JP5040146B2 - 印刷装置 - Google Patents
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Description
原駆動信号の電圧を上昇させるときにNPN型トランジスタに電流が流れる。そうすると、NPN型トランジスタが発熱する。逆に原駆動信号の電圧を下降させるときはPNP型トランジスタに電流が流れる。そして、PNP型トランジスタが発熱する。
また、トランジスタは過度な発熱により破壊する。これを事前に防ぐためトランジスタ付近には、トランジスタの温度を検知する温度センサが設けられている(例えば、特許文献1を参照)。
そのために、増幅回路1つにつき温度センサを1つ設けると、2つのNPN型トランジスタの温度は的確に検知されるが、増幅回路の数だけ温度センサを必要とし、コストがかかってしまう。これに対し、1つの温度センサで2つのNPN型トランジスタの温度を検知しようとすると、トランジスタと温度センサの配置順序によっては、NPN型トランジスタの温度を的確に検知できなくなってしまうことがある。
そこで、本発明は増幅回路中の2つのトランジスタのうち、発熱量の大きい方のトランジスタの発熱温度を的確に検知し、更にコストを抑えることを目的とする。
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかとなる。
駆動信号の電圧を上昇させるときに発熱する第3トランジスタと、駆動信号の電圧を下降させるときに発熱する第4トランジスタとを有する第2増幅回路と、
検知した温度に応じた信号を出力する温度センサと、
を備え、
前記第1トランジスタと前記第2トランジスタのうち、前記駆動信号を生成するときの発熱量が大きい方のトランジスタが発熱量の小さい方のトランジスタよりも前記温度センサの近くに配置され、
前記第3トランジスタと前記第4トランジスタのうち、前記駆動信号を生成するときの発熱量が大きい方のトランジスタが発熱量の小さい方のトランジスタよりも前記温度センサの近くに配置されている、
ことを特徴とする駆動信号生成回路。
このような駆動信号生成回路によれば、1つの温度センサで、第1増幅回路と第2増幅回路が共に、増幅回路中の2つのトランジスタのうち発熱量の大きい方のトランジスタの発熱温度を的確に検知することができる。
前記第1トランジスタと前記第2トランジスタのうち、前記駆動信号を生成するときの発熱量が大きい方のトランジスタと、前記第3トランジスタと前記第4トランジスタのうち、前記駆動信号を生成するときの発熱量が大きい方のトランジスタとの間に前記温度センサが配置されていること。
このような駆動信号生成回路によれば、1つの温度センサで、第1増幅回路と第2増幅回路が共に、増幅回路中の2つのトランジスタのうち発熱量の大きい方のトランジスタの発熱温度を的確に検知することができる。
前記第1増幅回路と前記第2増幅回路は所定の方向に並んで配置され、
前記第1トランジスタと前記第2トランジスタが所定方向に並んで配置され、
前記第3トランジスタと前記第4トランジスタが所定方向に並んで配置され、
前記第1トランジスタと前記第2トランジスタのうち、前記駆動信号を生成するときの発熱量が大きい方のトランジスタが前記第2増幅回路側に、前記第3トランジスタと前記第4トランジスタのうち、前記駆動信号を生成するときの発熱量が大きい方のトランジスタが前記第1増幅回路側に配置されていること。
このような駆動信号生成回路によれば、1つの温度センサで、第1増幅回路と第2増幅回路が共に、増幅回路中の2つのトランジスタのうち発熱量の大きい方のトランジスタの発熱温度を的確に検知することができる。
前記第1増幅回路と前記第2増幅回路は所定の方向に並んで配置され、
前記第1トランジスタと前記第2トランジスタが所定方向と垂直の方向に並んで配置され、
前記第3トランジスタと前記第4トランジスタが所定方向と垂直の方向に並んで配置され、
前記第1トランジスタと前記第2トランジスタのうち、前記駆動信号を生成するときの発熱量が大きい方のトランジスタと、前記第3トランジスタと前記第4トランジスタのうち、前記駆動信号を生成するときの発熱量が大きい方のトランジスタが、所定方向に並んで配置されていること。
このような駆動信号生成回路によれば、1つの温度センサで、第1増幅回路と第2増幅回路が共に、増幅回路中の2つのトランジスタのうち発熱量の大きい方のトランジスタの発熱温度を的確に検知することができる。
