JP2010215800A - プリプレグの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】連続的にプリプレグを製造する場合であっても、全体にわたって外観性状の良好なプリプレグを得ることができるプリプレグの製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明のプリプレグの製造方法は、繊維からなるシート状基材に、液晶ポリエステル及び溶媒を含む組成物を供給する工程と、組成物が供給されたシート状基材を、当該組成物を含む状態でのシート状基材の厚さよりも間隔が狭められた一対のロール間を通過させる工程と、一対のロール間を通過した後のシート状基材から、組成物に含まれる溶媒の少なくとも一部を除去して、シート状基材に液晶ポリエステルが含浸したプリプレグを得る工程とを有する。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のプリプレグの製造方法は、繊維からなるシート状基材に、液晶ポリエステル及び溶媒を含む組成物を供給する工程と、組成物が供給されたシート状基材を、当該組成物を含む状態でのシート状基材の厚さよりも間隔が狭められた一対のロール間を通過させる工程と、一対のロール間を通過した後のシート状基材から、組成物に含まれる溶媒の少なくとも一部を除去して、シート状基材に液晶ポリエステルが含浸したプリプレグを得る工程とを有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、プリプレグの製造方法に関する。
電子機器等に多用されているプリント基板を形成するための材料として、繊維製のシート基材に、樹脂を溶媒で溶かしたワニスを含浸させ、これを熱風等により乾燥・硬化させたプリプレグが使用されている。この場合、繊維と樹脂の組合せとしては、プリプレグの使用目的に応じて種々のものがある。多用されている組合せとしては、ガラス繊維とエポキシ樹脂との組み合わせ、紙とフェノール樹脂との組み合わせ等がある。
近年、電子機器においては、デジタル信号の伝播速度の高速度化や、動作周波数の高周波数化が進んでおり、旧来のプリプレグの電気特性(絶縁特性及び誘電特性)では、対応できない場合も増えつつある。
このような事情から、これまで、本出願人により、樹脂として液晶ポリエステルを用いて得られたプリプレグが、優れた電気特性を有し、さらにハンダ耐熱性にも優れていることから、プリント基板に極めて有用であることが開示されている(特許文献1)。また、本出願人により、プリプレグ製造用のワニスにおける液晶ポリエステルと溶媒との組合せを改良して、シート基材に対するワニスの付着ムラを改善したプリプレグが提供できることが開示されている(特許文献2)。
近年では、プリプレグの工業的な生産方法として、長尺状のシート基材をローラ等により走行させ、その走行過程でシート基材にワニスを含浸させた後、適当な手段で乾燥させることにより、プリプレグを連続的に製造することが行われている。
特許文献2で開示されたようなワニスを用いれば、シート基材に対するワニスの付着ムラが十分に少ないプリプレグを製造することができる。ところが、上記のようにプリプレグを連続的に製造する工業的な生産方法の場合、ワニスを改良するだけでは長尺状のシート基材の全体にわたって付着ムラを少なくすることは困難であり、部分的に外観性状が良好でないプリプレグが得られる場合もあった。
そこで、本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、連続的にプリプレグを製造する場合であっても、全体にわたって外観性状の良好なプリプレグを得ることができるプリプレグの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のプリプレグの製造方法は、繊維からなるシート状基材に、液晶ポリエステル及び溶媒を含む組成物を供給する工程と、組成物が供給されたシート状基材を、この組成物を含む状態でのシート状基材の厚さよりも間隔が狭められた一対のロール間を通過させる工程と、一対のロール間を通過した後のシート状基材から、組成物に含まれる溶媒の少なくとも一部を除去して、シート状基材に液晶ポリエステルが含浸したプリプレグを得る工程とを有することを特徴とする。
このような本発明の製造方法においては、シート状基材に液晶ポリエステル及び溶媒を含む組成物を供給した後に、一対のロール間を通過させている。一対のロールは、組成物が供給された状態のシート状基材の厚さよりも間隔が狭められていることから、この一対のロール間を通る際には、組成物が供給されたシート状基材が絞られることになる。したがって、組成物が供給されたシート状基材においては、一対のロール間を通されることによって、付着した組成物がシート状基材の繊維中に十分に含浸されるようになるほか、ロールによって表面がならされる。また、組成物の供給量が多すぎる場合には、ロールによって過剰な組成物がそぎ落とされることで、組成物の付着量が好適に調整される。その結果、本発明によれば、連続的な製造を行う場合であっても、シート基材に対する組成物の付着のムラを少なくでき、外観性状の良好なプリプレグを得ることが可能となる。
