JP2010209781A - 多気筒エンジンの排気システムの制御方法およびその装置 - Google Patents

多気筒エンジンの排気システムの制御方法およびその装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な手法によって排気ターボ式過給機の駆動を効率的に行なう。
【解決手段】独立分岐通路16a〜16dの下流側同士が集合された集合部31cの下流側に、排気ターボ式過給機50が配設される。集合部31cの上流側に、可変絞り弁30が配設される。可変絞り弁30が該所定開度以上のときに排気弁の開弁期間が互いにオーバラップする気筒間での該各独立分岐通路同士を連通をさせる一方、該可変絞り弁が所定開度未満のときに各独立分岐通路同士の連通が遮断される連通路41が設けられる。ある気筒からの排気ガスと他の気筒からの掃気ガスとの混合によって排気通路内において後燃焼が不可能な状態であると判断されたときは可変絞り弁30が閉弁され、後燃焼が可能であると判断されたときが可変絞り弁30が所定開度以上とされる。
【選択図】 図8

Description

本発明は、多気筒エンジンの排気システムの制御方法およびその装置に関するものである。
排気ターボ式過給機を備えたエンジンにおいては、複数気筒からの排気ガスが排気マニホールドを介して集合部に集合されて、この集合部の下流側に排気ターボ式過給機が配設される。排気ターボ式過給機を効率よく作動させるためには、排気ポートから排出された直後の勢いの強い排気ガスつまりブローダウンガスを、その勢いを極力弱めることなく排気ターボ式過給機に供給することが好ましいものとなる。
特許文献1には、排気マニホールドの独立分岐通路同士が集合される集合部の下流側に排気ターボ式過給機を配設したものにおいて、集合部に、排気ガスの流れを集合部の中心側に向けて偏向させるノズル弁を設けて、排気ターボ式過給機に排気ガスが極力勢いよく供給されるようにしたものが提案されている。また、レーシング用エンジンにおいては、排気ターボ式過給機を極力高回転状態に維持するために、例えば減速時において排気通路内に燃料噴射を行なうことにより排気通路内で燃焼を行わせることも実行されている。
特開2007−231791号公報
ところで、排気ターボ式過給機の上流側の排気通路は、互いに異なる気筒に連なる複数の独立分岐通路に分岐されているが、ある独立分岐通路に排出された排気ガスが、他の独立分岐通路に向けて流れることにより膨張されてしまって、排気ターボ式過給機へ供給される排気ガスの勢いが低減されてしまい、この分排気ターボ式過給機を効率よく作動させることが難しくなる。特許文献1に記載のものでは、集合部に供給される排気ガスを排気ターボ式過給機に向かうように集中させる作用を有するものの、ある独立分岐通路からの排気ガスが他の独立分岐通路へ流れてしまうことを阻止することまでは難しいものとなる。また、排気通路内に燃料噴射を行うものにあっては、レーシング用という特別なエンジンであって、乗用車用や商用車用という一般的なエンジン用としては採用しがたく、また排気通路に燃料噴射を行うために構造も複雑になってしまうことになる。
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、簡単な手法によって排気ターボ式過給機の駆動を効率的に行えるようにした多気筒エンジンの排気システムの制御方法およびその装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明方法にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
互いに異なる排気ポートに連なると共に互いに独立した3本以上の独立分岐通路と、
前記各独立分岐通路の下流側同士が集合された集合部と、
前記集合部の下流側に配設された排気ターボ式過給機と、
前記集合部の上流側において前記各独立分岐通路の開口面積を変更して絞り部を形成するための可変絞り弁と、
前記可変絞り弁が該所定開度以上のときに吸気行程での吸・排気弁の開弁期間がオーバラップするオーバラップ期間と、排気行程での排気弁の開弁期間が互いに重なる気筒間での前記各独立分岐通路同士を連通をさせる一方、該可変絞り弁が所定開度未満のときに各独立分岐通路同士の連通が遮断される連通路と、
を備え、
エンジンの所定運転領域において、ある気筒からの排気ガスと他の気筒からの掃気ガスとの混合によって排気通路内において後燃焼が可能な状態であるか否かを判断する第1ステップと、
前記第1ステップで後燃焼が不可能であると判断されたときに、前記可変絞り弁を閉弁させて前記連通路を遮断する第2ステップと、
前記第1ステップで、後燃焼が可能であると判断されたときに、前記可変絞り弁を前記所定開度以上とすることによって、前記連通路を介しての排気ガスと掃気ガスとの混合による後燃焼を実行させる第3ステップと、
を備えているようにしてある。
上記解決手法によれば、可変絞り弁を閉弁することによって形成される絞り部によって、排気のエゼクタ効果(吸い出し効果)を得ることができる。すなわち、ある独立分岐通路に排出された排気ガスは、その絞り部を通過することによって流速が速められて、勢いよく排気ターボ式過給機側へ向けて流れることになる。そして、絞り部を排気ガスが通過する際に、他の独立分岐通路内を吸引する吸い出し効果が発揮されて、ある独立分岐通路からの排気ガスが他の独立分岐通路へ膨張されることなく排気ターボ式過給機へダイレクトに供給されることになる。特に、排気ポートが開いた直後の勢いの強い排気ガスつまりブローダウンガスによって上記吸い出し効果が高められることになる。また、上記吸い出し効果によって、ある気筒から排出される排気ガスによって、他の気筒の掃気が良好となって当該他の気筒の充填効率も高められることになる(10〜20%の充填効率向上)。さらに、排気の脈動を利用した動圧過給を得る場合に、ある独立分岐通路を流れる排気ガスが他の独立分岐通路へ流れる(膨張する)ことが防止されるので、排気通路容積が小さくしたのと同様の効果を得て、動圧過給の効果を高めることができる(勢いの強いブローダウンガスによる瞬時流量を排気ターボ式過給機に効果的に供給できる)。以上のことから、総合して、エンジントルク特に低速時でのエンジントルクを大きく向上させることができる。
