JPH09194574A - エポキシ樹脂用硬化剤組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂用硬化剤組成物

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JPH09194574A
JPH09194574A JP960796A JP960796A JPH09194574A JP H09194574 A JPH09194574 A JP H09194574A JP 960796 A JP960796 A JP 960796A JP 960796 A JP960796 A JP 960796A JP H09194574 A JPH09194574 A JP H09194574A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、耐水性、耐薬品性等に優れるばかり
でなく、硬化性に優れたエポキシ樹脂用硬化剤組成物を
提供すること。 【解決手段】 本発明のエポキシ樹脂用硬化剤組成物
は、(A)1分子中に2個以上の一級アミノ基を有する
有機ポリアミン化合物の少なくとも一種と、(B)1分
子中に3個以上のカルボキシル基を有するポリカルボン
酸またはそのアミド形成性誘導体の少なくとも一種と
を、該(A)成分の一級アミノ基1個に対し該(B)成
分を構成するカルボキシル基が0.02〜0.3個とな
る比率で反応させたポリアミノアミド化合物を有効成分
として含有するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシ樹脂、特
に、塗料、接着剤等として用いられるエポキシ樹脂を硬
化させるために用いられる硬化剤に関し、詳しくは、三
価以上のポリカルボン酸でアミド化されたポリアミノア
ミド化合物を有効成分として含有するエポキシ樹脂用硬
化剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】エポキ
シ樹脂は、各種基材への接着性に優れており、また、エ
ポキシ樹脂を硬化剤で硬化させた硬化物は、耐熱性、耐
薬品性、電気特性、機械特性などに比較的優れているた
め、広い産業分野、特に、塗料あるいは接着剤の分野で
賞用されている。
【0003】エポキシ樹脂を硬化させるために用いられ
る硬化剤として、有機アミン化合物および/または該有
機アミン化合物にアミド化、イミド化、エポキシ付加、
マンニッヒ化あるいはミカエル付加などの変成処理を施
した変成アミン化合物を用いることは周知である。そし
て、この変成処理の種類および変成の比率を変化させる
ことによって硬化速度や硬化物の特性を変化させること
が可能でなので、これらの変成処理を適宜調節すること
によって目的に応じた硬化剤を得ることが検討されてい
る。
【0004】これらの変成処理の中でも、一価もしくは
多価のカルボン酸によるアミド化またはイミド化変成を
行った場合には耐熱性等の特性の比較的良好な硬化物を
得ることができるが、近年、エポキシ樹脂の用途が拡大
するにつれて、硬化剤に対する要求性能もより高度なも
のとなっており、特に、耐熱性、防食性、耐薬品性に優
れたものが要求されており、また、常温における硬化速
度の速いものが求められるようになってきた。
【0005】例えば、有機ポリアミン化合物を一塩基酸
または二塩基酸でアミド化変成したポリアミノアミド化
合物は、硬化性、耐水性、耐薬品性等が不十分であり、
実用上満足できるものではなかった。
【0006】また、特開昭61−166828号公報に
は、芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸無水物を
モル比1.2/1〜4/1の比率で反応させて得られる
ポリアミノイミドが、高度の耐熱性を有する硬化物を与
えることの出来る硬化剤として提案されているが、この
ようなポリアミノイミドを用いた場合には、通常150
℃以上に加熱しなければ硬化しないため、常温では硬化
させることが必要な用途に用いることはできなかった。
【0007】従って、本発明の目的は、耐熱性、耐水
性、耐薬品性等に優れるばかりでなく、硬化性に優れた
エポキシ樹脂用硬化剤組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
を重ねた結果、有機ポリアミン化合物を、少量の三塩基
性以上のポリカルボン酸でアミド化した変成物を硬化剤
として用いることにより、上記目的を達成し得ることを
知見した。
【0009】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、(A)1分子中に2個以上の一級アミノ基を有する
有機ポリアミン化合物の少なくとも一種と、(B)1分
子中に3個以上のカルボキシル基を有するポリカルボン
酸またはそのアミド形成性誘導体の少なくとも一種と
を、該(A)成分の一級アミノ基1個に対し該(B)成
分を構成するカルボキシル基が0.02〜0.3個とな
る比率で反応させたポリアミノアミド化合物を有効成分
として含有するエポキシ樹脂用硬化剤組成物を提供する
ものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明のエポキシ樹脂用硬
化剤組成物について、詳細に説明する。
【0011】本発明に用いられる(A)成分である1分
子中に2個以上の一級アミノ基を有する有機ポリアミン
化合物は、本発明のエポキシ樹脂用硬化剤組成物の有効
成分であるポリアミノアミド化合物の原料として用いら
れるものである。該有機ポリアミン化合物としては、脂
肪族ポリアミン化合物、脂環族ポリアミン化合物、芳香
族ポリアミン化合物およびヘテロ環族ポリアミン化合物
があげられ、具体的には次に示すものが例示される。
【0012】上記脂肪族ポリアミン化合物としては、エ
チレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、1,3
−プロピレンジアミン、1,4−ブチレンジアミン、ヘ
キサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサ
メチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレ
ントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレ
ンペンタミン、ジプロピレントリアミン、ジメチルアミ
ノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミンなど
があげられる。
【0013】上記脂環族ポリアミン化合物としては、メ
ンセンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロ
ヘキサン、イソホロンジアミン、N−3−アミノプロピ
ルシクロヘキシルアミン、1,4−ジアミノシクロヘキ
サン、2,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(アミノ
シクロヘキシル)メタン、1,3−ビス(アミノシクロ
ヘキシルプロパン)、ビス(3−メチル−4−アミノシ
クロヘキシル)メタン、1,4−ビス(エチルアミノ)
シクロヘキサンなどがあげられる。
【0014】上記芳香族ポリアミン化合物としては、m
−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、4−
(1−アミノエチル)アニリン、メタフェニレンジアミ
ン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルス
ルホン、ビス(3−エチル−4−アミノ−5−メチルフ
ェニル)メタン、1,4−ビス(2−(3,5−ジメチ
ル−4−アミノフェニル)プロピル)ベンゼンなどがあ
げられる。
【0015】上記ヘテロ環族ポリアミン化合物として
は、N−アミノエチルピペラジン、3,9−ビス(3−
アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサス
ピロ〔5.5〕ウンデカンなどがあげられる。
【0016】本発明においては、上記有機ポリアミン化
合物の中でも、環状炭化水素基を有する脂環族ポリアミ
ン化合物または芳香族ポリアミン化合物、特に、キシリ
レンジアミンを用いた場合に、防食性、耐薬品性等に優
れる硬化物が得られるので、(a)成分である上記有機
ポリアミン化合物の一部または全部として環状炭化水素
基を有する有機ポリアミン化合物を用いることが好まし
い。
【0017】また、本発明に用いられる(B)成分であ
る1分子中に3個以上のカルボキシル基を有するポリカ
ルボン酸(以下、「三価以上のポリカルボン酸」という
こともある)またはそのアミド形成性誘導体は、上記
(A)成分である有機ポリアミン化合物をアミド化変成
して上記有効成分であるポリアミノアミド化合物を得る
ために用いられるものである。該三価以上のポリカルボ
ン酸としては、脂肪族、脂環族、芳香族または複素環式
ポリカルボン酸があげられ、具体的には、トリカルバリ
ル酸、クエン酸、1,2,3−ブタントリカルボン酸、
1,2,3−ブテントリカルボン酸、1,2,3,4−
ブタンテトラカルボン酸、トリメリット酸、トリメシン
酸、ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ビフェニル
テトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸などがあげられ、また、該ポリカル
ボン酸のアミド形成性誘導体としては、これらのポリカ
ルボン酸の酸無水物、酸ハライド等があげられる。特
に、1分子中に4個以上のカルボキシル基を有するポリ
カルボン酸もしくはそのアミド形成性誘導体および/ま
たは芳香族ポリカルボン酸もしくはそのアミド形成性誘
導体、とりわけ、ピロメリット酸またはそのアミド形成
性誘導体を用いた場合に、優れた特性の硬化物が得られ
るので好ましい。
【0018】上記(B)成分であるポリカルボン酸また
はそのアミド形成性誘導体の使用量は、上記(A)成分
である有機ポリアミン化合物の一級アミノ基1個に対
し、該(B)成分を構成するカルボキシル基が0.02
〜0.3個、好ましくは0.04〜0.2個となる量で
ある。該(B)成分の使用量が、該カルボキシル基が
0.02個未満となる量では、ポリカルボン酸による変
成を行った効果がほとんど認められなくなり、また、該
カルボキシル基が0.3個を超える量では、ゲル化して
使用が困難となったり、あるいはイミド化が進行してし
まい、エポキシ樹脂との相溶性を悪化させるばかりでな
く、硬化性を著しく低下させてしまう。
【0019】尚、これらのポリカルボン酸またはそのア
ミド形成性誘導体による変成を行う際に、カルボキシル
基の一部が未反応のままに残存したり、あるいは、イミ
ド化することが考えられるが、上記範囲の比率で反応さ
せた場合には、そのほとんどがアミド化されるので、未
反応のカルボキシル基および副生するイミド基による悪
影響は実質上無視できる程度でしかない。
【0020】また、本発明においては、前記(A)成分
である有機ポリアミン化合物を、少量(上記範囲の使用
量)の前記(B)成分である三価以上のポリカルボン酸
またはそのアミド形成性誘導体でアミド化変成すること
によって、耐水性、耐薬品性等の特性に優れた硬化物を
与えることのできる硬化剤が得られるが、硬化性を調整
したり硬化物の表面仕上がり等の他の特性を改善するた
め、該(B)成分である三価以上のポリカルボン酸また
はそのアミド形成性誘導体によるアミド化変成とともに
他の変成処理を施すことが好ましい。
