JP2010218699A - 3極避雷管 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フェイルセイフスプリング20は、アース電極12の外周面に弾性的に装着される弾性装着片部22と、弾性装着片部に交差し、異常時にアース電極と一対のライン電極16a、16bとを電気的に短絡する短絡片部24とを備える。弾性装着片部と短絡片部との交差位置の内面と避雷管本体10aの外面との間に導電材が介装される。通常時、導電材は、避雷管本体の外周面およびライン電極に取り付けられたリードピン18b、18cから短絡片部を離間させるスペーサとして作用し、避雷管本体が過熱した際には導電材が溶融して弾性装着片部による付勢力により、短絡片部がリードピンに接触する位置まで移動する。
【選択図】図1
Description
フェイルセイフ機構が動作してライン電極とアース電極とが電気的に短絡した避雷管は新品に交換しなければならないが、避雷管の良否は、機構上、ライン電極に接続されている双方の電話回線がともにアース電位となることによって検知されるようになっている。したがって、ライン電極の一方のみがアース電位になったとしても、どの避雷管が不良になったかを検知することができず、交換すべき避雷管を検知することができないといった問題が生じる。
本発明は、フェイルセイフ機構を備えた3極避雷管において、ライン電極に侵入するサージ電流の位相が異なる場合や、サージ電流の大きさが異なる場合でも、ライン電極の双方とアース電極とを短絡させ、確実にフェイルセイフ機構を動作させて避雷管の放電を停止させることができる3極避雷管を提供することを目的とする。
以下、本発明に係る3極避雷管の実施の形態について、図面とともに詳細に説明する。 図1は、フェイルセイフ機構を備える3極避雷管の第1の実施の形態の斜視図である。本実施形態の3極避雷管10は、アース電極12と、アース電極12の両側にセラミック筒体14a、14bを介して配した一対のライン電極16a、16bとを備える。アース電極12とライン電極16a、16bの外面には、それぞれリードピン18a、18b、18cが溶接により取り付けられている。アース電極12、セラミック筒体14a、14b、ライン電極16a、16bが避雷管本体10aを構成する。
リードピン18a、18b、18cは、アース電極12とライン電極16a、16bの外面上に、同一の周方向位置に取り付けられ、リードピン18a、18b、18cは一列状配置(直線配列)となっている。
弾性装着片部22の挟持端部(両端部)には、アース電極12の外面に向けて突出する半球形の突起21が設けられている。
弾性装着片部22は、避雷管本体10aに装着した状態において、本体の周方向の3/4周分程度を包囲する長さに設けられている。
フェイルセイフスプリング20の弾性装着片部22と短絡片部24とが交差する部分には、はんだチップをセットする凹部26が、フェイルセイフスプリング20の外面から底部が若干突出する形態に形成されている。フェイルセイフスプリング20はこの凹部26にはんだチップ30を収容して避雷管本体10aに装着される。図1、2、3は、凹部26にはんだチップ30を収容してフェイルセイフスプリング20を装着した状態を示す。
図3は、はんだチップ30がスペーサとなってフェイルセイフスプリング20が、3極避雷管10の本体の外面と離間して装着されていることを示す。
フェイルセイフスプリング20の弾性装着片部22が避雷管本体10aの中央部に、避雷管本体10aを内側に抱え込むように装着され、弾性装着片部22と交差する配置に短絡片部24が設けられている。短絡片部24は、アース電極12とライン電極16a、16bに取り付けられているリードピン18a、18b、18cの基部位置の近傍に配置される。
前述したとおり、フェイルセイフスプリング20は弾性装着片部22と短絡片部24とからなる。短絡片部24は弾性装着片部22の長手方向の中央位置から一方に偏位した位置に、弾性装着片部22の長手方向に対して直交する向きに交差する配置に設けられる。弾性装着片部22の両端部近傍には突起21が設けられ、短絡片部24の両端部に曲げ片部24a、24bが設けられている。
