JP2010205483A - 燃料電池システム、および、燃料電池の過熱状態検出方法 - Google Patents

燃料電池システム、および、燃料電池の過熱状態検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池全体の構成の複雑化を抑制しつつ、発電集中を精度良く検出する。
【解決手段】燃料電池システムは、単セルの出力電流を検出する電流検出部と、単セルの抵抗を検出する抵抗検出部と、単セルの温度を検出する温度検出部と、単セルが備える電解質膜の環境湿度を検出する湿度検出部と、を備える。また、単セルが、電解質膜の一部の領域のみでプロトンが移動する反応が進行する発電集中セルに該当するか否かを判定する発電集中セル判定部を備える。また、発電集中セル判定部が発電集中セルに該当すると判定したときに、単セルの出力電流と単セルの抵抗と単セルの温度と電解質膜の環境湿度とに基づいて、発電集中部温度を求める発電集中部温度導出部を備える。また、発電集中部温度が基準温度を超えるときには単セルが過熱状態であると判定する過熱判定部を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システム、および、燃料電池の過熱状態の検出方法に関するものである。
燃料電池の運転中においては、例えば、低温運転時におけるガス流路内での水の凍結や、ガス流路における凝縮水の滞留によって、燃料電池を構成する各単セル内で、部分的にガス供給が不足する場合がある。このように部分的にガス供給が不足すると、単セル内の電極面では、供給ガス量が比較的充分である領域において、プロトン移動に係る反応が集中して起こるようになる。あるいは、特に固体高分子型燃料電池では、例えば燃料電池の運転温度が高温になることで電解質膜が部分的に乾燥することにより、電解質膜が充分な湿潤状態を維持している領域に対応する部分に、プロトン移動に係る反応が集中する場合がある。このように、一部の領域に反応が集中(以下、発電集中と呼ぶ)する場合には、発電集中した領域において局所的に発熱が生じることにより、電解質膜が損傷を受ける場合があり、例えば、電解質膜にピンホールが発生する場合がある。
このような発電集中に起因する電解質膜の損傷を抑制するためには、発電集中が起こっていることを検出する必要がある。発電集中が起こっていることを検出する方法としては、発電中の燃料電池の出力電流や出力電圧、あるいは抵抗値や温度などの局所的な物理量を電極面内でモニタして、発電集中時に対応する異常値を検出する方法が考えられる。発電中の燃料電池に係る電極面内での局所的な物理量の測定方法としては、例えば、燃料電池の発電面に対向して配置される板状部材において、燃料電池の発電面と電気的に接続された複数の柱状部を設け、柱状部における電流や温度を測定する構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−127838号公報 特開2006−107866号公報 特開2008−204691号公報 特開2006−244757号公報
しかしながら、上記のように、電極面に対応して複数の電流センサや温度センサを設ける場合には、燃料電池全体の構成が複雑化すると共に燃料電池を製造する際のコストが上昇し、採用し難い場合がある。また、たとえ電極面内に複数のセンサを設けたとしても、面内で隣接するセンサ間で発電集中が起こる場合には、発電集中を正確に検出することができない可能性がある。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、燃料電池全体の構成の複雑化を抑制しつつ、発電集中を精度良く検出することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実施することが可能である。
[適用例1]
固体高分子型燃料電池を備える燃料電池システムであって、
前記燃料電池を構成する単セルの出力電流を検出する電流検出部と、
前記単セルの抵抗を検出する抵抗検出部と、
前記単セルの温度を検出する温度検出部と、
前記単セルが備える電解質膜の環境湿度を検出する湿度検出部と、
前記単セルが、前記電解質膜の一部の領域のみでプロトンが移動する反応が進行する発電集中セルに該当するか否かを判定する発電集中セル判定部と、
前記発電集中セル判定部が、前記発電集中セルに該当すると判定したときに、前記電流検出部が検出した前記単セルの出力電流と、前記抵抗検出部が検出した前記単セルの抵抗と、前記温度検出部が検出した前記単セルの温度と、前記湿度検出部が検出した前記電解質膜の環境湿度と、に基づいて、前記電解質膜においてプロトンが移動する反応が進行している発電集中領域の温度である発電集中部温度を求める発電集中部温度導出部と、
前記発電集中部温度と基準温度とを比較して、前記発電集中部温度が前記基準温度を超えるときには、前記単セルが過熱状態であると判定する過熱判定部と
を備える燃料電池システム。
適用例1に記載の燃料電池システムでは、単セルにおいて発電集中が起きているときに、単セルの出力電流と抵抗と温度と前記電解質膜の環境湿度とに基づいて発電集中部温度を求め、過熱状態であるか否かを判定しているため、過熱に到る発電集中を検出する精度を高めることができる。また、発電集中部温度を求めるために、単セルの出力電流や抵抗や温度あるいは湿度を用いているため、発電集中部温度を求めることに起因する燃料電池の構成の複雑化を抑制することができる。
[適用例2]
適用例1記載の燃料電池システムであって、前記発電集中部温度導出部は、前記抵抗検出部が検出した前記単セルの抵抗と、前記温度検出部が検出した前記単セルの温度と、前記湿度検出部が検出した前記電解質膜の環境湿度と、に基づいて、前記電解質膜全体に対する前記発電集中領域の割合である面内利用率を求める利用率導出部と、前記電流検出部が検出した前記単セルの出力電流と、前記抵抗検出部が検出した前記単セルの抵抗と、前記温度検出部が検出した前記単セルの温度と、前記利用率導出部が求めた前記面内利用率と、に基づいて、前記発電集中部温度を求める温度算出部と、を備える燃料電池システム。適用例2に記載の燃料電池システムによれば、単セルの抵抗と温度と電解質膜の環境湿度とに基づいて面内利用率を求め、面内利用率に基づいて発電集中部温度を求めているため、面内のいずれの場所において発電集中が起こっている場合であっても、精度良く発電集中部温度を求めることができる。
[適用例3]
適用例1または2記載の燃料電池システムであって、前記燃料電池は、複数の単セルを積層して成り、前記発電集中セル判定部は、前記複数の単セルの中で前記発電集中セルを特定し、前記発電集中部温度導出部は、前記発電集中セル判定部が特定した前記発電集中セルについて、前記発電集中部温度を求める燃料電池システム。適用例3に記載の燃料電池システムによれば、燃料電池を構成するいずれの単セルにおいて発電集中が起こっている場合であっても、精度良く発電集中を検出することができる。
[適用例4]
適用例1ないし3いずれか記載の燃料電池システムであって、さらに、前記単セルの出力電圧を検出する電圧検出部を備え、前記抵抗検出部は、各々の単セルについて、抵抗と共に、単位時間当たりの抵抗の変化量を検出しており、前記発電集中セル判定部は、前記電圧検出部が検出した前記電圧が負の値であり、前記抵抗検出部が検出した前記抵抗の変化量が正の値であるときに、前記単セルが発電集中セルに該当すると判定する燃料電池システム。適用例4に記載の燃料電池システムによれば、発電集中が起こっている単セルを特定するために、単セルの電圧と抵抗の変化量とを用いているため、単セル内のいずれの箇所において発電集中が生じていても、発電集中を精度良く検出することができる。特に、燃料電池が発電を継続することによりさらに進行する可能性の高い発電集中を、精度良く検出することができる。また、発電集中を検出するために燃料電池の構成が複雑化することを抑制できる。
