JP2010214218A - アクリル酸製造用の触媒および該触媒を用いたアクリル酸の製造方法 - Google Patents

アクリル酸製造用の触媒および該触媒を用いたアクリル酸の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
アクロレインを接触気相酸化してアクリル酸を製造する方法において、アクリル酸を高収率で製造するための触媒を提供する。
【解決手段】
アクロレインを分子状酸素または分子状酸素含有ガスの存在下で接触気相酸化してアクリル酸を製造するための触媒であって、モリブデン、バナジウムを必須成分として含有する酸化物触媒であり、かつ、L表色系におけるL値、a値、b値がそれぞれ20≦L≦40、−3≦a≦3、−4≦b≦4の範囲であるアクリル酸製造用の触媒。
【選択図】 なし

Description

本発明は、アクロレインの接触気相酸化によりアクリル酸を製造するための触媒およびこの触媒を用いたアクリル酸を製造する方法に関する。
アクリル酸は、各種合成樹脂、塗料、可塑剤の原料として工業的に重要であり、現在、全世界で数百万トン/年の規模で生産されている。また、近年では、吸水性樹脂の原料としてその重要性が高まり、需要はさらに伸びており、工業的規模でアクリル酸収率のさらなる向上が望まれている。
アクリル酸の工業的製法としては、第1段目の反応として、プロピレンの接触気相酸化により主としてアクロレインとして、さらに第2段目の反応として、第1段目の反応で得られたアクロレインの接触気相酸化によってアクリル酸とする2段酸化方法が最も一般的である。このような2段酸化方法における第2段目の反応であるアクロレインの接触気相酸化のための触媒に関して、アクリル酸の収率や寿命等の触媒性能の改善を目的としてモリブデン−バナジウム系酸化物触媒を中心に各社で検討がなされ様々な提案がされている。
例えば、モリブデン−バナジウム系触媒として、Cu−Kα線を用いたX線回折分析により測定したVMo11に起因するピークとVに起因するピークとのピーク強度比が特定の範囲にある触媒(特許文献1)や、Cu−Kα線を用いたX線回折分析において特定のピークが最大となる触媒(特許文献2)、Cu−Kα線を用いたX線回折分析において、2θが5〜50°の範囲に特定のピークを有する触媒(特許文献3)、比表面積が0.5〜10m/gかつ細孔容積が0.1〜0.9cc/gであり、特定の細孔径分布を有する触媒(特許文献4)などが提案されている。
特開2002−233757号公報 特開平8−299797号公報 特開平9−194213号公報 特開2006−7205号公報
しかしながら、前記した触媒はいずれも目的とするアクリル酸収率や寿命等の触媒性能において幾分改善は見られているものの、工業的な見地から、近年の原料価格の高騰など経済的には未だ十分でなく、なお改善の余地を残すものである。
かくして、本発明の目的は、アクロレインの接触気相酸化によってアクリル酸を製造する方法において、活性、選択性等に優れた性能を示す触媒を提供することにある。
また、本発明のもう一つの目的は、アクロレインの接触気相酸化によりアクリル酸を高収率で製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、アクロレインを分子状酸素または分子状酸素含有ガスの存在下で接触気相酸化してアクリル酸を製造するためのモリブデン−バナジウム系触媒において、今まで全く着目されたことのない触媒性能と触媒の色との相関性を新たに見出した。具体的には、Mo(モリブデン)、V(バナジウム)を必須成分として含有する酸化物触媒であり、かつ、触媒成分のL表色系におけるL値、a値、b値がそれぞれ20≦L≦40、−3≦a≦3、−4≦b≦4の範囲である触媒が高収率でアクリル酸を製造することができることを見出し、本発明に至った。その理由については明らかではないが、種々の検討によりL値、a値、b値がそれぞれ前記範囲外の触媒では、触媒活性および選択性が低下することがわかった。
