JP6699608B2 - 非水系二次電池 - Google Patents

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Description

本開示は、非水系二次電池に関する。
特開2014−120367号公報(特許文献1)は、マンガンを含有する遷移金属複合酸化物からなる正極活物質を有する正極と、非晶質コートを有する天然黒鉛である負極活物質を備える負極とを備える非水電解質二次電池を開示している。
特開2014−120367号公報
特許文献1では、正極活物質を含む正極および負極活物質を含む負極を備えた非水系二次電池(以下単に、「電池」とも記す)であって、正極活物質として一般式LiNiCoMn(0≦x≦2/3、0≦y≦2/3、1/3≦z<1、x+y+z=1)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物を用いることが開示されている。また、負極活物質は、非晶質(アモルファス)コートを有する天然黒鉛であることが開示されている。上記式で表されるリチウム遷移金属複合酸化物は、層状岩塩型の結晶構造を有する酸化物であると考えられる。なお。本明細書の「リチウム遷移金属複合酸化物」とは、リチウム(Li)と1または2以上の遷移金属元素とを構成元素として含む酸化物をいう。
一般式LiNiCoMn(0≦x≦2/3、0≦y≦2/3、1/3≦z<1、x+y+z=1)で表されるLi遷移金属複合酸化物を正極活物質として用いることにより、出力密度および発生する電圧の高さに優れた電池が得られると考えられている。ここで、本明細書の「出力密度」とは、単位質量当りに取り出せるエネルギーをいい、Wh/kgという単位で示される。エネルギーは、電圧に電流値を乗じたものである。
非晶質コートを有する天然黒鉛である負極活物質は、非晶質コートのコート量を調整することによって、負極活物質の比表面積が調整可能であると考えられている。
特許文献1では、LiNiCoMn(0≦x≦2/3、0≦y≦2/3、1/3≦z<1、x+y+z=1)で表されるLi遷移金属複合酸化物を正極活物質として用い、非晶質コートを有する天然黒鉛を負極活物質として用いることにより、電池が自動車走行環境で長期間使用された場合においても、電池が容易に劣化せず、電池の容量維持率が大幅に向上することも確認されている。
電池の充電時において、正極活物質に含まれるLiが引き抜かれ、正極活物質の結晶構造が転移することが知られている。また、電池の初回の充電時において、係るLiの引き抜きが特に発生するものと考えられている。正極活物質の結晶構造が転移した状態において、電池が充電および放電(以下、「電池の充放電」とも記載する)を繰り返した際には、正極活物質に含まれるLiがさらに負極側へと移動する可能性がある。係る場合、正極活物質の結晶構造がさらに転移すると考えられる。結晶構造の転移の結果として、電池の出力密度が低減すると考えられる。なお、本明細書の「電池の充放電を繰り返した際」とは、電池の充放電を1サイクルとした場合、電池の充電放電を複数回のサイクル繰り返すことをいい、たとえば、電池の充電放電を1000サイクル以上繰り返した状態をいう。
特許文献1において開示される電池は、一般式LiNiCoMn(0≦x≦2/3、0≦y≦2/3、1/3≦z<1、x+y+z=1)で表されるLi遷移金属複合酸化物を正極活物質として用いている。したがって、電池の充電時において、正極活物質に含まれるLiが引き抜かれ、正極活物質の結晶構造が転移しているものと考えられる。
すなわち、特許文献1において開示されている電池は、電池の充放電が繰り返され、電池が耐久劣化した際における、出力密度の低減について、改善の余地がある。
本開示の目的は、電池が耐久劣化した際における出力密度の低減が改善され得る非水系二次電池を提供することにある。
以下、本開示の技術的構成および作用メカニズムが説明される。ただし本開示の作用メカニズムは推定を含んでいる。作用メカニズムの正否により、特許請求の範囲が限定されるべきではない。
非水系二次電池は、正極活物質を含む正極および負極活物質を含む負極を備える。正極活物質は、LiNiCoMn(0.1≦a≦0.2、0.4≦b≦0.5、0.4≦c≦0.5、a+b+c=1)からなる。正極活物質表面には、Ce(セリウム)、Yb(イッテルビウム)、Er(エルビウム)およびHf(ハフニウム)からなる群から選択される1種以上の元素が配置されている。負極活物質は、非晶質炭素からなる。
