JP2010221375A - ワイヤカット放電加工装置におけるテーパ補正システムおよびテーパ補正方法 - Google Patents

ワイヤカット放電加工装置におけるテーパ補正システムおよびテーパ補正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 効率よくテーパ角度の補正を行うことができるワイヤカット放電加工装置におけるテーパ補正システムおよびテーパ補正方法を提供する。
【解決手段】 テーパ加工において出現する出現テーパ角度を所要に補正するワイヤカット放電加工装置1におけるテーパ補正システム20であって、NCプログラムから出現テーパ角度を複数特定する出現テーパ角度特定手段231と、複数の出現テーパ角度を代表して表し該出現テーパ角度の補正に用いられる代表テーパ角度の代表数を設定する代表数設定手段233と、テーパ角度を変数とする正規分布関数を生成する正規分布関数生成手段232と、代表テーパ角度を正規分布関数を用いて代表数に応じて設定する代表テーパ角度設定手段234と、を備える。
【選択図】 図7

Description

本発明は、ワイヤカット放電加工装置におけるテーパ補正システムおよびテーパ補正方法に関し、特に、テーパ角度の測定値を用いて補正量を生成しテーパ加工において出現するテーパ角度を補正するワイヤカット放電加工装置におけるテーパ補正システムおよびテーパ補正方法に関する。
加工電極とワーク間の間歇放電による放電加工を、板状等のワークに対するワイヤ電極による糸鋸状の切断加工に適用したワイヤカット放電加工が広く行われており、所定のNCプログラムに基づきワイヤカット放電加工における切断加工の際にワイヤ電極を所望の傾斜角度(以下、ワイヤ電極の傾斜角度をテーパ角度とする)をもって傾斜させた状態としていわゆるテーパ加工を行うことも既に広く行われている。
このテーパ加工は、例えば、図15に示すように、リング形状のメインガイド部9a,10aと、ワイヤ電極Eを案内する案内面が大きな曲率半径の円弧面となっているサブガイド部9b,10bと、を有するワイヤガイド9,10をワークWを挟んで上下に配置しワイヤ電極EをワークWに案内しつつ行う場合には、例えば、メインガイド部9a,10aのリング孔中心位置をワイヤ電極Eを支持する基準となる支点位置RU,RLとし、ワイヤ電極Eのテーパ角度を上下の基準支点位置RU,RL間を結ぶ線分PとZ軸方向(高さ方向)とのなす角度としてNCプログラムに基づき上下ワイヤガイド9,10の位置を制御して行っていた。
しかしながら、同図に示すように、このようなワイヤガイド9,10では、サブガイド部9b,10bの内周面に沿ってワイヤ電極Eが案内され、ワイヤ電極Eを支持する実際の支点位置RU´,RL´は基準支点位置RU,RLに対し高さ方向に変位し、ワイヤ電極Eの破線で示す実際の案内軌跡と基準支点位置RU,RLを結ぶ線分Pとは一致せず、テーパ角度に誤差を生じて加工精度が大きく低下することがあった。
そこで、従来は、ワイヤカット放電加工装置にテーパ補正システムを備えて、放電加工を行う前に予めテーパ角度の測定値を求めるとともに、該測定値を用いて補正量を生成し、上記の如く所定の基準位置間(上記例では上下ワイヤガイド9,10の内部における上下の基準支点位置RU,RL間)を結ぶ線分と高さ方向とのなす角度であってテーパ加工において出現するワイヤ電極Eのテーパ角度(以下、所定の基準位置間を結ぶ線分と高さ方向とのなす角度であってテーパ加工において出現するワイヤ電極Eのテーパ角度を単に出現テーパ角度とする)と実際のテーパ角度とが一致するようにテーパ角度の補正を行っていた。このような場合の具体的な補正方法は、例えば、特許文献1または特許文献2に開示される技術が参照される。
特開2006−35395号公報 特開2006−239807号公報
ところで、上述した従来の補正量の生成は、オペレータが手作業でNCプログラムから出現テーパ角度を算出する等して複数特定しつつ該特定した複数の出現テーパ角度を代表して表す代表テーパ角度を適宜設定し、該代表テーパ角度の測定値を求める等して行っていた。
しかしながら、オペレータがいちいち手作業でNCプログラムから出現テーパ角度を特定したり、代表テーパ角度を設定したのでは、作業が極めて煩雑であり放電加工前の段取り作業に膨大な時間を費やす等、テーパ角度の補正を効率よく行うことができなかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、効率よくテーパ角度の補正を行うことができるワイヤカット放電加工装置におけるテーパ補正システムおよびテーパ補正方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、ワイヤカット放電加工装置におけるテーパ補正システムに係る請求項1の発明は、テーパ加工において出現する出現テーパ角度を所要に補正するワイヤカット放電加工装置におけるテーパ補正システムであって、NCプログラムから出現テーパ角度を複数特定する手段と、複数の出現テーパ角度を代表して表し該出現テーパ角度の補正に用いられる代表テーパ角度の代表数を設定する手段と、代表テーパ角度を複数の出現テーパ角度から代表数に応じて設定する手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、テーパ補正システムに上記各手段を備えることとしたので、NCプログラムからの出現テーパ角度の特定や代表テーパ角度の設定を煩雑な作業を介することなく行うことができる等、効率よくテーパ角度の補正を行うことができる。
