JP2010221122A - カーテン塗布装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
塗布開始時の塗布量過剰部に起因する塗布装置の汚染やウェブ切れの問題を発生せず、且つカーテン膜がウェブに衝突する動的接触線に発生した上流方向への液溜まりであるヒールの発生を防ぐことができることから良好な品質の塗布製品が製造可能となる塗布装置を提供する。
【解決手段】
連続走行するウェブに液供給タンクよりポンプでカーテンヘッドに供給された塗布液を塗布するカーテン塗布装置において、ウェブの走行方向に対して摺動可能な受けパンを設け、受けパンに接続した塗布プレートの先端がウェブに接触状態で摺動することとカーテン膜と該ウェブの衝突角度を可変とし、該受けパンによる塗布開始とウェブの衝突角度変更を時間的に連動させることを特徴とするカーテン塗布装置。
【選択図】図2

Description

本発明は、印刷用紙、感圧記録紙、感熱記録紙、印画紙、印刷製版材料などの塗布製品製造に際し、連続走行する紙、塗被紙、フィルムなどへのカーテン塗布において塗布開始時の塗布量過剰部に起因する塗布装置の汚染やウェブ切れの発生とカーテン膜が該ウェブに衝突する地点での動的接触線に発生する上流方向への液溜まり(以降ヒールと称する)の発生を防ぎ、カーテン膜を安定化させることにより、良好な品質の塗布製品を製造することのできるカーテン塗布装置に関するものである。
カーテン塗布方法は、一種以上の塗布液を用いて自由落下カーテン膜を形成し、これを塗布される材料(ウェブ)に衝突させ、塗布されるウェブ上に塗膜を形成する方法であり、鉄板の表面塗布方法としては古くから用いられてきた。
従来より、カーテン塗布方法においては、塗布開始時の塗布量過剰部に起因する塗布装置の汚染やウェブ切れの問題があった。これはカーテン塗布液の受けパンとウェブの間に間隙が存在するために発生する。これを防ぐためウェブの角度を下流方向に向かって登り傾斜にしてウェブの走行方向に対して摺動可能な受けパンをヘッド下部に設け、受けパンに接続した塗布プレートの先端がウェブに接触状態で上流側に摺動する方法(特許文献1)がある。しかしながらこの方法ではウェブ角度をウェブ下流に向かって登り傾斜の角度を付ける必要があり、結果としてウェブとカーテンのなす角度であるウェブ下流側の衝突角が90°より小さくなることからカーテン膜が該ウェブに衝突する地点での動的接触線に発生する上流方向への液溜まりであるヒールを発生し、ウェブ上に塗膜を形成するときに、未塗布部が生じたり、塗布ムラが生ずることがあった。
上記のヒール現象とはカーテン膜がウェブに衝突する動的接触線において液膜の最下部が上流側(以下、連続走行するウェブの動的接触線手前を上流側、動的接触線より後の塗布液がウェブ上にある側を下流側と称する。)に膨らむ現象である。カーテン塗布の場合カーテン膜の落下による衝突力がウェブに同伴してくる空気を遮断し、塗布層とウェブ間に空気が入り込むことによって生じる未塗布部分や塗布ムラを防ぐが、上記ヒールが発生した場合上流側に膨らんだ液溜まりの部分には落下衝突力が働かないため、未塗布部分や塗布ムラを発生してしまう。
ヒールの発生には液流量とウェブ走行速度の関係や液粘度、ウェブとカーテンの衝突角度などが関係するが、特に衝突角度が重要となる。ここで、衝突角度について説明する。衝突角度を規定する場合、ウェブの上流側か下流側かで数値が逆転する。そこで本発明や背景技術の説明においては、以下、特に断らない限り、ウェブ下流側とカーテンとでなす角度を衝突角度とする。なお、ウェブ下流側とカーテンとの衝突角度と、ウェブ上流側とカーテンとの衝突角度との和は180°となる。
