JP2004192152A - 数値制御装置 - Google Patents

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Masami Takei
正巳 武井
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Abstract

【課題】ワークの芯出しを行う際に、作業者によるワークの測定作業、調整作業、手計算などを削減すること、いかなるワーク形状であっても正確なワークの芯出しができること等が可能な数値制御装置を提供する。
【解決手段】数値制御手段の演算部は、ワークに形成された第1、第2の芯出し用基準穴の位置を主軸のタッチプローブを用いて計測し(S102)、ワーク軸心と工作機械の座標軸との実際の傾き角度と、工作機械の座標系原点からの実際のワーク加工基準位置とを求める(S103)。さらに、これら実際の傾き角度と実際のワーク加工基準位置とに基づいて、主軸の位置決め指令をする(S105)と共に、ワークの軸心座標系と工作機械の加工プログラム座標系とを一致するように、位置決めした実際のワーク加工基準位置を中心に加工プログラム座標系を回転する(S106)。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、数値制御装置に関するものであり、さらに詳しくは、ワークの芯出しを行う数値制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ワークの芯出しは、図12(a),(b)に示されるように、まず、工作機械のテーブル1にワーク2を段取る際の基準となる芯出し用基準穴3や端面の位置(座標)を、工作機械の主軸4の先端のスモールテスター(例えば、マイクロメータ)5を用いて計測し、この計測値に基づいて工作機械の座標系、すなわち、機械座標系におけるワーク軸心座標が求められる。そして、図13に示されるように、求められたワーク2の軸心座標軸x,yと機械座標軸X,Yとが同一方向となるように、ハンマーや位置調整治具6(図12(a)に図示)などを用いた手作業によってワーク位置が調整される。そして、軸心の傾きが修正されたワーク2における芯出し用基準穴3や端面の座標をスモールテスター5で再度計測し、その計測値から手計算によってワーク2の加工基準位置を求めることにより、ワーク2の芯出しが行われていた。
【0003】
しかしながら、このようなワークの芯出し方法によると、ワーク2の軸心の傾きが修正されるまで、芯出し用基準穴3や端面の計測、及びワーク2の位置調整等を何回も繰り返す必要があり、そのため、作業時間が長大化してしまうという問題があった。さらに、このワーク2の軸心の傾きの修正は、熟練が必要とされる作業であり、しかも、手計算によるワーク2の加工基準位置の算出と相まって、作業者の技量によっては加工精度にばらつきが生じてしまうという問題もある。
【0004】
そこで、このような問題点を解決するために、数値制御装置を用いてワーク2の芯出しを行うことにより、作業者による手計算や手作業を削減し、加工精度の向上を図るようにしているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平05−150823号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した数値制御装置を用いたワークの芯出しによると、工作機械主軸4の先端のタッチプローブをワーク2の側面の複数箇所に当接させて当接点を計測し、これらの計測位置から計測制御によって決められた所定の演算式によって、芯出し位置を機械座標系上の値で求めると共に機械座標系に対するワーク2の傾きを求め、これら機械座標系上の芯出し位置の座標位置及びワーク2の傾きから表示座標系上での芯出し位置の値を求めるように構成されている。
【0007】
したがって、この従来の数値制御装置は、単純な矩形状のワーク2の2側面の計測値に基づいて機械座標系上のワーク2の芯出し位置と傾きとが求められるように構成されているため、複雑な側面形状を有するワーク2の芯出し位置及び傾きを正確に求めることはできないという問題がある。また、そのような複雑なワーク形状を有するワーク2の正確な芯出し位置及び傾きを求めるには、その複雑なワーク形状に適応された芯出し位置及び傾きを求める新たな演算式が必要とされるという問題もある。
【0008】
