JP2010210016A - 作業車輌 - Google Patents
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Abstract
【課題】勾配のある場所であっても機械式歯車変速装置を容易にニュートラル状態に操作することが可能な作業車輌を提供する。
【解決手段】トラクタは、クラッチペダルの切操作に連動して操作され、高低変速装置42の動力伝達を切断する動力切断スイッチを備えている。これにより、主クラッチ機構35の切動作と同時に高低変速装置42の動力伝達を切断することができ、例えば傾斜路面等にトラクタ1が停止し、伝動経路下手側から機械式歯車変速装置である副変速装置38の歯車に負荷がかかり低速段からニュートラル状態へ操作しにくくなることを防止することができる。
【選択図】図6
【解決手段】トラクタは、クラッチペダルの切操作に連動して操作され、高低変速装置42の動力伝達を切断する動力切断スイッチを備えている。これにより、主クラッチ機構35の切動作と同時に高低変速装置42の動力伝達を切断することができ、例えば傾斜路面等にトラクタ1が停止し、伝動経路下手側から機械式歯車変速装置である副変速装置38の歯車に負荷がかかり低速段からニュートラル状態へ操作しにくくなることを防止することができる。
【選択図】図6
Description
本発明は、トラクタ等の作業車輌に係り、詳しくは、主クラッチを切操作した際に変速操作可能となる機械式歯車変速装置を備えた作業車輌に関する。
従来、トラクタ等の作業車輌に備えられるトランスミッションには、例えばクラッチペダルの踏み込み操作により、エンジンからの動力が切り操作される主クラッチと、該主クラッチの伝動経路下手側に配置され、主クラッチが切り操作された際に変速操作可能となる機械式歯車変速装置と、上記主クラッチと機械式歯車変速装置との間に配置され、油圧制御により変速を行い得る油圧式変速装置とを備えたものがある。
このものは、上記機械式歯車変速装置の変速動作時に、主クラッチを切り操作した際、油圧式変速装置の伝動状態が維持されたままであると、該油圧式変速装置の慣性回転が継続し、機械式歯車変速装置に慣性重量が加わり、変速動作に時間がかかったり、変速ショックを起こしたりするなどの問題があり、これを解消するために、主クラッチの切り操作に連動して油圧式変速装置の動力伝達を切断するように構成したものである(特許文献1参照)。
ところで、一般にトラクタが路上走行を行う場合、機械式歯車変速装置の変速を行う際には、車輌を停止させ、クラッチペダルを踏み込んで主クラッチを切り操作してエンジン側からの動力を切断し、操作レバーによって変速操作を行う。
しかし、トラクタが登り坂等の勾配がある場所に停止した場合、機械式歯車変速装置では、車輪を介して伝動経路下手側から噛み合った歯車に負荷がかかってしまい、たとえ上記特許文献1のトランスミッションの構成を用いたとしても、伝動経路上手側の動力伝達を切断することはできるが、伝動経路下手側の動力伝達を切断することができず、噛み合った歯車には負荷がかかったままとなりニュートラル状態に操作しにくいという問題があった。
そこで本発明は、勾配のある場所であっても機械式歯車変速装置を容易にニュートラル状態に操作することが可能な作業車輌を提供することを目的とする。
請求項1に係る本発明は(例えば図1乃至図10参照)、クラッチ操作手段(15)の切操作に基づいてエンジンからの動力を切断し得る主クラッチ(35)と、該主クラッチの伝動経路下手側に配置され、第1変速操作手段(16)の操作に基づいて変速し得る機械式歯車変速装置(38)と、該機械式歯車変速装置の伝動経路下手側に配置され、第2変速操作手段(20)の操作に基づき、油圧制御によって変速し得る油圧変速装置(42)とを備える作業車輌(1)において、
前記クラッチ操作手段(15)の切操作に連動して操作され、前記油圧変速装置(42)の動力伝達を切断する動力切断スイッチ(27)を備え、
前記クラッチ操作手段(15)の切操作により、前記主クラッチ(35)を切動作させると共に、前記クラッチ操作手段(15)の切操作に連動して前記動力切断スイッチ(27)が操作され、前記油圧変速装置(42)の動力伝達を切断してなる、
ことを特徴とする作業車輌(1)にある。
前記クラッチ操作手段(15)の切操作に連動して操作され、前記油圧変速装置(42)の動力伝達を切断する動力切断スイッチ(27)を備え、
