JP2010211479A - Idラベル貼付装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
エラー処理を自動化することでIDラベル貼付作業の全工程を自動化して作業効率を向上させ、さらに、人手作業に起因する事故や「データ化け」ラベルの流出も防止することができるIDラベル貼付装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
IDラベルの貼付前後のIDラベル検査をIDラベル発行時の書き込み情報を参照して行うことで
IDラベルの機能のみならずIDラベル発行から貼付までの間に発生する「データー化け」も検出して確実に不良ラベルおよび不良ラベルを貼付した貼付対象物を排除できる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、物品にID(個体識別)ラベルを貼付するIDラベル貼付装置に関する。
近年、物流や商品の流通、販売での物品管理の方法として、RFID(Radio Frequency Identification)などをラベルとして加工したIDラベルを物品に貼付して物品を管理する方法を適用する場合があるが、 大量の商品にラベルを貼り付ける工程を、人手での作業で行うと莫大な時間、費用がかかり、貼付間違いなどの事故の恐れがあるため、貼付作業を自動化するオートラベラーが市販され使用されている。一方、RFIDのIC(Integrated Circuit)チップは、静電気などの衝撃に弱く、IDラベルの製造工程や貼付工程で破損して使用不能になっている恐れがあり、オートラベラーを使用する工程では物品への貼付前後に使用不能となった不良品を検査・除去し、IDラベルの不良発生の登録などのエラー処理を行う必要がある。
これに対して、〔特許文献1〕ではオートラベラーにRFIDが使用可能か否かを判定する判定手段 を設け、良品のみを貼り付け、不良品を除去する方法が提案されており、〔特許文献2〕では不良品を検出した場合に、エラーがあった工程を報知し、エラー処理を行いやすくする方法が提案されている。
しかし、いずれの方法も貼付後の検査や不良品を除去した後のエラー処理は人手での操作が必要となり、作業効率の低下や事故が避けられなかった。また、貼り付け作業前の事前にロット発行されたIDラベルの検査は検査部において所定の情報の書き込み/読み取りを行う動作確認であるため、IDラベル発行時に予め書き込まれている情報が変化せずに保存されているかは確認できず、貼り付け前と貼り付け後で記録したデータが変化してしまう「データ化け」が起きたIDラベルをそのまま出荷してしまう問題があった。
特開2007−204060号公報 特開2006−065731号公報
本発明は、このエラー処理を自動化することでIDラベル貼付作業の全工程を自動化して作業効率を向上させ、さらに、人手作業に起因する事故や前述の「データ化け」ラベルの流出も防止することができるIDラベル貼付装置を提供することを目的としている。
また、ラベル1枚毎の発行/貼付/使用履歴を一元的に記録管理し、正規品であることを証明可能とすることで不正利用を防止する手段を提供することも目的とする。
本発明のIDラベル貼付装置の請求項1の要旨は、貼付するID(個体識別)ラベルを供給する第1のラベル供給部と、該第1のラベル供給部から供給されたIDラベルを検査する第1のラベル検査部と、該第1のラベル検査部の検査で合格したIDラベルを受理して貼付対象物に貼付するラベル貼付部と、該ラベル貼付部で貼付対象物に貼付されたIDラベルを検査する第2のラベル検査部と、前記貼付対象物を搬送するコンベアと、不良判定されたIDラベルの貼付対象物を仕分けする手段と前記各部を制御する制御部と、IDラベルに記録されているIDラベル情報とIDラベルの履歴情報を管理するID管理サーバからなるIDラベル貼付装置であって