上記本発明においては、一対のロールは、それぞれシート状基材の進行方向と同じ方向又は逆方向に回転可能であり、その周速度Yとロール間を通るシート状基材の移動速度Zとの比Y/Zは、0を超え1.0以下であることが好ましい。こうすることで、ロールがシート状基材の表面をならしたり、過剰の組成物を除去したりすることが良好に行われ、液晶ポリエステルの含有量が好適で、しかも表面性状の良好なプリプレグが更に得られ易くなる。
シート状基材としては、ガラスクロスが好ましい。ガラスクロスは高強度であるため、シート状基材として用いた場合、ロールの通過時に加圧されても破壊等され難く、上述したような本発明の製造方法に特に有利である。
本発明によれば、連続的にプリプレグを製造する場合であっても、全体にわたって外観性状の良好なプリプレグを得ることができるプリプレグの製造方法を提供することが可能となる。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一の構成要素に同一の符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
好適な実施形態のプリプレグの製造方法は、繊維からなるシート状基材に、液晶ポリエステル及び溶媒を含む組成物を供給する工程、組成物が供給されたシート状基材を、当該組成物を含む状態でのシート状基材の厚さよりも間隔が狭められた一対のロール間を通過させる工程、及び、一対のロール間を通過した後のシート状基材から、組成物に含まれる溶媒の少なくとも一部を除去して、シート状基材に液晶ポリエステルが含浸したプリプレグを得る工程を有しており、しかも、長尺状のシート状基材を用いることで、シート状基材にこれらの一連の工程を連続的に行うものである。
まず、このようなプリプレグの製造方法に用いる材料について説明する。
(液晶ポリエステル)
本明細書において、液晶ポリエステルとは、溶融時に光学異方性を示し、450℃以下の温度で異方性溶融体を形成する特性を備えたポリエステルをいう。本実施形態における液晶ポリエステルとしては、下記式(1)で表される構造単位(以下、「式(1)構造単位」という。)と、下記式(2)で表される構造単位(以下、「式(2)構造単位」という。)と、下記式(3)で表される構造単位(以下、「式(3)構造単位」という。)とを有するものが挙げられる。そして、これらの構造単位の合計に対して、式(1)構造単位を30.0〜80.0モル%有し、式(2)構造単位を10.0〜35.0モル%有し、式(3)構造単位を10.0〜35.0モル%有するものが好ましい。
(1)−O−Ar1−CO−
(2)−CO−Ar2−CO−
(3)−X−Ar3−Y−
本明細書において、液晶ポリエステルとは、溶融時に光学異方性を示し、450℃以下の温度で異方性溶融体を形成する特性を備えたポリエステルをいう。本実施形態における液晶ポリエステルとしては、下記式(1)で表される構造単位(以下、「式(1)構造単位」という。)と、下記式(2)で表される構造単位(以下、「式(2)構造単位」という。)と、下記式(3)で表される構造単位(以下、「式(3)構造単位」という。)とを有するものが挙げられる。そして、これらの構造単位の合計に対して、式(1)構造単位を30.0〜80.0モル%有し、式(2)構造単位を10.0〜35.0モル%有し、式(3)構造単位を10.0〜35.0モル%有するものが好ましい。
(1)−O−Ar1−CO−
(2)−CO−Ar2−CO−
(3)−X−Ar3−Y−
式中、Ar1は、フェニレン又はナフチレン;Ar2は、フェニレン、ナフチレン又は−Ar11−Z−Ar12−で表される基;Ar3は、フェニレン又は−Ar11−Z−Ar12−で表される基;X及びYは、それぞれ独立にO又はNHを表わす。なお、Ar1、Ar2及びAr3の芳香環に結合している水素原子は、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。また、Ar11及びAr12はそれぞれ独立に、フェニレン又はナフチレンを表し、ZはO、CO又はSO2を表す。
式(1)構造単位は、芳香族ヒドロキシカルボン酸由来の構造単位である。この芳香族ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、パラヒドロキシ安息香酸、メタヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−4−ナフトエ酸等を挙げることができる。