凹部26は、はんだチップ30を凹部26内に収容することにより、はんだチップ30を避雷管本体10aの外面とフェイルセイフスプリング20との間に確実に介装させ、フェイルセイフスプリング20を装着する作用をなす。凹部26ははんだチップ30の厚さよりも深さが浅く設定される。
上述したように、フェイルセイフスプリング20は3極避雷管10の本体に弾性的に装着して用いるから、所要の弾性力を備える材料であればステンレス材以外の適宜材料を使用することができる。短絡片部24はアース電極12とライン電極16a、16bを電気的に導通させる作用をなす。したがって、フェイルセイフスプリング20の素材としては導電性を有する素材が使用される。また、耐候性を考慮して材質を選択し、基材の表面に必要に応じて耐蝕めっき等を施してもよい。
図1に示す3極避雷管10を組み立てる際には、フェイルセイフスプリング20の凹部26にはんだチップ30をセットし、挿通孔28にリードピン18aを挿入し、弾性装着片部22の両端を離反する向きに開きながら、避雷管本体10aの外面に弾性装着片部22を外嵌させて組み立てる。
図3に示すように、フェイルセイフスプリング20は、はんだチップ30が本体の外面(アース電極12が配置されている部位)に押接され、弾性装着片部22に設けた突起21がアース電極12の外面に当接した状態で装着される。
はんだチップ30を凹部26に収容し、リードピン18aを挿通孔28に挿通すると、リードピン18aははんだチップ30の側面によって挿通孔28内における位置が規制される。すなわち、リードピン18aは、はんだチップ30により、挿通孔28内において凹部26の外側に位置するように規制される。これによって、フェイルセイフスプリング20の短絡片部24は、リードピン18b、18cから離間した離間位置に支持される。いいかえれば、フェイルセイフスプリング20に形成する凹部26及びはんだチップ30は、凹部26にはんだチップ30を装着した状態において、リードピン18a、18b、18cと短絡片部24とが接触しない離間位置にあるようにその配置位置及び形状が設定される。
3極避雷管10の放電が継続して停止しなくなり、避雷管の本体の温度が過熱してはんだチップ30が溶融する温度にまで達すると、凹部26に収容されていたはんだチップ30が溶融し、はんだチップ30によるリードピン18aに対する規制力が失われ、リードピン18aが挿通孔28内で移動して凹部26内に進入する。すなわち、フェイルセイフスプリング20の弾性力によって短絡片部24がリードピン18b、18cに向けて移動する。図6(b)に、はんだチップ30が溶融した場合の短絡片部24の移動方向を矢印によって示している。短絡片部24の側縁部がリードピン18b、18cの外面に接触する接触位置まで移動することにより、短絡片部24を介してリードピン18a、18b、18cが導通し、アース電極12とライン電極16a、16bとが電気的に短絡する。
このとき、凹部26に収容されていたはんだチップ30が溶融した溶融はんだ30aは、フェイルセイフスプリング20の内面と避雷管本体10aの外面間において圧縮され、フェイルセイフスプリング20の内面と避雷管本体10aの外面間に濡れ広がる。
また、短絡片部24の両端に設けた曲げ片部24a、24bは、フェイルセイフスプリング20が縮径した際にライン電極16a、16bの外周縁に接触し、これによって、短絡片部24とライン電極16a、16bの電気的導通がさらに確実に確保される。
図7はフェイルセイフ機構付きの3極避雷管10の第2の実施の形態を示す斜視図であり、図8は避雷管本体10aに装着するフェイルセイフスプリング20の展開図である。本実施形態のフェイルセイフ機構も上述した第1の実施の形態において説明したフェイルセイフ機構と同様に、フェイルセイフスプリング20は弾性装着片部22と短絡片部24とを備え、はんだチップ30を介してフェイルセイフスプリング20が避雷管本体10aに弾性的に装着して組み立てられている。
弾性装着片部22に突起21、21aを設ける目的は、突起21、21aをアース電極12の外周面に接触させて、アース電極12と弾性装着片部22との電気的導通性を確実にすることと、はんだチップ30が溶融した際に弾性装着片部22が縮径する作用を確実にすることにある。
半球状あるいはV字状の突起21、21aは、プレス加工によって容易に弾性装着片部22に形成することができる。
