JP2010202971A - レトルト後塗膜密着性に優れたスズめっき鋼板及びその製造方法 - Google Patents

レトルト後塗膜密着性に優れたスズめっき鋼板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】レトルト後および経時後においても塗膜密着性に優れたスズめっき鋼板を提供する。
【解決手段】本発明によれば、少なくとも缶内面となる側のスズ付着量が1.2g/m以上で、リフロー処理後に重クロム酸ナトリム水溶液中で陰極電解して形成される化成処理皮膜をスズめっき表面に有し、前記化成処理皮膜の付着量がクロム換算で3mg/m以上8mg/m以下であり、さらにスズめっき表面の全Sn原子に対する2価のSnの比率が35%以上75%未満で、4価のSnの比率が50%未満であり、0価のSnの比率が30%未満である、スズめっき鋼板およびその製造方法が提供される。
【選択図】なし

Description

本発明は、塗装等の樹脂被覆をして食缶に用いられるスズめっき鋼板及びその製造方法に関するものである。
スズめっき鋼板は金属缶用素材として広く使用されている。内容物が果実の場合には、缶内面は無塗装で使用されることがあるが、その他の内容物では、塗装等の樹脂被覆をして使用されることが一般的である。缶の内容物としては様々なものが充填されることになる。炭酸飲料や果汁飲料及び果実などの酸性食品を除くと、ほとんどの内容物が充填後にレトルト殺菌される。そのため、素材のスズめっき鋼板には高温湿潤環境下での塗膜密着性が要求される。特に、内面側に関しては、内容物が多岐にわたり、内容物によって塗膜の密着性を低下させるメカニズムも異なる。内容物毎に、スズめっき鋼板素材を準備するよりも、幅広い内容物に対してレトルト後の塗膜密着性を確保できる素材が望まれる。また、スズめっき鋼板素材は船舶での高温域の輸送あるいは倉庫での長期保管もあり、経時後においてもレトルト後の塗膜密着性を確保できることが要求される。
このような要求に対して、湿潤下での経時塗料密着性に優れたスズめっき鋼板の製造法におけるリフロー工程後のアルカリ性溶液での清浄化処理工程あるいはニッケルイオンを含む強酸での清浄化処理工程の提案(特許文献1を参照)があるが、この方法でも、多岐に渡る内容物に対して、レトルト後の塗膜密着性は必ずしも十分ではなかった。
また、スズめっき鋼板の酸化スズを斜方晶のSnOにする提案(特許文献2を参照)があるが、この方法でも十分なレトルト後の塗膜密着性を確保することはできなかった。
特開平7−11483号公報 特開昭54−142135号公報
本発明は、前述した従来技術の問題点を解決し、レトルト後の塗膜密着性に優れたスズめっき鋼板を提供するものである。
本発明者らは、種々検討を行い、本発明に至ったものである。即ち、本発明は、
(1)少なくとも缶内面となる側のスズ付着量が1.2g/m以上で、リフロー処理後に重クロム酸ナトリム水溶液中で陰極電解して形成される化成処理皮膜をスズめっき表面に有し、前記化成処理皮膜の付着量がクロム換算で3mg/m以上8mg/m以下であり、さらにスズめっき表面の全Sn原子に対する2価のSnの比率が35%以上75%未満で、4価のSnの比率が50%未満であり、0価のSnの比率が30%未満であることを特徴とする、スズめっき鋼板。
(2)前記リフロー処理によって鉄と合金化したスズ量が0.1mg/m以上0.56g/m以下であることを特徴とする、(1)に記載のスズめっき鋼板。
(3)前記化成処理皮膜が、前記スズめっきの表面積全体に対して60%以上80%以下の面積率で被覆されていることを特徴とする、(1)又は(2)に記載のスズめっき鋼板。
(4)冷延鋼板に前処理、スズめっき、リフロー処理、及び化成処理を施す缶用のスズめっき鋼板の製造方法において、前記スズめっき工程を施す際に、前記冷延鋼板の少なくとも缶内面となる側にめっき量が1.2g/m以上となるようにスズめっきを施し、次いで、該スズめっきの溶融時間が0.1秒以上0.7秒以下となるリフロー処理を行い、次いで、重クロム酸ナトリウム水溶液中に0.5〜4.0秒無電解で浸漬した後、前記スズめっき上に重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.8〜6.5C/dmの通電量で陰極電解による化成処理を行うことを特徴とする、スズめっき鋼板の製造方法。
(5)前記リフロー処理を水蒸気濃度が0〜40g/m以下の雰囲気で行うことを特徴とする、(4)に記載のスズめっき鋼板の製造方法。
(6)前記重クロム酸ナトリウム水溶液中での陰極電解による化成処理を、電流密度が0.1〜10.0A/dmの範囲で行うことを特徴とする、(4)又は(5)に記載のスズめっき鋼板の製造方法。
(7)前記重クロム酸ナトリウム水溶液中での陰極電解による化成処理を2.0〜10.0A/dmの電流密度で0.001〜0.2秒電解し、その後、0.1〜5.0A/dmの電流密度で0.01〜2.0秒電解を行うことを特徴とする、(4)〜(6)のいずれかに記載のスズめっき鋼板の製造方法。
スズめっき鋼板の重クロム酸ナトリム水溶液中で陰極電解してなる化成処理皮膜の付着量制御と併せてスズめっき表面のSn原子価の存在比率を制御することによって、従来のスズめっき鋼板では安定して得られなかったレトルト後の塗膜密着性に優れるスズめっき鋼板を提供することが可能になった。
以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明はスズめっき鋼板及びその製造方法に関するものであり、本発明のスズめっき鋼板は、少なくとも缶内面に相当する面には塗装がなされて、缶体として使用されるものである。内容物が充填されてから、レトルト殺菌が施され、このレトルト後の塗膜密着性が重視される。また、充填される内容物は多岐に渡るが、それらの内容物に含まれる代表的な腐食性の物質として酢酸、乳酸、クエン酸、システイン等が挙げられ、これらの腐食性物質の存在下でのレトルト後の塗膜密着性を確保することが重要である。
本発明のスズめっき鋼板は、少なくとも缶内面となる側のスズ付着量が1.2g/mで、リフロー処理後に重クロム酸ナトリム水溶液中で陰極電解してなる化成処理皮膜をスズめっき表面に有するスズめっき鋼板にあって、化成処理皮膜付着量がクロム換算で3〜8mg/mであり、さらに、スズめっき表面の全Sn原子に対する2価のSnの比率が35%以上75%未満で、4価のSnの比率が50%未満であり、0価のSnの比率が30%以下である、レトルト後の塗膜密着性に優れるスズめっき鋼板である。
スズめっきの付着量は、少なくとも缶内面となる側では1.2g/m以上とするが、スズ付着量1.2g/m未満では、鋼板の表面をスズが完全に被覆しておらず、鉄が露出した状態となり、鉄が酢酸に溶解し易いことから、酢酸あるいはクエン酸を含む内容物でのレトルト後の塗膜密着性が不安定になり易くなるためである。好ましくは、スズ付着量1.5g/m以上6.0g/m以下の範囲である。スズ付着量1.5g/m以上でより、塗装後耐食性が安定するためであり、一方、6.0g/m超では耐食性はある程度満足できるようになるが、スズ目付け量の効果がやや飽和し、コスト的にやや不利を招くためである。
化成処理皮膜の付着量をクロム換算で3〜8mg/mとした理由は、化成処理皮膜の付着量がクロム換算で3mg/m未満では、システインを含む内容物でのレトルト後の塗膜密着性が低下するためである。これは、化成処理皮膜で完全に被覆できていない部分でスズとシステインとが反応するためと推定される。また、8mg/m超では、酢酸を含む内容物でのレトルト後の塗膜密着性が低下するためである。この原因の詳細は不明であるが、化成処理皮膜の一部が酢酸に溶解するためではないかと思われる。
また、スズめっき表面の全Sn原子に対する2価のSnの比率が35%以上75%未満で、4価のSnの比率が50%未満であり、0価のSnの比率が30%未満であることが重要である。
スズめっき鋼板は、スズめっき後のリフロー処理でSnが溶融されるが、Snは主にこの溶融処理で酸化される。スズの比較的安定な酸化物はSnOとSnOであり、それぞれがSnの2価、Snの4価に対応する。発明者らは、種々検討を行い、Snの0価、2価及び4価のバランスをとることが重要であることを見出した。
SnOが多い場合には、酢酸を含む内容物でのレトルト後の塗膜密着性が著しく低下することを見出した。この原因はSnOが酢酸に溶解し易いためと考えられる。そのため、2価のSnの比率の上限を75%未満とした。
また、SnOが多い場合には、スマッジの発生が起こり易くなり、塗装、印刷あるいは製缶工程でのロールやジグを汚してしまい問題となる。そのため、4価のSnの比率の上限を50%未満とした。
即ち、SnOが過剰に存在すると密着性が問題となり、SnOが過剰に存在するとスマッジ性が問題となる。
また、0価のSnに関しては、0価のSnそのものが密着性やスマッジ性に悪影響を及ぼすものではないが、酸化された場合を考慮する必要がある。化成処理の効果で全てが酸化される訳ではないが、一部は長期保存や熱処理によって酸化される。即ち、スズめっき鋼板を長期保存した場合に4価のSnに酸化され、4価のSnを増加させる。一方、塗装焼付けでは一般に100℃を超えるため、2価のSnに酸化され、2価のSnを増加させる。
そのため、0価のSnの比率を30%未満とした。
さらに、2価のSnの下限を35%以上とした理由については、SnOが過剰に存在しないようにするためである。
スズめっき表面のSn原子の価数比率を求める方法について説明する。X線光電子分光分析(XPS)にて、Snの3d5/2のスペクトルを測定しピーク分離してその面積より算出する。より詳細には、XPSでのX線源はAlKα(1486.6eV)を用い、出力は15kV、25Wで、測定領域は100μmφ、分析室の真空度を1.5×10−7Pa、電子取出角度を90°として、Snの3d5/2のスペクトルを測定する。
測定されたスペクトルに対して、Sn(0):0価のSnの結合エネルギー値を484.7〜484.8eV、Sn(II):2価のSnの結合エネルギー値とSn(IV):4価のSnの結合エネルギー値の結合エネルギー差を約0.7eVとし、半値幅(FWHM)は標準試料の測定値を使用して3成分で波形分離を行い、求められる各々の面積比より組成比とした。
さらに、リフロー処理によって鉄と合金化したスズ量が0.1〜0.56g/mであることが望ましい。
鉄と合金化したスズ量が0.1g/m未満では、リフロー後の外観が均一とならない場合がある。鉄と合金化したスズ量が0.56g/m超では、メカニズムは不明であるが、酢酸等を含む内容物でのレトルト後の塗膜密着性が若干低下する場合がある。ここで、鉄と合金化したスズ量は、例えば、JIS G3303 2002に記載の電解はく離法にて測定することができる。具体的には、電解液に常温の1規定塩酸を用いて、試験片を陽極(面積2500mm)、炭素棒を陰極として、250mAの一定電流を流して電解を行い、電解開始と同時に試験片の電位を銀製照合電極を基準として連続的に測定する。そして、電位の時間変化のグラフを作成し、グラフの変曲点を基準として合金化していないスズ、合金化したスズのそれぞれに要した電気量を算出して、鉄と合金化したスズ量に換算する。