衝突角度が90°より小さくなる場合その衝突角度が小さければ小さい程ヒールが発生しやすい傾向にあるため、目標とする塗布製品が得られないことがある。この防止策として上流側に吸気口を設けて吸引しヒールの大きさを安定化させる方法の提案もあるが、この方法ではヒールの発生自体は防げず、液粘度の変化や液流量の微小な変動などの外乱により未塗布部分や塗布ムラを発生してしまい、安定した塗布製品を作ることができなかった(例えば特許文献2)。また、ウェブの表面粗度を0.1μm以上とし、塗布液粘度を30cps以上300cps以下にする方法の提案もされているが、これらの条件以外の塗布を行う場合ヒールの発生による未塗布部分や塗布ムラを防ぐことができなかった(例えば特許文献3)。またウェブの上流に吸気口を設けて走行するウェブに同伴する空気層によるカーテン破壊を防ぎつつウェブ速度に応じてウェブ下流側の衝突角度を変更させる方法があり、この方法ではヒールは防げるが、カーテンの上流に吸気口が存在するため、カーテンの上流に摺動可能な受けパンを設け、受けパンに接続した塗布プレートの先端がウェブに接触状態で上流側に摺動する方法など、カーテン上流に構造物を設ける方法が取れない。このため、塗布開始時の塗布量過剰部に起因する塗布装置の汚染やウェブ切れの問題を防ぐことができないため、ウェブ上の塗布量過剰部が汚した塗布装置による汚れの再転写や塗布製品表面の破損などを生じ、目標の塗布製品を安定して製造することができなかった(例えば特許文献4)。
特開平9−47706号公報 特開平9−141166号公報 特開平10−328613号公報 特表2005−539155号公報
カーテン塗布においては、塗布開始時に塗布量過剰部に起因する塗布装置の汚染やウェブ切れの問題を発生せず、且つカーテン膜が該ウェブに衝突する地点での動的接触線に発生する上流方向への液溜まりであるヒールの発生を防ぎ、カーテン膜を安定化させることにより、良好な品質の塗布製品を製造することのできるカーテン塗布装置を提供することである。
本発明は連続走行するウェブに塗布液を塗布するカーテン塗布装置において、
1.ウェブの走行方向に対して摺動可能な受けパンを設け、受けパンに接続した塗布プレートの先端がウェブに接触状態で摺動可能とし、
2.かつ、カーテン膜と該ウェブの衝突角度を可変とし、該受けパンによる塗布開始と同時にウェブの衝突角度変更開始が可能であること
を特徴としたカーテン塗布装置である。
本発明のカーテン塗布装置により、塗布開始時に塗布量過剰部に起因する塗布装置の汚染やウェブ切れの問題を発生せず、且つカーテン膜がウェブに衝突する動的接触線に発生した上流方向への液溜まりであるヒールの発生を防ぐことができる。これより、液流量とウェブ走行速度の関係や液粘度などについて塗布条件や塗液物性を限定しなくても、ヒールを発生させずに、未塗布部分や塗布ムラのない良好な品質の塗布製品が製造可能となる。
本発明のカーテン塗布装置における実施態様の一例を示す全体概略図。 本発明のカーテン塗布装置における実施態様の一例を示す全体概略図。 本発明のカーテン塗布装置における実施態様の一例を示す全体概略図。 本発明のカーテン塗布装置における実施態様の一例を示す拡大図。 本発明のカーテン塗布装置における実施態様の一例を示す拡大図。 比較例を示す全体概略図。 比較例を示す全体概略図。 比較例を示す全体概略図。
以下、本発明の実施の形態について、図面によりさらに詳しく説明するが、本発明は、以下の実施形態に限定されることなく、様々な形態が可能であることはいうまでもない。
なお、本発明者は、鋭意検討の結果、塗布開始時にウェブとの間に間隙を生じないための塗布プレートを設けた受けパン及びカーテンとウェブの衝突角度を可変とする装置を備え、且つ、受けパンによる塗布開始と同時にウェブの衝突角度変更開始が可能であることを特徴とするカーテン塗布装置に思い至った。しかし、そのような装置は従来にはなく、その発想を具体化した本願発明による有利な効果は装置を作製し塗布試験してはじめて分かった。
図1、2、3は、本発明におけるカーテン塗布装置の実施態様の一例を示す全体概略図である。
