JP2008222358A - エレベーターの制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】独立に動作する第1のブレーキ12及び第2のブレーキ13と、かご内に積載された負荷を検出するかご内負荷検出手段4と、モータの回転位置を検出する位置検出手段と、モータの回転位置に応じてトルク指令及びブレーキ解放指令を出力する全体制御手段19と、を備え、かご内負荷検出手段がかご内は無負荷状態であることを検出した時に、第1のブレーキ又は第2のブレーキのいずれか一方のみを解放した上で、モータに対し予め任意に設定した補償トルクを印加した状態にし、位置検出手段によりモータの回転位置の変動量を計測し、この計測値が滑り検出閾値以上であった場合に、第1のブレーキ又は第2のブレーキのうち解放していない他方のブレーキの制動力低下を検出する。
【選択図】図1
Description
さらに、係るエレベーターの制御装置においては、ガイドシューとガイドレールとの間の摩擦等に起因する制動力(ここでは、「昇降路ロストルク」と呼ぶことにする。)についての考慮がなされていないために、電磁ブレーキの制動力と昇降路ロストルクとの和を対象として電磁ブレーキの性能を評価してしまっており、正確な電磁ブレーキの制動力を対象としたブレーキ異常の検査を行うことができない、という課題がある。
また、第2の目的は、ガイドシューとガイドレールとの間の摩擦等に起因する制動力(昇降路ロストルク)を考慮に入れた上で、正確な電磁ブレーキの制動力を対象としたブレーキ異常の検査を行うことができるエレベーターの制御装置を得るものである。
また、ガイドシューとガイドレールとの間の摩擦等に起因する制動力(昇降路ロストルク)を考慮に入れた上で、正確な電磁ブレーキの制動力を対象としたブレーキ異常の検査を行うことができるという効果も合わせ奏する。
図1及び図2は、この発明の実施の形態1に関するもので、図1はエレベーターの制御装置の全体を示す構成図、図2はエレベーターの制御装置の動作を示すフローチャートである。
図1において、エレベーターの昇降路(図示せず)にはかご1が配置されており、前記かご1は各階床2に停止するようになっている。前記かご1にはかご戸(図示せず)の開閉を制御するドア制御装置3と、前記かご1内の負荷状態を検査し、これが無負荷である場合に無負荷検出信号Lsを出力するかご内負荷検出器4と、が設置されている。また、前記かご1には前記かご戸の開閉可能範囲である戸開ゾーンを検出する戸開ゾーン検出器5が設置され、前記昇降路には前記戸開ゾーン検出器5に対向するように検出板6が配設されている。
前記昇降路上方の機械室(図示せず)には、巻上モータ7を備えた巻上機(図示せず)が設置されている。前記巻上モータ7の回転軸に軸着された駆動綱車8には主索9が巻き掛けられ、前記主索9の一端には前記かご1が、他端には釣合い重り10が結合されている。また、前記巻上モータ7の回転軸にはパルス発生器11が取付されている。そして、前記巻上モータ7には互いに独立した第1の電磁ブレーキ12及び第2の電磁ブレーキ13が設けられており、各々は、ばね(図示せず)の作用で前記巻上モータ7を制動する第1のブレーキシュー12a及び第2のブレーキシュー13a、並びに、付勢されると前記第1のブレーキシュー12a及び前記第2のブレーキシュー13aをそれぞれ独立に吸引して制動を解除する第1のブレーキコイル12b及び第2のブレーキコイル13bを有している。また、前記第1のブレーキシュー12a及び前記第2のブレーキシュー13aの動作をそれぞれ独立に検出する第1のブレーキスイッチ14及び第2のブレーキスイッチ15が設けられている。
前記入力ポート23には、前記戸開ゾーン検出器5、前記パルス発生器11、前記第1のブレーキスイッチ14及び前記第2のブレーキスイッチ15が接続され、前記出力ポート24には、前記ドア制御装置3、前記常開接点16a、16b及び17a、17b並びに電力変換装置26が接続されている。そして、前記電力変換装置26は前記巻上モータ7に接続されている。なお、前記ブレーキ解放指令Bs1及びBs2は、それぞれ独立に出力することが可能なように構成されている。
このようにして前記かご1が昇降し、呼び登録のある前記階床2に着床して、前記戸開ゾーン検出器5が前記検出板6に対向すると、前記戸開ゾーン検出器5から階床検出信号Zsが生成され、前記入力ポート23を介して前記全体制御装置19へと入力される。これにより、前記全体制御装置19は前記かご1が停止したと判定し、前記電力変換装置26へ出力していた前記トルク指令Tsを断つとともに、前記常開接点16a、16bに対するブレーキ解放指令Bs1及び前記常開接点17a、17bに対するブレーキ解放指令Bs2を遮断する。これで、前記常開接点16a、16b及び17a、17bは開放するため、前記ばねの作用により前記第1のブレーキシュー12a及び前記第2のブレーキシュー13aが前記巻上モータ7を制動する。
