JP2010218711A - 扁平形酸化銀電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた負荷特性を有する扁平形酸化銀電池を提供する。
【解決手段】酸化銀と導電助剤とを少なくとも含有する正極合剤の成形体からなる正極3、亜鉛粒子または亜鉛合金粒子を含有する負極4、セパレータ5および電解液を、外装缶1、封口板2および樹脂製ガスケット6からなる電池容器内に収容してなる扁平形酸化銀電池であって、前記負極の亜鉛粒子または亜鉛合金粒子は、水銀を含有しないものであり、電池系内の水分量が、前記負極の亜鉛粒子または亜鉛合金粒子1gあたり0.42〜0.55。
【選択図】図3

Description

本発明は、優れた負荷特性を有する扁平形酸化銀電池に関するものである。
近年、電子玩具などの電子機器では、その電源として、ボタン形やコイン形などの扁平形電池が汎用されているが、こうした電子機器の高機能化に伴い、扁平形電池の容量向上が求められている。
前記のような扁平形電池としては、二酸化マンガンを正極活物質とするアルカリ電池が主流であるが、更なる容量向上が難しいことから、前記の扁平形電池とは異なる活物質を用いた電池による代替の検討も開始されている。
例えば、扁平形電池としては、酸化銀を正極活物質とする酸化銀電池が知られている(特許文献1など)。酸化銀電池は、電池体積が同じ場合に、二酸化マンガンアルカリ電池よりも容量を大きくできることから、前記のような電子機器用の高容量電源として期待できる。
特開平8−83597号公報
ところが、一般的な扁平形酸化銀電池を、前記のような電子機器の電源用途に適用した場合、一部の電子機器では作動しなくなる場合がある。これは、現行の扁平形酸化銀電池が、主に腕時計の電源用途などのような比較的低負荷での放電用途に好適なように設計されているため、内部抵抗が高く、比較的高負荷での放電が求められる前記の電子機器に用いた場合には、十分に放電できなくなるためであると考えられる。
よって、扁平形酸化銀電池を、前記のような電子機器の電源用途に適用するに当たっては、その負荷特性を高めることが求められる。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、優れた負荷特性を有する扁平形酸化銀電池を提供することにある。
本発明者らは、扁平形酸化銀電池において、その負荷特性を高めるべく鋭意検討を重ねた結果、電池系内の水分量を従来よりも多くすることで、放電反応をよりスムーズに進行させて、電池の負荷特性を高め得ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、前記目的を達成し得た本発明の扁平形酸化銀電池は、酸化銀と導電助剤とを少なくとも含有する正極合剤の成形体からなる正極、亜鉛粒子または亜鉛合金粒子を含有する負極、セパレータおよび電解液を、外装缶、封口板および樹脂製ガスケットからなる電池容器内に収容してなる扁平形酸化銀電池であって、前記負極の亜鉛粒子または亜鉛合金粒子は、水銀を含有しないものであり、電池系内の水分量が、前記負極の亜鉛粒子または亜鉛合金粒子1gあたり0.42〜0.55gであることを特徴とするものである。
なお、電池業界においては、高さより径の方が大きい扁平形電池をコイン形電池と呼んだり、ボタン形電池と呼んだりしているが、そのコイン形電池とボタン形電池との間に明確な差はなく、本発明の扁平形酸化銀電池には、コイン形電池、ボタン形電池のいずれもが含まれる。
本発明によれば、優れた負荷特性を有する扁平形酸化銀電池を提供することができる。
本発明の扁平形酸化銀電池の一例を模式的に示す側面図である。 図1に示す扁平形酸化銀電池の要部断面図である。 本発明の扁平形酸化銀電池の他の例を模式的に示す要部断面図である。
以下、本発明の扁平形酸化銀電池の構成を詳細に説明する。
<負極>