本発明のカーテン塗布装置は、コーターヘッド1と先端に塗布プレート13を接続した摺動可能な受けパン12と、好ましくは鉛直方向に移動可能なロール9から構成される。
図1において、予め調整された塗布液は給液タンク8から給液ポンプによってコーターヘッド1へ送られる。コーターヘッド1の内部は、マニホールド2、スリット3、スリット出口4からなり、それぞれ高精度の仕上げが施されている。供給された塗布液は、マニホールド2に満たされ、さらにスリット3、スリット出口4に送られるときに通過する狭い間隙により、給液ポンプの送液による動圧の影響が軽減され、幅方向における圧力分布が均一化され、垂直なカーテン膜6が形成される。
幅方向でプロファイルが均一となったカーテン膜6は、図2のように連続走行しているウェブ10と接触し、ウェブ10上に塗布膜を形成する。
形成させたカーテン膜6を安定した状態で塗布するためには、ウェブ10からコーターヘッド1下部のスリット出口4までの高さがある程度必要とされるが、本実施形態においてはその高さを制御することも可能であり、カーテン膜6の安定に適した高さは好ましくは60〜250mm、より好ましくは120〜180mmである。カーテン膜高さが好ましい範囲より低いとカーテン膜の落下による衝突力が減少しウェブに同伴してくるエアに対する抵抗力が減るため、塗布ムラを起こしやすくなるおそれがある。また、好ましい範囲より高いと周辺空気の変動など外乱の影響を受けやすくなるおそれがある。
本発明における塗布開始時に塗布量過剰部に起因する塗布装置の汚染の防止については先端に塗布プレート13を接続した摺動可能な受けパン12を設置する。図1の塗布前の状態では受けパン12にカーテン膜6の塗液が供給されており、受けパン12の先端に設けられた塗布プレートは一方でウェブ10に接触している。この状態から受けパン12をカーテン上流側に摺動させることで図2のように塗布が開始される。この際塗布プレート13がウェブに接触しているため、カーテン膜6の動的接触線が塗布プレート上からウェブ10に移動する際、カーテン膜6の塗布プレートによる切断線とウェブの距離がゼロとなる為塗布量過剰部の発生を防ぐことができ、塗布装置の汚染を防ぐことができる。その後図3に示すようにロール9が下方に移動し、カーテン膜6とウェブ10のなす角度を図4の状態から図5の90°の状態に近づけるように変化させることでヒールの除去ができる。ヒールの発生には液流量とウェブ走行速度の関係や液粘度、衝突角度などが関係するが、特に衝突角度が重要となる。図4に示すようにウェブ10の衝突角度がウェブ下流に向かって登り傾斜の角度が75°未満となる条件ではヒールが発生してしまうため、目標とする塗布製品が得られないことがある。これに対し図5に示すようにウェブの衝突角度が垂直に近く、すなわちカーテン膜6とウェブ10のなす角が90°に近くなればなるほどヒールは発生しない。また塗布開始から角度変更をするまでの時間であるが塗布開始と同時又は直後に角度変更を始め、好ましくは1〜5秒、より好ましくは2〜3秒で目標の角度に到達することが望ましい。この時間が1秒を下回るとカーテン安定性やウェブ走行性に悪影響を与える可能性があり、5秒を上回ると角度変化中にヒールが発生する可能性があるからである。
なお、角度変更の開始は塗布開始から可能な限り短い時間で開始するのが良いが、塗布開始からの所要時間はヒール発生防止点から5秒以内、より好ましくは1秒以内であることが好ましい。
なお、衝突角度は塗布開始以降にはじめて定義できるが、衝突角度を変化させるための装置の必要部分の動き出し開始は塗布開始前でも良い。
本発明のカーテン塗布装置において、用いられるコーターヘッドとしては、スライドホッパー型、エクストルージョン型、又は両者の混合したスライドエクストルージョン型などが挙げられる。