以上に加えて、排気通路内で後燃焼が期待できるときは、可変絞り弁を所定開度以上の開度として、ある気筒からの排気ガス中の未燃成分と別の気筒からの掃気ガス(中の酸素)との混合による後燃焼を行わせて、この後燃焼の燃焼エネルギによって排気ターボ式過給機をより効率的に作動させることができる(すみやかな回転数上昇を得ることができる)。勿論、排気ガスと掃気ガスとの混合による後燃焼であるので、排気通路内に別途燃料噴射を行う場合に比して構造も極めて簡単となる。
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記載のとおりである。すなわち、
前記第3ステップでは、前記可変絞り弁が、前記連通路を開くために必要な最小開度とされる、ようにしてある(請求項2対応)。この場合、後燃焼を行わせつつ、吸い出し効果も十分に得て、排気ターボ式過給機を効率的に作動させる上でより好ましいものとなる。
前記第1ステップでは、エンジン回転数に関連した値に基づいて後燃焼が可能であるか否かを判断する、ようにしてある(請求項3対応)。この場合、エンジン回転数に関連した値というエンジンにとって一般的なパラメータを利用して、後燃焼が可能であるか否かを容易に判断することができる。
前記所定運転領域が、前記排気ターボ式過給機におけるウエストゲートバルブが開弁されるときのエンジン回転数以下の低回転領域とされ、
制御しきい値として、前記排気ターボ式過給機におけるウエストゲートバルブが開弁されるエンジン回転数以下の回転数に設定された第2所定回転数と、該第2所定回転数よりも低回転に設定された第1所定回転数とが設定され、
前記第1ステップでは、実際のエンジン回転数が前記第1所定回転数と第2所定回転数との間の回転数のときに、後燃焼が可能であると判断する、
ようにしてある(請求項4対応)。この場合、後燃焼を実行する領域設定と、後燃焼が可能な状態であるかの判断を、それぞれエンジン回転数という一般的なパラメータを用いて設定することができる。なお、第1所定回転数よりも低回転領域では、排気ガスの温度および圧力がそれぞれ小さくて、後燃焼が期待できないものとなる。また、第2所定回転数よりも高回転領域では、排気ターボ式過給機が十分に駆動されているので、後燃焼を利用した駆動補助の制御はもはや必要のないものとなる。
前記第3ステップでは、吸気圧が大気圧以上となったことを条件として、前記可変絞り弁を前記所定開度以上とする、ようにしてある(請求項5対応)。この場合、排気ターボ式過給機による過給は、吸気圧が大気圧にまで上昇した後に遅れて効いてくるので、吸気圧が大気圧未満のときは連通路を閉じておくことにより吸い出し効果を最大限引き出すことによって排気ターボ式過給機の駆動を効率的に行い、吸気圧が大気圧になった時点から後燃焼による排気ターボ式過給機の駆動を行なうことにより、排気ターボ式過給機のすみやかな回転数上昇を得ることができる。
前記第1ステップでは、吸気圧に関する値が所定値以上であることを条件として、後燃焼が可能であると判断する、ようにしてある(請求項6対応)。この場合、吸気圧に関連した値を利用して、後燃焼が可能であるか否かを判断することができる。
前記第1ステップでは、吸気量に関する値が所定量以上であることを条件として、後燃焼が可能であると判断する、ようにしてある(請求項7対応)。この場合、吸気量に関連した値を利用して、後燃焼が可能であるか否かを判断することができる。
前記各独立分岐通路の下流側端が、互いに直列に配設され、
前記可変絞り弁が、前記各独立分岐通路の下流側端の配設方向に延びると共に該配列方向に延びる軸線を中心として回動される弁体を有し、
前記連通路が、前記各独立分岐通路の下流側端の配列方向に延びると共に、閉弁時のおける前記可変絞り弁の直下流側において前記弁体に臨むように開口されている、
ようにしてある(請求項8対応)。この場合、可変絞り弁とこれに関連した連通路についての具体的な構造が提供される。特に、連通路を弁体とは別体に構成するので、可変絞り弁の構造が簡単となる。
前記各独立分岐通路の下流側端が、互いに直列に配設され、
前記可変絞り弁が、前記各独立分岐通路の下流側端の配設方向に延びると共に該配列方向に延びる軸線を中心として回動される弁体を有し、
前記連通路が、前記配列方向に延ばして前記弁体に形成されて、該弁体が閉弁状態にあるときに排気通路構成部材でもって遮断されるように設定されている、
ようにしてある(請求項9対応)。この場合、可変絞り弁とこれに関連した連通路についての具体的な構造が提供される。特に、連通路を弁体に形成するので、排気通路そのものの構造が簡単となる。
前記各独立分岐通路の下流側端が、互いに直列に配設され、
前記可変絞り弁が、前記各独立分岐通路の下流側端の配設方向に延びると共に該配列方向に延びる軸線を中心として回動される弁体を有し、
前記弁体と前記排気ターボ式過給機との間の排気通路が、互いに並列に、閉弁時の前記可変絞り弁によって閉じられる第1通路と、閉弁時の該可変絞り弁によっては閉じられない絞り用となる第2通路とに分岐され、
前記第1通路に開閉弁が配設され、
前記連通路が、前記可変絞り弁を前記所定開度開くことによって前記第1通路と第2通路との上流側端同士を連通するものとして設定され、
前記第3ステップにおいて、前記開閉弁が、前記可変絞り弁が前記第1通路を若干開いて前記連通路を開くのに必要な最小開度とされているときは閉弁される一方、該可変絞り弁が全開とされたときは開弁される、
ようにしてある(請求項10対応)。この場合、可変絞り弁とこれに関連した連通路についての具体的な構造が提供される。特に、別途開閉弁を用いることにより、可変絞り弁やその付近の構造を簡単化する上で好ましいものとなる。
前記目的を達成するため、本発明装置にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項11に記載のように、
互いに異なる排気ポートに連なると共に互いに独立した3本以上の独立分岐通路と、
前記各独立分岐通路の下流側同士が集合された集合部と、
前記集合部の下流側に配設された排気ターボ式過給機と、
前記集合部の上流側において前記各独立分岐通路の開口面積を変更して絞り部を形成するための可変絞り弁と、
前記可変絞り弁が該所定開度以上のときに吸気行程での吸・排気弁の開弁期間がオーバラップするオーバラップ期間と、排気行程での排気弁の開弁期間が互いに重なる気筒間での前記各独立分岐通路同士を連通をさせる一方、該可変絞り弁が所定開度未満のときに各独立分岐通路同士の連通が遮断される連通路と、