上記目的を達成するために、ワイヤカット放電加工装置におけるテーパ補正システムに係る請求項2の発明は、テーパ加工において出現する出現テーパ角度を所要に補正するワイヤカット放電加工装置におけるテーパ補正システムであって、NCプログラムから出現テーパ角度を複数特定する手段と、テーパ角度を変数とする関数を生成する手段と、複数の出現テーパ角度を代表して表し該出現テーパ角度の補正に用いられる代表テーパ角度の代表数を設定する手段と、代表テーパ角度を関数を用いて代表数に応じて設定する手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、テーパ補正システムに上記各手段を備えることとしたので、NCプログラムからの出現テーパ角度の特定や代表テーパ角度の設定を煩雑な作業を介することなく行うことができる等、効率よくテーパ角度の補正を行うことができる。
また、所定の関数を用いて代表数に応じて代表テーパ角度が設定されるので、該代表テーパ角度の設定がオペレータの主観を廃し客観的に行われ精度よくテーパ角度の補正を行うこともできる。
上記目的を達成するために、ワイヤカット放電加工装置におけるテーパ補正システムに係る請求項3の発明は、テーパ加工において出現する出現テーパ角度を所要に補正するワイヤカット放電加工装置におけるテーパ補正システムであって、NCプログラムから出現テーパ角度を複数特定する手段と、テーパ角度を変数とする関数を生成する手段と、複数の出現テーパ角度を代表して表し該出現テーパ角度の補正に用いられる代表テーパ角度の代表数を設定する手段と、積分範囲を出現テーパ角度の最小値から最大値として関数を積分し、かつ、該積分して得られた値を代表数に基づいて除算し、次いで、積分範囲を所定に設定した関数の積分式と除算して得られた値を等式で結び該等式の解を代表テーパ角度として設定する手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、テーパ補正システムに上記各手段を備えることとしたので、NCプログラムからの出現テーパ角度の特定や代表テーパ角度の設定を煩雑な作業を介することなく行うことができる等、効率よくテーパ角度の補正を行うことができる。
また、所定の関数を用いて代表数に応じて代表テーパ角度が設定されるので、該代表テーパ角度の設定がオペレータの主観を廃し客観的に行われ精度よくテーパ角度の補正を行うこともできる。ここで、関数は正規分布関数とすることができる(請求項4)。
上記目的を達成するために、ワイヤカット放電加工装置におけるテーパ補正システムに係る請求項5の発明は、テーパ加工において出現する出現テーパ角度を所要に補正するワイヤカット放電加工装置におけるテーパ補正システムであって、NCプログラムから出現テーパ角度を複数特定する手段と、出現テーパ角度の平均値を演算するとともに、該平均値を用いてテーパ角度を変数とする正規分布関数を生成する手段と、複数の出現テーパ角度を代表して表し該出現テーパ角度の補正に用いられる代表テーパ角度の代表数を設定する手段と、正規分布関数を用いて出現テーパ角度の平均値と該平均値付近の値を含むように代表数に応じて代表テーパ角度を設定する手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、テーパ補正システムに上記各手段を備えることとしたので、NCプログラムからの出現テーパ角度の特定や代表テーパ角度の設定を煩雑な作業を介することなく行うことができる等、効率よくテーパ角度の補正を行うことができる。
また、正規分布関数を用いて代表数に応じて代表テーパ角度が設定されるので、該代表テーパ角度の設定がオペレータの主観を廃し客観的に行われ精度よくテーパ角度の補正を行うこともできる。
しかも、代表テーパ角度に出現テーパ角度の平均値と該平均値付近の値を確実に含めることができ、代表精度を向上させることができる等、テーパ角度の補正を更に精度よく行うことができる。
上記目的を達成するために、ワイヤカット放電加工装置におけるテーパ補正システムに係る請求項6の発明は、ワークのテーパ加工において出現する出現テーパ角度を所要に補正するワイヤカット放電加工装置におけるテーパ補正システムであって、ワークの加工形状を所定の形状部分ごとに分割したときの所定の分割位置における出現テーパ角度をNCプログラムから抽出するとともに、該NCプログラムから抽出した出現テーパ角度とワークの厚みに基づいてNCプログラムに含まれていない所定の分割位置以外の分割位置における出現テーパ角度を演算し、出現テーパ角度を複数特定する手段と、出現テーパ角度の平均値を演算するとともに、該平均値を用いてテーパ角度を変数とする正規分布関数を生成する手段と、複数の出現テーパ角度を代表して表し該出現テーパ角度の補正に用いられる代表テーパ角度の代表数を奇数で設定する手段と、出現テーパ角度の最小値および最大値を代表テーパ角度として設定するとともに、積分範囲を出現テーパ角度の最小値から最大値として正規分布関数を積分し、かつ、該積分して得られた値を代表数から1を差し引いた数で除算し、次いで、積分範囲を出現テーパ角度の最小値および最大値のいずれか一方から所定の未知数とした正規分布関数の積分式と除算して得られた値とを等式で結び該等式の解を更に代表テーパ角度として設定し、以下、積分範囲を最新に設定した代表テーパ角度から所定の未知数とした正規分布関数の積分式と除算して得られた値とを等式で結び該等式の解を更に代表テーパ角度として設定する手順を代表テーパ角度の設定数が代表数となるまで繰り返す手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、テーパ補正システムに上記各手段を備えることとしたので、NCプログラムからの出現テーパ角度の特定や代表テーパ角度の設定を煩雑な作業を介することなく行うことができる等、効率よくテーパ角度の補正を行うことができる。
また、正規分布関数を用いて代表数に応じて代表テーパ角度が設定されるので、該代表テーパ角度の設定がオペレータの主観を廃し客観的に行われ精度よくテーパ角度の補正を行うこともできる。