【0021】上記の他の変成処理としては、一塩基酸お
よび二塩基酸によるアミド化変成、エポキシ付加変成、
マンニッヒ化変成並びにミカエル付加変成からなる群よ
り選択された少なくとも一種の変成処理があげられ、該
変成処理をさらに行なうことによって硬化性を調整し、
常温における速やかな硬化速度と実使用に耐えるポット
ライフを有するとともに、特性の更に優れた硬化物を得
ることができる。
【0022】上記一塩基酸および二塩基酸によるアミド
化変成に用いられる一塩基酸または二塩基酸としては、
例えば、オクチル酸、デカン酸、ミリスチン酸、パルミ
チン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リシ
ノール酸、ベヘニン酸、安息香酸、トルイル酸、シクロ
ヘキサンカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、イソフ
タル酸、テレフタル酸、フタル酸、テトラヒドロフタル
酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル
酸などの脂肪族、脂環族または芳香族カルボン酸があげ
られる。
【0023】また、上記エポキシ付加変成に用いられる
エポキシ化合物としては、分子中に1個または平均1個
より多くのエポキシ基を有する化合物を特に制限を受け
ずに使用することができる。
【0024】ここで、上記の分子中に1個のエポキシ基
を有する化合物としては、例えば、オクテンオキサイ
ド、ドデカンオキサイド、スチレンオキサイド、ブチル
グリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ネ
オデカン酸グリシジルエステルなどがあげられる。
【0025】また、上記の分子中に平均1個より多くの
エポキシ基を有する化合物としては、例えば、レゾルシ
ノール、ハイドロキノン、ピロカテコール、フロログル
シノール、ジヒドロキシナフタレン、ビフェノール、メ
チレンビスフェノール(ビスフェノールF)、メチレン
ビス(オルソクレゾール)、エチリデンビスフェノー
ル、イソプロピリデンビスフェノール(ビスフェノール
A)、イソプロピリデンビス(オルソクレゾール)、テ
トラブロモビスフェノールA、ビス(ヒドロキシフェニ
ル)フェニルメタン、ビス(ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキシルメタン、シククロヘキシリデンビスフェノー
ル、チオビスフェノール、スルホビスフェノール(ビス
フェノールS)、オキシビスフェノール、1,3−ビス
(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、1,4−ビス(4
−ヒドロキシクミル)ベンゼン、フェノール−ホルムア
ルデヒド縮合物等の単核または多核多価フェノール類の
ポリグリシジルエーテル;エチレングリコール、プロピ
レングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオー
ル、ポリグリコール、チオジグリコール、グリセリン、
トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソル
ビトール、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物
等の多価アルコール類のグリシジルエーテル;マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸、グルタル酸、ス
ベリン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダ
イマー酸、トリマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレ
フタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリッ
ト酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、
エンドメチレンテトラヒドロフタル酸等の脂肪族、芳香
族または脂環族多塩基酸のグリシジルエステル類;グリ
シジルメタクリレートの単独重合体または共重合体;エ
ポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化サフ
ラワー油、エポキシ化トール油等のエポキシ化天然油
脂;ビニルシクロヘキセンジエポキシド、ジシクロペン
タジエンジエポキサイド、3,4−エポキシシクロヘキ
シルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキ
シレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシ
ルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサ
ンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メ
チルシクロヘキシルメチル)アジペート等の環状オレフ
ィン化合物のエポキシ化物;エポキシ化ポリブタジエ
ン、エポキシ化スチレン−ブタジエン共重合物等のエポ
キシ化共役ジエン重合体;トリグリシジルイソシアヌレ
ート等の複素環化合物などがあげられる。
【0026】また、上記マンニッヒ化変成は、フェノー
ル化合物およびホルムアルデヒドを有機ポリアミン化合
物と反応させてマンニッヒベース化するものであり、該
マンニッヒ化変成に使用できるフェノール化合物として
は、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、
エチルフェノール、ブチルフェノール、ノニルフェノー