さらに、下記式で算出される彩度Eが5以下である触媒がより効果的であることであることも見出した。
Figure 2010214218
本発明によれば、アクロレインの接触気相酸化によりアクリル酸を製造する方法において、アクリル酸を高収率で製造することが可能となる。
以下、本発明にかかるアクリル酸製造用触媒および該触媒を用いたアクリル酸の製造方法について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更し、実施することができる。
本発明におけるアクリル酸製造用の触媒としては、モリブデン、バナジウムを必須成分として含有する酸化物触媒であり、かつ、触媒成分のL表色系におけるL値、a値、b値がそれぞれ20≦L≦40、−3≦a≦3、−4≦b≦4の範囲であればよく、好ましくは25≦L≦35、−2≦a≦2、−3≦b≦3の範囲である。
また、下記式で算出される彩度Eが5以下であることが好ましく、より好適には4以下である。
Figure 2010214218
ここで、L表色系とは、JIS Z8729で規定される三次元の近似的な均等色空間における色座標a、b及び明度Lのことである。aは、プラス側で値が大きいほど赤味が強くマイナス側で値が大きいほど緑色味が強いことを表し、bはプラス側で値が大きいほど黄色味が強くマイナス側で値が大きいほど青味が強いことを表す。また、明度Lは、0に近づくほど黒色味が強く100に近づくほど白味が強いことを表し、彩度Eは、値が大きいほど色鮮やかであることを表す。
本発明の触媒は、触媒成分としてモリブデンおよびバナジウムを必須成分として含有する酸化物触媒であって、その触媒成分のL値、a値、b値が前記範囲を満たすことが重要である。モリブデンおよびバナジウムを必須成分として含有する酸化物触媒としては、下記一般式(1)
Mo (1)
(ここで、Moはモリブデン、Vはバナジウム、Aはニオブおよび/またはタングステン、Bはクロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、およびビスマスからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素、Cはスズ、アンチモン、テルルからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素、Dはチタン、アルミニウム、ケイ素およびジルコニウムから選ばれる少なくとも1種の元素、Oは酸素を表し、またa、b、c、d、e、fおよびzはそれぞれMo、V、A、B、C、DおよびOの原子比を表し、a=12のとき、b=1〜14、c=0〜12、d=0〜10、e=0〜6、f=0〜40であり、zは各元素の酸化状態によって定まる数値である)で表される触媒が好適である。
本発明の触媒は、この種の触媒の調製に一般的に用いられる方法を用いて製造することができ、下記に一例を示す。
触媒活性成分の原料として、各成分元素の酸化物、水酸化物、アンモニウム塩、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩などの塩類や、それらの水溶液、ゾルなど、あるいは、複数の元素を含む化合物などを、例えば、水に混合して水溶液あるいは水性スラリー(以下、「出発原料混合液」)とする。
次に、必要に応じて、得られた出発原料混合液を加熱や減圧など各種方法により乾燥させて触媒前駆体とする。加熱による乾燥方法としては、例えば、スプレードライヤー、ドラムドライヤー等を用いて粉末状の触媒前駆体を得ることもできるし、箱型乾燥機、トンネル型乾燥機等を用いて気流中で加熱してブロック状またはフレーク状の触媒前駆体を得ることもできる。また、一旦、出発原料の混合液を濃縮、蒸発乾固してケーキ状の固形物を得て、この固形物をさらに上記加熱処理する方法も採用できる。減圧による乾燥方法としては、例えば、真空乾燥機を用いて、ブロック状または粉末状の触媒前駆体を得ることができる。