前記第1のラベル検査部は、前記第1のラベル供給部から供給されたIDラベルに記録されているIDラベル情報を取得し、該IDラベル情報に基づき、取得した該IDラベル情報を前記ID管理サーバに照会して検査し、当該IDラベルの良品/不良品を判定し前記ラベル貼付部は前記第1のラベル検査部で良品判定されたIDラベルaを貼付対象物に貼付し、前記第2のラベル検査部は、貼付対象物に貼付された前記IDラベルaに記録されているIDラベル情報aを取得し、取得した該IDラベル情報aを、前記第1のラベル検査部で取得したIDラベルaに記録されていたIDラベル情報bと比較、あるいは、前記ID管理サーバに照会して検査し、貼付後の当該IDラベルの良品/不良品を判定し、前記制御部は、前記第2のラベル検査部の判定結果に基づいて、良品判定されたIDラベルの貼付対象物と不良品判定されたIDラベルの貼付対象物とを仕分けする制御信号を前記仕分けする手段に出力することを特徴とするIDラベル貼付装置である。
このIDラベル貼付装置によれば、IDラベルの貼付前後のIDラベル検査をIDラベル発行時の書き込み情報を参照して行うためIDラベルの機能のみならずIDラベル発行から貼付までの間に発生する「データー化け」も検出して確実に不良ラベルおよび不良ラベルを貼付した貼付対象物を排除できる。
請求項2の要旨は、前記IDラベルは、情報を印刷するプリントラベル部と、無線通信により読み取り/書き込みを行うRFIDリーダライタによって読み書きされるメモリ部からなるRFIDラベルであって、前記プリントラベル部には少なくとも、IDラベル自体のIDであるTID、及び/又は、IDラベルが貼られる貼付対象物のIDであるUIDが印刷され、前記メモリ部は複数の記録領域が設定され、該複数の記録領域は少なくとも、他の領域に読み書きするルールを記録する第1の記録領域と、前記TIDを書き込む第2の記録領域と、前記UIDを書き込む第3の記録領域と、任意の情報を書き込む第4の記録領域の、何れか1ないし至複数の前記記録領域を備えることを特徴とする請求項1記載のIDラベル貼付装置である。
このIDラベル貼付装置によれば、静電気などの衝撃に弱く、製造工程や貼付工程で破損して使用不能になりやすいRFIDラベルに対して、機能や書き込み情報を自動的に検査できため、不良ラベル貼付したり、貼付してRFIDラベルが不良化した貼付対象物を次工程に送ることを防止できる。
請求項3の要旨は、前記IDラベル貼付装置に、IDラベルを供給する第2のラベル供給部をさらに備え、該第2のラベル供給部は、追記可能なブランクIDラベルを供給するIDラベル供給部と、該IDラベル供給部から供給されるブランクIDラベルに所定の情報を書き込むIDラベル発行部を備え、
前記ラベル貼付部での貼付前に貼付対象物に貼付するIDラベルのIDラベル情報が予め定められ、前記第1のラベル供給部から順次供給されて当該貼付対象物に引き当てられるIDラベルが不良IDラベルである場合に、前記IDラベル発行部が前記予め定められたIDラベルのIDラベル情報を前記ID管理サーバから取得して前記ブランクIDラベルに書き込み、
前記第1のラベル検査部は前記第2のラベル供給部から供給されるIDラベルを検査することを特徴とする請求項1記載のIDラベル貼付装置である。
このIDラベル貼付装置によれば、供給されたIDラベルが不良品であっても、そのIDラベルに記録されているべきIDラベル情報をブランクIDラベルに書き込んで発行することができるから、供給されたIDラベルに不良品が混在しても貼付工程を停止させず、人手作業を介在させずにIDラベル貼付装置を稼働させることができる。
請求項4の要旨は、前記IDラベル貼付装置に、貼付対象物のID取得手段をさらに備え、該ID取得手段は、前記制御部と通信回線で接続された貼付対象物の物流を管理する物流管理サーバ、及び/又は、前記貼付対象物に付与されたIDを読み取るIDリーダーであることを特徴とする請求項1乃至3記載のIDラベル貼付装置である。
このIDラベル貼付装置によれば、貼付するIDラベルと貼付対象物のIDを関連付けた情報として取得できる。
