JP2010221424A - 流体噴射装置の製造方法、及び、流体噴射装置 - Google Patents

流体噴射装置の製造方法、及び、流体噴射装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010221424A
JP2010221424A JP2009068614A JP2009068614A JP2010221424A JP 2010221424 A JP2010221424 A JP 2010221424A JP 2009068614 A JP2009068614 A JP 2009068614A JP 2009068614 A JP2009068614 A JP 2009068614A JP 2010221424 A JP2010221424 A JP 2010221424A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
waveform
amount
drive
fluid
drive signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009068614A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5391763B2 (ja
Inventor
Junichiro Matsushita
潤一郎 松下
Shuji Yonekubo
周二 米窪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2009068614A priority Critical patent/JP5391763B2/ja
Priority to US12/727,108 priority patent/US8292388B2/en
Priority to CN2010101454450A priority patent/CN101837679B/zh
Publication of JP2010221424A publication Critical patent/JP2010221424A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5391763B2 publication Critical patent/JP5391763B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14201Structure of print heads with piezoelectric elements
    • B41J2/14274Structure of print heads with piezoelectric elements of stacked structure type, deformed by compression/extension and disposed on a diaphragm
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/015Ink jet characterised by the jet generation process
    • B41J2/04Ink jet characterised by the jet generation process generating single droplets or particles on demand
    • B41J2/045Ink jet characterised by the jet generation process generating single droplets or particles on demand by pressure, e.g. electromechanical transducers
    • B41J2/04501Control methods or devices therefor, e.g. driver circuits, control circuits
    • B41J2/04581Control methods or devices therefor, e.g. driver circuits, control circuits controlling heads based on piezoelectric elements
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/015Ink jet characterised by the jet generation process
    • B41J2/04Ink jet characterised by the jet generation process generating single droplets or particles on demand
    • B41J2/045Ink jet characterised by the jet generation process generating single droplets or particles on demand by pressure, e.g. electromechanical transducers
    • B41J2/04501Control methods or devices therefor, e.g. driver circuits, control circuits
    • B41J2/04588Control methods or devices therefor, e.g. driver circuits, control circuits using a specific waveform
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T29/00Metal working
    • Y10T29/49Method of mechanical manufacture
    • Y10T29/49002Electrical device making
    • Y10T29/49117Conductor or circuit manufacturing

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

【課題】流体噴射時間を短縮しつつ、画像の粒状性を改善すること。
【解決手段】駆動波形を印加することによって駆動素子を駆動し、その前記駆動素子に対応するノズルから流体を噴射させる流体噴射装置の製造方法であって、所定周期の中で複数の駆動波形を発生し、前記複数の駆動波形を前記所定周期ごとに繰り返し発生する駆動信号であり、前記所定周期中に前記ノズルから1回で噴射される流体量のうちの最大流体量を噴射させるための第1駆動波形と、前記最大流体量とは異なる別の流体量を噴射させるための第2駆動波形とを、前記所定周期中に少なくとも2つずつ発生し、前記所定周期中において、前記第1駆動波形が発生する時間間隔の方が、前記第2駆動波形が発生する時間間隔よりも、前記所定周期の半分の長さに近い駆動信号を生成するためのデータを作成することと、前記駆動信号を生成するためのデータを前記流体噴射装置のメモリーに記憶することと、を有する流体噴射装置の製造方法。
【選択図】図11

