JP2010207342A - 医療機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】拡張、又は縮小の際の応答性に優れ、且つ体壁に接する接触面積が大きい固定部を備えた医療機器を提供する。
【解決手段】本発明に係る医療機器1は、体腔内に挿入される挿入部2と、前記挿入部2に設けられ、前記体腔壁と当接することで前記挿入部2を前記体腔に対し固定する固定ユニット3とを有し、前記固定ユニット3は、複数の切片6同士が環状に連結されることで前記挿入部2Aの周方向に拡径可能に構成された拡径部4と、前記拡径部4に対し拡径するための駆動力を伝達するために前記拡径部4に接続された伝達部5と、を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、挿入部を体腔に対して固定可能な固定部を有する医療機器に関する。
内視鏡は、挿入部を経肛門的、経口的、又は経鼻的に体腔内に挿入して、診断、観察或いは処置等に用いられる。内視鏡の挿入部を例えば大腸の深部へ挿入する場合、腸管が複雑に屈曲しているため、単に挿入部を押し入れていくだけでは、内視鏡先端に力が伝わりにくく、深部への挿入は困難である。このため、大腸への挿入手技においては、湾曲操作、捻り操作、引き戻し操作などの手元操作などが行われてきた。
大腸への挿入手技を容易にするため、内視鏡の挿入部を大腸の腸壁に固定可能な固定部としてのバルーンを有する内視鏡が特許文献1に提案されている。この特許文献1には、第2バルーンを有するチューブ本体の先端に送気チューブを介して第1バルーンを取り付けたオーバーチューブを有するダブルバルーン式内視鏡装置に関する技術が開示されている。
また、空気等の流体注入によるバルーンの拡張以外の固定部として、例えば、特許文献2の内視鏡装置が開示されている。この特許文献2の図10、11には、押圧片及びばねで構成された第1の固定保持部及び第2の固定保持部を内視鏡先端部に夫々設け、前記押圧片をばねにより付勢することで、内視鏡先端を大腸の腸壁に固定する技術が開示されている。
特開2006−271992号公報 特開2004−97391号公報
しかしながら、固定部としてバルーンを用いた特許文献1に記載の技術では、第1バルーン及び第2バルーンを、空気等の流体を注入することで拡張し、流体を排出することで収縮させている。そのため、第1バルーン及び第2バルーンの膨縮に時間がかかるという問題があった。
また、固定部として、押圧片及びばねを用いた特許文献2に記載の技術では、前記押圧片及び前記ばねが、内視鏡先端部の外周面に、例えば3個ずつ設けられている。そのため、押圧片の押圧面の幅寸法を合わせた寸法が最大で外周の長さになる。つまり、押圧片の接触面積が内視鏡の先端部の外周の長さに依存していた。
本発明は前記問題点に鑑みてなされたもので、拡張、又は縮小の際の応答性に優れ、且つ体壁に接する接触面積が大きい固定部を備えた医療機器を提供することを目的とする。
本発明の医療機器は、体腔内に挿入される挿入部と、前記挿入部に設けられ、前記体腔壁と当接することで前記挿入部を前記体腔に対し固定する固定部とを有する医療機器において、前記固定部は、複数の切片同士が環状に連結されることで前記挿入部の周方向に拡径可能に構成された拡径部と、前記拡径部に対し拡径するための駆動力を伝達するために前記拡径部に接続された伝達部と、を具備したことを特徴とする。
本発明の医療機器によれば、拡張、又は縮小の際の応答性に優れ、且つ体壁に接する接触面積が大きい固定部を備えることができる。
本発明の第1の実施に係る医療機器の構成を示す斜視図。 図1の固定部を構成する拡径部及び伝達部の構成を説明するもので、拡径部及び伝達部を構成する切片を示す斜視図。 2つの切片を連結部材で連結する状態を示す斜視図。 、図3の状態からさらに複数の切片をリンク状に連結した状態を示す斜視図。 図1の駆動部の駆動軸と伝達部とを連結する連結部材の構成を示す斜視図。 図1の拡径部の切片と伝達部の切片とを連結する連結部材の構成を示す斜視図。 図1の固定部の拡径部が拡径された状態を示す側面図。 図1の固定部の拡径部が縮小された状態を示す側面図。 本発明の第2の実施の形態の医療機器の構成を示す模式図。 図9のA矢印方向からみた構成図。 固定ユニットの拡径部を拡径して腸壁内に挿入部を固定した状態でS結腸部を手繰り寄せる作用を説明する説明図。 固定ユニットの拡径部を拡径して腸壁内に挿入部を固定した状態で脾湾曲部を手繰り寄せて短縮させる作用を説明する説明図。 第2の実施の形態の医療機器の変形例1の構成を説明するための断面図。 第2の実施の形態の医療機器の変形例2の構成を説明するための断面図。 第2の実施の形態の医療機器の変形例3の構成を説明するための断面図。 本発明の第3の実施の形態の医療機器の構成を示す構成図。 第3の実施の形態の医療機器の作用を説明する説明図で、挿入方向に対して基端側の固定ユニットを拡径して固定した状態を示す図。 図17に示す状態から長手方向伸縮部を伸長させて進めた状態を示す図。 図18に示す状態から挿入方向の先端側の固定ユニットを拡径して固定すると同時に基端側の固定ユニットを収縮した状態を示す図。 図19に示す状態から長手方向伸縮部を収縮して医療機器を挿入方向に進めた状態を示す図。 カプセル型内視鏡の観察窓以外の医療機器全体をカバー部材によって覆うように構成した場合の構成図。 本発明の第4の実施の形態の医療機器の構成を示す構成図。 第4の実施の形態の医療機器の作用を説明する説明図で、挿入方向に対して先端側の固定ユニットを拡径して固定した状態を示す図。 図23に示す状態から先端側の固定ユニットを収縮すると同時に後段の固定ユニットを拡径することで挿入方向に進めた状態を示す図。 図24に示す状態から拡径した固定ユニットを収縮すると同時に、基端側器を挿入方向に進めた状態を示す図。 第4の実施の形態の医療機器の変形例4を示す構成図。 リニアアクチュエータの変形例のアクチュエータの構成図。 リニアアクチュエータの他の変形例のアクチュエータの構成図 本発明の第5の実施の形態の医療機器の構成を示す構成図。 第5の実施の形態の医療機器の作用を説明する説明図で、第1及び第2のバルーンを収縮して体腔内に挿入した状態を示す図。 図30に示す状態から後端側の第2のバルーンを膨らませて固定ユニットを拡径して固定した状態を示す図。 図31に示す状態から先端側の第1のバルーンを膨らませて固定ユニットが設けられた摺動筒部材を後端側に移動させて医療機器を挿入方向に進めた状態を示す図。 図32の状態から第2のバルーンを収縮させて固定ユニットを収縮して固定状態を解除した状態を示す図。 図34の状態から第1のバルーンを収縮させて摺動筒部材を挿入方向に引き寄せて進めた状態を示す図。 第1のバルーン及び第2のバルーンの変形例を示す構成図。 固定ユニットの拡径部を拡径/収縮させる手段の変形例を示す構成図。 本発明の第6の実施の形態の医療機器に設けられた拡径部付き処置具の構成を示す断面図。 図38の拡径部付き処置具の固定ユニットを操作するための操作部を示す構成図。 第6の実施の形態の医療機器の作用を説明する説明図であり、径が収縮する様子を示す図。 本発明の第7の実施の形態の医療機器の構成を示す断面図。 図40の医療機器を小腸に挿入した場合の動作を説明する説明図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態に係る医療機器について説明する。
(第1の実施の形態)
図1から図8は、本発明の医療機器の第1の実施の形態に係り、図1は医療機器の構成を説明する図、図2から図4は、固定部を構成する拡径部及び伝達部の構成を説明するもので、図2は拡径部及び伝達部を構成する切片を示す斜視図、図3は2つの切片を連結部材で連結する状態を示す斜視図、図4は図3の状態からさらに複数の切片同士を連結した状態を示す斜視図、図5は駆動部の駆動軸と伝達部とを連結する連結部材の構成を示す斜視図、図6は拡径部の切片と伝達部の切片とを連結する連結部材の構成を示す斜視図、図7は拡径部が拡径された状態を示す側面図、図8は拡径部が縮小された状態を示す側面図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る医療機器1は、体腔内に挿入される挿入部2の先端側に、この挿入部2を体壁に対し固定する固定ユニット3を有している。
固定ユニット3は、固定部を構成する拡径部4及び伝達部5と、駆動ユニット11とを有して構成される。拡径部4は、複数の切片6同士を環状に連結して挿入部2の周方向に拡径可能に構成されている。伝達部5は、複数の切片6同士を帯状に連結して拡径部4に対して、拡径するための駆動力を伝達する。伝達部5の切片6は、拡径部4を構成する切片6に接続される。駆動ユニット11は、伝達部5に接続され、拡径部4に対し拡径するための駆動力を発生する駆動部を構成する。本実施形態において、駆動ユニット11の本体部13は、挿入部2内に設けられている。
尚、挿入部2とは、内視鏡の挿入部、又はカプセル型内視鏡の外形を構成する内視鏡本体、又は長尺なオーバーチューブ等、体腔内に挿入される挿入部位を指す。
前記固定ユニット3の構成について、図1から図8を用いて説明する。
図1に示すように拡径部4は、複数の切片6によって構成される。これら複数の切片6は、図2に示すように回動中心部6Aと、隣り合う切片6同士を回動可能に連結する連結部6Bを両端部に有している。
回動中心部6Aは、切片6の長手方向の略中心に設けられ、孔6aが形成されている。両端部の連結部6Bには、孔6bが夫々形成されている。図3に示すように切片6同士は、回転軸中心部6Aに設けられた孔6aに、連結部材としての例えばリベット7の取付部7aを挿通し、この取付部7aに受け部7bを嵌め込むことで、回動自在に連結される。
