JP2010209514A - 道路用ブロック、道路及び道路拡幅方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 張り出し版付きの道路を短い工期で堅牢に施工できる道路用ブロックと、この道路用ブロックを用いた道路及び道路拡幅方法を提供する。
【解決手段】 底版12と傾斜した張り出し壁13と張り出し版14と傾斜した背面壁15とがプレキャストコンクリートで一体形成され、凹溝16を備えている道路用ブロック11を使用する。既設道路51の路肩側縁部を掘削して道路用ブロック11を基礎コンクリート32の上に載置し、複数の道路用ブロック11を路長方向に並設し、凹溝16にカウンターコンクリート37を現場打ちし、その上に路盤5を形成する。
【選択図】 図8
【解決手段】 底版12と傾斜した張り出し壁13と張り出し版14と傾斜した背面壁15とがプレキャストコンクリートで一体形成され、凹溝16を備えている道路用ブロック11を使用する。既設道路51の路肩側縁部を掘削して道路用ブロック11を基礎コンクリート32の上に載置し、複数の道路用ブロック11を路長方向に並設し、凹溝16にカウンターコンクリート37を現場打ちし、その上に路盤5を形成する。
【選択図】 図8
Description
本発明は、道路用ブロックと同ブロックを使用した道路及び道路拡幅方法に関する。
従来、コンクリート躯体の一部に道路の幅を広げるための張り出し版を形成した道路用ブロックが知られている。例えば、特許文献1には、底版と立上げ壁とがL字形をなし、立上げ壁の上端に張出壁を備え、底版と立上げ壁の背面との間に縦リブを備え、縦リブに斜めに貫通する挿通孔を備えたコンクリート躯体を用いて、挿通孔に通したアンカー材を地盤に突き刺すことで、張り出し版に載る車両の荷重で転倒しないように構成した道路用ブロックが記載されている。
特許文献2には、道路進行方向に連続する地中支持体とカウンターウエイトを地盤に形成し、地中支持体とカウンターウエイトの上に複数枚のプレキャストコンクリート版を載せてカウンターウエイトにボルトで固定し、プレキャストコンクリート版の一部を谷側へ張り出し、プレキャストコンクリート版に加わる荷重を地中支持体に分散させる道路が記載されている。
特許文献3には、現況道路の掘削溝に鉄筋コンクリート製のアンカー部を打設し、アンカー部の上面に支持部材を片持ち状に組み付け、支持強部材上にプレートを介して鉄筋コンクリート製の拡幅用路盤を敷設し、その拡幅部分が地盤よりも谷側に張り出すように打設した道路拡幅方法が記載されている。
ところが、従来技術によると、張り出し版だけで拡幅量が決まるため拡幅量が小さいという問題があった。また、特許文献2の道路では、地中支持体とカウンターウエイトとプレキャストコンクリート版とが必要であり、特許文献3の拡幅方法では、アンカー部と支持部材とプレートとが必要であるため、構造が複雑であり、構成要素点数が多くてそれらを施工する手間もかかるという問題点があった。
本発明の目的は、上記課題を解決し、構造が簡単であり、構成要素点数と施工の手間が最少限で済み、それでありながら道路の拡幅量が大きくかつ車両の荷重に対する安定性が高い道路用ブロックと、同ブロックを使用した道路及び道路拡幅方法とを提供することにある。
(1)本発明の道路用ブロックは、プレキャストコンクリートよりなる、一体の又は一側部分と他側部分とに分かれた二体の底版と、底版の上面の一側端部から立ち上って該一側端部の外側へ傾斜した張り出し壁と、張り出し壁の上端面から該張り出し壁の外側へ張り出した張り出し版と、底版の上面の他側端部から立ち上って該他側端部の外側へ傾斜した背面壁とを含み、底版と張り出し壁と背面壁との内側に、カウンターウエイト材が現場で充填される上端及び長さ方向両端の開口した凹溝を備えていることを特徴とする。この道路用ブロックの各部の実施態様について、次に説明する(各数値範囲は、好ましい範囲であって、限定されるものではない)。
(a)道路用ブロックの長さ
道路用ブロックの底版と張り出し壁と張り出し版と背面壁の各長さ(同ブロックは路長方向に並設されるものであるから、路長方向に測る長さである。)は、同一であることが好ましく、その場合の道路用ブロックの長さは、1000〜2000mmが好ましい。これが1000mm未満になると、道路用ブロックの並設数が増加し、2000mmを超えると、道路用ブロック全体が大型重量化して運搬が大変になるからである。
道路用ブロックの底版と張り出し壁と張り出し版と背面壁の各長さ(同ブロックは路長方向に並設されるものであるから、路長方向に測る長さである。)は、同一であることが好ましく、その場合の道路用ブロックの長さは、1000〜2000mmが好ましい。これが1000mm未満になると、道路用ブロックの並設数が増加し、2000mmを超えると、道路用ブロック全体が大型重量化して運搬が大変になるからである。
(b1)一体の底版
一体の底版の下面幅w1は、1500〜3000mmが好ましい。これが1500mm未満になると、道路用ブロック全体が小型になって安定性が低下し、3000mmを超えると、道路用ブロック全体が大型重量化して運搬が大変になり、また既存地盤の拡幅に用いる場合には既存地盤の掘削範囲が広くなるからである。底版の厚さは、道路用ブロックの軽量化のために張り出し壁と張り出し版よりも薄いことが好ましく、具体的には150〜250mmが好ましい。
