JP2010202698A - 半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明による半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法は、少なくとも2種の繰り返し単位を含む半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法であって、前記共重合体を含水率が350ppm〜10質量%である溶液として保持する工程を有するものである。
【選択図】なし
Description
本発明の好ましい態様によれば、共重合体は、酸によりアルカリ可溶性になる繰り返し単位(A)、極性基含有脂環基を有する繰り返し単位(B)、および極性基を有する繰り返し単位(C)からなる群から選択される少なくとも2種の繰り返し単位を含むものである。
本発明の好ましい態様によれば、酸によりアルカリ可溶性になる繰り返し単位(A)としては、アルカリ可溶性置換基を含有する繰返し単位に、酸解離性保護基が結合したもの、アルカリ可溶性置換基を含有する繰返し単位を、酸解離性保護基で修飾したものなどを挙げることができ、具体的には、好ましくは、極性基非含有の酸解離性保護基で保護されたフェノール性ヒドロキシ基、カルボキシル基、およびヒドロキシフルオロアルキル基を有する繰り返し単位などを挙げることができる。
本発明の好ましい態様によれば、極性基含有脂環基を有する繰り返し単位(B)は、耐エッチング性を向上させるとともに、半導体基板に対する密着性を高めるためのものであり、例えば、極性基含有脂環基としては、ヒドロキシ基、カルボキシル基、およびシアノ基等の極性基を含有する脂環式炭化水素基を挙げることができる。好ましくは、繰り返し単位(B)は、ヒドロキシ基により置換された有橋脂環基を有する繰り返し単位である。ただし、繰り返し単位(B)には、上記繰り返し単位(A)は含まれないものとする。なお、下記でも述べるが、化学修飾反応によって繰り返し単位(B)を繰り返し単位(A)に変換してもよい。
繰り返し単位(C)
本発明の好ましい態様によれば、極性基を有する繰り返し単位(C)は、アルカリ溶解性を制御するとともに、基板密着性を向上させるためのものであり、好ましくは、極性基として、フェノール性ヒドロキシ基、カルボキシル基、およびヒドロキシフルオロアルキル基からなる群から選択される少なくとも1種を有するものである。ただし、繰り返し単位(C)には、上記繰り返し単位(A)および(B)は含まれないものとする。
本発明の好ましい態様によれば、共重合体は、公知の末端構造を含む。通常、ラジカル重合開始剤から発生するラジカル構造を重合開始末端として含む。連鎖移動剤を用いる場合は、連鎖移動剤から発生するラジカル構造を重合開始末端として含む。溶媒や単量体等に連鎖移動する場合は、溶媒や単量体から発生するラジカル構造を重合開始末端として含む。停止反応が再結合停止の場合は両末端に重合開始末端を含むことができ、不均化停止の場合は片方に重合開始末端を、もう片方に単量体由来の末端構造を含むことができる。重合停止剤を用いる場合は、一方の末端に重合開始末端を、もう片方の末端に重合停止剤由来の末端構造を含むことができる。これらの開始反応及び停止反応は、一つの重合反応の中で複数発生する場合があり、その場合、複数の末端構造を有する共重合体の混合物となる。本発明で用いることができる重合開始剤、連鎖移動剤、溶媒については後述する。
本発明の共重合体は、重量平均分子量(以下、「Mw」と言うことがある。)が高すぎるとレジスト溶剤やアルカリ現像液への溶解性が低くなり、一方、低すぎるとレジストの塗膜性能が悪くなることから、Mwは1,000〜100,000の範囲内であることが好ましく、1,500〜50,000の範囲内であることがより好ましく、2,000〜30,000の範囲内であることがさらにより好ましく、3,000〜20,000の範囲内であることが特に好ましい。又、分子量分布が広すぎたり狭すぎたりするとリソグラフィー工程において所望のパターン形状が得られないことがあるため、分散度(以下、「Mw/Mn」と言うことがある)は1.0〜5.0の範囲内であることが好ましく、1.0〜3.0の範囲内であることがより好ましい。
