JP2010205853A - 不揮発性可変抵抗素子を用いた半導体記憶装置、及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 回り込み電流が抑制でき、セル面積を縮小化可能で、作製が容易な、不揮発性可変抵抗素子のメモリセルアレイを実現する。
【解決手段】 第1電極12と、第2電極14と、第1電極及び第2電極の双方と電気的に接続する可変抵抗体13と、誘電層15を介して可変抵抗体13と対向する制御電極16を備えた三端子型の不揮発性可変抵抗素子を用いて一のメモリセルを構成し、当該メモリセルを行及び列方向に夫々複数マトリクス状に配置した不揮発性半導体記憶装置であって、列方向に隣接する一方のメモリセルの第1電極と他方のメモリセルの第2電極が電気的に接続することで、複数のメモリセルが列方向に直列に接続され列メモリセルを構成し、当該列メモリセルの両端がビット線に、メモリセルの制御電極が行方向に延伸するワード線に接続されている。
【選択図】 図7
【解決手段】 第1電極12と、第2電極14と、第1電極及び第2電極の双方と電気的に接続する可変抵抗体13と、誘電層15を介して可変抵抗体13と対向する制御電極16を備えた三端子型の不揮発性可変抵抗素子を用いて一のメモリセルを構成し、当該メモリセルを行及び列方向に夫々複数マトリクス状に配置した不揮発性半導体記憶装置であって、列方向に隣接する一方のメモリセルの第1電極と他方のメモリセルの第2電極が電気的に接続することで、複数のメモリセルが列方向に直列に接続され列メモリセルを構成し、当該列メモリセルの両端がビット線に、メモリセルの制御電極が行方向に延伸するワード線に接続されている。
【選択図】 図7
Description
本発明は、第1電極、第2電極、及び当該両電極間に形成される可変抵抗体を有し、両電極間への電圧パルスを印加することで、両電極間の電気抵抗で規定される抵抗状態を二以上の異なる状態間で可逆的に変化、保持することができる不揮発性可変抵抗素子を用いた半導体記憶装置、及びその製造方法に関する。
携帯用電子機器の普及と共に、電源オフ時にも記憶したデータを保持することの出来る大容量の不揮発性メモリの要求が高まっている。その要求に対して近年、フラッシュメモリ、FeRAM(強誘電体メモリ)、MRAM(磁気抵抗変化メモリ)、PCRAM(相変化メモリ)、CBRAM(固体電解質メモリ)、RRAM(登録商標)(抵抗変化メモリ)(非特許文献1参照)などの不揮発性メモリの開発が盛んに行われている。これらの不揮発性メモリの中でもRRAMは、高速書き換えが可能であり、かつ、材料に単純な二元系の遷移金属酸化物が使用可能なため作製が容易で既存のCMOSプロセスとの親和性が高いことから特に注目を集めている。
W.W.Zhuang他、"Novell Colossal Magnetoresistive Thin Film Nonvolatile Resistance Random Access Memory(RRAM)"、IEDM Technical Digest、pp.193−196、2002年12月
RRAMの場合、クロスポイント型のメモリセルアレイが数多く提案されているが、回り込み電流の抑制が困難なため、実用化には程遠い。また、メモリセルを1T1R(1 Transistor 1 Resistor)構成にすると、セル面積が大きくなるという問題が生じる。また、トランジスタを作製する分、メモリセルの作製の難易度が上がってしまう。
クロスポイント型以外のメモリセルアレイとしては、可変抵抗素子とMOSトランジスタを並列に接続した回路を単位メモリセルとしてNAND型のメモリセルアレイを構成するものが上記の特許文献1に開示されている。これは、動作対象の選択メモリセルのMOSトランジスタのみOFF状態とし、他の非選択メモリセルのMOSトランジスタをON状態とすることでメモリセルアレイに流れる電流経路を制御し、選択メモリセルの可変抵抗素子に印加される電圧を制御するものであり、回り込み電流の問題は生じないが、別途MOSトランジスタを形成する必要があるため、素子構造が複雑で、セル面積が大きくなる。
本発明の目的は、上述の問題点を克服し、回り込み電流が抑制でき、セル面積を縮小化可能で、作製が容易な、不揮発性可変抵抗素子のメモリセルアレイを実現することにある。
本発明に係る不揮発性可変抵抗素子は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極及び前記第2電極の双方と電気的に接続する可変抵抗体を備え、前記第1電極と前記第2電極間に電圧を印加することにより抵抗状態が二以上の異なる抵抗状態間で遷移し、当該遷移後の一の抵抗状態が不揮発的に保持される不揮発性可変抵抗素子であって、誘電層を介して前記可変抵抗体と対向する制御電極を備え、前記制御電極に所定の制御電圧を印加することにより前記遷移後の一の抵抗状態における抵抗特性が一時的に変調され、前記不揮発性可変抵抗素子が保持する前記二以上の異なる抵抗状態のうち最も抵抗特性が低抵抗な抵抗状態よりも抵抗特性の低い導通状態に低抵抗化することを第1の特徴とする。
更に、本発明に係る不揮発性可変抵抗素子は、上記第1の特徴に加えて、前記可変抵抗体がフォーミング処理を施した金属酸化物により構成されていることを第2の特徴とする。
本発明に係る不揮発性半導体記憶装置は、上記第1又は第2の特徴の不揮発性可変抵抗素子を用いて一のメモリセルを構成し、前記メモリセルを行及び列方向に夫々複数マトリクス状に配置した不揮発性半導体記憶装置であって、列方向に隣接する一方の前記メモリセルの前記第1電極と他方の前記メモリセルの前記第2電極が接続することで、複数の前記メモリセルが列方向に直列に接続され列メモリセルを構成し、前記列メモリセルの両端に位置する前記第1電極と前記第2電極の一方端が、直接或いは前記列メモリセルの選択用素子を介して第1ビット線に、他方端が直接或いは前記列メモリセルの選択用素子を介して第2ビット線に接続され、同一行の前記メモリセルの前記制御電極が、行方向に延伸するワード線に接続されていることを第1の特徴とする。
更に、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置は、上記第1の特徴に加えて、選択された前記列メモリセル内の選択された前記メモリセルの前記不揮発性可変抵抗素子に保持された抵抗状態を読み出すため、選択された前記列メモリセル内の選択された前記メモリセルの前記制御電極に接続する前記ワード線に前記所定の制御電圧を印加せず、選択された前記列メモリセル内の非選択の前記メモリセルの前記制御電極に接続する前記ワード線に前記所定の制御電圧を印加する、ワード線駆動回路と、選択された前記列メモリセルの一方端を前記第1ビット線と前記第2ビット線の何れか一方を介して接地し、他方端に前記第1ビット線と前記第2ビット線の何れか他方を介して所定の読み出し電圧を印加する、ビット線駆動回路と、を備えることを第2の特徴とする。
また、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置は、上記第1の特徴に加えて、選択された前記列メモリセル内の選択された前記メモリセルの前記不揮発性可変抵抗素子に保持された抵抗状態を前記二以上の異なる抵抗状態間で遷移させ、選択された前記メモリセルの書き換えを行うため、選択された前記列メモリセル内の選択された前記メモリセルの前記制御電極に接続する前記ワード線に前記所定の制御電圧を印加せず、選択された前記列メモリセル内の非選択の前記メモリセルの前記制御電極に接続する前記ワード線に、前記所定の制御電圧を印加する、ワード線駆動回路と、選択された前記列メモリセルの一方端を前記第1ビット線と前記第2ビット線の何れか一方を介して接地し、他方端に前記第1ビット線と前記第2ビット線の何れか他方を介して所定の書き換え電圧を印加する、ビット線駆動回路と、を備えることを第3の特徴とする。
また、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置は、上記第2又は第3の特徴に加えて、前記ワード線駆動回路は、選択された前記列メモリセル内の前記選択された前記メモリセルの前記ワード線を接地することを第4の特徴とする。