一体の底版の下面幅w1は、1500〜3000mmが好ましい。これが1500mm未満になると、道路用ブロック全体が小型になって安定性が低下し、3000mmを超えると、道路用ブロック全体が大型重量化して運搬が大変になり、また既存地盤の拡幅に用いる場合には既存地盤の掘削範囲が広くなるからである。底版の厚さは、道路用ブロックの軽量化のために張り出し壁と張り出し版よりも薄いことが好ましく、具体的には150〜250mmが好ましい。
(b2)二体の底版
二体の底版の下面幅w1は、一側部分と他側部分との間隔(この間隔には底版コンクリートを現場打ちする。)を変更することで適宜増減することができる。この間隔を広げて底版の下面幅w1を大きく(例えば3000mm以上に)すると、道路に路幅方向の勾配がある場合でも道路用ブロックが安定し、路長方向の勾配に対しても有利になる。対峙する一側部分の端面と他側部分の端面からは、連結用鉄筋(アンカー鉄筋)が突出していることが好ましい。この両端面からの連結用鉄筋の先端同志が突き合わされた状態における、底版の下面幅w1は1000〜2000mmが好ましい。底版の厚さについては、上記(b1)と同様である。
二体の底版の下面幅w1は、一側部分と他側部分との間隔(この間隔には底版コンクリートを現場打ちする。)を変更することで適宜増減することができる。この間隔を広げて底版の下面幅w1を大きく(例えば3000mm以上に)すると、道路に路幅方向の勾配がある場合でも道路用ブロックが安定し、路長方向の勾配に対しても有利になる。対峙する一側部分の端面と他側部分の端面からは、連結用鉄筋(アンカー鉄筋)が突出していることが好ましい。この両端面からの連結用鉄筋の先端同志が突き合わされた状態における、底版の下面幅w1は1000〜2000mmが好ましい。底版の厚さについては、上記(b1)と同様である。
(c)張り出し壁
張り出し壁の外面勾配は、3分勾配((縦)1:(横)0.3)から7分勾配(1:0.7)までの範囲で設定することが好ましく、4分勾配から6分勾配までの範囲で設定することがより好ましい。3分勾配よりも急勾配になると、道路の拡幅効果が小さくなり、7分勾配よりも緩勾配になると、車両の荷重を受ける張り出し壁の強度を確保することが難しくなるからである。
張り出し壁の高さhは、1000〜2700mmが好ましい。これが1000mm未満になると、道路の拡幅効果が小さくなるとともに、道路用ブロックがカウンターウエイト共々軽くなりすぎて安定性が低下し、2700mmを超えると、道路用ブロックが大型重量化して運搬が大変になるからである。
張り出し壁の外面勾配は、3分勾配((縦)1:(横)0.3)から7分勾配(1:0.7)までの範囲で設定することが好ましく、4分勾配から6分勾配までの範囲で設定することがより好ましい。3分勾配よりも急勾配になると、道路の拡幅効果が小さくなり、7分勾配よりも緩勾配になると、車両の荷重を受ける張り出し壁の強度を確保することが難しくなるからである。
張り出し壁の高さhは、1000〜2700mmが好ましい。これが1000mm未満になると、道路の拡幅効果が小さくなるとともに、道路用ブロックがカウンターウエイト共々軽くなりすぎて安定性が低下し、2700mmを超えると、道路用ブロックが大型重量化して運搬が大変になるからである。
張り出し壁の厚さは、車両の直接荷重に耐えられるように、底版と背面壁よりも厚いことが好ましい。より詳細には、下記(d)で述べるバットレス部がない場合、張り出し壁の厚さは、背面壁よりも2倍以上厚いことが好ましく、具体的には500〜850mmが好ましい。また、バットレス部がある場合、張り出し壁の厚さは(バットレス部がない場合よりも薄くできるが)、背面壁よりも1.5倍以上厚いことが好ましく、具体的には350〜600mmが好ましい。また、張り出し壁の厚さを下から上まで一定にして、張り出し壁の内面勾配を外面勾配と同じにしてもよいし、張り出し壁の厚さを下より上で徐々に薄くして、張り出し壁の内面勾配を外面勾配より緩勾配にしてもよい。また、張り出し壁は、上記傾斜に加えて外側へ凸に又は内側へ凸に緩く湾曲していてもよい。
底版の下面の一側縁部に対する、張り出し壁の外面上端の外側への張り出し幅w2は、上記の底版及び張り出し壁の好ましい範囲を総合すると、345〜2065mmが好ましく、460mm〜1770mmがより好ましい。
(d)バットレス部
張り出し壁の内面の一部から一体に突出するととともに底版(二体の底版の場合はその一側部分)の上面の一部にも一体に連結した、プレキャストコンクリートよりなるバットレス部(補強用控壁)を設けることができる。バットレス部の突出端は、背面壁の内面に届かないものでもよいし、背面壁の内面の一部に届いて一体に連結したものでもよい。
張り出し壁の内面の一部から一体に突出するととともに底版(二体の底版の場合はその一側部分)の上面の一部にも一体に連結した、プレキャストコンクリートよりなるバットレス部(補強用控壁)を設けることができる。バットレス部の突出端は、背面壁の内面に届かないものでもよいし、背面壁の内面の一部に届いて一体に連結したものでもよい。
(d)張り出し版
張り出し壁の外面上端に対する、張り出し版の外側への張り出し幅w3は、500〜1000mmが好ましい。張り出し版の厚さは、車両の直接荷重に耐えられるように底版と背面壁よりも厚いことが好ましく、具体的には150〜250mmが好ましい。また、張り出し版の下面を張り出し端に向けて上方へ傾斜させて、厚さを徐々に薄くしてもよい。
張り出し壁の外面上端に対する、張り出し版の外側への張り出し幅w3は、500〜1000mmが好ましい。張り出し版の厚さは、車両の直接荷重に耐えられるように底版と背面壁よりも厚いことが好ましく、具体的には150〜250mmが好ましい。また、張り出し版の下面を張り出し端に向けて上方へ傾斜させて、厚さを徐々に薄くしてもよい。