そして、連結された双方の切片の6の連結部6Bは、図4に示すようにそれぞれ他の切片6の連結部6Bをそれぞれ重ね合わせた状態で、連結部6Bのそれぞれの孔6bにリベット7の取付部7aを挿通し、この取付部7aに受け部7bを嵌め込んで、回動自在に連結される。
そして、図4で説明した連結作業を繰り返し、例えば24個の切片6を連結することによって、図1に示した環状の拡径部4が構成される。この拡径部4を構成する複数の切片6は、挿入部2の外周に沿うように円周状に配置され、複数の回動中心部6Aはその円周線(図1の符号3C参照)上に配置される。
拡径部4を構成する複数の切片6は、連結状態を維持したまま回動し、隣り合う切片6の連結部6B間の間隔6BL(図1参照)が変化することにより拡径、又は収縮される。具体的に、間隔6BLが狭まることによって拡径し、拡がることによって縮径する。
つまり、拡径部4は、隣り合う切片6を回動可能に連結したリンク機構として構成されている。つまり、拡径部4は、伝達部5によって切片6の一つを動かすことにより、この動きに連動して全ての切片6が拡径又は収縮するリング状のパンタグラフ(マルチサイザー構造(Multi scissors)、或いはエクスパンダブル構造(Expandable construction )ともいう)として構成されている。
伝達部5は、前記拡径部4の複数の切片6の少なくとも1つに対し、複数の切片6を回動させるための駆動力を伝達する。
具体的に、伝達部5は、拡径部4との接続状態を維持したまま伸縮する一対の伸縮部5A、5B、5Cを有している。
これら3つの伸縮部5A、5B、5Cは、駆動軸12から拡径部4の円周線方向に放射状に、且つ等間隔となるように配置される。即ち、後述する駆動軸連結部材9に設ける3つの折曲部9aを、周方向に120度間隔で設ける。このことによって、駆動軸12からの駆動力を効率良く拡径部4に伝達することができる。
これら伸縮部5A、5B、5Cは、前記拡径部4と同様に複数の切片6で構成され、前記拡径部4と同様に複数の切片6同士をリンク機構で連結したことにより伸縮可能な構成である。
伸縮部5A、5B、5Cの端部は、それぞれ拡径部4と駆動ユニット11とに連結される。伸縮部5A、5B、5Cを構成する複数の切片6の内、拡径部4が形成する円周線3C側に位置する2つの切片6は、連結部材8を介して、拡径部4を構成する隣り合う2つの切片6の回動中心部6Aにそれぞれ回動可能に連結される。
連結部材8は、図6に示すように、例えばL字状に形成され、略直角に折曲された2つの折曲部8a、8aを有している。折曲部8a、8aには、それぞれリベット7の取付部7aが挿通する孔8b、8bが形成されている。
一方、伸縮部5A、5B、5Cを構成する複数の切片6の内、拡径部4が形成する円周線3Cの中心側に位置する2つの切片のうち一方は、駆動軸12に軸支された駆動軸連結部材9に回動可能に連結され、他方は駆動ユニット11に固定された固定連結部材10に回動自在に連結される。
駆動軸連結部材9は、図5に示すように軸部に対して所定角度で設けられた3つの折曲部9a、9a、9aと、駆動ユニット11の駆動軸12を挿通して嵌着するための取付孔9cとを有して構成される。折曲部9aにはリベット7の取付部7aが挿通する孔9bが形成されている。前記所定角度は、一対の伸縮部5A、5B、5Cによって効率良く駆動力を拡径部4に伝達できる角度、すなわち120゜に設定される。
尚、伝達部5は、3つの伸縮部5A、5B、5Cを備えた構成に限定されることはなく、複数の伸縮部を設ける構成であっても良い。
また、前記拡径部4及び伝達部5に用いられる切片6は、生体適合性のある材質を用いて弾性力を有する板状に形成されている。生体適合性のある部材としては、例えば、ポリプロピレン等の樹脂製、或いはステンレス等の金属製である。切片6は、摺動性を有することが望ましい。
さらに、拡径部4を構成する切片6の幅寸法は、拡径部4を収縮させた際の径寸法に影響を与え、幅寸法を狭く形成することにより、収縮した際の径を小さくするのに有効である。一方、拡径部4を構成する切片6の長さは、拡径部4を収縮させた際の長手方向の長さに影響を与える。そのため、切片6の長さは、必要に応じて適宜設定される。
また、切片6の幅及び長さは、大腸等の体壁に当接する接触面積に影響する。したがって、体壁への固定力、収縮した際の拡径部4の径寸法等を考慮して設定される。
次に、複数の切片6を用いて構成される、拡径部4の組立て及び伸縮部5A、5B、5Cの組み立てについて説明する。
まず、図3に示すように一方の切片6の回動中心部6Aに、もう一方の切片6の回動中心部6Aを重ねるように配置する。そして、重ねられた切片6同士を回動自在に連結する。
次に、図4に示すように、連結された双方の切片の6の連結部6Bに、それぞれ他の連結された切片6の連結部6Bを回動自在に連結する。そして、連結された切片6の連結部6B同士を連結する作業を繰り返し、図1に示した環状の拡径部4を形作る。
次いで、一対の伸縮部5A、5B、5Cを組み立てる。このとき、例えば4個の切片6をそれぞれ、図3、図4で説明したように連結し、図1に示した伸縮自在な伸縮部5A、5B、5Cを形作る。
次に、組み立てた拡径部4と伸縮部5A、5B、5Cとを連結する。
さらに、拡径部4の所定位置に配置された2つの切片6の連結部6Bと、伸縮部5Aの一端側に配置された2つの切片6の連結部6Bとを、連結部材8を介して回動自在に連結する。
その際、まず、拡径部4の所定の2つの切片の内、一方の切片6の連結部6Bの孔6b及び連結部材8の一方の折曲部8aの孔8bにリベット7の取付部7aを挿通し、この取付部7aに受け部7bを嵌め込み、拡径部4の切片6に連結部材8を回動自在に連結する。
次に、連結部材8の他方の折曲部8aの孔8a及び伸縮部5Aの一方の切片6の連結部6Bの孔6bにリベット7の取付部7aを挿通し、この取付部7aに受け部7bを嵌め込み、伸縮部5Aの一方の切片6を連結部材8に回動自在に連結する。
その後、拡径部4のもう一方の切片6にも、前述と同様に連結部材8を介して前記伸縮部5Aの他方の切片6を回動自在に連結する。
尚、伸縮部5Bと拡径部4との連結、及び伸縮部5Cと拡径部4との連結についても、前記伸縮部5Aの連結作業と同様に行う。これにより、一対の伸縮部5A、5B、5Cの拡径部4への連結を完了する。
上述において拡径部4を24個の切片6で構成し、一対の伸縮部5A、5B、5Cをそれぞれ4個の切片6で構成するとしている。しかし、拡径部4及び伸縮部5A、5B、5Cを構成する切片6の数は、これらに限定されるものではなく、体壁への固定力、拡径部4の径寸法を考慮して適宜、数を設定する。
次に、拡径部4に連結されている一対の伸縮部5A、5B、5Cを、駆動ユニット11に連結する。
その際、まず、伸縮部5Aの一方の切片6の連結部6Bの孔6b及び予め駆動ユニット11の先端側に固定された連結部材10の折曲部10aの孔にリベット7の取付部7aを挿通し、この取付部7aに受け部7bを嵌め込むことで、伸縮部5Aの一方の切片6を連結部材10に回動自在に連結する。
次に、伸縮部5Aの他方の切片6の連結部6Bの孔及び予め駆動ユニット11の駆動軸12に装着された駆動軸連結部材9の折曲部9aの孔9aにリベット7の取付部7aを挿通し、この取付部7aに受け部7bを嵌め込むことで、伸縮部5Aの他方の切片6を駆動軸連結部材9に回動自在に連結する。
そして、伸縮部5Bの2つの切片6、及び伸縮部5Cの2つの切片6についても、前記伸縮部5Aと同様に、連結部材10及び駆動軸連結部材9に回動自在に連結する。
こうして、図1に示すように挿入部2に、挿入部2の周方向に拡径可能な拡径部4と、この拡径部4に対し拡径するための駆動力を伝達するための伝達部5と、駆動力を発生する駆動ユニット11とを備えた固定ユニット3が装着される。
尚、駆動ユニット11は、本体部13内に設けられて突出する駆動軸12が、挿入部2の挿入軸方向に進退可能に構成されている。また、この駆動ユニット11は、図示しない信号ケーブルによって、内視鏡2の操作部を介してコントロールユニットに接続され、駆動に必要な電源が供給される。そして、駆動ユニット11の駆動軸12の進退駆動は、図示しない操作部に設けたスイッチ操作に基づき、コントロールユニットによって制御される。
次に、第1の実施の形態の作用について、図7及び図8を用いて説明する。
図7、図8に示す固定ユニット3を大腸に挿入される内視鏡の挿入部2に配設し、大腸の所望の部位において固定し、観察を行うものとする。
術者は、予め、図示しない操作部のスイッチを操作して、固定ユニット3の拡径部4を、図8に示すように収縮させ、この収縮させた状態で、大腸への挿入を行う。
ここで、固定ユニット3の拡径部4を収縮させる動作を説明する。
拡径部4を収縮させる場合、術者のスイッチ操作によって、駆動ユニット11の駆動軸12を挿入部2の挿入方向(前方方向)に移動させる。
駆動軸12が挿入部2の前方方向に移動すると、この駆動軸12に固定された駆動軸連結部材9に連結されている伸縮部5A、5B、5Cの切片6の連結部6Bが夫々、前方方向に移動する。
すると、伸縮部5A、5B、5Cの隣り合う切片6の連結部6B間の距離12Lが大きくなっていくことにより、これら切片6の他方の連結部6B側が円周線3Cの中心側に近づいてくる。そして、この切片6の他方の連結部6Bの中心軸方向への移動に連動して伸縮部5A、5B、5Cを構成する他の切片6も円周線3Cの中心側に近づいてくる。その結果、図1に示すように拡径していた拡径部4が、円周線の中心側に向かって収縮して、図8に示す収縮状態になる。
固定ユニット3を有する挿入部2を大腸に挿入して、挿入部2を大腸の所定箇所で固定する場合を説明する。
この場合、術者は、操作部のスイッチ操作を行って、駆動ユニット11の駆動軸12を挿入部2の手元側方向に移動させる。
