の抗菌性組成物を含有する塗料を塗布して塗膜を形成しても剥離が生じやすく、風合いや色合いの問題が生じる。
そこで、本願の発明者等は特開平3−275627号公報(特許文献2)により、無機のオキソ酸の塩の金属イオンを、抗菌性を有する金属イオンでイオン交換してなる新規な抗菌性組成物を提案したが、前述の問題点を解決する上で必ずしも満足のいくものではなかった。
また、特開平1−258792号公報(特許文献3)には、アルミナゾル中の酸化アルミニウムの表面に、抗菌作用を有する金属又はその化合物が付着した抗菌性を有するアルミナゾルを含有する抗菌剤が提案されている。当該発明はアルミナゾルの有する塗膜形成機能を利用して、上記問題点(5)を解消したもののようであるが、(1)〜(4)に掲げた問題点は依然として残されていた。
さらに、特開平4−321628号公報(特許文献4)には、抗菌性の高い銀コロイド粒子からなる抗菌剤が提案されているが、該コロイド溶液は灰褐色に着色しており、透明性に欠け、また、銀成分そのものがコロイド粒子であるため、凝集し易く安定性に欠けるという問題点を有している。
そこで、本発明者等は、前述の粉末状の抗菌性組成物あるいは消臭剤組成物に特有な問題点を解決するために、特開平6−80527号公報(特許文献5)および特開平7−33616号公報(特許文献6)において、新規な抗菌性無機酸化物コロイド溶液からなる抗菌剤を提案した。
これらの発明により(1)〜(6)に掲げた問題点はある程度解決したものの、消臭性能が不充分な場合があり、このため、用途によってはさらに充分な消臭性能を有する抗菌性消臭剤が求められている。特に、生活環境、住環境の面で、シックハウス症候群等が問題視され、ダニ、ノミ等を駆除できるほか、アルデヒド、トルエン、キシレン等の臭気性の有機化合物を分解したり、喫煙に伴って発生する一酸化炭素ガスなどの有害ガス、タールなどの有機物等を除去できることが求められている。
特開平2−225402号公報 特開平3−275627号公報 特開平1−258792号公報 特開平4−321628号公報 特開平6−80527号公報 特開平7−33616号公報
本発明者等は鋭意検討した結果、抗菌剤を構成する酸化チタンとシリカおよび/またはジルコニアとからなる無機酸化物において、酸化チタンが結晶性酸化チタン、特にアナタース型酸化チタンである場合に抗菌性能と共に優れた光触媒作用、消臭効果を発現することを見出して本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、前記(1)〜(6)の問題点を解決し、抗菌性能を有するとともに高い消臭性能を有する抗菌性消臭剤を提供することを発明が解決しようとする課題としている。
本発明に係る第1の抗菌性消臭剤は、金属成分と該金属成分以外の無機酸化物とから構成される無機酸化物微粒子であって、前記無機酸化物が酸化チタンとシリカおよび/またはジルコニアとを含んでなり、該酸化チタンが結晶性酸化チタンであることを特徴としている。
前記無機酸化物微粒子中の金属成分の含有量は、酸化物に換算して0.1〜30重量%の範囲にあることが好ましい。
前記無機酸化物微粒子の平均粒子径が2〜500nmの範囲にあることが好ましい。
本発明に係る第2の抗菌性消臭剤は、金属成分と該金属成分以外の無機酸化物とから構成される無機酸化物微粒子が分散してなる無機酸化物微粒子分散液であって、前記無機酸化物が酸化チタンとシリカおよび/またはジルコニアとを含んでなり、該酸化チタンが結晶性酸化チタンであることを特徴としている。
前記無機酸化物微粒子中の金属成分の含有量は、酸化物に換算して0.1〜30重量%の範囲にあることが好ましい。
前記無機酸化物微粒子の平均粒子径が2〜500nmの範囲にあり、無機酸化物微粒子の濃度が酸化物に換算して1〜20重量%の範囲にあることが好ましい。
前記無機酸化物微粒子は無機酸化物のコロイド微粒子であることが好ましい。
本発明に係る無機酸化物微粒子分散液からなる抗菌性消臭剤の製造方法は、オルソチタン酸のゲルおよび/またはゾルに過酸化水素を添加してペルオキソチタン酸水溶液を得、金属成分の水溶液とケイ素化合物および/またはジルコニウム化合物を添加し、50℃以上で加熱処理して無機酸化物微粒子前駆体分散液を調製し、ついで、必要に応じてケイ素化合物および/またはジルコニウム化合物を添加した後、120〜280℃で水熱処理することを特徴とするものである。
また、本発明に係る無機酸化物微粒子からなる抗菌性消臭剤の製造方法は、前記得られた無機酸化物微粒子分散液を乾燥して無機酸化物微粒子粉末を得ることを特徴とするものである。
本発明に係る抗菌性消臭剤は、抗菌性能に加えて、優れた光触媒作用と高い消臭効果を有している。
以下、本発明の最良の形態について説明する。
[抗菌性消臭剤]
第1の抗菌性消臭剤