前記クラッチ操作手段(15)の切操作により、前記主クラッチ(35)を切動作させると共に、前記クラッチ操作手段(15)の切操作に連動して前記動力切断スイッチ(27)が操作され、前記油圧変速装置(42)の動力伝達を切断してなる、
ことを特徴とする作業車輌(1)にある。
請求項2に係る本発明は(例えば図1乃至図10参照)、クラッチ操作手段(15)の切操作に基づいてエンジンからの動力を切断し得る主クラッチ(35)と、該主クラッチの伝動経路下手側に配置され、第1変速操作手段(16)の操作に基づいて変速し得る機械式歯車変速装置(38)と、該機械式歯車変速装置の伝動経路下手側に配置され、第2変速操作手段(20)の操作に基づき、油圧制御によって変速し得る油圧変速装置(42)とを備える作業車輌(1)において、
前記クラッチ操作手段(15)の切操作を検出する動力切断スイッチ(27)と、
前記油圧変速装置(42)の動力伝達の切断を許可する指令スイッチ(99)と、を備え、
少なくとも前記クラッチ操作手段(15)の切操作、前記動力切断スイッチ(27)による前記クラッチ操作手段(15)の切操作の検出、及び前記指令スイッチ(99)の操作が行われた際に、前記主クラッチ(35)を切動作させると共に前記油圧変速装置(42)の動力伝達を切断してなる、
ことを特徴とする作業車輌(1)にある。
前記クラッチ操作手段(15)の切操作を検出する動力切断スイッチ(27)と、
前記油圧変速装置(42)の動力伝達の切断を許可する指令スイッチ(99)と、を備え、
少なくとも前記クラッチ操作手段(15)の切操作、前記動力切断スイッチ(27)による前記クラッチ操作手段(15)の切操作の検出、及び前記指令スイッチ(99)の操作が行われた際に、前記主クラッチ(35)を切動作させると共に前記油圧変速装置(42)の動力伝達を切断してなる、
ことを特徴とする作業車輌(1)にある。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本発明によると、クラッチ操作手段の切操作に連動して操作され、油圧変速装置の動力伝達を切断する動力切断スイッチを備えているので、主クラッチの切操作と同時に油圧変速装置の動力伝達を切断することができ、伝動経路下手側から機械式歯車変速装置の歯車に負荷がかかりニュートラル状態に操作しにくくなることを防止することができる。これにより、勾配がある路上であっても、機械式歯車変速装置の変速操作をスムーズに行うことができる。
請求項2に係る本発明によると、少なくともクラッチ操作手段の切操作、動力切断スイッチによるクラッチ操作手段の切操作の検出、及び指令スイッチの操作が行われた際に、主クラッチを切動作させると共に油圧変速装置の動力伝達を切断するので、伝動経路下手側から機械式歯車変速装置の歯車に負荷がかかる際にも、ニュートラル状態に操作しにくくなることを防止することができるものでありながら、指令スイッチの操作がない状態、即ち通常の作業状態では、主クラッチを衝撃的に係合させることで急発進させるような作業(突切り作業)も行うことができる。
以下、本発明に関する実施の形態を図1乃至図10に沿って説明する。
本実施の形態に係るトラクタ(作業車輌)1は、図1に示すように、左右に配置された一対の前輪6,6と後輪7,7とによって支持された走行機体2とロータリ耕耘装置等で構成される作業機3とで構成されており、該走行機体2は、前方部分でエンジン(図示せず)を収納したボンネット9と、該ボンネット9の後方部分にキャビン8に覆われた運転席部10等が備えられている。また、走行機体2の下部には、該走行機体2に一体に固定されたミッションケース5aが配置されている。そして、エンジンによって発生された出力は、該ミッションケース5a内に配置されたトランスミッション5(図3参照)を介して上記前輪6,6及び後輪7,7に伝達され、トラクタ1を前後方向に所要の速度で走行させる。
上記運転席部10には、図2(a)、(b)に示すように、座席11、クラッチペダル(クラッチ操作手段)15、左右のブレーキペダル13,13、及びステアリングホイール12(図1参照)等が配置されている。また、ステアリングホイール12の前方には、表示パネル17が設けられ、さらに、該表示パネル17の下方部分には左右の操作パネル18,18が設けられている。また、上記座席11の進行方向左方側には、主変速操作スイッチ(第2変速操作手段)20及び高速スイッチ(指令スイッチ)99を備えた副変速レバー(第1変速操作手段)16が配置されている。一方、座席11の進行方向右方側には、作業者が肘を掛ける肘掛14が配置されており、該肘掛14の前方には上記作業機3に動力を伝達するPTOシャフト45(図3参照)を変速するPTO変速レバー19が配置されている。なお、本明細書中では、説明を省略しているが、運転席部10には、上記以外にも各種の操作レバーや操作スイッチ等が配置されている。