駆動軸12が挿入部2の手元側方向に移動すると、この駆動軸12に固定された駆動軸連結部材9に連結されている伸縮部5A、5B、5Cのそれぞれの切片6の連結部6Bが手元側方向に移動する。
すると、伸縮部5A、5B、5Cの隣り合う切片6の連結部6B間の距離12Lが小さくなっていくことにより、これら切片6の他方の連結部6Bが円周線外側に向かって移動する。そして、この切片6の他方の連結部6Bの外側の移動に連動して伸縮部5A、5B、5Cを構成する他の切片6も円周線3C外側に移動していく。その結果、図8に示すように収縮していた拡径部4は、図1又は図7に示すように拡径した状態になり、拡径部4の複数の切片6がそれぞれ大腸の腸壁内に当接する。
このとき、拡径部4の円周は、挿入部2の先端部の円周に比べて遙かに大きく、腸壁の全周に当接するので、固定ユニット3による大きな固定力を得られるので、挿入部2を所望する箇所に確実に固定することができる。
また、拡径部4を構成する複数の切片6は、弾力性があり、リベット7によって複数の切片6が連結される構成で複数の凹凸を形成しているので、腸壁から滑ることなく安定した接触状態を得ることができる。
また、駆動ユニット11の駆動軸12の駆動に伴って拡径部4が拡径、収縮するので、従来技術の空気等、流体の注入によるバルーンの膨縮に比べて応答性が格段に優れ、拡径と収縮と短時間で切り換える事が出来る。
従って、第1の実施の形態によれば、拡張又は収縮するための応答性を向上することができ、且つ体壁への接触面積を大きくして安定した固定力を得ることができる固定ユニット3を備えた内視鏡を実現できる。
(第2の実施の形態)
図9及び図10は、本発明の医療機器の第2の実施の形態に係り、図9は医療機器の構成を示す模式図、図10は図9のA矢印方向からみた図である。尚、第2実施形態において、第1の実施の形態の医療機器と同様の構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
第2の実施の形態の医療機器1Aは、内視鏡2による観察を確実にするための改良がなされている。具体的に、医療機器1Aは、内視鏡2の挿入部2の湾曲部方向に固定ユニット3を有して構成される。
内視鏡2の挿入部2の先端部21には、例えば観察部位を観察する観察窓21a及びこの観察窓21aを洗浄するための洗浄ノズル(図示せず)等が設けられている。先端部21の後端側には湾曲部20を備えている。
先端部21内には、観察窓から入射した光像を電気信号に変換する固体撮像素子を含む撮像ユニット(図示せず)が設けられている。図10に示すように挿入部2内には、送気管路20a、送水管路20b、吸引管路を兼ねる処置具チャンネル20c、撮像ユニットから延出する撮像ケーブル、及び前記固定ユニット3に駆動信号を供給するユニットケーブル等を一纏めにした信号ケーブル20dが挿通されている。
先端部21には、固定ユニット3を先端部21に固設する固定ユニット取付具14が取り付けられている。固定ユニット取付具13は、固定ユニット3を湾曲部20方向に配置させる。固定ユニット取付具14には、駆動ユニット11の本体部13が固定されている。固定ユニット取付具14は、先端部21に着脱自在であり、取付状態においてユニットケーブルと固定ユニットとが電気的に接続される。
駆動ユニット11の駆動軸12には、図10に示すように、3つの伸縮部5A、5B5Cの切片6が装着されている。つまり、固定ユニット3は、図10に示すように、3つの伸縮部5A、5B、5Cを有して構成されている。
実施形態においては、固定ユニット3の固定部によって挿入部2を管腔壁に固定したときに、観察窓の中心を管腔の中心に略一致させるため、伸縮部5A、5B、5Cのうち、例えば伸縮部5Aを構成する切片6の数を、伸縮部5B、5Cを構成する切片6の数よりも少なくしている。
例えば、伸縮部5Aを2組の切片6で構成し、伸縮部5B、5Cを4組の切片6でそれぞれ構成している。勿論、伸縮部5B、5Cの切片6の組数は同じであり、この組数よりも伸縮部5Aの切片の組数が少なくなるようにすれば、組数については限定されることはない。
また、これら伸縮部5A、5B、5Cは、挿入部2の挿入方向に対して垂直な面において夫々の角度が不均一となるように配置されている。
従って、このように固定ユニット3の伸縮部5A、5B、5Cを設けたことにより、駆動ユニット11を、図10に示すように挿入部2を避けて配置することができ、また、固定ユニット3の伸縮部5A、5B、5Cが接続される駆動軸12と、先端部21の観察窓21aとを挿入部2の挿入軸方向に平行な略延線上に配置することができる。
即ち、駆動軸12を固定ユニット3の拡径部4の中心から位置ずれさせて、拡径部4を拡径した場合に、前記観察窓12の中心を拡径部4の略中心に配置させることができるようになっている。
尚、前記固定ユニット3は、内視鏡2の挿入部2の先端部21の後端側に設けた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、湾曲部の前後に設けて構成しても良い。
次に、第2の実施の形態の作用について説明する。
医療機器1Aの挿入部2を、例えば、大腸内に挿入して観察を行う際、予め、固定ユニット3の拡径部4は収縮される。このとき、本実施形態の医療機器1Aにおいては、収縮された固定部を構成する複数の切片6が先端部21の外周に配置される。このため、観察窓の視野範囲が遮られることなく、挿入部2を深部に向けて押し進めることができる。
次いで、挿入部2が大腸の所望の位置に到達して固定ユニット3の拡径部4を拡径して挿入部2を固定したとする。
この場合、第2の実施の形態においても、拡径した拡径部4の複数の切片6が大腸の腸壁内と当接することで、第1の実施の形態と同様に挿入部2を確実に固定できる。
さらに、本実施形態において、固定ユニット3は、第1の実施の形態とは異なり、伸縮部5A、5B、5Cの切片6の組数が異なった構成であるため、拡径部4の中心が観察窓の中心に一致するように拡径/伸縮する。即ち、先端部21の観察窓を大腸の腸壁内に対し略中心となるようにセンタリングを行って観察を行うことができる。
これにより、大腸の腸壁が閉じている場合であっても、腸壁を拡径部4によって均等に押し広げることにより、目的部位の観察を良好に行うことができる。尚、この場合、送気/送水/吸引機能を併用すればより効果的である。
尚、例えば、図11に示すように、大腸のS字結腸部100内を通過させる途中で固定ユニット3の拡径部4を拡径させて腸壁内に挿入部2を固定し、この固定状態のまま、術者が挿入部2を手元側に引き戻すことにより、大腸のS字結腸部100を手繰り寄せることも可能である。
この場合、拡径部4の複数切片6と腸壁との固定状態は、強いものであるため、確実にS字結腸部100を手繰り寄せることができ、その後の挿入部2Aの挿入を円滑に行うことが可能となる。
さらに、このような固定ユニット3の強い固定力を利用した一例としては、例えば、図12に示すように、挿入部2の脾湾曲部通過を挙げられる。先端部21が脾湾曲部101内を通過する際、固定ユニット3の拡径部4を拡径させて挿入部2を固定する。そして、この固定状態のまま、術者が前記同様に挿入部2を手元側に引き戻すことにより、S状結腸100を短縮させることもできる。
従って、第2の実施の形態によれば、拡径部4、伝達部5の切片6を縮径させた状態で、観察視野を十分に確保することができる。また、医療機器1Aにおいて、固定ユニット3は、拡径部4の中心が観察窓の中心に合うように拡径するので、観察窓を大腸の腸管内に対し略中心となるようにセンタリングを行うことができる。よって、大腸の腸壁が閉じている場合であっても、腸壁を拡径部4によって押し広げることにより、目的部位の観察を良好に行うことができる。その他の効果は第1の実施の形態と同様である。
尚、第2の実施の形態では、挿入部2の先端部21の湾曲部側に固定ユニット取付具14を介して固定ユニット3を設ける構成について説明したが、後述する変形例1〜3に示すように、固定ユニット3を、先端キャップ23又はオーバーチューブ27に設ける、或いは固定ユニット3を処置具として構成して内視鏡2の挿入部内の処置具チャンネルに挿通して用いても良い。このような変形例1〜3について図13〜図15を用いて説明する。
(変形例1)
図13は第2の実施の形態の医療機器の変形例1の構成を説明するための断面図である。尚、図13の固定部は拡径した状態を示している。
図13に示すように、変形例1の医療機器1Bは、内視鏡2の先端部21に、固定部である拡径部4及び伝達部5が設けられた先端キャップ23を装着して構成されている。
この先端キャップ23への固定部の取り付けは、図13に示すように、円周線中心側に配置される伸縮部5A、5Bの一方(先端側)のそれぞれ切片6が先端キャップ23の先端側に固定され、他方の夫々の切片6が、先端キャップ23の周面上において挿入軸方向に摺動自在に嵌装された磁性体リング24に固定されている。
従って、前記磁性体リング24を先端キャップ23の周面上で挿入軸方向に進退させることにより、この進退に連動して前記伸縮部5A、5Bを伸縮させて拡径部4を上述の実施の形態と同様に拡径又は縮小させることが可能になっている。
ここで、変形例1では、前記磁性体リング24を進退させるための駆動力は、図13に示すように、内視鏡2の挿入部2内の処置具チャンネル20c内に挿通される強磁石を備えた磁石付き移動具25によって得ている。
この磁石付き移動具25は、ワイヤ25aの先端部に強力な磁力を備えた磁石26を固定して構成されている。ワイヤ25aは、図示しない内視鏡2の鉗子口側から延出している。術者が、磁石付き移動具25のワイヤ25aを鉗子口に対して出し入れすることにより、磁石26が挿入軸方向に進退する。すると、この磁石26の磁力によって引き寄せられる前記磁性体リング24は、磁石26の進退と共に挿入軸方向に進退することになる。
