JP2010214888A - 印刷装置、及び、その制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動信号生成ユニットを効率よく使用する。
【解決手段】
第1駆動信号生成ユニット(第1駆動信号生成回路40A)は、第1素子(ピエゾ素子PZT)を動作させるための第1動作パルスを含んだ第1駆動信号(駆動信号COM_A(1))、及び、第2素子(ピエゾ素子PZT)を動作させるための第2動作パルスを含んだ第2駆動信号(駆動信号COM_B(1))を生成する。第2駆動信号生成ユニット(第2駆動信号生成回路40B)は、第1素子を動作させるための第3動作パルスを含んだ第3駆動信号(駆動信号COM_B(2))、及び、2素子を動作させるための第4動作パルスを含んだ第4駆動信号(駆動信号COM_A(2))を生成する。動作パルス印加部(ヘッド制御部HC)は、ドット階調値に応じて、第1動作パルス及び第3動作パルスを第1素子へ選択的に印加するとともに、第2動作パルス及び第4動作パルスを選択的に第2素子へ印加する。
【選択図】図6

Description

本発明は、印刷装置、及び、その制御方法に関する。
第1駆動信号と第2駆動信号を駆動信号生成ユニットで生成し、インクを吐出するための動作をする素子に、これらの駆動信号に含まれる駆動パルスを印加する印刷装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2000−52570号公報
複数の駆動信号生成ユニットで多数の素子を駆動する構成では、一部の生成ユニットが動作対象の素子群に駆動信号を供給し、残りの生成ユニットは駆動信号を供給しないことがある。この場合、一部の生成ユニットと残りの生成ユニットとの間に動作頻度の差が生じてしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、駆動信号生成ユニットを効率よく使用することにある。
前記目的を達成するための主たる発明は、
ブラックインクを吐出する複数の第1ノズルと、
カラーインクを吐出する複数の第2ノズルと、
前記第1ノズルに対応して設けられ、前記第1ノズルから前記ブラックインクを吐出させる動作をする複数の第1素子と、
前記第1ノズルに対応して設けられ、前記第2ノズルから前記カラーインクを吐出させる動作をする複数の第2素子と、
前記第1素子を動作させるための第1動作パルスを含んだ第1駆動信号、及び、前記第2素子を動作させるための第2動作パルスを含んだ第2駆動信号を生成する第1駆動信号生成ユニットと、
前記第1素子を動作させるための第3動作パルスを含んだ第3駆動信号、及び、前記2素子を動作させるための第4動作パルスを含んだ第4駆動信号を生成する第2駆動信号生成ユニットと、
ドット階調値に応じて、前記第1動作パルス及び前記第3動作パルスの少なくとも1つを選択して前記第1素子へ印加するとともに、前記第2動作パルス及び前記第4動作パルスの少なくとも1つを選択して前記第2素子へ印加する動作パルス印加部と
を有する印刷装置である。
本発明の他の特徴は、本明細書、及び添付図面の記載により、明らかにする。
印刷システムの構成を説明するブロック図である。 プリンターの内部構成を説明する斜視図である。 プラテンを上方から見た図である。 ヘッドユニットの構成を説明する断面図である。 ノズルの配置を説明するための拡大図である。 駆動信号生成部と各ヘッドの対応関係を説明する図である。 ヘッド制御部が有するスイッチを説明する図である。 印刷モードを説明する図である。 図9Aは、印刷モードAで生成される各駆動信号を説明する図である。図9Bは、印刷モードAにおけるドット階調値と選択される動作パルスの関係を説明する図である。 図10Aは、印刷モードBで生成される各駆動信号を説明する図である。図10Bは、印刷モードBにおけるドット階調値と選択される動作パルスの関係を説明する図である。 図11Aは、印刷モードCで生成される各駆動信号を説明する図である。図11Bは、印刷モードCにおけるドット階調値と選択される動作パルスの関係を説明する図である。 図12Aは、印刷モードDで生成される各駆動信号を説明する図である。図12Bは、印刷モードDにおけるドット階調値と選択される動作パルスの関係を説明する図である。 図13Aは、印刷モードCで生成される各駆動信号の他の例を説明する図である。図11Bは、印刷モードCにおけるドット階調値と選択される動作パルスの関係を説明する図である。 図14Aは、切換回路を有する他の実施形態を説明する図である。図14Bは、切換回路の動作を説明する図である。
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
すなわち、ブラックインクを吐出する複数の第1ノズルと、カラーインクを吐出する複数の第2ノズルと、前記第1ノズルに対応して設けられ、前記第1ノズルから前記ブラックインクを吐出させる動作をする複数の第1素子と、前記第1ノズルに対応して設けられ、前記第2ノズルから前記カラーインクを吐出させる動作をする複数の第2素子と、前記第1素子を動作させるための第1動作パルスを含んだ第1駆動信号、及び、前記第2素子を動作させるための第2動作パルスを含んだ第2駆動信号を生成する第1駆動信号生成ユニットと、前記第1素子を動作させるための第3動作パルスを含んだ第3駆動信号、及び、前記2素子を動作させるための第4動作パルスを含んだ第4駆動信号を生成する第2駆動信号生成ユニットと、ドット階調値に応じて、前記第1動作パルス及び前記第3動作パルスの少なくとも1つを選択して前記第1素子へ印加するとともに、前記第2動作パルス及び前記第4動作パルスの少なくとも1つを選択して前記第2素子へ印加する動作パルス印加部とを有する印刷装置を実現できることが明らかにされる。
このような印刷装置によれば、ブラックインクを吐出させる際に、第1駆動信号生成ユニットが生成する第1駆動信号と第2駆動信号生成ユニットが生成する第3駆動信号とが用いられる。また、カラーインクを吐出させる際に、第1駆動信号生成ユニットが生成する第2駆動信号と第2駆動信号生成ユニットが生成する第4駆動信号とが用いられる。これにより、印刷対象の画像の種類によらず、各駆動信号生成ユニットの負荷が分散され、駆動信号生成ユニットを効率よく使用することができる。
かかる印刷装置であって、前記第2素子の数は、前記第1素子の数よりも多いことが好ましい。
このような印刷装置によれば、ブラックインクを相対的に高密度で吐出させるテキスト印刷時とカラーインクを相対的に低密度で吐出させるカラー印刷時とで負荷の差が大きくなることを抑制でき、各駆動信号生成ユニットをバランスよく使用できる。
かかる印刷装置であって、前記第1ノズルは、所定方向に対して所定ピッチとなるように並んで第1ノズル群を構成し、前記第2ノズルは、前記所定方向に対して前記所定ピッチよりも大きい他の所定ピッチとなるように並んで第2ノズル群を構成し、或るドット階調値に対応する前記第2動作パルス及び前記第4動作パルスは、前記或るドット階調値に対応する前記第1動作パルス及び前記第3動作パルスで吐出されるインク量よりも、吐出させるインク量が多くなるように前記第2素子を動作させることが好ましい。
このような印刷装置によれば、テキスト印刷の文字品質を高めつつ高速で印刷できる。
かかる印刷装置であって、前記第1素子は、前記第1動作パルス及び前記第3動作パルスの電圧に応じて変形し、前記第1ノズルに連通した圧力室内の前記ブラックインクに圧力変化を与えるピエゾ素子であり、前記第2素子は、前記第2動作パルス及び前記第4動作パルスの電圧に応じて変形し、前記第2ノズルに連通した圧力室内の前記カラーインクに圧力変化を与えるピエゾ素子であることが好ましい。
このような印刷装置によれば、インク滴の吐出量を高い精度で制御できる。
かかる印刷装置であって、前記第1駆動信号生成ユニットは、印刷解像度が異なる印刷モード毎に電圧波形を定めた前記第1駆動信号及び前記第2駆動信号を生成し、前記第2駆動信号生成ユニットは、前記印刷モード毎に電圧波形を定めた前記第3駆動信号及び前記第4駆動信号を生成することが好ましい。