塗膜形成用溶媒は、リソグラフィー組成物を構成する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、塗膜形成用溶媒として公知のものの中から任意のものを1種の単独溶媒又は2種以上の混合溶媒として用いることができる。溶解性に優れるため、ケトン結合、エステル結合、エーテル結合、およびヒドロキシ基から選ばれる少なくとも1種以上の極性基を有する溶媒が好ましい。中でも常圧での沸点が110〜220℃の溶媒は、スピンコーティングの後のベークにおいて蒸発速度が適度であり、製膜性に優れるため、特に好ましい。このような溶媒の具体例として、メチルイソブチルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン結合を有する溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル結合とヒドロキシ基を有する溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル等のエーテル結合とエステル結合を有する溶媒、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)等のエステル結合とヒドロキシ基を有する溶媒、γ−ブチロラクトン等のエステル結合を有する溶媒等を挙げることができる。特に好ましくは、PGMEAを含む溶媒である。
リソグラフィー用共重合体溶液は、上記の共重合体および塗膜形成用溶媒を含んでなる。また、リソグラフィー組成物として使用するために必要な添加剤を含んでも良い。
本発明の製造方法は、少なくとも2種の繰り返し単位を含む半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法であって、共重合体を含水率が350ppm以上、好ましくは400ppm以上、より好ましくは500ppm以上であり、10質量%以下、好ましくは7質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下である溶液として保持する工程を有するものである。また、好ましい態様によれば、共重合体の製造工程における重量平均分子量の変動幅は、好ましくは上下2%以内、より好ましくは上下1.5%以内、さらに好ましくは1%以内、さらにより好ましくは0.8%以内である。本発明の製造方法は、上記の繰り返し単位を与えることができる単量体、溶媒、重合開始剤、連鎖移動剤、およびその他添加剤等を用いて行うことができ、以下の工程を含むことができる。
本発明の好ましい態様によれば、酸によりアルカリ可溶性になる繰り返し単位(A)、極性基含有脂環基を有する繰り返し単位(B)、および極性基を有する繰り返し単位(C)から選択される少なくとも2種の繰り返し単位を与えることができる単量体の重合工程には、ラジカル重合、カチオン重合、リビングアニオン重合、開環重合など、公知の総ての重合方法を適用することができる。
本発明の好ましい態様によれば、製造方法は、重合後、溶媒に再沈殿させるなどの公知の方法により、共重合体溶液を精製する工程を含むことができる。例えば、反応溶液を大量のトルエン中に滴下して、生成樹脂を析出(あるいは分離)させ、残モノマーおよび低分子量体を含むトルエン溶媒と分離する。続いて、樹脂をメタノールに溶解し、再度トルエンを加える操作を数回繰り返し、樹脂を精製する。このような一連の操作により、共重合体溶液から単量体や重合開始剤等の未反応物やオリゴマー等の低分子量成分を溶媒に抽出して除去することで、低分子量成分含有量の少ない、良好な特性のフォトレジストに適した樹脂を得ることができる。
本発明の好ましい態様によれば、製造方法は、共重合体溶液をフィルターでろ過して、金属イオン等を除去する工程を含むことができる。好ましくは、上記の精製工程後に脱メタル化を行うのが良い。精製された共重合体溶液を、脱メタルフィルターを用いて、金属イオン等を除去することで、半導体集積回路製造工程において、金属イオンによる汚染を抑制し、不良率を低減することができる。
本発明の製造方法は、共重合体を含水率が350ppm〜10質量%である溶液として保持する工程を含むものである。好ましい態様によれば、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、乳酸エチル(EL)、およびγ−ブチルラクトン等の溶媒を用いて調製した共重合体溶液に、水を適宜添加して、共重合体溶液の含水率を調節することができる。好ましくは精製工程、さらに脱メタル工程を経た共重合体溶液に水分添加を行うのがよい。水添加により、共重合体溶液の含水率を350ppm以上にすることで、共重合体の重量平均分子量の意図しない変動を制御することができる。また、共重合体の製造工程における重量平均分子量の変動幅を上下2%以内に制御することで、リソグラフィー工程での塗膜の均一性、アルカリ溶解速度、感度、解像度などについて望ましい性能を得ることができる。なお、重量平均分子量の変動幅とは、製造直後の共重合体の重量平均分子量に対する一定期間保存後(例えば、24時間保存後)の共重合体の重量平均分子量の変動率である。
本発明の好ましい態様によれば、感放射線性樹脂組成物は、酸の作用によりアルカリ可溶性になる共重合体と、感放射線性酸発生剤とを含むものであり、前記共重合体が、上記の製造方法により製造された共重合体である。本発明の製造方法により製造した共重合体を用いることで、安定した性能の感放射線性樹脂組成物を得ることができる。
下記のGPCおよび含水率の検査方法は以下のとおりである。
GPCにより測定した。分析条件は以下の通りである。