しかも、出現テーパ角度の最小値および最大値を代表テーパ角度として設定するとともに、積分範囲を出現テーパ角度の最小値から最大値として正規分布関数を積分し、かつ、該積分して得られた値を奇数で設定された代表数から1を差し引いた数で除算し、次いで、積分範囲を出現テーパ角度の最小値および最大値のいずれか一方から所定の未知数とした正規分布関数の積分式と除算して得られた値とを等式で結び該等式の解を更に代表テーパ角度として設定し、以下、積分範囲を最新に設定した代表テーパ角度から所定の未知数とした正規分布関数の積分式と除算して得られた値とを等式で結び該等式の解を更に代表テーパ角度として設定する手順を代表テーパ角度の設定数が代表数となるまで繰り返すこととしたので、代表テーパ角度に出現テーパ角度の最小値および最大値と出現テーパ角度の平均値を確実に含めることができるとともに、正規分布が平均値を線対称軸とした釣鐘状となることに起因して平均値付近の値も確実に含めることができ、代表精度を向上させることができる等、テーパ角度の補正を更に精度よく行うことができる。
ここで、代表数を設定する手段は、代表テーパ角度の測定時間の短縮を優先するか出現テーパ角度の補正精度の向上を優先するかを選択して設定する構成とすることとすれば、代表テーパ角度の代表数を状況に応じて柔軟に設定することができる(請求項7)。
上記目的を達成するために、ワイヤカット放電加工装置におけるテーパ補正方法に係る請求項8の発明は、テーパ加工において出現する出現テーパ角度を所要に補正するワイヤカット放電加工装置におけるテーパ補正方法であって、NCプログラムから出現テーパ角度を複数特定するステップと、テーパ角度を変数とする関数を生成するステップと、複数の出現テーパ角度を代表して表し該出現テーパ角度の補正に用いられる代表テーパ角度の代表数を設定するステップと、代表テーパ角度を関数を用いて代表数に応じて設定するステップと、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、テーパ補正方法に上記各ステップを含むこととしたので、効率よくかつ精度よくテーパ角度の補正を行うことができる。
上記目的を達成するために、ワイヤカット放電加工装置におけるテーパ補正方法に係る請求項9の発明は、ワークのテーパ加工において出現する出現テーパ角度を所要に補正するワイヤカット放電加工装置におけるテーパ補正方法であって、NCプログラムから出現テーパ角度を複数特定するステップと、出現テーパ角度の平均値を演算するとともに、該平均値を用いてテーパ角度を変数とする正規分布関数を生成するステップと、複数の出現テーパ角度を代表して表し該出現テーパ角度の補正に用いられる代表テーパ角度の代表数を奇数で設定するステップと、出現テーパ角度の最小値および最大値を代表テーパ角度として設定するとともに、積分範囲を出現テーパ角度の最小値から最大値として正規分布関数を積分し、かつ、該積分して得られた値を代表数から1を差し引いた数で除算し、次いで、積分範囲を出現テーパ角度の最小値および最大値のいずれか一方から所定の未知数とした正規分布関数の積分式と除算して得られた値とを等式で結び該等式の解を更に代表テーパ角度として設定し、以下、積分範囲を最新に設定した代表テーパ角度から所定の未知数とした正規分布関数の積分式と除算して得られた値とを等式で結び該等式の解を更に代表テーパ角度として設定する手順を代表テーパ角度の設定数が代表数となるまで繰り返すステップと、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、テーパ補正方法に上記各ステップを含むこととしたので、効率よくかつ精度よくテーパ角度の補正を行うことができる。
本発明によれば、効率よくテーパ角度の補正を行うことができる。
本発明の実施形態に係るワイヤカット放電加工装置の全体概要を示す斜視図である。 上ガイドアッセンブリの構成を示す側面断面図である。 下ガイドアッセンブリの構成を示す側面断面図である。 ワークのテーパ加工方法を説明するための平面図である。 NCプログラムを示す図である。 NCプログラムに含まれる出現テーパ角度を示す第1の図である。 NCプログラムに含まれる出現テーパ角度を示す第2の図である。 テーパ補正システム(NC制御装置)の構成を示すブロック図である。 出現テーパ角度の出現頻度を説明するための図である。 コーナー部の出現テーパ角度の演算方法を説明するための第1の図である。 コーナー部の出現テーパ角度の演算方法を説明するための第2の図である。 コーナー部の出現テーパ角度の演算方法を補足説明するための第1の図である。 コーナー部の出現テーパ角度の演算方法を補足説明するための第1の図である。 正規分布を用いた代表テーパ角度の設定方法を説明するためのグラフである。 代表数を設定するための画面の構成を示す図である。 代表テーパ角度の表示画面の構成を示す図である。 テーパ補正システムによる代表テーパ角度の設定方法を説明するためのフローチャートである。 テーパ加工方法の従来例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施形態を示すワイヤカット放電加工装置の概要を示す斜視図である。
図1を参照してワイヤカット放電加工装置1の概要を説明すると、ワイヤカット放電加工装置1は、ベース2と、ベース2の後部から立設するコラム3と、コラム3の前面上部に装着される加工ヘッド4と、ベース2の前部に設けられる加工槽5と、加工槽5に収容されワークWを載置するワークテーブル6と、を有しており、加工ヘッド4に上ガイドアッセンブリ7が、コラム3の前面下部に下ガイドアッセンブリ8が、ワークWを挟むように備えられている。