式(2)構造単位は、芳香族ジカルボン酸由来の構造単位である。この芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエ−テル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルケトン−4,4’−ジカルボン酸等を挙げることができる。
式(3)構造単位は、芳香族ジオール、フェノール性水酸基を有する芳香族アミン又は芳香族ジアミンに由来する構造単位である。芳香族ジオールとしては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等を挙げることができる。フェノール性水酸基を有する芳香族アミンとしては、p−アミノフェノール、3−アミノフェノール等を挙げることができる。また、芳香族ジアミンとしては、1,4−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン等を挙げることができる。
液晶ポリエステルは、溶媒可溶性であると好ましい。溶媒可溶性とは、温度50℃において、1重量%以上の濃度で溶媒に溶解することを意味する。溶媒としては、後述する組成物(ワニス)の調製に用いる好適な溶剤のいずれか1種が好ましい。
溶媒可溶性を有する液晶ポリエステルとしては、上記式(3)構造単位として、フェノール性水酸基を有する芳香族アミンに由来する構造単位及び/又は芳香族ジアミンに由来する構造単位を含むものが好ましい。具体的には、式(3)構造単位として、そのX及びYの少なくとも一方がNHである構造単位、すなわち下記式(3’)で表される構造単位(以下、「式(3’)構造単位」という。)を含むと、後述するような好適な溶媒(非プロトン性溶媒)に対して優れた可溶性が得られる傾向がある。
特に優れた溶媒可溶性を得る観点からは、全ての式(3)構造単位が、式(3’)構造単位であることが好ましい。また、この式(3’)構造単位は、液晶ポリエステルの溶媒への溶解性を十分良好にすることに加えて、液晶ポリエステルが、より低吸水性となる点でも有利である。なお、下記式(3)中、Ar3及びXは上記式(3)と同義である。
(3’)−X−Ar3−NH−
(3’)−X−Ar3−NH−
式(3)構造単位は、全構造単位の合計に対し、10.0〜35.0モル%の範囲で含まれるとより好ましく、その全てが式(3’)構造単位であると特に好適である。こうすることにより、液晶ポリエステルの溶媒可溶性が一層良好になる。このように式(3)構造単位として、式(3’)構造単位を有する液晶ポリエステルは、溶媒に対する溶解性が高く、低吸水性であるという点に加えて、ワニスによる絶縁層の製造を更に容易にできるという利点も有している。式(3’)構造単位は、特に、液晶ポリエステルの溶媒溶解性に加えて、その構造単位を得るための化合物の入手性や経済性も合わせて考慮すると、4−アミノフェノール由来の構造単位であると好ましい。
液晶ポリエステルにおいて、式(1)構造単位は、全構造単位の合計に対して、30.0〜80.0モル%の範囲で含まれると好ましく、30.0〜50.0モル%の範囲で含まれるとより好ましく、30.0〜40.0モル%の範囲で含まれると更に好ましい。このようなモル分率で式(1)構造単位を含む液晶ポリエステルは、十分な液晶性を有するとともに、溶媒に対する溶解性がより優れる傾向にある。さらに、式(1)構造単位を得るための原料の入手性も合わせて考慮すると、式(1)構造単位を誘導する芳香族ヒドロキシカルボン酸は、p−ヒドロキシ安息香酸及び2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸のいずれか一方であると好適である。
式(2)構造単位は、全構造単位の合計に対して、10.0〜35.0モル%の範囲で含まれると好ましく、20.0〜35.0モル%の範囲で含まれるとより好ましく、25.5〜35.0モル%の範囲で含まれるとさらに好ましい。このようなモル分率で式(2)構造単位を含む液晶ポリエステルは、十分な液晶性を有するとともに、溶媒に対する溶解性がより優れる傾向にある。さらに、式(2)構造単位得るための原料の入手性も合わせて考慮すると、式(2)誘導単位を誘導する芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸及び2,6−ナフタレンジカルボン酸からなる群より選ばれる少なくも1種が好ましい。
さらに、液晶ポリエステルの液晶性をより高度に発現させる観点からは、式(2)構造単位と式(3)構造単位とのモル分率は、[式(2)構造単位]/[式(3)構造単位]で表した場合に、0.9/1.0〜1.0/0.9の範囲であると好適である。
このような液晶ポリエステルは、公知の方法により得ることができるが、例えば次のような製造方法によって好適に得ることができる。
