JP2010215752A - 熱可塑性液晶樹脂の製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】機械的強度、成形加工性、等を改善し、優れた高融点の熱可塑性液晶樹脂を提供する。
【解決手段】着色体の含有量が1重量%以下である2,6-ナフタレンジカルボン酸を、全モノマー中の原料のモノマーとして、1〜50モル%使用することを特徴とする熱可塑性液晶樹脂の製造法。
【選択図】なし

Description

本発明は高融点の熱可塑性液晶樹脂に関するものである。更に詳しくは、本発明は着色体の含有量が1重量%以下である2,6-ナフタレンジカルボン酸(以後、2,6-NDCAと略す)を使用することで、高融点の熱可塑性液晶樹脂を製造することに関する。
熱可塑性液晶樹脂は機械的強度及び溶融成形性に優れ、しかも耐薬品性、耐炎性、振動減衰特性等にも優れているという他の熱可塑性液晶樹脂には無い特徴を有しているため、多くの分野から注目を集め、電気・電子分野をはじめとしてオフィスオートメーション関連機器、自動車、スポーツ、機械部品等の分野において需要が伸びている。
また、その成形品の形状としては、射出成形品のような三次元的なものだけではなく、紡糸された繊維、パルプ等としても使用されており、フィルム、シートとしても実用化されつつある。
しかし、熱可塑性液晶樹脂はその構成単位、組成比により異なるが、一般的には耐熱性に優れているものの、熱可塑性を保っている限り、融点もしくは流動開始温度以上の高温領域では当然のことながら使用できず、用途の拡大の妨げとなっている。このためできるだけ高融点の熱可塑性液晶樹脂が要望されている。
このような熱可塑性液晶樹脂の特性に鑑み、その用途の拡大を図るべくいくつかの提案がなされている。
たとえば、特許文献1では、熱可塑性液晶形成性樹脂成形物を微粒子状炭素及び/または微粒子状炭素化合物が共存する状態で該熱可塑性液晶形成性樹脂成形物のガラス転移温度以上に加熱する方法を提案している。しかし、微粒子状炭素及び/または微粒子状炭素化合物を該熱可塑性液晶形成性樹脂に分散させる方法では機械的強度の低下及び成形性の低下を招く。また、微粒子状炭素及び/または微粒子状炭素化合物を該熱可塑性液晶形成性樹脂に接触させる方法では流動床のような複雑な構造の加熱炉を必要とするのみならず、その高耐熱化の効果も成形物表面に及ぶだけである。
特許文献2では、液晶樹脂と高耐酸性の非液晶性芳香族樹脂よりなる樹脂複合体において、液晶樹脂もしくは高耐酸性の非液晶性芳香族樹脂のいずれかに、もしくは液晶樹脂及び高耐酸性の非液晶性芳香族樹脂に、鉄、クロム、コバルトの少なくとも1種の金属及び金属化合物を添加あるいは付着させることにより不融化が達成できると述べられている。しかし、前記微粒子状炭素化合物の場合と同様の理由により、機械的強度の低下および成形性の低下を招いたり、複雑な構造の加熱炉を必要とする。
特許文献3では、繊維軸方向に配向した液晶を形成する高分子化合物と、ピッチ成分とから構成されているピッチ糸が提案されているが、その目的はピッチ糸の製糸性やハンドリング性の向上にあり、本発明とは本質的に目的が異なるものである。
更には、特許文献4では、液晶ポリエステル樹脂成形品を、その加熱処理前の熱変形温度以下30℃から融点以下5℃までの温度で加熱処理することにより物性、特に熱変形温度を向上させる方法が、また特許文献5では、非晶質液晶ポリエステルからなる成形品を熱処理して結晶化させ、その融点をガラス転移点よりも50℃以上高くする方法が、それぞれ提案されている。しかし、本発明のように耐熱性を向上するために融点の上昇を目的としたものとは異なる。
特開平1−156365号公報 特開平1−207358号公報 特開平1−282310号公報 特開昭63−290723号公報 特開平1−195029号公報
本発明の目的は、機械的強度、成形加工性、等を改善し、優れた高融点の熱可塑性液晶樹脂を提供することにある。