Description

本発明は、流体噴射装置の製造方法、及び、流体噴射装置に関する。
駆動素子に駆動波形を印加して、その駆動素子に対応するノズルからインク(流体)を噴射させるインクジェットプリンターが知られている。駆動素子に印加する駆動波形の形状を変化させることで、ノズルから噴射させるインク量を変化させることができる。
ところで、印刷画像の粒状性を改善するためには、ノズルから噴射させるインク量の種類を増やし、また、ノズルから噴射させるインク量の変化を小さくするとよい。そこで、複数種類のインク量をノズルから噴射させるために、繰り返し周期内に複数の形状の駆動波形を発生させる駆動信号を用いて印刷を行うインクジェットプリンターが知られている(特許文献1参照)。
また、あるサイズのノズルから所定のインク量を噴射させるための駆動波形を、繰り返し周期内で2回発生させるとする。この場合、繰り返し周期の前半部分と後半部分に駆動波形をそれぞれ1つずつ発生させることで、所定のインク量にて形成されるドットを画素内にバランスよく配置することが出来る。
特開2005−125804号公報
粒状性を改善するために、所定のインク量に近い別のインク量を噴射させるための変形駆動波形を、繰り返し周期の前半部分と後半部分にそれぞれ1つずつ発生させると、高周波数領域においてノズルのメニスカスが不安定となる。その結果、正確なインク量が噴射されないという問題が発生する。しかし、繰り返し周期内において、1回目の変形駆動波形によりインクを噴射させた後、メニスカスが安定するまで2回目の変形駆動波形を発生させないとすると、繰り返し周期が長くなり、印刷時間(流体噴射時間)が長くなってしまう。
そこで、本発明では、流体噴射時間を短縮しつつ、画像の粒状性を改善することを目的とする。
課題を解決するための主たる発明は、(1)駆動波形を印加することによって駆動素子を駆動し、その前記駆動素子に対応するノズルから流体を噴射させる流体噴射装置の製造方法であって、(2)所定周期の中で複数の駆動波形を発生し、前記複数の駆動波形を前記所定周期ごとに繰り返し発生する駆動信号であり、前記所定周期中に前記ノズルから1回で噴射される流体量のうちの最大流体量を噴射させるための第1駆動波形と、前記最大流体量とは異なる別の流体量を噴射させるための第2駆動波形とを、前記所定周期中に少なくとも2つずつ発生し、前記所定周期中において、前記第1駆動波形が発生する時間間隔の方が、前記第2駆動波形が発生する時間間隔よりも、前記所定周期の半分の長さに近い駆動信号を生成するためのデータを作成することと、(3)前記駆動信号を生成するためのデータを前記流体噴射装置のメモリーに記憶することと、(4)を有することを特徴とする流体噴射装置の製造方法である。
本発明の他の特徴は、本明細書、及び添付図面の記載により、明らかにする。
図1Aはプリンターの全体構成ブロック図であり、図1Bはプリンターの一部の斜視図である。 図2Aはヘッドの断面図であり、図2Bはヘッドのノズル面を示す図である。 駆動信号を生成する駆動信号生成回路を示す図である。 ヘッド制御部を説明するための図である。 比較例の第1駆動信号と第2駆動信号を示す図である。 図6Aは基本波形を示す図であり、図6Bは少量化波形を示す図である。 図7A及び図7Bはメニスカスの動きを示す図である。 中間電位の保持期間を変化させた時のインク噴射量の測定結果である。 少量化波形の発生間隔を複数変化させた時のインク噴射量の測定結果である。 図10Aは図8の測定結果を取得するために使用した駆動信号COMであり、図10Bは図9の測定結果を取得するために使用した駆動信号COMである。 本実施形態の駆動信号が有する一部の駆動波形を示す図である。 本実施形態の駆動信号と選択データの関係を示す図である。 図13A及び図13Bは2つの少量化波形の配置を異ならせた様子を示す図である。 図14A及び図14Bは駆動信号の変形例を示す図である。 駆動信号における駆動波形の設計方法を示す図である。 変形例の駆動信号を示す図である。 3つの少量化波形の発生間隔を複数変化させた時のインク噴射量の測定結果である。
===開示の概要===
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかとなる。
即ち、(1)駆動波形を印加することによって駆動素子を駆動し、その前記駆動素子に対応するノズルから流体を噴射させる流体噴射装置の製造方法であって、(2)所定周期の中で複数の駆動波形を発生し、前記複数の駆動波形を前記所定周期ごとに繰り返し発生する駆動信号であり、前記所定周期中に前記ノズルから1回で噴射される流体量のうちの最大流体量を噴射させるための第1駆動波形と、前記最大流体量とは異なる別の流体量を噴射させるための第2駆動波形とを、前記所定周期中に少なくとも2つずつ発生し、前記所定周期中において、前記第1駆動波形が発生する時間間隔の方が、前記第2駆動波形が発生する時間間隔よりも、前記所定周期の半分の長さに近い、駆動信号を生成するためのデータを作成することと、(3)前記駆動信号を生成するためのデータを前記流体噴射装置のメモリーに記憶することと、(4)を有することを特徴とする流体噴射装置の製造方法である。
このような流体噴射装置の製造方法によれば、流体噴射時間を短縮しつつ、画像の粒状性を改善することができる。
かかる流体噴射装置の製造方法であって、前記所定周期中において2つの前記第2駆動波形が発生する時間間隔を複数変化させて、前記ノズルから噴射される流体量を計測した結果を取得し、前記結果に基づいて、前記駆動信号の前記所定周期中における2つの前記第2駆動波形が発生する時間間隔を決定すること。
このような流体噴射装置の製造方法によれば、第2駆動波形による流体噴射後のメニスカスの残留振動が制振され難くとも、所望の流体量を噴射させることが出来る。
かかる流体噴射装置の製造方法であって、前記結果において、前記ノズルから噴射される流体量と2つの前記第2駆動波形が発生する時間間隔の長さとに基づいて、前記駆動信号の前記所定周期中における2つの前記第2駆動波形が発生する時間間隔を決定する流体噴射装置の製造方法である。
このような流体噴射装置の製造方法によれば、他の駆動波形の設計自由度を高めることが出来る。
かかる流体噴射装置の製造方法であって、前記結果において、前記ノズルから噴射される流体量と2つの前記第2駆動波形が発生する各時間間隔における流体噴射特性とに基づいて、前記駆動信号の前記所定周期中における2つの前記第2駆動波形が発生する時間間隔を決定すること。
このような流体噴射装置の製造方法によれば、画質を向上させることが出来る。
かかる流体噴射装置の製造方法であって、前記結果において、前記ノズルから噴射される流体量と、2つの前記第2駆動波形が発生する各時間間隔における流体噴射量の変化量とに基づいて、前記駆動信号の前記所定周期中における2つの前記第2駆動波形が発生する時間間隔を決定すること。
このような流体噴射装置の製造方法によれば、駆動信号を生成する際に誤差が生じたとしても、第2駆動波形によって別の流体量に出来る限り近い流体量をノズルから噴射させることが出来る。
かかる流体噴射装置の製造方法であって、前記最大流体量は、前記別の流体量と前記別の流体量の2倍の流体量との間の流体量であること。
このような流体噴射装置の製造方法であって、画像の粒状性を改善することができる。
かかる流体噴射装置の製造方法であって、同じ前記駆動素子に、第1の駆動信号で発生する前記駆動波形と第2の駆動信号で発生する前記駆動波形を印加可能とし、
前記第1の駆動信号と前記第2の駆動信号とに、前記第1駆動波形と前記第2駆動波形をそれぞれ1つずつ発生させること。
このような流体噴射装置の製造方法であって、駆動信号生成部の発熱量を分散させることができる。
また、(1)駆動波形によって駆動する駆動素子と、(2)前記駆動素子の駆動によって、流体が噴射されるノズルと、(3)所定周期の中で複数の前記駆動波形を発生し、前記複数の駆動波形を前記所定周期ごとに繰り返し発生する駆動信号を生成する駆動信号生成部と、(4)前記所定周期中に前記ノズルから1回で噴射される流体量のうちの最大流体量を噴射させるための第1駆動波形と、前記最大流体量とは異なる別の流体量を噴射させるための第2駆動波形とを、前記所定周期中に少なくとも2つずつ発生する前記駆動信号であって、前記所定周期中において、前記第1駆動波形が発生する時間間隔の方が、前記第2駆動波形が発生する時間間隔よりも、前記所定周期の半分の長さに近い前記駆動信号を、前記駆動信号生成部に生成させる制御部と、(4)を有することを特徴とする流体噴射装置である。
このような流体噴射装置によれば、流体噴射時間を短縮しつつ、画像の粒状性を改善することができる。
===インクジェットプリンターについて===
以下、流体噴射装置をインクジェットプリンターとし、また、インクジェットプリンターの中のシリアル式のプリンター(以下、プリンター1)を例に挙げて実施形態を説明する。
図1Aは、本実施形態のプリンター1の全体構成ブロック図であり、図1Bは、プリンター1の一部の斜視図である。外部装置であるコンピュータ60から印刷データを受信したプリンター1は、コントローラー10により、各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御し、用紙S(媒体)に画像を形成する。また、プリンター1内の状況を検出器群50が監視し、その検出結果に基づいて、コントローラー10は各ユニットを制御する。
コントローラー10は、プリンター1の制御を行うための制御ユニットである。インターフェイス部11は、外部装置であるコンピュータ60とプリンター1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU12は、プリンター1全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリー13は、CPU12のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものである。CPU12は、ユニット制御回路14により各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、用紙Sを印刷可能な位置に送り込み、印刷時には用紙Sを搬送方向に所定の搬送量で搬送するためのものである。キャリッジユニット30は、キャリッジ31に取り付けられたヘッド41を用紙の搬送方向と交差する方向(以下、移動方向という)に移動させるためのものである。
ヘッドユニット40は、用紙Sにインクを噴射するためのものであり、ヘッド41とヘッド制御部HCを有する。ヘッド41の下面にはインク噴射部であるノズルが複数設けられている。コントローラー10からのヘッド制御信号や駆動信号生成回路15にて生成される駆動信号COMに基づいて、ピエゾ素子(駆動素子)を変形することにより、対応するノズルからインク滴が噴射される。
本実施形態のプリンター1は、移動方向に沿って移動するヘッド41からインクを断続的に噴射させ、用紙S上にドットを形成するドット形成処理と、用紙Sを搬送方向に搬送する搬送処理と、を交互に繰り返すことで、先のドット形成処理により形成されたドットの位置とは異なる位置にドットを形成し、画像を完成する。
===ヘッド41の駆動について===
<ヘッド41の構成について>
図2Aは、ヘッド41の断面図である。ヘッド41本体は、ケース411と、流路ユニット412と、ピエゾ素子群PZTとを有する。ケース411はピエゾ素子群PZTを収納し、ケース411の下面に流路ユニット412が接合されている。
流路ユニット412は、流路形成板412aと、弾性板412bと、ノズルプレート412cとを有する。流路形成板412aには、圧力室412dとなる溝部、ノズル連通口412eとなる貫通口、共通インク室412fとなる貫通口、インク供給路412gとなる溝部が形成されている。弾性板412bはピエゾ素子PZTの先端が接合されるアイランド部412hを有する。そして、アイランド部412hの周囲には弾性膜412iによる弾性領域が形成されている。インクカートリッジに貯留されたインクが、共通インク室412fを介して、各ノズルNzに対応した圧力室412dに供給される。ノズルプレート412cにはインクが噴射されるノズルNzが形成されている。
図2Bは、ヘッド41のノズル面を示す図である。ノズル面では、180個のノズルが搬送方向に所定間隔Dで並んだノズル列が4つ形成されている。各ノズル列からはそれぞれ異なる色のインクが噴射される。4つのノズル列とは、イエローインクを噴射するイエローノズル列Yと、マゼンタインクを噴射するマゼンタノズル列Mと、シアンインクを噴射するシアンノズル列Cと、ブラックインクを噴射するブラックノズル列Kである。
ピエゾ素子群PZTは、櫛歯状の複数のピエゾ素子(駆動素子)を有し、ノズルNzに対応する数分だけ設けられている。ヘッド制御部HCなどが実装された配線基板(不図示)によって、ピエゾ素子群PZT(以下、ピエゾ素子とも言う)に駆動信号COMが印加され、駆動信号COMの電位に応じてピエゾ素子群PZTは上下方向に伸縮する。ピエゾ素子群PZTが伸縮すると、アイランド部412hは圧力室412d側に押されたり、反対方向に引かれたりする。このとき、アイランド部412hの周辺の弾性膜412iが変形し、圧力室412d内の圧力が上昇・下降することにより、ノズルからインク滴が噴射される。
<駆動信号生成回路について>
図3は、駆動信号COMを生成する駆動信号生成回路15(駆動信号生成部に相当)を示す図である。駆動信号生成回路15は、波形生成回路151と電流増幅回路152を有する。まず、波形生成回路151が、DAC値(デジタル信号の波形情報)に基づいて、駆動信号COMの基となる電圧波形信号(アナログ信号の波形情報)を生成する。そして、電流増幅回路152は、電圧波形信号について、その電流を増幅し、駆動信号COMとして出力する。駆動信号COMは、あるノズル群(ノズル列)に属するノズルからインクを噴射させるために共通に使用される。なお、DAC回路(デジタル回路)に限らず、アナログ回路でもよい。
電流増幅回路152は、駆動信号COMの電圧上昇時に動作する上昇用トランジスタQ1(NPN型トランジスタ)と、駆動信号COMの電圧下降時に動作する下降用トランジスタQ2(PNP型トランジスタ)を有する。上昇用トランジスタQ1は、コレクタが電源に接続され、エミッタが駆動信号COMの出力信号線に接続されている。下降用トランジスタQ2は、コレクタが接地(アース)に接続され、エミッタが駆動信号COMの出力信号線に接続されている。
波形生成回路151からの電圧波形信号によって、上昇用トランジスタQ1がON状態になると、駆動信号COMが上昇し、ピエゾ素子PZTの充電が行われる。一方、電圧波形信号によって、下降用トランジスタQ2がON状態になると、駆動信号COMが下降し、ピエゾ素子PZTの放電が行われる。そうして、ノズルからインク滴を噴射させる等のための駆動波形が形成される。
<ヘッド制御部HCについて>
図4は、ヘッド制御部HCを説明するための図である。ヘッド制御部HCは、ピエゾ素子(群)PZTごとに、第1シフトレジスタ421と、第2シフトレジスタ422と、第1ラッチ回路431と、第2ラッチ回路432と、デコーダ44と、第1スイッチ45(1)と、第2スイッチ45(2)とを備え、また、制御ロジック46を備えている。