このような印刷装置によれば、印刷モード毎にインク滴の吐出量を高い精度で制御できる。
かかる印刷装置であって、前記第1ノズル、前記第2ノズル、前記第1素子、及び、前記第2素子を備えたヘッドと、前記ヘッドを移動方向に往復移動させるヘッド移動部と、前記第1駆動信号生成ユニット及び前記第2駆動信号生成ユニットと前記動作パルス印加部との間に配置され、前記動作パルス印加部へ供給される前記第1駆動信号、前記第2駆動信号、前記第3駆動信号、及び、前記第4駆動信号を切り替えて、前記動作パルス印加部へ出力する信号切換部とを有し、第1駆動信号生成ユニットは、前記ヘッドの往路移動時には前記第1駆動信号及び前記第2駆動信号を生成する一方、前記ヘッドの復路移動時には前記第3駆動信号及び前記第4駆動信号を生成し、第2駆動信号生成ユニットは、前記ヘッドの往路移動時には前記第3駆動信号及び前記第4駆動信号を生成する一方、前記ヘッドの復路移動時には前記第1駆動信号及び前記第2駆動信号を生成することが好ましい。
このような印刷装置によれば、ヘッドの往路移動時と復路移動時とについても各駆動信号生成ユニットの負荷が分散され、駆動信号生成ユニットを効率よく使用することができる。
また、次の印刷装置の制御方法を実現できることも明らかにされる。
すなわち、ブラックインクを吐出する複数の第1ノズルと、カラーインクを吐出する複数の第2ノズルと、前記第1ノズルに対応して設けられ、前記第1ノズルから前記ブラックインクを吐出させる動作をする複数の第1素子と、前記第2ノズルに対応して設けられ、前記第2ノズルから前記カラーインクを吐出させる動作をする複数の第2素子とを有する印刷装置の制御方法であって、前記第1素子を動作させるための第1動作パルスを含んだ第1駆動信号、及び、前記第2素子を動作させるための第2動作パルスを含んだ第2駆動信号を、第1駆動信号生成ユニットにて生成するステップと、前記第1素子を動作させるための第3動作パルスを含んだ第3駆動信号、及び、前記2素子を動作させるための第4動作パルスを含んだ第4駆動信号を、第2駆動信号生成ユニットにて生成するステップと、ドット階調値に応じて、前記第1動作パルス及び第3動作パルスの少なくとも1つを選択して前記第1素子へ印加するとともに、前記第2動作パルス及び第4動作パルスの少なくとも1つを選択して前記第2素子へ印加するステップとを有する印刷装置の制御方法を実現できることも明らかにされる。
===第1実施形態===
<印刷システムについて>
図1に例示した印刷システムは、プリンター1と、コンピューターCPとを有する。プリンター1は印刷装置の一種に相当し、用紙、布、フィルム等の媒体に向けて、液体の一種であるインクを吐出する。このため、プリンター1は液体吐出装置の一種にも相当する。なお、インクには水性インクの他、油性インクも含まれる。媒体は、液体が吐出される対象となる対象物である。コンピューターCPは、プリンター1と通信可能に接続されている。プリンター1に画像を印刷させるため、コンピューターCPは、その画像に応じた印刷データをプリンター1に送信する。
<全体構成について>
プリンター1は、用紙搬送機構10、キャリッジ移動機構20、ヘッドユニット30、駆動信号生成部40、検出器群50、及び、主制御部60を有する。
用紙搬送機構10は、用紙を搬送方向へ搬送するための機構である。図2に示すように、用紙搬送機構10は、用紙Sを裏面側から支えるプラテン11と、プラテン11よりも搬送方向上流側に配置された搬送ローラー12と、プラテン11よりも搬送方向下流側に配置された排紙ローラー13と、搬送ローラー12や排紙ローラー13の駆動源となる搬送モーター14とを有する。
キャリッジ移動機構20は、キャリッジCRをキャリッジ移動方向へ移動させるための機構である。キャリッジCRは、インクカートリッジICやヘッドHDが取り付けられる部材である。このため、キャリッジ移動方向はヘッド移動方向に相当し、キャリッジ移動機構20はヘッドHDをヘッド移動方向へ往復移動させるヘッド移動部としても機能する。ヘッドHDは、プラテン11に対向する向きでキャリッジCRに取り付けられている。このキャリッジ移動機構20は、タイミングベルト21と、キャリッジモーター22と、ガイド軸23とを有している。タイミングベルト21は、キャリッジCRに接続されるとともに、駆動プーリー24とアイドラプーリー25との間に架け渡されている。キャリッジモーター22は、駆動プーリー24を回転させる駆動源である。ガイド軸23は、キャリッジCRをキャリッジ移動方向へ案内するための部材である。このキャリッジ移動機構20では、キャリッジモーター22を動作させることで、キャリッジCRをキャリッジ移動方向へ移動させることができる。
キャリッジCRのホームポジションには、インクを受けるためのキャップ部材CPが設けられている。図3に示すように、このキャップ部材CPは、キャリッジCRがホームポジションに位置するときにヘッドHDのノズル面に対向し、ヘッドHDから吐出されたインクを受ける。また、長期に亘る待機時において、キャップ部材CPはノズル面に接し、各ノズル324(図4を参照)を内側の空間に臨ませる。
ヘッドユニット30は、ヘッドHDとヘッド制御部HCとを有する。ヘッドHDは液体吐出ヘッドの一種であり、インクを用紙Sに向けて吐出させる。ヘッド制御部HCは、主制御部60からのヘッド制御信号に基づいてヘッドHDを制御する。
駆動信号生成部40は駆動信号COMを生成する部分である。駆動信号COMは、用紙Sへの印刷時にヘッドHD(ピエゾ素子PZT,図4を参照)へ印加されるものである。この駆動信号COMは、図9A〜図12Aに例示するように、吐出パルス(PLa1,PSb1等)や微振動パルスPVを含む一連の信号である。このプリンター1では、1つのピエゾ素子PZTに対して2つの駆動信号(駆動信号COM_A,第2駆動信号COM_B)を割り当てている。そして、ヘッド制御部HCは、これらの駆動信号COM_A,COM_Bに含まれる吐出パルスPL,PSや微振動パルスPVを、ドット階調値に応じて選択してピエゾ素子PZTへ印加している。ここで、吐出パルスPL,PSとは、ヘッドHDのノズル324(図4を参照)から滴状のインクを吐出させる動作をピエゾ素子PZTに行わせる電圧波形である。微振動パルスPVとは、ノズル324付近のインク増粘を抑制する動作をピエゾ素子PZTに行わせる電圧波形である。これらの吐出パルスPL,PS及び微振動パルスPVは、ピエゾ素子PZTを動作させる動作パルスに相当する。またドット階調値は、用紙Sに形成するドットの大きさを示す値であり、このプリンター1では、階調値[00]、階調値[01]、階調値[10]、階調値[11]の4種類が用いられている。なお、駆動信号生成部40の構成や各駆動信号COMについては、後で説明する。
検出器群50は、プリンター1の状況を監視する複数の検出器によって構成される。この検出器には、キャリッジCRが所定距離移動する毎に信号の出力レベルを変化させるリニアエンコーダー51が含まれている。リニアエンコーダー51からの出力は、駆動信号COMの生成開始タイミング(繰り返し周期Tの始期)を定める場合に用いられる。そして、各検出器による検出結果は、主制御部60に出力される。
主制御部60は、プリンター1における全体的な制御を行う。この主制御部60は、インタフェース部61と、CPU62と、メモリー63とを有する。インタフェース部61は、コンピューターCPとの間でデータの受け渡しを行う。CPU62は、プリンター1の全体的な制御を行う。メモリー63は、コンピュータープログラムを格納する領域や作業領域等を確保する。CPU62は、メモリー63に記憶されているコンピュータープログラムに従い、各制御対象部を制御する。例えば、CPU62は、用紙搬送機構10やキャリッジ移動機構20を制御する。また、CPU62は、ヘッドHDの動作を制御するためのヘッド制御信号をヘッド制御部HCに送信したり、駆動信号COMを生成させるための制御信号を駆動信号生成部40に送信したりする。駆動信号COMを生成させるための制御信号はDACデータとも呼ばれ、例えば複数ビットのデジタルデータである。
