JP2010221807A - 作業車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】アクチュエータの周辺回路に異常が発生した場合に、アクチュエータの作動を規制すること無く、該異常に対応可能な作業車両を提供すること。
【解決手段】アクチュエータと、該アクチュエータの駆動制御を行う制御部83とを設けた作業車両において、エンジンスタータースイッチ93を介して電源装置94と接続された主電圧供給回路96と、電源装置94と直接的に接続された常時電圧供給回路97と、主電圧供給回路96の異常を検出する主電圧異常検出手段101とを備え、制御部83は、主電圧供給回路96側から前記アクチュエータ又は該アクチュエータを駆動させる電磁弁に電圧を供給する主電圧供給状態を保持する一方で、主電圧異常検出手段101によって該主電圧供給回路96の異常を検出した場合には、常時電圧供給回路97側から前記アクチュエータ又は該アクチュエータを駆動させる電磁弁に電圧を供給する常時電圧供給状態への切替を行う。
【選択図】図7

Description

この発明は、各部を作動させるアクチュエータと、該アクチュエータの駆動制御を行う制御部とを備えた作業車両に関する。
各部を作動させるアクチュエータと、該アクチュエータの駆動制御を行う制御部とを備え、アクチュエータによって作業や走行変速切換を行う作業車両において、油圧クラッチ等のアクチュエータ又は該油圧クラッチを作動させる電磁弁等に異常が発生した場合に、異常発生以後のアクチュエータの作動を規制する特許文献1に示す作業車両が公知になっているが、上記異常が発生するケースとしては、アクチュエータや電磁弁自体に原因がある場合のみならず、アクチュエータや電磁弁に電圧を供給する電圧供給回路の断線に起因するものも相当数あるという実情がある。
このように、アクチュエータや電磁弁自体に異常が無い場合にも、アクチュエータの作動を一律に規制することは作業効率低下の原因にもなり、改善の余地がある。一方、電圧供給回路に異常が生じた場合に、別の電圧供給回路を介して、対象機器に電圧を供給する手段を備えた特許文献2に示す作業車両が開発され、公知になっている。
特開2000−351335号公報 特開2003−312387号公報
しかし、特許文献2の作業車両も、アクチュエータ又はアクチュエータを駆動する電磁弁の電源側に異常が発生した場合に対応できるものでは無く、アクチュエータ又はアクチュエータを駆動する電磁弁に電圧を供給する電圧供給回路に断線が生じた異常検出時には、結局アクチュエータの作動を規制する必要があり、課題が残る。
本発明は、上記課題を解決し、各部を作動させるアクチュエータと、該アクチュエータの駆動制御を行う制御部とを備えた作業車両において、アクチュエータの周辺回路に異常が発生した場合に、アクチュエータの作動を規制すること無く該異常に対応可能で作業効率が高い作業車両を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明の作業車両は、第1に、各部を作動させるアクチュエータ32A,32B,32C,32D,56A,56Bと、該アクチュエータ32A,32B,32C,32D,56A,56Bの駆動制御を行う制御部83とを設けた作業車両において、エンジンスタータースイッチ93を介して電源装置94と接続された主電圧供給回路96と、電源装置94と直接的に接続された常時電圧供給回路97と、主電圧供給回路96の異常を検出する主電圧異常検出手段101とを備え、制御部83は、主電圧供給回路96側から前記アクチュエータ32A,32B,32C,32D,56A,56B又は該アクチュエータ32A,32B,32C,32D,56A,56Bを駆動させる電磁弁64A,64B,64C,64D,69に電圧を供給する主電圧供給状態を保持する一方で、主電圧異常検出手段101によって該主電圧供給回路96の異常を検出した場合には、常時電圧供給回路97側から前記アクチュエータ32A,32B,32C,32D,56A,56B又は該アクチュエータ32A,32B,32C,32D,56A,56Bを駆動させる電磁弁64A,64B,64C,64D,69に電圧を供給する常時電圧供給状態への切替を行うことを特徴としている。
第2に、常時電圧供給回路97の異常を検出する常時電圧異常検出手段103を設け、制御部83は、主電圧異常検出手段101又は常時電圧異常検出手段103によって異常を検出した場合、出力側に設けられた報知手段80を介して異常を報知することを特徴としている。
第3に、主電圧供給状態と常時電圧供給状態との択一的な切替を行う切替回路99と、切替回路99の異常を検出する切替異常検出手段109とを設け、制御部83は、切替異常検出手段109によって異常を検出した場合には、出力側に設けられた報知手段80を介して異常を報知することを特徴としている。
第4に、制御部83は、エンジンスタータースイッチ93の切操作が検出された際に、前記アクチュエータ32A,32B,32C,32D,56A,56B又は該アクチュエータ32A,32B,32C,32D,56A,56Bを駆動させる電磁弁64A,64B,64C,64D,69に電圧を供給する必要がある場合には、エンジンスタータースイッチ93の切操作が検出されてから所定時間経過後に、切替回路99を介した常時電圧供給状態への切替を行うことを特徴としている。
以上のように構成される本発明の作業車両によれば、アクチュエータ又はアクチュエータを駆動する電磁弁の電源側に異常が発生した場合でも、常時電圧供給回路からアクチュエータ又はアクチュエータを駆動する電磁弁に電圧を供給して作業を続行することが可能になるため、作業効率が向上するという効果がある。
また、報知手段を介して主電圧供給回路、常時電圧供給回路又は切替回路等の異常を報せることにより、オペレータや作業者等に、修理等の根本的な解決を促すことができるという効果がある。