ル、ビスフェノールAなどのフェノール性水酸基のオル
ソ位および/またはパラ位の少なくとも一か所が非置換
のフェノール化合物を使用することができる。
【0027】また、上記ミカエル付加変成は、オレフィ
ン化合物を、前記有機ポリアミン化合物又は前記ポリア
ミノアミド化合物に付加させるものであり、該ミカエル
付加変成に使用できるオレフィン化合物としては、アク
リロニトリル、(メタ)アクリル酸メチルなどの従来既
知の化合物を用いることができる。
【0028】上記の他の変成処理の中でも、一塩基酸ま
たは二塩基酸によるアミド化変成を行った場合に、特に
優れた効果が奏されるので好ましい。また、これらの変
成処理を二種以上組み合わせて行う場合には、該一塩基
酸または二塩基酸によるアミド化変成とエポキシ付加変
成の組み合わせ等の一塩基酸または二塩基酸によるアミ
ド化変成を含む変成処理を行うことが好ましい。
【0029】上記の他の変成処理を行う時期は特に制限
を受けず、前記(B)成分によるアミド化変成に先立っ
て予め該他の変成処理を行うこと、前記(B)成分によ
るアミド化変成と同時に該他の変成処理を行うこと、あ
るいは前記(B)成分によるアミド化変成の後に該他の
変成処理を行うこともできる。
【0030】上記の他の変成処理は、前記(A)成分で
ある有機ポリアミン化合物の一級アミノ基又は前記ポリ
アミノアミド化合物の一級アミノ基1個に対し、該他の
変成処理に係る基が0.02〜0.5個となる比率で行
うことが好ましく、特に、前記(B)成分によるアミド
化変成と合わせて、該有機ポリアミン化合物の一級アミ
ノ基1個に対し、変成処理に係る基が0.04〜0.8
個、とりわけ、0.1〜0.5個となる比率で行うこと
が好ましい。これらの変成処理が、上記範囲の下限未満
となる比率で行なわれると、ポットライフが短く、ま
た、上記範囲の上限を超える比率で行われると、硬化速
度が不十分となるばかりでなく、活性水素当量が大きく
なるので硬化剤を多量に使用しなければならなくなる。
【0031】また、本発明のエポキシ樹脂用硬化剤組成
物は、粘度を低下させる等の目的で溶剤を加えることも
可能であり、あるいは、使用目的に応じて界面活性剤を
加えて水に分散させて、水系硬化剤組成物とすることも
できる。さらに、フェノール化合物、アルコール化合物
等の周知の反応促進剤を加えたり、他の硬化剤と組み合
わせて使用することもできる。
【0032】本発明のエポキシ樹脂用硬化剤組成物によ
って硬化されるエポキシ樹脂は、通常用いられる分子内
に平均1個より多くのエポキシ基を有する化合物であれ
ば、その構造等に特に制限を受けることはなく、前記エ
ポキシ付加変成に用いられる分子内に平均1個より多く
のエポキシ基を有する化合物をそのまま用いることがで
きる。
【0033】上記エポキシ樹脂は、単独でまたは二種以
上を混合して用いることができ、また、必要に応じて溶
剤、モノエポキシ化合物等を加えることもできる。さら
に、該エポキシ樹脂は、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテル化合物等の界面活性剤を用いて予め乳化
した、いわゆる乳化エポキシ樹脂であってもよい。
【0034】本発明のエポキシ樹脂用硬化剤組成物は、
上記エポキシ樹脂が有するエポキシ基1個に対して、該
硬化剤組成物中の前記有効成分が有する活性水素基が好
ましくは0.7〜1.5個、更に好ましくは0.8〜
1.2個となるように使用される。本発明のエポキシ樹
脂用硬化剤組成物の使用量が上記範囲の下限未満の場合
は、硬化速度が著しく不十分となり、また、上記範囲の
上限を超える場合は、無駄であるばかりでなく、硬化物
の特性を低下させるおそれがある。
【0035】本発明のエポキシ樹脂用硬化剤組成物は、
上記エポキシ樹脂および必要に応じて用いられる反応性
希釈剤、非反応性希釈剤、充填剤、補強剤、顔料、染
料、溶媒、可塑剤、均染剤、チキソトロピー剤、難燃
剤、離型剤等の常用の添加剤とともに、溶剤タイプ、無
溶剤タイプまたは水性タイプの硬化性組成物として使用
される。
【0036】上記硬化性組成物は、適当な方法、例え
ば、刷毛塗り、ローラー、スプレー、ヘラ付け、プレス
塗装、ドクターブレード塗り、静電塗装、電着塗装、浸
漬塗装などの方法によって基体に塗布することによっ
て、下塗りまたは中塗り塗料、充填剤、シール材、保護
塗料、被膜材、シーリング材、モルタル、コーティング
材などとして用いられ、特に、低温を含む常温硬化性が
良好であり、また、実用上十分なポットライフを有し、
さらに、防食性、耐薬品性、耐水性および密着性に優れ
た硬化物を与えることから、例えば、溶剤タイプまたは
無溶剤タイプとして陸上および海上構築物および船舶の
防食用の重防食塗料あるいは自動車等の構造用接着剤、
建材関連の鉄、アルミニウム、ステンレス等の金属用の
接着剤、水性タイプとして陸上構築物、特に、危険物の
取扱いが問題となる密閉個所あるいはマンションなどの
防食塗料に使用するのに適している。
【0037】
【実施例】以下、製造例および使用例をもって本発明を
更に詳細に説明するが、本発明は以下の製造例および使
用例によって制限を受けるものではない。尚、以下の製
造例において、「エポキシ当量」とはエポキシ基1個当
たりのエポキシ化合物(樹脂)の分子量を表し、「活性
水素当量」とはアミンの水素原子1個当たりのアミン化
合物の分子量を表すもので、溶媒を用いた場合は溶媒を
含めた見かけの分子量を表すものである。また、各例
中、「部」は「重量部」を意味する。
【0038】製造例1 温度計、攪拌機および冷却管を備えたガラス製フラスコ
に、メタキシリレンジアミン544部、ピロメリット酸
無水物21.8部〔アミノ基1個に対してカルボキシル
基が0.05個となる比率(この場合のカルボキシル基
とは、酸無水物を構成するカルボキシル基を表す、以下
同じ)〕および触媒としてパラトルエンスルホン酸1.