上記ミッションケース5a内部には、図3に示すように、エンジンからの動力を接断する主クラッチ機構(主クラッチ)35が備えられると共に、該主クラッチ機構35を介して伝達された動力を作業機3を駆動するためのPTOシャフト45に伝達するPTO伝動経路A、及び同じく主クラッチ機構35を介して伝達された動力を駆動車輪(後輪7,7や前輪6,6)に伝達する走行伝達経路Bを有するトランスミッション5が備えられている。
上記PTO伝動経路Aには、摩擦多板式の油圧クラッチからなり、エンジンからPTOシャフト45への接断を行い得るPTO油圧クラッチ40と、常時噛合式の歯車変速装置からなるPTO変速装置43とが備えられており、走行変速状態の影響を受けない独立した動力取り出し軸、つまり、インディペンデントPTO仕様のPTO伝動経路Aを構成している。
上記走行伝達経路Bは、摩擦多板式の油圧クラッチからなり、4段(1〜4速段)の変速を行い得る主変速装置36と、摩擦多板式の油圧クラッチからなり、走行動力の正逆転切換えを行い得る前後進切換え装置37と、シンクロメッシュ方式により係合・離脱可能なシフト部材38a,38bを有する常時噛合式の歯車変速装置からなり、3段(低速段・中速段・高速段)の変速を行い得る副変速装置(歯車変速装置)38と、摩擦多板式の油圧クラッチからなり、2段(低速段・高速段)の変速を行い得る高低変速装置(油圧変速装置)42とが備えられており、これら主変速装置36、副変速装置38、及び高低変速装置42による変速の組み合わせによって24段の走行変速が可能になると共に、前後進切換え装置37による前後進の切換えが可能となっている。
また、主変速装置36、副変速装置38、及び高低変速装置42によって変速された走行動力を前輪6,6に伝達する動力伝達経路には、摩擦多板式の油圧クラッチからなると共に、該前輪6,6に伝達する動力を高低に変速又は接断する倍速伝動装置41が設けられており、該倍速伝動装置41による動力の変速又は接断によって、旋回時における前輪倍速駆動や四駆・二駆の切換えを行い得るようになっている。
以上のように構成されたトランスミッション5の主クラッチ機構35は、上記運転席部10に配置されたクラッチペダル15によって操作される。該クラッチペダル15は、図4に示すように、回動支点軸25に対して回動可能に被嵌した円筒部材24に一体に連結されたアーム部材23の下方端部に取付けられており、作業者がクラッチペダル15を踏み込むことで円筒部材24が回動支点軸25を中心に回動し、該円筒部材24に一体に連結されるブラケット28に連結されたロッド部材29が引き操作されることによって主クラッチ機構35が切状態にされる。
また、クラッチペダル15の上方側には、検出部27aを有する動力切断スイッチ27が配置されており、作業者によりクラッチペダル15が踏み込み操作された際には、上記円筒部材24に一体に連結されたスイッチアーム26が検出部27aに接触することでクラッチペダル15の切操作が検出され、該動力切断スイッチ27が入操作された旨の信号を、後述する制御装置50に送るように構成されている。さらに、該動力切断スイッチ27が入操作されると、上記高低変速装置42(図3参照)が解放状態とされ、駆動車輪との動力伝達が切断される。
上記副変速装置38は、上記運転席部10に配置された副変速レバー16によって操作される。該副変速レバー16には、図5に示すように、シフトロッド30a,30bが連結されており、該シフトロッド30a,30bは、図6に示すように、シフトアーム31a,31b及びシフトレール32a,32bを介してシフト部材38a,38bに連結されている。これにより、副変速装置38は、作業者が副変速レバー16を操作し、シフト部材38a,38bを選択的に移動させることで伝動経路を形成して変速するように構成されている。