さらに、主電圧供給状態と常時電圧供給状態との切替に所定のタイムラグを設けることにより、切替回路による切替時に該切替回路によって主電圧供給回路と常時電圧供給回路とが瞬間的に接続されることに起因した主電圧異常検出手段、常時電圧異常検出手段又は切替異常検出手段の誤作動を防止することが可能になるという効果がある。
本発明の作業車両を適用したトラクタの全体側面図である。 本トラクタの動力伝動構造を示すミッションケース内の展開図である。 本トラクタが搭載した油圧装置の油圧回路図である。 キャビン内の後半部の構成を示す要部平面図である。 (A)は、支持体のメータパネルの構成を示す要部背面図であり、(B)は、表示部及び表示部周辺の構成を示す背面図である。 本トラクタに搭載された制御装置のブロック図である。 本トラクタの電源回路図である。 制御部によって行われる電源電圧切替処理の手順を示すフロー図である。
以下図示する例に基づき本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の作業車両を適用したトラクタの全体側面図である。本トラクタは、左右一対の前輪1,1及び後輪2,2を有する走行機体3と、走行機体3後方に配置されて昇降リンク4によって走行機体3に昇降駆動可能に連結された作業機であるロータリ耕耘装置5とを備えている。
走行機体3の前半部にはエンジン6(図5参照)を収容するボンネット7が設置され、走行機体3におけるボンネット7後方にはキャビン8が立設されている。このキャビン8内に乗り込んだオペレータの操作によって、本トラクタは、圃場を走行しながらロータリ耕耘装置5によって耕耘作業等の作業を行う。
次に、本トラクタの動力伝動構成について説明する。
図2は、本トラクタの動力伝動構造を示すミッションケース内の展開図である。エンジン6の動力は、ミッションケース9内のトランスミッション11を介して、前後輪1,2及びロータリ耕耘装置5に変速伝動される。
トランスミッション11は、走行伝動系への動力を断続させる主クラッチ12と、複数段(図示する例では4段)の走行変速切換を行う第1主変速装置(走行変速装置,主変速装置)13と、前後進切換装置14と、複数段(図示する例では低速、中速、高速の3段)の走行変速切換を行う副変速装置(走行変速装置)16と、複数段(図示する例では2段)の走行変速切換を行う第2主変速装置(走行変速装置,主変速装置)17と、前輪1への動力の断続及び変速を行う前輪伝動装置18と、ロータリ耕耘装置5に動力を出力するPTO軸19への動力を断続させる油圧クラッチである作業クラッチ21とを備えている。
エンジン6の動力は、第1主変速装置13→前後進切換装置14→副変速装置16→第2主変速装置17の順に伝動される。第2主変速装置17に入力された動力は変速されて前後方向の走行駆動軸22に伝動される。この走行駆動軸22の動力は、後輪2に伝動される他、前輪伝動装置18を介して前輪1に伝動される。
すなわち、第1主変速装置13と前後進切換装置14と副変速装置16と第2主変速装置17とは、エンジン6から前後進1,2への動力伝動経路で、直列的に配置されて4×3×2で計24段の走行変速切換を行うように構成されている。
上記主クラッチ12は、エンジン6動力によって駆動されて作業クラッチ21側(作業伝動系)に動力を伝動する前後方向の伝動軸23の外周に軸回りに回転自在に軸支された筒状の走行伝動軸24へのエンジン6からの動力伝動を断続するように構成されている。オペレータは、キャビン8内の床面側に設置されたクラッチペダル26(図1参照)の踏込みによって主クラッチ12を切断操作する一方で、クラッチペダル26の踏込み解除によって主クラッチ12を接続操作する。
上記第1主変速装置13は、走行伝動軸24に一体的に取付固定されて走行伝動軸24と一体回転する第1主変速装置13の変速段と同数の入力ギヤ27A,27B,27C,27Dと、対応する入力ギヤ27A,27B,27C,27Dと常時噛合う第1主変速装置13の変速段と同数の出力ギヤ28A,28B,28C,28Dと、出力ギヤ28A,28B,28C,28Dのうちで最低速段ギヤ及び最高速段ギヤである1速出力ギヤ28A及4速出力ギヤ28Dを遊転状態で(回転自在に)支持する変速軸である第1変速軸29と、最高速段と最低速段との間の中間速段ギヤである2速出力ギヤ28B及び3速出力ギヤ28Cを遊転状態で支持する変速軸である第2変速軸31と、1速出力ギヤ28Aの動力を第1変速軸29に断続伝動する油圧作動式の変速クラッチである1速クラッチ(アクチュエータ,油圧クラッチ)32Aと、2速出力ギヤ28Bの動力を第2変速軸31に断続伝動する油圧作動式の変速クラッチである2速クラッチ(アクチュエータ,油圧クラッチ)32Bと、3速出力ギヤ28Cの動力を第2変速軸31に断続伝動する油圧作動式の変速クラッチである3速クラッチ(アクチュエータ,油圧クラッチ)32Cと、4速出力ギヤ28Dの動力を第1変速軸29に断続伝動する油圧作動式の変速クラッチである4速クラッチ(アクチュエータ,油圧クラッチ)32Dと、を備えている。ちなみに、第1変速軸29と第2変速軸31は左右に並列配置されている。
本トラクタは、上記4つの変速クラッチ32A,32B,32C,32D内の何れか1つを入作動させて他の3つを切作動させることにより第1主変速装置13を1速から4速の何れかの変速段に切換える一方で、上記4つの変速クラッチ32A,32B,32C,32D全てを切作動させることによりエンジン動力の第1主変速装置13下流側への伝動を切断するように構成されている。ちなみに、変速段が増加する程、第1主変速装置13下流側に高速で動力が伝動される。