本発明に係る負極は、亜鉛粒子または亜鉛合金粒子(以下、両者を纏めて「亜鉛系粒子」という場合がある)を含有するものであり、これら粒子中の亜鉛が活物質として作用する。亜鉛合金粒子の合金成分としては、例えば、インジウム(例えば、含有量が50〜500質量ppm)、ビスマス(例えば、含有量が50〜500質量ppm)などが挙げられる(残部は亜鉛および不可避不純物である)。負極の有する亜鉛系粒子は、1種単独でもよく、2種以上を有していてもよい。
ただし、亜鉛系粒子には、合金成分として水銀を含有しないものを使用する。このような亜鉛系粒子を使用している電池であれば、電池の廃棄による環境汚染を抑制できる。また、前記と同じ理由から、亜鉛系粒子には、合金成分として鉛を含有しないものを使用することが好ましい。
なお、水銀を含有しない亜鉛系粒子を用いた負極においては、導電性が低下するため、電池の負荷特性低下を引き起こす虞があるが、本発明の電池では、このような負極を使用しても、電池系内の水分量を最適化することで、その負荷特性を高めている。
亜鉛系粒子としては、例えば、全粉末中、粒径が100〜200μmの粉末の割合が、50体積%以上、より好ましくは90体積%以上であるものが挙げられる。なお、ここでいう亜鉛などの粉末における粒径が100〜200μmの粉末の体積割合は、後述の「顆粒状酸化銀」の粒径測定法と同じ測定方法および測定装置で測定したものである。
負極に使用する亜鉛系粒子は、前記の形態を有していてもよいが、電池の負荷特性をより高める観点からは、例えば、亜鉛系粒子中の全粒子のうち、粒径が75μm以下の粒子の割合が、50質量%以上であることが好ましく、75質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが更に好ましく、95質量%以上であることが特に好ましい。このように、負極の有する亜鉛系粒子が小さい場合には、負極全体の比表面積を大きくできることから、負極での反応を効率よく進めることができ、電池の負荷特性(特に重負荷特性)をより高めることが可能となる。なお、亜鉛系粒子中における粒径が75μm以下の粒子の割合は、75μmの目開きの篩い目(200メッシュの篩い目)を通過し得るものの割合を測定することで求めることができる。
負極の有する亜鉛系粒子のサイズを小さくして、負極での反応効率をより高める観点からは、更に、負極の有する亜鉛系粒子のうち、粒径が45μm以下の粒子の割合が、30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、75質量%以上であることが更に好ましく、また、粒径が32μm以下の粒子の割合が、20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることが更に好ましい。なお、負極の有する亜鉛系粒子のサイズがあまりに小さすぎると、取り扱い性が低下するため、例えば、負極が有する亜鉛系粒子の最小サイズは、1μm程度であることが望ましい。なお、亜鉛系粒子中における粒径が45μm以下の粒子の割合は、45μmの目開きの篩い目(330メッシュの篩い目)を通過し得るものの割合を測定することで、また、亜鉛系粒子中における粒径が32μm以下の粒子の割合は、32μmの目開きの篩い目(440メッシュの篩い目)を通過し得るものの割合を測定することで、それぞれ求めることができる。
負極には、例えば、前記の亜鉛系粒子の他に、必要に応じて添加されるゲル化剤(ポリアクリル酸ソーダ、カルボキシメチルセルロースなど)を含み、これにアルカリ電解液を加えることで構成される負極剤(ゲル状負極)が適用できる。負極中のゲル化剤の量は、例えば、0.5〜1.5質量%とすることが好ましい。
また、負極は、前記のようなゲル化剤を実質的に含有しない非ゲル状の負極とすることもできる(なお、非ゲル状負極の場合、亜鉛系粒子近傍に存在する電解液が増粘しなければ構わないので、「ゲル化剤を実質的に含有しない」とは、電解液粘度への影響がない程度に含有していてもよい、という意味である)。ゲル状負極の場合には、亜鉛系粒子の近傍に、ゲル化剤と共に電解液が存在しているが、ゲル化剤の作用によってこの電解液が増粘しており、電解液の移動、ひいては電解液中のイオンの移動が抑制されている。このため、負極での反応速度が抑えられ、これが電池の負荷特性(特に重負荷特性)の向上を阻害しているものと考えられる。これに対し、負極を非ゲル状として、亜鉛系粒子近傍に存在する電解液の粘度を増大させずに電解液中のイオンの移動速度を高く保つことで、負極での反応速度を高めて、負荷特性(特に重負荷特性)をより高めることができる。