得られた乾燥物は、必要に応じて適当な粒度の粉体を得るための粉砕工程や分級工程を経て、続く成形工程に送られる。なお、上記触媒前駆体の粉体の粒度は、特に限定されないが、成形性に優れる点で500μm以下が好ましい。
触媒の成形方法としては、前記触媒前駆体あるいは前記触媒前駆体と粉体状の不活性担体との混合物を押し出し成形法や打錠成形法などにより一定の形状に成形する方法、触媒成分を一定の形状を有する任意の不活性担体上に担持する担持法がある。
押し出し成形法や打錠成形法等の場合、その形状に特に制限はなく、球状、円柱状、リング状、不定形などのいずれの形状でもよい。もちろん球状の場合、真球である必要はなく実質的に球状であればよく、円柱状およびリング状についても同様である。
担持法としては、例えば、一定の形状を有する所望の不活性担体に、出発原料混合液を乾燥させずに水溶液あるいは水性スラリーのまま、加熱しながら塗布あるいは付着させて乾燥担持させる蒸発乾固法や、不活性担体に前記触媒前駆体を粉体状で担持させる造粒法にしたがって製造することができる。中でも、特に特開昭64−85139号公報に記載の遠心流動コーティング法、特開平8−299797号公報に記載の転動造粒法、特開2004−136267号公報に記載のロッキングミキサー法を用いて不活性担体に担持する造粒法が好ましい。
不活性担体としては、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、チタニア、マグネシア、ステアタイト、コージェライト、シリカ−マグネシア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ゼオライト等が挙げられる。担持法で使用する場合、その形状についても特に制限はなく、球状、円柱状、リング状など公知の形状のものが使用できる。
成形工程においては、成形性を向上させるための成形補助剤やバインダー、触媒に適度な細孔を形成させるための気孔形成剤などを用いることができる。具体例としては、エチレングリコール、グリセリン、プロピオン酸、マレイン酸、ベンジルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコールまたはフェノール類の有機化合物や水、硝酸、硝酸アンモニウム、炭酸アンモニウムなどが挙げられる。
また、別に触媒の機械強度を向上させる目的で、セラミック繊維、ガラス繊維、炭化ケイ素、窒化ケイ素などの補強剤を用いることもできる。補強剤は、出発原料混合液に添加しておいてもよいし、触媒前駆体に配合してもよい。
上記成形工程で得られた成形体あるいは担持体は、続く焼成工程に送られる。焼成温度としては、300℃〜500℃、好ましくは350℃〜450℃、更に好ましくは370℃〜430℃、焼成時間としては好ましくは1〜10時間である。焼成雰囲気としては、分子状酸素含有ガス存在下が好ましく、特に、分子状酸素含有ガス流通下に焼成工程を行うのが好ましい。
なお、焼成工程で用いる焼成炉としては特に制限はなく、一般的に使用される箱型焼成炉あるいはトンネル型焼成炉等を用いればよい。
ここで、本発明の触媒を得る方法としては、例えば、前記焼成工程において、触媒成形体あるいは担持体と焼成する雰囲気ガスとの接触時間や雰囲気ガスの分子状酸素濃度をコントロールする方法などにより触媒成形体あるいは担持体と接触する分子状酸素の量をコントロールすることで達成される。
具体的には、雰囲気ガスとして分子状酸素濃度が5〜25%の分子状酸素含有ガスを用い、触媒成形体あるいは担持体中の触媒前駆体の質量(W[kg])と焼成炉に導入される分子状酸素ガス流量(V[L(STP)/min])との比(V/W)を0.005〜0.20、好ましくは0.01〜0.10の範囲になるように調節すればよい。前記範囲を外れると、焼成後、好適なL値、a値、b値の範囲の触媒は得にくくなる。