前記可変絞り弁を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、エンジンの所定運転領域において、ある気筒からの排気ガスと他の気筒からの掃気ガスとの混合によって排気通路内において後燃焼が不可能な状態であるときには、前記可変絞り弁を閉弁させて前記連通路を遮断する一方、後燃焼が可能な運転状態であるときには、前記可変絞り弁を前記所定開度以上とすることによって、前記連通路を介しての排気ガスと掃気ガスとの混合による後燃焼を実行させるように設定されている、
ようにしてある。上記解決手法によれば、請求項1に記載の制御方法を実行する装置が提供される。
本発明によれば、排気ガスによる吸い出し効果に加えて、排気ガスと掃気ガスとの混合による後燃焼とを利用するという簡単な手法によって、排気ターボ式過給機を効率よく作動させることができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係るエンジンの過給装置の概略構成図である。また図2は、図1の部分側断面図である。この図1、図2において、エンジン1は直列4気筒の火花展開式とされた4サイクルエンジンである。シリンダブロック2には第1〜第4気筒3a,3b,3c,3d(これらを総称するときは気筒3という)が一直線上に配設されている。各気筒3の構成は共通で、図2に示すように燃焼室4の上部には吸気Wiを吸入するための吸気ポート6と排気Weを排出するための排気ポート8とが設けられている。そして吸気ポート6を開閉する吸気バルブ7と排気ポート8を開閉する排気バルブ9とが設けられている。さらに燃焼室4の頂部には火花を発生させる点火プラグ5が設けられている。その他、図略の燃料供給手段(燃料噴射弁など)が適宜位置に設けられている。
各気筒3の排気ポート8には、第1〜第4排気通路16a,16b,16c,16dが接続されている。図1に示すように、そのうちの第2排気通路16bと第3排気通路16cとは、その下流側で集合され、補助集合排気通路16bcとなっている。第1〜第4排気通路16a〜16d及び補助集合排気通路16bcは全体として排気マニホールド16を構成する。
つまり排気マニホールド16は、上流側においては4つの独立排気通路を有し(第1〜第4気筒3a,3b,3c,3d)、下流側においては3つの独立排気通路(第1,第4排気通路16a,16d及び補助集合排気通路16bc)を有する構成されている。以下の説明では、特記する場合を除き、独立排気通路とは下流側の3つの独立排気通路を指すものとする。
排気マニホールド16の下流側にはハウジング31が接続されている。ハウジング31の内部上流側(排気マニホールド16との接続部付近)には可変絞り弁30が設けられている。またハウジング31は、可変絞り弁30より下流側において、上記3つの独立排気通路が集合する集合部31cを形成する。
可変絞り弁30は、上記3つの独立排気通路16a,16bc,16dの各通路断面積を、その独立状態を維持しつつ変更するバルブであって、弁体としてのフラップ35やこれを駆動するアクチュエータ38等を備える。詳細構造は図5等を参照して後述する。
図1に示すように、ハウジング31(集合部31c)の下流側には、排気ターボ式過給機50のハウジング51、詳しくはそのタービンノズルが接続されている。排気ターボ式過給機50は周知の過給機であって、排気通路60に設けられたタービン54と吸気通路に設けられたコンプレッサ52とをシャフト53で連結したものであり、排気Weでタービン54を回転させることによりコンプレッサ52を駆動し、吸気Wiを圧縮して吸気圧を上昇させる。また排気通路60には、タービン54をバイパスするウエスト通路61と、ウエスト通路61を開閉するウエストゲートバルブ62とが設けられている。
なお、本実施形態の排気ターボ式過給機50は、主に高回転領域においてトルク増大作用の強い大型ターボである。一般的に、A/R(図2に示すタービン部のノズル面積Aと、タービン軸からノズル中心部までの距離Rとの比)が比較的大きく、またタービン径Dも比較的大きいものを大型ターボという。本実施形態の排気ターボ式過給機50は、一般的な大型ターボと比較して、タービン径Dが大きいことは同様であるがA/Rが比較的小さい設定となっている。
図1に示すように、エンジン1には可変バルブタイミング機構12(バルブタイミング変更手段)が設けられている。本実施形態の可変バルブタイミング機構12は、吸気バルブ7及び排気バルブ9の開弁期間を維持したまま、バルブタイミング(バルブ開閉弁時期)を平行移動的に前後させる、いわゆるVVT(Variable Valve Timing)である。VVTの方式としては、バルブタイミングを連続的に変化させるものでも、2以上の段階的に変化させるものでも良い。
なお本実施形態の可変バルブタイミング機構12は、吸気側の吸気VVT12i(吸気バルブタイミング変更手段)と排気側の排気VVT12e(排気バルブタイミング変更手段)とを備え、吸気バルブ7と排気バルブ9の双方においてバルブタイミングを変化させる。
また図1に示すように、エンジン1の動作を電気的に制御するECU(Engine ControlUnit)20が設けられている。ECU20は、CPU、メモリ、カウンタタイマー群、インターフェース並びにこれらのユニットを接続するバス等を有するマイクロプロセッサで構成された制御ユニットである。ECU20は、燃料供給量、スロットル開度或いは点火時期といった一般的な燃焼制御に加え、可変バルブタイミング機構12の駆動制御やウエストゲートバルブ62の開閉制御を行う。
さらにECU20は、可変絞り弁30を駆動制御する可変絞り弁制御手段としても機能する。具体的にはECU20は、少なくとも過給領域の所定の低回転領域(ウエストゲートバルブ62が開き始めるインターセプトポイントより低回転領域)において、後述するように、可変絞り弁30によって独立排気通路16a,16bc,16dの各通路断面積を最大面積時(可変絞り弁30が開弁状態)よりも縮小させる独立排気絞り制御を実行する。
また本実施形態のエンジン1は、一般的な4気筒エンジンと同様、各気筒3が、クランク角180度(以下180度CAと表記する)ごとに順次点火時期を迎えるように互いに各行程をずらして運転されている。点火順序(排気行程順序とも言える)はいわゆる#1→#3→#4→#2(#xは第x気筒であることを示す)である。すなわち、例えば第1気筒3aが膨張行程にあるとき、第2気筒3bは排気行程、第3気筒3cは圧縮行程、第4気筒3dは吸気行程にある。