すなわち、式(1)構造単位、式(2)構造単位及び式(3)構造単位を有する液晶ポリエステルを製造する場合、これらの構造単位を誘導する化合物(モノマー)を、エステル形成性・アミド形成性誘導体に転換した後に、重合させて液晶ポリエステルを得る方法が挙げられる。このような方法は、反応等の操作が簡便であるため好ましい。
各構造単位を誘導する化合物のエステル形成性・アミド形成性誘導体は、例えば、次のようなものである。まず、芳香族ヒドロキシカルボン酸や芳香族ジカルボン酸のような、カルボキシル基を有するモノマーのエステル形成性・アミド形成性誘導体としては、それらのカルボキシル基が、ポリエステルやポリアミドを生成する反応に有利なように、酸塩化物基や酸無水物基等の反応活性の高い基になっているものが挙げられる。また、カルボキシル基が、エステル交換・アミド交換反応によってポリエステルやポリアミドを生成できるように、アルコール類やエチレングリコール等とエステルを形成しているものも挙げられる。
また、芳香族ヒドロキシカルボン酸や芳香族ジオール等のような、フェノール性水酸基を有するモノマーのエステル形成性・アミド形成性誘導体としては、それらのフェノール性水酸基が、エステル交換反応によってポリエステルやポリアミドを生成できるように、カルボン酸類とエステルを形成しているものが挙げられる。さらに、芳香族ジアミンのように、アミノ基を有するモノマーのアミド形成性誘導体としては、例えば、それらのアミノ基が、アミド交換反応によりポリアミドを生成できるように、カルボン酸類とアミドを形成しているもの等が挙げられる。
なかでも、液晶ポリエステルの製造方法としては、より簡便に液晶ポリエステルを得る観点から、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジオール、フェノール性水酸基を有する芳香族アミン、芳香族ジアミンといったフェノール性水酸基及び/又はアミノ基を有するモノマーのフェノール性水酸基やアミノ基を、脂肪酸無水物でアシル化することで、各モノマーをエステル形成性・アミド形成性誘導体であるアシル化物とした後に、これらのアシル化物のアシル基と、カルボキシ基を有するモノマーにおけるカルボキシ基とのエステル交換・アミド交換を生じさせて重合させる方法が特に好ましい。このような製造方法は、例えば、特開2002−220444号公報、特開2002−146003号公報等に記載された製造方法に準じて行うことができる。
上記の液晶ポリステルの製造で行うアシル化においては、モノマーが有しているフェノール性水酸基とアミノ基との合計に対して、脂肪酸無水物の添加量を1.0〜1.2倍当量とすることが好ましく、1.05〜1.1倍当量とすることがより好ましい。この反応において脂肪酸無水物の添加量が1.0倍当量未満であると、重合時にアシル化物やその他のモノマーが昇華して反応系が閉塞し易い傾向がある。また、1.2倍当量を超える場合、得られる液晶ポリエステルに着色が著しく生じるおそれがある。
アシル化に使用される脂肪酸無水物としては、価格及び取扱性の観点から、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸やこれらから選ばれる2種以上の混合物が好ましい。なかでも、無水酢酸がアシル化に有利なため特に好ましい。アシル化の反応は、130〜180℃で5分〜10時間行うことが好ましく、140〜160℃で10分〜3時間反応させることがより好ましい。
アシル化に続いて行う、エステル交換・アミド交換による重合は、例えば、130〜400℃で0.1〜50℃/分の割合で昇温しながら行うことが好ましく、150〜350℃で0.3〜5℃/分の割合で昇温しながら行うことがより好ましい。また、この重合においては、アシル化物のアシル基が、カルボキシル基の0.8〜1.2倍当量となるようにすることが好ましい。
なお、液晶ポリエステルを製造する際のアシル化や重合においては、反応の平衡を生成物の側に移動させるため、反応中に副生する脂肪酸や未反応の脂肪酸無水物は、蒸発させる等して系外へ留去することが好ましい。
また、アシル化や重合は、触媒の存在下に行ってもよい。触媒としては、ポリエステルの重合用の触媒として公知のものを使用することができる。例えば、酢酸マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、三酸化アンチモン等の金属塩触媒、N,N−ジメチルアミノピリジン、N−メチルイミダゾール等の有機化合物触媒が挙げられる。
ただし、液晶ポリエステルを用いて、プリント基板の絶縁層としてのプリプレグを形成した場合に、電気特性を良好に得る観点からは、金属を含む触媒が残存していないようにすることが好ましい。そこで、そのような用途が想定される場合には、上記の触媒のなかでも、N,N−ジメチルアミノピリジン、N−メチルイミダゾール等の窒素原子を2個以上含む複素環状化合物からなる有機化合物触媒が好ましく使用される(例えば、特開2002−146003号公報参照)。