請求項5の要旨は、前記IDラベル貼付装置は供給されるIDラベル各々について、前記第1のラベル検査部の検査情報と、前記第2のラベル検査部の検査情報と、前記ラベル貼付部での貼付情報と、前記IDラベル発行部の書き込み情報と、前記貼付対象物のID取得手段で取得した貼付対象物ID情報の、1乃至複数の情報を前記IDラベルの関連情報として前記ID管理サーバに登録することを特徴とする請求項1乃至4記載のIDラベル貼付装置である。
このIDラベル貼付装置によれば、発行したIDラベル1枚毎の発行/検査/貼付/使用履歴を一元的に記録し管理することができるから、IDラベルの不良発生時の代替えIDラベル発行に際して既に発行したIDと重複することなくIDを割り付けることができる。また、IDラベル貼付後の流通過程においてそのIDラベル情報をID管理サーバに照会し、その後の流通履歴データを遡行して、IDラベルが正規の場所で就役した正規品であることを証明できるため不正規品の使用を抑止できる。
以上の発明によりIDラベルの貼付前検査、貼付、貼付後検査、エラー処理といった一連のラベル貼付作業を自動化し、作業効率を高め、不良ラベルの貼付や欠番発生などの付番事故の発生を防ぐことができる。また、ラベル1枚毎の発行/貼付履歴を記録・管理し、正規品であることを証明可能とし不正利用を防止することができる。
以下、図面を参照して本発明を説明する。
図1は本発明で用いるIDラベルの形態を示す図で(a)は長尺のキャリアテープ2に一定のピッチで貼付されたIDラベル1が巻き取られた形態を示す斜視図、(b)はその部分拡大図である。図2は本発明のIDラベル貼付装置の構成の一例を示す図であり、図3は制御系および情報系の構成の一例を説明する図である。
IDラベル1は大きさが4辺4インチ角、厚さ0.2ミリ程度で内部にアンテナとIC等で構成されるRFID部を内蔵し、表面側に文字やバーコードなどを印刷するプリントラベル部、裏面側は粘着層が形成されている。このIDラベル1は裏面側の粘着層によって長尺のキャリアテープ2に当ピッチで貼付されている。キャリアテープ2はIDラベル1を貼付する面が離型処理された紙や樹脂製テープで、テープの両端部に(b)に示す様なパーフォレーションや光学的に検出可能な等ピッチのピッチマークが印刷されており、テープの送り量とIDラベル1の位置が対応できる様構成されている。IDラベル1が貼付されたキャリアテープ2は図1(a)に示す様に巻き取りロール形状のIDラベルロール3として扱われ、そのロール径は略400mmでIDラベル1が略1000枚貼付され、予めプリントラベル部の印刷やRFIDへの書き込み処理、検査が完了し、それらの製造履歴情報がID管理サーバに登録されている。また、IDラベルロール3の包装単位毎のIDが付されており、このIDラベルロール3のIDでID管理サーバに登録されたIDラベルロール3の情報を検索することが可能となっている。
図2に示すIDラベル貼付装置の機械系の構成の一例は、IDラベルロール3を巻き出してIDラベル1を供給するラベル供給手段4で構成される第1のラベル供給部7と、ラベル供給手段4とブランクのIDラベル1のプリントラベル部への印刷とRFID部に情報を書き込むIDラベル発行手段5で構成される第2のラベル供給部6と、第1のラベル供給部7と第2のラベル供給部6から供給されるIDラベル1を検査する第1のラベル検査部8と、第1のラベル検査部8で良品判定されたIDラベル1をラベル貼付ヘッド10で受理して貼付対象物14に貼付するラベル貼付部9と、ラベル貼付部9で貼付されたIDラベル1のIDラベル情報を貼付ラベル検査ヘッド及びIDリーダー12で読み取って検査する第2のラベル検査部11と、貼付対象物14をコンベア入り口15で受け入れてIDラベル貼付部に搬送し、第2のラベル検査部11の判定結果に基づいて良品をコンベア良品出口16へ搬送するコンベア13と、不良品をコンベア不良品出口17へ搬送する不良品コンベア18からなる。
上記のIDラベル貼付装置の構成要素について説明する。
