JP2010211990A - リチウムイオン二次電池の充放電制御方法、二次電池システム、及びハイブリッド自動車 - Google Patents

リチウムイオン二次電池の充放電制御方法、二次電池システム、及びハイブリッド自動車 Download PDF

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Abstract

【課題】2相共存型の充放電を行う正極活物質を有するリチウムイオン二次電池について、Liイオンの局在化を抑制して、電池性能を十分に引き出すことができるリチウムイオン二次電池の充放電制御方法、二次電池システム、及びハイブリッド自動車を提供する。
【解決手段】2相共存型の充放電を行う正極活物質を有するリチウムイオン二次電池の充放電を制御する方法であって、リチウムイオン二次電池100を、放電終止充電深さSOCDと充電終止充電深さSOCCとの間で使用し、放電終止充電深さSOCD及び充電終止充電深さSOCCを、下限充電深さSOCBと上限充電深さSOCTとの間で順次変動させるリチウムイオン二次電池の充放電制御方法。
【選択図】図6

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池の充放電制御方法、リチウムイオン二次電池を有する二次電池システム、及び、二次電池システムを有するハイブリッド自動車に関する。
ニッケル水素蓄電池やリチウムイオン二次電池などの二次電池は、携帯機器の電源として、また、電気自動車やハイブリッド自動車などの電源として需要が高まっている。このため、近年、様々な二次電池の充放電制御方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−9415号公報
特許文献1では、ニッケル水素蓄電池の充放電制御方法が提案されている。具体的には、メモリー効果(完全放電(SOCがほぼ0%)や完全充電(SOCがほぼ100%)を行わない充放電を繰り返すと、蓄電池の残容量に対する起電力値が低下し、蓄電池容量が減少する現象)を防止する充放電制御方法が提案されている。
ところで、近年、正極活物質として、組成式LiFePO4等で表されるオリビン構造のリチウム遷移金属複合酸化物を用いたリチウムイオン二次電池が提案されている。LiFePO4等で表されるオリビン構造のリチウム遷移金属複合酸化物は、充放電電位が充放電の際にも略一定であり、リチウムイオンを脱離・吸蔵してもほとんど変化しない。その理由は、例えば、LiFePO4で表されるオリビン構造のリチウム遷移金属複合酸化物は、Liの吸蔵・脱離時に、LiFePO4とFePO4との2相共存状態となるからであると考えられる。
従って、LiFePO4等の2相共存型の充放電を行う正極活物質を用いることで、充電状態の変化に伴う入力密度や出力密度の変化が少なく、出力特性の安定したリチウム二次電池を構成することが可能となる。このため、2相共存型の充放電を行う正極活物質を有する二次電池は、近年、ハイブリッド自動車などの電源として注目されている。
ところが、2相共存型の充放電を行う正極活物質を有するリチウムイオン二次電池を、ハイブリッド自動車の駆動用電源として搭載した場合、充放電を短時間で繰り返すことが多いため、例えば、SOC40〜60%の範囲内で充放電が繰り返される場合が多い。このような充放電を繰り返し行うと、2相共存型の充放電を行う正極活物質の結晶内において、Liイオンの局在化(正極活物質内でLiイオンが偏って存在する現象)が生じてしまう。この影響で、リチウムイオン二次電池の放電容量が大きく低下し、リチウムイオン二次電池の性能を十分に引き出すことができなくなることがあった。
なお、Liイオンの局在化は、リフレッシュ充放電(完全充電や完全放電を意図的に行う)を行うことで解消できるが、リフレッシュ充放電は時間を要するため、二次電池システムとして稼動する時間を減らすこととなり好ましくない。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、2相共存型の充放電を行う正極活物質を有するリチウムイオン二次電池について、Liイオンの局在化を抑制して、電池性能を十分に引き出すことができるリチウムイオン二次電池の充放電制御方法、二次電池システム、及びハイブリッド自動車を提供することを目的とする。
その解決手段は、2相共存型の充放電を行う正極活物質を有するリチウムイオン二次電池の充放電を制御する方法であって、上記リチウムイオン二次電池を、放電終止充電深さSOCDと充電終止充電深さSOCCとの間で使用し、上記放電終止充電深さSOCD及び充電終止充電深さSOCCを、下限充電深さSOCBと上限充電深さSOCTとの間で順次変動させるリチウムイオン二次電池の充放電制御方法である。
本発明のリチウムイオン二次電池の充放電制御方法では、リチウムイオン二次電池を、放電終止充電深さSOCDと充電終止充電深さSOCCとの間で使用する。ここで、放電終止充電深さとは、1回の放電について見たときに、放電終止時におけるSOCの値(SOCDとする)をいう。また、充電終止充電深さとは、1回の充電について見たときに、充電終止時におけるSOCの値(SOCCとする)をいう。