所定温度を超えたことを前記温度センサが検知したとき、前記第1増幅回路と前記第2増幅回路が冷却されること。または、所定温度を超えたことを前記温度センサが検知したとき、前記第1増幅回路と前記第2増幅回路を冷却するために前記駆動信号の生成を停止すること。
このような駆動信号生成回路によれば、トランジスタの発熱温度が許容温度を超えた場合、トランジスタが破壊しないように、事前に処置を採ることができる。
前記第1トランジスタから前記第4トランジスタの全てが、ヒートシンクに接触していること。
このような駆動信号生成回路によれば、トランジスタが発熱すると、ヒートシンクにより、その熱を外部へ放熱することができる。
駆動信号の電圧を上昇させるときに発熱する第3トランジスタと、駆動信号の電圧を下降させるときに発熱する第4トランジスタとを有する第2増幅回路と、
検知した温度に応じた信号を出力する温度センサと、
を備える印刷装置であって、
前記第1トランジスタと前記第2トランジスタのうち、前記駆動信号を生成するときの発熱量が大きい方のトランジスタが発熱量の小さい方のトランジスタよりも前記温度センサの近くに配置され、
前記第3トランジスタと前記第4トランジスタのうち、前記駆動信号を生成するときの発熱量が大きい方のトランジスタが発熱量の小さい方のトランジスタよりも前記温度センサの近くに配置されている、
ことを特徴とする印刷装置。
このような印刷装置によれば、1つの温度センサで、第1増幅回路と第2増幅回路が共に、増幅回路中の2つのトランジスタのうち発熱量の大きい方のトランジスタの発熱温度を的確に検知することができる。
第1ノズルからインクを吐出させるための第1駆動素子と、
第2ノズルからインクを吐出させるための第2駆動素子と、
を備え、
前記第1増幅回路は、前記第1駆動素子を駆動させるための第1駆動信号を生成し、
前記第2増幅回路は、前記第2駆動素子を駆動させるための第2駆動信号を生成する、
ことを特徴とする印刷装置。
このような印刷装置によれば、1つの温度センサで、第1増幅回路と第2増幅回路が共に、増幅回路中の2つのトランジスタのうち発熱量の大きい方のトランジスタの発熱温度を的確に検知することができる。
ノズルからインクを吐出させるための駆動素子と、
前記第1増幅回路が生成する第1駆動信号の前記駆動素子への印加を制御する第1スイッチと、
前記第2増幅回路が生成する第2駆動信号の前記駆動素子への印加を制御する第2スイッチと、
を備え、
前記第1駆動信号又は前記第2駆動信号に応じて前記駆動素子が駆動し、ノズルからインクを吐出させる、
ことを特徴とする印刷装置。
このような印刷装置によれば、1つの温度センサで、第1増幅回路と第2増幅回路が共に、増幅回路中の2つのトランジスタのうち発熱量の大きい方のトランジスタの発熱温度を的確に検知することができる。
第2ノズルからインクを吐出させるための第2駆動素子と、
駆動信号の電圧を上昇させるときに発熱する第1トランジスタと、駆動信号の電圧を下降させるときに発熱する第2トランジスタとを有する第1増幅回路と、
駆動信号の電圧を上昇させるときに発熱する第3トランジスタと、駆動信号の電圧を下降させるときに発熱する第4トランジスタとを有する第2増幅回路と、
前記第1トランジスタから前記第4トランジスタの全てが接触しているヒートシンクと、
検知した温度に応じた信号を出力する温度センサと、
を備え、
前記第1増幅回路と前記第2増幅回路は所定の方向に並んで配置され、
前記第1トランジスタと前記第2トランジスタが所定方向に並んで配置され、
前記第3トランジスタと前記第4トランジスタが所定方向に並んで配置され、
前記第1トランジスタと前記第2トランジスタのうち、前記駆動信号を生成するときの発熱量が大きい方のトランジスタが前記第2増幅回路側に、前記第3トランジスタと前記第4トランジスタのうち、前記駆動信号を生成するときの発熱量が大きい方のトランジスタが前記第1増幅回路側に配置され、
前記第1トランジスタと前記第2トランジスタのうち、前記駆動信号を生成するときの発熱量が大きい方のトランジスタと、前記第3トランジスタと前記第4トランジスタのうち、前記駆動信号を生成するときの発熱量が大きい方のトランジスタとの間に前記温度センサが配置され、
前記温度センサが、所定温度を超えたことを検知したとき、前記第1増幅回路と前記第2増幅回路を冷却し、
前記第1増幅回路は、前記第1駆動素子を駆動させるための第1駆動信号を生成し、