また、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置は、上記第3又は第4の特徴に加えて、前記ビット線駆動回路は、選択された前記列メモリセル内の選択された前記メモリセルの前記不揮発性可変抵抗素子に保持された抵抗状態を低抵抗状態に遷移させる場合と高抵抗状態に遷移させる場合とで、選択された前記列メモリセルの一方端を基準として他方端に印加される前記所定の書き換え電圧の極性が異なり、低抵抗状態に遷移させる場合には前記第1ビット線を介して、高抵抗状態に遷移させる場合には前記第2ビット線を介して、同一極性の前記所定の書き換え電圧を印加することを第5の特徴とする。
また、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置は、上記第3又は第4の特徴に加えて、前記ビット線駆動回路は、選択された前記列メモリセル内の選択された前記メモリセルの前記不揮発性可変抵抗素子に保持された抵抗状態を高抵抗状態に遷移させる場合と低抵抗状態に遷移させる場合とで、選択された前記列メモリセルの一方端を基準として他方端に印加される前記所定の書き換え電圧の極性が同一で印加パルス幅の異なる前記所定の書き換え電圧を印加することを第6の特徴とする。
本発明に係る不揮発性可変抵抗素子の製造方法は、基板上に溝を有する絶縁体層を形成する第1工程と、前記絶縁体層の溝に金属酸化物からなる前記可変抵抗体を充填する第2工程と、前記可変抵抗体が充填された前記絶縁体層上に前記誘電層を堆積する第3工程と、前記誘電層上に前記制御電極を堆積する第4工程と、所定の領域に形成された前記誘電層と前記制御電極を除去し、前記第1電極と前記第2電極となる前記可変抵抗体の形成領域の一部を露出させる第5工程と、前記第5工程により前記可変抵抗体が露出している領域の前記可変抵抗体から酸素を取り除き、導電性の高い電極部分を形成する第6工程と、を有することを第1の特徴とする。
本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法は、基板上に列方向の溝を有する絶縁体層を形成する第1工程と、前記絶縁体層の列方向の溝に金属酸化物からなる前記可変抵抗体を充填する第2工程と、前記可変抵抗体が充填された前記絶縁体層上に前記誘電層を堆積する第3工程と、前記誘電層上に前記制御電極を堆積する第4工程と、所定の領域に形成された前記誘電層と前記制御電極を除去し、行方向に延伸するワード線を形成する第5工程と、前記第5工程により前記可変抵抗体が露出している領域の前記可変抵抗体から酸素を取り除き、導電性の高い電極部分を形成する第6工程と、を有することにより、列方向に隣接する前記メモリセルの前記第1電極と前記第2電極が共通化され、複数の前記メモリセルが列方向に直列に接続され前記列メモリセルが形成されることを第1の特徴とする。
更に、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法は、上記第1の特徴に加えて、前記第2工程において、前記絶縁体層上に前記可変抵抗体を堆積させた後、前記絶縁体層が露出するまでエッチング処理を行うことを第2の特徴とする。
ここで、本発明の効果について説明する前に、本願発明者により新規に発見された可変抵抗素子の抵抗変化現象について説明する。
本願発明者は、第1電極と第2電極間に可変抵抗体である遷移金属酸化物(例えば、コバルト酸化物)が挟持された可変抵抗素子を作製し、第1電極と第2電極間の電流経路上の可変抵抗体の一部の領域を誘電層で被覆し、可変抵抗素子の両端に設けられた第1及び第2電極を介して電圧を印加して電流を流すと同時に、当該誘電層を介して電圧を印加すると、当該可変抵抗体の一部の領域に電界が作用することにより可変抵抗体の抵抗値が一時的に変調され、当該誘電体層を介して電界を作用させるのを止めると元の抵抗値に戻るということを発見した。
上記の抵抗変化のメカニズムについての詳細は現在解明中であるが、発明者の独自研究によって複数のメカニズムが挙げられている。先ず、可変抵抗体に誘電層を介して電圧を印加することにより、抵抗変化領域内部に電界が作用し、蓄積層が形成されて低抵抗化する場合が考えられている。一方、可変抵抗体がフォーミング処理を行ったフィラメント型の可変抵抗体である場合には、フィラメントパスが導電パスであり、フィラメント以外の領域に電界が主に作用し、フィラメント部分以外の領域に別の導電パスが発生し、低抵抗化すると考えられている。
尚、上記の抵抗変調のメカニズムが、前者の蓄積層形成型か後者のフィラメント型になるかは可変抵抗体の材料のみならず、可変抵抗体の構造や製造方法にも強く依存することが分かっている。
ここで、後者のフィラメント型の抵抗変調を示す場合について詳しく説明する。図15は、フォーミング処理を行ったフィラメント型の可変抵抗体を用いる不揮発性可変抵抗素子において、第1電極12と第2電極14に挟まれた可変抵抗体13内の電流パスを表した概念図である。誘電層を介して電圧を印加しない状態では、フィラメント以外の部分の電気伝導性が極めて高く、主の電流パスがフィラメント部分21であるためフィラメント部分の高い抵抗値が得られるが、誘電層を介して電圧を印加すると、フィラメント以外の部分20に電界が作用する結果、フィラメント以外の部分20に別の導電パスが発生して主の導電パスとなるため、フィラメント以外の部分20の電気伝導性が大幅に上がり低抵抗化すると考えられる。
図16は上述の不揮発性可変抵抗素子を3つ直列に接続した構成を模式的に表した等価回路図である。上段の可変抵抗22がフィラメント部分21の抵抗、下段の抵抗23がフィラメント以外の部分20の抵抗を表している。中央の素子にのみ誘電層を介して電圧を印加せず、両端の素子には誘電層を介して電圧を印加すると、中央の素子はフィラメント部分21が主の導電パス、両端の素子はフィラメント以外の部分20が主の導電パスとなるため、三つの素子を通る全体の電流経路は24のようになる。このとき、両端の素子のフィラメント以外の部分20の抵抗が電界の作用により十分低抵抗化していれば、直列回路の両端に電圧を印加し、電流量を測定することにより、両端の素子の抵抗値に拘わらず、中央の素子の可変抵抗22が高抵抗状態にあるか低抵抗状態にあるかを読み出すことができる。
実際に本発明に係る素子を作製して予備的実験を行った結果を示す。図1は本発明に係る不揮発性可変抵抗素子1(以下、適宜「本発明素子1」と称する)の素子構造を示す断面図である。シリコン基板10上に層間絶縁膜11(二酸化シリコン膜)が、200nmの膜厚で堆積され形成されている。層間絶縁膜11上に深さ20nm、幅200nmの溝が形成されており、当該溝は第1電極12、可変抵抗体13、及び、第2電極14により充填されている。可変抵抗体13の上面、幅200nm×200nmの正方形の領域を覆うように誘電層15として窒化シリコン膜が5nmの膜厚で形成されており、誘電層15上に制御電極16として白金膜が50nmの膜厚で形成されている。可変抵抗体13はフォーミング処理が施されたコバルト酸化物であり、第1電極12及び第2電極14の材料は金属コバルトである。第1電極12及び第2電極14は、層間絶縁膜11上に形成された溝の全部をコバルト酸化物で充填し、可変抵抗体の形成領域の上面を酸素透過性の低い窒化シリコン膜15で被覆後、真空中で400℃、5時間の熱処理により酸化物中の酸素を取り除くことにより形成されている。
上記の本発明素子1のスイッチング特性を測定した結果を図2に示す。図の横軸は測定の順番、縦軸は読み出し抵抗を表している。測定に用いた不揮発性可変抵抗素子1は、フォーミング処理済で安定スイッチングが可能な状態の素子である。
先ず、図2(a)のステップ1において、制御電極16を接地(0V)した状態で、第1電極12に0.5V、第2電極14に0Vの読み出しパルスを印加し、高抵抗状態に相当する1×106Ωの抵抗値を確認した。
図2(a)のステップ2から5では、本発明素子1を高抵抗状態から低抵抗状態に遷移させるべく、書き換え電圧条件を変えて測定を行った。ステップ2では、制御電極16を接地(0V)した状態で、第1電極12を接地(0V)し、第2電極14に1Vの書き換えパルスを印加した後、ステップ1と同じ条件のパルスを用いて読み出しを行いステップ1と抵抗値が変化していないことを確認した。ステップ3からステップ5では、ステップ2と同様に、書き換えパルスを印加した後、ステップ1と同じ条件で読み出しを行った。ステップ3では、書き換え時、第2電極14に1.5Vを印加したところ、抵抗値がやや低下した。次に、ステップ4では、書き換え時、第2電極14に2Vを印加したところ、抵抗値が約105Ωとなり、ステップ1の高抵抗状態と比べて抵抗値が1桁程度低下した。ステップ5では、書き換え時、第2電極14に2.5Vを印加し、低抵抗状態に相当する1×104Ωの読み出し抵抗値が得られた。ステップ1の高抵抗状態と比べると2桁程度の抵抗スイッチング比を得ることができた。
