JP2010208778A - エレベータ - Google Patents

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Abstract

【課題】エレベータの複数のブレーキ装置のそれぞれが正常に作動しているか否かを個別に容易に検出する。
【解決手段】ブレーキ異常検出装置32は、エレベータが停止状態である場合に、第1ブレーキ装置7aを開放させ、速度検出装置13からの信号で示される速度が所定の閾値以上である場合には、現在閉じている第2ブレーキ装置7bによるブレーキ動作が異常であると判別し、第1ブレーキ装置7aを閉じさせ、エレベータを速やかに非常停止させる。ブレーキ異常検出装置32は、速度が閾値以上でない場合には、第1ブレーキ装置7aを閉じさせた後、第2ブレーキ装置7bを開放させ、速度が所定の閾値以上である場合には、現在閉じている第1ブレーキ装置7aによるブレーキ動作が異常であると判別し、第2ブレーキ装置7bを閉じさせ、エレベータを速やかに非常停止させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数のブレーキ装置を有するエレベータに関する。
従来、エレベータが戸開状態のまま走行する事故が発生するのを防止するための構成例として、ブレーキ装置を二重化した安全装置を適用したものがある。この構成では、片側のブレーキ装置が故障しても、もう片側のブレーキ装置で乗りかごの制動動作を保持するようにして戸開走行を防止している(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
特開2006−266362号公報 特開2003−343609号公報
しかし、二重化したブレーキ装置を適用している場合で、片側のブレーキ装置が異常のために動作しなくなった場合においても、エレベータがアンバランス方向、つまり乗りかご若しくはカウンタウェイトの重い方への走行する場合は、巻上機としてのトルクが少ないため、ブレーキ装置の保持力以上のトルクを出力すれば走行が可能となってしまう。
この場合、片側のブレーキ装置による制動動作を保持したまま乗りかごが走行することになるため、ブレーキ装置のシュー材の温度上昇及び磨耗が生じてしまう。また、ブレーキ装置の故障は閉じ込め故障の原因ともなる。
また、片側のブレーキ装置が動作しているかを検出するためには、ブレーキ用の動作検出装置を複数のブレーキ装置のそれぞれについて用意する必要があり、コストが増大してしまう。
そこで、本発明の目的は、複数のブレーキ装置のそれぞれが正常に作動しているか否かを個別に容易に検出することが可能になるエレベータを提供することにある。
すなわち、本発明におけるエレベータは、シーブに巻き掛けられてロープを介してカウンタウェイトと連結されて吊り下げられる乗りかごと、前記シーブを回転させる巻き上げ機と、前記乗りかごの走行速度の指令値を設定する速度指令手段と、前記巻き上げ機の回転角度を検出する回転角検出手段と、前記回転角検出手段により検出した回転角度をもとに前記巻き上げ機の回転速度を検出する速度検出手段と、前記速度指令手段が設定した速度指令値と前記速度検出手段が検出した速度検出値との偏差に基づいて前記巻き上げ機の回転速度制御のためのトルク指令値信号を出力するトルク指令出力手段と、前記トルク指令出力手段が出力した信号で示されるトルク指令値をもとに前記巻き上げ機への供給電流を制御する電流制御手段と、前記巻き上げ機の機械的な制動動作を行なう第1および第2のブレーキ装置と、前記第1のブレーキ装置への制動動作指令を行なう第1のブレーキ指令装置と、前記第2のブレーキ装置への制動動作指令を行なう第2のブレーキ指令装置と、前記第1および第2のブレーキ指令装置の一方により指令先のブレーキ装置の制動動作を有効として、かつ前記第1および第2のブレーキ指令装置の他方により指令先のブレーキ装置の制動動作を無効とした状態で、前記乗りかごの昇降動作を検出した場合に、前記制動動作が有効となる指令を行なったブレーキ装置の制動動作が異常であると検出する異常検出手段とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、エレベータの複数のブレーキ装置のそれぞれが正常に作動しているか否かを個別に容易に検出することができる。
本発明の第1の実施形態におけるエレベータの構成例を示す図。 本発明の第1の実施形態におけるエレベータによるブレーキ異常検出のための処理動作の一例を示すフローチャート。 本発明の第2の実施形態におけるエレベータの構成例を示す図。 本発明の第2の実施形態におけるエレベータによるブレーキ異常検出のための処理動作の一例を示すフローチャート。 本発明の第3の実施形態におけるエレベータの構成例を示す図。 本発明の第3の実施形態におけるエレベータによるブレーキ異常検出のための処理動作の一例を示すフローチャート。 本発明の第4の実施形態におけるエレベータの構成例を示す図。 本発明の第4の実施形態におけるエレベータによるブレーキ異常検出のための処理動作の一例を示すフローチャート。 本発明の第5の実施形態におけるエレベータの構成例を示す図。 本発明の第5の実施形態におけるエレベータによる電流指令値およびブレーキ指令信号のタイミングチャートの一例を示す図。 本発明の第5の実施形態におけるエレベータによるブレーキ異常検出のための処理動作の一例を示すフローチャート。 本発明の第6の実施形態におけるエレベータの構成例を示す図。 本発明の第6の実施形態におけるエレベータによるブレーキ異常検出のための処理動作の一例を示すフローチャート。
以下図面により本発明の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態におけるエレベータの構成例を示す図である。