上記主変速装置36及び高低変速装置42は、副変速レバー16の上端部に配置された主変速操作スイッチ20によって操作される。該主変速操作スイッチ20は、詳しくは後述する油圧回路による油圧制御によって、主変速装置36の4段及び高低変速装置42の2段で設定される8段の変速段を変速操作し得るように構成されている。つまり、トラクタ1のトランスミッション5は、副変速装置38が低速段の際に、主変速装置36及び高低変速装置42を主変速操作スイッチ20により操作することで前進1速段から前進8速段に設定することができ、副変速装置38が中速段の際に、主変速装置36及び高低変速装置42を主変速操作スイッチ20により操作することで前進9速段から前進16速段に設定することができ、副変速装置38が高速段の際に、主変速装置36及び高低変速装置42を主変速操作スイッチ20により操作することで前進17速段から前進24速段に設定することができるように構成されている。
以上説明したトランスミッション5における主変速装置36及び高低変速装置42は、図7に示すように、油圧制御装置85によって制御されており、該油圧制御装置85は、上記副変速レバー16に備えられた主変速操作スイッチ20による操作に基づいて動作される。これにより、主変速装置36及び高低変速装置42は、変速比の異なる8段の変速段を設定することができるように構成されている。
上記油圧制御装置85は、オイルポンプ86a,86b、走行変速に関する油圧制御を行う走行変速部88、自動制御のうちオートブレーキターンに関する油圧制御を行うオートブレーキターン制御部91、二輪駆動状態と四輪駆動状態の切換えを制御する4WD制御部92、自動制御のうちクイックターンに関する油圧制御を行うクイックターン制御部93、作業機3の上昇・下降に関する油圧制御を行うリフトロッドシリンダ制御部95、走行操舵装置に関する油圧制御を行うパワーステアリング制御96等によって構成されている。
上記走行変速部88には、詳しくは後述する制御装置50から、上記高低変速装置42を高速側に切換える旨の出力信号があった際に、係合圧を出力する主変速高速側ソレノイドバルブ76と、該主変速高速側ソレノイドバルブ76からの係合圧が入力されると共に、高低変速装置42の高速側の油圧クラッチを係合させる油圧サーボ76a(併せて図3も参照)とが備えられている。また、走行変速部88には、制御装置50から高低変速装置42を低速側に切換える旨の出力信号があった際に、係合圧を出力する主変速低速側ソレノイドバルブ77と、該主変速低速側ソレノイドバルブ77からの係合圧が入力されると共に、高低変速装置42の低速側の油圧クラッチを係合させる油圧サーボ77a(併せて図3も参照)とが備えられている。
さらに、走行変速部88には、制御装置50から主変速装置36を1速段に切換える旨の出力信号があった際に、係合圧を出力する1速用主変速ソレノイドバルブ78と、該1速用主変速ソレノイドバルブ78からの係合圧が入力されると共に、主変速装置36の1速段用の油圧クラッチを係合させる油圧サーボ78a(併せて図3も参照)とが備えられている。また、走行変速部88には、1速用主変速ソレノイドバルブ78と同様に、主変速装置36を2速段〜4速段に切換える旨の出力信号があった際に、係合圧を出力する2〜4速用主変速ソレノイドバルブ79,80,81と、該2〜4速用主変速ソレノイドバルブ79,80,81からの係合圧が入力されると共に、主変速装置36の2〜4速段用の油圧クラッチを係合させる油圧サーボ79a,80a,81a(併せて図3も参照)とが備えられている。
なお、上記1〜4速用主変速ソレノイドバルブ78,79,80,81は、例えば、電気的信号に基づいて出力する係合圧を調圧し得る電磁比例切換えバルブからなり、初めに大きな係合圧で出力して複数の摩擦板のガタ詰めを行い、その後所定係合圧まで減圧した状態から徐々に係合圧を大きくし、最終的に最大係合圧によって油圧クラッチを係合させる、所謂、昇圧制御を行うことが可能となっている。これにより、クラッチの係合による急激な速度変化に起因する変速ショックを抑制することができ、滑らかな変速動作を行うことができる。
また、走行変速部88には、制御装置50から上記PTO油圧クラッチ40を接続状態に切換える旨の出力信号があった際に、係合圧を出力するPTO油圧クラッチ用ソレノイドバルブ87と、該PTO油圧クラッチ用ソレノイドバルブ87からの係合圧が入力されると共に、PTO油圧クラッチ40を係合させる油圧サーボ40aとが備えられ、さらに前後進切換えレバー(図示せず)の操作に連動して前後進切換え装置37を前進状態、後進状態、及び中立状態とに切換え得る切換えバルブと、該切換えバルブからの係合圧が入力されることで前進状態及び後進状態に切換えるそれぞれの油圧サーボとからなる前後進切換え制御部90が備えられている。