[適用例5]
適用例1ないし4いずれか記載の燃料電池システムであって、さらに、前記過熱判定部が前記単セルが過熱状態であると判定したときに、前記燃料電池の出力電流を減少させる制御を行なう発電制御部を備える燃料電池システム。適用例5に記載の燃料電池システムによれば、単セルが過熱状態であると判定されたときには燃料電池の出力電流を減少させるため、発電集中解消を促すと共に、発電集中が起きている単セルにおける温度上昇を抑制することができる。したがって、燃料電池の構成部材の過熱に起因した損傷を抑制することができる。
[適用例6]
適用例5記載の燃料電池システムであって、さらに、前記発電制御部が前記燃料電池の出力電流を減少させる制御を行なった後に、前記単セルにおける前記発電集中が解消されているか否かを判定する発電集中解消判定部を備え、前記発電制御部は、出力発電集中解消判定部によって前記発電集中が解消されたと判定されたときには前記燃料電池の発電継続を許容し、前記発電集中が解消されていないと判定されたときには前記燃料電池の発電を停止させる燃料電池システム。適用例6に記載の燃料電池システムによれば、燃料電池の出力電流を減少させても発電集中が解消しないときには発電停止しているため、出力電流の減少によっても解消できない程度の発電集中が起きている場合に、過熱状態がそれ以上進行するのを抑制することができる。また、出力電流の減少により解消できる程度の発電集中である場合には、燃料電池の発電を継続することが可能になる。
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、燃料電池の過熱検出方法などの形態で実現することが可能である。
燃料電池システム10の概略構成を表わす説明図である。 単セル70を表わす断面模式図である。 発電集中が起こる際の電圧及び抵抗を測定した一例を示す説明図である。 低温起動時過熱判定処理ルーチンを表わすフローチャートである。 セル抵抗と面内利用率との関係を表わす説明図である。 セル抵抗と面内利用率との関係を表わす説明図である。 通常発電時過熱判定処理ルーチンを表わすフローチャートである。
A.装置の全体構成:
図1は、第1実施例の燃料電池システム10の概略構成を表わす説明図である。燃料電池システム10は、燃料電池40と、燃料ガス供給部20と、酸化ガス供給部30とを備えている。また、燃料電池システム10は、上記燃料電池40の抵抗を測定するための交流インピーダンス測定部50と、制御部60と、を備えている。
燃料電池40は、固体高分子型の燃料電池であり、複数の単セル70を積層したスタック構造を有している。図2は、燃料電池40を構成する単セル70を表わす断面模式図である。単セル70は、電解質膜71、アノード72、カソード73、ガス拡散層74,75、セパレータ76,77によって構成されている。
電解質膜71は、固体高分子材料、例えばフッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜であり、湿潤状態で良好な導電性を示す。アノード72およびカソード73は、電解質膜71上に形成された層であり、例えば、電気化学反応を進行する触媒金属(例えば白金)を担持したカーボン粒子と、プロトン伝導性を有する電解質と、によって構成することができる。電解質膜71とアノード72およびカソード73とを積層した構造を、以下、MEA(膜−電極接合体、Membrane Electrode Assembly)78と呼ぶ。ガス拡散層74,75は、ガス透過性および電子伝導性を有する部材によって構成されており、例えば、発泡金属や金属メッシュなどの金属製部材や、カーボンクロスやカーボンペーパなどのカーボン製部材により形成することができる。セパレータ76,77は、ガス不透過の導電性部材によって形成されており、例えば、カーボンを圧縮してガス不透過とした緻密質カーボン等のカーボン製部材や、プレス成形したステンレス鋼などの金属部材によって形成することができる。
セパレータ76,77は、その表面に、単セル70内のガス流路を形成するための凹凸形状を有している。セパレータ76は、ガス拡散層74との間に、水素を含有する燃料ガスが通過するセル内燃料ガス流路26を形成する。また、セパレータ77は、ガス拡散層75との間に、酸素を含有する酸化ガスが通過するセル内酸化ガス流路36を形成する。なお、単セル70の外周部には、単セル70の積層方向と平行であって燃料ガスあるいは酸化ガスが流通する複数のガスマニホールドが設けられている(図示せず)。これら複数のガスマニホールドのうちの燃料ガス供給マニホールドを流れる燃料ガスは、各単セル70に分配され、電気化学反応に供されつつ各セル内燃料ガス流路26内を通過し、その後、燃料ガス排出マニホールドに集合する。同様に、酸化ガス供給マニホールドを流れる酸化ガスは、各単セル70に分配され、電気化学反応に供されつつ各セル内酸化ガス流路36内を通過し、その後、酸化ガス排出マニホールドに集合する。
なお、燃料電池40には、さらに、スタック構造の内部温度を調節するために、各単セル間に、あるいは所定数の単セルを積層する毎に、冷媒の通過する冷媒流路が設けられている(図示せず)。冷媒流路は、例えば、隣り合う単セル間において、一方の単セルが備えるセパレータ76と、他方の単セルが備えるセパレータ77との間に設けることができる。
図1に戻り、燃料ガス供給部20は、燃料ガス供給路22を介して燃料電池40に接続されており、燃料電池40内に形成されるセル内燃料ガス流路26に、水素を含有する燃料ガスを供給する。燃料ガスとしては、例えば水素ガスを用いることができ、この場合には、燃料ガス供給部20は、水素ガスを貯蔵する水素タンクを備えることとすればよい。あるいは、燃料ガスとして改質ガスを用いても良く、この場合には、燃料ガス供給部20は、炭化水素などの改質燃料を貯蔵する改質燃料タンクと、改質燃料から水素リッチな改質ガスを生成する改質器とを備えることとすればよい。また、燃料ガス供給路22には、燃料電池40に供給する燃料ガスの流量を調節する流量調整弁23や、燃料ガスを加湿するための加湿器24、あるいは、燃料電池40に供給される燃料ガスの湿度を検出する湿度センサ25が設けられている。
酸化ガス供給部30は、酸化ガス供給路32を介して燃料電池40に接続されており、燃料電池40内に形成されるセル内酸化ガス流路36に、酸素を含有する酸化ガスを供給する。本実施例では、酸化ガスとして空気を用いており、酸化ガス供給部30はブロワを備えている。また、酸化ガス供給路32には、酸化ガスを加湿するための加湿器34や、燃料電池40に供給される酸化ガスの湿度を検出する湿度センサ35が設けられている。
さらに、燃料電池40には、燃料電池40の内部温度を検出するための温度センサ41が設けられている。温度センサ41は、燃料電池40の内部温度を反映する温度を検出可能なセンサである。本実施例では、温度センサ41は、燃料電池40内を通過する冷媒が流れる既述した冷媒流路において、燃料電池40から冷媒が排出される出口部近傍の冷媒温度を検出するセンサとして設けている。あるいは、温度センサ41を、例えば熱電対によって構成し、燃料電池40の内部温度を直接検出することとしても良い。