<ヘッドHDについて>
上記のヘッドHDは、複数のサブユニットを有する。具体的には、図5に示すように、5つのサブユニットHD1〜HD5を有している。便宜上、5つのサブユニットHD1〜HD5をまとめて表す場合には、サブユニットHD1〜5ともいう。まず、サブユニットHD1〜5の内部構成について説明する。図4に示すように、サブユニットHD1〜5は、ケース31と、流路ユニット32と、ピエゾ素子ユニット33とを有する。ケース31は、ピエゾ素子ユニット33を収容するための部材である。流路ユニット32には、共通インク室321からインク供給路322及び圧力室323を通ってノズル324に至る一連の流路が、ノズル324に対応する複数設けられている。そして、圧力室323の一部は、弾性膜325によって区画されている。また、弾性膜325における圧力室323とは反対の表面には、圧力室323毎にアイランド部326が設けられる。
ピエゾ素子ユニット33は、ピエゾ素子群331と、接着用基板332と、素子用配線基板333とを有する。ピエゾ素子群331は櫛歯状をしており、1つ1つの櫛歯状部分がピエゾ素子PZTに相当する。このピエゾ素子PZTは、駆動信号COMの印加部分(動作パルスとしての吐出パルスPL,PSや微振動パルスPV)によって与えられる電位差に応じ、素子の長手方向に伸縮する。ピエゾ素子群331は、接着用基板332を介してケース31に固定されている。そして、各ピエゾ素子PZTの先端面はアイランド部326に接着されている。このため、ピエゾ素子PZTが素子の長手方向に伸縮すると、アイランド部326が圧力室323側に押されたり反対方向へ引かれたりする。これに伴い、圧力室323内のインクに圧力の変化が生じ、ノズル324からインクを吐出させることができる。従って、ピエゾ素子PZTは、インク(液体)をノズル324から吐出させるための動作をする素子に相当する。ピエゾ素子PZTを用いることで、インク滴の吐出量を高い精度で制御できる。これは、ピエゾ素子PZTは、その変形度合を電圧によって精度良く制御できるからである。素子用配線基板333は、駆動信号COMの必要部分を各ピエゾ素子PZTへ印加するための配線部材である。この素子用配線基板333には、ヘッド制御部HCが実装されている。
<ノズル324及び各サブユニットHD1〜5の配置について>
次に、ノズル324及び各サブユニットHD1〜5の配置について説明する。図5に示すように、各サブユニットHD1〜5のそれぞれが有する複数のノズル324は、紙送り方向に並んで形成されてノズル列(ノズル群)を構成している。各サブユニットHD1〜5における左側ノズル列に属する各ノズル324は一定のピッチNPで形成されている。同様に、右側ノズル列に属する各ノズル324も一定の間隔NPで形成されている。そして、左側ノズル列の各ノズル324と右側ノズル列の各ノズル324は、紙送り方向にNP/2ピッチ分ずれて形成されている。
図5における左側から4番目に位置する第4サブユニットHD4を除く各ユニット、具体的には、最も左に位置する第1サブユニットHD1〜左側から3番目に位置する第3サブユニットHD3、及び、最も右に位置する第5サブユニットHD5において、それぞれのサブユニットが有する各ノズル324は、紙送り方向の位置が揃えられている。これに対し、第4サブユニットHD4が有する各ノズル324は、他のサブユニットHD1〜3,5に対してNP/4ピッチ分ずれて配置されている。
次に、各サブユニットHD1〜5で吐出するインクの種類について説明する。図5に示すように、第1サブユニットHD1が有する左側ノズル列(A)はシアンインクを吐出し、右側ノズル列(B)はイエローインクを吐出する。第2サブユニットHD2が有する左側ノズル列(C)及び右側ノズル列(D)はともにブラックインクを吐出し、第3サブユニットHD3が有する左側ノズル列(E)及び右側ノズル列(F)はともにマゼンタインクを吐出し、第4サブユニットHD4が有する左側ノズル列(G)及び右側ノズル列(H)はともにブラックインクを吐出する。第5サブユニットHD5が有する左側ノズル列(I)はイエローインクを吐出し、右側ノズル列(J)はシアンインクを吐出する。
従って、ノズル列(C),(D),(G),(H)はブラックインクを吐出する第1ノズル群に相当し、これらのノズル列に属する各ノズル324はブラックインクを吐出する第1ノズルに相当する。また、他のノズル列(A),(B),(E),(F),(I),(J)はカラーインクを吐出する第2ノズル群に相当し、これらのノズル列に属する各ノズル324はカラーインクを吐出する第2ノズルに相当する。加えて、ノズル列(C),(D),(G),(H)に対応するピエゾ素子群331はブラックインクの吐出を担当する第1素子群に相当し、これらのピエゾ素子群331に属する各ピエゾ素子PZTは第1素子に相当する。同様に、他のノズル列(A),(B),(E),(F),(I),(J)に対応するピエゾ素子群331はカラーインクの吐出を担当する第2素子群に相当し、これらのピエゾ素子群331に属する各ピエゾ素子PZTは第2素子に相当する。
このヘッドHDでは10個のノズル列(A)〜(J)を有している。そして、キャリッジ移動方向(ヘッド移動方向)の中央を基準にして、吐出させるインクの種類が対称の関係になっている。具体的には、ノズル列(E)からノズル列(A)までのグループとノズル列(F)からノズル列(J)までのグループとで比較した場合、吐出されるインクの種類は、マゼンタインク〔ノズル列(E),(F)〕、ブラックインク〔ノズル列(D),(G)〕、ブラックインク〔ノズル列(C),(H)〕、イエローインク〔ノズル列(B),(I)〕、シアンインク〔ノズル列(A),(J)〕の関係になっている。このようにノズル列とインク種類の関係を対称に定めているので、ヘッドHDの往路移動時(ホームポジションから遠ざかる側への移動)と復路移動時(ホームポジションへ向かう側への移動)のそれぞれで印刷を行っても、インクの着弾順序の差に起因する色合いのずれを抑制できる。
また、マゼンタインクを吐出するノズル列(E)の各ノズル324とノズル列(F)の各ノズル324とは、紙送り方向にNP/2ピッチ分ずれて形成されている。すなわち、マゼンタインクを吐出するノズル群は、紙送り方向についてNP/2ピッチで配置されているといえる。この点は、イエローインクを吐出するノズル列(B)の各ノズル324とノズル列(I)の各ノズル324について、及び、シアンインクを吐出するノズル列(A)の各ノズル324とノズル列(J)の各ノズル324について同様である。さらに、ともにブラックインクを吐出する第2サブユニットHD2と第4サブユニットHD4に関し、前述したように、第4サブユニットHD4は第2サブユニットHD2に対してNP/4ピッチ分ずれて配置されている。これにより、ブラックインクを吐出するノズル群は、紙送り方向についてNP/4ピッチで配置される。すなわち、紙送り方向についてのノズル324の形成密度が、カラーインクのノズル群よりも高くなっているといえる。これにより、1回のパスにおいて、ブラックインクは、カラーインクよりも高い密度で紙送り方向のドットを形成できるといえる。
加えて、1つのサブユニットに設けられるノズル324の数は同じである。そして、インク流路やピエゾ素子PZTはノズル324毎に設けられている。このヘッドHDにおいて、カラーインクを吐出するノズル列の数は6個であるのに対し、ブラックインクを吐出するノズル列の数は4個である。そうすると、カラーインクの吐出を担当するピエゾ素子群331(第2素子群)は、ブラックインクの吐出を担当するピエゾ素子群331(第1素子群)に比べて、ピエゾ素子PZTの数が多くなっているといえる。
<駆動信号生成部40について>