上記前後進切換装置14は、第1変速軸29と一体回転する第1前進入力ギヤ33及び後進入力ギヤ34と、第2変速軸31と一体回転する第2前進入力ギヤ36と、前後方向の前後進切換軸37と、前後進切換軸37に遊転状態で支持されて上記2つの前進入力ギヤ33,36と常時噛合う前進出力ギヤ38Aと、前後進切換軸37に遊転状態で支持された後進出力ギヤ38Bと、後進入力ギヤ34及び後進出力ギヤ38Bと常時噛合い後進入力ギヤ34から後進出力ギヤ38Bに逆転動力を伝動する反転ギヤ(図示しない)と、前進出力ギヤ38Aの動力を前後進切換軸37に断続伝動する油圧作動式の変速クラッチである前進クラッチ(油圧クラッチ)41Aと、後進出力ギヤ38Bの動力を前後進切換軸37に断続伝動する油圧作動式の変速クラッチである後進クラッチ(油圧クラッチ)41Bと、を備えている。
本トラクタは、前進クラッチ41Aを接続作動させるとともに後進クラッチ41Bを切断作動させることにより前後進切換装置14(走行機体3)の「前進」状態への切換を行う一方で、前進クラッチ41Aを切断作動させるとともに後進クラッチ32を接続作動させることにより前後進切換装置14(走行機体3)の「後進」状態への切換を行う他、前進クラッチ41Aと後進クラッチ41Bを共に切作動させることによりエンジン動力の前後進切換装置14下流側への伝動を切断する「ニュートラル」状態への切換を行うように構成されている。
すなわち、上記構成から、本トラクタは、上記第1主変速装置13によって前進走行時には1速と2速と3速と4速の計4段の変速切換を行う一方で、後進走行時には1速と4速の計2段の変速切換を行う。
上記副変速装置16は、前後方向の副変速軸42と、副変速軸42に遊転状態で支持された変速ギヤである低速ギヤ43A及び中速ギヤ43Bと、前後進切換軸37に遊転状態で支持された変速ギヤである高速ギヤ43Cと、副変速軸42に軸方向に往復スライド可能に支持された常時噛合い式(コンスタントメッシュ)の変速クラッチである低中速クラッチ44と、前後進切換軸37に軸方向に往復スライド可能に支持されて前後進切換軸37から高速ギヤ43Cに動力を断続伝動する常時噛合い式の変速クラッチである高速クラッチ46と、前後進切換軸37と一体回転して中速ギヤ43Bと常時噛合うことにより前後進切換軸37から中速ギヤ43Bに動力を伝動する伝動ギヤ47と、複数のギヤの噛合いにより中速ギヤ43Bから低速ギヤ43Aに動力を伝動する伝動機構48と、副変速軸42と一体回転して高速ギヤ43Cと常時噛合うことにより高速ギヤ43Cの動力を副変速軸42に伝動する伝動ギヤ49と、を備えている。
低中速クラッチ44は、低速ギヤ43A側位置である「低速位置」に微動スライド作動することにより、低速ギヤ43Aから副変速軸42への動力伝動を接続状態且つ中速ギヤ43Bから副変速軸42への動力伝動を切断状態にし、中速ギヤ43B側位置である「中速位置」に微動スライド作動することにより、低速ギヤ43Aから副変速軸42への動力伝動を切断状態且つ中速ギヤ43Bから副変速軸42への動力伝動を接続状態にし、低速ギヤ43Aと中速ギヤ43Bの中間位置である「ニュートラル位置」に微動スライド作動することにより、低速ギヤ43Aから副変速軸42への動力伝動及び中速ギヤ43Bから副変速軸42への動力伝動を共に切断状態にするように構成されている。
高速クラッチ46は、高速ギヤ43C側位置である「高速位置」に微動スライド作動することにより、前後進切換軸37から高速ギヤ43Cへの動力伝動を接続状態にする一方で、高速ギヤ43Cから離間する側である「ニュートラル位置」に微動スライド作動することにより、前後進切換軸37から高速ギヤ43Cへの動力伝動を切断状態にするように構成されている。
上述の2つの常時噛合い式の変速クラッチ44,46は、キャビン8内に設置された前後及び左右揺動操作可能な副変速レバー51(図3参照)の基端部と、リンクよりなる連動機構(図示しない)を介して機械的に連結されている。そして、副変速レバー51による前後及び左右揺動によって、この2つの変速クラッチ44,46のスライド位置が切換えられる走行変速切換操作が行われる。
すなわち、低中速クラッチ44を低速位置に変位させ高速クラッチ46をニュートラル位置に変位させることにより、低速ギヤ43Aを介して副変速軸42に動力を低速伝動する「低速」に副変速装置16が切換えられ、低中速クラッチ44を中速位置に変位させ高速クラッチ46をニュートラル位置に変位させることにより、中速ギヤ43Bを介して副変速軸42に動力を中速伝動する「中速」に副変速装置16が切換えられ、低中速クラッチ44をニュートラル位置に変位させ高速クラッチ46を高速位置に変位させることにより、高速ギヤ43Cを介して副変速軸42に動力を高速伝動する「高速」に副変速装置16が切換えられ、2つの変速クラッチ44,46を共にニュートラル位置に切換えることによりエンジン動力の副変速装置16下流側への伝動を切断する「ニュートラル」に副変速装置16が切換えられる。
上記第2主変速装置17は、副変速軸42と一体回転する低速入力ギヤ53A及び高速入力ギヤ53Bと、走行駆動軸22に遊転状態で支持されて低速入力ギヤ53Aと常時噛合う低速出力ギヤ54Aと、走行駆動軸22に遊転状態で支持されて高速入力ギヤ53Bと常時噛合う高速出力ギヤ54Bと、低速出力ギヤ54Aから走行駆動軸22に動力を断続伝動させる油圧作動式の変速クラッチである低速クラッチ(アクチュエータ,油圧クラッチ)56Aと、高速出力ギヤ54Bから走行駆動軸22に動力を断続伝動させる油圧作動式の変速クラッチである高速クラッチ(アクチュエータ,油圧クラッチ)56Bと、を備えている。
本トラクタでは、低速クラッチ56Aを接続作動させるとともに高速クラッチ56Bを切断作動させることにより、走行駆動軸22に低速動力を伝動する一方で、低速クラッチ56Aを切断作動させるとともに高速クラッチ56Bを接続作動させることにより、走行駆動軸22に高速動力を伝動する他、低速クラッチ56A及び高速クラッチ56Bを共に切断作動させることにより、エンジン動力の副変速装置17下流側への動力伝動を切断するように構成されている。