上記のLiNiCoMn(0.1≦a≦0.2、0.4≦b≦0.5、0.4≦c≦0.5、a+b+c=1)からなる正極活物質の表面には、Ce、Yb、ErおよびHfからなる群から選択される1種以上の元素が配置されている。加えて、負極活物質は非晶質炭素からなる。正極活物質の表面に上述の元素を配置することにより、電池の初回の充電時における、Liの引き抜きが抑制されるものと考えられる。そしてこれにより、電池の初回の充電時において正極活物質の結晶構造が転移することを抑制できるものと考えられる。また、LiNiCoMn(0.1≦a≦0.2、0.4≦b≦0.5、0.4≦c≦0.5、a+b+c=1)からなる正極活物質および非晶質炭素からなる負極活物質を備えることによって、正極活物質に含まれるLiが過度に負極側へと移動することが抑制されるものと考えられる。したがって、電池の初回の充電時をはじめ、正極活物質に含まれるLiが過度に負極側へと移動することが抑制されるものと考えられる。これにより正極活物質の結晶構造の転移が抑制されることが期待される。すなわち、電池の充放電を繰り返したとしても、出力密度の低減が抑制された、非水系二次電池が提供されることが期待される。
図1は、本開示に係る電池が備える正極活物質LiNiCoMn(0.1≦a≦0.2、0.4≦b≦0.5、0.4≦c≦0.5、a+b+c=1)の組成図である。 図2は、充放電耐久試験後における、電池のSOCに対する電圧の変化を示すグラフである。
以下、本開示の実施形態(以下「本実施形態」と記される)が説明される。ただし、以下の説明は、特許請求の範囲を限定するものではない。
<非水系二次電池用正極>
本実施形態に係る非水系二次電池用正極(以下、単に「正極」とも記される)は、正極活物質を含む。正極は正極集電体を備え、正極活物質は正極合材層に含有され、正極合材層は正極集電体上に配置される。正極集電体は、たとえば、アルミニウム(Al)箔等であってもよい。Al箔は、純Al箔であってもよいし、Al合金箔であってもよい。正極集電体は、たとえば、10〜30μmの厚さを有してもよい。
《正極活物質》
図1は、LiNiO、LiCoOおよびLiMnOを3つの成分として配置した三元系状態図上において、電池が備える正極活物質の組成を示したものである。本開示における正極活物質は、図1の正三角形状の網掛け部分の領域に属する組成を有する。すなわち、正極活物質は、LiNiCoMn(0.1≦a≦0.2、0.4≦b≦0.5、0.4≦c≦0.5、a+b+c=1(以下、「関係式(I)」とも記す))からなる。
正極活物質であるLiNiCoMnにおいて、Niの組成比aは、0.1≦a≦0.2となる関係を満たす。Niの組成比aが0.1未満の場合、正極活物質に含まれるNi(ニッケル)の量が不足するため電池の容量密度が低くなると考えられる。なお、本明細書の「容量密度」とは、所定の充電条件において充電可能な容量(単位:mAh)を、対象となる電池全体の体積(単位:cm)で除した値をいう。Niの組成比aが0.2を超えると、Co(コバルト)およびMn(マンガン)の量が不足すると考えられる。Niの組成比aは、0.1≦a≦0.15となる関係を満たしてもよいし、0.15≦x≦0.2となる関係を満たしてもよい。
正極活物質であるLiNiCoMnにおいて、Coの組成比bは、0.4≦b≦0.5となる関係を満たす。Coの組成比bが0.4未満の場合、正極活物質に含まれるCoの量が不十分であるため、電池の初期抵抗が高くなると考えられる。ここで、本明細書の「初期抵抗」とは、初期状態にある電池の抵抗をいい、「初期状態」とは、たとえば、電池を製造した直後の状態をいう。Coの組成比bが0.5を超える場合、ニッケルおよびマンガンの量が不足すると考えられる。Coの組成比bは、0.4≦b≦0.45となる関係を満たしてもよいし、0.45≦x≦0.5となる関係を満たしてもよい。
正極活物質であるLiNiCoMnにおいて、Mnの組成比cは、0.4≦c≦0.5なる関係を満たす。Mnの組成比cが0.4未満の場合、正極活物質に含まれるMnの量が不十分であるため、電池の充放電を繰り返した際、電池の出力密度が低下すると考えられる。Mnの組成比cが0.5を超える場合、Mnが溶出すると考えられる。正極活物質からMnが溶出することにより、電池の初期抵抗が高くなる等の、電池性能の劣化を引き起こすものと考えられる。Mnの組成比cは、0.4≦c≦0.45となる関係を満たしてもよいし、0.45≦c≦0.5となる関係を満たしてもよい。