装 置:東ソー製GPC8220
検出器:示差屈折率(RI)検出器
カラム:昭和電工製KF−804L(×3本)
試 料:共重合体の粉体約0.02gをテトラヒドロフラン約1mlに溶解して測定用試料を調製した。GPCへの注入量は60μlとした。
共重合体溶液の含水率の測定には、カールフィッシャー式微水分測定装置AQ−7(平沼産業株式会社製)を使用した。
撹拌装置、温度検出装置、還流冷却器、2基の滴下装置、および窒素導入管を備えた重合装置に、パラヒドロキシスチレン(PHS)7.2g(0.06mol)のメタノール溶液21.6gと、メチルエチルケトン(MEK)32.2gとを導入し、滴下装置Aに、2−ヒドロキシアダマンチルメタクリレート8.9g(0.04mol)をメタノールに溶解した溶液(溶液A)26.7gを導入した。滴下装置Bには、重合開始剤ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(和光純薬工業製、V−601)0.23gと、連鎖移動剤t−ドデシルメルカプタン0.4gとをメタノールに溶解した溶液(溶液B)30gを導入した。重合装置内を窒素ガスで置換後、ヒドロキシスチレン(PHS)のメタノール溶液を80℃に昇温した。昇温された溶媒を撹拌下、滴下装置A、Bに保持された溶液A、Bを共に3時間掛けて滴下した。滴下後、同温度で3時間熟成した。
得られた共重合体溶液の含水率を5150ppmとした以外は、実施例1と同様にして共重合体溶液を保存した。保存した共重合体溶液の重量平均分子量の経時変化を測定した。結果を表1に示す。
得られた共重合体溶液の含水率を1.1質量%とした以外は、実施例1と同様にして共重合体溶液を保存した。保存した共重合体溶液の重量平均分子量の経時変化を測定した。結果を表1に示す。
得られた共重合体溶液の含水率を4.7質量%とした以外は、実施例1と同様にして共重合体溶液を保存した。保存した共重合体溶液の重量平均分子量の経時変化を測定した。結果を表1に示す。
2−ヒドロキシアダマンチルメタクリレートの代わりにヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカニルメタクリレート8.9gを用いた以外は実施例1と同様の操作により共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液に所定量の水を加え含水率を553ppmとした。共重合体溶液を各温度で保存し、重量平均分子量の経時変化を測定した。結果を表1に示す。
2−ヒドロキシアダマンチルメタクリレートの代わりにヒドロキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニルメタクリレート9.9gを用いた以外は実施例1と同様の操作により共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液に所定量の水を加え含水率を520ppmとした。共重合体溶液を各温度で保存し、重量平均分子量の経時変化を測定した。結果を表1に示す。
重合装置に、パラヒドロキシスチレン(PHS)4.8g(0.04mol)のメタノール溶液14.4gと、メチルエチルケトン(MEK)32.2gとを導入し、滴下装置Aに、2−ヒドロキシアダマンチルメタクリレート8.9g(0.04mol)およびt−ブチルアクリレート2.6g(0.02mol)をメタノールに溶解した溶液(溶液A)34.5gを導入した以外は実施例1と同様の操作により共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液に所定量の水を加えて、含水率を571ppmとした。共重合体溶液を各温度で保存し、重量平均分子量の経時変化を測定した。結果を表1に示す。
重合装置に、パラヒドロキシスチレン(PHS)7.2g(0.06mol)のメタノール溶液、21.6gと、メチルエチルケトン(MEK)32.2gとを導入し、滴下装置Aに、2−ヒドロキシアダマンチルメタクリレート4.4g(0.02mol)および2−メチルアダマンチルメタクリレート4.4g(0.02mol)をメタノールに溶解した溶液(溶液A)26.4gを導入した以外は実施例1と同様の操作により共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液に所定量の水を加え含水率を535ppmとした。共重合体溶液を各温度で保存し、重量平均分子量の経時変化を測定した。結果を表1に示す。
重合装置に、パラヒドロキシスチレン(PHS)4.8g(0.04mol)のメタノール溶液14.4gと、メチルエチルケトン(MEK)32.2gとを導入し、滴下装置Aに、2−ヒドロキシアダマンチルメタクリレート8.9gに代え、ヒドロキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニルメタクリレート7.4g(0.03mol)およびt−ブチルアクリレート 3.8g(0.04mol)メタノールに溶解した溶液(溶液A)33.6gを導入した以外は実施例1と同様の操作により共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液に所定量の水を加え含水率を512ppmとした。共重合体溶液を各温度で保存し、重量平均分子量の経時変化を測定した。結果を表1に示す。