ここでは説明の容易のため、1画素(用紙上に仮想的に定めた単位領域)に対して、例えば、2ビットのドット形成データSIが、コントローラー10からヘッド制御部HCに送られるとする。なお、後述の実施形態では1画素に形成するドットの種類が多いので、それに伴ってドット形成データSIのデータ数も増える。第1シフトレジスタ421にはドット形成データSIの上位ビットがセットされ、第2シフトレジスタ422には下位ビットがセットされる。ラッチ信号LATで規定されるタイミングで、第1ラッチ回路431は第1シフトレジスタ421にセットされたデータをラッチし、第2ラッチ回路432は第2シフトレジスタ422にセットされたデータをラッチする。第1ラッチ回路431と第2ラッチ回路432でラッチされることで、シリアル転送されたドット形成データSIが各ノズルNzと組になる。デコーダ44は、第1ラッチ回路431と第2ラッチ回路432からのドット形成データSIに基づいてデコードを行い、第1スイッチ45(1)と第2スイッチ45(2)を制御するためのスイッチ制御信号SW(1),SW(2)を出力する。このスイッチ制御信号SWは、制御ロジック46から出力される複数種類の選択データq(後述)の中から選択されたものである。ここでは1つのヘッド制御部HCに2種類の駆動信号COM(1),COM(2)が入力される(後述)。そして、第1スイッチ45(1)は第1スイッチ制御信号SW(1)に基づいて第1駆動信号COM(1)のピエゾ素子への印加を制御し、第2スイッチ45(2)は第2スイッチ制御信号SW(2)に基づいて第2駆動信号COM(2)のピエゾ素子への印加を制御する。
===比較例の駆動信号COMについて===
図5は、比較例にて使用する第1駆動信号COM(1)と第2駆動信号COM(2)を示す図である。比較例では、1つのノズルから5種類のインク量を噴射し、1つの画素に対して5種類の大きさのドットを形成可能する。5種類のドットとは、微小ドット(1.6pl)、小ドット(2.5pl)、中ドット(5pl)、大ドット(10pl)、極大ドット(20pl)である。即ち、比較例では、ドットを形成しない場合を含めて、1つの画素を6階調にて表現する。
ところで、同じ大きさのノズルから噴射するインク量を異ならせるには、駆動信号COMが有する駆動波形Wの形状を異ならせればよい。ただし、ノズルから噴射するインク量の種類が増え、駆動波形Wの数が増えることによって、それらの駆動波形Wを繰り返し発生する周期(以下、繰り返し周期Tと呼ぶ)が長くなってしまう。繰り返し周期T(所定周期に相当)が、1つのノズルと1つの画素が対向する時間に相当し、繰り返し周期Tが長くなることで印刷時間が長くなってしまう。
そこで、複数の駆動波形Wを、第1駆動信号COM(1)と第2駆動信号COM(2)に分けて発生させて、繰り返し周期Tの長さを短縮する。そのためには、図3に示す駆動信号生成回路15をノズル列ごとに2つずつ設け、一方の駆動信号生成回路15が第1駆動信号COM(1)を生成し、他方の駆動信号生成回路15が第2駆動信号COM(2)を生成する。そして、図4に示すように、あるノズル列のヘッド制御部HCに、2つの駆動信号COM(1)、COM(2)が入力される。
以下、比較例にて使用する第1駆動信号COM(1)と第2駆動信号COM(2)について詳しく説明する。図5に示すように、第1駆動信号COM(1)は、繰り返し周期T1における期間T11において第1波形W1を発生し、期間T12において第2波形W2を発生し、期間T13において第3波形W3を発生する。一方、第2駆動信号COM(2)は、期間T14において第4波形W4を発生し、期間T15において第5波形W5を発生し、期間T16において第1波形W1を発生する。
ここで、第1波形W1がピエゾ素子に印加されると、そのピエゾ素子に対応するノズルから10plのインクが噴射される。また、第2波形W2がピエゾ素子に印加されると対応するノズルから2.5plのインクが噴射され、第3波形W3がピエゾ素子に印加されると対応するノズルから1.6plのインクが噴射され、第4波形W4がピエゾ素子に印加されると対応するノズルから5plのインクが噴射される。
ただし、第5波形W5がピエゾ素子に印加されても対応するノズルからインク滴は噴射されず、そのノズルのメニスカス(ノズルから露出しているインクの自由表面)が微振動するだけである。例えば、ある画素に対応するドット形成データSIが「ドット無し」を示している場合には、その画素が割り当てられるノズルのピエゾ素子には、第5波形W5が印加される。そうすることで、そのノズルのメニスカスは微振動するが、ノズルからインク滴は噴射されず、その画素にはドットが形成されない。このようにノズルからインク滴を噴射させない場合であっても、ノズルのメニスカスを微振動させることで、メニスカスの乾燥を防止でき、ノズルの目詰まりによる噴射不良を防止できる。
そして、ドット形成データSIが「ドット無し」を示している場合には、第1駆動信号COM(1)に対応する選択データq0を「000」とし、第2駆動信号COM(2)に対応する選択データq6を「010」とする。
ここで、選択データq0〜q11について説明する。選択データq0〜q11は図4に示す制御ロジック46から出力され、複数の選択データq0〜q11からドット形成信号SIに基づいて選択されたものがスイッチ制御信号SW(1),SW(2)に相当する。選択データq0からq5は、第1駆動信号COM(1)が有する駆動波形(W1,W2,W3)の選択パターンを示し、選択データq6からq11は、第2駆動信号COM(2)が有する駆動波形(W4,W5,W1)の選択パターンを示す。
第1駆動信号COM(1)も第2駆動信号COM(2)もそれぞれ駆動波形Wを3つ有し、繰り返し周期T1がそれぞれ3つの期間(T11〜T13とT14〜T16)に分割されるため、選択データq0〜q11は3ビットのデータで示される。そして、選択データq0〜q11は、各期間(T11〜T16)の切り替えタイミングで、その内容(駆動波形を印加するか否か)が切り替えられる。選択データが「0」である場合、その期間に対応する駆動波形はピエゾ素子に印加されず、選択データが「1」である場合、その期間に対応する駆動波形がピエゾ素子に印加される。
そして、ドット形成データSIが「微小ドット形成」を示している場合には、第1駆動信号COM(1)の選択データq1が「001」となり、第2駆動信号COM(2)の選択データq7が「000」となり、対応するピエゾ素子に第3波形W3が印加される。そうすることで、ノズルからは微小ドットに相当する1.6plのインクが噴射される。同様に、ドット形成データSIが「小ドット形成」を示している場合には、対応するピエゾ素子に第2波形W2が印加され、ノズルから2.5plのインクが噴射される。ドット形成データSIが「中ドット形成」を示す場合には、対応するピエゾ素子に第4波形W4が印加され、ノズルから5plのインクが噴射される。ドット形成データSIが「大ドット形成」を示す場合には、対応するピエゾ素子に第1波形W1が印加され、ノズルから10plのインクが噴射される。ドット形成データSIが「極大ドット形成」を示す場合には、対応するピエゾ素子に2つの第1波形W1が印加され、ノズルから20plのインクが噴射される。
つまり、微小ドット、小ドット、中ドット、大ドットでは、ピエゾ素子に印加する駆動波形Wの形状を変えることによって、ノズルから噴射するインク量を異ならせている。これに対して、大ドット、極大ドットでは、ピエゾ素子に印加する駆動波形(第1波形W1)の数を変えることによって、ノズルから噴射するインク量を異ならせている。
微小ドットを形成するノズルから1回に噴射可能なインク量には限度がある。そこで、極大ドットを形成する場合には、ノズルから2回に分けてインクを噴射する。即ち、極大ドットを形成するために、同じ繰り返し周期Tの期間に駆動波形(ここでは第1波形W1)がピエゾ動素子に連続して印加される。そのため、ピエゾ素子に連続して印加される駆動波形によるインク噴射後のメニスカスは安定し易く、また、極大ドットを形成するために多量のインクを噴射する駆動波形とする。
また、極大ドットは、1画素に向けて噴射されるインク量が最も多いため、用紙上の所定の領域を塗りつぶす印刷(所謂ベタ塗り印刷)を行う際に形成される。印刷の高速化の観点では、このベタ塗り印刷を高速化することが重要である。そのため、繰り返し周期T内にてノズルから1回に最大インク量を噴射する駆動波形を、インク噴射後のメニスカスが安定し易く、高周波数領域でも使用できる駆動波形に設定する。即ち、ベタ塗り印刷などを高速化するために、最大インク量を噴射する駆動波形を繰り返し周期T内に2つ設けても安定したインク量が得られ、また、繰り返し周期Tを出来る限り短縮できるような駆動波形に設計する。
以下、繰り返し周期T内において、1つのノズルから1回で最大量のインクを噴射させる駆動波形(ここでは第1波形W1)であって、インク噴射後のメニスカスが安定し易い駆動波形を「基本波形」と呼ぶ。
基本波形である第1波形W1は、図5に示すように、まず、中間電位Vcから最高電位Vhまで電位が上昇する。これによって、図2に示すピエゾ素子PZTが長手方向に縮み、インクが充填された圧力室412dが膨張する。圧力室412dの膨張状態がしばらく保持された後、最高電位Vhから最低電位Vlまで電位が一気に下降する。これにより、ピエゾ素子PZTが長手方向に伸び、圧力室412dが収縮し、ノズルからインク滴が噴射される。
これに対して、第1波形W1にて噴射されるインク量(10pl)よりも少ないインク量を噴射させる第2波形W2や第3波形W3や第4波形W4は、第1波形W1に比べて複雑な形状をしている。例えば、第2波形W2は、図5に示すように、中間電位Vcから最高電位Vh1まで電位が上昇した後に一気に最低電位Vl1まで電位が下降せず、最高電位Vh1から途中まで電位が下降した後に、再び電位が上昇し、その後に最低電位Vl1まで電位が下降する。そうすることで、1回目の電位の下降によりノズルから飛び出したインク柱(メニスカス)を小さく切断することができ、少量のインクを噴射させることができる。
このように、基本波形(第1波形W1)は他の波形(第2波形W2、第3波形W3、第4波形W4)に比べて波形形状が複雑ではないため、基本波形でインクを噴射させた後のメニスカスの残留振動は、他の波形でインクを噴射させた後のメニスカスの残留振動に比べて、小さく、制振されやすい。そのため、繰り返し周期T内において、比較的に短い時間間隔で、複数の基本波形(第1波形W1)を繰り返しピエゾ素子に印加させることができる。一方、繰り返し周期T内において、基本波形でない他の波形を繰り返しピエゾ素子に印加すると、前回のインクの噴射によるメニスカスの残留振動が治まらないうちに、次の駆動波形がピエゾ素子に印加され、ノズルから正しいインク量が噴射されなくなってしまう。
以上のことから、1画素に対して、ノズルから1回に噴射される最大インク量(ここでは10pl)よりも多くのインク量を噴射する場合には、極大ドット(20pl)を形成する場合のように、複数の基本波形(第1波形W1)をピエゾ素子に印加する必要がある。
そのため、比較例では5種類のドットを形成するが、図5に示すように、大ドットを形成するためのインク量と極大ドットを形成するためのインク量の差(10pl)が、他のドットを形成するための各インク量の差(例えば、小ドットと中ドットのインク量の差は2.5pl)に比べて大きくなってしまう。即ち、微小ドットから極大ドットまでドットを形成するためのインク量が段階的に増えるが、大ドットから極大ドットへのインク量の増え方(インクの変化量)が、他の小さいドットから次の大きさのドットへのインク量の増え方よりも多い。つまり、比較例の駆動信号では、微小ドットから大ドットまでは、ドットが徐々に大きくなっているのに対して、大ドットから極大ドットへは、急にサイズが大きくなる。
<粒状性の改善について>
ところで、印刷画像の粒状性を改善するためには、ノズルから噴射するインク量の種類(ドットサイズ)を増やし、また、そのインクの変化量(各ドットを形成するインク量の差)を小さくする方法が挙げられる。この比較例では、大ドットよりも小さいドットにおけるインクの変化量(例えば、1plや2.5pl)に比べて、大ドットを形成するインク量と極大ドットを形成するインク量の差「10pl」が大きい。大ドットから極大ドットへのインクの変化量である「10pl」は、ノズルから1回に噴射されるインクの最大量である。このため、大ドットから極大ドットに切り替わる濃度において、粒状性が悪くなってしまう。
そこで、本実施形態では、各ドットを形成するインク量の差、即ち、小さいドットから大きいドットへのインクの変化量を出来る限り小さくし、印刷画像の粒状性を改善することが目的となる。特に、基本波形(第1波形W1)にて形成される大ドットのインク量(10pl)と2つの基本波形(第1波形W1)にて形成される極大ドットのインク量(20pl)との差を小さくすることを目的とする。具体的には、大ドットに相当するインク量「10pl」と極大ドットに相当するインク量「20pl」との間のインク量「例えば14pl」のインクを噴射させることで、印刷画像の粒状性を改善する。
<少量化波形について>
図6Aは、10plのインクを噴射させるための基本波形(第1波形W1)を示す図であり、図6Bは、同じサイズのノズルにより7plのインクを噴射させるための少量化波形(第6波形W6)を示す図である。図6Aおよび図6Bにおいて、横軸は時間(μs)を示し、縦軸は電位の変化(V)を示す。
図7Aは、基本波形W1がピエゾ素子に印加された際のメニスカス70の動きを示す図であり、図7Bは、少量化波形W6がピエゾ素子に印加された際のメニスカス70の動きを示す図である。図7は図2Aに示すノズルNzを拡大した図を示し、ノズルNzの側壁71に対するメニスカス70(太線)の動きを示す。
前述のように、基本波形である第1波形W1(図7A)では、中間電位Vcから最高電位Vhまで電位が傾斜θ1にて上昇する。これにより、図2に示すピエゾ素子が長手方向に縮み、インクが充填された圧力室412dを膨張する。そうすると、図7Aに示すように、メニスカス70はノズルNzの側壁71に沿って大きく引き込まれる。その後、基本波形では、最高電位Vhから最低電位Vlまで電位が一気に下がり、ピエゾ素子が長手方向に伸びて、圧力室412dが収縮する。そうすると、圧力室方向に引き込まれていたメニスカス70が噴射方向に押し出され、ノズルNzから飛び出したインク柱がそのまま分離し、インク滴となって噴射される。インク滴の噴射後は、所定時間の経過後に最低電位Vlから中間電位Vcまで電位が上昇する。
一方、少量化波形(第6波形W6・図6B)では、中間電位Vcから最高電位Vh2まで電位が傾斜θ2にて上昇する。これにより、圧力室412dが膨張し、メニスカス70が圧力室方向に引き込まれる。このとき、少量化波形は基本波形に比べて、電位が上昇する傾斜角度が急である(θ2<θ1)。即ち、少量化波形は基本波形に比べてメニスカス70の引き込みエネルギーが大きく、メニスカス70は急に強く引き込まれることになる。そうすると、図7Bに示すように、ノズルNzの側壁71に近いメニスカス部分は、側壁71から離れた中央部のメニスカス部分に比べて、引き込まれ難くなる。そのため、最高電位Vh2から電位が下降し、メニスカス70が噴射方向に押し出されたときのインク柱が、基本波形によりメニスカスが押し出されたときのインク柱よりも小さくなる。
更に、少量化波形では、最高電位Vh2から最低電位Vl2まで電位が一気に下降することなく、最高電位Vh2から途中の電位V2まで電位が下降する。そうすることで、ノズルNzから押し出されたインク柱は一気に切断されず、電位V2の保持期間にインク柱から切断されるインク量が少なくなるように調整できる。インク滴の噴射後は、所定時間の経過後に最低電位Vlから中間電位Vcまで電位が上昇する。
