JP2017054677A - リチウムイオン電池用負極 - Google Patents
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Abstract
【課題】低SOCでの出力を維持しつつ、Li析出耐性が向上したリチウムイオン電池用負極を提供する。【解決手段】リチウムイオン電池用負極は、黒鉛、ソフトカーボンおよびハードカーボンを含む。リチウムイオン電池用負極は、黒鉛、ソフトカーボンおよびハードカーボンの合計質量に対する、ソフトカーボンの質量比率をX〔質量%〕、ハードカーボンの質量比率をY〔質量%〕とするとき、X≧15、Y≧2、かつX+Y≦20となる関係を満たす。【選択図】図1
Description
本発明は、リチウムイオン電池用負極に関する。
国際公開2012/014259号(特許文献1)には、易黒鉛化性炭素の表面に難黒鉛化性炭素が付着してなる複合粒子と、黒鉛とを含有するリチウムイオン電池用負極が開示されている。
リチウム(Li)イオンを吸蔵放出可能な負極活物質として、黒鉛、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン,以下「SC」と略記する場合がある)、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン,以下「HC」と略記する場合がある)等の炭素材料が知られている。
特許文献1によれば、負極活物質として黒鉛、SCおよびHCの3種を含む負極において、各成分を、SC:63〜98.5質量%、HC:0.5〜10質量%、残部:黒鉛となるように配合することにより、サイクル特性等が向上するとされている。
しかしながら、本発明者の検討によると、負極活物質の主成分をSC、HC等の結晶性の低い炭素材料とすると、低い充電状態(以下「低SOC」と記す)での出力が低下する可能性がある。
ゆえに本発明は、低SOCでの出力を維持しつつ、Li析出耐性が向上したリチウムイオン電池用負極の提供を目的とする。
リチウムイオン電池用負極は、黒鉛、ソフトカーボンおよびハードカーボンを含む。リチウムイオン電池用負極は、黒鉛、ソフトカーボンおよびハードカーボンの合計質量に対する、ソフトカーボンの質量比率をX〔質量%〕、ハードカーボンの質量比率をY〔質量%〕とするとき、X≧15、Y≧2、かつX+Y≦20となる関係を満たす。
低SOCでの出力特性は、たとえばプラグインハイブリッド車両(PHV)の電源として、リチウムイオン電池を用いる場合等に重要となる。低SOCでの出力が、EV走行距離(電力による走行距離)にかかわるためである。本発明者の検討によれば、そうした用途において、低SOCでの出力を十分なものとするためには、負極活物質の80質量%以上を、結晶性の高い炭素材料すなわち黒鉛とする必要がある。
しかし、負極活物質の80質量%以上を黒鉛とした場合、Li析出耐性の低下という新たな問題が生じる。PHV等の回生ブレーキシステムを備えた車両では、大電流(ハイレート)の充放電を短い間隔で繰り返す使用態様(以下「ハイレートパルスサイクル」と称する)が想定される。負極活物質の80質量%以上を黒鉛した場合、ハイレートパルスサイクル時に、負極表面で充電反応が進行し難くなり、負極表面に金属Liが析出しやすくなる。黒鉛は密に充填されやすいため、負極内の空隙が減少し、電解液が負極内に浸透できず、反応に寄与すべきLiイオンが不足すると考えられる。このため、黒鉛の質量比率を高めた場合には、たとえば回生時の入力(充電電流)を低く制限しなければならなくなり、回生効率が低下する可能性がある。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、低SOCでの出力を維持しつつ、Li析出耐性を向上させることができる特定の配合を見出した。すなわち本発明のリチウムイオン電池用負極は、黒鉛、SCおよびHCの合計質量に対する、SCの質量比率をX〔質量%〕、HCの質量比率をY〔質量%〕とするとき、X≧15、Y≧2、かつX+Y≦20となる関係を満たす。
図1は、負極活物質の成分比率を示すグラフである。図1のグラフでは、SCの質量比率をX軸、HCの質量比率をY軸としている。図1中の領域Aは、X≧15、Y≧2、かつX+Y≦20となる関係を満たす領域を示している。