このエレベータは、客先電源1、コンバータ装置2、平滑コンデンサ3、インバータ装置4、第1ブレーキ装置7a、第2ブレーキ装置7b、ロープ8、電流検出手段である電流検出装置11、巻き上げ機である電動機12、速度検出手段である速度検出装置13、速度指令手段である速度指令装置14、トルク指令出力手段である速度制御装置15、電流制御手段であるインバータ電流制御装置16、回転角検出手段である回転角検出装置17を備える。
このエレベータでは、客先電源1からの交流電力がコンバータ装置2により直流電圧へ変換され、平滑コンデンサ3で平滑化された後、インバータ装置4に入力される。
インバータ装置4は、インバータ電流制御装置16により制御されるようになっており、入力した直流電圧を可変電圧可変周波数制御された交流電圧に変換し、この変換した交流電圧を電動機12に供給する。
この電動機12にはシーブ20が取り付けてあり、このシーブ20にロープ8が巻回されており、このロープ8の一端側は乗りかご21に取り付けられて、他端側はカウンタウェイト22に取り付けられている。
そして、電動機12はインバータ装置4から供給される交流電圧により回転駆動され、乗りかご21を昇降路内で昇降させる。
電動機12には回転角検出装置17が取り付けられており、この回転角検出装置17により検出した回転角検出信号が速度検出装置13にて速度検出信号に変換されて、速度制御装置15に出力される。
速度指令装置14は、乗りかご21の予め定められた走行パターンに従った速度指令値を示す信号を出力する。速度制御装置15は、速度検出装置13から入力した速度検出信号で示される値が速度指令装置14より出力された速度パターンの速度指令値と一致するように、回転速度制御のためのトルク指令値信号である電流指令信号をインバータ電流制御装置16に出力する。
インバータ装置4から出力される交流電流は、電流検出装置11により検出され、その電流検出信号はインバータ電流制御装置16に出力される。
インバータ電流制御装置16は、この入力した電流検出信号で示される値が、速度制御装置15からの電流指令信号で示される値と一致するように、インバータ装置4に対してインバータ制御信号を出力し、インバータ装置4に対して前述した可変電圧可変周波数制御を行なう。
第1ブレーキ装置7aおよび第2ブレーキ装置7bは、電動機12に固定されたブレーキ部材にブレーキパッドをバネ力により押し付けることにより電動機12の回転を拘束している。
また、客先電源1は、スイッチ33を介して第1ブレーキ装置7aに接続され、かつ、スイッチ34を介して第2ブレーキ装置7bに接続される。また、スイッチ33と第1ブレーキ装置7aとで閉回路を構成し、スイッチ34と第1ブレーキ装置7bとで閉回路を構成する。
第1ブレーキ装置7aに連なるスイッチ33は、第1ブレーキ指令装置30からの第1ブレーキ装置7aの制動動作を無効にする開放指令信号の出力によりオン状態となり、第1ブレーキ装置7aの制動動作を有効にする復帰指令信号の出力によりオフ状態となる。
また、第2ブレーキ装置7bに連なるスイッチ34は、第2ブレーキ指令装置31からの第2ブレーキ装置7bの制動動作を無効にする開放指令信号の出力によりオン状態となり、第2ブレーキ装置7bの制動動作を有効にする復帰指令信号の出力によりオフ状態となる。
乗りかご21を走行させる際には、第1ブレーキ指令装置30がスイッチ33をオン状態としてブレーキ装置7aのブレーキコイルに通電し、第2ブレーキ指令装置31がスイッチ34をオン状態としてブレーキ装置7bのブレーキコイルに通電し、各々のブレーキコイルの電磁力によりブレーキパッドのブレーキ部材に対する押し付けを解除してから電動機12を回転駆動する。
ブレーキ異常検出装置32は、第1ブレーキ指令装置30、第2ブレーキ指令装置31からの各種指令信号、および速度検出装置13からの速度検出信号を入力する。
ブレーキ異常検出装置32は、第1ブレーキ指令装置30からの開放指令信号により第1ブレーキ装置7aのみが開放された状態で、かつ第2ブレーキ装置7bが閉じている状態にて、速度検出装置13からの速度検出信号で示される速度を検出する。
ブレーキ異常検出装置32は、この検出した速度が所定の閾値以上である場合には、閉じている第2ブレーキ装置7bのブレーキ力が低下していると判断し、第1ブレーキ指令装置30からの開放指令信号を停止して復帰指令信号を出力することで第1ブレーキ装置7aの開放を停止、つまり復帰させた上で、第2ブレーキ装置7bのブレーキ動作が異常であることを検出する。
また、ブレーキ異常検出装置32は、第2ブレーキ指令装置31からの開放指令信号により第2ブレーキ装置7bのみが開放され、かつ第1ブレーキ装置7aが閉じている状態にて、速度検出装置13からの速度検出信号で示される速度を検出する。
ブレーキ異常検出装置32は、この検出した速度が所定の閾値以上である場合には、閉じている第1ブレーキ装置7aのブレーキ力が低下していると判断し、第2ブレーキ指令装置31からの開放指令信号を停止して復帰指令信号を出力することで第2ブレーキ装置7bの開放を停止させた上で、第1ブレーキ装置7aのブレーキ動作が異常であることを検出する。
次に、図1に示した構成のエレベータの動作について説明する。図2は、本発明の第1の実施形態におけるエレベータによるブレーキ異常検出のための処理動作の一例を示すフローチャートである。
本実施形態では、ブレーキ異常検出装置32は、第1ブレーキ指令装置30、第2ブレーキ指令装置31及び速度検出装置13からの信号を所定サンプリング周期毎に入力している。また、初期状態として、第1ブレーキ指令装置30および第2ブレーキ指令装置31からは開放指令信号は出力されておらず、スイッチ33,34はともにオフ状態であって、第1ブレーキ装置7aおよび第2ブレーキ装置7bはともに閉じているものとする。
ブレーキ異常検出装置32は、エレベータ停止、つまり乗りかご21の昇降動作が停止している状態で(ステップS1のYES)、前述した所定サンプリング周期で区切られた所定タイミングになると(ステップS2のYES)、第1ブレーキ指令装置30に対し、第1ブレーキ装置7aの開放指令信号の出力を開始させることで、スイッチ33をオン状態とし、第1ブレーキ装置7aを開放させる(ステップS3→S4)。
