以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る基板処理装置10の全体構成を説明するための図解的な平面図である。
この基板処理装置10は、複数枚の基板Wを一括して処理できるバッチ式の装置である。基板処理装置10は、フープ(FOUP)保持部1、基板処理部2、主搬送機構3、第1搬出入機構4、第2搬出入機構5、移載機構6、水平搬送機構7、チャック洗浄ユニット8、およびコントローラ9を備えている。基板Wは、この実施形態では、半導体ウエハのような円形基板である。
フープ保持部1は、平面視ほぼ長方形に形成された基板処理装置10の一角部に配置されている。このフープ保持部1は、収容器としてのフープFを保持することができる収容器保持部である。フープ保持部1には、フープFの前面を閉塞している蓋を開閉するためのオープナー12が配置されている。フープFは、オープナー12によって蓋が開かれた後、その内部に収容された基板Wの枚数や位置がセンサ(図示せず)によって確認される。
フープFは、たとえば、基板Wを支持するための複数の基板保持棚(図示せず)を有している。複数の基板保持棚は、Z方向(鉛直方向、垂直方向)に一定の間隔を開けて配置されている。フープFは、複数の基板保持棚により、表面(デバイス形成面)の方向を揃えて複数枚の基板Wを水平姿勢でZ方向に積層した状態で保持する。フープFの最大収容枚数は、この実施形態では、25枚である。
また、基板処理装置10の前面10a(平面視における一短辺に対応)に対向するように、二点鎖線で示す自動フープ搬送装置11が配置されている。自動フープ搬送装置11は、未処理の基板Wを収容したフープFをフープ保持部1に供給する働きと、処理済みの基板Wを収容すべきフープF(空のフープF)をフープ保持部1に供給する働きと、フープ保持部1に保持させるフープFを交換するために、フープ保持部1に保持されているフープFを退避させる働きとを有している。
基板処理部2は、基板処理装置10の側面(平面視における一長辺に対応)10bに沿うY方向(水平方向)に沿って配列された複数の処理部13を備えている。複数の処理部13は、第1薬液槽14、第1リンス液槽15、第2薬液槽16、第2リンス液槽17および乾燥処理部18を含む。第1薬液槽14および第2薬液槽16は、それぞれ、同種または異種の薬液を貯留し、その薬液中に複数枚の基板Wを一括して浸漬させて薬液処理するものである。第1リンス液槽15および第2リンス液槽17は、それぞれ、リンス液(たとえば純水)を貯留し、そのリンス液中に複数枚の基板Wを一括して浸漬させて、表面にリンス処理を施すものである。
この実施形態では、第1薬液槽14と、これに隣接する第1リンス液槽15とが対になっており、第2薬液槽16と、これに隣接する第2リンス液槽17とが対になっている。そして、第1薬液槽14で薬液処理された基板Wを第1リンス液槽15に移すための専用搬送機構としての第1リフタ19と、第2薬液槽16で薬液処理された基板Wを第2リンス液槽17に移すための専用搬送機構としての第2リフタ20とが備えられている。
第1および第2リフタ19,20は、垂直姿勢の複数枚(たとえば52枚)の基板WをX方向(水平方向)に沿って積層した状態で支持する基板支持部と、この基板支持部を上下動させる昇降駆動機構(図示せず)と、基板支持部をY方向に沿って横行させる横行駆動機構(図示せず)とを備えている。なお、X方向は、基板処理装置10の前面10aに沿う水平方向であり、Y方向と直交する方向である。
この構成により、第1リフタ19は、主搬送機構3から垂直姿勢でX方向に積層された複数枚の基板Wを一括して受け取り、この複数枚の基板Wを第1薬液槽14中に下降させて薬液中に浸漬させる。さらに、所定の薬液処理時間だけ浸漬した後に、第1リフタ19は、基板支持部を上昇させて薬液中から複数枚の基板Wを引き上げ、第1リンス液槽15へと基板支持部を横行させ、さらに、この基板支持部を第1リンス液槽15内へと下降させてリンス液中に浸漬させる。所定のリンス処理時間だけ浸漬した後、第1リフタ19は、基板支持部を上昇させてリンス液中から基板Wを引き上げる。この後、第1リフタ19から主搬送機構3に複数枚の基板Wが一括して受け渡される。
第2リフタ20も同様に、主搬送機構3から垂直姿勢でX方向に積層された複数枚の基板Wを一括して受け取り、この複数枚の基板Wを第2薬液槽16中に下降させて薬液中に浸漬させる。さらに、所定の薬液処理時間だけ浸漬した後に、第2リフタ20は、基板支持部を上昇させて薬液中から複数枚の基板Wを引き上げ、第2リンス液槽17へと基板支持部を横行させ、さらに、この基板支持部を第2リンス液槽17内へと下降させてリンス液中に浸漬させる。所定のリンス処理時間だけ浸漬した後、第2リフタ20は、基板支持部を上昇させてリンス液中から基板Wを引き上げる。この後、第2リフタ20から主搬送機構3に複数枚の基板Wが一括して受け渡される。
乾燥処理部18は、複数枚(たとえば52枚)の基板Wを垂直姿勢でX方向に積層した状態で保持する基板保持機構(図示せず)を有しており、減圧雰囲気中で有機溶剤(イソプロピルアルコール等)を基板Wに供給したり、遠心力によって基板表面の液成分を振り切ったりすることにより、基板Wを乾燥させるものである。この乾燥処理部18は、主搬送機構3との間で基板Wの受け渡しが可能である。
主搬送機構3は、垂直姿勢の複数枚(たとえば52枚)の基板WをX方向に積層した状態で一括保持することができる基板一括保持手段としての一対の基板チャック21と、この基板チャック21を作動させるチャック駆動機構(図示せず)と、基板チャック21をY方向に沿って水平移動(横行)させる横行駆動機構(図示せず)と、基板チャック21をZ方向に沿って昇降させるための昇降駆動機構(図示せず)とを備えている。
一対の基板チャック21は、それぞれ、X方向に延びた軸状の一対の支持ガイド22を備え、各支持ガイド22の互いに対向する側には、垂直姿勢の複数枚の基板Wを受け入れて下方から支持するための複数の基板支持溝が軸方向に間隔を空けて形成されている。チャック駆動機構は、一対の基板チャック21を矢印の方向に回動させることにより、一対の支持ガイド22間の距離を拡縮する。これにより、基板チャック21は、基板Wを挟持して保持する保持状態と、基板Wの挟持を解放する解除状態とに切り換える開閉動作を行う。この開閉動作と、第1および第2リフタ19,20の上下動とによって、第1および第2リフタ19,20と基板チャック21との間での基板Wの授受を行う。主搬送機構3は、さらに、乾燥処理部18との間で、垂直姿勢でX方向に積層した状態で複数枚の基板Wを一括して受け渡しする。
主搬送機構3は、垂直姿勢でX方向に積層された複数枚の未処理基板Wを基板受け渡し位置P1で受け取り、垂直姿勢でX方向に積層された複数枚の処理済み基板Wを基板受け渡し位置P1で払い出すように動作する。
チャック洗浄ユニット8は、基板受け渡し位置P1の下方に配置されている。チャック洗浄ユニット8は、一対の基板チャック21がそれぞれ差し入れられる一対の洗浄槽23を有している。この一対の洗浄槽23内において、基板チャック21(とくに支持ガイド22)が、洗浄液を用いて洗浄される。主搬送機構3は、乾燥処理部18での乾燥処理を終えた処理済み基板Wを搬送する前に、基板受け渡し位置P1で基板チャック21を下降させてチャック洗浄ユニット8の洗浄槽23に差し入れる。そして、洗浄槽23内で基板チャック21が洗浄された後に、主搬送機構3は、乾燥処理部18から処理済み基板Wを一括して受け取るように動作する。
図2は、フープFと主搬送機構3との間の基板搬送に関連する構成を拡大して示す斜視図である。この図2と前述の図1を併せて参照する。
フープ保持部1に保持されたフープFと基板処理部2との間での基板Wの搬送は、第1搬出入機構4、第2搬出入機構5、移載機構6、および水平搬送機構7によって協働して行われる。以下では、第1搬出入機構4、移載機構6、および水平搬送機構7の構成について説明し、次いで、これらの機構による基板搬送の具体例について説明する。
[第1搬出入機構]
第1搬出入機構4は、複数枚の基板Wを積層状態で一括して搬送できるバッチ式の基板搬送装置であり、フープ保持部1に対してY方向に対向するように配置されている。第1搬出入機構4は、複数枚(たとえば26枚)の基板Wを積層状態で一括して保持できるバッチハンド24と、バッチハンド24を支持するハンド支持部25と、回転駆動機構(図示せず)と、旋回駆動機構(図示せず)と、ハンド進退機構26とを備えている。
回転駆動機構は、たとえばモータなどのアクチュエータからなるものであり、バッチハンド24およびハンド支持部25を、旋回ブロック27に対してバッチハンド24の中心軸A1まわりに360度の範囲で相対回転させる。旋回駆動機構は、たとえばモータなどのアクチュエータからなるものであり、バッチハンド24、ハンド支持部25および旋回ブロック27をX方向に平行な旋回軸28まわりに旋回させる。ハンド進退機構26は、たとえばベルト駆動機構からなるものであり、バッチハンド24、ハンド支持部25および旋回ブロック27を進退ブロック29とともにY方向に沿って水平移動させる。
バッチハンド24は、複数(たとえば52個)のハンド要素30を備えており、これらのハンド要素30によって、複数枚の基板Wを積層状態で一括して保持する。個々のハンド要素30は、平面視略楔形に形成された板状の部材であり、ハンド支持部25によって片持ち支持されている。バッチハンド24の中心軸A1は、全ハンド要素30の重心を通り、ハンド要素30に平行な方向に沿う仮想直線により定義される。
複数のハンド要素30は、2本ずつが互いに所定距離を開けて対向した状態で、その対向方向に直交するハンド要素整列方向D3に間隔を開けて積層されている。ハンド要素整列方向D3に隣接するハンド要素30間の間隔は、フープF内における基板W相互の間隔と同じ間隔にされている。バッチハンド24は、ハンド支持部25に内蔵された移動機構(図示せず)によって、ハンド支持部25に対してハンド要素整列方向D3に沿って相対移動される。したがって、各ハンド要素30が水平姿勢とされているときには、移動機構によって、バッチハンド24がZ方向(鉛直方向)に移動されることになる。
バッチハンド24は、各ハンド要素30が水平姿勢にされた状態で、対向する2本のハンド要素30上で基板Wの下面を支持することにより、1枚の基板Wを水平姿勢で保持する。したがって、バッチハンド24は、26対のハンド要素30によって、26枚の基板WをフープF内での基板保持ピッチと等しいピッチで水平姿勢で一括保持する。
各ハンド要素30は、互いに反対側の表面である第1支持面および第2支持面(図2においては、各ハンド要素30の上面および下面)を備えており、対向する2本のハンド要素30の第1支持面または第2支持面上で基板Wの下面を支持することにより、1枚の基板Wを水平姿勢で保持する。図示はしないが、各ハンド要素30の基端部(ハンド支持部25側の端部)において、第1支持面側には、基板Wの下面周縁部に当接する第1支持突起が備えられており、第2支持面側には、基板Wの下面周縁部に当接する第2支持突起が備えられている。また、同じく図示はしないが、各ハンド要素30の先端部において、第1支持面側には、基板Wの周端面および下面周縁部に当接する第1ガイド突起が備えられており、第2支持面側には、基板Wの周端面および下面周縁部に当接する第2ガイド突起が備えられている。
第1支持面が上面となる場合には、第1支持突起および第1ガイド突起によって基板Wが支持され、第2支持面が上面となる場合には、第2支持突起および第2ガイド突起によって基板Wが支持される。たとえば、未処理の基板Wをバッチハンド24で保持すべきときには第1支持面が上面にされ、処理済みの基板Wをバッチハンド24で保持すべきときには第2支持面が上面にされる。具体的には、第1支持面または第2支持面が上面になるように前述の回転駆動機構が制御される。これにより、未処理基板Wに付着している異物がバッチハンド24を介して処理済み基板Wへと転移したりすることを抑制または防止できる。
また、バッチハンド24は、ハンド支持部25に取り付けられた3本の軸状の支持ガイド31と協働して、基板Wの周端面を挟持する。3本の支持ガイド31は、ハンド要素整列方向D3に平行に配置されており、そのうち2本の支持ガイド31は、バッチハンド24を間に挟んでハンド要素30に隣接するように配置され、残り1本の支持ガイド31は、対向する2本のハンド要素30の中間位置に配置されている。