そこで、本発明は、上述したような従来の数値制御装置の問題点を解決するためになされたものである。すなわち、本発明は、ワークの芯出しを行う際に、作業者によるワークの測定作業、調整作業、手計算などを削減すること、いかなるワーク形状であっても正確なワークの芯出しができること等が可能な数値制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、上記目的を達成するために、計測手段を保持する工作機械の主軸と、前記主軸を数値制御して前記計測手段を用いてワークの芯出し用基準穴の位置を求めると共に、前記ワークの芯出し用基準穴の位置に基づいて、前記ワークの芯出し及び加工を行う制御手段とを有する数値制御装置において、
前記制御手段は、前記ワークに形成された円形の第1及び第2の芯出し用基準穴の位置を前記計測手段を用いて計測し、それらの計測結果に基づいて、前記ワークの軸心と前記工作機械の座標軸との実際の傾き角度、或いは前記工作機械の座標系原点からの実際のワーク加工基準の少なくとも何れか1つを求めることを特徴とする。
【0010】
第2の発明は、前記第1の発明の構成に加えて、前記制御手段は、前記ワークの軸心と前記工作機械の座標軸との実際の傾き角度と、前記工作機械の座標原点からの実際のワーク加工基準とに基づいて、前記工作機械の主軸における実際のワーク加工基準への位置決め指令がなされると共に、前記制御手段に記憶格納されている加工プログラム座標系を実際のワーク軸心座標系に置き換えることを特徴とする。
【0011】
第3の発明は、前記第1、又は第2の発明の構成に加えて、前記制御手段は、前記ワークに形成された第1、第2の芯出し用基準穴の中心が、前記ワークの軸心からの数値情報として予め記憶格納されていることを特徴とする。
【0012】
これら第1〜3の発明による数値制御装置は、第1、第2の芯出し用基準穴の中心の計測値から、ワークの軸心と工作機械の座標軸との実際の傾き角度、つまり工作機械に段取りされた実際のワークの傾き角度と、工作機械の座標系原点からの実際のワーク加工基準とが求められる。そして、これら演算結果に基づいて、工作機械の主軸における実際のワーク加工基準への位置決め指令がなされると共に、ワークの軸心座標系と工作機械の加工プログラム座標系とが一致されるように、位置決めした実際のワーク加工基準を中心に加工プログラム座標系の回転指令が行われ、予め記憶格納されている加工プログラム座標系が実際のワーク軸心座標系に置き換えられる。
【0013】
このように、第1〜3の発明によれば、数値制御装置に記憶格納されている加工プログラム座標系が、実際のワーク軸心座標系に置き換えられることによってワークの芯出しが行われ、ワークの軸心座標系に置き換えられた加工プログラムによってワークに加工が施される。そのため、数値制御装置によって自動的、しかも容易にワークの芯出しがなされることとなり、作業者によるワークの測定作業、調整作業、手計算などを削減することができ、作業時間を大幅に短縮化することができる。また、複雑なワーク形状であっても、ワークの軸心からの位置、つまり座標が既定値として設定された第1、第2の芯出し用基準穴を設けることは容易であることから、複雑な形状を有するワークの芯出しにも適用することができる。しかも、このワークの芯出しは、再現性を得ることができるので、ワークの加工形状、寸法が常に正確で揃い、且つ高精度の仕上げが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の最も好適と思われる実施形態について図面を参照しながら詳細に説明を行う。図1は、本発明が適用された数値制御装置を説明するためのブロック図、図2(a)は、工作機械のテーブルに固定されたワークを示した斜視図、(b)は、要部の拡大図である。
【0015】
図1,2(a)に示されるように、数値制御装置10は、工作機械の主軸11、テーブル12等の制御対象可動部の位置をそれぞれに対応する数値情報によって制御し、テーブル12上のワーク20の予め設定された測定箇所を計測部によって計測して自動的に芯出しを行い、加工を施すように構成されている。
【0016】
この数値制御装置10には、図1に示されるように、工作機械の主軸11先端に取り付けられた計測部としてのタッチプローブ13と、このタッチプローブ13によって計測されたワーク20の測定箇所(座標)の計測結果を記憶させると共に、これらの計測結果に基づいて、ワーク20の軸心Wと工作機械の座標軸との実際の傾き角度、つまりテーブル12上に段取りされた実際のワーク20の傾き角度(θJwk)、工作機械の座標系原点(例えば、テーブル中心T)からの実際のワーク加工基準S等を求めると共に、これら演算結果に基づいて、制御対象可動部の実際のワーク加工基準Sへの位置決め指令、及び、ワーク20の軸心座標系と工作機械の加工プログラム座標系とを一致させるため、位置決めした実際のワーク加工基準Sを中心に加工プログラム座標系の回転指令を行う演算部14と、この演算部14によって求められた演算結果や計測結果等を記憶格納する記憶部15とを有している。