この状態で、ブレーキ異常検出装置32は、第1ブレーキ指令装置30からの開放指令信号を入力し、第1ブレーキ装置7aが開放状態であると判別する。そして、ブレーキ異常検出装置32は、速度検出装置13からの信号で示される速度が所定の閾値以上である場合には(ステップS5のYES)、現在閉じている第2ブレーキ装置7bによるブレーキ動作が異常であると判別し(ステップS6)、第1ブレーキ指令装置30に対し、第1ブレーキ装置7aの開放指令信号の出力を停止させて復帰指令信号を出力させることで(ステップS7)、スイッチ33をオフ状態として第1ブレーキ装置7aを閉じさせ(ステップS8)、エレベータを速やかに非常停止させる(ステップS9)。
また、ブレーキ異常検出装置32は、速度検出装置13からの信号で示される速度が閾値以上でない場合には(ステップS5のNO)、現在閉じている第2ブレーキ装置7bによるブレーキ動作が正常であるとみなし、第1ブレーキ指令装置30に対し、第1ブレーキ装置7aの開放指令信号の出力を停止させて復帰指令信号を出力させることで(ステップS10)、スイッチ33をオフ状態とし、第1ブレーキ装置7aを閉じさせる(ステップS11)。
この状態で、ブレーキ異常検出装置32は、第1ブレーキ指令装置30からの復帰指令信号を入力し、第1ブレーキ装置7aが閉じたと判別する。そして、ブレーキ異常検出装置32は、第2ブレーキ指令装置31に対し、第2ブレーキ装置7bの開放指令信号の出力を開始させることで、スイッチ34をオン状態とし、第2ブレーキ装置7bを開放させる(ステップS12→S13)。
この状態で、ブレーキ異常検出装置32は、第2ブレーキ指令装置31からの開放指令信号を入力し、第2ブレーキ装置7bが開放状態であると判別する。そして、ブレーキ異常検出装置32は、速度検出装置13からの信号で示される速度が所定の閾値以上である場合には(ステップS14のYES)、現在閉じている第1ブレーキ装置7aによるブレーキ動作が異常であると判別し(ステップS15)、第2ブレーキ指令装置31に対し、第2ブレーキ装置7bの開放指令信号の出力を停止させて復帰指令信号を出力させることで(ステップS16)、スイッチ34をオフ状態として第2ブレーキ装置7bを閉じさせ(ステップS17)、第2ブレーキ指令装置31からの復帰指令信号を入力し、第2ブレーキ装置7bが閉じたと判別した上で、エレベータを速やかに非常停止させる(ステップS9)。
一方、ブレーキ異常検出装置32は、速度検出装置13からの信号で示される速度が所定の閾値以上でない場合には(ステップS14のNO)、第1ブレーキ装置7aおよび第2ブレーキ装置7bの双方のブレーキ動作は正常であると判別する(ステップS18)。
また、ブレーキ異常検出装置32は、第1ブレーキ装置7aおよび第2ブレーキ装置7bのいずれも開放していない状態で(ステップS2のNO、ステップS3のNO、ステップS12のNO)、速度検出装置13からの信号で示される速度が所定の閾値以上である場合には(ステップS19のYES)、第1ブレーキ装置7aおよび第2ブレーキ装置7bの少なくとも一方のブレーキ動作が異常であると判別し(ステップS20)、エレベータを速やかに非常停止させる(ステップS9)。ステップS19の処理で「NO」と判別された場合にはステップS1の処理に戻る。
以上のように、本発明の第1の実施形態におけるエレベータでは、二重化されている各ブレーキ装置に個別にブレーキ指令を出力することで一方を閉じた状態とし、この状態で閾値以上の電動機速度が検出された場合には、現在閉じているもう一方のブレーキ装置のブレーキ動作が異常であると判別するので、複数のブレーキのそれぞれが正常に作動しているか否かを個別に容易に検出することが可能になる。よって閉じ込め故障を低減でき、片側のブレーキ装置が閉じたままで走行した場合の安全性を確保することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、以下の各実施形態におけるエレベータの構成のうち図1に示したものと同一部分の説明は省略する。
図3は、本発明の第2の実施形態におけるエレベータの構成例を示す図である。本発明の第2の実施形態におけるエレベータでは、ブレーキ異常検出装置32は、第1の実施形態と異なり、第1ブレーキ指令装置30や第2ブレーキ指令装置31からの各種指令信号、および回転角検出装置17からの回転角検出信号を入力する。
ブレーキ異常検出装置32は、第1ブレーキ指令装置30からの開放指令信号により第1ブレーキ装置7aのみが開放され、かつ第2ブレーキ装置7bが閉じている状態にて、回転角検出装置17からの回転角検出信号で示される回転角を検出する。
ブレーキ異常検出装置32は、この検出した回転角が所定の閾値以上である場合には、閉じている第2ブレーキ装置7bのブレーキ力が低下していると判断して、第1ブレーキ指令装置30からの開放指令信号を停止して復帰指令信号を出力することで、第1ブレーキ装置7aの開放を停止させた上で、第2ブレーキ装置7bのブレーキ動作が異常であることを検出する。
また、ブレーキ異常検出装置32は、第2ブレーキ指令装置31からの開放指令信号により第2ブレーキ装置7bのみが開放され、かつ第1ブレーキ装置7aが閉じている状態にて、回転角検出装置17からの回転角検出信号で示される回転角を検出する。
ブレーキ異常検出装置32は、この検出した回転角が閾値以上である場合には、閉じている第1ブレーキ装置7aのブレーキ力が低下していると判断して、第2ブレーキ指令装置31からの開放指令信号を停止して復帰指令信号を出力することで、第2ブレーキ装置7bの開放を停止させた上で、第1ブレーキ装置7aのブレーキ動作が異常であることを検出する。その他の構成は第1の実施形態と同じである。
図4は、本発明の第2の実施形態におけるエレベータによるブレーキ異常検出のための処理動作の一例を示すフローチャートである。