本発明に係る第1の抗菌性消臭剤は、金属成分と該金属成分以外の無機酸化物とから構成される無機酸化物微粒子であって、前記無機酸化物が酸化チタンとシリカおよび/またはジルコニアとを含んでなり、該酸化チタンが結晶性酸化チタンであることを特徴としている。
無機酸化物微粒子
本発明において無機酸化物微粒子は、金属成分と金属成分以外の無機酸化物とから構成されている。
金属成分
本発明において金属成分としては抗菌機能と消臭機能を有する金属成分が用いられ、金属成分は、後述する無機酸化物との混合物または化合物の形で粒子を形成するか、あるいは、無機酸化物の粒子の表面に結合している。
このような金属成分としては、例えば、銀、銅、亜鉛、錫、鉛、ビスマス、カドミウム、クロム、水銀などが例示される。特に、銀、銅、亜鉛から選択される1種以上の金属成分は、抗菌機能、消臭機能、変色及び人体に対する安全性等の観点から好ましい。
抗菌性成分、消臭性成分としての銅イオンは青色を呈するが、銀イオンはそもそも無色である。しかし、銀イオンは光化学反応や酸化作用により金属銀の凝集体あるいは酸化物となり、褐色または黒色に変色する。特に紫外線の光化学反応による銀成分の変色を防止するためには、チタン、ジルコニウムなどを銀成分と組合わせて使用することが望ましい。これは、チタン、ジルコニウム等が紫外線吸収剤として作用して、銀成分の変色を防止する効果を有しているからである。
本発明に係る第1の抗菌性消臭剤(無機酸化物微粒子)中の金属成分の量は、固形分を基準として酸化物換算で0.1〜30重量%、さらには0.1〜15重量%の範囲にあることが望ましい。金属成分が0.1重量%よりも少ない場合は、抗菌性能と消臭性能が充分に発現しない場合がある。また、金属成分を酸化物換算で30重量%よりも多くしても、30重量%の場合と比較して抗菌性能、消臭性能に大差がなく、また、銀成分などを多く含む場合は変色することがある。
無機酸化物
次に、本発明において金属成分以外の無機酸化物は酸化チタンとシリカおよび/またはジルコニアとを含んで構成されている。
酸化チタンを含むことによって、光や熱などの外的エネルギーにより活性化し、消臭性能、光触媒活性が向上し、抗菌性能に優れた抗菌性消臭剤を得ることができる。
無機酸化物微粒子中の酸化チタンの含有量は50〜95重量%、さらには70〜90重量%の範囲にあることが好ましい。無機酸化物微粒子中の酸化チタンの含有量が50重量%未満の場合は、充分な消臭性能、光触媒活性が得られないことがある。無機酸化物微粒子中の酸化チタンの含有量が95重量%を越えると、後述するシリカおよび/またはジルコニアの含有量が少なすぎて安定性が低下し、無機酸化物微粒子分散液あるいは塗膜を形成するための塗布液中の無機酸化物微粒子が凝集することがあり、得られる塗膜の透明性が低下したり、剥離することがある。
また、シリカを含むことによって、安定性が向上し、無機酸化物微粒子分散液あるいは塗膜を形成するための塗布液中の無機酸化物微粒子が高分散し、得られる塗膜は基材との密着性、透明性に優れている。
無機酸化物微粒子中のシリカの含有量は0〜30重量%、さらには1〜20重量%の範囲にあることが好ましい。無機酸化物微粒子がシリカを含有しない場合は、ジルコニアの含有量にもよるが、安定性が不充分で、前記したように得られる塗膜の透明性が低下したり、剥離することがある。無機酸化物微粒子中のシリカの含有量が30重量%を越えても、さらに安定性が向上することもなく、酸化チタンの含有量が低下することによって消臭性能が低下する傾向にある。
また、ジルコニアを含むことによって、シリカと同様に安定性が向上するとともに、得られる抗菌性消臭剤の耐光性、耐候性が向上し、用いる金属成分の種類によっては、例えば銀などでは変色を抑制することができる。
無機酸化物微粒子中のジルコニアの含有量は0〜30重量%、さらには1〜20重量%の範囲にあることが好ましい。無機酸化物微粒子がジルコニアを含有しない場合は、シリカの含有量にもよるが、安定性が不充分で、前記したような抗菌性消臭剤の耐光性、耐光性が得られないことがあり、さらに、用いる金属成分の種類によっては変色を抑制できない場合がある。無機酸化物微粒子中のジルコニアの含有量が30重量%を越えても、さらに安定性が向上することもなく、また、さらに耐光性、耐候性が向上することもない。
前記酸化チタンは結晶性酸化チタンであり、特にアナタース型酸化チタンであることが好ましい。結晶性酸化チタンとしては、アナタース型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタンがある。
このような結晶性酸化チタンを含んでいると、光活性が向上するとともに高い消臭性能が得られる。特に、アナタース型酸化チタンは比較的低温の水熱処理で得ることができるとともに、得られる抗菌性消臭剤は消臭性能に優れている。
本発明の無機酸化物は更に、前記酸化チタン、シリカ、ジルコニア以外に、必要に応じてFe23、Sb25、WO3、SnO2、CeO2、MgO等を含んでいてもよい。このような酸化物を含んでいると、臭気の種類によっては消臭性能がさらに向上することがある。