SCは、黒鉛に比し、かさ高い粉末である。負極活物質としてSCを15質量%以上配合することにより、負極内においてSCが立体障害となり、負極内に電解液が浸透できる空隙が形成される。
HCは、導電性に優れる。負極活物質としてHCを2質量%以上配合することにより、負極表面の充電反応が進行しやすくなる。
本発明のリチウムイオン電池用負極では、これら効果の相乗により、Li析出耐性が向上する。ただし、SCとHCとの合計は20質量%以下とする。SCとHCとの合計が20質量%を超えると、低SOCでの出力確保が困難になるためである。
上記によれば、低SOCでの出力を維持しつつ、Li析出耐性が向上したリチウムイオン電池用負極が提供される。
以下、本発明の実施形態(以下「本実施形態」と記す)の一例を説明する。ただし本実施形態は、以下の説明に限定されるものではない。以下の説明では、リチウムイオン電池を単に「電池」と、リチウムイオン電池用負極を単に「負極」と記す場合がある。
<リチウムイオン電池>
図2は、リチウムイオン電池の構成の一例を示す概略断面図である。電池1000は、たとえばPHVの電源として使用できる角形電池である。電池1000の定格容量は、たとえば1〜30Ah程度(典型的には4〜25Ah程度)である。
図2は、リチウムイオン電池の構成の一例を示す概略断面図である。電池1000は、たとえばPHVの電源として使用できる角形電池である。電池1000の定格容量は、たとえば1〜30Ah程度(典型的には4〜25Ah程度)である。
電池1000は、電池ケース500を備える。電池ケース500は、典型的には有底角形のケース本体と、蓋とから構成される。電池ケース500は、たとえばアルミニウム(Al)合金製であってもよい。電池ケース500には、外部端子である負極端子501および正極端子502が設けられている。電池ケース500には、注液口、安全弁、電流遮断機構等が設けられていてもよい。
《電極群》
電池ケース500には、電極群800および電解液600が収容されている。電極群800の幅方向の一方端に露出した負極集電体101は、負極端子501と接続されている。また電極群800の幅方向の他方端に露出した正極集電体201は、正極端子502と接続されている。
電池ケース500には、電極群800および電解液600が収容されている。電極群800の幅方向の一方端に露出した負極集電体101は、負極端子501と接続されている。また電極群800の幅方向の他方端に露出した正極集電体201は、正極端子502と接続されている。
電解液600は、電池ケース500の底部に貯留される分の他、電極群800の内部にも浸透している。電解液は、非プロトン性溶媒と、Li塩とを含む液体電解質である。非プロトン性溶媒は、たとえばエチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)およびエチルメチルカーボネート(EMC)等からなる混合溶媒であってもよい。Li塩は、たとえばLiPF6等であってもよい。
図3は、電極群の構成の一例を示す概略図である。電極群800は、巻回型の電極群である。電極群800を構成する負極100、正極200およびセパレータ300は、いずれも帯状のシート部材である。電極群800は、負極100と正極200との間にセパレータ300が介在するように、これらを積層し、さらに巻回してなる。電極群800は、巻回後、その外形が扁平状となるようにプレス成形されている。セパレータは、たとえばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の微多孔膜であってもよい。
《リチウムイオン電池用負極》
負極100は、たとえば負極集電体101と、負極集電体101の表面に配置された負極合材層102とを含む。負極集電体101は、たとえば銅(Cu)箔等でよい。負極合材層102は、たとえば負極活物質、増粘材、バインダおよび溶媒等を含有するペーストを、負極集電体上に塗着してなる。ペーストの調製には、たとえばプラネタリミキサ等を用いればよい。溶媒には、たとえば水を用いることができる。
