JP2010216442A - エンジンの潤滑装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】オイル圧送通路4からリリーフ通路6を分岐させ、リリーフ通路6の分岐端にリリーフ弁室7を設け、リリーフ弁室7の入口8の開口周縁部に弁座8aを設け、リリーフ弁室7の周壁9に弁室出口10を設け、リリーフ弁室7内に弁体11を摺動自在に設け、弁体11を弁バネ12の付勢力13で弁座8aに着座させる方向に付勢し、オイル圧送通路4の油圧により、弁座8aから弁体11が所定寸法だけ離間した後に弁室出口10に対する弁体11の開弁が開始されるようにした、エンジンの潤滑装置において、弁バネ12による弁体11の弁座8aへの着座圧が、アイドリング運転時にオイル圧送通路4に発生する油圧よりも低くなるように弁バネ12のバネ圧を設定した。
【選択図】図1
Description
この種のエンジンの潤滑装置によれば、簡単な構造でオイル圧送通路の油圧を調節することができる利点がある。
上記従来技術では、エンジン運転中にリリーフ弁が騒音を発する。
その原因は、次の通りである。
すなわち、アイドリング運転状態からエンジン回転数が上昇し、オイル圧送通路に発生する油圧が高まってくると、弁座から弁体が離間を開始し、その開始直後、弁体の受圧面積が増加することにより、弁体にかかる力が急増し、弁体が弁座から離間する方向に過剰に摺動した後、過剰に増加した弁バネの付勢力で弁体が押し返される。このような弁体の挙動によって、オイル圧送通路の油圧が不安定化し、弁体が弁座に衝突することを繰り返し、これがリリーフ弁の騒音となる。
図1に示すように、オイル溜め(1)のエンジンオイル(2)を、クランク軸で駆動するオイルポンプ(3)でオイル圧送通路(4)を介してエンジン内の滑動部(5)に供給し、オイル圧送通路(4)からリリーフ通路(6)を分岐させ、リリーフ通路(6)の分岐端にリリーフ弁室(7)を設け、リリーフ弁室(7)のリリーフ通路(6)側端部にあるリリーフ弁室入口(8)の開口周縁部に弁座(8a)を設け、リリーフ弁室(7)の周壁(9)に弁室出口(10)を設け、リリーフ弁室(7)内に弁体(11)を摺動自在に設け、弁体(11)を弁バネ(12)の付勢力(13)で弁座(8a)に着座させる方向に付勢し、オイル圧送通路(4)の油圧により、弁座(8a)から弁体(11)が所定寸法だけ離間した後に弁室出口(10)に対する弁体(11)の開弁が開始されるようにした、エンジンの潤滑装置において、
弁バネ(12)による弁体(11)の弁座(8a)への着座圧が、アイドリング運転時にオイル圧送通路(4)に発生する油圧よりも低くなるように弁バネ(12)のバネ圧を設定した、ことを特徴とするエンジンの潤滑装置。
請求項1に係る発明は、次の効果を奏する。
《効果》 エンジン運転中にリリーフ弁が騒音を発する不具合を防止することができる。
エンジン運転中にリリーフ弁が騒音を発する不具合を防止することができる。
その理由は、次の通りである。
すなわち、図1に例示するように、弁バネ(12)による弁体(11)の弁座(8a)への着座圧が、アイドリング運転時にオイル圧送通路(4)に発生する油圧よりも低くなるように弁バネ(12)のバネ圧を設定したので、エンジン運転中、常に弁座(8a)から弁体(11)が離間しており、エンジン運転中に弁座(8a)から弁体(11)が離間を開始することによって生じる弁体(11)の受圧面積の増加、弁体(11)にかかる力の急増、弁座(8a)から離間する方向への弁体(11)の過剰な摺動、弁バネ(12)の付勢力(13)の過剰な増加、オイル圧送通路(4)の油圧の不安定化、弁体(11)の弁座(8a)への衝突がいずれも起こらず、エンジン運転中にリリーフ弁が騒音を発することがない。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 弁体の弁座への着座圧の設定が容易になる。
図1に示すように、弁バネ(12)を同心状の内外二重のバネ(12a)(12b)で構成し、弁体(11)を一方のバネ(12a)の付勢力だけで弁座(8a)に着座させ、弁体(11)が弁座(8a)から所定寸法だけ離間すると、弁体(11)が他方のバネ(12b)にも受け止められることにより、弁体(11)に内外二重のバネ(12a)(12b)の両付勢力がかかるようにしたので、弁体(11)を弁座(8a)に着座させる一方のバネ(12a)を調節するだけで、弁体(11)の弁座(8a)への着座圧の設定を行うことができ、弁バネ(12)による弁体(11)の弁座(8a)への着座圧の設定が容易になる。
図1に示すように、弁バネ(12)を同心状の内外二重のバネ(12a)(12b)で構成しているので、弁バネを直列バネで構成する場合に比べ、弁バネ(12)の全長を短くすることができ、リリーフ弁を小型に維持することができる。
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 弁バネの拘束によるリリーフ弁の故障が起こりにくい。
図1に示すように、内外二重のバネ(12a)(12b)の螺旋の旋回方向が相互に逆廻りとなるため、内外二重のバネ(12a)(12b)同士が相互に挟まりにくく、弁バネ(12)の拘束によるリリーフ弁の故障が起こりにくい。
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 リリーフ弁の調圧機能が高い。