前記無機酸化物微粒子の平均粒子径は2〜500nm、さらには3〜250nmの範囲にあることが望ましい。無機酸化物微粒子の平均粒子径が大きくなるにつれて、これを用いて形成した塗膜、あるいは無機酸化物微粒子を混合して調製した用途(抗菌性消臭剤)製品の透明性が悪くなる傾向にある。このため、無機酸化物微粒子の平均粒子径が500nm以下にあることが好ましい。
無機酸化物微粒子の平均粒子径が2nm未満の場合は、容易に凝集することがあり、分散性、安定性に優れた抗菌性消臭剤を調製することができなかったり、抗菌性消臭剤としての性能が充分発揮されない場合がある。
第2の抗菌性消臭剤
本発明に係る第2の抗菌性消臭剤は、金属成分と該金属成分以外の無機酸化物とから構成される無機酸化物微粒子が分散してなる無機酸化物微粒子分散液であって、前記無機酸化物が酸化チタンとシリカおよび/またはジルコニアとを含んでなり、該酸化チタンが結晶性酸化チタンであることを特徴としている。
無機酸化物微粒子としては前記した無機酸化物微粒子を用いることができる。
無機酸化物微粒子分散液中の無機酸化物微粒子の濃度は用途によって異なり、特に制限はないが、概ね、酸化物に換算して1〜20重量%、さらには1〜10重量%の範囲にあることが好ましい。無機酸化物微粒子の濃度が酸化物に換算して1重量%未満の場合は、濃度が低すぎて用途に制限があり、無機酸化物微粒子の濃度が酸化物に換算して20重量%を越えると、シリカおよび/またはジルコニアの含有量が少ない場合に安定性が不充分となることがある。
前記無機酸化物微粒子分散液中の無機酸化物微粒子は無機酸化物のコロイド微粒子であることが好ましい。すなわち、無機酸化物微粒子が同種の電荷に帯電し、互いに反発しながら安定に分散したコロイド溶液であることが好ましい。無機酸化物微粒子が無機酸化物コロイド微粒子であると、透明性に優れた抗菌性消臭剤が得られ、多くの透明性が要求される用途に好適に用いることができる。
[抗菌性消臭剤の製造方法]
続いて、上記した抗菌性消臭剤の好ましい製造方法について説明する。
本発明の抗菌性消臭剤である無機酸化物微粒子と無機酸化物微粒子分散液は、例えば、特開平5−132309号公報に記載された複合酸化物コロイド溶液の製造方法に準じて調製することができる。即ち、アルカリ金属、アンモニウムまたは有機塩基の珪酸塩と、アルカリ可溶の無機化合物と、抗菌性金属成分の水溶液とを、pH10以上のアルカリ水溶液中に同時に添加し、抗菌性金属成分を含有する無機酸化物コロイド粒子を生成させる。
抗菌性消臭剤の第1の製造方法
本発明に係る抗菌性消臭剤の好ましい製造方法では、先ず、特開昭63−270620号公報に記載された方法に準じて無定型の酸化チタンを含む複合体微粒子(無機酸化物微粒子前駆体)分散液を調製する。次いで高温で水熱処理し、結晶性酸化チタンを含む無機酸化物微粒子分散液とする。
具体的には、まず、従来公知の方法によってチタン化合物を加水分解してオルソチタン酸のゾルまたはゲルを調製する。オルソチタン酸のゲルは、例えば、チタン化合物として塩化チタン、硫酸チタン、硫酸チタニルなどのチタン塩を使用し、この水溶液にアルカリを加えて中和し、洗浄することによって得ることができる。また、オルソチタン酸のゾルは、チタン塩の水溶液をイオン交換樹脂に通して陰イオンを除去するか、あるいはチタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトライソプロポキシドなどのチタンアルコキシドの水および/または有機溶媒に酸またはアルカリを加えて加水分解することによって得ることができる。
中和あるいは加水分解する際のチタン化合物の溶液のpHは6〜13の範囲にあることが好ましい。チタン化合物溶液のpHが上記範囲にあると比表面積の高いオルソチタン酸のゲルまたはゾルが得られる。
この段階で得られたゲルまたはゾル中のオルソチタン酸粒子は、非晶質であることが好ましい。
次いで、オルソチタン酸のゲルまたはゾルあるいはこれらの混合物に過酸化水素を添加してオルソチタン酸のゲルまたはゾルを溶解してペルオキソチタン酸水溶液を調製する。
ペルオキソチタン酸水溶液を調製するに際しては、オルソチタン酸のゲルまたはゾルあるいはこれらの混合物を、必要に応じて約50℃以上、好ましくは60〜100℃の温度範囲で加熱し、攪拌することが好ましい。また、この際、オルソチタン酸の濃度が高くなり過ぎると、その溶解に長時間を必要とし、さらに未溶解のゲルが沈殿したり、あるいは得られるペルオキソチタン酸水溶液が粘調になることがある。このため、TiO2濃度としては、約10重量%以下であることが好ましく、さらに約5重量%以下であることが望ましい。