図2および図3に示すように、上下ガイドアッセンブリ7,8の内部には、リング形状のメインガイド部9a,10aと、ワイヤ電極Eを案内する案内面が大きな曲率半径の円弧面となっているサブガイド部9b,10bと、を有するワイヤガイド9,10がそれぞれ備えられており、これらワイヤガイド9,10間にワイヤ電極Eを張架しつつワークWのテーパ加工が行われる。
このワークWのテーパ加工は例えば図4の如く行われる。すなわち、図4は一定の厚みtに設定された平板状のワークWにおいて下面側の加工形状を矩形状とし、テーパ角度を適宜設定しつつテーパ加工を行う場合の例示であり、当該テーパ加工においてはワークWの加工形状を所定の形状部分ごとに分割しつつ図5の如く加工プログラムとしてのNCプログラムが生成される。
つまり、図4の例示においては、加工開始位置をコーナー部I−I´として加工方向を時計回りとし、各分割区間で上下のワイヤガイド9,10を同期させながら、分割区間I−A(I´−A´)ではワークWのテーパ面の角度をα一定としてワークWの下面側の加工経路Tと上面側の加工経路T´とが平行になるように、分割区間A−B(A´−B´)ではテーパ面の角度がαからβに増加するように、分割区間B−J(B´−J´)および分割区間J−C(J´−C´)ではテーパ面の角度をβ一定として加工経路T,T´が平行になるように、分割区間C−D(C´−D´)ではテーパ面の角度がβからγに減少するように、分割位置D−K(D´−K´)および分割区間K−E(K´−E´)ではテーパ面の角度をγ一定として加工経路T,T´が平行になるように、分割位置E−F(E´−F´)ではテーパ面の角度がγからδに減少するように、分割位置F−L(F´−L´)および分割区間L−G(L´−G´)ではテーパ面の角度をδ一定として加工経路T,T´が平行になるように、分割位置G−H(G´−H´)ではテーパ面の角度がδからαに減少するように、分割区間H−I(H´−I´)ではテーパ面の角度をα一定として加工経路T,T´が平行になるように、それぞれテーパ加工が行われ、NCプログラムにはテーパ面の角度α乃至δと同一角度で設定される所要の出現テーパ角度が含まれている。
ここで、図6Aおよび図6Bに示すように、NCプログラムに含まれる出現テーパ角度α乃至δは、コーナー部以外の分割位置であるA−A´乃至H−H´を通る線分であって相互に平行な加工経路T,T´のそれぞれに対し直交する線分α´乃至δ´と高さ方向とのなす角度として設定されている。
ワイヤカット放電加工装置1にはNC制御装置20が併設されており、NC制御装置20は所定の制御信号を出力してワークWのテーパ加工を行う機能を有するとともに、出現テーパ角度を補正するテーパ補正システムとしても機能する。以下、NC制御装置20はテーパ補正システム20としてその機能を詳細に説明する。
図7に示すように、テーパ補正システム20は、入力部21、記憶部22、処理部23、表示部24からなる。
入力部21は、例えば、キーボード、マウス等で構成されており、オペレータが入力部21を介して処理部23における各種処理に必要な操作を行う。具体的には、入力部21を介してワークWの厚みtを入力するための操作、記憶部22に記憶されているNCプログラムを読み出すための操作、出現テーパ角度の特定や代表テーパ角度の設定を開始するための操作、代表テーパ角度の代表数を設定するための操作が行われる。
記憶部22は、ハードディスク等で構成されており、ワークWのテーパ加工を行うために必要な各種NCプログラムを記憶する機能を有している。
処理部23は、NCプログラムからの出現テーパ角度の特定や代表テーパ角度の設定に際し主要な役割を果たすべく、出現テーパ角度特定手段231、正規分布関数生成手段232、代表数設定手段233、代表テーパ角度設定手段234、テーパ角度補正手段235として機能する。
出現テーパ角度特定手段231は、NCプログラムを解読して該NCプログラムから各分割位置の出現テーパ角度を特定する機能を有している。
すなわち、上記の例示においては、出現テーパ角度特定手段231は、はじめにNCプログラムに含まれる出現テーパ角度つまりNCプログラムにおける「A」の後に続く角度データを抽出して出現テーパ角度α乃至δとする。
そして、出現テーパ角度特定手段231は、NCプログラムにおける「G01」の後に続く各分割位置の加工位置データに基づいて該各分割位置がコーナー部か否かを区別し、抽出した出現テーパ角度α乃至δを分割位置A−A´乃至H−H´の出現テーパ角度として特定する。このような出現テーパ角度α乃至δの特定に際しては図8の如く出現テーパ角度特定手段231は各出現テーパ角度α乃至δの出現頻度Nα乃至Nδも計数して特定する。
そして更に、出現テーパ角度特定手段231は、分割位置A−A´乃至H−H´以外の分割位置における出現テーパ角度つまりコーナー部I−I´乃至L−L´の出現テーパ角度についても所要に演算して特定する。
すなわち、厳密に言えばコーナー部I−I´乃至L−L´の出現テーパ角度は分割位置A−A´乃至H−H´の出現テーパ角度α乃至δと相違しNCプログラムには含まれていないので、単にNCプログラムから抽出するのみではコーナー部I−I´乃至L−L´の出現テーパ角度を特定することはできない。
そこで、出現テーパ角度特定手段231はコーナー部I−I´乃至L−L´の出現テーパ角度を前記抽出された出現テーパ角度α乃至δとワークWの厚さtに基づいて幾何学的に演算して特定する構成としている。
より詳しくは、図9Aおよび図9Bに示すように、ワークWの下面側のコーナー位置I乃至Lを高さ方向に沿って移動させてワークWの上面側に投影した位置I´´乃至L´´とワークWの上面側のコーナー位置I´乃至L´を結ぶ線分をI´I´´乃至L´L´´としたとき、線分II´´と線分I´I´´とのなす角度乃至線分LL´´と線分L´L´´とのなす角度は直角であり、線分II´´の長さ乃至線分LL´´の長さつまりワークWの厚さはtに設定されているから各コーナー部I−I´乃至L−L´の出現テーパ角度ε乃至νは数1の如く演算することができる。
