JP2010202753A - ガスバリア性樹脂組成物、塗料および接着剤 - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち本発明はつぎの通りである。
1. エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤および硬化促進剤を含むガスバリア性樹脂組成物であって、該硬化促進剤が下記式(1)に示される化合物またはそのアミン塩であり、且つ該樹脂組成物より形成される硬化物中の下記式(2)に示される骨格構造の含有量が30重量%以上であることを特徴とするガスバリア性樹脂組成物。
3. 前記硬化促進剤が、ドデシルベンゼンスルホン酸またはそのアミン塩である第1項記載のガスバリア性樹脂組成物。
4. 前記エポキシ樹脂が、メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、パラアミノフェノールから誘導されたグリシジルアミノ基および/またはグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールAから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールFから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、フェノールノボラックから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、レゾルシノールから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1つである第1項記載のガスバリア性樹脂組成物。
5. 前記エポキシ樹脂が、メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂および/またはビスフェノールFから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂を主成分とするものである第1項記載のガスバリア性樹脂組成物。
6. 前記エポキシ樹脂が、メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂を主成分とするものである第1項記載のガスバリア性樹脂組成物。
7. 前記エポキシ樹脂硬化剤が、下記の(A)および(B)の反応生成物、または(A)、(B)および(C)の反応生成物である第1項記載のガスバリア性樹脂組成物。
(A)メタキシリレンジアミンまたはパラキシリレンジアミン
(B)ポリアミンとの反応によりアミド基部位を形成しオリゴマーを形成し得る、少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物
(C)炭素数1〜8の一価カルボン酸および/またはその誘導体
8. 第1項〜第7項のいずれかに記載のガスバリア性樹脂組成物を利用してなる塗料。
9. 第1項〜第7項のいずれかに記載のガスバリア性樹脂組成物を利用してなるラミネート用接着剤。
10. 第1項〜第7項のいずれかに記載のガスバリア性樹脂組成物を利用してなる接着補助剤(アンカーコート剤)。
11. 第1項〜第7項のいずれかに記載のガスバリア性樹脂組成物を利用してなるガスバリアコート剤。
12. 第9項記載のラミネート用接着剤を使用して作製したラミネートフィルム。
13. 第10項記載の接着補助剤(アンカーコート剤)を使用し、押出しラミネート法により作製したラミネートフィルム。
14. 第11項記載のガスバリアコート剤を使用して作製したコートフィルム。
該樹脂組成物から得られる塗料は、食品や医薬品などの包装材料用途に使用されているポリオレフィンやポリエステル、ポリアミドなどのプラスチックフィルム、あるいはプラスチック容器など、加熱条件に制約のある被塗材料へ塗布される。該樹脂組成物から得られる接着剤は、包装材料用ラミネートフィルムに使用される。
具体的にはメタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、パラアミノフェノールから誘導されたグリシジルアミノ基および/またはグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールAから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールFから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、フェノールノボラックから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、レゾルシノールから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂などが使用できるが、中でもメタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールFから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂およびレゾルシノールから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂が好ましい。
(A)メタキシリレンジアミンまたはパラキシリレンジアミン
(B)ポリアミンとの反応によりアミド基部位を形成しオリゴマーを形成し得る、少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物
(C)炭素数1〜8の一価カルボン酸および/またはその誘導体