添加する過酸化水素の量は、H22/TiO2(オルソチタン酸はTiO2に換算)重量比で1以上であれば、オルソチタン酸を完全に溶解することができる。H22/TiO2重量比が1未満であると、オルソチタン酸が完全には溶解せず、未反応のゲルまたはゾルが残存することがある。また、H22/TiO2重量比は大きいほど、オルソチタン酸の溶解速度は大きく反応時間は短時間で終了するが、あまり過剰に過酸化水素を用いても、未反応の過酸化水素が系内に残存して経済的でない。このような量で過酸化水素を用いると、オルソチタン酸は0.5〜20時間程度で溶解する。
ついで、ペルオキソチタン酸水溶液に金属成分の水溶液とケイ素化合物および/またはジルコニウム化合物の水溶液あるいは分散液を添加し、50〜100℃の温度で加熱処理して無機酸化物微粒子前駆体分散液を調製する。
ペルオキソチタン酸水溶液の濃度は、酸化チタンに換算して0.1〜5重量%、さらには0.2〜3重量%の範囲にあることが好ましい。チタン酸水溶液の濃度が酸化チタンに換算して0.1重量%未満の場合は収率が低く、生産効率が低下する。チタン酸水溶液の濃度が酸化チタンに換算して5重量%を越えると、得られる無機酸化物微粒子前駆体粒子の粒子径が不均一であったり、凝集粒子となり、最終的に得られる抗菌性消臭剤の透明性や密着性の他、抗菌性能、消臭性能が不充分となることがある。
金属成分の水溶液としては銀、銅、亜鉛、錫、鉛、ビスマス、カドミウム、クロム、水銀等の硝酸塩、硫酸塩、塩化物、錯塩等の水溶液が挙げられる。このなかでは、酸化亜鉛、酸化銀あるいは酸化銅などをアンモニア水に溶解して得られる亜鉛、銀あるいは銅などのアンミン錯塩水溶液は好適に用いることができる。
金属成分の使用量は、最終的に得られる無機酸化物微粒子中の金属成分の含有量が酸化物に換算して0.1〜30重量%、さらには0.1〜15重量%の範囲となるように用いることが好ましい。
また、ケイ素化合物としては、酸化チタンと複合化することができ、分散性、分散安定性を向上することができ、最終的に得られる無機酸化物微粒子を構成する酸化チタンが結晶性酸化チタンであれば特に制限はなく、従来公知のケイ素化合物を用いることができる。例えば、テトラアルコキシシラン等の有機ケイ素化合物、珪酸アルカリの他、珪酸アルカリを脱アルカリして得られる酸性珪酸液、シリカゾル等が挙げられる。特に、シリカゾルは、最終的に得られる無機酸化物微粒子の分散性、分散安定性が高く、結晶性の高い結晶性酸化チタンを含んだ無機酸化物微粒子が得られるので好ましい。
ケイ素化合物の使用量は、最終的に得られる無機酸化物微粒子中の珪素の含有量が酸化物(シリカ)に換算して1〜30重量%、さらには2〜20重量%の範囲となるように用いることが好ましい。
また、ジルコニウム化合物としては、酸化チタンと複合化することができ、分散性、分散安定性に加えて耐光性、耐候性を向上することができ、最終的に得られる無機酸化物微粒子を構成する酸化チタンが結晶性酸化チタンであれば特に制限はなく、従来公知のジルコニウム化合物を用いることができる。例えば、テトラアルコキシジルコニウム等の有機ジルコニウム化合物、塩化ジルコニウム等のジルコニウム塩、ジルコニアゾル等が挙げられる。特に、ジルコニアゾルは、最終的に得られる無機酸化物微粒子の耐候性が高く、結晶性の高い結晶性酸化チタンを含んだ無機酸化物微粒子が得られるので好ましい。
ジルコニウム化合物の使用量は、最終的に得られる無機酸化物微粒子中のジルコニウムの含有量が酸化物(ジルコニア)に換算して1〜30重量%、さらには2〜20重量%の範囲となるように用いることが好ましい。
次に、前記加熱処理温度が50℃未満の場合は、得られる無機酸化物微粒子前駆体の安定性、分散安定性が不充分で、ついで水熱処理する際に無機酸化物微粒子前駆体が凝集する場合があり、加熱処理温度が100℃を越えると、金属成分の使用量によっては最終的に得られる無機酸化物微粒子の抗菌性能、消臭性能が不充分となることがある。
このようにして得られた無機酸化物微粒子前駆体分散液に、再度、ケイ素化合物および/またはジルコニウム化合物を添加した後、120〜280℃、好ましくは140〜250℃の温度で水熱処理する。また、このときの無機酸化物微粒子前駆体分散液の濃度は、酸化物に換算して0.1〜20重量%、さらには0.5〜10重量%の範囲にあることが好ましい。
ケイ素化合物および/またはジルコニウム化合物としては前記したと同様のものを用いることができ、なかでもシリカゾル、ジルコニアゾルは好適に用いることができる。ここで、ケイ素化合物および/またはジルコニウム化合物を用いると、結晶性酸化チタン含有粒子とするために高温で水熱処理しても無機酸化物微粒子前駆体が凝集することなく単分散した無機酸化物微粒子の抗菌性消臭剤を得ることができる。
ケイ素化合物および/またはジルコニウム化合物の使用量は、前記したと同様に、最終的に得られる無機酸化物微粒子中の珪素および/またはジルコニウムの含有量が酸化物に換算して1〜30重量%、さらには2〜20重量%の範囲となるように用いることが好ましい。