更に、化成処理皮膜がスズめっき表面を60〜80%の面積率で覆っていることが望ましい。化成処理皮膜がスズめっき表面を覆っている面積率が60%を下回ると、システイン等を含む内容物でのレトルト塗料密着性が大幅に劣化することがあり、化成処理皮膜の面積率は60%以上が望ましい。一方、化成処理皮膜の面積率が80%を超えると、経時前の酢酸等を含む内容物でのレトルト塗料密着性が劣化することあり、化成処理皮膜の面積率は80%以下が望ましい。ここで、「化成処理皮膜の面積率」とは、スズめっきの全体の表面積に対する化成処理皮膜の面積率、すなわち、(化成処理皮膜の面積)/(スズめっきの全体の表面積)×100(%)のことを意味する。また、化成処理皮膜の面積率は、EPMA(エレクトロンマイクロプローブ分析法)で測定する事が出来る。例えば、電子ビーム径を10μmにし、縦100点、横50点のエリアでクロムの強度を面分析することにより、化成処理皮膜の面積率を測定する事が出来る。EPMAの装置としては、市販の分析装置を使用すれば良い。
次に本発明のスズめっき鋼板の製造方法は、冷延鋼板に前処理、スズめっき、リフロー処理、及び化成処理を施す各工程を含む。本発明のスズめっき鋼板の製造方法は、このような缶用スズめっき鋼板の製造方法において、スズめっき工程では、少なくとも缶内面となる側にめっき量が1.2g/m以上となるようにスズめっきを施す。次いで、リフロー工程では、該スズめっきの溶融時間が0.1〜0.7秒であるリフロー処理を行う。次いで、リフロー処理後の鋼板を重クロム酸ナトリウム水溶液中に0.5〜4.0秒無電解で浸漬した後、該スズめっき上に重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.8〜6.5C/dmの通電量で陰極電解による化成処理を行う。これにより、レトルト密着性に優れるスズめっき鋼板を製造方法することができる。以下、本発明のスズめっき鋼板の製造方法における各工程の詳細について説明する。
先ず、スズめっきの前処理として、脱脂および酸洗を行う。脱脂は冷延鋼板表面に残存している圧延油等の油分の除去を、酸洗は冷延鋼板表面の酸化膜を除去するために行う。脱脂あるいは酸洗が、不十分であると、冷延鋼板表面に油分あるいは酸化膜が残存することになる。油分や酸化膜は導電性が低いことから、スズめっきを行った場合に、不めっきとなったり、デンドライトの発生やめっき皮膜の密着不良となったりする。そのため、本発明のスズめっき鋼板においても十分な脱脂、酸洗を行うことが好ましい。
脱脂に関しては一般に行われる苛性ソーダ、珪酸ソーダ、リン酸ソーダなど、また、その混合液中でのアルカリ電解脱脂が好ましい。
酸洗に関しては一般に行われる希硫酸、あるいは希塩酸中での陰極電解処理あるいは浸漬処理が好ましい。
次いで、スズめっきを行う。めっき浴としては公知のスズめっき浴、フェノールスルホン浴、硫酸浴、メタンスルホン酸浴、ハロゲン浴、アルカリ浴等を用いることができる。
めっきはスズイオンを還元電析させるものであるので、この時点では0価のスズが形成される。
スズめっきの付着量は、少なくとも缶内面となる側では1.2g/m以上とするが、スズ付着量1.2g/m未満では、鋼板の表面をスズが完全に被覆しておらず、鉄が露出した状態となり、鉄が酢酸に溶解し易いことから、酢酸系溶液でのレトルト後の塗膜密着性が不安定になり易くなるためである。好ましくは、スズ付着量を1.5g/m以上6.0g/m以下の範囲とする。スズ付着量を1.5g/m以上とすることで、より塗装後耐食性が安定化するためであり、一方、6.0g/m超では耐食性はある程度満足できるようになるが、スズ目付け量の効果がやや飽和し、コスト的にやや不利を招くためである。
次にリフロー処理、陰極電解化成処理を行う。
リフロー処理は、スズめっきを溶融させた後、温水にて急冷する。リフロー前の電気めっきされたスズは顕微鏡的には微粒状、付着力が比較的弱く、無光沢である。リフロー処理によって、電気めっきされたスズは光沢のない外観から光沢外観へと変わる。同時に、スズの一部は地鉄と反応して耐食性に有効なスズ鉄合金層を形成する。ここで、スズめっきの表面では酸化スズが生成される。ここで生成される酸化スズにはSnOとSnOとの2種類がある。スズの酸化に関しては100℃以下ではSnOが主生成物であり、100℃から融点の232℃まではSnOが主生成物であり、さらに融点超ではSnOが主生成物であることが知られており、この公知の知見を基に加熱パターンを制御することで酸化スズの種類を制御可能であり、加熱時間を制御することにより酸化スズの生成量を制御可能となる。
一方で、スズめっきの表面でも酸化スズが生成される。ここで生成される酸化スズにはSnOとSnOとの2種類がある。なお、リフローの加熱方法は通電加熱または誘導加熱あるいは通電加熱と誘導加熱の併用で行う方法が、温度制御の面から望ましい。
この酸化スズの組成、すなわち、0価、2価、4価のSnの割合をリフロー処理工程と化成処理工程とにおいて制御することにより、大きな設備改造を行うことなくレトルト後の塗膜密着性を大きく改善できるとの知見を得て、本発明に至ったものである。
即ち、メッキされたスズを溶融させる時間を0.1〜0.7秒間とすることと、次の化成処理工程で重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電解での浸漬時間を0.5〜4.0秒間確保することとの組合せが本発明の最も重要な点である。
リフロー処理工程にて、スズを溶融させる時間が0.1秒未満では、耐食性に有効なスズ鉄合金層の形成が鋼板の幅方向、あるいは長手方法で不均一となる場合があり、またスズが溶融した後の光沢のある外観が、均一に得られないなどの問題を起こす。一方、スズを溶融させる時間が0.7秒超では、酸化スズ、特にSnOが増加し、酢酸系溶液でのレトルト後の塗膜密着性が大幅に低下する。このため、リフロー処理工程にて、スズを溶融させる時間を0.1〜0.7秒の範囲とした。
また、リフロー工程において、水蒸気濃度が0〜40g/mの雰囲気でリフロー処理行うことが望ましい。水蒸気濃度が高くなるほどスズの表面に生成する酸化スズのSnO組成比が高くなるためであり、水蒸気濃度が0〜40g/mの雰囲気が望ましい。
次に、重クロム酸ナトリウム溶液中での陰極電解化成処理となるが、その前処理として、リフロー処理で生成した酸化スズを酸性液体に浸漬して溶解除去することが可能である。SnOとSnOを比較するとその安定性からSnOが溶解し易いようであり、酸性液体の濃度・温度或いは浸漬時間を制御することにより、酸化スズの残存量を制御することが可能である。
また、炭酸水素ナトリウム水溶液等のスズ上へ電析する物質を含まない電解液中での陰極電解処理によっても還元除去することが可能である。
ただし、化成処理液と異なる組成の溶液での前処理を行うには、前処理溶液の洗浄まで必要となり、新たに設備を増設するには負荷が大きい。これを解決する方法として、発明者らは化成処理液である重クロム酸ナトリウム水溶液中に浸漬する方法が有効なことを見出した。
化成処理工程の第1段階(無電解浸漬処理)において、重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電解での浸漬時間を0.5秒未満とすると、酢酸系溶液でのレトルト後の塗膜密着性が大幅に低下する。この理由は明確ではないが、重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電解で浸漬することによって、リフロー処理工程で生成したSnOが溶解するが、浸漬時間が短いとSnOの溶解が不十分となり、酢酸系溶液でのレトルト後の塗膜密着性が大幅に低下するものと推定される。また、重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電解での浸漬時間が4.0秒を超えると、SnOは十分に溶解すると推測され、酢酸系溶液でのレトルト後の塗膜密着性は十分なものとなるが、4.0秒超の浸漬時間を確保するためには生産速度を大幅に低下させるか、または、化成処理の工程を長くするための設備レイアウトの変更が必要になり、新設設備でも化成処理セクションが大きくなり高設備投資が必要となるため好ましくない。このため、生産性または設備面を考慮すると、好ましい浸漬時間は0.7〜2.0秒の範囲である。
次に重要な点は、化成処理工程の第2段階(陰極電解処理)における重クロム酸ナトリウム水溶液中での陰極電解の通電量である。通電量は、通電量(C/dm)=電流密度(A/dm)×通電時間(秒)の関係式で示されるものであり、本発明における通電量は0.8〜6.5C/dmである。0.8C/dm未満では、経時によって黄変と呼ばれるスズめっき鋼板の変色が発生することがあり、6.5C/dm超では化成処理皮膜の効果が飽和するとともに、過剰な化成処理皮膜により腐食が一点に集中して、缶体の穿孔腐食に至るおそれがある。このような観点から、好ましい、通電量は、0.8〜4.0C/dmの範囲である。
化成処理工程の第2段階における重クロム酸ナトリウム水溶液中での陰極電流密度は、0.1〜10.0A/dmの範囲が望ましい。電流密度の影響が顕著に現れるのは、経時後である。スズめっき鋼板は赤道域を輸送、あるいは使用されるまで長期間倉庫で保管されることがあり、この点も考慮する必要がある。陰極電流密度が0.1A/dm未満では経時後に塗装した場合の酢酸系溶液でのレトルト後の塗膜密着性がやや低下する傾向にある。また、陰極電流密度が10A/dm超でも同様に、経時後に塗装した場合の酢酸系溶液でのレトルト後の塗膜密着性がやや低下する傾向にある。この理由は、陰極電流密度が0.1A/dm未満では化成処理皮膜が不均一となり、経時によりスズめっき鋼板表面のSnOが成長するためではないかと推定される。また、陰極電流密度が10A/dm超では化成処理皮膜の被覆は均一となるが、酢酸系溶液でのレトルト後の塗膜密着性が低下する。その理由に関しては現時点では不明である。さらに好ましい、陰極電流密度は、0.2〜5.0A/dmの範囲である。
また、化成処理皮膜を、60〜80%の面積率で分散して被覆させるためには、電流密度による制御が有効である。高電流密度電解処理を行うと核発生部位に集中して析出し被覆面積率が低下する。逆に低電流密度電解処理を行うと比較的均一に析出する。
高生産性を確保しながら、化成処理皮膜を、60〜80%の面積率で分散して被覆させるためには、2.0〜10.0A/dmの電流密度で0.001〜0.2秒電解し、その後、0.1〜5.0A/dmの電流密度で0.01〜2.0秒電解を行う複合電解が好ましい。
さらに、化成処理の浴温は40〜55℃の範囲が作業性、設備面からも望ましい。また、化成処理溶液である重クロム酸ナトリウムの濃度についても20〜30g/Lの範囲が作業性、設備面から望ましい。
化成処理溶液は電解時には液の抵抗発熱により、浴には熱量が加えられる方向であり、特に、夏期において浴温を40℃未満に制御するためには、冷却装置が必要になる。