駆動信号生成部40は、第1駆動信号生成ユニットとしての第1駆動信号生成回路40Aと、第2駆動信号生成ユニットとしての第2駆動信号生成回路40Bとを有する。そして、各駆動信号生成回路40A,40Bは、前述したピエゾ素子PZTを動作させる場合において、共通に使用される駆動信号COM_A,COM_Bを生成する。本実施形態の各駆動信号生成回路40A,40Bは、複数種類の駆動信号COM_A,COM_Bを或る期間(繰り返し周期T)に亘って同時に生成する。これらの駆動信号生成回路40A,40Bは、同じ構成をしている。本実施形態では、図6に示すように、1つの駆動信号生成回路40A,40Bは、DAC_IC41と、第1電流増幅回路42と、第2電流増幅回路43とを有する。
DAC_IC41は、主制御部60から送信されたDACデータ(駆動信号COM_A,COM_Bの電圧を示す電圧指令に相当する。)を取得し、取得したDACデータに応じた電圧の電圧信号を出力する。このDAC_IC41は、駆動信号COM_Aの基となる電圧波形信号を出力するとともに、駆動信号COM_Bの基となる電圧波形信号を出力する。第1電流増幅回路42は、電圧波形信号の電流を増幅し、増幅後の信号を駆動信号COM_Aとして出力する。第2電流増幅回路43は、電圧波形信号号の電流を増幅し、増幅後の信号を駆動信号COM号COM_Bとして出力する。これらの電流増幅回路は、いずれも同じ構成である。この実施形態において、第1電流増幅回路42及び第2電流増幅回路43は、相補的に接続されたトランジスタ対によって構成されている。これらの電流増幅回路をトランジスタ対によって構成しているので、簡単な構成で電流の増幅が行える。ここで、それぞれのトランジスタは、ピエゾ素子PZTに対する充放電がなされているときに電力を消費する。これらのトランジスタによる電力の消費は、各駆動信号生成回路40A,40Bにおける電力消費の大きな割合を占める。
ところで、各駆動信号生成回路40A,40Bは、動作対象となるピエゾ素子PZTの数に応じた電流を流す必要がある。このため、動作対象となるピエゾ素子PZTの数が多ければ、流す電流が多くなり発熱が起こる。その結果、一方の駆動信号生成回路と他方の駆動信号生成回路との間で発熱に差が生じる可能性がある。回路の安定性を考えると、このような発熱の差はできるだけ少ないことが望ましい。この点を考慮してこのプリンター1では、第1駆動信号生成回路40Aで生成された駆動信号COM_A(1)と第2駆動信号生成回路40Bで生成された駆動信号COM_B(2)とを、ブラックインクの吐出を担当する各ピエゾ素子PZTへ供給し、第1駆動信号生成回路40Aで生成された駆動信号COM_B(1)と第2駆動信号生成回路40Bで生成された駆動信号COM_A(2)とを、カラーインクの吐出を担当する各ピエゾ素子PZTへ供給する。そして、駆動信号COM_A(1)は、第1駆動信号生成ユニットが生成する第1駆動信号に相当し、駆動信号COM_B(2)は、第2駆動信号生成ユニットが生成する第3駆動信号に相当する。また、駆動信号COM_B(1)は、第1駆動信号生成ユニットが生成する第2駆動信号に相当し、駆動信号COM_A(2)は、第2駆動信号生成ユニットが生成する第4駆動信号に相当する。
これにより、主にブラックインクを吐出させるテキスト印刷時と主にカラーインクを吐出させるカラー印刷時とで第1駆動信号生成回路40Aにかかる負荷と第2駆動信号生成回路40Bにかかる負荷の差を小さくすることができる。ここで、ブラックインクを吐出するノズル列は4個であるのに対し、カラーインクを吐出するノズル列は6個である。前述したように、各ノズル列に属するノズル324は同数であり、ピエゾ素子PZTはノズル324毎に設けられている。このため、ブラックインクの吐出を担当するピエゾ素子PZTの数よりも、カラーインクの吐出を担当するピエゾ素子PZTの数のほうが多い。そして、このプリンター1では、テキスト印刷時においてブラックインクを比較的高密度で吐出させるのに対し、カラー印刷時においてカラーインクを比較的低密度で吐出させる。このため、テキスト印刷時とカラー印刷時とで、各駆動信号生成回路40A,40Bをバランスよく使用することができる。
<ヘッド制御部HCについて>
ヘッド制御部HCは、動作パルス印加部に相当するものであり、駆動信号生成部40で生成された各駆動信号COMの必要部分(動作パルス)を、主制御部60からのヘッド制御信号に基づいて選択し、ピエゾ素子PZTへ印加する。このため、図7に示すように、ヘッド制御部HCは、駆動信号COMの供給線の途中に、ピエゾ素子PZT毎に設けられた複数のスイッチ34A,34Bを有する。このプリンター1では、2種類の駆動信号COM_A,COM_Bを生成するため、それぞれの駆動信号COM_A,COM_Bの供給線のそれぞれの途中にスイッチ34A,34Bが設けられる。そして、ヘッド制御部HCは、ヘッド制御信号からスイッチ制御信号を生成する。このスイッチ制御信号によって各スイッチ34A,34Bを制御することで、各駆動信号COM_A,COM_Bの必要部分である動作パルス(吐出パルスPL,PS,微振動パルスPV)がピエゾ素子PZTへ印加される。このとき、動作パルスの選択の仕方次第で、ノズル324からのインクの吐出を制御できる。
この制御は、ヘッド制御信号の一部であるドット形成データに基づいて行われる。このドット形成データは、ドットを形成し得る単位領域毎のドットの大きさを示すデータであり、液体の吐出量を示す吐出量情報にも相当する。この実施形態において、ドット形成データは2ビットで構成される。ドットなしを含め、最大で4階調のドット形成を制御できる。すなわち、データ[00]、データ[01]、データ[10]、データ[11]の4種類でドットの形成が制御できる。このようなドット形成データは、形成されるドットの大きさを示すドット階調値に相当する。
<印刷動作について>
次に、この印刷システムにおける印刷動作について説明する。この印刷システムでは、コンピューターCPがプリンター1へ送信した印刷データに基づき、プリンター1が印刷動作を行う。このプリンター1では複数の印刷モードで印刷を制御できる。図8に示すように、このプリンター1では、印刷モードAから印刷モードDまでの4種類の印刷モードを選択できる。印刷モードAは解像度が最も低く、キャリッジCR(ヘッドHD)の移動速度が最も速い。これに対し、印刷モードDは解像度が最も高く、キャリッジCRの移動速度が最も遅い。そして、印刷モードBは解像度が2番目に低く、キャリッジCRの移動速度が2番目に速い。印刷モードCは解像度が2番目に高く、キャリッジCRの移動速度が2番目に遅い。なお、この印刷モードの選択は、例えばコンピューターCPにインストールされたプリンタードライバーによって行うことができる。また、プリンター1に備えられた操作部(図示せず)を介しても行うことができる。
ノズル324から吐出されるインク滴の量は、印刷モード毎に定められている。印刷モードAでは、ブラックインクをインク量X1で吐出させ、カラーインクをインク量X0で吐出させる。ここで、インク量X1は基準となるインク量であり、インク量X0はインク量X1の2倍に定められている。印刷モードBでは、ブラックインクをインク量X1又はインク量X2で吐出させる。ここで、インク量X2はインク量X1のほぼ1/2に定められている。なお、印刷モードBにおいてカラーインクは吐出されない。印刷モードCでは、ブラックインクをインク量X1又はインク量X2で吐出させる。また、カラーインクをインク量X0又はインク量X1で吐出させる。印刷モードDでは、ブラックインク及びカラーインクをそれぞれインク量X0,インク量X1,インク量X2で吐出させる。
<印刷モードAについて>
以下、各印刷モードについて説明する。まず印刷モードAについて説明する。印刷モードAは、画像の高速印刷に適した印刷モードである。この印刷モードAにおいて、第1駆動信号生成回路40Aと第2駆動信号生成回路40Bは、図9Aに示すように、いずれも同じ電圧波形の駆動信号COM_A,COM_Bを生成する。ここで、第1駆動信号生成回路40Aが生成する駆動信号COM_A(1)は、第1駆動信号に相当し、ブラックインクの吐出を担当するピエゾ素子PZT(第1素子)に印加される。そして、第1駆動信号生成回路40Aが生成する駆動信号COM_B(1)は、第2駆動信号に相当し、カラーインクの吐出を担当するピエゾ素子PZT(第2素子)に印加される。一方、第2駆動信号生成回路40Bが生成する駆動信号COM_A(2)は、第4駆動信号に相当し、カラーインクの吐出を担当するピエゾ素子PZT(第2素子)に印加される。そして、第2駆動信号生成回路40Bが生成する駆動信号COM_B(2)は、第3駆動信号に相当し、ブラックインクの吐出を担当するピエゾ素子PZT(第1素子)に印加される。なお、上記の関係は他の印刷モードにおいても同じであるため、他の印刷モードにおける説明は省略する。