このように、本実施形態においては、駆動ユニットを設けることなく、磁性体リング24を進退させることで、拡径部4を拡径又は収縮させることができる。
変形例1の医療機器1Aは、大腸等の体腔内への挿入時における作用については前記第2の実施の形態と略同様であるので説明を省略する。
従って、変形例1によれば、駆動ユニット11を設けることなく、拡径部4を拡径/収縮することが出来るので、医療機器1Bのコスト低減を図ることができる。その他の効果は上述した実施の形態と同様である。
(変形例2)
図14は第2の実施の形態の医療機器の変形例2の構成を説明するための断面図である。尚、図14に示す固定部は拡径した状態を示している。
図14に示すように、変形例2の医療機器1Cは、内視鏡2の挿入部2を挿通可能に構成されたオーバーチューブ27に固定部である拡径部4及び伝達部5を設けて構成されている。
このオーバーチューブ27は、先端側に固定部が設けられている。尚、固定部の配設位置は、オーバーチューブ27の先端側に設けることが望ましいが、必要に応じて配設位置を変えても良い。
オーバーチューブ27と固定ユニット3との取り付けは、図14に示すように、円周線中心側に配置される伸縮部5A、5Bの一方(先端側)のそれぞれ切片6がオーバーチューブ27内のチャンネル27Bに挿通されるワイヤ28の先端部に固定され、他方の夫々の切片6が、オーバーチューブ27の周面上に固定されている。
変形例2では、前記伸縮部5A、5Bを伸縮させるための駆動力は、変形例1と同様に駆動ユニットではなく、図14に示すように、オーバーチューブ27内のチャンネルに挿通されるワイヤ28の押し引きによって得ている。
尚、このワイヤ28は、固定ユニット3の拡径部4を縮小する際に押し出す操作を行う必要があるため、ある低度の剛性を有していることが望ましい。
従って、術者は、このオーバーチューブ27の基端側のチャンネル29の開口から突出するワイヤ28を押し引きすることにより、固定ユニット3の伸縮部5A、5Bの一方(先端側)のそれぞれの切片6を挿入軸方向に進退させることが可能となる。
このようにして、伸縮部5A、5Bを伸縮させることで、変形例1と同様に固定ユニット3の拡径部4を拡径又は収縮させることができる。
変形例2の医療機器1Cは、大腸等の体腔内への挿入時における作用については前記実施の形態と略同様である。尚、必要に応じてオーバーチューブ28を大腸の深部へと挿入し、所望箇所で固定部によってオーバーチューブ28を固定し、その後、オーバーチューブ28内の挿入部2の挿通状態を微調整すれば、より観察部位を効果的に観察することが可能となる。
従って、変形例2によれば、変形例1と同様に駆動ユニット11を設けなくても、固定ユニット3を拡径/収縮することが出来るので、医療機器1Bのコスト低減を図ることができる。
また、オーバーチューブ27を用いることで、内視鏡2の挿入部2を大腸に挿入し易くなり、さらに、固定部と併用すれば、様々な挿入方法が行えるといった効果も有する。その他の効果は前記第2の実施の形態と同様である。
(変形例3)
図15は第2の実施の形態の医療機器の変形例3の構成を説明するための断面図である。尚、図15に示す拡径部は拡径した状態を示している。
図15に示すように、変形例3の医療機器1Dは、内視鏡2の処置具チャンネル21Aに挿通される、拡径部4を先端部に設けた拡径部付き処置具30として構成されている。
拡径部付き処置具30は、拡径部4と、この拡径部4が先端部に設けられる管状部材30Aと、この管状部材30A内に挿通して設けられた3つの伸縮チューブ部材31、32、33とを有して構成されている。
管状部材30Aの基端部は、内視鏡2の操作部近傍に設けられた鉗子口(図示せず)から突出して、術者によって管状部材30A内の伸縮チューブ31、32、33内を挿通する後述する伸縮ワイヤ31a〜33bの押し引きの操作が可能に構成されている。
変形例3においては、前記第1及び第2の実施の形態と伝達部5の構成が異なり、前記伸縮チューブ31、32、33が伝達部5を構成している。
ここで、伝達部5を構成する伸縮チューブ部材31、32、33を説明する。
伸縮チューブ部材31は、2本の伸縮ワイヤ31a、31bを内部に有している。これら2本の伸縮ワイヤ31a、31bは、拡径部4の所定位置の切片6の連結部6Bにそれぞれ接続されている。
具体的には、一方の伸縮ワイヤ31aが前記切片6の先端部21側の連結部6Bに接続され、もう一方の伸縮ワイヤ31bが前記切片6の反対側の連結部6Bに接続されている。
伸縮ワイヤ31a、31bと前記切片6の連結部6Bとの接続については、夫々の伸縮ワイヤ31a、31bが連結部6Bに設けられた夫々のリベット7の孔に挿通後、折り返して伸縮チューブ31内に挿通することで行われている。
また、伸縮チューブ部材32は、同様に2本の伸縮ワイヤ32a、32bを内部に有している。これら2本の伸縮ワイヤ32a、32bは、拡径部4の所定位置の切片6の連結部6Bにそれぞれ接続されている。
具体的には、一方の伸縮ワイヤ32aが前記切片6の先端部21側の連結部6Bに接続され、もう一方の伸縮ワイヤ32bが前記切片6の反対側の連結部6Bに接続されている。
さらに、伸縮チューブ部材33も同様に2本の伸縮ワイヤ33a、33bを内部に有し、これら2本の伸縮ワイヤ33a、33bも上述と同様に拡径部4の所定位置の切片6の連結部6Bにそれぞれ接続されている。
尚、伸縮チューブ31〜33の内部のそれぞれの伸縮ワイヤ31a〜33bは、拡径部4の挿入軸方向に対して垂直な面においてそれぞれ均等の角度で配置された各切片6の連結部6Bに接続されている。
また、変形例3では、3つの伸縮チューブ31〜33を設けた構成について説明したが、それ以上設ける構成、或いは、2つの伸縮部5A、5Bに対応するように2つ設ける構成であっても良い。
このような構成の医療機器1Dにおける作用を説明する。
変形例3の医療機器1Dにおいては、固定ユニット3の拡径部4の拡径/収縮は、術者によって、鉗子口から突出する3つの伸縮チューブ31〜33内の各伸縮ワイヤ31a〜33bを適宜引き戻すことによって行われる。
例えば、図15に示すように拡径状態である拡径部4を、収縮する場合、術者は、手元側に配された3つの伸縮チューブ31〜33内の伸縮ワイヤ31a、32a、33aを同時に引き寄せる。尚、伸縮ワイヤ31b、32b、33bを同時に押し出しても良い。
すると、各伸縮ワイヤ31a、32a、33aに接続している各切片6の連結部6Bが先端部21側に引き寄せられる。すると、各切片6は、隣り合う切片6の連結部6B間の距離が大きくなるように回動中心部6Aを中心にして回動する。これにより、拡径部4は縮小状態となる。
逆に、拡径部4を縮小状態から拡径する場合には、術者は、手元側に配された3つの伸縮チューブ31〜33内の伸縮ワイヤ31b、32b、33bを同時に引き寄せる。尚、伸縮ワイヤ31a、32a、33aを同時に押し出しても良い。
すると、各伸縮ワイヤ31b、32b、33bに接続している各切片6の連結部6Bが先端部21側に引き寄せられる。すると、各切片6は、隣り合う切片6の連結部6B間の距離が短くなるように回動中心部6Aを中心にして回動する。これにより、拡径部4は図15に示すように拡径状態となる。
尚、各伸縮ワイヤ31a〜33bによる押し引きの力を効果的に拡径部4に伝達するために、3つの伸縮チューブ31〜33の先端部の位置を、挿入軸方向において拡径部4の後方の位置に配置することが望ましい。
また、前記伸縮ワイヤ31a〜33bは、押し引き動作によって力を確実に各切片6に伝達するためにある低度の剛性を有していることが望ましい。
さらに、3つの伸縮チューブ31〜33は、夫々内挿する伸縮ワイヤ31a〜33bが摺動可能な材質、例えば生体適合性のあるポリプロピレン等の樹脂で構成することが望ましい。勿論、これ以外の生態適合性のある材質であれば良い。
その他の構成は、前記実施の形態と同様である。
従って、変形例3によれば、変形例1、2と同様に駆動ユニット11を設けることなく、拡径部4を拡径/収縮することが出来、また、伝達部5を構成する伸縮部を設けずに、少なくとも6本の伸縮ワイヤ31a〜33bを有する3つの伸縮チューブ31〜33によって拡径部4を拡径/収縮することができるので、医療機器の部品点数の削減を図ることができる。また、拡径部付き処置具30を用いることで、より効果的に観察部位の観察が行えるといった効果も有する。その他の効果は前記第2の実施の形態と同様である。
ところで、前記第1及び第2の実施の形態に係る医療機器1は、主要部である固定部の腸壁に対する固定機能を活用して、例えば自走式内視鏡として構成したり、或いはカプセル型内視鏡のブレーキ機能として構成したり、各種様々な実施様態を実現できる。このような実施の形態を後述する。
(第3の実施の形態)
図16から図20は、本発明の医療機器の第3の実施の形態に係り、図16は、第3の実施の形態の医療機器の構成を示す構成図、図17から図20は、第3の実施の形態の医療機器の作用を説明する説明図であり、図17は、挿入方向に対して基端側の固定ユニットを拡径して固定した状態、図18は、図17に示す状態から長手方向伸縮部を伸長させて進めた状態、図19は、図18に示す状態から挿入方向の先端側の固定ユニットを拡径して固定すると同時に基端側の固定ユニットを収縮した状態、図20は、図19に示す状態から長手方向伸縮部を収縮して医療機器を挿入方向に進めた状態を夫々示している。
尚、図16から図20は第1の実施の形態の装置と同様の構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
第2の実施の形態の医療機器1Eは、前記第1及び第2の実施の形態の医療機器とは異なり、自走式内視鏡として構成している。