図2(a)のステップ6からステップ9では、本発明素子1を低抵抗状態から高抵抗状態に遷移させるべく、第2電極14と制御電極16を接地(0V)し、第1電極12に印加する書き換え電圧条件を変えて測定を行った。読み出し条件はステップ1と同じである。ステップ6では、第1電極12に1Vの書き換えパルスを印加した後、読み出しを行ったが、ステップ5の低抵抗状態の抵抗値から変化はなかった。ステップ7では、書き換え時、第1電極12に1.5Vを印加したところ、わずかな抵抗変化を確認した。ステップ8では、書き換え時、第1電極12に2Vを印加したところ、約3×104Ωの抵抗値を確認した。ステップ9では、書き換え時、第1電極12に3Vを印加し、高抵抗状態に相当する1×106Ωの抵抗値を確認した。
図2(a)の一連の測定から、セット(低抵抗化)動作時には第2電極14に2.5V、リセット(高抵抗化)動作時には第1電極12に3Vの書き換えパルスを印加することで、スイッチングが良好に行えることが分かる。また、セット(低抵抗化)、リセット(高抵抗化)共に、1V以下の書き換え電圧条件では抵抗変化が起きないことが分かる。
次に、図2(b)について説明する。ステップ1では、第2電極14と制御電極16を接地(0V)し、第1電極12に0.5Vの読み出しパルスを印加し、高抵抗状態に相当する1×106Ωの抵抗値を確認した。ステップ2では、第1電極12と制御電極16を接地(0V)し、第2電極14に2.5Vの書き換えパルスを印加した後、ステップ1と同じ条件のパルスを用いて読み出しを行い、低抵抗状態に相当する1×104Ωの抵抗値を確認した。ステップ3では、第2電極14と制御電極16を接地(0V)し、第1電極12に3Vの書き換えパルスを印加した後、ステップ1と同じ条件のパルスを用いて読み出しを行い、高抵抗状態に相当する1×106Ωの読み出し抵抗値を確認した。
次のステップ4では、第2電極14を接地(0V)し、制御電極16に3Vを印加した状態で、第1電極12に0.5Vの読み出しパルスを印加したところ、1.1×102Ωの抵抗値を確認した。ステップ5では、第2電極14と制御電極16を接地(0V)し、第1電極に0.5Vの読み出しパルスを印加し、高抵抗状態に相当する1×106Ωの抵抗値が確認できた。これにより、第1電極12に0.5Vの読み出しパルスを印加して読み出しを行う場合、制御電極16に3V程度の電圧を印加しても高抵抗状態の抵抗状態は保持されることが分かる。
ステップ6では、第2電極14と制御電極16を接地(0V)し、第1電極12に3Vの書き換えパルスを印加した後、ステップ1と同じ条件のパルスを用いて読み出しを行い、低抵抗状態に相当する1×104Ωの抵抗値を確認した。ステップ7では、第2電極14を接地(0V)し、制御電極16に3Vを印加した状態で、第1電極12に0.5Vの読み出しパルスを印加したところ、1.1×102Ωの抵抗値を確認した。次のステップ8では、第2電極14と制御電極16を接地(0V)し、第1電極12に0.5Vの読み出しパルスを印加し、低抵抗状態に相当する1×104Ωの抵抗値が確認できた。これにより、第1電極12に0.5Vの読み出しパルスを印加して読み出しを行う場合、制御電極16に3V程度の電圧を印加しても低抵抗状態の抵抗状態は保持されることが分かる。
図2(b)の一連の測定から、第1電極12に0.5V程度の読み出しパルスを印加して読み出しを行う場合は、制御電極16に3Vの電圧を印加しても低抵抗状態および高抵抗状態の抵抗状態は保持されることが分かる。また、制御電極16に3Vの電圧を印加することで本発明素子1の抵抗値が1.1×102Ω程度までに、高抵抗状態及び低抵抗状態の抵抗値と比較して大幅に減少することが分かる。
制御電極に印加する電圧を変化させながら、図2(b)と同様の読み出し、書き込み評価を行ったところ、第1電極12に0.5V程度の読み出しパルスを印加して読み出しを行う場合は、制御電極16に6Vまでの電圧を印加しても低抵抗状態および高抵抗状態の抵抗状態は保持されることを確認した。更に、制御電極16に6Vまでの電圧を印加することで本発明素子1の抵抗値が1.1×102Ω以下となり、高抵抗状態及び低抵抗状態の抵抗値と比較して大幅に減少することを確認した。
図3にコバルト、チタン、ニッケル、タンタル、鉄の各遷移金属の酸化物にフォーミング処理を施し、可変抵抗体材料として用いて本発明素子1を作製し、制御電極に3Vを印加した場合の抵抗特性の変化を示す。図4に第2電極14を接地(0V)し、第1電極12に0.5Vの読み出しパルスを印加して、制御電極に電圧を印加した状態で読み出しを行った場合の読み出し抵抗値の変化を示す。可変抵抗体材料としてフォーミング処理を施した遷移金属を用い、制御電極に3V以上の電圧を印加することで本発明素子1の抵抗特性が102Ω程度まで、高抵抗状態及び低抵抗状態の抵抗値と比較して大幅に低抵抗化することが分かる。他に、アルミニウムなど、フォーミング処理を施すことで可変抵抗体として動作する金属の酸化物を用いても同様に本発明素子1の抵抗特性が低抵抗化すると考えられる。
本発明は、この、新規な抵抗変化現象を技術思想として、発明者の独創的な着想に基づきなされたものであり、当該新規な抵抗変化現象を利用して従来型の不揮発性可変抵抗素子を用いるメモリセルアレイにおける問題点を解決するものである。
本発明においてメモリセルを構成する不揮発性可変抵抗素子は、第1電極と第2電極間に可変抵抗体を挟持して形成される従来型の二端子構造の不揮発性可変抵抗素子に、誘電層を介して可変抵抗体と対向する制御電極を更に備えた三端子構造の不揮発性可変抵抗素子である。ここで、可変抵抗体は、当該可変抵抗体内部に電界が誘起されることにより当該可変抵抗体の一の抵抗状態における抵抗特性が一時的に変調され、メモリセルが保持する抵抗状態のうち最も抵抗特性が低抵抗な抵抗状態よりも低抵抗の導通状態へ低抵抗化する特性を持っていれば良く、望ましくは、フォーミング処理を施した遷移金属酸化物である。第1電極と第2電極間に読み出し用の電圧を印加し、電流量を測定することにより不揮発性可変抵抗素子の抵抗特性を算出し、不揮発性可変抵抗素子が保持している抵抗状態を読み出す。この時、同時に制御電極に電圧を印加して、誘電層を介して可変抵抗体の電流経路上に電界を作用させることにより、可変抵抗体の抵抗特性を一時的に変調させ、低抵抗化させることができる。
上記のメモリセルを複数マトリクス状に配置し、列方向に隣接するメモリセルの一方の第1電極と他方の第2電極を直列に接続して列メモリセルを構成することでNAND型のメモリセルアレイを構成する。列メモリセルの両端のメモリセルの、隣接メモリセルと接続されない一方端の第1電極は第1ビット線に、他方端の第2電極は第2ビット線に接続される。即ち列メモリセルの両端は夫々異なる2本のビット線に接続される。当該列メモリセル内のメモリセルの制御電極は夫々、別の行方向に延伸するワード線に接続され、複数の列メモリセル同士がワード線により相互接続されてメモリセルアレイが構成される。
メモリセルアレイの書き換え及び読み出し動作においては、当該動作対象のメモリセルを列メモリセルから選択し、選択メモリセルに接続するワード線には電圧を印加せず、非選択メモリセルに接続するワード線には所定の制御電圧を印加して非選択メモリセルの抵抗特性を一時的に変調させ、メモリセルが保持する抵抗状態のうち最も抵抗特性が低抵抗な抵抗状態よりも低抵抗の導通状態にしておく。この時、列メモリセル間に書き換え或いは読み出し用の電圧を印加すると、非選択メモリセルの抵抗特性が導通状態になっているため、印加される電圧の殆どは選択メモリセルに印加される。このため、直列接続されたメモリセルアレイ間に流れる電流量は非選択メモリセルに記憶されている抵抗状態に拘わらず、選択メモリセルの抵抗状態を反映したものとなり、選択メモリセルの抵抗状態の正確な検出、書き換えが可能になる。