図2に示す状態においては、第1気筒3aは膨張行程から排気行程への移行期(下死点付近)にある。このとき、排気バルブ9が開いて排気Weが燃焼室4から排気ポート8へ排出され始める(ブローダウン)。このとき第2気筒3bは排気行程から吸気行程への移行期(上死点付近)にある。この移行期において、図示のように吸気バルブ7と排気バルブ9とが共に開弁している期間、いわゆるオーバーラップ期間が設けられている。より具体的には、後述する排気通路の絞り作用や後燃焼を行う運転状態では、各気筒において、排気バルブ8は膨張行程下死点前に開弁されると共に吸気行程上死点後に閉弁され、また吸気バルブ7は吸気上死点前に開弁される。
図3は排気マニホールド16とハウジング31の外観斜視図である。また図4は排気マニホールド16の下流側部分斜視図である。また図5は可変絞り弁30の要部斜視図である。また図6は排気マニホールド16及びハウジング31の縦断面図であって、可変絞り弁30が開弁状態にある状態を示す図である。図7は図6と同様の断面図であって、可変絞り弁30が開弁状態にある状態を示す図である。図8は図6と同様の断面図であって、可変絞り弁30が後述する連通路41を開く最小開度にある状態を示す図である。図9は図6のX9−X9線断面図である。以下これらの図を参照して排気マニホールド16とハウジング31、特にハウジング31内の可変絞り弁30について説明する。
図3に示すように、排気マニホールド16の上流端にはフランジ16eが設けられ、エンジン1の図略のシリンダヘッドに固定されている。このフランジ16eに4本の排気通路、すなわち第1,第2,第3,第4排気通路16a,16b,16c,16dが接続されている。フランジ16e部において、各排気通路はφ36mmの円形断面を有する。
第1排気通路16aは、1列に並ぶ気筒3の一端側に配置された第1気筒3aの排気ポート8に接続される。第4排気通路16dは他端側に配置された第4気筒3dの排気ポート8に接続される。第2排気通路16b及び第3排気通路16cは、中央側の第2気筒3b及び第3気筒3cの排気ポート8にそれぞれ接続される。
図4に示すように、第1排気通路16a及び第4排気通路16dは、その全長に亘って独立状態を維持するが、第2排気通路16bと第3排気通路16cとは、その下流端直前で互いに集合され、補助集合排気通路16bcとなっている。従って排気マニホールド16の下流端付近では3本の独立排気通路(第1排気通路16a,補助集合排気通路16bc,第4排気通路16d)が形成されている。これらは補助集合排気通路16bcを第1排気通路16aと第4排気通路16dが両側から挟むように、浅い角度で(略平行が望ましい)並列配置されている。
排気マニホールド16の下流端であるマニホールド出口17において上記3本の独立排気通路が開口している。すなわち第1排気通路16aの第1開口部17a、補助集合排気通路16bcの補助集合開口部17bcおよび第4排気通路16dの第4開口部17dが、この順に一直線上に配置されている。各開口部17a,17bc,17dの開口面積は、約380〜616mm2の範囲内で互いに略等しくなるように構成されている。この面積はφ22〜φ28mmの円形断面積に相当する。またこれは、各排気通路16a,16b,16c,16dのマニホールド入口部の面積(φ36mm相当)に対して面積比で37〜61%となっている。
第1排気通路16aと第4排気通路16d、及び第2排気通路16bと第3排気通路16cとはそれぞれ互いに対称形状となっている。従って、第1排気通路長さLaと第4排気通路長さLdとは略等しい。本実施形態において第1排気通路長さLaは200mm乃至はそれ以下となるように構成されている。
また第1通路容積Vaと第4通路容積Vdとは略等しく、これらと補助集合通路容積Vbc(第2排気通路16b単独の部分及び第3排気通路16c単独の部分を含む)とも略等しくなるように構成されている。
動圧過給を得るには、排気脈動(のピーク値)を大きくすればよく、大きな排気脈動を得るための最も効果的な手段は、排気マニホールド16の容積を小さくすることである。そのためには図4に示す第1通路容積Va(≒第4通路容積Vd≒補助集合通路容積Vbc)を小さくすれば良い。そして、通路断面積を小さくすると排気抵抗が増大して望ましくないことを鑑みれば、第1通路容積Vaを小さくするには、第1排気通路16aの長さを可及的に短くすれば良いということになる。具体的には第1排気通路16aの長さLa(図4に示す)を、第1排気通路16aの排気マニホールド入口における通路径D1(図6に示す)の6倍以下とすることが望ましい。本実施形態では上述のように径D1=φ36mm、長さLa≦200mmであるから、この条件を満たしている。従って効果的な動圧過給が期待できる。
また上述のように、排気マニホールド16の第1通路容積Va、第4通路容積Vd及び補助集合通路容積Vbcの各通路容積は、互いに略等しい。仮にこれらの独立排気通路の容積に互いに大きな差があると、エゼクタ効果による掃気促進効果も気筒間で大きくばらついてしまう。そうすると、掃気性に依存するノッキング性能にも差が生じ、結果的に最もノッキング性能の低い気筒3に合わせた設定が余儀なくされ、他の気筒3でノッキング性能を向上してもそれが無駄になる。また、エゼクタ効果による上記吸気量増大効果にも気筒間ばらつきが生じてしまう。
本実施形態の構成によれば、第1通路容積Va、第4通路容積Vd及び補助集合通路容積Vbcの容積が互いに略等しいので、これらの問題がなく、吸い出し効果(エゼクタ効果)の利点をより効果的に得ることができる。
図6に示すように、排気マニホールド16のマニホールド出口17にハウジング31が接続されている。ハウジング31は、上流側においては可変絞り弁30のフラップ35を支持し、収納するバルブハウジングとして機能し、それより下流側においては、各独立排気通路16a,16bc,16dからの排気Weが合流する集合部31cを形成する。
可変絞り弁30は、排気Weの流れに交差する方向に設けられ、ハウジング31に支持されたフラップ軸37と、フラップ軸37まわりに旋回可能とされた弁体としてのフラップ35と、ECU20からの制御信号(可変絞り弁30の開度指令)に基づいてフラップ軸37を回転させるアクチュエータ38(モータ等)と、フラップ35を開弁方向に付勢するリターンスプリング39とを含む。フラップ35は、フラップ軸37視でフラップ軸37を扇の要とする扇形断面の扇状面36を有する。扇状面36の内側は空洞とされ、軽量化が図られている。