具体的には、医療機器1Eは、図16に示すように、カプセル型内視鏡2Aと、固定ユニット3を備えた第1のリニアアクチュエータ11Aと、長手方向伸縮部3Aを備えた第2のリニアアクチュエータ11Bと、固定ユニット3を備えた第3のリニアアクチュエータ11Cとを有して構成されている。
カプセル型内視鏡2Aと第1のリニアアクチュエータ11Aとは、図示しない連結手段により連結されている。また、第1のリニアアクチュエータ11Aと第2のリニアアクチュエータ11Bとは前記長手方向伸縮部3Aによって連結されている。さらに、第2のリニアアクチュエータ11Bと第3のリニアアクチュエータ11Cとは、図示しない連結手段により連結されている。
尚、連結手段は、例えば回転自在で且つ角度が自在に変位可能な連結部材を用いている。
長手方向伸縮部3Aは、例えば前記第1の実施の形態における伸縮部5A、5Bと同様に、複数の切片6を用いて前記エクスパンダブル構造(Expandable construction )となるように構成されている。第2のリニアアクチュエータ11Bの挿入方向側には、図示しない駆動軸が設けられ、この駆動軸を進退させることにより、前記長手方向伸縮部3Aが挿入軸方向に伸長又は縮小することになる。この長手方向伸縮部3Aの先端側は、前記第1のリニアアクチュエータ11Aの後端側に連結されている。
尚、長手方向伸縮部3Aは、伸長時、或いは収縮時においても、ある程度の柔軟性を有しており、管腔の曲がった部分に対応して湾曲可能である。
また、第1及び第3のリニアアクチュエータ11A、Cには、図示しないが駆動ユニットが設けられ、この駆動軸を進退させることにより、前記第1の実施の形態と同様に伸縮部5A、5Bを伸縮させることで拡径部4を拡径又は収縮することができる。
さらに、カプセル型内視鏡2A、及び第1〜第3のリニアアクチュエータ11A〜11Cには、夫々観察手段或いは固定ユニット3、長手方向伸縮部3Aを駆動するための電源が水密に内装されている。
このような構成により、本実施の形態の医療機器1Eは、図16に示すように、カプセル型内視鏡2Aを先端部に配置し、その後段に、第1のリニアアクチュエータ11A、第2のリニアアクチュエータ11B、第3のアクチュエータ11Cとを順に連結することで、自走式内視鏡として構成している。
尚、前記カプセル型内視鏡2A、及び第1〜第3のリニアアクチュエータ11A〜11Cの駆動操作については、図示しないコントロールユニットとの遠隔操作、或いは第3のアクチュエータ11Cの後端側から駆動制御するためのケーブルを延出させ、このケーブルを介して図示しない操作部等のコントロールユニットからの操作信号を供給することで操作される。
また、本実施の形態では、カプセル型内視鏡2Aと、固定ユニット3を備えた2つの第1及び第3のリニアアクチュエータ11A、11Cと、長手方向伸縮部3Aを備えた第2のリニアアクチュエータ11Bとで医療機器1Eを構成したが、固定ユニットを備えたリニアアクチュエータを2つ以上複数設けるとともに、長手方向伸縮部3Aを備えたリニアアクチュエータを複数設けて連結して構成しても良い。
次に、本実施の形態における医療機器1Eの作用について図17〜図20を用いて説明する。
いま、本実施の形態に係る医療機器1Eを大腸等の体腔200内に挿入し、その後、自走によって自動的に深部へ自走させるものとする。
この場合、まず、術者は、図17に示すように、体腔200内に挿入されている医療機器1Eにおいて、第3のリニアアクチュエータ11Cの固定ユニット3の拡径部4を拡径させる操作を行う。
すると、図示しないコントロールユニットは、第3のリニアアクチュエータ11Cの駆動を制御する。これにより、この拡径部4は拡径し、拡径することによって腸壁に当接して、第3のリニアアクチュエータ11Cを固定する。
その後、術者は、図17に示す状態のまま、第2のリニアアクチュエータ11Bの長手方向伸縮部3Aを伸長するように操作を行う。この操作に基づき、図示しないコントロールユニットは、第2のリニアアクチュエータ11Bの駆動を制御して、長手方向伸縮部3Aを伸長させる。
すると、図18に示すように、第2及び第3のリニアアクチュエータ11B、11Cの体腔200内の位置は変わらないが、長手方向伸縮部3Aの伸長によって、前段の第1のリニアアクチュエータ11A及びカプセル型内視鏡2Aが挿入方向へと進むことになる。
そして、術者は、図18に示す状態のまま、第1のリニアアクチュエータ11Aの固定ユニットの拡径部4を拡径させる操作を行うとともに、拡径していた第3のリニアアクチュエータ11Cの拡径部4を収縮させる操作を行う。この操作に基づき、図示しないコントロールユニットは、第1及び第3のリニアアクチュエータ11A、11Cの駆動を制御して、第1のリニアアクチュエータ11Aの拡径部4を拡径させて固定した後、第3のリニアアクチュエータ11Cの拡径部4を収縮させる。
すると、図19に示すように、第1のリニアアクチュエータ11Aの拡径部4が拡径することで腸壁に当接して、カプセル型内視鏡2A及び第1のリニアアクチュエータ11Aを固定する。また、第3のリニアアクチュエータ11Cの拡径部4が収縮することで、第3のリニアアクチュエータ11Cの固定を解除する。
その後、術者は、図19に示す状態のまま、第2のリニアアクチュエータ11Bの長手方向伸縮部3Aを収縮させる操作を行う。この操作に基づき、図示しないコントロールユニットは、第2のリニアアクチュエータ11Bの駆動を制御して、第2のリニアアクチュエータ11Bの長手方向伸縮部3Aを収縮させる。
すると、図20に示すように、カプセル型内視鏡2A及び第1のリニアアクチュエータ11Aの体腔200内の位置は変わらないが、長手方向伸縮部3Aの収縮によって、後段の第2及び第3のリニアアクチュエータ11B、11Cが挿入方向へと引き寄せられる。
このように、図17から図20に示す動作を繰り返し行うことで、医療機器1Eは、体腔200内において自走して進み、深部へと挿入することができる。
尚、前記動作例では、図17から図20に示す一連の動作を術者の操作によって行うとしているが、自走モードを実行した際に図示しないコントロールユニットによって前記一連の動作を自動的の駆動制御するように構成しても良い。
従って、第3の実施の形態によれば、前記したように動作させることによって、医療機器1Eを自走式内視鏡として構成することが可能である。
また、本実施の形態の医療機器1Eは、前記固定ユニット3及び長手方向伸縮部3Aの応答性が早いので、例えばダブルバルーンを用いて自走する自走式内視鏡よりも早い速度で進ませることができるといった効果もある。
尚、本実施の形態の医療機器1Eは、特に大腸用として作用・効果を説明したが、医療機器1E自体の小型化及び細径化が成されているので、小腸用として用いることも可能である。この場合の作用については、小腸の途中まで挿入し、挿入状態が停滞した時点で自走モードを実行し、前記したような動作によって深部へと進むように動作すれば良い。
また、第3の実施の形態では、図21に示すように、カプセル型内視鏡2Aの観察窓以外の医療機器1E全体を、柔軟性があり且つ肉厚が薄いカバー部材35によって覆うように構成しても良い。
この場合、カバー部材35は、第1及び第3のリニアアクチュエータ11A、11Cの各固定ユニット3の配置位置に、固定力を高めるための溝部36を設けて構成する。これにより、溝部35により当接される腸壁から滑ることもなく、また、他の部分については滑り易くなるので、より進み易くなるといった効果も得る。
尚、溝部36の形状は、単に溝を設けるだけでなく、その溝部分を予め凹ましておき、この凹んだ部分に凸凹部を設けて構成しても良い。これにより、さらに固定力を高めることができる。また、カバー部材35の材質としては、さらに、伸縮性があり、透明な材質を用いることが望ましい。
(第4の実施の形態)
図22から図25は、本発明の医療機器の第4の実施の形態に係り、図22は、第4の実施の形態の医療機器の構成を示す構成図、図23から図25は、第4の実施の形態の医療機器の作用を説明する説明図であり、図23は、挿入方向に対して先端側の固定ユニットを拡径して固定した状態、図24は、図23に示す状態から先端側の固定ユニットを収縮すると同時に後段の固定ユニットを拡径することで挿入方向に進めた状態、図25は、図24に示す状態から拡径した固定ユニット3を収縮すると同時に、基端側器を挿入方向に進めた状態を夫々示している。
尚、図22から図25は、前記第3の実施の形態の装置と同様の構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
第4の実施の形態の医療機器1Fは、前記第3の実施の形態の医療機器Eと同様に自走式内視鏡として構成されたものであるが、長手方向伸縮部3Aを設けずに、3つの固定ユニット3の拡径部4を順次拡径/収縮させることによって蠕動しながら進むように構成されている。
具体的には、医療機器1Fは、図22に示すように、カプセル型内視鏡2Aと、固定ユニット3を備えた3つの第1〜第3のリニアアクチュエータ11A、11D、11Eとを有して構成されている。
カプセル型内視鏡2Aと第1のリニアアクチュエータ11Aとは、例えば回転自在で且つ角度が自在に変位可能な球形状の連結部材37により連結されている。また、第1の第1のリニアアクチュエータ11Aと第2のリニアアクチュエータ11Dとは、例えば回転自在で且つ角度が自在に変位可能な連結部材38(図23参照)により連結されている。さらに、第2のリニアアクチュエータ11Dと第3のリニアアクチュエータ11Eとは、前記連結部材38により連結されている。
尚、前記連結部材37、38は、前記したような形状に限定されるものではない。また、各リニアアクチュエータ11A、11D、11Eとの連結は、例えば各固定ユニット3の拡径部4により連結しても良い。