また、燃料電池40では、スタック構造の両端に配置された集電板に設けられた両極端子に対して配線43が接続されており、配線43を介して、燃料電池40から負荷42(本実施例では、インバータを介して接続されるモータ)に対して電力が供給される。また、燃料電池40の両極端子には、負荷42に並列に交流インピーダンス測定部50が接続されている。
交流インピーダンス測定部50は、周波数掃引部52およびインピーダンス導出部54を備えている。交流インピーダンス測定部50では、制御部60の指示に従って、周波数掃引部52が燃料電池40の両極端子に周波数を掃引しつつ交流成分を重畳すると共に、インピーダンス導出部54が、燃料電池40におけるインピーダンスを算出する。ここで、燃料電池40では、個々の単セル70のセパレータ76,77が、配線44を介して交流インピーダンス測定部50に接続されており、各単セル70の電圧及び電流が入力される。図1では、一つの単セルと交流インピーダンス測定部50とが、配線44を介して接続される様子のみを表わしているが、実際には、すべての単セルが個別に交流インピーダンス測定部50と接続されて、個々の単セルの電圧及び電流が測定可能となっている。交流インピーダンス測定部50では、インピーダンス導出部54が、各単セル70における電圧および電流から交流成分のみの応答を求めて、各単セル70における交流インピーダンスを算出する。なお、交流インピーダンス測定部50に入力された各単セル70の電流および電圧は、インピーダンス導出部54で交流成分が分離されて用いられる他、交流成分が分離されることなく制御部60へも伝えられる。
制御部60は、マイクロコンピュータを中心とした論理回路として構成され、CPU、ROM、RAM、および、各種の信号を入出力する入出力ポート等を備える。この制御部60は、既述した湿度センサ25,35や温度センサ41の検出信号を取得すると共に、交流インピーダンス測定部50との間で情報をやり取りし、また、燃料ガス供給部20、酸化ガス供給部30,加湿器24,34、流量調整弁23、あるいは負荷42等の各部に対して駆動信号を出力する。なお、制御部60は、後述するように、燃料電池40における過熱状態の検出に係る動作を制御する複数の機能ブロックとして働く。具体的には、燃料電池40を構成する単セル70において発電集中が起こっているときに、電解質膜71全体に対する発電集中領域の割合である面内利用率を求める利用率導出部として機能する。また、発電集中を起こしている部分の温度を求める発電集中部温度導出部として機能する。また、発電集中を起こした単セルが過熱状態であるか否かを判定する過熱判定部として機能する。
B.発電集中について:
燃料電池の発電時には、低温運転時におけるガス流路内での水の凍結などに起因して部分的にガス供給が不足することにより、あるいは、燃料電池が高温となったときに電解質膜が部分的に乾燥することにより、MEA内の局所的な領域にプロトン移動に係る反応が集中する、いわゆる発電集中が起こる場合がある。本実施例の燃料電池システム10は、このような発電集中を検出する動作に特徴があるため、以下に、発電集中についてさらに説明を行なう。
上記のように部分的なガス不足や部分的な膜乾燥が生じる際には、電極面内において、ガスが不足したり膜乾燥が進行した領域に対応する部分では、プロトン移動に係る反応が進行しない状態となる。このとき、燃料電池40内の発電集中が起こっていない他の単セル70では、通常の電気化学反応が進行している。このような状態となったときに、部分的なガス不足や部分的な膜乾燥が生じた単セルのMEA78では、ガスが供給されている領域や膜の湿潤状態が保たれている領域において、通常の発電時と同じ方向にプロトンが移動する反応が進行する。具体的には、アノードに供給される水素が電解質膜を介してカソード側へと移動して、単セルが水素ポンプとして機能する状態になる。すなわち、アノードに供給された水素から、アノードにおいてプロトンと電子とを生じ、プロトンは電解質膜中をカソード側へと移動すると共に電子は外部の配線を流れ、カソードにおいてプロトンと電子から再び水素を生じる反応が進行する。このような単セルのMEAでは、他の単セルではMEA全体で発電に伴って移動しているプロトンと同量のプロトンが、水素ポンプとして機能している限られた一部の領域のみで集中して移動することになる。そのため、水素ポンプとして機能している一部の領域でジュール熱等による発熱が集中して起こることにより、単セル内で上記領域の温度が上昇する。なお、このような発電集中時の発熱には、濃度過電圧の上昇に起因する発熱も含まれている。
上記のような発電集中の発生は、単セルの電圧や抵抗を測定することにより知ることができる。図3は、単セルを氷点下で起動したときに、起動後に発電に伴って生じた生成水が凍結することによって発電集中が起こる際の電圧及び抵抗を測定した一例を示す説明図である。ここでは、単セルを−30℃の温度条件で、0.1A/cm2の条件で発電させたときの電圧および抵抗を測定した。図3に示すように、出力電流を一定にして発電を開始すると、しばらくの間、単セルの電圧および抵抗は、ほぼ一定の値を示す。その後、発電に伴って生じた生成水がガス流路内で凍結することによって、MEAにおいてガス供給が不足する領域が生じ、発電集中の状態となる。発電集中の状態になると、単セルの出力電圧が0V未満に低下すると共に、単セルの抵抗が上昇する。このように低温起動時に生成水の凍結によって発電集中が起きたときに、この状態を放置すると、生成水を生じる電気化学反応に代えて生成水を生じない水素ポンプとしての反応が進行することにより、電解質膜の含水量が次第に低下する。電解質膜の含水量が低下すると、MEAにおいてプロトン移動に寄与しない領域が拡大すると共に電解質膜の抵抗が上昇することにより、発電集中がさらに進行する。
図3では、低温起動時に発電集中が起こる様子を示したが、燃料電池が高温となったときや、燃料電池に供給するガス中の湿度が低下したときに、電解質膜が部分的に乾燥することにより発電集中が起こる場合も同様である。この場合にも、発電集中に伴って、単セルの出力電圧が0V未満低下すると共に、単セルの抵抗が上昇する。このように膜乾燥が原因で発電集中が起こったときにこの状態を放置して発電を継続すると、生成水を生じる電気化学反応に代えて生成水を生じない水素ポンプとしての反応が進行することにより、電解質膜の含水量がさらに低下する。これにより、MEAにおいてプロトン移動に寄与しない領域がさらに拡大すると共に電解質膜の抵抗が上昇して、発電集中がさらに進行する。
C.低温起動時の過熱判定の動作:
図4は、燃料電池システム10の低温起動時に制御部60において実行される低温起動時過熱判定処理ルーチンを表わすフローチャートである。燃料電池システム10の制御部60は、起動時に燃料電池40における発電を開始する際には、温度条件が氷点下であるか否かを判断している。本ルーチンは、発電を開始したときの温度条件が氷点下であると制御部60が判断したときに起動され、温度条件が0℃を超えたと判断されるまで、あるいは、燃料電池40が発電を停止するまで、繰り返し実行される。起動時の温度条件が氷点下であるか否かの判断は、本実施例では、温度センサ41の検出信号に基づいて行なっている。