図9は、3極避雷管10の避雷管本体10aの断面図を示す。前述したように、避雷管本体10aは、セラミック筒体14a、14bの端面にアース電極12とライン電極16a、16bをそれぞれ気密にろう付けして組み立てられている。図9は、避雷管本体10aに装着するフェイルセイフスプリング20の弾性装着片部22の装着位置を合わせて示している。
10a 避雷管本体
12 アース電極
14a、14b セラミック筒体
15 トリガー線
16a、16b ライン電極
18a、18b、18c リードピン
20 フェイルセイフスプリング
21、21a 突起
22 弾性装着片部
24 短絡片部
24a、24b 曲げ片部
24c、24d 溝
26 凹部
28 挿通孔
30 はんだチップ
30a 溶融はんだ
Claims (8)
- アース電極と、該アース電極の両側面にセラミック筒体を介して接合された一対のライン電極とを備える避雷管本体と、該避雷管本体の外面に装着された導電性を有するフェイルセイフスプリングとを備える3極避雷管において、
前記フェイルセイフスプリングは、前記アース電極の外周面に、前記避雷管本体を外側から挟持しながら避雷管本体の外周面に向けて圧縮する向きに付勢して装着される弾性装着片部と、該弾性装着片部に交差する配置に設けられ、前記アース電極と前記一対のライン電極とを電気的に導通する短絡片部とを備え、
前記フェイルセイフスプリングの前記弾性装着片部と前記短絡片部との交差位置の内面と、前記避雷管本体の外面との間に導電材が介装され、
前記導電材は、通常時には、前記短絡片部を、前記避雷管本体の外周面と、前記一対のライン電極に取り付けられたリードピンとから離間する離間位置に支持するスペーサとして作用し、
前記避雷管が過熱した際に溶融して前記弾性装着片部による付勢力により、前記短絡片部を前記アース電極に取り付けられたリードピンと前記ライン電極に取り付けられたリードピンに接触する接触位置まで移動させることを特徴とする3極避雷管。 - 前記フェイルセイフスプリングの交差位置に、前記アース電極に取り付けられたリードピンを挿通する挿通孔が設けられ、
該挿通孔は、前記短絡片部が前記離間位置と前記接触位置との間を移動する方向に長手となる長孔に形成されていることを特徴とする請求項1記載の3極避雷管。 - 前記フェイルセイフスプリングの交差位置に前記導電材を収容する凹部が形成され、
前記挿通孔は前記凹部に収容される前記導電材の平面領域内に一端側が進入する配置に設けられていることを特徴とする請求項2記載の3極避雷管。 - 前記フェイルセイフスプリングの交差位置に前記導電材を収容する凹部が形成され、
前記短絡片部の前記避雷管本体に対向する内面に、前記凹部に一端側が連通し、他端側が前記短絡片部の先端側まで延びる溝が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の3極避雷管。 - 前記短絡片部の両端に、前記ライン電極の外縁に接近する向きに曲げられ、該ライン電極の外縁の曲面にならって湾曲する曲げ片部が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の3極避雷管。
- 前記短絡片部の前記避雷管本体の外面に対向する部位は、避雷管本体の外面の曲面にならって湾曲して形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の3極避雷管。
- 前記弾性装着片部の両先端の前記避雷管本体の外面に対向する内面に、前記アース電極の外面に向けて突出する突起が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の3極避雷管。
- 前記弾性装着片部は、該弾性装着片部を前記避雷管本体に装着した際に、前記セラミック筒体の内面に設けられたカーボントリガー線と弾性装着片部の側縁位置とが、平面配置において重複する配置となるように幅寸法が設定されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項記載の3極避雷管。
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