JP2010207342A - 医療機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係る医療機器1は、体腔内に挿入される挿入部2と、前記挿入部2に設けられ、前記体腔壁と当接することで前記挿入部2を前記体腔に対し固定する固定ユニット3とを有し、前記固定ユニット3は、複数の切片6同士が環状に連結されることで前記挿入部2Aの周方向に拡径可能に構成された拡径部4と、前記拡径部4に対し拡径するための駆動力を伝達するために前記拡径部4に接続された伝達部5と、を有している。
【選択図】図1
Description
(第1の実施の形態)
図1から図8は、本発明の医療機器の第1の実施の形態に係り、図1は医療機器の構成を説明する図、図2から図4は、固定部を構成する拡径部及び伝達部の構成を説明するもので、図2は拡径部及び伝達部を構成する切片を示す斜視図、図3は2つの切片を連結部材で連結する状態を示す斜視図、図4は図3の状態からさらに複数の切片同士を連結した状態を示す斜視図、図5は駆動部の駆動軸と伝達部とを連結する連結部材の構成を示す斜視図、図6は拡径部の切片と伝達部の切片とを連結する連結部材の構成を示す斜視図、図7は拡径部が拡径された状態を示す側面図、図8は拡径部が縮小された状態を示す側面図である。
図1に示すように拡径部4は、複数の切片6によって構成される。これら複数の切片6は、図2に示すように回動中心部6Aと、隣り合う切片6同士を回動可能に連結する連結部6Bを両端部に有している。
具体的に、伝達部5は、拡径部4との接続状態を維持したまま伸縮する一対の伸縮部5A、5B、5Cを有している。
これら3つの伸縮部5A、5B、5Cは、駆動軸12から拡径部4の円周線方向に放射状に、且つ等間隔となるように配置される。即ち、後述する駆動軸連結部材9に設ける3つの折曲部9aを、周方向に120度間隔で設ける。このことによって、駆動軸12からの駆動力を効率良く拡径部4に伝達することができる。
まず、図3に示すように一方の切片6の回動中心部6Aに、もう一方の切片6の回動中心部6Aを重ねるように配置する。そして、重ねられた切片6同士を回動自在に連結する。
次に、図4に示すように、連結された双方の切片の6の連結部6Bに、それぞれ他の連結された切片6の連結部6Bを回動自在に連結する。そして、連結された切片6の連結部6B同士を連結する作業を繰り返し、図1に示した環状の拡径部4を形作る。
さらに、拡径部4の所定位置に配置された2つの切片6の連結部6Bと、伸縮部5Aの一端側に配置された2つの切片6の連結部6Bとを、連結部材8を介して回動自在に連結する。
尚、伸縮部5Bと拡径部4との連結、及び伸縮部5Cと拡径部4との連結についても、前記伸縮部5Aの連結作業と同様に行う。これにより、一対の伸縮部5A、5B、5Cの拡径部4への連結を完了する。
その際、まず、伸縮部5Aの一方の切片6の連結部6Bの孔6b及び予め駆動ユニット11の先端側に固定された連結部材10の折曲部10aの孔にリベット7の取付部7aを挿通し、この取付部7aに受け部7bを嵌め込むことで、伸縮部5Aの一方の切片6を連結部材10に回動自在に連結する。
こうして、図1に示すように挿入部2に、挿入部2の周方向に拡径可能な拡径部4と、この拡径部4に対し拡径するための駆動力を伝達するための伝達部5と、駆動力を発生する駆動ユニット11とを備えた固定ユニット3が装着される。
図7、図8に示す固定ユニット3を大腸に挿入される内視鏡の挿入部2に配設し、大腸の所望の部位において固定し、観察を行うものとする。
術者は、予め、図示しない操作部のスイッチを操作して、固定ユニット3の拡径部4を、図8に示すように収縮させ、この収縮させた状態で、大腸への挿入を行う。
拡径部4を収縮させる場合、術者のスイッチ操作によって、駆動ユニット11の駆動軸12を挿入部2の挿入方向(前方方向)に移動させる。
この場合、術者は、操作部のスイッチ操作を行って、駆動ユニット11の駆動軸12を挿入部2の手元側方向に移動させる。
図9及び図10は、本発明の医療機器の第2の実施の形態に係り、図9は医療機器の構成を示す模式図、図10は図9のA矢印方向からみた図である。尚、第2実施形態において、第1の実施の形態の医療機器と同様の構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
次に、第2の実施の形態の作用について説明する。