本ルーチンが起動されると、制御部60は、まず、燃料電池40を構成する各単セル70の出力電圧と出力電流と抵抗、および電池温度を取得する(ステップS100)。ここで、出力電圧としては、既述した交流インピーダンス測定部50を介して個々の単セル70の出力電圧を取得する。また、出力電流としては、既述した交流インピーダンス測定部50を介して個々の単セル70の出力電流を取得する。ただし、出力電流としては、個々の単セル70について検出した出力電流に代えて、配線43に電流計を設けて、設けた電流計が検出した燃料電池40全体の出力電流を用いても良い。また、抵抗としては、既述した交流インピーダンス測定部50のインピーダンス導出部54が求めた交流インピーダンスを取得する。ここで、各単セル70の抵抗は、後述するように抵抗が増加傾向にあるか否かを判断するためにも用いることから、ステップS100では、燃料電池40の出力電流値が一定であるときの所定の時間間隔をおいた2点の抵抗値を取得している。本実施例では、燃料電池40の起動時には、燃料電池40の温度が充分に昇温して定常状態に達するまでは、燃料電池40における発電量を徐々に増加させている。このように発電量を徐々に増加させる際には、燃料電池40の出力電流を段階的に増加させており、ステップS100では、出力電流を段階的に増加させる過程において出力電流が一定であるときに、所定の時間間隔をおいて得た2つの抵抗値を取得している。2つの抵抗値を得るための所定の時間間隔は、例えば、10msec〜1secの間隔とすることができる。なお、ステップS100で取得する電池温度は、温度センサ41が検出した冷媒温度を取得している。
ステップS100で各単セル70の出力電圧および抵抗を取得すると、次に制御部60は、取得した出力電圧および抵抗に基づいて、電圧が負の値であるか否か、および、抵抗が増加傾向にあるか否か、すなわち、単位時間当たりの抵抗の変化量(以後、抵抗の傾きと呼ぶ)が正の値であるか否かを、すべての単セル70について判断する(ステップS110)。この工程は、図3に基づいて説明したように、いずれかの単セル70において発電集中が起きていないかを判断する工程である。電圧が負の値であり、抵抗の傾きが正の値である条件を満たす単セルが存在する場合には、その単セルにおいて発電集中が起こっていると判断される。具体的には、単セル70内で生成水が凍結することによって、MEA78においてガス供給が不十分となる領域が生じ、限られた領域のみが水素ポンプとして機能する発電集中が起こっていると判断される。ここで、単セル70が発電集中を起こしているか否かの判断は、理論的には、電圧が負の値であるか否かだけによって判断することも可能である。しかしながら、電圧の検出値は、発電集中の傾向がない単セルであっても、検出値が変動することによりたまたま負の値が検出されてしまう場合もあり得るため、抵抗の傾きと組み合わせることによって、発電集中している単セルを特定する動作の精度を確保している。なお、ステップS110において、電圧が負の値であると共に抵抗の傾きが正の値である条件を満たす単セルが存在しない場合には、制御部60はステップS100に戻り、すべての単セルについて出力電圧および抵抗を取得して、発電集中を生じた単セルの有無の判断を繰り返す。
ステップS110において発電集中を生じた単セル70が存在すると判断されると、制御部60は、発電集中を生じた単セル70について、面内利用率を求める(ステップS120)。ここで、面内利用率とは、MEA78面全体の面積に対する、電解質膜71でプロトンが移動する反応が起こっている領域(発電集中部)の面積の割合のことである。本実施例では、面内利用率は、発電集中を生じた単セル70についてのステップS100で取得した抵抗(検出した2つの抵抗のうち、電圧および電流の検出時に近いタイミングで検出した抵抗)と、ステップS100で取得した電池温度と、さらに単セル内湿度とに基づいて求めている。以下に、単セルの抵抗と電池温度と単セル内の湿度とに基づいて面内利用率を求める動作について説明する。
図5は、燃料電池40を構成する単セル70と同様の単セルについて、単セル内湿度(電解質膜の環境湿度であり、具体的には、単セル内に形成されたガス流路における湿度)が100%である時の、セル抵抗と面内利用率との関係を、電池温度毎に調べた結果を表わす説明図である。また、図6は、燃料電池40を構成する単セル70と同様の単セルについて、電池温度が一定(80℃)であるときの、セル抵抗と面内利用率との関係を、単セル内湿度毎に調べた結果を表わす説明図である。ここで、電池温度は、測定対象とした単セルに設けた冷媒流路内を流れる冷媒温度によって調節した。図5および図6に示すように、単セルにおいては、セル抵抗が大きくなるほど、面内利用率が小さくなる。このようなセル抵抗と面内利用率との関係は、電池温度に応じて、また、単セル内湿度に応じて、単セルにおいてほぼ一定している。本実施例の燃料電池システム10では、図5および図6に示すように、燃料電池40を構成する単セル70におけるセル抵抗と面内利用率との関係を、電池温度および単セル内湿度に応じて予め調べてマップとして制御部60に記憶している。マップを作成するために単セルにおけるセル抵抗と面内利用率との関係を調べるには、単セルの面内にわたって多数のセンサを設け、単セルに供給するガスの湿度や冷媒温度などの条件を変更しつつ、上記センサによって例えば電圧や抵抗を測定することにより、プロトンが移動する反応が起こっている領域の面積の割合を求めれば良い。ステップS120では、発電集中が起きている単セル70についてステップS100で取得した抵抗と、ステップS100で取得した電池温度とに基づいて、上記マップを参照して面内利用率を求めている。すなわち、発電集中を起こした単セル70の温度は、燃料電池40全体の温度を反映する冷媒の温度に基づいて求めている。なお、低温起動時には、飽和蒸気圧が低いために通常は単セル内湿度が100%となるため、図4においては単セル内湿度の検出については記載しておらず、ステップS120においては湿度が100%のときのマップを参照している。
ステップS120で面内利用率を求めると、次に制御部60は、発電集中部の温度Tmeaを求める(ステップS130)。発電集中部の温度Tmeaとは、発電集中が生じた単セルのMEA78における、電解質膜内でプロトンが移動して発熱する反応が進行する領域の温度である。このような発熱集中部の温度Tmea(単位は、℃)は、以下の(1)式に基づいて求めることができる。
Figure 2010205483
(1)式において、qは、発電集中部における発熱量(単位は、J)、具体的には、単位面積当たりの発熱量を表わす。発電集中部における発熱量qの求め方については、後述する。δGDL、δsepaはそれぞれ、ガス拡散層74あるいは75の厚さと、セパレータ76あるいは77の厚さ(単位は、μm)を表わす。なお、セパレータの厚さは、図2に示すような溝付きセパレータを用いる場合には、ガス流路を形成する流路部の厚みと、ガス拡散層に接するリブ部の厚みと、流路部及びリブ部の割合と、に基づいて求める。また、λGDL、λsepaは、それぞれ、ガス拡散層74,75の熱伝導率と、セパレータ76,77の熱伝導率(単位は、w/(m・K))を表わす。これらの厚みδGDL、δsepaと、熱伝導率λGDL、λsepaの値は、予め制御部60内のメモリに記憶されている。また、hfluidは、冷媒流路−セパレータ間の熱伝達率(単位は、w/(m2・K))を表わす。熱伝達率hfluidの求め方については、後述する。また、Tfluidは、冷媒の温度(単位は、℃)を表わす。この冷媒の温度Tfluidとしては、本実施例では、ステップS100で温度センサ41から取得した冷媒温度を用いている。