<電池系内の水分量>
本発明の扁平形酸化銀電池では、放電反応をスムーズに進行させて、負荷特性を高める観点から、電池系内の水分量を、負極の含有する亜鉛粒子または亜鉛合金粒子1gあたり、0.42g以上、好ましくは0.44g以上とする。ただし、電池系内の水分量が多すぎると、漏液(電解液の漏出)の虞があることから、電池系内の水分量は、負極の含有する亜鉛粒子または亜鉛合金粒子1gあたり、0.55g以下であり、0.50g以下とすることが好ましい。
なお、電池系内の水分量は、質量を測定した電池を分解して真空中110℃で12時間乾燥させ、乾燥後の電池質量を測定し、乾燥前の電池質量と乾燥後の電池質量との差を算出することにより求める。
本発明の電池において、電池系内の水分量の殆どは、電解液(アルカリ性の水溶液)により導入される。よって、電池系内の水分量は、電池内に導入する電解液量を調整したり、電解液濃度を調整したりすることで、前記の値に制御することができる。
<電解液>
本発明の扁平形酸化銀電池では、アルカリ性の水溶液を電解液として用いる。アルカリとしては、アルカリ金属の水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなど)などが好適に用いられ、水酸化カリウムが特に好ましい。電解液の濃度は、例えば、水酸化カリウムの水溶液の場合、水酸化カリウムが、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上であって、好ましくは40質量%以下、より好ましくは38質量%以下である。水酸化カリウムの水溶液の濃度をこのような値に調整することで、導電性に優れた電解液とすることができる。
電解液には、前記の各成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて公知の各種添加剤を添加してもよい。例えば、酸化銀電池の負極に用いる亜鉛系粒子の腐食(酸化)を防止するために、酸化亜鉛を添加するなどしてもよい。
なお、電池系内に注入する電解液量は、負極の含有する亜鉛粒子または亜鉛合金粒子1gあたり、好ましくは0.65g以上、より好ましくは0.70g以上であって、好ましくは0.90g以下、より好ましくは0.80g以下である。電解液におけるアルカリ金属の水酸化物(例えば水酸化カリウム)の濃度を前記のように低くし、かつ電池系内に注入する電解液量を前記のようにすることで、電池系内の水分量を前記の値に調整することができる。
<正極>
本発明に係る正極には、正極活物質である酸化銀(酸化第一銀、酸化第二銀など)と、導電助剤(カーボンブラック、グラファイト、黒鉛などの炭素質材料など)とを少なくとも含む正極合剤を、加圧成形することによって作製された正極(正極合剤成形体)が用いられる。
正極で用いる酸化銀は顆粒状であることが好ましい。通常、酸化銀は、径が0.1〜5μmの微粉末状で供されるが、この酸化銀を造粒して顆粒状にして用いると、微粉末の状態で用いた場合よりも抵抗が低くなるため、酸化銀電池の負荷特性をより向上させることができる。
酸化銀を微粉末の状態で用いた場合には、抵抗を低減するには、より多量の導電助剤を添加する必要があるが、導電助剤として使用する炭素質材料はかさ密度が小さいため、これをあまりに多量に添加すると活物質である酸化銀の充填量を高めることが困難になる。これに対し、顆粒状の酸化銀を用いると、秤量性が向上してバラツキが低減したり、また、加圧成形した場合に充填性が高まり成形性が向上するので、抵抗が低減すると共に、複数の正極(延いては酸化銀電池)を製造した場合に、個々の特性が安定化する。更に、導電助剤として添加する炭素質材料の使用量も低減でき、酸化銀の充填量を増やすこともできる。