(e)背面壁
背面壁の外面勾配は(傾斜方向は張り出し壁とは反対であるが)、張り出し壁の外面勾配に対して差異が1分以下となることが好ましく、張り出し壁の外面勾配と同一にすることがより好ましい。道路用ブロックの路幅方向の質量バランスをとるためである。背面壁は、道路用ブロックの軽量化のために張り出し壁と張り出し版よりも薄く形成することが好ましく、具体的には150〜250mmが好ましい。背面壁の厚さを下から上まで一定にして、背面壁の内面勾配を外面勾配と同じにしてもよいし、背面壁の厚さを下より上で徐々に薄くして、背面壁の内面勾配を外面勾配より緩勾配にしてもよい。また、背面壁は、上記傾斜に加えて外側へ凸に又は内側へ凸に緩く湾曲していてもよい。
背面壁の外面勾配は(傾斜方向は張り出し壁とは反対であるが)、張り出し壁の外面勾配に対して差異が1分以下となることが好ましく、張り出し壁の外面勾配と同一にすることがより好ましい。道路用ブロックの路幅方向の質量バランスをとるためである。背面壁は、道路用ブロックの軽量化のために張り出し壁と張り出し版よりも薄く形成することが好ましく、具体的には150〜250mmが好ましい。背面壁の厚さを下から上まで一定にして、背面壁の内面勾配を外面勾配と同じにしてもよいし、背面壁の厚さを下より上で徐々に薄くして、背面壁の内面勾配を外面勾配より緩勾配にしてもよい。また、背面壁は、上記傾斜に加えて外側へ凸に又は内側へ凸に緩く湾曲していてもよい。
(f)補強部材の埋設
底版、張り出し壁、バットレス部、張り出し版及び背面壁(少なくとも張り出し壁とバットレス部と張り出し版)には、補強鉄筋、補強形鋼等の補強部材(図示略)が埋設されていることが好ましい。
底版、張り出し壁、バットレス部、張り出し版及び背面壁(少なくとも張り出し壁とバットレス部と張り出し版)には、補強鉄筋、補強形鋼等の補強部材(図示略)が埋設されていることが好ましい。
(g)凹溝
上記の張り出し壁及び背面壁の設定により、凹溝の内法幅は上部ほど広がることになる。凹溝は、次の質量比の項で述べるような容量を備えていることが好ましい。
上記の張り出し壁及び背面壁の設定により、凹溝の内法幅は上部ほど広がることになる。凹溝は、次の質量比の項で述べるような容量を備えていることが好ましい。
(h)質量比
底版の下面の一側縁から垂直に立てた基準線Aを想定したとき、道路用ブロックのうちの、基準線Aより外側へ張り出す部分の質量よりも、基準線Aより内側に控える部分の質量の方が大きいことが好ましい。道路用ブロックが自重で傾かないで自立できるからである。また、凹溝にカウンターウエイト材が現場で充填されたときには、道路用ブロックとカウンターウエイト材とを合わせた質量のうちの、基準線Aより外側へ張り出す部分の質量Bに対して、基準線Aより内側に控える部分の質量Cの方が2倍以上となるように、(上記各部の寸法・勾配の設定とも相俟って)凹溝の容量が設定されていることが好ましい。基準線Aより外側へ張り出す部分に車両の直接荷重がかかっても、道路用ブロックが傾かないで安定するからである。
底版の下面の一側縁から垂直に立てた基準線Aを想定したとき、道路用ブロックのうちの、基準線Aより外側へ張り出す部分の質量よりも、基準線Aより内側に控える部分の質量の方が大きいことが好ましい。道路用ブロックが自重で傾かないで自立できるからである。また、凹溝にカウンターウエイト材が現場で充填されたときには、道路用ブロックとカウンターウエイト材とを合わせた質量のうちの、基準線Aより外側へ張り出す部分の質量Bに対して、基準線Aより内側に控える部分の質量Cの方が2倍以上となるように、(上記各部の寸法・勾配の設定とも相俟って)凹溝の容量が設定されていることが好ましい。基準線Aより外側へ張り出す部分に車両の直接荷重がかかっても、道路用ブロックが傾かないで安定するからである。
(2)本発明の道路は、プレキャストコンクリートよりなる、一体の又は一側部分と他側部分とに分かれた二体の底版と、底版の上面の一側端部から立ち上って該一側端部の外側へ傾斜した張り出し壁と、張り出し壁の上端面から該張り出し壁の外側へ張り出した張り出し版と、底版の上面の他側端部から立ち上って該他側端部の外側へ傾斜した背面壁とを含み、底版と張り出し壁と背面壁との内側に、カウンターウエイト材が現場で充填される上端及び長さ方向両端の開口した凹溝を備えている道路用ブロックが使用され、前記道路用ブロックが、張り出し版を地盤の外側になる向きにして、地盤の一般部より下がった路肩側縁部のコンクリート体の上に載置され、複数の道路用ブロックが路長方向に並設され、凹溝にカウンターウエイト材が現場で充填され、カウンターウエイト材と地盤の一般部の上に路盤が形成されて構築されている。
(3)本発明の道路拡幅方法は、プレキャストコンクリートよりなる、一体の又は一側部分と他側部分とに分かれた二体の底版と、底版の上面の一側端部から立ち上って該一側端部の外側へ傾斜した張り出し壁と、張り出し壁の上端面から該張り出し壁の外側へ張り出した張り出し版と、底版の上面の他側端部から立ち上って該他側端部の外側へ傾斜した背面壁とを含み、底版と張り出し壁と背面壁との内側に、カウンターウエイト材が現場で充填される上端及び長さ方向両端の開口した凹溝を備えている道路用ブロックを使用し、既設道路の路肩側縁部を一般部より下がるように掘削し、前記道路用ブロックを、張り出し版が地盤の外側になる向きにして、前記路肩側縁部のコンクリート体の上に載置し、複数の道路用ブロックを路長方向に並設し、凹溝にカウンターウエイト材を現場で充填し、カウンターウエイト上に路盤を形成して行う。