また、前記第1〜第3のリニアアクチュエータ11A、11D、11Eの構成は、前記第3の実施の形態と同様であり、遠隔操作、或いは第3のアクチュエータ11Eの後端から延出されるケーブルを介して操作される。
また、本実施の形態では、リニアアクチュエータ11A、11D、11Eの各固定ユニット3は、挿入方向とは逆側の後端側に配置されて連結しているが、挿入方向側に配置して連結するように構成しても良い。
その他の構成は前記第3の実施の形態と同様である。
このような構成により、本実施の形態の医療機器1Fは、図22に示すように、カプセル型内視鏡2Aを先端部に配置し、その後段に、第1のリニアアクチュエータ11A、第2のリニアアクチュエータ11D、第3のアクチュエータ11Eとを順に連結することで、自走式内視鏡として構成している。
次に、本実施の形態における医療機器1Fの作用について図22〜図25を用いて説明する。
いま、図22に示すように、本実施の形態に係る医療機器1Eを大腸等の体腔200内に挿入し、その後、自走によって自動的に深部へ自走させるものとする。
この場合、まず、術者は、図22に示すように、体腔200内に挿入されている医療機器1Eにおいて、第1のリニアアクチュエータ11Aの固定ユニット3の拡径部4を拡径させる操作を行う。この操作に基づき、図示しないコントロールユニットは、第1のリニアアクチュエータ11Aを駆動制御して、拡径部4を拡径させる。
すると、この拡径部4は、図23に示すように拡径することで腸壁に当接して、第1のリニアアクチュエータ11Aを固定する。
このとき、第1のリニアアクチュエータ11Aの拡径部4が拡径して腸壁と当接する際に、第1のリニアアクチュエータ11Aを挿入方向へと進ませる力が僅かに生じ、この力によって第1のリニアアクチュエータ11Aは挿入方向へと進む。
その後、術者は、図23に示す状態から、第1のリニアアクチュエータ11Aの拡径部4を収縮させると同時に第2のリニアアクチュエータ11Dの拡径部4を拡径させる操作を行う。この操作に基づき、図示しないコントロールユニットは、第1及び第2のリニアアクチュエータ11A、11Dを駆動制御して、第1のリニアアクチュエータ11Aの拡径部4を収縮させると同時に、第2のリニアアクチュエータ11Dの拡径部4を拡径させる。
すると、図24に示すように、第1のリニアアクチュエータ11Aの拡径部4が収縮すると同時に、第2のリニアアクチュエータ11Dの拡径部4が拡径により腸壁と当接する。
このとき、第2のリニアアクチュエータ11Dの拡径部が腸壁に当接することで、前記同様に挿入方向に進ませる僅かな力が生じ、この力によって、第2のリニアアクチュエータ11Dは挿入方向へと進む。
そして、術者は、図24に示す状態から、第2のリニアアクチュエータ11Dの拡径部4を収縮させると同時に第3のリニアアクチュエータ11Eの拡径部4を拡径させる操作を行う。この操作に基づき、図示しないコントロールユニットは、第2及び第3のリニアアクチュエータ11D、11Eを駆動制御して、第2のリニアアクチュエータ11Dの拡径部4を収縮させると同時に、第3のリニアアクチュエータ11Eの拡径部4を拡径させる。
すると、図25に示すように、第2のリニアアクチュエータ11Dの拡径部4が収縮すると同時に、第3のリニアアクチュエータ11Eの拡径部4が拡径により腸壁と当接する。
このとき、第3のリニアアクチュエータ11Eの拡径部4が腸壁に当接することで、前記同様に挿入方向に進ませる僅かな力が生じ、この力によって、第3のリニアアクチュエータ11Eは挿入方向へと進む。
このような、図23から図25に示す動作を、例えば短時間の間で繰り返し行うことで、医療機器1Fは、体腔200内において蠕動するように自走して進み、深部へと挿入することができる。
尚、本実施の形態では、カプセル型内視鏡2Aと、固定ユニット3を備えた3つの第1〜3のリニアアクチュエータ11A、11D、11Eとで医療機器1Fを構成したが、固定ユニット3を備えたリニアアクチュエータを3つ以上設けて連結して構成しても良い。
従って、第4の実施の形態によれば、前記第3の実施の形態の長手方向伸縮部3Aを設けることなく、カプセル型内視鏡2Aと、固定ユニット3を備えた3つのリニアアクチュエータ11A、11D、11Eとを有する医療機器1Fを、自走内視鏡として構成することが可能となる。
また、第4の実施の形態の医療機器1Fは、前記第3の実施の形態と同様に駆動の応答性が早く、また、第1〜第3のリニアアクチュエータ11A、11D、11Eの各拡径部4が短時間の間に順次拡径/収縮を繰り返し駆動する。そのため、前記医療機器1Fは、確実に蠕動しながら自走して進ますことができ、特に小腸などの体腔内を観察するには有効で、観察性能の向上化に寄与できる。
尚、第4の実施の形態に係る医療機器1Fは、例えば図26の変形例4に示すように、改良しても良い。このような変形例4を後述する。
(変形例4)
図26は第4の実施の形態の医療機器の変形例4を示す構成図である。
図26に示すように、変形例4に係る医療機器1Gは、略第4の実施の形態の医療機器1Fと略同じ構成であり、カプセル型内視鏡2Xと、このカプセル型内視鏡2Xに連結される改良された第1〜第3のリニアアクチュエータ11X、11Y、11Zと、この第3のリニアアクチュエータ11Zに連結されるカプセル型ユニット2Yとを有して構成されている。
カプセル型内視鏡2Xと第1のリニアアクチュエータ11X、第1のリニアアクチュエータ11Xと第2のリニアアクチュエータ11Y、第2のリニアアクチュエータ11Yと第3のリニアアクチュエータ11Z、そして第3のリニアアクチュエータ11Zとカプセル型ユニット2Yとの夫々の連結は、前記連結部材37によって連結されている。
カプセル型ユニット2Yは、前記カプセル型内視鏡2B1及び第1〜第3のリニアアクチュエータ11X〜Zを駆動するのに必要なバッテリ、及び図示しないコントロールユニッにより遠隔操作するのに必要な送受信部等の電気回路群を内蔵している。勿論、このカプセル型ユニット2Yからケーブルを延出させて、前記コントロールユニットにより操作が行えるように構成しても良い。
また、第1〜第3のリニアアクチュエータ11X〜11Zは、図26に示すように、固定ユニット3の拡径部4内に収容されるように構成されている。即ち、第1〜第3のリニアアクチュエータ11X〜11Z自体を夫々小さく構成するとともに、伸縮部5A、5Bの一方の切片6をリニアアクチュエータの先端部にそれぞれ固定し、もう一方の切片6をリニアアクチュエータの後端部から突出する駆動軸12に連結部材9を介してそれぞれ固定している。
このような構成により、拡径部4を縮小させた状態において、この拡径部4を含む各第1〜第3のリニアアクチュエータ11X〜11Zの外径を、前記カプセル型内視鏡2X及びカプセル型ユニット2Yの外径L(図26参照)と略同じ、或いは小さく構成することが可能となり、また、長手方向全体の長さも前記第4の実施の形態の医療機器1Fよりも短くなり、小型化の実現が可能となる。
その他の構成及び作用は前記第4の実施の形態と同様である。
従って、変形例4によれば、前記第4の実施の形態と同様の効果が得られる他に、医療機器1Gの小型化に大きく寄与できるといった効果が得られる。
また、医療機器1Gを構成するカプセル型内視鏡2X、第1〜第3のリニアアクチュエータ11X〜11Z、及びカプセル型ユニット2Yは、夫々回動自在で且つ角度も自由に変えられる球形状の連結部材37で連結されているため、大腸或いは小腸などのあらゆる湾曲部に対しても曲がって形状に沿って進むことが可能となり、挿入性を向上できるといった効果もある。
尚、前記第3及び第4の実施の形態、及び変形例4に用いられるリニアアクチュエータは、前記構成に限定されるものではなく、リニアアクチュエータに代わりに、モータ等の駆動手段を有するアクチュエータとして構成しても良い。
例えば、図27に示すように、このアクチュエータ40は、駆動手段としてのモータ42と、このモータ42の回転軸42aに設けられた外ネジ部43と、この外ネジ部43に螺合する内ネジ部44が内周面に設けられ、この内ネジ部44とは逆側の軸方向に突出するように駆動軸12が設けられた内ネジ棒45と、この内ネジ棒45を軸方向に移動自在に設けた外装部41と、この外装41内に設けられ、図示しないコントロールユニットからのリモコン信号を受信し、この受信したリモコン信号に基づいて前記モータ42を駆動制御するラジコンユニット42と、前記外装41内に設けられ、前記モータ42に駆動電力を供給する電池等のバッテリ47とを有して構成される。尚、モータ42とバッテリ47とは接続線47aにより接続されている。
このような構成によれば、モータ42の回転動力が、回転軸42a、外ネジ部43、内ネジ部44を介して伝達されることで、この内ネジ部44を内周面に有する内側ネジ棒45が軸方向に進退されることになる。即ち、モータ42の回転を正回転/逆回転させるように制御することで、駆動軸12を軸方向の前方に移動させたり、或いは軸方向の後方に移動させたりできる。こうして、この駆動軸12に連結される固定ユニットの拡径部4を拡径又は収縮させることが可能となる。
また、例えば、図28に示すように、アクチュエータ50は、前記した図27に示す外ネジ部43、内ネジ部44及び内ネジ棒45に代えて、モータ42の回転軸42aに設けたピニオンギア52と、このピニオンギア52に螺合するクラウンギア53と、このクラウンギア53の回転軸53aに設けられたカム部54と、このカム部54に係合するカム受け部45を有する駆動軸12と、この駆動軸12を軸方向後方側に付勢する付勢部56とを設けて構成しても良い。