さらに、本発明のリチウムイオン二次電池の充放電制御方法では、放電終止充電深さSOCD及び充電終止充電深さSOCCを、下限充電深さSOCBと上限充電深さSOCTとの間で順次変動させる。ここで、上限充電深さとは、これ以上のSOC(State Of Charge)に至る充電を禁止するSOCの値(SOCTとする)をいう。また、下限充電深さとは、これ以下のSOCに至る放電を禁止するSOCの値(SOCBとする)をいう。
具体的には、例えば、下限充電深さSOCBを30%、上限充電深さSOCTを90%に設定し、充電終止充電深さSOCCと放電終止充電深さSOCDとの差を10%に設定して、SOCD及びSOCCを、SOCBとSOCTとの間で順次変動させる方法(図6参照)が挙げられる。この方法では、例えば、1サイクル目は、放電終止充電深さSOCDを80%、充電終止充電深さSOCCを90%(SOCTと同じ)として放電と充電を行い、2サイクル目は、SOCB及びSOCCを1サイクル目のSOCCよりも小さい値、例えば、SOCDを70%、SOCCを80%として放電と充電を行う。このようにしてサイクル毎にSOCB及びSOCCを小さくしつつ、放電終止充電深さSOCDが下限充電深さSOCBと同値になるまで充放電を行う。そして、SOCDがSOCBと同値になったら、今度は反対に、SOCCがSOCTと同値になるまで、サイクル毎にSOCB及びSOCCを大きくしつつ充放電を行う。
このように、2相共存型の充放電を行う正極活物質を有するリチウムイオン二次電池について、放電終止充電深さSOCD及び充電終止充電深さSOCCを、下限充電深さSOCBと上限充電深さSOCTとの間で順次変動させつつ充放電を行うことで、正極活物質内におけるLiイオンの局在化を抑制することができる。これにより、リチウムイオン二次電池の放電容量の低下が抑制され、リチウムイオン二次電池の性能を十分に引き出すことが可能となる。
なお、サイクル毎のSOCDについては、不規則に変動させてもよい(規則的に上下させなくても良い)。これは、例えば、リチウムイオン二次電池をハイブリッド自動車等の主電源として用いた場合、SOCCの規制は回生効率の低下程度で留まるのに対し、SOCDの規制を厳密に行うと、例えば、低いSOC領域において瞬時の大電流放電などができなくなり、ハイブリッド自動車等の主電源としての機能が低下するからである。
また、SOC(State Of Charge)は、例えば、リチウムイオン二次電池の電池容量と充放電電流量を積算した値とに基づいて、百分率によって数値化した値を用いることができる。
さらに、上記のリチウムイオン二次電池の充放電制御方法であって、前記正極活物質は、LiM1(1-X)M2XPO4(M1は、FeまたはMnであり、M2は、Mn,Cr,Co,Cu,Ni,V,Mo,Ti,Zn,Al,Ga,Mg,B,Nbの少なくともいずれか(但し、M1がMnのときはMnを除く)であり、0≦X≦0.5)で表される化合物であるリチウムイオン二次電池の充放電制御方法とすると良い。
上記の組成式で表される化合物は、2相共存型の充放電を行う正極活物質である。この正極活物質を用いたリチウムイオン二次電池について、前述のように、放電終止充電深さSOCD及び充電終止充電深さSOCCを、下限充電深さSOCBと上限充電深さSOCTとの間で順次変動させつつ充放電を行うことで、正極活物質内におけるLiイオンの局在化を抑制することができる。これにより、リチウムイオン二次電池の放電容量の低下が抑制され、リチウムイオン二次電池の性能を十分に引き出すことが可能となる。
さらに、上記のリチウムイオン二次電池の充放電制御方法であって、前記下限充電深さSOCBは15〜30%の範囲内の値であり、前記上限充電深さSOCTは80〜100%の範囲内の値であるリチウムイオン二次電池の充放電制御方法とすると良い。
本発明の充放電制御方法では、下限充電深さSOCBを15〜30%の範囲内の値とし、且つ、上限充電深さSOCTを80〜100%の範囲内の値とする。
前記の組成式で表される化合物を正極活物質として用いたリチウムイオン二次電池では、SOCが15%未満になると電池電圧が急激に低下する(図7参照)。従って、下限充電深さSOCBを15%以上とすることで、電池電圧が小さくなるのを防止できるので、リチウムイオン二次電池の出力特性を良好にできる。
また、下限充電深さSOCBを30%以下とし、上限充電深さSOCTを80%以上とすることで、放電終止充電深さSOCD及び充電終止充電深さSOCCを、下限充電深さSOCBと上限充電深さSOCTとの間で十分に大きく変動させることができる。これにより、正極活物質内におけるLiイオンの局在化を適切に抑制することができる。
しかも、前記の組成式で表される化合物を正極活物質として用いたリチウムイオン二次電池では、SOC30%〜80%の範囲では、電池電圧がほとんど変動しない。従って、SOCBを30%以下としSOCTを80%以上とすることで、SOC30%〜80%の広い容量範囲において、電池電圧をほとんど変動させることなく、リチウムイオン二次電池を放電させることができる。これにより、安定した出力特性を得ることができる。
また、上限充電深さSOCTを100%以下とすることで、過充電を防止することができる。これにより、過充電による不具合(電池内部におけるガス発生に伴って、電解液が減少し、早期に寿命に至ることなど)を防止することができる。
