JP5304149B2 - 多気筒エンジンの排気装置 - Google Patents

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Description

本発明は、排気ターボ過給機を有する多気筒エンジンの排気装置に関するものである。
排気ターボ過給機付きの多気筒エンジンでは、各気筒毎の排気通路を集合させた排気マニホールドを介して排気ターボ過給機に排気を導くようにしている。しかし、全気筒の排気通路を1つに集合させると、排気マニホールド内で各気筒からの排気が干渉し合うことにより、排気エネルギの損失が大きくなり、排気ターボ過給機の仕事量が減少する。
そこで、互いに排気順序が隣り合わない気筒からなる2つの気筒グループ毎に、排気マニホールドを設け、2つの排気マニホールドから排気ターボ過給機に排気を導くように構成することが提案されている(特許文献1及び2)。この構成によれば、排気マニホールド内での各気筒からの排気の干渉を抑制することができると共に、個々の排気マニホールドの容積が小さくなるため、排気エネルギの損失を、より小さくすることができる。
特開2007−231906号公報 特開2008−31942号公報
排気ターボ過給機には、加速時の応答性が要求される。特許文献2には、2つの排気マニホールドの下流端を、タービンホイールの径方向に並べて排気ターボ過給機に接続し、かつ、タービンホイールの径方向外側に接続される排気マニホールドの容積を相対的に小さくしたものが開示されている。排気マニホールドの容量が小さければ、それだけ排気エネルギの損失が小さく、流速の低下が小さい。また、排気ターボ過給機のスクロール部の外周側においては、内周側よりも流速の低下が小さい。
特許文献2の構成では、相対的に容積が小さい排気マニホールドを流れる排気の流速低下が小さくなるため、排気の運動エネルギの損失が小さく、このため、この運動エネルギによりタービンホイールの回転上昇の立ち上がりを早くし、加速時の応答性を向上できる。特に、排気流速が速い、排気バルブの開弁直後の排気のエネルギ(ブローダウンエネルギ)をタービンホイールの回転上昇に効率よく利用できる。
しかし、特許文献2の構成においても、加速時の応答性の点で更なる改善の余地がある。また、排気ターボ過給機には、加速時の応答性の他、燃費改善の観点から背圧の上昇によるポンピングロスの低減も要求される。
本発明の目的は、排気ターボ過給機を備えた多気筒エンジンにおいて、ポンピングロスの増加を抑制しながら加速時の応答性を向上することにある。
本発明によれば、互いに排気順序が隣り合わない気筒からなる2つの気筒グループ毎に、各気筒の排気通路を下流側で集合して形成された第1及び第2集合排気通路と、前記第1及び第2集合排気通路の各下流端が接続されたタービン入口部と該タービン入口部に連通してタービンの内部空間を規定する蝸牛形状のタービンスクロール部とを有する排気ターボ過給機と、を備え、前記第1集合排気通路は前記第2集合排気通路よりも容積が小さく、前記第1集合排気通路の前記下流端が、前記第2集合排気通路の前記下流端よりも、前記排気ターボ過給機のタービンホイールの径方向外側で前記タービン入口部に接続された多気筒エンジンの排気装置において、前記排気ターボ過給機が、前記タービンホイールの周囲に該タービンホイールへの排気通路面積を変化させる複数の可変翼を備え、前記タービンホイール及び可変翼が前記タービンスクロール部で規定されるタービンの内部空間に設けられた可変容量式の排気ターボ過給機であり、前記タービン入口部は、前記第1集合排気通路の前記下流端に連通する、相対的に前記タービンホイールの径方向外側の第1区画室と、前記第2集合排気通路の前記下流端に連通する、相対的に前記タービンホイールの径方向内側の第2区画室と、に前記タービン入口部の内部空間を仕切る仕切り壁を有し、該仕切り壁は、前記タービンスクロール部で規定されるタービンの内部空間には延びていないこと、そして、前記多気筒エンジンの運転状態に応じて前記可変翼の開度を制御する開度制御手段と、前記多気筒エンジンの加速運転を開始するか否かを判定する加速開始判定手段と、を備え、前記開度制御手段は、前記加速開始判定手段が加速運転を開始すると判定した場合に、前記可変翼の開度を一時的に最小にすることを特徴とする多気筒エンジンの排気装置が提供される。