こうして、基本波形(第1波形W1)と電位の上昇方法(圧力室412dの膨張方法)や電位の下降方法(圧力室412dの収縮方法)を変えることで、基本波形で10plを噴射するノズルからでも、7plのインクを噴射させることができる。
<少量化波形によるインク噴射量について>
図8は、基本波形W1と少量化波形W6において、インク噴射後の中間電位Vcの保持期間(図6の調整期間)を変化させて、それぞれの駆動波形を繰り返し発生した時のインク噴射量の測定結果を示す図である。駆動波形の調整期間を変化させることで、繰り返し周期Tが変化し、各駆動波形(基本波形または少量化波形)の発生する周波数が変化する。駆動波形の調整期間を長くすることで、繰り返し周期Tが長くなり、駆動波形の周波数が低くなる。逆に駆動波形の調整期間を短くすることで、繰り返し周期Tが短くなり、駆動波形の周波数が高くなる。
図8では、横軸が各駆動波形の発生する周波数(kHz)を示し、縦軸はインク噴射量(pl)を示す。図中の測定結果は、1つのノズルから1回に噴射されたインク量であり、基本波形または少量化波形によって繰り返しノズルからインクを噴射させた時の2回目以降の噴射量である。図中の三角(▲)の測定結果は、図6Aの基本波形形W1によるインク噴射量の測定結果であり、図中の丸(●)の測定結果は、図6Bの少量化波形W6によるインク噴射量の測定結果である。
例えば、周波数が20kHzに対応するインク噴射量、即ち、駆動波形を周波数20kHzで繰り返し発生させた時のインク噴射量とは、1つの駆動波形が発生する繰り返し周期の長さを調整期間も含めて50μsとした場合のインク噴射量の測定結果である。同様に、周波数が10kHzに対応するインク噴射量とは、1つの駆動波形が発生する繰り返し周期の長さを100μsとした場合のインク噴射量の測定結果である。
図8の測定結果から、各駆動波形(基本波形・少量化波形)の周波数を「10kHz」にした場合、即ち、調整期間(駆動波形の発生間隔)を比較的に長くした場合には、基本波形によりノズルから約10plのインクが噴射され、少量化波形によりノズルから約7plのインクが噴射されることが分かる。
これに対して、各駆動波形の周波数を「20kHz」にした場合、即ち、調整期間を比較的に短くした場合に、基本波形W1によりノズルから約10plのインクが噴射されるが、少量化波形W6によりノズルから7plよりも多い約9plのインクが噴射されている。
即ち、基本波形W1では、調整期間(駆動波形の発生間隔)を短くしても、正しいインク量(10pl)が噴射されるのに対して、少量化波形W6では、調整期間を短くすると、目標のインク量(7pl)よりも多いインク量(9pl)が噴射されてしまう。言い換えれば、基本波形は高周波数領域でも正しいインク量(10pl)が噴射されるのに対して、少量化波形は高周波数領域において正しいインク量(7pl)が噴射されなくなってしまう。図8の測定結果から、少量化波形では、周波数が約15kHz以上になると、インク噴射量が目標量である7plよりも増加することが分かる。
このような現象が発生する理由として、図6A及び図6Bに示すように、少量化波形は基本波形に比べて、中間電位Vcから最高電位Vh2に電位が上昇する際の傾斜角度θ2が急であり、インク滴噴射後のメニスカスの残留振動(圧力室412d内のインクの振動)が大きくなることが原因と考えられる。
具体的には、少量化波形を連続して発生させる場合に、調整期間(駆動波形の発生間隔)を短くすると、メニスカスの残留振動が制振される前に、次の少量化波形がピエゾ素子に印加され、大きな引き込みエネルギーでメニスカスを引き込めないことが原因と考えられる。その結果、圧力室412d内のインクの噴射方向の力に、メニスカスの引き込みエネルギーが打ち消され、ノズルから7plよりも多くのインクが噴射されてしまうと考えられる。
ところで、比較例の駆動信号では、図5に示すように、1つの第1波形W1(基本波形)にて形成される大ドットのインク量「10pl」と、2つの第1波形W1にて形成される極大ドットのインク量「20pl」と、の差が大きく、印刷画像の粒状性が悪い。そのため、印刷画像の粒状性を改善するために、10plと20plの間のインク量であって、10plと20plの中間のインク量である例えば14plを噴射させることが目標となる。そのためには、繰り返し周期T内に2つの少量化波形W6を発生させる必要がある。
ただし、図8の測定結果から、1つの少量化波形を10kHzで発生させなければ(少量化波形の発生間隔を100μsにしなければ)、正しいインク量(14pl)が噴射されないことが分かった。そのため、繰り返し周期T内に2つの少量化波形W6を発生させるためには、繰り返し周期Tの長さを少なくとも200μs以上にする必要がある。これに対して、14plのインクを噴射させない比較例の駆動信号(図5)における繰り返し周期T1は100μs(10kHz)である。即ち、繰り返し周期T内に2つの少量化波形を一定間隔で発生する駆動信号では、比較例の駆動信号に比べて、繰り返し周期Tが2倍となり、印刷時間が2倍となってしまう。
逆に、印刷時間を短くするために、繰り返し周期T内において、2つの少量化波形の発生間隔を短くすると(例えば1つの少量化波形を20kHzで発生させると)、正確なインク量が噴射されず、印刷画像の粒状性が改善されなくなってしまう。
このように、印刷画像の粒状性を改善するために、繰り返し周期内に2つの少量化波形を一定の間隔で発生する駆動信号を使用する場合に、印刷時間が長くなったり、正確なインク量が噴射されなかったりという課題が発生する。
そこで、本実施形態では、1画素に対して噴射するインク量の変化を出来る限り小さくして印刷画像の粒状性を改善しつつ、印刷時間を短縮することを目的とする。
===本実施形態の駆動信号COMについて===
<少量化波形W6の波形間隔Δtについて>
図9は、繰り返し周期Tにおける2つの少量化波形の発生間隔Δtを複数変化させた時のインク噴射量の測定結果を示す図である。図10Aは、図8の測定結果を取得するために使用した駆動信号COMを示す図であり、図10Bは、図9の測定結果を取得するために使用した駆動信号COMを示す図である。
前述のように図8の測定結果を取得するために用いた駆動信号COMでは、図10Aに示すように繰り返し周期T2内に1つの少量化波形W6が発生する。そのため、連続して発生する少量化波形W6の発生間隔(=繰り返し周期T2)、及び、先の繰り返し周期T2の少量化波形W6の電位変化が終了した地点から次の繰り返し周期T2の少量化波形W6の電位変化が開始する地点までの波形間隔ΔWが一定である。
このような駆動信号COM(図10A)において、1つの少量化波形W6を20kHzで連続して発生させると(100μsの期間に2つの少量化波形W6を発生させると)、図8の測定結果に示されるように、2つの少量化波形W6によってノズルから「18pl(=9pl×2)」が噴射されてしまう。このように、2つの少量化波形W6を一定の発生間隔で発生させると、高周波数領域において、所望のインク量である14plよりも多い18plが噴射されてしまう。18plのドットでは10plのドットとのインク変化量が大きく、画像の粒状性が改善されない。
図9の測定結果を取得するために用いた駆動信号では、図10Bに示すように、繰り返し周期T1内に2つの少量化波形W6が発生する。繰り返し周期T1内の2つの少量化波形W6を区別するために、先に発生する少量化波形を「先の少量化波形W6a」と示し、後に発生する少量化波形を「後の少量化波形W6b」と示す。また、図10Bに示す駆動信号COMでは、連続して発生する少量化波形W6の間隔が一定ではなく、繰り返し周期T1内の2つの少量化波形W6の間隔が比較的に短い。
具体的には、先の少量化波形W6aと後の少量化波形W6bの発生間隔ΔXa(先の少量化波形W6aの電位変化開始時から後の少量化波形W6bの電位変化開始時までの期間、以下「周期内の発生間隔ΔXa」とも呼ぶ)の方が、後の少量化波形W6bと次の繰り返し周期T1における先の少量化波形W6aの発生間隔ΔXb(以下、周期外の発生間隔ΔXbとも呼ぶ)よりも短い。
ゆえに、先の少量化波形W6aと後の少量化波形W6bとの波形間隔Δta(先の少量化波形W6aの電位変化終了時から後の少量化波形W6bの電位変化開始時までの期間、以下「周期内の波形間隔Δta」とも呼ぶ)の方が、後の少量化波形W6bと次の繰り返し周期における先の少量化波形W6aとの波形間隔Δtb(以下、周期外の波形間隔Δtbとも呼ぶ)よりも短くなる。
図9の測定結果は、図10Bに示す駆動信号COMの繰り返し周期T1を100μsに固定し、周期内の波形間隔Δtaを複数変化させてノズルから噴射されたインク量を測定した結果である。即ち、2つの少量化波形W6a,W6bを10kHzで発生させた時の測定結果である。図9では、横軸が周期内の波形間隔Δta(μs)を示し、縦軸はインク噴射量(pl)を示す。
また、図9の測定結果は、繰り返し周期T1ごとに2つの少量化波形W6a,W6bを繰り返し発生した駆動信号COMにおいて、2回目以降の繰り返し周期T1の2つの少量化波形W6a,W6bによって噴射されたインク量の測定結果である。なお、繰り返し周期T1を固定にしているため、周期内の波形間隔Δtaが長い測定結果ほど、周期外の波形間隔Δtbが短い測定結果となる。
図9の測定結果から、周期内の波形間隔Δtaが長くなるにつれて、インク噴射量が変動しつつ、インク噴射量が増加している。具体的には、図9において、周期内の波形間隔Δtaが最小の2μsである時、2つの少量化波形W6a,W6bによって噴射されるインク量が12plであり、周期内の波形間隔Δtaが最大の15μsである時、2つの少量化波形W6a,W6bによって噴射されるインク量が15plである。そのため、図9の測定結果において、2つの少量化波形W6a,W6bによって噴射されるインク量が所望の「14pl」となる地点がある。具体的には、2つの少量化波形の波形間隔Δtaが、図9中のΔta(1)、Δta(2)、Δta(3)である時にノズルから14pl噴射される。図9の測定結果から、少量化波形Wの波形間隔Δtaを調整することで、所望のインク量(14pl)を噴射できることが分かった。
以上をまとめると、高周波数領域(例えば10kHz)で2つの少量化波形W6を発生させる場合に(100μsの間に2つの少量化波形W6を発生させる場合に)、図10Aに示すように少量化波形W6が一定の波形間隔(ΔW)で発生する駆動信号COMを使用すると、所望の14plよりも多い18plが噴射されてしまう(図8)。これに対して、図10Bに示すように少量化波形W6の波形間隔(Δta,Δtb)を異ならせ、繰り返し周期T内の波形間隔Δtaを繰り返し周期T外の波形間隔Δtbよりも短くすると、所望の14plのインクを噴射させることが出来る。
そこで、本実施形態では、基本波形W1(第1駆動波形に相当)によって10pl(最大流体量に相当)が噴射されるノズルを用いて、1つの基本波形W1によるインク噴射量「10pl」と2つの基本波形W1によるインク噴射量「20pl」の間のインク量である「14pl(別の流体量の2倍の流体量に相当)」を噴射させるために、基本波形W1にて噴射されるインク量よりも少量のインク「7pl(別の流体量に相当)」を噴射する2つの少量化波形W6を繰り返し周期T内に発生した駆動信号COMであり、高周波数領域でも14plが噴射されるように、繰り返し周期T内における少量化波形W6の波形間隔Δtaを調整した駆動信号COMを用いる。そうすることで、比較例の駆動信号COM(図5)に比べて、粒状性を改善することができる。
<本実施形態の駆動信号COMについて>
図11は、本実施形態の駆動信号COMが有する一部の駆動波形を示す図である。本実施形態の駆動信号COMでは、比較例の駆動信号COMと同様に、1つの駆動素子に対して2つの駆動信号COM(1),COM(2)を印加可能とする。図11では、説明の簡略のため、繰り返し周期T1内に発生する駆動波形として、10plを噴射する2つの基本波形(第1波形W1)と7plを噴射する2つの少量化波形(第6波形W6)のみを示す。図11の第1駆動信号COM(1)では、まず、基本波形W1が発生し、その後、少量化波形W6が発生する。一方、第2駆動信号COM(2)では少量化波形W6が発生した後に基本波形W1が発生する。
前述のように、先の少量化波形W6aと後の少量化波形W6bの発生間隔(周期内の発生間隔)を「ΔXa」と示し、後の少量化波形W6bと次の繰り返し周期T1の先の少量化波形W6aの発生間隔(周期外の発生間隔)を「ΔXb」と示す。また、先の少量化波形W6aと後の少量化波形W6bの波形間隔(周期内の波形間隔)を「Δta」と示し、後の少量化波形W6bと次の繰り返し周期T1の先の少量化波形W6aの波形間隔(周期外の波形間隔)を「Δtb」と示す。
また、繰り返し周期T1内において先に発生する基本波形W1を「先の基本波形W1a」と示し、後に発生する基本波形W1を「後の基本波形W1b」と示す。また、先の基本波形W1aと後の基本波形W1bの発生間隔を「ΔYa」と示し、後の基本波形W1bと次の繰り返し周期T1の先の基本波形W1aの発生間隔を「ΔYb」と示す。また、先の基本波形W1aと後の基本波形W1bの波形間隔を「ΔTa」と示し、後の基本波形W1bと次の繰り返し周期T1の先の基本波形W1aの波形間隔を「ΔTb」と示す。
本実施形態の駆動信号COMでは、繰り返し周期T1内における少量化波形W6の発生間隔「ΔXa」は、繰り返し周期T1内における基本波形W1の発生間隔「ΔYa」よりも短く、繰り返し周期T1内における少量化波形W6の波形間隔「Δta」は、繰り返し周期T1内における基本波形W1の波形間隔「ΔTa」よりも短い。
そして、繰り返し周期T1内の基本波形W1の発生間隔ΔYaを繰り返し周期T1の半分の周期に等しいとする(ΔYa=T1/2)。ゆえに、繰り返し周期T1外における基本波形W1の発生間隔ΔYbも、繰り返し周期T1の半分の周期に等しい(ΔYb=T1/2)。このように、繰り返し周期T1内の基本波形W1の発生間隔ΔYaを繰り返し周期T1の半分の周期(T1/2)、または、それに近い値に設定することが好ましい。その理由を以下に示す。
前述のように、基本波形W1は、少量化波形W6などのその他の駆動波形に比べて、波形形状が複雑でないため、基本波形W1によるインク噴射後のメニスカスの残留振動は制振されやすい。そのため、繰り返し周期T内に2つの基本波形W1を発生させることが出来る。言い換えれば、基本波形W1では、繰り返し周期T内の先の基本波形W1によるインク噴射後のメニスカスの残留振動が比較的に安定した後に、次の基本波形W1がピエゾ素子に印加することで、所望のインク量(20pl)を噴射可能としている。
そのため、連続してピエゾ素子に印加される基本波形W1によるインク噴射後のメニスカス状態を出来る限り安定させるためには、繰り返し周期T1内の基本波形W1の発生間隔ΔYaも繰り返し周期T1外の基本波形W1の発生間隔ΔYbを出来る限り長くしたい。その一方で、印刷時間の短縮のために繰り返し周期T1は短縮したい。そこで、繰り返し周期T1内外の基本波形W1の発生間隔ΔYa,ΔYbを、繰り返し周期T1の半分の周期(T1/2)に設定するか、それに近い値に設定するとよい。そうすることで、同じ繰り返し周期T1内の基本波形W1が連続してピエゾ素子に印加される場合であっても、異なる繰り返し周期T1の基本波形W1が連続してピエゾ素子に印加される場合であっても、基本波形W1によるインク噴射後のメニスカス状態を安定させることができ、また、繰り返し周期T1を出来る限り短縮できる。