更に、例えば、酸化第一銀では、炭素質材料と次式のような反応を起こして還元されるため、放電性能が低下する。
2AgO+C→4Ag+CO
しかしながら、酸化銀を顆粒にすることによって、前記反応が抑制される上に、前述したように炭素質材料の添加量も低減できるので、更に酸化銀の還元反応が抑制されることになり、放電特性(特に低温重負荷特性)がより良好となる。
本発明に係る正極において、顆粒状酸化銀を使用する場合には、その粒径が、好ましくは50μm以上、より好ましくは75μm以上であって、好ましくは500μm以下、より好ましくは300μm以下であり、また、そのかさ密度が、好ましくは1.5g/cm以上、より好ましくは1.8g/cm以上であって、好ましくは3.5g/cm以下、より好ましくは2.6g/cm以下である。このような形態の酸化銀であれば、粉末状のものに比較して流動性がよく、前記の通り、秤量性・成形性が向上し、抵抗が低下して反応性が向上するため、負荷特性がより優れたものとなり、また、製造される正極(延いては酸化銀電池)個々の特性が安定化する。なお、ここでいう顆粒状酸化銀の粒径は、Honeywell社製のマイクロトラック粒度分布計「9320−X100」を用いて、レーザー光の散乱により、粒子個数nおよび各粒子の直径dを測定し、算出した数平均粒子径である。また、ここでいう顆粒状酸化銀のかさ密度は、JIS R 1628に規定のかさ密度測定方法に準じて、所定量の顆粒状酸化銀を容器に入れ、かさ密度測定装置を用いて求めた値である。
正極を構成する正極合剤において、導電助剤の含有量は、1質量%以上であることが好ましい。なお、正極合剤中の導電助剤量を前記のように多くすることで、正極(正極合剤成形体)内での導電性を向上させて、電池の負荷特性をより高めることができるため、正極合剤における導電助剤の含有量は、3質量%以上であることがより好ましく、4質量%以上であることが更に好ましい。ただし、導電助剤として例えば炭素質材料を使用する場合、そのかさ密度が小さいため、これらをあまり多量に正極合剤に添加すると、正極活物質である酸化銀の充填量を高めることが困難となる。よって、正極合剤における導電助剤の含有量は、7質量%以下であることが好ましく、6質量%以下であることがより好ましい。
本発明に係る正極は、活物質として少なくとも酸化銀を使用するが、例えば二酸化マンガンを併用してもよい。二酸化マンガンを酸化銀と併用することで、電池放電時の電圧低下が生じるため、放電電圧による放電終期の状態検知が可能となる。酸化銀と二酸化マンガンとを併用する場合、例えば材料コスト低減の観点から、これらの合計量100質量%中、酸化銀を、50質量%以上、97質量%以下とすることが好ましい。なお、二酸化マンガンは酸化銀に比べてかさ密度が小さいため、あまり多量に使用すると充填量を高めることが困難となる。よって、酸化銀と二酸化マンガンとを併用する場合には、これらの合計量100質量%中、酸化銀を80質量%以上とすることがより好ましい。
正極合剤を構成する導電助剤以外の成分は、例えば、活物質のみ(酸化銀のみ、または酸化銀と二酸化マンガン)であってもよい。この場合、正極合剤における活物質の含有量は、好ましくは93質量%以上、より好ましくは94質量%以上であって、好ましくは97質量%以下、より好ましくは96質量%以下である。
正極合剤成形体の密度は、5.0g/cm以上であることが好ましく、5.5g/cm以上であることがより好ましい。正極合剤成形体の密度を前記のようにすることで、正極活物質をより多く充填して電池の容量を高め得る。また、正極合剤成形体の密度が小さすぎると、電解液が正極合剤成形体中に過剰に侵入して酸化銀の分解が起こりやすくなったり、負極やセパレータ中の電解液が不足して抵抗が増加したりする虞があるが、正極合剤成形体の密度を前記のようにすることで、こうした問題の発生を高度に抑制することができる。ただし、正極合剤成形体の密度の増加に伴って、正極合剤成形体中の空隙が少なくなって電解液が浸透しにくくなり、また、密度の大きな正極合剤成形体は成形自体が困難となることから、正極合剤成形体の密度は、7.0g/cm以下であることが好ましく、6.0g/cm以下であることがより好ましい。