前記第2増幅回路は、前記第2駆動素子を駆動させるための第2駆動信号を生成する、
ことを特徴とする印刷装置。
このような印刷装置によれば、既述のほぼ全ての効果を奏するので、本発明の目的が最も有効に達成される。
図1は、本実施形態のプリンタ1の全体構成ブロック図である。また、図2は、本実施形態のプリンタ1の全体構成の概略図である。また、図3は、本実施形態のプリンタ1全体構成の断面図である。
本実施形態のプリンタ1は、搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40、検出器群50、およびコントローラ60を有する。外部装置であるコンピュータ110から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラ60によって各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御する。コントローラ60は、コンピュータ110から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、紙に画像を形成する。プリンタ1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は検出結果をコントローラ60に出力する。検出器群50から検出結果を受けたコントローラ60は、その検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
図4は、印刷時の処理フローである。
以下に説明される各処理は、コントローラ60が、メモリ63内に格納されたプログラムに従って、各ユニットを制御することにより実行される。このプログラムは、各処理を実行するためのコードを有する。
図5は、ヘッド41の下面におけるノズルの配列を示す説明図である。
ヘッド41の下面には、ブラックインクノズル群Kと、シアンインクノズル群Cと、マゼンタインクノズル群Mと、イエローインクノズル群Yが形成されている。各ノズル群は、各色のインクを吐出するための吐出口であるノズルを複数個(本実施形態では180個)備えている。
図6は、原駆動信号生成部43とヘッド駆動回路42により、あるノズル群に属する各ピエゾ素子PZTが動作することを示す電子回路図である。また、図7は、各信号のタイミングチャートである。
印刷信号PRTは、ノズル数分の印刷信号PRT(i)をシリアル伝送する信号である。このシリアル伝送される印刷信号PRTは、ヘッド駆動回路42に入力され、180個の2ビットデータである印刷信号PRT(i)にシリアル/パラレル変換される。
ラッチ信号LATは、ラッチ回路群423とデータセレクタ424に入力される。チェンジ信号CHは、データセレクタ424に入力される。ラッチ信号LATおよびチェンジ信号CHは、印刷信号PRT(i)が変化するタイミングを示すパルスを有する。
図8は、原駆動信号生成部43の構成の説明図である。原駆動信号生成部43は、増幅回路70と波形生成回路80とを有する。
増幅回路70は、2つのトランジスタを有する。一方のトランジスタは、原駆動信号ODRVの電圧を上げる際に発熱し(以下、電圧上昇用トランジスタQ1と呼ぶ)、他方のトランジスタは、原駆動信号ODRVの電圧を下げる際に発熱する(以下、電圧降下用トランジスタQ2と呼ぶ)。
図9は、波形生成回路80の説明図である。図10は、波形生成回路80が増幅回路70へ出力する波形信号の説明図である。
図11は、原駆動信号の電圧の時間変化とトランジスタに流れる電流の時間変化の説明図である。ここでは、説明の簡略化のため、図7の原駆動信号ODRVよりも駆動パルス数を減らして説明を行う。
つまり、電圧降下用トランジスタQ2よりも、電圧上昇用トランジスタQ1の発熱量の方が、大きい。
トランジスタを構成する半導体には接合部というポイントが有り、この部分で熱が発生する。トランジスタ毎に接合部に許容される最高温度が決められており、この温度をジャンクション温度(あるいは接合部温度)という。ジャンクション温度が所定の温度(125℃程度)以上になると、熱によりトランジスタが破壊される。また、トランジスタ付近には、サーミスタSが設けられ、トランジスタの温度を検知している。トランジスタが過度な発熱により許容温度を超えたことをサーミスタが検知したとき、対策処置が採られる。例えば、ヒートシンク(後述)のファンを増速し、増幅回路70を冷却する処置や、駆動信号の生成を停止する処置が採られる。ゆえに、トランジスタの破壊を事前に防ぐことができる。