[数1]
ε=tan−1(I´I´´の長さ/t)
η=tan−1(J´J´´の長さ/t)
λ=tan−1(K´K´´の長さ/t)
ν=tan−1(L´L´´の長さ/t)
ここで、図10Aおよび図10Bに示すように、投影位置I´´乃至L´´をワークWの上面側の加工経路T´に対し垂下した位置をi´,i´´乃至l´,l´´とすると、正方形I´´i´´I´i´乃至L´´l´´L´l´が形成され該正方形の対角線が数1に含まれる線分I´I´´乃至L´L´´であるから、該線分I´I´´乃至L´L´´の長さは線分I´´i´,I´´i´´乃至L´´l´,L´´l´´の長さを用いて数2の如く演算される。
更に、線分Ii´,Ii´´乃至Ll´,Ll´は相互に平行な加工経路T,T´のそれぞれに対して直交し上述した線分α´乃至δ´と平行な線分となるから、線分II´´と線分Ii´とのなす角および線分II´´と線分Ii´´とのなす角度乃至線分LL´´と線分Ll´とのなす角度および線分LL´´と線分Ll´´とのなす角度は出現テーパ角度α乃至δにそれぞれ等しくなる。よって、数2に含まれる線分I´´i´,I´´i´´乃至L´´l´,L´´l´´の長さは、ワークWの厚さtと出現テーパ角度α乃至δを用いて数3の如く演算される。
このようにコーナー部I−I´乃至L−L´の出現テーパ角度ε乃至νを演算して特定する際には出現テーパ角度特定手段231は各出現テーパ角度ε乃至νの出現頻度Nε乃至Nνも計数して特定する(図8参照)。
[数2]
I´I´´の長さ
={(I´´i´の長さ)+(I´´i´´の長さ)0.5
J´J´´の長さ
={(J´´j´の長さ)+(J´´j´´の長さ)0.5
K´K´´の長さ
={(K´´k´の長さ)+(K´´k´´の長さ)0.5
L´L´´の長さ
={(L´´l´の長さ)+(L´´l´´の長さ)0.5
[数3]
I´´i´の長さ=I´´i´´の長さ=t×tanα
J´´j´の長さ=J´´j´´の長さ=t×tanβ
K´´k´の長さ=K´´k´´の長さ=t×tanγ
L´´l´の長さ=L´´l´´の長さ=t×tanδ
正規分布関数生成手段232は、出現テーパ角度特定手段231により特定された出現テーパ角度に関する正規分布関数を生成する機能を有している。すなわち、上記の例示においては、正規分布関数生成手段232は、出現テーパ角度特定手段231により特定された出現テーパ角度α乃至νおよび各出現頻度Nα乃至Nνに基づいて出現テーパ角度α乃至νの加重平均値μおよび分散σを演算するとともに、該平均値および分散を用いてテーパ角度を変数とする出現テーパ角度に関する正規分布関数f(θ)を数4乃至数6の如く生成する。
Figure 2010221375
Figure 2010221375
[数6]
n=Nα+Nβ+Nγ+Nδ+Nε+Nη+Nλ+Nν
ここで、
f(θ):正規分布関数
σ:出現テーパ角度の分散
θ:テーパ角度
μ:全ての出現テーパ角度の加重平均値
n:出現テーパ角度の標本数
Nα、Nβ、Nγ、Nδ、Nε、Nη、Nλ、Nν:各出現テーパ角度の出現頻度
代表数設定手段233は、代表テーパ角度の代表数を所要に設定する機能を有している。より詳しくは、代表数設定手段233は、入力部21からの所要の操作に基づいて、代表テーパ角度の測定時間の短縮を優先するか出現テーパ角度の補正精度の向上を優先するかを選択して代表数Mを設定する。なお、本実施形態にあっては代表数Mは奇数で設定される。
代表テーパ角度設定手段234は、複数の出現テーパ角度を代表して表し該出現テーパ角度の補正に用いられる代表テーパ角度を設定する機能を有している。
すなわち、代表テーパ角度設定手段234は、正規分布関数生成手段232により生成された正規分布関数を用いて代表数設定手段233により設定された代表数に応じて出現テーパ角度の最小値αおよび最大値ηと数5の平均値μと該平均値付近の値を含むように代表テーパ角度を設定する機能を有している。
つまり、上記の例示においては、代表テーパ角度設定手段234は、出現テーパ角度の最小値αを第1の代表テーパ角度θ1として設定するとともに、出現テーパ角度の最大値ηを最後の代表テーパ角度θMとして設定する。
そして、図11および数7の如く、積分範囲を出現テーパ角度の最小値αから最大値ηとして正規分布関数f(θ)を積分し、かつ、該積分して得られた値を代表数Mから1を差し引いた数で除算し所定の値を得る。
次いで、数8に示すように、積分範囲を第1の代表テーパ角度θ1つまり出現テーパ角度の最小値αから未知数θ2とした正規分布関数の積分式と数7の式値とを等式で結び該等式の解θ2を二分法等により得て該θ2を第2の代表テーパ角度として設定する。
続いて、数9に示すように、積分範囲を第2の代表テーパ角度θ2(最新に設定した代表テーパ角度θ2)から未知数θ3とした正規分布関数の積分式と数7の式値とを等式で結び該等式の解θ3を同じく二分法等により得て該θ3を第3の代表テーパ角度として設定する。
以下、順次積分範囲を最新に設定した代表テーパ角度から所定の未知数とした正規分布関数の積分式と数7の式値とを等式で結び該等式の解を更に代表テーパ角度として設定し、このような手順を数10の如く最後の代表テーパ角度θMの一つ前の代表テーパ角度θM−1が得られるまでつまり代表テーパ角度の設定数が代表数Mとなるまで行い、全ての代表テーパ角度θ1(α),θ2,…,θn(μ),…,θM−1,θM(η)を設定する。
数7の如く積分範囲を出現テーパ角度の最小値αから最大値βとした正規分布関数f(θ)の積分値を奇数で設定された代表数Mから1を差し引いた数で除算することにより前記正規分布関数f(θ)の積分値が偶数等分され、更に該偶数等分された積分値を用いて数8乃至数10を用いて代表テーパ角度を設定することにより、代表テーパ角度に数5の平均値μを確実に含めることができる。