駆動信号COM_A〔COM_A(1),COM_A(2)、以下同様〕、及び、駆動信号COM_B〔COM_B(1),COM_B(2)、以下同様〕は、繰り返し周期T毎に繰り返し生成される。駆動信号COM_Aは、繰り返し周期Tにおける前半の期間T1に吐出パルスPLa1を含み、後半の期間T2では中間電圧で一定になっている。吐出パルスPLa1は、ノズル324からインク滴を吐出させるための動作をピエゾ素子PZTに行わせるための電圧波形に定められている。このため、吐出パルスPLa1は、動作パルスの一種である。この吐出パルスPLa1がピエゾ素子PZTへ印加されると、インク量X1のインク滴がノズル324から吐出される。駆動信号COM_Bは、期間T1に微振動パルスPVを含み、期間T2に吐出パルスPLa2を含んでいる。微振動パルスPVは、台形状の電圧波形に定められている。この微振動パルスPVがピエゾ素子PZTへ印加されると、ノズル324からインク滴が吐出されない程度の弱い圧力変化が圧力室323内のインクに与えられる。これにより、メニスカス(ノズル324で露出しているインクの自由表面)がノズル324内で微振動し、インクの増粘が抑制される。この微振動パルスPVも動作パルスの一種である。なお、他の印刷モードでも微振動パルスPVが用いられるが、電圧波形及び機能が同じであるため、説明は省略する。吐出パルスPLa2は、吐出パルスPLa1と同じ電圧波形をしている。このため、吐出パルスPLa2の印加により、ピエゾ素子PZTは、ノズル324からインク滴を吐出させるための動作をする。そして、ノズル324からはインク量X1のインク滴が吐出される。この吐出パルスPLa2もまた動作パルスの一種である。
ここで、駆動信号COM_A(1)が第1駆動信号に相当し、駆動信号COM_B(1)が第2駆動信号に相当することから、駆動信号COM_A(1)に含まれる吐出パルスPLa1は第1動作パルスに相当し、駆動信号COM_B(1)に含まれる微振動パルスPV及び吐出パルスPLa2は第2動作パルスに相当する。同様に、駆動信号COM_B(2)が第3駆動信号に相当し、駆動信号COM_A(2)が第4駆動信号に相当することから、駆動信号COM_B(2)に含まれる微振動パルスPV及び吐出パルスPLa2は第3動作パルスに相当し、駆動信号COM_A(2)に含まれる吐出パルスPLa1は第4動作パルスに相当する。各吐出パルスPLa1,PLa2や微振動パルスPVについての上記の関係は、他の印刷モードにおいても同様にあてはまる。このため、他の印刷モードにおける説明は省略する。
図9Bに示すように、印刷モードAでは、ドットの形成又は非形成の制御が行われる。このため、ヘッド制御部HCは、データ[00]〜[10]をドットの非形成に、データ[11]をドットの形成に割り当てている。すなわち、ヘッド制御部HCは、ブラックインクの吐出制御において、データ[11]の場合に吐出パルスPLa1をピエゾ素子PZTへ印加し、データ[00]〜[10]の場合に微振動パルスPVをピエゾ素子PZTへ印加している。また、ヘッド制御部HCは、カラーインクの吐出制御において、データ[11]の場合に吐出パルスPLa1及び吐出パルスPLa2をピエゾ素子PZTへ印加し、データ[00]〜[10]の場合に微振動パルスPVをピエゾ素子PZTへ印加している。
このドット形成時において、ブラックインクについてはインク量X1のインク滴を1回吐出させ、カラーインクについてはインク量X1のインク滴を2回吐出させてインク量X0としている点が相違している。これは、ヘッド全体でみたときに、ブラックインクを吐出するノズル列の紙送り方向におけるノズルピッチが、カラーインクを吐出するノズル列の紙送り方向におけるノズルピッチの半分になっているからである。すなわち、ノズルピッチが半分になっていることから、吐出させるインク滴の量も半分で済む。
この印刷モードAでは、ブラックインクの吐出を担当するピエゾ素子PZTを駆動信号COM_A(1)と駆動信号COM_B(2)で動作させ、カラーインクの吐出を担当するピエゾ素子PZTを駆動信号COM_A(2)と駆動信号COM_B(1)で動作させているので、ブラックインクを主に用いるテキスト系の印刷であっても、カラーインクを主に用いるカラー画像系の印刷であっても、第1駆動信号生成回路40Aや第2駆動信号生成回路40Bに対する負荷の偏りを抑制できる。
<印刷モードBについて>
次に、印刷モードBについて説明する。この印刷モードBは、テキストの高速印刷に適した印刷モードである。この印刷モードBにおいても、第1駆動信号生成回路40Aと第2駆動信号生成回路40Bは、図10Aに示すように、いずれも同じ電圧波形の駆動信号COM_A,COM_Bを繰り返し周期T毎に繰り返し生成する。これらの駆動信号COM_A,COM_Bは、期間T1,T2の前半部分が1つのドットに対応し、期間T3,T4の後半部分が他の1つのドットに対応している。すなわち、前半部分と後半部分のそれぞれでドットの階調制御を行っている。
駆動信号COM_Aは、繰り返し周期Tにおける期間T1に吐出パルスPLb1を含み、期間T2では中間電圧で一定になっている。また、期間T3に吐出パルスPLb1を含み、期間T4では中間電圧で一定になっている。吐出パルスPLb1は、ノズル324からインク滴を吐出させるための動作をピエゾ素子PZTに行わせるための電圧波形に定められている。この実施形態において、吐出パルスPLb1の電圧波形は、印刷モードAの吐出パルスPLa1の電圧波形と同じである。このため、吐出パルスPLb1をピエゾ素子PZTへ印加するとインク量X1のインクがノズル324から吐出される。駆動信号COM_Bは、期間T1に吐出パルスPSb1を含み、期間T2に微振動パルスPVを含んでいる。また、期間T3に吐出パルスPSb1を含み、期間T4に微振動パルスPVを含んでいる。吐出パルスPSb1の電圧波形は、吐出されるインク滴の量X2が吐出パルスPLb1をピエゾ素子PZTへ印加した場合の吐出量の半分よりも僅かに少なく定められている。
図10Bに示すように、印刷モードBでは、ブラックインクについて大ドットの形成、小ドットの形成、インクの非吐出の制御が行われる。このため、ヘッド制御部HCは、データ[00]をドットの非形成に、データ[01]を小ドットの形成に、データ[10]を大ドットの形成にそれぞれ割り当てている。すなわち、ヘッド制御部HCは、ブラックインクの吐出制御において、データ[10]の場合に吐出パルスPLb1をピエゾ素子PZTへ印加し、データ[01]の場合に吐出パルスPSb1をピエゾ素子PZTへ印加し、データ[00]の場合に微振動パルスPVをピエゾ素子PZTへ印加している。また、ヘッド制御部HCは、不使用のデータの場合に、微振動パルスPVをピエゾ素子PZTに印加している。すなわち、ブラックインクの吐出制御におけるデータ[11]の場合、及び、カラーインクの吐出制御におけるデータ[11]〜[00]の場合に微振動パルスPVをピエゾ素子PZTへ印加している。これにより、ノズル324付近のインクについて増粘の抑制を図っている。
この印刷モードBでは、ブラックインクの吐出を担当するピエゾ素子PZTを、第1駆動信号生成回路40Aからの駆動信号COM_A(1)と第2駆動信号生成回路40Bからの駆動信号COM_B(2)で動作させているので、例えばテキスト系画像の印刷時において第1駆動信号生成回路40Aや第2駆動信号生成回路40Bに対する負荷の偏りを抑制できる。
<印刷モードCについて>