本発明において、「塗布液」とは、例えば、写真乳剤液としてゼラチン水溶液中にハロゲン化銀を分散せしめたもの、磁気記録紙用塗布液として水あるいは有機溶剤中に磁性体粒子を分散せしめたもの、感熱記録紙用塗布液として発色剤と顕色剤を分散せしめたもの、感圧記録紙用塗布液として発色剤あるいは顕色剤を含むマイクロカプセルを分散せしめたもの、インクジェット記録紙用塗布液、顔料塗布紙用塗布液として無機あるいは有機顔料を分散せしめたものなどであり、これらに挙げられる塗布液の固形分濃度などとは関係なく、カーテン塗布を行うことが可能な塗布液であれば、制限なく用いることができるが、塗布液の粘度についてはB型粘度が10〜2000cpsの範囲の塗布液が好ましい。B型粘度が10cpsより低いとカーテンの成膜性が悪化し、必要な液流量でカーテンが形成されないおそれがある。またB型粘度が2000cpsより高いと液送りが困難で送液の脈動現象が発生し、カーテンが安定せず均一な塗布層が形成できない可能性がある。
本発明に用いられるウェブとしては、一般に使用される上質紙、中質紙、更紙、マシンコート紙、アート紙、キャストコート紙、合成紙、レジンコーテッド紙、プラスティックフィルム、ゴム板、天然あるいは合成繊維で織られた布などを挙げることができる。
以下、本発明を一層明瞭とするために実施例を挙げて説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部数は全て質量部を示し、特に断りのない限り、濃度は固形分の質量%、塗布量は乾燥後の塗布量を示す。
(実施例1)
感圧記録紙用塗布液について、以下の通り作製した。
<マイクロカプセル分散液>
クリスタルバイオレットラクトン(CVL)5部を溶解した200部の高沸点油(株式会社クレハ製、KMC−113)を5%スチレン無水マレイン酸共重合体水溶液(pH5.0)250部に添加し、平均粒子径を6μmとなるように乳化した。
次に、40%メラミン−ホルマリン初期縮合物水溶液(住友化学株式会社製、スミレッツレジン)20部を上記乳化剤に加えて温度を75℃とし、2時間反応させた後、20%水酸化ナトリウム水溶液でpH9.0として室温まで冷却し、40%のマイクロカプセル分散液を得た。
<塗布液>
上記のようにして得られたマイクロカプセル分散液を下記の配合に、さらに水を加え、固形分濃度15%に調整し、液粘度を25cpsとして感圧記録紙用塗布液を作製した。
40%マイクロカプセル分散液 100部
小麦澱粉(平均粒子径20μm) 50部
48%カルボキシ変性スチレンブタジエン共重合体ラテックス 20部
上記塗布液を用い、図1、2、3で示したカーテン塗布装置を用いて感圧記録紙を製造した。塗布開始の方法としてはカーテン膜6を形成した後、塗布プレート13を先端に接続した受けパン12を図1に示すようにカーテン上流側に摺動させてカーテン膜6をウェブ10に塗布開始したと同時に、図2に示すようにロール9を下方に移動させ始め、3秒間の間にカーテン膜6とウェブ10のなす衝突角度を移動前が75°だった状態に対し移動後図3に示すように90°となるように調整した。ウェブとしては坪量40g/mで表面粗度1μmの上質紙を用い、エクストルージョン型カーテン塗布装置を用いて塗布速度200m/分で感圧記録紙用塗布液を塗布量3.5g/mとなるように塗布し、塗布長さ10000mの感圧記録紙を製造した。上記、ウェブの表面粗度はJIS B0601によるRaを意味する。
(実施例2)
実施例1におけるロール9を移動した後のカーテン膜6とウェブ10のなす衝突角度を85°とした以外は実施例1と同様にして、実施例2の感圧記録紙を製造した。
(実施例3)
実施例1におけるロール9を移動した後のカーテン膜6とウェブ10のなす衝突角度を82°とした以外は実施例1と同様にして、実施例3の感圧記録紙を製造した。
(実施例4)
実施例1におけるロール9を移動する時間を5秒間とした以外は実施例1と同様にして、実施例4の感圧記録紙を製造した。
(実施例5)
実施例1におけるロール9を移動する時間を6秒間とした以外は実施例1と同様にして、実施例5の感圧記録紙を製造した。
(実施例6)