また、浴温が55℃超では浴からの水蒸気の蒸発量が多くなり、浴濃度管理の頻度を上げる必要があること、さらに、浴の腐食性が高くなるため、電解槽やタンクの材質も高耐食性の材質を使用する必要が生じる。
以下に本発明の実施例及び比較例を述べる。
<実施例1−1>
厚み0.20mmの冷延鋼板を10%の水酸化ナトリウム水溶液で電解脱脂し、水洗し、10%塩酸水溶液中に浸漬酸洗し、水洗した後、フェノールスルホン酸浴中で2.8g/mスズめっきを施した。次いで、装置内の水蒸気濃度25g/mの通電加熱装置で5.6秒間直線的に昇温加熱し、スズを0.4秒間溶融し、80℃の温水中で急冷した。ここで鉄と合金化したスズは0.4g/mであった。次いで、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電階の状態で0.6秒浸漬し、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で1段目の電流密度3.7A/dm、2段目の電流密度1.1A/dmで2段階の陰極電解処理を行った。全通電量は0.88C/dmとした。化成処理皮膜量はCr換算での3mg/mであった。表面のスズ組成を調査したところ、0価:19%、2価:40%、4価:41%であった。化成処理皮膜の被覆面積率は70%であった。
<実施例1−2>
実施例1と同様の前処理を行い、メタンスルホン酸浴2.8g/mスズめっきを施した。次いで、装置内の水蒸気濃度25g/mの通電加熱装置で5.6秒間直線的に昇温加熱し、スズを0.4秒間溶融し、80℃の温水中で急冷した。ここで鉄と合金化したスズは0.4g/mであった。次いで、50℃、20g/Lの炭酸水素ナトリウム水溶液中で電流密度1A/dmで0.15秒、陰極電解処理を行い、水洗した。次いで、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電階の状態で3.0秒浸漬し、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で1段目の電流密度4.8A/dm、2段目の電流密度1.9A/dmで2段階の陰極電解処理を行った。全通電量は6.2C/dmとした。化成処理皮膜量はCr換算での7mg/mであった。表面のスズ組成を調査したところ、0価:22%、2価:40%、4価:38%であった。化成処理皮膜の被覆面積率は70%であった。
<実施例1−3>
実施例1と同様の前処理を行い、メタンスルホン酸浴2.8g/mスズめっきを施した。次いで、装置内の水蒸気濃度25g/mの通電加熱装置で5.6秒間直線的に昇温加熱し、スズを0.4秒間溶融し、80℃の温水中で急冷した。ここで鉄と合金化したスズは0.4g/mであった。次いで、53℃、28g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電階の状態で2.5秒浸漬し、その後、53℃、28g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で電流密度3A/dmで陰極電解処理を行った。通電量は1.1C/dmとした。化成処理皮膜量はCr換算での7mg/mであった。表面のスズ組成を調査したところ、0価:4%、2価:65%、4価:31%であった。化成処理皮膜の被覆面積率は70%であった。
<実施例1−4>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.8g/mスズめっきを施した。次いで、装置内の水蒸気濃度10g/mの通電加熱装置で5.6秒間に昇温加熱し、スズを0.4秒間溶融し、80℃の温水中で急冷した。ここで鉄と合金化したスズは0.4g/mであった。次いで、53℃、28g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電階の状態で0.8秒浸漬し、その後、53℃、28g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で1段目の電流密度4.8A/dm、2段目の電流密度1.9A/dmで2段階の陰極電解処理を行った。通電量は1.9C/dmとした。化成処理皮膜量はCr換算での5mg/mであった。表面のスズ組成を調査したところ、0価:20%、2価:35%、4価:45%であった。化成処理皮膜の被覆面積率は70%であった。
<実施例1−5>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.8g/mスズめっきを施した。次いで、装置内の水蒸気濃度30g/mの通電加熱装置で5.6秒間直線的に昇温加熱し、スズを0.4秒間溶融し、80℃の温水中で急冷した。ここで鉄と合金化したスズは0.4g/mであった。その後さらに53℃、28g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電階の状態で0.6秒浸漬し、その後、53℃、28g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で1段目の電流密度4.8A/dm、2段目の電流密度1.9A/dmで2段階の陰極電解処理を行った。通電量は2.1C/dmとした。化成処理皮膜量はCr換算での5mg/mであった。表面のスズ組成を調査したところ、0価:15%、2価:70%、4価:15%であった。化成処理皮膜の被覆面積率は70%であった。
<実施例1−6>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.8g/mスズめっきを施した。次いで、装置内の水蒸気濃度25g/mの通電加熱装置で5.6秒間直線的に昇温加熱し、スズを0.4秒間溶融し、80℃の温水中で急冷した。ここで鉄と合金化したスズは0.4g/mであった。次いで、50℃、20g/Lの炭酸水素ナトリウム水溶液中で電流密度1A/dmで0.8秒、陰極電解処理を行い、水洗した。次いで、53℃、28g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電階の状態で1.5秒浸漬し、その後、53℃、28g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で1段目の電流密度3.2A/dm、2段目の電流密度1.5A/dmで2段階の陰極電解処理を行った。通電量は2.1C/dmとした。化成処理皮膜量はCr換算での5mg/mであった。表面のスズ組成を調査したところ、0価:27%、2価:37%、4価:36%であった。化成処理皮膜の被覆面積率は70%であった。
<実施例1−7>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.8g/mスズめっきを施した。次いで、装置内の水蒸気濃度25g/mの通電加熱装置で5.6秒間直線的に昇温加熱し、スズを0.3秒間溶融し、80℃の温水中で急冷した。ここで鉄と合金化したスズは0.3g/mであった。次いで、50℃、20g/Lの炭酸水素ナトリウム水溶液中で電流密度1A/dmで1秒、陰極電解処理を行い、水洗した。その後さらに53℃、28g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電階の状態で1.5秒浸漬し、その後、53℃、28g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で1段目の電流密度3.2A/dm、2段目の電流密度1.5A/dmで2段階の陰極電解処理を行った。通電量は1.7C/dmとした。化成処理皮膜量はCr換算での5mg/mであった。表面のスズ組成を調査したところ、0価:29%、2価:40%、4価:31%であった。化成処理皮膜の被覆面積率は70%であった。
<実施例1−8>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.8g/mスズめっきを施した。次いで、装置内の水蒸気濃度25g/mの通電加熱装置で5.6秒間直線的に昇温加熱し、スズを0.3秒間溶融し、80℃の温水中で急冷した。ここで鉄と合金化したスズは0.3g/mであった。次いで、50℃、20g/Lの炭酸水素ナトリウム水溶液中で電流密度1A/dmで1秒、陰極電解処理を行い、水洗した。その後さらに53℃、28g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電階の状態で0.1秒浸漬し、その後、53℃、28g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で1段目の電流密度2.2A/dm、2段目の電流密度1.5A/dmで2段階の陰極電解処理を行った。通電量は2.1C/dmとした。化成処理皮膜量はCr換算での5mg/mであった。表面のスズ組成を調査したところ、0価:27%、2価:48%、4価:25%であった。化成処理皮膜の被覆面積率は65%であった。
<実施例1−9>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.8g/mスズめっきを施した。次いで、装置内の水蒸気濃度25g/mの通電加熱装置で5.6秒間直線的に昇温加熱し、スズを0.05秒間溶融し、80℃の温水中で急冷した。ここで鉄と合金化したスズは0.05g/mであった。その後さらに53℃、28g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電階の状態で0.1秒浸漬し、その後、53℃、28g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で電流密度4.8A/dm、2段目の電流密度1.9A/dmで2段階の陰極電解処理を行った。通電量は2.1C/dmとした。化成処理皮膜量はCr換算での5mg/mであった。表面のスズ組成を調査したところ、0価:20%、2価:40%、4価:40%であった。化成処理皮膜の被覆面積率は70%であった。
<実施例1−10>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.8g/mスズめっきを施した。次いで、装置内の水蒸気濃度25g/mの通電加熱のみで100℃まで2.4秒で昇温し、その後、誘導加熱も併用して3.2秒加熱し、スズを1.0秒間溶融し、80℃の温水中で急冷した。ここで鉄と合金化したスズは0.8g/mであった。ここで鉄と合金化したスズは0.8g/mであった。その後さらに53℃、28g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電階の状態で0.1秒浸漬し、その後、53℃、28g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で電流密度4.8A/dm、2段目の電流密度1.9A/dmで2段階の陰極電解処理を行った。通電量は2.1C/dmとした。化成処理皮膜量はCr換算での5mg/mであった。表面のスズ組成を調査したところ、0価:20%、2価:40%、4価:40%であった。化成処理皮膜の被覆面積率は70%であった。