《正極活物質表面に配置される元素》
Ce、Yb、ErおよびHfからなる群から選択される1種以上の元素が、正極活物質の表面に配置されている。なお、本明細書の「正極活物質の表面に配置されている」とは、正極活物質の結晶粒子の表面に配置されていることをいう。正極活物質の結晶粒子の表面とは、正極活物質の結晶粒子が有する細孔の表面も含むものである。なお、正極活物質の表面に配置された元素の一部は、正極活物質の結晶構造に組み込まれてもよいし、組み込まれなくてもよい。これらの元素は、単独で正極活物質の表面に配置されてもよいし、組み合わせて正極活物質の表面に配置されてもよい。すなわち、正極活物質表面には、Ce、Yb、ErおよびHfからなる群から選択される1種以上の元素が配置されている。正極活物質表面にこれらの元素が配置されることにより、正極活物質からLiが引き抜かれることが抑制され、正極活物質の結晶構造の構造転移が抑制されることが期待される。これらの元素の含有量は、たとえば、正極活物質を構成するLi以外の金属元素を100mol%としたときに、0.5mol%以上2mol%以下であってもよいし、0.8mol%以上2mol%以下であってもよいし、0.5mol%以上1.5mol%以下であってもよいし、その他の含有量であってもよい。
正極活物質表面に上記元素を配置するための原料としては、たとえば、上記元素の化合物を用いてもよい。上記元素の化合物としては、上記元素の水酸化物を用いてもよいし、上記元素のオキシ水酸化物を用いてもよいし、上記元素の酸化物を用いてもよい。これらの材料は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。
上記元素の化合物の具体例としては、たとえば、水酸化セリウム、水酸化イッテルビウム、水酸化エルビウム、水酸化ハフニウム、オキシ水酸化セリウム、オキシ水酸化イッテルビウム、オキシ水酸化エルビウム、オキシ水酸化ハフニウム、酸化セリウム、酸化イッテルビウム、酸化エルビウム、酸化ハフニウム等を用いてもよい。
《正極合材》
正極合材は、上記正極活物質、導電材およびバインダ(結着材)を含む。導電材およびバインダは特に限定されるべきではない。導電材は、たとえば、アセチレンブラック(AB)、ファーネスブラック、気相成長炭素繊維(VGCF)、黒鉛等であってもよい。バインダは、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、スチレンブタジエンラバー(SBR)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等であってもよい。
正極合材には分散剤を含んでもよい。分散剤としては、例えばポリビニルアセタール系の分散剤(バインダー型の分散剤)を用いることができる。ポリビニルアセタール系の分散剤としては、例えば、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルベンザール、ポリビニルフェニルアセタール、およびこれらの共重合体等を挙げることができる。
<非水系二次電池用負極>
本実施形態に係る非水系二次電池用負極(以下、単に「負極」とも記される)は、負極活物質を含む。負極は負極集電体を備え、負極活物質は負極合材層に含有され、負極合材層は負極集電体上に配置される。極集電体は、たとえば、銅(Cu)箔等であってもよい。負極合材層は、たとえば10〜150μm程度の厚さを有してもよい。負極合材層は、負極活物質およびバインダ等を含有する。負極合材層は、例えば、95〜99質量%の負極活物質、および1〜5質量%のバインダを含有してもよい。
《負極活物質層》
負極活物質は、非晶質炭素からなる。本明細書の「非晶質炭素」とは、炭素を主成分とした、アモルファス(amorphous)構造を有する結晶性の低い炭素物質をいう。非晶質炭素としては、たとえば、ソフトカーボン、ハードカーボンなどを用いることができる。
<非水系二次電池>
非水系二次電池は、正極と、負極と、正極と負極との間に配置されたセパレータとを有する電極体を備え、この電極体が非水電解液とともに電池ケースに配置されて構成されている。電極体は、扁平に捲回した形態(捲回電極体)とすることもできる。
<セパレータ>