上記の道路又は道路拡幅方法において、路肩側縁部のコンクリート体としては、地盤に打設された基礎コンクリートや、設置されたコンクリート擁壁を例示することができる。
道路用ブロックの底版は、コンクリート体に対して、載置するだけでも安定するが、載置するとともにボルト及びナットにより(例えば、コンクリート体に設けたアンカーボルトを底版に挿通してナットで締め付けることにより)固定することが好ましい。
また、二体の底版の場合、道路用ブロックをコンクリート体に載置した後、底版の一側部分と他側部分との間隔に底版コンクリートを現場打ちする。このとき、対峙する一側部分の端面から突出する連結用鉄筋と他側部分の端面から突出する連結用鉄筋とを結合鉄筋で連結してから、該連結用鉄筋及び結合鉄筋を埋設するように底版コンクリートを現場打ちすることが好ましい。
道路用ブロックの底版は、コンクリート体に対して、載置するだけでも安定するが、載置するとともにボルト及びナットにより(例えば、コンクリート体に設けたアンカーボルトを底版に挿通してナットで締め付けることにより)固定することが好ましい。
また、二体の底版の場合、道路用ブロックをコンクリート体に載置した後、底版の一側部分と他側部分との間隔に底版コンクリートを現場打ちする。このとき、対峙する一側部分の端面から突出する連結用鉄筋と他側部分の端面から突出する連結用鉄筋とを結合鉄筋で連結してから、該連結用鉄筋及び結合鉄筋を埋設するように底版コンクリートを現場打ちすることが好ましい。
カウンターウエイト材としては、現場打ちコンクリート、土、砕石等を例示することができるが、現場打ちコンクリートが好ましい。また、現場打ちコンクリートに補強鉄筋、補強形鋼等の補強部材を埋設してもよい。また、隣接する道路用ブロックを鉄筋又はボルトで連結してもよい。
上記の道路は、新設道路の片側の路肩又は左右両側の路肩に適用でき、また、既設道路の片側の路肩の拡幅又は左右両側の路肩の拡幅にも適用できる。上記の道路拡幅方法は、既設道路の片側の路肩の拡幅又は左右両側の路肩の拡幅に適用できる。
本発明によれば、構造が簡単であり、構成要素点数と施工の手間が最少限で済み、それでありながら道路の拡幅量が大きくかつ車両の荷重に対する安定性が高い道路を構築することができる。
道路用ブロック(11,21,23,24,26,28,41)は、プレキャストコンクリートよりなる、一体の又は一側部分と他側部分とに分かれた二体の底版(12)と、底版(12)の上面の一側端部から立ち上って該一側端部の外側へ傾斜した張り出し壁(13)と、張り出し壁(13)の上端面から該張り出し壁(13)の外側へ張り出した張り出し版(14)と、底版(12)の上面の他側端部から立ち上って該他側端部の外側へ傾斜した背面壁(15)とを含み、底版(12)と張り出し壁(13)と背面壁(15)との内側に、カウンターウエイト材(37)が現場で充填される上端及び長さ方向両端の開口した凹溝(16)を備えている。
道路は、前記道路用ブロック(11,21,23,24,26,28,41)が、張り出し版(14)を地盤(4)の外側になる向きにして、地盤(4)の一般部より下がった路肩側縁部のコンクリート体(32,6)の上に載置され、複数の道路用ブロック(11)が路長方向に並設され、凹溝(16)にはカウンターウエイト材(37)が現場で充填され、カウンターウエイト材(37)と地盤(4)の一般部の上に路盤(5)が形成されて構築されている。二体の底版(12)の場合、コンクリート体(32,6)に載置された底版(12)の一側部分(12a)と他側部分(12b)との間隔に底版コンクリート(44)が現場打ちされている。
この道路を拡幅により構築するには、既設道路(51)の路肩側縁部を地盤(4)の一般部より下がるように掘削し、前記道路用ブロック(11,21,23,24,26,28,41)を、張り出し版(14)が地盤(4)の外側になる向きにして、前記路肩側縁部のコンクリート体(32,6)の上に載置し、複数の道路用ブロック(11)を路長方向に並設し、凹溝(16)にカウンターウエイト材(37)を現場で充填し、カウンターウエイト材(37)の上に路盤(5)を形成して行う。二体の底版(12)の場合、道路用ブロック(41)をコンクリート体(32,6)に載置した後、底版(12)の一側部分(12a)と他側部分(12b)との間隔に底版コンクリート(44)を現場打ちする。
図1は実施例1の道路用ブロック11を示し、図2〜図9はその道路用ブロック11を使用した道路と道路拡幅方法を示し、図10はその道路の変更例を示し、図11はその道路の別の変更例を示している。
この道路用ブロック11は、図1に示すように、一体の底版12と、底版12の上面の一側端部(使用時には、路肩側端部)から一体に立ち上って該一側端部の外側へ傾斜した(使用時には地盤4の外側へ傾斜して張り出した)張り出し壁13と、張り出し壁13の上端面から一体に該張り出し壁13の外側(使用時には地盤4の外側)へ水平に張り出した)張り出し版14と、底版12の上面の他側端部から一定に立ち上って該他側端部の外側へ傾斜した(使用時には地盤4の一般部側へ傾斜して控えた)背面壁15とが、プレキャストコンクリートで一体形成されたものである。底版12と張り出し壁13と背面壁15との内側には、上端及び長さ方向両端の開口した凹溝16を備えており、この凹溝16には後述するカウンターウエイト材としてのカウンターコンクリート37が現場打ちされる。凹溝16の内法幅は上部ほど広がっている。従って、底版12と張り出し壁13と背面壁15とが道路用ブロック11の土台部を構成し、溝付の逆台形をなしている。