触媒を用いる場合、触媒は、通常モノマーの投入時に一緒に投入され、アシル化を行った後に除去することは必ずしも必要ではなく、触媒を含む状態でそのまま重合に移行することもできる。
このようにして好適に得られる液晶ポリエステルは、そのままでも後述するようなプリプレグの製造を好適に行うことができ、プリント基板等の材料として好適なプリプレグを形成できる。ただし、液晶性等の特性を更に向上させる観点からは、液晶ポリエステルは、更なる高分子量化により、更に高い流動開始温度を有するようにすることが好ましい。
液晶ポリエステルを更に高分子量化するためには、上述したような液晶ポリエステルの製造後、得られた液晶ポリエステルに対して更に固相重合を行うことが好ましい。固相重合は、例えば次のようにして行うことができる。まず、上記の重合後に得られた分子量がそれほど高くない状態の液晶ポリエステルを取り出し、これを粉砕してパウダー状もしくはフレーク状にする。続いて、この粉砕後の液晶ポリエステルを、例えば、窒素等の不活性ガスの雰囲気下、好ましくは20〜350℃、1〜30時間の条件で加熱処理する。これにより、固相状態のまま重合が進行(固相重合)して、液晶ポリエステルが高分子量化される。固相重合は、粉砕後の液晶ポリエステルを攪拌しながら行ってもよく、攪拌することなく静置した状態で行ってもよい。
なお、後述する好適な流動開始温度の液晶ポリエステルを得る観点からは、固相重合の条件は、200〜350℃の反応温度とすると好ましく、210〜300℃の反応温度とするとより好ましい。また、反応時間は0.1〜10時間から選択することがより好ましい。さらに、この反応温度の範囲であれば、固相重合の間に反応温度を昇温したり、降温したりしてもよい。また、このような反応温度や反応時間による固相重合の操作を複数回繰り返し行ってもよい。
本実施形態において、液晶ポリエステルは、その流動開始温度が250℃以上であると好ましい。この流動開始温度は高ければ高いほど、液晶ポリエステルを用いたプリプレグや、これを用いたプリント基板等のはんだ耐熱性が良好となる傾向にある。なお、ここでいう流動開始温度とは、フローテスターによる溶融粘度の評価において、9.8MPaの圧力下で液晶ポリエステルの溶融粘度が4800Pa・s以下となる温度をいう。この流動開始温度とは、液晶ポリエステルの分子量の目安として当業者に広く知られているものである(小出直之編、「液晶ポリマー−合成・成形・応用−」、95〜105頁、シーエムシー、1987年6月5日発行)。
このように、プリプレグやそれを用いた基板等の特性を高める観点からは、液晶ポリエステルの流動開始温度は高いほど好ましい。ただし、この流動開始温度は、液晶ポリエステルを用いた場合の加工性等を両立させる観点からは、液晶ポリエステルの溶媒可溶性が過度に損なわれないようにすることが望ましい。この点を考慮すると、液晶ポリエステルの流動開始温度は300℃以下であると好ましい。
流動開始温度が300℃以下であると、液晶ポリエステルの溶媒に対する溶解性が十分良好になり、後述するようなワニスとしたときに、その粘度が著しく大きくならないので、ワニスの取扱性が良好となる傾向がある。したがって、上述した特性の全てを良好に得る観点からは、液晶ポリエステルの流動開始温度は、260℃以上290℃以下であると特に好ましい。液晶ポリエステルの流動開始温度をこのような好適な範囲に制御するには、例えば、上述した固相重合の重合条件を最適化すればよい。
(ワニス)
プリプレグの製造においては、上述したような液晶ポリエステルを溶媒に溶解又は分散させた組成物(ワニス)を用いる。このワニスは、液晶ポリエステルを適当な溶媒に溶解又は分散、好ましくは溶解させることで得ることができる。ワニスに用いる液晶ポリエステルとしては、上述したように、式(3)構造単位として特に式(3’)構造単位を含むものが好ましい。このような液晶ポリエステルは、ハロゲン原子を含まない非プロトン性溶媒に対して十分な溶解性を発現することができる。
プリプレグの製造においては、上述したような液晶ポリエステルを溶媒に溶解又は分散させた組成物(ワニス)を用いる。このワニスは、液晶ポリエステルを適当な溶媒に溶解又は分散、好ましくは溶解させることで得ることができる。ワニスに用いる液晶ポリエステルとしては、上述したように、式(3)構造単位として特に式(3’)構造単位を含むものが好ましい。このような液晶ポリエステルは、ハロゲン原子を含まない非プロトン性溶媒に対して十分な溶解性を発現することができる。