<実施例1−11>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で1.4g/mスズめっきを施した。次いで、装置内の水蒸気濃度25g/mの通電加熱装置で5.6秒間直線的に昇温加熱し、スズを0.4秒間溶融し、80℃の温水中で急冷した。ここで鉄と合金化したスズは0.4g/mであった。その後さらに53℃、28g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電階の状態で0.1秒浸漬し、その後、53℃、28g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で電流密度4.8A/dm、2段目の電流密度1.9A/dmで2段階の陰極電解処理を行った。通電量は2.1C/dmとした。化成処理皮膜量はCr換算での5mg/mであった。表面のスズ組成を調査したところ、0価:20%、2価:40%、4価:40%であった。化成処理皮膜の被覆面積率は70%であった。
<実施例1−12>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で1.8g/mスズめっきを施した。次いで、装置内の水蒸気濃度25g/mの通電加熱装置で5.6秒間直線的に昇温加熱し、スズを0.4秒間溶融し、80℃の温水中で急冷した。ここで鉄と合金化したスズは0.4g/mであった。その後さらに53℃、28g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電階の状態で0.1秒浸漬し、その後、53℃、28g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で電流密度4.8A/dm、2段目の電流密度1.9A/dmで2段階の陰極電解処理を行った。通電量は2.1C/dmとした。化成処理皮膜量はCr換算での5mg/mであった。表面のスズ組成を調査したところ、0価:20%、2価:40%、4価:40%であった。化成処理皮膜の被覆面積率は70%であった。
<実施例1−13>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で5.6g/mスズめっきを施した。次いで、装置内の水蒸気濃度25g/mの通電加熱装置で5.6秒間直線的に昇温加熱し、スズを0.4秒間溶融し、80℃の温水中で急冷した。ここで鉄と合金化したスズは0.4g/mであった。その後さらに53℃、28g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電階の状態で0.1秒浸漬し、その後、53℃、28g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で電流密度4.8A/dm、2段目の電流密度1.9A/dmで2段階の陰極電解処理を行った。通電量は2.1C/dmとした。化成処理皮膜量はCr換算での5mg/mであった。表面のスズ組成を調査したところ、0価:20%、2価:40%、4価:40%であった。化成処理皮膜の被覆面積率は70%であった。
<実施例1−14>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.8g/mスズめっきを施した。次いで、装置内の水蒸気濃度25g/mの通電加熱装置で5.6秒間直線的に昇温加熱し、スズを0.4秒間溶融し、80℃の温水中で急冷した。ここで鉄と合金化したスズは0.4g/mであった。その後さらに50℃、28g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電階の状態で1.5秒浸漬し、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で電流密度9A/dmで陰極電解処理を行った。通電量は1.7C/dmとした。化成処理皮膜量はCr換算での5mg/mであった。表面のスズ組成を調査したところ、0価:20%、2価:40%、4価:40%であった。化成処理皮膜の被覆面積率は50%であった。
<実施例1−15>
実施例1と同様の前処理を行い、メタンスルホン酸浴2.8g/mスズめっきを施した。次いで、装置内の水蒸気濃度25g/mの通電加熱装置で5.6秒間直線的に昇温加熱し、スズを0.4秒間溶融し、80℃の温水中で急冷した。ここで鉄と合金化したスズは0.4g/mであった。次いで、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電階の状態で1.5秒浸漬し、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で電流密度2.0A/dmの陰極電解処理を行った。通電量は1.8C/dmとした。化成処理皮膜量はCr換算での6mg/mであった。表面のスズ組成を調査したところ、0価:20%、2価:40%、4価:40%であった。化成処理皮膜の被覆面積率は90%であった。
<実施例1−16>
実施例1と同様の前処理を行い、メタンスルホン酸浴2.8g/mスズめっきを施した。次いで、装置内の水蒸気濃度25g/mの通電加熱装置で5.6秒間直線的に昇温加熱し、スズを0.2秒間溶融し、80℃の温水中で急冷した。ここで鉄と合金化したスズは0.2g/mであった。次いで、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電階の状態で1.5秒浸漬し、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で1段目の電流密度4.8A/dm、2段目の電流密度1.9A/dmで2段階の陰極電解処理を行った。通電量は1.5C/dmとした。化成処理皮膜量はCr換算での5mg/mであった。表面のスズ組成を調査したところ、0価:20%、2価:40%、4価:40%であった。化成処理皮膜の被覆面積率は70%であった。
<実施例1−17>
実施例1と同様の前処理を行い、メタンスルホン酸浴2.8g/mスズめっきを施した。次いで、装置内の水蒸気濃度25g/mの通電加熱装置で5.6秒間直線的に昇温加熱し、スズを0.5秒間溶融し、80℃の温水中で急冷した。ここで鉄と合金化したスズは0.5g/mであった。次いで、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電階の状態で1.5秒浸漬し、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で1段目の電流密度4.8A/dm、2段目の電流密度1.9A/dmで2段階の陰極電解処理を行った。通電量は1.5C/dmとした。化成処理皮膜量はCr換算での5mg/mであった。表面のスズ組成を調査したところ、0価:20%、2価:40%、4価:40%であった。化成処理皮膜の被覆面積率は70%であった。
<実施例1−18>
実施例1と同様の前処理を行い、メタンスルホン酸浴2.8g/mスズめっきを施した。次いで、装置内の水蒸気濃度25g/mの通電加熱装置で5.6秒間直線的に昇温加熱し、スズを0.4秒間溶融し、80℃の温水中で急冷した。ここで鉄と合金化したスズは0.4g/mであった。次いで、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電階の状態で1.5秒浸漬し、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で1段目の電流密度3.0A/dm、2段目の電流密度2.0A/dmで2段階の陰極電解処理を行った。通電量は1.9C/dmとした。化成処理皮膜量はCr換算での5mg/mであった。表面のスズ組成を調査したところ、0価:20%、2価:40%、4価:40%であった。化成処理皮膜の被覆面積率は62%であった。
<実施例1−19>
実施例1と同様の前処理を行い、メタンスルホン酸浴2.8g/mスズめっきを施した。次いで、装置内の水蒸気濃度25g/mの通電加熱装置で5.6秒間直線的に昇温加熱し、スズを0.4秒間溶融し、80℃の温水中で急冷した。ここで鉄と合金化したスズは0.4g/mであった。次いで、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電階の状態で3.0秒浸漬し、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で1段目の電流密度4.8A/dm、2段目の電流密度2.3A/dmで2段階の陰極電解処理を行った。通電量は1.5C/dmとした。化成処理皮膜量はCr換算での5mg/mであった。表面のスズ組成を調査したところ、0価:20%、2価:40%、4価:40%であった。化成処理皮膜の被覆面積率は78%であった。
<実施例1−20>
実施例1と同様の前処理を行い、メタンスルホン酸浴2.8g/mスズめっきを施した。次いで、装置内の水蒸気濃度25g/mの通電加熱装置で5.6秒間直線的に昇温加熱し、スズを0.4秒間溶融し、80℃の温水中で急冷した。ここで鉄と合金化したスズは0.4g/mであった。次いで、50℃、20g/Lの炭酸水素ナトリウム水溶液中で電流密度1A/dmで0.9秒、陰極電解処理を行い、水洗した。次いで、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電階の状態で1.5秒浸漬し、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で1段目の電流密度4.8A/dm、2段目の電流密度1.9A/dmで2段階の陰極電解処理を行った。通電量は1.5C/dmとした。化成処理皮膜量はCr換算での5mg/mであった。表面のスズ組成を調査したところ、0価:30%、2価:38%、4価:32%であった。化成処理皮膜の被覆面積率は70%であった。
<比較例1−1>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.8g/mスズめっきを施した。次いで、装置内の水蒸気濃度25g/mの通電加熱装置で5.6秒間直線的に昇温加熱し、スズを0.4秒間溶融し、80℃の温水中で急冷した。ここで鉄と合金化したスズは0.4g/mであった。次いで、53℃、28g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電階の状態で1.5秒浸漬し、その後、53℃、28g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で1段目の電流密度2.1A/dm、2段目の電流密度0.5A/dmで2段階の陰極電解処理を行った。通電量は0.5C/dmとした。化成処理皮膜量はCr換算での2mg/mであった。表面のスズ組成を調査したところ、0価:19%、2価:39%、4価:42%であった。化成処理皮膜の被覆面積率は62%であった。