水熱処理温度が120℃未満の場合は、無機酸化物微粒子中の酸化チタンが結晶性にならず、抗菌性消臭剤の消臭性能、光触媒活性に伴う消臭性能が不充分となる。水熱処理温度が280℃を超えると金属成分の含有量によっては抗菌性能、消臭性能が不充分となることがある。
なお、水熱処理時間は、水熱処理温度によって異なり、得られる無機酸化物微粒子中に結晶性酸化チタンが認められれば特に制限はないが、概ね1〜48時間の範囲である。
抗菌性消臭剤の第2の製造方法
好ましい第2方法として、本願の出願人が先に出願した特開平6−80527号公報に記載した抗菌性無機酸化物コロイド溶液からなる抗菌剤の製造方法において、負の電荷を有する無機酸化物コロイド粒子が分散したコロイド溶液に金属成分の水溶液を添加した後、該コロイド溶液を60℃以上、好ましくは100〜200℃で加熱処理して無機酸化物微粒子前駆体分散液を調製し、ついで、必要に応じてケイ素化合物および/またはジルコニウム化合物を添加した後、第1の方法と同様に120〜280℃、好ましくは140〜250℃の温度で水熱処理する方法がある。
金属成分の水溶液としては、第1の方法と同様、銀、銅、亜鉛、錫、鉛、ビスマス、カドミウム、クロム、水銀等の硝酸塩、硫酸塩、塩化物、錯塩等の水溶液が挙げられる。なかでも、酸化亜鉛、酸化銀あるいは酸化銅などをアンモニア水に溶解して得られる亜鉛、銀あるいは銅などのアンミン錯塩水溶液は好適に用いることができる。
金属成分の使用量は、最終的に得られる無機酸化物微粒子中の金属成分の含有量が酸化物に換算して0.1〜30重量%、さらには0.1〜15重量%の範囲となるように用いることが好ましい。
ケイ素化合物および/またはジルコニウム化合物の種類および使用量は前記したと同様である。
上記方法で得られた無機酸化物微粒子分散液の分散媒である水は、限外濾過膜法等従来公知の方法により有機溶媒と置換して、有機溶媒を分散媒とする抗菌性無機酸化物コロイド溶液からなる抗菌性消臭剤とすることも可能である。有機溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、エチレングリコール等のグリコール類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、カルボン酸類およびN,N-ジメチルホルムアミド等を使用することができる。これらの有機溶媒は2種以上を混合して用いることもできる。
また、これらの無機酸化物微粒子分散液は、限外濾過膜法等公知の方法により所望の濃度に調整される。
このようにして本発明に係る第2の抗菌性消臭剤(無機酸化物微粒子分散液)を得ることができる。また、得られた無機酸化物微粒子分散液を適宜乾燥することによって本発明に係る第1の抗菌性消臭剤(無機酸化物微粒子粉末)を得ることができる。
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明する。
[実施例1]
抗菌性消臭剤(1)の調製
硫酸チタニル2水塩結晶(テイカ(株)製:TM結晶)6.25kgを水33.75kgに溶解した。ついで、濃度15重量%のアンモニア水をpHが約7になるまで加え、オルトチタン酸のゲルを調製し、濾過し、100kgの純水を掛けて洗浄した。洗浄したオルトチタン酸のゲルを水に分散させ全量160kgのスラリーとした。ついで、スラリーを50℃に昇温し、濃度35重量%の過酸化水素水12.32kgを加え、10分間撹拌した後、90℃に昇温し、2時間加熱処理してTiO2として濃度1.2重量%のペルオキソチタン酸水溶液を調製した。
別途、18.24gの硝酸銅Cu(NO32・3H2Oに水3648gを加えて、濃度0.5重量%の硝酸銅水溶液を調製した。次に、TiO2濃度が1重量%のペルオキソチタン酸水溶液4.0kgをビーカーに採取し、これを攪拌しながら温度を50℃に調製した。この時、pHは7.9であった。このペルオキソチタン酸水溶液に前記硝酸銅水溶液を10g/minの速度で添加した。硝酸銅水溶液の添加によりペルオキソチタン水溶液のpHが低下し始めたところで、陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製)をpH7.9を維持するように少量ずつ添加し、全硝酸銅水溶液の添加が終了するまで、この操作を継続した。陰イオン交換樹脂の全使用量は310gであり、また、ペルオキソチタン水溶液の最終pHは8.1であった。ついで、95℃で1時間加熱して無機酸化物微粒子前駆体分散液を調製した。
ついで、ペルオキソチタン酸水溶液を限外濾過膜でTiO2重量に対して200倍の水で洗浄した後、シリカゾル(触媒化成工業(株)製:SN−350、平均粒子径10nm、固形分濃度16重量%)62.5gを添加し、155℃で16時間水熱処理した後、濃縮し、固形分濃度10重量%の安定な銅担持無機酸化物微粒子(1)分散液を得た。