3本の支持ガイド31は、ハンド支持部25に内蔵された前述の移動機構(図示せず)によって、バッチハンド24とともに、ハンド支持部25に対してハンド要素整列方向D3に沿って相対移動される。また、3本の支持ガイド31は、ハンド支持部25に内蔵されたガイド進退機構(図示せず)によって、ハンド支持部25に対して、バッチハンド24の中心軸A1に沿って相対移動される。したがって、対向する2本のハンド要素30上で基板Wが水平姿勢で保持された状態で、3本の支持ガイド31がハンド要素30の先端側に向かって進出するようにガイド進退機構が制御されることにより、3本の支持ガイド31と第1または第2ガイド突起とによって基板Wの周端面が挟持される。
第1搬出入機構4は、バッチハンド24によって、複数枚の基板Wを水平姿勢で一括保持し、さらに、前述の旋回駆動機構によって、旋回軸28を中心としてバッチハンド24をYZ平面に沿って90度旋回させることにより、バッチハンド24に保持された複数枚の基板Wの姿勢を水平姿勢と垂直姿勢との間で変換する。基板Wの姿勢変換が行われるときは、3本の支持ガイド31と第1または第2ガイド突起とによって基板Wの周端面が挟持される。これにより、姿勢変換中に基板Wを安定して保持することができ、基板Wの落下を抑制または防止できる。
第1搬出入機構4は、バッチハンド24によって、フープ保持部1に保持されたフープFに対して水平姿勢でZ方向に積層された複数枚の基板Wを一括して搬入および搬出し、さらに、垂直姿勢でY方向に積層された複数枚の基板Wを一括して移載機構6との間で受け渡しする。第1搬出入機構4によるフープFに対する基板Wの搬入および搬出が行われるときは、回転駆動機構および旋回駆動機構が制御されることにより、各ハンド要素30が水平姿勢にされた状態で、バッチハンド24がフープ保持部1に保持されたフープFに対してY方向に対向配置される。また、第1搬出入機構4と移載機構6との間での基板Wの受け渡しが行われるときは、旋回駆動機構が制御されることにより、バッチハンド24が旋回軸28を中心としてYZ平面内で回転させられ、各ハンド要素30が垂直姿勢にされる。
第1搬出入機構4は、ハンド進退機構26の働きにより、バッチハンド24がフープF内に進入する搬出入位置P2と、第1搬出入機構4の移動経路上であり、Y方向に関する位置が基板受け渡し位置P1と一致する基板移載位置P3との間でバッチハンド24をY方向に沿って移動させる。第1搬出入機構4の移動経路上において、搬出入位置P2と基板移載位置P3との間には、フープ保持部1に保持されたフープFに対してバッチハンド24がY方向に間隔を隔てて対向する対向位置P4が設定されている。
この実施形態では、バッチハンド24をY方向に沿って水平移動させることができるハンド進退機構26と、バッチハンド24をZ方向に移動させることができる前述の移動機構(図示せず)によって、バッチハンド24を移動させてフープF(収容器)に対して複数枚の基板Wを一括して搬入および搬出させるバッチ式搬出入機構が構成されている。
[移載機構]
移載機構6は、基板移載位置P3に配置されている。移載機構6は、垂直姿勢の複数枚(たとえば26枚)の基板WをY方向に積層した状態で一括保持し、保持した複数枚の基板WをZ方向に搬送するように構成されている。具体的には、移載機構6は、Y方向に延びた一対の支持ガイド軸32と、一対の支持ガイド軸32を各軸まわりに回動可能に支持するガイド支持部33と、ガイド回動機構34と、ガイド水平移動機構35と、上下駆動機構(図示せず)とを備えている。ガイド回動機構34は、その一部がガイド支持部33に内蔵されており、上下駆動機構は、基板処理装置10のケーシングC1に収容されている。ガイド支持部33は、Y方向に沿って移動可能に本体部36の上端に取り付けられている。
ガイド回動機構34は、たとえばベルト駆動機構からなるものであり、一対の支持ガイド軸32を各軸まわりに回動させる。ガイド水平移動機構35は、たとえばモータなどのアクチュエータからなるものであり、ガイド支持部33を本体部36に対してY方向に微少距離だけ直線往復移動させる。ガイド支持部33は、本体部36上で、リニアガイドG1によって案内されながらY方向に移動するようになっている。上下駆動機構は、たとえばボールねじ機構からなるものであり、一対の支持ガイド軸32およびガイド支持部33とともに、本体部36を上下動させる。
各支持ガイド軸32は、周方向の異なる位置(この実施形態では180度異なる位置)に、第1当接部37および第2当接部38を備えており、これらの間の2箇所が退避部となっている。第1および第2当接部37,38は、それぞれ、支持ガイド軸32の軸方向と直交する方向に突出した複数個(たとえば26個)の歯状突起39を軸方向に整列配置して構成されている。軸方向に隣接する歯状突起39間の間隔は、フープF内における基板W相互の間隔と同じ間隔にされている。また、各歯状突起39の先端部には、基板Wの周縁部を受け入れて支持するための支持溝が形成されている。ガイド回動機構34によって支持ガイド軸32を回動させることにより、一対の支持ガイド軸32の第1当接部37同士を対向させた第1支持状態、第2当接部38同士を対向させた第2支持状態、または退避部同士を対向させた退避状態となる。
第1支持状態では、一対の支持ガイド軸32の第1当接部37間の距離は、基板Wの直径よりも狭くなる。したがって、一対の支持ガイド軸32で垂直姿勢の複数枚の基板Wを一括保持できる。同様に、第2支持状態では、一対の支持ガイド軸32の第2当接部38間の距離は、基板Wの直径よりも狭くなる。したがって、一対の支持ガイド軸32で垂直姿勢の複数枚の基板Wを一括保持できる。たとえば、未処理基板Wを保持するときには第1支持状態とし、処理済み基板Wを保持するときには第2支持状態となるように、ガイド回動機構34を制御することにより、未処理基板Wと処理済み基板Wとを、第1および第2当接部37,38で切り換えて保持する。
一方、退避状態では、一対の支持ガイド軸32間の距離が基板Wの直径よりも長くなる。したがって、垂直姿勢の基板Wは、一対の支持ガイド軸32間を通過する。
移載機構6は、基板移載位置P3で、垂直姿勢でY方向に積層された複数枚の基板Wを、第1搬出入機構4との間で受け渡しする。また、移載機構6は、基板移載位置P3で、垂直姿勢でY方向に積層された複数枚の基板Wを、水平搬送機構7との間で受け渡しする。
[水平搬送機構]
水平搬送機構7は、垂直姿勢の複数枚の基板Wを水平方向に積層した状態で一括保持し、保持した複数枚の基板WをX方向に沿って搬送するように構成されている。また、水平搬送機構7は、平面視において、基板受け渡し位置P1と基板移載位置P3との間に配置されており、基板受け渡し位置P1と基板移載位置P3との間をX方向に沿って移動するように構成されている。具体的には、水平搬送機構7は、垂直姿勢の複数枚(たとえば52枚)の基板Wを水平方向に積層した状態で一括保持できる水平搬送保持部40と、水平搬送保持部40をX方向に沿って水平移動させる水平駆動機構(図示せず)と、水平搬送保持部40を鉛直軸まわりに水平回転させる水平回転機構(図示せず)とを備えている。
水平駆動機構は、たとえばベルト駆動機構からなるものであり、基板受け渡し位置P1と基板移載位置P3との間で、水平搬送保持部40をX方向に沿って水平移動させる。また、水平回転機構は、たとえばモータなどのアクチュエータからなるものであり、水平搬送保持部40を鉛直軸まわりに360度の範囲で回転させる。したがって、水平搬送保持部40に複数枚の基板Wが保持された状態で、水平回転機構によって水平搬送保持部40を水平回転させることにより、水平搬送保持部40に保持された複数枚の基板Wの整列方向を一括して変換する。具体的には、たとえば、水平搬送保持部40を鉛直軸まわりに90度水平回転させることにより複数枚の基板Wの整列方向をX方向とY方向との間で変換したり、水平搬送保持部40を鉛直軸まわりに180度水平回転させることにより複数枚の基板Wの整列方向を反転させたりする。
水平搬送保持部40は、第1ガイド41および第2ガイド42を備え、これらを未処理基板Wの保持と処理済み基板Wの保持とで使い分けるように構成されている。第1ガイド41は、水平方向に沿って平行に配置された3本の第1支持部材43を有しており、第2ガイド42は、水平方向に平行に配置された3本の第2支持部材44を有している。支持部材43,44の各上面には、複数(たとえば52個)の基板保持溝が、フープF内での基板保持ピッチの半分のピッチ(ハーフピッチ)で形成されている。
3本の第1支持部材43は、図示しない上下駆動機構によって、3本の第2支持部材44に対して微小距離だけ上下動される。3本の第1支持部材43を3本の第2支持部材44に対して上下動させることにより、第1ガイド41の基板支持高さを第2ガイド42の基板支持高さよりも高くしたり、反対に、第1ガイド41の基板支持高さを第2ガイド42の基板支持高さよりも低くしたりする。これにより、第1および第2ガイド41,42のうちで基板支持高さの高い方を基板Wの支持のために用いることができる。したがって、たとえば、第1ガイド41を未処理基板Wの保持のために用い、第2ガイド42を処理済み基板Wの保持のために用いることができる。
水平搬送機構7は、基板移載位置P3で、垂直姿勢でY方向に積層された複数枚の基板Wを移載機構6との間で受け渡し、さらに、基板受け渡し位置P1で、垂直姿勢でX方向に積層された複数枚の基板Wを主搬送機構3との間で受け渡しする。
[基板搬送]
次に、主搬送機構3、第1搬出入機構4、移載機構6、水平搬送機構7による基板搬送の具体例について説明する。基板Wの搬送は、コントローラ9が、基板処理部2、主搬送機構3、第1搬出入機構4、第2搬出入機構5、移載機構6、水平搬送機構7、チャック洗浄ユニット8などの各部の動作を制御することによって実現される。
[第1搬出入機構によるフープからの複数枚の未処理基板の搬出]
第1搬出入機構4によるフープFからの複数枚の未処理基板Wの搬出が行われるときは、第1支持面が上方となるように各ハンド要素30が水平姿勢にされ、バッチハンド24がフープ保持部1に保持されたフープFに対してY方向に対向配置される(図2参照)。そして、ハンド進退機構26が制御され、バッチハンド24がフープFに向かってY方向に移動される。これにより、バッチハンド24がフープF内に進入し、複数のハンド要素30がそれぞれ基板Wの間に入り込む。そして、ハンド支持部25に内蔵された移動機構(図示せず)が制御されることにより、バッチハンド24がハンド要素整列方向D3(この状態ではZ方向に一致している。)に沿って微少距離(たとえば、フープF内における基板保持ピッチに等しい距離)だけ上昇される。これにより、バッチハンド24によって複数枚の基板Wが同時にすくい上げられる。そして、バッチハンド24がフープF内から退避され、フープF内の複数枚の未処理基板Wが一括して搬出される。
[第1搬出入機構によるフープへの複数枚の処理済み基板の搬入]
第1搬出入機構4によるフープFへの複数枚の処理済み基板Wの搬入が行われるときは、自動フープ搬送装置11が、予め、基板Wを収容すべき空のフープFをフープ保持部1に配置する。そして、各ハンド要素30が水平姿勢にされ、バッチハンド24がフープ保持部1に保持されたフープFに対してY方向に対向配置される(バッチハンド24が図2に示す状態にされる。)。したがって、バッチハンド24に保持された複数枚の処理済み基板Wは、水平姿勢でフープFに対向配置される。
次に、ハンド進退機構26が制御され、バッチハンド24がフープFに向かってY方向に移動される。これにより、複数枚の処理済み基板Wを保持したバッチハンド24がフープF内に進入する。そして、ハンド支持部25に内蔵された移動機構(図示せず)が制御されることにより、バッチハンド24がハンド要素整列方向D3(この状態ではZ方向に一致している。)に沿って微少距離(たとえば、フープF内における基板保持ピッチに等しい距離)だけ降下される。これにより、フープF内に形成された複数の基板保持棚にそれぞれ基板Wが載置され、フープF内に複数枚の基板Wが一括して搬入される。その後、バッチハンド24がフープF内から退避される。
[移載機構による第1搬出入機構からの複数枚の未処理基板の受け取り]
移載機構6が第1搬出入機構4から複数枚の未処理基板Wを一括して受け取るときは、各ハンド要素30が垂直姿勢とされた状態で、バッチハンド24が基板移載位置P3に配置される。したがって、バッチハンド24は、各ハンド要素30の先端が上方に向くように引き起こされ、支持ガイド31は、バッチハンド24に対して下方に配置される。このとき、バッチハンド24に保持された複数枚の未処理基板Wは、水平姿勢から垂直姿勢に姿勢変換され、垂直姿勢で基板移載位置P3に配置される。また、バッチハンド24に保持された複数枚の未処理基板Wは、3本の支持ガイド31と対応する第1または第2ガイド突起とによって挟持された状態で、基板移載位置P3に配置される。