また、正規分布は平均値を線対称軸とした釣鐘状となるので、代表テーパ角度設定手段234を上記の如く構成することで代表テーパ角度に平均値μの付近の値も確実に含めることができる(なお、代表数が1の場合は数5の平均値μを代表テーパ角度として設定し、代表数が3の場合は数7の演算のみで代表テーパ角度をθ1(α),θ2(平均値μ),θ3(η)の如く設定する)。
Figure 2010221375
Figure 2010221375
Figure 2010221375
Figure 2010221375
テーパ角度補正手段235は、代表テーパ角度設定手段234により設定された代表テーパ角度を用いてテーパ加工における所定の補正量を設定する機能を有している。すなわち、テーパ角度補正手段235は、放電加工を行う前に上下ワイヤガイド9,10の位置を所要に制御してワイヤ電極Eのテーパ角度を代表テーパ角度に設定するとともに、代表テーパ角度に設定されたワイヤ電極Eの実際のテーパ角度を所定の冶具により測定する。そして、テーパ角度補正手段235は、代表テーパ角度の測定値を用いて出現テーパ角度と実際のテーパ角度とを一致させるべく補正量を設定する。
表示部24は、例えば、CRTディスプレーや液晶ディスプレー等で構成されており、入力部21を介して行われる各種操作のための画面を表示する機能を有している。また、表示部24は、処理部23における各種処理結果の画面を表示する機能も有している。
すなわち、図12に表示部24における各種操作用の画面241を例示するように、画面241の右端部または下端部には、出現テーパ角度の特定、代表テーパ角度の設定、代表数の設定、および記憶部22に記憶されているNCプログラムの読み出し等の処理部23における所定の動作を行うための各種キー242が設けられている。
ここで、キー242を入力部21を介して所要に操作することにより画面241の中央には代表数の設定画面243が表示される。この設定画面243はボリュームレンジ243aとカーソル243bを含んでおり、入力部21を介してカーソル243bをボリュームレンジ243a上の所定の位置に合わせることにより、代表数を簡易に設定することができる。
代表テーパ角度の測定時間の短縮を優先させる場合にはカーソル243bをボリュームレンジ243aの左側の領域に移動させることにより代表数は相対的に少なく設定される。本実施形態にあっては、カーソル243bをボリュームレンジ243aの左端に位置させることで代表数は最小の1に設定される。
一方、出現テーパ角度の補正精度の向上を優先させる場合にはカーソル243bをボリュームレンジ243aの右側の領域に移動させることにより代表数は相対的に多く設定される(カーソル243bをボリュームレンジ243aの右端に位置させることにより代表数は最大に設定される)。
更に図13に表示部24における別の画面244を例示するように、画面244には代表テーパ角度設定手段234により設定された代表テーパ角度が表示される。このように表示された代表テーパ角度は、オペレータが入力部21を介して所要に操作することにより画面244上で容易に書き換えたり追加したりすることができる。
次に上記図4の例示におけるテーパ補正システム20によるテーパ補正方法について図14のフローチャートに基づいて説明する。
すなわち、ステップS10において、オペレータがまず入力部21を介して画面241のキー242を所要に操作しワークWの厚みtを入力する。また、オペレータが入力部21を介して画面241のキー242を所要に操作し該操作に基づいて処理部23が記憶部22からのNCプログラムの読み出し等を行う。
次いで、ステップS20において、出現テーパ角度特定手段231がステップS10で読み出されたNCプログラムから出現テーパ角度α乃至δを抽出して特定するとともに、各出現テーパ角度α乃至δの出現頻度Nα、Nβ、Nγ、Nδを計数する(図8)。そして更に、出現テーパ角度特定手段231が抽出した出現テーパ角度α乃至δとステップS10で入力されたワークWの厚さtに基づいて数1乃至数3によりコーナー部I−I´乃至L−L´の出現テーパ角度ε乃至νを演算して特定するとともに、各出現テーパ角度ε乃至νの出現頻度Nε、Nη、Nλ、Nνを計数する(図8)。なお、本実施形態にあっては出現頻度Nα、Nβ、Nγ、Nδは2となり、出現頻度Nε、Nη、Nλ、Nνは1となる。
続いて、ステップS30において、正規分布関数生成手段232がステップS20で特定された出現テーパ角度α乃至νおよび計数された出現頻度Nα乃至Nνに基づいて出現テーパ角度α乃至νの平均値および分散を演算するとともに、該平均値および分散を用いてテーパ角度を変数とする正規分布関数を数4乃至数6の如く生成する。
そして、ステップS40において、オペレータが入力部21を介して設定画面243のカーソル243bをボリュームレンジ243a上の所定位置に移動させる操作を行うとともに、代表数設定手段233がカーソル243bのボリュームレンジ243aの位置に応じて代表数Mを奇数で設定する。
より詳しくは、カーソル243bをボリュームレンジ243aの左側の領域に移動させたときは、代表テーパ角度設定手段233は、代表テーパ角度の測定時間を短縮することを優先して代表数を相対的に少なく設定し、カーソル243bをボリュームレンジ243aの右側の領域に移動させたときは、代表テーパ角度設定手段233は、出現テーパ角度の補正精度の向上を優先して代表数を相対的に多く設定する等、代表数を状況に応じて柔軟に設定する。
次いで、ステップS50において、ステップS30で生成された正規分布関数、ステップS40で設定された代表数、更には数7乃至数10に基づいて、代表テーパ角度設定手段234が代表テーパ角度を設定する。