尚、不揮発性可変抵抗素子がバイポーラ型のスイッチング特性を示し、不揮発性可変抵抗素子を低抵抗状態に遷移させる場合と高抵抗状態に遷移させる場合とで夫々異なる極性の電圧を印加して抵抗状態の遷移を行う場合には、例えば、第1ビット線を介して列メモリセル間に低抵抗化用の所定の書き換え電圧を、第2ビット線を介して列メモリセル間に高抵抗化用の所定の書き換え電圧を印加し、抵抗状態のスイッチングを行うと良い。これにより、同一極性の書き換え電圧を印加したまま、列メモリセル間に印加される書き換え電圧が反転され、不揮発性可変抵抗素子の抵抗状態を制御することができる。一方、不揮発性可変抵抗素子がモノポーラ型のスイッチング特性を示し、不揮発性可変抵抗素子を低抵抗状態に遷移させる場合と高抵抗状態に遷移させる場合とで夫々印加電圧パルス幅の異なる電圧を印加して抵抗状態の遷移を行う場合には、同一極性でパルス幅の異なる所定の書き換え電圧を第1ビット線と第2ビット線の何れか一方のビット線を介して列メモリセル間に印加すれば良い。
本発明の不揮発性可変抵抗素子は、特に、可変抵抗体材料として遷移金属酸化物を用いることにより、容易に作製可能である。本発明の不揮発性可変抵抗素子の製造方法は、絶縁体層上に形成された溝に可変抵抗体となる金属酸化物層を充填し、可変抵抗体が形成される領域に誘電層を形成した後、誘電層により被覆されていない金属酸化物中の酸素を取り除く工程を含む。これにより誘電層により被覆されていない領域に金属電極が形成される。一方、誘電層に被覆されている領域では金属酸化物中の酸素の脱離が抑制され、可変抵抗体が形成される。
本発明のメモリセルアレイは、特に、可変抵抗体材料として遷移金属酸化物を用いることにより、容易に作製可能である。本発明のメモリセルアレイの製造方法は、絶縁体層上に形成された溝に可変抵抗体となる金属酸化物層を充填し、可変抵抗体が形成される領域を誘電層で被覆した後、誘電層により被覆されていない領域の金属酸化物中の酸素を取り除く工程を含む。これにより誘電層により被覆されていない領域に金属電極が形成される。一方、誘電層に被覆されている領域では金属酸化物中の酸素の脱離が抑制され、可変抵抗体が形成される。この結果、第1電極と第2電極とが共通化され、一体形成された列メモリセルが形成できる。
尚、上述の不揮発性可変抵抗素子及びメモリセルアレイの製造方法において、金属酸化物中の酸素を取り除くには、例えば、真空中での熱処理が挙げられる。更に、誘電層として酸素透過性の低い膜を用いることが望ましく、例えば、シリコン窒化膜を用いることが望ましい。
以上詳細に説明したように、本発明によれば、不揮発性可変抵抗素子の抵抗変化現象を利用することにより、回り込み電流が抑制でき、セル面積を縮小化可能で、作製が容易な、不揮発性可変抵抗素子を用いた不揮発性半導体記憶装置が実現できる。
以下において、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の素子構造、製造方法、及び駆動方法につき、図面を参照して説明する。
〈単位メモリセル〉
本発明の一実施形態では、図1に示される本発明素子1を用いてメモリセルを構成する。尚、本発明素子1の素子構造、及び抵抗変化特性については既に詳細に説明したので説明を省略する。
本発明の一実施形態では、図1に示される本発明素子1を用いてメモリセルを構成する。尚、本発明素子1の素子構造、及び抵抗変化特性については既に詳細に説明したので説明を省略する。
本発明素子1の製造方法を以下に示す。まず、半導体基板10上に、絶縁体層11(例えば、二酸化シリコン膜)を200nm程度堆積させる。次に、絶縁体層11に公知のエッチング技術を用いて、溝を作製する。溝の深さは20nm、幅は200nm程度であれば良い。その後、可変抵抗体膜13として金属酸化物(例えば、酸化コバルト)を50nm堆積させる。次に、RIEを用いて全面をエッチングすることで二酸化シリコン膜11が露出するまで研磨する。このとき、CMP法により二酸化シリコン膜11が露出するまで研磨してもよい。
次に誘電層(例えば、窒化シリコン膜)15を、CVD法を用いて5nm程度堆積させ、その後制御電極16としての白金膜を50nm程度堆積させる。次に、所定のレジストパターンを用いて、可変抵抗体膜13が露出するまでエッチングを行うことにより制御電極16が形成される。最後に、真空中で400℃、5時間の熱処理を行う。この熱処理により、誘電層15により被覆されている部分の金属酸化物の可変抵抗体膜13には変化がないが、露出部分の可変抵抗体膜13は、酸素が抜けることで第1電極12と第2電極14が形成される。例えば、可変抵抗体膜が酸化コバルトであれば金属コバルトが、酸化チタンであれば金属チタンが形成される。尚、脱酸素後の電極部分17は下部の絶縁体層に到達する必要はなく、十分な電気伝導性を得られる深さであればよい。
〈メモリセルアレイ構造〉
図5〜図7に、本発明素子1を用いた2×2メモリセルアレイ(以下、適宜「本メモリセルアレイ2」と称する)の素子構造を示す。図5に本メモリセルアレイ2の素子構造の鳥瞰図を、図6に図5を上から見たときの図を、図7に図5のA−A’方向の構造断面図を示す。尚、本メモリセルアレイ2は、2×2アレイに限定されるものではなく,m×nアレイ(m:1以上の自然数、n:2以上の自然数)に対しても用いることができる。
図5〜図7に、本発明素子1を用いた2×2メモリセルアレイ(以下、適宜「本メモリセルアレイ2」と称する)の素子構造を示す。図5に本メモリセルアレイ2の素子構造の鳥瞰図を、図6に図5を上から見たときの図を、図7に図5のA−A’方向の構造断面図を示す。尚、本メモリセルアレイ2は、2×2アレイに限定されるものではなく,m×nアレイ(m:1以上の自然数、n:2以上の自然数)に対しても用いることができる。
図5に示すように、シリコン基板10上に層間絶縁膜11(例えば、二酸化シリコン膜)が、200nmの膜厚で形成されている。層間絶縁膜11上に深さ20nm、幅200nmの列方向の溝が形成されており、当該溝は第1電極12、可変抵抗体13、及び、第2電極14により充填されている。可変抵抗体13の上面を覆うように誘電層15として窒化シリコン膜が幅200nm、5nmの膜厚で行方向に延伸して形成されている。誘電層15上に制御電極16として白金膜が、50nmの膜厚で形成され、行方向に延伸するワード線となってメモリセル同士を行方向に接続している。可変抵抗体13はフォーミング処理が施された金属酸化物(例えば、コバルト酸化物)である。
図6及び図7に示すように、列方向の溝の形成領域のうち、誘電層15の形成領域と交叉する領域には、可変抵抗体13が形成され、それ以外の領域には第1電極12又は第2電極14又は電極部分17が形成されている。電極部分17は本発明素子1の第1電極12或いは第2電極14に相当する部分であり、同一の電極材料(例えば、金属コバルト)を用いて一体形成される結果、列方向に隣接するメモリセルの一方の第1電極と他方の第2電極を電気的に接続するものである。これによりメモリセル同士が列方向に直列に接続されて列メモリセルを構成する。当該列メモリセルの一方端の第1電極12は第1ビット線に、他方端の第2電極14は第2ビット線に接続されている。
図8に本メモリセルアレイ2の等価回路図を示す。尚、図8の等価回路図においては、二端子型の可変抵抗素子を示す記号に、MOSFETのゲート端子と同様の記号を付し、制御端子を有する三端子型の不揮発性可変抵抗素子であることを示している。一のメモリセルRに一の本発明素子1が用いられている。列方向に隣接するメモリセルR1とメモリセルR2は電気的に直列接続され列メモリセルA1を構成し、列メモリセルA1の一方端が第1ビット線B11に、他方端が第2ビット線B12に接続されている。同様に、列方向に隣接するメモリセルR3とメモリセルR4は電気的に直列接続され列メモリセルA2を構成し、列メモリセルA2の一方端が第1ビット線B21に、他方端が第2ビット線B22に接続されている。ワード線W1は、メモリセルR1とメモリセルR3の制御電極と電気的に接続し、ワード線W2は、メモリセルR2とメモリセルR4の制御電極と電気的に接続し、メモリセルR1〜R4間を行方向に接続している。
図9に本メモリセルアレイ2の製造方法を示す。まず、半導体基板10上に、絶縁体層11(例えば、二酸化シリコン膜)を200nm程度堆積させる。次に、図9(a)に示すように二酸化シリコン膜11に公知のエッチング技術を用いて、溝を作製する。溝の深さは20nm、幅は200nm程度であれば良い。その後、可変抵抗体膜13として金属酸化物(例えば、酸化コバルト)を50nm堆積させる。次に、図9(b)に示すように、RIEを用いて全面をエッチングすることで二酸化シリコン膜11が露出するまで研磨する。このとき、CMP法により二酸化シリコン膜11が露出するまで研磨してもよい。