セパレータは、電気絶縁性の多孔質膜である。セパレータは、正極と負極とを電気的に隔離する。セパレータは、たとえば、5〜30μmの厚さを有してもよい。セパレータは、たとえば、多孔質ポリエチレン(PE)膜、多孔質ポリプロピレン(PP)膜等により構成され得る。セパレータは、多層構造を含んでもよい。たとえば、セパレータは、多孔質PP膜、多孔質PE膜、および多孔質PP膜がこの順序で積層されることにより構成されていてもよい。セパレータは、その表面に耐熱層を含んでいてもよい。耐熱層は、耐熱材料を含む。耐熱材料としては、たとえば、アルミナ等の金属酸化物粒子、ポリイミド等の高融点樹脂等が挙げられる。
<非水電解液>
非水電解液は、非水溶媒および支持塩を含む。非水溶媒は、たとえば、エチレンカーボネート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)等の環状あるいは鎖状の炭酸エステル類でよい。支持塩は、たとえば、ヘキサフルオロ燐酸リチウム(LiPF)、テトラフルオロ硼酸リチウム(LiBF)等のLi塩でよい。Li塩の濃度は、たとえば、0.5〜2.0mоl/L程度でよい。非水電解液は、ビニレンカーボネート(VC)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)等の添加剤を含んでいてもよい。
<電池ケース>
電池ケースは、たとえば、角形(扁平直方体)であってもよいし、円筒形であってもよい。たとえば、アルミニウム(Al)、Al合金等の金属が電池ケースを構成する。ただし、電池ケースが所定の密閉性を有する限り、たとえば金属および樹脂の複合材が電池ケースを構成してもよい。金属および樹脂の複合材としては、たとえば、アルミラミネートフィルム等が挙げられる。電池ケースは、外部端子、注液孔、ガス排出弁、電流遮断機構(CID)等を備えていてもよい。
<用途>
本開示において示される電池は、電池の充放電を繰り返した際における、出力密度の低減が抑制されることが期待される。本開示において示さる電池の用途としては、たとえば、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)等の動力電源が挙げられる。
ただし、本開示において示される電池の用途は、こうした車載用途に限定されるべきではない。本開示において示される電池は、あらゆる用途に適用可能である。
以下、本開示の実施例が説明される。ただし以下の例は、特許請求の範囲を限定するものではない。
<非水系二次電池の製造>
《実施例1》
1.正極活物質の調製
Ni、CoおよびMnのモル比が、Ni:Co:Mn=2:4:4となるように、Niの硫酸塩、Coの硫酸塩およびMnの硫酸塩が純水に溶解された。これにより硫酸塩水溶液が得られた。水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液が、硫酸塩水溶液に滴下された。これにより正極活物質の前駆体(共沈水酸化物)が生成された。純水により前駆体が洗浄された。洗浄後の前駆体が乾燥された。乾燥後の前駆体が炭酸リチウム(Li2CO3)と混合された。これにより混合物が得られた。混合物が900℃で15時間加熱された。これにより焼成物が得られた。ボールミルにより焼成物が粉砕された。以上より、LiNi0.2Co0.4Mn0.4で表される正極活物質を得た。
2.金属元素が表面に配置された正極活物質の調製
以下の材料が準備された。
正極活物質:上記で調製したLiNi0.2Co0.4Mn0.4
導電材:アセチレンブラック(AB)
バインダ:ポリフッ化ビニリデン(PVdF)
溶媒:1−メチル−2ピロリドン(NMP)
表面配置元素源:酸化イッテルビウム
プラネタリミキサにより、LiNi0.2Co0.4Mn0.4、AB、PVdFおよびNMPが混合された。これにより、ペースト状の正極活物質(以下、「正極活物質ペースト」と記載する)が調製された。
正極活物質ペーストに含まれるLiNi0.2Co0.4Mn0.4のLi以外の金属元素を100mol%としたときに、1mol%のYbが添加されるように、酸化イッテルビウムを正極活物質ペーストに添加した。その後、メカノケミカル処理によりLiNi0.2Co0.4Mn0.4の表面が、酸化イッテルビウムで被覆された。これにより、表面にYbが配置されたLiNi0.2Co0.4Mn0.4のペースト(以下、「Ybが表面に配置された正極活物質ペースト」と記載する)が調製された。メカノケミカル処理には、メカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン社製)が使用された。Ybが表面に配置された正極活物質ペーストが大気中500℃で5時間熱処理された。これにより、Ybが表面に配置された正極活物質が調製された。