なお、正極合剤成形体の密度は、投影機を用いて算出された正極合剤成形体の面積と、マイクロメーターを用いて測定された正極合剤成形体の厚みとから正極合剤成形体の体積を算出し、この体積と別途測定しておいた正極合剤成形体の質量とを用いて求められる。なお、扁平形酸化銀電池内の正極合剤成形体の場合、電池内から正極合剤成形体を取り出し、必要に応じて洗浄、乾燥などの工程を経て電解液成分を除去して正極合剤成形体の質量を測定し、前記の方法により密度を求める。
本発明に係る正極は、正極合剤を成形することにより製造されるが、例えば、導電助剤含有量を3質量%以上に高める場合、従来から行われているように、正極活物質である酸化銀と導電助剤などとを単純に混合して正極合剤とし、これを常法に従って加圧成形してペレット状の成形体とすると、成形体中での導電助剤の分散が不均一となる虞があり、また、前記のような高密度の成形体にすることが困難である。
そこで、正極は、以下の方法により製造することが好ましい。まず、酸化銀と導電助剤などとを乾式混合して正極合剤を調製し、これを常法に従い加圧成形する。次に得られた成形体を破砕処理してフレークなどの状態とし、これを更に常法に従って加圧成形して、正極を得る。このような製造方法によれば、正極合剤成形体内での導電助剤の分散を良好にし、また、前記のような高密度の正極合剤成形体とすることができる。
<セパレータ>
本発明の電池におけるセパレータについては特に制限は無く、例えば、ビニロンとレーヨンを主体とする不織布、ビニロン・レーヨン不織布(ビニロン・レーヨン混抄紙)、ポリアミド不織布、ポリオレフィン・レーヨン不織布、ビニロン紙、ビニロン・リンターパルプ紙、ビニロン・マーセル化パルプ紙などを用いることができる。また、親水処理された微孔性ポリオレフィンフィルム(微孔性ポリエチレンフィルムや微孔性ポリプロピレンフィルムなど)とセロファンフィルムとビニロン・レーヨン混抄紙のような吸液層(電解液保持層)とを積み重ねたものをセパレータとしてもよい。
<扁平形酸化銀電池の構造、およびその他の構成要素>
本発明の扁平形酸化銀電池の構造、およびその他の構成要素を、図面を用いて説明する。図1は、本発明の扁平形酸化銀電池の一例を模式的に示す側面図であり、図2は、図1の要部断面図である。
図1および図2に示す電池は、正極3およびセパレータ5を内填した外装缶1の開口部に、負極4を内填した封口板2が、断面L字状で環状の樹脂製ガスケット6を介して嵌合しており、外装缶1の開口端部が内方に締め付けられ、これにより樹脂製ガスケット6が封口板2に当接することで、外装缶1の開口部が封口されて電池内部が密閉構造となっている。すなわち、図1および図2に示す電池では、外装缶1、封口板2および樹脂製ガスケット6からなる電池容器内の空間(密閉空間)に、正極3、負極4およびセパレータ5を含む発電要素が装填されており、更に電解液(図示しない)が注入されている。そして、外装缶1は正極端子を兼ね、封口板2は負極端子を兼ねている。なお、正極3は、前記の通り、活物質である酸化銀(好ましくは顆粒状酸化銀)と導電助剤を有する正極合剤の成形体である。また、負極4は、前記の通り、亜鉛系粒子を含むゲル状負極でもよく、また、亜鉛系粒子が粒子のままで存在するものでもよい。
外装缶1には、例えば、鉄にニッケルメッキを施したものや、ステンレス鋼などが使用できる。
封口板2としては、例えば、負極4と接する面は銅または黄銅などの銅合金で構成され、その本体部分はステンレス鋼で構成され、外面側、すなわち、負極4と接する面と反対側の面はニッケルで構成されたものが好適である。この封口板2において、負極4と接する面を銅または銅合金で構成するのは、亜鉛との局部電池の形成を抑制するためであるが、本体部分をステンレス鋼で構成することや外面側をニッケルで構成することは必ずしも必要でなく、他の材料で構成してもよいし、負極4と接する面も亜鉛と局部電池を形成しないものであれば、銅または銅合金でなくてもよい。また、樹脂製ガスケット6としては、例えば、ナイロン66などを素材とするものが推奨される。