図12は、駆動信号生成部43のトランジスタとサーミスタSの、基板72上での配置を示す図である。図12の基板72上には、2つの増幅回路70-1及び70-2と、ヒートシンク71と、サーミスタS が設けられている。図12で示すX方向の−X側に位置する増幅回路70-1の電圧上昇用トランジスタQ1-1と電圧降下用トランジスタQ2-1の配列は、+X側に位置する増幅回路70-2の電圧上昇用トランジスタQ1-2と電圧降下用トランジスタQ2-2の配列と同じである。ヒートシンク71は、各トランジスタと接触しており、トランジスタが発熱すると、その熱を外部へ放熱している。
図13は、駆動信号生成部43のトランジスタとサーミスタSの、基板72上での配置を示す図である。図13の基板72上には、2つの増幅回路70-1及び70-2と、ヒートシンク71と、2つのサーミスタS が設けられている。電圧上昇用トランジスタQ1-1及びQ1-2と、電圧降下用トランジスタQ2-1及びQ2-2が、交互に配置されている。
その結果、各増幅回路70-1及び70-2の電圧上昇用トランジスタQ1-1及びQ1-2は共に、第1比較配列例の電圧上昇用トランジスタQ1-1(図12)よりもサーミスタSから近くなる。そして、2つの電圧上昇用トランジスタQ1-1及びQ1-2の温度は、それぞれの近くに配置されているサーミスタSにより、的確に検知される。しかし、サーミスタSを2つ必要とする。
つまり、この第2比較配列例では、2つの増幅回路70-1及び70-2の、それぞれの電圧上昇用トランジスタQ1-1及びQ1-2の温度を的確に検知するために、各増幅回路70-1及び70-2につき、サーミスタSを1つずつ必要とし、コストがかかってしまう。
図14は、駆動信号生成部43のトランジスタとサーミスタSの、基板72上での配置を示す図である。図14の基板72上には、2つの増幅回路70-1及び70-2と、ヒートシンク71と、サーミスタSが設けられている。各トランジスタは、ヒートシンク71にねじ止めされている。
つまり、この第1配列例では、2つの電圧上昇用トランジスタQ1-1及びQ1-2は共に、2つの電圧降下用トランジスタQ2-1及びQ2-2よりもサーミスタSから近くなる。
その結果、発熱による破壊の可能性が高い電圧上昇用トランジスタQ1-1及びQ1-2の温度を、的確に検知することができる。そして、2つの電圧上昇用トランジスタQ1-1及びQ1-2の、少なくとも一方の発熱温度が許容温度を超えた場合、トランジスタが破壊しないように、事前に処置を採ることが出来る。
図15は、駆動信号生成部43のトランジスタとサーミスタSの、基板72上での配置を示す図である。図15の基板72上には、2つの増幅回路70-1と70-2と、ヒートシンク71と、サーミスタS が設けられている。
各トランジスタは、ヒートシンク71の側面71A及び71B以外の、ある1面に接するように配置されている。
また、各トランジスタとサーミスタSの配置は、前記第1配列例(図14)と同じである。
この第2配列例のヒートシンク71は、第1配列例のヒートシンク71とは異なる。しかし、各トランジスタとサーミスタSの配置は、第1配列例と同じである。この為、この第2配列例も、第1配列例と同様の効果を得られる。
図16は、基板72上の駆動信号生成部43を斜め横からみた図である。図17は、図16からヒートシンク71を除き、更に上からみた図である。図17は、トランジスタとサーミスタSの、基板72上での配置を示す図でもある。基板72上には、2つの増幅回路70-1及び70-2と、サーミスタSが設けられている。
ヒートシンク71は、各トランジスタの上面に接するように取付けられている。ヒートシンク71の上面は、フィン形状となっている。
図18は、基板72上の駆動信号生成部43を斜め横からみた図である。図17は、図18からヒートシンク71を除き、更に上からみた図である。図17は、トランジスタと、サーミスタSの基板72上での配置を示す図でもある。基板72上には、2つの増幅回路70-1及び70-2と、サーミスタSが設けられている。
この第4配列例のヒートシンク71は、第3配列例のヒートシンク71とは異なる。しかし、各トランジスタとサーミスタSの配置は、第3配列例と同じである。この為、この第4配列例も、2つの電圧上昇用トランジスタQ1-1及びQ1-2は共に、2つの電圧降下用トランジスタQ2-1及びQ2-2よりもサーミスタSから近くなる。
その結果、この第4配列例も、第1配列例と同様の効果を得られる。