・底版12の下面幅w1は約2020mmであり、底版12の厚さは張り出し壁13と張り出し版14よりも薄い約200mmである。
・張り出し壁13の外面勾配及び内面勾配は、ともに5分勾配(1:0.5)である。張り出し壁13の高さhは約1300mmであり、張り出し壁13の厚さは底版12と背面壁15よりも厚い約680mmである。底版12の下面の一側縁部(路肩側縁部)に対する、張り出し壁13の外面上端の外側への張り出し幅w2は約740mmである。
・張り出し壁13の外面上端に対する、張り出し版14の外側への張り出し幅w3は約740mmである。張り出し版14の厚さは底版12と背面壁15よりも厚い約500mmである。張り出し版14の内側面は張り出し壁13の内面の延長で傾斜している。このため、張り出し版14の上面幅は、w2+w3よりやや小さい約1250mmである。
・背面壁15の外面勾配及び内面勾配は(傾斜方向は張り出し壁13とは反対であるが)5分勾配である。背面壁15の厚さは、張り出し壁13と張り出し版14よりも薄い約200mmである。
・凹溝16は、下端の幅が約1230mm、上端の開口幅が約2530mm、深さが約1300mmである。
・張り出し壁13の外面勾配及び内面勾配は、ともに5分勾配(1:0.5)である。張り出し壁13の高さhは約1300mmであり、張り出し壁13の厚さは底版12と背面壁15よりも厚い約680mmである。底版12の下面の一側縁部(路肩側縁部)に対する、張り出し壁13の外面上端の外側への張り出し幅w2は約740mmである。
・張り出し壁13の外面上端に対する、張り出し版14の外側への張り出し幅w3は約740mmである。張り出し版14の厚さは底版12と背面壁15よりも厚い約500mmである。張り出し版14の内側面は張り出し壁13の内面の延長で傾斜している。このため、張り出し版14の上面幅は、w2+w3よりやや小さい約1250mmである。
・背面壁15の外面勾配及び内面勾配は(傾斜方向は張り出し壁13とは反対であるが)5分勾配である。背面壁15の厚さは、張り出し壁13と張り出し版14よりも薄い約200mmである。
・凹溝16は、下端の幅が約1230mm、上端の開口幅が約2530mm、深さが約1300mmである。
底版12の下面の一側縁(路肩側縁)から垂直に立てた基準線Aを想定したとき、道路用ブロック11のうちの、基準線Aより外側へ張り出す部分の質量よりも、基準線Aより内側に控える部分の質量の方が大きいため、道路用ブロック11が自重で傾かないで自立できるようになっている。また、凹溝16にカウンターコンクリート37を現場打ちしたときには、道路用ブロック11とカウンターコンクリート37とを合わせた質量のうちの、基準線Aより外側へ張り出す部分の質量Bに対して、基準線Aより内側に控える部分の質量Cの方が2倍以上となるように、(上記各部の寸法・勾配の設定とも相俟って)凹溝16の容量が設定されており、カウンターコンクリート37の量を加減調整して現場打ちできる。
底版12には、基礎コンクリート32(図4参照)のアンカーボルト33が挿通されるボルト挿通孔17が形成されている。張り出し版14には、ガードレール7のポール部が挿入される挿入孔18が形成されている。また、底版12、張り出し壁13、張り出し版14及び背面壁15には(少なくとも張り出し壁13と張り出し版14には)補強鉄筋(図示略)が埋設されており、車両の直接荷重に耐えられるようになっている。
次に、この道路用ブロック11を使用した既設道路の拡幅方法と、同方法により構築される道路について説明する。図2は急峻な地形に設けられた既設道路51を示している。法面勾配が5分である下側法面2と上側法面3との間に地盤4が段面状に造成され、この地盤4の上に路盤5が敷設されて既設道路51を構成している。本例の既設道路51としては、路肩を含む有効幅(ガードレール7から上側法面3の下端までの幅)が例えば約6mと比較的狭く、トラック等の大型車両T同志がすれ違う際には相当な注意が必要なケースを想定している。この既設道路51の拡幅方法は次のようにして行われる。
まず、図3に示すように、地盤4と路盤5の路肩側の側縁部を掘削する。掘削によりレベルの下がった地盤4の上に平板状の基礎コンクリート32を現場打ちし、基礎コンクリート32にアンカーボルト33を据え付ける。
次に、図4に示すように、道路用ブロック11を張り出し壁13と張り出し版14が路肩側になる向きにして基礎コンクリート32上に載置し、ボルト挿通孔17にアンカーボルト33を挿通してナット34で締め付け固定する。こうして複数の道路用ブロック11を、端面を付き合わせた状態で路長方向に列状に並設する。なお、アンカーボルト33及びナット34による固定は省略してもよく、その場合でも基礎コンクリート32は安定する。図5は、道路の直線部分に道路用ブロック11を直線配列した形態を示している。図6(a)は道路1の外カーブで、また図6(b)は内カーブで、それぞれ道路用ブロック11を湾曲配列した形態を示しており、この場合に隣接する道路用ブロック11に生じるマチ部35には補充用コンクリート36を現場打ちする。なお、隣接する道路用ブロック11を鉄筋(図示略)で相互に連結してもよい。