一方、バッチハンド24が基板移載位置P3に配置されるまで、移載機構6は、支持ガイド軸32をハンド支持部25よりも下方の下位置に待機させている。このとき、ガイド回動機構34は、一対の支持ガイド軸32の第1当接部37同士が対向するように支持ガイド軸32の回動位置を制御する。
バッチハンド24が基板移載位置P3に配置された後は、3本の支持ガイド31がハンド要素30の後方に微小距離だけ後退させられ、基板Wの挟持が解かれる。これにより、垂直姿勢の基板Wが支持ガイド31によって下方から支持される。このとき、基板Wは重力によって支持ガイド31に押し付けられるので、同時に、基板Wの整列が達成される。
基板Wの挟持が解かれた後は、移載機構6によって第1搬出入機構4から複数枚の基板Wが一括して受け取られる。具体的には、ハンド支持部25よりも下方の下位置で待機させられていた支持ガイド軸32が、バッチハンド24の上方の上位置(図2に示す位置)まで上昇させられる。この上昇の過程で、複数枚の基板Wは、バッチハンド24から支持ガイド軸32へと一括して移載される。ハンド支持部25のX方向の幅は一対の支持ガイド軸32間の間隔よりも小さいので、支持ガイド軸32の上昇時に支持ガイド軸32とハンド支持部25との干渉が生じるおそれはない。
[第1搬出入機構による移載機構からの複数枚の処理済み基板の受け取り]
第1搬出入機構4が移載機構6から複数枚の処理済み基板Wを一括して受け取るときは、各ハンド要素30が垂直姿勢とされた状態で、バッチハンド24が基板移載位置P3に配置される。したがって、バッチハンド24は、各ハンド要素30の先端が上方に向くように引き起こされ、支持ガイド31は、バッチハンド24に対して下方に配置される。また、このときバッチハンド24は、水平姿勢のときに第2支持面が上方となるように予め制御される。
この状態で、移載機構6は、支持ガイド軸32を上位置からハンド支持部25よりも下方の下位置へと下降させる。この過程で、支持ガイド軸32から支持ガイド31へと複数枚の基板Wが一括して受け渡される。
次に、第1搬出入機構4は、ガイド進退機構(図示せず)によって支持ガイド31を前進させる。これにより、3本の支持ガイド31と処理済み基板W用のガイド突起である第2ガイド突起とによって基板Wが挟持される。この状態で、旋回駆動機構(図示せず)によって、バッチハンド24が垂直姿勢から水平姿勢に旋回される。こうして、複数枚の基板Wが、垂直姿勢から水平姿勢へと姿勢変換される。姿勢変換の終了後には、ガイド進退機構は支持ガイド31をハンド要素30の後方に微小距離だけ後退させて、基板Wの挟持を解く。
[移載機構による水平搬送機構への未処理基板の移載]
移載機構6が複数枚(たとえば25枚)の未処理基板Wを水平搬送機構7に一括して移載するときは、移載機構6が一対の支持ガイド軸32を上位置(図2に示す位置)に位置させた状態で、水平搬送機構7が水平搬送保持部40を基板移載位置P3に移動させる。このとき、水平搬送機構7は、水平搬送保持部40を鉛直軸まわりに旋回させて、第1および第2支持部材43,44をY方向に沿う姿勢にする。さらに、水平搬送機構7は、水平搬送保持部40を第1ガイド41が第2ガイド42よりも上方に位置する第1支持状態にする。したがって、水平搬送保持部40は、垂直姿勢でY方向に積層された複数枚の基板Wを保持できる状態になる。
この状態で、移載機構6は、支持ガイド軸32を下位置へと移動させる。この過程で、支持ガイド軸32に垂直姿勢で保持されている複数枚の基板Wは、水平搬送保持部40へと一括して移載される。水平搬送保持部40の幅は一対の支持ガイド軸32間の間隔よりも小さいので、支持ガイド軸32の下降時に水平搬送保持部40との干渉が生じるおそれはない。
この移載後には、移載機構6のガイド回動機構34が、退避部同士が対向するように一対の支持ガイド軸32を回動させる。その状態で、移載機構6は、支持ガイド軸32を上位置へと上昇させて退避させる。一対の支持ガイド軸32の退避部間の距離は、基板Wの直径よりも長いので、支持ガイド軸32は、水平搬送保持部40に保持された基板Wに干渉することなく、上位置へと退避することができる。
支持ガイド軸32の退避後に、水平搬送機構7は、水平搬送保持部40を鉛直軸まわりに旋回させて、基板移載位置P3から退避させる。そして、水平搬送保持部40が退避した後に、移載機構6は、支持ガイド軸32を下位置へと下降させて待機させる。また、移載機構6は、ガイド回動機構34によって、第1当接部37同士を対向させる。
[移載機構による水平搬送機構への未処理基板の移載(バッチ組み動作)]
水平搬送機構7は、25枚の基板Wを第1ガイド41の1つおきの基板保持溝に保持している。この状態から、さらに25枚の基板Wを空いている一つおきの基板保持溝に受け取ることにより、50枚の基板Wからなるバッチを形成できる。これをバッチ組みという。
第1搬出入機構4は、自動フープ搬送装置11の働きによってフープ保持部1に配置された別のフープFから、25枚の未処理基板Wを一括して搬出する。そして、第1搬出入機構4は、前述の場合と同様にしてその25枚の基板Wを水平姿勢から垂直姿勢に姿勢変換させ、これらの基板Wを支持ガイド31によって基板移載位置P3で支持させる。
この状態で、第1搬出入機構4は、支持ガイド31を基板Wの保持間隔の半分の距離(ハーフピッチ)だけY方向に沿って移動させる。したがって、支持ガイド31に支持された25枚の基板Wは、ハーフピッチだけY方向に沿って移動する。一方、移載機構6は、ガイド水平移動機構35によって、支持ガイド軸32をハーフピッチだけ、支持ガイド31の移動方向と同方向(Y方向)に移動させる。これにより、支持ガイド31および支持ガイド軸32の基板保持位置は、垂直方向に整列され、最初の25枚の基板Wを保持したときよりもY方向に沿ってハーフピッチだけずれた状態となる。
この状態から、移載機構6は、支持ガイド軸32を上昇させて上位置へと導く。この過程で、支持ガイド軸32は、支持ガイド31上の複数枚の基板Wを一括してすくいとる。次いで、第1搬出入機構4は、バッチハンド24を基板移載位置P3から退避させる。そして、水平搬送機構7は、再び水平搬送保持部40を基板移載位置P3へと移動させる。このとき、水平搬送保持部40に保持された25枚の基板W(最初の25枚の基板W)は、水平搬送保持部40の旋回により、整列方向がY方向に沿う姿勢にされる。具体的には、保持された25枚の基板Wの整列方向が、水平搬送保持部40に移載されたときと同じ方向、または水平搬送保持部40に移載されたときと反対の方向にされる。
水平搬送保持部40が基板移載位置P3に移動された後は、移載機構6が、一対の支持ガイド軸32を下位置へと下降させる。その過程で、一対の支持ガイド軸32に保持された25枚の基板Wが、水平搬送保持部40の第1ガイド41上に一括して受け渡される。
前述のように、支持ガイド軸32の基板保持位置が最初の25枚の基板Wを保持したときよりもY方向に沿ってハーフピッチだけずれているので、後に移載された25枚の基板Wは、既に水平搬送保持部40に保持されている25枚の基板Wの間に噛み合うように入り込む。これにより、50枚の基板Wが、ハーフピッチでY方向に積層された状態で水平搬送保持部40に保持される。
また、このとき既に水平搬送保持部40に保持されている25枚の基板Wの整列方向が、水平搬送保持部40に移載されたときと同じ方向にされている場合には、各基板Wの表面が隣接基板Wの裏面に対向する状態(フェース・ツー・バック)で、50枚の基板Wが水平搬送保持部40上で保持され、水平搬送保持部40に移載されたときと反対の方向にされている場合には、隣接する基板Wの表面同士、または裏面同士が対向した状態(フェース・ツー・フェース)で、50枚の基板Wが水平搬送保持部40上で保持される。
[移載機構による水平搬送機構からの複数枚の処理済み基板の受け取り]
移載機構6が水平搬送機構7から複数枚(たとえば25枚)の処理済み基板Wを一括して受け取るときは、水平搬送保持部40が水平搬送保持部40を鉛直軸まわりに旋回させ、水平搬送保持部40に保持された複数枚(たとえば50枚)の基板Wの整列方向を、移載機構6における基板Wの保持方向(Y方向)に合わせる。そして、その姿勢の水平搬送保持部40を基板移載位置P3まで移動させる。
これに先だって、移載機構6は、支持ガイド軸32を、水平搬送保持部40よりも下方の下位置に待機させている。このとき、ガイド回動機構34は、一対の支持ガイド軸32の第2当接部38同士が対向するように支持ガイド軸32の回動位置を制御する。
水平搬送保持部40が基板移載位置P3に達した後は、移載機構6が、上下駆動機構(図示せず)によって、支持ガイド軸32を水平搬送保持部40の上方の上位置まで上昇させる。この上昇の過程で、水平搬送保持部40に保持された複数枚の処理済み基板Wが、支持ガイド軸32へと一括して移載される。水平搬送保持部40は、50枚の基板WをハーフピッチでY方向に積層した状態で保持しているが、このとき、支持ガイド軸32に一括して移載される基板Wは、そのうちの1枚おきの25枚である。こうして、50枚の基板Wからなるバッチが、25枚ずつの基板W群へと解除される。これをバッチ解除という。
バッチ解除動作の後、水平搬送機構7は、一旦、水平搬送保持部40をX方向(基板受け渡し位置P1側)へと退避させる。そして、移載機構6に保持された25枚の基板Wが、基板移載位置P3で、第1搬出入機構4に渡される。さらに、第1搬出入機構4が基板移載位置P3から退避する。その後、支持ガイド軸32が、水平搬送保持部40よりも下方の下位置に待機される。そして、前述の動作(移載機構6による水平搬送機構7からの基板Wの受け取り動作)が再び行われ、水平搬送保持部40に保持されている残りの25枚の処理済み基板Wが、支持ガイド軸32へと一括して移載される。
[主搬送機構による水平搬送機構からの複数枚の未処理基板の受け取り]
主搬送機構3が水平搬送機構7から複数枚の未処理基板Wを一括して受け取るときは、水平搬送機構7が水平搬送保持部40を基板受け渡し位置P1に待機させる。このとき、水平搬送保持部40は、水平搬送保持部40を鉛直軸まわりに旋回させて、水平搬送保持部40に保持された複数枚の基板Wの整列方向を、主搬送機構3における基板Wの保持方向(X方向)に合わせている(図2に示す状態)。
この状態で、主搬送機構3は、一対の基板チャック21を解除状態で基板受け渡し位置P1に移動させる(図2に示す位置まで移動させる。)。そして、主搬送機構3は、一対の基板チャック21を解除状態から保持状態に切り換えて、水平搬送保持部40に保持された複数枚の未処理基板Wを一括して受け取る。
[水平搬送機構による主搬送機構からの複数枚の処理済み基板の受け取り]
水平搬送機構7が主搬送機構3から複数枚(たとえば50枚)の処理済み基板Wを一括して受け取るときは、水平搬送機構7が水平搬送保持部40を基板受け渡し位置P1に待機させる。また、このとき水平搬送保持部40は、第1および第2ガイド41,42の支持部材がX方向に沿う姿勢とされ、さらに、第2ガイドが第1ガイドよりも上方に位置する第2支持状態とされる。
この状態で、主搬送機構3は、一対の基板チャック21を保持状態で基板受け渡し位置P1に移動させ、そして、一対の基板チャック21を保持状態から解除状態に切り換えさせる。これにより、一対の基板チャック21に保持された複数枚の処理済み基板Wが一括して水平搬送機構7に渡される。
[フープと基板処理部との間での基板搬送]
第1搬出入機構4、移載機構6、および水平搬送機構7によるフープ保持部1に保持されたフープFと基板処理部2との間での基板Wの搬送は、たとえば、前述の動作を組み合せることにより実現される。
具体的には、フープF内に保持された複数枚(たとえば25枚)の未処理基板Wが、第1搬出入機構4によって一括して搬出され、さらに、第1搬出入機構4から移載機構6に一括して渡される。そして、水平搬送機構7への基板Wの移載が複数回行われ(バッチ組み動作が行われ)、水平搬送機構7から主搬送機構3に50枚の基板Wが一括して渡される。このようにして、複数枚の未処理基板Wが、フープ保持部1に保持されたフープFから基板処理部2に搬送される。この基板搬送の一例では、フープF内に保持された複数枚の未処理基板Wが、フープF内における並び順が維持された状態で基板処理部2に搬送される。