さらに、上記のリチウムイオン二次電池の充放電制御方法であって、前記上限充電深さSOCTは85〜95%の範囲内の値であるリチウムイオン二次電池の充放電制御方法とするのが好ましい。
上限充電深さSOCTを85%以上とすることで、正極活物質内におけるLiイオンの局在化をより一層抑制することができる。また、上限充電深さSOCTを95%以下とすることで、過充電を確実に防止することができる。
さらに、上記いずれかのリチウムイオン二次電池の充放電制御方法であって、前記充電終止充電深さSOCCと前記放電終止充電深さSOCDとの差が10〜50%の範囲内であるリチウムイオン二次電池の充放電制御方法とすると良い。
本発明の充放電制御方法では、充電終止充電深さSOCCと放電終止充電深さSOCDとの差を10〜50%の範囲内とする。すなわち、1回の充電電気量または放電電気量を、SOC10%〜50%の範囲内の値に相当する電気量にする。このようにして、SOCD及びSOCCを、下限充電深さSOCB(15〜30%の範囲内の値)と上限充電深さSOCT(80〜100%の範囲内の値)との間で順次変動させつつ充放電を行うことで、正極活物質内におけるLiイオンの局在化を適切に抑制することができる。
さらに、上記のリチウムイオン二次電池の充放電制御方法であって、前記充電終止充電深さSOCCと前記放電終止充電深さSOCDとの差が10〜30%の範囲内であるリチウムイオン二次電池の充放電制御方法とするのが好ましい。
この充放電制御方法によれば、正極活物質内におけるLiイオンの局在化を、より一層抑制することができる。
他の解決手段は、2相共存型の充放電を行う正極活物質を有するリチウムイオン二次電池と、上記リチウムイオン二次電池の充放電を制御する制御装置と、を備える二次電池システムであって、上記制御装置は、上記リチウムイオン二次電池を放電終止充電深さSOCDと充電終止充電深さSOCCとの間で充放電させる制御をし、且つ、上記放電終止充電深さSOCD及び充電終止充電深さSOCCを、下限充電深さSOCBと上限充電深さSOCTとの間で順次変動させる制御を行う二次電池システムである。
本発明の二次電池システムでは、制御装置が、リチウムイオン二次電池を放電終止充電深さSOCDと充電終止充電深さSOCCとの間で充放電させる制御をし、且つ、放電終止充電深さSOCD及び充電終止充電深さSOCCを、下限充電深さSOCBと上限充電深さSOCTとの間で順次変動させて、2相共存型の充放電を行う正極活物質を有するリチウムイオン二次電池の充放電を制御する。これにより、2相共存型の充放電を行う正極活物質を有するリチウムイオン二次電池について、正極活物質内におけるLiイオンの局在化を抑制することができる。従って、リチウムイオン二次電池の放電容量の低下を抑制でき、リチウムイオン二次電池の性能を十分に引き出すことができる。
さらに、上記の二次電池システムであって、前記正極活物質は、LiM1(1-X)M2XPO4(M1は、FeまたはMnであり、M2は、Mn,Cr,Co,Cu,Ni,V,Mo,Ti,Zn,Al,Ga,Mg,B,Nbの少なくともいずれか(但し、M1がMnのときはMnを除く)であり、0≦X≦0.5)で表される化合物である二次電池システムとすると良い。
上記の組成式で表される化合物は、2相共存型の充放電を行う正極活物質である。この正極活物質を用いたリチウムイオン二次電池について、前述のように、放電終止充電深さSOCD及び充電終止充電深さSOCCを、下限充電深さSOCBと上限充電深さSOCTとの間で順次変動させつつ充放電を制御することで、正極活物質内におけるLiイオンの局在化を抑制することができる。これにより、リチウムイオン二次電池の放電容量の低下が抑制され、リチウムイオン二次電池の性能を十分に引き出すことが可能となる。
さらに、上記の二次電池システムであって、前記下限充電深さSOCBは15〜30%の範囲内の値であり、前記上限充電深さSOCTは80〜100%の範囲内の値である二次電池システムとすると良い。
本発明の二次電池システムでは、前記の組成式で表される化合物を正極活物質として用いたリチウムイオン二次電池について、下限充電深さSOCBを15〜30%の範囲内の値とし、且つ、上限充電深さSOCTを80〜100%の範囲内の値として、制御装置が、前述のようにして、リチウムイオン二次電池の充放電を制御する。
下限充電深さSOCBを15%以上とすることで、電池電圧が小さくなるのを防止できるので、リチウムイオン二次電池の出力特性を良好にできる。
また、下限充電深さSOCBを30%以下とし、上限充電深さSOCTを80%以上とすることで、放電終止充電深さSOCD及び充電終止充電深さSOCCを、下限充電深さSOCBと上限充電深さSOCTとの間で十分に大きく変動させることができる。これにより、正極活物質内におけるLiイオンの局在化を適切に抑制することができる。しかも、出力変動の小さい安定した出力特性を得ることができる。
また、上限充電深さSOCTを100%以下とすることで、過充電を防止することができる。
さらに、上記の二次電池システムであって、前記上限充電深さSOCTは85〜95%の範囲内の値である二次電池システムとするのが好ましい。
上限充電深さSOCTを85%以上として充放電を制御することで、正極活物質内におけるLiイオンの局在化をより一層抑制することができる。また、上限充電深さSOCTを95%以下として充放電を制御することで、過充電を確実に防止することができる。