ステップS1で前記かご1が停止中であることを確認し、ステップS2でかご呼び登録がないことを確認した上で、ステップS3で前記かご1内が無負荷であることが確認できれば、ステップS4に移行し、前記全体制御装置19は、前記電力変換装置26に対し、予め任意に設定した前記昇降路ロストルクに相当するトルク(ここでは、「補償トルク」と呼ぶ。)を前記不平衡トルクの向きに印加するよう指令を出力する。その後、ステップS5で前記全体制御装置19は前記第2の電磁ブレーキ13に対するブレーキ解放指令Bs2を出力し、前記常開接点17a、17bが閉成して前記第2のブレーキコイル13bが励磁され、前記第2のブレーキシュー13aを吸引することにより、前記第2の電磁ブレーキ13を解放する。
そして、ステップS6で、前記第2のブレーキスイッチ15の動作を確認し、前記第2の電磁ブレーキ13の解放動作が検出できなければ、異常と判断してステップS20に移行し、前記全体制御装置19は出力していた前記ブレーキ解放指令Bs2を遮断して前記第2の電磁ブレーキ13を制動動作させ、ステップS21で印加していた前記補償トルクを解除した上で、ステップS22においてエレベーターを起動不能とし、一連のフローを終了する。
また、その計測値が所定値A以上でなければ、ステップS8に移行し、出力パルスPの計測値が所定値B(静止検出所定値)以下かを判定する。所定値B以下であれば前記第1の電磁ブレーキ12は正常、すなわち静止保持状態にあると判定してステップS9に移り、前記全体制御装置19は出力していた前記第2の電磁ブレーキ13に対する前記ブレーキ解放指令Bs2を遮断して前記第2の電磁ブレーキ13を制動動作させた上で、前記第2の電磁ブレーキ13の検査へと進む。
一方、ステップS8において、その計測値が所定値B以下でなければ、ステップS10で所定時間(約1秒間)経過するのを待ってからステップS11に移行する。ステップS11では前記所定時間における出力パルスPの積算値が規定値C(例えば1mm)以下であるかを判定する。積算値が規定値C以下であれば、前記第1の電磁ブレーキ12は正常、すなわち静止保持状態にあると判定してステップS9に移り、前記第2の電磁ブレーキ13を制動動作させた上で、前記第2の電磁ブレーキ13の検査へと進む。
逆に積算値が規定値Cを超えていた場合は、前記第1の電磁ブレーキ12に異常が発生したと判定し、ステップS20及びステップS21を経由してステップS22に至り、エレベーターを起動不能とし、一連のフローを終了する。
すなわち、ステップS12で前記全体制御装置19は前記第1の電磁ブレーキ12に対するブレーキ解放指令Bs1を出力し、前記常開接点16a、16bが閉成して前記第1のブレーキコイル12bが励磁され、前記第1のブレーキシュー12aを吸引することにより、前記第1の電磁ブレーキ12を解放する。
そして、ステップS13で、前記第1のブレーキスイッチ14の動作を確認し、前記第1の電磁ブレーキ12の解放動作が検出できなければ、異常と判断してステップS23に移行し、前記全体制御装置19は出力していた前記ブレーキ解放指令Bs1を遮断して前記第1の電磁ブレーキ12を制動動作させ、ステップS21で印加していた前記補償トルクを解除した上で、ステップS22においてエレベーターを起動不能とし、一連のフローを終了する。
また、その計測値が所定値A以上でなければ、ステップS15に移行し、出力パルスPの計測値が所定値B(静止検出所定値)以下かを判定する。所定値B以下であれば前記第2の電磁ブレーキ13は正常、すなわち静止保持状態にあると判定してステップS16に移り、前記全体制御装置19は出力していた前記第1の電磁ブレーキ12に対する前記ブレーキ解放指令Bs1を遮断して前記第1の電磁ブレーキ12を制動動作させ、ステップS17で印加していた前記補償トルクを解除した上で、一連のフローを終了する。
一方、ステップS15において、その計測値が所定値B以下でなければ、ステップS18で所定時間(約1秒間)経過するのを待ってからステップS19に移行する。ステップS19では前記所定時間における出力パルスPの積算値が規定値C(例えば1mm)以下であるかを判定する。積算値が規定値C以下であれば、前記第2の電磁ブレーキ13は正常、すなわち静止保持状態にあると判定してステップS16に移り第1の電磁ブレーキ12を制動動作させ、ステップS17で印加していた前記補償トルクを解除した上で、一連のフローを終了する。