本実施形態では、ブレーキ異常検出装置32は、第1ブレーキ指令装置30、第2ブレーキ指令装置31及び回転角検出装置17からの信号を所定サンプリング周期毎に入力している。また、初期状態として、第1ブレーキ指令装置30および第2ブレーキ指令装置31からは開放指令信号は出力されておらず、スイッチ33,34はともにオフ状態であって、第1ブレーキ装置7aおよび第2ブレーキ装置7bはともに閉じているものとする。
まず、第1の実施形態と同様にステップS4までの処理がなされて第1ブレーキ装置7aを開放した状態で、ブレーキ異常検出装置32は、第1ブレーキ指令装置30からの開放指令信号を入力し、第1ブレーキ装置7aが開放状態であると判別する。そして、ブレーキ異常検出装置32が、回転角検出装置17からの信号で示される回転角が所定の閾値以上であると判別した場合には(ステップS31のYES)、第1の実施形態で説明したステップS6以降の処理がなされる。
また、ブレーキ異常検出装置32は、回転角検出装置17からの信号で示される回転角が閾値以上でない場合には(ステップS31のNO)、現在閉じている第2ブレーキ装置7bによるブレーキ動作が正常であるとみなし、第1ブレーキ指令装置30に対し、第1ブレーキ装置7aの開放指令信号の出力を停止させて復帰指令信号を出力させることで(ステップS10)、スイッチ33をオフ状態とし、第1ブレーキ装置7aを閉じさせる(ステップS11)。
この状態で、ブレーキ異常検出装置32は、第1ブレーキ指令装置30からの復帰指令信号を入力し、第1ブレーキ装置7aが閉じたと判別する。そして、ブレーキ異常検出装置32は、第2ブレーキ指令装置31に対し、第2ブレーキ装置7bの開放指令信号の出力を開始させることで、スイッチ34をオン状態とし、第2ブレーキ装置7bを開放させる(ステップS12→S13)。
この状態で、ブレーキ異常検出装置32は、第2ブレーキ指令装置31からの開放指令信号を入力し、第2ブレーキ装置7bが開放状態であると判別する。そして、ブレーキ異常検出装置32が、回転角検出装置17からの信号で示される回転角が所定の閾値以上であると判別した場合には(ステップS32のYES)、第1の実施形態で説明したステップS15以降の処理がなされる。
一方、ブレーキ異常検出装置32は、回転角検出装置17からの信号で示される回転角が所定の閾値以上でない場合には(ステップS32のNO)、第1ブレーキ装置7aおよび第2ブレーキ装置7bの双方のブレーキ動作は正常であると判別する(ステップS18)。
また、ブレーキ異常検出装置32は、第1ブレーキ装置7aおよび第2ブレーキ装置7bのいずれも開放していない状態で(ステップS2のNO、ステップS3のNO、ステップS12のNO)、回転角検出装置17からの信号で示される回転角が所定の閾値以上である場合には(ステップS33のYES)、第1ブレーキ装置7aおよび第2ブレーキ装置7bの少なくとも一方のブレーキ動作が異常であると判別し(ステップS20)、エレベータを速やかに非常停止させる(ステップS9)。ステップS33の処理で「NO」と判別された場合にはステップS1の処理に戻る。
以上のように、本発明の第2の実施形態におけるエレベータでは、二重化されている各ブレーキ装置に個別にブレーキ指令を出力することで一方を閉じた状態とし、この状態で閾値以上の電動機回転角が検出された場合には、現在閉じているもう一方のブレーキ装置のブレーキ動作が異常であると判別するので、複数のブレーキのそれぞれが正常に作動しているか否かを個別に容易に検出することが可能になる。よって閉じ込め故障を低減でき、片側のブレーキ装置が閉じたままで走行した場合の安全性を確保することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態では、乗りかご21の積載状態を考慮したブレーキ異常検出を行なうことを特徴としており、それぞれのブレーキ装置の開放を行なう前に電動機の電流指令値を切り替えることで、乗りかご21とカウンタウェイト22の吊り合い状態をブレーキ装置の作動が正常である場合の乗りかご21の最大積載状態、いわゆるフルロードにおける吊り合い状態としている。
図5は、本発明の第3の実施形態におけるエレベータの構成例を示す図である。本発明の第3の実施形態におけるエレベータでは、ブレーキ異常検出装置32は、第1の実施形態と比較して、第1ブレーキ指令装置30や第2ブレーキ指令装置31からの各種指令信号、速度検出装置13からの速度検出信号に加え、速度制御装置15からの電流指令信号をさらに入力する。また、ブレーキ異常検出装置32は、速度指令装置14に接続される。その他の構成は第1の実施形態と同じである。
図6は、本発明の第3の実施形態におけるエレベータによるブレーキ異常検出のための処理動作の一例を示すフローチャートである。
本実施形態では、ブレーキ異常検出装置32は、第1ブレーキ指令装置30、第2ブレーキ指令装置31および速度検出装置13からの信号を所定サンプリング周期毎に入力している。また、初期状態として、第1ブレーキ指令装置30および第2ブレーキ指令装置31からは開放指令信号は出力されておらず、スイッチ33,34はともにオフ状態であって、第1ブレーキ装置7aおよび第2ブレーキ装置7bはともに閉じているものとする。
ブレーキ異常検出装置32は、エレベータ停止状態である場合で(ステップS1のYES)、所定サンプリング周期で区切られた所定タイミングになると(ステップS2のYES)、速度制御装置15からの電流指令信号を入力し、この信号で示される電流指令値が、乗りかご21とカウンタウェイト22の吊り合い状態がブレーキ装置の作動が正常である場合のフルロードにおける吊り合い状態であるとみなせる値であるか否かを判別する(ステップS41)。