第1のラベル供給部7のラベル供給手段4は市販の等速送り出し機構などが適用可能で、規格化されたIDラベルロール3を巻き出し、制御部からの送り信号に基づき先頭のIDラベル1から順に検査部に送り出す。
第2のラベル供給部6は前記ラベル供給手段4とIDラベル発行手段5で構成されるが、ここでのIDラベル供給は第1のラベル検査部8または第2のラベル検査部11でIDラベル1が不良判定された場合にそのIDラベル1の代替え品を発行するため、ブランクのIDラベルロール3の先頭のIDラベル1はIDラベル発行手段5の位置で待機し、制御部からのIDラベル発行コマンドに基づいて所定の印刷、書き込み処理を行い第1のラベル検査部8へ送り出す。IDラベル発行手段5には市販の小型RFIDラベルプリンター(例えば サトー株式会社製 SR400型)を接続した現場発行装置(パーソナルコンピューターで構成される)などを用いることができる。
第1のラベル検査部8は第1のラベル供給部7と第2のラベル供給部6から送られるIDラベル1を検査するものでIDラベル1の検査ヘッドを各々の搬送ライン上に設置しても良いし1台の検査ヘッドを移動させる形式でも良い。IDラベル1はキャリアテープ2と共に読み取りヘッド位置を通過してラベル貼付部9への受け渡し位置まで送られ、市販のラベル貼付装置と同様な方法で、キャリアテープ2を鋭角にターンさせてIDラベル1の粘着層をキャリアテープ2の離型層と剥離してラベル貼付ヘッド10がIDラベル1を受理できる状態とする。
ラベル貼付部9はラベル裏面の粘着性や、表紙面の真空吸着でIDラベル1を保持するラベル貼付ヘッド10と、ラベル貼付ヘッド10をラベル受理位置から貼付対象物14のラベル貼付位置まで移動して貼付する移動機構で構成される。移動機構は貼付対象物14の大きさ、形状、ラベル貼付位置、処理速度などによって方式を選定するが、貼付位置の変更が必要な場合にはティーチングができる産業用の多関節ロボット、貼付対象物14が定型の直方体でラベル貼付が上面に限定されるような場合には単純構造の1軸ロボットなどが適用できる。図2のラベル貼付部9ではラベル貼付ヘッド10のみを示しているがラベル貼付ヘッド10に加えて第2のラベル検査部11で用いる貼付ラベル検査ヘッド及びIDリーダー12を並べて設けても良い。この場合にはラベル貼付直後にヘッドを移動するだけで検査ヘッドをラベルに対向させ第2のラベル検査を行うことができるため装置の構成が簡素化できる。
第2のラベル検査部11は貼付ラベル検査ヘッド及びIDリーダー12を貼付対象物14に貼付されたIDラベル1の位置に移動させプリントラベルに印刷されているバーコードとRFIDの記録情報を読み取りラベル貼付部9での貼付後のIDラベル1を検査するものである。前述の様に、この検査ヘッドはラベル貼付部9に設けられてもよいが、一体化が困難な場合は独立した第2のラベル検査部11として構成しても良い。また、IDラベル1ではなく貼付対象物14に印刷されているIDや製造ロット番号などの情報を取得する必要がある場合には専用のIDリーダーを備えても良い。
コンベア13にはベルトコンベアやローラーコンベアーなどが用いられ、自動倉庫等から供給される貼付対象物14をコンベア入り口15で受け入れてラベル貼付位置まで制御部からの送り信号に応じて間欠的に搬送し、ラベル貼付後の第2のラベル検査結果により良品はコンベア良品出口16へ、不良品はエアーシリンダーなどを駆動源とする押し出し機構などを用いた仕分け手段19により貼付対象物14をコンベア13から不良品コンベア18に移載しコンベア不良品出口17に振り分けて搬送する。
図3に示すIDラベル貼付装置の制御系の構成の一例は、第2のラベル供給部6、第1のラベル供給部7、第1のラベル検査部8、ラベル貼付部9、第2のラベル検査部11、コンベア13、仕分け手段19の動作の制御とID情報等の通信制御を行う制御部20と、ID情報を管理するID管理サーバ21からなり、必要に応じて物流管理サーバ22と通信回線を介して接続される構成とする。