医療機器1Aの挿入部2を、例えば、大腸内に挿入して観察を行う際、予め、固定ユニット3の拡径部4は収縮される。このとき、本実施形態の医療機器1Aにおいては、収縮された固定部を構成する複数の切片6が先端部21の外周に配置される。このため、観察窓の視野範囲が遮られることなく、挿入部2を深部に向けて押し進めることができる。
さらに、本実施形態において、固定ユニット3は、第1の実施の形態とは異なり、伸縮部5A、5B、5Cの切片6の組数が異なった構成であるため、拡径部4の中心が観察窓の中心に一致するように拡径/伸縮する。即ち、先端部21の観察窓を大腸の腸壁内に対し略中心となるようにセンタリングを行って観察を行うことができる。
従って、第2の実施の形態によれば、拡径部4、伝達部5の切片6を縮径させた状態で、観察視野を十分に確保することができる。また、医療機器1Aにおいて、固定ユニット3は、拡径部4の中心が観察窓の中心に合うように拡径するので、観察窓を大腸の腸管内に対し略中心となるようにセンタリングを行うことができる。よって、大腸の腸壁が閉じている場合であっても、腸壁を拡径部4によって押し広げることにより、目的部位の観察を良好に行うことができる。その他の効果は第1の実施の形態と同様である。
図13は第2の実施の形態の医療機器の変形例1の構成を説明するための断面図である。尚、図13の固定部は拡径した状態を示している。
図13に示すように、変形例1の医療機器1Bは、内視鏡2の先端部21に、固定部である拡径部4及び伝達部5が設けられた先端キャップ23を装着して構成されている。
図14は第2の実施の形態の医療機器の変形例2の構成を説明するための断面図である。尚、図14に示す固定部は拡径した状態を示している。
図14に示すように、変形例2の医療機器1Cは、内視鏡2の挿入部2を挿通可能に構成されたオーバーチューブ27に固定部である拡径部4及び伝達部5を設けて構成されている。
図15は第2の実施の形態の医療機器の変形例3の構成を説明するための断面図である。尚、図15に示す拡径部は拡径した状態を示している。
図15に示すように、変形例3の医療機器1Dは、内視鏡2の処置具チャンネル21Aに挿通される、拡径部4を先端部に設けた拡径部付き処置具30として構成されている。
伸縮チューブ部材31は、2本の伸縮ワイヤ31a、31bを内部に有している。これら2本の伸縮ワイヤ31a、31bは、拡径部4の所定位置の切片6の連結部6Bにそれぞれ接続されている。
具体的には、一方の伸縮ワイヤ32aが前記切片6の先端部21側の連結部6Bに接続され、もう一方の伸縮ワイヤ32bが前記切片6の反対側の連結部6Bに接続されている。
変形例3の医療機器1Dにおいては、固定ユニット3の拡径部4の拡径/収縮は、術者によって、鉗子口から突出する3つの伸縮チューブ31〜33内の各伸縮ワイヤ31a〜33bを適宜引き戻すことによって行われる。
また、前記伸縮ワイヤ31a〜33bは、押し引き動作によって力を確実に各切片6に伝達するためにある低度の剛性を有していることが望ましい。
さらに、3つの伸縮チューブ31〜33は、夫々内挿する伸縮ワイヤ31a〜33bが摺動可能な材質、例えば生体適合性のあるポリプロピレン等の樹脂で構成することが望ましい。勿論、これ以外の生態適合性のある材質であれば良い。
その他の構成は、前記実施の形態と同様である。
図16から図20は、本発明の医療機器の第3の実施の形態に係り、図16は、第3の実施の形態の医療機器の構成を示す構成図、図17から図20は、第3の実施の形態の医療機器の作用を説明する説明図であり、図17は、挿入方向に対して基端側の固定ユニットを拡径して固定した状態、図18は、図17に示す状態から長手方向伸縮部を伸長させて進めた状態、図19は、図18に示す状態から挿入方向の先端側の固定ユニットを拡径して固定すると同時に基端側の固定ユニットを収縮した状態、図20は、図19に示す状態から長手方向伸縮部を収縮して医療機器を挿入方向に進めた状態を夫々示している。
尚、図16から図20は第1の実施の形態の装置と同様の構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
尚、連結手段は、例えば回転自在で且つ角度が自在に変位可能な連結部材を用いている。
いま、本実施の形態に係る医療機器1Eを大腸等の体腔200内に挿入し、その後、自走によって自動的に深部へ自走させるものとする。
このように、図17から図20に示す動作を繰り返し行うことで、医療機器1Eは、体腔200内において自走して進み、深部へと挿入することができる。