<比較例1−2>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.8g/mスズめっきを施した。次いで、装置内の水蒸気濃度25g/mの通電加熱装置で5.6秒間直線的に昇温加熱し、スズを0.4秒間溶融し、80℃の温水中で急冷した。ここで鉄と合金化したスズは0.4g/mであった。次いで、53℃、28g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電階の状態で1.5秒浸漬し、その後、53℃、28g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で1段目の電流密度4.9A/dm、2段目の電流密度2.5A/dmで2段階の陰極電解処理を行った。通電量は9.5C/dmとした。化成処理皮膜量はCr換算での10mg/mであった。表面のスズ組成を調査したところ、0価:19%、2価:42%、4価:39%であった。化成処理皮膜の被覆面積率は78%であった。
<比較例1−3>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.8g/mスズめっきを施した。次いで 装置内の水蒸気濃度45g/mの通電加熱装置で5.6秒間直線的に昇温加熱し、スズを0.4秒間溶融し、80℃の温水中で急冷した。ここで鉄と合金化したスズは0.4g/mであった。次いで、50℃、20g/Lの炭酸水素ナトリウム水溶液中で電流密度2A/dmで2秒、陰極電解処理を行い、水洗した。次いで、53℃、28g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で1段目の電流密度2.1A/dm、2段目の電流密度0.5A/dmで2段階の陰極電解処理を行った。通電量は2.1C/dmとした。化成処理皮膜量はCr換算での5mg/mであった。表面のスズ組成を調査したところ、0価:10%、2価:78%、4価:12%であった。化成処理皮膜の被覆面積率は70%であった。
<比較例1−4>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.8g/mスズめっきを施した。次いで、装置内の水蒸気濃度25g/mの通電加熱装置で5.6秒間直線的に昇温加熱し、スズを0.4秒間溶融し、80℃の温水中で急冷した。ここで鉄と合金化したスズは0.4g/mであった。次いで、50℃、20g/Lの炭酸水素ナトリウム水溶液中で電流密度7A/dmで1秒、陰極電解処理を行い、水洗した。次いで、その後、53℃、28g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で1段目の電流密度2.1A/dm、2段目の電流密度0.5A/dmで2段階の陰極電解処理を行った。通電量は2.1C/dmとした。化成処理皮膜量はCr換算での5mg/mであった。表面のスズ組成を調査したところ、0価:35%、2価:40%、4価:25%であった。化成処理皮膜の被覆面積率は70%であった。
<比較例1−5>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.8g/mスズめっきを施した。次いで、装置内の水蒸気濃度25g/mの通電加熱装置で5.6秒間直線的に昇温加熱し、スズを0.4秒間溶融し、80℃の温水中で急冷した。ここで鉄と合金化したスズは0.4g/mであった。次いで、50℃、5%塩酸水溶液中に1.8秒浸漬後後水洗後、220℃で乾燥した。次いで、53℃、28g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電階の状態で1.5秒浸漬し、その後、53℃、28g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で1段目の電流密度2.1A/dm、2段目の電流密度0.5A/dmで2段階の陰極電解処理を行った。通電量は2.1C/dmとした。化成処理皮膜量はCr換算での5mg/mであった。表面のスズ組成を調査したところ、0価:8%、2価:40%、4価:52%であった。このスズめっき鋼板はスマッジの発生が激しかった。化成処理皮膜の被覆面積率は70%であった。
<比較例1−6>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で0.9g/mスズめっきを施した。次いで、装置内の水蒸気濃度25g/mの通電加熱装置で5.6秒間直線的に昇温加熱し、スズを0.4秒間溶融し、80℃の温水中で急冷した。ここで鉄と合金化したスズは0.4g/mであった。次いで、50℃、5%塩酸水溶液中に2秒浸漬後後水洗後、220℃で乾燥した。次いで、53℃、28g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電階の状態で1.5秒浸漬し、その後、53℃、28g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で1段目の電流密度2.1A/dm、2段目の電流密度0.5A/dmで2段階の陰極電解処理を行った。通電量は2.1C/dmとした。化成処理皮膜量はCr換算での5mg/mであった。表面のスズ組成を調査したところ、0価:20%、2価:40%、4価:40%であった。このスズめっき鋼板はスマッジの発生が激しかった。化成処理皮膜の被覆面積率は70%であった。
<比較例1−7>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.8g/mスズめっきを施した。次いで、装置内の水蒸気濃度15g/mの通電加熱装置で5.6秒間直線的に昇温加熱し、スズを0.4秒間溶融し、80℃の温水中で急冷した。ここで鉄と合金化したスズは0.4g/mであった。次いで、50℃、5%塩酸水溶液中に2秒浸漬後後水洗した。次いで、53℃、28g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電階の状態で1.5秒浸漬し、その後、53℃、28g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で1段目の電流密度2.1A/dm、2段目の電流密度0.5A/dmで2段階の陰極電解処理を行った。通電量は2.1C/dmとした。化成処理皮膜量はCr換算での5mg/mであった。表面のスズ組成を調査したところ、0価:28%、2価:32%、4価:40%であった。化成処理皮膜の被覆面積率は70%であった。
実施例1−1〜1−20、比較例1−1〜1−7で得られたスズめっき鋼板について、次に示す塗料密着性評価試験を行い、その結果を表1に示した。
<評価方法>
(1)塗装及び成型
試料表面にエポキシフェノール塗料を8g/m塗布し、204℃で10分間加熱した後、室温まで冷却した。さらに、8時間以上室温で保管したのち、塗装面を缶内面となるようにφ50mmのEND(缶エンド)を成型した。
(2)レトルト密着性
成型したENDは4種の水溶液に浸漬して120℃で90分のレトルト殺菌を行い、レトルト殺菌終了後、直ちに水洗、クロスカット、テープ剥離試験を行った。クロスカットは3mmピッチで100マスの碁盤目を形成し、テープ剥離試験で剥離面積により、10段階(剥離無しを10点、100%剥離したものを1点)の密着性評価を行った。4種の浸漬液での試験で、全て密着性7点以上(剥離面積30%以下)を合格とした。
浸漬液は、
(a)3%酢酸+2%NaCl
(b)1.1%乳酸
(c)2%クエン酸+0.4%アスコルビン酸
(d)0.056%システインHCl+0.4%KHPO+0.81%NaHPO
の4種とした。
(3)経時試験
作成したスズめっき鋼板を、50℃で湿度90%RHの条件で防錆紙に梱包し、同条件で7日間貯蔵したのち、前記(1)、(2)と同条件でレトルト密着性の評価を行った。
(4)スズ組成の測定
PHI社製Quantum2000型XPS分析装置を用いて、前述の方法で分析、解析を行った。
Figure 2010202971
上記表1に示すように、実施例1−1〜1−20においては、(a)〜(d)のいずれの浸漬液に浸漬させた場合も、経時前のレトルト密着性及び経時後のレトルト密着性ともに優れているという結果が得られた。ただし、鉄と合金化したスズ量が0.1g/m未満である実施例1−9においては、リフロー後の外観が一部不均一になっている状態が観察されたが、缶体用のスズめっき鋼板として十分に使用可能なものであった。一方、化成処理皮膜量が本発明の範囲より少ない比較例1−1については、システインを含む浸漬液(d)に浸漬させた場合にレトルト密着性に劣るという結果が得られた。この結果から、化成処理皮膜量が本発明の範囲より少ない場合には、システインを含む内容物に対するレトルト後の塗膜密着性に劣ることが示唆された。また、化成処理皮膜量が本発明の範囲より多い比較例1−2、2価のSnの比率が本発明の範囲より高い比較例1−3、及び4価のSnの比率が本発明の範囲より高い比較例1−5については、酢酸を含む浸漬液(a)に浸漬させた場合にレトルト密着性に劣るという結果が得られた。この結果から、化成処理皮膜量が本発明の範囲より多い場合、2価のSnの比率が本発明の範囲より高い場合、及び4価のSnの比率が本発明の範囲より高い場合には、酢酸を含む内容物に対するレトルト後の塗膜密着性に劣ることが示唆された。特に、比較例1−5については、4価のSnの比率が高いため、スマッジが発生し、缶体用のスズめっき鋼板として使用できないものとなった。また、0価のSnの比率が本発明の範囲よりも高い経時前のレトルト密着性には優れるものの、酢酸を含む浸漬液(a)に浸漬させた場合に経時後のレトルト密着性に劣るという結果が得られた。また、Snめっき量が本発明の範囲より少ない比較例1−6については、酢酸を含む浸漬液(a)、クエン酸を含む浸漬液(b)及びシステインを含む浸漬液(d)に浸漬させた場合にレトルト密着性に劣るという結果が得られた。この結果から、Snめっき量が本発明の範囲より少ない場合には、酢酸、クエン酸及びシステインを含む内容物に対するレトルト後の塗膜密着性に劣ることが示唆された。また、Sn(II)の量が本発明の範囲より少ない比較例1−7については、経時変化によりいずれの浸漬液においても、塗膜密着性が低下していた。この結果から、Sn(II)の量が本発明の範囲より少ない場合には、経時後の塗膜密着性に劣ることが示唆された。
<実施例2−1>
0.20mm厚みの冷延鋼板を10%の水酸化ナトリウム水溶液で電解脱脂し、水洗し、10%塩酸水溶液中に浸漬酸洗し、水洗した後、フェノールスルホン酸浴中で1.7g/mmのスズめっきを施した。次いで、水蒸気濃度25g/mの雰囲気でのリフロー処理でスズを溶融し、80℃の温水中で急冷した。スズの溶融時間0.42秒とした。次いで、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電解の状態で1.5秒浸漬し、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.06秒間、電流密度3.7A/dmで、1段目の陰極電解処理を行い、さらに、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.60秒間、電流密度1.8A/dmで2段目の陰極電解処理を行った。通電量は1.30C/dmとした。