この構成によれば、前記第1集合排気通路を通過した排気は、その流速低下が小さい状態で、タービンホイールに導かれる。そして、加速運転の開始時に前記可変翼の開度を最小にして流速を高めることで、排気の運動エネルギによりタービンホイールの回転上昇の立ち上がりを早くすることができる。よって、加速時の応答性を向上できる。前記可変翼の開度を最小にすると背圧が増大するが、これを一時的に行うことにより、ポンピングロスの増加を抑制することができる。すなわち、加速初期においてのみ前記可変翼の開度を最小とすることで、加速時の応答性を向上しながら、背圧増加によるポンピングロスの増加を抑制できる。
本発明においては、前記タービン入口部は、前記第1集合排気通路の前記下流端に連通する、相対的に前記タービンホイールの径方向外側の第1区画室と、前記第2集合排気通路の前記下流端に連通する、相対的に前記タービンホイールの径方向内側の第2区画室と、に前記タービン入口部の内部空間を仕切る仕切り壁を有している。
この構成によれば、前記第1集合排気通路を通過した排気と、前記第2集合排気通路を通過した排気との、前記排気ターボ過給機内での干渉を遅らせ、当該干渉による前記第1集合排気通路を通過した排気の流速低下を小さくすることができ、加速時の応答性を更に向上できる。
また、本発明においては、前記第1及び第2集合排気通路の基本横断面積が略同一であり、前記第1集合排気通路を構成する前記排気通路の通路長が、前記第2集合排気通路を構成する前記排気通路の通路長よりも短くてもよい。この構成によれば、前記第1及び第2集合排気通路の容積の大小を、通路長の長短で実現することができる。
また、本発明においては、前記多気筒エンジンが直列4気筒エンジンであり、前記排気順序が、気筒列方向で1番気筒、3番気筒、4番気筒、2番気筒の順であり、前記第1集合排気通路が、前記2番気筒及び前記3番気筒の前記排気通路により、前記第2集合排気通路が、前記1番気筒及び前記4番気筒の前記排気通路により、それぞれ形成され、前記タービン入口部の気筒列方向の位置が、前記2番気筒と前記3番気筒との間であってもよい。この構成によれば、前記多気筒エンジンのコンパクト化が図れる。
また、前記開度制御手段は、前記加速開始判定手段が加速運転を開始すると判定した場合に、前記可変翼の開度を、予め定めた時間だけ最小にし、該時間の経過後、前記多気筒エンジンの運転状態に応じた開度に増大してもよい。この構成によれば、前記可変翼の開度を最小にする期間を時間で管理することで、より簡易な制御で、加速時の応答性を向上しながら、背圧増加によるポンピングロスの増加を抑制できる。
以上述べた通り、本発明によれば、排気ターボ過給機を備えた多気筒エンジンにおいて、ポンピングロスの増加を抑制しながら加速時の応答性を向上することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る排気装置を適用したエンジンAのブロック図である。エンジンAは、本実施形態の場合、直列4気筒の4サイクルディーゼルエンジンであるが、本発明はガソリンエンジンや、気筒数、気筒配置の異なる他の多気筒エンジンにも適用可能である。
エンジンAは、シリンダヘッド及びシリンダブロック等からなるエンジン本体1を備える。エンジン本体1は、4つの気筒2(#1乃至#4)を備える。4つの気筒2(#1乃至#4)の排気順序は、本実施形態の場合、気筒2(#1)→気筒2(#3)→気筒2(#4)→気筒2(#2)である。各気筒2には、電子制御式の燃料噴射弁3と、吸気ポート4を開閉する2つの吸気バルブ、及び、排気ポート6を開閉する2つの排気バルブと、が設けられている。各吸気ポート4には、吸気マニホールド5が接続されている。また、各排気ポート6には、排気マニホールド10、20が接続されている。