次に図5を参照して本発明のIDラベル貼付装置の動作の一例について説明する。
<S1>IDラベルロール3を装填し、装填したロールのIDを制御部20に入力する。
・IDはバーコードリーダーで読み取っても良いし、帳票や納入包装に印刷された番号を読んで手入力しても良い。
<S2>ロールIDからIDラベル情報を取得する。
・制御部20は入力されたロールIDでID管理サーバ21からIDラベルロール3の登録情報を取得する。
・取得した登録情報にはIDラベルロール3に保持している全IDラベルのID情報と順序、その個々のラベル自体のTID、欠番(不良)位置、送りピッチ、発行者、基本再処理方針などが含まれる。
<S3>取得したIDラベル順序を想定して、IDラベルを順次検査する。
・先頭IDラベル位置を光学的/測厚的に判定して、頭出しを行う。
・バーコードリーダーとRFIDリーダーで検査を実施し、通知された先頭IDラベルを確認する。
・先頭IDラベルが不良の場合は、次のラベルを読み次番かを確認する。
・先頭数枚の順序が確認できたらロール情報を正しいと判断する。
・取得した送りピッチだけステップモーターにパルスを送り(あるいはキャプスタンのロータリーエンコーダーのパルス、または光学ピッチマークからの送り信号を数え)、次のラベルを位置検知して検査を繰り返す。
<S4>貼付開始位置以降の検査に合格/不合格のIDラベル1の位置(送りステップ数)を認識してラベル貼付部9を動作させる。
<S5>IDラベル受理位置に到達した先頭IDラベル1から貼付を開始する。
<S6>不合格IDラベル位置がIDラベル受理位置に到着した場合、貼付せずラベル廃棄場所(図示せず)に落下させる。
・貼付対象物14に貼付するIDラベル1のIDラベル情報が、欠番が許容されない場合など、予め確定している場合、第2のラベル供給部6で確定しているIDラベル情報をブランクのIDラベル1に書き込み貼付する。
・欠番が許容される場合など、貼付後に対象物のIDを確定させる場合は、不良ラベルの発行取り消し記録をID管理サーバ21に登録し、次の良品IDラベル1を貼付する。
<S7>IDラベル1が貼付された貼付対象物14の当該IDラベル情報を通知して第2のラベル検査部11での検査位置にコンベア13で送り出す。
<S8>第2のラベル検査部11は通知されたIDラベル情報であるか検査する。
<S9>通知されたIDラベル情報と読取りIDラベル情報が一致した場合、ID管理サーバ21に特定製品個体にラベルに記載されたIDが有効化され、以降、IDと個体が同体であると宣言する「就役記録」の登録を請求し、貼付対象物14をコンベア良品出口16に搬送する。
<S10>無線読取り失敗、誤IDラベル情報の場合、ID管理サーバ21に発行取り消し記録の登録を請求し、貼付対象物14を仕分け手段19によりコンベア18に移載しコンベア不良品出口17に搬送する。
次に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。
IDラベル1は印刷可能な弱耐水性の洋紙の裏面に、フィルムパウチされたRFIDインレイを貼り付け、その上から粘着材を塗布した、標準的なRFIDステッカー状のものが利用される。用途によっては、このインレイを上下1ミリ程度の合成樹脂で挟んで溶解封止したプレート状やコイン状のものが使用される場合もある。実施例では、光学可読用の印面を使用するため、上面に印刷可能な紙材等を貼り付けた複層構造をしている。これは、貨物識別用として最も一般的に市販されているRFIDラベルそのものである。RFIDラベルは、それ自体の個体識別子としてISO-15963等の固有IDを製造時からROMとして焼きこまれているものが利用できる。