実施例1におけるロール9を移動する時間を1秒間とした以外は実施例1と同様にして、実施例6の感圧記録紙を製造した。
(実施例7)
実施例1において塗布開始してから1秒後にロール9を移動し始め、ロール9の移動する時間を1秒間とした以外は実施例1と同様にして、実施例7の感圧記録紙を製造した。
(実施例8)
実施例1において塗布開始してから5秒後にロール9を移動し始め、ロール9の移動する時間を1秒間とした以外は実施例1と同様にして、実施例7の感圧記録紙を製造した。
(実施例9)
実施例1において塗布開始してから6秒後にロール9を移動し始め、ロール9の移動する時間を6秒間とした以外は実施例1と同様にして、実施例7の感圧記録紙を製造した。
(比較例1)
実施例1におけるロール9が固定のカーテン塗布装置を用い、カーテン膜6とウェブ10のなす衝突角度を75°とし、この衝突角度を保ったまま塗布した以外は実施例1と同様にして、比較例1の感圧記録紙を製造した。
(比較例2)
実施例1において用いたカーテン塗布装置の受けパンを図6に示した箱型受けパン14に変更し、カーテン膜6とウェブ10のなす衝突角度を90°に固定したカーテン塗布装置を用いて図7、8に示したように箱型受けパン14をカーテン上流側に移動して塗布した以外は実施例1と同様にして、比較例2の感圧記録紙を製造した。
(比較例3)
比較例1において、カーテン膜6とウェブ10のなす衝突角度を90°に固定したカーテン塗布装置を用いた以外は比較例1と同様にして、比較例3の感圧記録紙を製造した。
(比較例4)
比較例2において、カーテン膜6とウェブ10のなす衝突角度を75°に固定したカーテン塗布装置を用いた以外は比較例2と同様にして、比較例4の感圧記録紙を製造した。
上記実施例1〜9及び比較例1〜4による感圧記録紙の製造について、下記の評価方法により評価し、その結果を下記表1に掲げた。なお、評価に当たって、感圧記録紙の製造における長さ10000mを塗布する間の状態を観察した。
<ヒール評価>
カーテン膜のヒール発生状態を目視観察し、次の基準で評価した。なお、許容レベルとしては△以上である。
◎◎:ヒールが全く発生せず、非常に安定していた。
◎ :ヒールの兆候がかすかに見られるが問題ない程度。
○ :ヒールの兆候が見られるが問題ない程度。
△ :ヒールが一部に1〜2秒程度の短時間発生していた。
× :ヒールが全幅にわたって発生していた。
<カーテン安定性評価>
カーテン膜のユレを目視観察し、次の基準で評価した。なお、許容レベルとしては○以上である。
◎:カーテンユレが全く発生せず、非常に安定していた。
○:カーテンユレの兆候がかすかに見られるが問題ない程度。
△:カーテンユレが部分的に発生していた。
×:カーテンユレが全幅にわたって発生していた。
<過剰塗布量による塗布装置の汚れ>
塗布された感圧記録紙の塗布面が乾燥装置通過後に接触するロールの表面の汚れの発生状態を目視観察し、次の基準で評価した。なお、許容レベルとしては○以上である。
◎:ロール表面の汚れが全く観察されなかった。
○:ロール表面の汚れがごく僅かに観察されるが、その後に接触する塗布面への影響が見
られなかった。
△:ロール表面に部分的に汚れが観察され、その後に接触する塗布面に影響があった。
×:ロール全面に汚れが観察され、その後に接触する塗布面に影響し目標の製品として使
用不可だった。
<塗布面>
製造した感圧記録紙の塗布面における塗布ムラや未塗布部の発生状態を目視観察し、次の基準で評価した。なお、許容レベルとしては△以上である。
◎:塗布ムラ、未塗布部、塗布装置汚れによる悪影響ともに全く観察されなかった。
○:塗布ムラのみがごく僅かに観察されるが、製品として問題なかった。
△:塗布ムラと塗布汚れによる悪影響が僅かに観察され製品として下限レベルだった。
×:塗布ムラ、未塗布部、塗布装置汚れによる悪影響ともに観察され、製品として使用不
可。
Figure 2010221122