図6に示すように、ハウジング31には上方に膨出する膨出部31bが形成されており、膨出部31bの内側にフラップ35が格納された状態(図6に示す状態)が可変絞り弁30の開弁(全開)状態である。可変絞り弁30が全開のとき、図6に示すように、マニホールド出口17からハウジング31内に導入された排気Weはフラップ35(可変絞り弁30)で絞られることなく集合部31cに導かれる。
一方フラップ35がフラップ軸37を中心に回転駆動され、膨出部31bよりも内側に最も侵入した状態(図7に示す状態)が可変絞り弁30の閉弁(全閉)状態である。フラップ35は、アクチュエータ38によって全閉状態と全開状態との間で適宜開度調節される。
可変絞り弁30が全閉のとき、図7に示すように、フラップ35の扇状面36が流路の一部を遮るので排気通路断面積が縮小される。従ってマニホールド出口17からハウジング31内に導入された排気Weは可変絞り弁30によって絞られた後、集合部31cに導かれる。
なお図6〜図8に示すように、ハウジング31の上流側には仕切板32が設けられている。仕切板32は排気Weの流れに沿って(平行に)立設され、またフラップ軸37方向に離間して2枚設けられている。2枚の仕切板32のうち一方は、マニホールド出口17との合わせ部において第1開口部17aと補助集合開口部17bcとを仕切る壁面から連続するように立設されてハウジング31内を仕切り、他方は、補助集合開口部17bcと第4開口部17dとを仕切る壁面から連続するように立設されてハウジング31内を仕切る。すなわち、仕切板32に沿って排気Weが流れる区間では、2枚の仕切板32によって各独立排気通路16a,16bc,16dの独立状態及び並列状態が維持されている。
そして各仕切板32の各後縁32aは、可変絞り弁30が閉弁状態にあるときのフラップ35の扇状面36に沿うように成形されている。従って、排気Weがフラップ35で絞られる際には、上記独立状態及び並列状態が維持された状態で絞られる。
また集合部31cは、仕切板32の後縁32aより下流側に形成される。
ハウジング31の下流端側にはフランジ31aが設けられ、排気ターボ過給機50のハウジング51と接合されている。なお排気ターボ過給機50のレイアウトの都合上、ハウジング31は途中で下方に曲げられている。排気ターボ過給機50の設置位置によってはこのような曲げは不要である。また異なる曲げ角であっても良い。
図6〜図9に示すように、ハウジング31内にはハウジング31の曲げ方向に沿った導流板33が設けられている。導流板33は、仕切板32を通過した排気Weを、ハウジング31の曲がりに沿って円滑に流れるように導く。特に、図7に示すように、導流板33は可変絞り弁30が閉弁状態のとき、仕切板32を通過した排気Weをハウジング31と導流板33とが囲むように配置されている。
また図6〜図9に示すように、ハウジング31内の集合部31cには、ハウジング31の曲げ外側壁面から内側に立設するように整流ガイド34が設けられている。整流ガイド34は排気Weの流れに沿って(平行に)立設され、またフラップ軸37方向に離間して2枚設けられている。また各整流ガイド34は、各仕切板32とそれぞれ略同一平面上に設けられている。整流ガイド34の、ハウジング31の曲げ方向内側には導流板33との間に隙間が設けられている。後に詳述するが、整流ガイド34は、排気方向に交差する方向(図6や図7の紙面に平行でない方向)の旋回流を規制するために設けられている。
ここで、フラップ35の扇状面36に排気圧力が作用したとき、この排気圧力Peは扇状面36に対して垂直に、つまりフラップ軸37のラジアル方向に作用するため、理論上回転モーメントが発生しない(合力としてフラップ軸37にラジアル荷重が作用する)。従って排気脈動が大きくてもフラップ35のバタツキが起こり難く、それを防止するためのアクチュエータ38の大型化やリターンスプリング39の大型化も不要となる。その結果、可変絞り弁30を、確実な動作を図りつつ小型化することができる。
前記導流板33の上流側端部の上面側には、図6〜図8に示すように、フラップ35の長手方向つまりフラップ軸37の軸線に延びる連通路41が形成されている。この連通路41は、導流板33の上面から突出された通路構成用の突起部42によって構成されている。すなわち、突起部42は、一端上方に延びた後、前方(排気通路の上流側)に向けて延びている。そして、連通路41は、その前方開口部が開かれた状態では、各独立排気通路16aと16bcと16dに開口されて、各独立排気通路16aと16bcと16dとを連通する。フラップ35が閉弁状態にある図7に示す状態では、その前方開口部が閉じられて、連通路41を介しての各独立排気通路16aと16bcと16dの連通は遮断される。また、フラップ35が図6に示す開弁状態とされると、その前方開口部が開かれて、連通路41を介して3つの独立排気通路16aと16bcと16dとが互いに連通されることになる。図8は、フラップ35が、連通路41を開く最小開度のときを示し、この最小開度のときは、フラップ35による絞り作用と連通路41を介した各独立排気通路16aと16bcと16dの連通状態とが共に確保される状態となる。そして、図8の状態からフラップ35の開度が大きくなるにつれて、その絞り作用が低減されていくことになる。
フラップ35(用のアクチュエータ38)の駆動制御のために、図1に示すように、ECU20には、エンジン回転数を検出する回転数センサS1からの信号および吸気圧(コンプレッサ52下流側の吸気通路内の圧力)を検出する吸気圧センサS2からの信号が入力される。
図10はECU20による制御例を示す特性図であり、図11は図10の制御を実行するためのフローチャートである。図10に示す制御例では、制御しきい値として、第1所定回転数N1と第2所定回転数N2と第3所定回転数N3とが設定される。第3所定回転数N3は、ウエストゲートバルブ62が開弁されるエンジン回転数(インターセプト回転数で、例えば2000rpm)である。実際のエンジン回転数が第3所定回転数N3よりも高回転のときは、多量の排気ガスを効率よく排出するために、フラップ35は図6に示す全開状態とされる。
第2所定回転数はN2は、第3所定回転数よりも若干低い回転数とされる(例えば1700rpm)。そして、第1所定回転数N1は、第2所定回転数N2よりも小さい回転数に設定される(例えば1000rpm)。この第1所定回転数N1以下の低回転領域では、排気ガスの圧力や温度が小さいために、排気ガスと掃気ガスとを混合しても後燃焼が期待できない回転数領域となる。よって、もっぱら吸い出し効果による排気ターボ式過給機の駆動を行うべく、フラップ35は図7に示す全閉状態とされる。