次に、図7に示すように(図5及び図6の2点鎖線も参照)、前記道路用ブロック11の並設で路長方向に繋がった凹溝16に、カウンターコンクリート37を、隣接する道路用ブロック11に跨って連続するように現場打ちし、このカウンターコンクリート37で隣接する道路用ブロック11を相互に接続する。すなわち、打設時に、道路用ブロック11の土台部はカウンターコンクリート37の型枠として機能する。また、打設後は、カウンターコンクリート37をコアとし土台部をシェルとする内外二重構造のコンクリートビームが形成され、大型車両Tが載っても壊れない堅牢性が得られる。なお、凹溝16に補強鉄筋、H形鋼、I形鋼等の補強部材(図示略)を埋設してもよい。
次に、図8に示すように、地盤4の掘削部を埋め戻し、地盤4とカウンターコンクリート37上に路盤5を延長形成する。張り出し版14の上面は、路盤5の上面と同じ高さに揃い、地盤4の外側に張り出して路肩を形成する。ガードレール7のポール部を挿入孔18に挿入し、現場打ちコンクリート等の固定材で固定する。以上で拡幅工事は完了し、新しい道路1が完成する。
この実施例1の道路用ブロック11、道路1及びその道路拡幅方法によれば、上記した効果に加え、次の効果が得られる。
(a)道路用ブロック11は、全部で一体のタイプであり、構造が簡単であり、構成要素点数が最少限で済む。
(b)道路1及びその道路拡幅方法は、上記のとおり必要な工程数が少なく、施工の手間が最少限で済む。
(c)外側へ傾斜した張り出し壁13とさらに外側へ張り出した張り出し版14とにより、道路の拡幅量を大きく取ることができる。カウンターコンクリート37の上面の一部も拡幅に寄与するので、上記の実施例の場合、既設道路51の有効幅が約6mであったのに対して、拡幅後の道路1の有効幅が約9mとなり、約3mも拡幅される。これにより、トラック等の大型車両T同志が十分な間隔をもって楽にすれ違うことができるようになる。
(d)道路用ブロック11とカウンターコンクリート37とを合わせた質量のうちの、基準線Aより外側へ張り出す部分の質量Bに対して、基準線Aより内側に控える部分の質量Cの方が2倍以上となるように、凹溝16にカウンターコンクリート37を現場打ちできるため、図9に示すように、トラック等の大型車両Tが基準線Aより外側へ張り出す部分、特に張り出し版14の上面に載っても、道路用ブロック11は傾かないで安定している。
(a)道路用ブロック11は、全部で一体のタイプであり、構造が簡単であり、構成要素点数が最少限で済む。
(b)道路1及びその道路拡幅方法は、上記のとおり必要な工程数が少なく、施工の手間が最少限で済む。
(c)外側へ傾斜した張り出し壁13とさらに外側へ張り出した張り出し版14とにより、道路の拡幅量を大きく取ることができる。カウンターコンクリート37の上面の一部も拡幅に寄与するので、上記の実施例の場合、既設道路51の有効幅が約6mであったのに対して、拡幅後の道路1の有効幅が約9mとなり、約3mも拡幅される。これにより、トラック等の大型車両T同志が十分な間隔をもって楽にすれ違うことができるようになる。
(d)道路用ブロック11とカウンターコンクリート37とを合わせた質量のうちの、基準線Aより外側へ張り出す部分の質量Bに対して、基準線Aより内側に控える部分の質量Cの方が2倍以上となるように、凹溝16にカウンターコンクリート37を現場打ちできるため、図9に示すように、トラック等の大型車両Tが基準線Aより外側へ張り出す部分、特に張り出し版14の上面に載っても、道路用ブロック11は傾かないで安定している。
図10に示す道路1の変更例は、下側法面2が、現場打ちで又はプレキャストブロックで構築された、もたれ式のコンクリート擁壁6により強化保護されている場合の例である。この場合、コンクリート擁壁6の上部を取り壊し、現れた上端面に一体化するようにコンクリートを現場打ちしてアンカーボルト33を据え付ける。こうして加工したコンクリート擁壁6の上に道路用ブロック11を載置し、ボルト挿通孔17にアンカーボルト33を挿通してナット34で締め付け固定する。あるいは、コンクリート擁壁6の上部を取り壊し、現れた上端面を平坦に整え、その上に道路用ブロック11を単に載置する。その他の方法及び構造は上記と同様である。
図11に示す道路31の変更例は、地盤4の左右両側の路肩にそれぞれ複数の道路用ブロック11が路長方向に並設されることにより、左右両側で拡幅を測った例である。その他の方法及び構造は上記と同様である。
図12に示す実施例2の道路用ブロック21は、張り出し版14の上部の外側端部に嵩上げ部22が突設され、嵩上げ部22の上面に挿入孔18が形成された点においてのみ、実施例1と相違するものである。
図13は、この嵩上げタイプの道路用ブロック21を用いた道路38を示し、嵩上げ部22の上面と路盤5の上面とが同じ高さになる点と、嵩上げ部22のすぐ内側に側溝23が添設される点においてのみ、実施例1の道路1及び道路拡幅方法と相違するものである。
図14(a)に示す実施例3の道路用ブロック23は、張り出し版14の下面を張り出し端に向けて上方へ傾斜させて、厚さを徐々に薄くするとともに、背面壁15の厚さを下より上で徐々に薄くして、背面壁15の内面勾配を外面勾配より緩勾配にしたことにより、実施例1よりも軽量化した点と、底版12と張り出し壁13との間及び底版12と背面壁15との間の各内面コーナーにアールを設けて、実施例1よりも該コーナーでの強度を高めた点においてのみ、実施例1と相違するものである。