さらに、上記いずれかの二次電池システムであって、前記充電終止充電深さSOCCと前記放電終止充電深さSOCDとの差が10〜50%の範囲内である二次電池システムとすると良い。
本発明の二次電池システムでは、制御装置が、充電終止充電深さSOCCと放電終止充電深さSOCDとの差を10〜50%の範囲内として、前述のように充放電を制御する。これにより、正極活物質内におけるLiイオンの局在化を適切に抑制することができる。
さらに、上記の二次電池システムであって、前記充電終止充電深さSOCCと前記放電終止充電深さSOCDとの差が10〜30%の範囲内である二次電池システムとするのが好ましい。
充電終止充電深さSOCCと放電終止充電深さSOCDとの差を10〜30%の範囲内として、前述のように充放電を制御することで、正極活物質内におけるLiイオンの局在化を、より一層抑制することができる。
他の解決手段は、ハイブリッド自動車であって、前記いずれかの二次電池システムを、当該ハイブリッド自動車の駆動用電源システムとして搭載してなるハイブリッド自動車である。
本発明のハイブリッド自動車は、前述の二次電池システムを、当該ハイブリッド自動車の駆動用電源システムとして搭載している。従って、本発明のハイブリッド自動車では、駆動用電源である前記リチウムイオン二次電池について、正極活物質内におけるLiイオンの局在化を抑制することができる。これにより、リチウムイオン二次電池の放電容量の低下を抑制でき、リチウムイオン二次電池の性能を十分に引き出すことができる。従って、本発明のハイブリッド自動車は、走行性能が良好になる。
実施例にかかるハイブリッド自動車の概略図である。 実施例にかかる二次電池システムの概略図である。 実施例にかかるリチウムイオン二次電池の断面図である。 リチウムイオン二次電池の電極体の断面図である。 電極体の部分拡大断面図であり、図4のB部拡大図に相当する。 実施例1にかかる充放電制御方法を示す模式図である。 実施例にかかるリチウムイオン二次電池のSOCと電池電圧との関係を示すグラフである。 他のリチウムイオン二次電池のSOCと電池電圧との関係を示すグラフである。 比較例1にかかる充放電制御方法を示す模式図である。
(実施例1)
次に、本発明の実施例1について、図面を参照しつつ説明する。
ハイブリッド自動車1は、図1に示すように、車体2、エンジン3、フロントモータ4、リヤモータ5、二次電池システム6、及び、ケーブル7を有し、エンジン3とフロントモータ4及びリヤモータ5との併用で駆動するハイブリッド自動車である。具体的には、このハイブリッド自動車1は、二次電池システム6をフロントモータ4及びリヤモータ5の駆動用電源として、エンジン3とフロントモータ4及びリヤモータ5とを用いて走行できるように構成されている。
このうち、二次電池システム6は、ハイブリッド自動車1の車体2に取り付けられており、ケーブル7によりフロントモータ4及びリヤモータ5に接続されている。この二次電池システム6は、図2に示すように、複数(例えば、100個)のリチウムイオン二次電池100を互いに電気的に直列に接続した組電池10と、制御装置30と、電流検知装置50とを備えている。
リチウムイオン二次電池100は、図3に示すように、直方体形状の電池ケース110と、正極端子120と、負極端子130とを備える、角形密閉式のリチウムイオン二次電池である。このうち、電池ケース110は、金属からなり、直方体形状の収容空間をなす角形収容部111と、金属製の蓋部112とを有している。電池ケース110(角形収容部111)の内部には、電極体150、正極集電部材122、負極集電部材132などが収容されている。
電極体150は、断面長円状をなし、シート状の正極板155、負極板156、及びセパレータ157を捲回してなる扁平型の捲回体である(図4及び図5参照)。正極板155は、アルミニウム箔からなる正極集電部材151と、その表面に塗工された正極合材152を有している。負極板156は、銅箔からなる負極集電部材158と、その表面に塗工された負極合材159を有している。
電極体150は、その軸線方向(図3において左右方向)の一方端部(図3において右端部)に位置し、正極集電部材151の一部のみが渦巻状に重なる正極捲回部155bと、他方端部(図3において左端部)に位置し、負極集電部材158の一部のみが渦巻状に重なる負極捲回部156bとを有している。
正極板155には、正極捲回部155bを除く部位に、正極活物質153を含む正極合材152が塗工されている(図5参照)。また、負極板156には、負極捲回部156bを除く部位に、負極活物質154を含む負極合材159が塗工されている(図5参照)。正極捲回部155bは、正極集電部材122を通じて、正極端子120に電気的に接続されている。負極捲回部156bは、負極集電部材132を通じて、負極端子130に電気的に接続されている。
本実施例1では、正極活物質153として、平均一次粒子径が0.5μmで凝集二次粒子径が2μmのLiFePO4を用いている。LiFePO4は、2相共存型の充放電を行う活物質であり、結晶構造が異なる2つの結晶が共存した状態で充放電の反応が行われるものである。また、負極活物質154として、炭素材料(天然黒鉛)を用いている。詳細には、平均粒子径が20μm、格子定数C0が0.67nm、結晶子サイズLcが27nm、黒鉛化度0.9以上の天然黒鉛を用いている。