脱メタル後に水を添加しない以外は実施例1と同様の操作により得られた共重合体溶液を各温度で保存し、重量平均分子量の経時変化を測定した。結果を表1に示す。
得られた重合体溶液の含水率を225ppmとした以外は、実施例1と同様にして共重合体溶液を保存した。保存した共重合体溶液の重量平均分子量の経時変化を測定した。結果を表1に示す。
脱メタル後に水を添加しない以外は実施例5と同様の操作により得られた共重合体溶液を各温度で保存し、重量平均分子量の経時変化を測定した。結果を表1に示す。
脱メタル後に水を添加しない以外は実施例6と同様の操作により得られた共重合体溶液を各温度で保存し、重量平均分子量の経時変化を測定した。結果を表1に示す。
脱メタル後に水を添加しない以外は実施例7と同様の操作により得られた共重合体溶液を各温度で保存し、重量平均分子量の経時変化を測定した。結果を表1に示す。
脱メタル後に水を添加しない以外は実施例8と同様の操作により得られた共重合体溶液を各温度で保存し、重量平均分子量の経時変化を測定した。結果を表1に示す。
脱メタル後に水を添加しない以外は実施例9と同様の操作により得られた共重合体溶液を各温度で保存し、重量平均分子量の経時変化を測定した。結果を表1に示す。
HA:ヒドロキシアダマンチルメタクリレート
PHS:パラヒドロキシスチレン
HTRCD:ヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカニルメタクリレート
HTECD:ヒドロキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニルメタクリレート
TBA:t−ブチルアクリレート
MAMA:2−メチルアダマンチルメタクリレート
Claims (11)
- 少なくとも2種の繰り返し単位を含む半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法であって、
前記共重合体を含水率が350ppm〜10質量%である溶液として保持する工程を有することを特徴とする、半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法。 - 前記共重合体の溶液の含水率が500ppm〜5質量%である、請求項1に記載の製造方法。
- 前記共重合体の製造工程における重量平均分子量の変動幅が上下2%以内である、請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記共重合体が、酸によりアルカリ可溶性になる繰り返し単位(A)、極性基含有脂環基を有する繰り返し単位(B)、および極性基を有する繰り返し単位(C)からなる群から選択される少なくとも2種の繰り返し単位を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記繰り返し単位(A)が、
構造式(A1):
構造式(A2):
構造式(A3):
からなる群から選択される少なくとも1種で表される構造を有するアルカリ可溶性置換基のヒドロキシ基および/またはカルボキシル基を、
構造式(a4):
構造式(a5):
で表される構造を有する酸解離性保護基で保護して形成した構造を有する、請求項4に記載の製造方法。 - 前記繰り返し単位(B)が、ヒドロキシ基により置換された有橋脂環基を有する、請求項4または5に記載の製造方法。
- 前記繰り返し単位(C)が、フェノール性ヒドロキシ基、カルボキシル基、およびヒドロキシフルオロアルキル基からなる群から選択される少なくとも1種の極性基を有する、請求項4〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記共重合体を化学修飾反応させることによって、前記繰り返し単位(B)を前記繰り返し単位(A)に変換する工程を有する、請求項4〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記化学修飾反応がアセタール化反応である、請求項8に記載の製造方法。
- 前記化学修飾反応がビニルエーテル化合物と酸触媒によるアセタール化反応である、請求項9に記載の製造方法。
- 酸の作用によりアルカリ可溶性になる共重合体と、感放射線性酸発生剤とを含む感放射線性樹脂組成物であって、
前記共重合体が、請求項1〜10のいずれか一項に記載の製造方法により製造された共重合体である、感放射線性樹脂組成物。
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