9部をとり、加熱して均一に溶解した後、留出水を除去
しながら240℃で5時間攪拌して、生成物を得た。得
られた生成物の粘度は800cps(25℃)であり、
また、生成物の赤外分光分析の結果、酸無水物による吸
収が消失し、1660cm-1にアミド結合に由来する吸収
が発現し、またイミド結合に由来する1700cm-1近辺
の吸収が認められないことからアミド化された縮合物で
あることを確認した。この生成物を硬化剤1(活性水素
当量=36)とした。
【0039】製造例2 温度計、攪拌機および冷却管を備えたガラス製フラスコ
に、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン56
8部、ピロメリット酸無水物43.6部(アミノ基1個
に対してカルボキシル基が0.1個となる比率)、メチ
ルテトラヒドロフタル酸無水物33.2部(アミノ基1
個に対してカルボキシル基が0.05個となる比率)お
よび触媒としてパラトルエンスルホン酸1.9部をと
り、加熱して均一に溶解した後、留出水を除去しながら
240℃で5時間攪拌して、生成物を得た。得られた生
成物の粘度は1600cps(25℃)であり、また、
生成物の赤外分光分析の結果、酸無水物による吸収が消
失し、アミド結合に由来する吸収が発現し、またイミド
結合に由来する吸収が認められないことからアミド化さ
れた縮合物であることを確認した。この生成物を硬化剤
2(活性水素当量=48)とした。
【0040】製造例3 温度計、攪拌機および冷却管を備えたガラス製フラスコ
に、メタキシリレンジアミン544部およびビスフェノ
ールA−ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(エポキ
シ当量190)76部(アミノ基1個に対してエポキシ
基が0.05個となる比率)を加え、80℃で5時間攪
拌して反応させてエポキシ付加変成を行った。次いで、
ピロメリット酸無水物21.8部(アミノ基1個に対し
てカルボキシル基が0.05個となる比率)、メチルテ
トラヒドロフタル酸無水物33.2部(アミノ基1個に
対してカルボキシル基が0.05個となる比率)および
触媒としてパラトルエンスルホン酸1.9部をとり、2
00℃まで昇温して均一に溶解し、留出水を除去しなが
ら240℃で5時間攪拌して、生成物を得た。得られた
生成物の赤外分光分析の結果、酸無水物による吸収が消
失し、アミド結合に由来する吸収が発現し、またイミド
結合に由来する吸収が認められないことからアミド化さ
れた縮合物であることを確認した。この生成物に、硬化
促進剤であるフェノール74部を加え、粘度3200c
ps(25℃)の硬化剤3(活性水素当量=52)を得
た。
【0041】製造例4 温度計、攪拌機および冷却管を備えたガラス製フラスコ
に、メタキシリレンジアミン544部およびビスフェノ
ールA−ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(エポキ
シ当量190)76部(アミノ基1個に対してエポキシ
基が0.05個となる比率)を加え、80℃で5時間攪
拌して反応させてエポキシ付加変成を行った。次いで、
ピロメリット酸無水物21.8部(アミノ基1個に対し
てカルボキシル基が0.05個となる比率)、イソフタ
ル酸33.2部(アミノ基1個に対してカルボキシル基
が0.05個となる比率)および触媒としてパラトルエ
ンスルホン酸1.9部をとり、200℃まで昇温して均
一に溶解し、留出水を除去しながら240℃で5時間攪
拌して、生成物を得た。得られた生成物の赤外分光分析
の結果、酸無水物による吸収が消失し、アミド結合に由
来する吸収が発現し、またイミド結合に由来する吸収が
認められないことからアミド化された縮合物であること
を確認した。この生成物に、硬化促進剤であるフェノー
ル74部を加え、粘度3200cps(25℃)の硬化
剤4(活性水素当量=52)を得た。
【0042】製造例5 温度計、攪拌機および冷却管を備えたガラス製フラスコ
に、メタキシリレンジアミン544部、ビスフェノール
A−ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(エポキシ当
量190)38部(アミノ基1個に対してエポキシ基が
0.025個となる比率)およびブチルグリシジルエー
テル26部(アミノ基1個に対してエポキシ基が0.0
25個となる比率)を加え、80℃で5時間攪拌して反
応させてエポキシ付加変成を行った。次いで、ピロメリ
ット酸無水物21.8部(アミノ基1個に対してカルボ
キシル基が0.05個となる比率)、イソフタル酸3
3.2部(アミノ基1個に対してカルボキシル基が0.