図19は、基板72上の駆動信号生成部43を斜め横からみた図である。図20は、基板72上の駆動信号生成部43を上からみた図である。図20は、トランジスタと、サーミスタSの基板72上での配置を示す図である。基板72上には、2つの増幅回路70-1及び70-2と、ヒートシンク71と、サーミスタSが設けられている。X方向の−X側に増幅回路70-1が、+X側に増幅回路70-2が配置されている。ヒートシンク71は、前述の第2配列例のヒートシンク71と同じように(図15)、ファン73と空洞74を有し、その空洞74に風を流している。
この為、2つの電圧上昇用トランジスタQ1-1及びQ1-2は共に、2つの電圧降下用トランジスタQ2-1及びQ2-2よりもサーミスタSから近くなる。
その結果、この第5配列例も、第1配列例と同様の効果を得られる。
ヘッド41の下面に、4つのノズル群が設けられているが(図5参照)、ここでは、4つのノズル群のうち、ブラックインクノズル群Kとシアンインクノズル群Cに注目する。
これまでの実施形態は、ピエゾ素子PZT1つに対して、1つの原駆動信号ODRVを使用していた。ここからは、ピエゾ素子PZT1つに対して、2つの原駆動信号ODRV(A)及びODRV(B)を使用する実施形態について説明する。
図23は、各原駆動信号の駆動パルスと各信号のタイミングを示した図である。ラッチ信号LATの、ある立ち上がりパルスから次の立ち上がりパルスまでを繰り返し周期Tとする。繰り返し周期Tは、ノズルが一画素分の距離を横切る時間である。つまり、繰り返し周期Tの間に、各ノズルが、それぞれ指定されたドットを1画素に形成する。
図22の原駆動信号生成部43(A)から第1原駆動信号ODRV(A)が出力される。そして、原駆動信号生成部43(B)から第2原駆動信号ODRV(B)が出力される。この第1原駆動信号ODRV(A)は、1つのノズル群に属する全てのピエゾ素子に共通して使用される。同様に、第2原駆動信号ODRV(B)も、前記1つのノズル群に属する全てのピエゾ素子PZTに共通して使用される。
つまり、この第2使用例では、1つのノズル群に対して、2つの原駆動信号部43(A)及び43(B)が設けられている。ゆえに、1つのノズル群に対して、増幅回路70も2つ設けられている。
印刷信号PRTは、1つのピエゾ素子PZTが担当する1画素のデータに対応した信号である。本実施形態の印刷信号はピエゾ素子1つにつき、上位ビットと下位ビットの2ビットの情報を有する信号になっている。また、本実施形態では、吐出されるインク量により、インクドットの大きさが4種類(ドット無し、小ドット、中ドット、大ドット)に変化する。すなわち、印刷信号PRTには、ドット無しに対応する画素データ「00」と、小ドットに対応する画素データ「01」と、中ドットに対応する画素データ「10」と、大ドットに対応する画素データ「11」の4種類がある。
上記の各実施形態は、主としてインクジェットプリンタを有する印刷システムについて記載されているが、駆動信号生成部43の構成や増幅回路70中のトランジスタとサーミスタSの配列等の開示が含まれている。また、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
前述の実施形態では、原駆動信号ODRVの電圧の時間変化とトランジスタに流れる電流の時間変化を例示した図11により、電圧上昇用トランジスタQ1の方が電圧降下用トランジスタQ2よりも発熱量が大きいとあるが、これに限られるものではない。原駆動信号ODRVの波形の差により、電圧降下用トランジスタQ2の方が電圧上昇用トランジスタQ1よりも発熱量が大きくなってもよい。その場合、電圧降下用トランジスタQ2を電圧上昇用トランジスタQ1よりもサーミスタSの近くに配置する。例えば、第1配列例(図14)の電圧上昇用トランジスタと電圧降下用トランジスタを入れ替えればよい。
前述の実施形態では、2つの増幅回路70の間にサーミスタSを設けるとあるが、これに限られるものではない。例えば、増幅回路70中の2つのトランジスタのうち、電圧上昇用トランジスタQ1の方が電圧降下用トランジスタQ2よりも発熱量の大きい。このとき、2つの増幅回路70が共に、電圧上昇用トランジスタQ1の方が電圧降下用トランジスタQ2よりもサーミスタSから近い事を満たしていれば、必ずしもサーミスタSが2つの増幅回路の間になくてもよい。但し、2つの増幅回路の間にサーミスタを配置することが最も効果的である。なぜなら、2つの増幅回路の間にサーミスタを配置することで、電圧上昇用トランジスタQ1とサーミスタSの距離が最も近くになり、電圧上昇用トランジスタQ1の温度を的確に検知することができるからである。