本発明者らは、熱可塑性液晶樹脂が本来備えている機械的強度や溶融成形性を損なうことなく、さらに耐溶融性、耐熱性を改良すべく鋭意研究した結果、着色体の含有量が1重量%以下に低下させた2,6-NDCAを使用することにより、高融点の熱可塑性液晶樹脂が得られることを見いだし、本発明を完成させた。
本発明は、原料モノマーとして着色体の含有量が1重量%以下に低下させた2,6-NDCAを使用した熱可塑性液晶樹脂に関する発明である。すなわち、
(A)着色体の含有量が1重量%以下である2,6-ナフタレンジカルボン酸を、全モノマー中の原料のモノマーとして、1〜50モル%使用することを特徴とする熱可塑性液晶樹脂の製造法。
(B)水酸化ナトリウム水溶液に、前記2,6-ナフタレンジカルボン酸を、0.1g/ml溶解した溶液の吸光度OD400が、0.050以下である(A)に記載の熱可塑性液晶樹脂の製造法。
本発明の構成を採用することにより、熱可塑性液晶樹脂が本来備えている溶融成形性や機械的強度を維持しつつ、耐熱性を向上できる熱可塑性液晶樹脂を得ることができる。特に、着色体の含有量を1重量%以下に低下させた2,6-NDCAを使用することにより熱可塑性液晶樹脂の耐熱性等を改良することが可能となる。
以下にさらに詳細に本発明を説明する。
多種の着色体がモノマー中に含まれる。着色体はモノマーを製造する工程で、モノマー原量中に含まれるものや副生物として生成しモノマー中に混入するものがある。特に2,6-NDCAを、酢酸溶媒で、分子状酸素を利用して酸化により製造した場合、生成する着色体は量が多い。着色体が少ないほど色価は低くなり、2,6-NDCA中の着色体の含有量は1重量%以下であることが好ましい。特に、分子量が2,6-NDCAより大きい物質の含量が0.8重量%以下であることが好ましい。その中で、特に3つ以上のカルボキシル基をもった物質は少ないほど好ましい。
本発明で使用する熱可塑性液晶樹脂は、着色体の含有量を1重量%以下に低下させた2,6-NDCAを、熱可塑性液晶樹脂の原料として使用する全モノマー中のモル%として、1〜50モル%、好ましくは5〜40モル%、更に好ましくは16〜30モル%使用する。
2,6-NDCA中の着色体の含有量を1重量%以下にして、色価を低下させることが必要である。特にNaOH水溶液に溶解させた溶液の吸光度が小さいほどよく、例えば2,6-NDCAを0.1g/ml溶解させた1Nの NaOH溶液の400nmの吸光度(OD400)が、0.01〜0.50、好ましくは0.01〜0.30であることが好ましい。他の波長でも低い方が好ましい。
本発明に供せられる熱可塑性液晶樹脂として、段落0014に記載の2,6-NDCAを使用する以外は、下記の式[3]の構造単位、式[3]と式[1]の構造単位、式[3]と式[6]の構造単位、又は、式[3]と式[1]と式[6]の構造単位からなるものを例示できるが、これらの構造単位に限定されるものではない。
−A−X−CO− [1]
式[1]中、Aは、−O−、−NH−から選ばれる1種以上の結合基である。Xは、下記の式[2]に示す構造式から選ばれる1種以上であり、芳香環上の水素の1個以上がハロゲン、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基から選ばれる1種以上の基に置換されていても良い。
Figure 2010215752
−OC−Y−CO− [3]
式[3]中、Yは下記の式[4]に示すから選ばれる1種以上であり、芳香環上の水素の1個以上がハロゲン、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基から選ばれる1種以上の基に置換されていてもよい。
Figure 2010215752
上記Ar は、下記の式[5]から選ばれる一種以上である。
Figure 2010215752
−B−Z−O− [6]