トラクタ1の制御装置50は、図8に示すように、複数のマイクロコンピュータ51a,51b,51c等で構成された制御部51を有しており、該制御部51は、各種スイッチやセンサからの信号が入力され、各種ソレノイドやランプ等を駆動するための信号を出力するように構成されている。
制御部51のマイクロコンピュータ51aの入力側には、上記クラッチペダル15の切操作に連動して操作される(切操作を検出する)動力切断スイッチ27、ブレーキペダル13,13の踏み込み操作を検出するブレーキペダルスイッチ54、左右のブレーキペダル13,13が連結されていることを検出するブレーキペダル連結スイッチ55、主変速操作スイッチ20が増速側に操作されたことを検出する主変速増速スイッチ56、主変速操作スイッチ20が減速側に操作されたことを検出する主変速減速スイッチ57、高低変速装置42がいずれかの変速段にされていることを検出する高低変速圧力スイッチ58、その他多数の変速操作状態を検出するスイッチ、及び油温センサ67等が接続されている。
また、マイクロコンピュータ51bの入力側には、車速センサ68及びエンジン回転数センサ69等が接続され、さらにマイクロコンピュータ51cの入力側には、各種自動制御の作動状態を一括して操作する自動制御一括操作(おまかせ)スイッチ70の操作状態を検出する複数のスイッチが接続されている。
制御部51の出力側には、上記高低変速装置42を変速するための主変速高速側ソレノイドバルブ76、主変速低速側ソレノイドバルブ77、上記主変速装置36を変速するための1速用主変速ソレノイドバルブ78、2速用主変速ソレノイドバルブ79、3速用主変速ソレノイドバルブ80、4速用主変速ソレノイドバルブ81、及び各種ヒューズやランプ類等が接続されている。
以上説明したトラクタ1の変速動作を図9及び図10に沿って説明する。まず、図9に沿って上記主変速操作スイッチ20による変速動作を前進1速段から前進8速段までの連続した変速を例に説明する。トラクタ1の前進1速段による走行状態の際には、主変速装置36が1速段、前後進切換え装置37が前進、副変速装置38が低速段、高低変速装置42が低速段の状態にそれぞれ操作されている。ここで、主変速操作スイッチ20が増速側(アップシフト側)に操作されると、主変速増速スイッチ56によりアップシフト操作されたことが制御部51に送られる。すると、制御部51は、1速用主変速ソレノイドバルブ78に係合圧の出力を停止させると共に、2速用主変速ソレノイドバルブ79に昇圧制御を行うように指令信号を送る。そして、該2速用主変速ソレノイドバルブ79の昇圧制御が完了することにより、トラクタ1が前進2速段による走行状態にされる。
また、トラクタ1は、前進2速段の状態から主変速操作スイッチ20がアップシフト側に操作されると、前進1速段から前進2速段に変速する際と同様に、制御部51が2速用主変速ソレノイドバルブ79に係合圧の出力を停止させると共に、3速用主変速ソレノイドバルブ80に昇圧制御を行うように指令信号を送り、該3速用主変速ソレノイドバルブ80の昇圧制御が完了することにより、前進3速段による走行状態にされる。さらに、トラクタ1は、前進3速段の状態から主変速操作スイッチ20がアップシフト側に操作されると、前進1速段から前進2速段に変速する際と同様に、制御部51が3速用主変速ソレノイドバルブ80に係合圧の出力を停止させると共に、4速用主変速ソレノイドバルブ81に昇圧制御を行うように指令信号を送り、該4速用主変速ソレノイドバルブ81の昇圧制御が完了することにより、前進4速段による走行状態にされる。
また、トラクタ1が前進4速段による走行状態から、主変速操作スイッチ20がアップシフト側に操作されると、主変速増速スイッチ56によりアップシフト操作されたことが制御部51に送られる。すると、制御部51は、4速用主変速ソレノイドバルブ81に係合圧の出力を停止させると共に、主変速低速側ソレノイドバルブ77に係合圧の出力を停止させる指令信号を送る。このため、高低変速装置42が低速段でなくなる(ニュートラル状態となる)ことにより、高低変速圧力スイッチ58がオンからオフにされる。制御部51は、主変速低速側ソレノイドバルブ77に係合圧の出力を停止させる指令信号を送ると、高低変速装置42が高速段となるように、主変速高速側ソレノイドバルブ76に係合圧を出力させるように指令信号を送る。そして、高低変速装置42が高速段となることにより、高低変速圧力スイッチ58がオフからオンにされると、制御部51が1速用主変速ソレノイドバルブ78に昇圧制御を行うように指令信号を送り、該1速用主変速ソレノイドバルブ78の昇圧制御が完了することにより、前進5速段による走行状態にされる。