以上、第1主変速装置13及び第2主変速装置17よりなる主変速装置13,17の計8段の走行変速切換は、上述した6つの油圧作動式の変速クラッチ32A,32B,32C,32D,56A,56Bの断続によって行われ、これらの変速クラッチ32A,32B,32C,32D,56A,56Bの断続は油圧装置(図4参照)57による圧油の排出・供給によって制御される。くわえて、前後進切換装置14の前後進切換も、上述の2つの油圧作動式の変速クラッチ41A,41Bの断続によって行われ、これらの変速クラッチ41A,41Bの断続も油圧装置57による圧油の排出・供給によって制御される。
次に、図3に基づき、油圧装置57の構成について説明する。
図3は、本トラクタが搭載した油圧装置の油圧回路図である。この油圧装置57は、ミッションケース9内に形成された油圧タンク58内の圧油を圧送する油圧ポンプ59を備えている。この油圧ポンプ59はエンジン動力よって駆動される。
油圧ポンプ59からの圧油は、まず、分流弁61によって、ステアリングハンドル62(図1参照)の操作により操向作動する油圧式操向装置であるステアリングユニット63への圧油と、上述の油圧式の変速クラッチ32A,32B,32C,32D,41A,41B,56A,56B側への圧油とに分流される。
変速クラッチ32A,32B,32C,32D,41A,41B,56A,56B側に送られた圧油は、1速クラッチ32A、2速クラッチ32B、3速クラッチ32C及び4速クラッチ32D側と、前進クラッチ41A及び後進クラッチ41B側と、低速クラッチ56A及び高速クラッチ56B側と、にそれぞれ各別に供給される。
上述のようにして第1主変速装置13の4つの変速クラッチ32A,32B,32C,32D側に供給された圧油は、開閉作動によって圧油の供給・排出を行うことにより1速クラッチ32Aを断続(入切)作動させる開度調整可能な電磁比例弁(電磁弁)である1速バルブ(主変速バルブ,変速バルブ)64Aと、開閉作動によって圧油の供給・排出を行うことにより2速クラッチ32Bを断続(入切)作動させる開度調整可能な電磁比例弁(電磁弁)である2速バルブ(主変速バルブ,変速バルブ)64Bと、開閉作動によって圧油の供給・排出を行うことにより3速クラッチ32Cを断続(入切)作動させる開度調整可能な電磁比例弁(電磁弁)である3速バルブ(主変速バルブ,変速バルブ)64Cと、開閉作動によって圧油の供給・排出を行うことにより4速クラッチ32Dを断続(入切)作動させる開度調整可能な電磁比例弁(電磁弁)である4速バルブ(主変速バルブ,変速バルブ)64D、にそれぞれ供給される。
上記各主変速バルブ64A,64B,64C,64Dは、断続制御対象の変速クラッチ32A,32B,32C,32Dを接続(入)作動させて動力伝動制御対象の出力ギヤ28A,28B,28C,28Dの動力を上述した動力伝動対象の変速軸29,31に伝動するように、該変速クラッチ32A,32B,32C,32Dに圧油を供給する流路を形成する「入位置」と、断続制御対象の変速クラッチ32A,32B,32C,32Dを切断(切)作動させて動力伝動制御対象の出力ギヤ28A,28B,28C,28Dから上述した動力伝動対象の変速軸29,31への動力伝動を切断するように、該変速クラッチ32A,32B,32C,32Dから圧油を排出する流路を形成する「切位置」と、を有している。
この各主変速バルブ64A,64B,64C,64Dは、電気的な制御信号のデューティ比等に基づいて開度調整可能なように構成されているため、対応する変速クラッチ32A,32B,32C,32Dに徐々に圧油を供給して内部の圧力を次第に上昇させて変速切換時の変速ショックを低減させる昇圧制御を行うことができる。くわえて、各主変速バルブ64A,64B,64C,64Dから対応する各変速クラッチ32A,32B,32C,32Dへの圧油流路には、変速クラッチ32A,32B,32C,32Dの接続作動側への圧油の流れのみを絞る一方向絞り弁66が設置されており、該4つの一方向絞り弁66によっても、上記各変速クラッチ32A,32B,32C,32Dの瞬時の接続作動が防止される。
上述のようにして前進クラッチ41A及び後進クラッチ41B側に供給された圧油は、手動式の油圧バルブである前後進切換弁67に供給される。この前後進切換弁67は、内部への圧油供給により前進クラッチ41Aを接続(入)作動させて前進出力ギヤ38Aの動力を前後進切換軸37に伝動するとともに油圧タンク58への圧油排出により後進クラッチ41Bを切断(切)作動させて後進出力ギヤ38Bから前後進切換軸37への動力伝動を切断するように圧油流路を形成する「前進位置」と、油圧タンク58への圧油排出により前進クラッチ41Aを切断(切)作動させて前進出力ギヤ38Aから前後進切換軸37への動力伝動を切断するとともに内部への圧油供給により後進クラッチ41Bを接続(入)作動させて後進出力ギヤ38Bの動力を前後進切換軸37に伝動するように圧油流路を形成する「後進位置」と、油圧タンク58への圧油排出により前進クラッチ41A及び後進クラッチ41Bを切断作動させて前後進切換軸37への動力伝動を切断するように圧油流路を形成する「ニュートラル位置」と、を有している。
上記3位置からなる前後進切換弁67は、ステアリングハンドル62の側方(図示する例では左側方)に前後揺動操作可能に支持された前後進レバー68(図1参照)と連係機構(図示しない)を介して機械的に連結され、この切換レバーの前後揺動操作によって、前進位置と、ニュートラルと、後進位置との切換が行われる。