前述した実施形態では、1つのノズル群に対して1種類の原駆動信号ODRVを出力する構成と、1つのノズル群に対して2種類の原駆動信号ODRVを出力する構成を例に挙げたが、これに限られるものではない。すなわち、1つのノズル群に対して3種類以上の原駆動信号ODRVを出力する構成でもよい。
また、原駆動信号ODRVは、インクを吐出するための信号に限られるものではない。原駆動信号ODRVは、インクが吐出しない程度に駆動素子を駆動する微振動信号であってもよい。
前述した実施形態では、トランジスタの発熱温度検出としてサーミスタSを用いていたが、これに限るものではない。サーミスタS以外の温度センサ、例えばダイオード等を用いてもよい。
前述の実施形態では、ピエゾ素子PZTを用いてインクを吐出させていたが、これに限られるものではない。ピエゾ素子以外の駆動素子、例えば発熱素子や磁歪素子等を用いてもよい。
前述の実施形態では、トランジスタの放熱部品としてヒートシンク71を用いた。フィン形状のヒートシンクとファンを有するヒートシンク71を例に挙げたが、これに限られるものではない。例えば、水冷による方熱部品を用いてもよい。
また、放熱部品を用いなくてもよい。
前述の実施形態は、プリンタ1の実施形態であったので、液体状の染料インク又は顔料インクをノズルから吐出させていたが、これに限られるものではない。液体状のものであれば、ノズルから吐出させることができる。
22 搬送モータ(PFモータ)、23 搬送ローラ、24 プラテン、
25 排紙ローラ、30 キャッリッジユニット、31 キャリッジ、
32 キャリッジモータ(CRモータ)、40 ヘッドユニット、
41 ヘッド、42 ヘッド駆動回路、
421 第1シフトレジスタ、422 第2シフトレジスタ、
423 ラッチ回路群、424 データセレクタ、
43 原駆動信号生成部、44 制御回路、
50 検出器群、51 リニア式エンコーダ、52 ロータリー式エンコーダ、
53 紙検出センサ、54 光学センサ、60 コントローラ、
61 インターフェース部、62 CPU、63 メモリ、64 ユニット制御回路、
70 増幅回路、71 ヒートシンク、71A,71B ヒートシンク側面、
72 基板、72C ヒートシンク底面、73 ファン、74 空洞、
80 波形生成回路、81 メモリ、82 第1ラッチ回路、83 加算器、
84 第2ラッチ回路、85 D/A変換器、
100 印刷システム、110 コンピュータ、
601 クロック信号、602 データ信号、603 アドレス信号、
604 イネーブル信号、605 クロック信号、606 クロック信号、
607 リセット信号、
K ブラックインクノズル群、C シアンインクノズル群、
M マゼンタインクノズル群、Y イエローインクノズル群、
SW スイッチ、SW1 第1スイッチ、SW2 第2スイッチ、
PZT ピエゾ素子、ODRV 原駆動信号、PRT 印刷信号、
prt スイッチ制御信号、DRV 駆動信号、LAT ラッチ信号、
W1 第1パルス、W2 第2パルス、CH チェンジ信号、
Q1 電圧上昇用トランジスタ、Q2 電圧降下用トランジスタ、S サーミスタ、
Vh 最高電圧、Vh1 最高電圧、Vc 中間電圧、Vb 最低電圧、
I1 Q1に流れる電流、I2 Q2に流れる電流、
ODRV(A) 第1原駆動信号、ODRV(B) 第2原駆動信号、
SS11 第1波形部、SS21 第2波形部、
SS22 第3波形部、SS23 第4波形部、
PS1〜PS4 駆動パルス、
CH_A 第1チェンジ信号、CH_B 第2チェンジ信号
Claims (8)
- 第1原駆動信号を生成する第1波形生成回路と、
第1トランジスタと、第2トランジスタとを有し、前記第1原駆動信号を増幅する第1増幅回路と、
第2原駆動信号を生成する第2波形生成回路と、
第3トランジスタと、第4トランジスタとを有し、前記第2原駆動信号を増幅する第2増幅回路と、
1つの温度センサと、
ヘッドからインクを吐出させるための駆動素子と、
前記第1増幅回路、または、前記第2増幅回路の何れかで増幅された駆動信号を前記駆動素子に伝達するヘッド駆動回路と、
を備え、
前記第1原駆動信号の増幅における前記第1トランジスタの温度上昇は、前記第1原駆動信号の増幅における前記第2トランジスタの温度上昇よりも大きく、