05個となる比率)および触媒としてパラトルエンスル
ホン酸1.9部をとり、200℃まで昇温して均一に溶
解し、留出水を除去しながら240℃で5時間攪拌し
て、生成物を得た。得られた生成物の赤外分光分析の結
果、酸無水物による吸収が消失し、アミド結合に由来す
る吸収が発現し、またイミド結合に由来する吸収が認め
られないことからアミド化された縮合物であることを確
認した。この生成物にフェノール74部を加え、37%
ホルマリン32.4部を徐々に滴下して120℃で2時
間脱水しながら攪拌し、マンニッヒ化変成(アミノ基1
個に対してマンニッヒベース化が0.05個となる比
率)を行った。このマンニッヒ化変成した生成物にトル
エン100部およびイソプロパノール100部を加えて
粘度を400cps(25℃)に調整し、硬化剤5(活
性水素当量=69)とした。
【0043】製造例6 温度計、攪拌機および冷却管を備えたガラス製フラスコ
に、メタキシリレンジアミン544部、ピロメリット酸
無水物78.5部(アミノ基1個に対してカルボキシル
基が0.18個となる比率)、イソフタル酸33.2部
(アミノ基1個に対してカルボキシル基が0.05個と
なる比率)および触媒としてパラトルエンスルホン酸
1.9部をとり、200℃まで昇温して均一に溶解し、
留出水を除去しながら240℃で5時間攪拌して、生成
物を得た。得られた生成物の赤外分光分析の結果、酸無
水物による吸収が消失し、アミド結合に由来する吸収が
発現し、またイミド結合に由来する吸収が認められない
ことからアミド化された縮合物であることを確認した。
次いで、ビスフェノールA−ジグリシジルエーテル型エ
ポキシ樹脂(エポキシ当量190)76部(アミノ基1
個に対してエポキシ基が0.05個となる比率)を加
え、80℃で5時間攪拌して反応させてエポキシ付加変
成を行い、粘度5100cps(25℃)の生成物を得
た。この生成物を硬化剤6(活性水素当量=66)とし
た。
【0044】製造例7 温度計、攪拌機および冷却管を備えたガラス製フラスコ
に、メタキシリレンジアミン408部、イソフォロンジ
アミン170部、ピロメリット酸無水物21.8部(ア
ミノ基1個に対してカルボキシル基が0.05個となる
比率)、イソフタル酸33.2部(アミノ基1個に対し
てカルボキシル基が0.05個となる比率)および触媒
としてパラトルエンスルホン酸1.9部をとり、200
℃まで昇温して均一に溶解し、留出水を除去しながら2
40℃で5時間攪拌して、生成物を得た。得られた生成
物の赤外分光分析の結果、酸無水物による吸収が消失
し、アミド結合に由来する吸収が発現し、またイミド結
合に由来する吸収が認められないことからアミド化され
た縮合物であることを確認した。次いで、クレジルグリ
シジルエーテル72部(アミノ基1個に対してエポキシ
基が0.05個となる比率)を加え、80℃で5時間攪
拌して反応させてエポキシ付加変成を行った。ここにキ
シレン樹脂78部を加え、粘度700cps(25℃)
の硬化剤7(活性水素当量=55)を得た。
【0045】製造例8 温度計、攪拌機および冷却管を備えたガラス製フラスコ
に、メタキシリレンジアミン408部、トリエチレンテ
トラミン146部、ピロメリット酸無水物21.8部
(一級アミノ基1個に対してカルボキシル基が0.05
個となる比率)、イソフタル酸33.2部(アミノ基1
個に対してカルボキシル基が0.05個となる比率)お
よび触媒としてパラトルエンスルホン酸1.9部をと
り、200℃まで昇温して均一に溶解し、留出水を除去
しながら240℃で5時間攪拌して、生成物を得た。得
られた生成物の赤外分光分析の結果、酸無水物による吸
収が消失し、アミド結合に由来する吸収が発現し、また
イミド結合に由来する吸収が認められないことからアミ
ド化された縮合物であることを確認した。次いで、クレ
ジルグリシジルエーテル72部(アミノ基1個に対して
エポキシ基が0.05個となる比率)を加え、80℃で
5時間攪拌して反応させてエポキシ付加変成を行った。
ここにキシレン樹脂75部を加え、粘度650cps
(25℃)の硬化剤8(活性水素当量=47)を得た。
【0046】製造例9 温度計、攪拌機および冷却管を備えたガラス製フラスコ
に、メタキシリレンジアミン544部、1,2,3,4
−ブタンテトラカルボン酸23.4部(アミノ基1個に
対してカルボキシル基が0.05個となる比率)、メチ
ルテトラヒドロフタル酸無水物33.2部(アミノ基1
個に対してカルボキシル基が0.05個となる比率)お