負極100は、たとえば負極集電体101と、負極集電体101の表面に配置された負極合材層102とを含む。負極集電体101は、たとえば銅(Cu)箔等でよい。負極合材層102は、たとえば負極活物質、増粘材、バインダおよび溶媒等を含有するペーストを、負極集電体上に塗着してなる。ペーストの調製には、たとえばプラネタリミキサ等を用いればよい。溶媒には、たとえば水を用いることができる。
負極合材層は、負極活物質として黒鉛、SCおよびHCを含む。換言すれば、負極が黒鉛、SCおよびHCを含んでいる。負極合材層は、負極活物質(黒鉛、SCおよびHCの合計)を、たとえば90〜99質量%程度含有する。
(黒鉛)
黒鉛、SCおよびHCの合計質量に対する黒鉛の質量比率は80質量%以上とする。黒鉛は、好ましくは天然黒鉛である。黒鉛は、人造黒鉛であってもよい。黒鉛は、好ましくは球形化黒鉛である。球形化黒鉛とは、鱗片状の天然黒鉛に球形化処理を施した黒鉛を示す。黒鉛のD50は、たとえば1〜20μm程度である。ここで「D50」は、レーザ回折/散乱法よって測定された体積基準の粒度分布における累積値50%での粒径(「メジアン径」とも称される)を示している。
黒鉛、SCおよびHCの合計質量に対する黒鉛の質量比率は80質量%以上とする。黒鉛は、好ましくは天然黒鉛である。黒鉛は、人造黒鉛であってもよい。黒鉛は、好ましくは球形化黒鉛である。球形化黒鉛とは、鱗片状の天然黒鉛に球形化処理を施した黒鉛を示す。黒鉛のD50は、たとえば1〜20μm程度である。ここで「D50」は、レーザ回折/散乱法よって測定された体積基準の粒度分布における累積値50%での粒径(「メジアン径」とも称される)を示している。
(ソフトカーボン)
ソフトカーボン(SC)とは、不活性雰囲気中2500℃以上の熱処理によって、天然黒鉛類似の規則的な結晶構造を生成し易い炭素材料である。SCは、たとえば石油系および石炭系のコークス、ピッチ等を熱処理することにより生成される。熱処理温度は、たとえば800〜1000℃程度である。SCは、負極合材層内において立体障害となり、電解液が浸透できる空隙を形成する。SCのD50は、好ましくは8〜10μm程度である。かかる範囲で、所望の空隙が形成されやすいためである。
ソフトカーボン(SC)とは、不活性雰囲気中2500℃以上の熱処理によって、天然黒鉛類似の規則的な結晶構造を生成し易い炭素材料である。SCは、たとえば石油系および石炭系のコークス、ピッチ等を熱処理することにより生成される。熱処理温度は、たとえば800〜1000℃程度である。SCは、負極合材層内において立体障害となり、電解液が浸透できる空隙を形成する。SCのD50は、好ましくは8〜10μm程度である。かかる範囲で、所望の空隙が形成されやすいためである。
(ハードカーボン)
ハードカーボン(HC)とは、不活性雰囲気中2500℃以上の熱処理によっても、天然黒鉛類似の規則的な結晶構造を生成し難い炭素材料である。HCも、たとえば石油系および石炭系のコークス、ピッチ等を熱処理することにより生成される。熱処理温度は、たとえば400〜800℃程度である。HCは、導電性が高く、負極活物質の表面におけるLiイオンの挿入反応を促進する。HCのD50は、好ましくは4〜6μm程度である。かかる範囲で所望の導電パスが形成されやすいためである。
ハードカーボン(HC)とは、不活性雰囲気中2500℃以上の熱処理によっても、天然黒鉛類似の規則的な結晶構造を生成し難い炭素材料である。HCも、たとえば石油系および石炭系のコークス、ピッチ等を熱処理することにより生成される。熱処理温度は、たとえば400〜800℃程度である。HCは、導電性が高く、負極活物質の表面におけるLiイオンの挿入反応を促進する。HCのD50は、好ましくは4〜6μm程度である。かかる範囲で所望の導電パスが形成されやすいためである。
(負極活物質の配合)
本実施形態では、黒鉛、SCおよびHCの合計質量に対する、SCの質量比率をX〔質量%〕、HCの質量比率をY〔質量%〕とするとき、X≧15、Y≧2、かつX+Y≦20となる関係を満たす。これにより、低SOCでの出力を維持しつつ、Li析出耐性を向上させることができる。Li析出耐性の観点から、さらに15≦X≦17、2≦Y≦4となる関係を満たすことが好ましい。なお黒鉛、SCおよびHCは複合化されていてもよい。