なお、本発明の扁平形酸化銀電池の平面視での形状は、円形でもよく、四角形(正方形・長方形)などの多角形であってもよい。また、多角形の場合には、その角を曲線状としていてもよい。
図3に、本発明の扁平形酸化銀電池の他の例を模式的に表した要部断面図を示す。図3の電池では、外装缶1の内側底面と樹脂製ガスケット6との間に正極(正極合剤成形体)3の外周部が配置された所謂底敷構造を採用している。
図2に示す電池では、樹脂製ガスケット6が外装缶1の底にまで到達している所謂中入れ構造を採用しているため、電池内容積のうち、発電に関与しないガスケット6の占有容積分が大きい。これに対し、図3に示す電池では、底敷構造を採用することで、電池内における正極の充填量(正極活物質の充填量)をより高めており、これにより更なる高容量化を図ることができる。
ただし、図3に示すような底敷構造を採用した電池では、正極合剤成形体の厚み(図3中縦方向の長さ)に対する長さ(図3中水平方向の長さ)の割合が、中入れ構造を採用した電池に係る正極の場合よりも大きくなり、正極合剤成形体に割れがより生じやすいため、より大きな強度を確保する必要がある。それは、電池内において正極合剤成形体に割れが生じた場合には、正極合剤成形体内での導電性が失われて、放電の際に十分な容量を引き出すことが困難となるからである。
しかしながら、本発明の電池では、正極合剤成形体の密度が前記のように大きく、より大きな強度を確保できていることから、底敷構造の電池とした場合でも、前記のような正極合剤成形体の割れによる容量低下を抑制することが可能であり、底敷構造を採用したことによる高容量化効果が良好に確保できる。
本発明の扁平形酸化銀電池は、優れた負荷特性を有していることから、こうした特性を生かして、比較的高負荷での放電が要求されるような電子玩具などの電子機器の電源用途を始めとして、従来から知られている扁平形酸化銀電池が適用されている各種用途に好ましく用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではない。
実施例1
正極活物質として、平均粒径150μm、かさ密度2.4g/cmの顆粒状にした酸化第一銀を95質量%含有し、黒鉛を5質量%含有する混合物を加圧成形した後、この成形体を粉砕し篩い分けして、平均粒径300μmの正極合剤を得た。この正極合剤を金型に充填し、充填密度5.5g/cmで、直径10.9mm、高さ1.9mmの円板状に加圧成形することによって、正極合剤成形体を作製し、これに下記のアルカリ電解液の一部を含浸させた。
負極には、前記の方法により求めた粒径が75μm以下の粒子の割合が25質量%以下で、平均粒径が120μmの、水銀を含有しない亜鉛粒子0.2gを用いた。
アルカリ電解液としては酸化亜鉛を4質量%溶解した36質量%水酸化カリウム水溶液を用い、電池作製時に導入した。
また、外装缶は、SUS430を用いて作製した。更に封口板は、銅−ステンレス鋼(SUS304)−ニッケルクラッド板を用いて作製した。また、セパレータには、株式会社ユアサメンブレンシステムの「YG2152」を用いた。このセパレータは、厚みが20μmのセロハンフィルムと、厚みが30μmのグラフトフィルムとを積層してなるものであり、該グラフトフィルムは、ポリエチレン主鎖にアクリル酸をグラフト共重合させた構造を有するグラフト共重合体で構成されている。また、電解液保持層として、厚みが400μmのビニロン−レーヨン混抄紙を用いた。セパレータおよび電解液保持層は、直径11.3mmの円形に打ち抜いて用いた。
前記の正極(正極合剤成形体)、負極、アルカリ電解液、外装缶、封口板、セパレータおよび電解液保持層を用い、更にナイロン66製の環状ガスケットを用いて、図3に示す底敷構造で、直径11.5mm、厚さ5.4mmの扁平形酸化銀電池を作製した。なお、図3では電解液保持層は図示していないが、実施例1の電池では、電解液保持層はセパレータ5の上面側(負極4側)に配置した。