ラベル供給手段4には図4(a)及び図4(a)のA−A断面を示す図4(b)に示すように、サーボモーター30で駆動されるゴム等の軟質表面で覆われたピンチローラー31と、対向するより軟質の表面を持つキャプスタンローラー32で、キャリアテープ2に貼付されているラベル内の半導体チップ33とアンテナ配線34、およびラベル表紙35の積層部を挟み、滑りなく送り出すことができる機構を要素として構成される。これをラベルの送り方向に並べて、それぞれの要素のラベル接触面の周速度が全て等速になるように、制御する標準的なサーボ制御器で構成される。
IDラベル発行手段5は、大量発行する場合には、あらかじめロール状のキャリアテープに等間隔で貼り付けた未書き込みの上記のラベルを連続して送り出し、書き込み点において、読み取りと同等の無線機を使用し、無線書き込みが成功したラベルに可読用の印字を直後に印刷する、量産用発行装置を使用する。これは、通常は市販されるものではなく、大量発行を行う事業者の生産機械として構築される。ここで、RFIDと可読用の印面を書き込む方法は、専用の量産機に固有のものではなく、IDラベル発行手段5に使用するRFIDプリンターと構成的には同一である。RFIDとして無線書き込み・読み取り検査を行う方法は、ISO-18000シリーズとして標準化されている。ISO-15459が規定するような書き込む識別子を明示して、RFIDチップに焼き込む命令無線電波を照射し、その直後に書き込まれている識別子を応答するように指令する読取り命令電波を照射して、その応答が書き込みを指示した識別子に合致するかを判定して、書き込みの成否を判断する。無線書き込みに成功したRFIDラベルには書き込んだ識別子を光学可読にもなるよう、印字する。量産機は、これらを連続して高速に実行できるように専用に設計されたものである。
第1のラベル検査部の検出部8は、RFID無線機と検査対象となるラベル1枚だけを外部のノイズから隔離する電波暗箱で囲われた構造をしている。電波暗箱にはIDラベルロール3から巻き出されたキャリアテープを差し込んで送り出すためのスリットが両側に開いているが、開口部はラベルが安全に通過できる最小限の大きさとして、その開口部には接地を取った導電性のブラシ等が付けられ、外部ノイズが電波暗箱内に侵入しない構造になっている。また電波暗箱の内面は、市販の誘電・導電材による電波吸収材で覆われ、外面は導電材で包まれ接地が取られている。電波暗箱内には上面に可読印面を同時読取りする光学認識装置(通常はバーコードスキャナーや電子カメラ)を設けることもある。電波暗箱内において、無線機からラベル単体に対して、使用するラベル内のRFIIDチップの無線方式ごとにISO-18000シリーズのいずれかの方式で読取り命令電波を照射し、その応答電波に載って来る識別子を読みとることで無線検査が行われる。この無線機と検査部は、ISO-15961等の制御信号方式によって接続される。光学ないしは無線で交信される信号には、ISO-15434シリーズ等が使用される。
ラベル貼付部9では、到達したラベル1を吸着盤によって吸引保持しておき、貼付対象物14に押圧後に吸引作用を停止させること等でラベル1を貼り付けることができる。以上の動作は、標準的なメカトロニクス技術で容易に自動化される。
第2のラベル検査部11は、ラベルの電波信号読み取り検査の成否を見るためだけには、第1のラベル検査部8と同等な電波暗箱を使用することが望ましいが、製品出荷後の通常の読取り利用と同じ状態で動作できるか否かを検査するために、開放空間に向けたRFID無線機を使用する。無線機は、30cm四方程度の大型アンテナをポール等に固定したものを使用する場合もあれば、簡便な一体ハンディー型を使用する場合もある。周辺に同一帯域を使用する無線機がある場合や、検査前、検査後の貼付済みの製品がRFIDの応答範囲外に遠ざけられない場合には、検査対象製品だけを概ね囲うような電波遮蔽壁を設ける場合もある。
コンベア13は、シーケンサによる順序停止制御により、貼付対象物14をラベル貼付部9、第2のラベル検査部11へ搬送する。第2のラベル検査部11通過後はルートが分岐しており、検査結果に従いエアーシリンダによる押し出し動作等により不良品コンベア18に移載され仕分けされる。