本実施形態では、黒鉛、SCおよびHCの合計質量に対する、SCの質量比率をX〔質量%〕、HCの質量比率をY〔質量%〕とするとき、X≧15、Y≧2、かつX+Y≦20となる関係を満たす。これにより、低SOCでの出力を維持しつつ、Li析出耐性を向上させることができる。Li析出耐性の観点から、さらに15≦X≦17、2≦Y≦4となる関係を満たすことが好ましい。なお黒鉛、SCおよびHCは複合化されていてもよい。
負極合材層は、負極活物質の他、たとえばバインダ等を含有していてもよい。負極合材層は、バインダをたとえば1〜10質量%程度含有する。バインダとしては、たとえばスチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ポリアクリル酸ナトリウム(PAA−Na)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)等が挙げられる。
以上、角形電池を例にとって本実施形態を説明した。ただし本実施形態は角形電池に限定されるものではない。本実施形態は、たとえば円筒形電池、ラミネート式電池等に適用してもよい。電極群も巻回型に限られず、たとえば積層型(「スタック型」とも称される)としてもよい。
以下、実施例を用いて本実施形態を説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
<リチウムイオン電池用負極およびリチウムイオン電池の作製>
表1に示すように、黒鉛、SCおよびHCの質量比率をそれぞれ変更して、各種負極およびこれを用いた評価用電池を作製した。評価用電池は、定格容量が5Ahの角形電池とした(図2を参照のこと)。以下、評価用電池の仕様を列記する。
表1に示すように、黒鉛、SCおよびHCの質量比率をそれぞれ変更して、各種負極およびこれを用いた評価用電池を作製した。評価用電池は、定格容量が5Ahの角形電池とした(図2を参照のこと)。以下、評価用電池の仕様を列記する。
1.負極
負極活物質:黒鉛、SCおよびHC(各成分の内訳は表1に示す。)
バインダ :CMC−NaおよびSBR
合材配合 :[負極活物質:CMC−Na:SBR=98:1:1]
負極集電体:Cu箔。
負極活物質:黒鉛、SCおよびHC(各成分の内訳は表1に示す。)
バインダ :CMC−NaおよびSBR
合材配合 :[負極活物質:CMC−Na:SBR=98:1:1]
負極集電体:Cu箔。
2.正極
正極活物質:LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2
導電材 :アセチレンブラック(AB)
バインダ :ポリフッ化ビニリデン(PVDF)
合材配合 :[正極活物質:AB:PVDF=90:8:2]
正極集電体:Al箔。
正極活物質:LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2
導電材 :アセチレンブラック(AB)
バインダ :ポリフッ化ビニリデン(PVDF)
合材配合 :[正極活物質:AB:PVDF=90:8:2]
正極集電体:Al箔。
3.セパレータ
PP/PE/PPの3層構造を有する微多孔膜セパレータ。
PP/PE/PPの3層構造を有する微多孔膜セパレータ。
4.電解液
LiPF6(1.0mоl/l)、EC:DMC:EMC=3:4:3(体積比)。
LiPF6(1.0mоl/l)、EC:DMC:EMC=3:4:3(体積比)。
<電池性能の評価>
以下のようにして、各電池の性能を評価した。
以下のようにして、各電池の性能を評価した。
1.低SOCでの出力の測定
室温環境において、電池のSOCを30%に調整した。−10℃に設定された恒温槽内に電池を配置し、2時間静置した。その後、100〔A〕の電流で放電し、放電開始から2秒後の電圧を用いて出力を算出した。結果を表1に示す。表1中「低SOC出力比」の欄に示す値は、各例での出力を比較例5(負極活物質が黒鉛のみの例)の出力で除した値〔無次元数〕を示している。同値が「1.00」に近いほど、低SOCでの出力低下が小さいことを示している。