【0017】
そして、これら演算部14と記憶部15とによって数値制御装置10の制御部が構成されると共に、記憶部15には、ワーク20の軸心座標系におけるワーク20の軸心W、ワーク加工基準S、後述するワーク20の第1、第2の芯出し用基準穴21,22の中心s1,s2等の相互間の位置関係が数値情報(座標)として予め記憶格納されていると共に、ワーク20の加工データが加工プログラム座標系として予め記憶格納されている。
なお、演算部14によって算出される数値制御データとしての、実際のワーク20の傾き角度(θJwk)、及び実際のワーク加工基準S等の算出過程については後述する。
【0018】
この数値制御装置10によって芯出しが行われるワーク20は、図2(a)に示されるように、具体的な一例を挙げると自動車用プレス金型とされ、図示しない位置調整治具によってテーブル12上に固定されている。このワーク20は、その長手方向に沿った両側面部が凹凸状に形成されていると共に、ワーク20の加工面側(上面側)における左右両端部には、それぞれ所定径の略真円の第1、第2の芯出し用基準穴21,22が形成されている。
【0019】
これら第1、第2の芯出し用基準穴21,22は、図2(b)に示されるように、タッチプローブ13によって夫々の基準穴内周面を数点測定することで中心s1,s2が計測されるものであって、図2(a)に示されるように、ワーク20の4隅とは異なる位置に形成されるか、或いは、図4に示されるように、ワーク20の4隅のうちの何れか2隅に形成される。また、これら第1、第2の芯出し用基準穴21,22は、ワーク20の側端面に形成されるようにしてもよい。なお、以下では、図4の記載に基づいてワーク20の芯出しの説明を行っている。
【0020】
さらに、これら第1、第2の芯出し用基準穴21,22の中心s1,s2は、ワーク20の軸心座標系におけるワーク軸心Wからの離間位置(座標)が既定値として予め設定されているものであり、第1、第2の芯出し用基準穴21,22の位置相互間の距離、或いは側端面間の距離といった相対的な距離も既定値として予め設定されている。そのため、第1、第2の芯出し用基準穴21,22の中心s1,s2は、数値情報、つまり座標として予め数値制御装置10の記憶部15に記憶格納され、実際のワーク加工基準S、すなわち、後述する実際のワーク加工基準位置(VJkijunX,VJkijunY)を算出する際に供される。
【0021】
次に、数値制御装置10によって行われるワーク20の芯出しについて図3のフローチャートに沿って説明する。図3は、同例におけるワークの芯出しを説明するためのフローチャートである。
【0022】
まず、ステップ100では、自動芯出しに必要な位置関係の設定がなされ、次のステップ101に移行すると、第1の芯出し用基準穴21の中心s1が計測され、この中心s1の計測値が記憶格納されるとステップ102に移行する。
さらに、ステップ102では、第2の芯出し用基準穴22の中心s2が計測され、この中心s2の計測値が記憶格納されると、ステップ103に移行する。
【0023】
そして、ステップ103では、ステップ101及び102で計測された計測結果に基づいて、数値制御装置10の演算部14が予め設定されている演算処理を施すことにより、ワーク20の軸心Wと工作機械の座標軸との実際の傾き角度(θJwk)、及び工作機械のテーブル中心Tからの実際のワーク加工基準位置(VJkijunX,VJkijunY)等が求められる。
【0024】
そして、次のステップ104に移行すると、演算部14によって算出された実際のワーク20の傾き角度(θJwk)、及び実際のワーク加工基準位置(VJkijunX,VJkijunY)等は数値制御装置10の記憶部15に記憶格納される。
【0025】
次のステップ105では、数値制御装置10の記憶部15に記憶格納された実際のワーク加工基準位置(VJkijunX,VJkijunY)が読み出され、主軸11等の制御対象可動部のワーク加工基準位置(VJkijunX,VJkijunY)への位置決めがなされる。実際のワーク加工基準位置(VJkijunX,VJkijunY)への位置決めがなされたならば、次のステップ106に移行して、数値制御装置10の記憶部15に記憶格納されたワーク20の傾き角度(θJwk)が読み出されると共に、このワーク20の傾き角度(θJwk)に基づいて、実際のワーク加工基準位置(VJkijunX,VJkijunY)を中心として、計測によって得られたワーク軸心座標系と、予め記憶されている加工プログラム座標系とを一致させるように、加工プログラム座標系を所定量だけ回転させる回転指令が行われる。