上述のようにして低速クラッチ56A及び高速クラッチ56B側に供給された圧油は、電磁方向切換弁(電磁弁)である走行変速バルブ(変速バルブ)69に供給される。この走行変速バルブ69は、内部への圧油供給により低速クラッチ56Aを接続(入)作動させて低速出力ギヤ54Aから走行駆動軸22に動力を伝動するとともに油圧タンク58への圧油排出により高速クラッチ56Bを切断(切)作動させて高速出力ギヤ54Bから走行駆動軸22への動力伝動を切断するように圧油流路を形成する「低速位置」と、内部への圧油供給により高速クラッチ56Bを接続(入)作動させて高速出力ギヤ54Bから走行駆動軸22に動力を伝動するとともに油圧タンク58への圧油排出により低速クラッチ56Aを切断(切)作動させて低速出力ギヤ54Aから走行駆動軸22への動力伝動を切断するように圧油流路を形成する「高速位置」と、低速クラッチ56Aからの圧油の排出路と高速クラッチ56Bからの圧油の排出路とを合流させて油圧タンク58に排油する流路を形成して低速クラッチ56A及び高速クラッチ56Bを切断作動させて走行駆動軸22への動力伝動を切断する「ニュートラル位置」と、を有している。そして、3位置からなるこの走行変速バルブ73は、電気的な制御信号によって作動して低速位置、高速位置又はニュートラル位置の何れかに切換わり、低速クラッチ56A及び高速クラッチ56Bの断続(入切)操作を行う。
また、低速クラッチ56A及び高速クラッチ56B側に供給された圧油は、比例電磁弁である駆動制御切換弁71にも供給される。駆動制御切換弁71は、作業クラッチ21に圧油を供給して作業クラッチ21を接続作動させてPTO軸19を回転駆動させる流路を形成する「駆動位置」と、作業クラッチ21から油圧タンク58に圧油を排出して作業クラッチ21を切断作動させてPTO軸19を駆動停止させる流路を形成する「停止位置」と、を有している。そして、電気的な制御信号によって位置切換制御が行われる。
次に、図1,4及び5に基づき、キャビン8内の構成について説明する。
図4は、キャビン内の後半部の構成を示す要部平面図である。キャビン8内の後部にはオペレータが着座する座席72が設置され、座席72の進行方向右(右)側方にはロータリ耕耘装置5の昇降操作を行う昇降レバー73が前後揺動自在に支持され、座席72の左側方には上述の副変速レバー51が前後及び左右揺動操作可能に設けられ、座席72の前方には上記ステアリングハンドル62及び前後進レバー68等が支持される支持体74(図1参照)が立設されている。
上記副変速レバー51は、基端部である下端側が支持されて先端側半部にグリップ51aが形成され、副変速装置16の低中速クラッチ44及び高速クラッチ46をニュートラル位置に切換操作する「ニュートラルポジション」が前後中立位置になり、ニュートラル位置で副変速レバー51が左右揺動可能に支持されている。ニュートラル位置の副変速レバー51を左右の一方側(本例では左側)に傾斜揺動させる低中速姿勢に切換操作することにより前側及び後側に揺動操作可能な状態になり、ニュートラル位置の副変速レバー51を左右の他方側に傾斜揺動させる高速姿勢に切換操作することにより前側に揺動操作可能な状態になる。
副変速レバー51は低中速姿勢状態で後方揺動操作することにより「低速ポジション」位置に変位され、この際、前述の連動機構を介して、低中速クラッチ44が低速位置に切換えられた状態になるとともに高速クラッチ46がニュートラル位置に切換えられた状態になる。また、副変速レバー51は低中速姿勢状態で前方揺動操作することにより「中速ポジション」位置に変位され、この際、前述の連動機構を介して、低中速クラッチ44が高速位置に切換えられた状態になるとともに高速クラッチ46がニュートラル位置に切換えられた状態になる。さらに、副変速レバー51は高速姿勢状態で前方揺動操作することにより「高速ポジション」位置に変位され、この際、前述の連動機構を介して、低中速クラッチ44がニュートラル位置に切換えられた状態になるとともに高速クラッチ46が高速位置に切換えられた状態になる。すなわち、低速ポジション、中速ポジション又は高速ポジションへの変速切換操作では、必ず一旦、ニュートラルポジションに切換操作されるように副変速レバー51が構成されている。
なお、副変速レバー51のグリップ51aの上端部には主変速装置13,17の計8段の変速切換操作を行うシフト操作具76が前後回動操作可能に支持されている。シフト操作具76を前後の一方側に回動させることにより増速操作を行う一方で、前後の他方側に回動させることにより減速操作を行う。
図5(A)は、支持体のメータパネルの構成を示す要部背面図であり、(B)は、表示部及び表示部周辺の構成を示す背面図である。上記支持体74の上部且つステアリングハンドル62の前方には、メータパネル78が設置されている。メータパネル78内には、座席72に着座したオペレータから視認可能なように各種メータ類及び液晶の表示部であるLCD79が設けられている。
LCD79には、副変速装置16のその時点での変速段と、本トラクタの走行変速段が表示される変速段表示部79aが設けられている。くわえて、メータパネル78内のLCD79の下方には、複数のLED81が左右並列状態で設置されている。そして、後述する異常検出時には、変速段表示部79a及びLED81が点滅し、オペレータ等に異常を報知する報知手段80を構成している。
本トラクタは、上記シフト操作具76の回動操作に基づいて変速バルブ64A,64B,64C,64D,69を介した主変速装置13,17の変速切換制御を行う制御装置82(図6参照)を備えている。くわえて、この制御装置82は、副変速装置16の変速状態を検知可能に構成されている。
次に、図6乃至8に基づき本トラクタに搭載された制御装置82の構成について説明する。
図6は、本トラクタに搭載された制御装置のブロック図である。制御装置82は、主に、制御部83と、制御部83の入力側に接続された各種機器と、制御部83の出力側に接続された各種機器とにより構成されている。制御部83は、複数のマイコン等をCAN(Control Area Network)で接続することにより構成される。