3.ペースト状の正極合材(以下、「正極合材ペースト」と記載する)の調製
以下の材料が準備された。
正極活物質:上記で得られた、Ybが表面に配置された正極活物質
導電材:AB
バインダ:PVdF
溶媒:NMP
プラネタリミキサにより、Ybが表面に配置された正極活物質、AB、PVdFおよびNMPが混合された。これにより、正極合材ペーストが調製された。
4.非水系二次電池用正極の形成
正極集電体である10μmの厚さを有するAl箔の両主面上に、正極合材ペーストが塗布され、乾燥された。これにより、正極集電体上に正極合材層が形成された。正極合材層は、表面にYbが配置されたLiNi0.2Co0.4Mn0.4からなる正極活物質を含んでいる。以上より、非水系二次電池用正極が形成された。正極は圧延され、帯状に裁断された。
5.非水系二次電池用負極の形成
以下の材料が準備された。
負極活物質:ソフトカーボン(比表面積8m/g)
増粘材:カルボキシメチルセルロース(CMC)
バインダ:スチレンブタジエンゴム(SBR)
溶媒:水
負極集電箔:Cu箔(厚さ8μm)。
攪拌装置の攪拌槽に、非晶質炭素であるソフトカーボン、CMC、SBRおよび水を投入し、攪拌することにより、ペースト状の負極合材(以下、「負極合材ペースト」と記載する)が調製された。負極合材ペーストにおいて固形分の配合は、質量比で、ソフトカーボン:CMC:SBR=99:0.5:0.5とした。
負極集電体であるCu箔の両主面に、上記負極合材ペーストが塗布され、乾燥された。これにより、負極集電体上に負極合材層が形成された。以上により、非水系二次電池用負極が形成された。負極は圧延され、帯状に裁断された。
6.非水系電解液の準備
以下の組成を有する電解液が準備された。
溶媒組成:[EC:DMC:EMC=3:4:3(体積比)]
支持塩:LiPF6(1.1mоl/L)
7.非水系二次電池の製造
帯状の正極、帯状の負極および帯状のセパレータ(ポリエチレン多孔質膜)がそれぞれ準備された。セパレータを挟んで、正極と負極とが対向するように、正極、セパレータ、負極、セパレータの順で積層され、さらに渦巻状に巻回された。これにより電極群が構成された。正極および負極に端子がそれぞれ接続された。電極群がアルミニウムからなる電池ケースに収納された。電池ケースに非水電解液が注入され、電池ケースが密閉された。以上より、非水系二次電池が製造された。電池は、円筒形(直径18mm、高さ65mm)である。電池は、3.0〜4.1Vの電圧範囲で1.0Ahの容量を有するように設計されている。
<実施例2および3>
下記表1に示されるように、LiNiCoMnの組成が異なることを除いては、実施例1と同様に正極および負極が製造され、該正極および負極を備える電池が製造された。
<実施例4〜6>
下記表1に示されるように、LiNiCoMnの組成および正極活物質表面に配置される元素(表面配置元素)が異なることを除いては、実施例1と同様に正極および負極が製造され、該正極および負極を備える電池が製造された。
<比較例1、3、5、10および12>
下記表1に示されるように、LiNiCoMnの組成が異なり、表面配置元素が正極活物質表面に配置されず、黒鉛からなる負極活物質を用いたことを除いては、実施例1と同様に正極および負極が製造され、該正極および負極を備える電池が製造された。
<比較例2、4、6、11および13>
下記表1に示されるように、LiNiCoMnの組成が異なり、表面配置元素が正極活物質表面に配置されないことを除いては、実施例1と同様に正極および負極が製造され、該正極および負極を備える電池が製造された。
<比較例7>
下記表1に示されるように、LiNiCoMnの組成が異なることを除いては、実施例1と同様に正極および負極が製造され、該正極および負極を備える電池が製造された。
<比較例8>
下記表1に示されるように、表面配置元素が正極活物質表面に配置されず、黒鉛からなる負極活物質を用いたことを除いては、実施例1と同様に正極および負極が製造され、該正極および負極を備える電池が製造された。
<比較例9>
下記表1に示されるように、表面配置元素が正極活物質表面に配置されないことを除いては、実施例1と同様に正極および負極が製造され、該正極および負極を備える電池が製造された。
<充放電耐久試験>