上記した(1)式において、発電集中部における発熱量qは、以下の(2)式に基づいて求めることができる。
Figure 2010205483
(2)式において、Iは、出力電流を表わす。この出力電流Iとしては、本実施例では、ステップS100で取得した、発電集中を生じた単セル70における出力電流を用いている。また、Rは、発電集中を生じた単セル70における抵抗を表わし、本実施例では、ステップS120と同様に、ステップS100で交流インピーダンス測定部50から取得した値を用いている。また、Aeffectは、実際に発電している面積を表わす。この、実際に発電している面積Aeffectは、MEA78における電極面積と、ステップS120で求めた面内利用率とを乗算することにより得られる。
また、上記した(1)式において、冷媒流路−セパレータ間の熱伝達率hfluidは、以下の(3)式に基づいて求めることができる。
Figure 2010205483
(3)式において、λfluidは、冷媒における熱伝導率(単位は、 )を表わす。また、DHは、冷媒流路の水力直径を表わす。冷媒流路の水力直径とは、冷媒流路の断面と等価な円管の直径をいう。これらの熱伝達率λfluidと、水力直径DHは、予め制御部60内のメモリに記憶されている。また、Nuは、ヌセルト数を表わす。ヌセルト数とは、対流による熱伝達と流体の熱伝導の比率を表わす無次元数である。ヌセルト数Nuは、以下の(4)式に基づいて求めることができる。
Figure 2010205483
(4)式において、xは、管内助走距離を表わし、(4)式は、管内助走距離が値xとなるときのヌセルト数Nuを表わす式である。管内助走距離xは、冷媒流路の大きさによって定まる値であり、後述する(5)式に基づいて求めることができる。また、(4)式において、Reはレイノルズ数を表わし、Prはプラントル数を表わす。本実施例では、氷点下における起動時にも、冷媒流路内で一定の流速で冷媒を流しており、用いる冷媒および冷媒の流速に応じたレイノルズ数が、予め制御部60内のメモリに記憶されている。また、プラントル数は、動粘度と温度拡散率の比で表わされる無次元数であり、本実施例では、用いる冷媒に応じたプラントル数が、予め制御部60内のメモリ内に記憶されている。
Figure 2010205483
ステップS130では、既述した(1)ないし(5)式に基づいて、発電集中部の温度Tmeaを求める。次に、制御部60は、求めた発電集中部の温度Tmeaと、基準温度Tmとを比較する(ステップS140)。ここで、基準温度Tmとは、電極および電極周辺に配置された各部材の耐熱温度のうちの、最も低い温度として設定されている。本実施例の燃料電池40のように、電解質膜71をフッ素系樹脂によって構成する場合には、上記各部材の耐熱温度のうちの最も低い温度である基準温度Tmは、電解質膜71を構成するフッ素系樹脂の耐熱温度となる。電解質膜71を構成するフッ素系樹脂の耐熱温度は、例えば、このフッ素系樹脂のガラス転移温度Tgとすることができる。あるいは、ガラス転移温度Tgよりも低い温度を、基準温度Tmとして設定して、電解質膜71の損傷を抑制する動作の信頼性を高めても良い。なお、電解質膜をハイドロカーボン系樹脂により構成する場合のように、電解質膜の耐熱温度がより高い場合には、電解質膜のガラス転移温度Tgよりも、電極やガス拡散層が備えるカーボンの燃焼開始温度の方が低温となる場合がある。このような場合には、基準温度Tmは、カーボンの燃焼開始温度に基づいて設定すればよい。
ステップS140において、発電集中部の温度Tmeaが基準温度Tmよりも高いと判断されたときには、制御部60は、燃料電池40の出力電流を小さくする制御を行なう(ステップS150)。燃料電池40の出力電流を小さくする制御は、具体的には、負荷42を構成するモータに接続されるインバータに対する指令値を調節することによって、負荷における消費電力を減少させると共に、燃料電池40の出力電圧を上昇させることにより行なうことができる。燃料電池40の出力電圧の上昇は、例えば、配線43において燃料電池40と並列にDC/DCコンバータを介して2次電池を接続して、DC/DCコンバータにおける電圧指令値を上昇させることによって行なうことができる。このように、燃料電池40における発電量を抑えることにより、発電に要するガス量が少なくなってMEA78のより広い範囲でガス不足が解消し、これにより、単セルの抵抗が小さくなって出力電圧が上昇し、発電集中が緩和される。
また、燃料電池40の出力電流を小さくする他の制御として、燃料電池40の出力電圧は一定に維持したままで、酸化ガス供給部30の駆動量を調整して、燃料電池40におけるエアストイキを下げる、すなわち、燃料電池40における発電量のために要する理論的な酸化ガス量に対する実際に供給する酸化ガス量の割合を下げる制御をしても良い。このような制御をすれば、発電集中を起こすことなく発電している他の単セルにおける出力電力を抑制することができるため、発電集中している単セルにおいては既述したように広い範囲でガス不足が解消して発電集中が緩和される。また、出力電圧を上げずに発電量を減少させることは、発電効率を低下させることであり、このような制御を行なうことで、発電に伴う発熱量を増大させ、凍結に起因する発電集中を緩和可能となる。
ステップS150において、燃料電池40の出力電流を小さくする制御を行なうと、制御部60は、発電集中を生じていた単セル70について、交流インピーダンス測定部50を介して、ステップS100と同様に所定の時間間隔で2つの抵抗値を取得する(ステップS160)。そして、制御部60は、ステップS160で取得した抵抗に基づいて、抵抗が増加傾向にあるか否か(抵抗の傾きが0以上であるか否か)を判断する(ステップS170)。抵抗の傾きが0以上のときには、MEA78において凍結によりガス不足となり利用されなくなった面積が大きすぎて、出力電流を小さくしてもガス不足が解消せず、発電集中の状態から脱することができなかったと判断される。したがって、この場合には、制御部60は、電解質膜71の過熱による損傷を抑制するために燃料電池40の発電を停止して(ステップS180)、本ルーチンを終了する。また、ステップS170において抵抗の傾きが0未満のときには、出力電流を小さくすることによってガス不足が解消し、発電集中の状態から通常の発電状態へと回復しつつあると判断される。したがって、この場合には、制御部60は、そのまま発電を継続して(ステップS190)、本ルーチンを終了する。
なお、本実施例では、ステップS170において、ステップS160で取得した抵抗から求められる抵抗の傾きに基づいて発電集中からの回復を判断しているが、異なる構成としても良い。例えば、ステップS160では、発電集中が生じている単セルの抵抗の取得に代えて、出力電流が一定の条件下で所定の時間間隔で2つの電圧値を取得し、ステップS170では、取得した電圧に基づいて電圧が増加傾向にあるか否か(電圧の傾きが0以上であるか否か)を判断しても良い。電圧の傾きが0未満の場合には、発電集中の状態から脱していないと判断することができる。あるいは、ステップS160では、発電集中が生じている単セルの抵抗に代えて電圧を取得し、ステップS170では、取得した電圧の正負を判断しても良い。電圧が正となっている場合には、発電集中を生じていた単セルが水素ポンプの状態を脱して、通常の電池の状態となったと判断することができる。