次に誘電層(例えば、窒化シリコン膜)15を、CVD法を用いて5nm程度堆積させ、その後制御電極16としての白金膜を50nm程度堆積させる。次に、所定のレジストパターンを用いて、二酸化シリコン膜11及び可変抵抗体膜13が露出するまでエッチングを行うと、図9(c)に示す構造となる。
最後に、真空中で400℃の熱処理を5時間行う。この熱処理により、窒化シリコン膜15が被覆されている部分の金属酸化物の可変抵抗体膜13は変化しないが、露出部分の可変抵抗体膜13は、酸素が抜けることで第1電極12と第2電極14と電極部分17が形成される。例えば、可変抵抗体膜が酸化コバルトであれば金属コバルトが、酸化チタンであれば金属チタンが形成される。尚、脱酸素後の電極部分17は下部の絶縁体層に到達する必要はなく、十分な電気伝導性を得られる深さであればよい。この電極部分17は、隣り合うメモリセルの第1電極12と第2電極14の共通部分となる。
〈駆動方法〉
次に本メモリセルアレイ2の駆動方法について、適宜、図8の等価回路図を参照して説明する。ここで、本メモリセルアレイ2の駆動とは、列メモリセルの中から一つのメモリセルを選択して、データの書き換え(セット/リセット)及び読み出しを行う場合の列メモリセルの各メモリセルへの電圧駆動を意味する。本メモリセルアレイ2の駆動は、複数のワード線を各別に駆動するワード線駆動回路(図示せず)と、複数の第1ビット線と第2ビット線を各別に駆動するビット線駆動回路(図示せず)により実行される。尚、以下の説明では、メモリセルR1に対して選択的に書き換えを行う場合を例として説明する。特に明示しない限り、書き込み、読み出しの電圧パルス幅は50ナノ秒である。
次に本メモリセルアレイ2の駆動方法について、適宜、図8の等価回路図を参照して説明する。ここで、本メモリセルアレイ2の駆動とは、列メモリセルの中から一つのメモリセルを選択して、データの書き換え(セット/リセット)及び読み出しを行う場合の列メモリセルの各メモリセルへの電圧駆動を意味する。本メモリセルアレイ2の駆動は、複数のワード線を各別に駆動するワード線駆動回路(図示せず)と、複数の第1ビット線と第2ビット線を各別に駆動するビット線駆動回路(図示せず)により実行される。尚、以下の説明では、メモリセルR1に対して選択的に書き換えを行う場合を例として説明する。特に明示しない限り、書き込み、読み出しの電圧パルス幅は50ナノ秒である。
先ず、セット動作(低抵抗化)及びリセット動作(高抵抗化)について夫々、極性の異なる電圧を印加して抵抗状態を遷移させる場合、即ちバイポーラ駆動の場合の駆動方法について説明する。図10に、本メモリセルアレイ2をバイポーラ駆動させて書き換え及び読み出しを行う場合の各端子(W1,W2,BL11,B21,B12,B22)に印加する電圧印加パターンを示す。ここで、VAは、第1電極と第2電極の一方端を接地(0V)し、他方端に読み出し電圧を印加して抵抗特性を読み出す場合、制御電極に当該電圧を印加することにより、本発明素子1の抵抗値を変調させて本発明素子1が保持する抵抗状態のうち最も抵抗特性が低抵抗な抵抗状態よりも十分低抵抗の導通状態とすることができる電圧であり、例えば、3V〜3.5Vである。VHは、制御電極が接地(0V)されているとき、本発明素子1の第1電極と第2電極間に当該電圧を印加することによりセット動作(低抵抗化)を行うことができる電圧であり、例えば、3Vである。VLは、制御電極が接地(0V)されているとき、本発明素子1の第1電極と第2電極間に当該電圧を印加することによりリセット動作(高抵抗化)を行うことができる電圧であり、例えば、2.5Vである。Vrは、制御電極が接地(0V)されているとき、本発明素子1の第1電極と第2電極間に当該電圧を印加し、選択セルの情報を読み出す際にセット動作およびリセット動作が生じない電圧であり、例えば、0.1V〜0.5Vである。
1.読み出し
先ず、データの読み出し方法を説明する。列メモリセルA1内のメモリセルR1の抵抗状態として記憶されているデータを選択的に読み出すため、選択メモリセルR1に接続する選択ワード線W1を接地(0V)し、非選択メモリセルR2に接続する非選択ワード線W2に電圧VA+Vr(=3.5V)を印加し、非選択メモリセルに記憶されているデータ(抵抗状態)に関係なく導通状態とする。一方、選択メモリセルR1が属する列メモリセルA1に接続する選択第1ビット線B11に電圧Vr(=0.5V)を印加し、選択第2ビット線B12を接地(0V)する。非選択列メモリセルA2に接続する非選択第1ビット線B21、非選択第2ビット線B22は接地(0V)しておくか、或いは、電圧を印加せず、フローティングとする。
先ず、データの読み出し方法を説明する。列メモリセルA1内のメモリセルR1の抵抗状態として記憶されているデータを選択的に読み出すため、選択メモリセルR1に接続する選択ワード線W1を接地(0V)し、非選択メモリセルR2に接続する非選択ワード線W2に電圧VA+Vr(=3.5V)を印加し、非選択メモリセルに記憶されているデータ(抵抗状態)に関係なく導通状態とする。一方、選択メモリセルR1が属する列メモリセルA1に接続する選択第1ビット線B11に電圧Vr(=0.5V)を印加し、選択第2ビット線B12を接地(0V)する。非選択列メモリセルA2に接続する非選択第1ビット線B21、非選択第2ビット線B22は接地(0V)しておくか、或いは、電圧を印加せず、フローティングとする。
非選択ワード線W2に電圧VA+Vrが印加され、選択第1ビット線B11を介して電圧Vrが印加される結果、非選択セルR2の制御電極に印加される電圧VA+Vrは、第1電極と第2電極に印加される電圧の双方よりも必ずVA以上高い。これにより、非選択セルR2の抵抗値は、制御電極を接地(0V)した場合と比較すると、非選択メモリセルR2が高抵抗状態の時と比べて10000分の1程度、低抵抗状態の時と比べると約100分の1程度に低下する。このため、第1ビット線B11と第2ビット線B12の間に印加される読み出し電圧Vrの殆どが選択メモリセルR1に印加されることになる。そのため、第1ビット線B11と第2ビット線B12の間に流れる電流量は、選択メモリセルR1の抵抗値を反映したものといって良く、正確な抵抗値の検出が可能になる。更に、非選択列メモリセルA2内のメモリセルR3及びR4は、選択列メモリセルA1内のメモリセルR1及びR2とワード線を介して容量結合しているに過ぎず、電気的に接続されていないので、回り込み電流の問題は生じない。
2.書き換え
次に、選択されたメモリセルR1を高抵抗状態から低抵抗状態へ変化させるセット動作を行う場合は、選択メモリセルR1に接続する選択ワード線W1を接地(0V)し、非選択メモリセルR2に接続する非選択ワード線W2に電圧VA+VH(=6V)を印加し、非選択メモリセルに記憶されているデータ(抵抗状態)に関係なく導通状態とする。一方、選択メモリセルR1が属する列メモリセルA1に接続する選択第1ビット線B11に電圧VH(=3.0V)を印加し、選択第2ビット線B12を接地(0V)する。非選択列メモリセルA2に接続する非選択第1ビット線B21、非選択第2ビット線B22は接地(0V)しておくか、或いは、電圧を印加せず、フローティングとする。
次に、選択されたメモリセルR1を高抵抗状態から低抵抗状態へ変化させるセット動作を行う場合は、選択メモリセルR1に接続する選択ワード線W1を接地(0V)し、非選択メモリセルR2に接続する非選択ワード線W2に電圧VA+VH(=6V)を印加し、非選択メモリセルに記憶されているデータ(抵抗状態)に関係なく導通状態とする。一方、選択メモリセルR1が属する列メモリセルA1に接続する選択第1ビット線B11に電圧VH(=3.0V)を印加し、選択第2ビット線B12を接地(0V)する。非選択列メモリセルA2に接続する非選択第1ビット線B21、非選択第2ビット線B22は接地(0V)しておくか、或いは、電圧を印加せず、フローティングとする。
一方、選択されたメモリセルR1を低抵抗状態から高抵抗状態へ変化させるリセット動作を行う場合は、選択メモリセルR1に接続する選択ワード線W1を接地(0V)し、非選択メモリセルR2に接続する非選択ワード線W2に電圧VA+VL(=5.5V)を印加し、非選択メモリセルに記憶されているデータ(抵抗状態)に関係なく導通状態とする。一方、選択メモリセルR1が属する列メモリセルA1に接続する選択第1ビット線B11を接地(0V)し、選択第2ビット線B12に電圧VL(=2.5V)を印加する。非選択列メモリセルA2に接続する非選択第1ビット線B21、非選択第2ビット線B22は接地(0V)しておくか、或いは、電圧を印加せず、フローティングとする。