これはおそらく、分子状酸素濃度が5%未満の場合あるいはV/Wが0.005未満の場合は、触媒成形体や担持体に含まれる触媒活性成分以外の成分、例えば、原料化合物中のアンモニウム根や硝酸根、成形工程で用いる成形補助剤やバインダー、気孔形成剤などの分解が不十分であるためで、一方、分子状酸素濃度が25%を越える場合あるいはV/Wが0.20を超える場合では触媒活性成分が過度に酸化されたり、上記成分が急激に酸化分解されるためと考えられる。雰囲気ガスとして空気を用いる場合には、触媒成形体あるいは担持体中の触媒前駆体の質量1kg当たり凡そ0.02〜0.95L(STP)/min、好ましくは0.05〜0.48L(STP)/minの流量で焼成炉に導入すればよい。焼成炉への雰囲気ガスの導入方法は特に限定されず、例えば、雰囲気ガスを供給する方法、吸気により雰囲気ガスを導入する方法あるいはそれらの組み合わせ等適宜選択すれば良い。なお、ここでいう触媒成形体あるいは担持体中の触媒前駆体の質量とは、触媒成形体あるいは担持体の質量から、触媒成形体あるいは担持体に含まれる不活性担体および補強材の質量を差し引いたものである。なお、成形体あるいは担持体とする前の触媒前駆体のみであらかじめ焼成を行う場合についても同様に触媒前駆体に含まれる不活性担体および補強材の質量を差し引いたものである。
また、原因は不明であるが、焼成後、一部の触媒表面に色むらが生じる場合がある。そのような場合であっても、色むらの生じた触媒の表面を削りとった粉粒物を乳鉢などを用いて均一化し、その均一化した粉粒物を固形化させたもののL値、a値、b値が前記範囲内であれば本発明に包括される。
本発明におけるアクロレインを分子状酸素により接触気相酸化してアクリル酸を製造するのに用いられる反応器については特段の制限はなく、固定床反応器、流動床反応器、移動床反応器のいずれも用いることができるが、通常、固定床反応器が用いられ、特に固定床多管式反応器が好ましい。その反応管の内径は通常15〜50mm、より好ましくは20〜40mm、さらに好ましくは22〜38mmである。
固定床多管式反応器の各反応管には、必ずしも単一な触媒を充填する必要はなく、複数種の触媒を充填することも可能である。例えば、特開平9−241209号公報、特開2003−171340号公報などに記載されたように活性の異なる複数種の触媒をそれぞれが層(以下、「反応帯」という)を成すように充填する方法、または、特表2008−528683号公報に記載のように触媒の一部を不活性な担体などで希釈する方法あるいは、これらを組み合わせる方法等により活性を制御する方法が好適に採用することができる。この時、反応帯の数は、反応条件や反応器の規模により適宜決定されるが、反応帯の数が多すぎると触媒の充填作業が煩雑になるなどの問題が発生するため工業的には2〜6程度までが望ましい。また、複数種の触媒を用いる場合、使用する触媒の少なくとも1種が前記L値、a値、b値の範囲を満足するものであればよいが、使用する触媒全てについてL値、a値、b値が前記範囲内のものとすることで本発明の効果が十分に達成され好ましい。
本発明における反応条件には特に制限は無く、この種の反応に一般に用いられている条件であればいずれも実施することが可能である。例えば、原料ガスとして1〜15体積%、好ましくは4〜12体積%のアクロレイン、0.5〜25体積%、好ましくは2〜20体積%の分子状酸素、0〜30体積%、好ましくは0〜25体積%の水蒸気、残部が窒素などの不活性ガスからなる混合ガスを200〜400℃の温度範囲で0.1〜1.0MPaの圧力下、300〜5,000h−1(STP)の空間速度で触媒に接触させればよい。
反応原料ガスとしては、アクロレイン、酸素および不活性ガスからなる混合ガスはもちろんのこと、グリセリンの脱水反応やプロパンおよび/またはプロピレンの酸化反応によって得られるアクロレイン含有の混合ガスも使用可能である。また、この混合ガスに必要に応じ、空気または酸素などを添加することもできる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。なお、以下では、便宜上、「質量部」を単に「部」、と記すことがある。