なお、本実施例1では、正極板155を次のようにして製造した。まず、LiFePO4(正極活物質153)とアセチレンブラック(導電助剤)とポリフッ化ビニリデン(バインダ樹脂)とを、85:5:10(重量比)の割合で混合し、これにN−メチルピロリドン(分散溶媒)を混合して、正極スラリを作製した。次いで、この正極スラリを、正極集電部材151(アルミニウム箔)の表面に塗布し、乾燥させた後、プレス加工を施した。これにより、正極集電部材151の表面に正極合材152が塗工された正極板155を得た。
また、本実施例1では、負極板156を次のようにして製造した。まず、天然黒鉛(負極活物質154)と、スチレン−ブタジエン共重合体(バインダ樹脂)と、カルボキシメチルセルロース(増粘剤)とを、95:2.5:2.5(重量比)の割合で水中で混合して、負極スラリを作製した。次いで、この負極スラリを、負極集電部材158(銅箔)の表面に塗布し、乾燥させた後、プレス加工を施した。これにより、負極集電部材158の表面に負極合材159が塗工された負極板156を得た(図5参照)。
なお、本実施例1では、正極の理論容量と負極の理論容量との比が1:1.3となるように、正極スラリ及び負極スラリの塗布量を調整している。
また、セパレータ157として、ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレン3層構造複合体多孔質シート(厚さ25μm)を用いている。また、非水電解液として、EC(エチレンカーボネート)とDEC(ジエチルカーボネート)とを、4:6(体積比)で混合した溶液中に、六フッ化燐酸リチウム(LiPF6)を1モル/リットルの割合で溶解したものを用いている。
なお、リチウムイオン二次電池100の電池容量は15Ahである。
図2に示す電流検知装置50は、組電池10を構成するリチウムイオン二次電池100を流れる電流値を検知する。なお、この電流検知装置50では、リチウムイオン二次電池100に対し充電が行われているときは、電流値Iは正の値(I>0)で検出され、放電が行われているときは、電流値Iは負の値(I<0)で検出される。
制御装置30は、演算部31と制御部32と記憶部33とを有している。このうち、演算部31は、電流検知装置50によって検知された電流値を積算(電流値×時間)して、リチウムイオン二次電池100のSOC(%)を算出する。この演算部31は、制御部32と接続されている。記憶部33には、下限充電深さSOCB、上限充電深さSOCT、及び充電終止充電深さSOCCと放電終止充電深さSOCDとの差が記憶されている。この記憶部33は、制御部32と接続されている。
制御部32には、演算部31によって算出されたリチウムイオン二次電池100のSOC(%)が逐次送られる。この制御部32は、演算部31から送られてくるリチウムイオン二次電池100のSOCに基づいて、リチウムイオン二次電池100の充放電を制御する。具体的には、リチウムイオン二次電池100を放電終止充電深さSOCDと充電終止充電深さSOCCとの間で充放電させる制御をし、且つ、放電終止充電深さSOCD及び充電終止充電深さSOCCを、下限充電深さSOCBと上限充電深さSOCTとの間で順次変動させる制御を行う。
ここで、実施例1にかかる充放電制御方法について、図6を参照して詳細に説明する。
本実施例1では、図6に示すように、下限充電深さSOCBを30%、上限充電深さSOCTを90%に設定し、各サイクルの充電終止充電深さSOCCと放電終止充電深さSOCDとの差を10%に設定して、制御装置30が、リチウムイオン二次電池100の充放電を制御する。
詳細には、1サイクル目は、充電終止充電深さSOCCと放電終止充電深さSOCDとの差が10%になるように、放電終止充電深さSOCDを80%、充電終止充電深さSOCCを90%(SOCTと同じ)として、放電と充電の制御を行う。2サイクル目は、SOCB及びSOCCを1サイクル目のSOCCよりも小さい値、例えば、SOCDを70%、SOCCを80%として、放電と充電の制御を行う。このようにしてサイクル毎にSOCB及びSOCCを小さくしつつ、放電終止充電深さSOCDが下限充電深さSOCBと同値になるまで充放電の制御を行う。そして、SOCDがSOCBと同値(本実施例1では30%)になったら、今度は反対に、SOCCがSOCTと同値(本実施例1では90%)になるまで、サイクル毎にSOCB及びSOCCを大きくしつつ充放電の制御を行う。このようにして、図6に示す充放電パターンを繰り返すように、リチウムイオン二次電池100の充放電を制御する。
本実施例1の二次電池システム6では、上述のようにして、充電終止充電深さSOCCと放電終止充電深さSOCDとの差を10%にしつつ、SOCD及びSOCCを、下限充電深さSOCBと上限充電深さSOCTとの間で順次変動させて、リチウムイオン二次電池100の充放電を制御する。これにより、リチウムイオン二次電池100について、正極活物質(LiFePO4)内におけるLiイオンの局在化を抑制することができる。従って、リチウムイオン二次電池100の放電容量の低下を抑制でき、リチウムイオン二次電池100の性能を十分に引き出すことができる。これにより、ハイブリッド自動車1の走行性能も良好になる。