また、基板処理部2において処理された複数枚(たとえば50枚)の処理済み基板Wは、主搬送機構3から水平搬送機構7に一括して渡され、さらに、25枚ずつ水平搬送機構7から移載機構6に一括して渡される(バッチ解除される)。そして、移載機構6に渡された25枚の基板Wが、移載機構6から第1搬出入機構4に一括して渡され、さらに、第1搬出入機構4によってフープ保持部1に保持されたフープF(空のフープF)に一括して搬入される。このようにして、複数枚の処理済み基板Wが、基板処理部2からフープ保持部1に保持されたフープFに搬送される。この基板搬送の一例では、複数枚の処理済み基板Wが、並び順が維持された状態で基板処理部2からフープFに搬送される。
このように、第1搬出入機構4、移載機構6、および水平搬送機構7による基板搬送では、基板Wの並び順が維持される。したがって、これらの機構によって基板Wを搬送する場合には、たとえば、フープF内における基板Wの並び順とは異なる順序に基板Wを並び替えて複数枚の基板Wを一括処理することができない。また、フープF内に25枚未満(たとえば数枚)の基板Wが不等間隔で保持されている場合に、これらの基板Wを等間隔に整列し直して一括処理することができない。さらに、フープFの中段位置に数枚の基板Wが保持されている場合、これらの基板Wは、この中段位置に対応する処理槽14〜17内の位置で処理されることになり、処理槽14〜17内における任意の位置でこれらの基板Wを一括処理することができない。さらにまた、所定のフープFから取り出した複数枚の基板Wの中にテスト用のダミー基板Wを追加して、これらの基板Wを一括処理することができない。
そこで、本実施形態に係る基板処理装置10では、基板Wの並び順の変更等を行うために、基板Wを1枚ずつ搬送する枚葉式の基板搬送装置である第2搬出入機構5が設けられている。以下では、第2搬出入機構5について説明し、次いで、第2搬出入機構5による基板搬送について説明する。
[第2搬出入機構の構成]
最初に、図1および図2を参照して、第2搬出入機構5の概略構成について説明する。
第2搬出入機構5は、基板Wを1枚ずつ搬送する枚葉式の基板搬送装置であり、X方向に関して第1搬出入機構4よりも基板処理装置10の側面10b側に位置している。第2搬出入機構5は、1枚の基板Wを保持できる第1枚葉ハンド45と、同じく1枚の基板Wを保持できる第2枚葉ハンド46と、第1進退機構と、第2進退機構と、一体移動機構と、相対移動機構と、枚葉ハンド移動機構とを備えている。第1進退機構、第2進退機構、一体移動機構、および相対移動機構は、第2搬出入機構5のケーシングC2に収容されており、枚葉ハンド移動機構は、基板処理装置10のケーシングC1に収容されている。
第1進退機構は、たとえばベルト駆動機構からなるものであり、Y方向と平行な第1水平方向D1に向かって第1枚葉ハンド45を前進位置と後退位置との間で進退させる。また、第2進退機構は、たとえばベルト駆動機構からなるものであり、Y方向と平行で向きが第1水平方向D1と正反対の第2水平方向D2に向かって第2枚葉ハンド46を前進位置と後退位置との間で進退させる。図1および図2では、第1および第2枚葉ハンド45,46が、各後退位置にあり、第1および第2枚葉ハンド45,46の基板保持位置が略等しくなる高さに配置された状態を示している。この実施形態では、図1および図2に示す位置が、第1および第2枚葉ハンド45,46の原点位置に設定されている。
図1に示すように、第1および第2枚葉ハンド45,46は、Z方向から見て重なり合わないように互いに噛み合う形状とされている。第1および第2枚葉ハンド45,46が各後退位置にあるとき、第1および第2枚葉ハンド45,46はZ方向から見て互いに噛み合っている。すなわち、この実施形態では、第1および第2枚葉ハンド45,46がZ方向から見て重なり合わないように互いに噛み合う位置が、第1および第2枚葉ハンド45,46の各後退位置に設定されている。前述のように、第1および第2水平方向D1,D2の向きが正反対にされているので、第1および第2枚葉ハンド45,46は、それぞれ、Z方向から見て互いに噛み合う位置から正反対の方向に向かって前進する。
一体移動機構は、たとえばボールねじ機構からなるものであり、第1および第2枚葉ハンド45,46をZ方向に一体移動させる。相対移動機構は、たとえばエアシリンダなどのアクチュエータからなるものであり、第1および第2枚葉ハンド45,46をZ方向に相対移動させる。枚葉ハンド移動機構は、たとえばボールねじ機構からなるものであり、第1および第2枚葉ハンド45,46をX方向に一体移動させる。
具体的には、枚葉ハンド移動機構は、バッチハンド24の対向位置P4とフープ保持部1との間に設けられた搬送位置P5(図1参照)と、この搬送位置P5から離れており、第1搬出入機構4によって移動されるバッチハンド24の移動経路外に設けられた待機位置P6(図1および図2に示す第1および第2枚葉ハンド45,46の位置)との間で、第1および第2枚葉ハンド45,46をX方向に沿って移動させる。第2搬出入機構5による基板搬送が行われるときは、第1および第2枚葉ハンド45,46が搬送位置P5に移動される。
この実施形態では、第1および第2枚葉ハンド45,46を待機位置P6に移動させることにより、バッチハンド24とフープ保持部1との間から第1および第2枚葉ハンド45,46を退避させるので、フープ保持部1に保持されたフープFに対してバッチハンド24によって基板Wを搬入および搬出するときに、第1および第2枚葉ハンド45,46が邪魔になることを防止することができる。これにより、フープFに対するバッチハンド24による基板Wの搬入および搬出をスムーズに行わせることができる。
また、待機位置P6がバッチハンド24の移動経路外に設定されているので、バッチハンド24がその移動経路(Y方向)に沿って移動するときに、第1および第2枚葉ハンド45,46が邪魔になることを防止することができる。これにより、バッチハンド24をその移動経路に沿ってスムーズに移動させることができる。
第1枚葉ハンド45は、1つの第1ハンド要素52を備えており、この第1ハンド要素52によって、1枚の基板Wを略水平姿勢で保持する。第1ハンド要素52は、平面視において略長方形状をなす板状の部材であり、第1アーム53によって片持ち支持されている。第1ハンド要素52は、水平姿勢で第1アーム53に支持されており、第1アーム53から第1水平方向D1に沿って延びている。
また、第2枚葉ハンド46は、略同一形状の2つの第2ハンド要素54を備えており、この2つの第2ハンド要素54によって、1枚の基板Wを略水平姿勢で保持する。各第2ハンド要素54は、平面視において略長方形状をなす板状の部材であり、第2アーム55によって片持ち支持されている。各第2ハンド要素54の幅(X方向への長さ)は、第1ハンド要素52の幅(X方向への長さ)よりも短くされている。各第2ハンド要素54は、水平姿勢で第2アーム55に支持されており、第2アーム55から第2水平方向D2に沿って延びている。2つの第2ハンド要素54は、X方向に間隔を隔てて平行に配置されている。
図1に示すように、第1および第2枚葉ハンド45,46が各後退位置にあるとき、第1ハンド要素52は、平面視において、2つの第2ハンド要素54の間に入り込み、さらに、その先端が第2アーム55に重なり合わないようになっている。また、第1および第2枚葉ハンド45,46が各後退位置にあるとき、各第2ハンド要素54は、平面視において、その先端が第1アーム53に重なり合わないようになっている。
すなわち、X方向への2つの第2ハンド要素54間の間隔は、第1ハンド要素52の幅よりも大きくされており、第1ハンド要素52の長さ(Y方向に沿う長さ)は、第1および第2枚葉ハンド45,46が各後退位置に配置された状態で、第1ハンド要素52の先端が平面視において第2アーム55に重なり合わない大きさに設定されている。同様に、各第2ハンド要素54の長さ(Y方向に沿う長さ)は、第1および第2枚葉ハンド45,46が各後退位置に配置された状態で、各第2ハンド要素54の先端が平面視において第1アーム53に重なり合わない大きさに設定されている。
第2搬出入機構5は、第1枚葉ハンド45によって、各ハンド要素30が水平姿勢にされた状態で対向位置P4に位置するバッチハンド24に対して、1枚の基板Wを搬入および搬出する。また、第2搬出入機構5は、第2枚葉ハンド46によって、フープ保持部1に保持されたフープFに対して、1枚の基板Wを搬入および搬出する。さらに、第2搬出入機構5は、第1および第2枚葉ハンド45,46間で、1枚の基板Wの受け渡しを行わせる。
この実施形態では、第1枚葉ハンド45をY方向に沿って水平移動させることができる第1進退機構と、第1および第2枚葉ハンド45,46をZ方向に沿って一体移動させることができる一体移動機構とによって、第1枚葉ハンド45を移動させてバッチハンド24に対して基板Wを1枚ずつ搬入および搬出させる第1枚葉式搬出入機構が構成されている。また、第2枚葉ハンド46をY方向に沿って水平移動させることができる第2進退機構と、一体移動機構とによって、第2枚葉ハンド46を移動させてフープF(収容器)に対して基板Wを1枚ずつ搬入および搬出させる第2枚葉式搬出入機構が構成されている。
図3は、第1進退機構47、第2進退機構48、および相対移動機構50について説明するための図解的な斜視図である。この図3では、第2搬出入機構5のケーシングC2の図示を省略している。
第2搬出入機構5のケーシングC2には、YZ平面に沿うように配置された平板状のベースプレート56が収容されている。以下に述べるように、第1進退機構47、第2進退機構48、および相対移動機構50は、ベースプレート56に取り付けられている。すなわち、第1進退機構47、第2進退機構48、および相対移動機構50は、共通のベースプレート56によって保持されている。
第1進退機構47は、Y方向に沿って配置された一対のリニアガイドG2と、一対のリニアガイドG2の下方に配置された第1従動プーリー57(歯付きプーリー)と、第1従動プーリー57に対してY方向に間隔を隔てて配置された第1駆動プーリー58(歯付きプーリー)と、これらのプーリー57,58間にY方向に沿って掛け渡された第1ベルト59(歯付きベルト)と、第1駆動プーリー58に回転軸が結合された第1進退モータ60(図4参照)とを備えている。第1進退モータ60は、ベースプレート56の一方表面側(図3では、背面側)に配置されている。
一対のリニアガイドG2は、ベースプレート56の他方表面(図3では、前面)に固定されており、Z方向に間隔を隔てて平行に配置されている。第1アーム53は、ベースプレート56の他方表面側に位置しており、Y方向に移動可能に一対のリニアガイドG2に取り付けられている。また、第1従動プーリー57および第1駆動プーリー58は、それぞれ、一対のリニアガイドG2の下方において、ベースプレート56に回転可能に保持されている。第1ベルト59は、第1ベルト押さえ61によって第1アーム53に結合されている。
第1アーム53は、第1進退モータ60が第1駆動プーリー58を回転させて第1ベルト59を周回させることにより、一対のリニアガイドG2によって案内されながらY方向に沿って直線移動する。したがって、第1進退モータ60を正転/逆転させることにより、第1アーム53とともに、第1枚葉ハンド45を第1水平方向D1に向かって前進位置と後退位置との間で進退させることができる。図3では、第1枚葉ハンド45が原点位置(後退位置)に配置された状態を示している。
また、第2進退機構48は、前述の一対のリニアガイドG2と、一対のリニアガイドG2の下方に配置された第2従動プーリー62(歯付きプーリー)と、第2従動プーリー62に対してY方向に間隔を隔てて配置された第2駆動プーリー63(歯付きプーリー)と、これらのプーリー62,63間にY方向に沿って掛け渡された第2ベルト64(歯付きベルト)と、第2駆動プーリー63に回転軸が結合された第2進退モータ65(図4参照)とを備えている。第2進退モータ65は、第1進退モータ60と同じく、ベースプレート56の他方表面側に配置されている。また、第2アーム55は、ベースプレート56の他方表面側に位置しており、複数の部材を介して、Y方向に移動可能に一対のリニアガイドG2に取り付けられている。この実施形態では、第1および第2進退機構47,48が一対のリニアガイドG2を共有しており、これによって、第2搬出入機構5の部品点数が削減されている。
第2従動プーリー62および第2駆動プーリー63は、それぞれ、ベースプレート56に回転可能に保持されている。第2従動プーリー62および第2駆動プーリー63は、それぞれ、第1従動プーリー57および第1駆動プーリー58の下方に配置されている。第2ベルト64は、第2ベルト押さえ66およびブラケット67を介して、第2アーム55に連結されている。すなわち、第2ベルト64が、第2ベルト押さえ66によってブラケット67に結合されており、第2アーム55が、ブラケット67に連結されている。