60℃に設定された恒温槽内に電池が配置された。1Aの電流により、3.0〜4.1Vの電圧範囲で、充放電が1500回繰り返された。これにより、耐久劣化後の電池を得た。
耐久劣化後の電池の充電状態(SOC)が70%に調整された。25℃に設定された恒温槽内において、10Cの電流により、電圧が2.5Vに達するまで電池が放電された。ここで、1Cの電流とは、SOCが100%に調整された電池を放電して、ちょうど1時間で放電終了となる一定の電流である。放電により得られた電力量(単位:Wh)が、電池内の正極活物質の質量(単位:kg)で除されることにより、正極活物質1kgあたりの出力(単位:Wh/kg)が算出された。なお、表1には比較例1の出力密度を100として、他の例の出力密度を相対評価した。結果は下記表1の「出力密度評価」の欄に示されている。
Figure 0006699608
<結果>
上記表1に示されるように実施例では、比較例1〜13と比較して、出力密度評価が優れている。実施例では、LiNiCoMnにおけるNiの組成比a、Coの組成比bおよびMnの組成比cは、0.1≦a≦0.2、0.4≦b≦0.5、0.4≦c≦0.5、およびa+b+c=1で表される関係式(I)を満たしている。更には、正極活物質の表面には、Ce、Yb、ErおよびHfからなる群から選択される1種の元素が配置されている。係る構成を有することにより、電池の初回の充電時も含め、電池の充放電時に正極活物質に含まれるLiが過度に負極側へと移動することを抑制できたものと考えられる。これにより正極活物質の結晶構造の転移が抑制され、電池の充放電を繰り返したとしても出力密度の低減が抑制されたものと考えられる。
《LiNiCoMn組成》
実施例1〜6と比較例7との結果、および比較例1〜6と比較例8〜13との結果から、正極活物質LiNiCoMnにおけるa、bおよびcが、上記関係式(I)を満たす場合、出力密度評価が顕著に改善されている。
図1は、LiNiO、LiCoOおよびLiMnOを3つの成分として配置した三元系状態図上において、電池が備える正極活物質の組成を示したものである。図1の正三角形状の網掛け部分の領域に属する組成は、LiNiCoMnにおけるa、bおよびcが、上記関係式(I)を満たす場合の組成に対応している。実施例1〜6は、図1の正三角形状の網掛け部分の領域の、各頂点のいずれかに該当する組成を有していた。したがって、正極活物質が図1の正三角形状の網掛け部分の領域内に属する組成を備えれば、耐久劣化した際においても、出力密度の低減が改善された電池が得られるものと考えられる。すなわち、正極活物質LiNiCoMnにおけるa、bおよびcが、上記式関係(I)を満たす場合、耐久劣化した際においても、出力密度の低減が改善された電池が得られるものと期待される。
図2は、充放電耐久試験後のSOCに対する電圧の関係を示すグラフである。図2には、実施例1および比較例1で製造された電池の結果が示されている。図2に示されるように、実施例1で製造した電池は比較例1で製造した電池と比較して、全てのSOCにおいて高い電圧を有していた。したがって、実施例1で製造した電池は、繰り返し充放電が行われ得る環境においての使用に特に適していると考えられる。
《表面配置元素》
実施例1〜6と比較例9、11および13の結果から、正極活物質上にCe、Yb、ErおよびHfからなる群から選択される元素が配置された場合、出力密度が顕著に改善されることが分かる。
《負極活物質》
比較例1〜6および比較例8〜13の結果から、負極活物質として非晶質黒鉛を用いた場合、出力密度が顕著に改善されることが分かる。
上記の実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではない。特許請求の範囲によって定められる技術的範囲は、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含む。

Claims (1)

  1. 正極活物質を含む正極、および
    負極活物質を含む負極を備え、
    前記正極活物質はLiNiCoMn(0.1≦a≦0.2、0.4≦b≦0.5、0.4≦c≦0.5、a+b+c=1)からなり、
    前記正極活物質表面には、Ce、Yb、ErおよびHfからなる群から選択される1種以上の元素が配置され、
    前記負極活物質は、非晶質炭素からなる、
    非水系二次電池。
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