制御部83の出力側には、切位置に常時弾性的に付勢されている1速バルブ64Aを入位置に切換作動させる1速ソレノイド(変速ソレノイド,ソレノイド)84Aと、切位置に常時弾性的に付勢されている2速バルブ64Bを入位置に切換作動させる2速ソレノイド(変速ソレノイド,ソレノイド)84Bと、切位置に常時弾性的に付勢されている3速バルブ64Cを入位置に切換作動させる3速ソレノイド(変速ソレノイド,ソレノイド)84Cと、切位置に常時弾性的に付勢されている4速バルブ64Dを入位置に切換作動させる4速ソレノイド(変速ソレノイド,ソレノイド)84Dと、ニュートラル位置に常時弾性的に付勢されている走行変速バルブ69を低速位置に切換作動させる低速ソレノイド(変速ソレノイド,ソレノイド)86Lと、走行変速バルブ69を高速位置に切換作動させる高速ソレノイド(変速ソレノイド,ソレノイド)86Hと、上述の報知手段80と、が接続されている。
制御部83の入力側には、副変速レバー51の上記4つの変速切換位置を検知することにより副変速装置16の変速段を検出する4つの変速切換検出手段であるレバースイッチ87N,87L,87M,87Hと、前後進レバー68による連係機構を介した前後進切換装置14の切換操作を検出する3つの前後進切換検出手段であるシャトルスイッチ88N,88R,88Fと、シフト操作具76の変速切換操作を検出する2つの変速操作検出手段である主変速スイッチ89D,89Uと、第2主変速装置17の動力伝動状態を検出する状態検出手段である圧力スイッチ91と、が接続されている。
くわえて、制御装置82には、電源電圧の切換等を行う電源回路92(図7参照)が設けられている。
上記2つの各主変速スイッチ89D,89Uは、シフト操作具76と副変速レバー51の上端部との間に設けられ、その内、主変速装置13,17の減速側への変速切換操作を入作動によって検出する主変速スイッチが減速スイッチ89Dになり、主変速装置13,17の増速側への変速切換操作を入作動によって検出する主変速スイッチが増速スイッチ89Uになる。ちなみに、シフト操作具76は、両主変速スイッチ89D,89Uを共に非検出状態である切状態にする前後中立位置に常時弾性的に付勢されている。
上記圧力スイッチ91は、走行変速バルブ69への圧油供給路に設置されており、第2主変速装置17の変速クラッチ56A,56Bを接続作動させる該圧油供給路内の圧力上昇を入作動によって検知することにより、第2主変速装置17が行う動力伝動の断続状態を検出可能に構成されている。
この制御装置82は、2つの主変速スイッチ89D,89U及び4つのレバースイッチ87N,87L,87M,87Hの入切を検出し、6つの変速ソレノイド84A,84B,84C,84D,86L,87Hに電気的な制御信号を出力することにより、主変速装置13,17の変速段を1〜8速の間で切換える。具体的には、第2主変速装置17を低速に切換えた状態で、第1主変速装置13を1速→2速→3速→4速の順に切換えることにより、主変速装置13,17の変速段が1速→2速→3速→4速の順に切換えられ、第2主変速装置17を高速に切換えた状態で、第1主変速装置13を1速→2速→3速→4速の順に切換えることにより、主変速装置13,17の変速段が5速→6速→7速→8速の順に切換えられる一方で、主変速装置13,17の変速段を8速→7速→6速→5速→4速→3速→2速→1速の順に切換えるには、上記順序の逆の手順により行う。
副変速レバー51による副変速装置16の変速切換操作は、変速クラッチ44,46が常時噛合い式であることから、走行機体3を一旦完全に停止させた状態で行う。具体的には、副変速装置16の低速切換時におけるシフト操作具76による主変速装置13,17の計8段の変速切換によって本トラクタの走行変速段を1〜8速の間で切換え、副変速装置16の中速切換時におけるシフト操作具76による主変速装置13,17の計8段の変速切換によって本トラクタの走行変速段を9〜16速の間で切換え、副変速装置16の高速切換時におけるシフト操作具76による主変速装置13,17の計8段の変速切換によって本トラクタの走行変速段を17〜24速段の間で切換える。
また、副変速レバー51により副変速装置16の増速操作が行われると主変速装置13,17が最低速段である1速に減速される一方で、副変速レバー51により副変速装置16の減速操作が行われると、主変速装置の最高速段である8速に増速される変速切換制御が制御装置82によって行われる。このため、副変速レバー51による走行変速切換時の車速差が最小限に抑制される。
図7は、本トラクタの電源回路図である。電源回路92は、エンジンスタータースイッチであるキースイッチ93と、エンジン6を始動させるキースイッチ93の入操作によってバッテリ等の電源(電源装置)94から電源電圧が供給される一方でエンジン6を停止させるキースイッチ93の切操作によって上記電源94からの電源電圧が遮断される主電圧供給回路96と、上記電源94と直接接続された常時電圧供給回路97と、電動モータ等のアクチュエータ又は油圧アクチュエータである変速クラッチ32A,32B,32C,32D,56A,56Bを駆動させる電磁弁64A,64B,64C,64D,69(図示する例では電磁弁64A,64B,64C,64D,69のソレノイド84A,84B,84C,84D,86L,84H)に電源電圧を供給する駆動電圧供給回路98と、主電圧供給回路96と常時電圧供給回路97との何れか一方から駆動電圧供給回路98に電源電圧を供給する切替回路99と、を備えている。
上記主電圧供給回路96は、制御部83に、直接電源電圧を供給可能に、接続されている。くわえて、制御部83で入切検出可能なキースイッチ93の入操作時の電源94から主電圧供給回路96への電圧供給状態を検知することにより、主電圧供給回路96の断線、すなわち主電圧供給回路96の異常を検出する主電圧異常検出回路(主電圧異常検出手段,異常検出手段)101が制御部83の入力側に設けられている。