<実施例2−2>
実施例1と同様の前処理を行い、メタンスルホン酸浴中で12.4g/mmのスズめっきを施した。次いで、実施例1と同様のリフロー処理を行い、さらに、実施例1と同様の無電解の浸漬後、同様の陰極電解処理を行った。
<実施例2−3>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.1g/mのスズめっきを施した。次いで、実施例1と同様のリフロー処理を行い、さらに、実施例1と同様の無電解の浸漬後、同様の陰極電解処理を行った。
<実施例2−4>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で3.8g/mのスズめっきを施した。次いで、実施例1と同様のリフロー処理を行い、さらに、実施例1と同様の無電解の浸漬後、同様の陰極電解処理を行った。
<実施例2−5>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.6g/mのスズめっきを施した。次いで、水蒸気濃度25g/mの雰囲気でのリフロー処理でスズを溶融し、80℃の温水中で急冷した。スズの溶融時間0.12秒とした。次いで、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電解の状態で1.0秒浸漬し、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.04秒間、電流密度3.7A/dmで1段目の陰極電解処理を行い、さらに、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.40秒間、電流密度2.2A/dmで2段目の陰極電解処理を行った。通電量は1.03C/dmとした。
<実施例2−6>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.6g/mのスズめっきを施した。次いで、水蒸気濃度35g/mの雰囲気でのリフロー処理でスズを溶融し、80℃の温水中で急冷した。スズの溶融時間0.68秒とした。次いで、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電解の状態で1.5秒浸漬し、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.10秒間、電流密度3.7A/dmで1段目の陰極電解処理を行い、さらに、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で1.00秒間、電流密度1.8A/dmで2段目の陰極電解処理を行った。通電量は2.17C/dmとした。
<実施例2−7>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.6g/mのスズめっきを施した。次いで、水蒸気濃度35g/mの雰囲気でのリフロー処理でスズを溶融し、80℃の温水中で急冷した。スズの溶融時間0.42秒とした。次いで、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電解の状態で0.6秒浸漬し、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.06秒間、電流密度3.7A/dmで1段目の陰極電解処理を行い、さらに、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.60秒間、電流密度1.8A/dmで2段目の陰極電解処理を行った。通電量は1.30C/dmとした。
<実施例2−8>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.6g/mのスズめっきを施した。次いで、水蒸気濃度25g/mの雰囲気でのリフロー処理でスズを溶融し、80℃の温水中で急冷した。スズの溶融時間0.65秒とした。次いで、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電解の状態で3.7秒浸漬し、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.15秒間、電流密度1.8A/dmで1段目の陰極電解処理を行い、さらに、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.15秒間、電流密度1.1A/dmで2段目の陰極電解処理を行った。通電量は1.92C/dmとした。
<実施例2−9>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.6g/mのスズめっきを施した。次いで、水蒸気濃度25g/mの雰囲気でのリフロー処理でスズを溶融し、80℃の温水中で急冷した。スズの溶融時間0.42秒とした。次いで、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電解の状態で0.8秒浸漬し、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.06秒間、電流密度3.7A/dmで1段目の陰極電解処理を行い、さらに、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.60秒間、電流密度1.8A/dmで2段目の陰極電解処理を行った。通電量は1.30C/dmとした。
<実施例2−10>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.6g/mのスズめっきを施した。次いで、水蒸気濃度10g/mの雰囲気でのリフロー処理でスズを溶融し、80℃の温水中で急冷した。スズの溶融時間0.65秒とした。次いで、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電解の状態で1.8秒浸漬し、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.10秒間、電流密度3.7A/dmで1段目の陰極電解処理を行い、さらに、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で1.00秒間、電流密度1.8A/dmで2段目の陰極電解処理を行った。通電量は2.17C/dmとした。
<実施例2−11>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.6g/mのスズめっきを施した。次いで、水蒸気濃度25g/mの雰囲気でのリフロー処理でスズを溶融し、80℃の温水中で急冷した。スズの溶融時間0.42秒とした。次いで、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電解の状態で1.5秒浸漬し、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.06秒間、電流密度0.3A/dmで1段目の陰極電解処理を行い、さらに、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.60秒間、電流密度1.8A/dmで2段目の陰極電解処理を行った。通電量は1.10C/dmとした。
<実施例2−12>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.6g/mのスズめっきを施した。次いで、水蒸気濃度25g/mの雰囲気でのリフロー処理でスズを溶融し、80℃の温水中で急冷した。スズの溶融時間0.42秒とした。次いで、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電解の状態で1.5秒浸漬し、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.06秒間、電流密度9.0A/dmで1段目の陰極電解処理を行い、さらに、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.60秒間、電流密度1.8A/dmで2段目の陰極電解処理を行った。通電量は1.62C/dmとした。
<実施例2−13>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.6g/mのスズめっきを施した。次いで、水蒸気濃度25g/mの雰囲気でのリフロー処理でスズを溶融し、80℃の温水中で急冷した。スズの溶融時間0.42秒とした。次いで、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電解の状態で1.5秒浸漬し、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.06秒間、電流密度4.6A/dmで1段目の陰極電解処理を行い、さらに、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.60秒間、電流密度1.8A/dmで2段目の陰極電解処理を行った。通電量は1.36C/dmとした。
<実施例2−14>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.6g/mのスズめっきを施した。次いで、水蒸気濃度25g/mの雰囲気でのリフロー処理でスズを溶融し、80℃の温水中で急冷した。スズの溶融時間0.42秒とした。次いで、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電解の状態で1.5秒浸漬し、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.60秒間、電流密度3.7A/dmで1段目の陰極電解処理を行い、さらに、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.06秒間、電流密度0.3A/dmで2段目の陰極電解処理を行った。通電量は2.24C/dmとした。
<実施例2−15>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.6g/mのスズめっきを施した。次いで、水蒸気濃度25g/mの雰囲気でのリフロー処理でスズを溶融し、80℃の温水中で急冷した。スズの溶融時間0.42秒とした。次いで、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電解の状態で1.5秒浸漬し、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.60秒間、電流密度1.8A/dmで1段目の陰極電解処理を行い、さらに、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.06秒間、電流密度9.0A/dmで2段目の陰極電解処理を行った。通電量は1.62C/dmとした。