式[6]中、Bは、−O−、−NH−から選ばれる1種以上の結合基であり、Zは下記の式 [7]に示す構造単位から選ばれる1種以上であり、芳香環上の水素の1個以上がハロゲン、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基から選ばれる1種以上の基に置換されていてもよい。
Figure 2010215752
段落0014に記載の2,6-NDCAと、式[3]の構造単位、式[3]と式[1]の構造単位、式[3]と式[6]の構造単位、又は、式[3]と式[1]と式[6]の構造単位からなる構造単位を、適宜組み合わせて得られる400℃以下で異方性溶融相を形成する熱可塑性液晶樹脂が本発明において好ましく用いられる。
本発明に供せられる熱可塑性液晶樹脂の製造方法は特に制限されるものではなく、従来公知の製造方法に準じて製造できる。代表的な製造方法としては、式[6]の構造単位が、 −CH2 CH2 −以外のものである場合には、例えば次の(イ)〜(ハ)の方法が、式[6]の構造単位が−CH2 CH2 −である場合には例えば、次の(ニ)の方法が挙げられるが、これらの製造方法に限定されるものではない。
(イ)芳香族ジカルボン酸類、芳香族ジヒドロキシ化合物類のジ酢酸エステルおよび芳香族ヒドロキシカルボン酸類の酢酸エステルとから脱酢酸重縮合反応により製造する方法。
(ロ)芳香族ジカルボン酸類、芳香族ジヒドロキシ化合物類および芳香族ヒドロキシカルボン酸類に無水酢酸を共存させてフェノール性水酸基をアセチル化した後、脱酢酸重縮合反応により製造する方法。
(ハ)芳香族ジカルボン酸類のジフェニルエステル、芳香族ジヒドロキシ化合物および芳香族ヒドロキシカルボン酸のフェニルエステルとから脱フェノール重縮合反応により製造する方法。
(ニ)ポリエチレンテレフタレート等の芳香族ジカルボン酸とエチレングリコールとのポリエステルを共存させながら、(イ)または(ロ)の方法で製造する方法。
熱可塑性液晶樹脂だけでも実用に充分耐え得る機械的強度を有しているが、要求される性能に応じて耐熱性を備えた各種の充填材を、熱処理する前の熱可塑性液晶樹脂の段階で配合して樹脂組成物としても良い。
そのような充填材を例示すれば、たとえば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、チタン酸カリウムウイスカ、ガラスビーズ、ガラスバルーン、タルク、マイカ、クレー、硫酸バリウム、アスベスト、ロックウール、ウオラストナイトのごとき無機充填材や、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)繊維、ポリ(ベンズイミダゾール)繊維のごとき耐熱性に優れた有機充填材が挙げられる。
その他、本発明の目的を損なわない限り、顔料、滑剤、酸化防止剤等の添加剤を添加して熱可塑性液晶樹脂組成物とすることもできる。熱可塑性液晶樹脂組成物の形状としては、射出成形品のごとき三次元的形状のもの、紡糸して得られるフィラメントや繊維、ストランドやペレットに粉砕等の処理を施して得られるパルプ、押出成形して得られるシートやフィルム等、任意の形状とすることができる。
尚、上記紡糸加工もしくは粉砕加工により、繊維状もしくはパルプ状物とする場合、熱処理前に予め粉状の無機化合物、例えば、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉛、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アルミナ・シリカ、クレー、タルク、マイカ、珪藻土、及び草木灰等の少なくとも一種を配合しておくと、酸素存在下に熱処理する際の融着を防止できる。
本発明において、熱可塑性液晶樹脂の融点とは、示差走査熱量計(DSC)を用いて、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下において、毎分20℃の昇温速度で測定する際に観測される吸熱ピークを示す温度をいう。