上記常時電圧供給回路97は、制御部83に、トランジスタ等からなる入切ドライバ102を介して電源電圧を供給可能に、接続されている。くわえて、電源94から常時電圧供給回路97への電圧供給状態を検知することにより、常時電圧供給回路97の断線、すなわち常時電圧供給回路97の異常を検出する常時電圧異常検出回路(常時電圧異常検出手段,異常検出手段)103が制御部83の入力側に設けられている。ちなみに、上記入切ドライバ102によって、電源94から常時電圧供給回路97を介して制御部83に電源電圧を供給する常時電圧作動モードと、常時電圧供給回路97を介した制御部83への電源電圧供給を停止させる常時電圧非作動モードとの切替を行う。
なお、図示する例では、単一の電源94から、主電圧供給回路96と常時電圧供給回路97とにそれぞれ電圧を供給しているが、それぞれに専用の電源を設けてもよい。
上記切替回路99は、2つのリレー回路104,106を備えている。一方のリレー回路104が、主電圧供給回路96から駆動電圧供給回路98への電気的接続を断続する主電圧切替用リレー回路になり、他方のリレー回路106が、常時電圧供給回路97から駆動電圧供給回路98への電気的接続を断続する常時電圧切替用リレー回路になる。くわえて、制御部83の出力側には、主電圧切替用リレー回路104を断続作動させるトランジスタ等の切替ドライバ107と、常時電圧切替用リレー回路106を断続作動させるトランジスタ等の切替ドライバ108とが設けられている。
制御部83は、切替ドライバ107,108を介して上記2つのリレー回路104,106の何れか一方を接続作動させ且つ他方を切断作動させることにより、主電圧供給回路96から駆動電圧供給回路98に電源電圧を供給する主電圧供給状態と、常時電圧供給回路97から駆動電圧供給回路98に電源電圧を供給する常時電圧供給状態との択一的な切替を行うように構成されている。くわえて、制御部83の入力側には、主電圧供給回路96又は常時電圧供給回路97から駆動電圧供給回路98への電圧供給状態を検知することにより、切替回路99の断線、すなわち切替回路99の異常を検出する切替異常検出回路(切替異常検出手段,異常検出手段)109が設けられている。
上記ソレノイド84A,84B,84C,84D,86L,84Hは、ソレノイド84A,84B,84C,84D,86L,84H毎に設けられたサーマルFET及びトランジスタ等からなる作動制御ドライバ111によって、作動が制御される。すなわち、制御部83は、油圧式の各アクチュエータ32A,32B,32C,32D,56A,56Bを、電磁弁64A,64B,64C,64D,69の各ソレノイド84A,84B,84C,84D,86L,84Hと、対応する各作動制御ドライバ111とによって、断続作動制御(駆動制御)するように構成されている。
また、主変速バルブ64A,64B,64C,64Dは上述の通り開度調整可能な電磁比例弁であるため、主変速装置13の変速切換用のソレノイド84A,84B,84C,84D毎に、該ソレノイド84A,84B,84C,84Dへの供給電流をフィードバックする電流フィードバック回路112が制御部83の入力側に設けられている。
図8は、制御部によって行われる電源電圧切替処理の手順を示すフロー図である。制御部83によって繰返し実効される複数のサブルーチンの1つである電源電圧切替処理が実行されると、ステップS1に進む。ステップS1では、上述の3つの各異常検出手段101,103,109による異常検出を行い、ステップS2に進む。ステップS2では、キースイッチ93の入切を検出し、入操作状態であれば、ステップS3に進む。
ステップS3では、主電圧異常検出回路101によって主電圧供給回路96の異常検出を行い、異常な状態であれば、ステップS4に進む。ステップS4では、常時電圧異常検出回路103によって、常時電圧供給回路97の異常検出を行い、正常な状態であれば、ステップS5に進む。
ステップS5では、切替回路99の主電圧切替用リレー回路104を介して主電圧供給回路96から駆動電圧供給回路98への電圧供給を遮断し、ステップS6に進む。ステップS6では、切替回路99の常時電圧切替用リレー回路106を介して、常時電圧供給回路97と駆動電圧供給回路98との電気的接続を行うことにより、常時電圧供給状態への切替を行い、ステップS7に進む。ステップS7では、上述の報知手段80を介して、主電圧供給回路96の異常状態の報知を行い、ステップS8に進む。
すなわち、主電圧供給回路96の異常検出時且つ常時電圧供給回路97の正常検出時におけるステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS7の処理によって、切替回路99を介した主電源供給状態から、常時電圧供給状態への切替及び異常の報知を行う。
ステップS8では、切替異常検出回路109によって切替回路99の異常を検出し、異常な状態であればステップS9に進み、正常な状態であれば処理を図8に示すサブルーチンからメインルーチンに戻す。一旦、メインルーチンに処理が戻されると、本サブルーチン処理が再度行われる際には、ステップS1から再び処理が開始される。ステップS9では、切替回路99の異常状態の報知を行い、メインルーチンに処理を戻す。
ステップS4において、常時電圧供給回路97が異常な状態であれば、ステップS10に進む。ステップS10では、主電圧供給回路96及び常時電圧供給回路97の異常状態の報知を行い、両方の電圧供給回路96,97に異常が発生しているため、切替回路99による切替は行わずに、ステップS8に進む。
ステップS3において、主電圧供給回路96が正常な状態であれば、ステップS11に進む。ステップS11では、切替回路99の常時電圧切替用リレー回路106を介して常時電圧供給回路97から駆動電圧供給回路98への電圧供給を遮断し、ステップS12に進む。ステップS12では、切替回路99の主電圧切替用リレー回路104を介して、主電圧供給回路96と駆動電圧供給回路98との電気的接続を行うことにより、主電圧供給状態への切替を行い、ステップS8に進む。すなわち、ステップS3→ステップS11→ステップS12→ステップS8の処理によって、主電源供給回路96が正常に動作している通常時には、主電圧供給状態が保持される。