銅担持無機酸化物微粒子(1)分散液は1ケ月放置しても安定であった。無機酸化物微粒子(1)中の金属成分の酸化物換算の担持量、無機酸化物微粒子(1)の平均粒子径を測定し、結果を表1に示した。また、無機酸化物微粒子(1)分散液を抗菌性消臭剤(1)とし、抗菌性能、消臭性能および光触媒性能を評価し結果を表1に示した。
(1)抗菌性の評価
大腸菌試験:50mlのリン酸緩衝液に大腸菌(Escherichia coli IFO 3972)を懸濁させ、抗菌性消臭剤(1)0.1gを添加し、室温で1時間、330rpmで撹拌した後、生菌数(B)を測定した。
別途、上記において抗菌性消臭剤(1)を添加しない空試験として、大腸菌添加1時間後の生菌数(A)を測定し、増減値差(LogA−LogB)として評価し、結果を表1に示した。
なお、前記リン酸緩衝液とは、リン酸2水素カリウム34gを1000mlの精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpHを7.2に調製した液を濃度0.85重量%の塩化ナトリウム水溶液で800倍に希釈した溶液である。
黄色ぶどう球菌試験:大腸菌に代えて黄色ぶどう球菌(Staphylococcus aureuse IFO 12732)を用いた以外は(A)大腸菌試験と同様にして評価し、結果を表1に示した。
(2)消臭性能の評価
抗菌性消臭剤(1)を105℃で2時間乾燥した後、20℃、相対湿度65%で24時間湿度調整した。ついで、湿度調整した抗菌性消臭剤(1)粉末1gを5Lのテトラバッグに入れ、濃度14ppmのアセトアルデヒド臭気ガス3Lを封入し、2時間後に検知管(ガステック社製:92L)にてアセトアルデヒド濃度を測定し、アセトアルデヒドの減少率を消臭率として表1に示した。
(3)光触媒性能の評価
抗菌性消臭剤(1)を105℃で2時間乾燥した後、20℃、相対湿度65%で24時間湿度調整した。ついで、2本のブラックライト蛍光ランプ(東芝(株)製:FL20S-BLB)で紫外線を24時間照射した後、抗菌性消臭剤(1)粉末0.13gを5Lのテトラバッグに入れ、濃度100ppmのアセトアルデヒド臭気ガス3Lを封入し、5時間後に検知管(ガステック社製:92L)にてアセトアルデヒド濃度を測定し、アセトアルデヒドの減少率を消臭率として表1に示した。
(4)耐候性
ウエザーメーター(ガス試験機器(株)製)を用いて抗菌性消臭剤(1)粉末に100時間紫外線を照射して耐候試験を行い、変色度合いを観察した。
○・・・変色が見られないもの
△・・・変色が僅かに見られるもの
×・・・変色が見られるもの
(5)変色性
濃度1重量%に調製した抗菌性消臭剤(1)に10cm×10cmのガーゼを浸し、太陽光のもとで乾燥した。乾燥過程で紫外線のために遊離Agイオンが還元されてAgとなり、褐色乃至黒色に変化する度合いを観察した。
○・・・変色が見られないもの。
△・・・変色が僅かに見られるもの
×・・・変色が見られるもの。
[実施例2]
抗菌性消臭剤(2)の調製
実施例1において、水熱処理温度を200℃とした以外は同様にして固形分濃度10重量%の安定な銅担持無機酸化物微粒子(2)分散液を得た。
銅担持無機酸化物微粒子(2)分散液は1ケ月放置しても安定であった。無機酸化物微粒子(2)中の金属成分の酸化物換算の担持量、無機酸化物微粒子(2)の平均粒子径を測定し、結果を表1に示した。また、無機酸化物微粒子(2)分散液を抗菌性消臭剤(2)とし、抗菌性能、消臭性能および光触媒性能を評価し結果を表1に示した。
[実施例3]
抗菌性消臭剤(3)の調製
実施例1において、硝酸銅Cu(NO32・3H2Oの代わりに14.6gの硝酸亜鉛Zn(NO32・6H2Oを用いた以外は同様にして固形分濃度10重量%の亜鉛担持無機酸化物微粒子(3)分散液を得た。
亜鉛担持無機酸化物微粒子(3)分散液は1ケ月放置しても安定であった。無機酸化物微粒子(3)中の金属成分の酸化物換算の担持量、無機酸化物微粒子(3)の平均粒子径を測定し、結果を表1に示した。また、無機酸化物微粒子(3)分散液を抗菌性消臭剤(3)とし、抗菌性能、消臭性能および光触媒性能を評価し結果を表1に示した。
[実施例4]
抗菌性消臭剤(4)の調製
実施例1において、硝酸銅Cu(NO32・3H2Oの代わりに3.68gの硝酸銀AgNO3を用いた以外は同様にして固形分濃度10重量%の銀担持無機酸化物微粒子(4)分散液を得た。
銀担持無機酸化物微粒子(4)分散液は1ケ月放置しても安定であった。無機酸化物微粒子(4)中の金属成分の酸化物換算の担持量、無機酸化物微粒子(4)の平均粒子径を測定し、結果を表1に示した。また、無機酸化物微粒子(4)分散液を抗菌性消臭剤(4)とし、抗菌性能、消臭性能および光触媒性能を評価し結果を表1に示した。
[実施例5]
抗菌性消臭剤(5)の調製
実施例4において、シリカゾル(触媒化成工業(株)製:SN−350、平均粒子径10nm、固形分濃度16重量%)31.3gを添加した以外は同様にして、固形分濃度10重量%の安定な銀担持無機酸化物微粒子(5)分散液を得た。