排気マニホールド10は、互いに排気順序が隣り合わない気筒(#2)と気筒(#3)のグループの集合排気通路を形成する。排気マニホールド10は、気筒(#2)と気筒(#3)の各排気ポートにそれぞれ接続された分岐管部11と、これら分岐管部11の下流側を集合させた集合部12と、を有する。排気マニホールド20は、互いに排気順序が隣り合わない気筒(#1)と気筒(#4)のグループの集合排気通路を形成する。排気マニホールド20は、気筒(#1)と気筒(#4)の各排気ポートにそれぞれ接続された分岐管部21と、これら分岐管部21の下流側を集合させた集合部22と、を有する。
排気マニホールド10は、その内部の通路の容積として、と排気マニホールド20の内部の通路の容積よりも大きい容積を有する。本実施形態の場合、排気マニホールド10及び20の基本横断面積(分岐管部11、21の内部通路の横断面積)は略同一とする一方、排気マニホールド10及び20の通路長を排気マニホールド10の方が短くすることにより、これらの内部の通路の容積に差を生じさせている。このように容積の大小を、通路長の長短で実現することで、より簡易に容積の大小を実現できる。
エンジンAは、排気ターボ過給機(以下、単に過給機ともいう。)30を備える。過給機30はVGT(バリアブルジオメトリターボ))であり、可変容量式の排気ターボ過給機である。過給機30は、タービン31と、コンプレッサ32と、を備え、これらの内部に設けられたタービンホイールとコンプレッサホイールとが軸33で連結されている。
周知の通り、排気によりタービンホイールが回転し、その駆動力が軸33を介してコンプレッサホイールに伝達され、吸気通路7aからコンプレッサ32に導入される吸気が過給されて吸気通路7bへ圧送される。吸気通路7bは吸気マニホールド5と接続されており、過給された吸気は、気筒2へ導入されることになる。本実施形態の場合、吸気通路7bと排気マニホールド21とはEGRガス通路9で接続されており、排気の一部が吸気に還流されるようにされている。EGRバルブ9aはEGRガス通路9を開閉する。
タービン31はウエストゲート通路34と、ウエストゲート通路34を開閉するウエストゲートバルブ34aと、を備える。ウエストゲートバルブ34aは、タービン31内の排気圧が規定値に達するとウエストゲート通路34を開き、これにより、排気マニホールド10及び20からタービン31へ導入される排気はタービン31をバイパスして排気通路8へ流れることになる。なお、ウエストゲート通路34の開閉は、過給圧に応じて開閉するバルブを用いて開閉する構成も採用可能である。
タービン31には、また、アクチュエータ35を備える。アクチュエータ35は、不図示の開閉機構を介して後述する可変翼313を開閉する駆動源であり、例えば、ステッピングモータである。
次に、図2は、気筒2(#1)側から見たタービン31の側面図であり、図3はタービン31の内部構成を示す断面図である。図3を参照して、タービン31は、入口部31aと連通してタービン31の内部空間を規定する蝸牛形状のタービンスクロール部311と、タービンホイール312と、を有する。タービンホイール312の周囲には、複数の可変翼313が配設されている。可変翼313は軸313a回りに回動可能に設けられており、タービンスクロール部311により形成されるタービンホイール312への排気通路の排気通路面積を変化させる。図3において、実線は中開度の可変翼313の位置を例示し、破線は最小開度の可変翼313の位置を例示している。なお、相対的に排気通路面積が小さい可変翼313の位置を開度が小さいといい、相対的に排気通路面積が大きい可変翼313の位置を開度が大きいという。