また、2つの基本波形W1a,W1bの発生間隔ΔYa,ΔYbを繰り返し周期T1の半分の周期(T1/2)と同じ、またはそれに近い値に設定することで、繰り返し周期T1の前半部分と後半部分にそれぞれ基本波形W1が1つずつ発生することになる。このように、繰り返し周期T1内において2つの基本波形W1がバランス良く配置されることで、基本波形W1にて形成される2つのドットを画素内で均等に並ぶように形成することが出来る。特に、基本波形W1で形成されるドットは、ノズルから1回に噴射される最大インク量のドットであるため、画素内に均等に並んで形成することで、画質をより向上することができる。
一方、少量化波形W6は基本波形W1よりもインク噴射後のメニスカスの残留振動が制振され難いにも関わらず、本実施形態の駆動信号COMでは、繰り返し周期T1内における少量化波形W6の発生間隔ΔXaを基本波形W1の発生間隔ΔYaよりも短くしている。そのため、少量化波形W6では、繰り返し周期T内の先の少量化波形W6aによるインク噴射後のメニスカスの残留振動が安定していない状態で、次の少量化波形W6がピエゾ素子に印加されることになる。
ただし、図9の測定結果から、先の少量化波形W6aによるインク噴射後のメニスカスが安定していない状態であっても、次の少量化波形W6bを印加するタイミングを調整することによって、所望のインク量が噴射されることが分かった。また、図9の測定結果から、先の少量化波形W6aと後の少量化波形W6bの波形間隔Δtaが短い時には(例えば図9の2μs)、所望のインク量(14pl)よりも少ないインク量がノズルから噴射され、波形間隔Δtaが長くなるにつれて(例えば図9の15μs)、所望のインク量(14pl)よりも多いインク量が噴射されることが分かった。そのため、本実施形態の駆動信号COM(図11)のように、繰り返し周期T内の先の少量化波形W6aと後の少量化波形W6bの波形間隔Δta(発生間隔ΔXa)を、比較的に短く設定し、繰り返し周期T内の先の基本波形W1aと後の基本波形W1bの波形間隔Δtb(発生間隔ΔXb)よりも短く設定することで、所望のインク量(14pl)を噴射することが出来る。
上記の内容を具体的に示すと、まず、2つの基本波形W1a,W1bの発生間隔ΔYa,ΔYbが繰り返し周期T1の半分の周期(T1/2)と同じにするため、繰り返し周期T1の長さを100μsとすると、繰り返し周期T内における基本波形W1の発生間隔ΔYaは「50μs」となる。これに対して、2つの少量化波形W6によりノズルから14plを噴射させるためには、繰り返し周期T1内における波形間隔Δtaを図9の測定結果に示す「Δta(1)、Δta(2)、Δta(3)」の何れかに設定するとよい。少量化波形の電位変化時間(図6B参照)が約15μsとし、波形間隔Δtaを最大のΔta(3)(=約9.5μs)に設定したとすると、繰り返し周期T内における少量化波形W6の発生間隔ΔXaが「24.5μs」となる。
このように、本実施形態の駆動信号COMでは、繰り返し周期T1内における少量化波形W6の発生間隔ΔXa(=24.5μs)の方が、繰り返し周期T1内における基本波形W1の発生間隔ΔYa(=50μs)よりも短い。そして、繰り返し周期T1中において、基本波形W1が発生する時間間隔ΔYa(=50μs・第1駆動波形が発生する時間間隔に相当)の方が、少量化波形W6が発生する時間間隔ΔXa(=24.5μs・第2駆動波形が発生する時間間隔に相当)よりも、繰り返し周期T1の半分の長さ(=50μs)に近い。
つまり、基本波形W1では、先の基本波形W1aのインク噴射によるメニスカス状態が比較的に安定した後に、後の基本波形W1bを発生させるため、繰り返し周期T1内における基本波形W1の発生間隔ΔYa(波形間隔Δta)を比較的に長く設定する必要があるのに対して、少量化波形W6では、先の少量化波形W6aのインク噴射によるメニスカスが安定する前に、ノズルから噴射されるインク量が増加していく過程の途中において、所望のインク量が噴射されるメニスカス状態となるタイミング(図9のΔta(1)〜Δta(3))で後の少量化波形W6bを発生させる。そのため、本実施形態の駆動信号COMでは、繰り返し周期T1に内における2つの基本波形W1の発生間隔ΔYaの方が、繰り返し周期T1内における2つの少量化波形W6の発生間隔ΔXaよりも、繰り返し周期T1の半分の周期(T1/2)に近い値に設定する。
なお、本実施形態の駆動信号COMに比べて、比較例の駆動信号COM(図5)のようにドットサイズの変化量が大きい駆動信号COMを使用するプリンターでは、4色インク(例えばイエロー・マゼンタ・シアン・ブラック)の他に、ライトシアンやライトマゼンタなどの淡いインクを用いて、印刷画像の粒状性を改善する場合がある。これに対して、本実施形態の駆動信号COMを用いるプリンターでは、ドットサイズの変化量を小さくすることが出来るため、4色インク以外の色のインクを使用しなくても粒状性を改善することができる。
また、本実施形態の駆動信号COMのように、インク噴射後のメニスカスが安定し難い少量化波形W6を高周波数領域でピエゾ素子に連続的に印加しても、所望のインク量が噴射される駆動信号COMを用いることで、インク噴射後のメニスカスが安定し易い基本波形W1によって10plのインクが噴射される10pl用のノズルの他に、10pl用のノズルよりも小さいサイズのノズルを設けて基本波形により7plのインクを噴射する必要がなくなるため、画像の粒状性を改善することができる。そのため、装置の簡略化、低コスト化が図れる。
図12は、本実施形態の駆動信号COMと選択データqの関係を示す図である。図12に示す駆動信号COMは、図11の駆動信号COMにおける中間電位Vcの保持期間にて、基本波形W1および少量化波形W6以外の駆動波形Wを発生させた駆動信号COMである。そのため、図12の駆動信号COMにおいても、図11の駆動信号COMと同様に、2つの少量化波形W6a,W6bにて所望の14plが噴射されるように2つの少量化波形の発生間隔ΔXa(波形間隔Δta)が比較的に短い間隔に設定されている。また、2つの基本波形W1の発生間隔ΔYaの間隔を繰り返し周期T1の半分の周期とし、繰り返し周期T1内において2つの基本波形W1がバランスよく配置されている。その結果、繰り返し周期T1内における2つの少量化波形の発生間隔ΔXaよりも、繰り返し周期T1内における2つの基本波形W1の発生間隔ΔYaの方が繰り返し周期T1の半分の周期(T1/2)に近い値となっている。
また、本実施形態では、1つの駆動素子に対して2つの駆動信号COM(1),COM(2)を印加可能とする。そして、1つの画素に対して7種類の大きさのドットを形成し、1画素を8階調で表現する。7種類のドットとは、小さいドットから順に、第1ドット(1pl)、第2ドット(1.6pl)、第3ドット(2.5pl)、第4ドット(7pl)、第5ドット(10pl)、第6ドット(14pl)、第7ドット(20pl)とする。
第1駆動信号COM(1)には、繰り返し周期T1内の期間T11にて、10plを噴射するための「先の基本波形W1a」が発生し、期間T12にて、7plを噴射するための「後の少量化波形W6b」が発生し、期間T13にて、1.6plを噴射するための「第3波形W3」が発生し、期間T14にて、1.0plを噴射するための「第7波形W7」が発生する。
一方、第2駆動信号COM(2)では、繰り返し周期T1内の期間T15にて、7plを噴射するために「先の少量化波形W6a」が発生し、期間T16にて、2.5plを噴射するための「第2波形W2」が発生し、期間T17にて、10plを噴射するための「後の基本波形W1b」が発生し、期間T18にて微振動用の第5波形W5が発生する。
第1駆動信号COM(1)は繰り返し周期T1が4つの期間に分けられているため、対応する選択信号q0〜q7は4ビットのデータとなり、第2駆動信号COM(2)も同様に繰り返し周期T1が4つの期間に分けられているため、対応する選択信号q8〜q15も4ビットデータとなる。
ドット形成データSIが「ドット無し」を示す場合、第1駆動信号COM(1)用の選択データq0は「0000」となり、第2駆動信号COM(2)用の選択データq8も「0001」となり、微振動用の第5波形W5が印加される。以下、同様に、ドット形成データSIが「第1ドット形成(1pl)」を示す場合、選択データq1は「0001」となり、選択データq9は「0000」となり、第7波形W7が印加される。ドット形成データSIが「第2ドット形成(1.6pl)」を示す場合、選択データq2は「0010」となり、選択データq10は「0000」となり、第3波形W3が印加される。ドット形成データSIが「第3ドット形成(2.5pl)」を示す場合、選択データq3は「0000」となり、選択データq11は「0100」となり、第2波形W2が印加される。
ドット形成データSIが「第4ドット形成(7pl)」を示す場合、選択データq4は「0000」となり、選択データq12は「1000」となり、先の少量化波形W6aが印加される。ドット形成データSIが「第5ドット形成(10pl)」を示す場合、選択データq5は「0000」となり、選択データq13は「0010」となり、後の基本波形W1bが印加される。ドット形成データSIが「第6ドット形成(14pl)」を示す場合、選択データq6は「0100」となり、選択データq14は「1000」となり、先の少量化波形W6aと後の少量化波形W6bが印加される。ドット形成データSIが「第7ドット形成(20pl)」を示す場合、選択データq7は「1000」となり、選択データq15は「0010」となり、先の基本波形W1aと後の基本波形W1bが印加される。
このような駆動信号COMによれば、10plと20plの間のインク量であり、且つ、10plと20plの平均値(15pl)に近いインク量である14plのドットを形成することが出来る。その結果、図12に示すように、小さいドットから大きいドットへ変化する際のインク量の変化を、比較例の駆動信号COMに比べて小さくすることができ、画像の粒状性を改善することができる。なお、2つの少量化波形によってノズルから噴射するインク量は「14pl」に限らず、例えば、1つの少量化波形によってノズルから8plを噴射させ、2つの少量化波形によってノズルから16plを噴射させてもよい。
また、本実施形態の駆動信号COMでは、繰り返し周期T1内において2つの少量化波形W6a,W6bを、繰り返し周期T1の前半期間に寄って発生させる。そのため、例えば、ヘッド41が移動方向の左側から右側へ移動する場合には、2つの少量化波形W6にて形成されるドットが画素内の左側に寄って形成されてしまう。しかし、基本波形W1にて形成されるドット(10plのドット)の方が、少量化波形W6にて形成されるドット(7plのドット)よりも大きい。そのため、少量化波形W6にて形成される2つのドットが画素内の一方側に偏って形成されていても、基本波形W1にて形成される2つのドットが画素内の一方側に偏るよりも、画像上で目立ち難い。
また、本実施形態の駆動信号COMでは、同じ繰り返し周期T内でピエゾ素子に印加される可能性のある駆動波形を第1駆動信号COM(1)と第2駆動信号COM(2)に分けて発生させている。即ち、2つの基本波形W1を第1駆動信号COM(1)と第2駆動信号COM(2)に1つずつ発生させ、2つの少量化波形W6を第1駆動信号COM(1)と第2駆動信号COM(2)に1つずつ発生させている。そうすることで、駆動波形Wがピエゾ素子に印加される際に、駆動信号生成回路15に発生する発熱量を、第1駆動信号COM(1)を生成する駆動信号生成回路15と第2駆動信号COM(2)を生成する駆動信号生成回路15とで分散させることが出来る。例えば、ベタ塗り画像の印刷を行う場合などは、最大の大きさの第7ドット(20plのドット)が多く使用される。そのため、仮に、2つの基本波形W1を一方の駆動信号COMに発生させてしまうと、一方の駆動信号COMを生成する駆動信号生成回路15の発熱量が多くなり、故障の原因となる。
また、1つの少量化波形W6にて7plのドット(第4ドット)を形成する場合、繰り返し周期T1内における2つの少量化波形W6のうち、期間T15の先の少量化波形W6aを使用する。そうすることで、先の少量化波形W6の印加終了後から次の繰り返し周期T1の駆動波形が印加されるまでの時間を比較的に長く確保することができる。そうすることで、インク噴射後のメニスカスが制振され難い少量化波形W6aであっても、次の繰り返し周期T1の駆動波形が印加されるまでの間に、メニスカス状態を出来る限り安定させることができる。その結果、より正確なインク量を噴射することが出来る。
<駆動信号COMの変形例について>
図13Aは、2つの少量化波形W6a,W6bが繰り返し周期Tの後半期間に寄って形成される様子を示す図であり、図13Bは、2つの少量化波形W6a,W6bが繰り返し周期Tの中央部で形成される様子を示す図である。前述の図11および図12の駆動信号COMでは、2つの少量化波形W6a,W6bが繰り返し周期Tの前半期間(図12の期間T15と期間T12)に寄って形成されている。
本実施形態の駆動信号COMでは、図11に示すように、少量化波形W6の発生間隔ΔXaの方が基本波形W1の発生間隔ΔYaよりも短いため、繰り返し周期T内において2つの少量化波形W6が連続して発生することになる。一方、基本波形W1は繰り返し周期Tの前半期間と後半期間に分かれて発生する。
そのため、図11に示すように2つの少量化波形W6を繰り返し周期Tの前半期間に寄せて発生させると、繰り返し周期Tの後半期間であって、基本波形W1bが発生しない方の駆動信号(COM(1))において、中間電位Vcの保持期間が長くなる。この中間電位Vcの保持期間に、少量化波形W6や基本波形W1以外の他の駆動波形W(例えば第3波形W3など)を発生させることができる。そのため、中間電位Vcの保持期間が長いほど他の駆動波形の設計自由度が増す。
同様に、図13Aに示すように、2つの少量化波形W6を繰り返し周期Tの後半期間に寄せて発生させると、繰り返し周期の前半期間であって、基本波形W1aが発生しない方の駆動信号(COM(2))において、中間電位Vcの保持期間が長くなり、他の駆動波形Wの設計自由度を高めることが出来る。
つまり、本実施形態の駆動信号COMでは、繰り返し周期T内において、所望のインク量を噴射させるために2つの少量化波形W6の発生間隔ΔXaを短くするので、2つの少量化波形W6を繰り返し周期Tの前半期間か後半期間の一方に寄せて発生させることで、他の駆動波形Wの設計自由度を高めることが出来る。
しかし、これに限らず、図13Bに示すように、2つの少量化波形W6の発生間隔ΔXaを調整して14plのインクが噴射されるようにすれば、2つの少量化波形W6を繰り返し周期Tの中央部に発生させてもよい。この場合、図11や図13Aの駆動信号COMに比べて、中間電位Vcの保持期間が長い場所がなくなり、他の駆動波形Wの設計自由度は低くなる。ただし、少量化波形W6にて形成されるドット(7plのドットと14plのドット)を、比較的に画素の中央部に形成することができ、画質を向上することが出来る。