【0026】
すなわち、実際のワーク20の傾き角度(θJwk)を記憶部15に記憶されているワーク20の加工データの先頭に印可させることによって、加工プログラム座標系をワーク軸心座標系に置き換えることにより、ワーク20の芯出しが行われ、ワーク軸心座標系に置き換えられた加工データによってワーク20に加工が施される。これによれば、手作業によるワーク20の芯出しを行うことなく、実質的なワーク20の芯出しが自動的に行われる。
【0027】
次に、上述した図3のフローチャートにしたがって、テーブル21上に段取りされたワーク20の実際の芯出しの過程について図4〜11を用いて説明する。図4は、同例におけるワークの芯出しの過程を説明するための平面図、図5は、同例におけるワークの芯出しの過程を説明するための平面図、図6(a),(b)は、同例におけるワークの芯出しの過程を説明するための説明図、図7は、同例におけるワークの芯出しの過程を説明するための平面図、図8は、同例におけるワークの芯出しを説明するための説明図、図9は、同例におけるワークの芯出しの過程を説明するための説明図、図10は、同例におけるワークの芯出しの過程を説明するための説明図、図11は、同例におけるワークの芯出しの過程を説明するための説明図である。
【0028】
まず、数値制御装置10において自動芯出しに必要な位置関係が以下のようにして設定される。
これは、図4に示されるように、記憶部15に予め記憶されているワーク軸心W、ワーク加工基準S、及び、第1、第2の芯出し用基準穴21,22の中心s1,s2をテーブル中心位置Tからの座標として示すものであって、ワーク20の芯出しに必要な座標は、テーブル中心Tからのワーク軸心位置(ax,ay)、ワーク軸心位置(ax,ay)からのワーク加工基準位置(bx,by)、ワーク軸心位置(ax,ay)からの第1の芯出し用基準穴の中心位置(cx,cy)、ワーク軸心位置(ax,ay)からの第2の芯出し用基準穴の中心位置(dx,dy)の4座標として設定される。
【0029】
次に、ワーク軸心座標軸x,yと工作機械における機械座標軸X,Yとの向きが一致している状態(以下、正規状態という)でのワーク加工基準位置(bx,by)、第1の基準穴の中心位置(cx,cy)、第2の基準穴の中心位置(dx,dy)の3座標をテーブル中心Tを基準とした座標に置き換える。
すなわち、図5に示されるように、テーブル中心Tを基準としたワーク加工基準位置(BX,BY)、テーブル中心Tを基準とした第1の基準穴21の中心位置(CX,CY)、テーブル中心Tを基準とした第2の基準穴22の中心位置(DX,DY)とする。
ただし、BX=bx+ax,BY=by+ay
CX=cx+ax,CY=cy+ay
DX=dx+ax,DY=dy+ay
【0030】
次に、図6(a),(b)に示されるように、このような正規状態における第1の基準穴21の中心位置(CX,CY)と第2の基準穴22の中心位置(DX,DY)とを結んだ線分の中間点(EX,EY)、及びその線分の傾き角度(θS)が求められる。なお、線分の傾きが無い場合は、線分の傾き角度(θS)=0とする。ただし、
【数1】
Figure 2004192152
【0031】
さらに、この線分の中間点(EX,EY)からワーク加工基準位置(BX,BY)までの平面的なベクトル(VStep)が求められる。このベクトル(VStep)は、正規状態での第1、第2の基準穴21,22とワーク加工基準位置(BX,BY)との位置関係が示されている。
このようにして、数値制御装置10において自動芯出しに必要な位置関係が設定される。
【0032】
次に、工作機械のテーブル21上のワーク20の第1、第2の芯出し用基準穴21,22の中心s1,s2における実際の測定が開始される。
すなわち、数値制御装置10が数値制御する主軸11のタッチプローブ13によって、テーブル12上のワーク20における実際の第1の芯出し用基準穴21の中心s1、及び第2の芯出し用基準穴22の中心s2がそれぞれ計測される。そして、図8に示されるように、それぞれの計測値は、テーブル中心Tからの座標に置き換えられて、第1の芯出し用基準穴21の中心位置(JCX,JCY)、第2の芯出し用基準穴22の中心位置(JDX,JDY)に置き換えられる。
【0033】