図14(b)に示す実施例4の道路用ブロック24は、張り出し壁13の厚さを例えば約500mmと薄くして軽量化し、該張り出し壁13の内面の一部(長さ方向中央部)から一体に突出するととともに下端が底版12の上面の一部に一体に連結した、プレキャストコンクリートよりなるバットレス部25を設けて、張り出し壁13を補強した点においてのみ、実施例3と相違するものである。バットレス部25の高さは、背面壁15の高さと同じであるが、張り出し壁13に近い部分は張り出し壁13の上端に向かって斜めに高くなっている。バットレス部25の突出端は、背面壁15の内面に届かないが、平面視T字に広がっていて補強作用が高められている。
図15(a)に示す実施例5の道路用ブロック26は、底版12の下面幅を例えば約2800mmと大きくして、安定性をより高め、張り出し壁13の厚さを例えば約500mmと薄くして軽量化し、該張り出し壁13の内面の一部(長さ方向中央部)から一体に突出するととともに下端が底版12の上面の一部に一体に連結した、プレキャストコンクリートよりなるバットレス部27を設けて、張り出し壁13を補強した点においてのみ、実施例3と相違するものである。バットレス部27の高さは、背面壁15の高さと同じであるが、張り出し壁13に近い部分は張り出し壁13の上端に向かって斜めに高くなっている。バットレス部25の突出端は、背面壁15の内面に届いて一体に連結されている。
図15(b)に示す実施例6の道路用ブロック28は、バットレス部27の上中央部に凹所29を設けて、軽量化した点においてのみ、実施例5と相違するものである。
図16に示す実施例7の道路用ブロック41は、底版を一側部分12aと他側部分12bとに分かれた二体の底版12とし、一側部分12aと他側部分12bとの間隔(この間隔には底版コンクリート44を現場打ちする。)を変更することで底版12の下面幅w1を適宜増減することができるようにした点と、対峙する一側部分12aの端面と他側部分12bの端面からは、連結用鉄筋43(アンカー鉄筋)が突出している点と、張り出し壁13の厚さを例えば約500mmと薄くして軽量化し、該張り出し壁13の内面の一部(長さ方向中央部)から一体に突出するととともに下端が一側部分12aの上面の一部に一体に連結した、プレキャストコンクリートよりなるバットレス部42を設けて、張り出し壁13を補強した点においてのみ、実施例3と相違するものである。
図17は、この分割タイプの道路用ブロック41を用いた道路45を示し、地盤4の上に、ブロック状の(図示例では背面が地山側へ傾斜して下がる)基礎コンクリート46を法面2よりはみでないように現場打ちし、基礎コンクリート46の上に一側部分12aを載置して支持した点と、一側部分12aと他側部分12bとの間隔を広げて、底版12の下面幅を3000mm以上とし、両部分12a,12bからの連結用鉄筋43を結合鉄筋40で連結し、この間隔に底版コンクリート44を現場打ちして連結用鉄筋43及び結合鉄筋40を埋設した点においてのみ、実施例1の道路1及び道路拡幅方法と相違するものである。現場打ちの底版コンクリート44は、底版12の両部分12a,12bと一体化し、プレキャストコンクリートと同等の強度を有する。
この道路45及び道路拡幅方法によれば、実施例1で説明した効果に加え、次の効果が得られる。
(e)底版12の二体化に伴って、道路用ブロック41も二体となるので、実施例1で説明した(a)の効果はやや低下するが、一体毎の運搬は容易になる。これにより、現場までの道が比較的大型のトラックでは通行できないような狭いケースでも、比較的小型のトラックにより運搬することができるようになる。
(f)地盤4が特に安定性に欠けるようなものであるケースでも、底版12の下面幅が大きいので安定する。
(g)ブロック状の基礎コンクリート46を法面2よりはみでないように現場打ちするので、法面2にコンクリート支持体を構築できないようなケースでも施工できる。
(e)底版12の二体化に伴って、道路用ブロック41も二体となるので、実施例1で説明した(a)の効果はやや低下するが、一体毎の運搬は容易になる。これにより、現場までの道が比較的大型のトラックでは通行できないような狭いケースでも、比較的小型のトラックにより運搬することができるようになる。
(f)地盤4が特に安定性に欠けるようなものであるケースでも、底版12の下面幅が大きいので安定する。
(g)ブロック状の基礎コンクリート46を法面2よりはみでないように現場打ちするので、法面2にコンクリート支持体を構築できないようなケースでも施工できる。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば以下のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
(1)隣接する道路用ブロック11,21をボルトとナットで連結できるように構成すること。例えば一方の端面にボルトを突設し、他方の端部にナット収容凹部を形成する等である。
(2)道路用ブロック21の嵩上げ部22に側溝を凹設し、施工現場における側溝の敷設工程を省くこと。
(1)隣接する道路用ブロック11,21をボルトとナットで連結できるように構成すること。例えば一方の端面にボルトを突設し、他方の端部にナット収容凹部を形成する等である。
(2)道路用ブロック21の嵩上げ部22に側溝を凹設し、施工現場における側溝の敷設工程を省くこと。
1,31,38,45 道路
4 地盤
5 路盤
6 コンクリート擁壁
11,21,23,24,26,28,41 道路用ブロック
12 底版
12a 一側部分
12b 他側部分
13 張り出し壁
14 張り出し版
15 背面壁
16 凹溝
25,27,42 バットレス部
37 カウンターコンクリート
44 底版コンクリート
51 既設道路
4 地盤
5 路盤
6 コンクリート擁壁