溶融させるポリマー材料としては低密度ポリエチレン樹脂や直線状低密度ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂などのポリオレフィン系樹脂が好ましい。
<エポキシ樹脂硬化剤>
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下60℃に昇温し、0.93molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後120℃で1時間撹拌し、さらに、生成するメタノールを留去しながら3時間で180℃まで昇温した後、100℃まで冷却してエポキシ樹脂硬化剤を得た。
<硬化促進剤A>
反応容器に1kgのドデシルベンゼンスルホン酸(楠本化成(株)より入手しうる、NACURE―5076)、430gのメタノール、30gのヘキサメチレンテトラミンを仕込み、窒素気流下30℃にて1時間攪拌し、ドデシルベンゼンスルホン酸のアミン塩である硬化促進剤Aを得た。
<硬化促進剤B>
反応容器に1kgのドデシルベンゼンスルホン酸(楠本化成(株)より入手しうる、NACURE―5076)、710gのメタノール、210gの2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールを仕込み、窒素気流下30℃にて1時間攪拌し、ドデシルベンゼンスルホン酸のアミン塩である硬化促進剤Bを得た。
<硬化促進剤C>
反応容器に0.7kgのデシルベンゼンスルホン酸、730gのメタノール、30gのヘキサメチレンテトラミンを仕込み、窒素気流下30℃にて1時間攪拌し、デシルベンゼンスルホン酸のアミン塩である硬化促進剤Cを得た。
<ガスバリア性(酸素透過係数:ml・mm/m2・day・MPa)>
酸素透過率測定装置(モダンコントロール社製、OX−TRAN10/50A)を使用して、23℃、相対湿度60%の条件下でコートフィルムの酸素透過率を測定し、塗布層の酸素透過係数を以下の式を用いて計算した:
1/R = 1/Rn(n=1,2,..) + DFT/P
ここで、R = コートフィルムの酸素透過率(ml/m2・day・MPa)
Rn(n=1,2,..) = 各基材フィルムの酸素透過率(ml/m2・day・MPa)
DFT= 塗布層の厚み(mm)
P = 塗布層の酸素透過係数(ml・mm/m2・day・MPa)
硬化塗膜の硬化度合を確認するために、次のような試験を行った。
190℃で20秒乾燥させたコートフィルムの塗布層表面を、メタノールを含浸させた綿棒にて10往復擦った後の塗布層表面を目視で観察し、以下の基準で結果を判定した。
○:良好(変化なし)
×:不良(剥れ)
エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、硬化促進剤、溶剤を混合した溶液(塗料溶液)を25℃に保持した。ザーンカップNo.3にて粘度を30分毎に測定し、保持時間とザーンカップ粘度(秒)との関係を調べた。塗料溶液を調製してからザーンカップ粘度20秒に到達するまでの時間をポットライフとした。
硬化物3gを150gの蒸留水に浸漬し、40℃にて2日静置した。蒸留水の臭気を確認後、蒸留水を濃縮し、アルカリ滴定を行うことで、抽出量を算出した。臭気に関しては、臭気無し(○)、臭気あり(×)とした。
エポキシ樹脂硬化剤を60重量部、およびメタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂(三菱ガス化学(株)製:TETRAD−X)を30重量部配合し、これをメタノール/酢酸エチル=5/5(重量比)溶液に固形分濃度20wt%となるように溶解させ、そこに硬化促進剤Aを4.5重量部、シランカップリング剤(チッソ(株)製:サイラエースS―330)を4.5重量部、消泡剤(ビック・ケミー社製:BYK065)を0.05重量部加え、よく攪拌して塗布液を得た。この塗布液を厚み12μmの延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製:エステルフィルムE5100)にバーコーターNo.3を使用して塗布し(塗布量:固形分1g/m2)、190℃で20秒乾燥させてコートフィルムを得た。得られたコートフィルムの塗布層表面の硬化性とガスバリア性を評価した。結果を表1に示す。尚、塗布層(エポキシ樹脂硬化物)中の式(2)に示される骨格構造の含有量は59.5重量%である。
12μmの延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製:エステルフィルムE5100)の代わりにシリカ蒸着ポリエステルフィルム(三菱樹脂(株)製:テックバリアL)を用いた以外は実施例1と同様の方法でコートフィルムを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
12μmの延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製:エステルフィルムE5100)の代わりにアルミナ蒸着ポリエステルフィルム(東レフィルム加工(株)製:バリアロックス1011HG)を用いた以外は実施例1と同様の方法でコートフィルムを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
12μmの延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製:エステルフィルムE5100)の代わりにシリカ・アルミナ二元蒸着ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製:VE100)を用いた以外は実施例1と同様の方法でコートフィルムを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