図14Aは、ドットの種類を減らした駆動信号COMを示す図である。前述の図12の駆動信号COMでは、1つの画素に対して7種類の大きさのドットを形成し、1画素を8階調で表現するが、これに限らず、形成するドットの種類を減らしてもよい。例えば、図14Aの駆動信号COMでは、2つの基本波形W1によって10plのドットと20plのドットを形成し、2つの基本波形W6によって7plのドットと14plのドットを形成し、第2波形W2によって2.5plのドットを形成している。即ち、5種類のドットを形成し、1画素を6階調で表現する。この駆動信号COMによれば、10plのドットと20plのドットの間のサイズのドットを形成することができ、比較例の駆動信号COM(図5)に比べて、画像の粒状性を改善できる。
このような駆動信号COMにおいても、所望のインク量(14pl)が噴射されるように、繰り返し周期T3内の少量化波形W6の発生間隔ΔXaを設定するとよい。また、繰り返し周期T3内において、2つの基本波形W1の発生間隔を、繰り返し周期T3の半分の長さ(T/2)、又は、それに近い値に設定するとよい。そうすることで、大きい10plのドットを画素内にバランスよく形成することが出来る。
なお、図9の測定結果は、100μsの繰り返し周期T1内に発生する2つの少量化波形W6の波形間隔Δtaを変化させた時のインク噴射量の測定結果である。繰り返し周期Tの長さが異なれば、所望のインク量が噴射される波形間隔Δtaも異なってくる。図14Aの駆動信号COMでは図12の駆動信号COMに比べて駆動波形の数を減らしており、繰り返し周期T3の長さが短くなっているため、図14Aの駆動信号COMと図12の駆動信号COMとでは、少量化波形W6の波形間隔Δtaも異なる。
また、駆動信号COMの変形例として、2つの基本波形W1と2つの少量化波形W6と微振動用波形W5だけを発生する駆動信号COMでもよい(不図示)。この場合、4種類のドット(7plドット、10plドット、14plドット、20plドット)を形成することができ、1画素を5階調にて表現できる。このように、微小サイズのドットは形成せずに、比較的に大きいドットを狭い範囲で形成する場合にも、小さいドットから大きいドットへのインクの増加量を出来る限り小さくすることで、印刷画像の粒状性を改善できる。
図14Bは、ピエゾ素子に印加可能な駆動信号COMが1つである場合の様子を示す図である。前述の駆動信号COM(図12)に比べて、ドットの種類を減らして、駆動波形の数を減らす場合には、ピエゾ素子に印加可能な駆動信号COMの数を1つにしてもよい。そうすることで、1つのノズル列に対して1つの駆動信号生成回路15を設ければよく、回路を簡略化することができる。
このような駆動信号COMにおいても、所望のインク量(14pl)が噴射されるように少量化波形W6の発生間隔ΔXaを設定し、基本波形W1の発生間隔ΔYaを繰り返し周期T4の半分の期間、又はそれに近い期間に設定するとよい。そのため、例えば、図14Bに示すように、繰り返し周期T4内において、まず、基本波形W1を発生させて、2つの少量化波形W6を発生させて、その後に基本波形W1を発生させるとよい。
===駆動信号COMの設計工程について===
図15は、駆動信号COMにおける駆動波形Wの設計方法を示す図である。以下、図12から図14に示す本実施形態の駆動信号COMの設計方法について説明する。プリンター1の設計工程などにおいて、そのプリンター1で使用する駆動信号COMの設計を行う。その際に、まず、ノズルから1回に噴射される最大インク量を決定する。例えば、図12の駆動信号COMであれば、ノズルから1回に噴射される最大インク量は「10pl」である。そして、図6Aの基本波形W1のように高周波数領域でもインク滴噴射後のメニスカスが安定し易い駆動波形によってノズルから1回に噴射される最大インク量(10pl)が噴射されるように、ノズル径と最大インク量を噴射する基本波形(Vhなどのパラメーター)を決定する(S001)。また、繰り返し周期T内に基本波形を2つ設けて、繰り返し周期T内でノズルから1回に噴射可能なインク量の2倍のインク量(20pl)を噴射し、1画素に形成されるドットのうちの最大ドットを形成する。
次に、粒状性を改善するために、10plと20plの中間のインク量を噴射するための駆動波形を設計する。ノズルから1回に噴射される最大インク量は10plであるため、2つの駆動波形によって、10plと20plの間のインク量を噴射させる。例えば、図12の駆動信号COMのように10plと20plの間の14plを噴射させる場合には、ノズルから1回に7plのインクが噴射される少量化波形を設計する(S002)。即ち、インク噴射後のメニスカスが安定し易い基本波形(例えば図6A)によって10plを噴射するノズルにより、10plよりも少ない7plを噴射するための少量化波形(例えば図6B)を設計する。
しかし、インク噴射後のメニスカスが安定し易い基本波形を変形した少量化波形では、電位上昇時の角度が急であったり、形状が複雑であったりするため、インク噴射後のメニスカスが安定し難い。そのため、2つの少量化波形を短い繰り返し周期T内において発生する場合(少量化波形を高周波数領域で使用する場合)、所望のインク量(14pl)が噴射されるように、2つの少量化波形の波形間隔Δta(発生間隔ΔXa)を調整する必要がある。そこで、図9に示すように、2つの少量化波形の波形間隔Δta、即ち、2つの少量化波形の発生間隔ΔXa(第2駆動波形が発生する時間間隔に相当)を複数変化させて、ノズルから噴射されるインク量を測定した結果を取得する。また、基本波形W1や少量化波形W6を設計する一方で、要求される印刷処理速度に応じて、繰り返し周期Tの長さも決定する。決定した所定の繰り返し周期T(図9では100μs)において2つの少量化波形の波形間隔Δtaを複数変化させて、「波形間隔Δtaとインク噴射量の関係」を取得する(S003)。
そして、波形間隔Δtaとインク噴射量の関係に基づいて、所望のインク噴射量が算出される波形間隔Δtaを取得し、実際の印刷処理で使用する駆動信号COMにおいて2つの少量化波形が発生する時間間隔を決定する。例えば、図9に示す波形間隔Δtaとインク噴射量の関係では、所望の14plを噴射する波形間隔が3つある(Δta(1),Δta(2),Δta(3))。このように少量化波形の波形間隔Δtaの候補が複数ある場合には、その中から実際の印刷にて使用する駆動信号COMの波形間隔Δtaを1つ決定する。
複数の候補の中から波形間隔Δtaを決定する方法として、波形間隔Δtaの長さに基づいて決定する方法が挙げられる。例えば、波形間隔Δtaの長さが短いものを選択すると(図9の結果ではΔta(1))、繰り返し周期T1内に設計する他の駆動波形(基本波形と少量化波形以外)の設計自由度を高めることが出来る。
他に、各候補の波形間隔Δtaにおけるインク滴の噴射特性に基づいて波形間隔Δtaを決定してもよい。例えば、各候補の波形間隔Δtaにおけるインク滴噴射後のサテライト(微小インク滴)の発生の有無などを確認し、サテライトが発生し難い波形間隔Δtaを選択するとよい。そうすることで、サテライトによる画質劣化を抑制できる。
また、各候補の波形間隔Δtaにおけるインク噴射量の変化量に基づいて波形間隔Δtaを決定してもよい。インク噴射量の変化量とは、インク噴射量の変動を示す結果(図9のグラフにプロットされた結果)において、各候補の波形間隔Δtaにおける「傾き」に相当する。具体的には、候補となる波形間隔Δtaの前後の所定期間(Δta±所定期間(μs))のインク噴射量の変化量を算出し、その変化量が小さい波形間隔Δtaを選択する。そうすることで、駆動信号COMを生成する際などに誤差が生じて、波形間隔Δtaが若干ずれてしまったとしても、所望のインク量に近いインク量が噴射される。少量化波形の波形間隔Δtaを決定する際に、長さやその他の噴射特性、インク噴射量の変化量のうち、何れか1つを考慮するに限らず、複数考慮しても良い。
そうして、少量化波形の波形間隔Δtaが決定した後は、繰り返し周期T内において、2つの基本波形と2つの少量化波形を配置する(S005)。前述のように、繰り返し周期Tにおける基本波形W1の発生間隔(図11のΔYa)を繰り返し周期Tの半分の周期(T/2)に出来る限り近い値に設定し、繰り返し周期Tの前半期間と後半期間に基本波形W1をそれぞれ1つずつ発生させる。一方、2つの少量化波形は、図11や図13Aに示すように繰り返し周期Tにおける前半期間か後半期間のいずれか一方に寄せて発生させて、その他の駆動波形の設計自由度を高めてもよいし、図13Bに示すように繰り返し周期Tの中央部に発生させて画素の中心部にドットを形成してもよい。
その後、基本波形W1および少量化波形W6にて形成されるドット以外のサイズのドットを形成するための駆動波形Wを設計する(S006)。例えば、図12の駆動信号COMであれば、「2.5pl・1.6pl・1pl」のインク量を噴射する駆動波形(W2、W3、W7)と微振動用の波形W5を設計する。
こうしてプリンター1にて使用する駆動信号COMが設計した後は、その駆動信号COMを生成するためのデータをプリンター1のメモリー13などに記憶する(S007)。具体的には、プリンター1のコントローラー10が、実際の印刷処理において、駆動信号生成回15に駆動信号COMを生成させるために、駆動信号生成回路15に出力するデータ(図3のDAC値など・駆動信号を生成するためのデータに相当)をメモリー13に記憶する。図15のフローに従って設計された駆動信号COMを使用するプリンター1によれば、粒状性が改善され、印刷時間も出来る限り短縮される。なお、図15に示す駆動信号COMの設計手順は一例であり、これに限らない。
===変形例===
図16Aは、繰り返し周期T1(100μs)内に3つ少量化波形W6を発生させる様子を示す図であり、図16Bは、3つの少量化波形W6を含む駆動信号COMの変形例を示す図であり、図17は、2つ目と3つ目の少量化波形W6b,W6cの波形間隔Δtcを調整し、繰り返し周期T1ごとに3つの少量化波形W6をピエゾ素子に印加した際のインク噴射量の測定結果を示す図である。前述の実施例では(図12)、繰り返し周期T1内に2つの基本波形W1と2つの少量化波形W6を発生させているが、これに限らず、少量化波形W6を3つ以上発生させてもよい。
図16Aに示すように、繰り返し周期T1内に先に発生する2つの少量化波形W6a,W6bの波形間隔Δtaは前述の駆動信号COMにて設定したように、2つの少量化波形W6a,W6bにて14pl(7pl×2)が噴射されるように設定する。そして、繰り返し周期T1内に後に発生する2つの少量化波形W6b,W6cの波形間隔Δtcを複数変化させ、前述の図9と同様に、3つの少量化波形によってノズルから噴射されるインク量を測定する。その結果、図17に示すように、後の2つの少量化波形W6b,W6cの波形間隔Δtcによってインク噴射量が変化することが分かる。なお、図17の結果は、図16Aの駆動信号COMを繰り返し発生し、2回目以降の繰り返し周期T1にて噴射されたインク量とする。
このことから、3つの少量化波形W6a,W6b,W6cの波形間隔を調整することで(図17の結果ではΔtcを約2.5μsに設定すると)、1つの少量化波形W6により噴射されるインク量7plの3倍のインク量である「21pl」を噴射させることができる。また、3つの少量化波形W6を繰り返し周期T1内に発生させる場合にも、10plを噴射する基本波形W1(第1駆動波形に相当)の発生間隔の方が、少量化波形W6(第2駆動波形に相当)の発生間隔よりも、繰り替えし周期T1の半分の周期に近くなる。
図16Bは実際に使用する駆動信号COM(1),COM(2)の一例である。この駆動信号によれば、7種類のドット(1.6pl・2.5pl・7pl・10pl・14pl・20pl・21pl)を形成することが可能となり、1画素を8階調にて表現することができる。この駆動信号でも同様に、1つの基本波形W1による10plのドットと2つの基本波形W1による20plのドットの間の14plのドットを形成できるため、画像の粒状性を改善することが出来る。また、繰り返し周期を長くして(例えば120μs)、図16Bの駆動信号COMの微振動用波形W5の位置に1pl用波形W7を発生させて、3つ目の少量化波形W6cの後に微振動用波形W5を発生させてもよい。
また、図17から、繰り返し周期T1内の後の2つの駆動波形Wb,Wcの波形間隔Δtcを長くするにつれて、21plよりも多くのインク量を噴射できることが分かる。そのため、3つの少量化波形Wa,Wb,Wcにて21plのドットを形成するに限らず、インク量を増やして、23plのドットや24plのドットを形成してもよい。そうすることで、より大きなドットが形成できるため、ベタ塗り印刷等の時に、隙間なく画像を埋めたり、印刷時間を短周期したりできる。
===その他の実施形態===
上記の各実施形態は、主としてインクジェット方式のプリンターを有する印刷システムについて記載されているが、駆動信号等の開示が含まれている。また、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<駆動波形について>
前述の実施形態では、駆動素子に印加する電位を上昇させた時に圧力室412dが膨張し、電位を下降させた時に圧力室412dが収縮するヘッド41(図2)を使用しているがこれに限らない。例えば、駆動素子に印加する電位を上昇させた時に圧力室が収縮し、電位を下降させた時に圧力室が膨張するヘッドの場合は、図11などに示す駆動波形Wを上下反転させたような駆動波形を用いればよい。
<ラインプリンターについて>
前述の実施形態では、ヘッド41が移動方向に移動しながらインク滴を噴射する画像形成動作と、媒体を搬送する搬送動作と、を交互に行うプリンター1を例に挙げているが、これに限らない。例えば、媒体の搬送方向と交差する紙幅方向に多数のノズルを並べ、そのヘッドの下を搬送される媒体に向けてインク滴を噴射することによって画像を形成するラインヘッドプリンターでもよい。
<流体噴射装置について>
前述の実施形態では、流体噴射装置としてインクジェットプリンターを例示していたが、これに限らない。流体噴射装置であれば、プリンター(印刷装置)ではなく、様々な工業用装置に適用可能である。例えば、布地に模様をつけるための捺染装置、カラーフィルター製造装置や有機ELディスプレイ等のディスプレイ製造装置、チップへDNAを溶かした溶液を塗布してDNAチップを製造するDNAチップ製造装置等であっても、本件発明を適用することができる。流体は液体に限らず粉体などでもよい。
また、流体の噴射方式は、駆動素子(ピエゾ素子)に電圧をかけて、インク室を膨張・収縮させることにより流体を噴射するピエゾ方式でもよいし、発熱素子を用いてノズル内に気泡を発生させ、その気泡によって流体を噴射させるサーマル方式でもよい。
1 プリンター、10 コントローラー、11インターフェイス部、12 CPU、13 メモリー、14 ユニット制御回路、15 駆動信号生成回路、151 波形生成回路、152 電流増幅回路、20 搬送ユニット、21 給紙ローラ、22 搬送ローラ、23 排紙ローラ、30 キャリッジユニット、31 キャリッジ、40 ヘッドユニット、41 ヘッド、411 ケース、412 流路ユニット、412a 流路形成板、412b 弾性板、412c ノズルプレート、412d 圧力室、412e ノズル連通口、412f 共通インク室、412g インク供給路、412h アイランド部、412i 弾性膜、421 第1シフトレジスタ、422 第2シフトレジスタ、431 第1ラッチ回路、432 第2ラッチ回路、44 デコーダ、45(1) 第1スイッチ、45(2) 第2スイッチ、46 制御ロジック、PZT ピエゾ素子、HC ヘッド制御部、50 検出器群、60 コンピュータ、70 メニスカス、71 側壁、Nz ノズル