よび触媒としてパラトルエンスルホン酸1.9部をと
り、200℃まで昇温して均一に溶解し、留出水を除去
しながら240℃で5時間攪拌して、生成物を得た。得
られた生成物の赤外分光分析の結果、酸無水物による吸
収が消失し、アミド結合に由来する吸収が発現し、また
イミド結合に由来する吸収が認められないことからアミ
ド化された縮合物であることを確認した。次いで、ビス
フェノールA−ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂
(エポキシ当量190)76部(アミノ基1個に対して
エポキシ基が0.05個となる比率)を加え、80℃で
5時間攪拌して反応させてエポキシ付加変成を行った。
このエポキシ付加変成した生成物に、硬化促進剤である
フェノール74部を加え、粘度2800cps(25
℃)の硬化剤9(活性水素当量=52)を得た。
【0047】比較製造例1 温度計、攪拌機および冷却管を備えたガラス製フラスコ
に、メタキシリレンジアミン544部、ピロメリット酸
無水物218部(アミノ基1個に対してカルボキシル基
が0.5個となる比率)および触媒としてパラトルエン
スルホン酸1.9部をとり、加熱して均一に溶解した
後、留出水を除去しながら240℃で5時間攪拌して、
生成物を得た。得られた生成物の赤外分光分析の結果、
酸無水物による吸収が消失し、1660cm-1にアミド結
合に由来する吸収が、また、1700cm-1にイミド結合
に由来する吸収が発現していることからアミド−イミド
化された縮合物であることを確認した。この室温で半固
形の生成物を硬化剤10(活性水素当量=91)とし
た。
【0048】比較製造例2 温度計、攪拌機および冷却管を備えたガラス製フラスコ
に、メタキシリレンジアミン544部、メチルテトラヒ
ドロフタル酸無水物66.4部(アミノ基1個に対して
カルボキシル基が0.1個となる比率)および触媒とし
てパラトルエンスルホン酸1.9部をとり、200℃ま
で昇温して均一に溶解し、留出水を除去しながら240
℃で5時間攪拌して、生成物を得た。得られた生成物の
赤外分光分析の結果、酸無水物による吸収が消失し、ア
ミド結合に由来する吸収が発現し、またイミド結合に由
来する吸収が認められないことからアミド化された縮合
物であることを確認した。次いで、ビスフェノールAジ
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂(エポキシ当量19
0)76部(アミノ基1個に対してエポキシ基が0.0
5個となる比率)を加え、80℃で5時間攪拌して反応
させてエポキシ付加変成を行った。このエポキシ付加変
成した生成物に、硬化促進剤であるフェノール76部を
加え、粘度500cps(25℃)の硬化剤11(活性
水素当量=51)とした。
【0049】使用例1(塗料としての使用例) エポキシ当量190のビスフェノールAジグリシジルエ
ーテル型エポキシ樹脂190重量部に、エポキシ当量と
活性水素当量とが等しくなるように下記〔表1〕の配合
量の各硬化剤組成物を配合して硬化性組成物を調製し
た。この際、エポキシ樹脂と硬化剤組成物との相溶性を
目視により下記(1)の基準に従って判定した。次に、
#280のサンドペーパーで研磨した軟鋼板に、乾燥膜
厚100μとなるように硬化性組成物を塗布した後、室
温で1週間硬化させて試験片とした。この試験片を用
い、JIS K5400に準じて下記(2)〜(4)の
試験をそれぞれの基準に従って行い、また、塗布24時
間後のタッキングの有無を指触により判定した。それら
の結果を下記〔表1〕に示す。
【0050】(1)相溶性:エポキシ樹脂と硬化剤を室
温で混合したときの状態を観察した。 ○:均一に溶解。 ×:濁りあり。 (2)塩水噴霧試験(SST):500時間および10
00時間後の表面状態を観察した。 ○:初期と同じで異常なし。 △:点錆発生。 ×:全面発錆。
【0051】(3)熱水浸漬試験:沸騰水中に3日間浸
漬後の表面状態を観察した。 ○:初期と同じで異常なし。 △:褪色が認められる。 ×:膨れまたは剥がれが発生。 (4)メタノール浸漬試験:25℃で7日間浸漬後の表
面状態を観察した。 ○:初期と同じで異常なし。 △:軟化が認められる。 ×:膨潤または割れが発生。
【0052】
【表1】
【0053】上記〔表1〕の結果から、以下のことが明
らかである。少量の多塩基酸〔前記特定量の前記(B)
成分〕でアミド化されたポリアミノアミド化合物を有効
成分とする本発明のエポキシ樹脂用硬化剤組成物(実施