ステップS12において、キースイッチ93が切操作状態であれば、ステップS13に進む。なお、キースイッチ93が切操作されても、上記入切ドライバ102によって常時電圧作動モードに自動的に切替えられ、状態の記録等が完了して各部の制御が終了し、制御部83を作動させる必要が無くなるまで、制御部83への電源電圧供給は継続される。
ステップS13では、エンジン停止後も、アクチュエータ32A,32B,32C,32D,56A,56B等を用いた動力切断状態への移行規制の制御等を実行するために、駆動電圧供給回路98に電圧電圧供給を行う必要があるか否かの検出を行い、ある場合にはステップS14に進み、ない場合には、ステップS8に進む。
ステップS14では、切替回路99の主電圧切替用リレー回路104を介して主電圧供給回路96から駆動電圧供給回路98への電圧供給を遮断し、ステップS15に進む。ステップS16では、キースイッチ93の切操作検出時から所定時間が経過するのを待って、ステップS16に進む。ステップS16では、切替回路99の常時電圧切替用リレー回路106を介して、常時電圧供給回路97と駆動電圧供給回路98との電気的接続を行うことにより、常時電圧供給状態への切替を行い、ステップS8に進む。
ステップS15の待機処理によって、主電圧供給状態から常時電圧供給状態への切替が瞬間的に行われることにより、2つのリレー回路104,106を介して主電圧供給回路96と常時電圧供給回路97とが接続されることに起因した上記3つの異常検出手段101,103,109の検出誤作動を防止することが可能になる。ちなみに、主電圧異常検出回路101は制御部83の入力側に複数(図示する例では2つ)設けられており、その内の1つが故障しても他のものが主電圧供給回路96の異常を検出できるようになっている。
32A 1速クラッチ(アクチュエータ,油圧クラッチ,変速クラッチ)
32B 2速クラッチ(アクチュエータ,油圧クラッチ,変速クラッチ)
32C 3速クラッチ(アクチュエータ,油圧クラッチ,変速クラッチ)
32D 4速クラッチ(アクチュエータ,油圧クラッチ,変速クラッチ)
56A 低速クラッチ(アクチュエータ,油圧クラッチ,変速クラッチ)
56B 高速クラッチ(アクチュエータ,油圧クラッチ,変速クラッチ)
64A 1速バルブ(電磁弁,電磁比例弁,主変速バルブ,変速バルブ)
64B 2速バルブ(電磁弁,電磁比例弁,主変速バルブ,変速バルブ)
64C 3速バルブ(電磁弁,電磁比例弁,主変速バルブ,変速バルブ)
64D 4速バルブ(電磁弁,電磁比例弁,主変速バルブ,変速バルブ)
69 走行変速バルブ(電磁弁,電磁方向切換弁,変速バルブ)
80 報知手段
83 制御部
93 キースイッチ(エンジンスタータースイッチ)
94 電源(電源装置,バッテリ)
96 主電圧供給回路
97 常時電圧供給回路
99 切替回路
101 主電圧異常検出回路(主電圧異常検出手段,異常検出手段)
103 常時電圧異常検出回路(常時電圧異常検出手段,異常検出手段)
109 切替異常検出回路(切替異常検出手段,異常検出手段)

Claims (4)

  1. 各部を作動させるアクチュエータ(32A),(32B),(32C),(32D),(56A),(56B)と、該アクチュエータ(32A),(32B),(32C),(32D),(56A),(56B)の駆動制御を行う制御部(83)とを設けた作業車両において、エンジンスタータースイッチ(93)を介して電源装置(94)と接続された主電圧供給回路(96)と、電源装置(94)と直接的に接続された常時電圧供給回路(97)と、主電圧供給回路(96)の異常を検出する主電圧異常検出手段(101)とを備え、制御部(83)は、主電圧供給回路(96)側から前記アクチュエータ(32A),(32B),(32C),(32D),(56A),(56B)又は該アクチュエータ(32A),(32B),(32C),(32D),(56A),(56B)を駆動させる電磁弁(64A),(64B),(64C),(64D),(69)に電圧を供給する主電圧供給状態を保持する一方で、主電圧異常検出手段(101)によって該主電圧供給回路(96)の異常を検出した場合には、常時電圧供給回路(97)側から前記アクチュエータ(32A),(32B),(32C),(32D),(56A),(56B)又は該アクチュエータ(32A),(32B),(32C),(32D),(56A),(56B)を駆動させる電磁弁(64A),(64B),(64C),(64D),(69)に電圧を供給する常時電圧供給状態への切替を行う作業車両。
    作業車両。
  2. 常時電圧供給回路(97)の異常を検出する常時電圧異常検出手段(103)を設け、制御部(83)は、主電圧異常検出手段(101)又は常時電圧異常検出手段(103)によって異常を検出した場合、出力側に設けられた報知手段(80)を介して異常を報知する請求項1の作業車両。
  3. 主電圧供給状態と常時電圧供給状態との択一的な切替を行う切替回路(99)と、切替回路(99)の異常を検出する切替異常検出手段(109)とを設け、制御部(83)は、切替異常検出手段(109)によって異常を検出した場合には、出力側に設けられた報知手段(80)を介して異常を報知する請求項1又は2の作業車両。
  4. 制御部(83)は、エンジンスタータースイッチ(93)の切操作が検出された際に、前記アクチュエータ(32A),(32B),(32C),(32D),(56A),(56B)又は該アクチュエータ(32A),(32B),(32C),(32D),(56A),(56B)を駆動させる電磁弁(64A),(64B),(64C),(64D),(69)に電圧を供給する必要がある場合には、エンジンスタータースイッチ(93)の切操作が検出されてから所定時間経過後に、切替回路(99)を介した常時電圧供給状態への切替を行う請求項3の作業車両。
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