図2及び図3を参照して、排気マニホールド10及び20は、それらの集合部12、22が、内部空間が互いに隔離された状態で一体に結合されて、タービン31の入口部31aに接続されている。排気マニホールド10の下流端である集合部12の端部は、排気マニホールド20の下流端である集合部22の端部よりも、タービンホイール312の径方向外側で入口部31aに接続されており、入口部31aにおいて、集合部12と集合部22とは、タービンホイール312の径方向に併設されて入口部31aに接続されている。
このような構成により、排気マニホールド10を通過する排気は、図3において矢印d1で示すように、タービンスクロール部311内において、タービンホイール312の径方向外側を流れ易くなり、排気マニホールド20を通過する排気は、図3において矢印d2で示すように、タービンスクロール部311内において、タービンホイール312の径方向内側を流れ易くなる。
排気マニホールド10は排気マニホールド20よりも容積が小さくしたがって、排気ポート6から排出される排気の排気流速を排気マニホールド20を通過する場合よりも低下させずにタービン31に導くことができる。しかも、排気マニホールド10を通過した排気は、タービンスクロール部311内においてタービンホイール312の径方向外側を流れ易いので、タービン31内部においても流速の低下が小さい状態で、タービンホイール312に導かれる。
一般に、排気バルブの開弁直後は、排気流速が早く、排気のエネルギ(ブローダウンエネルギ)が高いことが知られている。本実施形態では、排気マニホールド10において、排気流速をできるだけ低下させずに、タービンホイール312に排気を導くことで、ブローダウンエネルギを最大限活用し、流速による運動エネルギでタービンホイール312の起動イナーシャを立ち上げ、その回転上昇に効率よく利用し、応答性を向上することができる。また、本実施形態では、後述するように、エンジンAの加速運転の開始時に可変翼313の開度を最小にして流速を更に高め、タービンホイール312の回転上昇の立ち上がりを早くする。
また、本実施形態の場合、入口部31aは、排気マニホールド10と連通する、相対的にタービンホイール312の径方向外側の第1区画室C1と、排気マニホールド20と連通する、相対的にタービンホイール312の径方向内側の第2区画室C2と、に入口部31aの内部空間を仕切る仕切り壁31bを有している。この構成により、排気マニホールド10を通過した排気と、排気マニホールド20を通過した排気との、タービン31内での干渉を遅らせ、当該干渉による排気マニホールド10を通過した排気の流速低下を小さくすることができ、加速時の応答性を更に向上できる。
なお、本実施形態では、図1に示すように、本実施形態の場合、入口部31aの気筒列方向の位置が、気筒2(#2)と気筒3(#3)との間にある。この構成によれば、排気マニホールド10及び20毎に、各気筒2から入口部31aまでの排気通路長を、より短い長さで略同一とすることができ、エンジンAのコンパクト化が図れる。
図1に戻り、エンジンAの制御部の構成について説明する。エンジンAは、ECU(エンジンコントロールユニット)100により制御される。ECU100は、CPU101と、ROM102と、RAM103と、I/F(インターフェース)104とを備える。CPU101はROM102に記憶された制御プログラムを実行する。RAM103には一時的なデータが記憶される。なお、ROM102及びRAM103としては他の記憶手段でもよい。
I/F104には、エンジンAが搭載される車両のドライバによる、アクセルペダルの開度を検出するセンサ110が電気的に接続されている。I/F104には、また、エンジンAの回転速度を検出するセンサ111が電気的に接続されている。センサ111は、例えば、エンジンAのクランク軸の角度を検出するクランク角センサである。CPU101は、これらのセンサ110、111の検出結果、及び、不図示の各種センサの検出結果に基づいて、燃料噴射弁3、EGR弁9a、アクチュエータ35等を制御する。