Claims (8)

  1. (1)駆動波形を印加することによって駆動素子を駆動し、その前記駆動素子に対応するノズルから流体を噴射させる流体噴射装置の製造方法であって、
    (2)所定周期の中で複数の駆動波形を発生し、前記複数の駆動波形を前記所定周期ごとに繰り返し発生する駆動信号であり、
    前記所定周期中に前記ノズルから1回で噴射される流体量のうちの最大流体量を噴射させるための第1駆動波形と、前記最大流体量とは異なる別の流体量を噴射させるための第2駆動波形とを、前記所定周期中に少なくとも2つずつ発生し、
    前記所定周期中において、前記第1駆動波形が発生する時間間隔の方が、前記第2駆動波形が発生する時間間隔よりも、前記所定周期の半分の長さに近い、
    駆動信号を生成するためのデータを作成することと、
    (3)前記駆動信号を生成するためのデータを前記流体噴射装置のメモリーに記憶することと、
    (4)を有することを特徴とする流体噴射装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載の流体噴射装置の製造方法であって、
    前記所定周期中において2つの前記第2駆動波形が発生する時間間隔を複数変化させて、前記ノズルから噴射される流体量を計測した結果を取得し、
    前記結果に基づいて、前記駆動信号の前記所定周期中における2つの前記第2駆動波形が発生する時間間隔を決定する、
    流体噴射装置の製造方法。
  3. 請求項2に記載の流体噴射装置の製造方法であって、
    前記結果において、前記ノズルから噴射される流体量と2つの前記第2駆動波形が発生する時間間隔の長さとに基づいて、前記駆動信号の前記所定周期中における2つの前記第2駆動波形が発生する時間間隔を決定する、
    流体噴射装置の製造方法。
  4. 請求項2または請求項3に記載の流体噴射装置の製造方法であって、
    前記結果において、前記ノズルから噴射される流体量と2つの前記第2駆動波形が発生する各時間間隔における流体噴射特性とに基づいて、前記駆動信号の前記所定周期中における2つの前記第2駆動波形が発生する時間間隔を決定する、
    流体噴射装置の製造方法。
  5. 請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の流体噴射装置の製造方法であって、
    前記結果において、前記ノズルから噴射される流体量と、2つの前記第2駆動波形が発生する各時間間隔における流体噴射量の変化量とに基づいて、前記駆動信号の前記所定周期中における2つの前記第2駆動波形が発生する時間間隔を決定する、
    流体噴射装置の製造方法。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の流体噴射装置の製造方法であって、
    前記最大流体量は、前記別の流体量と前記別の流体量の2倍の流体量との間の流体量である、
    流体噴射装置の製造方法。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の流体噴射装置の製造方法であって、
    同じ前記駆動素子に、第1の駆動信号で発生する前記駆動波形と第2の駆動信号で発生する前記駆動波形を印加可能とし、
    前記第1の駆動信号と前記第2の駆動信号とに、前記第1駆動波形と前記第2駆動波形をそれぞれ1つずつ発生させる、
    流体噴射装置の製造方法。
  8. (1)駆動波形によって駆動する駆動素子と、
    (2)前記駆動素子の駆動によって、流体が噴射されるノズルと、
    (3)所定周期の中で複数の前記駆動波形を発生し、前記複数の駆動波形を前記所定周期ごとに繰り返し発生する駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
    (4)前記所定周期中に前記ノズルから1回で噴射される流体量のうちの最大流体量を噴射させるための第1駆動波形と、前記最大流体量とは異なる別の流体量を噴射させるための第2駆動波形とを、前記所定周期中に少なくとも2つずつ発生する前記駆動信号であって、
    前記所定周期中において、前記第1駆動波形が発生する時間間隔の方が、前記第2駆動波形が発生する時間間隔よりも、前記所定周期の半分の長さに近い前記駆動信号を、
    前記駆動信号生成部に生成させる制御部と、
    (4)を有することを特徴とする流体噴射装置。
JP2009068614A 2009-03-19 2009-03-19 流体噴射装置 Active JP5391763B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009068614A JP5391763B2 (ja) 2009-03-19 2009-03-19 流体噴射装置
US12/727,108 US8292388B2 (en) 2009-03-19 2010-03-18 Liquid ejecting apparatus and method of manufacturing liquid ejecting apparatus
CN2010101454450A CN101837679B (zh) 2009-03-19 2010-03-19 流体喷射装置的制造方法以及流体喷射装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009068614A JP5391763B2 (ja) 2009-03-19 2009-03-19 流体噴射装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010221424A true JP2010221424A (ja) 2010-10-07
JP5391763B2 JP5391763B2 (ja) 2014-01-15