ブレーキ異常検出装置32は、ステップS41の処理で「NO」と判別した場合には、速度指令装置14に速度指令切替信号を出力して、速度制御装置15からの電流指令信号で示される電流指令値を制御することで、インバータ電流制御装置16により、乗りかご21とカウンタウェイト22との吊り合い状態がブレーキ装置の作動が正常である場合の当該乗りかご21の最大積載時の吊り合い状態となるように電動機12への供給電流を制御させた上で(ステップS42)、ステップS41の処理による判別を再度行なう。
また、ブレーキ異常検出装置32が、ステップS41の処理で「YES」と判別した場合には、第1の実施形態で説明したステップS3以降の処理がなされる。
以上のように、本発明の第3の実施形態におけるエレベータでは、速度制御装置15からの電流指令を制御して乗りかご21とカウンタウェイト22の吊り合い状態を乗りかご21の最大積載状態、いわゆるフルロードにおける吊り合い状態とした上で、二重化されている各ブレーキ装置に個別にブレーキ指令を出力することで一方を閉じた状態とし、この状態で閾値以上の電動機速度が検出された場合には、現在閉じているもう一方のブレーキ装置のブレーキ動作が異常であると判別する。このような処理により、乗りかご21の積載状態が最大積載状態であった場合のブレーキ装置の異常の有無を判別することができるようになるので、判別結果の信頼性が向上する。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図7は、本発明の第4の実施形態におけるエレベータの構成例を示す図である。本発明の第4の実施形態におけるエレベータでは、ブレーキ異常検出装置32は、第2の実施形態のように、第1ブレーキ指令装置30や第2ブレーキ指令装置31からの各種指令信号、および回転角検出装置17からの回転角検出信号を入力する。その他の構成は第3の実施形態と同じである。
図8は、本発明の第4の実施形態におけるエレベータによるブレーキ異常検出のための処理動作の一例を示すフローチャートである。
本実施形態では、ブレーキ異常検出装置32は、第1ブレーキ指令装置30、第2ブレーキ指令装置31および回転角検出装置17からの回転角検出信号を所定サンプリング周期毎に入力している。また、初期状態として、第1ブレーキ指令装置30および第2ブレーキ指令装置31からは開放指令信号は出力されておらず、スイッチ33,34はともにオフ状態であって、第1ブレーキ装置7aおよび第2ブレーキ装置7bはともに閉じているものとする。
ブレーキ異常検出装置32は、エレベータ停止状態である場合で(ステップS1のYES)、所定サンプリング周期で区切られた所定タイミングになると(ステップS2のYES)、速度制御装置15からの電流指令信号を入力し、この信号で示される電流指令値が、乗りかご21とカウンタウェイト22の吊り合い状態がブレーキ装置の作動が正常である場合の乗りかご21の最大積載状態、いわゆるフルロードにおける吊り合い状態であるとみなせる値であるか否かを判別する(ステップS41)。
ブレーキ異常検出装置32は、ステップS41の処理で「NO」と判別した場合には、速度指令装置14に速度指令切替信号を出力して、速度制御装置15からの電流指令信号で示される電流指令値を制御した上で(ステップS42)、ステップS41の処理を再度行なう。
ブレーキ異常検出装置32が、ステップS41の処理で「YES」と判別した場合には、第2の実施形態で説明したステップS3以降の処理がなされる。
以上のように、本発明の第4の実施形態におけるエレベータでは、速度制御装置15からの電流指令値を制御して乗りかご21とカウンタウェイト22の吊り合い状態を乗りかご21の最大積載状態、いわゆるフルロードにおける吊り合い状態とした上で、二重化されている各ブレーキ装置に個別にブレーキ指令を出力することで一方を閉じた状態とし、この状態で閾値以上の電動機回転角が検出された場合には、現在閉じているもう一方のブレーキ装置のブレーキ動作が異常であると判別する。このような処理により、乗りかご21の積載状態が最大積載状態であった場合のブレーキ装置の異常の有無を判別することができるようになるので、判別結果の信頼性が向上する。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。前述した各実施形態では、ブレーキ装置7a,7bのいずれかのブレーキ動作の異常の検出のために片方のブレーキ装置を開放した状態で、もう片方の閉じているブレーキ装置のブレーキ動作が異常である場合には乗りかご21が動き始め、開放したブレーキ装置を前述したように異常判別後に復帰させるまで動き続けることになる。本実施形態では、前述した異常の検出のために片方のブレーキ装置を開放した直後に当該ブレーキ装置を閉じることで、ブレーキ動作が異常である場合の乗りかご21の移動量を第1乃至第4の実施形態に対して抑えることを特徴としている。
図9は、本発明の第5の実施形態におけるエレベータの構成例を示す図である。本発明の第5の実施形態におけるエレベータでは、第1の実施形態と異なり、ブレーキ異常検出装置32には切替制御装置41が接続される。切替制御装置41は第1ブレーキ指令装置30および第2ブレーキ指令装置31に接続される。その他の構成は第1の実施形態と同じである。
図10は、本発明の第5の実施形態におけるエレベータによる電流指令値およびブレーキ指令信号のタイミングチャートの一例を示す図である。
切替制御装置41は、ブレーキ装置7a,7bのいずれかのブレーキ動作の異常の検出を行う際に、第1ブレーキ指令装置30や第2ブレーキ指令装置31による開放指令信号および復帰指令信号の出力状態を複数回にわたって連続して切り替える。図10に示した、速度制御装置15からの電流指令値の出力中における開放指令信号のレベルがOFFからONとなった場合は、開放指令信号の出力開始および復帰指令信号の出力停止を意味し、図10に示した開放指令信号のレベルがONからOFFとなった場合は、開放指令信号の出力停止および復帰指令信号の出力開始を意味する。
図11は、本発明の第5の実施形態におけるエレベータによるブレーキ異常検出のための処理動作の一例を示すフローチャートである。