硬化促進剤Aの代わりにである硬化促進剤Bを4.5重量部用いた以外は実施例1と同様の方法でコートフィルムを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
硬化促進剤Aの代わりに硬化促進剤Bを4.5重量部用いた以外は実施例3と同様の方法でコートフィルムを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
硬化促進剤Aの代わりにドデシルベンゼンスルホン酸(楠本化成(株)より入手しうる、NACURE―5076)を4.5重量部用いた以外は実施例3と同様の方法でコートフィルムを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
硬化促進剤Aの代わりに硬化促進剤Cを4.5重量部用いた以外は実施例3と同様の方法でコートフィルムを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
固形分濃度35wt%に調整した実施例1の塗布液を厚み40μmの無延伸ポリプロピレンフィルムの非コロナ処理面(東洋紡績(株)製:パイレンフィルムP1128)にバーコーターNo.8を使用して塗布し(塗布量:固形分4g/m2)、190℃で20秒乾燥させてコートフィルムを得た。硬化物をフィルムから剥がし、硬化物3gを150gの蒸留水に浸漬し、40℃の熱風乾燥機中に2日間静置した。蒸留水の臭気を確認後、その蒸留水を水酸化ナトリウム水溶液を用いて滴定を行い、硬化物1g当たりの抽出量を算出した。結果を表2に示す。
硬化促進剤Aの代わりにサリチル酸を4.5重量部用いた以外は実施例1と同様の方法でコートフィルムを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
硬化促進剤Aを加えない以外は実施例1と同様の方法でコートフィルムを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
硬化促進剤Aの代わりにコハク酸を4.5重量部用いた以外は実施例1と同様の方法でコートフィルムを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
硬化促進剤Aの代わりにコハク酸を4.5重量部用いた以外は実施例9と同様の方法で評価を行った。結果を表2に示す。
Claims (14)
- 前記硬化促進剤が、前記樹脂組成物中に0.1〜10重量%含有される請求項1記載のガスバリア性樹脂組成物。
- 前記硬化促進剤が、ドデシルベンゼンスルホン酸またはそのアミン塩である請求項1記載のガスバリア性樹脂組成物。
- 前記エポキシ樹脂が、メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、パラアミノフェノールから誘導されたグリシジルアミノ基および/またはグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールAから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールFから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、フェノールノボラックから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、レゾルシノールから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1つである請求項1記載のガスバリア性樹脂組成物。
- 前記エポキシ樹脂が、メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂および/またはビスフェノールFから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂を主成分とするものである請求項1記載のガスバリア性樹脂組成物。
- 前記エポキシ樹脂が、メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂を主成分とするものである請求項1記載のガスバリア性樹脂組成物。
- 前記エポキシ樹脂硬化剤が、下記の(A)および(B)の反応生成物、または(A)、(B)および(C)の反応生成物である請求項1記載のガスバリア性樹脂組成物。
(A)メタキシリレンジアミンまたはパラキシリレンジアミン
(B)ポリアミンとの反応によりアミド基部位を形成しオリゴマーを形成し得る、少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物
(C)炭素数1〜8の一価カルボン酸および/またはその誘導体 - 請求項1〜7のいずれかに記載のガスバリア性樹脂組成物を利用してなる塗料。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のガスバリア性樹脂組成物を利用してなるラミネート用接着剤。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のガスバリア性樹脂組成物を利用してなる接着補助剤(アンカーコート剤)。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のガスバリア性樹脂組成物を利用してなるガスバリアコート剤。
- 請求項9記載のラミネート用接着剤を使用して作製したラミネートフィルム。
- 請求項10記載の接着補助剤(アンカーコート剤)を使用し、押出しラミネート法により作製したラミネートフィルム。
- 請求項11記載のガスバリアコート剤を使用して作製したコートフィルム。
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