そして、図9に示されるように、第1の芯出し用基準穴21の中心位置(JCX,JCY)と第2の芯出し用基準穴22の中心位置(JDX,JDY)とを結んだ線分の中間点(JEX,JEY)と、線分の傾き(θJ)とが求められる。ここで求められた実際の線分の傾き角度(θJ)から正規状態の傾き角度(θS)を減算した傾き角度(θJwk)が、工作機械のテーブル12に段取りされた実際のワーク20の傾き角度(θJwk)とされる。そして、実際の第1の芯出し用基準穴21の中心位置(JCX,JCY)と、実際の第2の芯出し用基準穴22の中心位置(JDX,JDY)とは、工作機械のテーブル中心Tから求められるので、ここで求めた線分の中間点(JEX,JEY)は、工作機械のテーブル中心Tからのベクトル(VJcp)で表される。
【0034】
そして、図9に示されるように、中間点(EX,EY)から加工基準位置(BX,BY)へのベクトル(VStep)にテーブル12に段取りされたワーク20の傾き角度(θJwk)を考慮して、実際の計測により得られた第1の芯出し用基準穴(JCX,JCY)と第2の芯出し用基準穴(JDX,JDY)とを結ぶ線分の中間点(JEX,JEY)から実際のワーク加工基準Sまでの位置関係を示すベクトル(VJstp)が求められる。これにより、実際の第1、第2の芯出し用基準穴21,22と実際の加工基準Sとの位置関係が示されることになる。
【0035】
さらに、図10に示されるように、テーブル中心Tから実際の計測により得られた中間点(JEX,JEY)までのベクトル(VJcp)と、この中間点(JEX,JEY)から実際のワーク加工基準Sまでの位置関係を示すベクトル(VJstp)とを加算して、テーブル中心Tから実際の加工基準Sまでの位置関係、すなわち、ベクトル(VJkijun)、及び、加工基準位置(VJkijunX,VJkijunY)が求められる。
ただし、VJkijun=VJcp+VJstp
X方向成分(X成分):VJkijunX
Y方向成分(Y成分):VJkijunY
【0036】
このようにして求められたワーク20の実際の傾き角度(θJwk)と、テーブル中心Tから実際の加工基準Sまでの位置、すなわち実際の加工基準位置(VJkijunX,VJkijunY)とが数値制御装置10の記憶部15に記憶格納される。
【0037】
そして、この記憶部15からテーブル中心Tから実際の加工基準位置(VJkijunX,VJkijunY)が呼び出されると共に、この(VJkijunX,VJkijunY)にしたがって、工作機械の主軸11の先端に取り付けられた工具(図示略)の位置決めがなされる。
【0038】
次に、記憶部15に記憶格納されているワーク20の実際の傾き角度(θJwk)を呼び出すと共に、記憶部15に予め記憶格納されている加工データの先頭に印可させることによって、図11に示されたように、ワーク20の軸心座標軸x,yと工作機械の加工プログラム座標軸x’,y’とがそれぞれ一致するように、加工プログラム座標系が所定量だけ回転される。すなわち、加工プログラム座標系における加工データが全てワーク軸心座標系に置き換えられることによって、自動的にワーク20の芯出しがなされる。そして、芯出しが行われたワーク20への加工は、ワーク軸心座標系に置き換えられた加工データに従って行われるので、手作業によるワーク20の位置決め調整、及び芯出しを行う必要はない。
【0039】
以上説明したように、本発明の数値制御装置によれば、ワーク20の所定位置に形成された2つの芯出し用基準穴21,22の中心s1,s2(座標)を計測し、これらの計測結果に基づいて、ワーク20の軸心Wと工作機械系との実際の傾き角度(θJwk)と、テーブル中心Tから実際の加工基準位置(VJkijunX,VJkijunY)とが所定の演算式によって算出される。そして、これらの算出値に基づいて、ワーク20に加工を施すための数値制御可動部が、実際のワーク加工基準位置(VJkijunX,VJkijunY)に位置決めされると共に、求められたワーク20の実際の線分の傾き角度(θJwk)に基づいて、ワーク20の軸心座標軸x,yと工作機械の加工プログラム座標軸x’,y’とがそれぞれ一致するように、工作機械の加工プログラム座標軸x’,y’の回転指令がなされて、加工プログラム座標系の加工データがワーク軸心座標系に置き換えられる。
【0040】
それらのことによって、数値制御装置に記憶格納されている加工プログラム座標系における加工データが、実際のワーク軸心座標系に置き換えられることによってワークの芯出しが行われ、ワークの軸心座標系に置き換えられた加工データによってワークに加工が施される。そのため、数値制御装置10によって自動的、しかも容易にワーク20の芯出しがなされるので、作業者によるワーク20の測定作業、調整作業、手計算などを削減することができ、作業時間を大幅に短縮化することができる。