また、図4に示した工程では、発電集中が検出されて出力電流を小さくする制御を行なった後で、ステップS170において抵抗の傾きが0以上のときには直ちに発電停止しているが、異なる構成としても良い。例えば、この後にさらに1回以上、発電電流をさらに小さくした上で抵抗の傾きが0未満となったかどうかを判断する動作を繰り返すこととしても良い。
図4のステップS140において、発電集中部の温度Tmeaが基準温度Tm以下であると判断されたときには、発電集中は起こっているものの、発電集中部の温度上昇の程度は小さいと判断され、制御部60はステップS100に戻り、ステップS100からステップS140の動作を繰り返す。なお、この場合には、発電集中を起こしている単セル70が既に特定されているため、以後の動作では、ステップS110における発電集中の有無の判断および発電集中を起こしている単セルの特定に係る動作は省略しても良い。
以上のように構成された本実施例の燃料電池システム10における低温起動時の制御方法によれば、低温起動時には発電集中の検知を行ない、発電集中を検知したときには出力電流を小さくし、それでも発電集中から回復しないときには発電停止している。そのため、低温起動時の凍結に起因する発電集中によって引き起こされる燃料電池内部の過熱を抑え、発電集中を起こした単セルを構成する部材の熱による損傷を抑制することができる。このとき、発電集中が起きている単セルを、電圧と抵抗の傾きによって特定しているため、単セル内のいずれの箇所において発電集中が生じていても、発電集中が起こっていると判断することができ、発電集中が起こっている単セルを精度良く特定することができる。また、発電集中を生じていることにより発電停止の必要があるか否かの判断を、電圧と抵抗と電流とに基づいて求めた単セル毎の発熱量に基づいて行なっているため、過熱に到る発電集中を検出する精度を向上させることができる。
例えば、発電集中時には抵抗が上昇すると共に電圧が低下するため、セル毎の電圧や抵抗を測定し、測定した電圧値や抵抗値を基準値と比較することによって、発電集中による過熱が生じていると判断して発電を停止する制御を行なうことも可能である。しかしながら、電圧や抵抗に閾値を設けるだけでは、発電集中した単セルの構成部材が熱により損傷する可能性が低い場合であっても、発電集中を示す電圧値や抵抗値が検出されたときには、直ちに発電が停止されてしまうことになる。図4に示したような燃料電池の起動時には、燃料電池の温度が充分に昇温していないために、一般に出力電流値が低く抑えられている。そのため、発電開始後に生じた生成水が凍結して発電集中が起こった場合であっても、発電集中部における発熱量が小さいために、発電停止をすべき過熱状態とはならない場合も多い。本実施例のように、電圧と抵抗と電流とに基づいて発電集中部の温度を求めて発電停止の要否を判断することにより、発電集中は起こっているものの過熱状態には到っていない場合における発電停止を抑制することができる。低温起動時において、発電集中は生じているものの発電集中部の温度上昇が許容できる範囲であるとして発電を継続する場合には、発電に伴って燃料電池温度が次第に上昇するため、やがて凍結が解消されて、凍結に起因する発電集中も解消することができる。電圧や抵抗に基づいて発電集中時に直ちに発電を停止してしまう場合には、停止した燃料電池内で生成水等の液水が凍結してしまうことにより、次回の起動がさらに困難になるという問題を生じるが、本実施例によれば、過熱の程度が低いときには発電を続行するため、このような問題を生じることがない。
また、本実施例の燃料電池システム10によれば、発電集中を生じたセルを特定するために、単セルの電圧および抵抗の傾きを用いると共に、発電集中部の温度を求めるために、発電集中セルの抵抗や電流、あるいは、燃料電池全体の温度やガス湿度を用いている。したがって、発電集中を生じたセルの特定や、発電集中部の温度を求めるために、面内の状態を検出するための複雑な装置を設ける必要がない。電流センサや電圧センサや電圧センサ、あるいは温度センサや湿度センサなど、通常の発電制御のために用いるセンサを利用することができ、燃料電池の構成の複雑化を抑制することができる。
D.通常発電時の過熱判定の動作:
燃料電池システム10では、低温起動時には図4に示した低温起動時過熱判定処理ルーチンが実行される他、燃料電池40が定常状態となったときにも、発電集中に係る同様の制御を行なうため、以下に説明する。図7は、燃料電池システム10の通常発電時に制御部60において実行される通常発電時過熱判定処理ルーチンを表わすフローチャートである。本ルーチンは、燃料電池システム10の起動後に、燃料電池40の温度が定常状態の温度として予め設定した温度に達したときに起動され、燃料電池40が発電を停止するまで、繰り返し実行される。本ルーチンでは、図4に示した低温起動時過熱判定処理ルーチンと類似する処理を行なうため、以下では、図4とは異なる部分を中心に説明を行なう。すなわち、図4と共通する工程は、工程番号を100番台から200番台へと変更すると共に、詳しい説明を省略する。
本ルーチンが起動されると、制御部60は、まず、燃料電池40を構成する各単セル70の出力電圧と出力電流と抵抗、および電池温度と単セル内湿度を取得する(ステップS200)。出力電圧、出力電流、抵抗、および燃料電池温度は、ステップS100と同様に取得する。単セル内湿度は、燃料電池システム10に設けた既述した湿度センサ25,35の検出信号に基づいて求める。ここで、湿度センサ25の検出値は、各単セル70に供給される燃料ガスの湿度を表わす。また、湿度センサ35の検出値は、各単セル70に供給される酸化ガスの湿度を表わす。ステップS200で取得する単セル内湿度は、単セルが備える電解質膜71の環境湿度であり、具体的には、湿度センサ25が検出した燃料ガスの湿度と、湿度センサ35が検出した酸化ガスの湿度の平均値を算出する。
その後、制御部60は、ステップS110と同様にして、取得した出力電圧および抵抗に基づいて、電圧が負の値であるか否か、および、抵抗が増加傾向にあるか否か(抵抗の傾きが正の値であるか否か)を、すべての単セル70について判断する(ステップS210)。燃料電池40が起動後に次第に昇温して定常運転を行なうようになった後には、例えば燃料電池40からの出力電力の変動に伴って、燃料電池40が一時的に高温となったときや燃料電池40に供給するガス中の湿度が低下したときに、電解質膜71が部分的に乾燥することによって発電集中が起こり得る。低温起動時には、発電により生じた生成水が凍結してガス流れを阻害することにより発電集中が起こるが、通常発電時には、電解質膜71の部分的な乾燥に起因して発電集中が起こり得る。出力電圧及び抵抗の傾きにより、凍結に起因する発電集中だけでなく、膜乾燥に起因する発電集中も同様に検出することができる。
ステップS210において発電集中を生じた単セル70が存在すると判断されると、制御部60は、発電集中を生じた単セル70について面内利用率を求める(ステップS220)。制御部60は、既述したように、燃料電池40を構成する単セル70におけるセル抵抗と面内利用率との関係を、電池温度および単セル内湿度に応じて予め調べてマップとして記憶している。ステップS220では、発電集中を生じた単セル70についてステップS200で取得した抵抗と、電池温度と、単セル内湿度と、に基づいて、上記マップを参照して面内利用率を求めている。