書き換えの場合も読み出しの場合と同様、セット動作時においては非選択ワード線W2に電圧VA+VHが印加され、選択第1ビット線B11を介して電圧VHが印加され、或いはリセット動作時においては非選択ワード線W2に電圧VA+VLが印加され、選択第2ビット線B12を介して電圧VLが印加される結果、非選択セルR2の制御電極に印加される電圧は、セット動作時及びリセット動作時の何れの場合においても、第1電極と第2電極に印加される電圧の双方よりも必ずVA以上高い。これにより、非選択セルR2の抵抗値は、制御電極を接地(0V)した場合と比較すると、非選択メモリセルR2が高抵抗状態の時と比べて10000分の1程度、低抵抗状態の時と比べると約100分の1程度に低下する。このため、第1ビット線B11と第2ビット線B12の間に印加される書き換え電圧VH又はVLの殆どが選択メモリセルR1に印加されることになる。その結果、選択メモリセルR1では、高抵抗状態から低抵抗状態へ遷移するセット動作、および低抵抗状態から高抵抗状態へと遷移するリセット動作が可能となる。非選択メモリセルR2には、殆ど電圧が印加されないため、抵抗状態の遷移は起こらない。また、非選択列メモリセルA2内のメモリセルR3及びR4は、非選択第1ビット線B21と非選択第2ビット線B22間の電位差がないため抵抗値の変化は起こらない。更に、非選択列メモリセルA2内のメモリセルR3及びR4は、選択列メモリセルA1内のメモリセルR1及びR2とワード線を介して容量結合しているに過ぎず、電気的に接続されていないので、回り込み電流の問題は生じない。
より詳細には、選択されたメモリセルが属する列メモリセルの非選択メモリセルに接続する非選択ワード線に印加する電圧(ここでは、VW2)は、当該列メモリセルに接続する選択第1ビット線に印加される電圧(ここでは、VB11)と選択第2ビット線に印加される電圧(ここでは、VB12)に対して、以下の数1を満足していれば良い。
[数1]
VW2 > VA + max{VB11,VB12}
VW2 > VA + max{VB11,VB12}
可変抵抗体材料としてコバルト酸化物を用い、本メモリセルアレイ2を作製してバイポーラ駆動を可能に構成し、上述の読み出し、書き換え評価を行ったところ正常に安定して抵抗状態の読み出し、書き換え動作を行うことができることを確認した。
尚、コバルト酸化物以外のチタン、ニッケル、タンタル、鉄の各酸化物を可変抵抗体材料として用い本メモリセルアレイ2を構成する場合についても、図3及び図4に示されるように、非選択ワード線を介して制御電極に上記数1を満足する電圧VW2を印加することにより、非選択メモリセルの抵抗値が高抵抗状態の時と比べて10000分の1程度、低抵抗状態の時と比べると約100分の1程度に低下するため、コバルト酸化物の場合と同様、安定して抵抗状態の読み出し、書き換え動作を行うことができる。
次に、セット動作(低抵抗化)及びリセット動作(高抵抗化)について夫々、同一極性のパルス幅の異なる電圧を印加して抵抗状態を遷移させる場合、即ちモノポーラ駆動の場合の駆動方法について説明する。図11に、本メモリセルアレイ2をモノポーラ駆動させて書き換え及び読み出しを行う場合の各端子(W1,W2,BL11,B21,B12,B22)に印加する電圧印加パターンを示す。ここで、VA、VH、VL、及びVrについてはバイポーラ駆動の説明と同様である。また、リセット時に用いる書き換え電圧VLのパルス幅は、例えば250ナノ秒〜500ナノ秒である。
読み出し動作についてはバイポーラ駆動の場合と全く同じであるので説明は省略する。書き換え動作の場合、選択メモリセルR1に接続する選択ワード線W1を接地(0V)し、非選択メモリセルR2に接続する非選択ワード線W2に電圧VA+VH(=6V、セット動作時)或いはVA+VL(=5.5V、リセット動作時)を印加し、非選択メモリセルを記憶されているデータ(抵抗状態)に関係なく導通状態とする。一方、選択メモリセルR1が属する列メモリセルA1に接続する選択第2ビット線B12はセット動作、リセット動作の双方で接地(0V)しておき、選択第1ビット線B11に夫々、セット動作用の電圧VH(=3.0V)或いはリセット動作用の電圧VL(=2.5V)を印加して書き換え動作を行う。非選択列メモリセルA2に接続する非選択第1ビット線B21、非選択第2ビット線B22は接地(0V)しておくか、或いは、電圧を印加せず、フローティングとする。
可変抵抗体材料としてチタン酸化物を用い、本メモリセルアレイ2を作製してモノポーラ駆動が可能に構成し、上述の読み出し、書き換え評価を行ったところ正常に安定して抵抗状態の読み出し、書き換え動作を行うことができることを確認した。
更に、チタン酸化物以外のコバルト、ニッケル、タンタル、鉄の各酸化物を可変抵抗体材料として用い本メモリセルアレイ2を構成する場合についても、図3及び図4に示されるように、非選択ワード線を介して制御電極に上記数1を満足する電圧VW2を印加することにより、非選択メモリセルの抵抗値が高抵抗状態の時と比べて10000分の1程度、低抵抗状態の時と比べると約100分の1程度に低下するため、可変抵抗体材料として遷移金属酸化物を用いることにより、安定して抵抗状態の読み出し、書き換え動作を行うことができる。
〈メモリセルアレイの構成例〉
図12〜図14にメモリセルアレイの構成例を示す。以下に示す例では、第1ビット線と第2ビット線の間に複数(例えば、八つ)のメモリセルが直列接続されて列メモリセルを構成し、更に、当該列メモリセルには夫々、列メモリセルの選択用のMOSトランジスタが直列接続され、当該MOSトランジスタを用いて、選択された第1及び第2ビット線に接続する複数の列メモリセルの中から読み出し又は書き換え対象となる一の列メモリセルを選択・切り替え可能な構成となっている。
図12〜図14にメモリセルアレイの構成例を示す。以下に示す例では、第1ビット線と第2ビット線の間に複数(例えば、八つ)のメモリセルが直列接続されて列メモリセルを構成し、更に、当該列メモリセルには夫々、列メモリセルの選択用のMOSトランジスタが直列接続され、当該MOSトランジスタを用いて、選択された第1及び第2ビット線に接続する複数の列メモリセルの中から読み出し又は書き換え対象となる一の列メモリセルを選択・切り替え可能な構成となっている。
図12に示す構成では、第1ビット線(B11〜Bn1)が列方向に延伸し、第2ビット線(B12,B22)が行方向に延伸し、ワード線(W11〜W18,W21〜W28)が行方向に延伸している。また、複数の列メモリセル(A11〜A1n,A21〜A2n)の中から一の列メモリセルを選択する為のビットセレクト線(BSL0,BSL1)が行方向に延伸し、MOSトランジスタ(T11〜T1n,T21〜T2n)のゲート端子同士を接続している。
図13に示す構成では、第1ビット線及び第2ビット線(BL1〜BL5)が列方向に延伸し、ワード線(W11〜W18)が行方向に延伸している。奇数列の列メモリセルの第1ビット線と偶数列の列メモリセルの第2ビット線、及び、偶数列の列メモリセルの第1ビット線と奇数列の列メモリセルの第2ビット線は夫々、同一のビット線で共用される。また、複数の列メモリセル(A11〜A14)の中から一の列メモリセルを選択する為のビットセレクト線(BSL0〜BSL4)が行方向に延伸し、MOSトランジスタ(T11a〜T14b)のゲート端子同士を接続している。
図14に示す構成では、第1ビット線及び第2ビット線(BL1〜BL3)が行方向に延伸し、ワード線(W11〜W18,W21〜W28)が行方向に延伸している。奇数行の列メモリセルの第1ビット線と偶数行の列メモリセルの第2ビット線、及び、偶数行の列メモリセルの第1ビット線と奇数行の列メモリセルの第2ビット線は夫々、同一のビット線で共用される。また、複数の列メモリセル(A11〜A1n,A21〜A2n)の中から一の列メモリセルを選択する為のビットセレクト線(BSL0〜BSL4)が列方向に延伸し、MOSトランジスタ(T11a〜T1na,T21a〜T2nb)のゲート端子同士を接続している。