本発明においては、熱可塑性液晶樹脂を以上に述べたように、着色体の含有量が1重量%以下である2,6-NDCAを樹脂組成物の一部として使用することにより、耐溶融性を維持しながら融点を上げることが可能となり、耐熱性、機械的強度等に優れた熱可塑性液晶樹脂組成物を容易に得ることができる。
本発明により改良された熱可塑性液晶樹脂は、他の熱可塑性液晶樹脂あるいは熱硬化性樹脂と組み合わせて樹脂組成物とし、耐熱性複合材料の強化材として、またプリント基板用基材、ロープ、魚網、自動車用ブレーキパッドもしくはクラッチフェーシング等の摩擦材料、慴動材料、耐熱フィルター、耐薬品性フィルター等の材料として有用である。特に耐熱性を要求される電気・電子機器部品、OA機器部品、化学機器類、自動車エンジン周辺部品等として有用である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明が以下の実施例のみに限定されるものではない。尚、参考例、実施例、及び比較例における各種測定は以下の方法によった。
(1) 融点
示差走査熱量計(DSC)(セイコー電子(株)製、SSC−560S型)を使用し、試料10mgをアルミニウム製非密封容器に入れ、窒素ガス気流中(30ml/分)にて、30℃より昇温速度20℃/分で昇温して測定し、吸熱ピークを示す温度を融点とした。
(2)色価:OD400
分光光度計(日立ハイテクノロジーズ製、U−3310)を使用し、試料1gを秤量し、市販試薬の1NのNaOH水溶液10mlを加え溶解させた溶液を、フィルターでろ過後、10mm石英セルに入れ、400nmの吸収を測定した。ブランクには市販試薬の1NのNaOH水溶液を使用した。吸光度/試料(g)=OD400とした。
<参考例1>
以下に実施例、比較例で使用した2,6-NDCAの色価を示す。
{サンプルA}
和光純薬製の2,6-NDCAの色価は、OD400=0.03であった。
{サンプルB}
原料液の調製
市販試薬の氷酢酸1797gに、市販試薬の酢酸コバルト(四水塩)3.8g 、市販試薬の酢酸マンガン(四水塩)32.0g、市販試薬の臭化水素(47%水溶液)7.43gを混合し溶解させ、触媒液を調製した。撹拌機、環流冷却器および原料送液ポンプを備えた5Lチタン製オートクレーブに前記の触媒液740gを仕込んだ。残りの触媒液は2,6-ジメチルナフタレン180gと混合し原料供給槽に仕込み、加熱してMGC製造品の2,6-ジメチルナフタレンを溶解させ、原料液を調製した。
酸化反応
窒素で反応系内の圧力を 18kg/cm2 G に調整し、撹拌しながら温度 210℃に加熱した。温度、圧力が安定した後、原料液および圧縮空気を反応器に供給し酸化反応を開始した。反応器オフガス中の酸素濃度が 0.1容量% になるように供給空気流量を調節しながら、原料液を 2時間かけて連続的に供給した。原料液の供給終了後、空気の供給を 9分間継続した。反応終了後、オートクレーブを室温まで冷却して反応生成物を取り出し、ガラスフィルターで吸引濾過し、水および酢酸で洗浄後、乾燥し、粗2,6-NDCAが得られた。
精製
この粗2,6-NDCAの20.0gを、300ml の加圧濾過装置中に、トリエチルアミン:TEA 20.0g(2,6-NDCAに対して1.07当量)、10wt% の水を含むアセトン溶液100gを採り、100℃で混合して2,6-NDCAを溶解し、1μm の金属製フィルターで不溶物である重金属成分を濾過し取り除いた。濾液全量を攪拌装置、濾過装置、ガス抜き出し口を備えた300ml オートクレーブに移し、窒素置換後、100℃で30分混合した。25℃まで8時間かけて冷却し、この晶析操作により析出した2,6-NDCA・TEAの塩の結晶を濾別し、アセトン50g で洗浄した。この時の2,6-NDCA・TEA塩の回収率は96.7%であった。次に得られた2,6-NDCA・TEA塩の結晶に水60g を加え水溶液とし、200℃まで加熱し、同温度下、100g/hr.の速度で水を加え、さらに系内を30kg/cm2の全圧となるように窒素を吹き込みながら、送水量と同量の留出液を反応装置上部から抜き出す操作を2時間行なった。総留出液量は溶液中2,6-NDCAに対して約10倍量であった。次いで同温度で加圧濾過し、得られた2,6-NDCAの結晶を水および酢酸で洗浄後、 120℃で 5時間乾燥した。得られたサンプルBの色価は、OD400=0.47であった。