なお、リチウムイオン二次電池100の充電は、例えば、内燃機関の運動エネルギーや停止時の摩擦エネルギーを充電電流に変換できるインバータを用いることができる。また、放電時に電気エネルギーを運動エネルギーに変換する際にも、このインバータを用いると効率的である。
(実施例2)
実施例2では、充電終止充電深さSOCCと放電終止充電深さSOCDとの差を20%に設定した以外は、実施例1と同様にして、二次電池システム及びハイブリッド自動車を構成した。
(実施例3〜6)
実施例3〜6では、下限充電深さSOCBを20%、上限充電深さSOCTを100%に設定した。さらに、充電終止充電深さSOCCと放電終止充電深さSOCDとの差を、実施例3では20%、実施例4では30%、実施例5では40%、実施例6では50%に設定した。これら以外は実施例1と同様にして、実施例3〜6にかかる二次電池システム及びハイブリッド自動車を構成した。
(実施例7〜9)
実施例7〜9では、上限充電深さSOCTを80%、充電終止充電深さSOCCと放電終止充電深さSOCDとの差を20%に設定した。さらに、下限充電深さSOCBを、実施例7では10%、実施例8では20%、実施例9では30%に設定した。これら以外は実施例1と同様にして、実施例7〜9にかかる二次電池システム及びハイブリッド自動車を構成した。
(比較例1)
比較例1として、図9に示すパターンでリチウムイオン二次電池100を制御する二次電池システムを用意した。この比較例1では、実施例4と同様に、下限充電深さSOCBを20%、上限充電深さSOCTを100%に設定し、充電終止充電深さSOCCと放電終止充電深さSOCDとの差を30%に設定している。しかしながら、実施例4と異なり、放電終止充電深さSOCD及び充電終止充電深さSOCCを、下限充電深さSOCBと上限充電深さSOCTとの間で変動させることなく、リチウムイオン二次電池100の充放電を制御する。具体的には、SOC50%を制御中心として、放電終止充電深さSOCDを35%、充電終止充電深さSOCCを65%に固定して、リチウムイオン二次電池100の充放電を制御する。これ以外は実施例1と同様にして、比較例1の二次電池システムを構成した。
(比較例2)
比較例2では、上限充電深さSOCTを90%に設定し、充電終止充電深さSOCCと放電終止充電深さSOCDとの差を20%に設定した。これ以外は比較例1と同様にして、比較例2の二次電池システムを構成した。従って、この比較例2でも、放電終止充電深さSOCD及び充電終止充電深さSOCCを、下限充電深さSOCBと上限充電深さSOCTとの間で変動させることなく、リチウムイオン二次電池100の充放電を制御する。具体的には、SOC50%を制御中心として、放電終止充電深さSOCDを40%、充電終止充電深さSOCCを60%に固定して、リチウムイオン二次電池100の充放電を制御する。
(サイクル充放電)
実施例1〜9及び比較例1,2の各々の二次電池システムにおいて、リチウムイオン二次電池100の充放電を繰り返し行った。具体的には、各二次電池システムにおいて、リチウムイオン二次電池100について、50Aの充放電電流で、1000サイクルの充放電を行った。実施例1〜9及び比較例1,2におけるリチウムイオン二次電池100の充放電制御方法、充放電サイクルパターンは、前述の通りである(図6、図9参照)。
(放電容量の確認)
実施例1〜9及び比較例1,2の各々の二次電池システムについて、上述の1000サイクルの充放電を行った後、各二次電池システムのリチウムイオン二次電池100の放電容量を測定した。具体的には、まず、1000サイクルの充放電を行った後、各二次電池システムのリチウムイオン二次電池100について、5Aの電流値でSOC80%まで充電を行った。その後、5Aの電流値でSOC0%まで放電を行い、このときの放電容量(放電容量Aとする)を測定した。
引き続き、各二次電池システムのリチウムイオン二次電池100について、リフレッシュ充放電(SOC100%まで充電した後SOC0%まで放電する操作を、数回繰り返し行う)を行った。その後、上述のようにして、各二次電池システムのリチウムイオン二次電池100について、SOC80%から0%にまで放電したときの放電容量(放電容量Bとする)を測定した。
なお、各二次電池システムのリチウムイオン二次電池100について、リフレッシュ充放電を行うことで、サイクル充放電によって生じたLiイオンの局在化を解消することができる。従って、リフレッシュ充放電後の放電容量Bとリフレッシュ充放電前の放電容量Aとの差分値(放電容量B−放電容量A)が、Liイオンの局在化によって低下した放電容量に相当する。すなわち、(放電容量B−放電容量A)の値が、Liイオンの局在化に伴う放電容量の低下量といえる。
従って、放電容量Bに対する(放電容量B−放電容量A)の割合、すなわち、「{(放電容量B−放電容量A)/放電容量B}×100(%)」の値によって、サイクル充放電によって生じたLiイオンの局在化の程度、及び、容量低下の程度を評価した。以下、{(放電容量B−放電容量A)/放電容量B}×100(%)の値を、放電容量低下率ともいう。すなわち、放電容量低下率(%)の値が大きいほど、サイクル充放電によって生じたLiイオンの局在化の程度が大きく、これに伴う放電容量低下が大きいといえる。換言すれば、放電容量低下率の値が小さい二次電池システムでは、正極活物質内におけるLiイオンの局在化を抑制することができ、これにより、リチウムイオン二次電池の放電容量の低下を抑制することができたといえる。