上記図12〜図14の何れの構成においても、選択された列メモリセルが接続する第1ビット線と第2ビット線が選択され、これにより複数の列メモリセルが選択される場合には選択された列メモリセルに直列接続するMOSトランジスタのゲート端子にビットセレクト線を介して電圧を印加し、当該選択されたMOSトランジスタのみをON状態とする。読み出し、書き換え動作における駆動電圧は、選択された第1ビット線或いは選択された第2ビット線を介し、選択されたMOSトランジスタを介して、選択された列メモリセルに印加される。各第1ビット線及び第2ビット線への駆動電圧の印加、各ワード線への駆動電圧の印加、並びに、各ビットセレクト線への駆動電圧の印加は、夫々、ビット線駆動回路31、ワード線駆動回路32、列メモリセル選択回路33により実行される。尚、当該ビット線駆動回路31、ワード線駆動回路32、列メモリセル選択回路33は、公知のメモリセルアレイ技術、例えば、ワード線デコーダ、ビット線デコーダ、及び電圧印加回路等を組み合わせることにより実現できる。
〈別実施形態〉
以下、本発明の別実施形態について説明する。
以下、本発明の別実施形態について説明する。
〈1〉上述の実施形態は本発明の好適な実施形態の一例である。本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述の実施形態では本発明素子1を直列に接続して列メモリセルを構成した本メモリセルアレイ2とその駆動方法を開示したが、制御電極を有する三端子型の不揮発性可変抵抗素子であって、制御電極に電圧を印加することによりその抵抗特性が一時的に変調され、自身が保持する抵抗状態のうち最も抵抗特性が低抵抗な抵抗状態よりも抵抗特性の低い導通状態に低抵抗化する特性を持つものであれば、当該不揮発性可変抵抗素子を直列に接続して列メモリセルを構成し、本発明の駆動方法を用いて読み出し・書込みを行うことにより同様に不揮発性半導体記憶装置が実現できる。
〈2〉同様に、本発明素子1が構成される可変抵抗体材料の具体例としてフォーミング処理が施された遷移金属酸化物を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遷移金属以外の可変抵抗体材料を用いて上記の特性を持つ不揮発性可変抵抗素子を作製しても良い。
〈3〉上述の実施形態では、読み出し時に選択第1ビット線を介して所定の読み出し電圧を印加する読み出し方法を例示したが、選択第2ビット線を介して所定の読み出し電圧を印加しても構わない。
〈4〉上述の実施形態では、モノポーラ駆動の場合の書き換え方法において、選択第2ビット線を接地し、選択第1ビット線を介して所定の書き換え電圧を印加してセット/リセット動作を行う方法を例示したが、選択第1ビット線を接地し、選択第2ビット線を介して所定の書き換え電圧を印加しても構わない。
〈5〉上述の実施形態では、書き換え・読み出し時において選択メモリセルの制御電極に接続するワード線は接地しているが、必ずしも接地しておく必要はなく、電圧を印加しない(フローティングとする)場合でも動作する。しかしながら、ノイズの影響による書き換え後の抵抗特性のばらつきを低減するため、一定の基準電圧を印加することが望ましい。更に、好ましくは、フィラメント以外の部分が導電パスとして寄与しないように、選択第1ビット線と選択第2ビット線に印加される電圧のうち低電圧の方を基準電圧として印加することが望ましい。同様に、上述の実施形態では、選択第1ビット線と選択第2ビット線の何れかを接地しているが、小さなバイアス電圧を基準電圧として印加しても構わない。
〈2〉同様に、本発明素子1が構成される可変抵抗体材料の具体例としてフォーミング処理が施された遷移金属酸化物を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遷移金属以外の可変抵抗体材料を用いて上記の特性を持つ不揮発性可変抵抗素子を作製しても良い。
〈3〉上述の実施形態では、読み出し時に選択第1ビット線を介して所定の読み出し電圧を印加する読み出し方法を例示したが、選択第2ビット線を介して所定の読み出し電圧を印加しても構わない。
〈4〉上述の実施形態では、モノポーラ駆動の場合の書き換え方法において、選択第2ビット線を接地し、選択第1ビット線を介して所定の書き換え電圧を印加してセット/リセット動作を行う方法を例示したが、選択第1ビット線を接地し、選択第2ビット線を介して所定の書き換え電圧を印加しても構わない。
〈5〉上述の実施形態では、書き換え・読み出し時において選択メモリセルの制御電極に接続するワード線は接地しているが、必ずしも接地しておく必要はなく、電圧を印加しない(フローティングとする)場合でも動作する。しかしながら、ノイズの影響による書き換え後の抵抗特性のばらつきを低減するため、一定の基準電圧を印加することが望ましい。更に、好ましくは、フィラメント以外の部分が導電パスとして寄与しないように、選択第1ビット線と選択第2ビット線に印加される電圧のうち低電圧の方を基準電圧として印加することが望ましい。同様に、上述の実施形態では、選択第1ビット線と選択第2ビット線の何れかを接地しているが、小さなバイアス電圧を基準電圧として印加しても構わない。
本発明は、不揮発性半導体記憶装置に利用可能であり、特に電圧印加によって抵抗状態の遷移し、当該遷移後の抵抗状態が不揮発的に保持される不揮発性可変抵抗素子を備えてなる不揮発性半導体記憶装置に利用可能である。
1: 本発明に係る不揮発性可変抵抗素子(メモリセル)
2: 本発明に係るメモリセルアレイ
10: 半導体基板
11: 絶縁膜
12: 第1電極(第1ビット線)
13: 可変抵抗体
14: 第2電極(第2ビット線)
15: 誘電層
16: 制御電極(ワード線)
17: 電極部分
20: フィラメント以外の領域
21: フィラメント部分
22: 可変抵抗
23: 抵抗
24: 電流パス
31: ビット線駆動回路
32: ワード線駆動回路
33: 列メモリセル選択回路
A1,A2,A11〜A1n、A21〜A2n: 列メモリセル
B11,B21,Bn1: 第1ビット線
B21,B22: 第2ビット線
BSL0〜BSLn+1:ビットセレクト線
R1〜R4: メモリセル
T11〜T1n,T21〜T2n,T11a〜T1an,T21a〜T2an,T11b〜T1bn,T21b〜T2bn:MOSトランジスタ
W1,W2,W11〜W18,W21〜W18: ワード線
2: 本発明に係るメモリセルアレイ
10: 半導体基板
11: 絶縁膜
12: 第1電極(第1ビット線)
13: 可変抵抗体
14: 第2電極(第2ビット線)
15: 誘電層
16: 制御電極(ワード線)
17: 電極部分
20: フィラメント以外の領域
21: フィラメント部分
22: 可変抵抗
23: 抵抗
24: 電流パス
31: ビット線駆動回路
32: ワード線駆動回路
33: 列メモリセル選択回路
A1,A2,A11〜A1n、A21〜A2n: 列メモリセル
B11,B21,Bn1: 第1ビット線
B21,B22: 第2ビット線
BSL0〜BSLn+1:ビットセレクト線
R1〜R4: メモリセル
T11〜T1n,T21〜T2n,T11a〜T1an,T21a〜T2an,T11b〜T1bn,T21b〜T2bn:MOSトランジスタ
W1,W2,W11〜W18,W21〜W18: ワード線
Claims (11)
- 第1電極と、第2電極と、
前記第1電極及び前記第2電極の双方と電気的に接続する可変抵抗体を備え、
前記第1電極と前記第2電極間に電圧を印加することにより抵抗状態が二以上の異なる抵抗状態間で遷移し、当該遷移後の一の抵抗状態が不揮発的に保持される不揮発性可変抵抗素子であって、
誘電層を介して前記可変抵抗体と対向する制御電極を備え、
前記制御電極に所定の制御電圧を印加することにより前記遷移後の一の抵抗状態における抵抗特性が一時的に変調され、前記不揮発性可変抵抗素子が保持する前記二以上の異なる抵抗状態のうち最も抵抗特性が低抵抗な抵抗状態よりも抵抗特性の低い導通状態に低抵抗化することを特徴とする不揮発性可変抵抗素子。 - 前記可変抵抗体がフォーミング処理を施した金属酸化物により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の不揮発性可変抵抗素子。
- 請求項1又は2に記載の不揮発性可変抵抗素子を用いて一のメモリセルを構成し、前記メモリセルを行及び列方向に夫々複数マトリクス状に配置した不揮発性半導体記憶装置であって、
列方向に隣接する一方の前記メモリセルの前記第1電極と他方の前記メモリセルの前記第2電極が接続することで、複数の前記メモリセルが列方向に直列に接続され列メモリセルを構成し、