貼付対象物14は、個体識別が必要とされる製品が対象となる。梱包されない製品本体の表面に貼付する場合と、流通時のみに利用される内装・外装材(段ボール箱等)に貼付する場合がある。
制御部20は、ラベル供給手段4、IDラベル発行手段5、第1のラベル検査部8、ラベル貼付部9、第2のラベル検査部11、コンベア13、仕分け手段19と接続され、それらの動作を制御する。制御部20は、以上の各構成要素を作業動作に合わせて、それぞれの動作が同期するよう中央制御を行う部分と、個々の構成要素内に組み込まれたシーケンサによって分散制御を行う部分で構成される。各シーケンサーは、ラベル台紙やコンベアと貼り付け対象物、貼り付け吸引機などそれぞれを動作させるアクチュエーターとその動作状態をそれぞれ検知するロータリーエンコーダーやフォトディテクターなどのセンサーを備える。中央制御装置は、各シーケンサーに動作命令を発し、各シーケンサーは、センサーが検知した動作状態を中央制御装置に通知し、中央制御装置は各シーケンサーからの動作状況報告にしたがって、検査不良の事後処置を含めた次の動作を指示することにより、作業を進行させる。
ID管理サーバ21は、市販のPC(パーソナルコンピュータ)ベースのコンピュータハードウェアで構成できる。この上で動作するLinux等、標準的なOSを利用し、TCP/IP通信を利用して、制御部20と交信する。TCP/IP通信上に双方向のXML WebサービスないしはIP通信上のサービスバスを張り、SOAPコマンドまたはXMLデータ送信により連携動作を行う。ID管理サーバ21は、自身が発番・発行したISO-15459 シリーズ等の識別子とそれを焼き付けたRFIDラベル単体ごとのISO-15963等の固有ID、およびその成否状態と変動履歴を管理するためのデータベース装置を基盤として構成される。制御部20に対して、IDラベルロール3としてのロット識別子の問合せ、ないしは通知を行い、それに配列されているラベル単体に書き込まれている識別子の順列を通知する。このロットの識別子として、ないしは個々のラベル内書き込み識別子の通知交信には、EPCglobal EPC Information Service 1.0.1のクエリインターフェイスのXML交信のプロトコルとフォーマットを使用することもできる。ロット一括通知を使用せず、1次検査部が検知した識別子ごとに次の順番にあるはずの識別子を問合せ、それを単独で通知する交信方法を利用する場合には、より簡略化されたXMLスキーマで規定されるフォーマットをhttp通信で交信することもできる。また、制御部20からの貼付作業結果の報告を受け、発番・発行した識別子の状態を更新する。この報告には、同じくEPCglobal EPC Information Service 1.0.1のキャプチャーインターフェイスのXML交信のプロトコルとフォーマットを利用することもできる。
IDラベルの形態を示す図 本発明のIDラベル貼付装置の機械系の構成を説明する図 本発明のIDラベル貼付装置の制御系の構成を説明する図 本発明のIDラベル貼付装置のラベル供給手段を説明する図 本発明のIDラベル貼付装置の動作フローの一例を説明する図
1 IDラベル
2 キャリアテープ
3 IDラベルロール
4 ラベル供給手段
5 IDラベル発行手段
6 第2のラベル供給部
7 第1のラベル供給部
8 第1のラベル検査部
9 ラベル貼付部
10 ラベル貼付ヘッド
11 第2のラベル検査部
12 貼付ラベル検査ヘッド及びIDリーダー
13 コンベア
14 貼付対象物
15 コンベア入り口
16 コンベア良品出口
17 コンベア不良品出口
18 不良品コンベア
19 仕分け手段
20 制御部
21 ID管理サーバ
22 物流管理サーバ
30 サーボモーター
31 ピンチローラー
32 キャプスタンローラー
33 半導体チップ
34 アンテナ配線
35 ラベル表紙

Claims (5)