ブラケット67は、複数の板状部からなるものであり、Y方向に移動可能に一対のリニアガイドG2に取り付けられている。ブラケット67において第2アーム55側に位置する板状部67aの一方表面(図3では、前面)には、Z方向に沿って配置された一対のリニアガイドG3が固定されている。第2アーム55は、平板状の基端部55a(ブラケット67側の端部)が一対のリニアガイドG3を介して板状部67aに取り付けられている。
また、板状部67aの一方表面には、L型の取付ステー68を介して、たとえばエアシリンダなどのアクチュエータ69が取り付けられている。アクチュエータ69は、柱状の本体部69aと、本体部69aから突出するロッド69bとを有するものであり、ロッド69bが、本体部69aの中心軸に沿って進退するようになっている。アクチュエータ69は、本体部69aに対してロッド69bを上にして、本体部69aの中心軸がZ方向に沿うように板状部67aに取り付けられている。したがって、ロッド69bは、Z方向に進退するようになっている。ロッド69bは、板状の取付ステー70を介して、基端部55aの下端に連結されている。
ブラケット67は、第2進退モータ65が第2駆動プーリー63を回転させて第2ベルト64を周回させることにより、一対のリニアガイドG2によって案内されながらY方向に沿って直線移動する。また、第2アーム55は、ブラケット67とともに、Y方向に沿って直線移動する。したがって、第2進退モータ65を正転/逆転させることにより、第2アーム55およびブラケット67とともに、第2枚葉ハンド46を第2水平方向D2に向かって前進位置と後退位置との間で進退させる。図3では、第2枚葉ハンド46が原点位置(後退位置)に配置された状態を示している。
また、第2アーム55は、ロッド69bが本体部69aに対して進退されることにより、一対のリニアガイドG3によって案内されながらZ方向に沿って直線移動する。したがって、ロッド69bをZ方向に進退させることにより、ブラケット67に対して、第2アーム55および第2枚葉ハンド46をZ方向に沿って移動させる。これにより、第1枚葉ハンド45に対して第2枚葉ハンド46をZ方向に相対移動させる。すなわち、この実施形態では、アクチュエータ69などの複数の部材により、相対移動機構50が構成されている。後述するように、相対移動機構50は、第1および第2枚葉ハンド46,46を相対移動させて一方の枚葉ハンドから他方の枚葉ハンドに基板Wを移動させる基板移動機構として機能する。
相対移動機構50は、第2枚葉ハンド46の基板保持位置が第1枚葉ハンド45の基板保持位置よりも上方となる上位置と、第1枚葉ハンド45の基板保持位置よりも下方となる下位置との間で、第2枚葉ハンド46を移動させる。また、第2枚葉ハンド46の上位置と下位置との間には、第1および第2枚葉ハンド45,46の基板保持位置が略等しくなる中間位置が設定されている。
図4は、一体移動機構49および枚葉ハンド移動機構51について説明するための図解的な外観図である。この図4は、第2搬出入機構5をY方向に沿って第2アーム55側から見たものである。この図4において、基板処理装置10のケーシングC1および第2搬出入機構5のケーシングC2の図示は省略されている。
一体移動機構49は、ボールねじ機構およびリニアガイドを内蔵したリニアアクチュエータからなり、Z方向に沿って配置されている。一体移動機構49は、その上端に配置されたモータ71からの駆動力を得て、作動部材72をZ方向に沿って移動させることができる。作動部材72は、ベースプレート56に一体移動可能に連結されており、この作動部材72をZ方向に沿って移動させることにより、ベースプレート56をZ方向に移動させる。したがって、一体移動機構49によって作動部材72をZ方向に沿って移動させることにより、ベースプレート56とともに、第1枚葉ハンド45、第2枚葉ハンド46、第1進退機構47、第2進退機構48、および相対移動機構50をZ方向に一体移動させる。
一体移動機構49は、各ハンド要素30が水平姿勢とされたバッチハンド24の全ての基板保持位置に対して基板Wを搬入および搬出可能な範囲で、第1枚葉ハンド45をZ方向に移動させる。また、一体移動機構49は、フープ保持部1に保持されたフープFの全ての基板保持位置に対して基板Wを搬入および搬出可能な範囲で、第2枚葉ハンド46をZ方向に移動させる。
一方、枚葉ハンド移動機構51は、ボールねじ機構およびリニアガイドを内蔵したリニアアクチュエータからなり、X方向に沿って配置されている。枚葉ハンド移動機構51は、その一端(図4では、左端)に配置されたモータ73からの駆動力を得て、作動部材74をX方向に沿って移動させることができる。作動部材74は、Z方向に延びる支持フレーム75に一体移動可能に連結されており、一体移動機構49は、支持フレーム75に一体移動可能に連結されている。
支持フレーム75は、水平面に沿って配置された平板状の下プレート75aと、下プレート75aの上面からZ方向に延びる平板状の2つの垂直プレート75b,75cとを有している。2つの垂直プレート75b,75cは、平面視においてT字状をなすように連結されている。作動部材74は、下プレート75aの下面に連結され、一体移動機構49は、一方の垂直プレート75bの一方表面(図4では、右表面)に連結されている。
枚葉ハンド移動機構51が作動部材74をX方向に沿って移動させることにより、支持フレーム75がX方向に沿って移動する。そして、支持フレーム75の移動に伴って、一体移動機構49がX方向に沿って移動する。さらに、一体移動機構49の移動に伴って、ベースプレート56がX方向に沿って移動する。したがって、枚葉ハンド移動機構51によって作動部材74をX方向に沿って移動させることにより、ベースプレート56とともに、第1枚葉ハンド45、第2枚葉ハンド46、第1進退機構47、第2進退機構48、および相対移動機構50をX方向に一体移動させる。
図5は、第1および第2枚葉ハンド45,46と第1および第2アーム53,55の一部を示す図解的な斜視図である。この図5では、第1および第2枚葉ハンド45,46が原点位置にある状態(第1および第2枚葉ハンド45,46が各後退位置にあり、第1および第2枚葉ハンド45,46の基板保持位置の高さが略等しい状態)を示している。また、図6は、第1枚葉ハンド45と第1アーム53の一部の図解的な平面図であり、図7は、第1枚葉ハンド45の先端部の図解的な拡大図である。また、図8は、第2枚葉ハンド46と第2アーム55の一部の図解的な平面図である。
以下では、図5〜図7を参照して第1枚葉ハンド45および第1ブラケット67について説明し、その後、図5および図8を参照して第2枚葉ハンド46および第2ブラケット67について説明する。
[第1枚葉ハンド]
第1枚葉ハンド45は、第1保持位置P11で基板Wを保持するための第1支持部材76,77と、第2保持位置P12で基板Wを保持するための第2支持部材78,79とを有している。第1支持部材76,77は、それぞれ、第1ハンド要素52の基端部(第1アーム53側の端部)および先端部に2つずつ設けられている。同様に、第2支持部材78,79は、それぞれ、第1ハンド要素52の基端部および先端部に2つずつ設けられている。
第1枚葉ハンド45は、4つの第1支持部材76,77によって基板Wを支持して、1枚の基板Wを略水平姿勢で保持する。また、第1枚葉ハンド45は、4つの第2支持部材78,79によって基板Wを支持して、1枚の基板Wを略水平姿勢で保持する。未処理の基板Wを第1枚葉ハンド45で保持すべきときには、たとえば、4つの第1支持部材76,77が用いられ、処理済みの基板Wを第1枚葉ハンド45で保持すべきときには、たとえば、4つの第2支持部材78,79が用いられる。これにより、未処理基板Wに付着している異物が第1枚葉ハンド45を介して処理済み基板Wへと転移したりすることを抑制または防止できる。
図6に示すように、4つの第1支持部材76,77は、基板Wの外周形状に対応する所定の円周上(一点鎖線で示す円周上)に沿って配置されている。同様に、4つの第2支持部材78,79は、基板Wの外周形状に対応する所定の円周上(二点鎖線で示す円周上)に沿って配置されている。図6において、一点鎖線で囲まれた範囲が第1保持位置P11であり、二点鎖線で囲まれた範囲が第2保持位置P12である。第1および第2保持位置P11,P12は、平面視において(鉛直方向から見て)、その大部分が互いに重なり合うように設定されている。また、第1および第2保持位置P11,P12の中心位置は、平面視において、Y方向にずらされている。
図6に示すように、第1ハンド要素52の基端部に配置された2つの第1支持部材76は、Y方向に平行な第1ハンド要素52の対称軸A2に関して対称に配置されている。また、第1ハンド要素52の基端部に配置された2つの第2支持部材78は、対称軸A2に関して対称に配置されている。2つの第1支持部材76は、2つの第2支持部材78の間に配置されており、第2支持部材78よりも第1ハンド要素52の先端側に配置されている。2つの第1支持部材76は、平面視において、第2保持位置P12に重なり合う位置に配置されている。
一方、第1ハンド要素52の先端部に配置された2つの第1支持部材77は、対称軸A2に関して対称に配置されている。また、第1ハンド要素52の先端部に配置された2つの第2支持部材79は、対称軸A2に関して対称に配置されている。2つの第2支持部材79は、2つの第1支持部材77の間に配置されており、第1支持部材77よりも第1ハンド要素52の基端側に配置されている。2つの第2支持部材79は、平面視において、第1保持位置P11に重なり合う位置に配置されている。
各支持部材76〜79は、平面視円形に形成されており、図7に示すように、中央部には円柱状の突出部80が形成されている。この突出部80の周囲は、外方に向かうに従って低くなる円錐面状傾斜面81となっている。この傾斜面81上に基板Wの周端縁が点接触するようになっている。そして、基板Wの水平移動が、突出部80の周面によって規制されるようになっている。
図5に示すように、第1ハンド要素52の基端部に配置された2つの第1支持部材76は、第1ハンド要素52の先端部に配置された2つの第1支持部材77よりも全体的に低く形成されている。したがって、4つの第1支持部材76,77は、基板Wが第1ハンド要素52の基端から先端に向かって僅かに上昇するように、基板Wを斜めに支持するようになっている。
また、第1ハンド要素52の基端部に配置された2つの第2支持部材78は、第1支持部材76,77とは逆に、第1ハンド要素52の先端部に配置された2つの第2支持部材79よりも全体的に高く形成されている。したがって、4つの第2支持部材78,79は、基板Wが第1ハンド要素52の基端から先端に向かって僅かに降下するように、基板Wを斜めに支持するようになっている。
さらに、第1ハンド要素52の先端部に配置された第1支持部材77は、第1ハンド要素52の先端部に配置された第2支持部材79よりも全体的に高く形成されており(図7参照)、第1ハンド要素52の基端部に配置された第2支持部材78は、第1ハンド要素52の基端部に配置された第1支持部材76よりも全体的に高く形成されている。すなわち、この実施形態では、第1支持部材と第2支持部材との高さ関係が、第1ハンド要素52の先端部と基端部とで逆になっている。第1ハンド要素52の先端部に配置された第2支持部材79は、第1保持位置P11で保持される基板Wに接触しない高さに形成されており(図7参照)、第1ハンド要素52の基端部に配置された第1支持部材76は、第2保持位置P12で保持される基板Wに接触しない高さに形成されている。
したがって、この実施形態では、第1ハンド要素52の先端部に配置された第2支持部材79が平面視において第1保持位置P11に重なり合う位置に配置されているものの(図6参照)、第1保持位置P11で基板Wを保持したとしても、保持された基板Wが第2支持部材79に干渉することはない(図7参照)。同様に、第1ハンド要素52の基端部に配置された第1支持部材76が平面視において第2保持位置P12に重なり合う位置に配置されているものの、第2保持位置P12で基板Wを保持したとしても、保持された基板Wが第1支持部材76に干渉することはない。これにより、第1枚葉ハンド45上の空間を有効に利用することができる。したがって、本実施形態のように、第1枚葉ハンド45上に複数枚の基板保持位置を設定する場合でも、第1枚葉ハンド45が大型化することを抑制または防止することができる。これにより、第2搬出入機構5全体としての大型化を抑制または防止することができる。