前記列メモリセルの両端に位置する前記第1電極と前記第2電極の一方端が、直接或いは前記列メモリセルの選択用素子を介して第1ビット線に、他方端が直接或いは前記列メモリセルの選択用素子を介して第2ビット線に接続され、
同一行の前記メモリセルの前記制御電極が、行方向に延伸するワード線に接続されていることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。 - 選択された前記列メモリセル内の選択された前記メモリセルの前記不揮発性可変抵抗素子に保持された抵抗状態を読み出すため、
選択された前記列メモリセル内の選択された前記メモリセルの前記制御電極に接続する前記ワード線に前記所定の制御電圧を印加せず、
選択された前記列メモリセル内の非選択の前記メモリセルの前記制御電極に接続する前記ワード線に前記所定の制御電圧を印加する、ワード線駆動回路と、
選択された前記列メモリセルの一方端を前記第1ビット線と前記第2ビット線の何れか一方を介して接地し、他方端に前記第1ビット線と前記第2ビット線の何れか他方を介して所定の読み出し電圧を印加する、ビット線駆動回路と、を備えることを特徴とする請求項3に記載の不揮発性半導体記憶装置。 - 選択された前記列メモリセル内の選択された前記メモリセルの前記不揮発性可変抵抗素子に保持された抵抗状態を前記二以上の異なる抵抗状態間で遷移させ、選択された前記メモリセルの書き換えを行うため、
選択された前記列メモリセル内の選択された前記メモリセルの前記制御電極に接続する前記ワード線に前記所定の制御電圧を印加せず、
選択された前記列メモリセル内の非選択の前記メモリセルの前記制御電極に接続する前記ワード線に、前記所定の制御電圧を印加する、ワード線駆動回路と、
選択された前記列メモリセルの一方端を前記第1ビット線と前記第2ビット線の何れか一方を介して接地し、他方端に前記第1ビット線と前記第2ビット線の何れか他方を介して所定の書き換え電圧を印加する、ビット線駆動回路と、を備えることを特徴とする請求項3に記載の不揮発性半導体記憶装置。 - 前記ワード線駆動回路は、選択された前記列メモリセル内の前記選択された前記メモリセルの前記ワード線を接地することを特徴とする請求項4又は5に記載の不揮発性半導体記憶装置。
- 前記ビット線駆動回路は、選択された前記列メモリセル内の選択された前記メモリセルの前記不揮発性可変抵抗素子に保持された抵抗状態を低抵抗状態に遷移させる場合と高抵抗状態に遷移させる場合とで、選択された前記列メモリセルの一方端を基準として他方端に印加される前記所定の書き換え電圧の極性が異なり、低抵抗状態に遷移させる場合には前記第1ビット線を介して、高抵抗状態に遷移させる場合には前記第2ビット線を介して、同一極性の前記所定の書き換え電圧を印加することを特徴とする請求項5又は6に記載の不揮発性半導体記憶装置。
- 前記ビット線駆動回路は、選択された前記列メモリセル内の選択された前記メモリセルの前記不揮発性可変抵抗素子に保持された抵抗状態を高抵抗状態に遷移させる場合と低抵抗状態に遷移させる場合とで、選択された前記列メモリセルの一方端を基準として他方端に印加される前記所定の書き換え電圧の極性が同一で印加パルス幅の異なる前記所定の書き換え電圧を印加することを特徴とする請求項5又は6に記載の不揮発性半導体記憶装置。
- 請求項1に記載の不揮発性可変抵抗素子を製造する方法であって、
基板上に溝を有する絶縁体層を形成する第1工程と、
前記絶縁体層の溝に金属酸化物からなる前記可変抵抗体を充填する第2工程と、
前記可変抵抗体が充填された前記絶縁体層上に前記誘電層を堆積する第3工程と、
前記誘電層上に前記制御電極を堆積する第4工程と、
所定の領域に形成された前記誘電層と前記制御電極を除去し、前記第1電極と前記第2電極となる前記可変抵抗体の形成領域の一部を露出させる第5工程と、
前記第5工程により前記可変抵抗体が露出している領域の前記可変抵抗体から酸素を取り除き、導電性の高い電極部分を形成する第6工程と、
を有することを特徴とする不揮発性可変抵抗素子の製造方法。 - 請求項3〜8の何れか一項に記載の不揮発性半導体記憶装置を製造する方法であって、
基板上に列方向の溝を有する絶縁体層を形成する第1工程と、
前記絶縁体層の列方向の溝に金属酸化物からなる前記可変抵抗体を充填する第2工程と、
前記可変抵抗体が充填された前記絶縁体層上に前記誘電層を堆積する第3工程と、
前記誘電層上に前記制御電極を堆積する第4工程と、
所定の領域に形成された前記誘電層と前記制御電極を除去し、行方向に延伸するワード線を形成する第5工程と、
前記第5工程により前記可変抵抗体が露出している領域の前記可変抵抗体から酸素を取り除き、導電性の高い電極部分を形成する第6工程と、を有することにより、
列方向に隣接する前記メモリセルの前記第1電極と前記第2電極が共通化され、複数の前記メモリセルが列方向に直列に接続され前記列メモリセルが形成されることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法。 - 前記第2工程において、前記絶縁体層上に前記可変抵抗体を堆積させた後、前記絶縁体層が露出するまでエッチング処理を行うことを特徴とする請求項10に記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009048524A JP2010205853A (ja) | 2009-03-02 | 2009-03-02 | 不揮発性可変抵抗素子を用いた半導体記憶装置、及びその製造方法 |
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JP2009048524A JP2010205853A (ja) | 2009-03-02 | 2009-03-02 | 不揮発性可変抵抗素子を用いた半導体記憶装置、及びその製造方法 |
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JP2009048524A Withdrawn JP2010205853A (ja) | 2009-03-02 | 2009-03-02 | 不揮発性可変抵抗素子を用いた半導体記憶装置、及びその製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2010205853A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113782671A (zh) * | 2020-06-09 | 2021-12-10 | 新加坡商格罗方德半导体私人有限公司 | 具有多层级单元配置的非易失性存储器元件 |
KR20220134411A (ko) * | 2021-03-26 | 2022-10-05 | 타이완 세미콘덕터 매뉴팩쳐링 컴퍼니 리미티드 | 반도체 디바이스 및 제조 방법 |
-
2009
- 2009-03-02 JP JP2009048524A patent/JP2010205853A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
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CN113782671A (zh) * | 2020-06-09 | 2021-12-10 | 新加坡商格罗方德半导体私人有限公司 | 具有多层级单元配置的非易失性存储器元件 |
KR20220134411A (ko) * | 2021-03-26 | 2022-10-05 | 타이완 세미콘덕터 매뉴팩쳐링 컴퍼니 리미티드 | 반도체 디바이스 및 제조 방법 |
KR102587168B1 (ko) | 2021-03-26 | 2023-10-06 | 타이완 세미콘덕터 매뉴팩쳐링 컴퍼니 리미티드 | 반도체 디바이스 및 제조 방법 |
US11856876B2 (en) | 2021-03-26 | 2023-12-26 | Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd. | Semiconductor devices with a double sided word line structure and methods of manufacture |
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