第1所定回転数N1と第2所定回転数N2との間の回転数領域は、後燃焼が期待できる運転領域とされる。このN1とN2との間の回転数域では、フラッップ35が図8に示す連通路41を開く最小開度とされて、吸い出し効果に加えて後燃焼を得る状態とされる。
ここで、ある気筒の膨張行程終期からその排気バルブ9が開弁されて排気行程で排気ガスが独立通路に排出される一方、そのときに吸気バルブ7と排気バルブ9が開弁されている気筒からは上記排気ガスによる吸い出し効果によって掃気されて、掃気ガス(酸素)が独立通路に排出され、上記排気ガスが連通路41を通って掃気気筒の掃気ガスと混合されることによって生じる燃焼が後燃焼となる。なお、後燃焼が行われる関係となる気筒は、実施形態の場合は次のようになる。すなわち、図19に示すように、1番気筒#1(排気)と2番気筒#2(吸気)、3番気筒#3(排気)と1番気筒#1(吸気)、4番気筒#4(排気)と3番気筒#3(吸気)、2番気筒#2(排気)と4番気筒#4(吸気)となる。
第2所定回転数N2と第3所定回転数N3との間の回転領域では、エンジン回転数の増大に応じて、フラップ35が図8に示す連通路41を開く最小開度から図6に示す全開開度へ移行する移行期とされる。そして、第3所定回転数Nよりも高回転領域では、フラッップ35が全開状態に維持される。
前述したようなECU20による制御を具体的に示すのが図11のフローチャートである。以下このフローチャートについて説明するが、以下の説明でQはステップを示す。まず、図11のQ1において、センサS1からのエンジン回転数信号が読み込まれる。この後、Q2において、センサS1で検出される実際のエンジン回転数が第1所定回転数N1よりも小さいか否かが判別される。このQ1の判別でYESのときは、Q3において、フラップ35が全閉とされる(図7の状態)。Q3の制御時には、排気行程にある1つの独立通路からの排気ガスが絞られて、勢いよく排気ターボ式過給機50に供給される。絞り作用による吸い出し効果によって、別の気筒における独立通路内のガスが吸引されて、排気ターボ式過給機50への供給ガス量が増大される。さらに、次に吸気行程にある気筒からの掃気効果を高めて充填効率が向上され、さらに動圧過給の効果も十分に得られるものとなる。
前記Q2の判別でNOのときは、Q4において、実際のエンジン回転数がN1とN2との間の範囲にあるか否かが判別される。このQ4の判別でYESのときは、Q5において、フラップ35が、連通路41を開くのに必要な最小開度とされる(図8の状態)。このQ5での制御時には、吸い出し効果に加えて、排気ガス中の未燃成分(特にHC)と連通路41を介して吸い出された他の気筒からの掃気ガス(中の酸素)とが混合されて、後燃焼が行われて、排気ターボ式過給機50のすみやかな回転数上昇が得られることになる。
前記Q4の判別でNOのときは、Q6において、実際のエンジン回転数が第3所定回転数N3よりも大きいか否かが判別される。このQ6の判別でNOのときは、Q7において、フラップ35の開度が、図8に示す最小開度と、図6に示す全開開度との間の開度とされる(エンジン回転数の増大に応じて開度増大)。このQ7での制御時には、吸い出し効果と、後燃焼と、排気ガスの排出効率とをバランスさせる制御となる。
前記Q6のは判別でYESのときは、Q8において、フラップ35が全開とされる(図6の状態)。このQ8の制御時は、多量の排気ガスを効率よく排出する制御となる。
図12,図13は、本発明の第2の実施形態を示すもので、ECU20による別の制御例を示すものである。すなわち、本実施形態では、制御しきい値として、前述した3つの所定回転数N1、N2、N3の他に、所定吸気圧P1が設定され、この所定吸気圧P1は、排気ターボ式過給機が殆ど遅れなく過給可能になった運転状態となったことの確認用であり、かつ後燃焼のために十分な排気ガス量および掃気ガス量が得られる状態の確認用ともなる。つまり、実際のエンジン回転数がN1とN2との範囲にあり、かつ吸気圧が大気圧(P1)以上となったときに、後燃焼を得るべく、フラップ35は図8に示す連通路41を開くのに必要な最小開度とされる。
図12において、t1時点でアクセル開度が大きく増大され、これに伴ってエンジン回転数および吸気圧が増大して、t2時点では、エンジン回転数がN1とN2との間の範囲でかつ吸気圧が大気圧(P1)以上になった時点となる。このt2時点で、フラップ35は図8に示す連通路41を開く最小開度とされる。t3時点では、エンジン回転数が第2所定回転数N2となった時点であり、t4時点ではウエストゲートバルブ62が開かれた時期となり、このt3とt4との間では、エンジン回転数の増大に応じてフラップ35の開度が増大されていくことなる。そして、ウエストゲートバルブ62が開かれるt4時点では、フラップ35が全開となる。
図12に示すような制御を行うためのフローチャートが図13に示される。この図13は、前述した図11の制御に対応しているので、相違部分のみを説明することとする。まず、Q11(図11のQ1対応)においては、センサS1によるエンジン回転数信号の読み込みに加えて、センサS2からの吸気圧信号が読み込まれる。また、Q14(図11のQ4対応)の判別でYESのときは、Q15において、実際の吸気圧が大気圧(所定吸気圧P1)よりも大きいか否かが判別される。そして、このQ15の判別でYESのときに、Q16(図11のQ5対応)において、フラップ35が連通路41を開く最小開度とされる。また、Q15の判別でNOのときは、Q13に移行される。このように、Q15の判別を設けることにより、排気ターボ式過給機50の過給に遅れが殆ど生じなくなったことが確認された後に、連通路41が開かれて後燃焼が行われるので、後燃焼による燃焼エネルギを利用した排気ターボ式過給機50の駆動(回転数上昇)が極めて効果的に行われることになる。なお、Q17〜Q19は、図11のQ6〜Q8に対応している。
図14,図15は、本発明の第3の実施形態を示すもので、前記第1の実施形態と同一構成要素には同一符合を付してその重複した説明は省略する(このことは以下の第3の実施形態についても同じ)。また、図14は図7に対応し、図15は図8に対応している。