{サンプルC}
サンプルBのときと同じ原料液を使用し、同じ反応条件で触媒液500gに変えた以外は同様の反応条件で酸化反応を行った。反応終了後、オートクレーブを室温まで冷却して反応生成物を取り出し、ガラスフィルターで吸引濾過し、水および酢酸で洗浄後、乾燥し、粗2,6-NDCAが得られた。この粗2,6-NDCA20.0gを、300ml の加圧濾過装置中に、TEA 20.0g(2,6-NDCAに対して1.07当量)、5wt% の水を含むアセトン溶液100gを採り、100℃で混合して2,6-NDCAを溶解し、1μm の金属製フィルターで不溶物である重金属成分を濾過し取り除いた。濾液全量を攪拌装置、濾過装置、ガス抜き出し口を備えた300ml オートクレーブに移し、窒素置換後、100℃で30分混合した。25℃まで8時間かけて冷却し、この晶析操作により析出した2,6-NDCA・TEA塩の結晶を濾別し、アセトン50g で洗浄した。この時の2,6-NDCA・TEA塩の回収率は97.3%であった。次に得られた2,6-NDCA・TEA塩の結晶に水60g を加え水溶液とし、200℃まで加熱し、同温度下、100g/hr.の速度で水を加え、さらに系内を30kg/cm2の全圧となるように窒素を吹き込みながら、送水量と同量の留出液を反応装置上部から抜き出す操作を2時間行なった。総留出液量は溶液中2,6-NDCAに対して約10倍量であった。次いで同温度で加圧濾過し、得られた2,6-NDCAの結晶を水および酢酸で洗浄後、120℃で 5時間乾燥した。着色体の除去が不十分なため得られたサンプルCの色価はOD400=0.60であった。
<実施例1>
撹拌機、温度計、圧力計、窒素ガス導入管、凝縮器に連結した蒸留ヘッドなどを装着した反応器に、p-アセトキシ安息香酸、1,4ージアセトキシベンゼン、{サンプルA}を、モル比で3:1:1に仕込み、240℃にて1時間、260℃にて1時間、280℃にて1時間、300℃にて2時間反応させた。次いで、反応器内を徐々に減圧し、0.5 Torr の真空に保ち、300℃にて1時間、320℃にて1時間、350℃にて1時間撹拌し、重合を完了させた。重合完了後、反応器内の圧力を2.5kg/cm2 とし、底排弁よりダイを介してストランドを取り出し、カッターにより切断してペレットとした。このポリマー(ポリエステル)の融点は320℃であった。
<実施例2>
2,6-NDCAのみ{サンプルB}に替えた以外は実施例1と同様にして、重合を行った。重合完了後、反応器内の圧力を2.5Kg/cm2 とし、底排弁よりダイを介してストランドを取り出し、カッターにより切断してペレットとした。このポリマー(ポリエステル)の融点は320℃であった。
<比較例1>
2,6-NDCAのみ{サンプルC}に替えた以外は実施例1と同様にして、重合を行った。重合完了後、反応器内の圧力を2.5Kg/cm2 とし、底排弁よりダイを介してストランドを取り出し、カッターにより切断してペレットとした。このポリマー(ポリエステル)の融点は315℃であった。

Claims (2)

  1. 着色体の含有量が1重量%以下である2,6-ナフタレンジカルボン酸を、全モノマー中の原料のモノマーとして、1〜50モル%使用することを特徴とする熱可塑性液晶樹脂の製造法。
  2. 水酸化ナトリウム水溶液に、前記2,6-ナフタレンジカルボン酸を、0.1g/ml溶解した溶液の吸光度OD400が、0.050以下である請求項1に記載の熱可塑性液晶樹脂の製造法。
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