アクロレイン転化率およびアクリル酸収率は次式によって求めた。
アクロレイン転化率(モル%)
=(反応したアクロレインのモル数)/(供給したアクロレインのモル数)×100
アクリル酸収率(モル%)
=(生成したアクリル酸のモル数)/(供給したアクロレインのモル数)×100
[触媒のL値の測定]
日本電色工業株式会社製のSZ−Σ80 COLOR MEASURING SYSTEMを用いて、触媒のL値、a値、b値を測定した。具体的には、無作為に選んだ触媒20粒にて各値を測定し、その各平均値をその触媒のL値、a値、b値とした。
<実施例1>
〔触媒調製〕
蒸留水4000部を加熱攪拌しながら、その中にパラモリブデン酸アンモニウム650部、メタバナジン酸アンモニウム144部、パラタングステン酸アンモニウム108部を溶解した。別に水400部を加熱攪拌しながら、硝酸銅222部を溶解した。得られた2つの水溶液を混合し、さらに三酸化アンチモン44.7部および酸化アルミニウム156部を添加し、懸濁液を得た。このようにして得られた懸濁液をドラムドライヤーにて乾燥を行い、顆粒状粉体を得た。得られた顆粒状粉体を250μm以下に粉砕し、触媒前駆体を得た。遠心流動コーティング装置に平均粒径4.5mmのシリカ−アルミナ球形担体 8kgを投入し、次いで結合剤として20質量%の硝酸アンモニウム水溶液と共に触媒前駆体を90℃の熱風を通しながら投入し、11.5kgの担持体を得た。得られた担持体全量を箱型焼成炉に仕込み、空気を0.1L/minで炉内に導入しながら390℃で5時間熱処理をして触媒1を得た。この触媒1の担持率は約33質量%であり、担体を除いた酸素以外の金属元素の組成は次のとおりであった。
Mo121.3CuSbAl10
なお、担持率は次式により求めた。
担持率[質量%]=(触媒質量[g]−担体質量[g])/担体質量[g]×100
この触媒のL値、a値、b値および彩度Eの値を表1に示す。
〔反応器〕
全長3000mm、内径25mmのSUS製反応管およびこれを覆う熱媒体を流すためのシェルからなる反応器を鉛直方向に用意した。反応管上部より得られた触媒1を落下させて、層長が2900mmとなるように充填した。
〔酸化反応〕
熱媒体温度(反応温度)を267℃に保ち、触媒を充填した反応管に、アクロレイン7容量%、酸素8.6容量%、水蒸気7容量%および窒素等からなる不活性ガス77.4容量%の混合ガスを空間速度1900hr−1(STP)で導入し、アクロレイン酸化反応を行った。その結果を表1に示す。
<実施例2>
蒸留水4000部を加熱攪拌しながら、その中にパラモリブデン酸アンモニウム650部、メタバナジン酸アンモニウム108部、パラタングステン酸アンモニウム124部を溶解した。別に水400部を加熱攪拌しながら、硝酸銅133部および硝酸コバルト35.7部を溶解した。得られた2つの水溶液を混合し、さらに三酸化アンチモン17.9部、酸化アルミニウム110部および20質量%のシリカゾル184部を添加し、懸濁液を得た。このようにして得られた懸濁液をドラムドライヤーにて乾燥を行い、顆粒状粉体を得た。得られた顆粒状粉体を250μm以下に粉砕し、触媒前駆体を得た。得られた触媒前駆体5.5kgを箱型焼成炉に仕込み、空気を5.0L/minで炉内に導入しながら410℃で5時間熱処理をして触媒粉体を得た。遠心流動コーティング装置に平均粒径4.5mmのシリカ−アルミナ球状担体13kgを投入し、次いで結合剤として20質量%の硝酸アンモニウム水溶液と共に触媒粉体を90℃の熱風を通しながら投入して担体に担持させた。得られた担持体を230℃で乾燥し触媒2を得た。この触媒の担持率は約25質量%であり、担体を除いた酸素以外の金属元素の組成は原子比で次のとおりであった。
Mo121.5Cu1.8Co0.4Sb0.4SiAl10
この触媒のL値、a値、b値および彩度Eの値を表1に示す。
得られた触媒2を用いて、実施例1同様にしてアクロレインの接触気相酸化反応を行った。その結果を表2に示す。
<実施例3>