次に、印刷モードCについて説明する。この印刷モードCは、一般的なカラー印刷に適した印刷モードである。この印刷モードCにおいて、第1駆動信号生成回路40Aと第2駆動信号生成回路40Bは、図11Aに示すように、異なる電圧波形の駆動信号COM_A(1),COM_B(1),COM_A(2),COM_B(2)を繰り返し周期T毎に繰り返し生成する。印刷モードCで生成される駆動信号COM_A,COM_Bにおいても、前半部分(期間T1,T2)が1つのドットに対応し、後半部分(期間T3,T4)が他の1つのドットに対応し、それぞれでドットの階調制御が行われる。
駆動信号COM_A(1)は、繰り返し周期Tにおける期間T1に吐出パルスPLc1を含み、期間T2では中間電圧で一定になっている。また、期間T3に吐出パルスPLc1を含み、期間T4では中間電圧で一定になっている。この実施形態において、吐出パルスPLc1もまた、その電圧波形が印刷モードAの吐出パルスPLa1の電圧波形と同じである。このため、吐出パルスPLc1をピエゾ素子PZTへ印加するとインク量X1のインクがノズル324から吐出される。駆動信号COM_B(1)は、期間T1に微振動パルスPVを含み、期間T2に吐出パルスPLc2を含んでいる。また、期間T3に微振動パルスPVを含み、期間T4に吐出パルスPLc2を含んでいる。吐出パルスPLc2の電圧波形は、吐出パルスPLc1と同じである。このため、吐出パルスPLc2をピエゾ素子PZTへ印加するとインク量X1のインク滴が吐出される。
駆動信号COM_A(2)は、繰り返し周期Tにおける期間T1に吐出パルスPLc3を含み、期間T2では中間電圧で一定になっている。また、期間T3に吐出パルスPLc3を含み、期間T4では中間電圧で一定になっている。吐出パルスPLc3もまた、その電圧波形が吐出パルスPLc1の電圧波形と同じである。このため、吐出パルスPLc3をピエゾ素子PZTへ印加するとインク量X1のインクがノズル324から吐出される。駆動信号COM_B(2)は、期間T1に吐出パルスPSc1を含み、期間T2に微振動パルスPVを含んでいる。また、期間T3に吐出パルスPSc1を含み、期間T4に微振動パルスPVを含んでいる。吐出パルスPSc1の電圧波形は、印刷モードBの吐出パルスPSb1と同じである。このため、吐出パルスPSc1をピエゾ素子PZTへ印加するとインク量X2のインク滴が吐出される。
図11Bに示すように、印刷モードCでは、ブラックインクとカラーインクのそれぞれで3段階の階調制御が行われる。このため、ヘッド制御部HCは、データ[00]をドットの非形成に、データ[01]を小ドットの形成に、データ[10]を大ドットの形成にそれぞれ割り当てている。そして、ヘッド制御部HCは、ブラックインクの吐出制御において、データ[10]の場合に吐出パルスPLc1をピエゾ素子PZTへ印加し、データ[01]の場合に吐出パルスPSc1をピエゾ素子PZTへ印加し、データ[00]の場合に微振動パルスPVをピエゾ素子PZTへ印加している。また、ヘッド制御部HCは、カラーインクの吐出制御において、データ[10]の場合に吐出パルスPLc3,吐出パルスPLc2をピエゾ素子PZTへ印加し、データ[01]の場合に吐出パルスPSc3をピエゾ素子PZTへ印加し、データ[00]の場合に微振動パルスPVをピエゾ素子PZTへ印加している。
この印刷モードCでは、ノズルピッチで決まる印刷解像度に関し、カラーインク用のノズル群よりも、ブラックインク用のノズル群の方が高くなっている。そして、この印刷解像度の違いをインク滴の吐出量で調整しているといえる。すなわち、印刷解像度の高いブラックインク用のノズル群については、同じドット階調値で吐出させるインク滴の量を、カラーインク用のノズル群よりも少なくしている。これにより、色合いを適正にした印刷画像を得ることができる。
また、この印刷モードCでも、ブラックインクの吐出を担当するピエゾ素子PZTを駆動信号COM_A(1)と駆動信号COM_B(2)で動作させ、カラーインクの吐出を担当するピエゾ素子PZTを駆動信号COM_A(2)と駆動信号COM_B(1)で動作させているので、ブラックインクを主に用いるテキスト系の印刷であっても、カラーインクを主に用いるカラー画像系の印刷であっても、第1駆動信号生成回路40Aや第2駆動信号生成回路40Bに対する負荷の偏りを抑制できる。
<印刷モードDについて>
次に、印刷モードDについて説明する。この印刷モードDは、写真画像等の高画質カラー印刷に適した印刷モードである。この印刷モードDにおいて、第1駆動信号生成回路40Aと第2駆動信号生成回路40Bは、図12Aに示すように、いずれも同じ電圧波形の駆動信号COM_A,COM_Bを繰り返し周期T毎に繰り返し生成する。印刷モードCで生成される駆動信号COM_A,COM_Bにおいても、前半部分(期間T1,T2)が1つのドットに対応し、後半部分(期間T3,T4)が他の1つのドットに対応し、それぞれでドットの階調制御が行われる。なお、この印刷モードDでは、第4サブユニットHD4を使用せずに印刷を行う。
駆動信号COM_Aは、繰り返し周期Tにおける期間T1に吐出パルスPLd1を含み、期間T2に微振動パルスPVを含んでいる。また、期間T3に吐出パルスPLd1を含み、期間T4に微振動パルスPVを含んでいる。吐出パルスPLd1の電圧波形は、印刷モードAの吐出パルスPLa1の電圧波形と同じである。このため、吐出パルスPLd1をピエゾ素子PZTへ印加するとインク量X1のインクがノズル324から吐出される。駆動信号COM_Bは、期間T1に吐出パルスPSd1を含み、期間T2に吐出パルスPLd2を含んでいる。また、期間T3に吐出パルスPSd1を含み、期間T4に吐出パルスPLd2を含んでいる。吐出パルスPSd1の電圧波形は、印刷モードBの吐出パルスPSb1と同じである。このため、吐出パルスPSd1をピエゾ素子PZTに印加するとノズル324からはインク量X2のインク滴が吐出される。また、吐出パルスPLd2の電圧波形は、吐出パルスPLd1の電圧波形と同じである。このため、吐出パルスPLd2をピエゾ素子PZTへ印加すると、インク量X1のインクがノズル324から吐出される。
図12Bに示すように、印刷モードDでは、ブラックインクとカラーインクのそれぞれで4段階の階調制御が行われる。このため、ヘッド制御部HCは、データ[00]をドットの非形成に、データ[01]を小ドットの形成に、データ[10]を中ドットの形成に、データ[11]を大ドットの形成にそれぞれ割り当てている。そして、ヘッド制御部HCは、ブラックインク及びカラーインクの吐出制御において、データ[11]の場合に吐出パルスPLd1及び吐出パルスPLd2をピエゾ素子PZTへ印加し、データ[10]の場合に吐出パルスPLd1をピエゾ素子PZTへ印加する。また、データ[01]の場合に吐出パルスPSd1をピエゾ素子PZTへ印加し、データ[00]の場合に微振動パルスPVをピエゾ素子PZTへ印加している。なお、第4サブユニットHD4が有する各ピエゾ素子PZTに対しては、データの内容に関わらず微振動パルスPVをピエゾ素子PZTへ印加している。
この印刷モードDでは、ノズル324のピッチや数を各色のインクで揃えている。そして、各色の制御内容を揃えてインク滴の吐出を行っている。これにより、制御内容の違いに起因する色むらを抑制でき、高品位な画像を印刷できる。加えて、この印刷モードDでも、ブラックインクの吐出を担当するピエゾ素子PZTを駆動信号COM_A(1)と駆動信号COM_B(2)で動作させ、カラーインクの吐出を担当するピエゾ素子PZTを駆動信号COM_A(2)と駆動信号COM_B(1)で動作させているので、第1駆動信号生成回路40Aや第2駆動信号生成回路40Bに対する負荷の偏りを抑制できる。
<まとめ>
以上説明したように、本実施形態のプリンター1では、第1駆動信号生成回路40Aで生成した駆動信号COM_A(1)と第2駆動信号生成回路40Bで生成した駆動信号COM_B(2)とを用いてブラックインクの吐出制御を行い、第1駆動信号生成回路40Aで生成した駆動信号COM_B(1)と第2駆動信号生成回路40Bで生成した駆動信号COM_A(2)とを用いてカラーインクの吐出制御を行っている。この場合において、ヘッド制御部HCは、ドット階調値を示すドット形成データに応じて各駆動信号COM_A(1),(2),COM_B(1),(2)に含まれる動作パルス(吐出パルスPL,PS,微振動パルスPV)を選択してピエゾ素子PZTへ印加する。その結果、第1駆動信号生成回路40Aと第2駆動信号生成回路40Bとで負荷が分散され、各駆動信号生成回路40A,40Bを効率よく、すなわち偏りを抑制しつつ使用できる。