ステップS220で面内利用率を求めると、制御部60は、ステップS130と同様にして発電集中部の温度Tmeaを求め(ステップS230)、ステップS140と同様に、求めた発電集中部の温度Tmeaを基準温度Tmと比較する(ステップS240)。そして、通常発電時に実行される本ルーチンでは、発電集中部の温度Tmeaが基準温度Tmよりも高いと判断されると、ステップS250と同様に出力電流を小さくする制御を行なうと共に、燃料電池40に供給するガスの加湿量を増加させる制御を行なう(ステップS250)。既述したように、燃料電池40の出力電流を小さくする制御を行なうことにより、発電に要するガス量が少なくなってMEA78のより広い範囲でガス不足が解消し、これにより、単セル70の抵抗が小さくなって出力電圧が上昇して、発電集中を緩和することができる。このような効果に加えて、ステップS250でガスの加湿量を増加させることにより、電解質膜71において充分な湿潤状態となっている領域を拡大することができ、発電集中を緩和する効果をさらに高めることができる。ガスの加湿量を増加させる制御は、具体的には、例えば、燃料電池40の内部温度を低下させて、燃料電池40内のガス流路における飽和蒸気圧を低下させることによって、ガスの湿度を上昇させることにより行なうことができる。燃料電池40の内部温度を低下させるには、例えば、燃料電池40内を流れる既述した冷媒の流量を増加させればよい。あるいは、加湿器24,34をバブラによって構成する場合には、バブラの設定温度を上げることにより、加湿器による加湿量を増加させることができる。このような制御を行なう場合には、加湿量の増加は、燃料ガスと酸化ガスの一方のガスに対して行なっても良いし、両方のガスに対して行なっても良い。
ステップS250において、出力電流の低下および加湿量の増大に係る制御を行なうと、制御部60は、ステップS160と同様に、発電集中を生じていた単セル70について抵抗値を取得する(ステップS260)。そして、取得した抵抗に基づいて、抵抗が増加傾向にあるか否か(抵抗の傾きが0以上であるか否か)を判断する(ステップS270)。このとき制御部60は、抵抗の傾きが0以上のときには、電解質膜71の過熱による損傷を抑制するために燃料電池40の発電を停止して(ステップS280)本ルーチンを終了し、抵抗の傾きが0未満のときには、発電を継続して(ステップS290)本ルーチンを終了する。
以上のように構成された本実施例の燃料電池システム10における通常発電時の制御方法によれば、低温起動時と同様に、発電集中によって引き起こされる燃料電池内部の過熱を抑え、発電集中を起こした単セルを構成する部材の熱による損傷を抑制することができる。また、発電集中により発電停止の必要があるか否かの判断を、電圧と抵抗と電流とに基づいて求めた単セルの発熱量に基づいて行なっているため、発電集中検出の精度を向上させると共に、燃料電池の構成の複雑化を抑制することができる。さらに、通常発電時には、発電集中に起因する許容範囲を超えた温度上昇が検出されたときには、出力電流を小さくする制御と共に加湿量を増やす(ガスの湿度を上昇させる)制御を行なうため、膜乾燥に起因する発電集中からの回復を、効果的に促すことができる。
E.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
E1.変形例1:
実施例では、ステップS100あるいはステップS200において、燃料電池40を構成する単セル70毎に抵抗を検出しているが、異なる構成としても良い。例えば、単セル70が積層された燃料電池40全体の抵抗を検出することとしても良い。燃料電池40全体の抵抗を検出する場合には、検出される抵抗は、すべての単セル70の抵抗の合計となる。そのため、出力電流一定の条件下で測定した燃料電池40の抵抗が増加した場合には、抵抗の増加分は、発電集中が生じた単セル、具体的には、ステップS100あるいはステップS200において検出された電圧が負の値であった単セルにおける抵抗の増加分を表わすと考えることができる。そのため、発電集中を生じた単セルにおける発電集中後の抵抗は、発電集中前の単セルの抵抗(発電集中前の燃料電池40における抵抗を単セル数で割った値)に、発電集中後の燃料電池40における抵抗の増加分を加えた値とすることができる。このようにして求めた抵抗値を、発電集中を生じた単セルにおける抵抗として、ステップS110以降、あるいはステップS210以降の処理を行なえばよい。
なお、発電集中を生じた単セル(ステップS100あるいはステップS200において検出された電圧が負の値を示すセル)が複数ある場合には、燃料電池40全体の抵抗増加量を、発電集中を生じた単セルの数で割ることにより、発電集中を生じた各単セルにおける抵抗の増加分を求めればよい。例えば、発電集中を生じた単セルが2つあり、燃料電池40全体の抵抗増加量が1000mohmであるならば、発電集中を生じた各々の単セルでは、500mohmずつ抵抗が上昇したものとすればよい。
また、燃料電池40全体の抵抗増加量を、発電集中を生じた単セルで均等に分割するのではなく、異なる構成としても良い。セル電圧の値は、増加した抵抗に反比例するので、電圧が負の値を示す単セルの電圧値を基にして、発電集中を生じた各々の単セルにおける抵抗上昇分を求めても良い。具体的には、電圧が負の値を示す単セルが2つあり、一方の単セルの電圧が−1V、他方の単セルの電圧が−2Vであって、燃料電池40全体の抵抗上昇が1000mohmであった場合には、上記一方の単セルの抵抗上昇は333mohm、他方の単セルの抵抗上昇は666mohmとすることができる。
あるいは、各単セルの抵抗を求める際には、燃料電池40全体の抵抗を検出する他、燃料電池40を、複数の単セルから成る複数のブロックに分割し、このブロックごとに抵抗を測定しても良い。このような場合にも、電圧が負の値を示す単セルを含むブロックにおける抵抗増加量を、電圧が負の値を示す単セルにおける抵抗上昇量であるとすることで、発電集中を生じた個々の単セルの抵抗上昇量を求めることができる。
E2.変形例2:
実施例において、図4では、低温起動時における液水の凍結に起因する発電集中に対応する動作を示しており、図7では、通常発電時における電解質膜の含水量低下に起因する発電集中に対応する動作を示している。ここで、発電集中が起こる他の場合としては、既述したように、通常発電時にガス流路内で液水が滞留してMEAにおいて部分的にガス不足となる場合が考えられる。このような液水の滞留に起因して発電集中が起こる場合にも、実施例と同様の処理を行なうこととしても良い。
液水の滞留に起因する発電集中を起こした単セルの検出は、図7のステップS210において、電圧が負の値であり抵抗の傾きが正の値である単セル70を検出するのに代えて、電圧が負の値であり抵抗の傾きが0以下である単セル70を検出すればよい。液水の滞留により発電集中が起こる場合には、通常は、電解質膜71の湿潤状態は充分に保たれているからである。このようにして、凝縮水の滞留に起因して発電集中を生じた単セルが検出されたときには、その単セルについて、ステップS220〜240の処理を行ない、発電集中部の温度Tmeaが基準温度Tmよりも高いか否かを判断する。発電集中部の温度Tmeaが基準温度Tmよりも高い場合には、ステップS250において、加湿量を増やすことなく出力電流を小さくする制御のみを行なえばよい。加湿量を増やすと、凝縮水の滞留の程度がさらに悪化する可能性があるためである。このような構成とすれば、凝縮水の滞留に起因して発電集中が起きた場合にも、部分的な過熱による構成部材の損傷を抑制することができる。