前記第2原駆動信号の増幅における前記第3トランジスタの温度上昇は、前記第2原駆動信号の増幅における前記第4トランジスタの温度上昇よりも大きく、
前記温度センサと前記第1トランジスタとの距離は、前記温度センサと前記第2トランジスタとの距離より近く、
前記温度センサと前記第3トランジスタとの距離は、前記温度センサと前記第4トランジスタとの距離より近く、
前記温度センサと前記第1トランジスタとの距離は、前記温度センサと前記第4トランジスタとの距離より近く、
前記温度センサと前記第3トランジスタとの距離は、前記温度センサと前記第2トランジスタとの距離より近い、
ことを特徴とする印刷装置。 - 請求項1に記載の印刷装置であって、
前記第1トランジスタと、前記第3トランジスタとの間に前記温度センサが配置されている、印刷装置。 - 請求項1または請求項2に記載の印刷装置であって、
前記第1増幅回路と前記第2増幅回路は所定の方向に並んで配置され、
前記第1トランジスタと前記第2トランジスタが所定方向に並んで配置され、
前記第3トランジスタと前記第4トランジスタが所定方向に並んで配置され、
前記第1トランジスタが前記第2増幅回路側に、前記第3トランジスタが前記第1増幅回路側に配置されている、印刷装置。 - 請求項1または請求項2に記載の印刷装置であって、
前記第1増幅回路と前記第2増幅回路は所定の方向に並んで配置され、
前記第1トランジスタと前記第2トランジスタが所定方向と垂直の方向に並んで配置され、
前記第3トランジスタと前記第4トランジスタが所定方向と垂直の方向に並んで配置され、
前記第1トランジスタと、前記第3トランジスタが、所定方向に並んで配置されている、印刷装置。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の印刷装置であって、
所定温度を超えたことを前記温度センサが検知したとき、前記第1増幅回路と前記第2増幅回路が冷却される、印刷装置。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の印刷装置であって、
所定温度を超えたことを前記温度センサが検知したとき、前記第1増幅回路と前記第2増幅回路を冷却するために前記駆動信号の生成を停止する、印刷装置。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記第1トランジスタから前記第4トランジスタの全てが、ヒートシンクに接触している、印刷装置。 - 第1ノズルからインクを吐出させるための第1駆動素子と、
第2ノズルからインクを吐出させるための第2駆動素子と、
駆動信号の電圧を上昇させるときに発熱する第1トランジスタと、駆動信号の電圧を下降させるときに発熱する第2トランジスタとを有する第1増幅回路と、
駆動信号の電圧を上昇させるときに発熱する第3トランジスタと、駆動信号の電圧を下降させるときに発熱する第4トランジスタとを有する第2増幅回路と、
前記第1トランジスタから前記第4トランジスタの全てが接触しているヒートシンクと、
検知した温度に応じた信号を出力する1つの温度センサと
を備え、
前記第1増幅回路と前記第2増幅回路は所定の方向に並んで配置され、
前記第1トランジスタと前記第2トランジスタが所定方向に並んで配置され、
前記第3トランジスタと前記第4トランジスタが所定方向に並んで配置され、
前記第1トランジスタと前記第2トランジスタのうち、前記駆動信号を生成するときの発熱量が大きい方のトランジスタが前記第2増幅回路側に、前記第3トランジスタと前記第4トランジスタのうち、前記駆動信号を生成するときの発熱量が大きい方のトランジスタが前記第1増幅回路側に配置され、
前記第1トランジスタと前記第2トランジスタのうち、前記駆動信号を生成するときの発熱量が大きい方のトランジスタと、前記第3トランジスタと前記第4トランジスタのうち、前記駆動信号を生成するときの発熱量が大きい方のトランジスタとの間に前記温度センサが配置され、
前記温度センサが、所定温度を超えたことを検知したとき、前記第1増幅回路と前記第2増幅回路を冷却し、
前記第1増幅回路は、前記第1駆動素子を駆動させるための第1駆動信号を生成し、
前記第2増幅回路は、前記第2駆動素子を駆動させるための第2駆動信号を生成する、
ことを特徴とする印刷装置。
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