図4は、CPU101が実行する制御の例を示すフローチャートであり、可変翼313の開度制御の例を示す。S1では、センサ110及び111の検出結果を取得する。S2では、計時カウンタのカウント値が0より大きいか否かを判定する。該当する場合はS7へ進み、該当しない場合はS3へ進む。計時カウンタは、可変翼313の開度を最小にする時間を計時するためのソフトウエアカウンタである。
S3では、S1で取得した検出結果に基づいて、エンジンAが加速運転を開始するか否かを判定する。該当する場合は、S4へ進み、該当しない場合はS6へ進む。S3では、例えば、センサ110により検出された、アクセルペダルの開度の単位時間あたりの増加量が規定値以上である場合に加速運転を開始すると判定する。つまり、ドライバの加速指示があった場合に、エンジンAの加速運転を開始すると判定する。
S4では計時カウンタに初期値をセットする。初期値は、図4の処理の実行周期と、可変翼313の開度を最小にする規定時間と、に基づいた値である。可変翼313の開度を最小とするのは、一時的なものとし、規定時間は、タービンホイール312の起動イナーシャを立ち上げるのに必要な時間として設定する。この規定時間は、例えば、コンピュータシミュレーションの結果により演算できる。規定時間はできるだけ短い方が好ましく、例えば、数秒程度である。
S5では、可変翼313の開度を最小にセットする。これにより、タービンホイール312へ導かれる排気の流速が増速する。S6では、可変翼313の開度をエンジンAの運転状態に応じてセットする。図5(a)は、S6での可変翼313の開度設定の説明図であり、同図の場合、エンジンAの運転状態として、回転数と、別ルーチンで演算される燃料噴射量とに基づいて可変翼313の開度を設定する場合を例示している。同図に示すように、相対的に高回転数、高燃料噴射量の場合は、可変翼313の開度を大とし、相対的に低回転数、低燃料噴射量の場合は、可変翼313の開度を小とする。
なお、背圧増加防止のため、S6で設定する可変翼313の開度は、最も小さい場合であってもS5で設定する最小開度よりも大きくし、可変翼313の開度を最小開度にする場合は、エンジンAの加速開始時のみとすることが好ましい。また、エンジンAとしてガソリンエンジンを採用する場合、可変翼313の開度は、図5(a)の図に代えて、吸気充填量と、エンジン回転数とを指標として設定することができる。
図4に戻り、S7では計時カウンタを1つ減算する。以上により一単位の処理が終了する。
図5(b)はエンジンAの加速運転時のエンジン回転数及び可変翼313の変化の例を示すタイミングチャートである。エンジンAの加速運転開始時には、上述したS5の処理により一時的に可変翼313の開度が最小にセットされる。可変翼313の開度が最小とされるのは、規定時間中のみであり、エンジン回転数が増加中か否かに関わらず、最小開度期間を終了する。これは背圧増加によるポンピングロスの増加を抑制するためである。
規定時間経過後、上述したS6の処理により、可変翼313の開度がエンジンAの運転状態に応じてセットされる。本実施形態の場合、可変翼313の開度が最小にセットされるのは、エンジンAの加速運転開始時のみであるため、規定時間の経過後は、可変翼313の開度は常に増大される。
このように本実施形態では、排気マニホールド10を通過した排気は、その流速低下が小さい状態で、タービンホイール312に導かれる。そして、加速運転の開始時に可変翼313の開度を最小にして流速を高めることで、排気の運動エネルギによりタービンホイール313の回転上昇の立ち上がりを早くすることができる。よって、加速時の応答性を向上できる。可変翼313の開度を最小にすると背圧が増大するが、これを一時的に行うことにより、ポンピングロスの増加を抑制することができる。すなわち、加速初期においてのみ可変翼313の開度を最小とすることで、加速時の応答性を向上しながら、背圧増加によるポンピングロスの増加を抑制できる。