室温環境において、電池のSOCを30%に調整した。−10℃に設定された恒温槽内に電池を配置し、2時間静置した。その後、100〔A〕の電流で放電し、放電開始から2秒後の電圧を用いて出力を算出した。結果を表1に示す。表1中「低SOC出力比」の欄に示す値は、各例での出力を比較例5(負極活物質が黒鉛のみの例)の出力で除した値〔無次元数〕を示している。同値が「1.00」に近いほど、低SOCでの出力低下が小さいことを示している。
2.限界電流値の測定
電池のSOCを60%に調整した。−10℃に設定された恒温槽内に電池を配置し、2時間静置した。次いで、以下の手順で限界電流値を求めた。
電池のSOCを60%に調整した。−10℃に設定された恒温槽内に電池を配置し、2時間静置した。次いで、以下の手順で限界電流値を求めた。
I〔A〕の電流値で20秒間のパルス充電と、パルス放電との組み合わせを1サイクルとするパルス充放電サイクルを50サイクル行う。50サイクル後、電池容量を測定する。サイクル後容量を初期容量で除することにより、容量維持率(百分率)を求める。容量維持率が90%を超えていれば、電流値を(I+ΔI)〔A〕に上昇させて再度50サイクルを行い、容量維持率を求める。この操作を容量維持率が90%に達するまで繰り返し、容量維持率が90%に達したときの電流値を限界電流値とした。
結果を表1に示す。表1中「限界電流値比」の欄に示す値は、各例での限界電流値を、比較例5(負極活物質が黒鉛のみの例)の限界電流値で除した値〔無次元数〕を示している。同値が大きい程、Li析出耐性が良好である。
<結果と考察>
表1中、比較例5と、その他の比較例および実施例とを比較すると、黒鉛の一部をSCおよびHCで置き換えると、低SOCでの出力が低下することが分かる。
表1中、比較例5と、その他の比較例および実施例とを比較すると、黒鉛の一部をSCおよびHCで置き換えると、低SOCでの出力が低下することが分かる。
しかし、黒鉛、SCおよびHCの合計質量に対する、SCの質量比率をX〔質量%〕、HCの質量比率をY〔質量%〕とするとき、X≧15、Y≧2、かつX+Y≦20となる関係を満たす、実施例の負極を用いた電池では、出力の低下幅が非常に小さい。黒鉛の質量比率を80質量%以上としたことにより、低SOCでの出力の低下が抑制されたと考えられる。
さらに実施例の電池では、限界電流値比も大幅に向上している。SCを15質量%以上配合したことにより、負極(負極合材層)内に、適度に空隙が形成され、負極内の電解液量(すなわちLiイオン量)が増加し、さらにHCを2質量%以上配合したことにより、導電性が高まり、Liイオンの挿入反応が促進されたと考えられる。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施形態および実施例ではなくて、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 負極、101 負極集電体、102 負極合材層、200 正極、201 正極集電体、300 セパレータ、500 電池ケース、501 負極端子、502 正極端子、600 電解液、800 電極群、1000 電池、A 領域。
Claims (1)
- 黒鉛、ソフトカーボンおよびハードカーボンを含み、
前記黒鉛、前記ソフトカーボンおよび前記ハードカーボンの合計質量に対する、前記ソフトカーボンの質量比率をX〔質量%〕、前記ハードカーボンの質量比率をY〔質量%〕とするとき、X≧15、Y≧2、かつX+Y≦20となる関係を満たす、リチウムイオン電池用負極。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015177481A JP2017054677A (ja) | 2015-09-09 | 2015-09-09 | リチウムイオン電池用負極 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2015177481A JP2017054677A (ja) | 2015-09-09 | 2015-09-09 | リチウムイオン電池用負極 |
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