[第1アーム]
第1アーム53には、一対の第1センサ保持部82と、複数(たとえば3つ)の第1切欠き部83とが設けられている。各第1センサ保持部82は、第1ハンド要素52が支持された第1アーム53の第1本体部84から第1ハンド要素52と同じ方向に水平に延びている。一方の第1センサ保持部82は、第1本体部84の先端部に設けられており、他方の第1センサ保持部82は、第1本体部84の基端部に設けられている。第1ハンド要素52は、第1本体部84の先端部と基端部との間に設けられた第1支持部84aにおいて支持されている。一対の第1センサ保持部82は、第1ハンド要素52の基端部を間に挟んで配置されている。
一対の第1センサ保持部82には、それぞれ、対をなす受光装置85および発光装置86が取り付けられている。本実施形態では、受光装置85および発光装置86によって、第1枚葉ハンド45上での基板Wの有無を検出するための第1検出手段が構成されている。すなわち、受光装置85および発光装置86は、光の経路(図6における破線を参照)が第1保持位置P11および第2保持位置P12を通過するように、対応する第1センサ保持部82に取り付けられている。したがって、第1保持位置P11または第2保持位置P12で基板Wが保持されると、発光装置86から発せられた光が基板Wによって遮られ、受光装置85による光の受光が妨げられる。これにより、第1枚葉ハンド45上での基板Wの有無が検出される。したがって、第1枚葉ハンド45によるバッチハンド24に対する基板Wの搬入および搬出時や、第1および第2枚葉ハンド45,46間での基板Wの受け渡時に、基板Wが移動したか否かを確実に検出することができる。
3つの第1切欠き部83は、それぞれ、先端側の第1センサ保持部82と第1支持部84aとの間、基端側の第1センサ保持部82と第1支持部84aとの間、および基端側の第1センサ保持部82よりもさらに基端側に配置されている。各第1切欠き部83は、第1本体部84の上端から下端に向かって凹む凹部である。図5に示すように、各第1センサ保持部82と第1支持部84aとの間に配置された2つの第1切欠き部83は、それぞれ、第2枚葉ハンド46の第2ハンド要素54が進入可能な大きさに形成されている。また、基端側の第1センサ保持部82よりもさらに基端側に配置され第1切欠き部83は、第2アーム55に設けられた後述する第2センサ保持部91が進入可能な大きさに形成されている。
続いて、図5および図8を参照して、第2枚葉ハンド46および第2ブラケット67について説明する。
[第2枚葉ハンド]
第2枚葉ハンド46は、第1保持位置P21で基板Wを保持するための第1支持部材87,88と、第2保持位置P22で基板Wを保持するための第2支持部材89,90とを有している。第1支持部材87,88は、それぞれ、各第2ハンド要素54の基端部(第2アーム55側の端部)および先端部に1つずつ設けられている。同様に、第2支持部材89,90は、それぞれ、各第2ハンド要素54の基端部および先端部に1つずつ設けられている。
第2枚葉ハンド46は、4つの第1支持部材87,88によって基板Wを支持して、1枚の基板Wを略水平姿勢で保持する。また、第2枚葉ハンド46は、4つの第2支持部材89,90によって基板Wを支持して、1枚の基板Wを略水平姿勢で保持する。未処理の基板Wを第2枚葉ハンド46で保持すべきときには、たとえば、4つの第1支持部材87,88が用いられ、処理済みの基板Wを第2枚葉ハンド46で保持すべきときには、たとえば、4つの第2支持部材89,90が用いられる。これにより、未処理基板Wに付着している異物が第2枚葉ハンド46を介して処理済み基板Wへと転移したりすることを抑制または防止できる。
図8に示すように、4つの第1支持部材87,88は、基板Wの外周形状に対応する所定の円周上(一点鎖線で示す円周上)に沿って配置されている。同様に、4つの第2支持部材89,90は、基板Wの外周形状に対応する所定の円周上(二点鎖線で示す円周上)に沿って配置されている。図8において、一点鎖線で囲まれた範囲が第1保持位置P21であり、二点鎖線で囲まれた範囲が第2保持位置P22である。第1および第2保持位置P21,P22は、平面視において(鉛直方向から見て)、その大部分が互いに重なり合うように設定されている。また、第1および第2保持位置P21,P22の中心位置は、平面視において、Y方向にずらされている。
図8に示すように、各第2ハンド要素54の基端部に配置された合計2つの第1支持部材87は、X方向に対向するように配置されている。また、各第2ハンド要素54の基端部に配置された合計2つの第2支持部材89は、X方向に対向するように配置されている。2つの第2支持部材89は、2つの第1支持部材87の間に配置されており、第1支持部材87よりも第2ハンド要素54の基端側に配置されている。図8に示すように、2つの第2支持部材89は、平面視において、第1保持位置P21に重なり合う位置に配置されている。
一方、各第2ハンド要素54の先端部に配置された合計2つの第1支持部材88は、X方向に対向するように配置されている。また、各第2ハンド要素54の先端部に配置された合計2つの第2支持部材90は、X方向に対向するように配置されている。2つの第1支持部材88は、2つの第2支持部材90の間に配置されており、第2支持部材90よりも第2ハンド要素54の先端側に配置されている。2つの第1支持部材88は、平面視において、第2保持位置P22に重なり合う位置に配置されている。
各支持部材87〜90は、第1枚葉ハンド45に設けられた前述の支持部材76〜79と同様な構成となっている。すなわち、各支持部材87〜90は、平面視円形に形成されており、中央部には円柱状の突出部が形成されている。この突出部の周囲は、外方に向かうに従って低くなる円錐面状傾斜面となっている。この傾斜面上に基板Wの周端縁が点接触するようになっている。そして、基板Wの水平移動が、突出部の周面によって規制されるようになっている。
図5に示すように、各第2ハンド要素54の基端部に配置された合計2つの第1支持部材87は、各第2ハンド要素54の先端部に配置された合計2つの第1支持部材88よりも全体的に高く形成されている。したがって、4つの第1支持部材87,88は、基板Wが第2ハンド要素54の基端から先端に向かって僅かに降下するように、基板Wを斜めに支持するようになっている。
また、各第2ハンド要素54の基端部に配置された合計2つの第2支持部材89は、第1支持部材87,88とは逆に、第2ハンド要素54の先端部に配置された合計2つの第2支持部材90よりも全体的に低く形成されている。したがって、4つの第2支持部材89,90は、基板Wが第2ハンド要素54の基端から先端に向かって僅かに上昇するように、基板Wを斜めに支持するようになっている。
さらに、各第2ハンド要素54の先端部に配置された第2支持部材90は、各第2ハンド要素54の先端部に配置された第1支持部材88よりも全体的に高く形成されており、各第2ハンド要素54の基端部に配置された第1支持部材87は、各第2ハンド要素54の基端部に配置された第2支持部材89よりも全体的に高く形成されている。すなわち、第1支持部材と第2支持部材との高さ関係が、第2ハンド要素54の先端部と基端側とで逆になっている。各第2ハンド要素54の先端部に配置された第1支持部材88は、第2保持位置P22で保持される基板Wに接触しない高さに形成されており、各第2ハンド要素54の基端部に配置された第2支持部材89は、第1保持位置P21で保持される基板Wに接触しない高さに形成されている。
したがって、この実施形態では、各第2ハンド要素54の先端部に配置された第1支持部材88が平面視において第2保持位置P22に重なり合う位置に配置されているものの(図8参照)、第2保持位置P22で基板Wを保持したとしても、保持された基板Wが第1支持部材88に干渉することはない。同様に、各第2ハンド要素54の基端部に配置された第2支持部材89が平面視において第1保持位置P21に重なり合う位置に配置されているものの(図8参照)、第1保持位置P21で基板Wを保持したとしても、保持された基板Wが第2支持部材89に干渉することはない。これにより、第2枚葉ハンド46上の空間を有効に利用することができる。したがって、本実施形態のように、第2枚葉ハンド46上に複数枚の基板保持位置を設定する場合でも、第2枚葉ハンド46が大型化することを抑制または防止することができる。これにより、第2搬出入機構5全体としての大型化を抑制または防止することができる。
[第2アーム]
第2アーム55には、一対の第2センサ保持部91と、複数(たとえば3つ)の第2切欠き部92とが設けられている。各第2センサ保持部91は、一対の第2ハンド要素54が支持された第2アーム55の第2本体部93から各第2ハンド要素54と同じ方向に水平に延びている。一方の第2センサ保持部91は、第2本体部93の先端部に設けられており、他方の第2センサ保持部91は、第2本体部93の基端部に設けられている。一対の第2ハンド要素54は、それぞれ、第2本体部93の先端部と基端部との間に設けられた一対の第2支持部93aにおいて支持されている。一対の第2センサ保持部91は、各第2ハンド要素54の基端部を間に挟んで配置されている。
一対の第2センサ保持部91には、それぞれ、対をなす受光装置94および発光装置95が取り付けられている。本実施形態では、受光装置94および発光装置95によって、第2枚葉ハンド46上での基板Wの有無を検出するための第2検出手段が構成されている。すなわち、受光装置94および発光装置95は、光の経路(図8における破線を参照)が第1保持位置P21および第2保持位置P22を通過するように、対応する第2センサ保持部91に取り付けられている。したがって、第1保持位置P21または第2保持位置P22で基板Wが保持されると、発光装置95から発せられた光が基板Wによって遮られ、受光装置94による光の受光が妨げられる。これにより、第2枚葉ハンド46上での基板Wの有無が検出される。したがって、第2枚葉ハンド46によるフープFに対する基板Wの搬入および搬出時や、第1および第2枚葉ハンド45,46間での基板Wの受け渡時に、基板Wが移動したか否かを確実に検出することができる。
3つの第2切欠き部92は、それぞれ、先端側の第2センサ保持部91と先端側の第2支持部93aとの間、一対の第2支持部93aの間、および基端側の第2センサ保持部91と基端側の第2支持部93aとの間に配置されている。各第2切欠き部92は、第2本体部93の上端から下端に向かって凹む凹部である。図5に示すように、一対の第2支持部93aの間に配置された第2切欠き部92は、第1枚葉ハンド45の第1ハンド要素52が進入可能な大きさに形成されている。また、先端側の第2センサ保持部91と先端側の第2支持部93aとの間、および基端側の第2センサ保持部91と基端側の第2支持部93aとの間にそれぞれ配置された2つの第2切欠き部92は、第1センサ保持部82が進入可能な大きさに形成されている。
図5に示すように、第1および第2枚葉ハンド45,46が原点位置にあるとき、第1ハンド要素52および一対の第1センサ保持部82は、Y方向に関して、第2アーム55に形成された何れかの第2切欠き部92に対向している。また、第1および第2枚葉ハンド45,46が原点位置にあるとき、一対の第2ハンド要素54および基端側の第2センサ保持部91は、Y方向に関して、第1アーム53に形成された何れかの第1切欠き部83に対向している。一方、先端側の第2センサ保持部91は、X方向に関して第1アーム53よりも外側に位置しており、Y方向に関して第1アーム53に対向していない。
図9は、第1枚葉ハンド45を第1水平方向D1に沿って移動させるときの動作を説明するための図解的な斜視図である。
第1進退機構47は、第1水平方向D1に向かって第1枚葉ハンド45を前進位置と後退位置との間で進退させる。具体的には、第1進退機構47(図3参照)は、図9において二点鎖線で示す第1枚葉ハンド45の後退位置から、実線で示す第1枚葉ハンド45の前進位置まで、第1枚葉ハンド45をY方向に沿って前進させ、前進位置から後退位置まで第1枚葉ハンド45をY方向に沿って後退させる。第1進退機構47は、第2枚葉ハンド46が後退位置にあるときに、第1枚葉ハンド45を前進位置まで前進させる。第1水平方向D1は、第1枚葉ハンド45の後退位置から前進位置に向かうY方向に平行な方向である。