また、ワーク20が金型である場合には、複雑なワーク形状のためにワーク20の側面部に芯出し用の基準穴を設け難いが、ワーク20の加工面側にワーク20の軸心Wからの座標が既定値として設定された第1、第2の芯出し用基準穴21,22を設けることは容易である。そのため、ワーク20の所定位置に形成された2つの芯出し用基準穴21,22の座標を計測し、これらの計測結果に基づいて、ワークの軸心Wと工作機械系との実際の傾き角度(θJwk)と、テーブル中心Tから実際の加工基準位置(VJkijunX,VJkijunY)と求められることは可能であることから、複雑なワーク形状であっても、ワーク20の芯出しが容易にできるようになり、しかも、この芯出しは再現性を得ることができるので、ワーク20の加工形状、寸法が常に正確で揃い、且つ高精度の仕上げを得ることができるようになる。
【0041】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の数値制御装置によれば、ワークの芯出しを行う際に、作業者によるワークの測定作業、調整作業、手計算などを削減すること、いかなるワーク形状であっても正確なワークの芯出しができること等が可能な数値制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された数値制御装置を説明するためのブロック図である。
【図2】(a)は、工作機械のテーブルに固定されたワークを示した斜視図、(b)は、要部の拡大図である。
【図3】同例におけるワークの芯出しを説明するためのフローチャートである。
【図4】同例におけるワークの芯出しの過程を説明するための平面図である。
【図5】同例におけるワークの芯出しの過程を説明するための平面図である。
【図6】(a),(b)は、同例におけるワークの芯出しの過程を説明するための説明図である。
【図7】同例におけるワークの芯出しの過程を説明するための平面図である。
【図8】同例におけるワークの芯出しを説明するための説明図である。
【図9】同例におけるワークの芯出しの過程を説明するための説明図である。
【図10】同例におけるワークの芯出しの過程を説明するための説明図である。
【図11】同例におけるワークの芯出しの過程を説明するための説明図である。
【図12】(a)は、従来のワークの芯出しを説明するための斜視図、(b)は、要部の拡大図である。
【図13】従来におけるワークの芯出しの過程を説明するための説明図である。
【符号の説明】
10 数値制御装置
11 主軸
13 タッチプローブ
14 演算部
15 記憶部
20 ワーク
21 第1の芯出し用基準穴
22 第2の芯出し用基準穴
W ワークの軸心
S ワークの加工基準
s1 第1の芯出し用基準穴中心
s2 第2の芯出し用基準穴中心

Claims (3)

  1. 計測手段を保持する工作機械の主軸と、前記主軸を数値制御して前記計測手段を用いてワークの芯出し用基準穴の位置を求めると共に、前記ワークの芯出し用基準穴の位置に基づいて、前記ワークの芯出し及び加工を行う制御手段とを有する数値制御装置において、
    前記制御手段は、前記ワークに形成された円形の第1及び第2の芯出し用基準穴の位置を前記計測手段を用いて計測し、それらの計測結果に基づいて、前記ワークの軸心と前記工作機械の座標軸との実際の傾き角度、或いは前記工作機械の座標系原点からの実際のワーク加工基準の少なくとも何れか1つを求めることを特徴とする数値制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記ワークの軸心と前記工作機械の座標軸との実際の傾き角度と、前記工作機械の座標原点からの実際のワーク加工基準とに基づいて、前記工作機械の主軸における実際のワーク加工基準への位置決め指令がなされると共に、前記制御手段に記憶格納されている加工プログラム座標系を実際のワーク軸心座標系に置き換えることを特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記ワークに形成された第1、第2の芯出し用基準穴の中心が、前記ワークの軸心からの数値情報として予め記憶格納されていることを特徴とする請求項1、又は2に記載の数値制御装置。
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