本実施形態では、ブレーキ異常検出装置32は、第1ブレーキ指令装置30、第2ブレーキ指令装置31及び速度検出装置13からの信号を所定サンプリング周期毎に入力している。また、初期状態として、第1ブレーキ指令装置30および第2ブレーキ指令装置31からは開放指令信号は出力されておらず、スイッチ33,34はともにオフ状態であって、第1ブレーキ装置7aおよび第2ブレーキ装置7bはともに閉じているものとする。
まず、第1の実施形態と同様にステップS4までの処理がなされて第1ブレーキ装置7aを開放した状態で、ブレーキ異常検出装置32は、第1ブレーキ指令装置30からの開放指令信号を入力し、第1ブレーキ装置7aが開放状態であると判別する。
この状態となった直後、ブレーキ異常検出装置32は、切替制御装置41に対し、第1ブレーキ装置7aを閉じる指令を行なう。すると、切替制御装置41は、第1ブレーキ指令装置30に対し、第1ブレーキ装置7aの開放指令信号の出力を停止させて復帰指令信号を出力させることで(ステップS51)、スイッチ33をオフ状態として第1ブレーキ装置7aを閉じさせる(ステップS52)。
この状態で、ブレーキ異常検出装置32は、第1ブレーキ指令装置30からの復帰指令信号を入力し、第1ブレーキ装置7aが閉じられた状態であると判別する。そして、ブレーキ異常検出装置32は、前述したように第1ブレーキ装置7aが開放状態であると判別してから閉じられた状態であると判別するまでの期間における速度検出装置13からの信号で示される速度の最大値が所定の閾値以上となっていた場合には(ステップS53のYES)、当初から閉じていた第2ブレーキ装置7bによるブレーキ動作が異常であると判別し(ステップS6)、エレベータを速やかに非常停止させる(ステップS9)。
また、ブレーキ異常検出装置32は、ステップS53の処理で「NO」と判別した場合で、切替制御装置41に対する、第1ブレーキ装置7aを閉じる指令の出力回数が所定の回数に達していない場合には(ステップS54のNO)、第1ブレーキ指令装置30に対し、第1ブレーキ装置7aの開放指令信号の出力を再び開始させる(ステップS54→S3)。
また、ブレーキ異常検出装置32は、第1ブレーキ装置7aを閉じる指令の出力回数が所定の回数に達した場合には(ステップS54のYES)、当初から閉じていた第2ブレーキ装置7bによるブレーキ動作が正常であるとみなし、第2ブレーキ指令装置31に対し、第2ブレーキ装置7bの開放指令信号の出力を開始させることで、スイッチ34をオン状態とし、第2ブレーキ装置7bを開放させる(ステップS12→S13)。
この状態で、ブレーキ異常検出装置32は、第2ブレーキ指令装置31からの開放指令信号を入力し、第2ブレーキ装置7bが開放状態であると判別する。この状態となった直後、ブレーキ異常検出装置32は、切替制御装置41に対し、第2ブレーキ装置7bを閉じる指令を行なう。すると、切替制御装置41は、第2ブレーキ指令装置31に対し、第2ブレーキ装置7bの開放指令信号の出力を停止させて復帰指令信号を出力させることで(ステップS55)、スイッチ34をオフ状態として第2ブレーキ装置7bを閉じさせる(ステップS56)。
ブレーキ異常検出装置32は、第2ブレーキ指令装置31からの復帰指令信号を入力し、第2ブレーキ装置7bが閉じられた状態であると判別する。そして、ブレーキ異常検出装置32は、前述したように第2ブレーキ装置7bが開放状態であると判別してから閉じられた状態であると判別するまでの期間における速度検出装置13からの信号で示される速度の最大値が所定の閾値以上となっていた場合には(ステップS57のYES)、ステップS52の処理以降に閉じている第1ブレーキ装置7aによるブレーキ動作が異常であると判別し(ステップS15)、エレベータを速やかに非常停止させる(ステップS9)。
一方、ブレーキ異常検出装置32は、ステップS57の処理で「NO」と判別した場合には、切替制御装置41に対する、第2ブレーキ装置7bを閉じる指令の出力回数が所定の回数に達していない場合には(ステップS58のNO)、第2ブレーキ指令装置31に対し、第2ブレーキ装置7bの開放指令信号の出力を再び開始させる(ステップS58→S12)。
また、ブレーキ異常検出装置32は、第2ブレーキ装置7bを閉じる指令の出力回数が所定の回数に達した場合には(ステップS58のYES)、第1ブレーキ装置7aおよび第2ブレーキ装置7bの双方のブレーキ動作は正常であると判別する(ステップS18)。
以上のように、本発明の第5の実施形態におけるエレベータでは、二重化されている各ブレーキ装置の一方のON/OFFをブレーキ動作の異常の判別の前に繰り返し、このON/OFF期間中に閾値以上の電動機速度が検出された場合には、他方のブレーキ装置のブレーキ動作が異常であると判別するので、複数のブレーキのそれぞれが正常に作動しているか否かを個別に容易に検出することが可能になるとともに、検出にかかる乗りかご21の移動を抑えることができるようになるので、第1の実施形態で説明した特徴に加え、乗りかご21に人が乗っている場合の安全性が向上する。
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。本実施形態では、第5の実施形態と同様、前述した異常の検出のために片方のブレーキ装置を開放した直後に当該ブレーキ装置を閉じることで、ブレーキ動作が異常である場合の乗りかご21の移動量を抑えることを特徴としている。
図12は、本発明の第6の実施形態におけるエレベータの構成例を示す図である。本発明の第6の実施形態におけるエレベータでは、第5の実施形態と異なり、ブレーキ異常検出装置32は、第1ブレーキ指令装置30や第2ブレーキ指令装置31からの各種指令信号、および回転角検出装置17からの回転角検出信号を入力する。その他の構成は第5の実施形態と同じである。
図13は、本発明の第6の実施形態におけるエレベータによるブレーキ異常検出のための処理動作の一例を示すフローチャートである。