第1枚葉ハンド45が前進位置にあり、第2枚葉ハンド46が後退位置にあるとき、第1ハンド要素52は、その先端部が各第2ハンド要素54の基端部よりも第1水平方向D1に突出し、その基端部が第2切欠き部92に入り込んで第2アーム55と立体交差する。また、一対の第1センサ保持部82は、それぞれ対応する第2切欠き部92に入り込む。第2アーム55に形成された3つ第2切欠き部92は、それぞれ、第2枚葉ハンド46が上位置にあるときでも、第1ハンド要素52および一対の第1センサ保持部82が第2アーム55に干渉しない深さに形成されている。したがって、第2枚葉ハンド46が後退位置にあれば、第2枚葉ハンド46が上位置と下位置との間の何れの位置にあっても、第1枚葉ハンド45および第1アーム53を第2枚葉ハンド46等に衝突させることなく、前進位置までスムーズに前進させることができる。
図10は、第2枚葉ハンド46を第2水平方向D2に沿って移動させるときの動作を説明するための図解的な斜視図である。
第2進退機構48(図3参照)は、第2水平方向D2に向かって第2枚葉ハンド46を前進位置と後退位置との間で進退させる。具体的には、第2進退機構48は、図10において二点鎖線で示す第2枚葉ハンド46の後退位置から、実線で示す第2枚葉ハンド46の前進位置まで、第2枚葉ハンド46をY方向に沿って前進させ、前進位置から後退位置まで第2枚葉ハンド46をY方向に沿って後退させる。第2進退機構48は、第1枚葉ハンド45が後退位置にあるときに、第2枚葉ハンド46を前進位置まで前進させる。第2水平方向D2は、第2枚葉ハンド46の後退位置から前進位置に向かうY方向に平行な方向である。
第1枚葉ハンド45が後退位置にあり、第2枚葉ハンド46が前進位置にあるとき、各第2ハンド要素54は、その先端部が第1ハンド要素52の基端部よりも第2水平方向D2に突出し、その基端部が第1切欠き部83に入り込んで第1アーム53と立体交差する。また、基端側の第2センサ保持部91は、対応する第1切欠き部83に入り込む。第1アーム53に形成された3つ第1切欠き部83は、それぞれ、第2枚葉ハンド46が下位置にあるときでも、一対の第2ハンド要素54および基端側の第2センサ保持部91が第1アーム53に干渉しない深さに形成されている。また、第1枚葉ハンド45が後退位置にあり、第2枚葉ハンド46が前進位置にあるとき、先端側の第2センサ保持部91は、第1アーム53に干渉することなく第1アーム53と入れ違う。したがって、第1枚葉ハンド45が後退位置にあれば、第2枚葉ハンド46が上位置と下位置との間の何れの位置にあっても、第2枚葉ハンド46および第2アーム55を第1枚葉ハンド45等に衝突させることなく、前進位置までスムーズに前進させることができる。
図11は、第1および第2枚葉ハンド45,46を鉛直方向に相対移動させるときの動作を説明するための図解的な斜視図である。図11では、第1および第2枚葉ハンド45,46が各後退位置に配置され、さらに、第2枚葉ハンド46が下位置にある状態を示している。
相対移動機構50(図3参照)は、第1および第2枚葉ハンド45,46をZ方向に相対移動させる。具体的には、第1および第2枚葉ハンド45,46が各後退位置にあるときに、第1枚葉ハンド45に対して、第2枚葉ハンド46を上位置と下位置との間でZ方向に沿って移動させる。
前述のように、第1および第2枚葉ハンド45,46は、各後退位置にあるときに、Z方向から見て重なり合わないように互いに噛み合う形状とされている。また、第1および第2枚葉ハンド45,46が各後退位置にあるとき、第1および第2ハンド要素52,54は、それぞれ、第1および第2アーム53,55にZ方向から見て重ならない。したがって、第1および第2枚葉ハンド45,46が各後退位置にあるとき、第1および第2枚葉ハンド45,46を衝突させることなくZ方向に相対移動させることができる。これにより、第1および第2枚葉ハンド45,46を各後退位置においてZ方向に相対移動させて、第1および第2枚葉ハンド45,46の上下関係を逆転させることができる。
[第2搬出入機構による基板搬送]
図12(a)〜図12(d)は、それぞれ、第2搬出入機構5による基板搬送に伴う第2搬出入機構5の動作を説明するための図解的な斜視図である。以下では、第2搬出入機構5による基板搬送について説明する。第2搬出入機構5による基板搬送は、コントローラ9が、第2搬出入機構5の各部、とくに、第1進退機構47、第2進退機構48、相対移動機構50、一体移動機構49、および枚葉ハンド移動機構51を制御することによって実現される。
[第2搬出入機構によるフープからの基板の搬出]
第2搬出入機構5によるフープFからの基板Wの搬出は、第1および第2枚葉ハンド45,46が搬送位置P5に配置された後に行われる。したがって、第2搬出入機構5によるフープFからの基板Wの搬出が行われるときは、図12(a)に示すように、第1および第2枚葉ハンド45,46が、枚葉ハンド移動機構51の働きにより、待機位置P6から搬送位置P5に向かってX方向に沿って移動される。また、このときバッチハンド24は、対向位置P4などの第1および第2枚葉ハンド45,46に衝突しない位置に配置されている。
第1および第2枚葉ハンド45,46は、搬送位置P5に配置される過程で、一体移動機構49の働きにより上昇または下降されて、第2枚葉ハンド46の基板保持位置(第1保持位置P21または第2保持位置P22)がフープF内の搬送対象基板Wの基板保持位置よりも微小距離(フープF内における基板保持ピッチよりも短い距離)だけ低くなる所定の高さに移動されてもよいし、搬送位置P5に配置された後、前記所定の高さに移動されてもよい。
次に、第2枚葉ハンド46は、第2進退機構48の働きにより、第1枚葉ハンド45が後退位置にある状態で前進位置まで前進され、図12(b)に示すように、搬送対象基板Wの下方に配置される。そして、第1および第2枚葉ハンド45,46が、一体移動機構49の働きにより、Z方向に沿って微少距離(たとえば、フープF内における基板保持ピッチに等しい距離)だけ上昇される。これにより、フープF内の1枚の搬送対象基板Wが第2枚葉ハンド46によってすくい取られる。
このとき、第2枚葉ハンド46によりすくい取られた基板Wが、未処理の基板Wであれば、基板Wは、第2枚葉ハンド46に設けられた4つの第1支持部材87,88(未処理基板W用の支持部材)により支持される。また、処理済みの基板Wであれば、第2枚葉ハンド46に設けられた4つの第2支持部材89,90(処理済み基板W用の支持部材)により支持される。具体的には、第2進退機構48が制御され、第2枚葉ハンド46の位置が第2水平方向D2に微調整される。
第2枚葉ハンド46に1枚の基板Wが保持された後は、第2枚葉ハンド46が後退位置まで後退される。これにより、フープF内に保持された1枚の基板Wが搬出される。また、第2枚葉ハンド46が後退位置まで後退されるとき、第2枚葉ハンド46は、相対移動機構50の働きにより、第2枚葉ハンド46の基板保持位置が第1枚葉ハンド45の基板保持位置よりも上方となる上位置まで予め上昇されている。したがって、第2枚葉ハンド46が後退位置まで後退されるときに、第2枚葉ハンド46に保持された基板Wが、第1枚葉ハンド45に衝突することはない。
第2搬出入機構5によるフープFからの基板Wの搬出が行われた後は、第1および第2枚葉ハンド45,46間で基板Wの受け渡しを行わせてもよいし、第2枚葉ハンド46に保持された基板Wを、再び、同一のフープFに搬入してもよい。具体的には、たとえば、フープF内において基板Wを取り出した位置とは異なる高さの基板保持位置に基板Wを搬入して、フープF内で基板Wの並び替えを行ってもよい。
[第2搬出入機構によるフープへの基板の搬入]
第2搬出入機構5によるフープFへの基板Wの搬入は、前述の基板搬出の一連の動作を逆の順番で実行させることにより達成される。具体的には、一体移動機構49の働きにより、第1および第2枚葉ハンド45,46の高さを必要に応じて変更させた後、搬送位置P5で第2枚葉ハンド46を前進位置まで前進させて、第2枚葉ハンド46をフープF内に入り込ませる。そして、第1および第2枚葉ハンド45,46を微少距離(たとえば、フープF内における基板保持ピッチに等しい距離)だけ降下させる。これにより、フープF内における何れかの基板保持棚に基板Wが載置され、フープFに一枚の基板Wが搬入される。その後、第2枚葉ハンド46を後退位置まで後退させて、第2枚葉ハンド46をフープF内から退避させる。
[第1および第2枚葉ハンド間での基板の受け渡し]
[第2枚葉ハンドから第1枚葉ハンドへの基板の受け渡し]
第2枚葉ハンド46から第1枚葉ハンド45への基板Wの受け渡しは、たとえば、第1および第2枚葉ハンド45,46が搬送位置P5に配置された状態で行われる。また、第2枚葉ハンド46は、1枚の基板Wを保持した状態で、第2枚葉ハンド46の基板保持位置が第1枚葉ハンド45の基板保持位置よりも上方となる上位置で待機される。したがって、第2枚葉ハンド46に保持された基板Wは、第1枚葉ハンド45の鉛直上方に位置する。
次に、第2枚葉ハンド46は、相対移動機構50の働きにより、第2枚葉ハンド46の基板保持位置が第1枚葉ハンド45の基板保持位置よりも下方となる下位置までZ方向に沿って降下される。第2枚葉ハンド46に保持された基板Wは、第2枚葉ハンド46が降下する過程で、第1枚葉ハンド45に移動する。これにより、図12(c)に示すように、第2枚葉ハンド46から第1枚葉ハンド45に一枚の基板Wが受け渡される。第1枚葉ハンド45に受け渡された基板Wが、未処理の基板Wであれば、基板Wは、第1枚葉ハンド45に設けられた4つの第1支持部材76,77(未処理基板W用の支持部材)により支持される。また、処理済みの基板Wであれば、第1枚葉ハンド45に設けられた4つの第2支持部材78,79(処理済み基板W用の支持部材)により支持される。具体的には、第1進退機構47が制御され、第1枚葉ハンド45の位置が第1水平方向D1に微調整される。
[第1枚葉ハンドから第2枚葉ハンドへの基板の受け渡し]
第1枚葉ハンド45から第2枚葉ハンド46への基板Wの受け渡しは、第1および第2枚葉ハンド45,46が搬送位置P5に配置された状態で行われる。また、第2枚葉ハンド46は、第2枚葉ハンド46の基板保持位置が第1枚葉ハンド45の基板保持位置よりも下方となる下位置で待機される。したがって、第1枚葉ハンド45に保持された基板Wは、第2枚葉ハンド46の鉛直上方に位置する。
次に、第2枚葉ハンド46は、相対移動機構50の働きにより、第2枚葉ハンド46の基板保持位置が第1枚葉ハンド45の基板保持位置よりも上方となる上位置までZ方向に沿って上昇される。第1枚葉ハンド45に保持された基板Wは、第2枚葉ハンド46が上昇する過程で、第2枚葉ハンド46に移動する。これにより、第1枚葉ハンド45から第2枚葉ハンド46に一枚の基板Wが受け渡される。第2枚葉ハンド46に受け渡された基板Wが、未処理の基板Wであれば、基板Wは、第2枚葉ハンド46に設けられた4つの第1支持部材87,88(未処理基板W用の支持部材)により支持される。また、処理済みの基板Wであれば、第2枚葉ハンド46に設けられた4つの第2支持部材89,90(処理済み基板W用の支持部材)により支持される。
[第2搬出入機構によるバッチハンドからの基板の搬出]
第2搬出入機構5によるバッチハンド24からの基板Wの搬出は、第1および第2枚葉ハンド45,46が搬送位置P5に配置された後に行われる。具体的には、一体移動機構49(図4参照)の働きにより、第1および第2枚葉ハンド45,46の高さが必要に応じて変更された後、第1進退機構47(図3参照)の働きにより、第2枚葉ハンド46が後退位置にある状態で第1枚葉ハンド45が前進位置まで前進され、図12(d)に示すように、バッチハンド24に保持された搬送対象基板Wの下方に第1枚葉ハンド45が配置される。そして、一体移動機構49の働きにより、第1および第2枚葉ハンド45,46がZ方向に沿って微少距離(たとえば、フープF内における基板保持ピッチに等しい距離)だけ上昇される。これにより、搬送対象基板Wが第1枚葉ハンド45によってすくい取られる。このとき、第1枚葉ハンド45によりすくい取られた基板Wが、未処理の基板Wであれば、基板Wは、第1枚葉ハンド45に設けられた4つの第1支持部材76,77(未処理基板W用の支持部材)により支持される。また、処理済みの基板Wであれば、第1枚葉ハンド45に設けられた4つの第2支持部材78,79(処理済み基板W用の支持部材)により支持される。
第1枚葉ハンド45に1枚の基板Wが保持された後は、第1枚葉ハンド45が後退位置まで後退される。これにより、バッチハンド24に保持された1枚の基板Wが搬出される。また、第1枚葉ハンド45が後退位置まで後退されるとき、第2枚葉ハンド46は、相対移動機構50(図3参照)の働きにより、予め下位置まで降下されている。したがって、第1枚葉ハンド45が後退位置まで後退されるときに、第1枚葉ハンド45に保持された基板Wが、第2枚葉ハンド46に衝突することはない。