また、カラーインクの吐出を担当するピエゾ素子PZT(第2素子)の数が、ブラックインクの吐出を担当するピエゾ素子PZT(第1素子)の数よりも多くなっているので、ブラックインクを比較的高密度で吐出させるテキスト印刷時とカラーインクを比較的低密度で吐出させるカラー印刷時とで、各駆動信号生成回路40A,40Bをバランスよく使用できる。そして、このプリンター1では、ブラックインクを吐出する各ノズル324の紙送り方向のノズルピッチが、カラーインクを吐出する各ノズル324の紙送り方向のノズルピッチよりも狭く、印刷解像度が高くなっている。このため、テキスト印刷の文字品質を高めつつ高速で印刷できるという利点も有する。
また、各駆動信号生成回路40A,40Bは、印刷解像度が異なる印刷モードA〜D毎に電圧波形を定めた駆動信号COM_A,COM_Bを生成しているので、印刷モードA〜D毎にインク滴の吐出量を高い精度で制御できる。
===その他の実施形態について===
前述した実施形態は、主として、インクジェット方式のプリンター1を有する印刷システムについて記載されているが、その中には、印刷装置、印刷方法、印刷装置の制御方法、液体吐出方法、液体吐出システム、ヘッドの駆動装置、ヘッドの駆動方法、コンピュータープログラム、コンピューターで読み取り可能な記憶媒体等の開示が含まれている。また、この実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<ドット階調制御について>
前述の印刷モードCにおけるドット形成データ[01]では、いずれも第2駆動信号生成回路40Bから生成された駆動信号COM_A(2),COM_A(1)に含まれる吐出パルスPSc1,PLc3が用いられていた。この点に関し、各駆動信号COM_A,COM_Bに含まれる一部の吐出パルスを使用するドット階調値において、異なる駆動信号生成回路で生成された吐出パルスPL,PSを使用するようにしてもよい。
変形例の印刷モードCにおいて、第1駆動信号生成回路40Aと第2駆動信号生成回路40Bは、例えば図13Aに示すように、異なる電圧波形の駆動信号COM_A(1),COM_B(1),COM_A(2),COM_B(2)を繰り返し周期T毎に繰り返し生成する。
駆動信号COM_A(1)は、繰り返し周期Tにおける期間T1に吐出パルスPLc1を含み、期間T2では中間電圧で一定になっている。また、期間T3に吐出パルスPLc1を含み、期間T4では中間電圧で一定になっている。駆動信号COM_B(1)は、期間T1に吐出パルスPLc2を含み、期間T2では中間電圧で一定になっている。また、期間T3に吐出パルスPLc2を含み、期間T4では中間電圧で一定になっている。
駆動信号COM_A(2)は、繰り返し周期Tにおける期間T1に微振動パルスPVを含み、期間T2に吐出パルスPLc3を含んでいる。また、期間T3に微振動パルスPVを含み、期間T4に吐出パルスPLc3を含んでいる。駆動信号COM_B(2)は、期間T1に吐出パルスPSc1を含み、期間T2に微振動パルスPVを含んでいる。また、期間T3に吐出パルスPSc1を含み、期間T4に微振動パルスPVを含んでいる。
図13Bに示すように、印刷モードCでは、ブラックインクとカラーインクのそれぞれで3段階の階調制御が行われる。ヘッド制御部HCは、ブラックインクの吐出制御において、データ[10]の場合に吐出パルスPLc1をピエゾ素子PZTへ印加し、データ[01]の場合に吐出パルスPSc1をピエゾ素子PZTへ印加し、データ[00]の場合に微振動パルスPVをピエゾ素子PZTへ印加している。また、ヘッド制御部HCは、カラーインクの吐出制御において、データ[10]の場合に吐出パルスPLc2,吐出パルスPLc3をピエゾ素子PZTへ印加し、データ[01]の場合に吐出パルスPSc2をピエゾ素子PZTへ印加し、データ[00]の場合に微振動パルスPVをピエゾ素子PZTへ印加している。
変形例の印刷モードCでは、データ[10]の場合において、ブラックインクに対しては、第2駆動信号生成回路40Bで生成された駆動信号COM_B(2)を用いてインク滴の吐出制御が行われ、カラーインクに対しては、第1駆動信号生成回路40Aで生成された駆動信号COM_B(1)を用いてインク滴の吐出制御が行われる。このように、ドット階調値をも考慮して各駆動信号生成回路40A,40Bにおける負荷を均等化することで、各駆動信号生成回路40A,40Bを一層効率よく使用できる。
<各駆動信号COM_A,COM_Bの切換について>
前述の実施形態では、ヘッドHDの往路移動時と復路移動時とで各駆動信号生成回路40A,40Bから生成される駆動信号COM_A,COM_Bの組み合わせは固定されていた。この点に関し、ヘッドHDの往路移動時と復路移動時とで、各駆動信号生成回路40A,40Bから生成される駆動信号COM_A,COM_Bの組み合わせを代えてもよい。例えば、図14Aに示す変形例では、各駆動信号生成回路40A,40BとヘッドHD(動作パルス印加部としてのヘッド制御部HC,図4を参照)との間に、信号切換部としての切換回路45を設けている。この切換回路45は、第1駆動信号生成回路40Aが生成する駆動信号COM_A(1)及び駆動信号COM_B(1)と、第2駆動信号生成回路40Bが生成する駆動信号COM_A(2)及び駆動信号COM_B(2)とに関し、駆動信号COMの供給先となるヘッドHD(ピエゾ素子群331)を任意に切り替える回路である。例えば、駆動信号COM_A(1)や駆動信号COM_B(1)について、その供給先を、ブラックインクを吐出するヘッドHD(サブユニットHD2,4)とカラーインクを吐出するヘッドHD(サブユニットHD1,3,5)とに切り替えることができる。同様に、駆動信号COM_A(2)や駆動信号COM_B(2)について、その供給先を、ブラックインクを吐出するヘッドHDとカラーインクを吐出するヘッドHDとに切り替えることができる。
この変形例では、例えば図14Bに示すように、ヘッドHDの往路移動時において、第1駆動信号生成回路40Aは、駆動信号COM_A(1)としてブラックインク用の駆動信号COM_Aを生成し、駆動信号COM_B(1)としてカラーインク用の駆動信号COM_Bを生成する。第2駆動信号生成回路40Bは、駆動信号COM_A(2)としてカラーインク用の駆動信号COM_Aを生成し、駆動信号COM_B(2)としてブラックインク用の駆動信号COM_Bを生成する。一方、ヘッドHDの復路移動時において、第1駆動信号生成回路40Aは、駆動信号COM_A(1)としてカラーインク用の駆動信号COM_Aを生成し、駆動信号COM_B(1)としてブラックインク用の駆動信号COM_Bを生成する。第2駆動信号生成回路40Bは、駆動信号COM_A(2)としてブラックインク用の駆動信号COM_Aを生成し、駆動信号COM_B(2)としてブラックインク用の駆動信号COM_Bを生成する。
切換回路45は、ヘッドHDの往路移動時において、駆動信号COM_A(1)と駆動信号COM_B(2)とをブラックインク用のヘッドHDに供給し、駆動信号COM_B(1)と駆動信号COM_A(2)とをカラーインク用のヘッドHDに供給する。一方、復路移動時において、駆動信号COM_A(1)と駆動信号COM_B(2)とをカラーインク用のヘッドHDに供給し、駆動信号COM_B(1)と駆動信号COM_A(2)とをブラックインク用のヘッドHDに供給する。
この変形例では、ヘッドHDの往路移動時と復路移動時とで各駆動信号生成回路40A,40Bが生成する駆動信号COM_A,COM_Bが入れ替わるので、往路移動時と復路移動時とでも各駆動信号生成回路40A,40Bを均等に使用することができる。
<各駆動信号生成回路40A,40Bについて>