Family

ID=42737166

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009068614A Active JP5391763B2 (ja) 2009-03-19 2009-03-19 流体噴射装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8292388B2 (ja)
JP (1) JP5391763B2 (ja)
CN (1) CN101837679B (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011235575A (ja) * 2010-05-12 2011-11-24 Dainippon Screen Mfg Co Ltd インクジェットプリンタおよび画像記録方法
JP2012006237A (ja) * 2010-06-24 2012-01-12 Seiko Epson Corp 液体噴射装置、及び、液体噴射装置の制御方法
JP2012148534A (ja) * 2011-01-21 2012-08-09 Seiko Epson Corp 液体噴射装置
JP6268929B2 (ja) * 2013-10-30 2018-01-31 セイコーエプソン株式会社 液体噴射装置
CN104626750A (zh) * 2013-11-13 2015-05-20 珠海纳思达企业管理有限公司 控制打印头的装置及喷射装置
DE102016100892A1 (de) * 2016-01-20 2017-07-20 Océ Holding B.V. Verfahren zur Ansteuerung einer Düsenanordnung eines Tintenstrahl-Drucksystems
JP6891423B2 (ja) * 2016-09-05 2021-06-18 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 駆動波形生成装置及び画像形成装置
EP4005687A4 (en) * 2019-07-31 2023-08-16 Kyocera Corporation COATING DEVICE AND COATING METHOD
CN112140730B (zh) * 2020-09-23 2021-06-25 深圳市汉森软件有限公司 喷头驱动波形调节方法、装置、设备及存储介质
US20220153022A1 (en) * 2020-11-13 2022-05-19 Seiko Epson Corporation Drive waveform determination method, storage medium, liquid discharge apparatus, and drive waveform determination system

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001270111A (ja) * 2000-03-24 2001-10-02 Seiko Epson Corp 液滴噴射方法、及び液滴噴射装置
JP2002264314A (ja) * 2001-03-09 2002-09-18 Seiko Epson Corp 駆動信号の整形処理によりドット位置を調整する印刷
JP2007044878A (ja) * 2005-08-05 2007-02-22 Seiko Epson Corp 液体噴射装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000318153A (ja) * 1999-05-06 2000-11-21 Nec Corp インクジェット記録ヘッドの駆動装置及び駆動方法
JP3717101B2 (ja) 1999-11-04 2005-11-16 富士ゼロックス株式会社 インクジェット記録ヘッドの駆動装置及び駆動方法
JP4389800B2 (ja) 2001-12-11 2009-12-24 セイコーエプソン株式会社 液体噴射装置
US6779866B2 (en) * 2001-12-11 2004-08-24 Seiko Epson Corporation Liquid jetting apparatus and method for driving the same
JP2004122743A (ja) * 2002-07-31 2004-04-22 Seiko Epson Corp 液滴吐出ヘッドの駆動装置、製膜装置、液滴吐出ヘッドの駆動方法、製膜方法及び電子機器並びにデバイスの製造方法
JP2004275921A (ja) * 2003-03-17 2004-10-07 Seiko Epson Corp 液滴吐出装置及び方法、液滴吐出ヘッド装置、並びにデバイス製造方法及びデバイス
JP4770226B2 (ja) * 2005-03-25 2011-09-14 富士ゼロックス株式会社 液滴吐出記録ヘッドの駆動方法及び液滴吐出記録装置
JP2007112062A (ja) * 2005-10-21 2007-05-10 Fujifilm Corp 液体吐出ヘッド及び画像形成装置並びに液体吐出ヘッドの製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001270111A (ja) * 2000-03-24 2001-10-02 Seiko Epson Corp 液滴噴射方法、及び液滴噴射装置
JP2002264314A (ja) * 2001-03-09 2002-09-18 Seiko Epson Corp 駆動信号の整形処理によりドット位置を調整する印刷
JP2007044878A (ja) * 2005-08-05 2007-02-22 Seiko Epson Corp 液体噴射装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN101837679B (zh) 2012-03-21
JP5391763B2 (ja) 2014-01-15
US20100238218A1 (en) 2010-09-23
US8292388B2 (en) 2012-10-23
CN101837679A (zh) 2010-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5391763B2 (ja) 流体噴射装置
JP5262887B2 (ja) 流体噴射装置の製造方法、及び、流体噴射装置
US8020955B2 (en) Liquid ejecting apparatus and method of setting signal for micro vibration
US8590995B2 (en) Liquid ejecting apparatus and control method therefor
US8186791B2 (en) Liquid ejecting apparatus and control method thereof
JP5532632B2 (ja) 流体噴射装置、及び、流体噴射方法
JP2014019050A (ja) インクジェット記録装置及びインクジェット式記録ヘッドの駆動方法
US8485625B2 (en) Fluid ejecting apparatus and fluid ejecting method
JP5605185B2 (ja) 液体噴射装置、および、その制御方法
JP2010179531A (ja) 液体吐出装置、及び、液体の増粘抑制方法
JP5040146B2 (ja) 印刷装置
JP6776632B2 (ja) 液体吐出装置及び制御方法
JP2010173189A (ja) 液体噴射装置、及び、液体噴射方法
JP2010137537A (ja) 流体噴射装置
JP2011235459A (ja) 液体噴射装置、及び、その制御方法
JP2011104916A (ja) 液体噴射装置
JP2010201721A (ja) 流体噴射装置、及び、流体噴射方法
JP2010179585A (ja) 液体吐出装置、及び、液体吐出装置の制御方法
JP2007210210A (ja) 液体吐出装置及び駆動信号の生成方法
JP2010162712A (ja) 流体噴射装置、及び、流体噴射方法
JP5672337B2 (ja) 流体噴射装置
JP2010179501A (ja) 液体吐出装置、及び、液体吐出装置の制御方法
US20230286269A1 (en) Liquid Ejecting Apparatus And Method For Controlling Liquid Ejecting Apparatus
JP5304271B2 (ja) 液体吐出装置、及び、液体吐出装置の制御方法
JP2009248340A (ja) 液体吐出装置及び液体吐出方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111209

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130212

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130411

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130507

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130705

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130917

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130930

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5391763

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350