ハロゲン原子を含まない非プロトン性溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;アセトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル等のエステル系溶媒;γ―ブチロラクトン等のラクトン系溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒;トリエチルアミン、ピリジン等のアミン系溶媒;アセトニトリル、サクシノニトリル等のニトリル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラメチル尿素、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒;ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ系溶媒;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄系溶媒、ヘキサメチルリン酸アミド、トリn−ブチルリン酸等のリン系溶媒が挙げられる。なお、液晶ポリエステルの溶媒可溶性とは、これらから選ばれる少なくとも1つの非プロトン性溶剤に可溶であることを指すものである。
液晶ポリエステルの溶媒可溶性をより一層良好にして、ワニスを得やすくする観点からは、例示した溶媒の中でも、双極子モーメントが3以上5以下の非プロトン性極性溶媒を用いることが好ましい。このような溶媒としては、アミド系溶媒又はラクトン系溶媒が好ましく、なかでも、N,N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N’−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリドン(NMP)がより好ましい。
ワニスにおいて非プロトン性極性溶媒を用いる場合、液晶ポリエステルは、非プロトン性極性溶媒100重量部に対して、好ましくは5〜50重量部、より好ましくは5〜30重量部溶解させる。ワニスにおける液晶ポリエステルの含有量がこのような範囲であると、シート状基材にワニスを含浸させる効率が一層良好となる傾向にある。
ワニスには、本発明の目的を損なわない範囲で、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルエーテル及びその変性物、ポリエーテルイミド等の熱可塑性樹脂;グリシジルメタクリレートとポリエチレンの共重合体に代表されるエラストマー;フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シアネート樹脂等の熱硬化性樹脂等、液晶ポリエステル以外の樹脂を一種又は二種以上添加してもよい。ただし、このような他の樹脂を用いる場合でも、これらの樹脂は、ワニスに使用した溶媒に可溶であることが好ましい。
また、ワニスには、寸法安定性、熱伝導性の改善等を目的として、本発明の効果を損なわない範囲で、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム等の無機フィラー;硬化エポキシ樹脂、架橋ベンゾグアナミン樹脂、架橋アクリルポリマー等の有機フィラー;シランカップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤が、一種又は二種以上添加されていてもよい。
なお、ワニスは、上述したような各成分を混合し、溶媒に液晶ポリエステルやその他の樹脂を溶解させることによって得ることができる。この際、ワニスに対しては、それに含まれている微細な異物を、フィルター等を用いたろ過によって除去する処理を行ってもよい。また、ワニスには、必要に応じて、脱泡処理を行ってもよい。
(シート状基材)
プリプレグの製造に用いる繊維からなるシート状基材としては、無機繊維及び/又は有機繊維からなる織物、不織布シート等が好適であり、中でも無機繊維からなるシート状基材が好ましい。ここで、無機繊維としては、ガラスに代表されるセラミック繊維が挙げられ、ガラス繊維、アルミナ系繊維、ケイ素含有セラミック系繊維等が例示される。これらのなかでも、シート状基材としては、ガラスクロスが好ましい。ガラスクロスは、比較的高い機械強度を有するので、ガラスクロスにワニスを供給した後、後述するようにスクイズロールで圧接したとしても、シート状基材を構成する繊維が割れたり、切れたりすることを良好に防止することができる。また、ガラスクロスは、容易に入手できるという利点もあり、コストの面からも好適である。
プリプレグの製造に用いる繊維からなるシート状基材としては、無機繊維及び/又は有機繊維からなる織物、不織布シート等が好適であり、中でも無機繊維からなるシート状基材が好ましい。ここで、無機繊維としては、ガラスに代表されるセラミック繊維が挙げられ、ガラス繊維、アルミナ系繊維、ケイ素含有セラミック系繊維等が例示される。これらのなかでも、シート状基材としては、ガラスクロスが好ましい。ガラスクロスは、比較的高い機械強度を有するので、ガラスクロスにワニスを供給した後、後述するようにスクイズロールで圧接したとしても、シート状基材を構成する繊維が割れたり、切れたりすることを良好に防止することができる。また、ガラスクロスは、容易に入手できるという利点もあり、コストの面からも好適である。