  1. 貼付するID(個体識別)ラベルを供給する第1のラベル供給部と、該第1のラベル供給部から供給されたIDラベルを検査する第1のラベル検査部と、該第1のラベル検査部の検査で合格したIDラベルを受理して貼付対象物に貼付するラベル貼付部と、該ラベル貼付部で貼付対象物に貼付されたIDラベルを検査する第2のラベル検査部と、前記貼付対象物を搬送するコンベアと、不良判定されたIDラベルの貼付対象物を仕分けする手段と前記各部を制御する制御部と、IDラベルに記録されているIDラベル情報とIDラベルの履歴情報を管理するID管理サーバからなるIDラベル貼付装置であって、前記第1のラベル検査部は、前記第1のラベル供給部から供給されたIDラベルに記録されているIDラベル情報を取得し、該IDラベル情報に基づき、取得した該IDラベル情報を前記ID管理サーバに照会して検査し、当該IDラベルの良品/不良品を判定し、前記ラベル貼付部は前記第1のラベル検査部で良品判定されたIDラベルaを貼付対象物に貼付し、前記第2のラベル検査部は、貼付対象物に貼付された前記IDラベルaに記録されているIDラベル情報aを取得し、取得した該IDラベル情報aを、前記第1のラベル検査部で取得したIDラベルaに記録されていたIDラベル情報bと比較、あるいは、前記ID管理サーバに照会して検査し、貼付後の当該IDラベルの良品/不良品を判定し、前記制御部は、前記第2のラベル検査部の判定結果に基づいて、良品判定されたIDラベルの貼付対象物と不良品判定されたIDラベルの貼付対象物とを仕分けする制御信号を前記仕分けする手段に出力することを特徴とするIDラベル貼付装置。
  2. 前記IDラベルは、情報を印刷するプリントラベル部と、無線通信により読み取り/書き込みを行うRFIDリーダライタによって読み書きされるメモリ部からなるRFIDラベルであって、前記プリントラベル部には少なくとも、IDラベル自体のIDであるTID、及び/又は、IDラベルが貼られる貼付対象物のIDであるUIDが印刷され、前記メモリ部は複数の記録領域が設定され、該複数の記録領域は少なくとも、他の領域に読み書きするルールを記録する第1の記録領域と、前記TIDを書き込む第2の記録領域と、前記UIDを書き込む第3の記録領域と、任意の情報を書き込む第4の記録領域の、何れか1乃至複数の前記記録領域を備えることを特徴とする請求項1記載のIDラベル貼付装置。
  3. 前記IDラベル貼付装置に、IDラベルを供給する第2のラベル供給部をさらに備え、該第2のラベル供給部は、追記可能なブランクIDラベルを供給するIDラベル供給部と、該IDラベル供給部から供給されるブランクIDラベルに所定の情報を書き込むIDラベル発行部を備え、前記ラベル貼付部での貼付前に貼付対象物に貼付するIDラベルのIDラベル情報が予め定められ、前記第1のラベル供給部から順次供給されて当該貼付対象物に引き当てられるIDラベルが不良IDラベルである場合に、前記IDラベル発行部が前記予め定められたIDラベルのIDラベル情報を前記ID管理サーバから取得して前記ブランクIDラベルに書き込み、前記第1のラベル検査部は前記第2のラベル供給部から供給されるIDラベルを検査することを特徴とする請求項1記載のIDラベル貼付装置。
  4. 前記IDラベル貼付装置に、貼付対象物のID取得手段をさらに備え、該ID取得手段は、前記制御部と通信回線で接続された貼付対象物の物流を管理する物流管理サーバ、及び/又は、前記貼付対象物に付与されたIDを読み取るIDリーダーであることを特徴とする請求項1乃至3記載のIDラベル貼付装置。
  5. 前記IDラベル貼付装置は供給されるIDラベル各々について、前記第1のラベル検査部の検査情報と、前記第2のラベル検査部の検査情報と、前記ラベル貼付部での貼付情報と、前記IDラベル発行部の書き込み情報と、前記貼付対象物のID取得手段で取得した貼付対象物ID情報の、1乃至複数の情報を前記IDラベルの関連情報として前記ID管理サーバに登録することを特徴とする請求項1乃至4記載のIDラベル貼付装置。
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