本実施形態では、連通路45(前記実施形態における連通路41に対応)を、フラップ35に形成してある。すなわち、フラップ35の扇状面に開口された凹部を形成することによって連通路45が構成されている。この連通路45は、フラップ軸37の軸線方向に延びている。そして、図13に示すように、フラップ35が全閉状態のときは、連通路45が導流板33によって塞がれた状態となる(各独立排気通路16a、16bc、16dは、連通路45を介しては互いに遮断されている状態)。
図14の状態から、フラップ35を若干開弁方向に回動させると、連通路45が開かれて、各独立排気通路16aと16bcと16dとは互いに連通されることになる(排気ガスと掃気ガスとが混合される状態)。なお、フラップ35の全開状態は図示を略すが、図6に対応した状態とされる。
図16〜図18は、本発明の第4の実施形態を示すものであり、図6〜図8に対応した簡略断面図である。図16〜図18においては、仕切板32を省略して描かれているが、図6〜図8に示す場合と同様に仕切板32を有するものである。本実施形態では、連通路47(連通路41あるいは45に対応)を、実質的に、導流板33の直上流部分において構成するようにしてある。すなわち、集合部31cからその下流側の排気通路のうち、導流板33で画成された一方の通路が第1通路71として示され、他方の通路が第2通路72として示される。第1通路71は、フラップ35によって開閉される一方、第2通路72は常時開口されている(図13参照)。そして、フラップ35によって開閉される第1通路71に、開閉弁73が配設されている。
図16は、フラップ35によって第1通路71が閉じられたときである(開閉弁73は閉弁されているが、開弁されていても同じ)。図17は、フラップ35が、全閉状態からわずかに開弁方向に駆動された状態であり、この状態では、導流板33の直上流側部分において、第1通路71と第2通路72との上流側部分同士が連通される連通路47が構成されることになる。図18は、フラップ35が全開とされた状態である。
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能であり、例えば次のような場合をも含むものである。4気筒以外の多気筒エンジンにおいても同様に適用し得る。例えば、3気筒エンジンの場合は、各分岐管31A〜31Cが、それぞれ異なる1つの気筒のみに連通されるようにすればよい。又、例えば6気筒エンジン(直列6気筒、V型6気筒)においては、排気ターボ式過給機26を3気筒毎に1つづつ設けて、合計2個の排気ターボ式過給機26を設けることによって対応することができる(排気通路構造は、3気筒エンジン用のものが2組構成される)。8気筒エンジン、特にV型8気筒エンジンにおいては、排気ターボ式過給機26を1つのバンク毎(4気筒毎)に1つづつ設けて、合計2個の排気ターボ式過給機26を設けることによって対応することができる(排気通路構造は、4気筒エンジン用のものが2組構成される)。
可変絞り弁としては、扇状面を有するものに限らず、例えば揺動される板状のもの等、適宜の種類のものを用いることができる。エンジンとしては、火花点火式エンジンに限らず、ディーゼルエンジンで代表される圧縮着火式エンジンであってもよく、また往復動式に限らずロータリピストンエンジンであってもよい。
第2所定回転数N2を第3所定回転数N3に設定するようにしてもよく、この場合、フラッップ35は、連通路41(45、47)を開いている最小開度状態から一気に全開とすればよい。後燃焼が可能であるか否かを判断するパラメータとして、吸気量が所定値以上であること、あるいは吸気圧が所定圧力以上であるこという条件設定をしてもよい。また、制御しきい値(パラメータ)としてのエンジン回転数、吸気量、吸気圧等は、直接検出してもよく、これらに関連した値から間接的に検出(算出)するようにしてもよい。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
本発明の第1実施形態に係るエンジンの過給装置の概略構成図である。 図1の部分側断面図である。 排気マニホールドと可変絞り弁のハウジングの外観斜視図である。 排気マニホールドの下流側部分斜視図である。 可変絞り弁の要部斜視図である。 排気マニホールド及び可変絞り弁のハウジングの縦断面図であって、可変絞り弁が全開状態にある状態を示す図である。 図6と同様の断面図であって、可変絞り弁が全閉状態にある状態を示す図である。 図6と同様の断面図であって、可変絞り弁が連通路を開く最小開度状態にある状態を示す図である。 図6のX9−X9線相当断面図である。 本発明の制御例を示す図である。 図10に示す制御を行うためのフローチャートである。 本発明の第2の実施形態を示すもので、別の制御例を示すタイムチャートである。 図12に示す制御を行うためのフローチャートである。 本発明の第3の実施形態を示すもので、図7に対応した断面図である。 本発明の第3の実施形態を示すもので、図8に対応した断面図である。 本発明の第4の実施形態を示すもので、図7に対応した簡略断面図である。 本発明の第4の実施形態を示すもので、図8に対応した簡略断面図である。 本発明の第4の実施形態を示すもので、図6に対応した簡略断面図である。 各気筒での行程順と吸・排気弁のオーバラップ期間とを示す図。
1:エンジン
3:気筒
7:吸気バルブ
8:排気ポート
9:排気バルブ
16:排気マニホールド
16a,16d:第1,第4排気通路(独立排気通路)
16bc:補助集合排気通路(独立排気通路)
20:ECU(制御手段)
30:可変絞り弁
31c:集合部
35:フラップ(弁体)
41:連通路(図6〜図8)
45:連通路(図14,図15)
47:連通路(図17)
73:開閉弁(図16〜図18)
74:連通路(図16〜図18)
50:排気ターボ過給機
62:ウエストゲートバルブ
71:第1通路(図16〜図18)
72:第2通路(図16〜図18)

Claims (11)

  1. 互いに異なる排気ポートに連なると共に互いに独立した3本以上の独立分岐通路と、
    前記各独立分岐通路の下流側同士が集合された集合部と、
    前記集合部の下流側に配設された排気ターボ式過給機と、
    前記集合部の上流側において前記各独立分岐通路の開口面積を変更して絞り部を形成するための可変絞り弁と、
    前記可変絞り弁が該所定開度以上のときに吸気行程での吸・排気弁の開弁期間がオーバラップするオーバラップ期間と、排気行程での排気弁の開弁期間が互いに重なる気筒間での前記各独立分岐通路同士を連通をさせる一方、該可変絞り弁が所定開度未満のときに各独立分岐通路同士の連通が遮断される連通路と、