銀担持無機酸化物微粒子(5)分散液は1ケ月放置しても安定であった。無機酸化物微粒子(5)中の金属成分の酸化物換算の担持量、無機酸化物微粒子(5)の平均粒子径を測定し、結果を表1に示した。また、無機酸化物微粒子(5)分散液を抗菌性消臭剤(5)とし、抗菌性能、消臭性能および光触媒性能を評価し結果を表1に示した。
[実施例6]
抗菌性消臭剤(6)の調製
実施例4において、シリカゾル(触媒化成工業(株)製:SN−350、平均粒子径10nm、固形分濃度16重量%)31.3gと、ジルコニアゾル(第一稀元素(株)製:AL-7、平均粒子径5nm、固形分濃度13重量%)38.5gとを添加した以外は同様にして、固形分濃度10重量%の安定な銀担持無機酸化物微粒子(6)分散液を得た。
銀担持無機酸化物微粒子(6)分散液は1ケ月放置しても安定であった。無機酸化物微粒子(6)中の金属成分の酸化物換算の担持量、無機酸化物微粒子(6)の平均粒子径を測定し、結果を表1に示した。また、無機酸化物微粒子(6)分散液を抗菌性消臭剤(6)とし、抗菌性能、消臭性能および光触媒性能を評価し結果を表1に示した。
[実施例7]
抗菌性消臭剤(7)の調製
実施例5において、シリカゾルの代わりにジルコニアゾル(第一稀元素(株)製:AL-7、平均粒子径5nm、固形分濃度13重量%)38.5gを添加した以外は同様にして、固形分濃度10重量%の安定な銀担持無機酸化物微粒子(7)分散液を得た。
銀担持無機酸化物微粒子(7)分散液は1ケ月放置しても安定であった。無機酸化物微粒子(7)中の金属成分の酸化物換算の担持量、無機酸化物微粒子(7)の平均粒子径を測定し、結果を表1に示した。また、無機酸化物微粒子(7)分散液を抗菌性消臭剤(7)とし、抗菌性能、消臭性能および光触媒性能を評価し結果を表1に示した。
[比較例1]
抗菌性消臭剤(R1)の調製
実施例1と同様にして無機酸化物微粒子前駆体分散液を調製した。
ついで、ペルオキソチタン酸水溶液を限外濾過膜でTiO2重量に対して200倍の水で洗浄した後、濃縮し、固形分濃度10重量%の安定な銅担持無機酸化物微粒子(R1)分散液を得た。
銅担持無機酸化物微粒子(R1)分散液は1ケ月放置後、透明性が低下すると共に寒天状になることがあり、また一部粒子の沈降が認められた。無機酸化物微粒子(R1)中の金属成分の酸化物換算の担持量、無機酸化物微粒子(R1)の平均粒子径を測定し、結果を表1に示した。また、無機酸化物微粒子(R1)分散液を抗菌性消臭剤(R1)とし、抗菌性能、消臭性能および光触媒性能を評価し結果を表1に示した。
[比較例2]
抗菌性消臭剤(R2)の調製
比較例1において、硝酸銅Cu(NO32・3H2Oの代わりに14.6gの硝酸亜鉛Zn(NO32・6H2Oを用いた以外は同様にして固形分濃度10重量%の亜鉛担持無機酸化物微粒子(R2)分散液を得た。
亜鉛担持無機酸化物微粒子(R2)分散液は1ケ月放置後、透明性が低下すると共に寒天状になることがあり、また一部粒子の沈降が認められた。無機酸化物微粒子(R2)中の金属成分の酸化物換算の担持量、無機酸化物微粒子(R2)の平均粒子径を測定し、結果を表1に示した。また、無機酸化物微粒子(R2)分散液を抗菌性消臭剤(R2)とし、抗菌性能、消臭性能および光触媒性能を評価し結果を表1に示した。
[比較例3]
抗菌性消臭剤(R3)の調製
比較例1において、硝酸銅Cu(NO32・3H2Oの代わりに14.6gの硝酸銀AgNO3を用いた以外は同様にして固形分濃度10重量%の銀担持無機酸化物微粒子(R3)分散液を得た。
銀担持無機酸化物微粒子(R3)分散液は1ケ月放置後、透明性が低下すると共に寒天状になることがあり、また一部粒子の沈降が認められた。無機酸化物微粒子(R3)中の金属成分の酸化物換算の担持量、無機酸化物微粒子(R3)の平均粒子径を測定し、結果を表1に示した。また、無機酸化物微粒子(R3)分散液を抗菌性消臭剤(R3)とし、抗菌性能、消臭性能および光触媒性能を評価し結果を表1に示した。
[比較例4]
抗菌性消臭剤(R4)の調製
実施例5と同様にして無機酸化物微粒子前駆体分散液を調製し、ついで濃縮して、固形分濃度10重量%の銀担持無機酸化物微粒子(R4)分散液を得た。
銀担持無機酸化物微粒子(R4)分散液は1ケ月放置後、わずかに一部粒子の沈降が認められた。無機酸化物微粒子(R4)中の金属成分の酸化物換算の担持量、無機酸化物微粒子(R4)の平均粒子径を測定し、結果を表1に示した。また、無機酸化物微粒子(R4)分散液を抗菌性消臭剤(R4)とし、抗菌性能、消臭性能および光触媒性能を評価し結果を表1に示した。
[比較例5]
抗菌性消臭剤(R5)の調製
実施例7と同様にして無機酸化物微粒子前駆体分散液を調製し、ついで濃縮して、固形分濃度10重量%の銀担持無機酸化物微粒子(R5)分散液を得た。