なお、発電集中が起きた単セルでは、生成水を生じる通常の電池反応が進行しなくなることにより、通常は、単セル内の水分量が次第に低下する。そのため、凝縮水の滞留により発電集中が起きたときに発電を継続すると、単セル内の水分量の低下によって凝縮水の滞留が次第に解消され、結果的に発電集中も次第に解消される。そのため、凝縮水の滞留に起因する発電集中時、すなわち、電圧が負の値となる単セルの抵抗の傾きが0以下であるときには、過熱に対する特別な制御は行なわないこととしても良い。
E3.変形例3:
実施例では、単セルの抵抗と温度と電解質膜の環境湿度とに基づいて面内利用率を求め、求めた面内利用率と単セルの電流と抵抗と温度とに基づいて発電集中部の温度Tmeaを求めたが、異なる構成としても良い。例えば、単セルの電流と抵抗と温度と電解質膜の環境温度とに基づいて、面内利用率を求める工程を経ることなく発電集中部の温度を求めることとしても良い。この場合には、単セルの電流と抵抗と温度と電解質膜の環境温度と、発電集中部の温度Tmeaとの関係を予め調べてマップとして制御部60に記憶したり、単セルの電流と抵抗と温度と電解質膜の環境温度に基づいて発電集中部の温度Tmeaを求めるための近似式を予め制御部60に記憶しておけばよい。
10…燃料電池システム
20…燃料ガス供給部
22…燃料ガス供給路
23…流量調整弁
24,34…加湿器
25,35…湿度センサ
26…セル内燃料ガス流路
30…酸化ガス供給部
32…酸化ガス供給路
36…セル内酸化ガス流路
40…燃料電池
41…温度センサ
42…負荷
43,44…配線
50…交流インピーダンス測定部
52…周波数掃引部
54…インピーダンス導出部
60…制御部
70…単セル
71…電解質膜
72…アノード
73…カソード
74,75…ガス拡散層
76,77…セパレータ
78…MEA

Claims (7)

  1. 固体高分子型燃料電池を備える燃料電池システムであって、
    前記燃料電池を構成する単セルの出力電流を検出する電流検出部と、
    前記単セルの抵抗を検出する抵抗検出部と、
    前記単セルの温度を検出する温度検出部と、
    前記単セルが備える電解質膜の環境湿度を検出する湿度検出部と、
    前記単セルが、前記電解質膜の一部の領域のみでプロトンが移動する反応が進行する発電集中セルに該当するか否かを判定する発電集中セル判定部と、
    前記発電集中セル判定部が、前記発電集中セルに該当すると判定したときに、前記電流検出部が検出した前記単セルの出力電流と、前記抵抗検出部が検出した前記単セルの抵抗と、前記温度検出部が検出した前記単セルの温度と、前記湿度検出部が検出した前記電解質膜の環境湿度と、に基づいて、前記電解質膜においてプロトンが移動する反応が進行している発電集中領域の温度である発電集中部温度を求める発電集中部温度導出部と、
    前記発電集中部温度と基準温度とを比較して、前記発電集中部温度が前記基準温度を超えるときには、前記単セルが過熱状態であると判定する過熱判定部と
    を備える燃料電池システム。
  2. 請求項1記載の燃料電池システムであって、
    前記発電集中部温度導出部は、
    前記抵抗検出部が検出した前記単セルの抵抗と、前記温度検出部が検出した前記単セルの温度と、前記湿度検出部が検出した前記電解質膜の環境湿度と、に基づいて、前記電解質膜全体に対する前記発電集中領域の割合である面内利用率を求める利用率導出部と、
    前記電流検出部が検出した前記単セルの出力電流と、前記抵抗検出部が検出した前記単セルの抵抗と、前記温度検出部が検出した前記単セルの温度と、前記利用率導出部が求めた前記面内利用率と、に基づいて、前記発電集中部温度を求める温度算出部と、を備える
    燃料電池システム。
  3. 請求項1または2記載の燃料電池システムであって、
    前記燃料電池は、複数の単セルを積層して成り、
    前記発電集中セル判定部は、前記複数の単セルの中で前記発電集中セルを特定し、
    前記発電集中部温度導出部は、前記発電集中セル判定部が特定した前記発電集中セルについて、前記発電集中部温度を求める
    燃料電池システム。
  4. 請求項1ないし3いずれか記載の燃料電池システムであって、さらに、
    前記単セルの出力電圧を検出する電圧検出部を備え、
    前記抵抗検出部は、各々の単セルについて、抵抗と共に、単位時間当たりの抵抗の変化量を検出しており、
    前記発電集中セル判定部は、前記電圧検出部が検出した前記電圧が負の値であり、前記抵抗検出部が検出した前記抵抗の変化量が正の値であるときに、前記単セルが発電集中セルに該当すると判定する
    燃料電池システム。
  5. 請求項1ないし4いずれか記載の燃料電池システムであって、さらに、
    前記過熱判定部が前記単セルが過熱状態であると判定したときに、前記燃料電池の出力電流を減少させる制御を行なう発電制御部を備える
    燃料電池システム。
  6. 請求項5記載の燃料電池システムであって、さらに、
    前記発電制御部が前記燃料電池の出力電流を減少させる制御を行なった後に、前記単セルにおける前記発電集中が解消されているか否かを判定する発電集中解消判定部を備え、
    前記発電制御部は、出力発電集中解消判定部によって前記発電集中が解消されたと判定されたときには前記燃料電池の発電継続を許容し、前記発電集中が解消されていないと判定されたときには前記燃料電池の発電を停止させる
    燃料電池システム。
  7. 固体高分子型燃料電池における過熱状態の検出方法であって、
    前記燃料電池を構成する単セルの出力電流を検出する第1の工程と、
    前記単セルの抵抗を検出する第2の工程と、
    前記単セルの温度を検出する第3の工程と、
    前記単セルが備える電解質膜の環境湿度を検出する第4の工程と、
    前記単セルが、前記電解質膜の一部の領域のみでプロトンが移動する反応が進行する発電集中セルに該当するか否かを判定する第5の工程と、
    前記第5の工程において前記発電集中セルに該当すると判定されたときに、前記第1の工程で検出した前記単セルの出力電流と、前記第2の工程で検出した前記単セルの抵抗と、前記第3の工程で検出した前記単セルの温度と、前記第4の工程で検出した前記電解質膜の環境湿度と、に基づいて、前記電解質膜においてプロトンが移動する反応が進行している発電集中領域の温度である発電集中部温度を求める第6の工程と、
    前記発電集中部温度と基準温度とを比較して、前記発電集中部温度が前記基準温度を超えるときには、前記単セルが過熱状態であると判定する第7の工程と
    を備える過熱状態の検出方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012252986A (ja) * 2011-06-07 2012-12-20 Nippon Soken Inc 燃料電池システム
JP2013235751A (ja) * 2012-05-10 2013-11-21 Toyota Motor Corp 燃料電池システムおよびその制御方法
JP2019036464A (ja) * 2017-08-14 2019-03-07 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システムの制御装置

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