なお、本実施形態では、可変翼313の開度を最小にする期間を時間(規定時間)で管理したが、例えば、過給圧を検出し、過給圧の単位時間当たりの変化量が規定値に達したら、開度を最小とするのを終了してもよい。尤も、時間で管理する方がより簡易な制御を実現できる。
本発明の一実施形態に係る排気装置を適用したエンジンAのブロック図である。 タービン31の側面図である。 タービン31の断面図である。 CPU101が実行する制御の例を示すフローチャートである。 (a)は、可変翼313の開度設定の説明図、(b)はエンジンAの加速運 転時のエンジン回転数及び可変翼313の変化の例を示すタイミングチャートである。
A エンジン
2(#1〜#4) 気筒
10、20 排気マニホールド
30 排気ターボ過給機
31a 入口部
100 ECU
312 タービンホイール
313 可変翼

Claims (4)

  1. 互いに排気順序が隣り合わない気筒からなる2つの気筒グループ毎に、各気筒の排気通路を下流側で集合して形成された第1及び第2集合排気通路と、
    前記第1及び第2集合排気通路の各下流端が接続されたタービン入口部と該タービン入口部に連通してタービンの内部空間を規定する蝸牛形状のタービンスクロール部とを有する排気ターボ過給機と、
    を備え、
    前記第1集合排気通路は前記第2集合排気通路よりも容積が小さく、
    前記第1集合排気通路の前記下流端が、前記第2集合排気通路の前記下流端よりも、前記排気ターボ過給機のタービンホイールの径方向外側で前記タービン入口部に接続された多気筒エンジンの排気装置において、
    前記排気ターボ過給機が、前記タービンホイールの周囲に該タービンホイールへの排気通路面積を変化させる複数の可変翼を備え、前記タービンホイール及び可変翼が前記タービンスクロール部で規定されるタービンの内部空間に設けられた可変容量式の排気ターボ過給機であり、
    前記タービン入口部は、
    前記第1集合排気通路の前記下流端に連通する、相対的に前記タービンホイールの径方向外側の第1区画室と、前記第2集合排気通路の前記下流端に連通する、相対的に前記タービンホイールの径方向内側の第2区画室と、に前記タービン入口部の内部空間を仕切る仕切り壁を有し、該仕切り壁は、前記タービンスクロール部で規定されるタービンの内部空間には延びていないこと、そして、
    前記多気筒エンジンの運転状態に応じて前記可変翼の開度を制御する開度制御手段と、
    前記多気筒エンジンの加速運転を開始するか否かを判定する加速開始判定手段と、
    を備え、
    前記開度制御手段は、
    前記加速開始判定手段が加速運転を開始すると判定した場合に、前記可変翼の開度を一時的に最小にすることを特徴とする多気筒エンジンの排気装置。
  2. 前記第1及び第2集合排気通路の基本横断面積が略同一であり、前記第1集合排気通路を構成する前記排気通路の通路長が、前記第2集合排気通路を構成する前記排気通路の通路長よりも短いことを特徴とする請求項1に記載の多気筒エンジンの排気装置。
  3. 前記多気筒エンジンが直列4気筒エンジンであり、
    前記排気順序が、気筒列方向で1番気筒、3番気筒、4番気筒、2番気筒の順であり、 前記第1集合排気通路が、前記2番気筒及び前記3番気筒の前記排気通路により、前記第2集合排気通路が、前記1番気筒及び前記4番気筒の前記排気通路により、それぞれ形成され、
    前記タービン入口部の気筒列方向の位置が、前記2番気筒と前記3番気筒との間であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の多気筒エンジンの排気装置。
  4. 前記開度制御手段は、前記加速開始判定手段が加速運転を開始すると判定した場合に、前記可変翼の開度を、予め定めた時間だけ最小にし、該時間の経過後、前記多気筒エンジンの運転状態に応じた開度に増大することを特徴とする請求項1に記載の多気筒エンジンの排気装置。
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