銀担持無機酸化物微粒子(R5)分散液は1ケ月放置後、わずかに一部粒子の沈降が認められた。無機酸化物微粒子(R5)中の金属成分の酸化物換算の担持量、無機酸化物微粒子(R5)の平均粒子径を測定し、結果を表1に示した。また、無機酸化物微粒子(R5)分散液を抗菌性消臭剤(R5)とし、抗菌性能、消臭性能および光触媒性能を評価し結果を表1に示した。
Figure 0004964331

Claims (4)

  1. 銀、銅および亜鉛から選ばれる少なくとも1種以上の金属成分と該金属成分以外の無機酸化物とから構成される無機酸化物微粒子が分散してなる無機酸化物微粒子分散液であって、該無機酸化物微粒子の平均粒子径が2〜500nmの範囲にあり、該無機酸化物微粒子の濃度が酸化物に換算して1〜20重量%の範囲にあり、該無機酸化物微粒子中の前記金属成分の含有量が酸化物に換算して0.1〜30重量%の範囲にあり、前記無機酸化物が前記無機酸化物微粒子中に、50〜95重量%の酸化チタンと0〜30重量%のシリカおよび/または0〜30重量%のジルコニアとを含んでなる(但し、シリカおよびジルコニアが共に0重量%である場合を除く。)抗菌性消臭剤の製造方法であって、
    オルソチタン酸のゲルおよび/またはゾルに過酸化水素を添加してペルオキソチタン酸水溶液を得、金属成分の水溶液を添加して50〜100℃で加熱処理して無機酸化物微粒子前駆体分散液を調製し、ついで、ケイ素化合物および/またはジルコニウム化合物を添加した後、120〜280℃で水熱処理して結晶性酸化チタンを含む無機酸化物微粒子分散液とすることを特徴とする抗菌性消臭剤の製造方法。
  2. 銀、銅および亜鉛から選ばれる少なくとも1種以上の金属成分と該金属成分以外の無機酸化物とから構成される無機酸化物微粒子であって該無機酸化物微粒子の平均粒子径が2〜500nmの範囲にあり、該無機酸化物微粒子中の前記金属成分の含有量が酸化物に換算して0.1〜30重量%の範囲にあり、前記無機酸化物が前記無機酸化物微粒子中に、50〜95重量%の酸化チタンと0〜30重量%のシリカおよび/または0〜30重量%のジルコニアとを含んでなる(但し、シリカおよびジルコニアが共に0重量%である場合を除く。)抗菌性消臭剤の製造方法であって、
    オルソチタン酸のゲルおよび/またはゾルに過酸化水素を添加してペルオキソチタン酸水溶液を得、金属成分の水溶液を添加して50〜100℃で加熱処理して無機酸化物微粒子前駆体分散液を調製し、ついで、ケイ素化合物および/またはジルコニウム化合物を添加した後、120〜280℃で水熱処理して結晶性酸化チタンを含む無機酸化物微粒子分散液を得、これを乾燥して無機酸化物微粒子粉末を得ることを特徴とする抗菌性消臭剤の製造方法。
  3. 銀、銅および亜鉛から選ばれる少なくとも1種以上の金属成分と該金属成分以外の無機酸化物とから構成される無機酸化物微粒子が分散してなる無機酸化物微粒子分散液であって、該無機酸化物微粒子の平均粒子径が2〜500nmの範囲にあり、該無機酸化物微粒子の濃度が酸化物に換算して1〜20重量%の範囲にあり、該無機酸化物微粒子中の前記金属成分の含有量が酸化物に換算して0.1〜30重量%の範囲にあり、前記無機酸化物が前記無機酸化物微粒子中に、50〜95重量%の酸化チタンと0〜30重量%のシリカおよび/または0〜30重量%のジルコニアとを含んでなる(但し、シリカおよびジルコニアが共に0重量%である場合を除く。)抗菌性消臭剤の製造方法であって、
    オルソチタン酸のゲルおよび/またはゾルに過酸化水素を添加してペルオキソチタン酸水溶液を得、金属成分の水溶液とケイ素化合物および/またはジルコニウム化合物を添加して50〜100℃で加熱処理して無機酸化物微粒子前駆体分散液を調製した後、120〜280℃で水熱処理して結晶性酸化チタンを含む無機酸化物微粒子分散液とすることを特徴とする抗菌性消臭剤の製造方法。
  4. 銀、銅および亜鉛から選ばれる少なくとも1種以上の金属成分と該金属成分以外の無機酸化物とから構成される無機酸化物微粒子であって該無機酸化物微粒子の平均粒子径が2〜500nmの範囲にあり、該無機酸化物微粒子中の前記金属成分の含有量が酸化物に換算して0.1〜30重量%の範囲にあり、前記無機酸化物が前記無機酸化物微粒子中に、50〜95重量%の酸化チタンと0〜30重量%のシリカおよび/または0〜30重量%のジルコニアとを含んでなる(但し、シリカおよびジルコニアが共に0重量%である場合を除く。)抗菌性消臭剤の製造方法であって、
    オルソチタン酸のゲルおよび/またはゾルに過酸化水素を添加してペルオキソチタン酸水溶液を得、金属成分の水溶液とケイ素化合物および/またはジルコニウム化合物を添加して50〜100℃で加熱処理して無機酸化物微粒子前駆体分散液を調製した後、120〜280℃で水熱処理して結晶性酸化チタンを含む無機酸化物微粒子分散液を得、これを乾燥して無機酸化物微粒子粉末を得ることを特徴とする抗菌性消臭剤の製造方法。
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