    を備え、
    エンジンの所定運転領域において、ある気筒からの排気ガスと他の気筒からの掃気ガスとの混合によって排気通路内において後燃焼が可能な状態であるか否かを判断する第1ステップと、
    前記第1ステップで後燃焼が不可能であると判断されたときに、前記可変絞り弁を閉弁させて前記連通路を遮断する第2ステップと、
    前記第1ステップで、後燃焼が可能であると判断されたときに、前記可変絞り弁を前記所定開度以上とすることによって、前記連通路を介しての排気ガスと掃気ガスとの混合による後燃焼を実行させる第3ステップと、
    を備えていることを特徴とする多気筒エンジンの排気システムの制御方法。
  2. 請求項1において、
    前記第3ステップでは、前記可変絞り弁が、前記連通路を開くために必要な最小開度とされる、ことを特徴とする多気筒エンジンの排気システムの制御方法。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記第1ステップでは、エンジン回転数に関連した値に基づいて後燃焼が可能であるか否かを判断する、ことを特徴とする多気筒エンジンの排気システムの制御方法。
  4. 請求項3において、
    前記所定運転領域が、前記排気ターボ式過給機におけるウエストゲートバルブが開弁されるときのエンジン回転数以下の低回転領域とされ、
    制御しきい値として、前記排気ターボ式過給機におけるウエストゲートバルブが開弁されるエンジン回転数以下の回転数に設定された第2所定回転数と、該第2所定回転数よりも低回転に設定された第1所定回転数とが設定され、
    前記第1ステップでは、実際のエンジン回転数が前記第1所定回転数と第2所定回転数との間の回転数のときに、後燃焼が可能であると判断する、
    ことを特徴とする多気筒エンジンの排気システムの制御方法。
  5. 請求項4において、
    前記第3ステップでは、吸気圧が大気圧以上となったことを条件として、前記可変絞り弁を前記所定開度以上とする、ことを特徴とする多気筒エンジンの排気システムの制御方法。
  6. 請求項1または請求項2において、
    前記第1ステップでは、吸気圧に関する値が所定値以上であることを条件として、後燃焼が可能であると判断する、ことを特徴とする多気筒エンジンの排気システムの制御方法。
  7. 請求項1または請求項2において、
    前記第1ステップでは、吸気量に関する値が所定量以上であることを条件として、後燃焼が可能であると判断する、ことを特徴とする多気筒エンジンの排気システムの制御方法。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、
    前記各独立分岐通路の下流側端が、互いに直列に配設され、
    前記可変絞り弁が、前記各独立分岐通路の下流側端の配設方向に延びると共に該配列方向に延びる軸線を中心として回動される弁体を有し、
    前記連通路が、前記各独立分岐通路の下流側端の配列方向に延びると共に、閉弁時のおける前記可変絞り弁の直下流側において前記弁体に臨むように開口されている、
    ことを特徴とする多気筒エンジンの排気システムの制御方法。
  9. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、
    前記各独立分岐通路の下流側端が、互いに直列に配設され、
    前記可変絞り弁が、前記各独立分岐通路の下流側端の配設方向に延びると共に該配列方向に延びる軸線を中心として回動される弁体を有し、
    前記連通路が、前記配列方向に延ばして前記弁体に形成されて、該弁体が閉弁状態にあるときに排気通路構成部材でもって遮断されるように設定されている、
    ことを特徴とする多気筒エンジンの排気システムの制御方法。
  10. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、
    前記各独立分岐通路の下流側端が、互いに直列に配設され、
    前記可変絞り弁が、前記各独立分岐通路の下流側端の配設方向に延びると共に該配列方向に延びる軸線を中心として回動される弁体を有し、
    前記弁体と前記排気ターボ式過給機との間の排気通路が、互いに並列に、閉弁時の前記可変絞り弁によって閉じられる第1通路と、閉弁時の該可変絞り弁によっては閉じられない絞り用となる第2通路とに分岐され、
    前記第1通路に開閉弁が配設され、
    前記連通路が、前記可変絞り弁を前記所定開度開くことによって前記第1通路と第2通路との上流側端同士を連通するものとして設定され、
    前記第3ステップにおいて、前記開閉弁が、前記可変絞り弁が前記第1通路を若干開いて前記連通路を開くのに必要な最小開度とされているときは閉弁される一方、該可変絞り弁が全開とされたときは開弁される、
    ことを特徴とする多気筒エンジンの排気システムの制御方法。
  11. 互いに異なる排気ポートに連なると共に互いに独立した3本以上の独立分岐通路と、
    前記各独立分岐通路の下流側同士が集合された集合部と、
    前記集合部の下流側に配設された排気ターボ式過給機と、
    前記集合部の上流側において前記各独立分岐通路の開口面積を変更して絞り部を形成するための可変絞り弁と、
    前記可変絞り弁が該所定開度以上のときに吸気行程での吸・排気弁の開弁期間がオーバラップするオーバラップ期間と、排気行程での排気弁の開弁期間が互いに重なる気筒間での前記各独立分岐通路同士を連通をさせる一方、該可変絞り弁が所定開度未満のときに各独立分岐通路同士の連通が遮断される連通路と、
    前記可変絞り弁を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、エンジンの所定運転領域において、ある気筒からの排気ガスと他の気筒からの掃気ガスとの混合によって排気通路内において後燃焼が不可能な状態であるときには、前記可変絞り弁を閉弁させて前記連通路を遮断する一方、後燃焼が可能な運転状態であるときには、前記可変絞り弁を前記所定開度以上とすることによって、前記連通路を介しての排気ガスと掃気ガスとの混合による後燃焼を実行させるように設定されている、
    ことを特徴とする多気筒エンジンの排気システムの制御装置。
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