本実施形態では、ブレーキ異常検出装置32は、第1ブレーキ指令装置30、第2ブレーキ指令装置31及び回転角検出装置17からの信号を所定サンプリング周期毎に入力している。また、初期状態として、第1ブレーキ指令装置30および第2ブレーキ指令装置31からは開放指令信号は出力されておらず、スイッチ33,34はともにオフ状態であって、第1ブレーキ装置7aおよび第2ブレーキ装置7bはともに閉じているものとする。
まず、第5の実施形態と同様にステップS52までの処理がなされて第1ブレーキ装置7aを開放直後に閉じた状態で、ブレーキ異常検出装置32は、第1ブレーキ指令装置30からの復帰指令信号を入力し、第1ブレーキ装置7aが閉じられた状態であると判別する。そして、ブレーキ異常検出装置32は、前述したように第1ブレーキ装置7aが開放状態であると判別してから閉じられた状態であると判別するまでの期間における回転角検出装置17からの信号で示される回転角の最大値が所定の閾値以上となっていた場合には(ステップS61のYES)、当初から閉じていた第2ブレーキ装置7bによるブレーキ動作が異常であると判別し(ステップS6)、エレベータを速やかに非常停止させる(ステップS9)。
また、ブレーキ異常検出装置32は、ステップS61の処理で「NO」と判別した場合には、切替制御装置41に対する、第1ブレーキ装置7aを閉じる指令の出力回数が所定の回数に達していない場合には(ステップS54のNO)、第1ブレーキ指令装置30に対し、第1ブレーキ装置7aの開放指令信号の出力を再び開始させる(ステップS54→S3)。
また、ブレーキ異常検出装置32は、第1ブレーキ装置7aを閉じる指令の出力回数が所定の回数に達した場合には(ステップS54のYES)、当初から閉じていた第2ブレーキ装置7bによるブレーキ動作が正常であるとみなし、第2ブレーキ指令装置31に対し、第2ブレーキ装置7bの開放指令信号の出力を開始させることで、スイッチ34をオン状態とし、第2ブレーキ装置7bを開放させる(ステップS12→S13)。
この状態で、ブレーキ異常検出装置32は、第2ブレーキ指令装置31からの開放指令信号を入力し、第2ブレーキ装置7bが開放状態であると判別する。この状態となった直後、ブレーキ異常検出装置32は、切替制御装置41に対し、第2ブレーキ装置7bを閉じる指令を行なう。すると、切替制御装置41は、第2ブレーキ指令装置31に対し、第2ブレーキ装置7bの開放指令信号の出力を停止して復帰指令信号を出力することで(ステップS55)、スイッチ34をオフ状態として第2ブレーキ装置7bを閉じさせる(ステップS56)。
ブレーキ異常検出装置32は、第2ブレーキ指令装置31からの復帰指令信号を入力し、第2ブレーキ装置7bが閉じられた状態であると判別する。そして、ブレーキ異常検出装置32は、前述したように第2ブレーキ装置7bが開放状態であると判別してから閉じられた状態であると判別するまでの期間における回転角検出装置17からの信号で示される回転角の最大値が所定の閾値以上となっていた場合には(ステップS62のYES)、ステップS52の処理以降に閉じている第1ブレーキ装置7aによるブレーキ動作が異常であると判別し(ステップS15)、エレベータを速やかに非常停止させる(ステップS9)。
一方、ブレーキ異常検出装置32は、ステップS62の処理で「NO」と判別した場合には、切替制御装置41に対する、第2ブレーキ装置7bを閉じる指令の出力回数が所定の回数に達していない場合には(ステップS58のNO)、第2ブレーキ指令装置31に対し、第2ブレーキ装置7bの開放指令信号の出力を再び開始させる(ステップS57→S12)。
また、ブレーキ異常検出装置32は、第2ブレーキ装置7bを閉じる指令の出力回数が所定の回数に達した場合には(ステップS58のYES)、第1ブレーキ装置7aおよび第2ブレーキ装置7bの双方のブレーキ動作は正常であると判別する(ステップS18)。
以上のように、本発明の第6の実施形態におけるエレベータでは、二重化されている各ブレーキ装置の一方のON/OFFをブレーキ動作の異常の判別の前に繰り返し、このON/OFF期間中に閾値以上の電動機回転角が検出された場合には、もう一方のブレーキ装置のブレーキ動作が異常であると判別するので、複数のブレーキのそれぞれが正常に作動しているか否かを個別に容易に検出することが可能になるとともに、検出にかかる乗りかご21の移動を抑えることができるようになるので、第1の実施形態で説明した特徴に加え、乗りかご21に人が乗っている場合の安全性が向上する。
以上説明した実施形態では、片方のブレーキ装置を開放した場合の、乗りかご21が移動するか否かを判別するために指標として電動機速度や電動機回転角を用いたが、これに限らず、例えば加速度計、かご位置パルス、着床位置の検出結果により乗りかご21が移動するか否かを判別するようにしてもよい。
また、ブレーキ異常検出装置32による、片方のブレーキの開放を判別する際は、前述した開放指令信号に限らず、ブレーキスイッチ、ブレーキ電流、ブレーキギャップの変位センサの信号を用いてもよい。そして、ブレーキ装置のブレーキ動作の異常を検出した場合は、エレベータの非常停止を行なうと共に、エラー状態を記録したり異常値の発報を行ったりしてもよい。
また、それぞれのブレーキ装置の異常の検出のための動作の開始タイミングは、エレベータ停止中の所定タイミングに限らず、エレベータが停止するごとに、当該停止後に速やかにブレーキ装置の異常の検出のための動作を開始するようにしてもよい。
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を省略してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