このような構成により、前記変形例と同様に、モータ42の回転動力が、回転軸42a、ピニオンギア52、クラウンギア53、カム部54,カム受け部55を介して伝達されることで、このカム受け部55を有する駆動軸12が付勢部56の付勢力に抗して軸方向前方に移動し、付勢部56の付勢力によって後方に移動して進退されることになる。こうして、この駆動軸12に連結される固定ユニットの拡径部4を拡径又は収縮させることが可能となる。
尚、図27及び図28に示す変形例において、ラジコンユニット46内に、モータ42の回転量を検知するセンサを設け、このセンサの検知結果に応じて、モータ42の駆動を停止する、或いは回転量を調整するように制御しても良い。
即ち、固定ユニット3に、例えば腸壁との接触等による外部からの負荷が加わった場合に、図示しないコントトロールユニットは、その負荷が大きい場合、モータ42の駆動を停止させる。これにより、安全性を向上できる。
勿論、遠隔操作ではなく、アクチュエータ40、50にケーブルを接続して外部からのコントロールユニットにより、モータ42の駆動を制御したり、また、コントロールユニットからモータ42の駆動電力を供給するように構成すれば、バッテリ47を設けずに済むので、アクチュエータ40、50の小型化に寄与できる。
(第5の実施の形態)
図29から図34は、本発明の医療機器の第5の実施の形態に係り、図29は、第5の実施の形態の医療機器の構成を示す構成図、図30から図34は、第5の実施の形態の医療機器の作用を説明する説明図であり、図30は、第1及び第2のバルーンを収縮して体腔内に挿入した状態、図31は、図30に示す状態から後端側の第2のバルーンを膨らませて固定ユニットを拡径して固定した状態、図32は、図31に示す状態から先端側の第1のバルーンを膨らませて固定ユニットが設けられた摺動筒部材を後端側に移動させて医療機器を挿入方向に進めた状態、図33は、図32の状態から第2のバルーンを収縮させて固定ユニットを収縮して固定状態を解除した状態、図34は、図34の状態から第1のバルーンを収縮させて摺動筒部材を挿入方向に引き寄せて進めた状態を夫々示している。
尚、図29から図34は、前記第1の実施の形態と同様の構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
第5の実施の形態の医療機器1Hは、内視鏡2の挿入部2に後付けすることで、この挿入部2を進める挿入補助手段として構成したものであって、固定ユニットを拡径/収縮させるリニアアクチュエータなどの駆動手段に代えて、空気の送気/吸気により拡張/収縮する2つのバルーン及び摺動筒部材を用いて前記挿入補助手段を構成している。
具体的には、医療機器1Hは、図29に示すように、内視鏡2の挿入部2に配置され、挿入軸方向に摺動可能で固定部である拡径部4及び伝達部5を備えた摺動筒部材59と、第1のバルーン60と、この第1のバルーン60に接続された第1の送気/吸引チューブ61と、第2のバルーン62と、この第2のバルーン62に接続された第2の送気/吸引チューブ63とを有して構成されている。
第1のバルーン60は、挿入部2の湾曲部20の後方の周面に外付け固定され、挿入軸方向に内外径が変化することなく伸縮可能な蛇腹形状に構成された円筒状のバルーンである。この第1のバルーン60の後端側には、図示しない送気/吸引手段により前記第1のバルーン60に空気等の流体を送気/吸引するための第1の送気/吸引チューブ61が接続されている。また、第1のバルーン60の後端側には、前記摺動筒部材59の先端部が固定されている。
摺動筒部材59は、例えば生体適合性のあるポリプロピレン等の樹脂で構成されている。また、摺動筒部材59の第1のバルーン60が固定される先端部の周面上には、固定ユニット3の伸縮部5A、5Bの先端側の切片6が回動可能に固定され、後端側の切片6は、第2のバルーン62の先端部に回動可能に固定されている。
この第2のバルーン62は、前記第1のバルーン60と同様に、挿入軸方向に内外径が変化することなく伸縮可能な蛇腹形状に構成された円筒状のバルーンであり、先端部が前記固定ユニット3の伸縮部5A、5Bの後端側の切片6が固定されるとともに、摺動筒部材59の後端側の周面上に伸縮自在に配置されている。
また、この第2のバルーン62後端側には、図示しない送気/吸引手段により前記第2のバルーン62に空気等の流体を送気/吸引するための第2の送気/吸引チューブ63が接続されている。
従って、第2の送気/吸引チューブ63を介して空気等の流体を送気/吸引して第2のバルーン62を伸縮することで、固定ユニット3の伸縮部5A、5Bを伸縮させ、その結果、拡径部4を拡径又は収縮させることができる。
また、第1の送気/吸引チューブ61を介して空気等の流体を送気/吸引して第1のバルーン60を伸縮することで、挿入部2を挿通している摺動筒部材59を挿入軸方向又は逆方向に移動させることができる。
尚、第1のバルーン60及び第2のバルーン62は、長手方向が蛇腹形状で、且つ挿入軸方向に対して垂直な面においては円筒状に形成されたものであるので、伸縮することで挿入軸方向に対して強い力を発生させることができる。勿論、バルーンの形状は前記形状に限定されるものではない。
また、前記第1及び第2の送気/吸引チューブ61、63に接続される図示しない送気/吸引装置は、例えばフットスイッチ等のスイッチによって、空気等の流体の送気又は吸引がコントロール可能である。勿論、他のコントロールスイッチを用いて前記送気/吸引装置を制御するように構成しても良い。
このような構成の医療機器1Hは、前記送気/吸引装置(図示せず)をコントロールすることで、固定ユニット3の拡径部4を拡径→後方に移動→収縮→前方に移動といった一連の動作を繰り返すことにより、大腸等の体腔内を移動することが可能である。
このような第5の実施の形態の医療機器1Hの動作例について図30から図34を用いて説明する。
いま、本実施の形態に係る医療機器1Hを大腸等の体腔200内に挿入し、その後、挿入部2を進ませながら深部へ挿入するものとする。
この場合、図30に示すように、第1のバルーン60と第2のバルーン62との両方を収縮させた状態で、体腔200内に挿入する。
その後、術者は、体腔200内に挿入されている医療機器1Hにおいて、第2のバルーン62に送気する操作を行う。すると、第2のバルーン62は、図31に示すように、その蛇腹形状が挿入軸方向後方に伸長しながら膨らむことになる。
このため、この第2のバルーン62の先端部に固定されている伸縮部5A、5Bが伸長し、これによって、固定ユニット3の拡径部4が拡径されることで腸壁に当接し摺動筒部材59を固定する(図31参照)。
その後、術者は、図31に示す状態から、第1のバルーン60に送気する操作を行う。すると、第1のバルーン60は、図32に示すように、その蛇腹形状が挿入軸方向後方に伸長しながら膨らむことになる。
このため、この第1のバルーン60が外付けされる摺動筒部材59を固定ユニット3と共に挿入軸方向の後方へ(図中に示すC矢印方向)と移動させる。これにより、内視鏡2の挿入部2は、図32に示すように挿入軸方向の前方側へと進むことになる。
そして、術者は、図32に示す状態から、第2のバルーン62内の空気を吸引する操作を行う。すると、第2のバルーン62は、図33に示すように、その蛇腹形状が挿入軸方向の前方に収縮することになる。
この第2のバルーン62の先端部に固定されている伸縮部5A、5Bが収縮し、これによって、固定ユニット3の拡径部4が収縮されることで腸壁への当接状態を解除する(図33参照)。
その後、術者は、図33に示す状態から、第1のバルーン60内の空気を吸引する操作を行う。すると、第1のバルーン60は、図34に示すように、その蛇腹形状が挿入軸方向の前方に収縮することになる。
このため、この第1のバルーン60が外付けされる摺動筒部材59を固定ユニット3と共に挿入軸方向の前方に(図中に示すB矢印方向)引き寄せて移動させる。
このように、図30から図34に示す動作を繰り返し行うことで、医療機器1Hは、体腔200内において徐々に挿入部2を進ませながら深部へと挿入することができる。
従って、第5の実施の形態によれば、内視鏡2の挿入部2の湾曲部20の後方に、前記したような挿入部2を進める挿入補助手段を設けたことにより、例えば挿入部2を挿入する際に、挿入部2が蛇行していると、体腔外から押しても挿入部2の蛇行部が蛇行するだけで先端部21が進まない場合などに、効率良く挿入部2を進めることができる。
また、内視鏡2の挿入部2を固定して、前記挿入補助手段を用いると、大腸の腸壁を手繰ることで挿入することが可能となる。
さらに、拡径部4を拡径して挿入部2を大腸の腸壁に固定することができるので、蛇行した挿入部2を体腔外が引っ張ることで、大腸を直線化することが可能となる。
尚、第5の実施の形態において、拡径部4を拡径/収縮させる第1のバルーン60及び第2のバルーン62は、蛇腹形状に構成されたものではなく、例えば、図35の変形例に示すように、柔軟なチューブが巻回されて構成され、空気を送気すると、挿入軸方向に伸長する第1のバルーン60A及び第2のバルーン62Aを設けて構成しても良い。
また、拡径部4を拡径/収縮させる手段としては、バルーンではなく、例えば、図36の変形例に示すような熱電素子部材65及び形状記憶合金ばね部材66を設けて構成しても良い。
この場合、図36に示すように、摺動筒部材の周面上にリング状の熱電素子部材65を固定する。この熱電素子部材65は、電流を流すことにより冷却する特性を有しており、例えばペルティエ素子(Peltier device)を用いて構成される。そして、この熱電素子部材65上にリング状の形状記憶合金ばね部材66を設ける。また、形状記憶合金ばね部材66には、電線(図示せず)が接続してある。
そして、この形状記憶合金ばね部材66の両端側に、固定ユニットの伸縮部5A、5Bの切片6を夫々連結部材67にて回動自在に固定する。この形状記憶合金ばね部材66は、電流を流すと発熱し、そして、熱が冷めると所定形状に戻るといった特性を有している。従って、この形状記憶合金ばね部材66の特性を用いることによって、伸縮部5A、5Bを伸長/収縮させることができる。