例;硬化剤1〜9)を用いた硬化性組成物は、長期間に
渡って優れた防食効果を示し、また、耐熱性、耐水性、
耐薬品性に優れているばかりでなく、硬化性も良好であ
り、塗布後短時間でタッキングが認められなくなる。
【0054】これに対し、多量の多塩基酸でアミド化し
ようとした場合には、イミド化も同時に進行し、このよ
うなポリアミノアミド−イミド化合物を有効成分とする
硬化剤組成物(比較例;硬化剤10)を用いた硬化性組
成物は、エポキシ樹脂との相溶性および硬化性が劣り、
また、防食性、耐熱性、耐水性、耐薬品性についても不
十分であり、また、二塩基酸でアミド化したポリアミノ
アミド化合物を有効成分とする硬化剤組成物(比較例;
硬化剤11)を用いた硬化性組成物は、エポキシ樹脂と
の相溶性および硬化性は良好なものの、防食性、耐熱
性、耐水性、耐薬品性に著しく劣り、過酷な条件下で使
用される場合には不十分である。
【0055】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂用硬化剤組成物
は、エポキシ樹脂との相溶性に優れ、また、常温におけ
る硬化性に優れるばかりでなく、防食性、耐熱性、耐水
性、耐薬品性に優れた被膜を形成させることができるも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 学 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)1分子中に2個以上の一級アミノ
    基を有する有機ポリアミン化合物の少なくとも一種と、
    (B)1分子中に3個以上のカルボキシル基を有するポ
    リカルボン酸またはそのアミド形成性誘導体の少なくと
    も一種とを、該(A)成分の一級アミノ基1個に対し該
    (B)成分を構成するカルボキシル基が0.02〜0.
    3個となる比率で反応させたポリアミノアミド化合物を
    有効成分として含有するエポキシ樹脂用硬化剤組成物。
  2. 【請求項2】 上記有機ポリアミン化合物の一級アミノ
    基又は上記ポリアミノアミド化合物の一級アミノ基が、
    一塩基酸および二塩基酸によるアミド化変成、エポキシ
    付加変成、マンニッヒ化変成並びにミカエル付加変成か
    らなる群より選択された少なくとも一種の変成処理によ
    って変成されている請求項1記載のエポキシ樹脂用硬化
    剤組成物。
  3. 【請求項3】 上記変成処理が、上記有機ポリアミン化
    合物の一級アミノ基又は上記ポリアミノアミド化合物の
    一級アミノ基1個に対し該変成処理に係る基が0.02
    〜0.5個となる比率で行われる請求項2記載のエポキ
    シ樹脂用硬化剤組成物。
  4. 【請求項4】 上記(A)成分として、キシリレンジア
    ミンを用いた請求項1〜3の何れかに記載のエポキシ樹
    脂用硬化剤組成物。
  5. 【請求項5】 上記(B)成分として、芳香族ポリカル
    ボン酸またはそのアミド形成性誘導体を用いた請求項1
    〜4の何れかに記載のエポキシ樹脂用硬化剤組成物。
  6. 【請求項6】 上記芳香族ポリカルボン酸またはそのア
    ミド形成性誘導体として、ピロメリット酸またはそのア
    ミド形成性誘導体を用いた請求項5記載のエポキシ樹脂
    用硬化剤組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007023254A (ja) * 2005-06-14 2007-02-01 Fujifilm Corp 硬化促進剤、熱硬化性樹脂組成物、感光性組成物及び感光性フィルム、並びに、永久パターン及びその形成方法
JP2007106886A (ja) * 2005-10-13 2007-04-26 Fujifilm Corp 硬化促進剤、熱硬化性樹脂組成物、感光性組成物及び感光性フィルム、並びに、永久パターン及びその形成方法
JP2010202753A (ja) * 2009-03-03 2010-09-16 Mitsubishi Gas Chemical Co Inc ガスバリア性樹脂組成物、塗料および接着剤
CN104744989A (zh) * 2015-04-19 2015-07-01 黄山华惠科技有限公司 环氧树脂粉末涂料用消光固化剂及其制备方法和粉末涂料组合物

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