ここで、実施例1〜9及び比較例1,2の各々の二次電池システムについて、放電容量低下率(%)の値を算出した。そして、放電容量低下率の値が1%未満の場合は、放電容量低下が「なし」、1%以上5%未満の場合は、放電容量低下が「あり」、5%以上の場合は、放電容量低下が「顕著」と評価した。これらの結果を表1に示す。
Figure 2010211990
表1に示すように、比較例1,2では、顕著な放電容量低下が発生した。これに対し、実施例1〜9では、比較例1,2に比べて、放電容量低下を抑制することができた。このため、実施例1〜9の二次電池システムでは、リチウムイオン二次電池100の性能を十分に引き出すことができる。この結果より、実施例1〜9では、比較例1,2に比べて、リチウムイオン二次電池100について、正極活物質内におけるLiイオンの局在化を抑制することができたといえる。
従って、2相共存型の充放電を行う正極活物質(実施例1〜9では、LiFePO4)を有するリチウムイオン二次電池について、放電終止充電深さSOCD及び充電終止充電深さSOCCを、下限充電深さSOCBと上限充電深さSOCTとの間で順次変動させつつ充放電を行うことで、正極活物質内におけるLiイオンの局在化を抑制することができるといえる。これにより、リチウムイオン二次電池の放電容量の低下を抑制することができ、リチウムイオン二次電池の性能を十分に引き出すことができるといえる。
また、実施例1〜9の二次電池システムでは、下限充電深さSOCBを30%以下の値とし、且つ、上限充電深さSOCTを80〜100%の範囲内の値としている。さらに、実施例7を除いた実施例(実施例1〜6,8,9)では、下限充電深さSOCBを15%以上の値としている(表1参照)。
ここで、リチウムイオン二次電池100にかかるSOCと電池電圧との関係を示すグラフを図7に示す。図7に示すように、リチウムイオン二次電池100では、SOCが15%未満になると電池電圧が急激に低下する(図7参照)。従って、下限充電深さSOCBを15%以上に設定している実施例1〜6,8,9では、電池電圧が小さく(約3.3V以下)なるのを防止できるので、リチウムイオン二次電池100の出力特性を良好にできる。
なお、SOCが15%未満になると電池電圧が急激に低下する傾向は、LiM1(1-X)M2XPO4(M1は、FeまたはMnであり、M2は、Mn,Cr,Co,Cu,Ni,V,Mo,Ti,Zn,Al,Ga,Mg,B,Nbの少なくともいずれか(但し、M1がMnのときはMnを除く)であり、0≦X≦0.5)で表される化合物を正極活物質として用いたリチウムイオン二次電池全般に見られる。参考として、図8に、正極活物質にLiMnPO4を用いたリチウムイオン二次電池(リチウムイオン二次電池100と比べて、正極活物質のみが異なる)にかかるSOCと電池電圧との関係を示すグラフを示す。従って、上記組成式で表される化合物を正極活物質として用いたリチウムイオン二次電池について、下限充電深さSOCBを15%以上として充放電を制御することで、電池電圧が小さくなるのを防止でき、リチウムイオン二次電池の出力特性を良好にできるといえる。
また、実施例1〜9の二次電池システムでは、下限充電深さSOCBを30%以下とし、上限充電深さSOCTを80%以上としている(表1参照)。これにより、放電終止充電深さSOCD及び充電終止充電深さSOCCを、下限充電深さSOCBと上限充電深さSOCTとの間で十分に大きく変動させることができる。このため、実施例1〜9の二次電池システムでは、正極活物質内におけるLiイオンの局在化を抑制することができ、リチウムイオン二次電池100の放電容量の低下を抑制することができたといえる。従って、上記組成式で表される化合物を正極活物質として用いたリチウムイオン二次電池について、下限充電深さSOCBを30%以下とし、上限充電深さSOCTを80%以上として充放電を制御することで、正極活物質内におけるLiイオンの局在化を抑制することができ、リチウムイオン二次電池100の放電容量の低下を抑制することができるといえる。
しかも、図7及び図8に示すように、上記組成式で表される化合物を正極活物質として用いたリチウムイオン二次電池では、SOC30%〜80%の範囲では、電池電圧がほとんど変動しない。従って、SOCBを30%以下としSOCTを80%以上とすることで、SOC30%〜80%の広い容量範囲において、電池電圧をほとんど変動させることなく、リチウムイオン二次電池を放電させることができる。これにより、安定した出力特性を得ることができる。
また、実施例1〜9の二次電池システムでは、上限充電深さSOCTを100%以下としている(表1参照)。上限充電深さSOCTを100%以下とすることで、過充電を防止することができる。これにより、過充電による不具合(電池内部におけるガス発生に伴って、電解液が減少し、早期に寿命に至ることなど)を防止することができる。