また、実施例1の電池では、電池内に導入したアルカリ電解液は、亜鉛粒子1gあたり0.73gとなるようにした。
実施例2
電池内に導入するアルカリ電解液量を、亜鉛粒子1gあたり0.77gとなるようにした以外は、実施例1と同様にして扁平形酸化銀電池を作製した。
実施例3
電池内に導入するアルカリ電解液量を、亜鉛粒子1あたり0.84gとなるようにした以外は、実施例1と同様にして扁平形酸化銀電池を作製した。
比較例1
電池内に導入するアルカリ電解液量を、亜鉛粒子1gあたり0.63gとなるようにした以外は、実施例1と同様にして扁平形酸化銀電池を作製した。
比較例2
電池内に導入するアルカリ電解液量を、亜鉛粒子1gあたり0.99gとなるようにした以外は、実施例1と同様にして扁平形酸化銀電池を作製した。
実施例1〜3および比較例1〜2の電池について、電池系内の水分量を、前記の方法によって求めた。これらの結果を表1に示す。
また、実施例1〜3および比較例2の電池について、下記の放電容量測定、内部抵抗測定、および漏液試験を行った。これらの結果を表1に併記する。
<放電容量測定>
実施例1〜3および比較例1〜2の電池(電池系内の水分量測定を行っていない電池)各10個を用意し、20℃で、放電電流を20mAとし、終止電圧を1.0Vとして、連続放電を行い、放電容量(重負荷放電での容量)を測定した。なお、各実施例および比較例の電池の放電容量は、それぞれ10個の平均値を求め、表1では、実施例1の電池の放電容量の平均値を100とした場合の相対値で示している。
<内部抵抗測定>
実施例1〜3および比較例1〜3の電池各10個について、20℃における内部抵抗を交流インピーダンス測定(1kHz)によって測定し、それらの平均値を求め、これにより電池の負荷特性を評価した。
<漏液試験>
実施例1〜3および比較例1〜2の電池(前記の各試験を行っていない電池)各100個を用意し、電池作製後80℃で10日間エージング処理し、その後に目視にて漏液の発生の有無を確認した。
Figure 2010218711
表1から分かるように、実施例の電池では重負荷での放電容量が大きいのに対して、亜鉛1gに対する水分量が少ない比較例1の電池では、内部抵抗が高く、電子機器の電源を想定した重負荷での放電容量は、利用率が低下するために非常に小さい。
また、亜鉛1gに対する水分量が多い比較例2の電池では、内部抵抗が小さく、重負荷での放電容量も大きいが、水分量を多くするにあたって、電池内の電解液を多量に導入する必要があるため、漏液が発生する可能性が高くなり、漏液する電池が一部に発生した。
1 外装缶
2 封口板
3 正極(正極合剤成形体)
4 負極
5 セパレータ

Claims (4)

  1. 酸化銀と導電助剤とを少なくとも含有する正極合剤の成形体からなる正極、亜鉛粒子または亜鉛合金粒子を含有する負極、セパレータおよび電解液を、外装缶、封口板および樹脂製ガスケットからなる電池容器内に収容してなる扁平形酸化銀電池であって、
    前記負極の亜鉛粒子または亜鉛合金粒子は、水銀を含有しないものであり、
    電池系内の水分量が、前記負極の亜鉛粒子または亜鉛合金粒子1gあたり0.42〜0.55gであることを特徴とする扁平形酸化銀電池。
  2. 外装缶の内側底面と樹脂製ガスケットとの間に、正極合剤の成形体の外周部が配置されている請求項1または2に記載の扁平形酸化銀電池。
  3. 電池系内の電解液量が、負極の亜鉛粒子または亜鉛合金粒子1gあたり0.65〜0.90gである請求項1または2に記載の扁平形酸化銀電池。
  4. 電解液が水酸化カリウム水溶液であり、その水酸化カリウム濃度が、20〜40質量%である請求項1〜3のいずれかに記載の扁平形酸化銀電池。
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