図1に示すように、弁体(11)にキャップ形のプレス加工品を用いるので、切削加工品を用いる場合に比べ、弁体(11)の表面が滑らかである。
弁体(11)の周壁(16)にはオイル逃がし孔(14)を設け、弁体(11)が弁座(8a)から離間することによって弁体(11)に押された弁バネ収容室(15)内のエンジンオイル(2)が、オイル逃がし孔(14)を経て弁室出口(10)から流出するように構成したので、弁体(11)の摺動が弁バネ収容室(15)内に溜まったエンジンオイル(2)によって邪魔されることがない。
これらの理由により、弁体(11)がスムーズに摺動し、リリーフ弁の調圧機能が高い。
潤滑装置の概要は、次の通りである。
図1に示すように、オイル溜め(1)のエンジンオイル(2)を、クランク軸で駆動するオイルポンプ(3)でオイル圧送通路(4)を介してエンジン内の滑動部(5)に供給し、オイル圧送通路(4)からリリーフ通路(6)を分岐させ、リリーフ通路(6)の分岐端にリリーフ弁室(7)を設け、リリーフ弁室(7)のリリーフ通路(6)側端部にあるリリーフ弁室入口(8)の開口周縁部に弁座(8a)を設け、リリーフ弁室(7)の周壁(9)に弁室出口(10)を設け、リリーフ弁室(7)内に弁体(11)を摺動自在に設け、弁体(11)を弁バネ(12)の付勢力(13)で弁座(8a)に着座させる方向に付勢し、オイル圧送通路(4)の油圧により、弁座(8a)から弁体(11)が所定寸法だけ離間した後に弁室出口(10)に対する弁体(11)の開弁が開始されるようにしている。
図3に示すように、弁バネ(12)による弁体(11)の弁座(8a)への着座圧は0.05MPa(メガパスカル)、アイドリング運転時にオイル圧送通路(4)に発生する油圧は0.08MPa、弁室出口(10)に対する弁体(11)の開弁が開始される油圧は0.35MPa、弁体(11)による弁室出口(10)の全開の油圧は0.5MPaに設定されている。
一方のバネ(12a)は内側のバネ、他方のバネ(12b)は外側のバネである。内外二重のバネ(12a)(12b)は、リリーフ弁室(7)の弁座(8a)とは反対側の端部に設けられたバネ受け(16)で受け止められている。
弁体(11)の周壁(16)にはオイル逃がし孔(14)を設け、弁体(11)が弁座(8a)から離間することによって弁体(11)に押された弁バネ収容室(15)内のエンジンオイル(2)が、オイル逃がし孔(14)を経て弁室出口(10)から流出するように構成している。
(2) エンジンオイル
(3) オイルポンプ
(4) オイル圧送通路
(5) 滑動部
(6) リリーフ通路
(7) リリーフ弁室
(8) 分岐端開口
(8a) 弁座
(9) 周壁
(10) 弁室出口
(11) 弁体
(12) 弁バネ
(12a) バネ
(12b) バネ
(13) 付勢力
(14) オイル逃がし孔
(15) 弁バネ収容室
(16) 周壁
Claims (4)
- オイル溜め(1)のエンジンオイル(2)を、クランク軸で駆動するオイルポンプ(3)でオイル圧送通路(4)を介してエンジン内の滑動部(5)に供給し、オイル圧送通路(4)からリリーフ通路(6)を分岐させ、リリーフ通路(6)の分岐端にリリーフ弁室(7)を設け、リリーフ弁室(7)のリリーフ通路(6)側端部にあるリリーフ弁室入口(8)の開口周縁部に弁座(8a)を設け、リリーフ弁室(7)の周壁(9)に弁室出口(10)を設け、リリーフ弁室(7)内に弁体(11)を摺動自在に設け、弁体(11)を弁バネ(12)の付勢力(13)で弁座(8a)に着座させる方向に付勢し、オイル圧送通路(4)の油圧により、弁座(8a)から弁体(11)が所定寸法だけ離間した後に弁室出口(10)に対する弁体(11)の開弁が開始されるようにした、エンジンの潤滑装置において、
弁バネ(12)による弁体(11)の弁座(8a)への着座圧がアイドリング運転時にオイル圧送通路(4)に発生する油圧よりも低くなるように弁バネ(12)のバネ圧を設定した、ことを特徴とするエンジンの潤滑装置。 - 請求項1に記載したエンジンの潤滑装置において、
弁バネ(12)を同心状の内外二重のバネ(12a)(12b)で構成し、弁体(11)を一方のバネ(12a)の付勢力だけで弁座(8a)に着座させ、弁体(11)が弁座(8a)から所定寸法だけ離間すると、弁体(11)が他方のバネ(12b)にも受け止められることにより、弁体(11)に内外二重のバネ(12a)(12b)の両付勢力がかかるようにした、ことを特徴とするエンジンの潤滑装置。 - 請求項2に記載したエンジンの潤滑装置において、
内外二重のバネ(12a)(12b)の螺旋の旋回方向が相互に逆廻りとなっている、ことを特徴とするエンジンの潤滑装置。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載したエンジンの潤滑装置において、
弁体(11)にキャップ形のプレス加工品を用い、
弁体(11)の周壁(16)にはオイル逃がし孔(14)を設け、弁体(11)が弁座(8a)から離間することによって弁体(11)に押された弁バネ収容室(15)内のエンジンオイル(2)が、オイル逃がし孔(14)を経て弁室出口(10)から流出するように構成した、ことを特徴とするエンジンの潤滑装置。
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