11,21,23,24,26,28,41 道路用ブロック
12 底版
12a 一側部分
12b 他側部分
13 張り出し壁
14 張り出し版
15 背面壁
16 凹溝
25,27,42 バットレス部
37 カウンターコンクリート
44 底版コンクリート
51 既設道路
Claims (12)
- プレキャストコンクリートよりなる、一体の又は一側部分(12a)と他側部分(12b)とに分かれた二体の底版(12)と、底版(12)の上面の一側端部から立ち上って該一側端部の外側へ傾斜した張り出し壁(13)と、張り出し壁(13)の上端面から該張り出し壁(13)の外側へ張り出した張り出し版(14)と、底版(12)の上面の他側端部から立ち上って該他側端部の外側へ傾斜した背面壁(15)とを含み、底版(12)と張り出し壁(13)と背面壁(15)との内側に、カウンターウエイト材(37)が現場で充填される上端及び長さ方向両端の開口した凹溝(16)を備えていることを特徴とする道路用ブロック。
- 底版(12)が一体であり、該底版(12)の下面幅(w1)は1500〜3500mmである請求項1記載の道路用ブロック。
- 張り出し壁(13)の外面勾配は3分勾配〜7分勾配であり、張り出し壁(13)の高さ(h)は1000〜2700mmである請求項1又は2記載の道路用ブロック。
- 張り出し壁(13)の内面の一部から突出するととともに下端が底版(12)の上面の一部に連結したプレキャストコンクリートよりなるバットレス部が設けられた請求項1〜3のいずれか一項に記載の道路用ブロック。
- 張り出し壁(13)の外面上端に対する張り出し版(14)の外側への張り出し幅(w3)は500〜1000mmである請求項1〜4のいずれか一項に記載の道路用ブロック。
- 底版(12)と背面壁(15)は、張り出し壁(13)と張り出し版(14)よりも薄く形成されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の道路用ブロック。
- 底版(12)の下面の一側縁から垂直に立てた基準線(A)を想定したとき、道路用ブロック(11,21)のうちの、基準線(A)より外側へ張り出す部分の質量よりも、基準線(A)より内側に控える部分の質量の方が大きい請求項1〜6のいずれか一項に記載の道路用ブロック。
- 凹溝(16)にカウンターウエイト材(37)を現場で充填したときには、道路用ブロック(11,21)とカウンターウエイト材(37)とを合わせた質量のうちの、基準線(A)より外側へ張り出す部分の質量(B)に対して、基準線(A)より内側に控える部分の質量(C)の方が2倍以上となるように、凹溝(16)の容量が設定されている請求項7記載の道路用ブロック。
- プレキャストコンクリートよりなる、一体の又は一側部分(12a)と他側部分(12b)とに分かれた二体の底版(12)と、底版(12)の上面の一側端部から立ち上って該一側端部の外側へ傾斜した張り出し壁(13)と、張り出し壁(13)の上端面から該張り出し壁(13)の外側へ張り出した張り出し版(14)と、底版(12)の上面の他側端部から立ち上って該他側端部の外側へ傾斜した背面壁(15)とを含み、底版(12)と張り出し壁(13)と背面壁(15)との内側に、カウンターウエイト材(37)が現場で充填される上端及び長さ方向両端の開口した凹溝(16)を備えている道路用ブロックが使用され、
前記道路用ブロック(11)が、張り出し版(14)を地盤(4)の外側になる向きにして、地盤(4)の一般部より下がった路肩側縁部のコンクリート体(32,6)の上に載置され、複数の道路用ブロック(11)が路長方向に並設され、凹溝(16)にはカウンターウエイト材(37)が現場で充填され、カウンターウエイト材(37)と地盤(4)の一般部の上に路盤(5)が形成されて構築されていることを特徴とする道路。 - 底版(12)が二体であり、コンクリート体(32,6)に載置された該底版(12)の一側部分(12a)と他側部分(12b)との間隔に底版コンクリート(44)が現場打ちされている請求項9記載の道路。
- プレキャストコンクリートよりなる、一体の又は一側部分(12a)と他側部分(12b)とに分かれた二体の底版(12)と、底版(12)の上面の一側端部から立ち上って該一側端部の外側へ傾斜した張り出し壁(13)と、張り出し壁(13)の上端面から該張り出し壁(13)の外側へ張り出した張り出し版(14)と、底版(12)の上面の他側端部から立ち上って該他側端部の外側へ傾斜した背面壁(15)とを含み、底版(12)と張り出し壁(13)と背面壁(15)との内側に、カウンターウエイト材(37)が現場で充填される上端及び長さ方向両端の開口した凹溝(16)を備えている道路用ブロックを使用し、
既設道路(51)の路肩側縁部を地盤(4)の一般部より下がるように掘削し、前記道路用ブロック(11)を、張り出し版(14)が地盤(4)の外側になる向きにして、前記路肩側縁部のコンクリート体(32,6)の上に載置し、複数の道路用ブロック(11)を路長方向に並設し、凹溝(16)にカウンターウエイト材(37)を現場で充填し、カウンターウエイト材(37)の上に路盤(5)を形成して行うことを特徴とする道路拡幅方法。 - 底版(12)が二体であり、道路用ブロック(41)をコンクリート体(32,6)に載置した後、底版(12)の一側部分(12a)と他側部分(12b)との間隔に底版コンクリート(44)を現場打ちする請求項11記載の道路拡幅方法。
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