また、本実施の形態の医療機器1Eは、前記固定ユニット3及び長手方向伸縮部3Aの応答性が早いので、例えばダブルバルーンを用いて自走する自走式内視鏡よりも早い速度で進ませることができるといった効果もある。
この場合、カバー部材35は、第1及び第3のリニアアクチュエータ11A、11Cの各固定ユニット3の配置位置に、固定力を高めるための溝部36を設けて構成する。これにより、溝部35により当接される腸壁から滑ることもなく、また、他の部分については滑り易くなるので、より進み易くなるといった効果も得る。
尚、溝部36の形状は、単に溝を設けるだけでなく、その溝部分を予め凹ましておき、この凹んだ部分に凸凹部を設けて構成しても良い。これにより、さらに固定力を高めることができる。また、カバー部材35の材質としては、さらに、伸縮性があり、透明な材質を用いることが望ましい。
図22から図25は、本発明の医療機器の第4の実施の形態に係り、図22は、第4の実施の形態の医療機器の構成を示す構成図、図23から図25は、第4の実施の形態の医療機器の作用を説明する説明図であり、図23は、挿入方向に対して先端側の固定ユニットを拡径して固定した状態、図24は、図23に示す状態から先端側の固定ユニットを収縮すると同時に後段の固定ユニットを拡径することで挿入方向に進めた状態、図25は、図24に示す状態から拡径した固定ユニット3を収縮すると同時に、基端側器を挿入方向に進めた状態を夫々示している。
尚、図22から図25は、前記第3の実施の形態の装置と同様の構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
尚、前記連結部材37、38は、前記したような形状に限定されるものではない。また、各リニアアクチュエータ11A、11D、11Eとの連結は、例えば各固定ユニット3の拡径部4により連結しても良い。
その他の構成は前記第3の実施の形態と同様である。
いま、図22に示すように、本実施の形態に係る医療機器1Eを大腸等の体腔200内に挿入し、その後、自走によって自動的に深部へ自走させるものとする。
図26は第4の実施の形態の医療機器の変形例4を示す構成図である。
図26に示すように、変形例4に係る医療機器1Gは、略第4の実施の形態の医療機器1Fと略同じ構成であり、カプセル型内視鏡2Xと、このカプセル型内視鏡2Xに連結される改良された第1〜第3のリニアアクチュエータ11X、11Y、11Zと、この第3のリニアアクチュエータ11Zに連結されるカプセル型ユニット2Yとを有して構成されている。
その他の構成及び作用は前記第4の実施の形態と同様である。
また、医療機器1Gを構成するカプセル型内視鏡2X、第1〜第3のリニアアクチュエータ11X〜11Z、及びカプセル型ユニット2Yは、夫々回動自在で且つ角度も自由に変えられる球形状の連結部材37で連結されているため、大腸或いは小腸などのあらゆる湾曲部に対しても曲がって形状に沿って進むことが可能となり、挿入性を向上できるといった効果もある。
例えば、図27に示すように、このアクチュエータ40は、駆動手段としてのモータ42と、このモータ42の回転軸42aに設けられた外ネジ部43と、この外ネジ部43に螺合する内ネジ部44が内周面に設けられ、この内ネジ部44とは逆側の軸方向に突出するように駆動軸12が設けられた内ネジ棒45と、この内ネジ棒45を軸方向に移動自在に設けた外装部41と、この外装41内に設けられ、図示しないコントロールユニットからのリモコン信号を受信し、この受信したリモコン信号に基づいて前記モータ42を駆動制御するラジコンユニット42と、前記外装41内に設けられ、前記モータ42に駆動電力を供給する電池等のバッテリ47とを有して構成される。尚、モータ42とバッテリ47とは接続線47aにより接続されている。
即ち、固定ユニット3に、例えば腸壁との接触等による外部からの負荷が加わった場合に、図示しないコントトロールユニットは、その負荷が大きい場合、モータ42の駆動を停止させる。これにより、安全性を向上できる。
図29から図34は、本発明の医療機器の第5の実施の形態に係り、図29は、第5の実施の形態の医療機器の構成を示す構成図、図30から図34は、第5の実施の形態の医療機器の作用を説明する説明図であり、図30は、第1及び第2のバルーンを収縮して体腔内に挿入した状態、図31は、図30に示す状態から後端側の第2のバルーンを膨らませて固定ユニットを拡径して固定した状態、図32は、図31に示す状態から先端側の第1のバルーンを膨らませて固定ユニットが設けられた摺動筒部材を後端側に移動させて医療機器を挿入方向に進めた状態、図33は、図32の状態から第2のバルーンを収縮させて固定ユニットを収縮して固定状態を解除した状態、図34は、図34の状態から第1のバルーンを収縮させて摺動筒部材を挿入方向に引き寄せて進めた状態を夫々示している。