また、トラクタ1の前進5速段から前進8速段までのアップシフト動作は、上記前進1速段から前進4速段までのアップシフト動作と同様に、主変速装置36を変速させることにより行う。即ち、主変速操作スイッチ20のアップシフト操作に基づいて、1〜4速用主変速ソレノイドバルブ78,79,80,81の係合圧の出力状態を変更させることで、前進8速段までの変速動作を行う。
次に、図10に沿ってトラクタ1の副変速装置38の変速を含めた変速動作を、前進5速段から前進9速段の飛び変速を例に説明する。トラクタ1の前進5速段による走行状態の際には、主変速装置36が1速段、前後進切換え装置37が前進、副変速装置38が低速段、高低変速装置42が高速段の状態にそれぞれ操作されている。ここで、トラクタ1を一旦停止させ、クラッチペダル15を踏み込むことにより主クラッチ機構35を切状態とすると、該クラッチペダル15の切動作に連動して動力切断スイッチ27が入状態とされ、制御部51は、1速用主変速ソレノイドバルブ78に係合圧の出力を停止させると共に、主変速高速側ソレノイドバルブ76に係合圧の出力を停止させる指令信号を送る。すると、主変速装置36及び高低変速装置42がニュートラル状態とされ、該高低変速装置42がニュートラル状態となることにより、高低変速圧力スイッチ58がオンからオフにされる。
その後、作業者により副変速レバー16が操作され、副変速装置38が低速段から中速段に変速される。このとき、クラッチペダル15の切操作に連動して操作され、高低変速装置42の動力伝達を切断する動力切断スイッチ27を備えているので、主クラッチ機構35の切動作と同時に高低変速装置42の動力伝達を切断することができ、例えば傾斜路面等にトラクタ1が停止し、伝動経路下手側から機械式歯車変速装置である副変速装置38の歯車に負荷がかかり低速段からニュートラル状態へ操作しにくくなることを防止することができる。
そして、副変速装置38が中速段にされ、クラッチペダル15が踏み込み操作状態から通常状態にされることで動力切断スイッチ27が切状態とされ、制御部51は、副変速装置38が変速されたことを検出して高低変速装置42を低速段にするために主変速低速側ソレノイドバルブ77に係合圧を出力させるように指令信号を送る。該主変速低速側ソレノイドバルブ77によって高低変速装置42が低速段にされると、制御部51では、高低変速圧力スイッチ58がオフからオンにされ、1速用主変速ソレノイドバルブ78に昇圧制御を行うように指令信号を送り、該1速用主変速ソレノイドバルブ78の昇圧制御が完了することにより、前進9速段による走行状態にされる。
なお、本実施の形態に係るトラクタ1は、副変速装置38の変速を含めたアップシフトの変速動作を行う際、該副変速装置38で設定し得る変速域での最低変速段となるようにされ、また、副変速装置38の変速を含めたダウンシフトの変速動作を行う際、該副変速装置38で設定し得る変速域での最高変速段となるように構成されている。つまり、上記のように前進5速段からのアップシフトの際には、副変速装置38の低速段から中速段に変速されるため、制御部51により、主変速装置36及び高低変速装置42による8速の変速段のうち最低変速段となるように制御され、即ち該副変速装置38の中速段で設定し得る最低変速段である前進9速段となるように構成されている。これにより、意図しない急激な速度変化を回避することができる。
また、上記副変速レバー16に備えられた高速スイッチ99は、トラクタ1において副変速装置38の変速を含めたアップシフト又はダウンシフトの変速動作を行う際に、該高速スイッチ99を押し操作した状態で副変速レバー16を操作することで、副変速装置38の変速操作前における主変速装置36及び高低変速装置42により設定した変速段の状態を、副変速装置38の変速操作後に再現するように制御させるものである。つまり、前進5速段から高速スイッチ99を押し操作した状態で副変速レバー16をアップシフト操作し、副変速装置38の中速段に変速した場合には、トラクタ1が前進13速段にされる。