より詳しくは、代表テーパ角度設定手段234は、出現テーパ角度の最小値αおよび最大値ηを代表テーパ角度として設定する。そして、数7の如く、積分範囲を出現テーパ角度の最小値αから最大値ηとして正規分布関数f(θ)を積分し、かつ、該積分して得られた値を代表数Mから1を差し引いた数で除算する。次いで、数8の如く、積分範囲を出現テーパ角度の最小値αから所定の未知数θ2とした正規分布関数f(θ)の積分式と数7の式値とを等式で結び該等式の解θ2を更に代表テーパ角度として設定する。以下、数9および数10の如く、積分範囲を最新に設定した代表テーパ角度から所定の未知数とした正規分布関数f(θ)の積分式と数7の式値とを等式で結び該等式の解を更に代表テーパ角度として設定する手順を代表テーパ角度の設定数が代表数Mとなるまで繰り返し、代表テーパ角度をθ1(α),θ2,…,θn(μ),…,θM−1,θM(η)の如く設定する。この設定に際しては、図13に示すように、代表テーパ角度が画面244において表示される。なお、代表テーパ角度設定手段234は代表数が1の場合は数5の平均値μを代表テーパ角度として設定し、代表数が3の場合は数7の演算のみで代表テーパ角度をθ1(α),θ2(平均値μ),θ3(η)の如く設定する。
そして、ステップS60において、テーパ角度補正手段235が代表テーパ角度設定手段234により設定された代表テーパ角度を用いてテーパ加工における所定の補正量を設定する。すなわち、テーパ角度補正手段235は、放電加工を行う前にワイヤ電極Eのテーパ角度を代表テーパ角度に設定するとともに、代表テーパ角度に設定されたワイヤ電極Eの実際のテーパ角度を測定する。そして、テーパ角度補正手段235は、代表テーパ角度の測定値を用いて出現テーパ角度と実際のテーパ角度とを一致させるべく補正量を設定する。
以上説明したように本発明によれば、上記の如くテーパ補正システムに出現テーパ角度特定手段、正規分布関数生成手段、代表数設定手段、代表テーパ角度設定手段、およびテーパ角度補正手段を備えることとしたので、NCプログラムからの出現テーパ角度の特定や代表テーパ角度の設定を煩雑な作業を介することなく行うことができる等、効率よくテーパ角度の補正を行うことができる。
また、正規分布関数を用いて代表数に応じて代表テーパ角度が設定されるので、該代表テーパ角度の設定がオペレータの主観を廃し客観的に行われ精度よくテーパ角度の補正を行うこともできる。
しかも、出現テーパ角度の最小値および最大値と出現テーパ角度の平均値と該平均値付近の値が代表テーパ角度として確実に設定され、代表精度を向上させることができる等、テーパ角度の補正を更に精度よく行うことができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の応用実施または変形実施が可能であることは勿論である。
すなわち、上述した実施形態にあっては、第2の代表テーパ角度の設定は数8の如く積分範囲を出現テーパ角度の最小値から所定の未知数としているが、該積分範囲を出現テーパ角度の最大値から所定の未知数とすることとしてもよい。
つまり、積分範囲を出現テーパ角度の最大値から所定の未知数として正規分布関数の積分式と数7の式値とを等式で結び該等式を解いて第2の代表テーパ角度を設定し、以下順次積分範囲を最新に設定した代表テーパ角度から所定の未知数としつつ所定の等式を解いて更に代表テーパ角度を設定することとしても上述した実施形態と同様に代表テーパ角度を所要に設定することができるのは勿論である。
本発明は、ワイヤカット放電加工装置に利用できる。具体的にはテーパ加工において出現するテーパ角度の誤差を補正する場合に役立つ。
E:ワイヤ電極
W:ワーク
1:ワイヤカット放電加工装置
2:ベース
3:コラム
4:加工ヘッド
5:加工槽
6:ワークテーブル
7:上ガイドアッセンブリ
8:下ガイドアッセンブリ
9:ワイヤガイド(上側)
9a:メインガイド部(上側)
9b:サブガイド部(下側)
10:ワイヤガイド(下側)
10a:メインガイド部(下側)
10b:サブガイド部(下側)
20:テーパ補正システム(NC制御装置)
21:入力部
22:記憶部
23:処理部
24:表示部
231:出現テーパ角度特定手段
232:正規分布関数生成手段
233:代表数設定手段
234:代表テーパ角度設定手段
235:テーパ角度補正手段
241:画面
242:キー
243:設定画面
243a:ボリュームレンジ
243b:カーソル
244:画面

Claims (9)

  1. テーパ加工において出現する出現テーパ角度を所要に補正するワイヤカット放電加工装置におけるテーパ補正システムであって、
    NCプログラムから前記出現テーパ角度を複数特定する手段と、
    前記複数の出現テーパ角度を代表して表し該出現テーパ角度の補正に用いられる代表テーパ角度の代表数を設定する手段と、
    前記代表テーパ角度を前記複数の出現テーパ角度から前記代表数に応じて設定する手段と、
    を備えることを特徴とするワイヤカット放電加工装置におけるテーパ補正システム。
  2. テーパ加工において出現する出現テーパ角度を所要に補正するワイヤカット放電加工装置におけるテーパ補正システムであって、
    NCプログラムから前記出現テーパ角度を複数特定する手段と、
    テーパ角度を変数とする関数を生成する手段と、
    前記複数の出現テーパ角度を代表して表し該出現テーパ角度の補正に用いられる代表テーパ角度の代表数を設定する手段と、
    前記代表テーパ角度を前記関数を用いて前記代表数に応じて設定する手段と、
    を備えることを特徴とするワイヤカット放電加工装置におけるテーパ補正システム。