前述の実施形態ではDAC_IC41を有する第1駆動信号生成回路40A及び第2駆動信号生成回路40Bを例に挙げて説明したが、このような駆動信号生成回路40A,40Bに限られない。例えば、各駆動信号生成回路40A,40Bをトランジスタやコンデンサ等のアナログ素子で構成してもよい。そして、前述の実施形態のように、DAC_IC41等によって駆動信号COMを生成した場合には、電圧波形を精度良く定めることができる。
<ノズル列について>
ノズル列の数は前述の実施形態の個数に限られない。例えば、ブラックインクを吐出するノズル列の数に関し、4列より多くてもよく、少なくてもよい。また、カラーインクを吐出するノズル列の数に関しても、6列に限られない。また、各ノズル324の配置に関しては、用途に応じて種々の配置を採り得る。すなわち、列状になっていなくてもよい。
<他の形式のプリンターについて>
前述の実施形態では、ヘッドHDを移動方向へ移動させつつノズル324からインク滴を吐出させるドット形成動作と、用紙Sを紙送り方向へ搬送する紙送り動作とを交互に行うことで用紙Sへ画像を印刷していたが、この形式のプリンターに限られない。例えば、紙幅サイズのラインヘッドを固定し、用紙Sを紙送り方向へ移動させることで画像を印刷するラインプリンターであってもよい。
<他の応用例について>
前述の実施形態では、液体吐出装置としてプリンター1が説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の液体吐出装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
1 プリンター,10 用紙搬送機構,11 プラテン,12 搬送ローラー,13 排紙ローラー,14 搬送モーター,20 キャリッジ移動機構,21 タイミングベルト,22 キャリッジモーター,23 ガイド軸,24 駆動プーリー,25 アイドラプーリー,30 ヘッドユニット,31 ケース,32 流路ユニット,321 共通インク室,322 インク供給路,323 圧力室,324 ノズル,325 弾性膜,326 アイランド部,33 ピエゾ素子ユニット,331 ピエゾ素子群,332 接着用基板,333 素子用配線基板,40 駆動信号生成部,40A 第1駆動信号生成回路,40B 第2駆動信号生成回路,41 DAC_IC,42 第1電流増幅回路,43 第2電流増幅回路,45 切換回路,50 検出器群,51 リニアエンコーダー,60 主制御部,61 インタフェース部,62 CPU,63 メモリー,CP コンピューター,CR キャリッジ,IC インクカートリッジ,HD ヘッド,PZT ピエゾ素子,HC ヘッド制御部,CP キャップ部材,COM_A 駆動信号,COM_B 駆動信号,PLa1 吐出パルス,PLa2 吐出パルス,PLb1 吐出パルス,PSb1 吐出パルス,PLa1 吐出パルス,PLc1 吐出パルス,PLc2 吐出パルス,PLc3 吐出パルス,PSc1 吐出パルス,PLd1 吐出パルス,PLd2 吐出パルス,PSd1 吐出パルス,PV 微振動パルス

Claims (7)

  1. ブラックインクを吐出する複数の第1ノズルと、
    カラーインクを吐出する複数の第2ノズルと、
    前記第1ノズルに対応して設けられ、前記第1ノズルから前記ブラックインクを吐出させる動作をする複数の第1素子と、
    前記第1ノズルに対応して設けられ、前記第2ノズルから前記カラーインクを吐出させる動作をする複数の第2素子と、
    前記第1素子を動作させるための第1動作パルスを含んだ第1駆動信号、及び、前記第2素子を動作させるための第2動作パルスを含んだ第2駆動信号を生成する第1駆動信号生成ユニットと、
    前記第1素子を動作させるための第3動作パルスを含んだ第3駆動信号、及び、前記2素子を動作させるための第4動作パルスを含んだ第4駆動信号を生成する第2駆動信号生成ユニットと、
    ドット階調値に応じて、前記第1動作パルス及び前記第3動作パルスの少なくとも1つを選択して前記第1素子へ印加するとともに、前記第2動作パルス及び前記第4動作パルスの少なくとも1つを選択して前記第2素子へ印加する動作パルス印加部と
    を有する印刷装置。
  2. 前記第2素子の数は、
    前記第1素子の数よりも多い、請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記第1ノズルは、
    所定方向に対して所定ピッチとなるように並んで第1ノズル群を構成し、
    前記第2ノズルは、
    前記所定方向に対して前記所定ピッチよりも大きい他の所定ピッチとなるように並んで第2ノズル群を構成し、
    或るドット階調値に対応する前記第2動作パルス及び前記第4動作パルスは、
    前記或るドット階調値に対応する前記第1動作パルス及び前記第3動作パルスで吐出されるインク量よりも、吐出させるインク量が多くなるように前記第2素子を動作させる、請求項1又は2に記載の印刷装置。
  4. 前記第1素子は、
    前記第1動作パルス及び前記第3動作パルスの電圧に応じて変形し、前記第1ノズルに連通した圧力室内の前記ブラックインクに圧力変化を与えるピエゾ素子であり、
    前記第2素子は、
    前記第2動作パルス及び前記第4動作パルスの電圧に応じて変形し、前記第2ノズルに連通した圧力室内の前記カラーインクに圧力変化を与えるピエゾ素子である、請求項1から3の何れか1項に記載の印刷装置。
  5. 前記第1駆動信号生成ユニットは、
    印刷解像度が異なる印刷モード毎に電圧波形を定めた前記第1駆動信号及び前記第2駆動信号を生成し、
    前記第2駆動信号生成ユニットは、
    前記印刷モード毎に電圧波形を定めた前記第3駆動信号及び前記第4駆動信号を生成する、請求項4に記載の印刷装置。
  6. 前記第1ノズル、前記第2ノズル、前記第1素子、及び、前記第2素子を備えたヘッドと、
    前記ヘッドを移動方向に往復移動させるヘッド移動部と、
    前記第1駆動信号生成ユニット及び前記第2駆動信号生成ユニットと前記動作パルス印加部との間に配置され、前記動作パルス印加部へ供給される前記第1駆動信号、前記第2駆動信号、前記第3駆動信号、及び、前記第4駆動信号を切り替えて、前記動作パルス印加部へ出力する信号切換部と
    を有し、
    第1駆動信号生成ユニットは、
    前記ヘッドの往路移動時には前記第1駆動信号及び前記第2駆動信号を生成する一方、前記ヘッドの復路移動時には前記第3駆動信号及び前記第4駆動信号を生成し、
    第2駆動信号生成ユニットは、
    前記ヘッドの往路移動時には前記第3駆動信号及び前記第4駆動信号を生成する一方、前記ヘッドの復路移動時には前記第1駆動信号及び前記第2駆動信号を生成する、請求項1から5の何れか1項に記載の印刷装置。
  7. ブラックインクを吐出する複数の第1ノズルと、
    カラーインクを吐出する複数の第2ノズルと、
    前記第1ノズルに対応して設けられ、前記第1ノズルから前記ブラックインクを吐出させる動作をする複数の第1素子と、
    前記第2ノズルに対応して設けられ、前記第2ノズルから前記カラーインクを吐出させる動作をする複数の第2素子とを有する印刷装置の制御方法であって、
    前記第1素子を動作させるための第1動作パルスを含んだ第1駆動信号、及び、前記第2素子を動作させるための第2動作パルスを含んだ第2駆動信号を、第1駆動信号生成ユニットにて生成するステップと、
    前記第1素子を動作させるための第3動作パルスを含んだ第3駆動信号、及び、前記2素子を動作させるための第4動作パルスを含んだ第4駆動信号を、第2駆動信号生成ユニットにて生成するステップと、
    ドット階調値に応じて、前記第1動作パルス及び第3動作パルスの少なくとも1つを選択して前記第1素子へ印加するとともに、前記第2動作パルス及び第4動作パルスの少なくとも1つを選択して前記第2素子へ印加するステップとを有する印刷装置の制御方法。
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