<実施例2−16>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.6g/mのスズめっきを施した。次いで、水蒸気濃度25g/mの雰囲気でのリフロー処理でスズを溶融し、80℃の温水中で急冷した。スズの溶融時間0.42秒とした。次いで、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電解の状態で1.5秒浸漬し、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.06秒間、電流密度3.7A/dmで1段目の陰極電解処理を行い、さらに、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.60秒間、電流密度4.6A/dmで2段目の陰極電解処理を行った。通電量は2.98C/dmとした。
<実施例2−17>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.6g/mのスズめっきを施した。次いで、リフロー処理でスズを溶融し、80℃の温水中で急冷した。スズの溶融時間0.42秒とした。次いで、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電解の状態で1.5秒浸漬し、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.06秒間、電流密度3.7A/dmで1段目の陰極電解処理を行い、さらに、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.60秒間、電流密度1.1A/dmで2段目の陰極電解処理を行った。通電量は0.88C/dmとした。
<実施例2−18>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.6g/mのスズめっきを施した。次いで、水蒸気濃度25g/mの雰囲気でのリフロー処理でスズを溶融し、80℃の温水中で急冷した。スズの溶融時間0.65秒とした。次いで、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電解の状態で1.5秒浸漬し、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.15秒間、電流密度4.5A/dmで1段目の陰極電解処理を行い、さらに、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で1.50秒間、電流密度3.7A/dmで2段目の陰極電解処理を行った。通電量は6.23C/dmとした。
<実施例2−19>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.6g/mのスズめっきを施した。次いで、水蒸気濃度25g/mの雰囲気でのリフロー処理でスズを溶融し、80℃の温水中で急冷した。スズの溶融時間0.65秒とした。次いで、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電解の状態で1.5秒浸漬し、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.10秒間、電流密度3.4A/dmで1段目の陰極電解処理を行い、さらに、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で1.00秒間、電流密度3.4A/dmで2段目の陰極電解処理を行った。通電量は3.74C/dmとした。
<実施例2−20>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.6g/mのスズめっきを施した。次いで、水蒸気濃度25g/mの雰囲気でのリフロー処理でスズを溶融し、80℃の温水中で急冷した。スズの溶融時間0.42秒とした。次いで、42℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電解の状態で1.5秒浸漬し、その後、42℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.06秒間、電流密度3.7A/dmで1段目の陰極電解処理を行い、さらに、その後、42℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.60秒間、電流密度1.8A/dmで2段目の陰極電解処理を行った。通電量は1.30C/dmとした。
<実施例2−21>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.6g/mのスズめっきを施した。次いで、水蒸気濃度25g/mの雰囲気でのリフロー処理でスズを溶融し、80℃の温水中で急冷した。スズの溶融時間0.42秒とした。次いで、53℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電解の状態で1.5秒浸漬し、その後、53℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.06秒間、電流密度3.7A/dmで1段目の陰極電解処理を行い、さらに、その後、53℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.60秒間、電流密度1.8A/dmで2段目の陰極電解処理を行った。通電量は1.30C/dmとした。
<実施例2−22>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.6g/mのスズめっきを施した。次いで、水蒸気濃度25g/mの雰囲気でのリフロー処理でスズを溶融し、80℃の温水中で急冷した。スズの溶融時間0.42秒とした。次いで、50℃、22g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電解の状態で1.5秒浸漬し、その後、50℃、22g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.06秒間、電流密度3.7A/dmで1段目の陰極電解処理を行い、さらに、その後、50℃、22g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.60秒間、電流密度1.8A/dmで2段目の陰極電解処理を行った。通電量は1.30C/dmとした。
<実施例2−23>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.6g/mのスズめっきを施した。次いで、水蒸気濃度25g/mの雰囲気でのリフロー処理でスズを溶融し、80℃の温水中で急冷した。スズの溶融時間0.42秒とした。次いで、50℃、28g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電解の状態で1.5秒浸漬し、その後、50℃、28g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.06秒間、電流密度3.7A/dmで1段目の陰極電解処理を行い、さらに、その後、50℃、28g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.60秒間、電流密度1.8A/dmで2段目の陰極電解処理を行った。通電量は1.30C/dmとした。
<実施例2−24>
実施例1と同様の前処理を行い、メタンスルホン酸浴中で2.6g/mのスズめっきを施した。次いで、水蒸気濃度25g/mの雰囲気でのリフロー処理でスズを溶融し、80℃の温水中で急冷した。スズの溶融時間0.42秒とした。次いで、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電解の状態で1.5秒浸漬し、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.06秒間、電流密度3.7A/dmで1段目の陰極電解処理を行い、さらに、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.60秒間、電流密度1.8A/dmで2段目の陰極電解処理を行った。通電量は1.26C/dmとした。
<実施例2−25>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.6g/mのスズめっきを施した。次いで、水蒸気濃度25g/mの雰囲気でのリフロー処理でスズを溶融し、80℃の温水中で急冷した。スズの溶融時間0.42秒とした。次いで、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電解の状態で1.5秒浸漬し、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.60秒間、電流密度2.2A/dmで陰極電解処理を行った。通電量は1.32C/dmとした。
<実施例2−26>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.6g/mのスズめっきを施した。次いで、水蒸気濃度25g/mの雰囲気でのリフロー処理でスズを溶融し、80℃の温水中で急冷した。スズの溶融時間0.42秒とした。次いで、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電解の状態で1.5秒浸漬し、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で11.00秒間、電流密度0.1A/dmで陰極電解処理を行った。通電量は1.10C/dmとした。
<実施例2−27>
実施例1と同様の前処理を行い、メタンスルホン酸浴中で2.6g/mのスズめっきを施した。次いで、水蒸気濃度35g/mの雰囲気でのリフロー処理でスズを溶融し、80℃の温水中で急冷した。スズの溶融時間0.42秒とした。次いで、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電解の状態で1.5秒浸漬し、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.06秒間、電流密度12.0A/dmで1段目の陰極電解処理を行い、さらに、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.60秒間、電流密度1.5A/dmで2段目の陰極電解処理を行った。通電量は1.62C/dmとした。
<実施例2−28>