第2搬出入機構5によるバッチハンド24からの基板Wの搬出が行われた後は、第1および第2枚葉ハンド45,46間で基板Wの受け渡しを行わせてもよいし、第1枚葉ハンド45に保持された基板Wを、再び、バッチハンド24に搬入してもよい。具体的には、たとえば、バッチハンド24において基板Wを取り出した位置とは異なる高さの位置に配置されたハンド要素30に基板Wを搬入して、バッチハンド24内で基板Wの並び替えを行ってもよい。
[第2搬出入機構によるバッチハンドへの基板の搬入]
第2搬出入機構5によるバッチハンド24への基板Wの搬入は、前述のバッチハンド24からの基板搬出の一連の動作を逆の順番で実行させることにより達成される。具体的には、一体移動機構49(図4参照)の働きにより、第1および第2枚葉ハンド45,46の高さを必要に応じて変更させた後、搬送位置P5で第1枚葉ハンド45を前進位置まで前進させて、第1枚葉ハンド45をバッチハンド24の内部に入り込ませる。そして、第1および第2枚葉ハンド45,46を微少距離(たとえば、バッチハンド24における基板保持ピッチに等しい距離)だけ降下させる。これにより、バッチハンド24における何れかのハンド要素30に基板Wが載置され、バッチハンド24に一枚の基板Wが搬入される。その後、第1枚葉ハンド45を後退位置まで後退させて、第1枚葉ハンド45をバッチハンド24から退避させる。
[第2搬出入機構によるフープからバッチハンドへの基板搬送]
第2搬出入機構5によるフープFからバッチハンド24への基板搬送は、前述の動作を組み合せることにより達成される。具体的には、最初に、第2枚葉ハンド46によってフープFから一枚の基板Wを搬出させる。そして、第1および第2枚葉ハンド45,46間で一枚の基板Wの受け渡しを行わせる。次いで、第1枚葉ハンド45によってバッチハンド24に一枚の基板Wを搬入させる。第2搬出入機構5は、バッチハンド24に一枚の基板Wを搬入するときに、一体移動機構49(図4参照)の働きにより第1および第2枚葉ハンド45,46の高さを変更させて、フープF内の任意の基板保持位置に保持された基板Wをバッチハンド24の任意の高さのハンド要素30へと搬送する。
第2搬出入機構5は、基板Wを1枚ずつ搬送していくことにより、フープFからバッチハンド24へと複数枚の基板Wを搬送する。また、前述のように、第2搬出入機構5は、フープF内の任意の基板保持位置に保持された基板Wをバッチハンド24の任意の高さのハンド要素30へと搬送するので、フープF内の基板Wの並び順とは異なる順序でバッチハンド24に基板Wを保持させることができる。また、フープF内に25枚未満(たとえば数枚)の基板Wが不等間隔で保持されている場合に、これらの基板Wをバッチハンド24に等間隔で保持させることができる。さらに、フープF内の中段位置に数枚の基板Wが保持されている場合に、それらの基板Wをバッチハンド24の上段位置や下段位置に固めて配列することができる。さらにまた、別のフープFからテスト用のダミー基板Wを一枚取り出して、ダミー基板Wを含む複数枚の基板Wをバッチハンド24に保持させることができる。
[第2搬出入機構によるバッチハンドからフープへの基板搬送]
第2搬出入機構5によるバッチハンド24からフープFへの基板搬送は、前述の動作を組み合せることにより達成される。具体的には、最初に、第1枚葉ハンド45によってバッチハンド24から一枚の基板Wを搬出させる。そして、第1および第2枚葉ハンド45,46間で一枚の基板Wの受け渡しを行わせる。次いで、第2枚葉ハンド46によってフープFに一枚の基板Wを搬入させる。第2搬出入機構5は、フープFに一枚の基板Wを搬入するときに、一体移動機構49(図4参照)の働きにより第1および第2枚葉ハンド45,46の高さを変更させて、バッチハンド24の任意の高さのハンド要素30に保持された基板WをフープF内の任意の基板保持位置へと搬送する。
第2搬出入機構5は、基板Wを1枚ずつ搬送していくことにより、バッチハンド24からフープFへと複数枚の基板Wを搬送する。また、前述のように、第2搬出入機構5は、バッチハンド24の任意の高さのハンド要素30に保持された基板WをフープF内の任意の基板保持位置へと搬送するので、バッチハンド24での基板Wの並び順とは異なる順序でフープFに基板Wを収容することができる。たとえば、フープF内の基板Wの配列を変更しながらバッチハンド24に複数枚の未処理基板Wを搬送した場合に、基板処理部2においてそれらの基板Wに対する処理が行われた後、これらの処理済み基板WをフープFに元の配列状態で戻すことができる。
このように、この実施形態では、第1および第2枚葉ハンド45,46の少なくとも一方を水平方向および鉛直方向に移動させることにより、バッチハンド24やフープ保持部1に保持されたフープFに対して1枚の基板Wを搬入および搬出したり、バッチハンド24とフープFとの間で1枚の基板Wを搬送したりすることができる。つまり、比較的単純な動作により1枚の基板Wを搬送することができる。したがって、第2搬出入機構5は、複雑な構造の垂直多関節アーム型ロボットを必要としない。よって、垂直多関節アーム型ロボットを適用した枚葉式の基板搬送装置に比べて、第2搬出入機構5を簡易な構造とすることができ、第2搬出入機構5の部品点数を削減することができる。これにより、第2搬出入機構5のコストを大幅に削減することができる。
また、基板Wの搬送において、第1および第2枚葉ハンド45,46が旋回されないので、第2搬出入機構5の占有面積(フットプリント)が低減されている。さらに、垂直多関節アーム型ロボットの場合のように、複数の駆動軸の同期駆動を要することもないので、基板搬送時における枚葉ハンド45,46の振動を低減できる。これにより、基板Wを安定して保持することができる。
さらにまた、第1および第2枚葉ハンド45,46間で基板Wの受け渡しを行わせることで、第1枚葉ハンド45の前進位置と第2枚葉ハンド46の前進位置との間で1枚の基板Wを搬送することができる。これにより、各枚葉ハンド45,46による基板搬送距離(各枚葉ハンド45,46の前進位置と後退位置との間の水平距離)を大きくとらなくても、全体として十分な基板搬送距離を確保することができる。したがって、第2搬出入機構5の大型化を抑制または防止しつつ、十分な基板搬送距離を確保したり、一定値以上の基板搬送距離を確保しつつ第2搬出入機構5を小型化して、第2搬出入機構5の占有面積を低減したりすることができる。
さらにまた、Z方向への相対移動という単純な動作により、第1および第2枚葉ハンド45,46間での基板Wの受け渡しを行わせることができるので、エアシリンダなどの比較的単純な構造の部品により相対移動機構50を構成することができる。これにより、相対移動機構50の構造を簡易にすることができ、ひいては第2搬出入機構5の構造を簡易にすることができる。そのため、第2搬出入機構5のコストを削減することができる。
[第2搬出入機構と他の機構との協働による基板搬送]
次に、第2搬出入機構5と、第1搬出入機構4、移載機構6、および水平搬送機構7と協働させて複数枚の基板Wを搬送するときの動作例について説明する。具体的には、フープFに収容された複数枚の未処理基板Wを、フープF内における基板Wの並び順とは異なる順序に並び替えつつバッチハンド24に搬送し、基板処理部2において処理された後に、これらの基板Wを基板処理部2からフープFに搬送する場合の動作例について説明する。
フープFに収容された複数枚(たとえば25枚)の未処理基板Wの搬出は、第2搬出入機構5により行われる。具体的には、第2枚葉ハンド46によって一枚の基板WがフープFから搬出され、第1および第2枚葉ハンド45,46間で基板Wの受け渡しが行われる。そして、各ハンド要素30が水平姿勢にされた状態で、対向位置P4に配置されたバッチハンド24に対して、一枚の基板Wが第1枚葉ハンド45によって搬入される。このとき、一体移動機構49の働きにより、必要に応じて第1および第2枚葉ハンド45,46が昇降され、一枚の基板Wがバッチハンド24の任意の高さのハンド要素30に搬入される。
第2搬出入機構5は、このようにして基板Wを1枚ずつ搬送していき、フープFからバッチハンド24に複数枚の基板Wを搬送する。これにより、フープFに収容された複数枚の未処理基板Wが、フープF内における基板Wの並び順とは異なる順序に並び替えられつつ、バッチハンド24に搬送される。
次に、第2搬出入機構5によってバッチハンド24に搬送された25枚の未処理基板Wが、第1搬出入機構4から移載機構6に一括して受け渡される。そして、水平搬送保持部40においてバッチ組みが行われた後、水平搬送機構7から主搬送機構3に50枚の未処理基板Wが一括して受け渡される。
主搬送機構3に渡された50枚の基板Wは、基板処理部2において処理された後、主搬送機構3から水平搬送機構7に一括して受け渡され、さらに、25枚ずつ水平搬送機構7から移載機構6に受け渡される(バッチ解除される)。そして、移載機構6に受け渡された25枚の処理済み基板Wが、移載機構6からバッチハンド24に一括して受け渡される。
バッチハンド24に25枚の処理済み基板Wが受け渡された後は、これらの基板Wを第1搬出入機構4によってフープ保持部1に保持されたフープF(空のフープF)に対して直接搬入させてもよいし、第2搬出入機構5によってバッチハンド24からフープFに基板Wを1枚ずつ搬入させてもよい。また、第2搬出入機構5によって基板Wを1枚ずつフープFに搬入させるときは、バッチハンド24における基板Wの並び順とは異なる順序に基板Wを並び替えて、基板Wの並び順を元の配列状態に戻してもよい。
以上のように、この実施形態では、枚葉式の基板搬送装置である第2搬出入機構5を用いることにより、フープF内における基板Wの並び順とは異なる順序に基板Wを並び替えて複数枚の基板Wを一括処理したり、複数枚の基板Wの中にテスト用のダミー基板Wを追加して、これらの基板Wを一括処理したりするなどの複数の処理方法により複数枚の基板Wを一括処理することができる。
また、複数枚の基板Wの一括搬送および1枚の基板の枚葉搬送の切り換えは、第1搬出入機構4および第2搬出入機構5の何れの機構を駆動させるかを選択することにより達成されるので、先行技術のような、ハンドの交換が必要でない。したがって、一括搬送と枚葉搬送との切り換えに長時間を要することはなく、基板搬送を効率的に行うことができる。また、ハンド交換部が不要であるので、基板処理装置10の占有面積を削減できる。
さらに、ハンドの交換が必要でないため、先行技術のような複雑な構造の垂直多関節アーム型ロボットを必要とせず、第1搬出入機構4や第2搬出入機構5のような垂直多関節アーム型ロボットに比べて簡易な構造の機構を基板搬送機構として用いることができる。これにより、先行技術に比較してコストを大幅に削減することができる。しかも、この実施形態に係る第1搬出入機構4および第2搬出入機構5では、垂直多関節アーム型ロボットの場合のように、複数の駆動軸の同期駆動を要することもないので、基板Wの搬送速度を高めることが可能である。
[その他の実施形態]
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、さらに他の形態で実施することもできる。たとえば、前述の実施形態では、フープFとバッチハンド24との間で基板Wを1枚ずつ搬送する第2搬出入機構5にこの発明が適用された例について説明したが、これら以外の搬送対象場所間での基板搬送にこの発明を適用してもよい。
また、前述の実施形態では、第1および第2枚葉ハンド45,46のそれぞれに、未処理基板W用の第1支持部材と、処理済み基板W用の第2支持部材とが設けられている場合について説明したが、たとえば、処理済み基板WをフープFに搬入する場合に、第1搬出入機構4を常に使用し、第2搬出入機構5を使用しない場合には、各枚葉ハンド45,46に第2支持部材が設けられていなくてもよい。
また、前述の実施形態では、第1および第2進退機構47,48が一対のリニアガイドG2を共有している場合について説明したが、一対のリニアガイドG2を共有させずに、第1および第2進退機構47,48のそれぞれに対して専用のリニアガイドを設けてもよい。また、専用のリニアガイドを設ける場合には、第1進退機構47用のリニアガイドと、第2進退機構48用のリニアガイドとを上下に重なり合うように配置して、これらの占有面積を小さくすることが好ましい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。