  3. テーパ加工において出現する出現テーパ角度を所要に補正するワイヤカット放電加工装置におけるテーパ補正システムであって、
    NCプログラムから前記出現テーパ角度を複数特定する手段と、
    テーパ角度を変数とする関数を生成する手段と、
    前記複数の出現テーパ角度を代表して表し該出現テーパ角度の補正に用いられる代表テーパ角度の代表数を設定する手段と、
    積分範囲を前記出現テーパ角度の最小値から最大値として前記関数を積分し、かつ、該積分して得られた値を前記代表数に基づいて除算し、次いで、積分範囲を所定に設定した前記関数の積分式と前記除算して得られた値を等式で結び該等式の解を前記代表テーパ角度として設定する手段と、
    を備えることを特徴とするワイヤカット放電加工装置におけるテーパ補正システム。
  4. 前記関数は正規分布関数とすることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のワイヤカット放電加工装置におけるテーパ補正システム。
  5. テーパ加工において出現する出現テーパ角度を所要に補正するワイヤカット放電加工装置におけるテーパ補正システムであって、
    NCプログラムから前記出現テーパ角度を複数特定する手段と、
    前記出現テーパ角度の平均値を演算するとともに、該平均値を用いてテーパ角度を変数とする正規分布関数を生成する手段と、
    前記複数の出現テーパ角度を代表して表し該出現テーパ角度の補正に用いられる代表テーパ角度の代表数を設定する手段と、
    前記正規分布関数を用いて前記出現テーパ角度の平均値と該平均値付近の値を含むように前記代表数に応じて代表テーパ角度を設定する手段と、
    を備えることを特徴とするワイヤカット放電加工装置におけるテーパ補正システム。
  6. ワークのテーパ加工において出現する出現テーパ角度を所要に補正するワイヤカット放電加工装置におけるテーパ補正システムであって、
    NCプログラムから前記出現テーパ角度を複数特定する手段と、
    前記出現テーパ角度の平均値を演算するとともに、該平均値を用いてテーパ角度を変数とする正規分布関数を生成する手段と、
    前記複数の出現テーパ角度を代表して表し該出現テーパ角度の補正に用いられる代表テーパ角度の代表数を奇数で設定する手段と、
    前記出現テーパ角度の最小値および最大値を前記代表テーパ角度として設定するとともに、
    積分範囲を前記出現テーパ角度の最小値から最大値として前記正規分布関数を積分し、かつ、該積分して得られた値を前記代表数から1を差し引いた数で除算し、
    次いで、積分範囲を前記出現テーパ角度の最小値および最大値のいずれか一方から所定の未知数とした前記正規分布関数の積分式と前記除算して得られた値とを等式で結び該等式の解を更に前記代表テーパ角度として設定し、
    以下、積分範囲を最新に設定した代表テーパ角度から所定の未知数とした前記正規分布関数の積分式と前記除算して得られた値とを等式で結び該等式の解を更に前記代表テーパ角度として設定する手順を前記代表テーパ角度の設定数が前記代表数となるまで繰り返す手段と、
    を備えることを特徴とするワイヤカット放電加工装置におけるテーパ補正システム。
  7. 前記代表数を設定する手段は、前記代表テーパ角度の測定時間の短縮を優先するか前記出現テーパ角度の補正精度の向上を優先するかを選択して設定する構成とすることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のワイヤカット放電加工装置におけるテーパ補正システム。
  8. テーパ加工において出現する出現テーパ角度を所要に補正するワイヤカット放電加工装置におけるテーパ補正方法であって、
    NCプログラムから前記出現テーパ角度を複数特定するステップと、
    テーパ角度を変数とする関数を生成するステップと、
    前記複数の出現テーパ角度を代表して表し該出現テーパ角度の補正に用いられる代表テーパ角度の代表数を設定するステップと、
    前記代表テーパ角度を前記関数を用いて前記代表数に応じて設定するステップと、
    を含むことを特徴とするワイヤカット放電加工装置におけるテーパ補正方法。
  9. ワークのテーパ加工において出現する出現テーパ角度を所要に補正するワイヤカット放電加工装置におけるテーパ補正方法であって、
    NCプログラムから前記出現テーパ角度を複数特定するステップと、
    前記出現テーパ角度の平均値を演算するとともに、該平均値を用いてテーパ角度を変数とする正規分布関数を生成するステップと、
    前記複数の出現テーパ角度を代表して表し該出現テーパ角度の補正に用いられる代表テーパ角度の代表数を奇数で設定するステップと、
    前記出現テーパ角度の最小値および最大値を前記代表テーパ角度として設定するとともに、
    積分範囲を前記出現テーパ角度の最小値から最大値として前記正規分布関数を積分し、かつ、該積分して得られた値を前記代表数から1を差し引いた数で除算し、
    次いで、積分範囲を前記出現テーパ角度の最小値および最大値のいずれか一方から所定の未知数とした前記正規分布関数の積分式と前記除算して得られた値とを等式で結び該等式の解を更に前記代表テーパ角度として設定し、
    以下、積分範囲を最新に設定した代表テーパ角度から所定の未知数とした前記正規分布関数の積分式と前記除算して得られた値とを等式で結び該等式の解を更に前記代表テーパ角度として設定する手順を前記代表テーパ角度の設定数が前記代表数となるまで繰り返すステップと、
    を含むことを特徴とするワイヤカット放電加工装置におけるテーパ補正方法。
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