逆に積算値が規定値Cを超えていた場合は、前記第2の電磁ブレーキ13に異常が発生したと判定し、ステップS23及びステップS21を経由してステップS22に至り、エレベーターを起動不能とし、一連のフローを終了する。
つまり、仮に何らかの異常が発生し、一方の電磁ブレーキが動作不良をきたし、かつ、前記昇降路ロストルクが前記検査時点より減少してしまったとしても、少なくとも定格負荷までであれば積載した前記かご1を静止保持可能なことを検査することができた、ということになる。
そして、これらのことから、エレベーターの信頼性を向上させることが可能である。
図3は、この発明の実施の形態2に関するもので、エレベーターの制御装置の特性曲線図である。
前記実施の形態1の図2ステップS4において印加した補償トルクは、予め任意に設定した前記昇降路ロストルクに相当するトルクであった。しかし、前記昇降路ロストルクはエレベーターの機械仕様や状態により変化するものであるので、必要に応じて随時この昇降路ロストルク値を測定しておくことにより、さらに正確な電磁ブレーキの制動力を対象としたブレーキ異常の検査を行うことができる。
まず、前記かご1を最下階−最上階間往復運転する。その際の上昇運転時及び下降運転時におけるそれぞれの前記電力変換装置26への前記トルク指令Tsの波形が図3(a)に示すものである。ここで、昇降路中間位置Zcとし、上昇運転時の昇降路中間位置Zcにおけるトルク指令値をTBUM、下降運転時の昇降路中間位置Zcにおけるトルク指令値をTBDMとして、求める昇降路ロストルクの大きさTLOSSを次式により算出する。なお、ここでは、前記かご1を上昇させる向きのトルク指令を正符号、前記かご1を下降させる向きのトルク指令を負符号で表すものとしている。
2 階床
3 ドア制御装置
4 かご内負荷検出器
5 戸開ゾーン検出器
6 検出板
7 巻上モータ
8 駆動綱車
9 主索
10 釣合い重り
11 パルス発生器
12 第1の電磁ブレーキ
12a 第1のブレーキシュー
12b 第1のブレーキコイル
13 第2の電磁ブレーキ
13a 第2のブレーキシュー
13b 第2のブレーキコイル
14 第1のブレーキスイッチ
15 第2のブレーキスイッチ
16a、16b、17a、17b 常開接点
18 直流電源
19 全体制御装置
20 CPU
21 ROM
22 RAM
23 入力ポート
24 出力ポート
25 バス
26 電力変換装置
Claims (3)
- 主索を介してかごと釣合い重りとを昇降させる巻上機と、
前記巻上機に組込まれたモータと、
前記モータに電力を供給する電力変換手段と、を備えたつるべ式エレベーターの制御装置において、
第1のブレーキシューと、第1のブレーキコイルを有し前記第1のブレーキシューを作動させる作動機構と、を具備する第1のブレーキと、
第2のブレーキシューと、第2のブレーキコイルを有し前記第2のブレーキシューを作動させる作動機構と、を具備し、前記第1のブレーキとは独立して動作する第2のブレーキと、
前記第1のブレーキコイル及び前記第2のブレーキコイルのそれぞれに独立して通電することにより前記第1のブレーキ及び前記第2のブレーキのそれぞれを独立に制御可能なブレーキ制御装置と、
前記かご内に積載された負荷を検出するかご内負荷検出手段と、
前記モータの回転位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段が検出した回転位置に応じて前記電力変換手段に電力指令を入力するとともに、前記ブレーキ制御装置にブレーキ解放指令を入力する全体制御手段と、を備え、
前記かご内負荷検出手段が前記かご内は無負荷状態であることを検出した時に、前記ブレーキ制御装置を介して前記第1のブレーキコイル又は前記第2のブレーキコイルのいずれか一方のみに通電し、これに対応する前記第1のブレーキ又は前記第2のブレーキのいずれか一方のみを解放した上で、前記電力変換手段を介して前記モータに対し予め任意に設定した補償トルクを印加した状態にし、前記位置検出手段により前記モータの回転位置の変動量を計測し、この計測値が滑り検出閾値以上であった場合に、前記第1のブレーキ又は前記第2のブレーキのうち解放していない他方のブレーキの制動力低下を検出することを特徴とするエレベーターの制御装置。 - 前記補償トルクは昇降路ロストルクであることを特徴とする請求項1に記載のエレベーターの制御装置。
- 前記かごの昇降中に前記モータに印加されるトルクに基づいて、前記昇降路ロストルクを算出する昇降路ロストルク算出手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載のエレベーターの制御装置。
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