実施例1と同様の前処理を行い、メタンスルホン酸浴中で2.6g/mのスズめっきを施した。次いで、水蒸気濃度46g/mの雰囲気でのリフロー処理でスズを溶融し、80℃の温水中で急冷した。スズの溶融時間0.42秒とした。次いで、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電解の状態で1.5秒浸漬し、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.06秒間、電流密度3.7A/dmで1段目の陰極電解処理を行い、さらに、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.60秒間、電流密度1.8A/dmで2段目の陰極電解処理を行った。通電量は1.30C/dmとした
<比較例2−1>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で1.1g/mのスズめっきを施した。次いで、水蒸気濃度25g/mの雰囲気でのリフロー処理でスズを溶融し、80℃の温水中で急冷した。スズの溶融時間0.36秒とした。次いで、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電解の状態で1.0秒浸漬し、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.06秒間、電流密度3.7A/dmで1段目の陰極電解処理を行い、さらに、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.60秒間、電流密度1.8A/dmで2段目の陰極電解処理を行った。通電量は1.30C/dmとした。
<比較例2−2>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.7g/mのスズめっきを施した。次いで、水蒸気濃度25g/mの雰囲気でのリフロー処理でスズを溶融し、80℃の温水中で急冷した。スズの溶融時間0.2秒とした。次いで、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電解の状態で1.5秒浸漬し、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.04秒間、電流密度3.7A/dmで1段目の陰極電解処理を行い、さらに、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.40秒間、電流密度1.8A/dmで2段目の陰極電解処理を行った。通電量は0.87C/dmとした。
<比較例2−3>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.7g/mのスズめっきを施した。次いで、水蒸気濃度25g/mの雰囲気でのリフロー処理でスズを溶融し、80℃の温水中で急冷した。スズの溶融時間0.73秒とした。次いで、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電解の状態で1.5秒浸漬し、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.15秒間、電流密度3.0A/dmで1段目の陰極電解処理を行い、さらに、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で1.50秒間、電流密度1.1A/dmで2段目の陰極電解処理を行った。通電量は2.10C/dmとした。
<比較例2−4>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.7g/mのスズめっきを施した。次いで、水蒸気濃度25g/mの雰囲気でのリフロー処理でスズを溶融し、80℃の温水中で急冷した。スズの溶融時間0.36秒とした。次いで、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電解の状態で0.3秒浸漬し、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.06秒間、電流密度3.7A/dmで1段目の陰極電解処理を行い、さらに、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.60秒間、電流密度1.8A/dmで2段目の陰極電解処理を行った。通電量は1.30C/dmとした。
<比較例2−5>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.7g/mのスズめっきを施した。次いで、水蒸気濃度25g/mの雰囲気でのリフロー処理でスズを溶融し、80℃の温水中で急冷した。スズの溶融時間0.36秒とした。次いで、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電解の状態で0.7秒浸漬し、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.06秒間、電流密度0.9A/dmで1段目の陰極電解処理を行い、さらに、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.60秒間、電流密度0.9A/dmで2段目の陰極電解処理を行った。通電量は0.59C/dmとした。
<比較例2−6>
実施例1と同様の前処理を行い、フェノールスルホン酸浴中で2.7g/mのスズめっきを施した。次いで、水蒸気濃度25g/mの雰囲気でのリフロー処理でスズを溶融し、80℃の温水中で急冷した。スズの溶融時間0.65秒とした。次いで、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中に無電解の状態で1.5秒浸漬し、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.15秒間、電流密度4.2A/dmで1段目の陰極電解処理を行い、さらに、その後、50℃、25g/Lの重クロム酸ナトリウム水溶液中で1.50秒間、電流密度4.2A/dmで2段目の陰極電解処理を行った。通電量は6.93C/dmとした。
実施例2−1〜2−28、比較例2−1〜2−6で得られたスズめっき鋼板について、実施例1−1〜1−20、比較例1−1〜1−7と同様の方法でレトルト密着性評価試験を行い、スズめっき鋼板の製造条件を表2−1に、評価試験の結果を表2−2に示した。
Figure 2010202971
Figure 2010202971
上記表3に示すように、実施例2−1〜2−28においては、(a)〜(d)のいずれの浸漬液に浸漬させた場合も、経時前のレトルト密着性及び経時後のレトルト密着性ともに優れているという結果が得られた。ただし、実施例2−5においては、極僅かであるが、光沢が低い部分があることが観察されたが、缶体用のスズめっき鋼板として十分に使用可能なものであった。一方、Snめっき量が本発明の範囲より少ない比較例2−1については、酢酸を含む浸漬液(a)、クエン酸を含む浸漬液(c)及びシステインを含む浸漬液(d)に浸漬させた場合にレトルト密着性に劣るという結果が得られた。この結果から、Snめっき量が本発明の範囲より少ない場合には、酢酸及びシステインを含む内容物に対するレトルト後の塗膜密着性に劣ることが示唆された。また、溶融時間が本発明の範囲より短い比較例2−2については、リフロー処理時間が不十分であることから、部分的に光沢が無い外観となったため、不合格とした。また、溶融時間が本発明の範囲より長い比較例2−3については、酢酸を含む浸漬液(a)に浸漬させた場合にレトルト密着性に著しく劣るという結果が得られた。この結果から、溶融時間が本発明の範囲より長い場合には、酢酸を含む内容物に対するレトルト後の塗膜密着性に著しく劣ることが示唆された。また、浸漬時間が本発明の範囲より短い比較例2−4については、酢酸を含む浸漬液(a)に浸漬させた場合にレトルト密着性に著しく劣るという結果が得られた。この結果から、浸漬時間が本発明の範囲より短い場合には、酢酸を含む内容物に対するレトルト後の塗膜密着性に著しく劣ることが示唆された。また、通電量が本発明の範囲よりも少ない比較例2−5については、システインを含む浸漬液(d)に浸漬させた場合にレトルト密着性に劣るという結果が得られた。この結果から、通電量が本発明の範囲よりも少ない場合には、システインを含む内容物に対するレトルト後の塗膜密着性に劣ることが示唆された。また、通電量が本発明の範囲よりも多い比較例2−6については、酢酸を含む浸漬液(a)に浸漬させた場合にレトルト密着性に劣るという結果が得られた。この結果から、通電量が本発明の範囲よりも多い場合には、酢酸を含む内容物に対するレトルト後の塗膜密着性に劣ることが示唆された。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

Claims (7)

  1. 少なくとも缶内面となる側のスズ付着量が1.2g/m以上で、リフロー処理後に重クロム酸ナトリム水溶液中で陰極電解して形成される化成処理皮膜をスズめっき表面に有し、
    前記化成処理皮膜の付着量がクロム換算で3mg/m以上8mg/m以下であり、さらにスズめっき表面の全Sn原子に対する2価のSnの比率が35%以上75%未満で、4価のSnの比率が50%未満であり、0価のSnの比率が30%未満であることを特徴とする、スズめっき鋼板。
  2. 前記リフロー処理によって鉄と合金化したスズ量が0.1mg/m以上0.56g/m以下であることを特徴とする、請求項1に記載のスズめっき鋼板。
  3. 前記化成処理皮膜が、前記スズめっきの表面積全体に対して60%以上80%以下の面積率で被覆されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のスズめっき鋼板。
  4. 冷延鋼板に前処理、スズめっき、リフロー処理、及び化成処理を施す缶用のスズめっき鋼板の製造方法において、
    前記スズめっき工程を施す際に、前記冷延鋼板の少なくとも缶内面となる側にめっき量が1.2g/m以上となるようにスズめっきを施し、次いで、該スズめっきの溶融時間が0.1秒以上0.7秒以下となるリフロー処理を行い、次いで、重クロム酸ナトリウム水溶液中に0.5〜4.0秒無電解で浸漬した後、前記スズめっき上に重クロム酸ナトリウム水溶液中で0.8〜6.5C/dmの通電量で陰極電解による化成処理を行うことを特徴とする、スズめっき鋼板の製造方法。
  5. 前記リフロー処理を水蒸気濃度が0〜40g/m以下の雰囲気で行うことを特徴とする、請求項4に記載のスズめっき鋼板の製造方法。
  6. 前記重クロム酸ナトリウム水溶液中での陰極電解による化成処理を、電流密度が0.1〜10.0A/dmの範囲で行うことを特徴とする、請求項4又は5に記載のスズめっき鋼板の製造方法。
  7. 前記重クロム酸ナトリウム水溶液中での陰極電解による化成処理を2.0〜10.0A/dmの電流密度で0.001〜0.2秒電解し、その後、0.1〜5.0A/dmの電流密度で0.01〜2.0秒電解を行うことを特徴とする、請求項4〜6のいずれか1項に記載のスズめっき鋼板の製造方法。

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