蒸留水4000部を加熱攪拌しながら、その中にパラモリブデン酸アンモニウム650部、メタバナジン酸アンモニウム183部、パラタングステン酸アンモニウム166部を溶解した。別に水400部を加熱攪拌しながら、硝酸銅193部を溶解した。得られた2つの水溶液を混合し、さらに三酸化アンチモン53.7部、酸化アルミニウム31.3部および酸化チタン196部を添加し、懸濁液を得た。このようにして得られた懸濁液をドラムドライヤーにて乾燥を行い、顆粒状粉体を得た。得られた顆粒状粉体を250μm以下に粉砕し、触媒前駆体を得た。遠心流動コーティング装置に平均粒径4.5mmのシリカ−アルミナ球形担体8kgを投入し、次いで結合剤として20質量%の硝酸アンモニウム水溶液と共に触媒前駆体を90℃の熱風を通しながら投入し、11.5kgの担持体を得た。得られた担持体全量を箱型焼成炉に仕込み、空気を0.1L/minで炉内に導入しながら390℃で5時間熱処理をして触媒2を得た。この触媒2の担持率は約33質量%であり、担体を除いた酸素以外の金属元素の組成は次のとおりであった。
触媒1:Mo125.1Cu2.6Sb1.2AlTi
この触媒のL値、a値、b値および彩度Eの値を表1に示す。
得られた触媒3を用いて、実施例1同様にしてアクロレインの接触気相酸化反応を行った。その結果を表2に示す。
<実施例4〜7、比較例1〜3>
実施例1において、焼成工程における焼成炉内へ導入する雰囲気ガスの種類および導入量を表1のように変更した以外は実施例1と同様にして触媒4〜10を得た。これら触媒のL値、a値、b値および彩度Eの値を表1に示す。
得られた触媒4〜10を用いて、実施例1と同様にしてプロピレンの接触気相酸化反応を行った。その結果を表2に示す。
Figure 2010214218
Figure 2010214218

Claims (5)

  1. アクロレインを分子状酸素または分子状酸素含有ガスの存在下で接触気相酸化してアクリル酸を製造するための触媒であって、モリブデン、バナジウムを必須成分として含有する酸化物触媒であり、かつ、触媒成分のL表色系におけるL値、a値、b値がそれぞれ20≦L≦40、−3≦a≦3、−4≦b≦4の範囲であることを特徴とするアクリル酸製造用の触媒。
  2. 下記式で算出される彩度Eが5以下であることを特徴とする請求項1記載の触媒。
    Figure 2010214218
  3. 前記触媒成分を不活性担体に担持させてなる請求項1または2に記載の触媒。
  4. 前記触媒成分が下記一般式(1)
    Mo (1)
    (ここで、Moはモリブデン、Vはバナジウム、Aはニオブおよび/またはタングステン、Bはクロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、およびビスマスからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素、Cはスズ、アンチモン、テルルからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素、Dはチタン、アルミニウム、ケイ素およびジルコニウムから選ばれる少なくとも1種の元素、Oは酸素を表し、またa、b、c、d、e、fおよびzはそれぞれMo、V、A、B、C、DおよびOの原子比を表し、a=12のとき、b=1〜14、c=0〜12、d=0〜10、e=0〜6、f=0〜40であり、zは各元素の酸化状態によって定まる数値である)で表されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の触媒。
  5. アクロレイン接触気相酸化によりアクリル酸を製造する方法において、請求項1〜4のいずれか1項に記載の触媒の存在下にアクロレインの分子状酸素または分子状酸素含有ガスによる接触気相酸化反応を行うことを特徴とするアクリル酸の製造方法。
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