尚、図示はしないが前記熱電素子部材65に電線を接続し、この電線を介して図示しないコントロールユニットから電流を流すように構成すれば良い。2本の電線を束ねて構成してもよい。
従って、送気/吸引チューブやバルーン、さらに送気/吸引装置等を設けなくても、簡単な構成で固定ユニット3の拡径部4の拡径又は収縮が行える。また、熱電素子部材65で冷却することで、形状記憶合金ばね部材66の動きを自然冷却よりも早くすることができる。
ところで、本発明に係る医療機器は、拡径部付き処置具70として構成した場合に、拡径部の体壁に当接する接触面積を大きくして、固定力を高めることも可能である。このような実施の形態を図37〜図39に示す。
(第6の実施の形態)
図37から図39は、本発明の医療機器の第6の実施の形態に係り、図37は、第6の実施の形態の医療機器に設けられた拡径部付き処置具の構成を示す断面図、図38は、図38の拡径部付き処置具の固定ユニットを操作するための操作部を示す構成図、図39は、作用を説明する説明図であり、径が収縮する様子を示している。
尚、図37から図39は、前記第2の実施の形態の変形例3(図15参照)の装置と同様の構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
第6の実施の形態の医療機器は、図15に示す変形例3と同様に、内視鏡2の処置口チャンネルに挿通される、拡径部付き処置具70を有して構成されている。
この拡径部付き処置具70は、固定ユニット3と、この固定ユニット3が先端部に設けられた管状部材71と、この管状部材71内に挿通される駆動ワイヤ72と、前記固定ユニット3の拡径部に固定される第1及び第2の固定部材73、74と、前記管状部材71の基端側に設けられ、前記駆動ワイヤ72の押し引きを操作するための操作部75(図38参照)とを有して構成されている。
前記第1及び第2の固定部材73、74は、パンタグラフで、軸方向に連動可能に連結し、さらに、筒状に形成されている。従って、パンタグラフ同士の連結部は、切片6が4枚重ねになっている。このような構成により、第1の固定部材73を縮径すると、この第1の固定部材73は第2の固定部材74にリンクで連結しているので、第2の固定部材74も間接的に縮径することになる。
固定ユニット3の伸縮部5A、5Bの後方側の切片6は、前記管状部材71の先端部に連結部材71aを介して回動可能に固定されている。また、前方側の切片6は、前記駆動ワイヤ72の先端部に連列部材72aを介して回動自在に固定されている。
また、伸縮部5A、5Bに固定されている第1の固定部材73の先端側には、第2の固定部材74が固定されている。これら第1及び第2の固定部材73、74を設けたことにより、腸壁との接触面積を大きくして固定力を向上させ、腸壁からの抜けを防止するためである。
一方、操作部75は、図38に示すように、前記管状部材71が接続された本体76と、この本体76内の長手方向にスライド可能な摘み部77と、この摘み部77の先端側に管状部材71内の駆動ワイヤ72の基端部を固定した固定部77aとを有して構成されている。
このような構成によれば、操作部75の摘み部77を術者が押し引きすることで、前記駆動ワイヤ71を進退させ、その結果、図37に示す固定ユニットの拡径部4を、図39に示すように、拡径又は収縮させることが可能となる。
また、この拡径部付き処置具70を用いて、図示しない挿入部を大腸内に固定した場合、この固定ユニット3は、前記第1及び第2の固定部73を設けたことにより、腸壁に当接する接触面積が大きいものとなる。従って、固定されている挿入部が大腸から抜けることはなく、確実にその固定状態を保持することができる。
従って、第6の実施の形態によれば、第2の実施の形態の変形例3と同様の効果が得られる他に、簡単な構成で、内視鏡2の挿入部の体腔内からの抜けを防止することができるといった効果が得られる。
尚、第6の実施の形態では、第1及び第2の固定部73、73を設けて腸壁に対する接触面積を大きく構成したが、このような構成に限定されるものではない。
変形例としては、伸縮部5A、5Bの切片6の組数を減らすとともに第1の固定部73の長手方向における長さを長くして、腸壁との接触面積を大きくする、或いは、伸縮部5A、5Bの切片の組数を増やすと同時に、拡径部4の切片の組数を増やすことで、第1の固定部73の腸壁との接触面積を大きくするように構成しても良い。勿論、このような構成に限定されることはなく、固定ユニット3の拡径部4の接触面積を大きくする構成であれば良い。
(第7の実施の形態)
図40及び図41は、本発明の医療機器の第7の実施の形態に係り、図40は、第7の実施の形態の医療機器の構成を示す断面図、図41は、図40の医療機器を小腸に挿入した場合の動作を説明する説明図である。
尚、図40及び図41は、前記第1の実施の形態の装置と同様の構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
第7の実施の形態の医療機器1Iは、カプセル型内視鏡2Aに固定ユニット3を設けて構成されている。
特に、本実施の形態では、医療機器1Iを小腸用として構成しているので、固定ユニット3の拡径部4を収縮させた状態の径L3が、カプセル型内視鏡2Aの外径L2よりも小さくなるように構成されている。
尚、この固定ユニット3の拡径部4を拡径/収縮するためのリニアアクチュエータは、カプセル型内視鏡2Aの後端側に設けられている。
その他の構成は、前記第1の実施の形態と同様である。
第7の実施の形態の医療機器1Iの作用を説明する。
医療機器1Iを通常のカプセル型内視鏡と同じように嚥下後、送信された内視鏡画像を見ながら小腸内を観察するものとする。
このとき、術者が表示装置に表示されている観察部位を慎重に観察したい場合には、術者は、遠隔操作により、医療機器1I内の駆動ユニットを駆動し固定ユニット3を拡径させる。すると、図41に示すように、医療機器1Iが固定される。即ち、内視鏡がカプセル型内視鏡2Aである場合には、このカプセル型内視鏡2Aを所望の位置で停止させて観察することができる。
このように、カプセル型内視鏡2Aを所望の位置で停止させることができるので、例えば逆流性食道炎のように、胃の手前部分にカプセル型内視鏡2Aを留めて観察しなければならない場合には、特に有効である。
従って、第7の実施の形態によれば、第1の実施の形態による効果が得られる他に、カプセル型内視鏡2Aの固定機能を有効活用することで、特に小腸の観察性能を向上できるといった効果が得られる。
以上の実施の形態に記載した発明は、その実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、前記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
例えば、実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
1…医療機器、
2…挿入部、
3…固定ユニット、
4…拡径部、
5…伝達部、
5A、5B…伸縮部、
6…切片、
6A…回動中心部、
6B…連結部、
7…リベット、
11…駆動ユニット、
12…駆動軸。

Claims (9)

  1. 体腔内に挿入される挿入部と、前記挿入部に設けられ、前記体腔壁と当接することで前記挿入部を前記体腔に対し固定する固定部とを有する医療機器において、
    前記固定部は、
    複数の切片同士が環状に連結されることで前記挿入部の周方向に拡径可能に構成された拡径部と、
    前記拡径部に対し拡径するための駆動力を伝達するために前記拡径部に接続された伝達部と、
    を具備したことを特徴とする医療機器。
  2. 前記拡径部を構成する前記複数の切片は、前記挿入部の外周側面に沿って円周状に配置されるとともに、それぞれの切片は該円周の接線に沿って回動可能な回動中心部と、隣り合う切片同士が回動可能に連結される両端部を有し、
    前記拡径部は、前記複数の切片がそれぞれ回動中心部を中心として隣り合う切片に対し連結状態を維持したまま回動し、前記円周方向に直行する前記両端部間の距離を変化させることで拡径することを特徴とする請求項1に記載の医療機器。
  3. 前記伝達部は、前記複数の切片の少なくとも1つに対し、該切片を回動させるための駆動力を伝達することを特徴とする請求項2に記載の医療機器。
  4. 前記伝達部は、前記拡径部の拡張に伴い、前記拡径部との接続状態を維持したまま伸縮する伸縮部を有していることを特徴とする請求項2に記載の医療機器。
  5. 前記伸縮部は、複数の切片同士がリンク機構により連結されたリンク構造により伸縮可能に構成したことを特徴とする請求項4に記載の医療機器。
  6. 前記複数の切片は、夫々が隣り合う切片に対し、リンク機構により回動可能に連結されることを特徴とする請求項2に記載の医療機器。
  7. 前記挿入部は、内視鏡の挿入部、又はカプセル型内視鏡のカプセル型内視鏡本体、又は長尺なオーバーチューブであることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の医療機器。
  8. 前記伝達部材に接続され、前記拡径部に対し拡径するための駆動力を発生する駆動部を、前記内視鏡の挿入部、又は前記カプセル型内視鏡本体、又は前記オーバーチューブに設けたことを特徴とする請求項7に記載の医療機器。
  9. 前記伝達部材は、ワイヤ、又は磁石を用いて前記駆動力を前記拡径部に伝達することを特徴とする請求項2に記載の医療機器。
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