ところで、以上説明したトラクタ1では、クラッチペダル15を踏み込み操作した際、必ず主変速装置36及び高低変速装置42がニュートラル状態とされ、該クラッチペダル15を戻すと主変速装置36のソレノイドバルブにより昇圧制御が行われ、滑らかな発進となる。このため、例えば、トラクタ1の前部に作業機(フロントドーザ等)を装着し、主クラッチ機構35を衝撃的に係合させ、急発進させることで土塊等を突き崩すといった作業(突切り作業)を行う場合には、急発進をさせることができず、不都合があった。
そこで、本発明に係るトラクタ1では、別の実施の形態として、クラッチペダル15を踏み込み操作した際、主変速装置36及び高低変速装置42がニュートラル状態とされるために、動力切断スイッチ27の入操作の他にも操作条件を設けることが考えられる。即ち、本発明に係る別の実施の形態では、トラクタ1の副変速装置38の変速を含めた変速動作をする際に、変速操作前の副変速装置38の変速段が低速段、ブレーキペダル13の踏み込み操作によりブレーキペダルスイッチ54が入状態、及び車輌が停止状態(車速センサ68の検出が0km/h)である状態で、高速スイッチ99を押し操作したままクラッチペダル15を踏み込み操作することで動力切断スイッチ27が入状態となった場合に主変速装置36及び高低変速装置42がニュートラル状態とされるように構成されている。
以上のように構成することで、上述と同様な変速動作を行う場合にも、主クラッチ機構35の切動作と同時に高低変速装置42の動力伝達を切断することができ、例えば傾斜路面等にトラクタ1が停止し、伝動経路下手側から機械式歯車変速装置である副変速装置38の歯車に負荷がかかり低速段からニュートラル状態へ操作しにくくなることを防止することができるものでありながら、高速スイッチ99の操作がない状態、即ち通常の作業状態では、主クラッチ機構35を衝撃的に係合させることで急発進させるような作業も行うことができる。
なお、本発明に係る別の実施の形態において、高速スイッチ99は、副変速レバー16の操作の途中で押し操作をやめることで、トラクタ1が副変速装置38の中速段で設定し得る最低変速段である前進9速段となるように構成しても良い。これにより、高速スイッチ99は、クラッチペダル15を踏み込み操作することで動力切断スイッチ27が入状態となった場合に主変速装置36及び高低変速装置42をニュートラル状態とするための条件とすることができるものでありながら、副変速装置38の変速操作前における主変速装置36及び高低変速装置42により設定し得る変速段の状態を、副変速装置38の変速操作後に再現するように制御させることもできる。
なお、本発明に係る別の実施の形態では、上述した部分以外の構成、作用、及び効果は、上記実施の形態と同様であるので、その説明は省略する。
なお、本発明に係る別の実施の形態においては、高速スイッチ99を押し操作したままクラッチペダル15を踏み込み操作することで動力切断スイッチ27が入状態となった場合に主変速装置36及び高低変速装置42がニュートラル状態とされる条件として、変速操作前の副変速装置38の変速段が低速段、ブレーキペダル13の踏み込み操作によりブレーキペダルスイッチ54が入状態、及び車輌が停止状態であるように説明したが、これに限らず、異なる条件を設定した場合でも本発明を適用することができる。
また、少なくともクラッチペダル15の切操作、動力切断スイッチ27によるクラッチペダル15の切操作の検出が行われた際に高低変速装置42の動力伝達の切断を許可する指令スイッチを高速スイッチ99であるように説明したが、これに限らず、他のスイッチを指令スイッチとしても本発明を適用することができる。
なお、本発明に係る実施の形態及び別の実施の形態においては、トラクタを、主変速装置が4段、副変速装置が3段、高低変速装置が2段からなる24段の走行変速を可能としたトランスミッションを備えたものとして説明したが、これに限らず、クラッチペダルの切操作に基づいてエンジンからの動力を切断し得る主クラッチ機構と、該主クラッチ機構の伝動経路下手側に配置され、副変速レバーの操作に基づいて変速し得る機械式歯車変速装置と、該機械式歯車変速装置の伝動経路下手側に配置され、主変速操作スイッチの操作に基づき、油圧制御によって変速し得る油圧変速装置とを有するトランスミッションを備えたものであれば、例えば主変速装置が4段、副変速装置が3段、油圧変速装置が3段からなる36段の走行変速を可能としたトラクタでも本発明を適用することができる。
1 作業車輌(トラクタ)
15 クラッチ操作手段(クラッチペダル)
16 第1変速操作手段(副変速レバー)