ガラスクロスとしては、含アルカリガラス繊維、無アルカリガラス繊維、低誘電ガラス繊維からなるものが好ましい。また、ガラスクロスには、その構成繊維として、一部にガラス以外のセラミックからなるセラミック繊維又は炭素繊維を混入していてもよい。さらに、ガラスクロスを構成する繊維は、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤等のカップリング剤で表面処理されていてもよい。
このようなガラスクロスを製造する方法としては、例えば、ガラスクロスを形成する繊維を水中に分散し、必要に応じてアクリル樹脂等の糊剤を添加して、抄紙機にて抄造した後、乾燥させることでガラス繊維からなる不織布を得る方法や、公知の織成機を用いて織布を形成する方法等が挙げられる。
ガラスクロスを構成する繊維の織り方としては、平織り、朱子織り、綾織り、ななこ織り等が利用できる。その織り密度は、10〜100本/25mmであると好ましく、またガラスクロスの単位面積あたりの質量は10〜300g/m2であると好ましい。ガラスクロスの厚みは、10〜200μm程度であると好ましく、10〜180μmであるとさらに好ましい。
このようなガラスクロスは、例えば市販のものをそのまま適用してもよい。ガラスクロスとしては、電子部品の絶縁含浸基材として種々のものが市販されており、例えば、旭シュエーベル(株)製、日東紡績(株)製、有沢製作所(株)製のものが入手可能である。このようなガラスクロスとしては、IPC呼称で1035、1078、2116、7628のものが、好適な厚みを有することから好適である。
次に、上述したような材料を用いたプリプレグの製造方法の好適な実施形態について説明する。
図1は、好適な実施形態のプリプレグの製造に用いられる装置構成を模式的に示す図であり、図2は、図1に示した含浸槽及びスクイズロール付近の構成Aを拡大して示す図である。図1に示すように、本実施形態のプリプレグの製造装置は、長尺状のシート状基材が巻き取られた基材ロール1と、このシート状基材から得られたプリプレグを巻き取るプリプレグロール2と、これらの間に順に配置された含浸槽3、スクイズロール5及び乾燥炉4を備えた構成を有している。本実施形態では、長尺状のシート状基材を、含浸槽3、スクイズロール5及び乾燥炉4の順に通過するように走行させることで、プリプレグを連続的に製造する。
このような製造方法においては、まず、基材ロール1を回転させるなどして、一端から巻き取られた状態のシート状基材10を順次送り出す。この送り出されたシート状基材10は、図2に示すように、ガイドローラーG1によって含浸槽3内に誘導され、含浸槽3に収容されたワニスWに浸漬された後、含浸槽3から送り出される。これにより、シート状基材10は、ワニスWが供給(好ましくは含浸)されて含浸基材11となる(含浸工程)。この含浸槽3内には、上述したような液晶ポリエステル及び溶媒を含むワニスWが槽内を満たすように収容されている。
含浸槽3は、連続的に走行しているシート状基材10をワニスW中に十分に浸すことができる程度の深さを有している。この含浸槽3では、シート状基材10が、ワニスW中に入ってから出るまでの時間(含浸時間)を、ワニスWの粘度やシート状基材10に含浸させるべきワニスの量に応じて調整する。これらの条件は、シート状基材10の走行速度や含浸槽3の内部寸法により調節することが好ましい。
含浸槽3から送り出された含浸基材11は、次いで、スクイズロール5を通過し、ワニスWの付着量が調整された含浸基材12となる(絞り工程)。スクイズロール5は、図2に示すように、一対のロール5A及び5Bが、含浸基材11を挟むように対向配置されたものである。この一対のロール5Aと5Bとは、それらの間隔が、少なくとも含浸基材11の厚さ(シート状基材10とこれに付着したワニスWとを含む合計の厚さ)よりも狭くなるように配置されている。これにより、含浸基材11は、スクイズロール5において絞られることになる。その結果、ワニスWがシート状基材10中に十分に含浸されるとともに、過剰に付着したワニスWについてはそぎ落とされることとなる。
スクイズロール5においては、後述する乾燥工程後に得られるプリプレグ13における、プリプレグ13の質量に対する液晶ポリエステルの量が、好ましくは30〜70質量部、より好ましくは40〜70質量部となるように調整する。
スクイズロール5において、一対のロール5A,5B間の間隔は、上述のとおり、含浸基材11の厚さよりも狭くなっている。この間隔は、目的とするプリプレグ13の厚み等にあわせて適宜調整することができる。