1…客先電源、2…コンバータ装置、3…平滑コンデンサ、4…インバータ装置、7a…第1ブレーキ装置、7b…第2ブレーキ装置、8…ロープ、11…電流検出装置、12…電動機、13…速度検出装置、14…速度指令装置、15…速度制御装置、16…インバータ電流制御装置、17…回転角検出装置、20…シーブ、21…乗りかご、22…カウンタウェイト、30…第1ブレーキ指令装置、31…第2ブレーキ指令装置、32…ブレーキ異常検出装置、33,34…スイッチ、41…切替制御装置。

Claims (7)

  1. シーブに巻き掛けられてロープを介してカウンタウェイトと連結されて吊り下げられる乗りかごと、
    前記シーブを回転させる巻き上げ機と、
    前記乗りかごの走行速度の指令値を設定する速度指令手段と、
    前記巻き上げ機の回転角度を検出する回転角検出手段と、
    前記回転角検出手段により検出した回転角度をもとに前記巻き上げ機の回転速度を検出する速度検出手段と、
    前記速度指令手段により設定した速度指令値および前記速度検出手段により検出した速度検出値の偏差に基づいて前記巻き上げ機の回転速度制御のためのトルク指令値信号を出力するトルク指令出力手段と、
    前記トルク指令出力手段が出力した信号で示されるトルク指令値をもとに前記巻き上げ機への供給電流を制御する電流制御手段と、
    前記巻き上げ機の機械的な制動動作を行なう第1および第2のブレーキ装置と、
    前記第1のブレーキ装置への制動動作指令を行なう第1のブレーキ指令装置と、
    前記第2のブレーキ装置への制動動作指令を行なう第2のブレーキ指令装置と、
    前記第1および第2のブレーキ指令装置の一方により指令先のブレーキ装置の制動動作を有効として、かつ前記第1および第2のブレーキ指令装置の他方により指令先のブレーキ装置の制動動作を無効とした状態で、前記乗りかごの昇降動作を検出した場合に、前記制動動作が有効となる指令先のブレーキ装置の制動動作が異常であると検出する異常検出手段と
    を備えたことを特徴とするエレベータ。
  2. 前記ブレーキ異常検出手段は、
    前記第1および第2のブレーキ指令装置の一方により指令先のブレーキ装置の制動動作を有効として、かつ前記第1および第2のブレーキ指令装置の他方により指令先のブレーキ装置の制動動作を無効とした状態で、前記速度検出装置により検出した速度をもとに前記乗りかごの昇降動作の有無を検出する
    ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。
  3. 前記ブレーキ異常検出手段は、
    前記第1および第2のブレーキ指令装置の一方により指令先のブレーキ装置の制動動作を有効として、かつ前記第1および第2のブレーキ指令装置の他方により指令先のブレーキ装置の制動動作を無効とした状態で、前記回転角検出手段により検出した回転角度をもとに前記乗りかごの昇降動作の有無を検出する
    ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。
  4. 前記電流制御手段は、
    前記乗りかごとカウンタウェイトとの吊り合い状態が前記それぞれのブレーキ装置の作動が正常である場合の当該乗りかごの最大積載時の吊り合い状態となるように前記巻き上げ機への供給電流を制御し、
    前記異常検出手段は、
    前記電流制御手段により、前記乗りかごとカウンタウェイトとの吊り合い状態が当該乗りかごの最大積載時の吊り合い状態となるように前記巻き上げ機への供給電流を制御した後、前記第1および第2のブレーキ指令装置の一方により指令先のブレーキ装置の制動動作を有効として、かつ前記第1および第2のブレーキ指令装置の他方により指令先のブレーキ装置の制動動作を無効とした状態で前記乗りかごの昇降動作を検出した場合に、前記制動動作が有効となる指令先のブレーキ装置の制動動作が異常であると検出する
    ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。
  5. 前記異常検出手段は、
    前記第1および第2のブレーキ指令装置の一方により指令先のブレーキ装置の制動動作を有効として、かつ前記第1および第2のブレーキ指令装置の他方により指令先のブレーキ装置の制動動作を無効とし、この直後に前記第1および第2のブレーキ指令装置の他方により指令先のブレーキ装置の制動動作が有効となる指令を行ない、前記第1および第2のブレーキ指令装置の他方により指令先のブレーキ装置の制動動作が無効となっていた期間に前記乗りかごの昇降動作を検出した場合に、前記制動動作が有効となる指令先のブレーキ装置の制動動作が異常であると検出する
    ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。
  6. 前記異常検出手段は、
    前記乗りかごの停止中の所定のタイミングで、前記第1および第2のブレーキ指令装置の一方により指令先のブレーキ装置の制動動作を有効として、かつ前記第1および第2のブレーキ指令装置の他方により指令先のブレーキ装置の制動動作を無効とした状態で、前記乗りかごの昇降動作を検出した場合に、前記制動動作が有効となる指令先のブレーキ装置の制動動作が異常であると検出する
    ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。
  7. 前記異常検出手段は、
    前記乗りかごの走行終了毎に、前記第1および第2のブレーキ指令装置の一方により指令先のブレーキ装置の制動動作を有効として、かつ前記第1および第2のブレーキ指令装置の他方により指令先のブレーキ装置の制動動作を無効とした状態で、前記乗りかごの昇降動作を検出した場合に、前記制動動作が有効となる指令先のブレーキ装置の制動動作が異常であると検出する
    ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。
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