さらに、実施例1〜9の二次電池システムでは、充電終止充電深さSOCCと放電終止充電深さSOCDとの差を10〜50%の範囲内の値としている(表1参照)。すなわち、1回の充電電気量または放電電気量を、SOC10%〜50%の範囲内の値に相当する電気量にしている(図6参照)。このようにして、SOCD及びSOCCを、下限充電深さSOCB(30%以下の値)と上限充電深さSOCT(80〜100%の範囲内の値)との間で順次変動させつつ充放電を行うことで、正極活物質内におけるLiイオンの局在化を適切に抑制することができる。このため、実施例1〜9の二次電池システムでは、正極活物質内におけるLiイオンの局在化を抑制することができ、リチウムイオン二次電池100の放電容量の低下を抑制することができたといえる。
ところで、実施例5,6では、放電容量低下を抑制することができたものの、他の実施例に比べて、放電容量低下が大きくなった(表1参照)。換言すれば、実施例1〜4,7〜9では、実施例5,6に比べて、より一層放電容量低下を抑制することができた。その理由は、実施例5,6では、充電終止充電深さSOCCと放電終止充電深さSOCDとの差を40%以上としたのに対し、実施例1〜4,7〜9では、充電終止充電深さSOCCと放電終止充電深さSOCDとの差を、10〜30%の範囲内の値としているからであると考えられる。従って、SOCCとSOCDとの差を10〜30%の範囲内の値として、SOCD及びSOCCを、SOCB(30%以下の値)とSOCT(80〜100%の範囲内の値)との間で順次変動させつつ充放電を行うことで、正極活物質内におけるLiイオンの局在化を、より一層抑制することができるといえる。
以上において、本発明を実施例1〜9に即して説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施例1の二次電池システム6では、正極活物質としてLiFePO4を有するリチウムイオン二次電池100を用いた。しかしながら、正極活物質は、LiFePO4に限定されるものではなく、LiMnPO4など2相共存型の充放電を行う正極活物質であればいずれを用いても良い。
1 ハイブリッド自動車
6 二次電池システム
10 組電池
30 制御装置
100 リチウムイオン二次電池
153 正極活物質

Claims (9)

  1. 2相共存型の充放電を行う正極活物質を有するリチウムイオン二次電池の充放電を制御する方法であって、
    上記リチウムイオン二次電池を、放電終止充電深さSOCDと充電終止充電深さSOCCとの間で使用し、
    上記放電終止充電深さSOCD及び充電終止充電深さSOCCを、下限充電深さSOCBと上限充電深さSOCTとの間で順次変動させる
    リチウムイオン二次電池の充放電制御方法。
  2. 請求項1に記載のリチウムイオン二次電池の充放電制御方法であって、
    前記正極活物質は、LiM1(1-X)M2XPO4(M1は、FeまたはMnであり、M2は、Mn,Cr,Co,Cu,Ni,V,Mo,Ti,Zn,Al,Ga,Mg,B,Nbの少なくともいずれか(但し、M1がMnのときはMnを除く)であり、0≦X≦0.5)で表される化合物である
    リチウムイオン二次電池の充放電制御方法。
  3. 請求項2に記載のリチウムイオン二次電池の充放電制御方法であって、
    前記下限充電深さSOCBは15〜30%の範囲内の値であり、
    前記上限充電深さSOCTは80〜100%の範囲内の値である
    リチウムイオン二次電池の充放電制御方法。
  4. 請求項3に記載のリチウムイオン二次電池の充放電制御方法であって、
    前記充電終止充電深さSOCCと前記放電終止充電深さSOCDとの差が10〜50%の範囲内である
    リチウムイオン二次電池の充放電制御方法。
  5. 2相共存型の充放電を行う正極活物質を有するリチウムイオン二次電池と、
    上記リチウムイオン二次電池の充放電を制御する制御装置と、を備える
    二次電池システムであって、
    上記制御装置は、
    上記リチウムイオン二次電池を放電終止充電深さSOCDと充電終止充電深さSOCCとの間で充放電させる制御をし、且つ、上記放電終止充電深さSOCD及び充電終止充電深さSOCCを、下限充電深さSOCBと上限充電深さSOCTとの間で順次変動させる制御を行う
    二次電池システム。
  6. 請求項5に記載の二次電池システムであって、
    前記正極活物質は、LiM1(1-X)M2XPO4(M1は、FeまたはMnであり、M2は、Mn,Cr,Co,Cu,Ni,V,Mo,Ti,Zn,Al,Ga,Mg,B,Nbの少なくともいずれか(但し、M1がMnのときはMnを除く)であり、0≦X≦0.5)で表される化合物である
    二次電池システム。
  7. 請求項6に記載の二次電池システムであって、
    前記下限充電深さSOCBは15〜30%の範囲内の値であり、
    前記上限充電深さSOCTは80〜100%の範囲内の値である
    二次電池システム。
  8. 請求項7に記載の二次電池システムであって、
    前記充電終止充電深さSOCCと前記放電終止充電深さSOCDとの差が10〜50%の範囲内である
    二次電池システム。
  9. ハイブリッド自動車であって、
    請求項5〜請求項7のいずれか一項に記載の二次電池システムを、当該ハイブリッド自動車の駆動用電源システムとして搭載してなる
    ハイブリッド自動車。
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