図37から図39は、本発明の医療機器の第6の実施の形態に係り、図37は、第6の実施の形態の医療機器に設けられた拡径部付き処置具の構成を示す断面図、図38は、図38の拡径部付き処置具の固定ユニットを操作するための操作部を示す構成図、図39は、作用を説明する説明図であり、径が収縮する様子を示している。
尚、第6の実施の形態では、第1及び第2の固定部73、73を設けて腸壁に対する接触面積を大きく構成したが、このような構成に限定されるものではない。
図40及び図41は、本発明の医療機器の第7の実施の形態に係り、図40は、第7の実施の形態の医療機器の構成を示す断面図、図41は、図40の医療機器を小腸に挿入した場合の動作を説明する説明図である。
特に、本実施の形態では、医療機器1Iを小腸用として構成しているので、固定ユニット3の拡径部4を収縮させた状態の径L3が、カプセル型内視鏡2Aの外径L2よりも小さくなるように構成されている。
その他の構成は、前記第1の実施の形態と同様である。
医療機器1Iを通常のカプセル型内視鏡と同じように嚥下後、送信された内視鏡画像を見ながら小腸内を観察するものとする。
このとき、術者が表示装置に表示されている観察部位を慎重に観察したい場合には、術者は、遠隔操作により、医療機器1I内の駆動ユニットを駆動し固定ユニット3を拡径させる。すると、図41に示すように、医療機器1Iが固定される。即ち、内視鏡がカプセル型内視鏡2Aである場合には、このカプセル型内視鏡2Aを所望の位置で停止させて観察することができる。
2…挿入部、
3…固定ユニット、
4…拡径部、
5…伝達部、
5A、5B…伸縮部、
6…切片、
6A…回動中心部、
6B…連結部、
7…リベット、
11…駆動ユニット、
12…駆動軸。
Claims (9)
- 体腔内に挿入される挿入部と、前記挿入部に設けられ、前記体腔壁と当接することで前記挿入部を前記体腔に対し固定する固定部とを有する医療機器において、
前記固定部は、
複数の切片同士が環状に連結されることで前記挿入部の周方向に拡径可能に構成された拡径部と、
前記拡径部に対し拡径するための駆動力を伝達するために前記拡径部に接続された伝達部と、
を具備したことを特徴とする医療機器。 - 前記拡径部を構成する前記複数の切片は、前記挿入部の外周側面に沿って円周状に配置されるとともに、それぞれの切片は該円周の接線に沿って回動可能な回動中心部と、隣り合う切片同士が回動可能に連結される両端部を有し、
前記拡径部は、前記複数の切片がそれぞれ回動中心部を中心として隣り合う切片に対し連結状態を維持したまま回動し、前記円周方向に直行する前記両端部間の距離を変化させることで拡径することを特徴とする請求項1に記載の医療機器。 - 前記伝達部は、前記複数の切片の少なくとも1つに対し、該切片を回動させるための駆動力を伝達することを特徴とする請求項2に記載の医療機器。
- 前記伝達部は、前記拡径部の拡張に伴い、前記拡径部との接続状態を維持したまま伸縮する伸縮部を有していることを特徴とする請求項2に記載の医療機器。
- 前記伸縮部は、複数の切片同士がリンク機構により連結されたリンク構造により伸縮可能に構成したことを特徴とする請求項4に記載の医療機器。
- 前記複数の切片は、夫々が隣り合う切片に対し、リンク機構により回動可能に連結されることを特徴とする請求項2に記載の医療機器。
- 前記挿入部は、内視鏡の挿入部、又はカプセル型内視鏡のカプセル型内視鏡本体、又は長尺なオーバーチューブであることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の医療機器。
- 前記伝達部材に接続され、前記拡径部に対し拡径するための駆動力を発生する駆動部を、前記内視鏡の挿入部、又は前記カプセル型内視鏡本体、又は前記オーバーチューブに設けたことを特徴とする請求項7に記載の医療機器。
- 前記伝達部材は、ワイヤ、又は磁石を用いて前記駆動力を前記拡径部に伝達することを特徴とする請求項2に記載の医療機器。
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