20 第2変速操作手段(主変速操作スイッチ)
27 動力切断スイッチ
35 主クラッチ(主クラッチ機構)
38 歯車変速装置(副変速装置)
42 油圧変速装置(高低変速装置)
99 指令スイッチ(高速スイッチ)
15 クラッチ操作手段(クラッチペダル)
16 第1変速操作手段(副変速レバー)
20 第2変速操作手段(主変速操作スイッチ)
27 動力切断スイッチ
35 主クラッチ(主クラッチ機構)
38 歯車変速装置(副変速装置)
42 油圧変速装置(高低変速装置)
99 指令スイッチ(高速スイッチ)
Claims (2)
- クラッチ操作手段の切操作に基づいてエンジンからの動力を切断し得る主クラッチと、該主クラッチの伝動経路下手側に配置され、第1変速操作手段の操作に基づいて変速し得る機械式歯車変速装置と、該機械式歯車変速装置の伝動経路下手側に配置され、第2変速操作手段の操作に基づき、油圧制御によって変速し得る油圧変速装置とを備える作業車輌において、
前記クラッチ操作手段の切操作に連動して操作され、前記油圧変速装置の動力伝達を切断する動力切断スイッチを備え、
前記クラッチ操作手段の切操作により、前記主クラッチを切動作させると共に、前記クラッチ操作手段の切操作に連動して前記動力切断スイッチが操作され、前記油圧変速装置の動力伝達を切断してなる、
ことを特徴とする作業車輌。 - クラッチ操作手段の切操作に基づいてエンジンからの動力を切断し得る主クラッチと、該主クラッチの伝動経路下手側に配置され、第1変速操作手段の操作に基づいて変速し得る機械式歯車変速装置と、該機械式歯車変速装置の伝動経路下手側に配置され、第2変速操作手段の操作に基づき、油圧制御によって変速し得る油圧変速装置とを備える作業車輌において、
前記クラッチ操作手段の切操作を検出する動力切断スイッチと、
前記油圧変速装置の動力伝達の切断を許可する指令スイッチと、を備え、
少なくとも前記クラッチ操作手段の切操作、前記動力切断スイッチによる前記クラッチ操作手段の切操作の検出、及び前記指令スイッチの操作が行われた際に、前記主クラッチを切動作させると共に前記油圧変速装置の動力伝達を切断してなる、
ことを特徴とする作業車輌。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009056852A JP2010210016A (ja) | 2009-03-10 | 2009-03-10 | 作業車輌 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009056852A JP2010210016A (ja) | 2009-03-10 | 2009-03-10 | 作業車輌 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010210016A true JP2010210016A (ja) | 2010-09-24 |
Family
ID=42970401
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009056852A Pending JP2010210016A (ja) | 2009-03-10 | 2009-03-10 | 作業車輌 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010210016A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106372364A (zh) * | 2016-09-28 | 2017-02-01 | 浙江工业大学 | 一种旋耕机刀轴尺寸多准则设计优化方法 |
-
2009
- 2009-03-10 JP JP2009056852A patent/JP2010210016A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106372364A (zh) * | 2016-09-28 | 2017-02-01 | 浙江工业大学 | 一种旋耕机刀轴尺寸多准则设计优化方法 |
CN106372364B (zh) * | 2016-09-28 | 2019-05-31 | 浙江工业大学 | 一种旋耕机刀轴尺寸多准则设计优化方法 |
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