スクイズロール5における一対のロール5A,5Bは、自ら回転する(自回転する)ものであっても、含浸基材11の走行に伴って回転するものでもよい。自回転するロール5A,5Bを備えるスクイズロール5によれば、含浸基材12におけるワニスWの付着量の調整を容易に行うことができ、また得られるプリプレグ13の表面も十分にならされ、表面の平滑化を達成できる。
ロール5A,5Bが自回転する場合、その回転方向は、含浸基材11の進行方向と同一方向であっても、反対方向であってもよい。その場合、ロール5A,5Bの周速度Yと、含浸基材11(すなわち、これに含まれるシート状基材10)の移動速度Zとの比Y/Zは、0を超え1.0以下であると好ましく、0を超え0.5以下であるとより好ましい。このようにすることで、含浸基材11の移動に対してロール5A,5Bが適度に回転することになり、含浸基材11の表面を平滑にしたり、ワニスWを除去したりするのに有利となる。また、これらの速度差を適度な範囲とすることで、摩擦が過度に生じなくなって、含浸基材11(シート状基材10)が破壊されること等を効果的に低減できる。
スクイズロール5の通過後、含浸基材12は、図1に示すように、ガイドロールG2によって乾燥炉4内に誘導される。この乾燥炉4内で、含浸基材12に含浸されたワニスW中の溶媒が揮発等により除去され、プリプレグ13が得られる(乾燥工程)。乾燥炉4においては、ワニスW中の溶媒を全て除去してもよく、一部が残るようにしてもよい。また、乾燥炉4では、ワニスW中の溶媒が揮発するだけでなく、ワニスWに含まれる液晶ポリエステルの重合が生じ、液晶ポリエステルが高分子量化するようにすると好ましい。
溶媒の除去や、液晶ポリエステルの重合を適度に生じさせる観点からは、乾燥炉4内の設定温度は、80〜300℃とすることが好ましく、100〜200℃とすることがより好ましい。このような温度の設定を容易に行う観点からは、乾燥炉4は、内部に輻射式加熱手段を備えていると好適である。
また、含浸基材12が乾燥炉4内を通過する時間は、少なくともワニスW中の溶媒が揮発する時間に設定し、好ましくは、液晶ポリエステルの高分子量化が生じるように設定する。このような通過時間が得られるように、含浸基材12の走行速度に合わせて、乾燥炉4内に配置される含浸基材12の長さを設定することが好ましい。なお、乾燥炉4内は、液晶ポリエステルの望ましくない副反応等を避ける観点から、窒素等の不活性ガスで置換するようにしてもよい。さらに、図示しないが、例えば、乾燥炉4を複数個設け、含浸基材12を、この複数個の乾燥炉4を順に通過させるようにする等して、乾燥工程における乾燥の操作を複数回に分けて実施してもよい。
乾燥炉4から送り出されたプリプレグ13は、ガイドロールG3及びガイドロールG4によって走行方向を変えられた後、プリプレグロール2に巻き取られる。このように、基材ロール1から送り出されたシート状基材10を、含浸槽3、スクイズロール5及び乾燥炉4を順次通過させることにより、プリプレグ13を連続的に製造することが可能となる。このような製造工程において、シート状基材10の走行速度は、上記の各工程を良好に行うとともに、良好な生産性を得る観点からは、0.5〜20m/sとすることが好ましく、1〜10m/sとすることがより好ましい。
以上のような製造方法によって得られるプリプレグ13は、ワニスWの含浸後、スクイズロール5を通されたものであるため、ワニスWに含まれていた液晶ポリエステルがシート状基材10に良好に含浸されているとともに、液晶ポリエステルの含浸量が好適であり、また、含浸量のムラが少ないため外観性状も良好なものとなる。したがって、このようにして得られたプリプレグは、プリント基板等を形成するための材料として好適なものとなる。
1…シート状基材ロール、2…プリプレグロール、3…含浸槽、4…乾燥炉、5…スクイズロール、5A,5B…ロール、10…シート状基材、11…含浸基材、12…含浸基材、13…プリプレグ、W…ワニス、G1,G2,G3,G4…ガイドロール。
Claims (3)
- 繊維からなるシート状基材に、液晶ポリエステル及び溶媒を含む組成物を供給する工程と、
前記組成物が供給された前記シート状基材を、当該組成物を含む状態での前記シート状基材の厚さよりも間隔が狭められた一対のロール間を通過させる工程と、
前記一対のロール間を通過した後の前記シート状基材から、前記組成物に含まれる前記溶媒の少なくとも一部を除去して、前記シート状基材に前記液晶ポリエステルが含浸したプリプレグを得る工程と、
を有することを特徴とするプリプレグの製造方法。 - 前記一対のロールは、それぞれ前記シート状基材の進行方向と同じ方向又は逆方向に回転可能であり、その周速度Yと前記シート状基材の移動速度Zとの比Y/Zは、0を超え1.0以下である、ことを特徴とする請求項1記載のプリプレグの製造方法。
- 前記シート状基材がガラスクロスである、ことを特徴とする請求項1又は2記載のプリプレグの製造方法。
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