評価;
上記表1から明らかなように、実施例1はヒール評価、カーテン安定性、塗布装置の汚れ、塗布面とも良好な結果であった。実施例2、4はヒールの兆候がかすかに見られるが問題ない程度でカーテンユレや塗布装置の汚れもなく、塗布面も塗布ムラ、未塗布部とも全く観察されなかった。実施例3はヒールの兆候が見られるが問題ない程度でカーテンユレや塗布装置の汚れもなく、塗布面も塗布ムラ、未塗布部とも全く観察されなかった。実施例5はヒールの兆候が見られるが問題ない程度でカーテンユレや塗布装置の汚れもなく、塗布面は塗布ムラのみがごく僅かに観察されるが未塗布部はなく製品として問題なかった。実施例6はヒール評価は良好で、カーテンユレの兆候がかすかに見られるが問題ない程度で塗布装置の汚れもなく、塗布面は塗布ムラのみがごく僅かに観察されるが未塗布部はなく製品として問題なかった。実施例7はヒールの兆候がかすかに見られるが問題ない程度でカーテンユレの兆候もかすかに見られるが未塗布部や塗布装置の汚れもなく、塗布面は塗布ムラのみがごく僅かに観察されるが未塗布部はなく製品として問題なかった。実施例8はヒールの兆候が見られるが問題ない程度でカーテンユレの兆候もかすかに見られるが未塗布部や塗布装置の汚れがなく、塗布面は塗布ムラのみがごく僅かに観察されるが未塗布部はなく製品として問題なかった。実施例9はヒールが一部に短時間発生しており、カーテンユレの兆候もかすかに見られるが未塗布部はなく、塗布面は塗布ムラと塗布汚れによる悪影響が僅かに観察され製品として下限レベルだった。一方、比較例1では、ヒールが全幅にわたって間欠的ではあるが発生していることが観察され、それに伴って塗布面も悪影響を及ぼしており、塗布装置の汚れも見られた。比較例2では、ヒールは発生していなかったが、図8に示すような塗布量過剰部15による塗布装置の汚れが全幅にわたって発生していることが観察され、それに伴って塗布面にも悪影響を及ぼしていた。比較例3では、ヒールは発生していなかったが、塗布開始時に発生した塗布量過剰部による塗布装置の汚れが全幅にわたって発生していることが観察され、それに伴って塗布面にも悪影響を及ぼしていた。比較例4では、ヒールが全幅にわたって間欠的ではあるが発生していることが観察され、塗布開始時に発生した塗布量過剰部による塗布装置の汚れが全幅にわたって発生していることが観察され、それに伴って塗布面にも悪影響を及ぼしていた。
本発明のカーテン塗布装置はウェブの走行方向に対して摺動可能な受けパンを設け、受けパンに接続した塗布プレートの先端がウェブに接触状態で摺動することとカーテン膜と該ウェブの衝突角度を可変とすることで塗布開始時の塗布量過剰部に起因する塗布装置の汚染やウェブ切れの問題を発生せず、且つカーテン膜がウェブに衝突する動的接触線に発生した上流方向への液溜まりであるヒールの発生を防ぐことができることから、ヒールの発生により液流量とウェブ走行速度の関係や液粘度などについて特定の領域に限定されていた塗布条件に関わらず、未塗布部分や塗布ムラのない良好な品質の塗布製品が製造可能となる塗布装置である。
1 コーターヘッド
2 マニホールド
3 スリット
4 スリット出口
5 エッジガイド
6 カーテン膜
7 液回収パン
8 給液タンク
9 ロール
10 ウェブ
12 受けパン
13 塗布プレート
14 箱型受けパン
15 塗布量過剰部

Claims (1)

  1. 連続走行するウェブに塗布液を塗布するカーテン塗布装置において、
    1.ウェブの走行方向に対して摺動可能な受けパンを設け、受けパンに接続した塗布プレートの先端がウェブに接触状態で摺動可能とし、
    2.かつ、カーテン膜と該ウェブの衝突角度を可変とし、該受けパンによる塗布開始と同時にウェブの衝突角度変更開始が可能であること
    を特徴としたカーテン塗布装置。
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